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【アンケート】アトピー性皮膚炎患者さんの治療意欲は?その3

医師対象:株式会社ケアネットの運営するwebサイトCareNet.com会員の皮膚科標榜医師方法:インターネット調査 実施時期:2012年6月~8月患者対象:軽症から重症のアトピー性皮膚炎で現在も治療中の患者100名方法:インターネット調査 実施時期:2012年8月【患者さんへのアンケート】Q処方された塗り薬を担当の医師の指示通りに塗っていますか。Qなぜ、指示通りに塗れなかったのでしょうか。(いくつでも)【皮膚科医師へのアンケート】Q先生が診ているアトピー性皮膚炎の患者さん(16歳以上)は、どの程度、先生の指示を守って薬剤を塗布していますか?Q患者さん(16歳以上)がステロイド外用剤やタクロリムス軟膏などの外用剤を自己判断で中止したり、塗る回数を減らしたりする理由で、今までに先生がご経験されたものについて、下記よりお選びください。≪ケアネット編集後記≫今回は、薬剤塗布に関する指示の遵守度と自己中断・減量の理由について示しました。患者さんは『100%守っている』と回答した人が16%だったのに対し、医師が『100%守ってくれている』と考えている割合は1.7%と、大きな認識の差があるようです。自己中断・減量の理由として、63.1%の患者さんが『症状が改善したと感じたため』と回答しています。一方で、医師に患者さんが自己中断する理由のうち、経験したことがあるものを聞いたところ、87.6%が『外用薬への不信感』を挙げました。ある程度見た目で症状が改善してもしばらくは薬剤の塗布が必要であることを患者さんに理解してもらうのは一筋縄ではいかないようです。先生はこの“ギャップ”に関してどう思われますか?

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平本式 皮膚科虎の巻

第1回「まずは、皮膚科診療の流れ」第2回「ステロイド外用剤で“湿疹”成敗 !」第3回「湿疹に擬する曲者を見破る ! その1」第4回「湿疹に擬する曲者を見破る ! その2」 第1回「まずは、皮膚科診療の流れ」まずは、内科における皮膚科診療の流れを振り返ります。皮膚疾患の患者さんにまずどうやって対応するか? 放置観察か、紹介か、治療か ? …治療するならステロイドを使う ? まずは診療所でするべきこと、してはいけないことを確認してください。第2回「ステロイド外用剤で“湿疹”成敗 !」「よくわからないけど、たぶん湿疹だろう。とりあえずステロイドと抗生剤の合剤を出しておこう」… こんな診断・治療をした経験はありませんか? あるいは「なんとなくステロイドを処方することをためらってしまう」という先生も多いのでは?ステロイド外用剤によってかえって症状が悪くなる疾患もありますが、皮膚炎症の多くに対して有効な武器となるのがこの薬剤。「本当に処方してよかったのだろうか、どうも自信がない」、こんな不安は今日からなくなります。尚、ステロイド外用剤が禁忌となる疾患については第3、4回で詳しくご紹介します。第3回「湿疹に擬する曲者を見破る! その1」 第4回「湿疹に擬する曲者を見破る! その2」前回までのお話で、表皮の炎症である湿疹には、ステロイドの使い分けで、診療所でも十分に対応できることがお分かりいただけたと思います。しかし、皮膚疾患の中にはステロイドを塗ってしまっては症状を悪化させてしまう、湿疹と紛らわしい症例も沢山あります。そこで今回から2回に渡り、ステロイドを禁忌とする疾患の見分け方を詳しく解説していきます。第3回では「ウィルスと細菌による疾患の見分け方」、第4回では「ムシとカビ」について解説します。平本先生が数十年かけて培った、現場での臨床技術。ほかのどんな教科書にも載っていない秘伝の技術を是非ご覧下さい !

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【アンケート】アトピー性皮膚炎患者さんの治療意欲は?その2

医師対象:株式会社ケアネットの運営するwebサイトCareNet.com会員の皮膚科標榜医師方法:インターネット調査 実施時期:2012年6月~8月患者対象:軽症から重症のアトピー性皮膚炎で現在も治療中の患者100名方法:インターネット調査 実施時期:2012年8月【患者さんへのアンケート】Q医師から、塗り薬の塗り方についてどのような説明を受けましたか。(いくつでも)【皮膚科医師へのアンケート】Q先生は、アトピー性皮膚炎の患者さん(16歳以上)に、薬剤の塗り方に関してどのような指導をしていますか?≪ケアネット編集後記≫今回は、薬剤の塗り方について患者さんと先生方にお伺いしたアンケート結果です。『口頭で、塗布量、回数、タイミング、塗り方などを説明し、その後スタッフが実践してみせる』という項目に対し、患者さんの受け止め方と先生方の受け止め方のギャップが伺えます。また、患者さんの回答を見てみると、「」何も説明されなかった』が7%でした。先生はこの“ギャップ”に関してどう思われますか?

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アトピー患児の急性副鼻腔炎に対する鼻洗浄の有効性

 鼻洗浄は副鼻腔疾患で補助治療として用いられているが、小児においては調査が十分ではなかった。台湾のWang氏らはアトピー患児の急性副鼻腔炎治療に対する鼻洗浄の有用性を検討し、副鼻腔炎のアトピー患児への鼻洗浄は効果的な補助療法であると結論づけた。J Microbiol Immunol Infect誌2012年9月30日号の報告。 60例の急性副鼻腔炎のアトピー患児が登録され、そのうち29例が生理食塩水による鼻洗浄を実施し、31例が実施しなかった。すべての参加者は鼻の最大呼気流量(nPEFR)テスト、鼻汁検査、X線検査、小児鼻結膜炎QOLのアンケート(PRQLQ)を実施し、症状を日誌で記録した。フォローアップは1週間ごとで、身体検査、鼻汁検査、nPEFRテストを実施、日誌を収集した。 主な結果は以下のとおり。・最終フォローアップ時(3週間後)、鼻洗浄実施グループでは、非実施グループに比べて平均PRQLQとnPEFRで顕著な改善がみられた。・X線所見では両グループで有意な差はみられなかった。・鼻洗浄実施グループでは、非実施グループに比べて眼の充血、鼻漏、鼻のかゆみ、くしゃみと咳症状で著明な改善がみられた。

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【アンケート】アトピー性皮膚炎患者さんの治療意欲は?その1

医師対象:株式会社ケアネットの運営するwebサイトCareNet.com会員の皮膚科標榜医師方法:インターネット調査 実施時期:2012年6月~8月患者対象:軽症から重症のアトピー性皮膚炎で現在も治療中の患者100名方法:インターネット調査 実施時期:2012年8月【患者さんへのアンケート】Q塗り薬を処方されるとき、医師またはスタッフから薬剤に関してどのような説明を受けましたか。(いくつでも)【医師へのアンケート】Q先生はアトピー性皮膚炎患者さん(16歳以上)にステロイド外用薬やタクロリムス軟膏などの外用剤を処方する際、どのような点について説明されますか?≪ケアネット編集後記≫アンケートの結果から、『今後の治療の予定、または治療方針』『外用剤を使用する期間の目安、または辞め時の目安』『塗りにくい部位への塗り方』『塗り忘れた時の対処法』などについては、患者さんの「医師から説明を受けた」という認識が低いようです。反対に『保湿の重要性』については説明を受けた印象を強くお持ちのようです。外来における指導に関して、「伝える」ことと「伝わっている」ことは同じではないことがうかがえます。先生はこの"ギャップ"に関してどう思われますか?

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危機管理としての原発問題~原発はすべてを止めれば済む問題か~

つくば市 坂根Mクリニック坂根 みち子 2012年7月9日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行 ※本記事は、MRIC by 医療ガバナンス学会より許可をいただき、同学会のメールマガジンで配信された記事を転載しております。  話は震災直後にさかのぼる。2011年3月15日、子供の通う高校から一通のメールが保護者に一斉配信された。「念のためですがご連絡します。ただしパニックにならない様に注意しましょう。北風が吹いていますので、できるだけ早く家に戻り室内で待機し、外出を避けた方がいいと思います。特にこれから降る初期降雨を受けないように注意して下さい。外出時に雨に遇ったならば鼻と口をハンカチなどで覆って下さい。髪や皮膚が濡れた場合はお湯などで洗い流し、もし衣服が濡れた場合は入室時に脱いでビニール袋などに入れておいた方がいいと思います。」パソコンの隣のTVでは繰り返し原発は大丈夫だと放送していた。不安定な状態だが何とかなっているというのが、大方の世間のとらえ方だった。いくらなんでも枝野さんがこんなに堂々と嘘をつくはずがない、このメールの内容は杞憂に過ぎない、その時はそうとらえた。もうひとつ、最初は医師である私でも全く放射能についての知識がなかった。原発からはどのような核種が出る可能性があるのか、半減期はどのくらいでどう対処すればいいのか全く分からなかった。花粉症のようなもので、降り注いだものは払えばいいということも、しばらくして知った。 今改めて読んでみると、あの時起こっていたことを的確に把握し、何をすべきかきちんと伝えていた。このメールの配信を促したのは、学校の父母会長で放射線の専門家である医師だった。すでにつくばの空気中に放射性物質が異常に検出されていることを知っていたのである。パニックにならないように配慮して伝えたがために、当時は深刻に受け取らなかった保護者が多かったと思う。その時はまだ、今の時代に大本営発表があるとは思っていなかったのである。たった数日の自宅待機を指示してくれれば、もっとも飛散量が多いときに多くの人が移動することもなかったであろうに。しばらくして高エネルギー研究所のHPで放射性物質の空気中の濃度がわかるようになって事実を知った時、どれだけの親が子供たちがその時どこで何をして過ごしていたか必死に思い出し自責の念に駆られたことだろう。 あれから1年、世間では原発再稼働反対の運動が盛り上がっている。政府は広域災害と大津波を全く想定していなかった。従って、3月11日14時46分から日没までに、水と毛布と燃料を空から届けるという発想がなかった。それがため、どれほどの人が低体温で死に至ったか。また、マスコミは人々が津波に飲み込まれる様子や遺体をただの一度も一体も放映しなかった。外国のメディアが伝えていることが国内ではマスコミの似非人道主義のために、この世の地獄を味わっていた人たちの悲劇がリアルタイムで伝わらなかった。 放射性物質が放出されてから、なにがどこにどれだけ飛んでいるか正しい情報を伝えなかったために、今でも多くの親が多少なりとも被ばくした子供の健康問題を心配している。日本政府のガバナンスの欠如、マスコミの幼稚さ。(東電の組織としての欠陥は監督官庁と一心同体である。)今回の震災では、多くの国民の意識に政府とマスコミに対する深い絶望感と不信感が植え付けられた。政府のやることは全く信用できない、こんな恐ろしい原発を保持するなんて絶対許せないと考えるのも無理もない。でもちょっと待って欲しい。だからといって原発を止めれば済む問題だろうか。西日本は中国から飛んでくる黄砂でさえ問題となっているのに、北朝鮮と中国が原発を持つことのリスクはどう考えるのだろうか。日本で原発を止めるということは、コンパクトで高性能の原発の開発もなくなる。国内の原発は古くて危険なもののみとなる。外国に、より安全な原発を売り込むこともできない。技術の継承もなくなる。いざというときの対処法も相手任せとなる。今回の原発もアメリカの古いタイプのもので、コンセントの形も違ったため対応が遅れたというではないか。しかも国内の原発を止めても大量の使用済み核燃料は残る。問題はむしろこっちである。使用済み核燃料を持っている限り地震大国の日本で放射能に汚染されるリスクは全く減っていない。国内の原発停止にこだわって思考停止状態になると、沖縄の米軍基地を最低でも県外移転と言ったために、逆に最も危険な普天間固定となってしまっている現状と同じ構造となる。 国内の原発を止めるだけなら最悪の事態を想定して備えるという危機管理の基本を放棄することになる。今回の震災での対応がお粗末だったからと言って、日本人より中国や北朝鮮の原発管理の方が信用できるだろうか。「人類のためにすべての核利用を廃絶しよう」という運動が、隣国に通用すると思っているのだろうか。そんな絵空事は考えてはいけない。世界中を見渡しても損得勘定なく最も真摯に原発に向き合えるのは日本人しかいない。交渉が苦手で、征服欲がなく勤勉、心配性。日本人の美徳を認めるより、自らを責め、世界に向けてネガティブな発信しかしない。こんな民族が他にいるだろうか。数年前に宮崎駿監督が「借り暮らしのアリエッティ」という映画で、日本を舞台に「君たちは滅びゆく種族なんだ」を言っていたが、まさしく今の日本人は滅びゆく民族となりつつある。 こういう危機にこそ、原子力関連の分野には理系のトップの学生が進んで欲しい。優秀な人材を集め、日本人が得意とする細かいところまで行き届いた最新鋭のより安全な原発を作り、古いものと順次置き換えて欲しい。使用済み核燃料の処理について英知を集めて欲しい。加えて日本人全員が、個々のレベルで核についての知識を高め、何かあった時自立して動けるようにならなくてはいけない。原子力を一部の人にしかわからない「原子力村」に閉じ込めてしまったことが、災害時のリスクを高めてしまった。多様な専門家集団を育て、地球上のどこのトラブルにもすぐ駆け付け対応できるようにして欲しい。今回政府は「ストレステストで安全性を再確認後再稼働」というパフォーマンスを行っているが、知りたいのはそんなことではない。1992年、時の原子力安全委員会は東電に対して「長時間電源喪失を想定しなくていい理由を作文せよ」という信じられない要求をした。これと同じことが日本中の原発で行われたはずである。私たちが知りたいのは、各地の原発にそのような瑕疵が隠されていないかということである。医療の世界では「人は必ず死ぬ」ということ以外100%確実なことはない。すべての医療行為には必ずリスクが伴う。従って患者さんに100%安全です、と説明することはあり得ない。原発についても同じである。ストレステストをやって、「絶対安全です」といった時点で嘘である。そんなおためごかしをするようでは話にならない。国民も100%の安全を保障しろという要求自体がおかしいと思うべきである。大事なのは何かあった時の対処法である。どんな過酷事故をも想定して対策が練ってあるかである。 今大地震が起きたら、原発のみならず使用済み核燃料が入っているプールの耐震性は大丈夫なのか、万が一水が漏れたらどう対処するのか、北朝鮮のミサイルが打ち上げに失敗してプールが被弾したらどう対応するのか。テロの対象になって、ハイジャックされた航空機が原発に突っ込むことは「想定範囲外」なのか。こういった待ったなしの課題に対して、政府はきちんと説明して欲しいし、大至急予防措置を講じてほしい。 人類はすでに禁断の実に手を出してしまった。どこで何があっても放射能は地球全体に影響を及ぼす。福島の問題があるまで私たちが一番浴びていた環境からの放射線は、ソ連とアメリカが核実験を繰り返してばらまいたものである。ホーキング博士は、20年前の講演で、この宇宙には高度文明を持つ生命体が生まれては、環境を破壊しつくして惑星ごと自滅していると言っていたそうだ。(石原慎太郎「新・堕落論」より)恐ろしいことに、今地球はホーキング博士の予想通りの道を歩んでいる。すでに日本国内の問題ではないのである。日本人が最後の一つの核の後始末が付くまで伴走していくことも責任の取り方の一つである。 願わくば、ヒステリックにならずに良く考え議論を深めてほしい。一人の母親として、次の世代に命をつないでいくという大命題を考えた時、核に反対するだけの選択は、日本のみならず地球全体のリスクを高めてしまうと思う。筆者は政府とマスコミは一切信用しなくなったが、個々の日本人が持つ特質は世界で一番信用できると思っている。 もうひとつ、低量放射線についても少し触れておきたい。今、環境でも作物でも、わずかな放射性物質が検出されるのを一切許さないという風潮があるが、これも日本人が自らの首を絞めている典型である。放射性物質は毒にも薬にもなる。今まで人々はラドン温泉等低量の放射線を有効利用していたはずなのに、今では一切認めないという。自然界にはもともと放射線が存在し、人類も放射線と共存してきた。人間の体には優れた適応能力があり、傷ついたDNAは絶えず修復されている。少量の放射性物質を人類が有効利用してきたことは科学的に認められた事実であるにも拘らず、すべての放射線を悪として扱い、逆にそこで暮らさざるを得ない人々に大きなストレスを与えている。 話は最初に戻る。子供が被曝したかもしれないと思った時、当初筆者も動揺した。自分自身は医療放射線をかなり浴びているので仕方ないが、子供についてはほんの少しでもリスクは避けたいと思った。福島の原発がかなり危ないといううわさになった時、我が家では子供だけ一時東京の祖父母宅に避難させた。その時長女が本当に原発が爆発したら、パパとママはどうするのかと問うた。答えて、私達は医師としてこの地を離れることは出来ない、万が一の時はもう3人で生きていけるでしょうと話した。こう言われた彼女の衝撃は大きかったらしい。しばらくして無事当地に戻ってきたとき、何も知らない妹たちと違って大きな責任と恐怖を背負わされた長女は疲労困憊していた。そして、今後もし原発が爆発しても今度はつくばに残ると宣言した。その時長女は大学受験生で、さらに免疫系の病気で自宅療養中だったが、明らかに放射線そのものより精神的なストレスのほうが全身状態を悪化させていた。 昨年の11/1に「バランス感覚を持とう~放射能とともに生きていくために~」という拙文が配信されたことがきっかけで、元ICRP(国際放射線防護委員会)委員だった中村仁信医師から「低量放射線は怖くない」という本をいただいた。読了後、正直親としてはすこしホッとした。広島、長崎の被ばくで次世代に奇形が増えたというデータは一切ないということ、少量の放射線でがん抑制遺伝子のスイッチが入り、癌の発生そのものが抑えられる可能性があることなど、ICRPの見解も含め過去に世界中で集められたデータが素人にも理解しやすくまとめられていた。 そもそも震災の前から、今の子供たちは小さいころから甘いもの漬けであり、トライ&エラーの体験に乏しく、このままいくと糖尿病やストレスに対する耐性のなさから子供たちが大変なことになるととても危惧していた。世間ではそこに対する反応は今一つだったが、放射能に関しては親たちの恐怖心があっという間に膨れ上がってしまった。 今共存している放射線は毒にも薬にも成り得る。要は量の問題である。ほとんどの地域では放射線より生活習慣病から健康を害する可能性の方がよほど大きいと前回書いたところ、それでは今の福島ではどうなのかと問われた。その頃福島の汚染がどの程度なのかわからず、答えようがなかったが、最近の福島からの内部被曝量の測定結果をみると、幸いにも少ない被曝で済んでいる。食物からの内部被曝を少なくする努力もホットスポットの除去も地道に進めてくれている人たちがいる。やはり福島であっても、子供たちをどう育てればいいのか結論は変わらない。良く寝て良く笑い免疫力を高めること、大人になってもたばこは吸わないこと、子供の頃から甘いものを摂り過ぎると糖尿病になって血管を傷めるので、小さいころから食生活をコントロールすること、人とぶつかることを怖がらないこと。ご飯を作ることや片すことなど人間として生きていくために必要なことは自立して出来るようにすること。これが基本である。 放射線の「低量」がどこからどこまでをいうのか結論が出るのは数十年後である。だが、私たちは今この環境下で子供たちを育てていかなければならない。それならばその中で薬になるよう育てるだけである。少量の放射性物質が体にいいこともあるというデータがあるのなら、そこで生きていかなければいけない人々にとってそれは福音になる。周囲から大音量でヒステリックに否定しないで欲しい。ネガティブにとらえてストレスにさらされるのと、ポジティブにとらえて前向きに生きるのとどちらが体に良いかは解りきったことである。子供たちが健康に生き延びるヒントはそこにある。

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乾癬とアトピー性皮膚炎患者に対する教育プログラムは治療に影響を与えるのか?

標準治療に加えて、治療に何らかの影響を与えるような患者教育の実施は、皮膚科領域では比較的新しい概念である。ベルギーのゲント大学病院のBostoen氏らは、乾癬またはアトピー性皮膚炎患者の重症度やQOLに対して12週間の教育プログラムがどのような影響を与えるかを調べるため、無作為化試験(RCT)を実施した。単独施設におけるRCTではあるが、今回実施したような教育プログラムは長期にわたる乾癬治療において付加価値をもたらすことが示唆された。British Journal of Dermatology誌オンライン版2012年6月18日号の報告。本試験では、ゲント大学病院で治療中の乾癬患者(n=29)およびアトピー性皮膚炎患者(n=21)の計50例を治療介入群またはコントロール群に1:1の割合で無作為に割り付け、乾癬の面積と重症度の指標であるPASI(Psoriasis Area and Severity Index)スコア、またはアトピー性皮膚炎の重症度の指標であるSCORAD(Scoring Atopic Dermatitis)やEASI(Eczema Area and Severity Index)を用いて盲検化された観察者によって重症度を測定した。QOLに関しては、皮膚科領域に特化したQOL指標 であるDLQI(Dermatology Life Quality Index)やPDI(Psoriasis Disability Index)などを用いて測定した。フォローアップ期間は9ヵ月間であった。主な結果は以下の通り。 ・試験開始3ヵ月の時点で、乾癬患者には重症度とQOLの有意な改善が見られたが、アトピー性皮膚炎患者には見られなかった。・試験開始3ヵ月の時点で、PASI平均値、DLQI平均値、PDI平均値は、治療介入群においてコントロール群と比較して有意に改善した。(各p=0.036、 p=0.019、 p=0.015)・この改善は、少なくとも6ヶ月間は持続した。(教育プログラム終了後3ヵ月間は改善が継続していたが、試験開始から9ヵ月後には見られなかった)(ケアネット 藤井 美佳) ========================================関連コンテンツ【レポート】第111回皮膚科学会総会

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株式会社ファンケル

製品情報【無添加FDRのこだわり】創業以来、敏感肌のケアに取り組んできたファンケルは、「アトピー肌をはじめとした乾燥敏感肌の方たちの不安や不満を少しでも取り除きたい」という想いから、皮膚科専門医と共同で研究を進めました。そして、乾燥敏感肌の方も、毎日心地よく肌のお手入れができるフェイス&ボディケアのブランドとして「無添加FDR」が完成しました。「FDR」とは、ファンケルの「F」と、ドクターの「Dr」。皮膚科専門のドクターとの共同研究から生まれたことを表現したネーミングです。【無添加FDRスキンケア効果のこだわり】【無添加FDRのスキンケア効果を支える特長成分】【無添加FDRのお肌のためのこだわり】無添加に加え、全商品アルコール(エタノール)不使用。また、敏感肌によるパッチテスト・敏感肌への2週間連用テスト・アレルギーテスト・皮膚科医監修による使用テスト済みです。※すべての方にアレルギーや皮膚刺激が起きないというわけではありません。肌に必要な成分だけでできています。FDRシリーズは、肌に必要な成分のみを厳選してつくられています。防腐剤(パラベンなど)・殺菌剤・石油系界面活性剤・香料・鉱物油など、肌にとって不要な成分は一切不使用。全商品製造年月日入りです。【患者様用サンプルについて】ファンケルの商品は、通常、通信(インターネット、電話、ハガキ、FAX)・直営店舗にて販売を行っておりますが、無添加FDRは、医療機関に対し特別に半製品での無料サンプルをご用意しております。患者様用サンプルのご要望につきましては、ファンケル学術研究室 濵田/田畑、電話:045(226)1292 , FAX:045(226)1496またはe-mail: hamada_kazuto@fancl.co.jp, yuko0608@fancl.co.jpまでご連絡下さい。

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株式会社ケイセイ

医療機関を対象に化粧品・医薬部外品の企画・開発・販売を行っています。平成7年7月の創業以来、安全性を重視した医療機関専用化粧品として多くの先生方のご支持をいただいております。主な商品【低刺激性化粧品】ダーマメディコセブンシリーズ:低刺激性トイレタリー製品、基礎化粧品ダーマメディコADシリーズ:アトピー肌用洗浄剤、保湿剤ダーマメディコシリーズ:低刺激性ファンデーション、UVケア製品【制汗・デオドラントシリーズ】D-bar・D-tube【ケミカルピーリング】ジョルビシリーズ:グリコール酸ピーリング製剤・ホームケア商品【クリニックプライベート商品】ハイドロキノン・レチノイン酸・高濃度ビタミンC誘導体・CoQ10・アスタキサンチン・過酸化ベンゾイル製剤などクリニックオリジナル製剤のご相談を承ります。爪白癬用アプリケーター(東レメディカル製)画像を拡大する商品お問い合せ、サンプル等のご請求はinfo@e-keisei.co.jpまたは0120-888-913にて承ります。

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わが国の乾癬治療における生物学的製剤の費用対効果 3剤比較

わが国では、この数年のうちに、中等症から重症の乾癬に対して生物学的治療が導入されるようになった。NTT東日本関東病院の五十嵐氏らは、日本の医療環境におけるアダリムマブ、インフリキシマブ、ウステキヌマブによる治療の費用対効果を評価すべく、本試験を実施。「日本の乾癬治療の現場においても、ウステキヌマブはアダリムマブやインフリキシマブと比較して費用対効果のよい生物学的製剤である」と結論づけている。Journal of Dermatological Treatment誌オンライン版2012年5月28日掲載の報告。本試験は、二重盲検無作為化比較試験のデータを元にPASIスコア(乾癬の面積重症度指数)を用いて有効性を算出し、混合治療比較法にて検討された。また、国内において承認された用量と投与スケジュールにて割り出された薬剤費をコストとした。費用対効果はコストをPASI75達成の確率で割り、算出した。主な結果は以下のとおり。 ・インフリキシマブはPASI75を達成した割合が最も高く(83%)、次にウステキヌマブ45mg(74%)、アダリムマブ(59%)と続いた。・インフリキシマブは最も薬剤費の高い生物学的製剤である一方、ウステキヌマブ45mgとアダリムマブのコストは同程度であった。・1年間の導入療法期において、反応を示した患者一人当たりのコストはウステキヌマブ45mgが最も低く、アダリムマブ、インフリキシマブと続いた。・続く維持療法期においても、一人当たりのコストはウステキヌマブ45mgが最も低かった一方で、インフリキシマブとアダリムマブでは費用対効果に差がなかった。(ケアネット 藤井 美佳) ========================================【関連コンテンツ】いかに寛解を維持するか?アトピー性皮膚炎再発抑制のコツを伝授!

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アトピー性皮膚炎患者の「痒み」に対するタクロリムスの有用性とは?

アトピー性皮膚炎(AD)が原因となって起こる痒みは、ステロイド外用薬による治療ではコントロールできないケースもあるが、タクロリムス軟膏の使用により、難治性の痒みが緩和する例が臨床現場ではたびたび経験される。九州大学の竹内氏らは、AD治療の寛解導入療法、維持療法におけるタクロリムス軟膏の抗掻痒効果を確かめるべく、多施設共同無作為化オープンラベル試験を実施した。ANNALS OF DERMATOLOGY誌2012年5月号(オンライン版2012年4月26日号)の報告。試験開始にあたり、患者は、寛解導入療法後にタクロリムス軟膏単剤で維持される群と、皮膚軟化剤のみで維持される群の2群に無作為に割り付けられた。寛解導入療法では、低用量のステロイド外用薬(

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【British Journal of Dermatologyより】成人のアトピー性皮膚炎と肥満に関連性はあるのか?

幼少期における肥満は、アトピー性皮膚炎(AD)のリスクや重症度と関連があるとの報告があるが、成人期の場合も同様のことがいえそうだ。筆頭著者であるSilverberg氏は「体重の減少が成人のADの予防または症状の軽減につながるか否かについては、今後さらなる検討が必要である」と結んでいる。1994年1月から2003年12月に米国において実施された、2,090名を対象としたケースコントロール試験によると、成人における肥満はADの増加と関連性があり(補正オッズ比1.43、p=0.01)、非アトピー性の皮膚炎とは関連性がなかった(補正オッズ比0.59、p=0.32)。その他の結果は以下の通りである。 ・肥満はアトピー型喘息の増加とも関連性がある(補正オッズ比1.98、p<0.0001)。 一方で、非アトピー型喘息とは関連性がない(p=0.20)。・肥満はアトピー性、非アトピー性にかかわらず鼻炎とは関連性がない(それぞれp=0.08、0.31)。・アトピー性、非アトピー性にかかわらず食物アレルギーとも関連性はみられない(それぞれp=0.67、0.35)。・過敏症(atopy)とも関連性はない(p=0.40)。・肥満とADの関連性は、以下の場合でも有意であった。 -喘息、鼻炎、食物アレルギーの既往歴で補正をかけた場合(補正オッズ比1.40、p=0.02) -ADのみ罹患した患者のサブセット解析を行った場合(補正オッズ比1.96、p=0.04) -ADと喘息、鼻炎、およびまたは食物アレルギーを合併した患者のサブセット解析を行った場合(補正オッズ比1.40、p=0.03) ========================================【関連コンテンツ】いかに寛解を維持するか?アトピー性皮膚炎再発抑制のコツを伝授! (ケアネット 藤井 美佳)

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子どもの花粉症患者が増えている? デビューは平均7歳

ウェザーニューズが24日に結果発表した、全国的に花粉シーズン後半を迎えた4月中旬に行った「第二回花粉症調査」から、子どもの花粉症デビューの平均は7.4歳で、4~6歳の幼児期に発症する割合が27.4%にのぼることがわかった。今回の「第二回花粉症調査」は、同社のスマートフォンアプリ「ウェザーニュースタッチ」および携帯サイト「ウェザーニュース」の利用者を対象に、4月12日~15日の3日間調査を実施し、合計29,874人(男性24%、女性76%)の有効回答をまとめたもの。また、今回の調査を実施するにあたり、全国50の病院に調査協力と対策のアドバイスを受けたという。「お子さんや周りの子供で、症状が出ている子は、早い子で何歳くらいから発症していますか?」と質問をしたところ、4~6歳の幼児で発症する割合が27.4%という回答が最も多く、平均するとは7.4歳で花粉症デビューしていることになる。今回調査に協力した医師の中でも約9割が“子供の花粉症患者が増えている”と回答しており、花粉症の若年化を実感している医師が多かった。また、「これまでの花粉症対策を振り返ってどうですか?」という問いには、“対策が甘かった”との回答が27.6%となり、4人に1人が花粉シーズン前半の対策を反省していることもわかった。“対策が甘かった”という回答の年齢別内訳は、19歳以下は42.9%、20~29歳は39.7%と、若年といわれる年齢層の割合が多かった。詳細はプレスリリースへhttp://weathernews.com/ja/nc/press/2012/120424.html

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NHK、人気番組で漢方を取り上げる

NHK総合2月25日OA「夜なのにあさイチ 漢方スペシャル」NHKは2月25日夜、漢方薬を特集した生活情報番組「あさイチ」のスペシャル番組「夜なのにあさイチ 漢方スペシャル」を放映する。病院に行くほどでもないが、頭痛、倦怠感。そんな不調の数々を同番組では「なんとなく不調」と命名し、漢方で改善する方法を紹介する。また、有働由美子アナウンサー自ら半年間の症状改善もレポート。主な内容は、(1)漢方ならではの「同病異治」この不思議を半年にわたって取材(2)花粉症、頭痛、更年期障害、ストレス性倦怠感といった「なんとなく不調」の治療体験談(3)昔は土瓶で煎じていた薬が現代では粉薬として気軽に服用できるのはなぜか?(4)今注目を集める漢方薬「抑肝散」30年をかけ抑肝散の研究を続ける島根大学の堀口淳教授は、副作用で苦しむ患者の姿に心を痛めているなか、やっと出会えた患者を苦しめない薬だという。暴言や徘徊など認知症の周辺症状に効果があると注目されるこの薬剤……番組では精神科隔離病棟に密着し、患者の変化を実録。 放映:2012年2月25日(土)午後7:30~8:43出演:井ノ原快彦、有働由美子アナ、柳澤秀夫解説委員ほか 「夜なのにあさイチ」番組告知http://www.nhk.or.jp/asaichi/yoruichi/index.html

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聖路加GENERAL 【Dr.香坂の循環器内科】

第1回「階段がつらいのは歳のせい ? 」第2回「夜間の呼吸困難は花粉症のせい ? 」第3回「心雑音と言われたのですが元気なんです」第4回「ためらってはいけないCAB」 第1回「階段がつらいのは歳のせい ? 」地下鉄階段昇降時などに胸部圧迫感を感じるようになった50歳男性。他の領域の胸痛疾患に比べてリスクの高い場合が多い循環器疾患。まずは、この患者が循環器疾患かどうかを確かめることが重要です。胸痛の鑑別において大切なのは、1にも、2にも問診です。問診は、3つのポイントをおさえればOK。このような典型的な狭心症患者の他、顎が痛い、歯が痛いと訴えてくる患者さんも放散痛によるもので、実は心筋梗塞や狭心症だった、という非典型的な例もOPQRST3Aを使って解説していきます。また、胸痛においては、ACS(急性冠動脈症候群)という概念が重要になってきます。その診断方法についても詳しくお伝えします。第2回「夜間の呼吸困難は花粉症のせい ? 」数年前から動悸を自覚していた44歳の男性。夜間に呼吸困難が出るようになり、起き上がってもすぐには改善しなくなってしまいました。呼吸困難の原因はさまざまですが、起き上がっても改善しないなど心疾患が疑われます。特に、発作性夜間呼吸困難や起座呼吸は、心不全である確からしさが高い症状です。頚静脈、心音などの身体所見、X線、心エコーなどの画像診断、血液検査として有用性の高いBNPによって心不全であるかどうかを確認した結果、この男性は心不全であることがわかりました。そして、その原因については驚くべき事実が・・・。III音の聞き分け方、薬剤の使い方については「北風と太陽」を引用するなど、香坂先生ならではのユニークな講義が展開されます。第3回「心雑音と言われたのですが元気なんです」長い間微熱が続いたため、病院を訪れた62歳の男性。健診で「心雑音がある」と言われましたが、スポーツもこなし元気に過ごしていました。心雑音をみたときには、まず経過観察でよいものか、それともすぐに処置が必要なものかを見分ける必要があります。最強点がどこにあるのか、収縮期か拡張期か、収縮期であれば駆出性か逆流性かという鑑別が重要になります。この患者は2年後に症状が出始め、重症のMRと診断され、手術を受けることになりました。重症のMRは、10年以内に死亡、または手術を実施する確率が90%と高く、フォローが重要となります。ポイントは、重症度によってスパンを短くして、心不全症状やEFの低下がないかなどを慎重に観察することです。また、僧帽弁、大動脈弁治療に関して、最新の弁膜症手術も紹介していきます。第4回「ためらってはいけないCAB」最近動悸がするということで診療所を訪れた32歳男性。待合室で診察を待っている時、突然倒れて心肺停止状態になってしまいました。今まで心肺停止というと、まずA(気道確保)、続いてB(人工呼吸)の後、C(心臓マッサージ)という手順が常識でしたが、ACLSのプロトコル改訂により、ABCからCABと変わってきました。すなわち、なにはなくとも即座に心臓マッサージを!ということです。そこで、本来求められる心肺蘇生法に対し、病院外で行われるCPRの現状や、心臓マッサージの基本原理をしっかりと見直していきます。また、改訂で変更された薬剤、その効果や投与のタイミングについても具体的に紹介します。心肺蘇生後は患者の状態をよくみて判断していくことが重要となりますが、具体的に何をすべきか、また、突然死を防ぐための方法、心電図から突然死の確率が高い疾患の読み方についてもご紹介します。

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1時間ごとに花粉の飛散状況をアップデート

サノフィ・アベンティス「リアルタイム花粉レポート」と「病院検索」サービスを開始サノフィ・アベンティス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:ジェズ・モールディング)は2月3日、自社が運営する花粉症情報サイト「アレルギーi (アイ)」(http://www.allergy-i.jp/)で「リアルタイム花粉レポート」と「病院を探そう!」の2種類のサービスをを新たに開始したと発表。近年の疫学調査では、人口の29.8%が花粉症を有し、さらに増加傾向にあることが明らかとなっている。この度のサービスは、増加する花粉症の予防・治療には、よりタイムリーで詳細な花粉飛散情報が求められるとしてサービスを開始したもの。「リアルタイム花粉レポート」(http://www.allergy-i.jp/kafun/index.html)は、全国 200 ヵ所に設置された花粉センサーによる花粉飛散量を1時間ごとに更新。詳細地域でのリアルタイムの飛散状況を検索できる。「病院検索サービス」(http://www.allergy-i.jp/kafun/kafun-soudan/byoin-search.html)は、全国17万ヵ所の医療施設の中から、花粉症を治療できる最寄りの医療施設の検索できる。視聴者は誰でも無料でアクセスし利用することができる。

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寒冷蕁麻疹の発症に遺伝子欠損が関連

特色ある炎症性遺伝子の表現型を精査することで、免疫調節の仕組みや疾患メカニズムの同定および解明に結びつけることが可能とされる。米国NIHのMichael J. Ombrello氏らは、その手法を用いて、冷たいものに触れたり体温が下がると発症する寒冷蕁麻疹の優性遺伝が認められる3家族の遺伝子型を精査し、遺伝子に関わる原因や疾患メカニズムについて解明を試みた。NEJM誌2012年1月26日号(オンライン版2012年1月11日号)掲載報告より。優性遺伝が認められる3家族の遺伝子表現型を精査Ombrello氏らは、寒冷蕁麻疹、抗体欠損、感染症および自己免疫に対する感受性について優性遺伝を有する3家族を同定し検討を行った。免疫表現型について、フローサイトメトリー、血清免疫グロブリンと自己抗体の分析、リンパ球刺激アッセイ、酵素測定アッセイなどでタイピングを行い、また遺伝的なことについて、連鎖分析、標的サンガー塩基配列決定、次世代の全ゲノム塩基配列決定などで調査した。寒冷蕁麻疹は、すべての調査対象者で発症した。その他にアトピー、肉芽腫性発疹、自己免疫性甲状腺炎、抗核抗体の存在、気道感染と後天性免疫グロブリン血症が認められた。また血清IgMとIgA、ナチュラルキラー細胞とクラスをスイッチした記憶B細胞の減少が認められた。37度を下回ると細胞情報の伝達が亢進される仕組みが判明連鎖解析からは、1家族で染色体16q上に7Mbの領域候補が示された。それは同家族よりも少人数構成の1家族における、3.5Mbの疾患関連ハプロタイプに重なった。またこの領域には、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞で発現するシグナル伝達分子のホスホリパーゼCγ2(PLCγ2)をコードするPLCG2が含まれており、相補DNAの塩基配列決定で、2家族でエキソン19が欠失しているヘテロコピーが、残る1家族でエキソン20~22が欠損しているヘテロコピーの存在が認められた。ゲノム塩基配列決定では、疾患と同時に分離した、3つの異なるインフレーム欠失の存在が認められた。これらの欠失(自己抑制的な領域をコード化している領域に位置している)は、恒常的なホスホリパーゼ活性を有するタンパク物質を産生していた。そしてPLCG2発現細胞では、37度までは細胞情報伝達が抑制されたが、生理的温度を下回ると情報伝達は亢進した。以上の結果を踏まえ、Ombrello氏は「PLCG2のゲノム欠失がPLCγ(2)の獲得を押し上げ、複数の白血球サブセットで情報伝達の異常を起こし、免疫機能の過剰または不十分な表現型をもたらす」とまとめている。

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「眠気の強さ」=「効果の強さ」!?

平成23年9月28日、東京・大手町にて、NPO法人「皮膚の健康研究機構」理事・東京女子医科大学皮膚科学教授川島眞氏、東京大学大学院医学系研究科医学部皮膚科学教授佐藤伸一氏により、大規模比較検討試験「ACROSS Trial」の結果が発表された。「ACROSS Trial」の背景と目的じんましんやアトピー性皮膚炎の治療薬である抗ヒスタミン薬は、副作用として眠気をきたすことがある。80年代から眠気が少ない非鎮静性抗ヒスタミン薬(ほとんどが第2世代)が登場してきたが、眠気が強い第1世代抗ヒスタミン薬のシェアは、2008年に56%、2009年に52%、2010年に49%と依然高いままである1)。その理由として、約半数の臨床医と患者は「眠気の強さ」=「効果の強さ」と考えていることがわかっている 2)。この考えは正しいかどうかを検証するため、NPO法人「皮膚の健康研究機構」は2010年1月~10月にかけて、比較検討試験「ACROSS Trial(Antihistamine CROSSover Trial)」を実施した。ACROSS Trialはアトピー性皮膚炎および慢性じんましん患者502例を対象として行った多施設無作為化オープンラベルクロスオーバー比較試験である。非鎮静性抗ヒスタミン薬としてベポタスチンベシル酸塩を1回10mg、1日2回経口投与、鎮静性抗ヒスタミン薬としてd-クロルフェニラミンを1回2mg、1日3回経口投与、もしくはケトチフェンを1回1mg、1日2回経口投与した 3)。「眠気の強さ」≠「効果の強さ」本試験の結果をみると、鎮静性抗ヒスタミン薬において、投与前後に眠気の程度が悪化したのに対し、非鎮静性抗ヒスタミン薬では眠気の程度に変化がなく、薬剤間で統計学的に有意差が認められた。一方、かゆみの抑制効果について、非鎮静性抗ヒスタミン薬は、鎮静性抗ヒスタミン薬と同程度の抑制効果を示し、両薬剤間に有意差は認められなかった。また、眠気以外の有害事象は、鎮静性抗ヒスタミン薬が8例9件(口渇2件、倦怠感5件、下痢1件、ふらつき感1件)がみられ、非鎮静性抗ヒスタミン薬であるベポタスチンベシル酸塩には1件も認められなかった。まとめ非鎮静性抗ヒスタミン薬であるベポタスチンベシル酸塩は、眠気の程度に影響を与えない一方、鎮静性抗ヒスタミン薬と同等の有効性を有することから、佐藤氏らは「眠気の強さと効果の強さは相関しない」と結論付けた。さらに、安全性の観点から、蕁麻疹診療ガイドライン(日本皮膚科学会ガイドライン)に基づき、鎮静性の低い第2世代抗ヒスタミン薬を第一選択薬として扱うべきと強調した 4)。 出典:1) 株式会社医療情報総合研究所(JMIRI)の調査より2) 川島眞 監修. 抗ヒスタミン薬の真・事実. じほうヴィゴラス, 2011.  3) 川島眞 ほか. J Clin Therap Med. 2011; 27: 563-573.4) 秀道広 ほか. 日本皮膚科学会雑誌. 2011; 121: 1339-1388.(ケアネット 呉 晨)

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農家で育つ子どもは喘息、アトピーの有病率が低い:ドイツ

微生物に曝される環境下であることと、喘息や花粉症のようなアレルギー性疾患の発症が少ないこととの関連が繰り返し報告されているが、それらはロシアとフィンランドというように近接する生活環境が異なる集団からの知見であった。そこでドイツ・ミュンヘン大学小児病院のMarkus J. Ege氏ら「GABRIELA Transregio 22」研究グループは、同一地域に住んでいる子どもで、農家の子どもとそれ以外の子どもとの喘息・アトピー有病率を比較し、微生物に曝されることとの関連を調べた。NEJM誌2011年2月24日号掲載より。農家とそれ以外の子どもの喘息・アトピー有病率と微生物曝露のデータを解析研究グループは、二つのスタディデータを用いて、農家とそれ以外の子どもの喘息・アトピー有病率と微生物曝露について検討した。一つは「PARSIFAL」(アレルギー予防―農業とアントロポゾフィー〈人智学〉を基盤とした生活環境下にいる子どもの感作の危険因子)のデータ。PARSIFALでは、マットレスダストをサンプルに、細菌DNAのスクリーニングがSSCP法(培養法では測定できない環境細菌を検出するための解析法:一本鎖高次構造多型解析)にて行われた。もう一つは「GABRIELA」(欧州共同体における喘息の遺伝的・環境要因特定のための集学的研究「GABRIEL」の先端研究)のデータで、GABRIELAでは、子ども部屋の降下ダストをサンプルに、培養法にて細菌と真菌の分類評価が行われた。スタディ母集団は、PARSIFALはドイツ南部のバイエルン地方の6~13歳の児童6,843人、GABRIELAはオーストリア・ドイツ南部・スイスの6~12歳の児童9,668人だった。そのうち、両スタディのバイエルン地方に住む子どものデータ(PARSIFAL:489例、GABRIELA:444例)を解析した。曝される環境微生物が多様なほど、喘息リスクが低い結果、両スタディとも、喘息およびアトピーの有病率が、バイエルン地方の農家で暮らす子ども(PARSIFAL:52%、GABRIELA:16%)の方が、対照(農家以外の子ども)群と比べて低かった。喘息に関する補正後オッズ比は、PARSIFALでは0.49、GABRIELAでは0.76、アトピーに関する補正後オッズ比は両スタディ間でより開きが大きく、それぞれ0.24、0.51だった。また、農家の子どもの方が多様な環境微生物に曝露されていた。そして曝露される微生物が多様であるほど、喘息リスクが低くなるという逆相関の関連が認められた(PARSIFALでのオッズ比:0.62、GABRIELAのオッズ比:0.86)。さらに、特定の微生物への曝露について、喘息リスクとの逆相関が認められた。その微生物は、真菌分類群ユーロチウム属の種(補正後オッズ比:0.37)や、リステリア菌、桿菌、コリネバクテリウム属その他の細菌種(補正オッズ比:0.57)などだった。Ege氏は、「農家で暮らす子どもは、それ以外で暮らす子どもより広範な微生物に曝露されていた。そしてこの曝露が、喘息と農家で育つ子どもとの逆相関の関連について大部分の理由づけとなっている」と結論、また今後は、どのような種の微生物曝露が喘息予防に結びつくのかを特定するための試験に挑んでいくつもりだとまとめている。(武藤まき:医療ライター)

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