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第248回 自家NK細胞療法を自費で行うクリニックに改善命令、敗血症発症は「生来健康」な成人の衝撃、厚労省は新たなガイダンス作成へ

「生来健康」な成人が「免疫力のアップ」を目的に細胞療法を自費で受け、敗血症にこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。キャンプインを目前にして野球が盛り上がってきました。日本のNPBでは複数の有名選手の不倫問題やトレバー・バウアー投手の横浜DeNAベイスターズ復帰が話題となっていますが、MLBでは佐々木 朗希投手(23)のロサンゼルス・ドジャース入団や、イチロー氏の米国野球殿堂入りなど、こちらも話題が盛り沢山です。個人的には中日ドラゴンズからポスティングシステムで MLBを目指していた小笠原 慎之介投手(27)のワシントン・ナショナルズ入りが興味を引きました。日刊スポーツなどの報道によれば、2年総額350万ドル(約5億4,300万円)で、今季年俸が150万ドル(約2億3,300万円)、来季年俸が200万ドル(約3億1,000万円)、中日への譲渡金はわずか70万ドル(約1億900万円)だそうです。同じくポスティングシステムで千葉ロッテマリーンズからドジャースに移籍した佐々木投手は、マイナー契約ながら契約金は今年の国際FAで最高額の6,500万ドル(約10億100万円)で、ロッテへの譲渡金は25%の約2億5,000万円だそうです。小笠原投手、中日で9年間に46勝(昨年は5勝)していますが、随分安く見られたものです。小笠原投手はまだ若く、カーブやチェンジアップを得意とする投手です。昨シーズンのシカゴ・カブス・今永 昇太投手ばりの活躍を期待したいところです。ちなみに、ワシントン・ナショナルズは2004年まではカナダが本拠地のモントリオール・エクスポズでした。現在の球場、ナショナルズ・パークはワシントンD.C.にあり、地下鉄利用でアクセスも良く、ドジャー・スタジアムのようには混まない上に、とても美しい球場です。ワシントンD.C.出張や旅行の折にはぜひ訪れてみて下さい。さて今回は、昨年10月に発生し、年末に厚生労働省が改善命令を出した東京の自由診療クリニックで起きた再生医療による敗血症事例について書いてみたいと思います。1月24日に開かれた厚生労働省の再生医療等評価部会でも、国立感染症研究所からその詳細が報告されましたが、敗血症を発症した2例ともなんと「生来健康」な成人で、「免疫力のアップ、がんの予防」を目的にクリニックを訪れていました。昨年10月にはクリニックなどに対し再生医療の提供を一時停止させる緊急命令この事例が最初の報道されたのは昨年の10月です。がん予防などを目的に都内のクリニックで自分のNK(ナチュラルキラー)細胞を採取、培養後に再び自分の体に戻す細胞療法を受けた人が重大な感染症にかかり入院したとして、厚生労働省は10月25日、クリニックなどに対し再生医療の提供を一時停止させる緊急命令を出しました。10月26日付の朝日新聞などの報道によれば、自由診療による細胞療法を提供していたのは医療法人輝鳳(きほう)会THE K CLINIC(東京都中央区)です。このクリニックで細胞療法を受けた2人が入院治療を要する重大な感染症を発症しました。細胞加工物を製造した同法人の池袋クリニック培養センター(東京都豊島区)において原因とみられる細菌が検査で検出されたとのことです。この事例については、10月24日に輝鳳会から厚労省に報告があり、同省は再生医療安全性確保法に基づいて、クリニックと培養センターに対し「悪性腫瘍の予防に対する自家NK細胞療法」の提供とその細胞加工物の製造の一時停止を命じました。調査の結果2人の細胞加工物の残液から細菌確認、12月に衛生管理体制の再検討や改善計画の提出などを求める改善命令この問題については厚労省と医薬品医療機器総合機構(PMDA)、国立感染症研究所が調査を進め、12月24日に改めて、THE K CLINICの管理者・橋口 華子氏、池袋クリニックの管理者・甲 陽平氏、池袋クリニック培養センターを管理する輝鳳会(理事長・久藤 しおり氏)に対し、再生医療安全性確保法に基づいた改善命令を出しました。この時公表された調査結果によれば、患者2人がTHE K CLINICで自家NK細胞療法を受けたのは9月30日でした。その帰宅中に2人とも体調不良となり、病院に緊急搬送され、敗血症の診断でICUに入院しました。2人とも健康な成人で、池袋クリニック培養センターにおいて別々(1人は投与4ヵ月前、1人は投与1ヵ月前)に細胞採取(採血)が行われ、培養後にTHE K CLINICで投与を受けました。10月3日、細胞加工物を製造した池袋クリニック培養センターの細胞培養加工施設が、2人に投与した細胞加工物の無菌試験検体が陽性となったことを報告。その後、同検体から好気性グラム陰性桿菌(Pseudoxanthomonas mexicana)が同定されたとのことです。THE K CLINICは当該療法の計画の審査を行う認定再生医療等委員会へ本事例の発生を報告、10月24日に輝鳳会から厚労省に報告 が行われ、10月25日の緊急命令に至ったものです。厚労省、PMDA、国立感染症研究所の調査でも、2人の細胞加工物の残液から細菌(Pseudoxanthomonas mexicana)が確認され、同菌が敗血症発症の原因と考えられるとしました。汚染原因としては、採血時又は無菌試験検体準備時の汚染や、細胞培養過程での交差汚染の可能性が高いとしました。また、培養センターでは、点検整備の記録の作成が行われないなど複数の法令違反があり、無菌試験の一部を目視で行うなど不適切な体制もあったとのことです。同省は改善命令で、衛生管理体制の再検討や、改善計画の提出などを求めました。なお、この培養センターの運営は組織培養用培地の製造・販売等を行うバイオ企業に全面的に任せていたようです。不適切な温度管理下での輸送が汚染された最終投与物内の細菌増殖に影響を与えた可能性もなお、1月27日に開かれた再生医療等評価部会では、国立感染症研究所は上述したような事故の原因に加え、池袋の培養センターからTHE K CLINICへの「不適切な温度管理下での輸送が、汚染された最終投与物内の細菌増殖に影響を与えた可能性は否定できなかった」ともしました。その上で、再発防止に向けて、1.細胞培養加工施設における操作毎の手指衛生を中心とした適切な清潔操 作と環境の清掃や消毒の手順書の作成2.手順に関する定期的な職員の研修・訓練の確実な実施3.迅速かつ信頼できる無菌試験体制の確立4.搬送時の適切な温度管理5.治療後の適切な健康観察6.適切な逸脱管理、時に認定再生医療等委員会への迅速な報告7.各手順における適切な記録と保管の7項目を提言しました。厚労省はこの提言も踏まえ、こうした感染事故等の再発を防止するために、再生医療を提供する医療機関などに向け、通知やガイダンスを発出する方針とのことです。1月28日付の日経バイオテクは、「部会では、CPCにおける清潔操作の徹底や無菌試験の実施法、細胞などの温度管理、問題が発生した際の報告体制などについて、既存のガイダンスに盛り込んだり、新たにガイダンスを作成したりすることが検討された」と書いています。自家NK細胞療法は再生医療等安全性確保法で比較的リスクの低い第3種再生医療等に位置付けそれにしても、「がんにかからない(あるいは再発しないため)ために免疫力をアップさせる」という触れ込みで自家NK細胞療法を自由診療で行う医療機関(主に美容クリニックや、がん免疫療法を看板に掲げるクリニック)がなんと多いことでしょう。今回の場合、「生来健康」だった人が敗血症にかかって死にかけているわけですから、本末転倒と言えます。なお、一部の情報では、敗血症を発症したのは日本人ではなく、中国からわざわざ再生医療を受けに来た人のようです。男女の性別はわかっていません。自家NK細胞療法については、その科学的根拠は確立していないにもかかわらず、自由診療での提供が拡大しているのは、その提供自体は再生医療等の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)で認められているためです。自家NK細胞療法は、同法で比較的リスクの低い第3種再生医療等に位置付けられており、その高額な治療費や曖昧なエビデンスが批判されることはありましたが、提供禁止までには至っていません。ちなみに、「第189回 エクソソーム療法で死亡事故?日本再生医療学会が規制を求める中、真偽不明の“噂”が拡散し再生医療業界混乱中」で書いたエクソソーム療法も美容クリニックなどの自由診療で広がっています。しかし、日本では細胞培養上清液やエクソソームは細胞断片であり細胞には当たらないと整理されており、今のところ、再生医療等安全性確保法の対象外です。「第189回」では、エクソソームなどの細胞外小胞は「交差汚染管理が不十分な場合などに敗血症等重篤な事故を引き起こす可能性がある」(再生医療等評価部会・岡野 栄之氏資料より)との意見を紹介しましたが、今回は、第3種再生医療等のカテゴリーにある自家NK細胞療法で、その敗血症が起こってしまったわけです。「再生医療等安全性確保法が厳しいルールを定めていようとも、クリニックが実際にそれを守らなければ、安全性も絵に描いた餅」と週刊新潮今回の敗血症事例の発生で、美容クリニックなどで行われている細胞療法やエクソソーム療法などに対する世間の目が厳しくなる可能性があります。実際、週刊新潮の2025年1月16号は、「『専門家からすると“自殺行為”』 事故多発の再生医療の闇…」と題する記事を掲載、今回のTHE K CLINICで起きた事故を報じるとともに、「安確法(再生医療等安全性確保法)が厳しいルールを定めていようとも、クリニックが実際にそれを守らなければ、当然、安全性も絵に描いた餅に終わってしまう。冒頭で紹介したクリニックはその最たる問題例といえる。(中略)安確法は事実上骨抜きになっているといってよく、一般の患者にとって『本当に安全な再生医療』を見抜くことはほとんど不可能なのである」と書いています。さらに同記事は、再生医療等安全性確保法の対象外のエクソソーム療法や幹細胞培養上清液治療にも言及、「インターネットで検索すると、アンチエイジングや傷ついた組織の修復、育毛、疲労回復に免疫調節作用など、夢のような効果がうたわれている。(中略)現実には『夢のような治療』とは程遠い劣悪な製品が横行し、命の危険にさらされる恐れすら否定できないのが実態」と書くとともに、一般社団法人・再生医療安全推進機構の代表理事を務める香月 信滋氏の「現在の日本で表立って上清液治療やエクソソーム治療を提供している約700ヵ所の医療施設のうち、患者自身の細胞を使用していると明確に公表している施設はほとんどありません。それどころか8割以上が他人の細胞由来か、下手をすれば人間の細胞由来ではない恐れすらあります。また、専門家の調査によって、エクソソームとうたいながらエクソソームが全く含まれていない“謎の液体”が使用されている悪質な例も判明した」とのコメントも紹介しています。確固たるエビデンスもないまま、美容医療やがん予防における自由診療としてマーケットを広げつつある再生医療ですが、厚生労働省には安全性確保のため今まで以上の規制強化とともに、消費者側が悪徳医療機関の“詐欺”に遭わないようにするための何らかの対策も、ぜひ講じてもらいたいと思います。

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イサツキシマブの新規システムによる皮下投与、多発性骨髄腫治療で静注に非劣性(IRAKLIA)/サノフィ

 再発・難治性多発性骨髄腫患者を対象に、ポマリドミド・デキサメタゾン併用療法(Pd)に追加してイサツキシマブ(商品名:サークリサ)をオン・ボディ・デリバリー・システム(OBDS)用いて皮下投与する方法と、同剤を静注する方法を比較した無作為化非盲検第III相IRAKLIA試験において、複合主要評価項目である客観的奏効率(ORR)などを達成し、皮下投与の静注に対する非劣性が示された。 IRAKLIA試験は、再発・難治性多発性骨髄腫患者を対象に、Pdレジメンにイサツキシマブの固定用量をOBDSで皮下投与を追加する集団と、体重換算用量を静注追加する集団を比較した無作為化非盲検ピボタル第III相試験。 試験には世界252施設から531例が登録され、皮下投与群と静注群に無作為に割り付けられ、皮下投与群にはイサツキシマブの固定用量を、静注群には体重換算用量が投与された。結果、主な副次評価項目であるVGPR(very good partial response)以上の奏効率、注入に伴う反応の発現率および第2サイクルにおけるトラフ濃度を達成した。 なお、皮下投与は、Enable Injections社のenFuseハンズフリーOBDSを用いて行われた。この装置は、自動薬物送達技術を用いて、格納式の注射針から大容量薬剤の皮下投与を可能にしている。

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「別れた後が地獄」職場内恋愛経験者は約半数!/医師1,000人アンケート

 医師は、結婚したい職業ランキングで上位の常連となっている。では、医師の結婚・恋愛事情は、どのようになっているのだろうか。CareNet.comでは、20~40代の医師1,003人を対象に、結婚・恋愛事情に関するアンケートを実施した(2024年12月25~31日実施)。本アンケートでは、パートナーの有無や出会いのきっかけ・取り組み、パートナーの方の職業、職場内恋愛の経験について聞いた。また、職場内恋愛のエピソードも募集した。特定のパートナーがいる割合は約85% 「配偶者を含む特定のパートナー(結婚/恋愛)の有無」を聞いたところ、「いる」と回答した割合は全体で84.7%であり、男性87.5%、女性73.6%であった。年代別にみると、20代68.3%、30代83.9%、40代90.1%であり、年代が上がるほど「いる」と回答した割合が高い傾向にあった。出会いのきっかけは職場や学校が多い 次に「パートナーとの出会いのきっかけ」を聞いた。その結果「職場の同僚」が最も多く、34.7%であった。次点で「学校(大学・高校)」が多く20.9%であった。「マッチングアプリ・婚活サイト」の割合は6.9%であり、20代では20.2%にのぼった。少数ながら「患者」という回答も得られた(0.2%)。 「パートナーの職業(交際当初)」については、約70%を医療者が占めた。内訳は「看護師」が27.3%、「医師」が26.2%、「薬剤師」が4.1%、「その他の医療者」が11.9%であった。男性では「看護師」が多く(33.1%)、女性では「医師」が多かった(52.7%)。 特定のパートナーはいないと回答した方の「パートナー探しの取り組み」について聞いたところ、約半数(46.5%)が「パートナーは求めていない」と回答した。パートナー探しの取り組みとして多かったものは「友人・知人に紹介を求める」「合コン・イベント・飲み会へ参加する」「マッチングアプリ・婚活サイトを利用する」であった。職場内恋愛経験者は約半数 また、「職場内恋愛の経験」についても聞いた。その結果、「ある」と回答した割合は47.8%にのぼった。男性50.1%、女性38.3%であり、男性のほうが職場内恋愛経験者が多い傾向にあった。年代別にみると、20代29.3%、30代45.0%、40代55.6%であり、年代が上がるほど職場内恋愛経験者が多い傾向にあった。 「職場内恋愛のエピソード(自身の経験以外でも可)」を募集したところ、「職業への理解があるし当直の大変さなども共有できる」といったポジティブなコメントも得られたが、「別れた後が地獄」などの職場内恋愛の難しさ・気まずさに関するコメントも得られた。そのほか、「看護師長に出禁を食らっていた」「医師がモテるというのは幻想」など、さまざまなコメントが寄せられた。【ポジティブな意見・エピソード】・仕事内容(忙しいこと)を理解してくれて助かる(40代男性、放射線科)・職業への理解があるし当直の大変さなども共有できる(20代女性、臨床研修医)・看護師である妻と同じ寮に住んでおり、インフルエンザに罹患したときにいろいろと世話をしてくれて恋に落ちた(30代男性、腫瘍科)【バレる/バレない】・秘密にしてたのに、コロナで濃厚接触者になりバレてしまった(30代男性、精神科)・研修医の頃、同期の研修医がこっそりと病棟看護師さんと付き合っていたが、周りには全員知れ渡っていた。院内でのゴシップは隠せないことを研修医のころに学んだ(30代男性、泌尿器科)・結婚するまでばれなかった(30代男性、血液内科)・指導が厳しいことで有名な先生が特定の研修医にのみ優しい、当直によく一緒に入っているなど噂があり、「あの先生に限って」とみんな笑っていたが、臨床研修終了後に入籍していて驚いた(40代女性、内科)【職場内恋愛の難しさ・気まずさ】・お互いのシフトを完全に把握しているため、閉塞感・圧迫感がすごかった。不安になることも多々あった(20代男性、腎臓内科)・部内恋愛をしたことがあるが、別れた後が地獄だったので二度としないと誓った(20代男性、糖尿病・代謝・内分泌科)・医局内で付き合ってる人が、ケンカや別れた時に正直、周りの人は空気が悪く、迷惑だと思う(40代女性、整形外科)・自分の周囲だと離婚率が高いので、その後が地獄。大抵は女性側が離れていくが、男性側も居心地は当然悪くなる(40代女性、内科)・同期の職員が付き合っていたが、別れた後の気まずさで片方は退職してしまった(30代男性、血液内科)【医師と看護師の関係】・看護師さんを一生懸命口説き落とした人がいる(30代男性、血液内科)・看護師さんから積極的に誘われる(30代男性、精神科)・看護師と医師で付き合っている人は多かった(30代男性、糖尿病・代謝・内分泌科)【不倫】・不倫バレ、職場追放の話を複数聞いて、自分では絶対しないと心に誓った(40代男性、総合診療科)・不倫している医師と看護師が忘年会で喧嘩を始め、なかなかの修羅場であった(40代男性、放射線科)・結婚しているにもかかわらず、いろんな若い女医さんに手を出している医師がいた。最終的には奥さんにばれて慰謝料を請求されたうえで離婚していた(30代女性、呼吸器内科)【交際や出会いのきっかけ】・行きつけの居酒屋が一緒で仲良くなり結婚した(30代男性、形成外科)・当直と夜勤が被ったのがきっかけ(40代男性、小児科)・院長の紹介(40代男性、耳鼻咽喉科)・研修医の同期同士で結婚した(40代男性、麻酔科)・受付のお姉さんに手を出してそのまま結婚した人がいた(30代女性、放射線科)・病院見学に来た学生と研修医が交際し、結婚(30代男性、放射線科)・医師同士での結婚は学生時代から付き合っていたパターンが多い(30代女性、精神科)・真面目に働いていると職場以外で出会う機会がない(40代男性、小児科)【その他のエピソード】・今まで朝早く来ていた人が来なくなって、気が付いたら看護師さんと2人でゆっくり出てくるようになって、当直も同じ日に合わせていた。その後、別の病院に同時に異動したがすぐに別れた(30代男性、呼吸器外科)・自分と別れた恋人が、1年後に後輩から届いた年賀状で結婚していて、驚いたと同時に複雑な感情となった(40代男性、精神科)・後輩女性医師は出入りしている担当MRと結婚し、夫は主夫となり、妻は専門医を取った(40代女性、外科)・同級生に各フロアに友達を作っていた猛者がいたが、看護師長に出禁を食らっていた(40代男性、呼吸器内科)・何もなさすぎて残念ながら書くことがない。巷で言われるような医師がモテるというのは幻想(20代男性、放射線科)アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。https://www.carenet.com/enquete/drsvoice/cg005085_index.html

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新素材PICC、デバイス不具合を改善するか/NEJM

 末梢挿入型中心静脈カテーテル(PICC)留置のために紹介された患者では、標準的なポリウレタンPICCと比較して新素材の疎水性PICCおよびクロルヘキシジンPICCはいずれも、非感染性または感染性合併症によるデバイス不具合のリスクが低減しなかったことが、オーストラリア・クイーンズランド大学のAmanda J. Ullman氏らが実施した「PICNIC試験」で示された。研究の詳細は、NEJM誌2025年1月9日号で報告された。ブリスベンの3病院で無作為化対照比較優越性試験 PICNIC試験は、標準的なポリウレタンPICCと比較して、2つの技術革新(疎水性PICC、クロルヘキシジンPICC)を用いると合併症によるデバイスの不具合のリスクが低減するとの仮説の検証を目的とする、実践的な無作為化対照比較優越性試験であり、2019年9月~2022年12月にオーストラリア・ブリスベンの3つの病院(成人施設2、小児施設1)で参加者の適格性の評価を行った(オーストラリア国立保健医療研究評議会[NHMRC]の助成を受けた)。 PICC留置を目的に紹介された成人および小児患者を、疎水性PICC、クロルヘキシジンPICC、標準的なポリウレタンPICCを留置する群に、1対1対1の割合で無作為に割り付け、8週間追跡した。 主要アウトカムはデバイス不具合とした。デバイス不具合は、PICCの機能を停止させるか、意図した治療が完了する前に抜去する必要が生じるほど重度な感染性(PICC関連血流感染、局所感染)または非感染性(症候性静脈血栓症[画像で確認]、カテーテルの断裂または破損[肉眼または画像で確認]、カテーテルの閉塞[完全、部分])の合併症の複合と定義した。デバイス不具合は標準的な素材と差がない 1,098例を登録した。178例(16.2%)が小児(平均[±SD]年齢12[±3]歳)、920例(83.8%)が成人(57[±15]歳)であった。疎水性PICC群に365例(50.7[±22.3]歳、女性39.5%)、クロルヘキシジンPICC群に365例(50.4[±21.7]歳、40.0%)、標準的ポリウレタンPICC群に368例(49.7[±21.7]歳、40.5%)を割り付けた。患者の53.8%が3つ以上の併存疾患を有し、41.0%が過去に中心静脈カテーテル留置を受けていた。本試験の挿入型PICCは、ほとんどが一般的なダブルルーメンの5.0~5.5Frで、多くは尺側皮静脈に挿入された。 デバイス不具合は、疎水性群で358例中21例(5.9%)、クロルヘキシジン群で363例中36例(9.9%)、標準的ポリウレタン群で359例中22例(6.1%)に発生した。群間のリスク差は、疎水性PICC群と標準的ポリウレタン群で-0.2%ポイント(95%信頼区間[CI]:-3.7~3.2、p=0.89)、クロルヘキシジン群と標準的ポリウレタン群では3.8%ポイント(-0.1~7.8、p=0.06)と、いずれの比較でも有意な差を認めなかった。 また、標準的ポリウレタン群との比較におけるデバイス不具合のオッズ比は、疎水性群が0.96(95%CI:0.51~1.78)、クロルヘキシジン群は1.71(0.98~2.99)だった。合併症は数値上クロルヘキシジン群で多い PICC留置期間中のあらゆる原因による合併症は、疎水性群で77例(21.5%)、クロルヘキシジン群で140例(38.6%)、標準的ポリウレタン群で78例(21.7%)に発生した。オッズ比は、疎水性群と標準的ポリウレタン群の比較で0.99(95%CI:0.69~1.42)、クロルヘキシジンと標準的ポリウレタン群で2.35(1.68~3.29)であった。 あらゆる原因による有害事象は、疎水性群で12例(3.4%)、クロルヘキシジン群で4例(1.1%)、標準的ポリウレタン群で7例(1.9%)に発現した。介入に起因する有害事象は認めなかった。 著者は、「これらの知見は、多因子によるPICCの機能障害を予防することの複雑さを反映しており、PICCの種類によるデバイス不具合やカテーテル由来血流感染の発生率に明確な差はなかった」「今回の結果はPICC素材に関するこれまでの勧告とは対照的で、これらの勧告の多くは検出力不足または確実なアウトカム評価を欠く観察研究に基づいている」「本研究では、カテーテル閉塞はクロルヘキシジンPICCで頻度が高かったがその原因は不明であり、今後、閉塞の修正可能および修正不可能なリスクのさらなる検討を要する」としている。

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再発・難治性MMへのtalquetamab+teclistamab、第Ib-II相で有望(RedirecTT-1)/NEJM

 イスラエル・テルアビブ・ソウラスキー医療センターのYael C. Cohen氏らRedirecTT-1 Investigators and Study Groupが、再発・難治性の多発性骨髄腫に対するtalquetamab+teclistamab併用療法の安全性と有効性を評価するRedirecTT-1試験の第Ib-II相の結果を報告した。Grade3/4の感染症の発現頻度がそれぞれの単剤療法と比べて高率であったが、すべての用量群において高い割合の患者で奏効が観察され、推奨された第II相レジメンでは持続的な奏効が示された。talquetamab(抗Gタンパク質共役受容体ファミリーCグループ5メンバーD:GPRC5D)およびteclistamab(抗B細胞成熟抗原)は、CD3を標的としT細胞を活性化する二重特異性抗体薬であり、3種類の標準的な前治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫の治療薬として承認されている(本邦では承認申請中)。NEJM誌2025年1月9日号掲載の報告。第Ib-II相試験で、有害事象と用量制限毒性を評価 第Ib-II相試験は、多施設共同非無作為化非盲検試験として現在も進行中である。適格被験者の募集は、カナダ、イスラエル、韓国で行われた。第I相の用量漸増試験では、5つの用量群を評価。その結果を踏まえて第II相試験では、talquetamab 0.8mg/kg+teclistamab 3.0mg/kgの隔週投与が推奨レジメンとされた。 第Ib-II相試験の主要な目的は、有害事象と用量制限毒性の評価であった。Grade3/4の有害事象96%、奏効率は推奨レジメン群で80% 2020年12月9日~2023年4月26日に116例がスクリーニングされ、2024年3月15日時点で94例が治療を受け、そのうち44例に推奨された第II相レジメンが用いられた。 追跡期間中央値は20.3ヵ月(範囲:0.5~37.1)、推奨された第II相レジメンを受けた患者の追跡期間中央値は18.2ヵ月(0.7~27.0)であった。5つの全レジメン群において、計49例(52%)が併用療法を継続していた。年齢中央値は64.5歳、診断後期間中央値は6.1年、前治療歴中央値は4種類であった。 用量制限毒性は3例に発生した(第II相レジメン群のGrade4血小板減少症1例を含む)。 5つの全レジメン群で最も多くみられた有害事象は、サイトカイン放出症候群、好中球減少症、味覚の変化、皮疹を除く皮膚障害であった。 Grade3/4の有害事象は全レジメン群で96%に発現し、最も多くみられたのは血液学的事象であった。Grade3/4の感染症は64%に発現した。 奏効が認められた患者の割合は、第II相レジメン群で80%(髄外病変を有する患者では61%)、5つの全レジメン群で78%であった。奏効が持続している患者の割合は、18ヵ月時点で第II相レジメン群86%(髄外病変を有する患者では82%)、5つの全レジメン群77%であった。

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高腫瘍量濾胞性リンパ腫1次治療に対するモスネツズマブ皮下注の評価(MITHIC-FL1)/ASH2024

 高腫瘍量濾胞性リンパ腫(HTB-FL)の1次治療に対する、CD20/CD3二重特異性抗体モスネツズマブ皮下注射の多施設第II相試験の結果が第66回米国血液学会(ASH2024)で発表された。 初発進行期のHTB-FLでは、抗CD20抗体併用化学療法が行われる。一方、近年の研究で、FLは深い免疫抑制状態を特徴とし、腫瘍内のT細胞の機能不全が臨床経過に影響するとの報告もある1)。そのような中、CD3陽性T細胞に、CD20陽性FL細胞を認識させ排除させるCD20/CD3二重特異性抗体が、FL治療の鍵を握る選択肢2)として期待される。・試験デザイン:第II相多施設試験・対象:未治療のCD20陽性Stege II~IVのHTB-FL(Grade1~3A)GELF規準により治療が必要とされる患者・介入:mosunetuzumab 21日サイクル(1サイクル目:day1に5mg、day8、15に45mg、2~8サイクル:45mg)→完全奏効(CR)症例:経過観察、部分奏効症例:45mgを17サイクルまで継続投与、PR未満症例:試験中止・評価項目【主要評価項目】CR割合(Lugano分類による効果判定)【副次評価項目】奏効割合(ORR)、安全性、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)など 主な結果は以下のとおり。・2022年6月~2024年7月に78例が登録された。・カットオフ(2024年11月1日)時点の追跡期間中央値は13.3ヵ月。・有効性評価対象76例のORRは96%で、CR割合は80%であった。86%(65例)の患者が最小でも80%の腫瘍量減少を示した。・12ヵ月推定PFS割合は91%であった。・12ヵ月CR割合は90%であった。・12ヵ月推定OS割合は99%であった。・頻度の多い(≧20%)治療中発現有害事象(TEAE)は、注射部位反応(70%)、感染症(56%)、サイトカイン放出症候群(CRS)(54%)、発疹、皮膚乾燥などであった。・CRSを発現した症例は42例、そのうち40例はGrade1、残りの2例はGrade2だった。CRSの48%が1サイクルのday1に発現していた。・免疫細胞関連神経毒性症候群(ICANS)、腫瘍崩壊症候群は認められなかった。

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ヘモクロマトーシス、HFE C282Yホモ接合体は糖尿病リスク高い/BMJ

 トランスフェリン飽和度またはフェリチンが正常、あるいはこれら両方が正常のヘモクロマトーシス患者は、ほとんどのガイドラインでHFE遺伝子型の判定が推奨されていないという。デンマーク・コペンハーゲン大学のMathis Mottelson氏らが、HFE遺伝子C282Yホモ接合体を有するヘモクロマトーシス患者は糖尿病のリスクが増加しており、糖尿病でC282Yホモ接合体の非保有者と比較して、糖尿病でC282Yホモ接合体の保有者は死亡率が高く、この集団の死亡の3割近くは糖尿病に起因する可能性があることを示した。研究の成果は、BMJ誌2024年12月9日号で報告された。デンマークの3つの集団の前向きコホート研究 研究グループは、血漿中の鉄、トランスフェリン飽和度、フェリチン濃度が正常であっても、HFE遺伝子C282Yホモ接合体を保有するヘモクロマトーシス患者は、糖尿病、肝疾患、心疾患のリスクが高いか否かを検証し、これらの疾患を持つC282Yホモ接合体の非保有者と比較して、保有者は死亡率が高いか否かについて検討する目的で、前向きコホート研究を行った(Capital Region of Denmarkなどの助成を受けた)。 解析には、デンマークの3つのコホート研究(Copenhagen City Heart Study、Copenhagen General Population Study、Danish General Suburban Population Study)のデータを用いた。 HFE遺伝子のC282Y変異およびH63D変異の有無を評価した13万2,542例(このうち422例がC282Yホモ接合体)を対象とし、研究への登録から最長27年間、前向きに追跡した。トランスフェリン飽和度、フェリチンが正常でも糖尿病リスクが高い C282Yホモ接合体の非保有者と比較した保有者の疾患別罹患率のハザード比(HR)は、糖尿病が1.72(95%信頼区間[CI]:1.24~2.39、p=0.001)、肝疾患が2.22(1.40~3.54、p<0.001)で、心疾患は1.01(0.78~1.31、p=0.96)であった。 年齢層別の5年間の糖尿病絶対リスクは、C282Yホモ接合体を保有する女性で0.54~4.3%、非保有女性で0.37~3.0%、保有男性で0.86~6.8%、非保有男性で0.60~4.8%であった。 試験登録時に得られた1回の血液サンプルの鉄、トランスフェリン飽和度、フェリチン濃度の値に基づく解析では、C282Yホモ接合体を有する集団は、トランスフェリン飽和度が正常(HR:2.00、95%CI:1.04~3.84)、またはフェリチンが正常(3.76、1.41~10.05)であっても糖尿病のリスクが上昇しており、フェリチンとトランスフェリン飽和度の両方が正常(6.49、2.09~20.18)でも糖尿病リスクが高かった。糖尿病による死亡の人口寄与割合は27.3% 糖尿病でC282Yホモ接合体を保有する集団では、糖尿病で非保有の集団よりも全死因死亡のリスクが高かったが(HR:1.94、95%CI:1.19~3.18)、糖尿病のないC282Yホモ接合体保有集団では死亡率は増加しなかった。 C282Yホモ接合体を保有する集団の死亡のうち、特定の疾患を有する集団における超過死亡を除外した場合に理論的に予防が可能な死亡の割合(人口寄与割合)は、糖尿病で27.3%(95%CI:12.4~39.7)、肝疾患で14.4%(3.1~24.3)であった。 一方、糖尿病や肝疾患のリスクは、H63Dヘテロ接合体、H63Dホモ接合体、C282Yヘテロ接合体、C282Y/H63D複合ヘテロ接合体を保有する集団では増加しなかった。 著者は、「これらの結果は、将来の遺伝性ヘモクロマトーシスの診療ガイドラインでは、C282Yホモ接合体を保有する集団においては糖尿病の発見と治療を優先することが重要となる可能性を示すものである」としている。

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アカラブルチニブ、フィルムコーティング錠の登場で胃酸分泌抑制薬との併用が可能に/AZ

 アストラゼネカは、2024年12月27日、アカラブルチニブのフィルムコーティング錠(商品名:カルケンス錠)が、成人慢性リンパ性白血病(CLL)(小リンパ球性リンパ腫[SLL]を含む)患者を対象とした治療薬として、製造販売承認を取得したと発表。 同承認は、消化管のpH条件にかかわらず薬物がすべて溶出するように改善した溶解性プロファイルを有するアカラブルチニブのフィルムコーティング錠に対するもので、海外の健康被験者を対象に行ったD8223C00013試験の結果に基づくものである。 既存のアカラブルチニブカプセルは、pH4を超える条件下では溶解性が低いことに関連して、国内添付文書では、プロトンポンプ阻害薬(PPI)、H2受容体拮抗薬および制酸薬とは併用注意となっていた。しかし、血液がん患者の20〜40%は、胃内pHを変化させる薬剤の投与を受けていると推定されており、同カプセル剤の使用は制限されていた。 今回の承認で錠剤が胃酸分泌抑制薬とともに服用できるようになり、アカラブルチニブの服薬レジメンの簡素化が期待できるという。・製品名:カルケンス錠100mg・一般名:アカラブルチニブマレイン酸塩水和物・効能又は効果:慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)・用法及び用量:通常、成人にはアカラブルチニブとして1回100mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

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テクリスタマブ、再発/難治多発性骨髄腫に承認/J&J

 Johnson & Johnson(法人名:ヤンセンファーマ)は、2024年12月27日、BCMA/CD3標的二重特異性抗体テクリスタマブ(商品名:テクベイリ)について、「再発又は難治性の多発性骨髄腫(標準的な治療が困難な場合に限る)」を効能又は効果として製造販売承認を取得したと発表した。 テクリスタマブはT細胞表面に発現するCD3受容体と骨髄腫細胞表面に発現するBCMAの両方に結合し、免疫系を活性化させるT細胞リダイレクト二重特異性抗体で、投与前の希釈が不要な皮下注製剤である。 今回の承認は、海外第I/II相MajesTEC-1試験4および国内第I/II相MMY1002試験の結果に基づくもの。両試験は、成人の再発/難治多発性骨髄腫(R/R MM)患者を対象にテクリスタマブの全奏効率(ORR)、最良部分奏効(VGPR)、完全奏効(CR)などの有効性および安全性を評価している。 MajesTEC-1試験は、免疫調節薬、プロテアソーム阻害薬および抗CD38抗体を含む少なくとも3つの標準治療歴を有する成人外国人のR/R MM患者を対象に、テクリスタマブの有用性を評価する第I/II相用量漸増単群非盲検多施設共同用量拡大試験。追跡期間中央値 30.4ヵ月において、ORR63%、CR以上46%を示した。有害事象は、好中球減少症(全Grade72%)、貧血(全Grade55%)、血小板減少症(全Grade42%)、リンパ球減少症(全Grade36%)、感染症(全Grade79%)などであった。MMY1002試験は成人日本人のR/R MM患者を対象に、テクリスタマブの有用性を評価する第I/II相用量漸増単群非盲検多施設共同試験。追跡期間中央値14.3か月において、ORR76.9%、VGPR以上76.9%、CR以上65.4%を示した。安全性に関する所見はMajesTEC-1の結果と一貫していた。

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ポラツズマブ ベドチン+R-CHPのDLBCL1次治療、5年追跡でも有効性確認 (POLARIX)/ASH2024

 未治療のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する、ポラツズマブ ベドチンとR-CHPレジメンの併用は5年追跡結果でも、引き続き無増悪生存期間(PFS)ベネフィットが示された。 中等度または高リスクのDLBCLにおいてPola-R-CHPレジメンとR-CHOPレジメンを比較するPOLARIX試験の5年追跡結果 (カットオフ2024年7月5日) が第66回米国血液学会(ASH2024)で報告された。・試験デザイン:国際無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験・対象:未治療の成人(18~80歳)DLBCL(IPI指標2〜5)・試験群:ポラスズマブ ベドチン+シクロホスファミド+ドキソルビシン+プレドニゾン +リツキシマブ→リツキシマブ (Pola-R-CHP、440例)・対照群:シクロホスファミド+ドキソルビシン+ビンクリスチン+プレドニゾン+リツキシマブ→リツキシマブ(R-CHOP、439例)・評価項目:【主要評価項目】治験担当医評価のPFS【副次評価項目】治験担当医評価の無イベント生存期間(EFS)、PET-CTによる完全奏効(CR)割合、盲検下独立中央判定(BICR)評価の全生存期間(OS) 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値54.9ヵ月における5年PFS割合はPola-R-CHP群64.9%、R-CHOP群59.1%と、引き続きPola-R-CHP群で有意な改善を示した(ハザード比[HR]:0.77、95%信頼区間[CI]:0.62~0.97)。・5年CR持続(DOCR)割合はPola-R-CHP群71.8%、R-CHOP群66.5%であった(HR:0.75、95%CI:0.57〜1.00)。・5年OS割合は、Pola-R-CHP群82.3%、R-CHOP群79.5%であった(HR:0.85、95%CI:0.63〜1.15)。・後治療を受けた割合はPola-R-CHP群38.3%、R-CHOP群61.7%だった。 拡大集団では中国の121例が追加され、合計1,000例(Pola-R-CHP群500例、R-CHOP群500例)が評価された。・拡大集団におけるPFSのHRは0.80(95%CI:0.65〜0.98)、無病生存率のHRは0.81(95%CI:0.63〜1.05)、OSのHRは0.83(95%CI:0.62〜1.10)であった。・拡大集団におけるGrade3~5の有害事象(AE)発現率はPola-R-CHP群98.0%、R-CHOP群98.6%、Grade3/4のAE発現はそれぞれ62.6%と60.2%、Grade5の発現はそれぞれ2.8%と2.0%で、Pola-R-CHP群とR-CHOP群で同等だった。 5年追跡データの結果でも、Pola-R-CHPは未治療の中または高リスクDLBCL患者に対する標準治療であることが確認された。

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ザヌブルチニブ、再発/難治慢性リンパ性白血病などB細胞性悪性腫瘍に承認/BeiGene Japan

 BeiGene Japanは、2024年12月27日、新たなBTK阻害薬ザヌブルチニブ(商品名:ブルキンザ)が、慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫含む)、原発性マクログロブリン血症およびリンパ形質細胞リンパ腫を適応症として厚生労働省より承認されたことを発表した。ザヌブルチニブは他のBTK阻害薬とは異なる薬物動態 今回の承認は、慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫(CLL/SLL)患者を対象にザヌブルチニブの有用性を評価したALPINE試験とSEQUOIA試験、原発性マクログロブリン血症/リンパ形質細胞リンパ腫(WM/LPL)患者を対象としたASPEN試験の3つの第III相臨床試験に基づいている。さらに、日本人患者を対象とした第I/II相臨床試験(BGB-3111-111)の結果は、ザヌブルチニブのプロファイルを裏付けるものであった。 再発・難治CLL/SLL患者652例を対象に行われた海外第III相臨床試験ALPINE試験では、ザヌブルチニブ群のイブルチニブ群に対する非劣性および優越性が示された。 未治療のCLL/SLL 患者589例を対象に行われた海外第III相臨床試験SEQUOIA 試験では、ザヌブルチニブ群のベンダムスチン/リツキシマブ(BR)群に対する優越性が示された。 WM/LPL患者229例を対象に行われた海外第III相臨床試験ASPEN試験では、ザヌブルチニブ群のイブルチニブ群に対する優越性は示されなかった。 ザヌブルチニブは、バイオアベイラビリティ、半減期、選択性を最適化することにより、BTKタンパクを完全かつ持続的に阻害するよう設計された経口投与のBTK阻害薬。同剤は他のBTK阻害薬とは異なる薬物動態を示し、多くの疾患関連組織において悪性B細胞の増殖を阻害することが報告されている。

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抗CD20/CD3二重特異性抗体モスネツズマブ、再発/難治濾胞性リンパ腫に承認/中外

 中外製薬は、抗CD20/CD3二重特異性抗体モスネツズマブ(商品名:ルンスミオ)について、過去に少なくとも2つの標準治療を受けたことのある再発又は難治性の濾胞性リンパ腫を適応として、2024年12月27日、厚生労働省より製造販売承認を取得したことを発表した。 モスネツズマブはCD20/CD3に対するT細胞誘導性二重特性抗体で、高い奏効割合と持続的な寛解が期待できる。治療期間は患者の治療効果に応じ、約半年または1年間と設定されている。 今回の承認は、過去に少なくとも2つの標準治療を受けたことのある再発/難治濾胞性リンパ腫患者を対象に実施した国内第I相臨床試験の拡大コホート(FLMOON-1試験)および、同患者集団を対象とした海外第I/II相臨床試験の成績に基づいている。 FLMOON-1試験は19例の日本人患者に対して行われた。主要評価項目である独立評価機関評価による完全奏効(CR)割合は68.4%を示し、主な副作用はリンパ球数減少、サイトカイン放出症候群、ALT増加、好中球数減少およびAST増加、インフージョンリアクションであった。海外第I/II相臨床試験は90例の患者に対して行われ、主要評価項目である独立評価機関評価によるCR割合57.8%を示し、主な副作用はサイトカイン放出症候群、発熱、疲労、そう痒症、好中球減少および低リン血症であった。

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「小児・AYA世代がん患者等の妊孕性温存に関する診療GL」第2版が発刊

 日本癌治療学会編『小児・AYA世代がん患者等の妊孕性温存に関する診療ガイドライン2024年12月改訂 第2版』が12月20日に発刊された。本書は、「小児、思春期・若年がん患者の妊孕性温存に関する診療ガイドライン 2017年版」をMinds診療ガイドライン作成マニュアル2020に準拠して、7年ぶりに全面改訂された。 2024年版は、女性生殖器、乳腺、泌尿器、小児、造血器、骨軟部、消化器、脳の8つの領域に、新たに肺、耳鼻咽喉・頭頸部、膠原病が加わり11領域をカバーしている。また、従来の性腺毒性分類は、2003年のASCOの分類表以降の国際的な報告を元に最新のJSCO分類として生まれ変わっている。小児・AYA世代のがんの現状と課題解決に向けて 厚生労働省は、小児・AYA世代がん患者等の経済的な負担軽減を目指して、国と自治体による妊孕性温存療法に係る経済的支援を2021年4月に開始した。また、2023年3月に閣議決定された第4期がん対策推進基本計画の「がん医療(1)がん医療提供体制等」の中に「妊孕性温存療法について」が施策の1つとして加えられたことから、2024年版ガイドラインの役割が一層重要になりそうだ。

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高リスクくすぶり型多発性骨髄腫、ダラツムマブ単剤が有効/NEJM

 くすぶり型多発性骨髄腫は、活動性多発性骨髄腫の無症候性の前駆疾患であり、現在の標準治療は経過観察であるが、活動性多発性骨髄腫への進行リスクが高い患者では早期治療が有益な可能性があるとされる。ギリシャ・アテネ大学のMeletios A. DimopoulosらAQUILA Investigatorsは「AQUILA試験」において、高リスクくすぶり型多発性骨髄腫の治療では注意深い経過観察と比較して抗CD38モノクローナル抗体ダラツムマブ皮下注単剤療法が、活動性多発性骨髄腫への進行または死亡のリスクを有意に改善し、全生存率も良好で、予期せぬ安全性に関する懸念も認めないことを示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2024年12月9日号で報告された。23ヵ国の無作為化第III相試験 AQUILA試験は、高リスクくすぶり型多発性骨髄腫の治療におけるダラツムマブの有用性の評価を目的とする非盲検無作為化第III相試験であり、2017年12月~2019年5月に日本を含む23ヵ国124施設で患者を登録した(Janssen Research and Developmentの助成を受けた)。 年齢18歳以上、過去5年以内に国際骨髄腫作業部会(IMWG)の基準でくすぶり型多発性骨髄腫との確定診断を受け、活動性多発性骨髄腫への進行リスクが高く、全身状態の指標であるEastern Cooperative Oncology Group performance-status(ECOG PS、0~5点、点数が高いほど機能障害が重度)のスコアが0または1点の患者を対象とした。 これらの患者を、ダラツムマブの皮下投与を36ヵ月間で39サイクル受けるか、あるいは病勢の進行が確定するまで投与を継続する群、または注意深い経過観察を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。注意深い経過観察群では、疾患特異的治療を受けず、36ヵ月間あるいは病勢が進行するまで観察を継続した。 主要評価項目は無増悪生存(活動性多発性骨髄腫への進行または全死因死亡)とし、IMWG基準に従って独立審査委員会が評価した。完全奏効以上、最良部分奏効以上の割合も良好 390例を登録し、ダラツムマブ群に194例(年齢中央値63.0歳[範囲:31~86]、男性49.0%)、注意深い経過観察群に196例(64.5歳[36~83]、47.4%)を割り付けた。くすぶり型多発性骨髄腫の初回診断から無作為化までの期間中央値は0.72年(範囲:0~5.0)であった。ダラツムマブの投与期間中央値は35.0ヵ月(0~36.1)、サイクル数中央値は38だった。 追跡期間中央値65.2ヵ月の時点で、活動性多発性骨髄腫への進行または全死因死亡に至ったのは、経過観察群が99例(50.5%)であったのに対し、ダラツムマブ群は67例(34.5%)と有意に少なかった(ハザード比[HR]:0.49、95%信頼区間[CI]:0.36~0.67、p<0.001)。5年無増悪生存率は、ダラツムマブ群63.1%、経過観察群40.8%であった。 病勢進行までの期間中央値は、それぞれ44.1ヵ月および17.8ヵ月(HR:0.51、95%CI:0.40~0.66)であり、完全奏効以上(厳格な完全奏効+完全奏効)は、17例(8.8%)および0例(0%)、最良部分奏効以上(厳格な完全奏効+完全奏効+最良部分奏効)は、58例(29.9%)および2例(1.0%)だった。 41例が死亡し、内訳はダラツムマブ群15例(7.7%)、経過観察群26例(13.3%)であった(HR:0.52、95%CI:0.27~0.98)。5年全生存率は、それぞれ93.0%および86.9%だった。重篤な有害事象は29.0%、投与中止は5.7% Grade3または4の有害事象は、ダラツムマブ群40.4%、経過観察群30.1%で発現し、最も頻度が高かったのは高血圧で、それぞれ5.7%および4.6%であった。重篤な有害事象は、29.0%および19.4%で発現し、最も高頻度だったのは肺炎で、3.6%および0.5%だった。ダラツムマブ群では、11例(5.7%)で投与中止に至った有害事象を認めた。 Grade3または4の感染症は、ダラツムマブ群16.1%、経過観察群4.6%で発現した。ダラツムマブ群では、32例(16.6%)で投与に関連した全身反応が報告され(Grade3または4は2例[1.0%])、53例(27.5%)で注射部位の局所反応(Grade3または4はなし)を認めた。ダラツムマブ群の18例(9.3%)および経過観察群の20例(10.2%)で2次原発がんが発生した。ダラツムマブによる新たな安全性に関する懸念は確認されなかった。 著者は、「これらの知見は、ダラツムマブは臓器障害の進行を遅らせるか、あるいは完全に防止し、活動性多発性骨髄腫への進行を抑制する可能性を示唆し、深い寛解を達成しない場合でも臨床的な有益性をもたらす可能性があると考えられる」「ダラツムマブをベースとした併用療法などの治療戦略がより適切かは現時点では不明だが、先行試験と本試験の結果を統合すると、本疾患の治療にダラツムマブ単剤療法を一定期間使用することが支持される」としている。

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高リスクのくすぶり型多発性骨髄腫患者、ダラツムマブ vs.積極的経過観察(AQUILA)/ASH2024

 高リスクのくすぶり型骨髄腫(smoldering multiple myeloma:SMM)に対するダラツムマブ(DARA)導入治療の有用性が示された。 SMMでは治療介入せずに積極的経過観察が推奨されてきたが、症候性の多発性骨髄腫(MM)への進行リスクも懸念されることから、高リスクSMMに対する治療介入の可能性が示唆されている。 CD38標的モノクローナル抗体であるDARAは、再発/難治MM(R/R MM)への有用性が示されている。DARAが積極的経過観察と比較してSMMからMMへの進行を遅らせることができるかを検討した。第III相AQUILA試験の中間解析結果が第66回米国血液学会(ASH2024)で発表された。・対象:診断されてから5年以内の高リスクSMM患者・試験群:ダラツムマブ(サイクル1および2は毎週、サイクル3~6は2週ごと、それ以降は4週ごと)4週1サイクルを39サイクル、36ヵ月または疾患進行まで(DARA群、194例)・対照群:積極的経過観察(196例)・評価項目【主要評価項目】独立審査委員会評価(IRC)評価の無増悪生存期間(PFS)※PFSはIMWGのSLiM-CRAB基準による【副次評価項目】全奏効率(ORR)、MMの1次治療までの期間、MM1次治療におけるPFS(PFS2)、全生存期間(OS)など 主な結果は以下のとおり。・追跡中央値65.2ヵ月のPFS中央値はDARA群未到達に対し、積積極的経過観察は41.5ヵ月で、DARAで有意に改善した(HR:0.49、95% CI:0.36〜0.67、p<0.0001)。推定60ヵ月PFS率はDARA群 63.1%、積極的経過観察40.8%であった。・ORRはDARA群63.4%、積極的経過観察2.0% であった(p<0.0001)。・OS中央値は両群とも未到達、60ヵ月OS割合はDARA群93.0%、積極的経過観察86.9%であった(HR:0.52、95%CI:0.27〜0.98)・死亡はDARA群15例(7.7%)、モニタリング群26例(13.3%)であった。・ランダム化からMM1次治療までの期間中央値は、DARA未到達に対し、積極的経過観察は50.2ヵ月であった(HR:0.46、95%CI:0.33〜0.62、名目p<0.0001)。・Grade3/4 の治療関連有害事象 (TEAE) は、DARA群の40.4%、積極的経過観察群の30.1%に発生した。頻度の高い (≧5%) Grade3/4のTEAEは高血圧 (DARA群5.7%、積極的経過観察群4.6%)であった。・DARA群において投与中止に至ったTEAEの発現は5.7%であった。

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疾患の検出や発症予測、血液検査が一助に?

 定期健診で一般的に行われている血液検査の検体には、検査を受けた人の健康状態について現在医師が得ている情報よりも多くの情報が隠されているようだ。全血球計算(complete blood count;CBC)と呼ばれるルーチンで行われている血液検査が、心疾患や2型糖尿病、骨粗鬆症、腎疾患など数多くの疾患の検出や発症の予測に役立つ可能性のあることが新たな研究で示された。米マサチューセッツ総合病院の病理医であるJohn Higgins氏らによるこの研究は、「Nature」に12月11日掲載された。 CBCでは、全身を循環している血液中の赤血球、白血球、血小板数を測定する。Higgins氏は、「CBCは一般的な検査だ。われわれの研究では、CBCは完全に健康な人であっても個人差が大きく、より個別化されたプレシジョンメディシン(精密医療)のアプローチによって、その人の健康状態や疾患の実態をより詳細に把握できる可能性のあることが示された」と説明する。 Higgins氏らは今回、1万2,407人の健常者から採取された血液を用いて、CBCによって測定される10種類の血液成分について調査し、患者ごとのばらつきを計算した。調査した成分は、赤血球数(RBC)、白血球数(WBC)、血小板数(PLT)、ヘマトクリット値(HCT)、ヘモグロビン濃度(HGB)、平均赤血球容積(MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)、平均血小板容積(MPV)、赤血球分布幅(RDW)である。その結果、性別や人種/民族、年齢の影響を受けることのない、それぞれの患者に固有の「セットポイント(基準値)」が存在することが明らかになった。研究グループは、これらのセットポイントを活用することで、医師は一見健康そうに見える人でも早期の段階で疾患を診断できる可能性があると話す。 次に、セットポイントが推定されてから15年間の追跡データがそろう1万4,371人のデータを用いて、セットポイントと全死亡リスクや主要疾患の発症リスクとの関連を検討した。その結果、多くの指標において、セットポイントの値が高くなるか低くなるにつれ10年間の死亡リスクが上昇することが明らかになった。ただし、HCTとHGBに関しては、セットポイントの値が中間で最もリスクが低く、両極端の値(高過ぎる、低過ぎる)でリスクが上昇することが示された。また、MCHCのセットポイントが低いことは心筋梗塞や脳卒中、心不全(主要心血管イベント〔MACE〕)のリスク上昇と関連し、WBCの高いセットポイントは2型糖尿病、MCVの高いセットポイントは骨粗鬆症、HCTの低いセットポイントは慢性腎臓病、RDWの高いセットポイントは心房細動、RBCの低いセットポイントは骨髄異形成症候群のリスク増加と関連していた。 Higgins氏らは、「セットポイントを調べることで、本研究で対象となった健康な成人の20%以上が、その値の逸脱により、10年間での全死亡や心血管疾患や糖尿病などの早期介入が有効な主要疾患の診断の絶対リスクが2〜5%以上増加することが示唆された」と述べている。 なお、今回の研究の結果は先行研究の結果とも一致しているという。例えば、HGBの低下は心筋梗塞のアウトカムに関連し、MCVは大腿骨近位部骨折に、またWBCは糖尿病に関連していることが示されている。 Higgins氏らは、「これらの関連が生じるメカニズムの解明にはさらなる研究が必要だが、今回の研究では、セットポイントが複数の疾患において、2〜4倍の相対リスクの層別化を可能にすることが示された。これは、家族歴や一部の遺伝子変異を含む一般的な疾患のスクリーニング因子による相対リスクの層別化に匹敵する」と結論付けている。

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おそらく後進国(資源の限られた国)における血友病治療の光となる新たな遺伝子治療(解説:長尾梓氏)

 インドから新たな血友病に対する遺伝子治療の報告である。他の疾患では使われている(と聞いている)レンチウイルスを使った治療は血友病では初めての報告で、NEJM誌に掲載された当日に米国血液学会(ASHといって世界最大の血液学会です)での口頭発表・拍手喝采もあった。筆頭著者のAlok Srivastava氏は筆者の友人でもあり以前からこの活動を聞いていたが、とにかくすごいのはインドと米国の政府による研究資金支援で実施された臨床研究であって、製薬会社が関わっていない点である。彼はさまざまな血友病関連の学会などで役割を担っているのはもちろんのこと、AHAD-APというAPAC領域の血友病学会を数年前に立ち上げて、APACの患者のために尽力している(私もsteering committeeとして参加しています)。すごいバイタリティ!! さて、この論文と同時にNEJM誌にはMahlangu医師(これまたASHから表彰されたことのある)による総説が掲載された。それを参考にこの試験の何がすごいか解説していく。 これまで血友病で開発されてきたのはAAVを使った遺伝子治療である。血友病Aにおいては米国、EUを中心にRoctavian(BioMarin製)がすでに発売されている。しかし、AAV遺伝子治療には複数の課題があり、既存のAAV抗体を持つ患者は使えない、治療効果が個人間で異なり予測もできない、免疫抑制薬が必要となる肝障害が発生する場合があるが誰に起こるか予想ができない、第VIII因子活性が何年持続するか不確実である。BioMarinは2024年のプレスリリースでRoctavianの取り組みを米国、ドイツ、イタリアの3市場に集中すると発表した。売上を伸ばすのに苦労しているとの報道もある。 今回のレンチウイルス遺伝子治療はAAV抗体や肝機能の問題を回避可能で、小児にも使えるかもしれないというメリットがある。効果もしっかりあった。 ただ、安全性の懸念はもちろんあり、第一は発がんリスクを含めた安全性だ。この研究ではより安全な前処置(treosulfan)が使用され、短期間のフォローアップでは安全性の問題は認められなかったとのこと。しかし…今では健康に生涯を生きられる血友病に骨髄移植、移植前処置をするってどうなんでしょう。 よって、本稿のタイトルのとおり、資源の限られた国、経済的な理由で既存の薬剤が定期的に使用できない国での治療としての可能性があるのだろうと思う。

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英国の過去20年の新薬導入、公衆衛生への影響を評価/Lancet

 2000~20年における英国国民保健サービス(NHS)による新薬提供は、公衆衛生にもたらした利益より損失のほうが大きかった。英国・ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのHuseyin Naci氏らが、後ろ向き研究の結果を報告した。英国では、国立医療技術評価機構(NICE)による新薬に関する推奨は、健康増進をもたらす可能性がある一方で、その資金を代替治療やサービスに利用できなくなるため、犠牲となる健康が生じる可能性がある。著者は、「今回の結果は、新薬から直接的な恩恵を受ける人々と、新薬への資源の再配分により健康を諦めることになる人々との間に、トレードオフが存在することを浮き彫りにしている」とまとめている。Lancet誌オンライン版2024年12月12日号掲載の報告。2000~20年の間に承認された183品目について解析 研究グループは、2000~20年にNICEの公開データベースに公表されている、英国における新薬の技術評価を特定した。評価中止、推奨されなかった、またはその後販売を中止した製品、ならびに医療機器、診断または介入手順に関するプログラムの評価は除外した。また、NICEが評価した医薬品については、承認から5年以内の製品を調査対象として、医薬品名、評価された適応症、医薬品およびその評価の特徴に関するデータを収集した。 新薬の費用対効果を増分費用効果比(ICER)で、健康上の利益を質調整生存年(QALY)として算出。また、イングランドで2000年1月1日~2020年12月31日の間に販売された新薬の総量に関する独自のデータを用い、NICEが推奨する新薬を投与された患者数を推定した。 各評価の健康への影響は、NHSで新薬を用いた場合に得られる獲得QALYと、同じ資金を他のNHSサービスや治療に再配分した場合に理論的に得られるQALY推定値の差分から算出した。新薬の増分費用をNHSの支出による健康機会費用で割ることにより、逸失QALY(forgone QALY)を算出した。 NICEは2000~20年に332種類の医薬品を評価し、276品目(83%)が推奨され、このうち207品目(75%)は承認から5年以内に評価された。207品目のうち、適格基準を満たした183品目(88%)が今回の解析に含まれた。新薬で375万QALYを得るも、純損失は125万QALY 339件の評価全体における獲得QALYの中央値は0.49(四分位範囲[IQR]:0.15~1.13)で、これは完全に健康な期間の0.5年に相当した。 新薬の推奨に対するICER中央値は、2000~04年に公表された14件の評価では獲得QALY当たり2万1,545ポンド(IQR:1万4,175~2万6,173)であったが、2015~20年に公表された165件の評価では2万8,555ポンド(1万9,556~3万3,712)に増加した(p=0.014)。ICER中央値は治療領域によって異なり、感染症治療薬12件の評価では6,478ポンド(3,526~1万2,912)であるのに対し、抗がん剤144件の評価では3万ポンド(2万2,395~4万5,870)であった(p<0.0001)。 NICEが推奨した新薬を使用した患者1,982万人において、新薬の使用により推定375万QALYが追加されたが、新薬の使用によるNHSの追加費用は751億ポンドと推定された。同じ資源をNHSの既存サービスに用いた場合、2000~20年の間に500万QALYが追加で得られたと推定された。全体として、NICEが推奨した薬剤による累積的な公衆衛生への影響は負であり、純損失の発生は約125万QALYであった。

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進行期低腫瘍量濾胞性リンパ腫の初回治療、watchful waiting対早期リツキシマブ(JCOG1411/FLORA)/ASH2024

 未治療の進行期低腫瘍量濾胞性リンパ腫(LTB-FL)では、診断後にすぐに治療を行わずに経過を診る、いわゆる無治療経過観察(watchful waiting、WW)が標準治療とされているが、高腫瘍量(HTB)への進行や組織学的形質転換といったリスクが懸念される。 一方、リツキシマブ単剤療法は、LTB-FLに対する初回治療の選択肢としてその有効性が示されているが、同剤を開始する最適な時期は明らかになっていない。そこで、未治療の進行期LTB-FL患者を対象に、WWに対する早期リツキシマブ導入の優越性を検証する無作為化第III相JCOG1411/FLORA試験が行われた。なお、同試験は、2024年6月に事前に計画された2回目の中間解析により、JCOG効果・安全性評価委員会から早期終了が勧告された。同試験の結果を東北大学の福原 規子氏が第66回米国血液学会(ASH2024)で発表した。・試験デザイン:無作為化第III相比較試験・対象:未治療の進行期・超低腫瘍量FL(Grade 1〜3A)※本試験では、GELF規準による低腫瘍量FLを、超低腫瘍量(腫瘍の最大長径が5cm未満、長径3cm以上の腫大リンパ節が2領域以下、胸腹水貯留なし)と、中腫瘍量(最大長径5cm以上7cm未満、長径3cm以上の腫大リンパ節3領域、重篤な胸腹水貯留なし、のうち1つ以上該当)の2つに分け、超低腫瘍量を試験の対象とし、中腫瘍量をリツキシマブ投与規準と定義した。・試験群:リツキシマブ(375mg/m2 day1、8、15、22)(RTX群、144例)・対象群:無治療経過観察 (WW群、148例) 両群とも中腫瘍量に進行した場合はリツキシマブ(375mg/m2 day1、8、15、22)投与・評価項目:【主要評価項目】無イベント生存期間(EFS)(イベント:高腫瘍量(HTB)への進行、細胞傷害性化学療法±放射線療法の開始、組織学的形質転換、または死亡)【副次評価項目】無細胞傷害性化学療法生存期間、無組織学的形質転換生存期間、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、全奏効割合(ORR)、有害事象など 主な結果は以下のとおり。・2016年12月〜2023年3月にJCOGリンパ腫グループ54施設から292例が登録された。・第2回中間解析(データカットオフ2023年12月)の観察期間中央値2.5年時点で、主要評価項目であるEFSにおいて、中央値はRTX群6.9年に対しWW群4.5年であり、有意にRTX群で改善した(HR:0.625、95%CI:0.425~0.918、片側p=0.0078)。・EFSのイベント内訳は、HTBへの進行(RTX群18.8%、WW群32.4%)、組織学的形質転換(RTX群8.3%、WW群12.8%)、化学療法の開始(RTX群11.8%、WW群8.8%)などであった。・PFS中央値はRTX群、WW群とも3.0年で両群間に差はみられなかった(HR:0.911、95%CI:0.666~1.247)。・ORRはRTX群70.8%、WW群3.4%であった。・OS中央値は両群とも未到達、3年OS割合はRTX群97.5%、WW軍98.5%で両群間に差は見られなかった(HR:0.908、95%CI:0.329〜2.506)。・無組織学的形質転換生存期間中央値は両群とも未到達、同3年割合はRTX群91.4%、WW群87.4%であった。・主なGrade2~4の非血液毒性(>5%)はインフュージョンリアクション(RTX群24.1%、WW群8.9%)、上気道感染症(RTX群6.4%、WW群2.1%)、高血圧(RTX群5.7%、WW群1.4%)であり、主なGrade3~4の血液毒性(>5%)はリンパ球減少であった(RTX群11.4%、WW群8.5%)。 以上の結果から福原氏は、未治療の進行期超低腫瘍量FL患者において、リツキシマブ早期介入は高腫瘍量への進行や化学療法の開始時期を遅らせることが示され、OSや組織学的形質転換に関しては長期のフォローアップが必要であるものの、リツキシマブ早期投与は未治療の進行期超低腫瘍量FLの初期治療に推奨されると結んだ。

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