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学会総会まるわかり! 第44回 日本動脈硬化学会総会レビュー ガイドライン作成委員が語る今年の総会

執筆:塚本和久先生(福島県立医科大学 会津医療センター準備室 糖尿病・代謝・腎臓内科 教授)7月19日と20日の二日間、「動脈硬化性疾患の包括医療 ―ガイドライン2012―」をメインテーマとして、佐々木淳会長(国際医療福祉大学)のもと、第44回日本動脈硬化学会総会・学術集会が福岡にて開催された。本学会でも、近年他学会でも採用され始めたiPhone・iPad・スマートフォンでのプログラムの検索や予定表の作成が可能な専用のアプリが採用され、さらには抄録集もPDF化されたことにより、従来の重たい抄録集を持ち歩く必要がなくなったのも目新しい試みであった。両日を通じて総数1200名弱の参加があった。1. 新ガイドライン関連セッション今回の学会は、本年6月20日に発表された「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2012年版」をめぐるセッションがいくつか設けられた。初日午前には、各脂質測定に関する精度に関するワークショップが企画された。日常臨床で、各々の測定値がどのように標準化されているのか、その測定精度がどの程度のものであるのか、を考えることがないのが、ほとんどの臨床家の現状であろう。このセッションにおいて、総コレステロールはその精度管理が優れておりばらつきはほとんどないこと、現在のHDL-C測定法も精度の高い測定法であること、それに対して中性脂肪測定は標準化が十分でなく今後強力な標準化の努力が必要であること、また欧米での中性脂肪測定法と日本のそれとは遊離グリセロールを含めて測定するかどうかの相違が存在しており、値として同等のものと考えることはできないこと、などの解説が行われた。またLDL-C直接法に関しては、現在12メーカー(試薬は8試薬)がキットを出しているが、その測定法の詳細は示されておらず、同じ検体を測定してもキットにより値が異なることがしばしばあり、特に中性脂肪値の高い検体ではBQ法(比重1.006g/mL以上の画分を除いた検体でコレステロールを測定する方法)での測定値よりもかなり高値となるキットがあることが指摘された。それゆえ、今回のガイドラインでは、中性脂肪値が400 mg/dL以上の場合にはnon HDL-Cを指標とすること、中性脂肪値高値例ではLDL-C目標値達成後にnon HDL-C値を二次目標として用いること、が推奨されることとなったとの解説があった。non HDL-Cに関しては、近年の報告からLDL-Cよりも強い冠動脈疾患のマーカーとなる可能性が示されていること、高TG血症・低HDL-C血症ではLDL-Cにnon HDL-Cを加えて用いることによりそのリスク予測能が高まること、ただしnon HDLを指標とした大規模研究や疫学研究はないため、とりあえずLDL-C + 30 mg/dLで基準を定めてはいるものの、今後その閾値の設定が必要になってくることが提言された。二日目の午後には、今回のガイドライン作成の中心的存在として活躍された先生方による、「改訂動脈硬化性疾患予防ガイドライン」のセッションが開かれた。寺本民生先生(帝京大学)からは新ガイドラインの概要と二次予防・高リスク病態における層別化について、枇榔貞利先生(Tsukasa Health Care Hospital)からは脂質異常症の診断基準の元となった日本人でのデータと境界域を設定した根拠、そしてLDL-C直接法の欠点とnon HDL-Cの導入理由が示された。また、岡村智教先生(慶應義塾大学)より、今回のガイドラインで設定された絶対リスクに基づいたカテゴリー分類の基準を設定する際に参考とされた諸外国でのガイドラインの解説と最終的なカテゴリー分類基準の解説が行われ、最後に横出正之先生(京都大学)からは今回の学会のメインテーマである「動脈硬化性疾患の包括的管理」について、詳細な説明がなされた。2. 今回の学会でのセッションの傾向最近の動脈硬化学会の演題内容は、どちらかというと細胞内シグナル伝達やサイトカインのセッションが多い印象があったが、今回はどちらかというとリポ蛋白関連・脂質代謝異常、という概念でのセッションが多かった印象がある。二日目の午前には、「脂質異常症と遺伝子の変異」というセッションで、CETP欠損症、家族性高コレステロール血症、アポEについての講演とともに、今後の脂質異常症の発展につながるであろう「遺伝子変異の網羅的解析とTG異常」、「脂質異常症遺伝子変異データベースの構築」の演題が発表された。また、HDLについては、HDL研究に造詣の深い M John Chapman博士の特別講演が一日目に組まれ、二日目の午後には「How do we deal HDL?」との表題でのワークシップが行われた。そして、一日目の午後には、3年前の学会から継続して開催されている「動脈硬化性疾患の臨床と病理」のセッションが催された。ハーバード大学の相川先生から、近年の動脈硬化イメージングの進歩状況として、FDG PET/CT イメージング、MRI T2シグナルを用いての動脈硬化巣マクロファージのイメージング、特殊な薬物(NIRF OFDI)を用いての分子イメージングについての解説があった。座長の坂田則行先生(福岡大学)からは、現在の画像診断技術の進歩はめざましいが、どうしても臨床医は画像診断のみに頼りがちになっており、今後は画像診断での病変がどのような病理組織像を呈するのか、ということに関して、臨床家と病理家が共同して検討していく必要性が提起された。3. 特別企画、および若手奨励賞一日目の午後、特別企画として、Featured Session「時代を変えた科学者たち」が開催され、松澤佑次博士(内臓脂肪研究)、泰江弘文博士(冠攣縮性狭心症)、遠藤章博士(スタチンの発見)、荒川規矩男博士(アンジオテンシン研究)といった、日本を代表する研究者たちの講演をまとめて拝聴する機会が得られた。各博士の講演内容の詳細はスペースの関係上省略させていただくが、どの先生の話も内容が濃く感慨深いものであり、現在および将来基礎・臨床研究にいそしむ若い先生方の非常によい指南となったと考える。このような中、次世代を担う若手の先生の発表もポスター発表も含め多数行われた。中でも、一日目の午前には、若手研究者奨励賞候補者の発表、そして選考が行われた。スタチンがARH(autosomal recessive hypercholesterolemia)患者に有効に働く機序を安定同位体を用いた代謝回転モデルにて解析した論文(Dr. Tada)、急性冠症候群の血栓成分の相違がどのような臨床像、あるいは心機能回復能と相関するかを調べた臨床研究(Dr. Yuuki)、マクロファージからのコレステロール逆転送に関与するABCA1とABCG1が、ポリユビキチン化されて代謝されること、そしてプロテアゾーム阻害薬でコレステロール逆転送が活性化されることを示した論文(Dr. Ogura)、カルシウム感受性細胞内プロテアーゼであるカルパインは内皮細胞の細胞間接着に関与するVEカドヘリンの崩壊を惹起し、内皮細胞のバリア機能を低下させ、動脈硬化を促進すること、そしてカルパイン阻害薬は動脈硬化を抑制することを示した論文(Dr. Miyazaki)の発表があった。最優秀賞は、Dr. Miyazakiの演題が選出された。4. 特別講演、懇親会さて、このような実りの多い学会をさらに充実させたイベントとして、一日目の夜に開催された懇親会、そして東北楽天ゴールデンイーグルス名誉監督である野村克也氏の講演が挙げられるであろう。懇親会は、いつもの学会懇親会よりも多数の参加者があった。会長および運営事務局・プログラム委員会の諸先生の趣向・ご尽力、そして開催ホテルがヤフードームの隣であったこともあり、福岡ソフトバンクホークスのチアガールによる余興なども行われ、非常に和気藹藹とした雰囲気の中で会員同士の親交が深まったと思われる。また、二日目の野村克也監督の特別講演は、「弱者の戦略」という題名で行われた。南海、ヤクルト、阪神、楽天と、長い選手人生そして監督人生にて経験し、培ってきた考え方・姿勢を拝聴できた。とても内容の濃い講演であったが、中でも、弱者がいかに強者に対応していけばよいのか、組織・あるいはグループの長である監督とはどうあるべきか、部下のものに対する対応はどのようにすべきなのか、など、我々医師の世界にも相通じる内容の話を、ユーモアを交えながら語っていただいた。様々な苦労を乗り越え、その場その場でよく考えて人生を歩まれた監督ならではの講演であったと考えている。5. まとめ来年は、及川眞一会長の下、7月18日・19日に東京・京王プラザホテルにて第45回日本動脈硬化学会が開催される予定である。今年の充実した学会を更に発展させ、基礎および臨床の動脈硬化研究の進歩がくまなく体得できる学会になることを期待する。

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CKD診断のためのGFR推定式、クレアチニン+シスタチンCが有用である可能性

慢性腎臓病(CKD)の診断指標である糸球体ろ過量(GFR)の推定について、血清クレアチニンまたはシスタチンCいずれか単独マーカーの値に基づく推定よりも、両者を組み合わせての推定が優れることが報告された。米国・タフツ医療センターのLesley A. Inker氏らCKD疫学共同研究グループの横断解析の結果で、「CKDの確認検査には複合推定式が有用かもしれない」と結論している。GFRの推定は血清クレアチニンに基づく推定式がルーチンに用いられているが、不正確でCKDの過剰診断につながる可能性が示唆されている。代替マーカーとして登場したのがシスタチンCで、Inker氏らはその有効性を検討するため、シスタチンC単独と、シスタチンCと血清クレアチニンとを組み合わせについて検証した。NEJM誌2012年7月5日号掲載報告より。シスタチンCまたはクレアチニン単独とクレアチニン+シスタチンCの推定式を検証Inker氏らは、13試験に参加した多様な被験者5,352例を開発データ群として、シスタチンC単独ベースの推定式と、シスタチンCとクレアチニンとの組み合わせによる推定式とを開発した。その推定式を、GFRが測定されていた別の5試験・1,119例の被験者(検証データ群)で検証した。シスタチンとクレアチニンの測定は、国際規定に準拠していた。開発データ群の測定GFR平均値は68mL/分/1.73m2体表面積、検証データ群の同値は70mL/分/1.73m2体表面積だった。複合推定式を用いることで分類が正確に改善検証の結果、クレアチニン-シスタチンC推定式は、クレアチニンまたはシスタチンC単独での推定式よりも優れることが示された。3つの推定式間のバイアスは同程度であり、測定値と推定値との差の中央値は、複合推定式では3.9mL/分/1.73m2で、これに対してクレアチニン単独式では3.7mL/分/1.73m2(P=0.07)、シスタチンC単独式では3.4mL/分/1.73m2(P=0.05)だった。複合推定式では、精度が改善し(差の四分位範囲:13.4対15.4、16.4mL/分/1.73m2)、結果が正確だった(推定値が測定値より>30%だった割合:8.5対12.8、14.1%)。推定GFRが45~74mL/分/1.73m2だった被験者において、複合推定式を用いることで分類が改善され、60mL/分/1.73m2未満または同以上へ再分類された(ネット再分類指数:19.4%、P<0.001)。また、推定GFRが45~59mL/分/1.73m2だった被験者の16.9%が、60mL/分/1.73m2以上に正確に再分類された。(武藤まき:医療ライター)

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CKDが心筋梗塞発症に与える影響は、糖尿病より大きい

糖尿病患者が、心筋梗塞既往者と同等の心血管イベントリスクを有することはよく知られている。一方で、慢性腎臓病(CKD)と糖尿病が、それぞれ心血管イベントリスクに与える影響を比較した検討はこれまでなかった。今回、Tonelli M氏らによりこの検討がなされ、Lancet誌オンライン版2012年6月18日付に報告された。これにより、CKDが心筋梗塞発症に与える影響は糖尿病よりも大きい、という結果が明らかになった。カナダのアルバータ州の約127万人の住民データベースをもとに行われたコホート研究。本研究では、心筋梗塞や糖尿病の既往のある患者を入院や医療費のデータに基づく検証アルゴリズムにより分類し、検証した。CKDの定義は、ベースライン時のeGFR:15~59.9 mL/min/1.73m2(ステージ3または4)とした。対象者を、「心筋梗塞既往者(糖尿病やCKDの有無を問わない)」と、心筋梗塞既往のない患者のうち、「非糖尿病かつ非CKD患者」、「糖尿病患者(CKDなし)」、「CKD患者(糖尿病なし)」、「糖尿病かつCKD患者」、の5つのリスクグループに分けて、ポアソン回帰分析を使用して、フォローアップ期間中の心筋梗塞の相対発現率と非補正発現率を算出した。主要評価項目は、フォローアップ期間中における心筋梗塞による入院。 主な結果は以下のとおり。 ・フォローアップ期間中央値48ヵ月(四分位範囲[IQR]:25~65ヵ月)の間に、1%(11,340/1,268,029人)が心筋梗塞により病院に入院した。・心筋梗塞非補正発現率は、心筋梗塞既往者で最も高かった(1,000人・年あたり18.5、95%CI: 17.4~19.8)・心筋梗塞既往の無い場合、糖尿病患者(CKDなし)では、CKD患者(糖尿病なし)と比較して心筋梗塞発現率は少なかった (1,000人・年あたり5.4、95%CI:5.2~5.7 vs 1,000人・年あたり6.9、95%CI:6.6~7.2 ; p

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「一般名処方加算」新設、その後の実施率は

今回の「医師1,000人に聞きました」、テーマは “一般名処方”。2012年4月より、2012年4月の診療報酬改定における後発医薬品使用促進策の一つとして「一般名処方加算」が新設されたことは先生方ご存知の通りです。この改定を受けて先生方の意識はどう変化したのか?「4月以降実施するようになった」医師は全体でどれくらい?病院と診療所、実施率はどう違う?CareNet.comで2011年12月に実施した一般名処方の実施率調査も比較しながらご覧ください。結果概要はこちらコメントはこちら設問詳細「一般名処方」についてお尋ねします。4月6日付の『日刊薬業』によると、『4月の診療報酬改定で加算点数が新設されたことをきっかけに、全国各地で一般名処方を含む処方箋が増加している。当初は加算新設の効果に懐疑的な見方もあったが、改定施行直後からクリニックを中心に一般名処方が広がっているもようだ。この急増ぶりに東京都薬剤師会は3日付で、処方医や薬局薬剤師が一般名処方に不慣れな中では調剤過誤につながる恐れもあることから、傘下薬局に注意喚起の事務連絡を出した。4月の診療報酬改定では後発医薬品使用促進策の一つとして「一般名処方加算」が新設。医師が一般名処方を含む処方箋を発行した場合、交付1回当たり2点を保険請求できるようになった。一般名処方を含む処方箋について全国の調剤薬局からは、「前年に比べ2割ほど増加した」(札幌市の調剤薬局)、「すごく多い。混乱している」(広島県の調剤薬局チェーン)との声が出ている。大阪府薬剤師会の乾英夫副会長は「府内でも増えている。混乱しているのは確か」と話す。東京都薬は「一般名記載の処方薬を含む処方箋がかなり多い。ここまで来るとは思っていなかった」(事務局)と、予想以上の急増を指摘している。台東区の薬局の薬剤師は「一般名処方の処方箋は全体の25~30%。処方箋発行元医療機関の約9割が一般名処方を出している」と説明する。(略)』とのこと。そこで先生にお尋ねします。Q1. 先生の勤務施設では、一般名処方を行なっていますか?1.行なっている2.一部行なっている3.行なっていないQ2. Q1で「行なっている」「一部行なっている」と回答した先生にお尋ねします。一般名処方に関して、以下当てはまるものを全てお答え下さい。これまで行なっていなかったが、4月以降行なうようになった以前から行なっていたが、4月以降増えたレセコンの設定で自動的に一般名処方となる後発薬のある薬剤はほぼ全てを一般名処方としている処方薬のうち少なくとも1種類は一般名処方としている処方箋の書き方に難しさを感じるどの後発薬を調剤するかは調剤薬局に任せる調剤薬局からの問合せが増えた当てはまるものはないQ3. Q1で「行なっていない」と回答した先生にお尋ねします。今後一般名処方を行なう予定はありますか?1.行いたい2.薬剤によっては一般名処方でも良い3.行いたくないQ4.コメントをお願いします。今回の診療報酬改定、ご勤務施設の方針、処方箋を書く際やレセコンについて感じること、一般名処方の浸透に対してのお考えなど、一般名処方に関することでしたらどういったことでも結構です。アンケート結果Q1. 先生の勤務施設では、一般名処方を行なっていますか?Q1で「行なっている」「一部行なっている」と回答した先生にお尋ねします。一般名処方に関して、以下当てはまるものを全てお答え下さい。Q3. Q1で「行なっていない」と回答した先生にお尋ねします。今後一般名処方を行なう予定はありますか?2012年6月15日(金)~20日(水)実施有効回答数:1,000件調査対象:CareNet.com医師会員結果概要一般名処方を行なっている医師は3割超、前回調査時より倍増 診療所医師では半数を超える勤務施設での現在の実施状況では、「行なっている」との回答が15.1%(昨年5.7%)、「一部行なっている」が19.3%(同11.5%)。何らかの形で実施している医師は17.2%から34.4%と、昨年12月の調査時と比較すると倍増した結果になった。また、そうした医師に状況を尋ね「これまで行なっていなかったが、4月以降行なうようになった」との回答が60.8%。「以前から行なっていたが4月以降増えた」が14.8%であった。また施設規模別で見ると、病院医師で合計30.1%、診療所医師で56.0%の実施率となった。今後について、現在行なっていない医師の6割が「行いたい」「薬剤によっては」と回答一方、現在「行なっていない」と回答した医師に今後の意向を尋ねたところ、「薬剤によっては一般名処方でも良い」51.4%、「行いたくない」40.5%、「行いたい」8.1%という結果となった。『後発薬の信頼性に問題がある』『商品名で覚えていたものを新たに覚えなおすのは難しい』といった回答が多く見られた。「行いたい」とした中では、『自動変換してくれるなら』『面倒なので』など、レセコンに関するコメントを寄せた医師が多かった。「後発薬のある薬剤はほぼ全て一般名処方」としている医師は11.6%その他、現在行なっている医師の状況として「レセコンの設定で自動的に一般名処方となる」との回答が16.3%いる一方で、「処方箋の書き方に難しさを感じる」との回答が16.0%とほぼ同程度となった。「処方箋のうち少なくとも1種類は一般名処方としている」は15.7%、「後発薬のある薬剤はほぼ全てを一般名処方としている」との回答が11.6%。CareNet.comの会員医師に尋ねてみたいテーマを募集中です。採用させて頂いた方へは300ポイント進呈!応募はこちらコメント抜粋 (一部割愛、簡略化しておりますことをご了承下さい)「成分・効能が同じでも患者さんの方からすれば違ったものと捉えることが多いようです。医療費高騰の観点からのみでジェネリックにするのは考え物です。」(60代,病院勤務,リハビリテーション科)「後発品と先発品で適応疾患が異なるのが問題。当院では一般名では印字できないのですべて手書きになります。一般名処方は現状では普及しないと思います。」(50代,病院勤務,精神・神経科)「後発品の数が多すぎて、後発品の商品名で処方しても薬局によっておいているものが違い、その度変更可かどうかと問い合わせがくる。それも面倒なのだが、一般名はなじみがなく処方する際に手間がかかる。先発品の名称で処方しても、「変更可」とチェックを入れれば一般名処方と意味は同じになると思うので、かならずしも一般名でなくていいと思う。もう少し現場のことを考えてほしい。」(30代,病院勤務,外科)「仕事が煩雑になり大変迷惑。」(40代,病院勤務,精神・神経科)「処方された薬剤名を電子カルテに残したほうが良いと思うので手間が増えている。」(50代,その他,内科)「処方箋が長くなるので、印刷されているとはいえ、見づらい。コンピューター入力できない項目(例えば、不均等な服用、汎用しない頓服項目)など、つい書き加えるのを忘れる。医療機関はたいへんな思いをして2点しか加算されない。薬局ばかりが得をしていると感じている。」(40代,診療所勤務,精神・神経科)「移行期は作業が増えるが、将来的には効率的かと思う。」(30代,病院勤務,精神・神経科)「病院全体の問題なので当科の一存では決められない。やるならやるでいいし、やらなくても良い。」(50代,病院勤務,泌尿器科)「一般名処方をしてでも2点を稼がなければいけない保険制度に問題あり。一般名処方が一般化すればやがては2点加算も無くなり、逆に商品名処方だと減点される方向に動くだろう。製薬メーカーのMR活動は消滅。対薬局MS活動が中心になるだろう。医薬品の精度、安全性はどのように担保し、薬害時の補償はどうするのだろうか。」(50代,病院勤務,泌尿器科)「一般名を調べるのに時間をとられて、業務に支障あり。 」(50代,病院勤務,整形外科)「血圧関係では、慣れたARBを使用したいので一般名処方はしたくない。」(60代,その他,産婦人科)「一般名で構わないと思うが、この無理やりなやり方には反発を感じる」(40代,診療所勤務,精神・神経科)「点眼ビンの使いやすさや点眼時の刺激などが各薬剤にて全く異なるので、眼科的にはなじまない」(40代,診療所勤務,眼科)「調剤薬局からの問い合わせが多く、非常に手間を感じている」(30代,診療所勤務,腎臓内科)「一般名処方出来る薬と出来ない薬があるので、混乱している。4月に入って直ぐに後発薬のあるものすべてを一般名処方に変えたが月の半ばでレセコン会社から半分以上出来無いとの連絡があり戻して混乱した。その根拠が分からない。」(50代,その他,眼科)「加算につながることなので、経営上やらざるを得ないが、露骨なジェネリックへの誘導措置であり、気分はあまりよくない。」(40代,診療所勤務,内科)「電子カルテが、製品名を入力しても一般名が選べるとか、サポート機能が充実すれば一般名処方はやぶさかではない」(50代,病院勤務,外科)「自分がわざと安いジェネリック薬を選んで処方しても,薬局で高いジェネリックに変更されている.これまでと逆のことがおこっている.」(30代,病院勤務,神経内科)「いままでよりわかりやすくていいです。ただ、患者さんに商品名を伝えるべきなのか、一般名にするのかは、どちらにしても名前が変わってくることが多いため、患者がどう感じているか心配ではある。」(30代,診療所勤務,膠原病科)「商品名に慣れ親しんだ患者さんやベテラン医師に受け入れられるまで時間はかかると思うが、一般名処方をすると、先発品と後発品を同じ名前で処方できる、一般名で学んだ薬学の知識を新人医師がそのまま使えるというメリットがある。いずれ世間は一般名処方に移行していくと思う。」(30代,病院勤務,呼吸器科)「他の医療機関から来た患者の処方を見るときは、一般名処方の方が、聞いたこともないジェネリック薬品の製品名よりはるかに良いと思います。」(50代,診療所勤務,代謝・内分泌科)「電子カルテの動きが遅くなるため実施していない。」(40代,診療所勤務,耳鼻咽喉科)「いちいち薬局からこの薬にしましたと連絡を受けるのは面倒」(60代,その他,泌尿器科)「後発品の普及をさせたい意図はわかるが 現場の状況を厚生省はよく検討して欲しい」(30代,病院勤務,麻酔科)「いろいろな医療機関で様々な薬を処方されていてその患者が入院した場合何の薬を処方されていたのか調べるのが大変な労力がいる。またすべて同じ効果があるのか疑問。」(60代,病院勤務,外科)「レセコンでは一般名→商品名、商品名→一般名いずれも変換できますので、特に困ることはないのですが、保険点数2点ですからねえ、労力の割には報われないような気がします。」(50代,病院勤務,外科)「一般名が複雑な名称の場合があり(例えばxxxxリン酸塩、など)、また馴染みの少ない名称の場合も少なくなく、処方ミスに繋がる可能性がある。」(50代,病院勤務,代謝・内分泌科)「アップデートの必要がある情報が山のように有るので、覚えないですむ情報に時間を費やすのはさけたい」(40代,病院勤務,外科)「他施設から紹介されてくるケースで、後発品の処方がなされているケースだと何が投与されているのか一々調べなければならない。それなら一般名処方のほうがましに感じる。 」(40代,病院勤務,整形外科)「電子カルテのソフトで対応していかないと,何の薬が出ているのかわからないので,医療事故の原因になるはず…」(50代,病院勤務,呼吸器科)「薬剤師、医師とも不慣れな一般名より、商品名での処方が良いと考えている。現状の「どちらでも良い」という中途半端な状態がもっとも危険。」(50代,その他,外科)「当院の処方は全て自動的に(変更不可)になっている」(50代,診療所勤務,整形外科)「いまだ過渡期になるのでしょうか?かなり前から議論されていますが、いまだに統一した見解、取り決めがなされていないのは疑問に思います」(40代,病院勤務,麻酔科)「これだけ医療ミスが問題とされているのに、 わざわざ一般名にしてミスをするリスクをあげる必要性があるのだろうか?」(40代,病院勤務,膠原病科)「医師になったばかりの頃は、一般名の処方の方が判りやすかったが、段々、経験を積むにつれて、メーカーごとに違う薬剤名の方に慣れ親しんで行った。だから、これから医師になる人々にとっては一般名処方は良い傾向だと思う。」(50代,病院勤務,産婦人科)「一般名のほうがよいが、コメディカル(看護師など)の方々にも浸透するにはまだまだ時間が掛かると思う」(30代,病院勤務,その他)「コンピュータで一般名が選択できるので処方は簡単。」(30代,診療所勤務,産婦人科)「院内処方なので、一般名にするメリットは感じない。制度でそうするというのなら従うが、慣れるまではしんどいな。」(40代,病院勤務,精神・神経科)「処方された薬剤に関する責任の所在を明確にしてほしい」(40代,病院勤務,精神・神経科)「長い目で見れば、製品名と一般名の2種類を記憶する必要がなくなるので、一般名処方は推進されるべきと思います。 」(30代,病院勤務,腎臓内科)「今から、以前覚えた商品名に対する一般名を覚える余力がない。」(40代,病院勤務,血液内科)「後発薬の場合、実際に効果が違うように思うものがあるのも確かであり、指定が必要なものもあるかと思います。 また、患者さん側も薬の名前が違うことに不安を感じるのでは。 混乱を招かないためにも後発薬は一般名そのものや一般名をもじったものにして欲しいものです。」(30代,病院勤務,整形外科)「現場が混乱し、インシデントの原因となるので、一般名処方が必要だとか一般名が定着しているものに限って行なうべきと思います。」(30代,病院勤務,整形外科)「この制度はおかしい。「後発品への変更可」から、「後発品への変更不可」に変化し、ここで一般名にしたところで、現場が混乱するだけ。後発品変更不可としない処方箋に2点つくようにしさえすればよかったのに」(40代,病院勤務,内科)「先発薬にこだわりたい。」(40代,病院勤務,内科)「たった2点のためやるかと思うと、情けないです。」(40代,診療所勤務,産婦人科)「昔ながらによく使用している薬剤を、一般名でいまさら覚えるのがおっくうです。」(40代,病院勤務,呼吸器科)「電子カルテのオプション整備費としてかなりの金額が必要ですので、考慮中です。」(60代,病院勤務,消化器科)「一般名をすぐに連想させるような商品名であると覚えやすいため使用してもよいと考える」(20代,病院勤務,産婦人科)「以前は紛らわしい名前の薬の書き間違いによる医療事故が取りざたされていましたが、ジェネリックや一般名処方ではますます間違いが増えることが明らかです。(処方している医師仲間が言っているので間違いないです。)今は患者の命よりも医療費の抑制が優先される時代なんだと理解しています。」(50代,病院勤務,呼吸器科)「とくに勤務施設からの指示はありませんが、ジェネリック医薬品の採用品がころころ変わるこの頃、一般名での処方のほうが便利かもしれない」(40代,病院勤務,内科)

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腎不全の未治療率、年齢が高いほど高率

腎不全の未治療率は、年齢が高齢になるほど、より若い人に比べて高いことが、カナダ・カルガリー大学のBrenda R. Hemmelgarn氏らによる当地の住民約182万人について行った一般住民対象コホート試験の結果、明らかにされた。eGFR値が15~29mL/min/1.73m2のグループでは、腎不全未治療率は85歳以上が18~44歳の5倍以上だったという。Hemmelgarn氏らは、高齢者の腎不全研究は透析開始に焦点が集まっており、未治療高齢者の疾患負荷について軽視されているのではないかとして、年齢と腎不全治療との関連について検討した。JAMA誌2012年6月20日号掲載より。被験者を年齢とeGFR値でグループ化、腎不全治療率を比較研究グループは2002年5月1日~2008年3月31日にわたってカナダのアルバータ州で、試験開始時の糸球体濾過値(eGFR)が15mL/min/1.73m2以上で、腎置換療法を必要としなかった181万6,824人を対象とするコホート試験を行った。年齢別に、透析や腎移植を受けた人の割合や、治療を受けなかった人の割合、死亡率を調べ比較した。被験者の年齢については、18~44歳、45~54歳、55~64歳、65~74歳、75~84歳、85歳以上に分類した。eGFR値については、90以上、60~89、45~59、30~44、15~29mL/min/1.73m2に分類した。被験者の平均年齢は48.2歳(標準偏差:17.2)、うち男性が44.3%だった。被験者の45.1%が、年齢が18~44歳だった。eGFR値15~29mL/min/1.73m2グループ、85歳以上の腎不全未治療率は18~44歳の5倍以上追跡期間中央値は4.4年だった。その間、死亡は9万7,451人(5.36%)で、腎不全を発症し、治療を受けたのは3,295人(0.18%)、治療を受けなかったのは3,116人(0.17%)だった。いずれのeGFR値グループでも、腎不全の治療を受けた人の割合は、年齢が若い年齢群が、より高齢の群に比べて高率だった。たとえば最小eGFR値グループ(15~29mL/min/1.73m2)では、腎不全の治療率は1,000人・年当たり、18~44歳が24.0(95%信頼区間:14.78~38.97)だったのに対し、85歳以上では1.53(同:0.59~3.99)と、10倍以上の格差があった(p<0.001)。一方、腎不全の治療を受けていない人の割合は、高齢の群のほうが、より若い年齢群に比べ高率だった。最小eGFR値グループ(15~29mL/min/1.73m2)では、腎不全の未治療率は1,000人・年当たり、85歳以上が19.95(95%信頼区間:15.79~25.19)だったのに対し、18~44歳では3.53(同:1.56~8.01)と、5倍以上の格差があった(p<0.001)。なお、治療・未治療を含む全腎不全患者の年齢階層群別の割合については、大きな変差はなかった。たとえば、最小eGFR値グループ(15~29mL/min/1.73m2)の補正後腎不全患者の割合は1,000人・年当たり、18~44歳では36.45(95%信頼区間:24.46~54.32)、85歳以上では20.19(同:15.27~26.69)だった(p=0.01)。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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エキスパートへのQ&A ~エキスパートDrに聞く~

慢性腎臓病(CKD)の概念が提唱され、10年が経ちました。この間、本疾患に対する注目度や臨床医の治療経験が飛躍的に向上し、今では、コモン・ディジーズの一つとなりました。このCKD診療の浸透に大きな役割を果たした『CKD診療ガイド』が、2012年6月に改訂されました。ケアネットでは、『CKD診療ガイド』改訂を機に、CKD診療に関する質問を会員の医師より募集しました。この質問に、常喜信彦先生(東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科 准教授)が回答します。常喜信彦先生東邦大学医療センター大橋病院 腎臓内科 准教授CKD患者を専門医に紹介するにしても、腎臓専門医の人数は少なく、それほど多くの患者を診療することは難しいかと思います。どのような患者であれば、専門医に紹介すべきでしょうか?とくに軽症の患者さんを専門医に送るときの判断について教えてください。たとえ蛋白尿が認められていても、またeGFRが45 mL/分/1.73m2と低下していたとしても、極論を言えばそれ以上悪くならなければ、臨床上まったく問題はないわけですが、進行性のCKDが疑われるならば、専門医への紹介が望まれます。進行性を疑う最も強力なマーカーは蛋白尿の量になります。1日換算量で0.5 g以上認められ、かつその量が半年から1年の経過で増加傾向を示す時には積極的に専門医に紹介すべきです。eGFRについても進行性に低下する場合は同様です。尿蛋白の測定は、どのようにしていますか? 自費で行う場合もありますか? 対象となる患者を教えてください。最も一般的な方法は、随時尿の蛋白尿量を尿中Cr値で割った1日換算量を求める方法です。この方法で算出された1日換算量は、24時間畜尿により求められた蛋白尿と非常によく相関することがわかっています。高血圧、糖尿病、高脂血症といったいわゆる古典的な動脈硬化危険因子で診療中の患者、メタボリックシンドロームの患者には積極的に尿蛋白の測定を行うことを推奨します。蛋白尿をきたす原因として、若年では慢性糸球体腎炎も頻度が高くなります。微量アルブミン尿は保険診療の上では、糖尿病性腎症が疑われる時に適応となります。日常診療の中で、それ以外の疾患にまで微量アルブミン尿を計測拡大させる必要はないと思います。それよりも、まず通常の尿蛋白1日換算量を忘れずに確実に測ることが推奨されます。病状評価にあたり、初診時に何を行いますか? 定期検査の頻度についても教えてください。慢性腎臓病の診断、重症度の評価をするときに必須の検査は、1日換算量の蛋白尿ないしアルブミン尿とeGFR値になります。この2つの検査は必須とお考えください。加えて、腎の形態的異常の把握のために腎臓超音波を行えば、慢性腎臓病の病状評価としては必要な検査はそろいます。今回renewalされたCKD診療ガイドでは、尿蛋白1日換算量とeGFR値から、腎臓専門医への受診間隔の目安が示されています。ご参考いただければと思います。腎臓専門医への受診間隔(月)画像を拡大する血圧やコレステロールもそれほど高くない患者の場合、尿所見とeGFRのみで患者さんの受診を持続させられるものでしょうか? 患者さんの受診モチベーションをあげる方法などありますか?CKD診療ガイドに示されている、慢性腎臓病の重症度評価の色別表を使用されてはいかがでしょうか。将来、末期腎臓病に至るリスクや心血管イベントを起こすリスクが色別に表記されており、患者さんにお見せしても非常にわかりやすい表かと思います。今回、同時に、その表をもとにした、診療間隔目安表も公開されました。ご参考いただければと思います。CKDの重症度分類画像を拡大するLDL-Cと中性脂肪の両方が高いCKD患者さんには、フィブラートとスタチンのいずれを用いればよいでしょうか?まだ、答えの出ていない分野かもしれません。まずフィブラート系の治療薬はeGFR30 mL/分/1.73m2未満では使用できませんので、CKDステージ3までの患者でどう考えるべきか、ということになります。CKD患者における脂質代謝異常の治療に関する証拠はかなり限られたものになり、不十分と言わざるを得ません。しかしながらLDL-CとTGを比較したとき、どちらのパラメーターに関する治療成績が多いかと言えばLDL-Cになるかと思われます。選択するとなれば、LDL-C低下作用に秀でたスタチンになるかと思います。参考までに、スタチンとフィブラートの併用は横紋筋融解症の危険が高まるため、原則禁忌とされています。必然的にCKD患者の高TG血症へはニコチン酸系薬剤を使用することが多くなります。高尿酸血症の管理について、管理する患者や介入開始尿酸値、管理目標値などについて教えてください。高尿酸血症がCKDの発症、進行に深くかかわる因子であることが明らかとなってきました。わが国の報告で、住民健診で尿酸値について男性7.0mg/dL以上、女性6.0mg/dL以上を高尿酸血症と定義したとき、高値群で末期腎臓病への移行リスクが高くなることが報告されています。男性7.0mg/dL未満、女性6.0mg/dL未満を管理目標値と考えてよいでしょう。管理の第一段階は、過食、高プリン・高脂肪・高たんぱく質食の嗜好、常習飲酒、運動不足などを是正する生活習慣の改善です。一方、CKD ステージ 4~5 において生活習慣改善にもかかわらず血清尿酸値が9.0mg/dL 超える無症候性高尿酸血症では、証拠はないものの薬物治療が考慮される場合が多いです。結局は血圧、血糖、脂質を良好にコントロールすることがCKD進行の予防になると考えます。血清クレアチニン正常の患者さんをあえて混んでいる大病院腎臓内科に紹介するメリットは何でしょうか?ひとつは潜在する腎炎の合併を除外するためです。とくに蛋白尿量が多い患者さんでは、その疑いが強くなります。たとえ腎炎であっても、血圧、血糖、脂質の管理を厳密に行うことに変わりはありませんが、腎炎を併発していれば、その腎炎に介入治療することで、腎障害の進行を抑えられる可能性もあります。また、栄養指導、食事療法を行うという意味では、基幹病院の方が有利かもしれません。eGFR60以上でも、3-6ヵ月に1回、腎臓専門医を受診することが推奨されています。

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緊急調査! CKD診療。6つの疑問

2012年6月、3年ぶりに『CKD診療ガイド』が改訂された。ケアネットでは、この改訂における注目のポイントについて、緊急アンケートを実施したので、その結果を報告する。対象ケアネット会員の医師方法インターネットを介した調査実施期間2012年6月今回の診療ガイド改訂で、診療上に影響がある内容をお知らせください(複数回答可)先生はGFRが60mL/min/1.73m2以上の患者さんのフォローアップにおいて、どれくらいの頻度で蛋白尿ないしアルブミン尿を測定していますか?蛋白尿の程度により心血管死や末期腎不全の発症リスクが異なる数々のエビデンスを受け、今回のCKD診療ガイド改訂では、CKDの重症度分類に腎機能(GFR)に加えて、蛋白尿区分が加えられました。これを受けて、先生は、蛋白尿検査の頻度や対象者を増やそうと思いますか?先生がCKDのスクリーニングとして、生活習慣病(糖尿病を除く)の初診時に患者さんにおこなう検査は次のうちいずれですか?(複数回答可)先生が尿蛋白の定量(アルブミン尿を含む)をおこなうのは、どのような患者さんですか?CKD患者における降圧の目標値が、CKD診療ガイドでは、130/80mmHg以下となっています。この値についてどのように考えますか?

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CKD患者では血糖値の日内変動が大きく、食後血糖の急激な上昇が認められた

慶応義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科の細谷幸司氏は、第55回日本腎臓学会の口演にて、持続血糖測定装置(CGMs)を用いて観察した慢性腎臓病(CKD)患者の血糖日内変動について報告した。CKD患者では非糖尿病であっても、血糖日内変動が大きく、とくに食後高血糖が著明であることが明らかになった。飲酒と肝酵素上昇のどちらがCKDに関与しているのかCDK患者における糖代謝異常やインスリン抵抗性の亢進が報告されており、その原因として、腎機能低下に伴う炎症性サイトカインや活性酸素の産生、貧血、脂肪細胞機能不全、尿毒症、栄養不良、副甲状腺ホルモンの亢進、ビタミンD欠乏、代謝性アシドーシスなどが報告されている1)。しかし、CKD患者におけるHbA1cや空腹時血糖の実態は正確に把握されておらず、1日の血糖値の推移についても正確に調べられていなかった。そこで細谷氏らは、近年実用化されているCGMsを用い、CKD患者の血糖日内変動の実態について検討を行った。細谷氏らが用いたCGMsは、メドトロニック社のミニメドCGMS-Goldであり、皮下に留置したセンサを介して組織間質液中のグルコース濃度を24時間連続測定し、携帯型のモニタシステムに記録される。過去において、維持血液透析患者や腹膜透析患者の血糖変動を測定するためにCGMsを用いた検討はあったが、非糖尿病の非透析導入のCKD患者に対して、CGMsを用いて血糖日内変動を調べた研究はまだなかった。CKD患者では食後高血糖によるグルコーススパイクが心血管イベントに影響か細谷氏らは、CKD群として非糖尿病性腎症で透析導入目的にて入院したCKDステージ5の患者16名、またコントロール群として腎生検目的で入院した6名を含む正常者10名について、CGMsを用い36~48時間の血糖連続測定を行った。CGMsで得られた血糖日内変動のパラメータとして、平均血糖値、血糖変動値(SD値の平均)、血糖曲線下面積(AUC)、食後2時間の最大血糖値と最小血糖値の差、食後のAUCを比較した。コントロール群とCKD群との比較には、Mann-WhitneyのU検定を用いた。患者背景は、コントロール群とCKD群において年齢はそれぞれ53.9±19.1歳と57.67±11.4歳、HbA1cは5.0±0.41%と5.39±0.50%、eGFRは68.2±22.3mL/分と5±1.58mL/分(p<0.0001)であった。コントロール群およびCKD群で有意差のあった血液検査値は、尿素窒素(BUN)、クレアチニン値、総コレステロール、アルカリホスファターゼ(ALP)、GOT、尿酸、ヘモグロビン(Hb)、ヘマトクリット、血小板であった。血糖の日内変動パターンは、コントロール群では24時間を通して血糖値が安定していたのに対し、CKD群では血糖値の日内変動が大きく、とくに食後の血糖上昇が著明であった。コントロール群とCKD群において24時間血糖と夜間血糖を比較したところ、24時間血糖では平均血糖値(p<0.005)、血糖変動値(p<0.05)、AUC(p<0.005)のいずれにおいてもCKD群の方で有意に高かった。一方、夜間血糖ではCKD群の方が高い傾向にあるものの有意差はなかった。また、食後2時間血糖値と空腹時血糖の差は、朝食、昼食、夕食においてCKD群でコントロール群よりも大きく、とくに朝食では有意差(p<0.05)が認められた。全食事での比較においてもCKD群で食後と空腹時血糖の差は有意に大きかった(p<0.05)。食後2時間のAUCの比較では、朝食(p<0.005)、昼食(p<0.05)、夕食(p<0.05)、全食事(p<0.005)のすべてにおいて、CKD群が有意に高いことが示された。これらの結果より、細谷氏は「CKDステージ5の患者では腎機能の正常者と比べて、24時間平均血糖および血糖日内変動が増大し、とくに食後高血糖が著明に認められた」と述べた。持続的な高血糖よりも、グルコーススパイクと呼ばれる食後高血糖のような急峻な血糖変動が動脈硬化進展のリスクファクターである可能性が指摘されている2)。細谷氏は、CKD患者では非糖尿病であっても血糖日内変動が大きく、食後の間欠的な高血糖が認められ、このグルコーススパイクが心血管疾患に影響を与える可能性があると考察した。参考文献1)El-Atat FA et al:J Am Soc Nephrol 2004; 15: 2816-28272)Esposito K et al: Circulation 2004;110:214-219

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「今後の透析医療を考える」プレスセミナーレポート

2012年5月31日、「今後の透析医療を考える」と題したプレスセミナー(バイエル薬品株式会社主催)が開催された。第1部として、秋澤忠男氏(昭和大学医学部 腎臓内科教授)が、「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドラインによって変わる透析医療」を、第2部として、宮本高宏氏(全国腎臓病協議会 会長)が、「透析患者の治療における実態とガイドライン改訂への期待」を講演した。その内容をレポートする。「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドラインによって変わる透析医療」 わが国の透析患者に対する治療は、世界でトップレベルにあり、日本の透析患者の死亡リスクは、米国の1/4、欧州の1/2.5である。しかし、一般人と比較すると透析患者の余命は半分で、とくに心不全などの脳・心血管系疾患による死亡リスクが高くなっている。この原因として、血中リン(P)濃度による血管の石灰化が考えられる。 日本透析医学会は、この度、慢性腎臓病に伴う『骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン(CKD-MBD)』を発表した。CKD-MBDは、2006年に発表されたガイドラインの改訂版で、主な変更点は、以下の通りである。○対象を透析患者だけでなく、保存期や移植期のCKDや小児CKDに拡大する○血管石灰化や透析アミロイドーシスなどの病態を加える○新規治療薬の評価・使用法を加える○エビデンスレベル評価とガイドライン推奨度を明示する また、CKD-MBDでは、P、カルシウム(Ca)、副甲状腺ホルモン(PTH)の管理目標値も示されるとともに(P:3.5-6.0 mg/dL、Ca:8.4-10.0 mg/dL、PTH:60-240 pg/mL)、P、Caの管理を優先することが推奨されている。そして、管理方法としては、炭酸Ca、Ca非含有P吸着薬、活性型ビタミンD、副甲状腺作動薬を組み合わせて管理目標を達成する『9分割図』といわれる方法が提唱されている。 演者の秋澤氏は、「CKD-MBDを活用したPの適切な管理が、透析患者の予後向上につながることを期待したい」として、講演を終えた。「透析患者の治療における実態とガイドライン改訂への期待」 透析患者を対象とした治療に関する調査結果が発表された。調査は、2012年4月に、インターネットで実施され、人工透析を受けている患者200名から回答を得た。主な調査結果は以下の通りである。○透析患者の不安項目としては、合併症への不安(73%)が最も多く、とくに、循環器疾患への不安を覚えている人が多かった。○透析の治療に関するガイドラインは、約40%の人が認知していた。○ガイドラインに沿った治療を希望する人は、60%であった(わからない:34%)。○自分の服用している薬に対する意識調査では、薬について十分理解している人が91%おり、自分で調べたり勉強している人の割合も73%であった。 演者の宮本氏は、自らも30年来の透析患者であることを明かしたうえで、透析患者の医療費負担に触れた。「透析にかかる医療費は年間約1兆5千万円で、国の医療財政を圧迫しているが、患者の自己負担額はほぼゼロに近い。この事実を鑑み、患者は、自分達が提供してもらっている医療に感謝し、自ら食事療法などの自己管理をしっかりと行うことが必要である」と強調した。

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