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オシメルチニブ、EGFR陽性肺がんアジュバントで有効性、早期非盲検化に(ADAURA)/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、4月10日、オシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が第III相ADAURA試験において有効性を示したことにより、独立データモニタリング委員会(IDMC)の勧告に従って早期に非盲検化されることを発表した。  ADAURA試験は、完全腫瘍切除したIB期、II期、IIIA期のEGFR遺伝子変異非小細胞肺がん患者を対象に術後補助療法としてのオシメルチニブの評価を行う第III相臨床試験で、主要評価項目は無病生存期間である。本試験では、オシメルチニブをプラセボと比較し、最長3年の治療期間で評価した。引き続き、副次評価項目である全生存期間の評価を行う。なお、IDMCからは、本試験における新たな安全上の問題は提起されていない。本試験の詳細データは、今後の学会で発表される予定。

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腫瘍遺伝子変異量(TMB)高値固形がんに対するペムブロリズマブ、FDAに承認申請

 Merck社は、2020年4月7日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブの新たな生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)が米国食品医薬品局(FDA)によって受理され、優先審査項目に指定されたことを発表した。この申請では、治療後に進行し、他に十分な治療選択肢のない、腫瘍遺伝子変異量高値(TMB-High、FDAに承認された検査において10変異/megabase以上)の切除不能または転移を有する固形がんの成人および小児患者に対する単独療法としてペムブロリズマブの迅速承認を目指している。  KEYNOTE-158試験は、固形がんに対するペムブロリズマブ(200mg 3週間ごと)を評価する、多施設共同マルチコホート非ランダム化非盲検試験。組織中のTMBはFoundation Medicine, Inc.のFoundationOne CDxにより測定した。主な有効性評価項目は盲検下の独立中央画像判定機関(BICR)が判定した客観的奏効率(ORR)および奏効期間(DoR)であった。  ペムブロリズマブは2017年に、がん治療薬として初めて、がん種横断的に共通するバイオマーカーに基づいて、マイクロサテライト不安定性(MSI-High)またはミスマッチ修復機能欠損(dMMR)の固形がんを適応症としたFDA承認を取得しており、今回の申請も、2017年のFDA承認の評価資料となった第II相試験KEYNOTE-158の結果などに基づいている。KEYNOTE-158試験におけるTMB-High患者のデータは2019年の欧州臨床腫瘍学会(ESMO)で発表された。

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3次治療以降のNSCLCに対するデュルバルマブ+tremelimumabの成績(ARCTIC)/Ann Oncol

 3次治療以降の転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、デュルバルマブ+tremelimumabと標準治療(SoC)を評価した第III無作為化非盲検試験ARCTICの結果がAnnals of Oncology誌2020年2月20日オンライン版で発表された。 ARCTICは試験AおよびBの2つの独立した研究で構成されている。[試験A]・対象:PD-L1発現(TC≧25%)の転移のあるNSCLC患者126例・試験群:デュルバルマブ(10mg/kg 2週ごと最大12ヵ月)・対照群:SoC[試験B]・対象:PD-L1( TC<25%)の転移のあるNSCLC患者469例・試験群1:デュルバルマブ+tremelimumab(デュルバルマブ20mg/kg+tremelimumab 1mg/kg 4週ごと12週間の後、デュルバルマブ10mg/kg 2週ごと34週間)・試験群2:デュルバルマブ(10mg/kg 2週ごと最大12ヵ月)またはtremelimumab(10mg/kg 4週ごと24週の後、12週ごと24週間)・対照群:SoC[評価項目]全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)(試験Aではデュルバルマブ対SoC、試験Bではデュルバルマブ+tremelimumab対SoC)  主な結果は以下のとおり。[試験A]・OS中央値は、デュルバルマブ群11.7ヵ月、SoC群は6.8ヵ月であった(HR:0.63、95%CI:0.42~0.93)。・PFS中央値は、デュルバルマブ群3.8、SoC群2.2ヵ月であった(HR:0.71、95%CI:0.49~1.04)。・Grade3/4の治療関連有害事象(TRAE)発現はデュルバルマブ群9.7%、SoC群44.4%であった。[試験B]・OS中央値は、デュルバルマブ+tremelimumab群11.5ヵ月、SoC群8.7ヵ月であった(HR:0.80、95%CI:0.61~1.05、p=0.109)。・PFS中央値は両群とも3.5ヵ月であった(HR:0.77、95%CI:0.59~1.01、p=0.056)。・Grade3/4のTRAE発現は、デュルバルマブ群9.7%、デュルバルマブ+tremelimumab群22.0%、SoC群36.4% であった。

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NSCLC1次治療におけるデュルバルマブ+tremelimumabの成績(MYSTIC)/JAMA Oncol

 未治療の転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)において、デュルバルマブおよびデュルバルマブ・tremelimumab併用と化学療法を比較した無作為化非盲検第III相MYSTIC試験の結果がJAMA Oncology誌2020年4月9日オンライン版に発表された。・対象:未治療の転移を有するNSCLC患者(EGFR、ALK変異含まず)1,118例・試験群1:デュルバルマブ(20mg/kg 4週ごとPDまで)・試験群2:デュルバルマブ(20mg/kg 4週ごとPDまで)+tremelimumab(1mg/kg 4週ごと、最大4回),・対照群:化学療法(プラチナ・ダブレット4~6サイクル)・評価項目: [主要評価項目]PD-L1陽性(TPS≧25%)患者の全生存期間(OS)(デュルバルマブ対化学療法、デュルバルマブ+tremelimumab対化学療法)、同患者の無増悪生存期間(PFS)(デュルバルマブ+tremelimumab対化学療法) [探索的研究]血中腫瘍遺伝子変異量(bTMB)による評価 主な結果は以下のとおり。・対象患者は、各群に無作為に1:1:1で割り付けられた。・TPS≧25%の患者(488例)のOS中央値は、デュルバルマブ群16.3ヵ月に対し、化学療法群は12.9ヵ月であった(HR:0.76、97.54%CI:0.56~1.02、p=0.04[有意差なし])。・デュルバルマブ+tremelimumab群のOS中央値は11.9ヵ月であった(対化学療法群HR:0.85、98.77%CI:0.61~1.17、p=0.20)。・PFS中央値は、デュルバルマブ+tremelimumab群3.9ヵ月に対し、化学療法群5.4ヵ月であった(HR:1.05、99.5%CI:0.72~1.53、p=0.71)。・bTMB 20/Mb以上の患者のOSは、デュルバルマブ+tremelimumab群21.9ヵ月に対し、化学療法10.0ヵ月と、デュルバルマブ+tremelimumab群で改善が示された(HR:0.49、95%CI:0.32~0.74)。・Grade3以上の治療関連有害事象の発現は、デュルバルマブ群14.9%、デュルバルマブ+tremelimumab群22.9%、化学療法群33.8%であった。

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EGFR変異陽性肺がんに、EGFR-TKI+VEGF阻害薬「NEJ026試験」【肺がんインタビュー】 第44回

第44回 EGFR変異陽性肺がんに、EGFR-TKI+VEGF阻害薬「NEJ026試験」EGFR変異陽性非小細胞肺がんの1次治療において、エルロチニブ+ベバシズマブ併用療法を評価した第III相試験「NEJ026試験」の中間解析が発表された。EGFR-TKI併用療法のメリットなどこの試験で明らかになった知見も含め、試験統括医師である岩手医科大学の前門戸 任氏に聞いた。EGFR陽性NSCLCの1次治療の期間をさらに延ばす―試験実施の背景について教えていただけますか。EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるEGFR-TKIの単剤治療は、多くの試験が行われてきました。われわれ北東日本研究機構グループ(North East Japan Study Group、NEJ)が行ったゲフィチニブ単剤と化学療法を比較した第III相NEJ002試験では、EGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者さんに限定し、ゲフィチニブ単剤の無増悪生存期間(PFS)中央値10.8ヵ月という、先例のない結果をもたらしました。ただ、それでも1年弱でEGFR-TKIの耐性が出てしまうことになります。現在は、この1次治療の期間をさらに延ばすことが重要です。その中の1つの選択肢としてEGFR-TKIとVEGF阻害薬の併用があります。NEJ026試験に先立ち、第1世代EGFR-TKIエルロチニブとVEGF阻害薬ベバシズマブの併用療法を評価した第II相JO25567試験では、エルロチニブ+ベバシズマブ併用群で16.0ヵ月という良好なPFSを達成しました。しかし、第II相試験では日常診療を変えるにはパワー不足です。そこで、NEJグループで第III相試験NEJ026を実施させていただくこととなりました。このNEJ026試験は、EGFR遺伝子変異陽性NSCLCを対象に、エルロチニブ+ベバシズマブ併用とエルロチニブ単剤を無作為に比較した第III相試験です。登録症例は228例で、2017年9月21日カットオフの中間解析の結果が、2019年4月、Lancet Oncology誌に発表されました。―今回は中間解析ということですが、今後も試験は継続されるのでしょうか。中間解析はかなり厳しい設定になっていましたが、当試験は十分な効果が出て、基準をクリアすることができました。そして、独立データモニター委員会(IDMC)の許諾のもと、患者さんの不利益を最小限にするために、患者さんに試験結果を伝え、試験を継続しました。その結果、生存期間や後治療の解析、リキッドバイオプシーの解析など副次的なプロジェクトについても、質の高いデータを得られることになりました。―NEJ026試験では、エルロチニブ+ベバシズマブのPFS中央値は16.9ヵ月で、エルロチニブ単独の13.3ヵ月に比べ有意に改善しています。この結果をどう評価されますか。同じ組み合わせ(エルロチニブ+ベバシズマブvs.エルロチニブ)で行われた第II相のJO25567試験でもPFSを有意に改善していますが(16.0ヵ月vs.9.7ヵ月)、今回の結果で、しっかり検証されたと思います。これは非常に大きいことです。もう1点、JO25567試験では脳転移例は除外されていましたが、NEJ026試験では脳転移例も含まれています。ご存じのとおり、脳転移例の転帰はとても不良です。その脳転移を含めてもなお、16.9ヵ月のPFSを達成したということは非常に意味のあることだと思います。―併用による有害事象増加の懸念も出てくると思いますが、いかがでしょうか。EGFR-TKIの有害事象である、皮疹、下痢などについては、今回の試験においてもあまり変わりませんが、ベバシズマブ特有の有害事象である、蛋白尿、高血圧などはエルロチニブ単剤群に比べると増加しています。ただ、ベバシズマブは以前から化学療法と共に使ってきた経験もあり、管理可能な副作用だと考えています。胸水貯留例、L858R例などでより期待されるNEJ026レジメン―CareNet.com会員のアンケートでは、NEJ026レジメンについて、とくに胸水例に使いたいという意見が多くみられますが、その点はいかがですか。過去の試験でも、胸水貯留例に対するベバシズマブの効果については一定の評価があります。この試験でも、胸水貯留例をサブグループで解析していますが、併用群で明らかにPFSが良好でした(HR:0.63、95%CI:0.34~1.02)。これには、ベバシズマブなどVEGF阻害薬の作用機序が影響していると考えられます。VEGF阻害薬といえば血管増殖阻害作用が頭に浮かびますが、血管正常化作用もあります。腫瘍血管は漏れやすい血管になっています。VEGF阻害薬の血管正常化作用で、本来の機能を持った血管を作ってくれる。胸膜播種・浸潤した胸膜血管に対するこの働きが、胸水貯留に良いのかもしれません。もう1つ、腫瘍血管では、間質の圧力が強くなり、抗がん剤が届かないのです。血管正常化作用により、抗がん剤を腫瘍により多く到達させることも考えられます。このように、作用機序からも胸水に良いのは納得できます。―そのほかにNEJ026レジメンが適しているケースはありますか。もう1つ考えるべき点としては、exon21のL858R変異例です。以前からEGFR-TKI単剤はexon19del変異に比べ、L858R変異では効果が弱いといわれていました。EGFR-TKIとVEGF阻害薬の併用は、JO25567においてもL858R変異への有効性が報告されていました。今回のNEJ026試験でも、L858R変異症例に対するPFSは17.4ヵ月vs.13.7ヵ月(HR:0.69)と、併用群でより良好なPFSが示されています。これはexon19del変異への成績(mPFS:16.6ヵ月vs.12.4ヵ月、HR:0.57)と同等の結果です。このように、日常臨床では、胸水症例やL858R症例にはNEJ026レジメンを選択するという手段も有効だと思います。世界と戦える日本の肺がん研究―最後に読者の先生方にメッセージをお願いします。今回の試験では、EU、中国に先んじて日本発で発表することができました。日本の臨床試験は従来から質の高さには定評がありますが、オールジャパンで1つの試験に向かって進むことで非常に早く症例集積できることが、今回の試験で経験できました。世界と戦っていける自信となりました。NEJは以前からEGFR陽性肺がんに対する試験に取り組んでいますが、今後も皆さんの協力で、EGFR関連の試験で世界と戦っていければと考えます。NEJ026試験:Saito H, et al. Lancet Oncol. 2019;20:625-635.JO25567試験:Seto T, et al. Lancet Oncol. 2014;15:1236-1244.NEJ002試験:Maemondo M, et al. N Engl J Med. 2010;362:2380-2388.

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肺がん1次治療、二ボルマブ・イピリムマブ併用への化学療法の限定追加療法、米国および EU で申請/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年4月8日、米国食品医薬品局(FDA)が、ファーストライン治療薬として、化学療法のサイクルを限定して追加した二ボルマブ(商品名:オプジーボ)とイピリムマブ(商品名:ヤーボイ)の併用療法の生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理したと発表。 また、欧州医薬品庁(EMA)は、同適応に関して、化学療法を限定して追加した二ボルマブとイピリムマブの併用療法の承認申請を受理した。本申請の受理により、提出が完了し、EMAの中央審査が開始される。これは、日本において、小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブが共同で行った、化学療法を限定して追加した二ボルマブとイピリムマブの併用療法の国内製造販売承認事項一部変更承認申請の提出に関する3月26日の発表に続くものである。 本申請は、第III相CheckMate-9LA試験の結果に基づいている。 CheckMate-9LA試験は、PD-L1発現レベルおよび腫瘍組織型にかかわらず、進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者のファーストライン治療薬として、二ボルマブ360mg(3週間間隔)とイピリムマブ1mg/kg(6週間間隔)に化学療法(2サイクル)を追加した併用療法を、化学療法(最大4サイクル後に、適格であればペメトレキセドによる維持療法を任意で施行)と比較した多施設共同無作為化非盲検第III相臨床試験。2019年10月、中間解析で、主要評価項目である全生存期間(OS)を達成したことを発表していた。

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デュルバルマブの小細胞肺がん、FDA承認/アストラゼネカ

 アストラゼネカは、3月30日、抗PD-L1抗体デュルバルマブ(一般名:イミフィンジ)が、成人の進展型小細胞肺がんに対する1次治療として標準治療である化学療法(エトポシド+カルボプラチンまたはシスプラチン)との併用療法で、米国において承認されたことを発表した。 今回の米国食品医薬品局による承認は、第III相CASPIAN試験の結果に基づくもの。 CASPIAN試験では2つの主要評価項目を設定し、デュルバルマブと化学療法の併用療法群と化学療法群を比較した。その結果、デュルバルマブと化学療法の併用療法群では、死亡リスクが27%低下し(ハザード比:0.73、95%CI:0.59〜0.91、p=0.0047)、OS中央値は化学療法群の10.3ヵ月に対して13.0ヵ月であった。加えて、デュルバルマブと化学療法の併用療法群において、より高い客観的奏効率が得られたことも示された(化学療法群の58%に対して68%)。なお、デュルバルマブと化学療法の併用療法における安全性および忍容性は、これらの薬剤における既知の安全性プロファイルと一致していた。 また、デュルバルマブと化学療法との併用療法に抗CTLA-4抗体トレメリムマブを追加したもう1つの投与群の解析も完了しているが、こちらの主要評価項目は達成されなかった。詳細なデータは、今後の学会で発表される予定。

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血漿TMBはペムブロリズマブの肺がん治療の効果予測因子となるか/Clin Cancer Res

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対するペムブロリズマブの標準1次治療としての効果の予測に、血漿中の腫瘍遺伝子変異量(pTMB)が有用である可能性が示された。米国・ペンシルベニア大学のCharu Aggarwal氏らによる、転移のあるNSCLC患者を対象としたパイロット試験の結果、pTMB値≧16mut/Mbと無増悪生存(PFS)期間改善の関連が示されたという。また、そのような高pTMB患者のうち、持続的臨床効果(DCB)が期待できない患者の特定に、STK11、KEAP1、PTENおよびERBB2変異の情報が役立つ可能性も示された。著者は「今回の結果は、大規模な前向き研究で検証する必要がある」とまとめている。Clinical Cancer Research誌オンライン版2020年2月26日号掲載の報告。 研究グループは、ペムブロリズマブ単剤または化学療法併用による1次治療を開始する進行NSCLC患者66例を対象に、500遺伝子次世代シークエンシング(NGS)パネルを用いてpTMB値を測定するとともに、RECIST 1.1により有効性を評価し、患者背景、6ヵ月DCB、PFSおよび全生存(OS)との関連を解析した。 主な結果は以下のとおり。・66例中、pTMB値を評価できた患者は52例(78.8%)であった。・pTMB値中央値は、16.8mut/Mb(範囲:1.9~52.5)であった。・DCBが得られた患者群のpTMB値中央値は、DCBが得られなかった患者群よりも有意に高かった(21.3mut/Mb vs.12.4mut/Mb、p=0.003)。・PFS中央値は、pTMB値≧16mut/Mbの患者群で14.1ヵ月、pTMB値<16mut/Mbの患者群で4.7ヵ月であった(ハザード比[HR]:0.30、95%信頼区間[CI]:0.16~0.60、p<0.001)。・OSは、pTMB値≧16mut/Mbの患者群では中央値未到達、pTMB値<16mut/Mbの患者群では中央値8.8ヵ月であった(HR:0.48、95%CI:0.22~1.03、p=0.061)。・ERBB2exon 20、STK11、KEAP1またはPTENの変異は、DCBが得られなかった患者に多く認められた。 ・pTMB値≧16mut/Mbおよび負の予測因子となる遺伝子変異がないことが、PFS(HR:0.24、95%CI:0.11~0.49、p<0.001)およびOS(HR:0.31、95%CI:0.13~0.74、p=0.009)と関連していた。

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3次医療機関でのがん患者の新型コロナ感染率/JAMA Oncol

 がん患者は治療やモニタリングのために通院機会が多いことから、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染するリスクが高い。さらに化学療法や放射線療法は免疫を抑制する。今回、中国・武漢大学中南病院のJing Yu氏らが、武漢の3次医療機関のがん患者においてSARS-CoV-2感染率と転帰を調査した結果、がん患者の入院および通院がSARS-CoV-2感染の潜在的なリスク因子であることが示唆された。とくに高齢患者(60歳以上)と非小細胞肺がん(NSCLC)患者に感染者が多かったという。JAMA Oncology誌オンライン版2020年3月25日号に掲載。 著者らは、2019年12月30日~2020年2月17日(データカットオフ)に、武漢大学中南病院の放射線・腫瘍科に入院したがん患者1,524例の人口統計学的、臨床的、および治療のデータなどの診療記録を調査した。 主な結果は以下のとおり。・この施設におけるがん患者のSARS-CoV-2感染率は0.79%(1,524例中12例、95%CI:0.3~1.2%)と推定され、同期間に武漢市で報告されたCOVID-19例全体の累積発症率(0.37%、1,108万1,000人中4万1,152人、2020年2月17日のデータカットオフ時点)よりも高かった。・感染患者の年齢中央値は66歳(範囲:48〜78歳)で12例中8例(66.7%)が60歳以上、12例中7例(58.3%)がNSCLCであった。・5例(41.7%)は、化学療法(3例、免疫療法併用/非併用)または放射線療法(2例)のいずれかで治療されていた。・3例(25.0%)がSARSを発症し、1例は集中治療を必要とした。・2020年3月10日時点で、6例(50.0%)が退院し、3例(25.0%)が死亡した。・スクリーニングを受けたがん患者1,524例中228例はNSCLCで、60歳以上のNSCLC患者では、COVID-19の発症率が60歳以下よりも高かった(4.3% vs.1.8%)。

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間質性肺炎合併肺がんの新たな治療を探る「TORG1835/NEXT-SHIP試験」【肺がんインタビュー】 第43回

第43回 間質性肺炎合併肺がんの新たな治療を探る「TORG1835/NEXT-SHIP試験」出演:神奈川県立循環器呼吸器病センター 呼吸器内科/臨床研究室 医長 池田 慧氏肺がんの治療が進む中、いまだに治療に苦慮する間質性肺炎合併肺がん。とくに治療オプションの少ない小細胞肺がんに対する新たな選択肢として、カルボプラチンとエトポシドの併用にマルチキナーゼ阻害薬ニンテダニブを加えた3剤併用療法の第II相「TORG1835/NEXT-SHIP試験」が現在進行中である。研究事務局の神奈川県立循環器呼吸器病センター 池田 慧氏に試験実施の背景と試験の内容について聞いた。TORG1835/NEXT-SHIP試験(jCRT)試験に関する問い合せ神奈川県立循環器呼吸器病センター 呼吸器内科池田 慧氏e-mail:isatoshi0112@gmail.comTel:045-701-8581(内線7213)

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組織でCOVID-19危機に対応するドイツ【空手家心臓外科医、ドイツ武者修行の旅】第7回

かかりつけ医が主役のドイツの体制ドイツでコロナ騒ぎが収まる気配がありません。3月27日現在、ドイツの患者数はうなぎ登りですが、それでも致死率は0.5%前後で食い止められています(図)。イタリア・スペインなどの近隣国と比較し、なぜドイツの医療はうまくいっているのか?最近は日本の知人から聞かれることがしばしばあります。「ドイツは検査をたくさんやっているらしいけど、それがうまくいっているの?」が最も聞かれる質問なのですが…。確かにドイツではひたすらPCR検査を行なっています。早期に感染者を特定していることが功を奏している、と言うのが政府の見解です。ただ、以前このコーナーで書かせてもらったことがあるのですが、ドイツはかかりつけ医制度が確立されています。患者は診察をかかりつけ医の下で受診して、検査のためだけに病院へ行くわけです(数週間前から近所の大学病院ではドライブスルー検査をやっています)。その後、検査結果と全身状態を踏まえた上でかかりつけ医が治療方針を決定します。必要な場合の入院指示も、かかりつけ医が行います。初診を診ることがないために病院に負担がかかりにくいシステムになっています。これはドイツの医療システムに合わせてやっていることなので、一言で「これが正解」と言えるわけではないと思いますが…。図 ドイツでの感染状況私が住む地域はドイツの北東部になり、色は薄目です。ドイツは西部と南部に感染者が多く、現地の友人の話を聞くと、病院はかなり大変な状況です。先頭に立つロベルト・コッホ研究所そもそもドイツも先行きはまだまだわからないし、これから急激に致死率が悪化する可能性も十分にあると思っています。患者数の増加が予想以上に速いので、「イタリアの二の舞になる」と危惧する専門家も多いです。良し悪しは別として、この緊急事態におけるドイツの対応について自分が感じたことを書いてみます。ドイツには、世界に誇るロベルト・コッホ研究所(RKI)と言う感染症研究機関があります。RKIがドイツ国内の各病院で使用すべき感染症対策マニュアルなどを作成し、RKIの決定にしたがって政治家が感染対策の方針を決めるようになっています。私が住んでいるのはドイツの最も田舎の地域で、感染者数はまだかなり少ない状態です。そんな田舎でも、徐々に緊張感が高まってきていることを感じます。3月22日にはドイツ全土で接触制限措置がとられ、レストランも閉鎖されました。パーティなど開けば、警察に取り締まられて罰則が科せられます。ただ家族での散歩は「必要なこと」と認定されていますので、公園周辺では変わらず散歩やランニングする人の姿が見られます。もちろん暗黙の了解で、すれ違うときはお互いにかなりの距離をとるようになっています。地域が1つの医療機関に私の所属する病院は循環器と糖尿病の専門病院なのですが、行政からの指示の下に手術を制限して、1つの病棟を丸々空けることになりました。当院はグライフスヴァルト大学を中心とした医療圏にあって、グライフスヴァルト大学の後方支援の形式で病棟を空けて待っている状態です。その他の近隣の施設の情報も飛び交っています。「〇〇病院は週明けにイタリアからの重症患者を引き受けるらしくて、ICUの空きがほとんどないみたい」とか、「大学病院で手術が回せないから、呼吸器外科の先生がウチで手術することになった。今から肺がんの患者来るから、入院枠取っておいてね」とか。地域の病院全体が1つの施設のように機能しています。病棟を空ける、そのために手術件数を減らす、と言う話をする際に、部長は「行政からの指示で」と言っていました。これも以前書かせてもらったのですが、ドイツでは診療所の数も行政によって定められていて、原則的に新しく開業することはできません。診療科としての心臓外科の数も、日本が600以上あるのに対し、ドイツではわずかに82、それも人口の分布に応じてうまく分散されています。もちろん新しい心臓外科を新設することもできません。つまりドイツの医療は、行政の強いコントロール下にあると言えます(一方で、行政が医師を抑圧しすぎないために医師会や医師の労働組合を通じて、医師は行政と闘うことができるわけなのですが…)。今回も行政がそれぞれの病院に役割を分担させることで、地域の医療資源が最大限に生かせるように工夫していることが感じられます。個人頼りになるのではなく、システムで闘おうとするのは、いかにもドイツらしいな、と感じます。3月18日に、メルケル首相がドイツ国民に対して理解と協力を求める演説を行いました。ゆっくりと、丁寧で、はっきりしたドイツ語で。それは、不安を煽るわけでもなく、ただ今すべきことを伝える内容でした。なぜそうしなければならないのか、メッセージはとてもシンプルで力強いものでした。この演説を聞いて、不安が和らいだ人は大勢いると思います。政治家ってすごいなーと感じました。強いリーダーの下、ドイツも何とか現状を乗り切ろうと頑張っています。日本も大変な状況だと思いますが、お互い頑張っていきましょう!

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固形がんに対するリキッドバイオプシー、「FoundationOne Liquid CDx」の国内申請/中外

 中外製薬は、2020年03月31日、固形がんに関連する包括的ゲノムプロファイリングを提供するリキットバイオプシー検査として、「FoundationOne Liquid CDx(海外製品名)」に対する製造販売承認申請を厚生労働省に行ったと発表。 「FoundationOne Liquid CDx」は米国・ケンブリッジに拠点を置くファウンデーションメディシン社が開発した次世代シークエンサーを用いた包括的ながん関連遺伝子解析システム。進行固形がんの患者を対象とし、血液中の循環腫瘍DNA(ctDNA: circulating tumor DNA)を用いることで、がんの遺伝子変異を検出するリキットバイオプシー検査である。米国では、2018年4月に米国食品医薬品局(FDA)よりBreakthrough Device指定を受けている。

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ニボルマブ+イピリムマブ、化学療法との併用で非小細胞肺がんに承認申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年3月26日、抗PD-L1抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)と抗CTLA-4抗体イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)に対する、プラチナ製剤を含む 2 剤化学療法(プラチナ・ダブレット)との併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。 今回の承認申請は、小野薬品とブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)が、PD-L1発現レベルおよび腫瘍の組織型にかかわらず、化学療法未治療の進行・再発のNSCLC患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法にプラチナ・ダブレット化学療法を追加した併用療法を、プラチナ・ダブレット化学療法と比較評価した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(CheckMate-9LA試験)の結果に基づいている。 本試験の中間解析の結果、ニボルマブとイピリムマブにプラチナ・ダブレット化学療法を追加した治療群は、プラチナ・ダブレット化学療法群と比較して、主要評価項目である全生存期間の有意な延長を達成した。本試験における併用療法群の安全性プロファイルは、化学療法未治療のNSCLC治療において免疫療法と化学療法との併用療法でこれまでに認められているものと一貫していた。

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リキッドバイオプシーによるT790M変異のスクリーニングとオシメルチニブの効果(WJOG8815L/LPS)/Cancer

 EGFR陽性肺がんにおけるリキッドバイオプシーは、組織生検不能患者に適用される。しかし、リキッドバイオプシーにより同定されたT790M変異非小細胞肺がん(NSCLC)患者におけるオシメルチニブの有効性についての前向き研究はない。これらの患者集団におけるオシメルチニブの有効性と安全性を前向きに評価する第II相試験が行われた。Cancer誌オンライン版2020年2月5日号掲載の報告。対象:第1/2世代EGFR-TKIで疾患進行後、リキッドバイオプシー(Cobas EGFR Mutation Test v2またはドロップレットデジタルPCR)でEGFR T790M変異が確認された進行再発NSCLC患者介入:オシメルチニブ80mg/日で疾患進行するまで治療継続主要評価項目:Cobasアッセイによる血漿中T790M陽性患者の全奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・2016年6月〜2017年11月に、リキッドバイオプシーを用いてスクリーニングされた患者は276例、T790M陽性は74例であった(74例中試験参加は53例)。・ Cobasアッセイによる血漿中T790M陽性患者(49例)のORRは55.1%(95%信頼区間[CI]:40.2〜69.3%)であった。・評価可能な全患者(n=52)の無増悪生存期間中央値は、8.3ヵ月(95%CI:6.9〜12.6)であった。 筆者らは、この結果から、このアッセイを用いた血漿遺伝子型判定は、腫瘍からのサンプリングが不可能な場合の臨床診療における治療選択にとって有益であるとしている。

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テポチニブ、METΔex14変異肺がんに国内承認/メルクバイオファーマ

 メルクバイオファーマは、2020年3月25日、MET遺伝子エクソン14(METex14)スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺がん(NSCLC)治療薬テポチニブ(商品名:テプミトコ)について、厚生労働省から製造販売承認を取得したと発表。テポチニブの全奏効率は42.4%、奏効期間中央値は12.4ヵ月 今回のテポチニブの承認は、METex14スキッピング変異のあるNSCLCを対象とした国際共同第II相VISION試験の結果に基づくもの。同試験でのテポチニブの全奏効率は独立判定委員会(IRC)による評価で42.4%、奏効期間中央値は12.4ヵ月であった。また、テポチニブの副作用のほとんどはGrade1または2であり、死亡に至った副作用が1例(急性呼吸不全)認められた。Gradeを問わず10%以上の件数が報告された副作用は、末梢浮腫(53.8%)、悪心(23.8%)、下痢(20.8%)、および血中クレアチニン増加(13.8%)、低アルブミン血症(10.8%)、およびアミラーゼ増加(10.0%)であった。 テポチニブのコンパニオン診断薬は、同様に承認となったArcher METコンパニオン診断システムで、血液検体、腫瘍組織検体のどちらでも利用可能。製品概要製品名:テプミトコ錠250mg一般名:テポチニブ塩酸塩水和物効能又は効果:MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌用法及び用量:通常、成人にはテポチニブ塩酸塩水和物として1回500mgを1日1回食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。国内製造販売承認取得日:2020年3月25日製造販売:メルクバイオファーマ株式会社

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高齢NSCLC患者におけるカルボプラチンとペメトレキセドの有用性(JCOG1210/WJOG7813L)/JAMA Oncol

 高齢者の進行非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の1stライン化学療法の中で、ドセタキセル単剤(DOC)は標準療法の1つである。一方、非高齢者の非扁平上皮NSCLCの1次治療としてはカルボプラチン+ペメトレキセドからペメトレキセドの維持療法(CBDCA/PEM)が、広く使われている。そのような中、進行非扁平上皮NSCLCの高齢患者に関して、CBDCA/PEM療法のドセタキセル単剤療法との非劣性を評価する多施設オープンラベル第III相試験が実施された。JAMA Oncology誌2020年3月12日オンライン版掲載の報告。・対象:化学療法未治療の75歳以上のStageIII/IVまたは再発非扁平上皮NSCLC・試験薬:カルボプラチン(AUC5)+ペメトレキセド(500mg/m2)3週ごと4サイクル→ペメトレキセド(500mg/m2)3週ごと病勢悪化まで(CBDCA/PEM群)・対照薬:ドセタキセル60mg/m2 3週ごと病勢悪化まで(ドセタキセル群)・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効割合(ORR)、症状スコア、有害事象などCBDCA/PEM群の非劣性マージンは、OSハザード比(HR)の95%信頼区間(CI)の上限1.154に設定された。 主な結果は以下のとおり。・登録された433例の年齢中央値は78歳であった。・OS中央値は、ドセタキセル群(217例)15.5ヵ月、CBDCA/PEM群(216例)18.7ヵ月であった(HR:0.850、95%CI:0.684~1.056、非劣性p= 0.003)。・PFSもCBDCA/PEM群で長かった(HR:0.739、95%CI:0.609~0.896)。・Grade3/4の白血球減少および好中球減少症の発現率、発熱性好中球減症の発現率はCBDCA/PEM群で低かった(それぞれ28.0%対68.7%、46.3%対86.0%、4.2%対17.8%)・一方、Grade3/4の血小板減少症および貧血の発現率はCBDCA/PEM群で高かった(それぞれ25.7%対1.4%、29.4%対1.9%)・減量の頻度はCBDCA/PEMで少なかった。 カルボプラチン・ペメトレキセド併用とペメトレキセドの維持療法は、高齢の非扁平上皮NSCLCの1次治療においてドセタキセルとの非劣性が証明された。著者らは、同レジメンはこれらの患者集団への有効な選択肢であるとしている。

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非扁平上皮NSCLC、ペムブロリズマブ+化学療法の1次治療第III相試験アップデート(KEYNOTE-189)/JCO

 転移を有する非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療における、ペムブロリズマブ+化学療法の第III相KEYNOTE-189試験の結果が更新された。Journal of Clinical Oncology誌2020年3月9日号オンライン版掲載の報告。 同試験の対象は、再発・転移のある無治療のStageIV非扁平上皮NSCLC患者616例。登録患者は、ペムブロリズマブ(3週ごと最大35サイクル)+化学療法(カルボプラチンまたはシスプラチン+ペメトレキセドの3週ごと4サイクル後、ペメトレキセド3週ごと)群410例とプラセボ+化学療法(ペムブロリズマブ併用群と同一用法・用量)群206例に無作為に割り付けられた。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は23.1ヵ月であった(2018年9月21日時点)。・全生存期間(OS)中央値は、ペムブロリズマブ+化学療法群22.0ヵ月、化学療法群10.7ヵ月で、ハザード比(HR)は0.56(95%CI:0.45〜0.70)であった。・PD-L1発現別のOS HRは、TPS≧50%では0.59、TPS1~49%では0.62、TPS<1%では0.52であった。・無増悪生存期間(PFS)は、ペムブロリズマブ+化学療法群9.0ヵ月、化学療法群4.9ヵ月で、HRは0.48(95%CI:0.40~0.58)であった。・PD-L1発現別のPFS HRは、TPS≧50%では0.36、TPS1~49%では0.51、TPS<1%では0.64であった。・Grade3〜5の有害事象の発現率は、ペムブロリズマブ+化学療法群では71.9%、化学療法群では66.8%であった。 筆者らは、転移を有する非扁平上皮NSCLC1次治療におけるペムブロリズマブと化学療法併用の生存ベネフィットはPD-L1発現レベル、肝臓/脳転移の有無にかかわらず確認されたとしている。

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小細胞肺がんの1次治療、アテゾリズマブ+化学療法の患者評価(IMpower133)/Ann Oncol

 進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)へのカルボプラチン+エトポシド(CP/ET)+抗PD-L1抗体アテゾリズマブの併用の1次治療に関する「IMpower133試験」の安全性および患者報告アウトカムの評価結果が、米国・メイヨー・クリニックのA.S. Mansfield氏らにより示された。アテゾリズマブ+CP/ETレジメンはプラセボ+CP/ETと安全性プロファイルが同様であり、患者報告の健康関連QOL(HRQoL)に重大な影響は与えないことが示された。結果を踏まえて著者は、「示されたデータは、ES-SCLC 1次治療としてのアテゾリズマブ+CP/ETのベネフィット・リスクプロファイルを明確に示すもので、同レジメンを新たな標準治療として支持することをさらに裏付けるものであった」とまとめている。Annals of Oncology誌2020年2月号掲載の報告。  IMpower133試験において患者は、CP/ETに加えてアテゾリズマブまたはプラセボの21日/サイクルを4サイクル受け(導入期)、その後アテゾリズマブまたはプラセボを、病勢進行またはベネフィットがなくなるまで投与された(維持期)。有害事象(AE)の評価と、治療期間中3週間ごとにEuropean Organisation for the Research and Treatment of Cancer(EORTC)の生活の質に関する質問票(Core 30[QLQ-C30]とQLQ-LC13)を用いた評価が行われた。  主な結果は以下のとおり。 ・全AEおよびGrade3~4のAE、重篤なAEの発現頻度は、両フェーズ(導入期、維持期)ともに、アテゾリズマブ群とプラセボ群で同程度であった。・免疫関連AEの発現頻度は、両フェーズともにアテゾリズマブ群でより高率であった。導入期は28% vs.17%、維持期は26% vs.15%であった。・免疫関連AEで最も発現頻度が高かったのは、発疹(導入期:11% vs.9%、維持期:14% vs.4%)、甲状腺機能低下症(4.0% vs.0%、10% vs.1%)であった。・生活の質低下に関連した患者報告に基づく治療関連症状の変化は、導入期では概して同程度であり、変化のほとんどは維持期で認められた。・患者報告に基づく機能およびHRQoLは、治療開始後に両群で改善したが、アテゾリズマブ群ではHRQoLの改善がより顕著かつ持続的に認められた。

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