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高感度心筋トロポニン検査は心筋梗塞の早期診断を大いに改善できる(1)

急性心筋梗塞は死および身体障害の主要な原因の1つだが、一方で米国やヨーロッパでは毎年約1,500万人の患者が、胸痛など急性心筋梗塞様の症状を呈し救急治療部に搬送されている。そのため、急性心筋梗塞の迅速で信頼性の高い診断が求められるが、こうした臨床上のニーズはまだ十分に満たされていない。バーゼル大学病院(スイス)のTobias Reichlin氏らは、新しい診断法として期待される高感度心筋トロポニン測定法(4つの測定法)の精度について、標準測定法との比較で検討を行った。NEJM誌2009年8月27日号より。718例の血液サンプルで新旧検査法を多施設盲検Reichlin氏らは、急性心筋梗塞が疑われる症状を呈し救急治療部を受診した718例から得られた血液サンプルを用いて、新しい高感度心筋トロポニン測定法を用いた診断の精度を検討する多施設共同治験を行った。心筋トロポニン・レベルは盲検形式で、4つの高感度測定法(アボット-Architect Troponin I、ロシュHigh-Sensitive Troponin T、ロシュTroponin I、シーメンスTroponin I Ultra)と標準測定法(ロシュTroponin T)を用いて判定した。最終診断は施設に所属していない2人の心臓専門医が下した。胸痛発症後間もない急性心筋梗塞の早期診断に有効123例の患者(17%)が急性心筋梗塞の最終診断を下された。ROC曲線解析による下部領域面積(AUC)の定量化によって、4つの高感度心筋トロポニン測定法のほうが標準測定法より、診断精度は有意に高かった。AUC、アボット-Architect Troponin Iは0.96(95%信頼区間:0.94~0.98)、ロシュHigh-Sensitive Troponin Tは0.96(同:0.94~0.98)、ロシュTroponin Iは0.95(同:0.92~0.97)、シーメンスTroponin I Ultraは0.96(同:0.94~0.98)に対し、標準測定法は0.90(同:0.86~0.94)だった。胸痛症状から3時間以内の患者のAUCは、標準測定法の0.76(95%信頼区間:0.64~0.88)と比べて、高感度測定法ではそれぞれ、0.93(同:0.88~0.99)、0.92(同:0.87~0.97)、0.92(同:0.86~0.99)、0.94(同:0.90~0.98)であった。なお高感度トロポニン測定法の医学的管理に及ぼす影響は評価していない。Reichlin氏らは、高感度心筋トロポニン測定法の診断パフォーマンスは優れており、これら測定法は特に胸痛発症後、間もない患者における急性心筋梗塞の早期診断を大いに改善できると結論づけている。(医療ライター:朝田哲明)

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高感度心筋トロポニン検査は心筋梗塞の早期診断を大いに改善できる(2)

心筋梗塞の早期診断は迅速な治療を促し、胸痛症状を示した患者のアウトカムを改善する。その意味で、緊急環境下で施行される心筋壊死マーカー検査は診断価値が高く、胸痛患者ケアに一里塚を築いたが、胸痛出現直後の精度は低い。これに代わって心筋トロポニン検査が急性心筋梗塞の診断の中心的役割を果たすようになっているが、ヨハネス・グーテンベルク大学(ドイツ)のTill Keller氏ら研究グループは、急性心筋梗塞の早期診断とリスク層別化について、高感度トロポニンI測定法の評価を行った。NEJM誌2009年8月27日号より。診断精度は高感度トロポニンI測定法が最も高い本試験は多施設治験で、急性心筋梗塞が疑われる一連の1,818例の患者を対象に、入院時、入院後3時間、同6時間について、高感度トロポニンI測定法と、トロポニンT、従来の心筋壊死マーカーの3つで診断精度を比較した。入院時に得られたサンプルによる診断精度は、トロポニンT測定法(受信者動作特性曲線[AUC]:0.85)、従来の心筋壊死マーカーと比較して、高感度トロポニンI測定法が最も高かった(AUC:0.96)。入院時の高感度トロポニンI測定法(カットオフ値:0.04ng/mL)の臨床的感度は90.7%、特異度は90.2%だった。診断精度は、胸痛発症からの時間にかかわらず、ベースライン(入院時)と入院後の連続サンプルで実質的に変わらなかった。トロポニンI濃度0.04ng/mL超は発症後30日のリスク上昇と関連胸痛発症後3時間以内の患者において、1回の高感度トロポニンI測定法の陰性適中率は84.1%、陽性適中率は86.7%だった。これらの所見から、6時間以内にトロポニンIレベルが30%上昇すると予測された。0.04ng/mLを超えるトロポニンI濃度は、発症後30日における有害アウトカムのリスク上昇とそれぞれに関連していた(リスク比:1.96、95%信頼区間:1.27~3.05、P = 0.003)。研究グループは、高感度トロポニンI測定法の利用は、胸痛発症からの経過時間によらず、急性心筋梗塞の早期診断とリスク層別化を向上させると結論づけた。(医療ライター:朝田哲明)

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食道腺がんに移行しやすいバレット食道、内視鏡的切除でリスクを減少

食道腺がんへの移行リスクが高い疾患として知られるバレット食道は、食道上皮の腸上皮化生を伴う。欧米の研究報告によると、慢性の逆流性食道炎患者の約10%に見られ、最近の住民スタディでは有病率1.6%、がん発病率は1970年代から500%以上増加、5年生存率は15%未満と高い致死率が報告されている。一方で、長期研究により、大半は非異形成か悪性度は低いままであることが明らかになってもいる。それでも悪性度の高い異形成に進行した場合、がん発病率は10%/人年以上で、現在まで異形成に対する最適な治療は明らかになっていない。米国ノースカロライナ大学食道疾患/嚥下センターのNicholas J. Shaheen氏らは、異形成を伴うバレット食道を、内視鏡的高周波アブレーションによって消失できるかどうか、それによってがん発病のリスクを低下することができるかどうかを多施設共同偽処置対照無作為化試験(米国内19施設)にて調査した。NEJM誌2009年5月28日号より。異形成を伴うバレット食道患者127例を、偽処置を対照とし無作為化被験者は、異形成(8cm以下)を伴う18~80歳の患者127例で、内視鏡的高周波アブレーションを施行する群(アブレーション群、84例)と偽処置施行群(対照群、43例)に無作為に割り付けられた。無作為化は、異形成の度合い(低群:64例、高群:63例)とバレット食道部位の長さ(4cm未満、4~8cm)で層別化し行われた。アブレーション群の施行は最大4回(基線、2、4、9ヵ月)。全患者は試験期間中、プロトンポンプ阻害薬esomeprazoleを1日2回40mg服用していた。主要転帰は、12ヵ月後の異形成または腸上皮化成の完全な消失とした。主要転帰に達した割合は、低度異形成患者群では、アブレーション群90.5%に対し対照群は22.7%(P<0.001)。高度異形成患者群では、アブレーション群81.0%、対照群19.0%で(P<0.001)で、いずれもアブレーション群のほうが高率だった。患者全体における腸上皮化成の完全な消失でも、アブレーション群が高く77.4%、対照群は2.3%だった(P<0.001)。アブレーション群の食道がん移行は1.2%、対照群は9.3%疾患進行および食道がんへの移行は、アブレーション群のほうがいずれも低く、疾患進行は3.6%対16.3%(P=0.03)、食道がん移行は1.2%対9.3%(P=0.045)だった。なお有害事象に関しては、アブレーション群のほうが術後に胸痛が多く報告された。また、上部消化管出血1例、食道狭窄5例(6.0%)が報告された。(朝田哲明:医療ライター)

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Dr.東田の病態生理学 自由自在! [循環器編] 1

第1回「正常解剖/生理学」第2回「臨床検査」第3回「高血圧」 [循環器編] 1病気の仕組みを理解し原因を解き明かす病態生理学。 「複雑で難しい・・・」と苦手意識がある人は多いでしょう。このDVDでは、患者ケアをする際に必要不可欠な病態生理について、わかりやすく、かつ楽しく、解説します。従来の病態生理学の教材にはない、病気の意外なエピソードから始まり、身近な物事や面白い例え話も交えた、まさに痒いところに手が届く、”究極”の講義!いつの間にか病気の本質や仕組みを面白いほど理解していて、丸暗記という苦痛から開放されているはずです。医師・看護師をはじめ,臨床現場に携わるすべての医療従事者にオススメします!第1回 正常解剖/生理学・循環器系における「循環」とは何なのか? (多細胞間での効率的な運搬システム)・心臓の構造と機能  (心臓に「部屋」は4つある?)・動脈と静脈について (動脈の血液はすべて「赤い」?)・毛細血管とリンパ系の構造と機能 (細胞間の物質交換に関わる二つの循環系)・動脈の分岐・分枝 (心臓も血管も左右非対称)・全身を巡る血液の循環経路 (解剖図では分かりにくい循環経路の概略)・弁膜症について (弁の機能障害が引き起こす疾患群)・心臓の収縮と拡張 (心室は経時的に拡張・収縮を繰り返す)・冠循環の機能と構造 (心臓自身に栄養を供給するしくみ)・まとめ 循環器の構造と機能 総論  (循環器系・心臓・弁膜症)第2回 臨床検査・循環器疾患の診断の流れ・臨床症状①ショック (全身性の急激な末梢循環障害)・血栓と塞栓 (全身性の急激な末梢循環障害)・臨床症状②心不全 (左心不全と右心不全は、症状が異なる)・臨床症状③呼吸困難 (末梢における酸素の需要と供給の不均衡)・臨床症状④胸痛 (胸に激痛をきたす代表的な3疾患)・臨床症状⑤失神 (一過性の脳循環障害による意識障害)・循環器疾患の診察について (五感を用いて患者の内部情報を得る)・循環器疾患の検査について① (主な検査:心電図・胸部X線・心エコー)・循環器疾患の検査について② (さらに精査が必要なとき)・循環器疾患における治療の概略 (一般的な治療から特殊なものまで)第3回 高血圧・血圧とは何か (上腕動脈で測定される動脈圧)・血圧を規定する諸因子 (オームの法則(電圧=電流×抵抗)と類似)・高血圧の重症度分類 (重症度に応じて動脈硬化等のリスクが上昇)・白衣高血圧と仮面高血圧 (外来血圧値が本来の血圧でない場合)・高血圧の原因と分類①~④ (原因不明の場合がほとんど)・眼底検査による重症度判定 (網膜では血管を直接観察できる)・悪性高血圧の診断 (ただちに治療すべき重症な高血圧)・本態性高血圧の治療 (血圧上昇を促す諸因子への対処療法)

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急性胸痛を訴え救急外来を受診した患者へのアドバイス

急性胸痛を訴え救急外来を受診する患者の大半は、即時診断は困難で、さらなる診断評価を必要とする。通常はそのことを患者に口頭で伝えるだけだが、診断に対する不安を患者に与えることになったり、急性胸痛を繰り返すことになるなどQOLに重大な影響をもたらし、うまく伝えることが求められている。Northern General HospitalのJane Arnold氏らは、年間70万人(イングランドとウェールズで)に上る急性胸痛患者への有用な情報伝達方法として、循環器外来患者のコミュニケーションツールとして開発されたインフォメーションシートをアレンジ。患者の不安解消および健康QOL、治療満足度、二次的症状の改善に役立つか試験した。BMJ誌2009年3月21日号(オンライン版2009年2月26日号)より。診断評価の伝達を、口頭のみ群、+インフォメーションシート提示群とで比較試験は1施設のER胸痛ユニットで、非盲検無作為化試験で行われた。急性胸痛を訴え受診するも初発症状での診断がつかなかった患者を、診断評価後に、一般的な口頭でのアドバイスだけを与えるグループと、口頭でのアドバイスに加えインフォメーションシートを提示するグループに、無作為に割り付けた。主要転帰は、不安症(14の質問項目で評価するhospital anxiety and depression scale)。副次転帰は、うつ病(hospital anxiety and depression scaleで評価)、健康QOL(SF-36でセルフ評価)、患者満足度、1ヵ月以内の再度の急性胸痛の有無、ライフスタイルの変化(禁煙、食事、運動)、さらに他のソースから情報を得ようとしたり、疼痛へ備えた健康管理行動とした。インフォメーションシート提示はうつや不安予防に有効患者700例のうち試験に応じたのは494例(70.6%)だった。結果は、アドバイスが口頭のみだったグループに比べ、インフォメーションシートも受け取ったグループのほうが、主要転帰の不安症、副次転帰のうつ病の評価指標平均値(hospital anxiety and depression scale)が、より低く、シート提示が不安症やうつを減らすことが確認された。不安症のスコアは、7.61対8.63、群間差は1.02(95%信頼区間:0.20~1.84)。うつ病スコアは、4.14対5.28、群間差は1.14(0.41~1.86)。SF-36評価による精神面および健康状態についても、+インフォメーションシート群のほうが高く、健康QOLの面に有用なことが認められた。一方で、患者満足度、二次的症状、ライフスタイルの変化、さらなる情報探求行動や疼痛へ備えた健康管理行動に有意な変化は見られなかった。それでもArnold氏は、患者にインフォメーションシートを提供することの潜在的な有用性を強調し、さらなる改良開発が必要であるとまとめている。

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心電図検査の予後評価は病歴聴取の域を出ない

狭心症疑いの外来患者への心電図検査(ECG)の予後評価は、病歴聴取で得られる情報に基づく予後評価の域を出ず、将来的に虚血性心疾患を発症するか否かにECGは、ほとんど役に立たない、Newham University Hospital(イギリス)のNeha Sekhri氏らがコホート調査の結果として報告した。ECGはイギリスの胸痛クリニックでは59%の実施率、最近のEuro heart surveyでは76%と臨床現場では慣例化している。BMJ誌2008年11月29日号(オンライン版2008年11月13日号)掲載より。8,176例を登録し追跡調査はイギリスの6つの胸痛クリニックに狭心症疑いで紹介されてきた、心疾患の既往のない外来患者8,176例を登録し追跡した。全例に安静時ECGと、年齢、性別、症状の継続期間、喫煙有無、高血圧歴、服用薬など通常の臨床評価を行い記録。また運動負荷ECGも行った患者(4,873例)については、そのうち4,848例で結果(虚血性:陽性、陰性、不明)の「サマリー」を記録、1,422例では結果の「詳細」を記録し、追跡期間中央値2.46年の間の、虚血性心疾患による死亡、非致死性の急性冠動脈症候群発症との複合を評価した。もっと効果的な適用患者の層別化を検討すべきROC曲線解析によるC統計量での評価で、臨床評価のみのモデルと安静時ECGの結果を有するモデルとはほとんど違いが見られなかった。運動負荷ECGのC統計量については、「サマリー」記録群は0.74(同群で臨床評価のみの場合0.70)、「詳細」記録群は0.78(同0.74)であった。しかし、「臨床評価のみ」「臨床評価+安静時ECG」「臨床評価+安静時/運動負荷ECG」のいずれにおいても、1年時点、6年時点の主要エンドポイントのリスク層別化の累積確率はほとんど相違が示されなかった。Sekhri氏は「安静時ECGと運動負荷ECGの予後評価は、基本的な臨床評価の域を出ない」と結論。「ECG検査は広く一般的に行われているが、もっと有意義となるよう適用患者の層別化を検討するべきだ」と提言している。

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PCI前運動負荷試験、実施率は44.5%に留まる

安定した冠動脈性心疾患患者に対して、待機的な経皮的冠動脈形成術(PCI)を実施する前の、心筋虚血の検出を目的とした運動負荷試験の実施率は、44.5%に留まることが明らかになった。PCI前に同試験を実施することで、より良いアウトカムにつながることはこれまでの研究でも明らかになっており、米国の診療ガイドラインでも推奨している。これは、米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校のGrace A. Lin氏らが、2万3,887人のメディケア(高齢者向け公的医療保険)加入者について調べたもの。JAMA誌2008年10月15日号にて掲載。地域格差大きく、PCI数の多い医師ほど実施率低い傾向調査の結果、PCI実施の前90日以内に運動負荷試験を行っていたのは、1万629人だった。地域別では、少ないところで22.1%、多いところでは70.6%と格差が大きかった。また、担当医の年間のPCI実施数が多いほど、術前の運動負荷試験の実施率は低くなっている。具体的には、年間実施数が60件未満の医師に比べ、実施数が60~94件、95~149件、150件以上の医師の運動負荷試験を実施するオッズ比は、それぞれ、0.91、0.88、0.84だった。医師の年齢によっても、格差があった。50~69歳の医師は、40歳未満の若い医師に比べ、同試験を実施しない傾向にあり、逆に70歳以上の医師は、40歳未満の医師よりも同試験を実施する傾向が見られた。人種別では黒人が、また胸痛歴のある人も実施率が高く、オッズ比はそれぞれ1.26と1.28だった。逆に女性や85歳以上、うっ血性心不全歴のある人、心カテーテル法実施歴のある人は実施率が低く、オッズ比はそれぞれ、0.91、0.83、0.85、0.45だった。実施したPCIの必然性に疑問Lin氏らはまた、民間保険加入者についてもPCIを行う1年前までの、運動負荷試験の実施率について調べたが、34.4%とさらに低かった。同氏らは、心筋虚血の検出を行わずにPCIを行うことで、PCIの実施が不適切な患者に対しても過剰に行っている可能性があると指摘している。(當麻あづさ:医療ジャーナリスト)

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DUAAL試験、慢性安定狭心症においてリピトールが予想以上に狭心症発作を抑制

米ファイザーは、慢性安定狭心症(胸痛)患者において、リピトール(アトルバスタチンカルシウム)80mgが心筋虚血(心臓への血液供給と酸素が不十分な状態)に対する想定以上に強力な減少効果を示した、と発表した。それによると、リピトールは試験開始より第18週目までの虚血性の心臓発作数を平均70%近く減らし、心臓発作の総持続時間を60%以上減らした。また第26週まで維持した。リピトール治療群に割付けられた患者の60%は、すべての虚血性の心臓発作が試験終了まで全くなかった。その結果、狭心症の発作が実質的に減少し、ニトログリセリン治療の必要性も大きく減少した。詳細はプレスリリースへhttp://www.pfizer.co.jp/pfizer/company/press/2008/2008_04_07.html

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胸痛治療室の導入は入院率を低減させるか

イングランド/ウェールズでは急性の胸痛に対する救急診療部による治療が年間約70万件に達しており、これは緊急入院全体の約1/4に相当する。胸痛治療室での管理により入院率が低下することが確認されているため、国民医療サービス(NHS)を通じた胸痛治療室の設立によって緊急入院が低減する可能性が示唆されている。 イギリス・シェフィールド大学Medical Care Research UnitのGoodacre氏らは、胸痛治療室におけるケアが、治療後30日以降の救急診療部による再治療や入院を増加させずに緊急入院を低減できるかを検討するクラスター無作為化試験を実施、BMJ誌9月18日付オンライン版、9月30日付本誌にて報告した。14施設を介入群と対照群に無作為に割り付け、介入前後の入院率などを評価2004年10月~2005年6月に14施設が登録され、胸痛治療室におけるケアを実施する介入群に7施設が、ルーチンの治療を行う対照群に7施設が無作為に割り付けられた。全体として、介入の前年には胸痛により37,319例が43,642回の治療を受け、介入後の年には40,951例に47,767回の治療が施行された。入院に至った胸痛治療の割合、治療後30日以降の再治療および入院、全原因による1日の緊急入院数、胸痛による救急診療部の受診率について評価した。胸痛治療室の導入は入院率を低下させず、むしろ救急治療が増大胸痛治療室の導入は、ルーチン治療に比べ胸痛による救急診療部の受診率を増大させる傾向が認められた(p=0.08)。入院に至った胸痛治療の割合は両群間で同等であった(p=0.945)。治療後30日以降の再治療(p=0.083)および入院(p=0.036)は、ともに介入群でわずかに増加する傾向が見られ、後者には有意差を認めた。1日の緊急入院数は介入群で有意に増加する(p<0.001)とのエビデンスが得られたが、この知見は欠測値の処理法に対する感受性が高く、別の方法を用いた場合は結果も変わる可能性がある。Goodacre氏は、「胸痛治療室におけるケアの実施は入院率を低下させず、かえって胸痛に対する救急診療部の治療を増大させる可能性がある」と結論し、「適切な患者を選択すればベネフィットをもたらす可能性が残されているとはいえ、既報とは異なりNHSを通じた胸痛治療室の設立は全体として緊急入院の増大を招く可能性があると指摘せざるをえない」としている。(菅野 守:医学ライター)

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