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COVID-19、陽性者の3分の1以上が無症状

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)において、無症状の感染者が一定数いることは知られているが、実際にその割合はどのくらいなのか。米国Scripps ResearchのDaniel P. Oran氏らがこれまでに発表されたCOVID-19関連論文のシステマティックレビューを行った結果、少なくとも3分の1が無症状であることがわかったという。Annals of Internal Medicine誌2021年1月22日オンライン版の報告。COVID-19論文を検索し無症状者数などを記録 著者らは、2020年11月17日までに発表されたCOVID-19に関する論文を検索し、1万人以上の被験者、被験者のランダムな選択等の条件から適格な論文を選択したうえで、検査を受けた人数、陽性者数、有症状者・無症状者数を記録。検査方法はPCR検査または抗体検査とした。PCR検査を用いた横断研究の場合、診断は一度しか行われず、症状がなかったとしても、それが発症前なのか無症状感染なのかを区別することができない。一方、過去の感染を判定する抗体検査、PCR検査でも複数回の診断を行う縦断研究では、発症前と無症状感染を区別することができる。このため、3つの手法を分類したうえでの解析も行われた。 新型コロナウイルス感染症において無症状の感染者の割合を調査した主な結果は以下のとおり。・基準を満たす論文または調査は61で、PCR検査を使ったものが43、抗体検査を使ったものが18だった。最大のデータは英国の93万2,072例の調査だった。・PCR検査を使用した調査では、陽性判定者のうち無症状だった例(無症状感染者)の割合中央値は65.9%(IQR:42.8~87.0)だった。・PCR検査を使用した縦断研究は19あり、追跡期間中央値は14日(IQR:14.0~15.8)、無症状感染者の割合中央値は42.5%(IQR:29.6~77.8)、追跡期間中に無症状のままだった割合中央値は72.3%(IQR:56.7~89.7)だった。・抗体検査を使用した調査では、無症状感染者の割合中央値は41.2%(IQR:32.6~48.1)だった。・統合されたデータから、陽性者の少なくとも3分の1が無症状感染者である可能性が高いことがわかった。

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新型コロナ流行で糖尿病重症化予防ケアの実施数が減少

 メディカル・データ・ビジョン株式会社(以下、MDV)は自社が保有する大規模診療データベースを用い、宮脇 敦士氏(東京大学大学院医学系研究科・公衆衛生学 助教)の研究チーム、中村 正樹氏(MDV)、二宮 英樹氏(慶應義塾大学医学部医療政策管理学教室/株式会社データック 代表取締役兼CEO)、および杉山 雄大氏(国立国際医療研究センター研究所糖尿病情報センター 室長)らと共同で、昨年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行時の糖尿病重症化予防ケア(透析予防、フットケアなど)の実施数について調査を行った。その結果、外来で糖尿病患者が定期測定するHbA1cの1週間あたりの検査数などが減少していたことを明らかにした。この研究論文はJournal of General Internal Medicine誌2021年1月19日号に掲載された。 2020年4月の1回目の緊急事態宣言が発令される前後に、 COVID-19の感染リスクを警戒して糖尿病患者が定期受診を延期するケースが見られた。糖尿病ケアの実施数が減少すると公衆衛生上、重大な影響を与える可能性があったが、ケア実施数の実際はわかっていなかった。 本研究はMDVが構築した急性期病院の診療データベースを使用し、2020年の年初第2~8週と、同年の緊急事態宣言発令期間の前半を含む第9~17週目の間に、外来診療で実施された1週間当たりの糖尿病患者の定期検査およびケアの実施数を186の病院で比較。 その結果、糖尿病患者が定期測定するHbA1cの1週間あたりの検査数は、2020年第2~8週の5万2,392件/週から、同年第9~17週には4万4,406件/週と、15.2%減少していた。そのほかにも、血清クレアチニンや尿タンパク測定、眼底検査、糖尿病フットケアサービス、および糖尿病透析予防指導を含むすべての検査・ケア数も減少していたことが明らかになった。 宮脇氏は「糖尿病患者の血糖値コントロールがどのくらい悪くなったのか、それとも変わっていないのかが今後の検討課題になる」とコメントしている。

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新型コロナ感染拡大、Go Toトラベルが影響か

 西浦 博氏(京都大学環境衛生学 教授)が率いる研究チームは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行中の旅行者向けキャンペーン(Go Toトラベル)実施による疫学的影響について、キャンペーン実施前後の旅行・観光関連の症例発生率を比較し検証を行った。その結果、Go Toトラベル開始後の1日当たりのCOVID-19発生率は、2020年6月22日~7月21日までの期間と比較して約3倍、7月15~19日の開始直前期間との比較では約1.5倍にまで増加していたことを明らかにした。また、観光目的で感染した人は、6月22日~7月21日の期間との比較では約8倍、7月15~19日との比較では2〜3倍も増加していた。研究者らは「日本での第2波は、8月中旬までに減少し始めたが、Go Toトラベル開始初期の7月22日~26日の間に旅行関連のCOVID-19症例が増加した可能性がある」としている。Journal of Clinical Medicine誌オンライン版2021年2月号掲載の報告。 日本政府は 7月22日よりGo Toトラベルを開始。ホテル料金の大幅割引を提供し、国内の旅行先での消費に使用できる地域共通クーポンを発行したが、人の移動性を高めることでCOVID-19感染拡大に繋がる恐れがあったため、世論からはキャンペーン実施に対して停止や延期が求められていた。 本研究では国内における旅行が原因とされるCOVID-19症例の疫学的パターンに焦点を当て、5月1日~8月31日までに県や政府から報告されたCOVID-19症例を分析した。旅行に関連するケースとして、県境を越えた人、国境を越えた人と接触した人と定義。旅行の目的は「ビジネス」「家族に会う」「観光(tourism/sightseeing)」に分類した。 主な結果は以下のとおり。・2020年5月1日~8月31日までに24都道府県で合計3,978件のCOVID-19症例が報告された。・症例のうち2,211例(57.3%)は男性で、119例は性別不明だった。・患者の平均年齢は42.6歳だった。・診断時に症状を有したのは3,060例(76.9%)で、そのうち軽症2,150例(70.3%)と無症状891例(29.1%) が含まれていた。・3,978例のうち817例(20.1%)は、県境を越えた旅行歴、または県境を越えた他人との接触歴があった。・旅行関連の症例の平均年齢は36.2歳で、残りの症例の平均年齢は44.2歳だった。・24都道府県の月別の全例報告数は、7月が2,074例(52.7%)、8月が1,597例(40.5%)で、そのうち旅行関連の症例は7月が482例(23.2%)、8月が289例(18.1%)だった。

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Modernaの新型コロナワクチン、400万人でのアレルギー反応/CDC

 米国で2020年12月21日~2021年1月10日に初回投与されたModernaのCOVID-19ワクチン接種404万1,396回で、10例(2.5例/100万回)にアナフィラキシーが発現し、9例は15分以内、1例は45分後に発現したことを、米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年1月22日に発表した。 米国では2021年1月10日の時点で、ModernaのCOVID-19ワクチンの1回目の投与が404万1,396人(女性246万5,411人、男性145万966人、性別不明12万5,019人)に実施され、1,266例(0.03%)に有害事象が報告された。そのうち、アナフィラキシーを含む重度のアレルギー反応の可能性がある108例を調査した。これらのうち10例(2.5例/100万回)がアナフィラキシーと判断され、うち9例はアレルギーまたはアレルギー反応の既往(薬剤6例、造影剤2例、食物1例)があり、そのうち5例はアナフィラキシーの既往があった。 アナフィラキシー発現例の年齢中央値は47歳(範囲:31~63歳)。接種から症状発現までの中央値は7.5分(範囲:1〜45分)で、9例が15分以内、1例が45分後であった。10例すべてがアドレナリン(エピネフリン)を筋肉内投与された。6例が入院(うち集中治療室が5例、そのうち4例が気管内挿管を要した)し、4例が救急科で治療を受けた。その後の情報が入手可能な8例は回復もしくは退院した。アナフィラキシーによる死亡は報告されていない。 アナフィラキシーではないと判断された98例のうち、47例は非アナフィラキシー性のアレルギー反応、47例は非アレルギー性の有害事象と判断され、4例は評価に十分な情報が得られなかったという。

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花粉症シーズンで新型コロナの思わぬ流行が!?これを解決するには

 いよいよ花粉症シーズンに突入する。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下で類似症状を示す花粉症の見極めは非常に難しいが、医療者が留意しておくべきことは何だろうかー。この状況に先駆け、花粉症治療の第一人者である大久保 公裕氏(日本医科大学大学院医学系研究科頭頸部感覚器科学分野 教授)と、日本感染症学会理事長で政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会メンバーでもある舘田 一博氏(東邦大学医学部微生物・感染症学講座 教授)による意見交換会が2020年10月に実施された(主催:ノバルティス)。*本稿はノバルティス社の取材情報について許可を得て加筆・編集したものです。無症状感染者が花粉症による“くしゃみ”でウイルスを拡散させる!? 昨年12月9日に発表された『2021年春の花粉飛散予測(第2報)』によると、スギ花粉の飛び始めは全国的に例年並み、早い所では2月上旬から飛散すると言われている。また、飛散量は広範囲で例年より少ないものの、前シーズン比では所々で非常に多くなることが予想されている。 このようななか、COVID-19流行下での花粉症対策はこれまで以上に困難を極めると考えられる。というのは、新型コロナウイルス対策として“換気”が必要なのに対し、花粉症対策は“密閉”がそれぞれの基本姿勢であるからだ。これについて、大久保氏は「換気のために風通しを良くしている店舗では花粉が舞いやすく症状が出やすくなってしまう」と話した。これに対し、舘田氏は「主症状としてとくに注意が必要なのがくしゃみ」とし、「COVID-19患者の中には症状がなくても、咽頭にウイルスを持っている人がたくさんいる。そのような無症状感染者はくしゃみや咳などの症状がないため、本来であれば症状がある人に比べウイルスを拡散するリスクが低い。しかし、花粉症の症状が現れることでウイルスを拡散するリスクが高まる」と懸念した。  また、花粉症で顔を触る頻度が増えることもリスクの増加につながる。舘田氏は「人の手が触れるところはすべてウイルスで汚染されている可能性がある。それを触っただけでは感染は起きないが、その手を目や鼻、口に持っていくことで感染するため、花粉症で痒くなった目や鼻を触ればリスクは高まる」とも説明した。重症例は少量の花粉でも症状出現、インフルエンザ予防と同じ意識で対策を ウィズコロナ時代のなかでもこの季節の花粉症治療はとくに重要になる。大久保氏は「花粉症は治療すれば症状もかなりゼロに近づけることが可能だろう。薬物療法以外に今はアレルギー免疫療法などもあり、この治療法は 3 年間続けると、後の 5 年間は実に軽くなるということがわかっている」と述べた。 症状が出やすく、くしゃみなどの頻度も多くなりやすい重症花粉症については、大久保氏は「2020年シーズンのように飛散量が例年の5分の1であれば、軽い人は症状が出ない。しかし、重症花粉症の場合は飛散量が少なくてもすぐに症状が出てしまう。症状としては鼻を1 日に11回以上かむ、くしゃみの発作が11回以上、鼻が1日中つまるなど、どれか一つでも当てはまれば重症だと思っていい」と解説1)。 治療においては、「重症の場合にはその時だけでも症状をゼロにできるような抗体療法もある。この抗体療法は日本でしか適用はないが、それだけ日本の花粉症は重症だということ。抗体療法を含めた治療選択肢をうまく組み合わせて治療を続けていくことが、ウィズコロナの時代においては大切」とも話した。 また、大久保氏によると花粉症の有病率は人口の 40%を超えることがわかっており、日本人1億2千万人のうち3~4千万人は花粉症になっている1)。その患者たちが症状を抑えることは、大きなCOVID-19対策にもなるという。 大久保先生によると「花粉症は致死的な病気ではないため、治療しないままの患者が多い。外から見ているとくしゃみをたくさんしているような人でも、本人は毎年のことだから慣れてしまっている」という現状がある。これに対し「症状があるのに何も治療しないで、くしゃみや鼻水、涙目、目のかゆみなどを放置していると、新型コロナウイルスをほかの人にうつす可能性も高くなるため、医療機関を受診してほしい」と訴えた。舘田氏も「病院内には専門家がおり、一方通行にしたり、経路を遮断したり、換気を行ったりとリスクを抑えるために対策を行っているので、受診控えなどは避けてほしい」と話し、両氏は過剰な受診控えがかえってリスクになることを強調した。<情報交換会に関する資料提供> ノバルティスファーマ

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新型コロナ、5割以上が無症状者から感染/CDC

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に、どのくらい無症状の感染者が関与しているのだろうか。米国疾病管理予防センター(CDC)のMichael A. Johansson氏らが、無症状の感染者からの感染割合について決定分析モデルを用いて検討した結果、全感染の半分以上を占めることが示唆された。JAMA Network Open誌2021年1月7日号に掲載。無症状者からの感染が全感染のうち59%を占める可能性 CDCではこの決定分析モデルを用いて、症状が発現しないままの人からの感染割合と感染期間を変化させた複数のシナリオについて、症状発現前の人、症状が発現しないままの人、症状のある人からの感染の相対量を検討した。すべての推定において、潜伏期間はメタ解析のデータより中央値を5日間として設定した。感染期間は10日間とし、感染のピークは3〜7日で変化させた(潜伏期間中央値の-2〜+2日)。全体的なSARS-CoV-2の割合は、可能な割合で幅広く評価するために0~70%で変化させた。主要アウトカムは、症状発現前の人、症状が発現しないままの人、症状のある人からのSARS-CoV-2の感染とした。 このモデルのベースラインは、感染のピークが症状発現中央値で、感染者の30%が症状を発現せず、その相対感染率は症状発現者の75%であると仮定した。これらのベースラインの仮定を総合すると、症状が発現しないままの感染者による感染が全感染の約24%を占める可能性が示される。この基本のケースでは、全感染のうち59%が無症状者からの感染で、35%が症状発現前の人からの感染、24%が症状が発現しないままの人からの感染だった。これらの仮定において、それぞれ広い範囲で変化させて推定すると、新規感染の50%以上が無症状の感染者への曝露によると推定された。 著者らは、「感染拡大を効果的に制御するには、症状のある感染者の特定と隔離に加えて、無症状者からの感染リスクを減らす必要がある。この結果は、安全で効果的なワクチンが利用可能になり広く使用されるまで、マスクの着用、手指衛生、ソーシャルディスタンス、具合が悪い人以外への戦略的検査といった対策が、COVID-19の拡大を遅らせるための基礎となることを示唆している」と考察している。

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吸入treprostinil、間質性肺疾患による肺高血圧症の運動耐容能を改善/NEJM

 間質性肺疾患による肺高血圧症患者の治療において、treprostinil吸入薬はプラセボと比較して、6分間歩行試験で評価した運動耐容能のベースラインからの改善効果が高いことが、米国・ブリガム&ウィメンズ病院のAaron Waxman氏らが行った「INCREASE試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2021年1月13日号に掲載された。肺高血圧症は、間質性肺疾患患者の最大86%で報告されており、運動耐容能の低下や酸素補給の必要性の増大、早期死亡と関連するが、間質性肺疾患患者における肺高血圧症の治療は確立されていないという。treprostinilは、プロスタサイクリンの安定的なアナログであり、肺や全身動脈の血管床の拡張を直接的に促進し、血小板の凝集を阻害する。treprostinil吸入薬は、12週の治療により第1群肺高血圧症患者の運動耐容能を改善すると報告されている。16週投与の安全性と有効性をプラセボ対照無作為化試験で評価 本研究は、間質性肺疾患による肺高血圧症患者におけるtreprostinil吸入薬の安全性と有効性を評価する二重盲検プラセボ対照無作為化試験であり、2017年2月~2019年8月の期間に93施設で患者登録が行われた(United Therapeuticsの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、無作為化前の6ヵ月以内に胸部CTでびまん性肺疾患の所見に基づき間質性肺疾患と診断され、右心カテーテル検査で第3群肺高血圧症と確定された患者であった。 被験者は、treprostinil吸入薬(超音波式ネブライザーで1日4回、最大12吸入、合計72μg)を投与する群またはプラセボ群に、1対1の割合で無作為に割り付けられ、16週間の投与が実施された。 有効性の主要エンドポイントは、16週の時点における6分間歩行距離のベースラインからの変化の2群間の差とした。有効性の副次エンドポイントは、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)のベースラインから16週までの変化および臨床的悪化までの期間などであった。NT-proBNP値や臨床的悪化も良好 326例が無作為化の対象となり、163例がtreprostinil吸入薬群、163例はプラセボ群に割り付けられた。全体の平均年齢は66.5歳(範囲:26~90)、46.9%が女性であった。診断名は特発性間質性肺炎が44.8%と最も多く、ベースラインの平均6分間歩行距離は259.6m、肺血管抵抗は6.2Wood単位、平均NT-proBNP値は1,832.9pg/mLだった。 16週の時点での6分間歩行距離のベースラインからの変化は、treprostinil吸入薬群が21.08±5.12m、プラセボ群は-10.04±5.12mであり、最小二乗平均値の差は31.12m(95%信頼区間[CI]:16.85~45.39)と、treprostinil吸入薬群で有意に優れた(p<0.001)。 NT-proBNP値は、treprostinil吸入薬群がベースラインから15%低下したのに対し、プラセボ群は46%上昇しており、16週時のベースラインとの、両群間の比は0.58(95%CI:0.47~0.72)であり、treprostinil吸入薬群で有意に良好であった(p<0.001)。 臨床的悪化は、treprostinil吸入薬群が37例(22.7%)、プラセボ群は54例(33.1%)で認められ、treprostinil吸入薬群で有意に少なかった(ハザード比:0.61、95%CI:0.40~0.92、p=0.04)。 treprostinil吸入薬群で最も頻度の高い有害事象は、咳嗽(43.6%)、頭痛(27.6%)、呼吸困難(25.2%)、めまい(18.4%)、吐き気(15.3%)、疲労(14.1%)、下痢(13.5%)であった。これらのほとんどが軽度~中等度だった。重篤な有害事象は、treprostinil吸入薬群が23.3%、プラセボ群は25.8%で報告されたが、treprostinil吸入薬群で有意に頻度の高いものはなかった。 著者は、「treprostinil吸入薬の使用による肺機能の低下はみられなかった」としている。

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第21回 高齢者糖尿病の感染症対策、どのタイミングで何をする?【高齢者糖尿病診療のコツ】

第21回 高齢者糖尿病の感染症対策、どのタイミングで何をする?Q1 COVID-19流行による受診機会減少、運動不足解消への具体的な対応策は?COVID-19流行に不安を感じ、受診を控える患者さんは少なくありません。適切な通院間隔は個々の症例によって異なるため、一概には言えませんが、通院間隔が短いほうが血糖コントロールが良好となる傾向があります。糖尿病診療において血糖測定(およびHbA1c測定)は重要な要素であるため、自己血糖測定を行っていない場合にオンラインや電話診療のみで加療をするのは困難です。したがって、血糖コントロールが良好な状態が維持できていれば通院間隔を延長する(最大3ヵ月)、もともと不良であったり、悪化傾向がみられる場合には通院間隔を短縮するといった柔軟な対応が必要です。患者さんの背景にもよりますが、HbA1c 6%台であれば3ヵ月ごと(インスリン使用者は除く)、7%台であれば2ヵ月ごと、8%台であれば1ヵ月ごとなどの目安を患者さんに提示し、受診の必要性を理解していただくことも効果的です。COVID-19流行に伴い外出機会や活動量が低下した高齢糖尿病患者さんも多く経験します。高齢者は活動量が低下すると容易に筋力が低下しますので、活動量の維持は重要です。1人あるいは同居者とのウォーキングで感染リスクが高まることはまずないと考えますので、可能な方には、人込みを避けたウォーキングを推奨しています。また、室内でできる運動としてラジオ体操や当センター研究所 社会参加と地域保健チームで開発された「本日の8ミッション」などを提示しています。「本日の8ミッション」は、つま先あげや、ももあげ、スクワットなどからなり、チェックシートがホームページよりダウンロードできます。また、座位行動時間に注目した指導も有効です。ADA(米国糖尿病学会)によるStandards of medical care in diabetes 2020では座位行動時間の短縮が推奨されています。30分以上座り続けないことで血糖値が改善するといわれており1)、自宅にいても30分に1回は立ち上がるよう患者さんに指導しています。Q2 誤嚥性肺炎の効果的な予防法について教えてください高齢者肺炎の多くを占めると考えられているのが誤嚥性肺炎です。糖尿病患者は脳梗塞による嚥下障害や高血糖による免疫能低下を介し、誤嚥性肺炎のリスクが高いと考えられます。誤嚥性肺炎は、睡眠中などに口腔内の細菌が唾液とともに下気道に流入する不顕性誤嚥により生じると考えられており、口腔内を清潔に保つことが重要です。コロナ禍の現在でも歯磨き習慣の確認や口腔内のセルフチェックを促すことは重要です。嚥下機能が低下している場合には、嚥下機能の回復を目指したリハビリ(通院が困難な場合は在宅でも可能)や嚥下状態に合わせた適切な食形態への変更が必要です。鎮静薬や睡眠薬、抗コリン薬などの口腔内乾燥をきたす薬剤は嚥下障害をきたしやすいため、適切な使用がなされているか評価する必要があります。また、肺炎一般の予防として肺炎球菌やインフルエンザワクチンの接種も有効です。肺炎球菌ワクチン、インフルエンザワクチンとも肺炎による入院減少が示されており、両者の併用により、さらに入院頻度が減少することが示されています2)。なお、経鼻胃管や胃瘻造設による誤嚥性肺炎の予防効果は示されていません。Q3 尿路感染症の効果的な予防法・無症候性細菌尿への対応は?糖尿病は尿路感染症のリスクであることが知られており、そのリスクは血糖コントロール不良(HbA1c 8.5%以上)により高くなります3)。また、糖尿病患者では男女とも無症候性細菌尿の頻度が高いことも知られていますが4)、一部の例外(妊婦、好中球減少、泌尿器処置前)を除き、無症候性細菌尿に対するスクリーニングや治療は推奨されません5)。ただし、SGLT-2阻害薬の使用は尿路感染症のリスクとなる可能性があるため、現時点で明確なエビデンスがあるわけではありませんが、使用開始前に評価し、無症候性細菌尿が認められれば、使用を慎重に検討する必要があると考えます。閉経後女性140名を対象とした無作為比較試験では、1.5L以上の飲水により単純性膀胱炎の発症を50%低下することが示されています6)。膀胱炎を繰り返す場合には神経因性膀胱を念頭とした残尿測定やエコーによる尿路閉塞の有無を確認する必要があります。再発性尿路感染症予防におけるクランベリージュースの有効性を検討した研究では、50歳以上の女性においてその有効性が示されていますが7)、否定的な意見もあり8)注意を要します。Q4 歯周病に対する評価や歯科との連携について高齢糖尿病患者では歯周病の罹患率が高く、血糖コントロールが不良であると歯周病が悪化しやすいことが知られています。歯周病が重症化すると血糖コントロールが悪化します。逆に治療により歯周病による炎症が改善すると血糖コントロールも改善することが報告されています9)。歯周病による歯牙の喪失は嚥下障害のリスクとなるほか、オーラルフレイルを介し、身体的フレイルおよびサルコペニアのリスクとなる可能性があるため、歯周病の評価・治療は重要です。高齢糖尿病患者で歯牙の喪失または歯周病があると健康関連のQOL低下は1.25倍おこりやすく、過去12ヵ月間歯科治療を受けていないと1.34倍QOL低下をきたしやすいという米国の70,363人の調査結果も出ています10)。歯科との連携に際し、日本糖尿病協会が発行している「糖尿病連携手帳」を利用することが多いです。「糖尿病連携手帳」にはHbA1cなどの検査結果を記載するページとともに眼科・歯科の検査結果を記載するページもあり、受診時に患者さんに持参していただくことで情報の共有が可能です。もともとの状態や血糖コントロール状況にもよりますが、一般に3~6ヵ月間隔での評価が推奨されています。1)American Diabetes Association. Diabetes Care. 2020 Jan;43:S48-S65.2)Kuo CS, et al.Medicine (Baltimore). 2016 Jun;95:e4064.3)McGovern AP, et al.Lancet Diabetes Endocrinol. 2016 Apr;4:303-4.4)Renko M, et al.Diabetes Care. 2011 Jan;34:230-55)JAID/JSC 感染症治療ガイドライン2015-尿路感染症・男性性器感染症-,日本化学療法学会雑誌 Vol. 64, p1-3,2016年1月.6)Hooton TM, et al.JAMA Intern Med. 2018 Nov 1;178:1509-1515.7)Takahashi S, et al.J Infect Chemother 2013 Feb;19:112-7.8)Nicolle LE. JAMA. 2016 Nov 8;316:1873-1874.9)Munenaga Y, et al.Diabetes Res Clin Pract. 2013 Apr;100:53-60.10)Huang DL, et al.J Am Geriatr Soc. 2013 Oct;61:1782-8.

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J&Jの新型コロナワクチン、 安全性と免疫原性を確認/NEJM

 開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規ワクチン候補Ad26.COV2.Sは、18~55歳および65歳以上のいずれの集団においても、良好な安全性と免疫原性プロファイルを示すことが、オランダ・Janssen Vaccines and PreventionのJerald Sadoff氏らが行ったCOV1001試験の中間解析で明らかとなった。これらの知見は、このワクチンのさらなる開発の継続を支持するものだという。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2021年1月13日号に掲載された。Ad26.COV2.Sは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の完全長・安定化スパイク(S)蛋白質をコードする遺伝子組み換え非増殖型アデノウイルス血清型26(Ad26)ベクターで、武漢株の最初の臨床分離株に由来する。Ad26ベクターは、欧州医薬品庁(EMA)の承認を受けたエボラワクチンや、RSウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ジカウイルスのワクチン候補として使用されており、Ad26ベクターをベースとするワクチンは一般に安全で、免疫原性が高いとされる。2種の用量とプラセボの1または2回接種の安全性を評価する第I/IIa相試験 研究グループは、2つの年齢コホートの健康な成人における、Ad26.COV2.Sの安全性、反応原性(reactogenicity)、免疫原性の評価を目的とする二重盲検プラセボ対照無作為化第I/IIa相試験を進めている(Johnson & Johnsonなどの助成による)。本試験は、ベルギーと米国の12施設が参加し、2020年7月22日に開始された。今回は、中間解析の結果が報告された。 本試験のいくつかのコホートのうち、コホート1(年齢18~55歳)およびコホート3(同65歳以上)が解析に含まれた。被験者は、Ad26.COV2.Sをウイルス粒子量5×1010/mL(低用量)、同1×1011/mL(高用量)、プラセボを1回または2回(56日間隔)接種(筋肉内投与)する群に無作為に割り付けられた。 コホート1の1回目および2回目、コホート3の1回目の接種のデータについて解析が行われ、コホート3の2回目接種のデータは今回の解析には含まれなかった。また、1回接種と2回接種を比較する長期的なデータ(コホート2)も収集されているが、今回は報告されなかった。 主要エンドポイントは、各接種用量スケジュールの安全性および反応原性であった。中和抗体は57日に100%、少なくとも71日まで安定 805例が解析の対象となった。コホート1では、2020年7月22日~8月7日の期間に登録された402例(平均年齢35.4±10.2歳、女性52%)がAd26.COV2.Sの1回目の接種を受け、2020年11月7日までに2回目の接種を受けた。コホート3では、2020年8月3日~24日の期間に403例(69.8±4.0歳、50%)がAd26.COV2.Sを接種された。 非自発的に報告された有害事象のうち最も頻度が高かったのは、疲労、頭痛、筋肉痛、注射部位疼痛であった。全身性の有害事象で最も頻度が高かったのは発熱であった。全身性の有害事象は、コホート3がコホート1よりも頻度が低く、低用量接種者が高用量接種者よりも低頻度だった。 反応原性は、1回目よりも2回目の接種後のほうが少なかった。また、野生型ウイルスに対する中和抗体価は、1回目の接種後29日の時点で全参加者の90%以上で検出され(幾何平均抗体価[GMT]:224~354)、その後も接種用量や年齢層を問わず抗体価が上昇して57日には100%に達した(GMT:288~488)。抗体価は、少なくとも71日までは安定していた。2回目の接種により抗体価は2.6~2.9倍(GMT:827~1,266)にまで上昇した。 スパイク結合抗体反応は、中和抗体反応と同程度であった。また、14日目には、CD4陽性T細胞反応が、コホート1の76~83%、コホート3の60~67%で検出され、1型ヘルパーT細胞の免疫応答が優位な状態への明らかな傾きが認められた。CD8陽性T細胞反応は、全体として頑健性が高かったが、コホート3では低かった。 著者は、「これらの知見と、前臨床のウイルス曝露試験の結果を合わせると、低用量(ウイルス粒子量5×1010/mL)のAd26.COV2.Sの単回接種と2回接種の有効性を評価する2つの第III相試験を進めるという、われわれの決定を支持するものであった」としている。

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コロナ受け入れ病院の緊急支援金、申請は2月まで/日医

 日本医師会・松本 吉郎常任理事が、新型コロナ患者受け入れ病床のさらなる確保を目的とした緊急支援事業補助金について記者会見で解説した。なお、この補助金は昨年末に厚労省から通知が出され、1月7日に緊急事態宣言の発令を受け改正されたもの。この度、対象条件などを明確化したリーフレットが発行された。申請期限は2月28日まで。コロナ患者用の最大確保病床数に応じた補助上限(基準)額 補助金の対象医療機関は、病床が逼迫している都道府県において新型コロナ患者・疑い患者の受け入れ病床を割り当てられている医療機関とされ、12/25~2/28までの最大確保病床数に応じて補助額の上限が計算される(12/24以前から継続している確保病床も対象となる)。《補助上限額》(1)確保病床数に応じた補助(1~3の合計額) 1.新型コロナ患者の重症者病床数×1,500万円 2.新型コロナ患者のその他病床数×450万円 3.協力医療機関の疑い患者病床数×450万円(2)緊急的に新たに受け入れ病床を確保する観点からの加算(新型コロナ患者の重症者病床およびその他病床)○緊急事態宣言が発令された都道府県・12/25~2/28までに新たに割り当てられた確保病床数×450万円を加算○上記に該当しない都道府県・12/25~2/28までに新たに割り当てられた確保病床数×300万円を加算 なお、(2)について、協力医療機関の疑い患者病床数は対象とならない。人件費、コロナ対応手当て、雇用関連費、外部委託費などに幅広く活用 補助の対象としては、12/25~3/31までにかかる以下の経費とされる。1.新型コロナ患者などの対応を行う医療従事者の人件費(新型コロナ対応手当て、新規職員雇用にかかる人件費など、処遇改善・人員確保を図るもの) 支給額や範囲は、治療への関与や院内感染・クラスター防止の取り組みへの貢献度合いなどを考慮しつつ、医療機関側で決定できる。従前から勤務する職員を含めた新型コロナ対応手当てなどが該当し、一日ごとの手当て、特別賞与、一時金などの支給方法が想定されている。2.院内などでの感染拡大防止対策や診療体制確保などに要する次の経費(従前から勤務している者および通常の医療の提供を行う者に係る人件費は除く) 例えば、看護師が消毒・清掃・リネン交換などを行っている場合は、負担軽減の観点から、医療機関はこれらの業務を民間事業者に委託するような使い方もできる。なお、2については補助基準額(上限額)の3分の1までとされる。  本補助金の対象は新型コロナ患者を受け入れる病棟の医療従事者に限られず、外来部門、検査部門など、すべての新型コロナおよび疑い患者の対応を行う医療従事者が対象となりうる。医療資格の有無は問わない。時間外勤務手当ても対象となり、雇用形態による限定もない。 松本氏は、「申請期限は2月28日まで。概算で申請できるので、早めの検討をお願いしたい。上限はあるが、十分に医療機関で活用しうる補助金。コロナと闘う医療機関の本当の助けになる支援が実現されるよう、今後も政府に働きかけを行うと同時に、経営体制の確保について、地域の医師会や医薬関係団体にも協力を呼び掛けたい」とまとめた。《申請はこちらから》厚労省「令和2年度新型コロナウイルス感染症患者等入院受入医療機関緊急支援事業補助金」について

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COVID-19の論文が量産され過ぎな件【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第179回

COVID-19の論文が量産され過ぎな件pixabayより使用私は普段から医学論文を読んでいるのですが、テーマやジャーナルのレベルを絞りながら読むように心掛けています。最近、COVID-19の論文が多過ぎて、オイオイそれはおかしいやろと驚いたので、せっかくだからこの連載でちょっと考察してみたいと思います。中世から近現代にかけてよくわからない論文が流行した時期もあるので、PubMedで検索可能な1900年以降の医学論文について「タイトル検索」を実施してみました。検索時に、PubMedに[title]というタグを入れることで、医学論文のタイトルにその語句が含まれたものだけを抽出する方法があるのです。たとえば、伝統的な感染症である、「結核(tuberculosis)」をタイトル検索すると、1950年代に論文数の第1ピークを起こし、その後現代にいたるまで数多くの論文が刊行されています。その数、14万を超えます。さすがですね、結核。画像を拡大するマラリア(malaria)は4.7万件、梅毒(syphilis)は1.7万件、麻疹は「measles」で1.5万件、「rubeola」で200件です。世界的に有名な感染症なのに、ここらへんは、思ったより少ないですね。そ、そ、そ、そしてCOVID-19は途中で病名が変わったにもかかわらず、なんと6.1万件です。1年足らずで、なんとマラリアの総件数超え!!!いやいや、おかしいでしょうと。PubMedユーザーに困った現象も起こしていまして、たとえば「肺炎(pneumonia)」で、やたらCOVID-19が引っかかるようになったのです。現在、約5万件がヒットしますが、2020年にいきなり3倍に増えているのです。グラフがビューン。細かくみると、この多くがCOVID-19 pneumoniaによる増加だとわかります(矢印)。画像を拡大する…というわけで、COVID-19の論文が量産され過ぎている現状が透けて見えるわけです。アクセプトの閾値が下がっているため、査読リテラシーが問われる案件であると危惧しております。ひどいものでは、「COVID-19時代の原因不明の肺炎」(中身を見てみるとPCR陰性で病原微生物がよくわからなかったというヒドイもの)という論文もあって、よくこんな論文をアクセプトしたなぁと感心するものもありました。

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新型コロナ、トイレでの感染リスクは?

 中国・江蘇省疾病予防管理センターの研究者らが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者専用病院内のトイレとトイレ以外での新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の検出状況を調査するため、環境サンプリングを収集し、環境要因を分析した。その結果、SARS-CoV-2陽性を示した4点のサンプルはすべて患者トイレに関連するもので、病棟のドアハンドル、便座カバー、バスルームのドアハンドルから検出された。Science of The Total Environment誌2021年1月20日号掲載の報告。 研究者らはCOVID-19データとして気流及びCO2濃度の測定を実施。表面サンプルを107点(隔離室のトイレ:37点、隔離室のトイレ以外:34点、院内隔離室外のトイレ以外の表面:36点)、空気サンプルを46点、隔離室(1部屋3ベッド)内外の呼気凝縮液サンプルと呼気サンプルを2点ずつ収集し、分析した。 主な結果は以下のとおり。・陽性を示したサンプル4点のうち、3点は弱い陽性で、便座、洗面台のタップレバー、バスルームの天井排気ルーバーから収集したものだった。・空気サンプル46点のうち、廊下から収集された1点は弱い陽性だった。・呼気凝縮液サンプル2点と呼気サンプル2点はすべて陰性だった。・患者が使用したトイレのエアロゾル(糞便由来)には、院内で検出されたSARS-CoV-2のほとんどが含まれていた。 研究者らは、「今回の結果より、建物の環境設計と清掃習慣が見直されることとなった。また、患者介入する際には手指衛生とともにトイレ表面の定期消毒がCOVID-19対策として重要」としている。

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COVID-19の回復期血漿療法、高力価vs.低力価/NEJM

 人工呼吸器未装着の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者において、抗SARS-CoV-2 IgG抗体価が高い血漿の投与は低力価の血漿の投与と比較して、死亡リスクが低下することが明らかとなった。米国・メイヨー・クリニックのMichael J. Joyner氏らが、全米レジストリのCOVID-19回復期血漿拡大アクセスプログラムに参加した患者データを後ろ向きに解析し報告した。回復期血漿療法は、COVID-19から回復した患者の血漿に、SARS-CoV-2への治療用抗体が存在し、その血漿をレシピエントに投与可能であるという推定の下で、COVID-19の治療法として広く利用されている。しかし、高力価血漿が低力価血漿よりも死亡リスク低下と関連するかについては不明であった。NEJM誌オンライン版2021年1月13日号掲載の報告。全米レジストリ登録患者約3,000例を後ろ向きに解析 研究グループは、全米レジストリベースの後ろ向き研究で、回復期血漿の投与を受けたCOVID-19入院患者の抗SARS-CoV-2 IgG抗体価を測定し、抗体価と血漿投与後30日以内の死亡との関連を解析した。 解析には、2020年7月4日まで、またはプログラムの当初3ヵ月間に登録され、投与された血漿の抗SARS-CoV-2抗体価のデータと30日死亡に関するデータが利用可能であった3,082例(全米680の急性期施設から登録)が組み込まれた。 抗SARS-CoV-2 IgG抗体価は、シグナル/カットオフ値(S/CO)が<4.62を低力価、4.62~18.45を中力価、>18.45を高力価とした。高力価血漿群が低力価血漿群より30日死亡リスク34%低下 解析対象3,082例は、男性61%、黒人23%、ヒスパニック系37%、70歳未満が69%であり、3分の2が侵襲的人工呼吸器装着前に血漿投与を受けていた。登録施設当たりの患者数中央値は2例(IQR:1~6)。低力価群(561例)、中力価群(2,006例)、高力価群(515例)の3群間の、人口統計学的特性、COVID-19との関連リスク因子、COVID-19の治療薬の併用使用は概して似通っていた。 血漿投与後30日以内の死亡は、高力価群で515例中115例(22.3%)、中力価群で2,006例中549例(27.4%)、低力価群で561例中166例(29.6%)に発生した。 抗SARS-CoV-2抗体価とCOVID-19による死亡リスクとの関連は、人工呼吸器の装着の有無で異なっていた。低力価群に対する高力価群の30日死亡リスク低下は、血漿投与前に人工呼吸器を装着していなかった患者で確認され(相対リスク[RR]:0.66、95%信頼区間[CI]:0.48~0.91)、人工呼吸器を装着していた患者では死亡リスクへの影響は認められなかった(RR:1.02、95%CI:0.78~1.32)。

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COVID-19、半年後も6割強に倦怠感・筋力低下/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で急性症状を呈した入院患者は、退院後6ヵ月時点で、主に倦怠感・筋力低下、睡眠困難、不安・うつに悩まされていることが明らかにされた。中国・Jin Yin-tan病院(武漢市)のChaolin Huang氏らが、1,733例の入院患者についてフォローアップ試験を行い明らかにした。COVID-19の長期的な健康への影響はほとんど明らかになっていないが、今回の検討では、入院中の症状が重症だった患者について、肺の拡散障害および画像所見の異常がより深刻であることも示され、著者は「これらの集団が、長期的な回復介入を必要とする主なターゲット集団である」と述べている。Lancet誌2021年1月8日号掲載の報告。退院後の症状の聞き取り、6分間歩行テスト、血液検査などを実施 研究グループは、COVID-19退院患者の長期的な健康への影響を明らかにし、関連するリスク因子、とくに疾患重症度を調べるため、2020年1月7日~5月29日に武漢市のJin Yin-tan病院から退院したCOVID-19患者を対象に、前後両方向コホート試験を行った。調査から除外されたのは、フォローアップ前に死亡、精神病性障害、認知症、または再入院のためフォローアップが困難、骨関節症で移動が困難、退院前後に脳卒中や肺塞栓症などの疾患により寝たきりの状態、試験参加を拒否、連絡が不可能、武漢市外に居住または介護・福祉施設に入居の患者すべてであった。 全対象患者に対し、退院後の症状、健康関連の生活の質(QOL)などに関する質問と、身体検査、6分間歩行テスト、血液検査を実施。層別任意不均等抽出法を用いて、被験者を入院中の重症度スケール(7段階評価)に応じて規定した3群(スケール3[酸素補給不要]、4[酸素補給を要する]、5~6[5:高流量鼻カニューレ、非侵襲的人工換気を要する、6:体外式膜型人工肺、侵襲的人工換気を要する])に分類し、肺機能検査、胸部高分解能CT、超音波検査を行った。Lopinavir Trial for Suppression of SARS-CoV-2 in China(LOTUS)試験に登録していた患者は、試験期間中にSARS-CoV-2抗体検査を受けていた。 多変量補整線形またはロジスティック回帰モデルを用いて、重症度と長期健康アウトカムの関連を検証した。入院中に重症だと、倦怠感/筋力低下リスクは約2.7倍に 試験期間中に退院した2,469例のうち、1,733例が同試験に参加した。被験者の年齢中央値は57.0歳(IQR:47.0~65.0)、男性は897例(52%)だった。フォローアップ検査は2020年6月16日~9月3日に行われ、症状発症後の追跡期間中央値は186.0日(IQR:175.0~199.0)だった。 最も多くの患者に認められた症状は、倦怠感または筋力低下(63%、1,038/1,655例)、睡眠困難(26%、437/1,655例)だった。不安やうつ症状も23%(367/1,617例)報告された。 6分間歩行テストの結果が正常値の下限を下回った割合は、入院中の症状重症度スケール3群で24%、同4群で22%、5~6群で29%だった。拡散障害はそれぞれ22%、29%、56%で、CTスコア中央値はそれぞれ3.0(IQR:2.0~5.0)、4.0(3.0~5.0)、5.0(4.0~6.0)だった。 多変量補整後、拡散障害発症に関するオッズ比(OR)は、重症度スケール3群に比べて、4群1.61(95%信頼区間[CI]:0.80~3.25)、5~6群4.60(1.85~11.48)だった。不安またはうつ症状のORは、それぞれ0.88(0.66~1.17)、1.77(1.05~2.97)であり、倦怠感または筋力低下のORはそれぞれ0.74(0.58~0.96)、2.69(1.46~4.96)だった。 フォローアップ時に抗体検査を受けていた94例において、血清陽性率(96.2% vs.58.5%)、中和抗体力価の中央値(19.0 vs.10.0)はいずれも急性期と比較して有意に低かった。 また、急性期に腎障害はなかったがeGFR値が90mL/分/1.73m2以上だった患者822例のうち、フォローアップ時のeGFR値が90mL/分/1.73m2以下だった患者は107例だった。

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COVID-19、重症患者で皮膚粘膜疾患が顕著

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者の皮膚症状に関する報告が寄せられた。これまで皮膚粘膜疾患とCOVID-19の臨床経過との関連についての情報は限定的であったが、米国・Donald and Barbara Zucker School of Medicine at Hofstra/NorthwellのSergey Rekhtman氏らが、COVID-19入院成人患者296例における発疹症状と関連する臨床経過との関連を調べた結果、同患者で明らかな皮膚粘膜疾患のパターンが認められ、皮膚粘膜疾患があるとより重症の臨床経過をたどる可能性が示されたという。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年12月24日号掲載の報告。COVID-19入院成人患者296例のうち35例が少なくとも1つの疾患関連の発疹 研究グループは2020年5月11日~6月15日に、HMO組織Northwell Health傘下の2つの3次医療機能病院で前向きコホート研究を行い、COVID-19入院成人患者における、皮膚粘膜疾患の有病率を推算し、形態学的パターンを特徴付け、臨床経過との関連を描出した。ただし本検討では、皮膚生検は行われていない。 COVID-19入院成人患者の発疹症状と臨床経過との関連を調べた主な結果は以下のとおり。・COVID-19入院成人患者296例のうち、35例(11.8%)が少なくとも1つの疾患関連の発疹を呈した。・形態学的パターンとして、潰瘍(13/35例、37.1%)、紫斑(9/35例、25.7%)、壊死(5/35例、14.3%)、非特異的紅斑(4/35例、11.4%)、麻疹様発疹(4/35例、11.4%)、紫斑様病変(4/35例、11.4%)、小水疱(1/35例、2.9%)などが認められた。・解剖学的部位特異性も認められ、潰瘍(13例)は顔・口唇または舌に、紫斑病変(9例)は四肢に、壊死(5例)は爪先に認められた。・皮膚粘膜症状を有する患者は有さない患者と比較して、人工呼吸器使用(61% vs.30%)、昇圧薬使用(77% vs.33%)、透析導入(31% vs.9%)、血栓症あり(17% vs.11%)、院内死亡(34% vs.12%)において、より割合が高かった。・皮膚粘膜疾患を有する患者は、人工呼吸器使用率が有意に高率であった(補正後有病率比[PR]:1.98、95%信頼区間[CI]:1.37~2.86、p<0.001)。・その他のアウトカムに関する差異は、共変量補正後は減弱し、統計的有意性は認められなかった。

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コロナ病床は簡単には増やせない、医療壊滅を防ぐために/日医

 感染者数の増加が続き、各地で医療体制のひっ迫が叫ばれる中、日本の医療体制の在り方についても様々な意見が報道・発信されている。1月13日の日本医師会定例記者会見において、中川 俊男会長は改めて国民に対し協力を要請するとともに、日本の医療提供体制の現状を説明し、日医として引き続き行っていく働きかけ、施策について説明した。民間病院の新型コロナ患者受け入れが約20%である背景 公立・公的等病院の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)受け入れ割合が約70~80%である一方、民間病院が約20%というデータに対し、より多くの民間病院が新型コロナ患者を受け入れるべきという意見がある。中川氏は、「医療を必要とするのは新型コロナ患者だけではない。民間病院の多くは、新型コロナ以外の救急・入院が必要な患者への医療を、それぞれの地域で担っている」と民間病院が新型コロナ診療を含む地域医療を面で支えていることを強調した。 加えて、新型コロナ患者向けの病床を大幅に増やせない要因として、民間病院は、三次救急を担う公立・公的等に比べてICU等の設置数が少なく、専門の医療従事者がおらず、病床数が数床規模の場合がほとんどで動線の分離が難しいことなどを挙げた。 このまま感染者数の増加が続けば、必要な時に適切な医療を提供できない「医療崩壊」から必要な時に医療自体を提供できない「医療壊滅」に至るとし、「地域の医療提供体制は、新型コロナウイルス感染症の医療とそれ以外の通常の医療が両立してこそ機能していると言える」と強調。首都圏などにおいて、心筋梗塞や脳卒中患者の受け入れ先が見つからず、がんの手術が延期されるなどが現実化しており、一部ではすでに医療崩壊の状態であるとした。宿泊療養・自宅療養者のフォローアップに注力が必要 日本医師会としては、「必要な地域で1床でも多くの新型コロナ病床の確保が可能となるよう努力していくことには変わりない」と話し、加えて、宿泊療養・自宅療養者の健康フォローアップがより重要となってきているとした。 昨年4月以降、日本医師会では各地の医師会が組織する新型コロナウイルス感染症版の災害医療チーム「COVID19-JMAT」(1月12日現在、医師10,191名をはじめ延べ27,291名)を、宿泊療養施設や地域外来・検査センター等へ派遣しているほか、行政などからの求めに応じ電話やオンラインを利用した、宿泊療養・自宅療養者の健康フォローアップへの協力を行っている。中川氏はこれを改めて働きかけていくと話した。医師がコーディネーターとして機能、保健所の負担軽減が実現した好事例も 続いて登壇した釜萢 敏常任理事は、「年末年始の医療提供体制等に関する調査」の結果について報告。同調査は、年末年始における各地の医療提供体制の構築状況や問題点を把握するために都道府県/群市区医師会に対し昨年末時点で実施したもの。年末年始の医療提供体制の構築状況について聞いたところ、都道府県医師会では約80%、郡市区医師会では約60%、構築されているとの回答であった。 具体的な対応としては、各医療機関が「診療・検査医療機関」として機能するよう準備・調整、休日診療所や急患センターの人員増強や発熱外来の設置、休日当番医の拡充、PCR検査センターの設置、年末年始に従事する人員の増強、初期救急の実施、検査機器の導入、公立病院への応援医師の派遣などが挙げられた。 年末年始に限らない今後の課題として、釜萢氏は人材不足が主要因となり、「医療機関および保健所において、相談・受診をした患者への適切なトリアージが滞っている」「保健所・行政と医師会との連携がうまくいっていない」ケースがあることを挙げた。また、患者の宿泊療養施設が確保されていない地域が少なくないことに触れ、「厚生労働省と課題を共有し、きめ細かい対応に努めていく」と話した。 一方で同調査には、呼吸器感染症の専門医(民間大学教授)にコーディネーター(キーマン)役を依頼し、全患者の各医療機関と宿泊療養施設間の振り分けを依頼することで患者の状態に応じた転院がスムーズに行われているといった好事例の報告もあった。

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第38回 新型コロナワクチン接種開始に向けた具体的なスケジュール

<先週の動き>1.新型コロナワクチン接種開始に向けた具体的なスケジュール2.医師免許のマイナンバーカード搭載、2024年度から運用開始3.処方箋も紙から電子へ、2022年夏までにシステムを構築4.特別措置法と感染症法改正、通常国会に向けた尾身分科会長の基本方針5.今季のインフルエンザ141例、過去5年で最小/JMIRI6.コロナウイルスの猛威、老人福祉・介護事業者を直撃1.新型コロナワクチン接種開始に向けた具体的なスケジュール厚生労働省は、各都道府県に対し、通知「医療従事者等への新型コロナウイルス感染症に係る予防接種を行う体制の構築について」を発出した。医療従事者へのワクチンは、一般の接種と同様に市町村が主体となり、契約を締結した医療機関などにおいて実施されることとなった。対象となる「医療従事者等」には、以下が含まれる見込みである。1)病院、診療所において、新型コロナウイルス感染症患者(疑い患者を含む、以下同様)に頻繁に接する機会のある医師、その他の職員。2)薬局において、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する機会のある薬剤師その他の職員(登録販売者を含む)。3)新型コロナウイルス感染症患者を搬送する救急隊員など、海上保安庁職員、自衛隊職員。4)自治体などの新型コロナウイルス感染症対策業務において、新型コロナウイルス感染症患者に頻繁に接する業務を行う者。なお、(1)(2)は医療関係団体が、(3)(4)は都道府県が取りまとめを行う。接種場所については、全国で1,500施設に2月末までにディープフリーザーを配置するとされ、その配置先を「基本型接種施設」として接種を実施するほか、近隣に所在し、当該施設から冷蔵でワクチンの移送を受ける「連携型接種施設」において接種を実施することとなる。在庫管理などには、ワクチン接種円滑化システム(V-SYS)が用いられる。接種開始に向けた具体的な作業期限も1月末~2月上旬に定められ、各自治体や医師会、歯科医師会、薬剤師会、病院団体など地域の医療関係団体は体制整備を急ぐ必要がある。(参考)医療従事者等への新型コロナウイルス感染症に係る予防接種を行う体制の構築について(健健発0108第1号 令和3年1月8日)(厚労省)「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に係る手引き(初版)」(同)ワクチン接種、全国1万か所拠点に…氷点下75度の超低温冷凍庫を配備(読売新聞)2.医師免許のマイナンバーカード搭載、2024年度から運用開始厚労省は「社会保障に係る資格におけるマイナンバー制度利活用に関する検討会」の報告書を公表した。社会保障に係る31資格におけるマイナンバー制度の利活用に関して、届出の簡素化およびオンライン化、マイナポータルを活用した資格保有の証明、提示、人材活用などについてこれまでの議論をまとめている。今後、新規資格取得者については、各資格団体や事業者団体の協力を得て、免許証など申請書の提出時にマイナンバーの提供を求める呼び掛けが行われることになる。なお、実際の運用はデジタル・ガバメント実行計画に基づいて、2024年度に開始される見込み。(参考)「社会保障に係る資格におけるマイナンバー制度利活用に関する検討会 報告書」を公表します(厚労省)医師免許もマイナンバーカードに デジタル改革関連6法案の全容判明(産経新聞)3.処方箋も紙から電子へ、2022年夏までにシステム構築1月13日に開催された、第139回社会保障審議会医療保険部会において、電子処方箋の仕組みの構築について討論された。電子処方箋については、現在、導入を進めているオンライン資格確認の基盤を活用して2022年夏頃を目処に構築する。これにより、待ち時間の短縮や直近の処方・調剤情報の参照、重複投薬防止などメリットが期待される。運営主体は社会保険診療報酬支払基金および国民健康保険中央会があたり、すべての機能が稼働する2023年度でおよそ9.8億円の運用費用が見込まれている。一方、医療機関・薬局におけるオンライン資格確認の普及状況は、顔認証付きカードリーダー申し込み数が22万8,321施設中4万8,866施設(21.4%)であり、病院が29.4%に対して、医科診療所は14.5%と、クリニックなどで申請が遅れていることが明らかとなった。なお、公的医療機関などにおける申込率は、国立病院機構97.1%、労働者健康安全機構100%、JCHO98.2%と対照的であった。これに対して、周知が不十分であることや、マイナンバーカードの普及率が伸び悩んでいる現状での様子見、新型コロナウイルス感染症の影響もあるとし、追加的な財政支援策を周知するために、全医療機関などに対してリーフレットを再送付するなど働きかけを実施する予定。(参考)電子処方箋の仕組みの構築について(厚労省)オンライン資格確認導入に向けた準備作業の手引き(医療機関・薬局の方々へ)(同)4.特別措置法と感染症法改正、通常国会に向けた尾身分科会長の基本方針18日に召集される通常国会で、政府は、新型コロナウイルス対策の実効性を高めるための特別措置法や感染症法の改正案を提出する見通しとなっている。これに先立ち、15日の新型コロナウイルス感染症対策分科会で、尾身分科会長から提言について基本方針が示された。コロナウイルス患者の急増に対して、直ちに取り組むべき課題として、基本原則の維持を大前提としつつ、特別措置法は、都道府県知事からの要請にも十分な協力を得られるように早期に結論を出すことなどを求めた。感染症法でも、医療提供体制に関して、病床確保や入院調整については都道府県が総合調整の役割を果たすべきであり、入院の総合調整は都道府県の役割であることを法律上明確にするほか、クラスター発生時の人材派遣のあり方についてもより効率的・効果的な仕組みを検討する必要があるとした。(参考)新型インフルエンザ等対策特別措置法及び感染症法の改正に関しての基本的な考え(案)(尾身分科会長 提出資料)政府 通常国会にコロナ特別措置法改正案など63法案提出へ(NHK)5.今季のインフルエンザ141例、過去5年で最小/JMIRI今シーズンのインフルエンザの患者数は202年12月時点で2019年12月と比較して338分の1の141例と、過去5年で最小であることが明らかとなった。調剤薬局の処方データを元に処方箋データベースを運用、解析している医療情報総合研究所(通称JMIRI)が14日に発表した調査結果によると、とくに10歳未満のインフルエンザ患者数が激減していることからも、手洗いうがいなどの推奨により、保育園や幼稚園などで感染拡大が抑えられていることがわかる。例年インフルエンザは1~2月にかけて感染のピークを迎えるため、引き続き注意が必要であるが、コロナウイルス感染対策によって、この傾向が続くと見られる。(参考)インフルエンザ患者数は前年同月比 338 分の1 未成年、特に10歳未満のインフルエンザ患者数が大幅に減少~JMIRI 処方情報データベースにおける調査より~(医療情報総合研究所)20年12月 インフルエンザの流行みられず 患者数、直近5年間平均の169分の1 JMIRI調べ(ミクスオンライン)6.老人福祉・介護事業者の倒産件数、2000年以降最多2020年の老人福祉・介護事業の倒産件数が118件と、2000年の介護保険法施行以降で過去最多であることが明らかとなった。新型コロナウイルス感染拡大で、サービス利用者が減少し、さらに人手不足などによる経営状況の悪化が引き金となったとみられる。業種別では、「訪問介護事業」が56件と半数近く、負債総額はほとんどが1億円未満であり、経営基盤が脆弱なところが多かった。厚労省は2021年度の介護報酬を0.7%引き上げ、介護サービス事業者の経営を支援する方針だが、今年に入ってもコロナウイルス感染拡大が続き、経営の見通しは決して明るくない。今後、介護サービス提供の現場では、さらなる支援を求める声が上がると思われる。(参考)2020年「老人福祉・介護事業」の倒産状況(東京商工リサーチ)東京商工リサーチ、2020年「老人福祉・介護事業」の倒産状況調査結果を発表(日経新聞)

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インフルエンザ【今、知っておきたいワクチンの話】各論 第6回

今回は、ワクチンで予防できる疾患、VPD(vaccine preventable disease)として、「インフルエンザ」を取り上げる。ワクチンで予防できる疾患インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症であり、わが国では毎年12月〜3月頃に流行する。感染経路は飛沫感染や接触感染であり、発熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛や関節痛が出現し、鼻汁や咳などの呼吸器症状が続くが、いわゆるかぜ症候群と比較して、全身状態が強いことが特徴である。多くは自然回復するが、肺炎、気管支炎、中耳炎、急性脳症などを合併し重症化することもある。免疫が不十分な乳幼児や高齢者、基礎疾患のある場合は、特に重症化しやすいため注意が必要である。手洗いや咳エチケットによる感染対策に加え、ワクチンによる予防が重要な疾患である。ワクチンの概要インフルエンザワクチンの概要を表1に示す。インフルエンザは毎年流行する株が異なることから、WHO(世界保健機関)が推奨する株の中から、期待される有効性や供給可能量などを踏まえた上で、A型2亜型とB型2系統による4価ワクチンが製造されている。表1 インフルエンザワクチン画像を拡大する1)ワクチンの効果インフルエンザウイルスが体内に侵入し(感染)、体内でウイルスが増殖することによって一定の潜伏期間を経た後に症状が出現(発病)する。多くは自然回復するが一部は重い合併症を起こし死亡する場合もある(重症化)。インフルエンザワクチンは、ウイルスの“感染”を完全に抑えることは難しく、“発病”については一定の効果が認められているが麻疹風疹ワクチンのような高い効果はない。最も大きな効果は“重症化”を予防することである。国内の研究では、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者において34〜55%の発病を予防し、82%の死亡を阻止する効果があるとされており、6歳未満の小児を対象とした2015/16シーズンの研究では発病防止に対するインフルエンザワクチンの有効性は約60%と報告されている1)。2)集団免疫による効果図1はある集団における感染症の広がりを示している2)。青は免疫を持っていなくて健康な人、黄は免疫を持っていて健康な人、赤は免疫を持っていなくて感染してしまい感染力のある人である。すべての人が免疫を持っていない集団では、感染力のある人が加わるとあっという間に感染は拡大してしまう(上段)。数名しか免疫を持っていない集団では、感染症は免疫を持っていない人を介して拡大する(中央)。しかし、免疫を持っている人が大多数を占める集団では、感染は広がりにくく、免疫を持っていない少数の人にも感染しにくくなる(下段)。この効果を“集団免疫”という。インフルエンザワクチンには個々の感染、発病予防に対する効果は限定的であるが、多くの人がワクチン接種を行うことにより、集団における感染拡大、重症化予防につながるのである。図1 集団免疫による効果画像を拡大する3)接種対象者生後6ヵ月以上のすべての人が接種対象となるが、乳幼児、高齢者、基礎疾患のある人は重症化リスクが高いため特に推奨される。また、これらの人にうつす可能性がある人(家族、医療従事者、介護者、保育士など)に対しても接種が推奨される。わが国においては、65歳以上の高齢者、もしくは60〜64歳未満で心臓、腎臓もしくは呼吸器の機能障害があって身の回りの生活が極度に制限される人、あるいはヒト免疫不全ウイルスにより免疫機能に障害があって日常生活がほとんど不可能な人は、予防接種法に基づく定期接種の対象となっている。4)接種禁忌と卵アレルギーへの対応インフルエンザワクチンによるアナフィラキシーの既往がある場合を除いて、ほとんどの人が問題なく接種可能である。ワクチンの製造過程で卵白成分が使用されていたため、以前は卵アレルギーがある場合には要注意とされていたが、卵アレルギーのある人に重度のアレルギー反応が起こる可能性が低いことがわかっており、現在では軽度の卵アレルギーでは通常通り接種でき、重症卵アレルギーのある場合でもアレルギー対応可能な医療機関であれば接種可能とされている3)。接種スケジュール(接種時期・接種回数)インフルエンザワクチンの効果持続期間は2週間〜5ヵ月程度である。毎年流行するピークの時期は異なるが、おおよそ12月〜3月に流行するため、10月〜11月頃に接種することが望ましい。わが国におけるインフルエンザワクチン接種量と接種回数については表2の通りである。6ヵ月〜13歳未満は2回接種、13歳以上は1回接種が基本とされているが、諸外国における接種方法とは異なっている。世界保健機関(WHO)においては9歳以上の小児および健康成人では1回接種が適切である旨の見解が示されており、米国予防接種諮問委員会(ACIP)も、9歳以上は1回接種とし、生後6ヵ月〜8歳未満の乳幼児についても前年度2回接種していれば、次年度は1回のみの接種で良いとされている4)。なお、接種回数と効果に関しては、日本のインフルエンザワクチン添付文書において、6ヵ月〜3歳未満では2回接種による抗体価の上昇が認められたものの、3〜13歳未満では1回接種と2回接種とで免疫にほぼ差がなかったというデータが示されている(図2)。表2 わが国におけるインフルエンザワクチン接種量と接種回数画像を拡大する図2 年齢別中和抗体陽転率画像を拡大する日常診療で役立つポイント「ワクチン接種してもインフルエンザにかかったため、効果がないのではないか?」「一度もインフルエンザにかかったことがないから自分は大丈夫」などという理由で、ワクチン接種を希望しないケースも少なくない。前述のように個人免疫としての効果は限定的であるが、重症化しやすい集団を守るためにも、集団免疫の効果について丁寧に説明してワクチン接種につなげていきたい。接種回数については意見が分かれるところであるが、9歳以上は1回接種でも問題がなく、9歳未満の小児においても、3歳以上の場合には前年2回接種していれば1回接種でも良いかもしれない。このあたりについては、本人および家族の希望に加えて、ワクチンの需要と供給のバランスをふまえて、できるだけ多くの人がワクチン接種を受けられるように個々での判断が求められる。今後の課題・展望2020/21シーズンにおいては、インフルエンザと新型コロナウイルス感染症との同時流行が危惧されており、発熱患者の判断について困難が生じてくるものと予想される。現時点において新型コロナウイルス感染症はワクチンでの予防が難しいため、ワクチンのあるインフルエンザの流行をできる限り抑えることが重要である。インフルエンザの感染拡大、重症化予防のためにも、できるだけ多くの人に対して積極的にワクチン接種を行い、地域における集団免疫を獲得できるようにして頂きたい。参考となるサイトこどもとおとなのワクチンサイト予防接種に関するQ&A集.日本ワクチン産業協会1)インフルエンザQ&A.厚生労働省2)Building Trust in Vaccines.NIH(アメリカ国立衛生研究所).3)Flu Vaccine and People with egg allergies.CDC(米国疾病管理予防センター).4)Grohskopf LA,et al. MMWR Recomm Rep.2020;69:1-24.5)インフルエンザHAワクチン(商品名:ビケンHA)添付文書講師紹介

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COVID-19の家庭内感染のリスク因子~54研究のメタ解析

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の家庭(同居世帯)内の感染リスクは、他のコロナウイルス(SARS-CoV、MERS-CoV)より2~4倍高く、「初発患者が症状あり」「接触者が18歳以上」「初発患者の配偶者」「家庭内の接触人数が1人」がリスク因子であることが、米国・フロリダ大学のZachary J. Madewell氏らのメタ解析で示された。JAMA Network Open誌2020年12月14日号に掲載。 著者らは、PubMedにおいて2020年10月19日までの論文を検索し、系統的レビューおよびメタ解析を行った。主要評価項目は、SARS-CoV-2および他のコロナウイルスにおける、共変量(接触者が家庭もしくは別居家族を含めた家族、初発患者の症状の有無、初発患者が18歳以上もしくは18歳未満、接触者の性別、初発患者との関係、初発患者が成人もしくは子供、初発患者の性別、家庭内の接触人数)で分類し推定した2次発症率。 主な結果は以下のとおり。・家庭内2次発症者7万7,758例を報告した54研究を特定した。・SARS-CoV-2の推定家庭内2次発症率(95%信頼区間)は16.6%(14.0~19.3)で、SARS-CoVの7.5%(4.8~10.7)およびMERS-CoVの4.7%(0.9~10.7)より高かった。・家庭内2次発症率(95%信頼区間)に差がみられた共変量は以下のとおり。 - 初発患者の症状:あり 18.0%(14.2~22.1)、なし 0.7%(0~4.9) - 接触者の年齢:18歳以上 28.3%(20.2~37.1)、18歳未満 16.8%(12.3~21.7) - 初発患者との関係:配偶者 37.8%(25.8~50.5)、他の家族 17.8%(11.7~24.8) - 家庭内の接触人数:1人 41.5%(31.7~51.7)、3人以上 22.8%(13.6〜33.5) 著者らは「感染が疑われる、または確認された人が自宅隔離されていることを考えると、家庭がSARS-CoV-2感染の重要な場となり続けることが示唆される」としている。

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新型コロナ、再入院しやすい患者の特徴は?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の初発感染で入退院した患者のうち、9%が退院後2ヵ月以内に同じ病院に再入院していたことが明らかになった。また、複数の病院で患者の1.6%が再入院していた。再入院の危険因子には、65歳以上、特定の慢性疾患の既往、COVID-19による初回入院以前の3ヵ月以内の入院、高度看護施設(SNF:skilled nursing facility)への退院または在宅医療への切り替えが含まれていた。米国疾病予防管理センター(CDC)のMorbidity and Mortality Weekly Report(MMWR)11月13日号での報告。 CDC研究班は、Premier Healthcare Database の電子健康記録と管理データを使用し、退院、再入院のパターン、およびCOVID-19による初回入退院後の再入院に関連する人口統計学的および臨床的特徴を評価した。 主な結果は以下のとおり。・2020年3~7月の期間にCOVID-19で初回入院した12万6,137例のうち、15%が初回入院中に死亡した。・生存患者10万6,543例(85%)のうち、9,504例(9%)は、2020年8月までの退院から2ヵ月以内に同じ病院に再入院していた。・初回入院後に退院した患者の1.6%で、複数回の再入院が発生した。・再入院は、自宅退院した患者(7%)よりも、SNFへ退院した患者(15%)、または在宅医療を要する患者(12%)でより頻繁に発生した。・65歳以上、特定の慢性疾患の既往、初回入院以前の3ヵ月以内の入院、および初回入院からの退院がSNFまたは在宅診療を要する退院であった場合、再入院の確率は年齢とともに増加した。 研究者らは、再入院の頻度とその危険因子を理解することで、臨床診療、退院の決定、およびCOVID-19患者の急性およびフォローアップケアに必要なリソースを確保するためのヘルスケア計画など、公衆衛生における優先順位を知ることができるとしている。

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