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原発性胆汁性胆管炎にオベチコール酸が有効/NEJM

 ファルネソイドX受容体作動薬のオベチコール酸(obeticholic acid)は、原発性胆汁性胆管炎(primary biliary cholangitis:PBC、原発性胆汁性肝硬変[primary biliary cirrhosis]から病名変更)に対し12ヵ月間の単独療法またはウルソデオキシコール酸(商品名:ウルソほか)との併用療法により、プラセボに比べアルカリホスタファーゼ(ALP)値と総ビリルビン値を有意に低下させることが認められた。ただし、重篤な有害事象はオベチコール酸投与群において高頻度であった。ベルギーのルーヴェン・カトリック大学病院のF. Nevens氏らが、オベチコール酸の第III相臨床試験であるPOISE(PBC OCA International Study of Efficacy)試験の結果、報告した。PBCではALP値やビリルビン値が、肝移植や死亡のリスクと相関することが知られている。これまではウルソデオキシコール酸(UDCA)で治療を行っても、肝硬変や死亡へ進行する可能性があった。NEJM誌2016年8月18日号掲載の報告。UDCA既治療PBC患者でオベチコール酸投与とプラセボ投与を比較 POISE試験は、PBCに対するオベチコール酸5mgまたは10mgの有効性および安全性を検討する無作為化二重盲検プラセボ対照第III相臨床試験で、13ヵ国59施設において実施された。 対象は、UDCAの効果不十分または副作用が許容できない18歳以上のPBC患者217例で、オベチコール酸10mg群、5~10mg群またはプラセボ群に、1対1対1の割合で割り付けられた。5~10mg群では、オベチコール酸5mgを6ヵ月間投与した後、効果が認められた場合に10mgへ増量した。 主要エンドポイントは、12ヵ月時にALP値がベースラインから15%以上低下し、かつ正常範囲上限の1.67倍未満、および総ビリルビン値が正常であることとした。主要エンドポイント達成率、オベチコール酸群46~47%、プラセボ群10% 解析対象(試験薬を1回以上投与された患者)は216例(女性91%、平均年齢56歳)で、このうち93%がベースライン時および試験期間中にUDCAの投与を受けていた。 主要エンドポイントの達成率は、5~10mg群46%、10mg群47%で、プラセボ群の10%より有意に高いことが認められた(両群ともp<0.001)。12ヵ月時におけるALP値のベースラインからの変化量(最小二乗平均値)は、5~10mg群-113U/L、10mg群-130U/L、プラセボ群-14U/Lで、ALP値の低下は両オベチコール酸群がプラセボ群より有意に大きかった(両群ともp<0.001)。 総ビリルビン値の低下も同様の結果であった(5~10mg群-0.02mg/dL、10mg群-0.05mg/dL vs.プラセボ群0.12mg/dL:両群ともp<0.001) ALP値がベースラインから15%以上低下した患者の割合は、オベチコール酸群がプラセボ群より有意に高値であった(5~10mg投与群77%、10mg投与群77% vs.プラセボ群29%:両群ともp<0.001)。 肝線維化の変化(非侵襲的評価)は、12ヵ月時で両オベチコール酸群ともプラセボ群と有意差はなかった。そう痒症は、オベチコール酸群で最も発現率が高い有害事象であった(5~10mg群56%、10mg群68% vs.プラセボ群38%)。重篤な有害事象の発現率は、5~10mg群16%、10mg群11%、プラセボ群4%であった。

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INTERSTROKE研究:脳卒中はどこまで予防できるか?(解説:有馬 久富 氏)-583

 INTERSTROKE研究は、脳卒中の危険因子を検討した大規模国際共同ケース・コントロール研究である。アジア、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、中東、アフリカの32ヵ国からリクルートされた、発症5日以内の急性期脳卒中患者1万3,447例と性・年齢をマッチしたコントロール1万3,472例を対象として、10の危険因子(高血圧、定期的な運動、アポリポ蛋白B/A1比、食習慣、ウエスト・ヒップ比、心理社会的要因、喫煙、心疾患、飲酒、糖尿病)が脳卒中発症に及ぼす影響を検討した。その結果、これらの危険因子の人口寄与危険割合(PAR)は90.7%であった。つまり、以前から知られている10の古典的危険因子を取り除く、あるいはきちんと治療することにより、現在起こっている脳卒中の約90%を予防できる可能性が示されたわけである。 INTERSTROKE研究は、脳卒中患者1万3,000例以上を対象とした非常に大規模な国際共同研究である。また、すべての国において標準化された方法で危険因子の調査が行われている。しかし、参加施設が脳卒中センターを有する病院に限定されているので、本研究のケースは各国の脳卒中患者を代表していないかもしれない。また、一部の施設でコントロールに入院・外来患者やその家族を用いているので、一般住民との比較とは言い難い。さらに、国ごとの対象者数や危険因子のばらつきが解析において考慮されていない。 前述のようなlimitationはあるものの、大規模な国際共同研究で古典的危険因子が脳卒中発症に及ぼす影響を明らかにした、INTERSTROKE研究の功績は大きい。 INTERSTROKE研究から得られた人口寄与危険割合(PAR)が、そのまま日本に当てはまるかどうかはわからないが、日本においてもすべての危険因子をコントロールすることで、脳卒中は激減するものと期待される。われわれ医療従事者および行政は、これら危険因子の未治療やコントロール不良を減らすよう最大限の努力をすべきであると考える。

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治療できるライソゾーム病 ―ムコ多糖症を見逃さないために―

ムコ多糖症(MPS:Mucopolysaccharidosis)とはムコ多糖症は、ムコ多糖を分解するライソゾーム酵素の欠損・活性低下を原因とする疾患で、骨関節や皮膚・結合組織、中枢神経、呼吸器、循環器など、さまざまな臓器・器官にムコ多糖が蓄積し、全身に多様な進行性の症状を呈する。欠損・活性低下する酵素により、I型、II型、III型、IV型、VI型、VII型、IX型の7つの病型に分けられ、病型により症状が異なる(V型、VIII型は欠番)。日本人では、II型が最も多く、次いでI型、III型が多い1)。ムコ多糖症は遺伝性疾患であり、II型(X染色体連鎖劣性遺伝)以外は常染色体劣性遺伝である。治療は、各症状に対する対症療法に加え、I型、II型、IVA型、VI型では、欠損している酵素を点滴静注で補充する酵素補充療法や造血幹細胞移植(HSCT:Hematopoietic Stem Cell Transplant)が行われる(2016年8月現在)。ムコ多糖症UPDATE.ムコ多糖症を疑う特徴的な症状ムコ多糖症は、病型により症状が異なり、同じ病型のなかでも重症から軽症まで幅広い症状を呈するため診断が難しいが、I型、II型、VI型は比較的類似しており、心弁膜症関節拘縮骨変形、低身長特徴的な顔貌(むくむくした顔)精神運動発達遅滞(VI型ではみられない)角膜混濁(II型ではみられない)広範で濃染な蒙古斑腹部膨満(肝臓・脾臓腫大)などの症状がみられる。これらの症状は重症例では顕著だが、軽症例ではすべてが認められるわけではなく、あっても軽度で見過ごされている可能性もある。ムコ多糖症の診断方法尿中GAG検査および血液による酵素活性測定は検査会社エスアールエルで検査可能上記のようなムコ多糖症を疑う症状や所見が認められた場合、1) 尿中のGAG(ムコ多糖:グリコサミノグリカンともいう)量を測定する。検体は50CCの随時尿注)。尿中のGAG量の増加により「ムコ多糖症」と診断されたら、2) 白血球または培養皮膚線維芽細胞による酵素活性測定により、病型を確定する注)乳児の場合は1回に採取できる尿量が少ないため、畜尿による検査で良い。ムコ多糖症は、患者数が少なく、疾患の存在があまり知られていないうえに、他の疾患と類似した症状や所見を示すことがあるため、診断がつかないまま適切な治療が受けられないでいる可能性がある。ムコ多糖症の患者さんの予後を考えるうえで、早期診断・治療はきわめて重要である。1)厚生労働省難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業). ライソゾーム(ファブリー病含む)に関する調査研究班

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長生きしても認知症にならないためにできること

 平均寿命が上昇し続けている現代社会において、晩年の認知機能低下や認知症を予防することができる修正可能なライフスタイルの要因を特定することは、老後の生活の質を維持するうえで重要である。英国・ノッティンガム大学のLauren A Yates氏らは、将来の認知症や認知機能障害のリスクと認知余暇活動について、システマティックレビュー、メタ解析を行った。International psychogeriatrics誌オンライン版2016年8月9日号の報告。 システマティックレビューで同定された論文のデータで5件のメタ解析が行われた。認知症や健忘型軽度認知機能障害(aMCI)、軽度認知機能障害(MCI)、認知機能低下を含む認知機能障害にグループ分けし、リスク比(RR)、オッズ比(OR)、ハザード比(HR)の算出を行った。 主な結果は以下のとおり。・包括基準と品質評価をみた研究は19件であった。・5件中4件のメタ解析で、認知余暇活動への参加と認知障害(OR:0.69、95%CI:0.56~0.85)や認知症(HR:0.58、95%CI:0.46~0.74、RR:0.61、95%CI:0.42~0.90、OR:0.78、95%CI:0.67~0.90)のリスク低下に有意な関連が認められた。・しかし、1つの認知障害研究のプール解析だけは、有意ではなかった(HR:0.85、95%CI:0.71~1.02)。・精神的に刺激する認知余暇活動は以下のさまざまな要因と関連していた。  晩年の認知機能(β=0.11、p=0.05)  良好な記憶(β=0.20、95%CI:0.11~0.29)  処理速度(β=0.37、95%CI:0.29~0.45)  実行機能(β=0.23、95%CI:0.15~0.29)  全体的な認知機能低下の少なさ(β=-0.23、p<0.01)  言語(β=-0.11、p<0.05)  実行機能(β=-0.13、p<0.05)・活動は、認知機能低下速度を減少させることが示唆された(推定値:0.03、SE:0.01、p=0.00)。 著者らは「認知刺激余暇活動への参加は、将来の認知症や認知機能障害リスク低下に寄与するとの報告が増加している。政府や保健サービスによる1次予防戦略にとって、生涯を通じたこのような活動に参加することは、重要な焦点であると考えられる」としている。関連医療ニュース 日本食は認知症予防によい:東北大 家庭の味が認知症ケアには必要 認知症への運動療法、効果はあるのか

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クロザピン誘発性代謝系副作用への有効な介入は

 クロザピン治療患者では、代謝系合併症がよく認められる。この問題の管理に関するレビューは、複数の異なる抗精神病薬により治療を受けた患者を対象とした研究において、薬剤をグループ化することにより見出された結果である。英国・ケンブリッジ大学のJorge Zimbron氏らは、クロザピン誘発性の肥満やメタボリックシンドロームに対する薬理学的、非薬理学的治療についてシステマティックレビューとメタ解析を行った。European neuropsychopharmacology誌2016年9月号の報告。 クロザピン誘発性の肥満やメタボリックシンドロームの治療に関する無作為化比較試験(RCT)を、2人の独立した研究者がPubMed、Embaseより検索を行った。すべての異なる薬剤による研究は除外し、クロザピン服用患者が50%以上のRCTは含んだ。 主な結果は以下のとおり。・15件のRCTが抽出された。・クロザピン誘発性の肥満やメタボリックシンドロームに対する効果的な薬物治療として、メトホルミン、アリピプラゾール、orlistat(男性のみ)が挙げられた。・3件のメタ解析研究より、メトホルミンが血糖値、トリグリセリド、HDLに影響することなく、BMI、腹囲を低下させることが示された。・クロザピン誘発性肥満に対するカロリー制限や運動などの非薬理学的介入の組み合わせ効果を示す研究は限られていた(ただし入院患者のみにおいて)。・他の抗精神病薬で治療された患者において有効性が報告されていたrosiglitazone、topiramate、sibutramine、phenylpropanolamine、モダフィニル、アトモキセチンは、有用であることが示されなかった。関連医療ニュース クロザピン誘発性好中球減少症、アデニン併用で減少:桶狭間病院 オランザピンの代謝異常、アリピプラゾール切替で改善されるのか 抗精神病薬誘発性の体重増加に関連するオレキシン受容体治療抵抗性統合失調症は、クロザピンに期待するしかないのか

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冠動脈疾患と脳卒中、死亡率と発症率に関連あり:JPHC研究

 わが国の多目的コホート研究(JPHC Study)が各地域の冠動脈疾患および脳卒中の発症率と死亡率の関連を検討した結果が、International Journal of Cardiology誌オンライン版2016年7月30日号に掲載された。 心疾患の疾病負荷を推定するうえで発症率に関する情報が重要であるが、死亡率の測定が発症率の予測に有用であるかについては明らかではなかった。同研究班の斉藤 功氏らは、40~59歳の男女計9万4,657人が参加した1990~2010年(平均追跡期間18.5年)の8地域のコホートを対象に、冠動脈疾患および脳卒中の発症率と死亡率を検討した。 その結果、両疾患の死亡率と発症率に高い関連性があることが認められた。ポアソン回帰モデルを用いて、それぞれの男女別の発症率/死亡率の比率を検討したところ、冠動脈疾患の男性が2.06(95%CI:1.56~2.73)、女性が1.41(95%CI:1.01~1.95)、脳卒中の男性が3.99(95%CI:3.32~4.80)、女性が4.44(95%CI:3.73~5.29)であった。8地域の比率に著しい地理的変異はみられなかった。 これにより、人口動態統計に基づく死亡率から、冠動脈疾患や脳卒中の発症率予測が可能であることが明らかになった。報告者らは、冠動脈疾患や脳卒中による死亡率が高い地域ほど、冠動脈疾患予防に積極的に取り組む必要があるという結論を示している。(ケアネット 河野 祐子)詳細はこちら国立研究開発法人国立がん研究センター 多目的コホート研究(JPHC study)「心筋梗塞と脳卒中の死亡率と発症率の関連について」

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てんかん患者の自動車運転、世間の意識は:愛知医大

 愛知医科大学の奥村 彰久氏らは、非医学生を対象に、てんかん患者の自動車運転に関するメディア論争前後のてんかんや免許証発行に対する意識についての知識を比較した。Pediatrics international誌オンライン版2016年7月29日号の報告。 調査は、2012年と2014年に構造化された質問票を用いて実施された。対象者は、小児神経疾患についての講義に出席した非医学生。各質問に対する肯定的な割合を比較した。また、運転免許証に対する意識に関する質問は、てんかん患者が関連する自動車事故の知識に応じて比較した。 主な結果は以下のとおり。・2012年に比べ2014年のほうが、てんかんをよく知っている調査参加者が多く、好意的な印象を持っていた。・対照的に、てんかん患者が関連する自動車事故を知っていた参加者は、2012年と比較し2014年では減少していた。・てんかん患者が事故の原因となった場合、厳罰が与えられるべきであると考えない参加者の割合は、患者の自動車事故の知識がなかったとしても、2014年では減少していた。 結果を踏まえ、著者らは「てんかん患者に対する理解や意識は改善された。その一方で、自動車事故を知らない参加者における処罰への肯定的回答の減少は、社会意識の悪化が潜んでいることを示唆している」としている。関連医療ニュース てんかんドライバーの事故率は本当に高いのか 認知症ドライバーの運転能力、どう判断すべきか 睡眠薬使用は自動車事故を増加させているのか

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新薬と医療経済―PCSK9は安いか?高いか?(解説:平山 篤志 氏)-582

 スタチンに併用することで、LDLコレステロールをさらに低下させるPCSK9阻害薬が発売され、次の点から注目されている。 1つは、スタチン使用下で70%以上LDL-コレステロールを低下させるという驚異的な効果、次に、PCSK9阻害薬(レパーサ皮下注140mgシリンジ)の薬価が 2万2,948円(1ヵ月4万5,896円、年間約55万円)と高価なことである。 コレステロール低下薬であるが、効果としては心血管事故の予防目的であることから、直接的な治療薬でなく、かつ長期間使用される薬剤であるため、これまでの抗がん剤や抗リウマチ薬とは違う意味を持つ生物製剤である。そのため、薬価としては高いのか?安いのか?が医療経済の面から評価される必要があった。 本論文では、米国で発売されている抗PCSK9抗体薬の価格が年間1万4,350ドルで、35歳から74歳までの家族性高コレステロール血症(FH:familial hypercholesterolemia)のヘテロ接合体患者(hFH)と、ハイリスクの心血管疾患患者(ASCVD:atherosclerotic cardiovascular disease)すべてに投与した場合、心血管イベントを予防する効果とそれに伴って節約できる価格を比較している。 hFHでは、1クエリ50万3,000ドル、ASCVDでは41万4,000ドルで、通常米国で受け入れられる1クエリ10万ドルをはるかに超えることになる。さらに、hFHでLDLコレステロール値の高値の患者、あるいは急性冠症候群発症患者のみに限定してもコストには見合わないとし、少なくとも3分の2以上の価格の低減が必要であると結論している。 わが国で発売された本剤は、ちょうど本論文の提示する価格ではある。ただ、わが国のイベント発生頻度を考慮すると、やはり現状では経済効果があるとは考えにくい。この薬剤を活かすには、よりハイリスクの患者を見出す工夫が必要であろう。ただ、この論文で記載されているように、抗PCSK9抗体の効果については、まだ十分なデータが出ているわけではない。今後発表されるFOURIER試験やODESSAY outcomes試験の結果での有効性、さらに長期的な安全性が示されることが必須である。今後明らかにされるCRTの結果で、真にこの薬剤のベネフィットのある患者さんを選別することができるかどうかで、薬価の結論を導き出せるかもしれない。

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ESC 2016 注目の演題

2016年8月27~31日、イタリア・ローマでESC(欧州心臓病学会)2016が開催されます。ケアネットでは、聴講スケジュールを立てる際の参考にしていただけるよう注目演題に関するアンケートを実施しましたので、その結果を学会開催前にご紹介します。また、ローマのおすすめスポットについても、会員の方々から情報をお寄せいただきました。併せてご活用ください。ローマのおすすめスポットはこちらイタリア留学経験のある循環器内科医が選ぶESC 2016注目の演題はこちら※演題名および発表順は、8月12日時点でESC 2016ウェブサイトに掲載されていたものです。当日までに発表順などが変更となる可能性がございますのでご注意ください。Clinical Trial Update coronary artery diseaseChairperson: Stephan ACHENBACH8/29(月)14:00 - 15:30、Forum - The Hub1.5-year outcomes after implantation of biodegradable polymer-coated biolimus-eluting stents versus durable polymer-coated sirolimus-eluting stents in unselected patients2.A life-time perspective on the effects of an early invasive compared with a non-invasive treatment strategy in patients with non-ST-elevation acute coronary syndrome - the FRISC II 15 years follow-up3.10-year follow-up of clinical outcomes in a randomized trial comparing routine invasive versus selective invasive management in patients with non ST-segment elevation acute coronary syndrome.4.Comparative Efficacy of Coronary Artery Bypass Surgery Versus Percutaneous Coronary Intervention in Diabetic Patients with Multivessel Coronary Artery Disease With or Without Renal Dysfunction5.The effect of CABG by age in patients with heart failure: 10 year follow data from the STICHES study6.ABSORB Japan: 2-year clinical results from a randomized trial evaluating the Absorb Bioresorbable Vascular Scaffold vs. metallic drug-eluting stent in de novo native coronary artery lesionsQ. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するHot Line coronary artery disease and imagingChairpersons: Fausto Jose PINTO, Michael HAUDE8/29(月)16:30-18:00、Rome - Main Auditorium1.CONSERVE - Direct catheterization versus selective catheterization guided by Coronary Computed Tomography in patients with stable suspected Coronary Artery Disease2.DOCTORS - Does Optical Coherence Tomography Optimise Results of Stenting?3.CE-MARC 2 - A randomized trial of 3 diagnostic strategies in patients with suspected coronary heart disease.4.PACIFIC trial - Head-to-head comparison of coronary CT angiography, myocardial perfusion SPECT, PET, and hybrid imaging for diagnosis of ischemic heart disease5.AMERICA - Systematic detection and management of multivascular involvement of atherothrombosis in coronary patients in comparison with treatment of coronary disease onlyQ. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するRegistries coronary artery disease, stroke and interventionChairperson: Elliott ANTMAN, Leonardo BOLOGNESE8/29(月)16:30-18:00、Sarajevo - Village 21.SWEDEHEART: Stent thrombosis and all-cause mortality in bivalirudin and heparin treated ST-elevation myocardial infarction patients undergoing primary percutaneous intervention2.Feasibility and safety of direct catheter-based thrombectomy in the treatment of acute ischemic stroke. Prospective registry PRAGUE-163.Quality Indicators for Acute Myocardial Infarction: rate of implementation and relation with 3 year survival. A study using data from the nationwide FAST-MI 2005 and FAST-MI 2010 registries4.Modulators of the response to CRT in international practice: the ADVANCE CRT registry5.ELECTRa (European Lead Extraction ConTRolled) Registry: a deeper snapshot on transvenous lead extraction in europe6.Two year prospective follow up of patients treated with dabigatran etexilate for stroke prevention in non-valvular atrial fibrillation: The GLORIA-AF RegistryQ. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大するHot Line coronary artery disease and stentingChairpersons: Steen Dalby KRISTENSEN, Andreas BAUMBACH8/30(火) 11:00-12:30、Rome - Main Auditorium1.NorStent - Comparison of long term effects of new generation DES vs contemporary BMS on mortality, morbidity, revascularization, and quality of life2.BASKET-SAVAGE - Drug-eluting vs. bare metal stents in saphenous vein grafts3.PRAGUE -18 - Randomized comparison of ticagrelor versus prasugrel in ST elevation myocardial infarction4.Can patients with acute coronary syndromes caused by plaque erosion be treated with anti-thrombotic therapy without stenting?5.BBK II trial - Culotte versus T-stenting for treatment of coronary bifurcation lesionsQ. 上記のうち、注目している演題は?(複数回答可、n=100)画像を拡大する欧州留学経験のある循環器内科医が選ぶESC 2016の注目演題ESC 2016開催に当たり、欧州留学経験のある循環器内科臨床医、大野 洋平氏が注目の演題を厳選して紹介する。ESCならではの循環器領域の多岐にわたる興味深い臨床研究が幾つもあり、会場でのdiscussionも含めて非常に楽しみである。まずは、ABSORB Japanの2年フォローアップの臨床結果に注目したい。ABSORB Japanは、薬剤溶出性生体吸収スキャフォールドAbsorbと第3世代薬剤溶出性ステントXienceの無作為化比較試験であり、昨年ロンドンで開催されたESC 2015のLate Breakingで1年フォローアップのデータが発表された。現在、スキャフォールド血栓症が話題であるが、本試験でのVery Late Scaffold Thrombosisが比較対象のXience 群と比べてどうだったのか、非常に気になるところである。血管内イメージング王国である日本では、IVUSあるいはOCTガイドによるPCIが日常臨床で行われている。しかし、OCTガイドPCIがはたして良好な治療転帰につながるかという明確な答えはまだ存在しない。今回のHot Lineでは、OCTはPCIの治療成績を最適化するか?という命題に答えを出すべく、フランスの多施設で実施されているDOCTORS(NCT01743274)試験の結果が発表される。非ST上昇型急性冠症候群の患者を「通常透視のみ使用群」と「OCTガイド群」に無作為に割り付け、DESあるいはBMSを留置するというもので、ステント留置後にFFRを評価する1次エンドポイントが特徴の試験である。半年後の有害心イベント(死亡、心筋梗塞の再発、ステント血栓症、標的血管血行再建)と併せて結果を確認したい。金属ステントだけでなく、BRSも入ってくるともっと面白いのだが。“Hot Line coronary artery disease and stenting”のセッションでは、“Can patients with acute coronary syndromes caused by plaque erosion be treated with anti-thrombotic therapy without stenting?”という演題に注目したい。近年、急性冠症候群を呈した患者の血管内イメージングにて、“plaque erosion”というplaque ruptureは来していないが病変に血栓を伴う症例が報告されるようになり、ステントを留置せず、抗血小板療法や抗凝固療法といった抗血栓療法のみで加療が可能ではないかという議論がある。こういった病変に対して金属ステントを留置することなく、抗血栓療法のみで安全に加療できるのであれば、非常に意義のあることだと考える。それを裏付ける結果が得られるかどうか、楽しみである。TAVI関連の臨床試験は今回あまり多くはないようだが、SENTINEL(NCT02214277)試験に注目したい。TAVIの合併症の1つに脳梗塞がある。幸い、後遺症を残すようないわゆるdisabling strokeに臨床で遭遇することはあまりないが、もちろん可能であれば予防したい。ちなみに、最新の自己拡張型生体弁であるMedtronic社のEvolut Rを使用した臨床試験(Evolut R CE Study)では、30日のdisabling strokeはなんと0%。より太いシステムであるEdwards Lifesciences社のSapien 3を使用した臨床試験(PARTNER II S3 Trial)でも0.9%と非常に良好な成績が報告されている。本試験で使用する脳梗塞予防デバイスはClaret Medical社のSentinelという脳保護システムである。右橈骨動脈よりアプローチして、右腕頭動脈および左総頸動脈にフィルターをかけるデバイスである。日本人オペレーターであれば、フィルターの留置に難渋することは少ないと思われるが、処置時間が短くなってきた現在のTAVIという治療の中では、やはり時間のかかる操作になる。筆者もイタリアで使用経験があるが、時間がかかるわりに効果はどうなのか、という印象がある。脳梗塞ハイリスクの一部の患者のみをターゲットにすれば有用である可能性はあるが、少なくとも全例に使用するデバイスではないと考える。どういった結果が出るのか、注目したい。

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ESC 2016開催地、ローマのおすすめスポット

ケアネットでは、学会に参加しながら歴史と芸術の都ローマを十分に楽しんでいただけるよう、会員の方々から募集したおすすめの観光名所、レストランなどの情報をご紹介します。また、イタリア留学経験のある大野 洋平氏(東海大学医学部内科学系 循環器内科学)に、ローマの“外せない”観光名所やおすすめのレストラン、さらに学会期間中に活躍しそうなイタリア語フレーズを教えていただきました。ぜひご活用ください。ESC 2016 注目の演題はこちら大野氏のおすすめはこちらローマ中心部から学会会場への移動学会会場のFiera di Romaは、フィウミチーノ空港から電車(FR1)で2駅(約5km)、ローマ市内中心部から約25kmのところにあります。市内中心部から会場へ向かう場合、Termini 駅から地下鉄でPiramide 駅へ、Piramide駅から徒歩でOstiense駅へ移動し、Ostiense駅から電車(FR1)に乗り換えてFiera Di Roma駅で下車します(所要時間約40分)。タクシーを利用する場合も同じく40分ほどかかるようです。名所旧跡ローマには多くの名所旧跡がありますが、とくに古代遺跡や映画「ローマの休日」に登場する観光スポットについての投稿を数多く頂きました。コロッセオ Colosseo絶対に外せない観光スポットの1つが、世界遺産の「コロッセオ」。常時観光客でごった返し、入場にかなり並びます。フォロ・ロマーノ、パラティーノの丘で共通チケットを購入または事前にネット予約しておくか、バスや地下鉄が乗り降り自由で美術館・遺跡の入場が割引になる「ローマパス」を持っているかするとスムーズに入れます。入場口では、入場券を持っている人は左レーンに並びます。右レーンは入場券を買う人で、いつも長い行列ができているのでご注意を。[アクセス] 地下鉄B線Colosseo駅スペイン広場 Piazza di Spagnaご存じスペイン広場です。映画「ローマの休日」で有名になったスペイン階段ですが、8月に入っても修復工事が続き閉鎖されていたようです。確認してから行かれたほうがよいかもしれません。ちなみに、修復が終わっていても、映画のオードリー・ヘップバーンのように階段でジェラートを食べることは文化遺産の保護のため禁止されていますので念のため。[アクセス] 地下鉄A線Spagna駅トレビの泉 Fontana di Treviローマに来たら必ず訪れたい場所ですね。この泉、古代の水道の終点だったそうです。いつも地下鉄の駅からたくさんの人が歩いていきますが、住宅地の中に突然姿を現します。スリにはくれぐれも注意。[アクセス] 地下鉄A線Barberini駅ナヴォーナ広場 Piazza Navonaローマで最も美しい広場だと言われています。ベルニーニの彫刻「四大河の噴水」とボッロミーニ設計の「サンタニェーゼ教会」が見どころ。[アクセス] トレビの泉から徒歩12分真実の口 Bocca della Verità「日本で有名なわりに、結構わかりづらい場所にあり、看板も出ていない」(Iicchhyy)地下鉄の駅を下車してすぐに見える古代ローマ遺跡、チルコ・マッシモに沿って真っ直ぐ。徒歩約10分。[アクセス] 地下鉄B線Circo Massimo駅トッレ・アルジェンティーナ広場 Largo di Torre Argentina共和制ローマ時代の遺跡の中に捨て猫の保護センターがあるので、別名“cat sanctuary”と呼ばれ、猫のパラダイスになっています。猫好きの先生はぜひ。[アクセス] バス停「Via Torre Argentina」下車すぐサンタンジェロ城 Castel Sant'Angeloテラスから、サン・ピエトロ大聖堂やローマの街並みが一望できます。ライトアップされた姿が美しいので、夕暮れ後の散歩もおすすめです。[アクセス] 地下鉄A線Lepanto駅から徒歩15分バチカン美術館バチカン市国には、バチカン博物館、サン・ピエトロ大聖堂など見どころがたくさんあります。バチカン市国全体が神聖な場所ですから、美術館入場の際にも服装チェックがあります。人気スポットだけあって、入場には行列覚悟です。訪れる方は、事前にネット予約をしていくのがおすすめです。[アクセス] 地下鉄A線Cipro駅サン・ピエトロ大聖堂 Basilica di San Pietro大聖堂のクーポラ(ドーム)に上れることをご存じですか。途中までエレベータを使っても320段の階段を上らなければならないのですが、頂上からの眺めは最高です。[アクセス] 地下鉄A線Ottaviano駅ヴェネト通り Via Venetoローマ一美しいと言われる通りで、フェデリコ・フェリーニ監督の60年代の名画「甘い生活」の舞台となった場所です。ローマの町の喧騒とは別世界、落ち着いた雰囲気で、高級なホテルや店が並んでいます。この通りの終点にはボルゲーゼ公園(Villa Borghese)があります。ここもローマとは思えないほど緑に囲まれた公園で、週末にはジョギングやサイクリングを楽しむ人で賑わいます。ジョガーの先生におすすめの場所です。[アクセス] 地下鉄A線Barberini駅ローマの骸骨寺 Santa Maria della Conceziones「骸骨寺(サンタマリアデッラコンツィオーネ)、ヴェネト通り沿い地下鉄駅近く。人骨シャンデリア、壁面飾りあり、一見の価値あり」(まつがえ)[アクセス] 地下鉄A線Barberini駅レストランさすが食の国イタリア、どこに行ってもおいしいものが食べられます。La Carbonaraローマのパスタといえば、カルボナーラ。こちらは1906年創業、なんとカルボナーラ発祥のお店とか。[アクセス] Roma Termini駅Ristorante Vecchia Romaローマパスタの1つ、豚のほお肉とトマトソースのアマトリチャーナが味わえます。この店では樽型のチーズにパスタをいれてチーズを絡めます。チーズ好きな方におすすめです。[アクセス] 地下鉄A線Vittorio Emanuele駅Ristorante Tullio素材を活かした料理が評判の老舗レストラン。白トリュフのパスタ、ボンゴレ、Tボーンステーキなどが人気のようです。ただし、とても混んでいますので、事前予約が必須です。[アクセス] 地下鉄A線Barberini駅ちょっと変わったお土産万年筆イタリアは万年筆が安く手に入ります。ものによっては日本の半額近いものも。トレビの泉近くのNovelli では、デルタ、ヴィスコンティなどのイタリア製はもちろん、モンブランやウォーターマンなど海外メーカーの万年筆も取り扱っています。小さなお店ですが、接客も丁寧で値引きもしてくれます。見つけにくい場所にありますので、地元の方に聞きながら行かれるとよいと思います。Novelli[アクセス] 地下鉄A線Barberini駅イタリア食材老舗の食料品店Volpettiには、チーズ、トリュフ塩、ソーセージにバルサミコ酢、オリーブオイルなど、おいしいイタリア食材が選ぶのに迷うほどあります。お店の方も親切で、いろいろ味見させてくれます。いずれも日本では味わえない味です。日曜定休、昼休みも長めなので、しっかり調べてから行かれたほうがよさそうです。Volpetti[アクセス] 地下鉄B線Piramide駅スリにご用心風光明媚なローマですが、スリの被害が後を絶たないようです。とくに地下鉄を利用するときは注意。乗り降りの際、混雑に紛れて不自然に体を押し付けてきたり、子供が後ろからついて来て、バッグに手を入れ財布などを盗むといった手口が多いそうです。また、アンケートや物乞いも要注意。複数人で話しかけてきて、気をとられている間に、別の人間が財布を抜くという手口もあるそうです。大野氏のおすすめおすすめスポット今回のESC 2016は、ローマで開催されるから、頑張って演題を出してローマに行きたい!とモチベーションの上がった先生方も多いのではないだろうか。何を隠そう、自分もそのうちの1人である。ヨーロッパはもちろんのこと、シベリア鉄道を使ってのユーラシア大陸横断、中国シルクロードの旅、タイ・ミャンマー・カンボジアの秘境訪問など、学生時代はバックパッカーをやっていたので、それなりにいろいろな街・歴史遺産を見てきたつもりではあるが、やはりローマは別格である。初めて訪れたときの感動はいまだに忘れられない。容易に古代ローマ時代にタイムスリップさせてくれる街、それがローマである。純粋に、歴史遺産や美術館を訪れるもよし、あるいは、「ローマの休日」、「ダ・ヴィンチ・コード」などの映画をテーマに、さらには自分も大好きな塩野七生さんの著書「ローマ人の物語」に思いを馳せながら周ってみるのもいいだろう。前述の通り、ローマはどこを歩いても絵になる、そんな街である。特別な場所に行かなくても特別な気分に浸ることができる。強いて自分の中の「ここは外せない3ヵ所」を挙げるとしたら、以下になるであろう。La Cappella Sistina del Vaticano(バチカン市国内のシスティーナ礼拝堂)キリスト教の総本山であるバチカン市国内にある世界的に有名な礼拝堂である。ローマ法王の公邸、バチカン宮殿に位置する。ミケランジェロやボッティチェリら、ルネサンス時代の巨匠による内装は圧巻である。なかでも最も有名なのが、システィーナ礼拝堂の天井画「アダムの創造」である。16世紀に曲面の天井に描かれたものであることを考えると、ただただ驚異的である。そして、システィーナ礼拝堂の主祭壇の背側に位置する同じくミケランジェロの「最後の審判」も必見である。システィーナ礼拝堂の後は、出口に向かわず、礼拝堂の右奥にある扉から出ると、サン・ピエトロ大聖堂に直結しているので、こちらもお見逃しなく!今回のESCには何とローマ法王もいらっしゃるというニュースが入ってきた。そういう意味でも、ここは外せないNo. 1スポットであろう。Foro Romano(フォロ・ロマーノ)ここはローマの中でも「古代」ローマ時代の遺跡の集まるところである。一度も訪れたことのない人も、必ずやテレビの世界紀行のような番組で見たことはあるだろう。言い伝えによると、ロムルスとレムス兄弟に率いられたラテン人がローマを建設したのが、紀元前753年頃と言われている。日本の縄文時代に当たる頃である。素晴らしい景観と雰囲気が味わえるが、8月のローマは暑いので、日中はあまりおすすめしない。早朝ないしは日没後の散歩やジョグを楽しむとよいかもしれない。Colosseo(コロッセオ)フォロ・ロマーノ内のメインストリートであるVia Sacra(聖なる道)を進んでいくと、言わずと知れたコロッセオに到着する。中を見たい!という強い希望があるのであれば別だが、意外と間近よりも遠目から眺めるのがよいかもしれない。その場合は、Monumento a Vittorio Emanuele II(ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念講堂)の上に上がって眺めるのが最高だろう。コロッセオだけでなく、フォロ・ロマーノ、サン・ピエトロ大聖堂まで見渡せる結構穴場的スポットである。レストランさて、観光よりも食事という人も多いであろう。まず、押さえておきたいのが、Trastevereというテヴェレ川の西側に位置するエリアとその向かいに当たるTestaccioというエリアである。いずれも、おいしいtrattoria、ristoranteなど食事処が多い。また、食事の時間帯以外であれば、barに気軽に立ち寄り、本場のespressoを頂きたい。Felice(Via Mastro Giorgio 29、+39 065746800)ローマに来たからにはローマ料理を存分に頂きたい。ここは地元にも愛されるトラットリア。どの料理もおいしいが、とくにローマで有名な“Cacio e Pepe”という胡椒とチーズのパスタがローマ随一と言われている。Grazia & Graziella(Largo M.D. Fumasoni Biondi 5、+39 065880398)カルボナーラは好きですか? おそらく嫌いという人の方が少ないのではないだろうか。カルボナーラはローマの料理。もし絶品と言われるカルボナーラを食べてみたいのであれば、ここに行くのがよい。それ以外の料理も好評。Dar Poeta(Vicolo del Bologna 45、+39 06 5880516)ここは「ピザ派」の人にぴったりの場所。ここのピザはローマの地元の人々にも大人気。イタリア語フレーズ最後に、学会期間中に活躍しそうなイタリア語フレーズを幾つか紹介しておこう。Il conto, per favore.(イル コント ペル ファヴォーレ)「お会計お願いします」トラットリアやレストランでお会計をお願いするときの掛け声。Dov'è il bagno?(ドヴェ イル バーニョ?)「お手洗いはどこですか?」旅行中のトイレエマージェンシーに備えておこう。Vorrei andare a 〜.(ヴォレイ アンダーレ ア 〜)「~に行きたいです」タクシーを拾ってどこか行きたいときに使えるフレーズ。Vorrei andare a Fiera di Roma.「Fiera di Roma(学会場)に行きたいです」やVorrei andare al Colosseo.「コロッセオに行きたいです」など。イタリア人はとにかくおしゃべり好きなので、お店ではぜひ、Buon giorno!「こんにちは」やBuona sera!「こんばんは」、Grazie mille!「どうもありがとうございます」などと声を出してみよう。

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海外学会開催地オススメ情報「ローマ」

ケアネットでは、学会に参加しながら歴史と芸術の都ローマを十分にお楽しみいただくため、会員の方々から現地の名所、おすすめのレストラン情報などを募集しましたので、ここでご紹介します。※掲載されている情報は2016年8月時点のものです。名所ローマには多くの名所旧跡がありますが、とくに古代遺跡や映画「ローマの休日」に登場する観光スポットについての投稿を数多く頂きました。コロッセオ Colosseo絶対に外せない観光スポットの1つが、世界遺産の「コロッセオ」。常時観光客でごった返し、入場にかなり並びます。フォロ・ロマーノ、パラティーノの丘で共通チケットを購入または事前にネット予約しておくか、バスや地下鉄が乗り降り自由で美術館・遺跡の入場が割引になる「ローマパス」を持っているかするとスムーズに入れます。入場口では、入場券を持っている人は左レーンに並びます。右レーンは入場券を買う人で、いつも長い行列ができているのでご注意を。中を見たい!という強い希望があるのであれば別ですが、意外と間近よりも遠目から眺めるのがよいかもしれません。その場合は、Monumento a Vittorio Emanuele II(ヴィットリオ・エマヌエーレ2世記念講堂)の上に上がって眺めるのが最高でしょう。コロッセオだけでなく、フォロ・ロマーノ、サン・ピエトロ大聖堂まで見渡せる結構穴場的スポットです。[アクセス] 地下鉄B線Colosseo駅Colosseo(コロッセオ)スペイン広場 Piazza di Spagnaご存じスペイン広場です。映画「ローマの休日」で有名になったスペイン階段ですが、8月に入っても修復工事が続き閉鎖されていたようです。(2016年9月ごろに完工)確認してから行かれたほうがよいかもしれません。ちなみに、修復が終わっていても、映画のオードリー・ヘップバーンのように階段でジェラートを食べることは文化遺産の保護のため禁止されていますので念のため。[アクセス] 地下鉄A線Spagna駅トレビの泉 Fontana di Treviローマに来たら必ず訪れたい場所ですね。この泉、古代の水道の終点だったそうです。いつも地下鉄の駅からたくさんの人が歩いていきますが、住宅地の中に突然姿を現します。スリにはくれぐれも注意。[アクセス] 地下鉄A線Barberini駅ナヴォーナ広場 Piazza Navonaローマで最も美しい広場だと言われています。ベルニーニの彫刻「四大河の噴水」とボッロミーニ設計の「サンタニェーゼ教会」が見どころ。[アクセス] トレビの泉から徒歩12分真実の口 Bocca della Verità「日本で有名なわりに、結構わかりづらい場所にあり、看板も出ていない」(Iicchhyy)地下鉄の駅を下車してすぐに見える古代ローマ遺跡、チルコ・マッシモに沿って真っ直ぐ。徒歩約10分。[アクセス] 地下鉄B線Circo Massimo駅トッレ・アルジェンティーナ広場 Largo di Torre Argentina共和制ローマ時代の遺跡の中に捨て猫の保護センターがあるので、別名“cat sanctuary”と呼ばれ、猫のパラダイスになっています。猫好きの先生はぜひ。[アクセス] バス停「Via Torre Argentina」下車すぐサンタンジェロ城 Castel Sant'Angeloテラスから、サン・ピエトロ大聖堂やローマの街並みが一望できます。ライトアップされた姿が美しいので、夕暮れ後の散歩もおすすめです。[アクセス] 地下鉄A線Lepanto駅から徒歩15分バチカン美術館バチカン市国には、バチカン博物館、サン・ピエトロ大聖堂など見どころがたくさんあります。バチカン市国全体が神聖な場所ですから、美術館入場の際にも服装チェックがあります。人気スポットだけあって、入場には行列覚悟です。訪れる方は、事前にネット予約をしていくのがおすすめです。[アクセス] 地下鉄A線Cipro駅サン・ピエトロ大聖堂 Basilica di San Pietro大聖堂のクーポラ(ドーム)に上れることをご存じですか。途中までエレベータを使っても320段の階段を上らなければならないのですが、頂上からの眺めは最高です。[アクセス] 地下鉄A線Ottaviano駅ヴェネト通り Via Venetoローマ一美しいと言われる通りで、フェデリコ・フェリーニ監督の60年代の名画「甘い生活」の舞台となった場所です。ローマの町の喧騒とは別世界、落ち着いた雰囲気で、高級なホテルや店が並んでいます。この通りの終点にはボルゲーゼ公園(Villa Borghese)があります。ここもローマとは思えないほど緑に囲まれた公園で、週末にはジョギングやサイクリングを楽しむ人で賑わいます。ジョガーの先生におすすめの場所です。[アクセス] 地下鉄A線Barberini駅ローマの骸骨寺 Santa Maria della Conceziones「骸骨寺(サンタマリアデッラコンツィオーネ)、ヴェネト通り沿い地下鉄駅近く。人骨シャンデリア、壁面飾りあり、一見の価値あり」(まつがえ)[アクセス] 地下鉄A線Barberini駅La Cappella Sistina del Vaticano(バチカン市国内のシスティーナ礼拝堂)キリスト教の総本山であるバチカン市国内にある世界的に有名な礼拝堂です。ローマ法王の公邸、バチカン宮殿に位置します。ミケランジェロやボッティチェリら、ルネサンス時代の巨匠による内装は圧巻です。なかでも最も有名なのが、システィーナ礼拝堂の天井画「アダムの創造」。16世紀に曲面の天井に描かれたものであることを考えると、ただただ驚異的です。そして、システィーナ礼拝堂の主祭壇の背側に位置する同じくミケランジェロの「最後の審判」も必見。システィーナ礼拝堂の後は、出口に向かわず、礼拝堂の右奥にある扉から出ると、サン・ピエトロ大聖堂に直結しているので、こちらもお見逃しなく!Foro Romano(フォロ・ロマーノ)ここはローマの中でも「古代」ローマ時代の遺跡の集まるところです。一度も訪れたことのない人も、必ずやテレビの世界紀行のような番組で見たことはあるでしょう。言い伝えによると、ロムルスとレムス兄弟に率いられたラテン人がローマを建設したのが、紀元前753年頃と言われています。日本の縄文時代に当たる頃です。素晴らしい景観と雰囲気が味わえますが、8月のローマは暑いので、日中はあまりおすすめしません。早朝ないしは日没後の散歩やジョグを楽しむとよいかもしれません。レストランさすが食の国イタリア、どこに行ってもおいしいものが食べられます。La Carbonaraローマのパスタといえば、カルボナーラ。こちらは1906年創業、なんとカルボナーラ発祥のお店とか。[アクセス] Roma Termini駅Ristorante Vecchia Romaローマパスタの1つ、豚のほお肉とトマトソースのアマトリチャーナが味わえます。この店では樽型のチーズにパスタをいれてチーズを絡めます。チーズ好きな方におすすめです。[アクセス] 地下鉄A線Vittorio Emanuele駅Ristorante Tullio素材を活かした料理が評判の老舗レストラン。白トリュフのパスタ、ボンゴレ、Tボーンステーキなどが人気のようです。ただし、とても混んでいますので、事前予約が必須です。[アクセス] 地下鉄A線Barberini駅Felice(Via Mastro Giorgio 29、+39 065746800)ローマに来たからにはローマ料理を存分に頂きたいですね。ここは地元にも愛されるトラットリア。どの料理もおいしいですが、とくにローマで有名な“Cacio e Pepe”という胡椒とチーズのパスタがローマ随一と言われています。Grazia & Graziella(Largo M.D. Fumasoni Biondi 5、+39 065880398)カルボナーラは好きですか? おそらく嫌いという人の方が少ないのではないでしょうか。カルボナーラはローマの料理。もし絶品と言われるカルボナーラを食べてみたいのであれば、ここに行くのがよいでしょう。それ以外の料理も好評です。Dar Poeta(Vicolo del Bologna 45、+39 06 5880516)ここは「ピザ派」の人にぴったりの場所。ここのピザはローマの地元の人々にも大人気。ショッピング万年筆イタリアは万年筆が安く手に入ります。ものによっては日本の半額近いものも。トレビの泉近くのNovelli では、デルタ、ヴィスコンティなどのイタリア製はもちろん、モンブランやウォーターマンなど海外メーカーの万年筆も取り扱っています。小さなお店ですが、接客も丁寧で値引きもしてくれます。見つけにくい場所にありますので、地元の方に聞きながら行かれるとよいと思います。Novelli[アクセス] 地下鉄A線Barberini駅イタリア食材老舗の食料品店Volpettiには、チーズ、トリュフ塩、ソーセージにバルサミコ酢、オリーブオイルなど、おいしいイタリア食材が選ぶのに迷うほどあります。お店の方も親切で、いろいろ味見させてくれます。いずれも日本では味わえない味です。日曜定休、昼休みも長めなので、しっかり調べてから行かれたほうがよさそうです。Volpetti[アクセス] 地下鉄B線Piramide駅スリにご用心風光明媚なローマですが、スリの被害が後を絶たないようです。とくに地下鉄を利用するときは注意。乗り降りの際、混雑に紛れて不自然に体を押し付けてきたり、子供が後ろからついて来て、バッグに手を入れ財布などを盗むといった手口が多いそうです。また、アンケートや物乞いも要注意。複数人で話しかけてきて、気をとられている間に、別の人間が財布を抜くという手口もあるそうです。イタリア語フレーズ最後に、学会期間中に活躍しそうなイタリア語フレーズを幾つかご紹介します。Il conto, per favore.(イル コント ペル ファヴォーレ)「お会計お願いします」トラットリアやレストランでお会計をお願いするときの掛け声。Dov'è il bagno?(ドヴェ イル バーニョ?)「お手洗いはどこですか?」旅行中のトイレエマージェンシーに備えておきましょう。Vorrei andare a 〜.(ヴォレイ アンダーレ ア 〜)「~に行きたいです」タクシーを拾ってどこか行きたいときに使えるフレーズ。Vorrei andare a Fiera di Roma.「Fiera di Roma(学会場)に行きたいです」やVorrei andare al Colosseo.「コロッセオに行きたいです」など。イタリア人はとにかくおしゃべり好きなので、お店ではぜひ、Buon giorno!「こんにちは」やBuona sera!「こんばんは」、Grazie mille!「どうもありがとうございます」などと声を出してみましょう。

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警告後、認知症への抗精神病薬処方は減少したのか

 一般的に、認知症の行動症状に対し、抗精神病薬が使用されているにもかかわらず、欧州医薬品庁や英国の医薬品・医療製品規制庁、イタリア医薬品庁の規制当局は、2004年と2009年に認知症への抗精神病薬使用に対する安全性警告を発行した。イタリア・メッシーナ大学のJanet Sultana氏らは、英国とイタリアのデータベースを使用し、両国の認知症者への抗精神病薬使用に対する安全性警告の短期的および長期的な影響を調査した。CNS drugs誌オンライン版2016年7月16日号の報告。 英国ではHealth Improvement Network(THIN)、イタリアではHealth Search Database-Cegedim-Strategic Data-Longitudinal Patient Database(HSD-CSD-LPD)をデータベースとして使用した。65歳以上の認知症者におけるクラス別、薬剤別のAP使用率を四半期ごとに算出し、安全性警告の効果を調査するため、一般化線形モデルを使用した。 主な結果は以下のとおり。・2000~12年の65歳以上の認知症者は、THINデータベースより5万8,497例、HSD-CSD-LPDデータベースより1万857例が抽出された。・2004年の警告後2009年まで、両国ともに非定型抗精神病薬使用が減少し、定型抗精神病薬使用が増加した。・リスペリドン、オランザピンの使用が減少し、クエチアピンの使用は増加していた。・2009年の警告後2012年まで、英国では非定型、定型抗精神病薬の使用は減少していたが(11→9%、5→3%)、イタリアでは増加していた(11→18%、9→14%)。 著者らは「2004年の警告後、オランザピンとリスペリドンの使用が減少し、クエチアピン、定型抗精神病薬の使用が増加した。そして2009年からは、英国でのみ抗精神病薬の使用が減少した。2国間の違いは、英国ではイタリアよりも、抗精神病薬使用削減に向け、より積極的なアプローチを行ったためだと考えられる」としている。関連医療ニュース 認知症者への抗精神病薬投与の現状は BPSDに対する抗精神病薬使用、脳血管障害リスクとの関連 認知症のBPSDに対する抗精神病薬のメリット、デメリット

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ジカウイルスと関節拘縮の関連が明らかに/BMJ

 先天性ジカ症候群(Congenital Zika syndrome)として関節拘縮症の詳細な特徴が明らかにされ、同症候群を先天性感染症と関節拘縮症の鑑別診断に加えるべきとする見解を、ブラジル・Barao de Lucena HospitalのVanessa van der Linden氏らが、後ろ向きケースシリーズ研究の結果、報告した。最近まで、先天性ウイルス感染症と関節拘縮の関連報告はなかったが、ブラジルでのジカウイルスと関連した小頭症のアウトブレイク以後、両者の関連を示唆する2件の報告が発表されたが、詳細については述べられていなかった。BMJ誌2016年8月9日号掲載の報告。7例について後ろ向きケースシリーズで詳細所見を検証 研究グループは、ジカウイルスによると思われる先天性感染症に関連した関節拘縮症を有する小児のシリーズ症例について、臨床的、放射線学的および筋電図検査による特色を明らかにする検討を行った。ブラジル・ペルナンブーコ州のAssociation for Assistance of Disabled Childrenにて、ブラジル国内で小頭症が流行していた期間中に、関節拘縮症を有し先天性ジカウイルス感染症が疑われる診断例7例について調べた。 主な臨床的、放射線学的および筋電図検査の所見と、臨床的所見とプライマリな神経学的異常の所見との関連性を評価した。先天性感染症と関節拘縮症に特徴的な所見 全7例における脳画像は、先天性感染症と関節拘縮症に特徴的なものであった。2例については、脳脊髄検査でジカウイルスのIgM陽性が認められた。 関節拘縮は、腕部と脚部に認められたのが6例(86%)、脚部のみが1例(14%)であった。 また、全7例で、股関節部に両側性の脱臼が放射線学的に認められた。3例(43%)では外反膝に関連した膝蓋骨亜脱臼がみられ、そのうち2例(29%)は両側性であった。 関節部の高解像度超音波検査は全7例に行われたが、異常を示す所見は認められなかった。 針筋電図(単極)検査では、運動単位のリモデリングのわずかなサインと漸減パターンが示された。 脳CTおよびMRIは5例に行われ、残る2例は脳CTのみが行われた。結果、全例に、皮質形成の発達異常、皮質と皮質下白質(とくに皮質との境界面)の大部分で石灰化がみられ、脳容積の減少、脳室拡大、脳幹と小脳の形成異常がみられた。4例の脊椎MRI所見では、脊髄の顕著な菲薄化と前根の減少がみられた。 著者はこれらの所見を踏まえて、先天性感染症と関節拘縮症の鑑別診断に、先天性ジカ症候群を加えるべきとしている。また、「関節拘縮は関節部の異常とは関連していなかったが、神経に起因するものと思われ、中心および末梢運動神経が慢性的に関与し、子宮内での固定された姿勢の結果として奇形に結び付いていると思われた」と述べている。最後に、神経生理学的観察に基づき2つの考えられるメカニズムとして、末梢および中心運動神経の関与または血管障害に関連した神経細胞の向性(tropism)を提示した。

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40年間の爆破テロの解析【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第73回

40年間の爆破テロの解析 >FREEIMAGESより使用 最近のトルコをはじめ世界各地で自爆テロが起こっています。非常に悲しいことです。 さて、本日紹介する論文は、外傷診療医の間では有名のようです。爆破テロには、自爆テロ、時限爆弾テロ、遠隔操作によるテロなどいろいろなものがあります。最近の自爆テロの増加を懸念し、その影響を調べるためにメタアナリシスを実施したようです。 Edwards DS, et al. 40 years of terrorist bombings - A meta-analysis of the casualty and injury profile. Injury. 2016;47:646-652. Global Terrorism Database(GTD)やPubMedなどの電子データベースを用いて、1970年から2014年までの爆破テロの情報を集めました。GTDによれば、合計5万9,095人のテロリストによる爆破テロ情報が登録されていました。そのうち、5.08%が自爆テロだったようです。調査年が近年になるにつれて、テロの頻度は増えていました。テロ1回あたりの平均死傷者は、死亡1.14人、負傷3.45人という結果でした。しかし、これが自爆テロになると、死亡10.16人、負傷24.16人と被害は数倍に膨れ上がります (p<0.05)。自爆テロのほうが、死亡者の占める割合が増えていることもわかります。オンラインで報告されている41文献にデータを限定すると、爆発した場所については、開放空間だったのが23.5%で、その他は閉鎖された空間で起こったとされています。開放空間と閉鎖空間では死亡率に差はみられませんでしたが、開放空間のほうが負傷率は有意に高いという結果でした。これは爆破片が遠くまで飛散するためと考えられます。ビルの倒壊を来した爆破テロもあり、この場合の死亡率は有意に高かったそうです。日本でのテロといえば地下鉄サリン事件が最も記憶に新しいものですが、今後国内でも爆破テロが起こらないとは言えない時代になりました。インデックスページへ戻る

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双極性障害と全般性不安障害は高頻度に合併

 不安障害は、単極性うつ病と同様に双極性障害(BD)と高率に合併していることが、最近のデータで示唆されているが、まだあまり注目されていない。全般性不安障害(GAD)は、他の精神疾患と高率で合併する最も一般的な不安障害の1つである。イタリア・カリアリ大学のAntonio Preti氏らは、GADとBDの合併頻度を評価するため、システマティックレビュー、メタ解析を行った。Evidence-based mental health誌2016年8月号の報告。 著者らは、BD患者におけるGADの有無に関する主要なデータが含まれるすべての研究を検索した。文献の選択と結果の報告は、PRISMAガイドラインに沿って行われた。メタ解析は、variance-stabilizing Freeman-Tukey double arcsine transformationを用いて、推定有病率を計算した。すべての研究におけるサマリ効果を推定するため、固定効果とランダム効果モデルを使用し、逆分散法を行った。不均一性を評価し、CochranのQ検定、I2を用いてそれぞれ測定した。 主な結果は以下のとおり。・メタ解析は、独立した研究データ28報より、ポイント有病率研究の合計患者2,975例、障害研究の患者4,919例を分析した。・BD患者におけるGADの全体的なランダム効果のポイント有病率は12.2%(95%CI:10.9~13.5%)、全体的なランダム効果の生涯推定値は15.1%(95%CI:9.7~21.5%)であった。・両推定値の有意な不均一性が報告された(各々、94.0%、94.7%)。・公表文献では、一般集団で報告された文献よりも、高不均一性で一貫して高い有病率が認められた。・GADの合併は、より重度なBDや自殺の増加と関連していると考えられるが、このような状態に対する最良の治療は不明である。関連医療ニュース 双極性障害と強迫症、併存率が高い患者の特徴 双極性障害患者の約半数が不安障害を併存 双極性障害で高率にみられる概日リズム睡眠障害:東医大

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健康効果に寄与する総身体活動量の上限は?/BMJ

 現行推奨レベルよりも数倍多い総身体活動量を達成している人の5疾病(乳がん、大腸がん、糖尿病、虚血性心疾患、虚血性脳卒中)のリスクは、有意に低いことが明らかにされた。米国・ワシントン大学のHmwe H Kyu氏らが、システマティックレビューとベイジアン用量依存メタ解析による世界の疾病負担研究2013の結果、明らかにした。これまでに多くのコホート研究およびメタ解析で、身体活動の健康効果が示され、WHOの最小身体活動量推奨値の提示(週に600MET分)に結び付いている。しかし、必要とされる総活動量の上限値は明らかになっていなかった。BMJ誌オンライン版2016年8月9日号掲載の報告。総身体活動量と5疾病の用量依存の関連を定量化 研究グループは、総身体活動量と5疾病(乳がん、大腸がん、糖尿病、虚血性心疾患、虚血性脳卒中)イベントリスクの、用量依存の関連を定量化する検討を行った。1980~2016年2月のPubMed、Embaseを検索し、関連システマティックレビューも参照。身体活動(あらゆる領域)と5疾病のうち少なくとも1つとの関連を調べていた前向きコホート研究を適格とした。 用量依存メタ解析は、Study on Global AGEing and Adult Healthの2007~10年から6ヵ国(中国、ガーナ、インド、メキシコ、ロシア、南アフリカ)のデータ、およびUS National Health and Nutrition Examination Surveysの1999~2011年のデータを用いて、特異的領域の身体活動量(包含試験で報告されていた)を総活動量に割り振って評価した。リスク軽減幅が大きかったのは低次活動量(最高3,000~4,000MET分/週) 特定された論文は174本。乳がんとの関連が検討されていたものは35本、大腸がん19本、糖尿病55本、虚血性心疾患43本、虚血性脳卒中26本(複数の論文に複数アウトカムを含む)であった。 総身体活動量が高値であるほど、すべてのアウトカムについてリスクが有意に低かった。ただし、低次の活動量(最高で3,000~4,000MET分/週)で、大きなリスク軽減が図られていた。たとえば糖尿病リスクは、身体活動なしと報告した人との比較において、600MET分/週(最小推奨値)の人では2%低下、600から3,600MET分/週と増えるにつれて、さらに19%まで低下したが、それより多いと得られる利益は少なくなり、9,000から1万2,000MET分/週の増大の間に低下したリスクはわずか0.6%だった。 総身体活動量を4分類し(<600、600~3,999、4,000~7,999、≧8,000MET分/週)、不十分な人(600MET分/週未満)と比較した、身体活動量が高い人(≧8,000MET分/週)のリスク低下は、乳がんが14%(相対リスク:0.863、95%不確定性区間:0.829~0.900)、大腸がん21%(同:0.789、0.735~0.850)、糖尿病28%(同:0.722、0.678~0.768)、虚血性心疾患25%(同:0.754、0.704~0.809)、虚血性脳卒中26%(同:0.736、0.659~0.811)であった。 今回の結果を踏まえて著者は、「詳細な総身体活動量を定量化したさらに多くの研究を行うことで、活動量ごとのより正確な推定相対リスクが明らかになるだろう」とまとめている。

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早産児に対する7つの人工換気療法を比較/JAMA

 早産児に対する非侵襲的人工換気療法について7つの戦略を比較した結果、非侵襲的サーファクタント投与(less invasive surfactant administration:LISA)戦略が最良であることが示された。カナダ・マックマスター大学のTetsuya Isayama氏らによるシステマティックレビューとメタ解析の結果、月経後年齢36週時点の複合アウトカム(死亡と気管支肺異形成[BPD])の尤度が同戦略で最も低かったという。ただし結果について著者は、「全体的にエビデンスの質が低く、質の高い試験での裏付けに乏しく、所見は限定的なものである」と述べている。JAMA誌2016年8月9日号掲載の報告。7つの戦略の比較検討をシステマティックレビューとメタ解析で 研究グループは、早産児に対する最良の非侵襲的人工換気戦略を明らかにするシステマティックレビューとメタ解析を行った。比較検討したのは7つの戦略で、(1)経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)、(2)挿管・サーファクタント投与の直後に抜管(INSURE)、(3)LISA、(4)非侵襲的間欠的陽圧換気(IPPV)、(5)ネブライザーによるサーファクタント投与、(6)ラリンゲアルマスクエアウェイでのサーファクタント投与、そして(7)機械的人工換気であった。 MEDLINE、EMBASE、CINAHL、Cochrane CENTRALを創刊から2016年6月まで検索。在胎期間33週未満、誕生24時間以内、無作為化前の挿管なしの条件を満たす新生児で、換気戦略の比較が行われていた無作為化試験を選択した。2人の独立レビュワーがデータを抽出し、ベイジアン・ランダム効果ネットワークメタ解析法で統合し評価した。 主要アウトカムは、月経後年齢36週時点の死亡またはBPDの複合であった。主な副次アウトカムとして、死亡、BPD、重症脳室内出血、エアリーク(退院前の気胸または間質性肺気腫を含む)を評価した。LISAの主要アウトカムの発生オッズ比が最も低値 検索により、30試験5,598例が解析に組み込まれた。主要アウトカムの発生は、33%(1,665/4,987例、死亡:505例、BPD:1,160例)。副次アウトカムは、6%(エアリーク、314/5,587例)から26%(BPD、1,160/4,455例)の範囲にわたった。 機械的人工換気(対照)との比較において、LISAの主要アウトカムの発生オッズ比が最も低値であった(オッズ比[OR]:0.49、95%信用区間[Crl]:0.30~0.79)。1,000新生児当たり164例(95%Crl:57~253)減少の絶対リスク差(RD)が認められた(エビデンスの質は中等度)。BPD(OR:0.53[同:0.27~0.96]、絶対RD:133例[同:9~234]減少、エビデンスの質は中等度)、重症脳室内出血(OR:0.44[同:0.19~0.99]、絶対RD:58例[同:1~86]減少、エビデンスの質は中等度)も低値が認められた。死亡(OR:0.52)、エアリーク(OR:0.34)は、エビデンスの質が低かった。 経鼻的CPAP単独(対照)との比較においても、LISAの主要アウトカムのオッズ比が最も低値であった(OR:0.58[同:0.35~0.93]、絶対RD:112例(同:16~190)減少、エビデンスの質は中等度)。エアリークのORは0.24(同:0.05~0.96)、絶対RDは47例(同:2~59)減少であったが、エビデンスの質は非常に低かった。BPD(OR:0.61)、死亡(同:0.61)もエビデンスの質が低く、重症脳室内出血(同:0.43)のエビデンスの質は非常に低かった。 ランキング確率の解析の結果、SUCRA(surface under the cumulative ranking curve)値が0.85~0.94でLISAが最良の戦略であることが示された。ただし、質の高いエビデンスが限定的で、死亡については確固としたことはいえないとしている。

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クライオバルーン vs. 高周波、アブレーション比較の2次解析

 今年発表されたFIRE AND ICE試験によって、クライオバルーンアブレーションが高周波(RF)アブレーションと比べて安全性と有効性の面で劣らないことが示された。今回、報告者らは同試験の2次解析によって、日々の患者管理の重要な指標となるアブレーションの再施行、再入院および生活の質(QOL)を評価した。European Heart Journal誌オンライン版2016年7月5日号に掲載の報告。アブレーション再施行、電気的除細動の施行、再入院を評価 FIRE AND ICE試験は、薬剤抵抗性かつ症候性の発作性心房細動に対するクライオバルーンアブレーションとRFアブレーションを比較した無作為化試験である。2次解析では、アブレーション後の再入院(心房性頻拍に伴うアブレーション再施行のための入院を含む)、心疾患および非心疾患による再入院、電気的除細動の施行などの2次評価項目と臨床的に重要な項目に焦点を当てた。このほか、30ヵ月の追跡期間中の精神的および肉体的なQOLを評価した。クライオバルーン法、評価項目に有意差あり 374例のクライオバルーンアブレーション群と376例のRFアブレーション群を修正intention-to-treatを用いて解析した。アブレーションからの平均追跡期間は1.54±0.8年であった。アブレーション実施後1,000日時点のLog-rankを用いた生存曲線解析の結果、アブレーションの再施行率(クライオバルーン:11.8% vs. RF:17.6%、p=0.03)、電気的除細動の施行(クライオバルーン:3.2% vs. RF:6.4%、p=0.04)、原因を問わない再入院(クライオバルーン:32.6% vs. RF:41.5%、p=0.01)および心疾患に伴う再入院(クライオバルーン:23.8% vs. RF:35.9%、p<0.01)の観点で、クライオバルーンアブレーションがRFよりも優れていたことが明らかになった。両群のQOLが改善 QOLの調査では、両群に有意差はみられなかった。アブレーションから6ヵ月後、両群の精神的および肉体的なQOLに改善がみられ、30ヵ月まで持続した。報告者らは、この解析に用いた評価項目は、患者の視点からみたアブレーションの成功および医療システム上の疾患の負荷という点で非常に重要なものである、と報告を締めくくっている。関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

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子宮頸部上皮内腫瘍の治療が産科アウトカムに及ぼす影響/BMJ

 子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)に対する治療は、早産などの産科アウトカムを悪化させる可能性があることが、英国・インペリアルカレッジのMaria Kyrgiou氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌オンライン版2016年7月28日号に掲載された。子宮頸部の局所治療は早産や周産期合併症、死亡のリスクを増加させるが、円錐切除術の深さとの関連の可能性が示唆されている。治療が早産のリスクに及ぼす影響の検討結果には乖離が存在し、交絡因子としてCINが関与している可能性があるという。産科アウトカムへのCIN治療の影響をメタ解析で評価 研究グループは、産科アウトカムに及ぼすCINの治療の影響を評価し、子宮頸部円錐切除術の深さとの関連を検証するために文献を系統的にレビューし、メタ解析を行った(英国国立健康研究所[NIHR]生物医学研究センターなどの助成による)。 CENTRAL、Medline、Embaseを検索し、1948年~2016年4月までに発表された子宮頸部の局所治療歴の有無別に産科アウトカムを評価した試験の論文を選出した。 独立のレビューワーがデータを抽出し、Newcastle-Ottawa基準で試験の質を判定した。試験はその方法や産科エンドポイントで分類した。ランダム効果モデルと逆分散法を用いて統合リスク比を算出し、試験間の異質性はI2統計量で評価した。 産科アウトカムには、早産(自然早産、切迫早産を含む)、前期破水、絨毛膜羊膜炎、分娩様式、陣痛時間、陣痛誘発、オキシトシンの使用、出血、無痛処置、頸管縫縮術、頸管狭窄が含まれた。 71試験に参加した633万8,982例(治療群:6万5,082例、非治療群:629万2,563例)のデータを解析した。切除部位が深いほど早産のリスク増大 CIN治療により妊娠期間37週未満の早産のリスクが有意に増加した(治療群:10.7% vs.非治療群:5.4%、相対リスク:1.78、95%信頼区間[CI]:1.60~1.98)。<32~34週の早産(3.5 vs.1.4%、2.40、1.92~2.99)および<28~30週の早産(1.0 vs.0.3%、2.54、1.77~3.63)のリスクも、治療によって増大した。 子宮頸部円錐切除術は、組織の除去やアブレーションの量が多い手技ほどアウトカムが悪化した。37週未満の早産の相対リスクは、コールドナイフによる円錐切除術が2.70(95%CI:2.14~3.40)、レーザー円錐切除術が2.11(1.26~3.54)、手技を特定しない切除術が2.02(1.60~2.55)、LLETZ(large loop excision of the transformation zone)が1.56(1.36~1.79)、手技を特定しないアブレーションは1.46(1.27~1.66)であった。 複数の治療を受けた女性の早産のリスクは、治療を受けなかった女性よりも高く(13.2 vs.4.1%、相対リスク:3.78、95%CI:2.65~5.39)、切除部位が深いほどリスクが増大した(≦10~12mm:7.1 vs.3.4%、1.54、1.09~2.18/≧10~12mm:9.8 vs.3.4%、1.93、1.62~2.31/≧15~17mm:10.1 vs.3.4%、2.77、1.95~3.93/≧20mm:10.2 vs.3.4%、4.91、2.06~11.68)。 また、CIN未治療の女性や治療前に妊娠していた女性は、一般集団に比べ早産のリスクが高かった(5.9 vs.5.6%、相対リスク:1.24、95%CI:1.14~1.35)。 自然早産、前期破水、絨毛膜羊膜炎、低出生時体重、新生児集中治療室への入室、周産期死亡率もCIN治療後に有意に増加した。 著者は、「CINを有する女性はベースラインの早産リスクが高く、切除術やアブレーションにより、リスクがさらに増加した。有害な続発症の頻度や重症度は、切除術のほうがアブレーションよりも高かった」としている。

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好酸球性筋膜炎〔eosinophilic fasciitis〕

1 疾患概要■ 概念・定義1974年にSchulman氏は、強皮症様の皮膚硬化を呈し、組織学的に筋膜炎を主体とした2例をdiffuse fasciitis with eosinophiliaとして報告した。1975年にRodnan氏らは同様の皮膚硬化を呈し、組織学的に好酸球浸潤を伴う筋膜炎がみられた6例を報告し、eosinophilic fasciitisと命名した。その後、同様の症例が数多く報告され、現在は独立した疾患と考えられている。好酸球増多を伴わない例も多くあり、diffuse fasciitis with or without eosinophiliaとも呼ばれる。また、Shulman症候群と呼ばれることもある。主に四肢に対称性に急速な皮膚硬化と関節の運動制限を生じる疾患である。病理組織学的に筋膜の肥厚、リンパ球、好酸球、形質細胞を主体とした炎症細胞浸潤がみられる。激しい運動、労作や外傷によって生じることが多い。末梢血好酸球増加や組織学的に好酸球浸潤がみられない症例もある。■ 疫学わが国での報告例は100例程度と少ないが、実際の症例はもっと多い。好発年齢は20~60歳の青壮年者で、まれに小児や80歳を越える高齢者にもみられることもある。男女比は1.5:1でやや男性に多い。■ 病因病因は不明であるが、過度な運動や労作が発症の誘因になると考えられており、筋膜の障害、急性炎症によって何らかの自己免疫反応が惹起される可能性が示唆されている。高ガンマグロブリン血症や自己免疫性疾患との合併からも、何らかの自己免疫的機序の関与が想定されている。Eosinophilic cationic protein(ECP)などの好酸球の誘導に関与する因子や血清IL-5の増加などが病態に関与していることが報告されている。L-トリプトファンの過剰摂取、有機溶媒との接触、ボレリア感染によっても類似の症状を呈することが報告されている。■ 症状主に、四肢遠位部の対称性の皮膚のつっぱり感、びまん性皮膚腫脹、硬化がみられる(図1)。進行すると四肢関節の可動域制限を伴う。画像を拡大する発症の1~2週間以内に激しい運動や労作、外傷、打撲の既往があることが多いが、何ら誘因がみられない例も少なくない。急性に発症する症例と、徐々に皮膚硬化を生じる症例がある。初期には発赤や疼痛を伴い、発熱や全身倦怠感を伴うこともある。病変が拡大すると四肢近位部、体幹にも皮膚硬化が及ぶこともある。しかし、手指、手背、足趾、足背や顔面は侵されないことが特徴である(図1)。筋膜が肥厚し皮下脂肪織と癒着すると関節可動活域の低下、関節拘縮を呈する(図2)。画像を拡大するしたがって、手指は関節拘縮を呈するが、皮膚の硬化はみられない。正中神経の圧迫による手根管症候群もみられる。浮腫が硬化を始めると、皮膚表面の毛穴がはっきりとみられるようになり、「オレンジの皮様(orange peel appearance)」と呼ばれている(図3)。画像を拡大するまた、真皮深層の硬化は血管周囲を避けて起こるため、板状硬化の中で血管部のみが柔らかく溝のようにみられる。これを“groove sign”と呼ぶ(図4)。腕や足を挙上させると明らかになる。画像を拡大する2 診断 (検査・鑑別診断も含む)1,000/mm3以上の著明な末梢好酸球数増加を呈する症例は、約60%でみられる。好酸球性筋膜炎は、初期に診断することが難しいため、検査を行うまでに時間がかかり、初期の好酸球増加を捉えられないことも多い。そのため、末梢好酸球数増加がみられなかった症例の中には、前述のように初期の好酸球増加を捉えられていない症例も含まれている可能性も考えられる。病勢と末梢好酸球数は一致するといわれており、治療効果の判定、病勢の評価に重要である。また、赤沈の亢進やIgGやIgA値の上昇を伴う高ガンマグロブリン血症を伴うこともある。抗核抗体やリウマトイド因子の陽性率は約10%である。アルドラーゼは上昇し、病勢に一致して変動するため、病勢の評価に有用であるとの報告がある1)。MRIは非侵襲的な検査であり、T2強調脂肪吸収画像で、筋膜の肥厚部位が同定でき、病勢の評価、治療効果判定を行うことができる有用な検査である。また、生検部位の選択にも有用である。本疾患は、組織学的に筋膜の炎症、肥厚を検索する必要があるため、生検する際は、表皮から筋膜まで一塊として採取する必要がある。生検時に筋膜をメスで切るが、その際には筋膜の肥厚を感じることができる。病理組織学的に、リンパ球、形質細胞を主体とした炎症細胞浸潤、筋膜の肥厚がみられる。好酸球の浸潤は病期によってみられないことも多い。また、膠原線維の増加(線維化)は、筋膜から脂肪組織、真皮上層にわたって生じるが、真皮の浅層は侵されない。したがって、筋膜・筋肉表層まで含めたen bloc生検で十分な深さまで採取することが重要である。好酸球性筋膜炎に合併する疾患として、自己免疫性甲状腺炎、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、関節リウマチなどの自己免疫性疾患の報告が散見される。欧米では、固形がんや血液腫瘍との合併例が散見され、悪性腫瘍のparaneoplastic syndromeと提唱している報告もある。ステロイド治療に難渋する症例では悪性腫瘍の検索を積極的に行うべきとの意見もある2)。鑑別診断としては、同じく皮膚硬化を呈する全身性強皮症が挙げられる。好酸球性筋膜炎では、前腕部において手指の筋膜が肥厚し、皮下脂肪織と癒着すると手指の関節可動活域の低下、関節拘縮を呈する(図2)。全身性強皮症においても同じく手指の関節拘縮がみられるため鑑別に注意を要する。強皮症に伴う手指関節拘縮は、皮膚硬化によるものであり原因が異なる。好酸球性筋膜炎では、全身性強皮症でみられるレイノー現象、爪上皮延長、後爪郭部毛細血管拡張、指尖部潰瘍、手指の皮膚硬化といった手指の病変(皮膚硬化、末梢循環障害)がみられないことが鑑別のポイントである。また、全身性強皮症では、間質性肺炎や肺高血圧症などの内蔵病変の合併がみられるが、好酸球性筋膜炎ではみられない。また、限局性強皮症も鑑別すべき疾患の1つに挙げられる。限局性強皮症は境界明瞭な皮膚硬化が斑状ないし線状にみられ、全身どこにでも出現する。限局性強皮症が本症の20~30%に合併するとの報告もある3)。また、全身性強皮症や限局性強皮症の皮膚硬化に比べて、好酸球性筋膜炎の皮膚硬化はより深部に生じることも鑑別のポイントである。以上より、鑑別のポイントとしては、皮膚硬化が左右対称性か、手指、足趾に皮膚硬化がみられるか、皮膚硬化の深さはどうかといった点が挙げられる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)副腎皮質ホルモンの内服が第1選択である。通常、プレドニゾロン0.5~0.7mg/kg/日から開始し、症状の推移に合わせて増減する。急速な減量によって症状の再燃がみられることがあり、皮膚硬化、関節拘縮を観察し、アルドラーゼなどを参考にして減量を行うことが望ましい。生命予後は良好であるが、進行した皮膚硬化、関節拘縮は難治性で非可逆的のこともあり、早期に治療を開始することが重要である。Lebeaux氏らはステロイドパルス療法を早期に行うことによって、皮膚硬化がより改善したと報告しており、皮膚硬化が高度な場合は、早期からのステロイドパルス療法を考慮すべきである4)。免疫抑制剤(シクロスポリンやメソトレキセート)の有効性も報告されており、ステロイド治療にて難治な症例には考慮すべきである4、 5)。光線療法(PUVA療法やUVA1療法)によって皮膚硬化が改善した報告があり、治療の選択肢の1つとして考慮する。4 今後の展望好酸球性筋膜炎の原因、病態はいまだ不明であり、今後の症例の蓄積、基礎研究の発展が望まれる。5 主たる診療科皮膚科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 好酸球性筋膜炎(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)1)Fujimoto M, et al. J Rheumatol.1995;22:563-565.2)Naschitz JE, et al. Cancer.1994;73:231-235.3)Nindl M, et al. 皮膚臨床.1996;38:2013-2017.4)Lebeaux D, et al. Rheumatology.2012;51:557-561.5)Endo Y, et al. Clin Rheumatol.2007;26:1445-1451.公開履歴初回2015年03月26日更新2016年08月16日

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