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EGFR-TKI耐性のNSCLCにおけるオシメルチニブ+savolitinibの成績:TATTON/WCLC2017

 EGFR-TKI治療で進行するNSCLC患者の約22%は、MET増幅または他のMETベースの耐性機構を有するとされる。MET増幅はまた、オシメルチニブの耐性獲得後にも多くみられる。METおよびEGFR阻害薬の組み合わせは有効な治療アプローチになると期待される。 MET陽性のEGFR変異陽性NSCLC患者における、オシルチニブとMET-TKI savolitinibの併用を評価した第I相b試験TATTONの用量漸増コホートでは、この併用が許容可能な安全性プロファイルと有効性を有していることを示した。横浜市で開催された第18回世界肺癌会議(WCLC)では、TATTONの拡張コホートにおけるオシメルチニブとsavolitinib併用の安全性および抗腫瘍活性の中間解析が、韓国・Samsung Medical CenterのMyung-Ju Ahn氏により発表された。 対象患者は、1回以上のEGFR-TKI治療を受けてPDとなった局所進行または転移性のEGFR変異陽性NSCLCで、MET陽性(蛍光in-situハイブリダイゼーション、MET geneコピー5以上またはMET/CEP7比2以上)の患者(18歳以上、WHO PS0~1)。主要評価項目は安全性と忍容性、副次評価項目は抗腫瘍活性(奏効率、奏効期間、腫瘍縮小サイズ)および薬物動態である。 データカットオフ時(2017年4月15日)、T790M陽性で第3世代EGFR-TKIの治療を受けた患者30例、T790M陽性で第3世代EGFR-TKI以外の前治療を受けた患者12例、T790M陰性で第3世代EGFR-TKI以外の前治療を受けた患者24例が登録され、オシメルチニブ80mg/日とsavolitinib 600mg/日の投与受けた。ベースラインでの患者の年齢中央値は58歳、女性が58%、アジア人が86%であった。 全Gradeの有害事象(AE)は92%に発現した(Grade2以下41%、3以上50%)。頻度の高い項目は、悪心44%、嘔吐35%、食欲不振30%、疲労30%、皮疹23%などであった。 中央評価でMET陽性の47例の中間解析の奏効率(ORR)は、全体で40%(19/47例)、T790M陽性で第3世代EGFR-TKI前治療群のORRは28%(7例/25例)、T790M陽性で第3世代EGFR-TKI以外の前治療群のORRは57%(4/7例)、T790M陰性で第3世代EGFR-TKI以外の前治療群のORRは57%(8/15例)であった。施設評価も含めた全MET陽性の64例のORRは、全体で47%(30/67例)、T790M陽性で第3世代EGFR-TKI前治療群のORRは33%(10/30例)、T790M陽性で第3世代EGFR-TKI以外の前治療群のORRは55%(6/11例)、T790M陰性で第3世代EGFR-TKI以外の前治療群のORRは61%(14/23例)であった。 savolitinibとオシメルチニブ併用の安全性プロファイルは以前の報告と一致していた。また、この併用は前治療における第3世代TKIの使用、および耐性後のT790M変異の状況を問わず、期待できる抗腫瘍効果をMET陽性患者で示した。

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がん治療の末梢神経障害、皮膚障害に指針/日本がんサポーティブケア学会

 Supportive care。日本では支持療法と訳されることが多い。しかし、本来のSupportive careは、心身の異常、症状の把握、がん治療に伴う副作用の予防、診断治療、それらのシステムの確立といった広い意味であり、支持療法より、むしろ支持医療が日本語における適切な表現である。2017年10月に行われた「第2回日本がんサポーティブケア学会学術集会」のプレスカンファレンスにおいて、日本がんサポーティブケア学会(JASCC)理事長 田村和夫氏はそう述べた。『がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き』発刊 JASCC神経障害部門部会長である東札幌病院 血液腫瘍科 平山泰生氏が『がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き』発刊について紹介した。 がん薬物療法の進化によるがんの治療成績向上と共に、抗がん剤による副作用も対処可能なものが増えてきている。しかし、本邦における4,000例以上のがん患者の追跡調査では、化学療法終了後1ヵ月以内の神経障害の発生頻度は7割、6ヵ月以降でも3割であった。神経障害はいまだに患者を苦しめているのが現状である。 この神経障害に対する有効な薬物は明らかではない。JASCCが行った調査では、がん専門医の神経障害に対する処方は、抗けいれん薬(97%)、ビタミンB12(78%)、漢方薬(61%)、その他抗うつ薬、消炎鎮痛薬、麻薬など、さまざまな薬剤を用いており、薬剤の有効性かわからない中、医療現場の混乱を示唆する結果となった。 一方、米国では2004年にASCOによる「化学療法による末梢神経障害の予防と治療ガイドライン」が発行されている。しかし、ビタミンB12、消炎鎮痛薬などの記載がないなど日本の状況とは合致していない。そのため、本邦の現状を反映した臨床指針が望まれていた。 Mindsの作成法に準じて作られた『がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き』では、この分野のエビデンスが少ないため、ガイドラインとは銘打たず"手引き"としている。同書には薬物の有効性に関するクリニカルクエスチョンも掲載されており、ビタミンB12、漢方、消炎鎮痛薬、麻薬など、日本でしか使われていないような薬剤についても記載がある。「がん薬物用法に伴う皮膚障害アトラス&マネジメント」出版を目指す JASCC皮膚障害部門部会長である国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科の山崎直也氏が「がん薬物用法に伴う皮膚障害アトラス&マネジメント」の出版について紹介した。 がん治療の外来への移行、抗がん剤開始時期の早期化、生存期間の延び、長期間にわたり社会と触れ合いながら治療を受けるがん患者が増えている。一方で、分子標的薬をはじめ、皮膚有害事象を発現する薬剤も増えている。このような社会で生きるがん患者にとって、アピアランスケアは非常に重要な問題である。 皮膚障害の治療に対するエビデンスは少なく、世界中が医療者の経験値で対応しているのが現状である。そのような中、昨年(2016年)がん患者の外見支援に関するガイドラインの構築に向けた研究班により「がん患者に対するアピアランスケアの手引き」が作成された。さらに、目で見てすぐわかる多職種の医療者に伝わるようなものをという考えから、JASCC皮膚障害部門を中心に「がん薬物用法に伴う皮膚障害アトラス&マネジメント」を作成している。 その中では、最近の分子標的薬の皮膚障害を中心に取り上げているが、治療進歩の速さを鑑み、免疫チェックポイント阻害薬についても収載。総論、発現薬剤といった基本的事項に加え、重要な重症度評価およびそれに対する診断・治療のポイントを、症状ごとに症例写真付きで具体的に説明している。年内には発売できる見込みだという。

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NSCLC1次治療におけるdurvalumab±tremelimumabと化学療法の併用/WCLC2017

 NSCLCにおいて、PD-1阻害薬の単独療法は化学療法と比べ、結果を改善した。また、免疫チェックポイント阻害剤とプラチナベースの化学療法の併用についても、前臨床および早期臨床データで相乗的な効果を示すことが確認され、この治療戦略もまた結果を改善する可能性があることを示唆している。 このCanadian Cancer Trials Groupによる試験では、治療歴のない転移性非小細胞肺がん患者に対する、抗PD-L1抗体durvalumab単独あるいはdurvalumab+抗CTLA-4抗体tremelimumabと化学療法の併用療法を評価している。試験の主要目的は、化学療法と併用したdurvalumab±tremelimumabの第II相推奨用量を確立することであった。副次目的には、安全性、忍容性、durvalumab±tremelimumab+化学療法の抗腫瘍活性など。 durvalumabとtremelimumab用量レベル(DL)は0~4に分類された(DL0:durvalumab15mg/kg 3週ごと、DL1:durvalumab 15mg/kg 3週ごと+tremelimumab 1mg/kg×1回、DL2a:durvalumab 15mg/kg 3週ごと+tremelimumab 1mg/kg×3回 6週ごと、DL3:durvalumab 1,125mg 3週ごと+tremelimumab 56mg×2回 3週ごと、DL4:durvalumab 1,500mg 3週ごと+tremelimumab 75mg×1回)。化学療法は非扁平上皮がんではペメトレキセド+シスプラチン/カルボプラチンにペメトレキセドの維持療法、扁平上皮がんではゲムシタビン+シスプラチン/カルボプラチンであった。 現在までに45例(平均年齢62歳、男性44%、前例ECOG PS1以下)が、ペメトレキセド+プラチナコホートで346サイクル、ゲムシタビン+プラチナコホートで55サイクル治療を受けた。 全体的にこれら治療レジメンの忍容性は高く、ほとんどの有害事象はGrade2以下であり、化学療法由来のものであった。用量と有害事象の相関は認められなかったが、tremelimumabの追加で免疫療法関連有害事象(irAE)が増加した。 中間解析において、ペメトレキセド+プラチナコホートの奏効率(ORR)は57.1%(39.4~73.7)、ゲムシタビン+プラチナコホートのORRは37.5%(8.5~75.5)であった。

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ALK/ROS1肺がんにおけるlorlatinibの国際第I相試験の結果/Lancet Oncol

 ALKまたはROS1非小細胞肺がん(NSCLC)の患者の多くは、TKI療法に感受性であるが通常は耐性となり、CNS転移も多い。この研究はALKまたはROS1変異陽性の進行NSCLCにおける既知の耐性について、前臨床で有望な活性を有し、脳移行性の高いALK・ROS1-TKIであるlorlatinibの安全性、有効性および薬物動態学的特性を分析することを目的としたもの。米国Massachusetts General HospitalのAlice T Shaw氏らによる報告がLancet Oncology誌に掲載された。 この国際多施設、オープンラベルシングルアーム第I相用量漸増試験の対象患者は、18歳以上のALKまたはROS1陽性の進行NSCLC患者。lorlatinibの用量は、10mg~200mg×1/日または35~100mg×2/日の経口投与で設定された。主要評価項目は、治験担当医評価による1サイクルの間の用量制限毒性、副次評価項目は安全性、薬物動態など。 主な結果は以下のとおり。・2014年1月22日~2015年7月10日までの間に54例の患者が登録された。・ALK陽性は41例/54例(77%)、ROS1陽性は12例/54例(23%)、不明1例であった。・28例/54例(52%)の患者が2つ以上のTKI治療を受け、39例/54例(72%)の患者がCNS転移を有していた。・頻度の高い治療関連有害事象は、高コレステロール血症72%、高トリグリセライド血症39%、末梢神経障39%、浮腫39%であった。・200mg投与で、1例の用量制限毒性が生じた(Grade2の神経認知有害事象による服用不可)。・最大耐性量は認められなかった。・第II相推奨用量は、1日1回100mg×1/日とされた。・ALK陽性患者の場合、奏効割合は46%。2つ以上のTKI治療を受けた患者では42%であった。・クリゾチニブの前治療患者7例を含むROS1陽性患者の奏効率は50%であった。 この第I相用量漸増試験では、ALK陽性またはROS1陽性の進行NSCLC患者においてlorlatinibが全身性および頭蓋内転移の双方に効果を示した。■参考NCT 01970865(Clinical Trials.gov)■関連記事lorlatinibのALK/ROS1陽性NSCLCにおける成績発表/WCLC2017第2世代ALK-TKI既治療のNSCLCにおけるlorlatinibの成績/ESMO2017第3世代ALK阻害薬lorlatinibの成績発表/ASCO2017

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3次治療以降の進行NSCLCへのdurvalumab単剤療法(ATLANTIC)/日本肺癌学会

 2レジメン以上の化学療法後に進行した非小細胞肺がん(NSCLC)患者への治療選択肢は少なく、予後は不良である。ATLANTIC試験は、プラチナベース化学療法を含む2レジメン以上の化学療法治療歴のある局所進行・転移性NSCLC患者(Stage IIIB~IV)を対象とした、抗PD-L1抗体durvalumabの第II相非盲検単群試験。第58回日本肺癌学会学術集会において、宮城県立がんセンターの前門戸 任氏が結果について発表した。 同試験は3つのコホートで行われた。コホート1(111例)はPD-L1発現が25%以上(ただし、開始当初は全患者が登録されていたため25%未満の患者が27%含まれ、それぞれ解析されている)、EGFR/ALK陽性の患者が対象。コホート2(265例)はPD-L1発現が25%以上および25%未満でEGFR/ALK陰性、コホート3(68例)はPD-L1発現が90%以上でEGFR/ALK陰性の患者が対象とされた。主要評価項目はRECIST v1.1による奏効率(ORR)で、副次評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、疾患制御率(DCR)、奏効期間(DoR)、安全性などであった。 PD-L1の発現状態およびdriver mutationごとにみた主な結果は以下の通り。・コホート1(EGFR/ALK陽性) PD-L1発現25%未満:ORR 3.6%、PFSの中央値 1.9ヵ月(95%信頼区間[CI]:1.8~1.9)、OSの 中央値 9.9ヵ月(95%CI:4.2~13.0)、1年生存率 40% PD-L1発現25%以上:ORR 12.2%、PFSの中央値 1.9ヵ月(95%CI:1.8~3.6)、OSの 中央値 13.3ヵ月(95%CI:8.1~NC)、1年生存率54.8% PD-L1発現25%以上でEGFR陽性:ORR 14.1%、PFSの中央値 2ヵ月(95%CI:1.8~3.7)、OSの 中央値 NR(95%CI:8.2~NC)、1年生存率 57.4% PD-L1発現25%以上でALK陽性:ORR 0%、PFSの中央値 1.8ヵ月(95%CI:0.5~1.9)、OSの中央値 6.3ヵ月(95%CI:0.9~NC)、1年生存率 35.7%・コホート2(EGFR/ALK陰性) PD-L1発現25%未満:ORR 7.5%、PFSの中央値 1.9ヵ月(95%CI:1.8~1.9)、OSの中央値 9.3ヵ月(95%CI:5.9~10.8)、1年生存率 34.5% PD-L1発現25%以上:ORR 16.4%、PFSの中央値 3.3ヵ月(95%CI:1.9~3.7)、OSの中央値 10.9ヵ月(95%CI:8.6~13.6)、1年生存率 47.7%・コホート3(EGFR/ALK陰性) PD-L1発現90%以上:ORR 30.9%、PFSの中央値 2.4ヵ月(95%CI:1.8~5.5)、OSの中央値 NR(95%CI:5.9~NC)、1年生存率 50.8% 有害事象については、Grade 3 以上の有害事象の発現率はコホート1で5.4%、コホート2で8.3%、コホート3で17.6%であった。免疫関連有害事象の発現率はそれぞれ12.6%、10.2%、20.6%。また最も多くみられた有害事象は甲状腺機能低下症で、それぞれ9.9%、4.9%、11.8%で発現した。■参考ATLANTIC試験(Clinical Trials.gov)

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治癒切除不能な進行胃がんや再発胃がんに対するニボルマブの有用性(解説:上村直実氏)-758

 話題となっている画期的な免疫チェックポイント阻害薬ニボルマブ(商品名:オプジーボ)は、2014年に悪性黒色腫に対する保険適用を取得し、その後、非小細胞肺がん・腎細胞がん・ホジキンリンパ腫・頭頸部がんおよびこの9月には胃がんに対する適応を取得した。さらに、食道がん・小細胞肺がん・肝細胞がん・子宮がん・卵巣がんなどに対して臨床治験中であり、多くの切除不能がん患者に対して福音を与えてくれる薬剤である。 本論文は、オプジーボの胃がんに対する有用性を示した報告である。標準治療が不応または不耐の切除不能な進行または再発胃がん患者(日本人・韓国人・台湾人)を対象とした国際共同第III相臨床試験において、平均生存期間がプラセボ投与群4.14ヵ月と比較してオプジーボ群5.26ヵ月で平均1.12ヵ月長く生存することができ、1年後の生存率もオプジーボ群26.2%がプラセボ群10.9%より有意に高値であった。 結果は予想どおりであるが、対象の主な包含基準が、20歳以上、2つ以上の化学療法が奏効しなかった切除不能な進行または再発の胃がん症例であり、かつECOG PS:0~1、すなわち通常の事務作業などが可能な元気な患者群を対象とした臨床試験である。登録された601名のうち最終的に被験者として適合したのは53歳から69歳の493名(82%)であった。したがって、本研究結果は「50歳から60歳代の切除不能ないしは再発胃がんで2つ以上のレジメンが奏効しなかった患者でかつPS1以下の元気な患者を対象とした研究においてオプジーボの有用性が示された」とされるものである。 わが国のがん診療の現場で遭遇する切除不能胃がん患者は「70歳以上で合併症を有し、かつPSが2以上の状態になっている患者」が多く、本研究の対象となっている患者群は少数派かもしれない。実際、検証精度の高さが求められる抗がん剤の臨床治験の対象は、年齢(75歳以下)やPS(0ないしは1)の適合基準および厳格な除外基準に適合する必要があるが、保険適用後の診療現場で使用される患者の多くは治験では除外基準に抵触するものが多い。RCTなどの研究デザインによりエビデンス・レベルの高さが決定される昨今であるが、患者に向き合う臨床医は、臨床研究の対象と実臨床の現場で遭遇する患者との乖離を理解した対応が必要である。

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NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブ単独治療のOS結果(KEYNOTE-024)/WCLC2017

 KEYNOTE-024試験は、未治療のPD-L1高発現(TPS≧50%)の転移性NSCLC患者305例を対象にペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)単独投与群(n=154)と標準治療のプラチナベース化学療法群(n=151)を比較した、国際無作為化オープンラベル第III相臨床試験。本年(2017年)9月の欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017 Congress)では、追跡期間11.2ヵ月の中間解析が発表され、ペムブロリズマブ群の有意なPFSの改善が報告されたが、全生存期間(OS)は未到達であった。10月に横浜で開催された第18回世界肺癌学会(WCLC2017)では、アップデートされたOSの結果が米国・The Sidney Kimmel Comprehensive Cancer CenterのJulie R Brahmer氏により発表された。 今回の報告は、追跡期間中央値25.2ヵ月の解析結果。OS中央値はペムブロリズマブ群30.0ヵ月(18.3~未到達)、化学療法群は14.2ヵ月(9.8~19.0)と、ペムブロリズマブ群で有意に死亡リスクが減少した(HR:0.63、95% CI:0.47~0.86、p=0.002)。奏効率はペムブロリズマブ群で45.5%(37.4~53.7)、化学療法群で29.8%(22.6~37.8)であった。奏効期間はペムブロリズマブ群では未到達(1.8+ヵ月~20.6+ヵ月)、化学療法群では7.1ヵ月(2.1+ヵ月~18.1+ヵ月)であった。 ペムブロリズマブの安全性は、転移性NSCLCのこれまでの試験と一貫していた。治療関連有害事象発生率はペムブロリズマブ群76.6%、化学療法群90.0%であった。ペムブロリズマブ群の免疫関連有害事象(irAE)発生率は33.8%、うちGrade3以上発生率は13.6%であった。irAEで多くみられるものは、甲状腺機能低下症、肺臓炎、甲状腺機能亢進症、重篤な皮膚毒性、infusion reactionであった。■参考KEYNOTE-024試験(Clinical Trials.gov)MSD株式会社ニュースリリース■関連記事PD-L1高発現NSCLC1次治療、ペムブロリズマブKEYNOTE-024試験の日本人データ/日本臨床腫瘍学会PD-L1高発現NSCLCの初回治療はペムブロリズマブ?KEYNOTE-024のPFS2データ/ASCO2017

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lorlatinibのALK/ROS1陽性NSCLCにおける成績発表/WCLC2017

 lorlatinibは、高い選択性と強力な活性を持ち、良好な脳浸透性を示す次世代ALK/ROS1-TKIである。とくにALKキナーゼ領域の変異に対する活性が知られており、第1世代、第2世代ALK-TKI後に発現するG1202Rなどの耐性変異に対し、最も広いスペクトラムを有する。横浜で開催された第18回世界肺がん学会(WCLC)では、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのBenjamin J Solomon氏が、lorlatinibの第II相試験の主要な結果について発表した。 この第II相試験(NCT 01970865)は、6つの拡大コホート(EXP1~6)で行われている。ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)は前治療歴に応じてEXP1~5で評価され、ROS1陽性NSCLCは前治療歴にかかわらずEXP6で評価された。今回の発表は、EXP6を含む全コホートの解析である。同試験の主要評価項目は、独立評価委員会(IRC)による客観的奏効率(ORR)と頭蓋内ORR(IC ORR)。副次評価項目は、安全性と忍容性、患者報告アウトカム(PRO)などであった。 全体で275例の患者が登録され、ベースライン時に165例が脳転移を有していた。コホート別、またクリゾチニブとその他のTKIによる前治療歴ごとに解析されたORR、IC ORRは以下の通り。・ALK陽性、未治療(EXP1):ORR 90%、IC ORR 75%・ALK陽性、前治療クリゾチニブ±化学療法(EXP2+EXP3A):ORR 69%、IC ORR 68%・ALK陽性、前治療クリゾチニブ以外のTKI±化学療法(EXP3B):ORR 33%、IC ORR 42%・ALK陽性、前治療クリゾチニブ以外のTKIを2~3ライン±化学療法(EXP4+EXP5):ORR 39%、IC ORR 48%・ROS1陽性(EXP6):ORR 36%、IC ORR 56% なお、EXP2~5で19例がG1202R変異を有しており、11 例(58%)で応答が確認された。 全コホートの治療関連有害事象(AE)発現率は、95%。Grade3/4のAEは41%の患者で発現した。AEによる投与延期は30%、減量は22%、治療中止は7例(3%)、死亡例はなかった。発現頻度が高い項目は、高脂血症(81%)、高トリグリセライド血症(60%)であった。 現在、ALK陽性NSCLC の1次治療での有効性をクリゾチニブと比較する、第III相試験(NCT 03052608)が進行中である。■参考NCT 01970865(Clinical Trials.gov)NCT 03052608(Clinical Trials.gov)■関連記事第2世代ALK-TKI既治療のNSCLCにおけるlorlatinibの成績/ESMO2017 第3世代ALK阻害薬lorlatinibの成績発表/ASCO2017 次世代ALK/ROS1阻害剤lorlatinib、ALK肺がんでFDAのブレークスルー・セラピー指定

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BRCA1レベルに基づくNSCLCアジュバントは生存率を上昇させたか(SCAT)/WCLC2017

 Stage II~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)切除患者では、プラチナベースの術後補助化学療法が標準治療である。しかし、他レジメンとの直接比較研究はない。一方、BRCA1は、二本鎖DNA切断を修復する作用を有し、またその発現レベルにより予後および効果予測因子ともなる。SCAT研究は、BRCA1発現レベルに基づき個別化した術後補助化学療法が上記患者の生存率を改善するかを評価したSpanish Lung Cancer Cooperative Groupの試験。横浜市で開催された第18回世界肺癌会議(WCLC)において、スペイン・Alicante University HospitalのBartomeu Massuti氏が結果を発表した。 BRCA1低発現ではシスプラチン感受性を示し、BRCA1高発現ではシスプラチン耐性、タキサン感受性を示すといわれる。この研究では、完全切除したStage II~IIIAのNSCLC患者500例を、コントロール群(108例)と試験群(392例)に、無作為に割り付けた。コントロール群には標準治療のシスプラチン+ドセタキセル治療を、試験群はBRCA1発現レベルにより異なる化学療法治療を行った。BRCA1低発現患者にはシスプラチン+ゲムシタビン、BRCA1中程度発現患者にはシスプラチン+ドセタキセル、高BRCA1高発現患者にはドセタキセル単独治療を行った。主要評価項目は全生存期間(OS)、副次評価項目は無病生存期間、毒性などであった。 追跡期間中央値53ヵ月後のコントロール群のOSは69.3ヵ月、試験群では82.4ヵ月(HR:0.946)、5年OSは54%と56%と両群で同等であった。両群のBRCA1発現によるサブ解析の結果、BRCA1低発現群において、シスプラチン+ゲムシタビンのOSは74ヵ月、シスプラチン+ドセタキセルは40.1ヵ月と、シスプラチン+ゲムシタビンで有意に良好(HR:0.622、p=0.005)であった。一方、BRCA1高発現において、ドセタキセル単独のOSは80.2ヵ月、シスプラチン+ドセタキセルは未到達(HR:1.289、p=0.436)と、レジメンによる差は示されなかった。 結果として、BRAC1発現レベルに基づいた化学療法による生存率の上昇は示されなかったものの、BRCA1はコントロール群における唯一の予後因子であった。また、ドセタキセル単独療法は他の療法と比べ、コンプライアンスが良好で(p<0.001)、減量も少なく(p<0.01)、がんによる死亡発生率も同等であった。Massuti氏は最後に、高BRCA1患者において、プラチナを用いないタキサン単独による術後補助療法は、プラチナの短期・長期毒性を回避できる可能性があると述べた。■参考SCAT試験(Clinical Trials.gov)WCLC2017プレスリリース

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Stage III肺がんのdurvalumab維持療法、QOLを維持:PACIFIC/WCLC2017

 切除不能なStage III局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)における同時化学放射線療法(CCRT)後のdurvalumab維持療法を評価するPACIFIC試験。すでにPFSの改善と高い忍容性が報告されているが、今回は副次評価項目である患者報告結果(PRO)についてオーストラリア・University of Sydney/Westmead HospitalのRina Hui氏が、横浜で開催された第18回世界肺がん学会(WCLC)で発表した。 PACIFIC試験では、2回以上のプラチナベースのCCRTを受けて進行していない上記患者をdurvalumabとプラセボに割り付け12ヵ月治療した。その間に患者の主要症状、身体機能、健康関連QOL(EORTC QLQ-C30 v3、QLQ-LC13)の変化をベースライン時と比較している。アンケート完了率はdurvalumab群、プラセボ群共に80%以上であった。 結果、durvalumab群とプラセボ群で、主要症状、身体機能、健康関連QOLの変化に差はみられなかった。Rina Hui氏は、「現時点では局所進行NSCLC患者の5年生存率はわずか15%であるため、この研究は重要である。durvalumabの維持療法は症状、GHQOLを低下させることはなく、主要症状のベースラインからの変化は最低限であった」と述べ、また「今回の研究結果は、効果と安全性が確認されたPACIFIC試験において、durvalumabのCCRT後の維持療法を一層支持するものだ」と結論付けた。discussantであるオーストラリア・Sydney Cancer CenterのMichael Boyer氏はPROについて、「QOLへの悪影響が生命予後の改善を上回っていないことを確認するためにも、PACIFICのような臨床試験には必要なものだ」と述べている。■参考WCLC2017プレスリリースPACIFIC試験(Clinical Trials.gov)■関連記事WCLC2017プレスカンファレンスでのRina Hui氏の発表durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017

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durvalumab、Stage III肺がんに対しEMA が販売承認申請を受理

 AstraZeneca(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):Pascal Soriot)とその生物製剤研究開発拠点MedImmuneは2017年10月9日、欧州医薬品庁(EMA)が放射線とプラチナベース化学療法の同時併用療法後に病勢進行の認められない、局所進行切除不能(Stage III)非小細胞肺がん(NSCLC)に対するdurvalumabの販売承認申請(MAA)を受理したことを発表した。EUにおけるdurvalumabの承認申請はこれが初めて。 durvalumabのMAA提出は、第III相PACIFIC試験での無増悪生存期間(PFS)のポジティブなデータに基づき行われた。同試験は、上記患者を対象に、durvalumabによる維持療法を標準療法と比較する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設間国際共同試験。現在、引き続き他の主要評価項目である全生存期間(OS)の評価が進められている。安全性情報を含む詳細な結果については、New England Journal of Medicineオンライン版に掲載されている。■参考AstraZeneca(グローバル)プレスリリースAntonia SJ, et al.N Engl J Med. 2017 Sep 8.[Epub ahead of print]PACIFIC試験(Clinical Trials.gov)■関連記事durvalumabとオシメルチニブは新たな標準治療となりうるか:PACIFIC/FLAURA試験durvalumab維持療法、Stage III肺がんのPFSを有意に改善(PACIFIC)/ESMO2017durvalumab、切除不能StageIII肺がんのブレークスルー・セラピーに指定ステージ3切除不能肺がん、durvalumab維持療法が良好な結果:PACIFIC試験

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郵送による受診推奨が大腸がんスクリーニングの完遂率を向上する(解説:上村直実氏)-749

 本研究は、米国において大腸がん検診の完遂率を高める方法を比較検討したものである。50~64歳の検診未受診者を、検便キット郵送群(便潜血検査キットと返送用封筒を郵送し、2週以内に返送がなければスタッフが電話する方法)、郵送型大腸内視鏡検査群(大腸内視鏡検査の予約電話番号を記載した案内状を郵送し、2週以内に電話がなければスタッフが直接電話する方法)、および通常ケア群(外来受診時に推奨された検査を受ける方法)の3群に無作為に割り付け、3年間追跡した結果、検診の完遂率は、通常ケア群(10.7%)、検便キット郵送群(28.0%)、郵送型内視鏡検査群(38.4%)の順に高率であり、病変の発見率も同様であった。すなわち、内視鏡検査の案内状の郵送が検診の完遂率や病変の発見に寄与する結果であった。 欧米では、1回の内視鏡検査で大腸がんの死亡率が大幅に減少すること1)がすでに報告されており、便潜血検査を用いた検診や内視鏡検診による内視鏡検査の機会を増やすことが重要との認識が一般常識である。わが国でも大腸がんによる死亡者数が初めて5万人を超えて、肺がんに次いで2番目となっており、住民検診ないしは職場検診の受診率および完遂率の向上が重要な課題となっている。わが国の大腸がん検診は1次検診に便潜血反応を用いて、潜血陽性者に対する精密検査として大腸内視鏡検査を行う方式であるが、精検受診率の低さが大きな課題であり、やはり今回報告されたような具体的な検診の完遂率向上策を模索する活動が必要であろう。一方、検診のみでなく便の潜血反応を簡便に調べることができる方策として便潜血キットのOTC化も模索されている。 消化器専門医のみでなく、一般医家や住民・患者自身が、「大腸がんは早期発見により完治する病気であること」、「10年に1度の大腸内視鏡検査で、大腸がんで死亡するリスクが大幅に低下すること」をよく知ることが大腸がん死亡者を減少させるために重要である。

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Stage III肺がんdurvalumab維持療法PACIFIC試験におけるPatient Reported Outcome 世界肺癌学会2017プレスカンファレンスより 第8回【肺がんインタビュー】

第8回 Stage III肺がんdurvalumab維持療法PACIFIC試験におけるPatient Reported Outcome世界肺癌学会2017プレスカンファレンスよりPatient-Reported Outcomes with Durvalumab after Chemoradiation in Locally Advanced, Unresectable NSCLC:Data from PACIFIC

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オシメルチニブ、EGFR変異陽性NSCLCの1次治療でブレークスルー・セラピーに指定

 AstraZeneca(本社:英国ロンドン、最高経営責任者(CEO):Pascal Soriot)は2017年10月9日、米国食品医薬品局(FDA)が転移性EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者の一次治療としてオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)をブレークスルー・セラピーに指定したことを発表した。 オシメルチニブのブレークスルー・セラピー指定は、第III相FLAURA試験からのデータに基づき付与された。同試験は、未治療の上記患者を対象に、標準治療のEGFR-TKI(エルロチニブまたはゲフィチニブ)と、オシメルチニブの効果と安全性を比較した二重盲検無作為化試験。同試験では、無増悪生存期間(PFS)の中央値が標準治療群の10.2ヵ月に対し、オシメルチニブ群では18.9ヵ月と約2倍となった。これらの改善は脳転移の有無に関わらず、すべての事前指定されたサブグループにおいてみられた。またオシメルチニブの安全性プロファイルはこれまでと一致し、良好な忍容性を示した。 2017年9月28日、米国のNCCNガイドラインは、上記患者の一次治療にオシメルチニブの使用を含むよう改訂された。オシメルチニブは現在のところまだ、上記患者の一次治療でFDAの承認は得ていない。しかしEGFR-TKI抵抗性のEGFR T790M変異陽性進行NSCLC患者の二次治療として、米国、EU、日本、中国を含む50ヵ国以上で承認されている。■参考AstraZeneca(グローバル)プレスリリースFLAURA試験(Clinical Trials.gov)■関連記事durvalumabとオシメルチニブは新たな標準治療となりうるか:PACIFIC/FLAURA試験HR0.46、オシメルチニブが1次治療で標準治療を上回る(FLAURA)/ESMO2017オシメルチニブ、肺がんFLAURA試験の主要評価項目を達成

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非小細胞肺がんへのatezolizumab、OAK試験の日本人解析/日本肺癌学会

 2017年10月14日、第58回日本肺癌学会学術集会で、岡山大学病院の久保 寿夫氏が、国際共同第III相臨床試験OAK試験の日本人集団の解析結果を発表した。OAK試験は、プラチナ製剤を含む化学療法中または後に増悪した局所進行・転移性非小細胞肺がん(NSCLC)患者1,225例を対象に、抗PD-L1抗体atezolizumabの有効性と安全性をドセタキセルと比較検討したオープンラベル無作為化試験。主要評価項目は、全患者およびPD-L1で選別されたサブグループ患者の全生存期間(OS)、副次評価項目は客観的奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、安全性などである。すでに発表されている全集団における解析では、ドセタキセル群と比較してOSを4.2ヵ月延長し(OS中央値:13.8ヵ月 vs.9.6ヵ月、ハザード比[HR]:0.73、95%信頼区間[CI]:0.62~0.87)、良好な安全性が示されている。 日本人集団(OS解析対象の64例)のOS中央値はatezolizumab群で21.3ヵ月、ドセタキセル群で17.0ヵ月、ハザード比は0.80(95%CI:0.41~1.57)であり、全集団同様PD-L1の発現状態にかかわらず、atezolizumab群で改善が認められた。 有害事象については日本人101例を対象に解析され、Grade 3 以上の有害事象の発現率はatezolizumab群が26.8%、ドセタキセル群が91.1%とatezolizumab群で低かったが、免疫関連有害事象を含む投与中止に至った有害事象についてはatezolizumab群で多かった(17.9% vs.6.7%)。外国人集団との比較においては、Grade 3 以上の有害事象は日本人集団で少なかった(26.8% vs.40.1%)。日本人集団で多くみられたのは発熱(35.7%)、鼻咽頭炎(19.6%)などであった。 なお、atezolizumabはOAK試験ならびに第II相無作為化臨床試験であるPOPLAR試験の結果に基づき、上記患者に対して2016年10月に米国食品医薬品局(FDA)、2017年9月に欧州委員会(EC)により承認されている。■参考OAK試験(Clinical Trials.gov)中外製薬のプレスリリース■関連記事抗PD-L1抗体atezolizumab、非小細胞肺がんのOSを延長/Lancet抗PD-L1抗体atezolizumab、肺がんに承認:FDA

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オシメルチニブ、FLAURA試験の日本人サブグループ解析/日本肺癌学会

 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、第3世代EGFR-TKIオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が、第1世代EGFR-TKIによる標準治療と比較し病勢増悪および死亡のリスクを減少させたことが、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)で発表されたFLAURA試験の初回解析結果から明らかとなっている。同試験の日本人サブグループ解析結果が、2017年10月14日、第58回日本肺癌学会学術集会で国立がん研究センター中央病院の大江裕一郎氏により発表された。 FLAURA試験は、Del19またはL858RのEGFR遺伝子変異を有する未治療の局所進行または転移性NSCLC患者556例を対象に、オシメルチニブと、ゲフィチニブまたはエルロチニブによる標準治療の効果を比較した第III相二重盲検無作為化試験。主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性などが検討された。 日本人患者120例を対象としたサブグループ解析では、PFS中央値はオシメルチニブ群で19.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:12.6~23.5)、標準治療群(日本人は全例ゲフィチニブ)で13.8ヵ月(95%CI:8.3~16.6)であり、ハザード比0.61(95%CI:0.38~0.99、p=0.0456)と全体解析での結果と同様、PFSの延長傾向が認められた。 ORRはオシメルチニブ群が75%、標準治療群が76%(オッズ比:0.98)であった。DOR中央値はオシメルチニブ群18.4ヵ月、標準治療群9.5ヵ月と、オシメルチニブ群で約2倍近く延長している。また、オシメルチニブ群2例で完全奏効(CR)がみられている。OSについては、イベント発現割合がオシメルチニブ群で14%、標準治療群で18%とまだ十分なイベントが発現しておらず、今後の解析が待たれる。 主なグレード 3 以上の有害事象の発現率は、オシメルチニブ群が28%、標準治療群が49%とオシメルチニブ群で低かったが、間質性肺疾患(オシメルチニブ群で12%)およびQT延長(オシメルチニブ群で22%)については、オシメルチニブ群で多く発現している。また全体での結果と比較すると、日本人サブグループで両群の毒性が強い傾向がみられた。■参考FLAURA試験(Clinical Trials.gov)■関連記事HR0.46、オシメルチニブが1次治療で標準治療を上回る(FLAURA)/ESMO2017オシメルチニブ、肺がんFLAURA試験の主要評価項目を達成

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Stage III肺がんdurvalumab維持療法の日本人解析(PACIFIC)/日本肺癌学会

 Stage III切除不能非小細胞肺がん(NSCLC)の標準治療はプラチナ・ベースの化学療法と放射線の同時併用療法(CCRT)である。しかし、CCRT開始後の無増悪生存期間(PFS)は8〜10ヵ月であり、5年生存率は15%と改善の余地がある。 PACIFIC試験は、プラチナ・ベースのCCRT後に病勢進行が認められない切除不能局所進行Stage III NSCLCを対象に、抗PD-L1抗体durvalumabの維持療法をプラセボ群と比較した無作為化第III相試験である。このPACIFIC試験の初回解析結果は欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)でPFSの中間解析が発表された。第58回日本肺癌学会学術集会においては、日本人集団の結果が、久留米大学病院の時任高章氏より発表された。 すでに報告されている中間解析によれば、全集団のPFSはdurvalumab群16.8ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月で、durvalumab群が有意に延長していた(HR:0.52、95%CI:0.42~0.65、p<0.0001)。日本人集団におけるPFSはdurvalumab群未到達、プラセボ群7.2ヵ月で、durvalumabの追加効果を示す結果となった(HR:0.49、95%CI:0.26〜0.89、p=0.020)。奏効率について、全集団ではdurvalumab群28.4%、プラセボ群16.0%であり、日本人解析ではdurvalumab群31.8%、プラセボ群22.9%であった。遠隔転移または死亡出現までの期間について、全集団ではdurvalumab群23.2ヵ月、プラセボ群14.6ヵ月(HR:0.52、95%CI:0.39~0.69、p

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ペムブロリズマブ、PD-L1陽性の胃・食道胃接合部腺がんに承認/FDA

 Merck & Co., Inc.,は2017年9月22日、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)について、米国食品医薬品局(FDA)がPD-L1陽性(Combined Positive Score;CPS≧1%)と判定され、2回以上の前治療後に進行した、局所進行再発・転移性胃がんまたは食道胃接合部腺がん患者の治療薬としてFDAから承認されたと発表した。この適応症は、奏効率および奏効期間のデータを基にFDAの迅速承認制度で承認された。本適応の承認継続は、検証的試験において臨床上の効果の確認が条件となる。 ペムロリズマブの迅速承認は、海外多施設共同非無作為化非盲検マルチコホート試験KEYNOTE-059に登録され、進行胃がんまたは食道胃接合部腺がんに対して2回以上の全身化学療法による前治療歴があり、治療中または治療後に進行した患者259例のデータに基づいて行われた。被験者の選択基準は、フッ化ピリミジン+プラチナ系薬剤の2剤併用療法による前治療歴があること、またはHER2遺伝子陽性患者の場合はHER2遺伝子標的療法による治療歴があることであった。治療は、許容できない毒性または疾患進行が認められるまでペムロリズマブ200 mgを3週間ごとに1回投与した。疾患進行がみられない場合は最大24カ月まで投与した。有効性の主要評価項目は、独立中央判定による奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)。 259例中143例(55%)が、PD-L1陽性(CPS≧1%)かつマイクロサテライト安定性(MSS)もしくはマイクロサテライト不安定性(MSI)かミスマッチ修復能(MMR)未確認であった。この143例におけるORRは13.3%(95%CI:8.2~20.0)。CR率は1.4%、PR率は11.9%であった。奏効例19例におけるDORは2.8ヵ月以上~19.4ヵ月以上で、6ヵ月以上が11例(58%)、12カ月以上が5例(26%)であった。 259例中7例(3%)がMSI-Hと判定された。奏効は4例で認められ、このうち1例で完全奏効が認められました。奏効期間は5.3ヵ月以上~14.1ヵ月以上であった。 胃がん患者に認められた副作用は、悪性黒色腫または非小細胞肺がん患者と同様であった。高頻度にみられたペムロリズマブの副作用(20%以上)は倦怠感、筋骨格痛、食欲減退、そう痒症、下痢、悪心、発疹、発熱、咳、呼吸困難および便秘であった。■関連記事ペムブロリズマブ、既治療の転移性胃がんに有望な効果(KEYNOTE-059)/ESMO2017進行胃がん、ペムブロリズマブの治療効果は?KEYNOTE-059/ASCO2017ペムブロリズマブの胃がん適応拡大に優先審査:FDA

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