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イノツズマブ オゾガマイシン、小児CD22陽性急性リンパ性白血病に適応追加/ファイザー

 ファイザーは2024年3月26日、イノツズマブ オゾガマイシン(商品名:ベスポンサ)について、小児の再発又は難治性のCD22陽性急性リンパ性白血病(ALL)に対する国内における医薬品製造販売承認事項一部変更承認を取得した。今回の承認は、小児の再発・難治ALLを対象とした2つの医師主導治験、国内第I相試験(INO-Ped-ALL-1試験)および海外第I/II相試験(ITCC-059試験)の結果に基づいている。 小児ALLは小児期の造血器悪性疾患の中で最も高頻度にみられ、2〜5歳に発症することが多い。小児10万人当たり年間3〜4人が発症し、日本では年間約500人の小児が新規に診断されている。 INO-Ped-ALL-1試験およびITCC-059試験では、同剤の高い完全寛解率と微小残存病変(MRD)陰性率が認められ、寛解持続期間、造血幹細胞移植(HSCT)または CAR-T細胞療法への移行率、無イベント生存率(EFS)、全生存期間(OS)、非寛解または再発の累積発生率も良好な結果が得られた。また、両試験において本剤は、成人患者と同様に管理可能な安全性プロファイルを示した。

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英語で「責任追及」は?【1分★医療英語】第124回

第124回 英語で「責任追及」は?《例文1》This is not to finger point, but we have to hold the primary doctor accountable.(罪のなすり付けをするつもりはないが、主治医には説明責任を求めるべきだ)《例文2》We need to stop the blame game.(私たちは罪のなすり付けをやめるべきだ)《解説》医師は医療のさまざまな現場でリーダーとしての役割を求められることが多く、時には、現場での不毛な責任追及を制止して、チームを団結させて問題解決に導くコミュニケーション力も必要です。“finger pointing”は、直訳すると「指差しをすること」となりますが、英会話では「責任追及のために特定の人物を指すこと」という意味があります。否定的な意味合いで使われることが多く、過度・不当な責任追及(=罪のなすり付け)を意味する場合が多いです。また、「正当な責任追及である」と考えて発言するときには、「これはfinger pointingではない」という言い回しを使って前置きすることもよくあります《例文1》。“finger pointing”の類似表現としては、“the blame game”があります《例文2》。講師紹介

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名目上のp値とは?「ネコは心筋梗塞の発症を抑制する」は真実か【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第70回

経済用語における「名目」本原稿を執筆している3月13日は春闘の集中回答日でした。これは、自動車や電気機器、鉄鋼などの製造業大手の経営側が、賃上げなど労働組合の春闘要求に対する回答をいっせいに伝える日です。報道によれば、大手企業では満額を含む高い水準の回答が相次いだそうです。30年近く給与が上昇しなかった日本では画期的なニュースです。労働組合活動に疎い医師の立場からすると、縁遠い感じもしますが、医師も連携して力を合わせて、要求すべきことを訴えていかねばならないとも感じます。満額回答が続出した背景には、歴史的な物価高があります。賃金が上昇しても、物価の上昇分に追い付いていなければ、実質的には目減りしていることになります。これを説明するための用語が「名目賃金」と「実質賃金」です。名目賃金は、貨幣で受け取った賃金そのものを指します。給与明細に記載された給与額です。実質賃金は、労働者が実際に受け取った給与である名目賃金から、消費者物価指数に基づく物価変動の影響を差し引いて計算したものです。たとえば、名目賃金が10%上がると同時に、物価も10%上がった場合には、実質賃金は変化なく同じです。物価上昇分を超える名目賃金の上昇がなければ、「給料が上がり景気が良くなった。さあ金を使おう」とはなりません。海外に比して日本の物価が相対的に安いことは実感されますので、一定の物価上昇が続いてもいいのでしょう。それ以上の賃金上昇が続く「物価と賃金の好循環」が期待されます。日本経済がデフレ基調から脱却し、成長軌道に復することを願うばかりです。名目賃金・実質賃金だけでなく、国内総生産(GDP)でも「名目GDP」「実質GDP」というように、対義語の関係にある「名目」と「実質」は経済指標でしばしば使用されます。医学領域では、「名目」という用語はあまり使われないかもしれません。しかし、読者の皆さまが「名目」という言葉を目にしないと感じるのであれば、注意力が不足しています。医療関係者は、製薬企業から薬剤についての宣伝の資料を受け取ると思います。最近ならばインターネット上で宣伝資材に触れる機会も多いと思います。そのパンフレットやチラシの資料には「名目上のp値」という言葉が多く記載されています。たいてい小さな文字で書かれていることが多いので気付かないかもしれませんが、あらゆる図表に「名目上のp値」と記載されています。名目上のp値とは?まずp値について復習しましょう。研究の世界では統計的な有意性が求められます。有意性の判定基準として通常は「p値」が使われ、一般的には0.05(=20分の1)を有意水準として、p値が0.05未満の時に有意であるとされます。新薬Aの有効性を検討するために、プラセボと比較するランダマイズ試験を実施するとします。新薬Aは有効性がない薬剤であるとの仮説を立てます。これを帰無仮説といいます。この有効性がないと仮定した場合に、今回のランダマイズ試験の結果が偶然に発生する確率であるp値を計算します。このp値が0.05未満であった場合に、「5%未満の確率で起こる事象は、20回に1回以下しか起こらないまれな事象だ。したがってこのようなまれな事象が今回の研究で偶然に起こったとは考えないことにしよう。そうだ、前提である新薬Aは有効性がないという帰無仮説が間違っていたのだ。新薬Aが有効と考えても良いかもしれない」という解釈となります。ある仮の臨床研究を考えてみます。心筋梗塞の既往のある100人と、既往のない100人への調査研究です。好きな動物は何ですかという調査です。イヌ・ネコ・ウマ・クマ・パンダ・ライオン・トラ……動物園のごとく動物名が続きます。心筋梗塞の既往の有無にかかわらず、パンダ好きの方がいるはずです。パンダ好きであることと心筋梗塞発症には何の関係もなくとも、両群でピッタリ同じ人数とは限りません。心筋梗塞の既往のある群とない群の各100人の中でパンダ好きと返答する人は、同数ではなく多少の差異、つまりバラツキがあるほうが多いはずです。このバラツキが生じる確率であるp値を計算します。これがp=0.4ならば、「パンダ好きの人に心筋梗塞の既往のない人が多いが、10回に4回ほども発生する珍しくない出来事だな、まあパンダには心筋梗塞予防効果があるとはいえないなぁ」となります。イヌのp値は0.42、タヌキのp値は0.8、ゾウのp値は0.31、クマのp値は0.64と続きます。そしてネコで計算してみると、なんとp=0.04でした。これは大発見です。何しろp値が0.05未満の非常に珍しい事象が観察されたのです。さっそく論文化します。「ネコ好きには、有意に心筋梗塞の既往のある者が少ない、つまりネコをかわいがると心筋梗塞になりにくい。そうだ皆がネコを飼うのだ、ネコさま万歳!」という趣旨の大論文です。これは正しいでしょうか。有意かどうかを判断する有意水準が0.05(=20分の1)であれば、20以上の動物名を羅列すれば、1つくらいはp値が0.05を下回る項目があるほうが普通です。「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」式に山ほどの動物名で調査しながら、その他の動物名で調査したことを伏して、ネコの部分だけで調査したかのように公表するのは間違っています。主要評価項目の結果のみ「p値」を記載できる正しい流れは以下であるべきです。ネコを愛することには心筋梗塞の予防効果があることを示唆する基礎研究データが背景にあり、その次に、「ネコ好きには心筋梗塞発症予防効果がある」という臨床上の仮説を立てて、研究計画を練るというステップです。多くの項目で検定すれば、どれか1つは有意となる可能性は高まります。それを最初からピンポイントで狙っていたかのように発表することには大きな問題があります。これが研究において何を一番評価するのかを、事前に主要評価項目(プライマリ・エンドポイント)として1つ定めておく理由です。他の副次的評価項目(セカンダリ・エンドポイント)と明確に区別しておくことが必要です。数多くの項目を網羅的に検定することの問題は、多重性検定への対応として、統計学に1つのジャンルを成すほど重要なテーマとなっています。一方で、多くを検定することイコール「悪」ではなく、探索的に種々の検定を行う中に、真の大発見の種がある可能性もあることに留意ください。製薬企業の資料作成要領では、その薬剤の承認にかかる研究の主要評価項目に関する検証的な解析結果の表記においてのみ、堂々と「p値」を名乗ることが可能です。それ以外の解析結果を宣伝資材に記載する場合には、「名目上のp値」と記載し、多重性検定への対応にも触れることが必要とされています1)。参考1)日本製薬工業協会「医療用医薬品製品情報概要等に関する作成要領」

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がん合併の低リスク肺塞栓症患者に対する在宅療養は適切か(ONCO PE)/日本循環器学会

 肺塞栓症含む血栓塞栓症はがん患者の主要な合併症の1つだ。通常の肺塞栓症の場合、低リスクであればDOACによる在宅療養を安全に行えるものの、がん患者の肺塞栓症に対してもそれが可能であるか議論されていた。倉敷中央病院心臓病センター循環器内科の茶谷 龍己氏らは、肺塞栓症重症度スコア(sPESI)が1点のがん合併の低リスク肺塞栓症患者に対して、リバーロキサバンによる在宅療養と入院療養の比較試験を、ONCO PE試験のコンパニオンレポートとして実施した。3月8~10日に開催された第88回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Clinical Trials 2セッションにて茶谷氏が発表した。なお本結果は、Circulation Journal誌オンライン版2024年3月8日号に同時掲載された。 ONCO PE試験(NCT 04724460)は、sPESIスコアが1点の活動性がん合併の低リスク肺塞栓症患者を対象に、18ヵ月間のリバーロキサバン治療と6ヵ月間のリバーロキサバン治療を比較することを目的とした、国内32施設による多施設非盲検判定者盲検RCTだ。今回、ONCO PE試験のスキーム外で、プロトコルで事前に決定されていたコンパニオンレポートとして、在宅療養と入院療養の3ヵ月間の臨床転帰が評価された。なお、本試験はバイエル薬品より資金提供を受けたが、同社は本試験のデザイン、データの収集・解析、報告書の執筆には関与していない。 本試験では、造影CT検査によって新たに肺塞栓症(sPESIスコア:1点)が認められた活動性がん患者が対象とされた。診断時の抗凝固療法の実施、出血ハイリスクと医師に判断された患者、リバーロキサバン禁忌、生命予後が6ヵ月以下とされた患者は除外された。試験開始後、医師の判断でリバーロキサバンを最初の3週間は15mgを1日2回の初期強化療法を行い、その後15mgを1日1回投与した。医師の判断で初期強化療法を行わないことは許容された。主要評価項目は、肺塞栓症関連死、再発性静脈血栓塞栓症(VTE)、大出血の複合転帰とした。副次評価項目は、主要評価項目に関連する肺塞栓症関連死、再発性VTE、大出血、全死因死亡と肺塞栓症関連事象による入院(再発性VTE、出血による入院)とした。Kaplan-Meier曲線を用いて累積発生率を推定し、log-rank検定で差異を評価した。在宅療養と入院療養における評価項目をCox比例ハザードモデルで評価した。 主な結果は以下のとおり。・2021年2月~2023年3月に、国内32施設の178例が解析対象となった。平均年齢65.7歳、女性53%、平均体重60.1kg、平均BMI 23.0kg/m2。・在宅療養群は、66例(37%)、平均年齢66.2±9.5歳、女性34例(52%)、平均体重60.4±10.9kg、平均BMI 23.1±2.9kg/m2。・入院療養群は、112例(63%)、平均年齢65.5±11.0歳、女性61例(55%)、平均体重60.0±11.7kg、平均BMI 22.9±4.2kg/m2。・ベースライン時では、在宅療養群では右心負荷所見のある患者の頻度が低かった(1.5% vs.13%、p=0.01)。・3ヵ月間での肺塞栓症関連死、再発性VTE、大出血の複合転帰は、在宅療養群:66例中3例(4.6%、95%信頼区間[CI]:0.0~9.6)vs.入院療養群:112例中2例(1.8%、95%CI:0.0~4.3)で、主要評価項目の累積3ヵ月の発生率には両群間に有意差はなかった(log-rank p=0.28)。・肺塞栓症関連死は両群ともに発生しなかった。・在宅療養群では、3例に大出血が発生した(4.6%、95%CI:0.0~9.6)。・入院療養群では、再発性VTEが1例(0.9%、95%CI:0.0~2.7)、大出血が1例(0.9%、95%CI:0.0~2.7)発生した。・両群で、初期強化療法期間中に大出血は発生しなかった。・3ヵ月間での全死因死亡は在宅療養群4例(6.1%、95%CI:0.3~11.8)、院内療養群5例(4.5%、95%CI:0.6~8.3)であった。すべてがんによるものだった。・在宅療養群では、2例が肺塞栓症関連事象による入院を必要としたが、すべて出血事象による入院であった(3.0%、95%CI:0.0~7.2)。 本試験の結果、sPESIスコアが1点の活動性がん合併の低リスク肺塞栓症患者は、在宅療養での治療ができる可能性があることが示された。

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英語で「予防」は?【1分★医療英語】第123回

第123回 英語で「予防」は?《例文1》Do you recommend initiating antibiotic prophylaxis?(抗菌薬での予防を開始したほうがいいと思いますか?)《例文2》The oncology team has decided to use neutropenia prophylaxis.(腫瘍チームが好中球減少症の予防をすることを決めました)《解説》「予防」を示す英単語は、“prevention”と習ったかと思います。患者さんとの会話の際は一般的なこの表現を使いますが、医療者同士では“prophylaxis”(プロフィラクスィス:[病気の]予防)が使われることが多く、臨床ガイドライン等でもこちらが採用されています。“PrEP”(pre-exposure prophylaxis=曝露前予防)、“PEP”(post-exposure prophylaxis=曝露後予防)など、HIV曝露前後に予防として抗HIV薬を服用する意味の単語にも使われています。“prophylaxis”は少し長いので、カルテ等では略語の“ppx”と書くこともあります。同じ薬であっても、治療目的と予防目的では異なる用量で処方することも多く、注意が必要です。“therapeutic dose”は「治療目的の用量」、“prophylactic dose”は「予防目的の用量」を指します。薬のオーダーをするときや、スタッフとの会話の際に、間違いや勘違いがないよう気を付けてください。講師紹介

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経口PNH治療薬iptacopan、ヘモグロビン値を改善/NEJM

 抗C5モノクローナル抗体療法を受けているが貧血が持続する発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)患者、および補体阻害薬の治療歴がなく乳酸脱水素酵素(LDH)が高値のPNH患者に対し、経口B因子阻害薬のiptacopanは、赤血球輸血なしでのヘモグロビン値上昇をもたらしたことが示された。フランス・サン・ルイ病院のRegis Peffault de Latour氏らが、2件の第III相臨床試験の結果を報告した。抗C5抗体療法を受けている患者あるいは補体阻害薬治療を受けていないPNH患者にとって、溶血性貧血の持続と経口薬がないことは大きな課題だった。NEJM誌2024年3月14日号掲載の報告。赤血球輸血なしでのヘモグロビン値の上昇を評価 研究グループは、ヘモグロビン値10g/dL未満のPNH患者を対象にした2件の第III相試験で、24週間のiptacopan単剤療法を評価した。第1試験では、抗C5抗体療法を受けていた患者を、iptacopanに切り替える群と、抗C5抗体療法を継続する群に無作為に割り付け評価。第2試験は単群試験で、補体阻害薬による治療歴がなく、LDHが正常上限値の1.5倍超の患者にiptacopanを投与し評価した。 第1試験の主要エンドポイントは2つで、いずれも赤血球輸血なしで、ヘモグロビン値がベースラインから2g/dL以上上昇すること、ヘモグロビン値が12g/dL以上になることだった。第2試験の主要エンドポイントは、赤血球輸血なしで、ヘモグロビン値がベースラインから2g/dL以上上昇することだった。ヘモグロビン値12g/dL以上への改善、iptacopan群42/60例、抗C5抗体療法群0例 第1試験では、iptacopanを受けた60例のうち51例が、赤血球輸血なしでヘモグロビン値がベースラインから2g/dL以上上昇し、うち同42例はヘモグロビン値12g/dL以上となった。抗C5抗体療法を受けた35例の患者では、主要エンドポイントの達成は認められなかった。 第2試験では、31/33例が、赤血球輸血なしでヘモグロビン値がベースラインから2g/dL以上上昇した。 第1試験ではiptacopan群62例中59例で、抗C5抗体療法継続群35例中14例が輸血を必要としなかったか受けなかった。第2試験では、輸血を必要としたまたは受けた人はいなかった。 iptacopan投与によって、ヘモグロビン値が上昇、疲労が軽減され、網赤血球数とビリルビン値が低下し、その結果、LDH平均値が正常値上限の1.5倍未満となった。iptacopanによる有害事象で最も多くみられたのは、頭痛だった。

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深刻化が懸念される抗がん剤のドラッグ・ロスについて議論/日本臨床腫瘍学会

 日本の医療界にとって深刻な課題となりえるドラッグ・ロス。第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)では、会長企画シンポジウムとして取り上げられ、各方面の専門家による議論が交わされた。新興バイオファーマ(EBP)に知られていない日本の医療環境と開発環境 国立がん研究センター中央病院先端医療科長の山本 昇氏は、ドラッグ・ロス解消を目的に欧米のEBPと交渉した体験談を交え発表した。 EBPとの交渉では、薬価制度に対する苦言はなかったものの、日本の医療環境や開発環境は知られていないことが明らかになった。開発対象の患者数がわからず、日本で薬を開発したらどれだけ売れるかイメージできていない。日本のがん統計データは日本語表記という問題がある。それだけでなく、EBPが求めるのは特定の遺伝子異常のがん患者数など、現状のがん統計データよりも細かい情報である。一方、日本は承認されると一定期間内に必ず保険償還されるという特徴は好感触であった。 ドラッグ・ロス解消には産官学での取り組みが重要である。 薬価対策や薬事申請方法など、産官のアクションは始まっているが、医療機関の取り組みが遅れている。国際共同試験に耐える施設、迅速な症例登録など、日本の治験実施体制を底上げして治験にコミットできる体制作りが必要だろう。日本の新薬開発環境、市場の魅力をEBPに伝える 医薬品医療機器総合機構(PMDA)の藤原 康弘氏はPMDAのドラッグ・ロス解消に向けた取り組みについて紹介した。 ドラッグ・ロス解消に向け、2023年7月に政府も昨年の骨太の方針の中でさまざまな政策を提示し、厚生労働省も「創薬力の強化・安定供給の確保等のための薬事規制のあり方に関する検討会」を設置して必要な対応等が検討されてきた。国際共同治験における日本人PhaseIの必要性については、文章記載を変え、英文でも明示して理解を促している。薬価については、迅速導入加算や外国平均価格調整など企業にとって福音になる方向性が中医協から示されている。 一方で日本の薬事制度や日本の医療機関の現状が海外のEBPやベンチャーキャピタルなどに伝わっていないことが懸念される。 日本の薬事制度を英語でかつリアルタイムに海外に発信していくことが最も重要だと考えられる。 PMDAとしては、アジア圏を中心とした参照国制度(治験の簡略化や迅速な承認を実現する仕組みなど海外と結んでいる協定)のさらなる活用促進、有名英文学術雑誌への掲載・投稿、欧米審査機関とのさらなる連携、アジアや米国への支局設置による各国の情報収集および規制当局やベンチャーキャピタルへの情報伝達、といった取り組みを検討中である。 医薬品開発業務受託機関(CRO)の視点からはシミックホールディングスの奥田 晃義氏が発表した。 日本におけるグローバル治験は年々増加している。2012年は30%だったグローバル治験の割合が2022年には55%となった。増えているとはいえ、アジア諸国の中で見ると、その割合はかなり低い。グローバル治験の対象国を見ると、日本が含まれていない治験は61%にのぼる。2023年FDAで承認された抗がん剤16剤のうち日本で承認されたのは2剤、審査中・開発中が9剤、まったくアクションなしが5剤ある。その5剤はすべてEBPの薬剤だ。 近年、抗がん剤の開発企業はEBPに移行している。EBPにとって日本の新薬環境、市場の利点は知られておらず誤解もある。改善のためには、日本の新薬開発環境、市場の魅力を伝え、ビジネスチャンスが生まれることをアピールする必要がある。 日本CRO協会はドラッグ・ロス検討会を設け、日本の治験の魅力を海外に発信する取り組みを行っている。また、多くのショーケースや海外学会でのミーティング活動などを通して、日本での開発の打診を続けてきている。さらに、グローバルCROとのパートナーシップを構築していく。日本の責任企業を増やす環境を作る必要性 米国アステラス製薬の廣橋 朋子氏は、新薬開発におけるドラッグ・ロスと日本の取るべき対応策について、海外グローバル企業からの意見を発表した。 日本の臨床開発手法はここ20年で大きく変わってきた。以前は国内フル開発だったが、現在では日本PhaseIストラテジーと国際共同治験への参加が標準的な開発手法となっている。これによりドラッグ・ラグは解消されたと考えていたが、欧米の開発スピードの加速化、 創薬研究の多様化によって新たなドラッグ・ラグ/ロスが生じている。 製薬研究の多様化の1つに、ビジネスディベロップメント(BD)の多様化が挙げられる。 多くの新薬は欧米ベンチャー企業が創出し、有効性を確認後BDを通して開発が進められる。 このBDは、グローバル企業がバイオテック企業を合併・買収、または共同開発によって世界展開する「グローバル型」と、各地域の開発・販売権を得た企業各々が展開する「テリトリー型」に分類される。とくにテリトリー型は今後増えていく可能性が高いと考えられる。この場合、日本の責任企業が不在となることがあり、その場合はドラッグ・ロスは避けられなくなる。 これらの問題を解決するには、より多くの企業が日本の責任企業となれる環境を作ることが急務である。そのためには、グローバル企業の日本支社をはじめとした企業の努力、日本における創薬ビジネスの活性化が必要となる。また、ピボダル試験前にグローバルFIH(First-in-Human)試験で日本人の安全性評価ができるような計画も有効であろう。欧米諸国のバイオテック企業がグローバルFIHへの日本の参加を検討・実施しやすい環境を作ることで、グローバル型、テリトリー型いずれの場合もドラッグ・ラグ/ロスを改善できる可能性がある。

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ソーシャルワーカーの介入、HIV患者の退院後の受診改善/JAMA

 入院中のHIV感染患者への介入として、強化された標準ケアと比較して、退院後のHIVクリニックへの受診を促す連携型の患者管理(linkage case management)による介入は、退院後の死亡率を改善しないものの、受診までの期間を短縮し、抗レトロウイルス療法(ART)のアドヒアランスやウイルス量が抑制された患者の割合を改善することが、米国・Weill Cornell MedicineのRobert N. Peck氏らが実施した「Daraja試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2024年3月6日号で報告された。タンザニア20施設の無作為化試験 本研究は、HIVケアへの参加の障壁に対処するようにデザインされた連携型患者管理介入(Darajaと呼ばれる)が、タンザニアのHIV感染患者の退院後のアウトカムを改善できるか否かの検証を目的とする単盲検無作為化試験であり、2019年3月~2022年2月に同国北西部の20施設で参加者を募集した(米国国立精神保健研究所[NIMH]などの助成を受けた)。 ARTを受けていない、もしくは中止し、何らかの理由で入院したHIV感染患者500例(平均年齢37歳、女性76.8%)を登録し、Daraja介入を受ける群に250例、強化標準ケアを受ける群に250例を無作為化に割り付け、12ヵ月間追跡した。 Daraja介入群は3ヵ月間にわたり、ソーシャルワーカーによる最大5回の研修を病院、自宅、HIVクリニックで受けた。強化標準ケア群は、退院前にHIVカウンセリングとHIVクリニックの予約の仕方に関する支援を受けた。ART開始までの期間、受診の継続率も改善、介入関連の有害事象は発現せず 175例(35.0%)がCD4細胞数<100/μLで、402例(80.4%)はARTによる治療歴がなく、98例(19.6%)はARTを中止した患者であった。 12ヵ月後までに85例(17.0%)が死亡した(介入群43例、強化標準ケア群42例)。12ヵ月時点の全死因死亡率(主要アウトカム)は両群間に差を認めなかった(介入群17.2% vs.強化標準ケア群16.8%、ハザード比[HR]:1.01、95%信頼区間[CI]:0.66~1.55、p=0.96)。 一方、介入群は強化標準ケア群に比べ、初回のHIVクリニック受診までの期間(HR:1.50、95%CI:1.24~1.82、p<0.001)、ART開始までの期間(1.56、1.28~1.89、p<0.001)が有意に短縮した。 また、12ヵ月時のHIVクリニック受診の継続率(87.4% vs.76.3%、p=0.005)、ARTのアドヒアランス(81.1% vs.67.6%、p=0.002)、HIVのウイルス量抑制(HIV RNA<1,000コピー/μL)(78.6% vs.67.1%、p=0.01)の割合は、いずれも介入群で良好だった。 Daraja介入の1年間の平均費用は、立ち上げ費を含め1例当たり約22ドルであった。また、Daraja介入に関連した有害事象は認めなかった。 著者は、「低コストの患者管理介入により、HIVクリニックとの早期の連携とART開始が促進され、HIV患者の退院後の死亡率を低減できるとの仮説は確証できなかったが、退院後のHIVケアの継続を促すという効果が得られた」とまとめ、「これらの知見は、HIVの入院患者における連携型の患者管理に関して、その潜在的な役割を決定するのに役立つ可能性がある」としている。

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医学生に腫瘍内科の魅力を!学会が教育プログラムを作成/日本臨床腫瘍学会

 国内における医師の診療科の偏在は長らく問題となっている。平均勤務時間が長い、訴訟リスクが高いなどの理由から、外科・産婦人科などが医学生・若手医師から敬遠されて減少傾向となり、その反面、形成外科・放射線科などが増加傾向にある1)。 腫瘍内科をはじめとするがん関連の診療科も、学生時代に接点が少ない、専門性やキャリアの描き方が見えづらいなどの理由から、入局者数、専門医数、学会会員数などの伸びに課題を抱えている。こうした状況を背景として、日本臨床腫瘍学会(JSMO)の教育企画部会は、全国の大学向けに腫瘍学の教育プログラムを提供するプロジェクトをスタートした。 第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2024)では、このプロジェクト「JSMO大学」の活動内容を紹介し、大学の腫瘍内科教育が抱える課題についてディスカッションするシンポジウムが行われた。JSMO大学の中心メンバーである聖マリアンナ医科大学 臨床腫瘍学講座主任教授の砂川 優氏が「JSMO University:本邦の腫瘍学教育の発展を目指した取り組み」と題した発表を行い、プロジェクト開始時に腫瘍内科の教員を対象に行ったアンケート結果を紹介した。 アンケートの概要は以下のとおり。・実施時期:2023年3~4月・対象:全国の医学部を有する大学82大学、日本臨床腫瘍学会の施設登録責任者・回答:76大学(93%)から得た・「臨床腫瘍学または腫瘍学関連の大学講義はありますか?」との問いに、「ある」が91%、「ない」が9%と、ほとんどの大学で腫瘍内科に関する講義の設定があった。・一方で、「腫瘍内科の講義の単位数」は0.5~36単位と大きな幅があり、「講義を担当している医局員数」は25%の大学で1人、半数の大学で3人以下だった。さらに「講義スライドを作成する際に参考にしているコンテンツはあるか?」との問いに、44%が「ない」と回答するなど、教える側の負担の大きさも見える結果となった。・「腫瘍学に関する実習はあるか?」との問いに、「ある」が65%と、実習が設定されていない大学も3分の1程度あることがわかった。・テストについて、腫瘍学関連の内容が「定期テストに含まれている」との回答が78%、「卒業試験に含まれている」との回答が68%、「医師国家試験の過去問題に基づいたテストを作成している」との回答が77%となり、試験の分野としては定着している現状がわかった。・教員の自由回答からは「基礎応用腫瘍学は内容が高度過ぎる」「系統的に腫瘍内科学を学ぶ機会がない」「情報量が多く一方通行」「わかりやすい資料がない」といった課題感が寄せられた。 同時に医学生向けのアンケートも行われ、腫瘍内科学の講義への感想として「面白かった」との回答が44%あったものの、「難しかった」との回答も56%あるなど(5年生の場合)、学生に興味を持ってもらう講義づくりに工夫の余地を感じさせる結果となった。 これらのアンケートの結果を受け、JSMO大学ワーキンググループは以下のような事業を展開していく予定だ。・教育資材を作成し、全国の大学に配布(2024年4月予定)・教育関連セミナーを開催(講義方法や国家試験対策を学ぶ)・腫瘍内科の魅力やキャリアプランを伝える動画を作成、YouTubeで公開JSMO2024 委員会企画 3「腫瘍学は人気がないのか?医学部教育の実態に迫る【JSMO University】」オンデマンド配信中(3/31まで。JSMO2024への参加登録要)https://www.micenavi.jp/jsmo2024/医学生向け腫瘍内科紹介動画「がん治療のジェネラリストでありスペシャリストである腫瘍内科医を目指しませんか?」https://www.youtube.com/watch?v=P-aMqgb2AFM

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PNH治療に新たな進展、ボイデヤによる今後の期待/アレクシオン

 アレクシオンファーマは2024年2月15日、「新たな治療薬『ボイデヤ』、C5阻害剤への国内初の併用薬が変える『発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)』治療の展望 ―持続する貧血・疲労感、定期的な輸血などPNH患者さんのアンメットニーズに対する個別化治療の提供―」と題したメディアセミナーを開催した。 同セミナーでは、血管内溶血およびヘモグロビン尿を特徴とする希少疾患、発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)について、西村 純一氏(大阪大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学 招聘教授)が「発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)を取り巻く環境と治療の現状と課題」、小原 直氏(筑波大学 医学医療系 医療科学 教授)が「国際共同第III相試験(ALPHA試験)の結果に基づいた『ボイデヤ』への今後の期待」と題し、それぞれ講演を行った。その中で、西村氏からはPNHの病態、診断基準、治療戦略が、小原氏からはALPHA試験の解説およびボイデヤ(一般名:ダニコパン)の処方経験について述べられた。PNHの病態 PNHは、溶血とそれに続くヘモグロビン尿、血栓症、骨髄不全を3大症状とする。PNHでは血管内溶血が一酸化窒素(NO)低下を誘発することに伴う諸症状(肺高血圧症、男性機能障害、嚥下痛・嚥下困難、腹痛など)が生じ、PNHに特徴的な合併症の慢性腎臓病と血栓症は、それぞれ複数の機序が複合的に相まって引き起こされる。PNHの診断と診断基準の改訂 PNHの診断では、溶血所見(血清LDH値の上昇、網状赤血球増加、間接ビリルビン値上昇など)がある患者にPNHの疑いがあれば、フローサイトメトリー検査を実施する。診断基準は2022年に改訂され(『発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド 令和4年度改訂版』)、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカー型タンパク質の欠損赤血球(PNHタイプ赤血球)の検出と定量において、PNHタイプ赤血球(II型+III型)が1%以上、かつ血清LDH値が正常上限の1.5倍以上の場合は「A.検査初見」を満たすDefinite(確定診断の要件)、それ以外の所見・症状は「B.補助的検査所見」「C.参考所見」として記載されることになった。溶血所見に基づいた重症度分類は、従来中等症に記載されていた臓器症状が、令和4年度改訂版では割愛された。治療戦略 治療の選択に関しては、溶血とそれに伴う血栓症、骨髄不全、それぞれについて必要な治療を別個に判断することが原則である。終末補体阻害薬であるソリリス(一般名:エクリズマブ)投与により、補体活性化経路中のC5転換酵素がブロックされて血管内溶血は止まるため、PNHの予後を大きく決定付ける血栓症は大幅に減少するが、上流の補体活性化により血管外溶血という新たな問題が生じる。 西村氏は、生命予後に大きく関わる血管内溶血をしっかり抑えることを第一に考えつつ、近位補体阻害薬のボイデヤで血管外溶血も同時に抑えていく治療戦略を提唱した。ALPHA試験 続く講演で小原氏は、ボイデヤが血管外溶血を抑制することを期待して開発されたこと、補体(C5)阻害薬による適切な治療を行っても十分な効果が得られない場合に併用投与することを述べた。このボイデヤについて実施されたのが、「ALPHA試験(ALXN2040-PNH-301試験):ラブリズマブ又はエクリズマブ投与下で血管外溶血が認められるPNH患者を対象とした国際共同第III相試験」である。 同試験では、ユルトミリス(一般名:ラブリズマブ)/ソリリス投与後も貧血が残存する(Hb濃度が9.5g/dL以下、かつ網状赤血球数が120×109/L以上)、つまり造血に問題はないが血管外溶血が推測される患者を、ボイデヤ群57例、プラセボ群29例に無作為に割り付け、12週間の二重盲検期、12週間の継続投与期、その後の延長投与期にわたり投与を行った。 主要評価項目の投与12週時点のHb濃度のベースラインからの変化量は、ボイデヤ群は2.940g/dL(SE:0.2107)であったが、プラセボ群は0.496g/dL(SE:0.3128)と、ほとんど変化せず、ボイデヤ群のほうが貧血の改善も速やかであることが示された。同様の結果は日本人集団でも得られた。主な副次評価項目である、投与12週時点のHb濃度が輸血なしで2g/dL以上増加した患者の割合などについても、全体集団、日本人集団ともに良好な結果が得られた。 ボイデヤ群の有害事象は、全体集団ではGrade3が10例、Grade4が1例、試験薬投与中止に至った有害事象が3例(肝酵素上昇、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加およびアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加、血中ビリルビン増加および膵炎、各1例)にみられた。Grade3、Grade4の有害事象は、日本人集団では認められなかった。ボイデヤの処方経験 小原氏は、PNHと診断されてソリリスを投与され、LDHは著明に低下したが貧血の改善は乏しく、数ヵ月に1回の輸血を要し、ユルトミリスに変更後も貧血の改善も輸血の頻度も改善しなかった40代男性の例を紹介し、ボイデヤの併用によってHb濃度の改善、輸血の脱却、活動性の向上が得られたことを報告した。同氏は「ユルトミリスまたはソリリス投与下でボイデヤを追加経口投与することにより、血管内溶血の抑制を維持したまま、血管外溶血に伴う貧血の改善・抑制が可能であることが示された」と述べて講演を締めくくった。 補体(C5)阻害薬で治療中のPNH患者が抱える貧血など、これまで臨床的な課題とされてきた血管外溶血に対して、ボイデヤという新たな解決策が示された。今後、患者の負担軽減につながることに期待したい。

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英語で「それ自体」は?【1分★医療英語】第119回

第119回 英語で「それ自体」は?《例文1》It is not a perfect solution per se but better than nothing.(それは完全な解決策とはいえませんが、何もないよりは良いです)《例文2》The medication doesn’t cure the disease per se, but it relieves the symptoms and improve the patient’s quality of life.(その薬はそれ自体が病気を治すものではありませんが、症状を緩和し、患者の生活の質を改善させます)《解説》今回ご紹介した“per se”はラテン語由来の言葉で、英語の“by itself”や“itself”に当たります。しかし、この“per se”のままで英語表現として用いられることがありますので、覚えておきたい表現です。日本語に翻訳すると、「それ自体は」「本質的には」「正確には」といった意味を指す言葉で、例文にあるように文末に挟み、逆接の前に用いられることが多いフレーズです。逆接の間に見られる場合には、「一見すると矛盾しているように見えるものの、実際には矛盾していない」といった状況を説明する際に使われることが多いです。そのようなシチュエーションでは、“per se”の前に来る文章を「それ自体は」と補強してくれます。使い慣れないと適切な場面で使用するのが難しい表現かもしれませんが、英語ネイティブと話をしていると医療機関内のコミュニケーションでも時々耳にすることがあります。聞いたときに戸惑わないよう、表現の持つニュアンスをつかんでおくとよいでしょう。講師紹介

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2030年末までにグローバル売上の3分の1をオンコロジーにする/ギリアド

 ギリアド・サイエンシズは2024年2月19日、都内でオンコロジーメディアラウンドテーブルを開催した。 社長のケネット・ブライスティング氏はオンコロジー領域の展開に関する全体像を説明した。 ギリアドはグローバル戦略として、2030年末までに売り上げの3分の1をオンコロジー領域にするという目標を掲げている。日本法人でも、従来のウイルスや炎症に加え、オンコロジーを新たな注力領域とした。すでに、2023年のAxi-Cel(商品名:イエスカルタ)販売承継、24年には抗Trop-2抗体薬物複合体sacituzumab govitecan(SG)の乳がんに対する国内製造承認を申請している。25年以降は、肺がんなど固形がんに対するSGの追加適応、急性リンパ性白血病およびメルケル細胞リンパ腫を適応とした同社2剤目となるCAR-T brexucabtagene autoleucel(Brexu-Cel)の上市を計画している。 開発本部長の表 雅之氏は固形がんにおけるSGの展開について説明した。Trop-2は上皮細胞の膜表面タンパクで細胞内シグナル伝達に関与する。さらにTrop-2高発現は、がんの予後不良因子であることが知られる。SGはTrop-2を標的とした抗体とイリノテカンの活性代謝物SN-38の抗体複合体として抗腫瘍活性を発揮する。 SGはトリプルネガティブ乳がん(TNBC)、HR+/HER2-乳がん、および尿路上皮がん治療薬として海外で承認されている。日本では2024年1月、第III相ASCENT試験1)および国内第II相ASCENT-J02試験2)の結果を基に、2ライン以上の治療歴のある進行TNBCに対する製造承認申請をした。乳がんに対してはさらに、TNBCの1次治療3)、HER2-例の術後補助療法4)、HR+例(3次治療および内分泌療法抵抗例)5)についての治験もグローバルで行われている。 SGの開発は非小細胞肺がん(NSCLC)でも進行中である。今年(2024年)1月にプレス発表された既治療のNSCLCにおける第III相EVOKE-01試験では、主要評価項目(全生存期間[OS])は未達であったものの、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)無効例では3ヵ月以上OSを延長したと発表している6)。NSCLCではさらに、1次治療での試験7)、ICIとの併用8)も進行中である。 そのほか胃・食道胃接合部がん、頭頸部がん、小細胞肺がん、子宮内膜がん、大腸がん、膵がんでSGのグローバル臨床試験が進行している。日本ではTNBC、HR+HER2-乳がん、膀胱がん、NSCLCで治験を実施中である。 ブライスティング氏は今後の開発について、多くの製薬企業やバイオテック企業と連携して開発を推進したいとしている。また、昨今問題となっているドラッグロス問題に関連して、グローバルの試験には日本法人として第III相から参加していきたいと述べた。■参考1)ASCENT試験(Clinical Trials.gov)2)ASCENT‐J02試験(jRCT)3)ASCENT-03試験(Clinical Trials.gov)4)SASCIA試験(Clinical Trials.gov)5)TROPiCS-02試験(Clinical Trials.gov)6)EVOKE-01試験(Clinical Trials.gov)7)EVOKE-02試験(Clinical Trials.gov)8)EVOKE-03試験(Clinical Trials.gov)

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肝がん、乳がんが多い都道府県は?「がんの県民性」を知る

 企業でのがん対策を進めることを目的に厚生労働省が行うプロジェクト「がん対策推進企業アクション」は2月14日、プレス向けセミナーを行った。プロジェクトの推進役である東京大学特任教授の中川 恵一氏が「がんの県民性」をテーマに講演を行った。 世界中でも、国や人種によって多いがんと少ないがんがあるが、実は日本国内でも地域ごとに発生するがんの種類にバラツキがある。この要因はさまざまなものがあり、遺伝子、人口構成、食生活などが影響している。そして、最も大きな原因と考えられるのが、ウイルスの偏在と感染だ。【胃がん】 全国がん登録のデータ(2019年)を基に、人口調整後の10万人当たりの罹患率を見ると、胃がんの罹患率がもっとも高いのは、男女共に秋田県。胃がんはピロリ菌の感染が原因の9割近くを占めることがわかっており、ピロリ菌の検査と除菌するようになってから罹患者数は減少傾向にある。その中にあって秋田県の罹患率が依然として高いのは、塩分が多い食生活が大きな要因だと考えられている。マウスの実験では、ピロリ菌に感染しているマウスに塩分を過剰に摂取させると胃がんの発生率が上昇するという報告がある。秋田県に限らず、胃がんを減らすためには、減塩、胃がん検診、禁煙・節酒が有効だろう。【肝がん】 肝がんの罹患率が高いのは、佐賀県をはじめとした九州エリア。九州だけでなく、西日本全体が東日本と比べて高い傾向がある。これは肝がんの主な発症原因であるC型肝炎ウイルスが佐賀県一帯の東シナ海エリアに多いためだと考えられる。台湾なども同じ理由から罹患率が高い傾向がある。企業が行う健康診断では毎年肝機能検査を行っており、ここにウイルス性肝炎検査も加えることを要請している。【乳がん】 乳がんの罹患率が高いのは東京都などの首都圏。これは未婚で出産経験のない女性が多いことと関連している。乳がんは10万人当たりの年間罹患者数が40年で4倍と急増している。現在の日本人女性は平均して生涯に450回ほど月経があるとされるが、これは100年前の5倍超。かつては子沢山であり、妊娠・授乳期間を含めて子供1人当たり3年間ほど月経が止まる期間があった。この間、女性ホルモンによる刺激が減り、乳がんの罹患リスクが低下していた。現在の乳がんの新規罹患のピークが40代後半にある理由も閉経直前・閉経後に女性ホルモンの変化の影響を受けることが大きな理由だと考えられる。【白血病】 白血病の罹患率が高いのは沖縄県、鹿児島県など。白血病の中の成人T細胞白血病(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染によって生じることがわかっている。HTLV-1の感染経路は母乳による母子感染が多くを占め、このウイルスのキャリアが沖縄をはじめ、鹿児島、青森、岩手の一部などに多い。一方、このウイルスは中国・韓国ではほとんど見られない。この背景には、数千年前に日本に渡ってきた渡来人の遺伝子を受け継ぐ人々(弥生系)には感染者が少なく、縄文人が移行して弥生人になった人々(縄文系)には多い、という理由が考えられる。もっとも、人の移動の増加に伴い、HTLV-1感染は全国で見られるようになっており、とくに大阪などの大都市圏で増加している。【食道がんなど】 縄文系、弥生系の遺伝子は、飲酒時の分解酵素の有無にも関わる。アルコールは肝臓で「アセトアルデヒド」という物質に分解されるが、このアセトアルデヒドを分解するのが「ALDH2(アルデヒド脱水素酵素2)」。縄文系はこのALDH2の活性が強い「正常型」が多く、日本人の55%を占める。一方で弥生系はALDH2の活性が弱い「低活性型」が多く、日本人の40%を占める。残り約5%は「不活性型」でALDH2の働きがまったくなく、酒を飲めない体質となる。問題は「低活性型」の人が飲み過ぎることで、こうした人が飲酒を続けることで、発がんリスク、とくに大腸がんや食道がんのリスクが急激に高まるとされる。低活性型は弥生系が多い近畿・中部・中国地方に多く分布している。 中川氏は「がんは決して一様な疾患ではなく、地域や人種によってリスクに差があり、それを生む大きな要因にウイルス感染がある。自分の居住するエリアの特性を知り、対策を知っておくことが重要になる」とまとめた。

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「進行がんだから仕方がない」は使わない ~外来通院の進行がん患者へのリハビリテーション~【Oncologyインタビュー】第45回

出演:関西医科大学 呼吸器腫瘍内科学講座 勝島 詩恵氏「進行がんだから仕方がない」。がん医療の現場で何げなく使ってしまう言葉ではないだろうか。この言葉を考え直す時期が来ているようだ。外来通院の進行がん患者へのリハビリテーション介入という新たな挑戦が始まっている。関西医科大学の勝島 詩恵氏に聞いた。進行がん患者治療の課題に立ち向かう外来通院がん患者は増加している。その反面、治療に適応するための対策は追いついていないという。外来通院ができるがん患者は、基本的に全身状態(PS)良好で身体機能が維持されているはずだが、実際は問題を抱えているケースが多い。外来通院が可能な状態であっても、進行がん患者である以上、薬物だけで治療は成立しない。患者の栄養状態、身体機能、精神面の安定があってこそ、より良いがん診療ができる。外来通院がん患者に対して、これから始まる、あるいは現在行っている治療に適合させるための介入(リハビリテーション)が必要だと考え、2020年、関西医科大学附属病院は「フレイル外来」を立ち上げた。多職種が連携した介入を実現大学病院などのハイボリュームセンターでは、連日100人を超える外来化学療法患者が受診する施設も珍しくない。そのため、主治医の診察から治療(点滴)開始まで、長い待ち時間が生じ、患者の大きな負担となっている。フレイル外来は、その待ち時間を有効利用する。患者は化学療法外来主治医の診療終了後、フレイル外来を受診する。化学療法レジメンに合わせて、月1~2回の通院が通常である。関西医科大学附属病院のフレイル外来では、腫瘍内科医(勝島氏)が診察を行い、患者の治療内容、副作用や経過などの理解を深める。それ以外にも、食欲不振や体重減少が強い患者には、栄養士への栄養指導の依頼や治療薬に関する主治医への相談を行う。介護保険申請を行っている患者や通院が困難となってきた患者には、デイケアや訪問リハビリテーションの紹介、精神的ケアや症状緩和が必要な患者には緩和ケア科と連携したサポートを行う。フレイル外来には、立ち上げからの3年間で360人の患者が紹介されている。外来の認知度と共に患者は増え、現在は月100人の患者がフレイル外来を受診する。呼吸器、消化器、乳腺などが主体であったが、最近は血液内科から造血幹細胞移植後の患者の紹介も多い。「外来の認知度が上がるにつれ、紹介が増えており、確実なニーズの増加を実感している」と勝島氏は述べる。病勢進行していなくても、半数以上が悪液質を合併していた勝島氏らは、フレイル外来を受診する進行再発肺がん患者の調査を実施した。定期的に外来通院にて化学療法を受ける肺癌患者は基本的にPS良好で、病勢もコントロールされているはずの外来患者だが、フレイル外来初診時、過半数(55.2%)が悪液質を合併していた1)。また、化学療法を受ける進行再発がん患者の悪液質は、低栄養状態、低身体活動が悪液質の臨床的特徴、もしくは、悪液質の特徴として独立した因子として抽出された。低身体活動については、10分以上続けて行う身体活動を評価する「IPAQ*」で評価できたが、従来のPSでは拾い上げられなかった1)。「医師が判断するPSは実際の活動量と乖離している可能性があるため、PSだけで判断すると危険」と勝島氏は言う。*IPAQ(International Physical Activity Questionnaire、国際標準化身体活動質問票):1週間における高強度および中等度の身体活動を行う日数および時間を質問する。治療成績向上、鍵は治療開始までの期間と悪液質の早期予防また、勝島らは、近年肺癌診療において、病期診断、病理診断に一定の時間を要し、その間に身体機能が落ちる患者がいることに着目して調査を行った。初診から治療開始までの期間が長いほど悪液質発症が高まる傾向が明らかになった。初診から治療開始までが45日以上の群では、治療開始までに悪液質発症が増加したが(初診時37%→治療開始時87%)、45日未満の群では増加しなかった(61%→61%)。悪液質の存在は化学療法の効果に悪影響を及ぼすことも示されている。悪液がない患者では、初回化学療法の病勢コントロール率(DCR)は100%、初回治療完遂率も100%であった。一方、悪液質がある患者での初回化学療法のDCRは66.7%、初回治療完遂率は58.7%と、有意差はないものの、悪液質がない患者よりも悪い傾向であった。しかし、悪液質の合併については、医療者も患者も危機意識は低い。勝島氏によれば、がんの確定診断を受けながら、治療開始までの待機期間にPSが悪化し、抗がん剤治療が受けられなくなってしまったケースも少なくないという。悪液質は決してがん終末期の病態ではなく、がん治療の早期にも現れ、抗がん剤治療に悪影響を及ぼす。迅速な診断と介入で、いかに悪液質がない状態で化学療法を実施できるかが、がん治療成功の鍵を握るといえる。これらの研究結果について勝島氏は、「多くの医療者が何となく気付いていたこと。少し全貌が明らかになった」と言う。がんリハビリテーションの質的なメリット進行再発がんリハビリテーションの真のエンドポイントは定まっていない。治療を行ったとしても最終的には病勢が進行する。そのため、体重や身体機能などの量的なエンドポイントは、いずれ達成できなくなってしまう。一方、フレイル外来通院患者の中には、病勢が進行しても受診を希望する患者も多い。そのため、進行再発がん患者へのリハビリテーションは、量的な効果だけでなく、質的な効果を持つのではないかという仮説を立てた。そして、フレイル外来通院患者に、リハビリテーションでの経験について、半構造化面接法によるインタビューを行った。その結果、がんリハビリテーションに取り組むことで、フレイル外来通院患者は「身体機能改善に対する期待感」「変化を客観的に把握できる安心感」「自分の存在意義の再確認」といったポジティブな経験をし、根治不能な進行がんとの付き合い方を見いだしていることがわかった2)。現時点でできることとはいえ、すべての施設で関西医科大学のような取り組みができるわけではない。そのような中、医療者ができることは何だろうか。まず、悪液質に対する危機意識を高めるべきだと勝島氏は強調する。また、医療者と共に患者の理解も重要だ。治療医の言葉は患者に大きな影響を与える。治療医から患者への「どれだけ動けて、痩せずに治療を受けられるか、で抗がん剤の効果も変わってくる」などの一言で、患者の理解も深まるという。多職種連携の最初の一石は医師しか投じられない。モチベーションが高い理学療法士や看護師は多いが、医師からの紹介がないと動くことはできないことも多い。勝島氏は「治療医から発信するがん悪液質診療を形作るべき」と述べる。前向き試験の取り組み前述の先行試験から、悪液質は初回治療前からでも存在し得ること、治療に悪影響を及ぼすことが明らかとなった。勝島氏らは、次の段階として前向き試験を実施し、初回治療前からの運動・栄養療法が進行再発がんにおける悪液質の発症を抑制し、がん治療に良い効果を生み出すか否かを検証する予定である。今回の試験は治療前から介入するため、少なくとも化学療法の影響を受けない。交絡因子として化学療法の影響を受けないことから、がんリハビリテーションの効果をより純粋に評価できる可能性があるという。外来がんリハビリテーションの診療報酬獲得に結び付ける現在は、患者も医療者も、治療中の体重減少や身体機能低下の重要性について認識不足で、介入も遅れがちである。実際、フレイル外来には、痩せきって身体機能が落ちてから紹介されるケースも少なくないという。早期からのリハビリテーションの重要性を医療者が認識することで、治療効果が乏しくなる前に介入できる。勝島氏は、「痩せて筋力もない患者が、化学療法という大きな剣を無理やり持たされている状況が悪液質。それに対し、早期から多職種が介入して、身体機能や栄養状態、精神面を維持してもらうことで、大きな剣をしっかり振りかざすことができる」とし、「われわれの研究によって、運動療法・栄養療法という低コストの介入が、進行がん治療に寄与することが証明できれば、最終的には外来がんリハビリテーションの診療報酬獲得に結び付くかもしれない」と述べた。画像を拡大する画像を拡大する(ケアネット 細田 雅之)参考1)Katsushima U, et al. Jpn J Clin Oncol. 2024 Jan 11. [Epub ahead of print]2)勝島 詩恵ほか. Palliative Care Research.2022;17:127-134.

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英語で「慎重かつ前向きに」は?【1分★医療英語】第117回

第117回 英語で「慎重かつ前向きに」は?《例文1》 Let's prepare for the worst and hope for the best.(最悪の事態に備えて準備して、最善を祈りましょう)《例文2》He always has a glass-half-full mentality and never pessimistic.(彼は常に「コップが半分満たされている」という精神でいて、決して悲観的にならない)《解説》“cautiously optimistic”は英語の頻用表現です。“optimistic”は前向き、楽観的という意味で、“pessimistic”(悲観的)の対語です。医療現場では気軽に楽観的な言葉を掛けられない深刻な状況もありますが、「そんな状況でも患者さんを励ましたい」という場面で使うことができます。“cautiously”と前置きすることで、「医師として最大限に慎重に対応はしているが、そのうえで前向きに希望を持って臨みたい」という気持ちを伝えることができます。類似表現として、例文に示した“prepare for the worst and hope for the best”も同じような状況・意図で使われます。英語表現では楽観的・悲観的という性格を、“glass-half-full mentality” or “glass-half-empty mentality”と呼ぶことがあります。これは、水が半分入ったコップを見たときに、楽観的な人は「コップは半分まで満ちている」と言い、悲観的な人は「コップは半分まで空になっている」と言う、という逸話に由来します。講師紹介

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第21回日本臨床腫瘍学会の注目演題/JSMO2024

 日本臨床腫瘍学会は2024年1月31日にプレスセミナーを開催し、第21回日本臨床腫瘍学会学術集会(2024年2月22日~24日)の注目演題などを紹介した。 今回は、国・立場・専門分野・職種・治療手段などのあらゆる障壁をなくし、世界を1つにして皆で語り、議論をして、その先に続く未来を切り拓いていきたいという願いを込め、「Break the Borders and Beyond ~for our patients~」というテーマが設定された。演題数は1,258となり、そのうち海外演題数は511と過去最多になる予定である。プレジデンシャルシンポジウムなどの注目演題 能澤 一樹氏(愛知県がんセンター ゲノム医療センターがんゲノム医療室・乳腺科部 医長)が、本会で企画されているプレジデンシャルシンポジウムを紹介した。プレジデンシャルシンポジウムは8セッション、シンポジウムは30セッション企画されている。プレジデンシャルシンポジウムは以下のとおり。【プレジデンシャルシンポジウム】会長企画シンポジウム1:Real World Data(RWD)活用に向けた基盤整備2月22日(木)9:00~10:20会長企画シンポジウム2:ICIで変わる、周術期治療2月22日(木)10:30~11:30会長企画シンポジウム3:腫瘍内科医に知って欲しい外科治療の進歩2月22日(木)15:30~17:00会長企画シンポジウム4:多学際領域との協働で奏でる臨床腫瘍学の未来2月23日(金)8:20~9:50会長企画シンポジウム5:超高齢社会のがん医療、日本はどうすべきか2月23日(金)9:50~11:20会長企画シンポジウム6:臨床開発や日常診療のためのReal World Data活用を考える2月24日(土)8:20~9:50会長企画シンポジウム7:がん診療は集約化か均てん化か2月24日(土)13:45~15:15会長企画シンポジウム8:新規薬剤開発における新しいドラッグロス2月24日(土)9:50~11:50 また、岩田 広治氏(愛知県がんセンター副院長 兼 乳腺科部長)は、プレジデンシャルセッションが充実していることを強調した。プレジデンシャルセッションで発表されるデータは、過去に国際学会で発表されたものではなく、世界で初めて発表されるデータとなっている。紹介された演題は以下のとおり。【プレジデンシャルセッション】・肺がんグローバル試験の日本人サブセット解析:1演題・肺がんグローバル試験のアジア人サブセット解析:1演題・肺がんグローバル試験の全生存期間アップデート:1演題・消化器がん大規模コホート研究からの新規データ(SCRUM-Japan MONSTAR SCREEN2、GALAXY Trial):3演題・血液がんの新規薬剤第I相試験:1演題・乳がん新規抗体薬物複合体のグローバル試験のアジア人サブセット解析:1演題・乳がん新規グローバル試験のバイオマーカー解析:1演題・日本での新規抗体薬物複合体の第I相試験データ:1演題・消化器がんの日本での第III相試験のバイオマーカー解析:1演題・消化器がんのグローバル試験の日本人サブセット解析:1演題・肝胆膵領域でのJCOG試験の追加解析結果:1演題新規薬剤のドラッグロスへの取り組み 室 圭氏(愛知県がんセンター 薬物療法部 部長)がドラッグロスについて解説した。ドラッグロスは、欧米にて承認されている薬剤が日本では開発されず、使用できないという問題であり、ドラッグロスに該当する抗がん剤は2016年時点で21剤であったのに対し、2020年時点では44剤に増加している。この原因として、海外新興企業が開発する薬剤の増加、臨床試験に日本が組み入れられないことなどが挙げられる。 そこで、わが国が直面する喫緊の問題の解決に向けて、以下のシンポジウムが企画されている。会長企画シンポジウム8:新規薬剤開発における新しいドラッグロス2月24日(土)9:50~11:50リアルワールドデータの活用に向けた諸問題 武藤 学氏(京都大学大学院医学研究科 腫瘍薬物治療学講座 教授)がリアルワールドデータの活用法と現状の課題について紹介した。国際的には、リアルワールドデータを用いて薬剤の承認申請を行うことが検討されており、実際に活用され始めている。日本でもさまざまなデータベースが利用できるようになっているが、アウトカムのデータが存在しない、デジタル化が遅れている、電子カルテメーカーや施設によって情報のコードやデータ構造が異なる、医療者によって記載方法が異なるナラティブデータの取り扱い方が定まっていないなど、課題が山積している。 そこで、リアルワールドデータの活用に向けて、以下のシンポジウムが企画されている。会長企画シンポジウム1:Real World Data(RWD)活用に向けた基盤整備2月22日(木)9:00~10:20会長企画シンポジウム6:臨床開発や日常診療のためのReal World Data活用を考える2月24日(土)8:20~9:50

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医療者の体重減少、1年以内のがん罹患リスク高い/JAMA

 過去2年以内に体重減少がみられなかった集団と比較して、この間に体重減少を認めた集団では、その後の12ヵ月間にがんに罹患するリスクが有意に高く、とくに上部消化管のがんのリスク増大が顕著なことが、米国・ハーバード大学医学大学院のQiao-Li Wang氏らの調査で示された。研究の成果は、JAMA誌2024年1月23/30日号に掲載された。米国の医療従事者を対象とする前向きコホート研究 研究グループは、米国のNurses’ Health Study(NHS)に参加した40歳以上の女性看護師(追跡期間1978年6月~2016年6月)と、Health Professionals Follow-Up Study(HPFS)に参加した40歳以上の男性医療従事者(追跡期間1988年1月~2016年1月)のデータを用いた前向きコホート研究を行った(NHSとHPFSは米国国立衛生研究所[NIH]の助成を、今回の解析はSwedish Research Councilなどの助成を受けた)。 体重の変化は、両研究の参加者が2年ごとに報告した体重から算出した。また、減量の意思の強度を、減量促進行動としての身体活動の増強と食事の質の改善の有無で、高(両方の行動あり)、中(いずれか一方の行動あり)、低(両方の行動ともなし)の3つに分類した。10万人年当たりの1年がん罹患率:体重減少群1,362人vs.非減少群869人 15万7,474人(年齢中央値62歳[四分位範囲[IQR]:54~70]、女性11万1,912人[71.1%])を解析の対象とした。164万人年の追跡期間中に1万5,809人のがん罹患を同定した(罹患率964人/10万人年)。平均追跡期間は28(SD 10)年だった。 体重の変化を報告してから12ヵ月間のがん罹患率は、体重減少を認めなかった集団が869人/10万人年であったのに対し、10.0%を超える体重減少がみられた集団では1,362人/10万人年と有意に高かった(群間差493人/10万人年、95%信頼区間[CI]:391~594人/10万人年、p<0.001)。早期がん、進行がんのいずれも体重減少の可能性 減量の意思が低い集団における12ヵ月間のがん罹患率は、体重減少を認めなかった集団が1,220人/10万人年であったのと比較して、10.0%を超える体重減少がみられた集団では2,687人/10万人年であり、有意に高率だった(群間差1,467人/10万人年、95%CI:799~2,135人/10万人年、p<0.001)。 とくに上部消化管(食道、胃、肝臓、胆道、膵臓)のがんが、体重減少を認めた集団で多く、最近の体重減少がない集団では36人/10万人年であったのに対し、10.0%を超える体重減少がみられた集団では173人/10万人年であった(群間差:137人/10万人年、95%CI:101~172人/10万人年、p<0.001)。 著者は、「体重減少が0.1~5.0%および5.1~10.0%の集団でも、がん罹患率が有意に高かったが、10.0%超の減少がみられた集団でより顕著であり、減量の意思が“高”の集団よりも“低”の集団で高い傾向がみられた」と述べるとともに、「乳房、生殖器系、泌尿器のがん、脳腫瘍、悪性黒色腫などは体重減少との関連がなく、10.0%超の体重減少との関連を認めたのは、上部消化管のほか、血液、大腸、肺のがんであった」としている。 また、「体重減少の量は早期がんと進行がんで同程度であり、いずれのがんでも体重減少を認めると示唆された。年齢60歳以上で、体重が10.0%を超えて減少し、減量の意思が低い集団では、その後12ヵ月間にがんと診断される確率は3.2%であった」としている。

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CAR-T療法ide-cel、多発性骨髄腫の早期治療に承認の意義/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2023年12月に同社のCAR-T細胞療法イデカブタゲン ビクルユーセル(ide-cel、商品名:アベクマ)が、再発または難治性の多発性骨髄腫の早期治療に承認されたことを受け、2024年1月31日にメディア向けプレスセミナーを開催した。セミナーでは日本赤十字社医療センター・血液内科の石田 禎夫氏が「早期ラインとしての CAR-T 細胞療法(アベクマ)が多発性骨髄腫(MM)の治療にもたらすもの」と題した講演を行い、新たな承認が臨床に与える意味について解説した。 多発性骨髄腫は抗体を産生する形質細胞ががん化し、骨病変、腎障害、免疫不全などを引き起こす疾患。10万人当たり6.2人(2017年)が罹患、高齢者に多い疾患で、高齢化に伴い患者数は増加傾向にある。 多発性骨髄腫の治療戦略は、65歳未満の初発患者は化学療法+自家造血幹細胞移植となり、65歳以上や移植不適患者、再発時には複数薬剤を併用する化学療法の適応となる。2次治療以降に使われる薬剤は、大きく分けてプロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、抗体薬、HDAC阻害薬があり、これらにステロイド薬デキサメタゾンを組み合わせ、3剤にして投与するレジメンが主流となっている。承認されているレジメンは複数あり、これまで多発性骨髄腫治療におけるCAR-T療法の承認は、これらの薬剤クラスの組み合わせがすべて不適となった4次治療以降だった。 今回の3次治療における承認は、第III相KarMMa-3試験の中間解析結果に基づいたもの。同試験はプロテアソーム阻害薬、免疫調整薬、抗CD38モノクローナル抗体を含む2~4レジメンの前治療歴を有する患者を対象とし、ide-celと標準療法の有用性を比較した。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の中央値は、ide-cel群13.3ヵ月に対し標準療法群4.4ヵ月と、ide-cel群でPFSの有意な延長が認められ、かつ新たな安全性シグナルは認められなかった。 石田氏は「CAR-T療法は自身のT細胞を使うオーダーメードの治療法であり、投与までに2ヵ月ほどかかる。進行の速い患者さんでは手遅れになることもあり、早期段階で使えることには大きな意味がある。また、大量化学療法を受けて疲弊する前のリンパ球を使えることもメリットだ」とした。さらに「CAR-T療法が奏効した場合は、治療を停止することが可能となり、標準療法と比較して患者のQOLが上がることも大きな利点となる」と説明した。 今後、造血器腫瘍において広がりが見込まれる新規薬剤BiTE抗体(二重特異性T細胞誘導抗体)とCAR-T療法の使い分けについては、「BiTE抗体薬の作用機序として投与後に抗体が変異し、その後にCAR-T療法を行っても意味をなさない可能性がある。よってCAR-T療法を優先し、治療抵抗となったらBiTE抗体薬にスイッチする戦略が現実的ではないか」とした。

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ルスパテルセプトが骨髄異形成症候群(MDS)に伴う貧血に承認取得/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは2024年1月18日、ルスパテルセプト(商品名:レブロジル)について、骨髄異形成症候群(MDS)に伴う貧血を効能又は効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得した。 ルスパテルセプトは低リスクMDS患者の貧血治療に高い効果示す ルスパテルセプトは、赤血球成熟促進薬として造血幹細胞から赤血球への分化過程の後期段階における分化を促進し、成熟した赤血球数の増加を誘導する新規作用機序の治療薬である。  今回のルスパテルセプト承認は、低リスクMDS患者を対象とした国際共同第III相試験(COMMANDS試験)、海外第III相試験(MEDALIST試験)、および赤血球輸血非依存の低リスクMDS患者を対象とした国内第II相試験(MDS-003試験)の結果にもとづいている。これらの試験から、ルスパテルセプトは赤血球造血刺激因子製剤の治療歴の有無ならびに赤血球輸血依存・非依存に関わらず、低リスクMDS患者の貧血の治療として、臨床的意義の高い効果を示した。ルスパテルセプトの安全性については、いずれの試験でも低リスク MDS患者に対して忍容性があり、 十分に管理可能な安全性プロファイルであることが示された。

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ハイゼントラ、プレフィルドシリンジの剤形追加承認を取得/CSLベーリング

 CSLベーリングは1月22日付のプレスリリースで、人免疫グロブリン製剤「ハイゼントラ20%皮下注」について、新剤形としてプレフィルドシリンジ製剤に対する医薬品製造販売承認を取得したことを発表した。 ハイゼントラは、効能・効果として2013年9月に「無又は低ガンマグロブリン血症」が承認され、2019年3月には「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)」が追加された。2023年12月時点で米国、欧州を含む67以上の国と地域で承認されている。 同社の代表取締役社長である吉田 いづみ氏は、「このたびのプレフィルドシリンジ製剤の承認により、本剤を使用される患者さんおよび医療従事者の利便性向上と投与時の負担軽減につながることが期待されます。当社は、血漿分画製剤と免疫グロブリン補充療法のグローバル・リーダーとして、希少・難治性疾患の患者さんのアンメットニーズを満たし、患者さんの人生をより豊かなものにできるよう、これからも全力で取り組む所存です」としている。

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