サイト内検索|page:39

検索結果 合計:1056件 表示位置:761 - 780

761.

食事療法の見直しへ日本糖尿病学会が動き出す

 食の欧米化や糖質制限の流行、高齢者の低栄養が問題となる昨今、日本人における食事療法の見直しが迫られている。2018年11月5日、日本糖尿病学会が主催する「食事療法に関するシンポジウム」が、5年ぶりに開催された。講演には、座長に羽田 勝計氏(「糖尿病診療ガイドライン2016」策定に関する委員会委員長)と荒木 栄一氏(「糖尿病診療ガイドライン2019」策定に関する委員会委員長)を迎え、5名の糖尿病専門医らが登壇した。 また、パネルディスカッションには、さまざまな観点からの意見を求めるべく、5つの団体(日本老年医学会、日本腎臓学会、日本動脈硬化学会、日本肥満学会、日本病態栄養学会、日本糖尿病協会)の代表が参加した。 本稿では講演の概要をお届けする。糖尿病食事療法でのBMI 22を基準としたエネルギー設定の問題点 宇都宮 一典氏(食事療法に関する委員会委員長)は「総エネルギー摂取量設定法をめぐる課題」をテーマに講演を行った。宇都宮氏は、食事療法の目的は、糖尿病の代謝異常の是正による合併症の抑制にあるとし「患者の条件を考慮した個別化の検討が必要」と述べた。なかでも、エネルギー設定が最も重要であることから、「これまで、標準体重を基に一律に総エネルギー摂取量を設定してきたが、エネルギー必要量には個人差が著しく、個々のさまざまなデータ(脂質、血圧など)の改善度を評価し、順守性もみながら設定すべき」と、改めて強調した。 また、死亡率の低いBMI 22を、標準体重としてエネルギー設定することの問題点として、海外と日本のデータを基にコメント。1)患者の死亡率が低いBMIは20~25の幅があり、また、75歳以上の後期高齢者の場合、そのBMIは25以上2)体重が増えるほど消費エネルギーは増加し、肥満者ほどエネルギー設定との乖離が増す3)国際的には実体重当たりで表記されており、比較することが難しいなどを挙げた。ただし、日本ではBMI 22を標準体重とすることが広く普及しており、十分なコンセンサスの形成が必要、と結んだ。糖尿病患者の食事療法におけるエネルギー必要量は? 勝川 史憲氏(慶應義塾大学スポーツ医学研究センター)は「糖尿病患者のエネルギー必要量:エビデンスと歴史的経緯について」を講演した。 糖尿病患者の体重当たりの総エネルギー必要量に対して、「根拠となるデータが公表されていない」と指摘する勝川氏は、エネルギー消費量の計算においてゴールデンスタンダードな二重標識水法について解説。この方法は、自由行動下のエネルギー消費量を精度高く測定する方法であるが、コストが高く多人数の測定が困難であるという。 同氏がこの方法を用いた海外を含む4つの文献データを基に、総エネルギー消費量とBMIをプロットしたところ、「糖尿病患者のエネルギー必要量は健康な人と差がない、もしくは5~6%程度高め」という結果となった。これを踏まえ、食事療法における過少なエネルギー処方が、減量の不良や高齢者の虚弱に繋がることを指摘した。また、種々の食事調査と二重標識水法による総エネルギー消費量を評価した研究結果を挙げ、「太った人の食事調査ほど当てにならない」とコメントした。 最後に、時代変遷と食品の変化について語った同氏は、「昭和から平成にかけて食事のポーションサイズが大きくなっている」と述べ、「戦後間もない時代はMサイズの卵が80kcal/個だったのが、現在は同サイズが100kcal/個へと大きくなっている」と現状に適したわかりやすいエネルギー単位の検討について訴えた。高齢者糖尿病の食事療法の目的にフレイル・サルコペニアの予防 荒木 厚氏(東京都健康長寿医療センター/日本老年医学会)は「健康寿命を目指した高齢者糖尿病の食事療法」について、J-EDIT試験を中心に講演を行った。 高齢者糖尿病の食事療法の目的は、過剰摂取だけではなく、合併症予防やQOLの維持・向上、そして、これからは老年症候群と言われる認知症やサルコペニア、フレイルなどの予防が重要となる。荒木氏はさまざまな国内外の文献を示しながら、糖尿病患者のフレイル・サルコペニアのリスクを提示し、筋肉量、筋力や歩行速度の低下を指摘。同氏は、「ビタミンD低下はサルコペニア、ビタミンB2やカロチン摂取低下は認知機能低下、タンパク質摂取低下は筋肉量および下肢機能低下などのフレイルに関連する」と述べ、「タンパク質1.0g~1.5g/kg体重の摂取がサルコペニアの予防に大切である」と解説した。このほか、ロイシンを考慮した食事療法も推奨した。 J-EDIT試験の結果を踏まえ同氏は、「後期高齢者はタンパク質摂取が低い群で死亡リスクが高くなる。さらに、「緑黄色野菜の摂取量がHbA1cや中性脂肪値にも影響する」と、栄養成分ごとのリスクについて訴えた。糖尿病の食事療法で肥満患者以外へのカロリー制限を中止 “現在の糖尿病診療ガイドラインの食事法は根拠がない”と訴える山田 悟氏(北里大学北里研究所病院糖尿病センター)は「エビデンスで考える(日本人)2型糖尿病の食事療法」をテーマに講演した。 かつて、同氏が所属する病院でも、カロリー制限や脂質制限を推奨してきた。しかし、2016年にカロリー食によるサルコペニアリスクを示す論文報告を受けたのを機に、肥満患者以外へのカロリー制限を中止したという。 そもそも、欧米の糖尿病患者は太っていることが多い。一方で、日本人の糖尿病患者はBMI 24前後の患者が多く、体重管理のためのエネルギー処方は不要と考えられる。同氏は、「現在の治療法は、高血糖ではなく肥満の治療法である。非肥満患者に肥満治療食が提供されていてナンセンスである」とコメント。また、カロリー制限では脂質・タンパク質摂取によるインクレチン分泌を利用できないため、血糖管理には向かない。「理論的意義も実際の有効性も安全性も担保されていない」と、指摘した。 現在、ハーバード大学におけるメタボリックドミノの新モデルでは、糖質の過剰摂取が最上流として着目されており、実際、日本国内外で糖質制限食のエビデンスはそろっている。今後の糖尿病診療ガイドライン改訂に向けて同氏は、「日本人の糖尿病食事療法にエビデンスのある、多様な食事法の導入を目指していくべき」と提言した。糖尿病食事療法のための食品交換表は食事の実態と乖離 綿田 裕孝氏(「食品交換表」編集委員会委員長)が「糖尿病食事療法の指導状況の調査ー食品交換表の使用実態を中心にー」をテーマに講演した。 2013年11月に改訂された「糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版」は、現在の食品成分を緻密に反映した内容となっており、患者が摂取した食品を正確に把握すれば食事療法の実践に有効である。一方で、「現代社会において簡単に使いやすい、いろいろな食習慣・環境の人が使えるという定義どおりのものになっているかどうかは疑問が残る」と同氏は指摘。 この食品交換表の活用における実態を把握するために、今年6月に日本糖尿病学会に所属する管理栄養士らを対象にアンケート調査が行われた。その結果、食品交換表をあまり使用しない、まったく使用しないと回答した人が約40%に上り、その理由として、食事療法の対象となる患者のうち、調理する習慣がない、調理ができなくなった、中食・外食・コンビニ利用者が約90%占めるなど、現代の患者背景を考えると、調理を基盤とした食品交換表を使用するのが困難である、といった問題が浮き彫りとなった。 この結果より、同氏は、「食品交換表が食事の実態や指導したい内容と乖離している点が問題である。一方、写真が多い表は好まれて使用されているので、これらの結果を踏まえて検討していきたい」と締めくくった。■関連記事糖尿病発症や最適な食事療法を個別提示糖尿病食事療法の選択肢を増やす「緩やかな糖質制限」ハンドブック

763.

リナグリプチン、高リスク2型DMでのCV・腎アウトカムは/JAMA

 心血管および腎リスクが高い2型糖尿病の成人患者では、通常治療と選択的DPP-4阻害薬リナグリプチンの併用療法は、主要な心血管イベントのリスクがプラセボに対し非劣性であることが、米国・Dallas Diabetes Research Center at Medical CityのJulio Rosenstock氏らが行ったCARMELINA試験で示された。研究の成果は、JAMA誌オンライン版2018年11月9日号に掲載された。2型糖尿病は心血管リスクの増加と関連する。これまでに実施された3つのDPP-4阻害薬の臨床試験では、心血管への安全性が示されているが、これらの試験に含まれる高い心血管リスクおよび慢性腎臓病を有する患者の数は限定的だという。心血管・腎アウトカムへの影響を評価するプラセボ対照非劣性試験 研究グループは、心血管および腎イベントのリスクが高い2型糖尿病患者において、心血管および腎アウトカムに及ぼすリナグリプチンの影響の評価を目的に、プラセボ対照無作為化非劣性試験を行った(Boehringer IngelheimとEli Lillyの助成による)。 対象は、HbA1cが6.5~10.0%で、高い心血管リスク(冠動脈疾患、脳卒中、末梢血管疾患の既往、微量・顕性アルブミン尿[尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)>30mg/g])および腎リスク(推定糸球体濾過量[eGFR]が45~75mL/分/1.73m2かつUACR>200mg/g、またはUACRにかかわらずeGFRが15~45mL/分/1.73m2)を有する2型糖尿病患者であった。末期腎不全(ESRD)患者は除外された。 被験者は、通常治療に加え、リナグリプチン(5mg、1日1回)を投与する群またはプラセボ群に無作為に割り付けられた。臨床的必要性および参加施設のガイドラインに基づき、他の血糖降下薬およびインスリンの使用は可能とされた。 主要心血管アウトカムは、心血管死、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中の複合の初回発生までの期間とした。非劣性の判定基準は、リナグリプチンのプラセボに対するハザード比(HR)の両側95%信頼区間(CI)の上限値が1.3未満の場合とした。副次腎アウトカムは、腎不全による死亡、ESRD、eGFRのベースラインから40%以上の低下の持続とした。 2013年8月~2016年8月の期間に、27ヵ国605施設に6,991例が登録され、6,979例(リナグリプチン群3,494例、プラセボ群3,485例)が1回以上の試験薬の投与を受けた。このうち98.7%が試験を完遂した。主要心血管アウトカム:12.4% vs.12.1%、副次腎アウトカム:9.4% vs.8.8% ベースラインの全体の平均年齢は65.9歳、eGFRは54.6mL/分/1.73m2、UACR>30mg/gの患者の割合は80.1%であった。57%が心血管疾患を有し、74%が腎臓病(eGFR<60mL/分/1.73m2あるいはUACR>300mg/gCr)であり、33%が心血管疾患と腎臓病の双方に罹患しており、15.2%はeGFR<30mL/分/1.73m2であった。 フォローアップ期間中央値2.2年における主要心血管アウトカムの発生率は、リナグリプチン群が12.4%(434/3,494例)、プラセボ群は12.1%(420/3,485例)で、100人年当たりの絶対発生率差は0.13(95%CI:-0.63~0.90)であり、リナグリプチン群はプラセボ群に対し非劣性であった(HR:1.02、95%CI:0.89~1.17、非劣性のp<0.001)。優越性には、統計学的に有意な差はなかった(p=0.74)。 副次腎アウトカムの発生率は、リナグリプチン群が9.4%(327/3,494例)、プラセボ群は8.8%(306/3,485例)で、100人年当たりの絶対発生率差は0.22(95%CI:-0.52~0.97)であり、優越性に関して統計学的に有意な差は認めなかった(HR:1.04、95%CI:0.89~1.22、p=0.62)。 有害事象の発生率は、リナグリプチン群が77.2%(2,697/3,494例)、プラセボ群は78.1%(2,723/3,485例)であった。低血糖エピソードが1回以上発現した患者の割合は、それぞれ29.7%(1,036例)、29.4%(1,024例)であり、急性膵炎は0.3%(9例)、0.1%(5例)に認められた。 著者は、「本試験全体の高い主要心血管イベントの発生率(5.63/100人年)は、これまでの血糖降下薬の心血管アウトカムに関する検討の中でも最もリスクの高いコホートの1つを登録したこの試験が、2型糖尿病治療薬の心血管安全性の評価に関するFDAの必要条件に従って実施され、腎障害への臨床的影響を明らかにしたことを示すものである」としている。

765.

第7回 意識障害 その6 薬物中毒の具体的な対応は?【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)ABCの安定が最優先! 気管挿管の適応を正しく理解しよう!2)治療の選択は適切に! 胃洗浄、血液浄化の適応は限られる。3)検査の解釈は適切に! 病歴、バイタルサイン、身体所見を重視せよ!【症例】42歳女性の意識障害:これまたよく遭遇する症例42歳女性。自室のベッド上で倒れているところを、同居している母親が発見し、救急要請。ベッド脇には空のPTP(press through pack[薬のシート])が散在していた。救急隊接触時のバイタルサインは以下のとおり。どのようにアプローチするべきだろうか?●搬送時のバイタルサイン意識:200/JCS血圧:102/58mmHg 脈拍:118回/分(整) 呼吸:18回/分 SpO2:97%(RA)体温:36.9℃ 瞳孔:3/3mm +/+この症例、誰もが急性薬物中毒を考えると思います。患者の周りには薬のシートも落ちているし、おそらくは過量に内服したのだろうと考えたくなります。急性薬物中毒の多くは、経過観察で改善しますが、ピットフォールを理解し対応しなければ、痛い目に遭いかねません。「どうせoverdose(薬物過量内服)でしょ」と軽視せず、いちいち根拠をもって鑑別を進めていきましょう。重度の意識障害で意識することは?(表1)このコーナーの10's Ruleの「1)ABCの安定が最優先!」を覚えているでしょうか。重度の意識障害、ショックでは気管挿管を考慮する必要がありました。意識の程度が3桁(100~300/JCS)と重度の場合には、たとえ酸素化の低下や換気不良を認めない場合にも、確実な気道確保目的に気管挿管を考慮する必要があることを忘れてはいけません。薬物中毒に伴う重度の意識障害、出血性ショック(消化管出血、腹腔内出血など)症例が典型的です。考えずに管理をしていると、目を離した際に舌根沈下、誤嚥などを来し、状態の悪化を招いてしまうことが少なくありません。来院時の酸素化や換気が問題なくても、バイタルサインの推移は常に確認し、気管挿管の可能性を意識しておきましょう。●Rule1 ABCの安定が最優先!●Rule8 電解質異常、アルコール、肝性脳症、薬物、精神疾患による意識障害は除外診断!画像を拡大する薬物中毒のバイタルサイン内服した薬剤や飲酒の併用の有無によってバイタルサインは大きく異なります。覚醒剤やコカインなど興奮系の薬剤では、血圧や脈拍、体温は上昇します。それに対して、頻度の高いベンゾジアゼピン系薬に代表される鎮静薬ではすべて逆になります。飲酒もしている場合には、さらにその変化が顕著となります。瞳孔も重要です。興奮系では一般的に散瞳し、オピオイドでは縮瞳します。救急外来では明らかな縮瞳を認める場合には、脳幹病変以外にオピオイド、有機リン中毒を考えます。「目は口ほどにものを言う」ことがあります。自身で必ず瞳孔所見をとることを意識しましょう。薬物中毒の基本的な対応は?急性薬物中毒の場合には、意識障害が遷延することが少なくないため、内服内容、内服時間をきちんと確認しましょう。内服してすぐに来院した場合と、3時間経過してから来院した場合とでは対応が大きく異なります。薬物過量内服においても初療における基本的対応は常に一緒です。“Airway、Breathing、Circulation”のABCを徹底的に管理します。原因薬剤が判明している場合には、拮抗薬の有無、除染・排泄促進の適応を判断します。拮抗薬など特徴的な治療のある中毒は表2のとおりです。最低限これだけは覚えておきましょう。除染や排泄促進は、内服内容が不明なときにはルーチンに行うものではありません。ここでは胃洗浄の禁忌、血液透析の適応を押さえておきましょう。画像を拡大する胃洗浄の禁忌意識障害患者において、確実な気道確保を行うことなしに胃洗浄を行ってはいけません。誤嚥のリスクが非常に高いことは容易に想像がつくでしょう。また、酸やアルカリを内服した場合も腐食作用が強く、穿孔のリスクがあるため禁忌です。胃洗浄を行い、予後を悪くしてはいけません。意識状態が保たれ、内服内容が判明している場合に限って行うようにしましょう。もちろん薬物が吸収されてしまってからでは意味がないため、原則内服から1時間を経過している場合には適応はないと考えておいてよいでしょう。CTを撮影し薬塊などが胃内に貯留している場合には、胃洗浄が有効という報告もありますが、薬物中毒患者全例に胸腹部CTを撮影することは現実的ではありません1)。エコー検査で明らかに胃内に貯留物がある場合には、考慮してもよいかもしれません。活性炭の投与もルーチンに行う必要はありません。胃洗浄の適応症例には、洗浄後投与すると覚えておけばよいでしょう。血液透析の適応となる中毒体内に吸収されたものを、体外に除去する手段として血液透析が挙げられますが、これもまたルーチンに行うべきではありません。多くの薬物は血液透析では除去できません。判断する基準として、分布容積と蛋白結合率を意識しましょう。分布容積が小さく、蛋白結合率が低ければ透析で除去しえますが、そういったものは表3のような中毒に限られます。診療頻度の高いベンゾジアゼピン系薬や非ベンゾジアゼピン系薬(Z薬)、三環系抗うつ薬は適応になりません。ベンゾジアゼピン系薬、Z薬の過量内服は遭遇頻度が高いですが、それらのみの内服であれば過量に内服しても、きちんと気道を確保し管理すれば、一般的に予後は良好であり透析は不要なのです。画像を拡大する薬物中毒の検査は?1)心電図心電図は忘れずに行いましょう。QT延長症候群など、薬剤の影響による変化を確認することは重要です。内服時間や意識状態を加味し、経時的に心電図をフォローすることも忘れてはいけません。以前の心電図の記録が存在する場合には、必ず比較し新規の変化か否かを評価しましょう。2)血液ガス酸素化や換気の評価、電解質や血糖値の評価、そして中毒に伴う代謝性アシドーシスを認めるか否かを評価しましょう。3)尿中薬物検査キットトライエージDOAなどの尿中薬物検査キットが存在し、診療に役立ちますが、結果の解釈には注意しなければなりません。陽性だから中毒、陰性だから中毒ではないとはいえないことを覚えておきましょう。偽陽性、偽陰性が少なくないため、病歴と合わせ、根拠の1つとして施行し、結果の解釈を誤らないようにしましょう。薬物中毒疑い患者の実際の対応“10's Rule”にのっとり対応することに変わりはありません。Ruleの1~4)では、重度の意識障害であるため、気管挿管を意識しつつ、患者背景を意識した対応を取ります。薬物過量内服患者の多くは女性、とくに20~50代です。また、薬物過量内服は繰り返すことが多く、身体所見では利き手とは逆の手にリストカット痕を認めることがあります。意識しておくとよいでしょう。バイタルサインがおおむね安定していれば、低血糖を否定し、頭部CTを撮影します。この場合には、脳卒中の否定以上に外傷検索を行います。薬物中毒の患者は、アルコールとともに薬を内服していることもあり、転倒などに伴う外傷を併発する場合があるので注意しましょう。また、採血では圧挫に伴う横紋筋融解症*を認めることもあります。適切な輸液管理が必要となるため、CK値や電解質、腎機能は必ず確認しましょう。アルコールの関与を疑う場合には、浸透圧ギャップからアルコールの推定血中濃度を計算すると、診断の助けとなります。詳細は、次回以降に解説します。*急性中毒の3合併症:誤嚥性肺炎、異常体温、非外傷性圧挫症候群急性薬物中毒の多くは、特異的な治療をせずとも時間経過とともに改善します。また、繰り返すことが多く、再来した場合には軽視しがちです。そのため、確立したアプローチを持たなければ痛い目をみることが少なくないのです。外傷や痙攣、誤嚥性肺炎の合併を見逃す、アルコールとともに内服しており、症状が遷延するなどはよくあることです。根拠をもって確定、除外する意識を常に持ちながら対応しましょう。症例の経過本症例では空のPTPの存在や40代の女性という背景から、第一に薬物過量内服を疑いながら、Ruleにのっとり対応しました。母親から病歴を聴取すると、来院3時間前までは普段どおりであり、その後患者の携帯電話の記録を確認すると、付き合っている彼氏とのメールのやり取りから、来院2時間ほど前に衝動的に薬を飲んだことが判明しました。内服内容もベンゾジアゼピン系の薬を中心としたもので致死量には至らず、採血や頭部CTでも異常がないことが確認できたため、モニタリングをしながら、家族付き添いの下、入院管理としました。時間経過とともに症状は改善し、翌日には意識清明、独歩可能となり、かかりつけの精神科と連携を取り、退院となりました。本症例は典型的な薬物中毒症例であり、基本的なことを徹底すれば恐れることはありません。きちんと病歴や身体所見をとること、バイタルサインは興奮系か抑制系かを意識しながら解釈し、瞳孔径を忘れずに確認すればよいのです。次回は、アルコールによる意識障害のピットフォールを、典型的なケースから学びましょう。1)Benson BE, et al. ClinToxicol(Phila). 2013;51:140-146.

766.

SGLT2阻害薬、CV/腎アウトカムへのベースライン特性の影響は/Lancet

 SGLT2阻害薬は、アテローム動脈硬化性心血管疾患や心不全の既往にかかわらず、心不全による入院や腎疾患進行リスクを低減するベネフィットがあることが示された。主要有害心血管イベントリスクについては、ベースライン時にアテローム動脈硬化性心血管疾患が認められた場合に限り、低減効果が認められた。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のThomas A. Zelniker氏らが、システマティックレビューとメタ解析を行い明らかにし、Lancet誌オンライン版2018年11月9日号で発表した。SGLT2阻害薬の心血管および腎アウトカムへの特異的効果の程度や、不均一性がベースライン特性に基づくものかどうかは明らかになっていなかった。SGLT2阻害薬の効果をアテローム動脈硬化性心血管疾患の有無などで階層化 研究グループは、PubMedやEmbaseで2018年9月24日までに発表された、2型糖尿病患者を対象としたSGLT2阻害薬に関する無作為化比較試験を検索し、システマティックレビューとメタ解析を行った。データ検索と抽出には標準化されたデータ形式を使用し、矛盾点はコンセンサスで解決した。 有効性アウトカムは、主要有害心血管イベント(心筋梗塞・脳卒中・心血管死)、心血管死・心不全による入院の複合、および腎疾患の進行(eGFR低下、ESRD、腎機能廃絶などを含む標準化複合腎アウトカム)だった。 解析対象とした試験をプールし、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出し、有効性アウトカムについては、ベースライン時のアテローム動脈硬化性心血管疾患や心不全の有無、腎機能の程度により層別化した。SGLT2阻害薬は重症腎疾患の人ほど、心不全入院リスクの低減効果が大 解析の対象としたのは3試験で、被験者総数は3万4,322例、うちアテローム動脈硬化性心血管疾患が認められたのは60.2%だった。主要有害心血管イベントは3,342件、心血管死または心不全による入院は2,028件、腎疾患の進行は766件発生した。 メタ解析の結果、SGLT2阻害薬は主要有害心血管イベントを11%抑制したことが認められた(HR:0.89、95%CI:0.83~0.96、p=0.0014)。ただし、この抑制効果はベースライン時にアテローム動脈硬化性心血管疾患の認められた人に限られ(HR:0.86、95%CI:0.80~0.93)、同疾患のなかった人では抑制効果はみられなかった(同:1.00、0.87~1.16、交互作用のp=0.0501)。 一方でSGLT2阻害薬は、心血管死または心不全による入院リスクを23%減少した。同効果はベースライン時のアテローム動脈硬化性心血管疾患や、心不全の有無にかかわらず認められた(HR:0.77、95%CI:0.71~0.84、p<0.0001)。また、SGLT2阻害薬は、腎疾患の進行リスクを45%減少し、同効果もベースライン時のアテローム動脈硬化性心血管疾患の有無にかかわらず認められた。 SGLT2阻害薬の効果の程度は、ベースライン時の腎機能によって異なり、より重症の腎疾患の人ほど、心不全による入院リスクの低減効果が大きく(交互作用のp=0.0073)、腎疾患進行リスクの低減効果は小さかった(交互作用のp=0.0258)。

767.

可溶性ST2、慢性心不全の予後予測でBNPと高感度トロポニンTを超えた有用性【Dr.河田pick up】

 近年、心不全のマーカーとして血中B型(脳性)ナトリウム利尿ペプチド(BNP)が広く使用されているが、腎不全患者ではあまり有用でないこともある。そこで、炎症や繊維化に関するバイオマーカーである可溶性ST2(soluble suppression of tumorigenesis-2)が予後予測や心不全の管理に使われることが増えている。その有用性について、イタリアのMichele Emdin氏らがJournal of American College of Cardiology誌2018年11月号に報告しているので紹介したい。可溶性ST2は併存症の影響を受けにくい 慢性心不全の予後予測やリスクの層別化にさまざまなバイオマーカーが提唱されている。ACC/AHAのガイドラインでは予後の層別化にナトリウム利尿ペプチドとトロポニンがclass I、可溶性ST2などの心筋障害や繊維化のマーカーがClass IIbとして推奨されている。ナトリウム利尿ペプチドは主に心筋壁ストレス、血行動態機能を反映するが、トロポニンは進行中の心筋ストレスや傷害を反映する。可溶性ST2は炎症や前繊維化の経路と関連し、ナトリウム利尿ペプチドが抱えるバイオマーカーとしてのいくつかの問題点を回避できる。具体的には、可溶性ST2は年齢や性別、BMIおよび腎不全などの併存症による影響を受けにくい。本研究の目的は、可溶性ST2の慢性心不全の予後予測因子としての価値を評価することであった。4,268例の心不全患者からデータを抽出 慢性心不全でのリスク予測因子として、N末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)と高感度トロポニンTと共に可溶性ST2を評価した研究から、個々の患者のデータを収集した。計4,268例が評価され、患者の年齢中央値は68歳、75%が男性で、65%が虚血性心不全、87%が左室駆出率(LVEF)40%未満であった。NT-proBNP、高感度トロポニンT、可溶性ST2はそれぞれ1,360ng/L (四分位範囲:513~3,222ng/L)、18ng/L(9~33ng/L)、そして27ng/L(20~39ng/L)であった。追跡期間中央値2.4年において、全死亡は1,319例(31%)、心臓血管関連死亡は932例(22%)であった。データが入手可能であった4,118例(96%)のうち、1,029例(24%)が少なくとも2.2年の間に1回以上心不全の増悪で入院した。可溶性ST2の全死亡、心臓血管関連死亡そして心不全による入院に対するカットオフ値は28ng/mLで、カプランマイヤー生存曲線でも良好な結果を示した(log-rank:117.6/61.0/88.6、 全てでp<0.001)。可溶性ST2はほとんどのサブグループにおいて独立した予後予測因子 年齢、性別、BMI、虚血性心疾患、LVEF、NYHAクラス、糸球体濾過率、心不全に対する薬物療法、NT-proBNPそして高感度トロポニンTを含むモデルにおいて、可溶性ST2が2倍になるごとに全死亡、心臓血管関連死亡、心不全による入院がそれぞれ26%、25%、30%増えていた。可溶性ST2はほとんどのサブグループにおいて独立した予後予測因子であった。たった1回の可溶性ST2の測定は全死亡、心臓血管関連死亡、心不全による入院に対して、併存症や心不全の機序、左室機能、腎機能、NT-proBNP、高感度トロポニンTに関わらず予後の予測因子であった。 筆者らは慢性心不全患者において、可溶性ST2はNT-ProBNPと高感度トロポニンTと共にマーカーの1つとして考慮されるべきであると結論づけている。(Oregon Heart and Vascular Institute 河田 宏)関連コンテンツ循環器内科 米国臨床留学記

768.

乾癬のようにみえて違う難治性皮膚疾患の掌蹠膿疱症

 2018年11月2日、ヤンセンファーマ株式会社は、都内において難治性皮膚疾患である「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」に関するプレスセミナーを開催した。セミナーでは、国内に患者が13万人ともいわれる本症の概要、疫学、治療法について説明が行われた。なお、同社では、既存の乾癬治療薬グセルクマブ(商品名:トレムフィア)の掌蹠膿疱症への適応追加につき、厚生労働省薬事・食品衛生審議会に11月8日に報告を行っている。掌蹠膿疱症は乾癬とは区別される慢性皮膚疾患 「掌蹠膿疱症」をテーマに村上 正基氏(愛媛大学大学院医学系研究科分子機能領域 皮膚科学 准教授)を講師に迎え、本症の概要についてレクチャーが行われた。 掌蹠膿疱症は、手掌や足底に生じる無菌性の膿胞を主徴とする慢性皮膚疾患であり、乾癬とは区別され、わが国では1958年よりこの疾患概念で診療が行われている(海外では膿疱性乾癬の限局型と捉えられ、世界的なコンセンサスは現在も得られていない)。 疫学情報として、男性よりもやや女性に多く、男女ともに30~50歳代で好発し、地域差はなく、特徴として女性患者の約9割、患者全体では約8割が喫煙者であるという。全国で約13万人の患者がいると推定されている。 掌蹠膿疱症の原因としては、病巣感染(歯周病、扁桃炎、中耳炎など)、喫煙、TNF-α阻害薬などの誘因が挙げられているが、明確な機序はわかっていない。患者の訴えでは、身体が疲労し、免疫力が落ちている状態のときに発症または悪化するという声も多い。 皮膚病変では、手掌や足底に最初に小水疱が生じ、膿疱に変化する。その後、周囲の皮膚にも紅斑、鱗屑がみられるようになり、紅斑落屑局面が混じった状態になる。周期的に良悪を繰り返し、痒み、ひび割れ、痛みを生じさせる。夏季に悪化することが多く、患者では落屑などから外見への精神的負担が大きいため、社会生活が阻害される例もある。また、足底などに症状が出た場合、歩行が困難となりQOLにも多大な影響を及ぼすケースもある。経過中に肘や膝、足背などに乾癬様皮疹を生じる掌蹠外病変も散見され、爪病変を伴うこともある。そのほか合併症では、胸鎖肋関節痛や甲状腺疾患、糖尿病、IgA腎症を伴うこともある。乾癬と間違いやすい掌蹠膿疱症の診断の手掛かりは多数 掌蹠膿疱症の診断では、視診による手掌や足底の水疱・膿疱の所見確認を行う。ダーモスコープによる診断では、水疱と膿疱が混在し、水疱の中央に小膿疱のあるpseudo-vesicleがみられる。掌蹠膿疱症は一見、乾癬とよく似ているが、皮疹を拡大すると、肉眼的に観察されにくい小膿疱も確認でき、この点で区別できるという。また、臨床検査所見では、特異的な指標となるものはないが、そのため除外診断で役立つ。鑑別疾患では、足白癬、汗疱、膿疱性乾癬などの疾患との鑑別が必要とされる。 掌蹠膿疱症の治療では、発症や悪化因子が明確な場合、根治を目指して病巣感染の治療などを行う。皮疹に対しては、外用薬が基本となる。 外用薬による治療では、手掌や足底の水疱・膿疱へステロイド外用薬と活性型ビタミンD3外用薬を併用する(軽症では活性型ビタミンD3外用薬単独)。治療中は2~4週に1回はフォローアップし、もし皮膚への刺激感が認容できない場合は中止する。内服薬ではレチノイドが処方されるが、催奇形性があるので処方では注意が必要。また、中波長紫外線療法では、外用薬の効果が限られる場合に行われ、ナローバンドUVBやエキシマを使用し、週1~3回行われる。以上が現在保険適用とされている治療となる。 これら以外にも抗アレルギー薬、抗菌薬、コルヒチン、生物学的製剤などの処方による掌蹠膿疱症の治療もあるが、いずれも保険適用外の治療となる。そのほか、ビオチン療法が提唱されているが、エビデンスがなく推奨はされていない。 入院適応はまれではあるが、合併症の関節症状がQOLに影響している場合、感染病巣として慢性扁桃炎が疑われ、この摘出手術を受ける場合などは入院となる。 最後に同氏は掌蹠膿疱症治療のアルゴリズムを示し、「悪化因子として扁桃炎や歯性病巣は重要。同じく骨・関節症状の有無もきちんと診断し、ケースによってはCTやMRI検査によりVASスコアによる痛みの評価も患者にとっては必要となる。治療ではこの20年近く新しい治療薬が開発されていないこともあり、患者の容態によっては保険適用外と断ったうえで、別の治療薬で苦痛を除くことも必要だ」と語り、レクチャーを終えた。

769.

高用量鉄剤静注は貧血改善や赤血球造血刺激因子製剤(ESA)節減には良いが…(解説:浦 信行 氏)-955

 血液透析患者において、鉄剤静注は経口鉄剤投与に比較して貧血改善やESA節減には良いとする報告は、システマティックレビューではあるが2013年のBMJに報告されている。また、5万8,058例を対象とした観察研究において、高用量鉄剤静注群では低用量静注群に比較して投与量が400mg/月を超えると死亡や心血管リスクは上昇するが、それ以下では用量依存性にそれらのリスクを減らすとの2005年のAm J Soc Nephrolの報告もある。今回の研究はそれらと軌を一にする結果であり、前向き研究で高用量群と対照の低用量群との比較で示したことに大きな意義はあり、注目に値する。 しかし、投与量が200mg/月を超えるとリスクが上昇するとの報告や、わが国の研究においては50mg/週を超えると心血管リスクが上昇し、感染症のリスクも上昇すると報告されている。前掲のレビューでも感染症のリスクは有意に上昇したと報告されている。本研究では両群の感染症のリスクに差がなかったと報告している。また、低用量群での平均血清フェリチン量は150~200mg/mLであり、確かにわが国の2015年の日本透析医学会のガイドラインでの上限の300mg/mLを超えてはいない。それまでの報告ではこの上限を超えると感染症や心血管リスクの増大、そして肝臓への重篤な鉄沈着の可能性が報告されていた。 今回は感染症だけでなく心血管疾患発症のリスクの上昇もないと報告されているが、いくつかの懸念は残る。まず、これらを評価するのに2,141例の2.1年の試験で十分であるか、次に、両群いずれも心血管疾患発症と死亡の複合エンドポイントが30%を超えており、比較的多発している対象であること、加えて筆者らも限界としているが、英国1国だけの研究であることなどが挙げられる。 基礎疾患や病態の背景、人種や環境要因の差などを考えると、わが国の貧血治療にすぐに当てはめるのは早計と思われ、わが国での同様の検討が必要と考える。

770.

本庶 佑氏が語るがんと共生する未来

 ノーベル生理学・医学賞受賞が決まった、本庶 佑氏(京都大学高等研究院副院長/特別教授)が、2018年11月1日、都内の日本医師会館で、「驚異の免疫力」と題して特別講演を行った。本講演では、がん免疫療法の現状と課題、そして将来への展望が語られた。PD-1阻害薬への期待と現状の課題 本庶氏が発見した抗PD-1抗体とその応用による「免疫療法」は、ヒト個人の免疫力・体力によってがん細胞を殺す新たな治療法だ。ノーベル賞受賞のきっかけとなったPD-1阻害によるがん免疫治療は、1)すべての種類のがんに効く可能性が高い、2)投与を止めても数年以上有効なので再発が少ない、3)がん細胞を直接攻撃せず、免疫系を活性化するので副作用があっても軽い、という理由から画期的な治療法だと、本庶氏は自信を持って紹介した。 また、今後の展望として「PD-1抗体による治療はこれからのがん治療法の第1選択になるだろう」と期待を語った。免疫療法は、がん治療の初期に使うほうが効果が高く、副作用も少ない可能性があり、従来行われている化学療法・放射線療法・外科手術は、患者の免疫力を弱めてしまうため、導入のタイミングには注意が必要だという。 免疫療法の基礎研究における当面の課題としては、メラノーマなど著効するがん種もあるが、一般的な有効率は30%程度であるため、有効率を向上させることや、有効例・無効例を投与前・直後に判定する方法の開発などが残されている。また、臨床現場の課題としては、がん専門医の免疫分野における知識不足を指摘し、「ときどき重大な副作用を見逃したり、死ななくてもいい患者さんを救えなかったりするという問題が起こる」と、とくに副作用対応プロトコルの充実が急務だと強調した。有効性に対する免疫系の影響と進行中の試験 PD-1阻害療法の有効性予測マーカーとしては、腫瘍遺伝子の変異率が高いことが1つ挙げられるが、必ずしも高いとは限らないという。「最も重要なのは、個人の間の免疫力の違い。しかし、これに関しては非常に幅があり、遺伝子を解析しただけでわかるほど免疫系は単純でない。われわれの知識はまだまだ不足している」と語った。 有効性に関して、「キラーT細胞が腫瘍細胞にどれだけ集まるか、キラーT細胞の活力がどれだけ高いかという2つの問題がある」と課題を呈した。腫瘍細胞に存在するキラーT細胞は、PD-1阻害薬によって活性化され、その結果、腫瘍細胞自身が放出したケモカインに、さらにリンパ節で活性化されたキラーT細胞が引き寄せられる。「PD-1阻害薬は、リンパ節から腫瘍細胞へキラーT細胞が移入することで能力が発揮されるので、リンパ節を取れば取るほどいい、という認識は間違っている」と指摘した。 次に、現在行っている試験として、「低分子薬とPD-1阻害薬を組み合わせると、さらに強力ながん免疫治療の開発が可能になるかもしれない。たとえば、抗体の用量を減らしたり、有効性を向上させたりできるのではないかと考えている」と一部を紹介した。「希望的観測として、現在がん免疫療法の割合は全体からみるとわずかだが、これから次第に免疫療法が増えていき、2024年にはPD-1阻害薬関連の売上高は4兆円を超えるといわれている。将来的に、がん治療の主流になり、がんは完全になくさなくてもよく、自分の体力とのバランスで共存することも、がん治療の1つの目標になるかもしれない」と展望を語った。 現在、PD-1阻害薬との組み合わせによるがん治療は、米国だけで1,000件以上の試験が行われている1)。最も多いのは、CTLA-4抗体と組み合わせたもので、ほかにも、化学療法、放射線療法などと組み合わせた試験が行われている。本庶氏は、「今世紀中にがん死はなくなる可能性が出てきた」と期待を表し、講演を終えた。

771.

血液透析患者には高用量鉄剤静注が有効/NEJM

 血液透析患者において、積極的な高用量鉄剤の投与は、低用量鉄剤投与に対して非劣性であり、赤血球造血刺激因子製剤投与が少量になることが認められた。英国・キングスカレッジ病院のIain C. Macdougall氏らが、成人維持血液透析患者を対象に、高用量鉄剤の低用量に対する安全性および有効性を検証した多施設共同非盲検無作為化試験「Proactive IV Iron Therapy in Haemodialysis Patients:PIVOTAL試験」の結果を報告した。鉄剤の静脈投与は透析患者の標準治療であるが、臨床的に有効なレジメンに関して比較検討したデータは限定的であった。NEJM誌オンライン版2018年10月26日号掲載の報告。血液透析患者2,141例で、積極的高用量鉄剤静注と低用量鉄剤静注を比較 研究グループは、2013年11月~2018年6月に、成人維持血液透析患者2,141例を、積極的に高用量のスクロース鉄を静脈投与する群(高用量鉄剤群:1,093例)と、反応をみながら低用量のスクロース鉄を静脈投与する群(低用量鉄剤群:1,048例)に無作為に割り付けた。高用量鉄剤投与は400mg/月(フェリチン値>700μg/Lまたはトランスフェリン飽和度[TSAT]≧40%でなければ投与)、低用量鉄剤投与は0~400mg/月(鉄剤投与の指標であるフェリチン値<200μg/LまたはTSAT<20%で投与)であった。 主要評価項目は、非致死的心筋梗塞・非致死的脳卒中・心不全による入院・全死因死亡の複合エンドポイント(評価者盲検)とし、原因別Cox比例ハザードモデルを用いて主要評価項目の初回イベント発生までの時間を解析した。これらの複合評価項目は、再発イベントについても解析が行われた。その他の副次評価項目は、全死因死亡、感染症の発現率、赤血球造血刺激因子製剤の投与量などであった。 高用量鉄剤群の低用量鉄剤群に対する非劣性は、主要評価項目のハザード比の両側95%信頼区間上限値が1.25を超えない場合と定義した。血液透析患者への高用量鉄剤静注の非劣性が認められた 追跡期間中央値2.1年において、血液透析患者への鉄剤投与量中央値は、高用量鉄剤群264mg/月(四分位範囲[25th~75thパーセンタイル値]:200~336)、低用量鉄剤群145mg/月(同:100~190)であった。赤血球造血刺激因子製剤の投与量中央値は、高用量鉄剤群2万9,757 IU/月、低用量鉄剤群3万8,805 IU/月であった(群間差:-7,539IU、95%信頼区間[CI]:-9,485~-5,582)。 主要評価項目のイベントは、高用量鉄剤群で333例(30.5%)、低用量鉄剤群で343例(32.7%)確認された(ハザード比:0.88、95%CI:0.76~1.03、非劣性のp<0.001)。再発については、高用量鉄剤群で456件、低用量鉄剤群で538件のイベントが確認された(率比:0.78、95%CI:0.66~0.92)。感染症の発現率は両群で変わらなかった。

773.

AIが3年後の糖尿病発症リスクを予測

 わが国では、糖尿病が強く疑われる人が約1,000万人、糖尿病の可能性を否定できない人が約1,000万人と推計されている。糖尿病は、網膜症、腎症、神経障害の3大合併症に加えて、心血管疾患、がん、認知症などのさまざまな疾患のリスクを高めることが知られており、健康寿命を延伸するため、糖尿病の予防対策は国民的な課題となっている。 こうした情勢をうけ、国立研究開発法人 国立国際医療研究センタ-(理事長:國土 典宏、以下「NCGM」と略す)は、自分の健康診断の結果を入力することで糖尿病発症のリスクを予測するツ-ル「糖尿病リスク予測ツ-ル」を、株式会社教育ソフトウェアと共同開発し、10月24日よりNCGMのホ-ムペ-ジで公開した。※26日10時現在、上記ページ(糖尿病情報センターの「糖尿病リスク予測ツール」)が閲覧できなくなっています。3万例のデータで予測する糖尿病発症のリスク 本予測ツ-ルは、利用者の3年後の糖尿病発症のリスクを予測するもので、職域多施設研究(J-ECOHスタディ)で収集した3万例の健康診断デ-タに基づき、機械学習手法(人工知能)により開発された。 対象者の体重、血圧、喫煙習慣などの基本項目(非侵襲的デ-タ)のみによる予測と、さらに空腹時血糖やHbA1cなどの血液デ-タを追加することで精度の高い予測の2通りから選択できる。また、デ-タを入力することで、3年後の糖尿病発症リスクとともに、同性・同年代の中での相対的な比較をグラフ上に示すこともできる。 なお、本ツ-ルは、糖尿病と診断されたことのない30~59歳の人が対象となる。■参考NCGM糖尿病情報センタ-■関連記事糖尿病診療コレクション

778.

消化管障害と相互作用が少ない二次性副甲状腺機能亢進症治療薬「オルケディア錠1mg/2mg」【下平博士のDIノート】第9回

消化管障害と相互作用が少ない二次性副甲状腺機能亢進症治療薬「オルケディア錠1mg/2mg」今回は、「エボカルセト錠(商品名:オルケディア錠1mg/2mg)」を紹介します。本剤は、既存のシナカルセト錠(商品名:レグパラ錠)と同等の有効性で、上部消化管に関する副作用の軽減が期待されます。<効能・効果>維持透析下の二次性副甲状腺機能亢進症の適応で、2018年3月23日に承認され、2018年5月22日より販売されています。副甲状腺細胞表面のカルシウム(Ca)受容体に作用して、副甲状腺ホルモン(PTH)の合成と分泌を抑制することで、血清PTHや血清Ca濃度を低下させます。<用法・用量>通常、成人には、エボカルセトとして1日1回1~2mgを開始用量として経口投与します。以降は、PTHおよび血清Ca濃度の十分な観察のもと、1日1回1~8mgの間で維持量を適宜設定します。効果不十分な場合には、1日1回12mgまで増量することができます。なお、増量を行う場合は増量幅を1mgとし、2週間以上の間隔をあけて行います。<副作用>国内臨床試験において、安全性評価対象の493例中、臨床検査値異常を含む副作用が208例(42.2%)に認められました。主な副作用は、低Ca血症83例(16.8%)、悪心23例(4.7%)、嘔吐20例(4.1%)、腹部不快感18例(3.7%)、下痢16例(3.2%)でした(承認時)。<患者さんへの指導例>1.この薬は、PTHの過剰な分泌を抑え、血液中のCaとリン(P)の濃度を下げる作用があります。2.しびれ、痙攣、気分不良、不整脈、血圧低下が起こることがあります。このような症状が現れた場合は、すぐに連絡してください(低カルシウム血症の症状)。3.この薬を使用中に妊娠が判明した場合は、ただちに使用を中止して連絡してください。4.透析療法下の二次性副甲状腺機能亢進症では、薬による治療とともに食事療法も併せて行い、体内のPとCa、PTHのバランスを整えることが大切です。<Shimo's eyes>二次性副甲状腺機能亢進症とは、副甲状腺以外の病気が原因でPTHが過剰に分泌される疾患で、腎機能の低下によっても生じます。PTHは血液中のPとCaを調節するホルモンであり、PTHが過剰に分泌されると、血液中のCa濃度が上がって骨折しやすくなったり(骨吸収)、血管などにCaが沈着・石灰化して動脈硬化や心臓弁膜症などを引き起こしたりします。透析下の二次性副甲状腺機能亢進症に対する治療としては、従来から活性型ビタミンD製剤やP吸着薬が用いられてきましたが、2008年にCa受容体作動薬であるシナカルセト錠が承認され、血清Ca濃度を上昇させずにPTH分泌を抑制し、有意に血清PTH濃度を低下させることができるようになりました。しかし、上部消化管に対する副作用のため、十分な効果を示す用量まで増量できないこともありました。本剤は、シナカルセトに続く2剤目の経口Ca受容体作動薬であり、シナカルセトと同様に1日1回の服用で同等の有効性を示すことが確認されています。一方で、上部消化管に関する有害事象は本剤投与群317例中41例(12.9%)、シナカルセト群317例中77例(24.3%)と少ない傾向が見られました(第III相実薬対照二重盲検比較試験)。そのため、服薬アドヒアランス向上による治療継続率の向上が期待されます。本剤の代謝経路はタウリン抱合とグリシン抱合であり、CYP関連で併用注意の対象薬がなく、他剤併用のリスクが軽減されています。ただし、妊婦には禁忌なので注意が必要です。

779.

ファブリー病〔Fabry disease〕

ファブリー病のダイジェスト版はこちら1 疾患概要■ 定義α-ガラクトシダーゼAの酵素欠損により心臓、腎臓などの組織を中心にグロボトリオシルセラミド(GL-3)が蓄積することにより、心不全、腎不全を来す疾患である。遺伝形式はX-連鎖の遺伝形式をとる。■ 疫学約4万人に1人と推定される。腎不全患者の0.2~0.5%、左室肥大の患者の4%、女性左室肥大の12%、男性脳卒中患者の4.9%、女性患者の2.4%。イタリアでは新生児男児3,100人に1人の頻度、台湾では1,250人に1人と患者頻度は高い。■ 病因ライソゾーム酵素であるα-ガラクトシダーゼの酵素欠損により全身組織にグロボトリオシルセラミド(GL-3)などの糖脂質が蓄積する(図1)。とくに血管内皮細胞に蓄積、心筋、腎臓、リンパ節、神経節など、全身組織に蓄積する。画像を拡大する■ 臨床症状(表1)ファブリー病の臨床症状は多彩である。小児期からの四肢の激痛、無痛、無汗などの自律神経症状、蛋白尿、腎不全などの臨床症状、不整脈、弁膜症、心不全などの心症状、頭痛、脳梗塞、知能障害などの神経症状、精神症状、皮膚症状として被角血管腫、難聴、めまい、耳鳴り、角膜混濁などの眼科症状、咳などの呼吸器症状などを認める。ファブリー病の臨床症状の進展は図1を参照。画像を拡大する■ 分類臨床的には「古典型」、心型、腎型といわれる「亜型」、「ヘテロ接合体女性患者」に分類される古典型(表2)では皮膚症状(被角血管腫)、自律神経症状(低汗、無痛、四肢痛など)を有する。心型、腎型ではこれらの症状は少ない。ヘテロ接合体女性患者では心症状が主体であるが、痛みなどは男性患者と同様に認められる。画像を拡大する■ 予後古典型の患者は早期の酵素補充療法をしないと、腎不全、心不全、脳梗塞で40~50代で死亡する患者が多い。心型、腎型では60~70代で死亡、ヘテロ女性患者は60~70代で心不全にて死亡する患者が多い。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)次の流れに従い、診断を行う。(1)臨床症状:小児期からの四肢の激痛、無汗、皮膚の被角血管腫、心不全、蛋白尿、腎不全、脳梗塞などの症状(2)血清、白血球、尿などでα-ガラクトシダーゼの酵素欠損を証明する(3)尿中GL-3の蓄積(4)皮膚での病理所見:電子顕微鏡でミエリン様蓄積物質を認める(5)遺伝子診断 3 治療 (治験中・研究中のものも含む)ファブリー病の治療として対症療法と根治療法がある。表3に概略をまとめた。画像を拡大する1)対症療法(1)疼痛ファブリー病での痛みは、患者に大きな負担である。幼少時から四肢の灼熱感のある痛みが生じ、思春期はとくに強い。女性患者でも4~5歳から四肢の痛みを感じる患者がいる。痛みは四肢以外にも下顎、頸部などさまざまである。とくに梅雨の時期、夏などは疼痛が強い。カルバマゼピン(商品名:テグレトールほか)、ガバぺンチン(同:ガバペン)などが有効である。(2)消化器症状腹痛、胃痛、下痢などがみられ、整腸剤などの投与が有効である。(3)心肥大、心不全、不整脈徐脈性不整脈には、ペースメーカーが有効である。心筋保護作用としてのACE阻害薬、 ARBの投与が推奨される。高血圧、高脂血症の予防は重要である。(4)腎障害腎保護策のためにARB、ACE阻害薬は有効との報告がある。蛋白食制限、減塩は必要である。腎不全に対しての腹膜あるいは血液透析療法、さらには腎移植が試みられている。(5)脳梗塞脳梗塞の予防のためのアスピリン、抗血小板凝集薬の投与などの抗凝固療法が必要。(6)その他めまい、難聴などに対する対症療法として、めまいにはベタヒスチンメシル(同:メリスロンほか)、突発性難聴にはステロイドが使用される。2)酵素補充療法酵素補充療法は、現在遺伝子工学的手法の進歩に伴いαガラクトシダーゼAの酵素製剤が2製剤開発されている。アガルシダーゼ アルファ(商品名:リプレガル)とアガルシダーゼ ベータ(同:ファブラザイムほか)が開発されている。アガルシダーゼ ベータはCHO(Chinese Hamster Ovary)細胞から遺伝子工学手法で作成された。投与量としては体重1kgあたりアガルシダーゼ アルファは0.2mg、アガルシダーゼ ベータは1mgを2週間に1回投与する。副作用としては蕁麻疹、悪寒、吐き気、鼻汁、軽度血圧低下、気道に違和感などの症状が見られるが、抗ヒスタミン薬、ステロイドの投与で軽快する場合が多い。副作用は投与後3~5ヵ月後に多く見られ、その後は軽快する場合が多い。そして、効果のポイントは次のとおりである。(1)痛みへの効果痛みは軽減傾向にある。発汗障害は改善傾向にある。(2)腎臓への効果腎臓、とくに腎血管内皮細胞でのGL-3の蓄積は除去される。糸球体のたこ足細胞でのGL-3の蓄積の除去には時間がかかる。GFRが60mL/min/1.73m2以上であれば治療後も維持できる。また、60mL/min/1.73m2 以下であれば、治療にかかわらず機能は低下することが明らかにされている。尿蛋白質では、蛋白の排泄が+1以上であれば酵素治療しても腎機能は低下するが、尿蛋白がマイナスであれば腎機能は悪化しない。(3)心機能への効果心筋の肥厚、左室心筋重量は酵素補充療法により減少する。左室機能改善の改善を認める。(4)脳神経系への効果酵素補充療法により血管の内皮細胞への蓄積は軽快するが、脳梗塞の所見は治療により変化はないと考えられる。また、白質変性への効果も少ない。(5)耳鼻科的効果酵素補充による聴力への効果はあまり期待できない。聴力検査で効果が認められていない。(6)眼症状への効果角膜に対する効果は軽快する傾向にある。網膜動脈閉塞で失明する。(7)皮膚症状への効果被角血管腫への効果は少ない。低(無)汗症への効果はみられ、酵素治療により汗をかくようになりQOLは上がる。(8)消化器症状への効果酵素補充療法により下痢などに対する効果が報告され、酵素治療とともに下痢、腹痛は改善傾向にある。体重は増加する患者が多い。4 今後の展望1)シャペロン治療低分子薬(デオキシノジリマイシンなど)は、ライソゾーム酵素のゴルジーライソゾーム系での酵素の合成、分解過程で作用する。すなわち変異酵素が分解促進、あるいは活性基が障害されている場合、シャペロンは有効であり、全体の約50~60%の患者の遺伝子異常に効果があるといわれている。ミガーラスタット(商品名:ガラフォルド)は、2018年5月に発売され、わが国でも保険適用となった。今後、効果や安全性について、さらに知見の積み重ねがなされる。2)遺伝子治療・細胞治療ファブリー病の最終治療としては、遺伝子治療法の開発が重要である。ファブリー病マウスを用いて「アデノ随伴ウイルス」(AAV)あるいは「レンチウイルスベクター」を用いての治療研究が進められており、モデルマウスではGL-3の臓器からの除去に成功している。また、骨髄幹細胞、あるいは間質幹細胞を用いて、遺伝子治療と組み合わせての治療効果も研究されている。3)ファブリー病のスクリーニングファブリー病の治療のためには、早期診断が重要である。早期診断のための新生児マス・スクリーニングも報告され、ガスリー濾紙血を用いて酵素診断することにより可能である。濾紙血による新生児スクリーニングでは、台湾でのファブリー病患者頻度は1/1,250(男児)、イタリアでは1/3,500(男児)、日本では1/6,500の頻度であり、決して珍しい疾患でないことが証明されている。また、ハイリスク患者スクリーニングとして、心筋症患者、左室肥大患者、腎不全患者、若年性脳梗塞患者にはファブリー病の患者の頻度が高いことが報告されている。早期診断により治療効果をあげることが重要である。5 主たる診療科腎臓内科、循環器内科、小児科、皮膚科、眼科、耳鼻科 など※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療情報難病情報センター ライソゾーム病(ファブリー病を含む)(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報ふくろうの会(ファブリー病患者と家族の会)1)Desnick RJ, et al. α-Galactosidase A deficiency: Fabry disease. In: Scriver CR et al, editors. The Metabolic and Molecular Bases of Inherited Disease, 8th ed. New York: McGraw Hill; 2001. p. 3733–3774. 2)Eng CM, et al. N Engl J Med. 2001; 345: 9–16.3)Rolfs A, et al. Lancet. 2005; 366: 1794–1796.4)Sims K, et al. Stroke. 2009; 40: 788-794.5)衛藤義勝. 日本内科学雑誌.2009; 98: 163-170.公開履歴初回2013年2月28日更新2018年9月11日

780.

Dr.小松のとことん病歴ゼミ

第1回 肩こりで帰してはいけない頸部痛 第2回 パニック障害の再発?それとも… 第3回 その「だるい」本当はいつから?第4回 ちょっと尻もちをついただけで骨折? 第5回 えっ?25歳男性が母親と受診 第6回 「風邪ひいちゃったみたい」の訴えの危うさ “病歴聴取のみで約8割の診断がつく”と言われます。しかし実際は、検査値や画像所見を重視して病歴聴取を漠然と行っている人も多いのではないでしょうか。同じ患者、同じ時間内でも、医師の問診技術によって引き出せる情報の量は大いに変わってきます。そこで得られた病歴から適格に診断を絞り込むことは、その後の患者のスムーズな治療につながります。臨床医に欠かせない問診技術を鍛える病歴ゼミ。番組では、講師である小松孝行先生が自らさまざまな患者に扮し、研修医から問診を受け、その良し悪しをフィードバック。「自分ならばこう聞く!」とぜひツッコミながらご覧ください。第1回 肩こりで帰してはいけない頸部痛 診断に直結する病歴聴取のスキルを鍛える新番組スタート!診断に際して、検査値や画像所見を重視して病歴聴取を軽視してはいませんか。病歴こそがもっとも重要な診断材料であり、それだけで8割方の診断はつくといわれます。しかし、Onsetの時期や発症様式などの重要な情報を得られるかは、医師の問診技術にかかっています。この番組では講師である小松孝行先生が自らさまざまな患者に扮し、研修医から問診を受け、その良し悪しをフィードバックしながら問診の進め方、見逃してはいけないポイントを解説します。第2回 パニック障害の再発?それとも… 診断に直結する病歴の聴取スキルを鍛える病歴ゼミ。今回Dr.小松はパニック障害の既往のある女性に扮します。患者が解釈モデルを持っている場合、そのバイアスに引っ張られずに、冷静に情報を引き出していくことが重要です。以前の症状とどこが似ていて、どこが違うのか、会話の流れのなかで巧みに探っていきましょう。臨床で“差がつく”問診力をアップするヒントが満載です!第3回 その「だるい」本当はいつから?今回Dr.小松は2ヵ月前から倦怠感のある65歳男性に扮します。主訴は倦怠感。このようなぼんやりした訴えの裏にある疾患を、普段の問診でどこまで追求できていますか?病歴聴取の鍵は本当のOnsetがいつなのかを明白にすること。「夏に風邪をひいたような…」そんな季節ワードも患者がいつまで健康だったかを示す重要なヒントです!第4回 ちょっと尻もちをついただけで骨折? 今回Dr.小松が扮するのは圧迫骨折らしい症状の60歳男性。ちょっと尻もちをついたのがきっかけと言うが…。病歴聴取では患者の病態がエピソードと合わないとき、違和感を抱けるかというのも重要なポイントです。Onsetは本当に尻もちなのか、骨折の裏に隠された真の原因を問診で突き止められるか!?臨床で“差がつく”問診力をアップするヒントが満載です!第5回 えっ?25歳男性が母親と受診母親の前では言えないこと、誰にでもありますよね?今回Dr.小松は母親と一緒に受診する25歳男性を熱演。問診に積極的ではない彼にはどうやら秘密がありそうです。同伴者がいる場合にうまくセパレートする方法、そして性交歴などのデリケートな質問に患者が答えやすくなるコツを伝授します!第6回 「風邪ひいちゃったみたい」の訴えの危うさ 診断に直結する病歴の聴取スキルを鍛える病歴ゼミ。最終回ではDr.小松が風邪症状を訴える80歳女性に扮します。患者の「風邪ひいちゃったみたい」は決して鵜呑みにしてよいものではありません。とくに高齢者の場合は、自覚症状が少なかったり、自発的に話してくれなかったりするため注意が必要です。普段の元気な姿を想像しながら聴く!高齢者からの聴取のコツを伝授します!

検索結果 合計:1056件 表示位置:761 - 780