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糖尿病管理への質改善戦略の導入、治療効果の向上に寄与

糖尿病管理への質改善(quality improvement:QI)戦略の導入によって治療効果が向上することが、カナダSt Michael病院Li Ka Shing Knowledge InstituteのAndrea C Tricco氏らの検討で示された。糖尿病の管理は複雑なため、プライマリ・ケア医と他の医療従事者の連携が必要であり、患者の行動変容や健康的な生活習慣の奨励なども重要な課題とされる。糖尿病治療におけるQI戦略の効果に関する以前の系統的レビューでは、HbA1c以外の要素は検討されていないという。Lancet誌2012年6月16日号(オンライン版6月9日号)掲載の報告。QI戦略の有効性をメタ解析で評価研究グループは、糖尿病患者におけるHbA1c、血管リスク管理、細小血管合併症のモニタリング、禁煙に対するQI戦略の有効性を評価するために系統的なレビューとメタ解析を行った。Medline、Cochrane Effective Practice and Organisation of Care databaseおよび無作為化試験の文献を検索して、成人糖尿病外来患者を対象に11のQI戦略(医療組織、医療従事者、患者を対象としたQI戦略から成る)について検討した試験を抽出した。2名の研究者が別個に、抽出されたデータをレビューし、バイアスのリスク評価を行った。患者に対するQI戦略とともに医療組織への介入が重要48のクラスター無作為化試験(2,538クラスター、8万4,865例)と94の無作為化試験(3万8,664例)が解析の対象となった。ランダム効果モデルによるメタ解析では、標準治療に比べQI戦略では、HbA1cが0.37%(95%信頼区間[CI]:0.28~0.45、120試験)、LDLコレステロールが0.10mmol/L(95%CI:0.05~0.14[=3.87mg/dL、95%CI:1.935~5.418]、47試験)、収縮期血圧が3.13mmHg(95%CI:2.19~4.06、65試験)、拡張期血圧が1.55mmHg(95%CI:0.95~2.15、61試験)それぞれ低下した。ベースラインのHbA1cが8.0%以上、LDLコレステロールが2.59mmol/L(=100.233mg/dL)以上、拡張期血圧が80mmHg以上、収縮期血圧が140mmHg以上の場合にQI戦略の効果が大きかった。また、ベースラインのHbA1cのコントロール状況によってQI戦略の効果にばらつきがみられた。QI戦略では、標準治療に比べアスピリン(相対リスク[RR]:1.33、95%CI:1.21~1.45、11試験)や降圧薬(RR:1.17、95%CI:1.01~1.37、10試験)の使用が増加し、網膜(RR:1.22、95%CI:1.13~1.32、23試験)、腎症(RR:1.28、95%CI:1.13~1.44、14試験)、足の異常(RR:1.27、95%CI:1.16~1.39、22試験)のスクリーニングが増加した。一方、QI戦略はスタチンの使用(RR:1.12、95%CI:0.99~1.28、10試験)、降圧コントロール(RR:1.01、95%CI:0.96~1.07、18試験)、禁煙(RR:1.13、95%CI:0.99~1.29、13試験)には有意な影響を示さなかった。著者は、「多くの試験において、QI戦略による糖尿病治療の改善効果が示された」と結論し、「糖尿病管理の改善を目指した介入では、患者に対するQI戦略とともに医療組織への介入を行うことが重要である。医療従事者に限定した介入は、ベースラインのHbA1cコントロールが不良な場合にのみ有用と考えられる」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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緊急調査! CKD診療。6つの疑問

2012年6月、3年ぶりに『CKD診療ガイド』が改訂された。ケアネットでは、この改訂における注目のポイントについて、緊急アンケートを実施したので、その結果を報告する。対象ケアネット会員の医師方法インターネットを介した調査実施期間2012年6月今回の診療ガイド改訂で、診療上に影響がある内容をお知らせください(複数回答可)先生はGFRが60mL/min/1.73m2以上の患者さんのフォローアップにおいて、どれくらいの頻度で蛋白尿ないしアルブミン尿を測定していますか?蛋白尿の程度により心血管死や末期腎不全の発症リスクが異なる数々のエビデンスを受け、今回のCKD診療ガイド改訂では、CKDの重症度分類に腎機能(GFR)に加えて、蛋白尿区分が加えられました。これを受けて、先生は、蛋白尿検査の頻度や対象者を増やそうと思いますか?先生がCKDのスクリーニングとして、生活習慣病(糖尿病を除く)の初診時に患者さんにおこなう検査は次のうちいずれですか?(複数回答可)先生が尿蛋白の定量(アルブミン尿を含む)をおこなうのは、どのような患者さんですか?CKD患者における降圧の目標値が、CKD診療ガイドでは、130/80mmHg以下となっています。この値についてどのように考えますか?

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CKD診療ガイド改訂 -慢性腎臓病(CKD)は原疾患、腎機能と尿所見でリスク評価を-

日本慢性腎臓病対策協議会(東京都文京区、理事長:槇野博史、J-CKDI)は、1日、CKD診療に関して、かかりつけ医の標準化と腎臓専門医の連携を目的とした「CKD診療ガイド2012」を発行した。「CKD診療ガイド」は、2009年以来3年ぶりの改訂となる。本ガイド改訂委員長の今井圓裕氏は、今回の最も大きな改訂点として、CKDの重症度分類が腎機能だけでなく、原疾患、尿所見を評価した分類に変更されたことを挙げ、その他、血圧管理、貧血管理が臨床上に影響を及ぼす点として掲げた。最大の改訂点となった重症度分類の変更は、わが国でなく、国際腎臓病ガイドライン(KDIGO)も同様の見直しを行なっていると今井氏は言う。従来は糸球体濾過量(G = GFR)を基にした腎機能のみで評価してきたが、尿蛋白・尿アルブミン値(A = Albumin)、原疾患(C = Cause)を加えたいわゆるCGA分類で評価する。これはアルブミン尿や蛋白尿が、腎機能とは独立して末期腎不全、心血管死の発症リスクであることを示すエビデンスが確立してきたため。病期は4つに区分され、リスクに応じて腎臓専門医への相談・紹介基準や、腎臓専門医への通院間隔が推奨されている。次に注目すべき改訂点は、血圧管理。CKDにおける血圧管理については国際的に基準が変わってきており、現在の降圧目標レベルが過剰であると捉えられつつあると今井氏は述べた。これまでの蛋白尿が1g/日以上を認めるCKD患者の降圧目標値は「125/75mmHg未満」が推奨されてきたが、今回の改訂により撤廃され、「130/80mmHg以下」に統一された。高齢者においては、「140/90mmHg未満を目標に降圧し、腎機能悪化や臓器の虚血症状がみられないことを確認し、130/80mmHg以下に降圧する、収縮期血圧110mmHg未満への降圧は避ける」とさらに慎重な構え。特に夏期、RA系阻害薬投与例において、過降圧を来たし、急性腎障害で搬送される例も少なくないことも例に挙げ、高齢者における過降圧に注意を喚起した。また、推奨する降圧薬については、糖尿病and/or蛋白尿が認められる場合は、従来どおりRAS阻害薬を第一選択薬とすることは変わりないが、糖尿病も蛋白尿もみられないCKD例においては、降圧薬の種類を問わないことが記述された。貧血管理の改訂も注目すべき改訂点と言える。前回の改訂があった2009年以降、貧血の改善が臨床転帰につながらなかった試験が発表された。遺伝子組換えヒトエリスロポエチン製剤の投与については、「投与開始Hb値=10g/dL、治療目標Hb値=10~12g/dL、13g/dLを超えないよう配慮する」と基準を明記している。今回の改訂において、「重症度分類の変更」が意味するところは、蛋白尿、アルブミン尿が末期腎不全、心血管死の独立した危険因子であるものとして捉え、尿検査を定期的に実施していくことの重要性を促すものと捉えている。(ケアネット 藤原 健次)

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2型糖尿病肥満、薬物療法+外科的肥満手術で血糖コントロール有意に改善

2型糖尿病非コントロールの肥満患者について、薬物療法に加えて胃バイパス術など外科的肥満手術を行うことが、薬物療法単独よりも有意に血糖コントロールを達成するとの報告が発表された。米国・Bariatric and Metabolic InstituteのPhilip R. Schauer氏らが、無作為化非盲検単独施設試験の結果、報告したもので、これまでは観察研究においては、胃バイパス術などを受けた2型糖尿病患者における病状の改善が認められていた。NEJM誌2012年4月26日号(オンライン版2012年3月26日号)掲載報告より。150例を対象に薬物療法単独と外科的手術群の血糖コントロール改善を比較Schauer氏らによるSurgical Treatment and Medications Potentially Eradicate Diabetes Efficiently(STAMPEDE)試験は、2007年3月から2011年1月にクリーブランドクリニック単施設で行われた無作為化試験で、2型糖尿病を有するBMI 30~35以上の肥満患者を対象に、血糖コントロール達成について、薬物療法単独と外科的手術(Roux-en-Y胃バイパス術と胃切除術)を併用する群とを比較して行われた。被験者は150例、平均年齢は49±8歳、66%が女性であり、血糖値平均は9.2±1.5%であった。追跡期間は12ヵ月、主要エンドポイントは、治療12ヵ月後に血糖値6%以下に到達した患者の割合とした。被験者150例のうち93%が、12ヵ月の追跡期間を完了した。治療後の血糖値平均、薬物療法単独群7.5%に対し、胃バイパス術群6.4%、胃切除群6.6%結果、主要エンドポイントを達成した患者の割合は、薬物療法単独群12%(5/41例)に対し、胃バイパス術群42%(21/50例、P=0.002)、胃切除群37%(18/49例、P=0.008)だった。血糖コントロールは3群すべて改善したが、薬物療法単独群の改善された血糖値平均7.5±1.8%に比べて、胃バイパス術群は6.4±0.9%(P<0.001)、胃切除群は6.6±1.0%(P=0.003)だった。手術群はいずれも、術後は血糖降下薬、脂質低下薬、降圧薬の使用量が減少した。一方で、薬物療法群は増量していた。また、手術群はインスリン抵抗性指数(HOMA-IR)も有意に改善していた。その他には、患者4例が再手術を受けていたが、死亡や命に関わるような合併症の発生例はなかった。研究グループは今回の結果を受け、さらなる無作為化試験での検証の必要性を提言している。

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抗血栓薬を服薬している脳卒中における至適血圧レベルは?

抗血栓薬を服薬している一過性脳虚血発作または脳卒中既往例において、降圧治療によって頭蓋内出血が有意に減少し、頭蓋内出血の発症は治療中の収縮期血圧レベルが低いほど少ないことが、4月24日にStroke誌オンライン速報版に発表された。この研究結果は国立循環器病研究センター 有馬久富氏らによってまとめられた。抗血栓薬服薬脳卒中既往例⇒血圧が最も低い群で頭蓋内出血発症リスクが最少ACE阻害薬による降圧療法が脳卒中の二次予防に有用かを検証したプラセボ対照二重盲検無作為化比較試験Perindopril Protection against Recurrent Stroke Study(PROGRESS)に登録された一過性脳虚血発作または脳卒中既往例6,105例のうち、抗血栓薬を服薬していた患者における頭蓋内出血および頭蓋外出血の発症リスクが分析された。主な結果は下記のとおり。1. ベースライン時、4,876例(80%)の患者が抗血栓薬を服薬していた  (アスピリン3,632例、他の抗血小板薬1,021例、抗凝固薬566例)。2. 平均3.9年間の観察期間中、119例の頭蓋内出血、123例の頭蓋外出血が  認められた。3. 抗血栓薬服薬例において降圧療法によって頭蓋内出血は有意に低下。  ○降圧治療群では8.9/4.0mmHg降圧し、頭蓋内出血のリスクを    46%(95%信頼区間:7%-69%)抑制した。  ○プラセボ群では9.3/3.8mmHg降圧し、頭蓋内出血のリスクを    70%(95%信頼区間:39%-85%)抑制した。4. 抗血栓薬服薬例における頭蓋外出血(主に消化管出血)は、  血圧レベルとは関係がなかった。5. 抗血栓薬服薬例において、治療中の収縮期血圧レベルが最も低かった群  (中央値113mmHg)で、頭蓋内出血の発症が少なかった。

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太っていると高血圧になりやすいのか?-茨城県健康研究より-

40歳以上の日本人においてBMIが25kg/㎡の人は、19kg/㎡の人に比べ、高血圧発症のリスクが1.29~1.47倍高くなることが茨城県健康研究(Ibaraki Prefectural Health Study:IPHS)の結果より明らかにされた。筑波大学大学院人間総合科学研究科の辻本氏らは、1993年に茨城県の健康診断を受診した住民のうち、高血圧でなかった68,205名を2006年まで追跡し、ベースライン時のBMIと高血圧症の発症を検証した。追跡期間中の体重変化の影響を除外するために、時間依存性共変量Cox比例ハザードモデルを用いた。高血圧の発症は、140/90mmHg以上 and/or 降圧薬の服用と定義された。主な結果は下記のとおり。1) 平均観察期間3.9年において、30,982名(45.2%)が高血圧症を発症した。2) BMIが25kg/㎡の人の高血圧発症リスク(対照:BMI<19kg/㎡の人)   40-59歳男性:1.42倍(95%信頼区間:1.17-1.73)   60-79歳男性:1.34倍(95%信頼区間:1.19-1.51)   40-59歳女性:1.47倍(95%信頼区間:1.33-1.62)   60-79歳女性:1.29倍(95%信頼区間:1.18-1.41)

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日本人においてカンデサルタン、アムロジピンの併用療法は、どの程度の降圧効果が期待できるか?

大阪大学大学院 医学系研究科 老年・腎臓内科学の楽木氏らは、ARBカンデサルタン、Ca拮抗薬アムロジピンの単剤療法と、それらの併用療法による降圧効果を種々の用量毎に測定した。この結果はClinical Therapeutics誌4月号に掲載された。楽木氏らは軽症から中等症の本態性高血圧患者を対象に、多施設無作為化二重盲検比較試験が実施した。4週間のプラセボ投与による観察期間終了後、444例の被験者は(1)カンデサルタン8mg+アムロジピン5mg群(n=101)、(2)カンデサルタン8mg+アムロジピン2.5mg群(n=36)、(3)カンデサルタン4mg+アムロジピン5mg群(n=36)、(4)カンデサルタン4mg+アムロジピン2.5mg群(n=35)、(5)カンデサルタン8mg群(n=100)、(6)アムロジピン5mg群(n=100)、(7)プラセボ群(n=36)のいずれかに無作為に割り付けられ、12週間投与された。主要評価項目はトラフ時の拡張期血圧の変化、副次評価項目はトラフ時の収縮期血圧値の変化。主な結果は下記のとおり。1) ベースラインの平均血圧値は153.4/95.7 mm Hg2) カンデサルタン8mg+アムロジピン5mg群:27.4mmHg/16.3mHg   カンデサルタン8mg群:13.9mmHg/7.8mHg   アムロジピン5mg群:19.9mmHg/11.2mmHg   併用療法群はそれぞれの単剤療法群より有意な降圧を認めた。

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オルメサルタンは、糖尿病と高血圧の併発例においても微量アルブミン尿の発症を遅延させる-ROADMAP試験より-

高血圧と糖尿病を併発する患者においても、ARBオルメサルタンによる治療によって微量アルブミン尿の発症率を低下させることが示された。このRandomized Olmesartan and Diabetes Microalbuminuria Prevention (ROADMAP)試験のサブグループ解析の結果は、Journal of Hypertension誌4月号に掲載された。4,000例以上の高血圧合併例におけるサブグループ解析2011年3月、2型糖尿病患者において、オルメサルタンが微量アルブミン尿の発症を遅らせることがNEJM誌に発表された。今回の報告は高血圧合併例におけるサブグループ解析。高血圧と糖尿病を併発した症例は4,020例。本解析では高血圧は「130/80mmHg以上 and/or 降圧薬服用者」と定義された。被験者はオルメサルタン40mgまたはプラセボが1日1回投与される群に無作為に割り付けられた。観察期間の中央値は3.2年。130/80mmHg未満に到達しない場合、必要に応じてARBまたはACE阻害薬を除く降圧薬が追加投与された。主な結果は下記のとおり。1) 平均到達血圧  オルメサルタン群:126.3/74.7 mmHg  プラセボ群:129.5/76.6 mmHg (P < 0.001)2) オルメサルタン投与によって、微量アルブミン尿の発症が25%減少  (ハザード比=0.75; 95%信頼区間=0.61-0.92, P = 0.007)3) ベースライン時の収縮期血圧値が136.7 mmHg以上の群において  17.45 mmHg以上の降圧が認められた群は、認められなかった群に比べて  微量アルブミン尿の発症率が有意に少なかった。  (8.1 vs 11.2%、P

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うつ病は高血圧発症の危険因子か?

長い間、うつと高血圧の関連していることは知られていたが、うつ病が高血圧発症の危険因子であるかどうかは不明であった。中国 吉林省の吉林大学第一病院のMeng氏らは、観察研究のメタアナリシスの結果、うつ病が高血圧発症の独立した危険因子である可能性が高いことを発表した。Meng氏は「高血圧症の予防と治療においてうつ病を考慮することが重要である」と言及している。うつ病患者では高血圧発症の危険性が1.4倍高いMeng氏らは、PubMed、EMBASE、 Cochrane、PsycINFOより、健康な正常血圧者におけるうつ病と高血圧発症の相関を報告した前向きコホート研究を検索し、ベースライン時のうつ症状/うつ病の記録を保有していた研究を解析の対象に選んだ。「高血圧」は、複数機会にわたる140/90mmHgを超える血圧値、降圧薬の服用、自己申告、高血圧という診断の記録のいずれかと定義した。横断研究、ケースコントロール研究は解析対象から除外した。主な結果は下記のとおり。 1) 9つの研究が解析対象の基準を満たし、計22,367名の対象者が  含まれていた。観察期間の平均値は9.6年。2) うつ症状/うつ病患者では高血圧の発症リスクが1.42倍高かった  (補正後相対リスク:1.42、95%信頼区間:1.09-1.86、P=0.009)。3) 高血圧発症リスクは、観察期間の長さ(P = 0.0002)、  ベースライン時のうつ病有病率(P

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ACC 2012 速報

2012年3月24日~27日まで米国・シカゴで『第61回米国心臓病学会(ACC.12)』が開催されます。Late-Breaking Clinical Trialsの発表を含めた主要トピックスの中から、事前投票で先生方からの人気の高かった上位6演題のハイライト記事をお届けします。ACC2012 注目の演題一覧2012年3月28日掲載現地時間:3月27日発表CCTAを用いてACS鑑別改善:ROMICAT II現地時間:3月25日発表経カテーテル的腎除神経術、降圧作用は3年間持続:Symplicity HTN-12012年3月27日掲載現地時間:3月26日発表「マルチスライスCCTAによるACS除外」の有用性示唆:ACRIN PA 4005現地時間:3月26日発表"On-pump" CABGに対する "Off-pump”の優越性示せず:CORONARY試験2012年3月26日掲載現地時間:3月24日発表自己骨髄単核球移植、虚血性心疾患例の心機能を改善せず:FOCUS-CCTRN試験現地時間:3月24日発表動脈硬化性疾患例に対するPAR-1阻害薬上乗せの有用性は確認されず:TRA 2°P-TIMI 50

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ACC 2012 速報 経カテーテル的腎除神経術、降圧作用は3年間持続:Symplicity HTN-1

治療抵抗性高血圧に対し著明な降圧作用を示す「経カテーテル的腎除神経術」だが、その有用性は、少なくとも3年間は持続する可能性が示された。また当初「無効」と思われながら、のちに降圧作用が発現する患者も相当数、存在することが明らかになった。"Symplicity HTN-1" 3年間追跡データとして、米国オハイオ州立大学のPaul A. Sobotka氏が、一般口演にて報告した。Symplicity HTN-1は、治療抵抗性高血圧に対する「カテーテルを用いた腎動脈アブレーション」による、降圧の可能性を検討したコホート研究である。現在、153例が登録されている。利尿薬を含む3剤以上〔平均:5.1±1.4剤)の降圧薬服用にもかかわらず、収縮期血圧(SBP)は160mmHg以上が対象となった(血圧平均値:175/98mmHg)。追跡開始時の平均年齢は57歳。腎機能は、推算糸球体濾過率(eGFR)45ml/分/1.73m2未満が除外されているため、平均83±20mL/分/1.73m2に保たれていた。3年間の追跡が終了したのは、153例中24例である。追跡開始時からの降圧幅は「33/19mmHg」。2年間の追跡完了59例における「33/15mmHg」、2年半追跡24例の「33/14mmHg」からの減弱は観察されなかった。「SBP<140mmHg」達成率も、2年間追跡時、3年間追跡時とも40%前後で、差はなかった。興味深いのは、腎除神経術による降圧作用が経時的な増強傾向を示した点である。「SBP≧10mmHgの降圧」が認められた割合は、除神経術施行後1か月後の69%(143例中)から時間の経過にしたがい増加し、3年後には100%(24例中)となっていた。また、腎除神経術施行1か月後に「SBP≧10mmHgの降圧」が認められなかった45例でも、3ヶ月後には58%(45例中)で10mmHg以上の降圧を達成し、達成率は2年後に82%(17例中)、3年後では100%〔8例中)と増加傾向を示した。一方、腎除神経術の降圧作用が減弱するサブグループは、認められなかった。「年齢(65歳未満/以上)」、「糖尿病合併の有無」、「腎機能低下(eGFR60mL/分/1.73m2未満)の有無」にかかわらず、除神経によりSBP、拡張期血圧とも、著明に低下していた。重篤な有害事象は、3年間追跡でも認められなかった。腎機能の著明低下は認めず、また懸念されていた腎動脈狭窄は、中等度狭窄を1例に認めるも血行動態に影響はなく、介入の必要はなかったという。3例が死亡の転帰をとったが、いずれも腎除神経術とは無関係とのことだ。なお現在、シカゴ大学George Bakris氏を主任研究者とする無作為化試験 "Symplicity HTN-3" が進行している。治療抵抗性高血圧に対する腎除神経術による「イベント抑制作用」が検討される。来年3月には終了予定とのことで、結果が待たれる。

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両腕のSBP差15mmHg以上、血管疾患や死亡の指標に

両腕の収縮期血圧(SBP)の差が10mmHg以上の場合、末梢血管疾患などを想定した精査が必要で、差が15mmHg以上になると血管疾患や死亡の指標となる可能性があることが、英エクセター大学のChristopher E Clark氏らの検討で示された。末梢血管疾患は心血管イベントや死亡のリスク因子だが、早期に検出されれば禁煙、降圧治療、スタチン治療などの介入によって予後の改善が可能となる。両腕のSBP差が10~15mmHg以上の場合、末梢血管疾患や鎖骨下動脈狭窄との関連が指摘されており、これらの病態の早期発見の指標となる可能性があるという。Lancet誌2012年3月10日号(オンライン版2012年1月30日号)掲載の報告。両腕の血圧差と血管疾患、死亡率との関連をメタ解析で検証研究グループは、両腕の血圧差と血管疾患、死亡率との関連を検証するために、系統的なレビューとメタ解析を行った。Medline、Embase、Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literatureなどの医学関連データベースを検索して、2011年7月までに公表された文献を抽出した。対象は、両腕のSBPの差と鎖骨下動脈狭窄、末梢血管疾患、脳血管疾患、心血管疾患、生存のデータを含む論文とした。変量効果を用いたメタ解析を行い、両腕のSBP差と各アウトカムの関連について評価した。10mmHg以上の差があると、鎖骨下動脈狭窄のリスクが約9倍に28編の論文がレビューの条件を満たし、そのうち20編がメタ解析の対象となった。血管造影法を用いた侵襲的な試験では、狭窄率>50%の鎖骨下動脈狭窄の患者における両腕のSBP差の平均値は36.9mmHg(95%信頼区間[CI]:35.4~38.4)であり、10mmHg以上の差は鎖骨下動脈狭窄の存在と強い関連を示した(リスク比[RR]:8.8、95%CI:3.6~21.2)。非侵襲的な試験の統合解析では、両腕SBPの15mmHg以上の差は、末梢血管疾患(RR:2.5、95%CI:1.6~3.8、感度:15%、特異度:96%)、脳血管疾患の既往(RR:1.6、95%CI:1.1~2.4、感度:8%、特異度:93%)、心血管死の増加(ハザード比[HR]:1.7、95%CI:1.1~2.5)、全死因死亡(HR:1.6、95%CI:1.1~2.3)と関連を示した。10mmHg以上の差は末梢血管疾患と関連した(RR:2.4、95%CI:1.5~3.9、感度:32%、特異度:91%)。著者は、「両腕のSBPの10mmHg以上または15mmHg以上の差は血管の精査を要する患者の同定に役立ち、15mmHg以上の差は血管疾患や死亡の有用な指標となる可能性がある」と結論している。(菅野守:医学ライター)

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80歳以上高血圧患者への積極的降圧治療、早期から長期にが支持される

収縮期血圧が160mmHg以上の80歳以上の超高齢高血圧患者に対する降圧治療は、効果が開始直後から認められ、長期的には全死亡と心血管死亡の有意な低下をもたらすことが明らかにされた。超高齢高血圧に対する降圧治療については、無作為化対照試験HYVETでベネフィットがあることが認められているが、早期からベネフィットが得られるかどうかを調べるため、英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのN.Beckett氏らがオープンラベルでの延長試験を1年間行った。結果を受けて、「超高齢高血圧患者への、早期から、かつ長期にわたる降圧治療が必要であることが支持された」と結論している。BMJ誌2012年1月14日号(オンライン版2012年1月4日号)より。HYVET被験者への治療をオープンラベルで1年延長し転帰を検討試験グループは、HYVET(Hypertension in the Very Elderly Trial)参加者への積極的治療をオープンラベルで1年間延長し、転帰について追跡した。試験は東西ヨーロッパ、中国、チュニジアの病院とクリニックを通じて行われ、HYVETによる二重盲検試験を終了した患者に延長試験への参加が認められた。積極的降圧治療の参加者は降圧薬を服用し続け(継続群)、プラセボの投与を受けていた参加者は新たに積極的降圧治療による介入を受けた(新規群)。治療投薬は従前試験と同じくインダパミドSr 1.5mg(商品名:ナトリックス、テナキシル)](+必要に応じてペリンドプリル2~4mg)の投与で、血圧目標も同じ150/80mmHg未満とした。主要転帰はすべての脳卒中のほか全死因死亡、心血管死亡、心血管イベントを含めた。全死因死亡、心血管死亡で、継続群と新規群で有意差認められる結果、参加適格者は1,882例で、うち1,712例(91%)かが延長試験に加わることに同意した。延長期間中に1,682人・年分のデータが集まった。結果、治療開始後6ヵ月間は、継続群と新規群の2群間の血圧差は1.2/0.7mmHgだった。以前の試験で積極的薬物治療を受けていた人とプラセボを投与されていた人を比較すると、脳卒中(13例、ハザード比:1.92、95%信頼区間:0.59~6.22)、心血管イベント(25例、同:1.72、0.36~0.78)には、有意差は認められなかった。一報で、全死因死亡(死亡47例、同:0.48、0.26~0.87、P=0.02)と心血管死亡(死亡11例、同:0.19、P=0.03)については、2群間に有意な差が認められた。

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米国で高齢者の心不全入院率が過去10年間で3割低下

米国高齢者の心不全による入院の割合は1998年からの10年間で、およそ3割低下したことが報告された。米国・エール大学医学部循環器内科部門のJersey Chen氏らが、米国とプエルトリコに住む約5,500万人超の高齢者について調べ明らかにしたもので、JAMA誌2011年10月19日号で発表した。米国では心不全の原因の一つである虚血性心疾患の罹患率が近年低下傾向にあり、また高血圧に対する降圧薬でのコントロールなども改善してきているが、一方でそれらと関連が深い心不全による入院や死亡が減少しているのかどうかについては検討されていなかった。心不全入院率、1998~2008年で相対割合29.5%減少研究グループは、メディケアの出来高払い制プランに加入し、1998~2008年の間に急性期病院からの退院の診療コードが心不全であった合計5,509万7,390人について、人口動態的変化や、共存症、心不全入院率、1年死亡率の変化を調査した。結果、被験者の平均年齢は、1999~2000年の79.0歳から、2007~08年の79.9歳へと、上昇していた(p<0.001)。心不全入院率は、年齢、性別、人種による補正後、1998年の10万人・年当たり2,845人から2008年の同2,007人へと、相対割合で29.5%減少していた(p<0.001)。年齢補正後の心不全入院率は、いずれの人種・性別においても、同期間において低下の傾向が認められた。心不全入院後1年死亡率は、1999~2008年で相対割合6.6%減少にとどまる心不全入院率の低下傾向には、州によって格差があることも認められた。リスク補正後の同率低下速度が全国平均より有意に速かったのは16州、遅かったのは3州(ワイオミング州、ロードアイランド州、コネチカット州)だった。一方、リスク補正後の心不全入院後1年死亡率は、1999年の31.7%から2008年の29.6%へと、相対割合で6.6%の低下傾向にとどまった(p<0.001)。州別では、同期間に同1年死亡率が有意に低下したのは4州、有意に増加したのは5州だった。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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チョコレート高摂取による心血管代謝障害の抑制効果が明らかに

チョコレートの摂取量と心血管代謝障害(cardiometabolic disorder)の発生リスクには実質的な関連が認められることが、英国・ケンブリッジ大学のAdriana Buitrago-Lopez氏らの検討で示された。WHOによれば2030年までに約2,360万人が心血管疾患で死亡するとされ、現在、世界の成人の約5分の1が、糖尿病や心血管疾患の増加をもたらすメタボリック症候群に罹患しているとの研究結果もある。近年、心血管代謝障害が世界的に増加しているが、その多くは予防可能と考えられており、ココアやチョコレートは降圧、抗炎症、抗動脈硬化、抗血栓作用を有することが示唆されている。BMJ誌2011年10月1日号(オンライン版2011年8月29日号)掲載の報告。心血管代謝障害の発生リスクに及ぼす影響をメタ解析で評価研究グループは、チョコレートの摂取と心血管代謝障害のリスクの関連を評価するために、無作為化対照比較試験および観察試験の系統的レビューを行い、メタ解析を実施した。2010年10月までに発表された文献のデータベース(Medline、Embase、Cochrane Library、PubMed、CINAHL、IPA、Web of Science、Scopus、Pascal)を検索し、関連論文の文献リストを参照した。抽出された論文の著者に電子メールで連絡をとった。主要評価項目は、心血管疾患(冠動脈心疾患、脳卒中)、糖尿病、メタボリック症候群を含む心血管代謝障害とした。メタ解析では、チョコレートの摂取量が最も多い群と少ない群を比較することで、心血管代謝障害の発生リスクを評価した。最大摂取量群で、心血管疾患リスクが37%、脳卒中リスクが29%低下選択基準を満たした7試験(11万4,009人)のうち6つがコホート試験(日本の1試験[Oba S、et al. Br J Nutr 2010;103:453-9]を含む)、1つは横断的試験であり、無作為化試験は含まれなかった。これらの研究には、チョコレート摂取量の測定法、試験方法、アウトカムの評価法に大きな差異が認められた。5つの試験では、チョコレート摂取量が多いほど心血管代謝障害のリスクが低下していた。摂取量が最も多い群では、最も少ない群に比べ心血管疾患リスクが37%低下(相対リスク:0.63、95%信頼区間:0.44~0.90)し、脳卒中リスクが29%低下(同:0.71、0.52~0.98)した。心不全の抑制効果はみられなかった(相対リスク:0.95、95%信頼区間:0.61~1.48)。日本の試験では、男性で糖尿病の抑制効果が認められた(男性:ハザード比0.65、95%信頼区間0.43~0.97、女性: 同0.73、0.48~1.93)。著者は、「観察試験のエビデンスに基づけば、チョコレートの摂取量と心血管代謝障害のリスク低下には実質的な関連が認められた」と結論し、「チョコレート摂取のベネフィットを確定するには、さらなる検討が必要である」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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プライマリ・ケアにおける高血圧診断、ABPMが費用対効果に優れる

24時間自由行動下血圧測定(ABPM)は、診察室(CBPM)や家庭(HBPM)での血圧測定よりも費用対効果が優れ、高血圧の診断戦略として最も有用であることが、イギリス内科医師会(Royal College of Physicians)のKate Lovibond氏らによる調査で示された。従来、プライマリ・ケアにおける高血圧の診断はCBPMに基づいて行われるが、HBPMやABPMのほうが心血管アウトカムとよく相関し、ABPMはCBPMやHBPMに比べ高血圧の診断精度が高いことが示されている。Lancet誌2011年10月1日号(オンライン版2011年8月24日号)掲載の報告。高血圧診断戦略としての費用対効果をMarkovモデルで解析研究グループは、Markovモデルを用いて、高血圧の診断戦略としてのCBPM、HBPM、ABPMの費用対効果を比較するために、基本ケース解析(base-case analysis)を行った。スクリーニング時の血圧が140/90mmHg以上で一般集団と同等のリスク因子を有する40歳以上の仮説的なプライマリ・ケア受診集団を対象とした。CBPM(月1回、3ヵ月)、HBPM(週1回)、ABPM(24時間)について、生涯コスト、質調整生存年(QALY)、費用対効果の評価を行った。ABPMは全年齢でコストが削減、50歳以上でQALYが延長ABPMはCBPMやHBPMに比べ全年齢の男女において費用対効果が優れていた。ABPMは全年齢の男女でコストが削減され(CBPMとの比較、範囲:75歳男性の56ポンド削減から40歳女性の323ポンド削減まで)、50歳以上の男女ではQALYが延長した(CBPMとの比較、範囲:60歳女性の0.006年から70歳男性の0.022年まで)。HBPMも同様に、全年齢の男女でコストが削減され(CBPMとの比較、範囲:75歳男性の16ポンド削減から40歳女性の68ポンド削減まで)、50歳以上の男女でQALYが延長した(CBPMとの比較、範囲:60歳女性の0.001年から70歳男性の0.005年まで)が、ABPMに比べて費用対効果は低かった。著者は、「診察室での初回血圧測定値が高値を示した集団における高血圧の診断戦略として、ABPMは誤診を減らし、コストを削減する優れた方法である」と結論し、「ABPMで新たに生じるコストは、より対象を絞り込んだ高血圧治療の実現によるコストの削減で相殺された。降圧薬治療開始前の患者の診断には、ABPMが推奨される」と指摘している。(菅野守:医学ライター)

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頭蓋内動脈狭窄症に対するPTAS vs. 積極的薬物治療

頭蓋内動脈狭窄症患者に対するステント治療と積極的薬物治療とを比較検討した試験「SAMMPRIS」の結果、積極的薬物治療単独のほうが予後が優れることが明らかになった。検討されたのはWingspanステントシステム(米国ボストンサイエンス社製)を用いた経皮的血管形成術・ステント留置術(PTAS)であったが、その施術後の早期脳梗塞リスクが高かったこと、さらに積極的薬物治療単独の場合の脳梗塞リスクが予測されていたより低かったためであったという。PTASは、脳梗塞の主要な原因であるアテローム硬化性頭蓋内動脈狭窄症の治療として施術が増えているが、これまで薬物療法との無作為化試験による比較検討はされていなかった。米国・南カリフォルニア大学のMarc I. Chimowitz氏を筆頭著者とする、NEJM誌2011年9月15日号(オンライン版2011年9月7日号)掲載報告より。頭蓋内動脈狭窄症患者451例を積極的薬物治療単独群とPTAS併用群に無作為化SAMMPRIS(Stenting and Aggressive Medical Management for Preventing Recurrent Stroke in Intracranial Stenosis)試験は、米国神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)から資金提供を受けた50施設から登録された、直近の一過性脳虚血発作または主要頭蓋内動脈径の70~99%狭窄を原因とする脳梗塞患者を対象とした無作為化試験であった。被験者は、積極的薬物治療単独群(アスピリン、クロピドグレル、各種降圧薬、rosuvastatinなどによる)か、積極的薬物治療に加えてPTASを併用する群に割り付けられ前向きに追跡された。主要エンドポイントは、「試験登録後30日以内の脳梗塞または死亡」「追跡調査期間中に施行された適格病変部位への血管再生処置後30日以内の脳梗塞または死亡」「30日超での適格動脈領域における脳梗塞」とした。積極的薬物治療単独群がPTAS併用群を上回る好成績本試験は、脳梗塞または死亡の30日発生率が、PTAS併用群14.7%(非致死的脳梗塞12.5%、致死的脳梗塞2.2%)、薬物治療単独群5.8%(非致死的脳梗塞5.3%、脳梗塞と関連しない死亡0.4%)となったため(P=0.002)、無作為化された被験者数451例(PTAS併用群224例、薬物治療単独群227例)で登録中止となった。追跡期間は11.9ヵ月であった(2011年4月28日現在)。事前予想では、主要エンドポイントの評価には追跡期間2年が必要と推定していた。また過去の同様の試験結果からPTAS併用群の主要エンドポイント発生は29%、一方、薬物治療単独群の同発生は24.7%とそれぞれ推定し、必要被験者数各群382例と試算して試験をデザインされていた。追跡調査は、本論発表現在も続けられているという。30日超での適格動脈領域における脳梗塞は、両群ともに13例の発生であった。1年時点の主要エンドポイントのイベント発生率は、PTAS併用群20.0%に対し薬物治療単独群は12.2%で、時間経過とともに有意に異なっていた(P=0.009)。(朝田哲明:医療ライター)

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国民への心血管疾患予防プログラム、適度の達成で年間医療費3,000万ポンド削減可能

英国・バーミンガム大学医療経済学教室のPelham Barton氏らは、「国民への心血管疾患予防を目的としたリスク因子低減の各種プログラムは、適度でも達成さえすれば国民の健康増進とともに、医療制度財源の正味のコスト削減にも結びつく」ことを、イングランドとウェールズ全住民を対象としたモデル研究の結果、報告した。英国での心血管疾患死亡は年間15万人以上、罹患者は500万人以上、医療コストは年間300億ポンド以上に上るという。BMJ誌2011年8月13日号(オンライン版2011年7月28日号)掲載報告より。モデル分析で、降圧、減塩など各種プログラムの10年効果を試算Barton氏らは経済モデル分析法にて、心血管疾患リスク因子を減らす各種国民啓発・介入プログラムの疾患予防効果および費用対効果を評価した。10年間にわたる心血管疾患低下のためのプログラム効果を測定する表計算式を作成し、ベネフィットが男女、全年齢、全リスク群に適用され続けた場合と仮定したモデルを作成。同モデルを、血圧と総コレステロールを少しでも減らすことを目的とした2つの一般向け啓発プログラムと、塩分とトランス脂肪酸の摂取減を定めた2つの法的介入プログラムに適用して試算した。主要評価項目は、介入効果によって回避された心血管イベント数、獲得されたQALYs(質調整生存年)、削減された医療コストとした。目標アウトカム達成のために費やされた対価についても推定された。コレステロール、血圧の平均値5%低下で8,000万~1億ポンド以上の医療費削減結果、プログラム1つの介入で、何も介入がされなかった場合と比較して、心血管イベントは年間、イングランドとウェールズ全住民(約5,000万人)の1%までに減少し、医療コストは3,000万ポンド以上削減されると試算された。また、コレステロールと収縮期血圧の平均値低下5%が達成となれば(5%は他国ではすでに達成されている)、医療コスト削減は8,000万~1億ポンド以上と試算された。塩分摂取を3g/日とする(現状では約8.5g/日)法的およびその他の対策による効果は、年間で約3万例の心血管イベント回避と、4,000万ポンド以上の医療コスト削減をもたらすと試算された。トランス脂肪酸については、摂取量を総エネルギー量の約0.5%までに減らし続ければ、約57万生存・年の獲得と、英国の国民健康保険制度であるNHSに年間2億3,000万ポンドのコスト削減効果をもたらす可能性が試算されたという。

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非糖尿病性腎症患者、ガイドライン推奨値の減塩維持が蛋白尿減少と降圧の鍵

ACE阻害薬最大量で治療中の非糖尿病性腎症患者には、ガイドライン推奨レベルの減塩食を持続して摂らせることが、蛋白尿減少と降圧に、より効果的であることが52例を対象とする無作為化試験の結果、示された。試験は、オランダ・フローニンゲン大学医療センター腎臓病学部門のMaartje C J Slagman氏らが、同患者への追加療法として、減塩食の効果とARB追加の効果とを比較したもので、両者の直接的な比較は初めて。Slagman氏は、「この結果は、より有効な腎保護治療を行うために、医療者と患者が一致協力して、ガイドラインレベルの減塩維持に取り組むべきことを裏付けるものである」と結論している。BMJ誌2011年8月6日号(オンライン版2011年7月26日号)掲載報告より。ACE最大量投与中にARB and/or減塩食を追加した場合の蛋白尿と血圧への影響を比較Slagman氏らは、ACE阻害薬最大量服用中の非糖尿病性腎症患者の蛋白尿や血圧への影響について、減塩食を追加した場合と最大量のARBを追加した場合、あるいは両方を追加した場合とを比較する多施設共同クロスオーバー無作為化試験を行った。被験者は、オランダの外来診療所を受診する52例で、ARBのバルサルタン(商品名:ディオバン)320mg/日+減塩食(目標Na+ 50mmol/日)、プラセボ+減塩食、ARB+通常食(同200mmol/日)、プラセボ+通常食の4治療を6週間で受けるように割り付けられた。ARBとプラセボの投与は順不同で二重盲検にて行われ、食事の介入はオープンラベルで行われた。試験期間中、被験者は全員、ACE阻害薬のリシノプリル(商品名:ロンゲス、ゼストリルほか)40mg/日を服用していた。主要評価項目は蛋白尿、副次評価項目が血圧であった。直接対決では減塩食の効果が有意平均尿中ナトリウム排泄量は、減塩食摂取中は106(SE 5)mmol/日、通常食摂取中は184(6)mmol/日だった(P

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