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オシメルチニブ以降の第3世代EGFR-TKI【肺がんインタビュー】 第62回

第62回 オシメルチニブ以降の第3世代EGFR-TKI出演:Karmanos Cancer Institute Department of Oncology 長阪 美沙子氏EGFR変異陽性非小細胞肺がんにおいて、第3世代EGFR-TKIのオシメルチニブは、すでに1次治療のスタンダードであるが、実はそれ以外にも多くの第3世代EGFR-TKIが開発中である。昨年(2020年)末のJournal of Thoracic Oncology誌に同薬のレビューを発表した米国Karmanos Cancer Instituteの長阪 美沙子氏に解説いただいた。参考Nagasaka M, et al. Beyond osimertinib: The development of 3 rd-generation EGFR Tyrosine Kinase Inhibitors. J Thorac Oncol. 2020 Dec 15

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がん関連3学会、がん患者への新型コロナワクチン接種のQ&A公開

 2021年3月29日、がん関連3学会(日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会)は合同で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A―患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第1版―」を公開した。昨年に公開された新型コロナとがん診療に関するQ&Aに付随した「ワクチン版」となる。 「Q1:がん患者はワクチンを受けた方がよいのですか」 「A:前向きに検討しましょう。ベネフィットとリスクを理解し、主治医の先生と相談して判断することが大切です」 ワクチン開発段階の臨床試験では、がん患者が対象に組み入れられることは少なかったが、世界各国で接種が進み、がん患者に関するエビデンスが集まりつつある現状を紹介。現状国内で承認された唯一のワクチンであるファイザー製のワクチン(BNT162b2)について、「イスラエルで実際に多くの人にBNT162b2が接種され、60万人と非接種者60万人と比較し報告されていますが、両群にはがん患者さんが2%、約12,000人が含まれています1)。全体として90%以上の発症予防効果示され、併存疾患に関する検討では、がん患者さんだけのデータは示されていませんが、3つ以上の併存疾患を有する場合の予防効果は86~89%でありその差はごくわずかです」と解説している。 「COVID-19ワクチンには予防効果というベネフィットと様々な副反応が生じるかもしれないというリスクがあります。がん患者さんのワクチン接種のベネフィットとして、発症や重症化の予防、検査やがん治療を遅滞なくより安全に進められることがあります」としたうえで、「がん患者さんにおける副反応についての調査や報告はありませんが、がん患者さんにおける重症化の可能性を考慮すると、ベネフィットがリスクを上回ると思われ接種が推奨されます。がん患者さん一人一人がそのベネフィットとリスクを正しく理解して、主治医の先生と相談して、接種するかどうかを自分で判断することが必要です」としている。 その他、放射線や薬物など治療ごとに考慮すべき点や、接種後の注意点などがまとめられている。

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2番目のKRAS G12C阻害薬adagrasib、非小細胞肺がんに有益性示す(KRYSTAL-1)/ELCC2021

 2つ目となるKRAS G12C阻害薬adagrasibの進行非小細胞肺がん(NSCLC)における試結果が、2021年3月25日、欧州肺癌学会(ELCC VIrtual2021)で発表された。  KRYSTAL-1は、KRAS G12C変異陽性の進行または転移のあるNSCLC79例を対象に、adagrasibを評価したマルチコホート第I/II相試験。 結果、患者の92%が化学療法およびPD-(L)1阻害薬の治療歴を有していた。有効性評価対象51例の45%がadagrasib治療により部分奏効(PR)を示し、26例(51%)が安定(SD)となった。 この試験結果は、もう1つのKRAS G12C阻害薬sortorasibの本年(2021年)世界肺がん学会での結果に匹敵するものだとしている。

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早期肺がん、アテゾリズマブの補助療法が主要評価項目を達成(IMpower010)/Genentech

 RocheグループのGenentechは、2021年3月21日、アテゾリズマブをベストサポーティブケア(BSC)と比較する第III相IMpower010試験の中間分析において、主要評価項目の無病生存期間(DFS)を達成したと発表。 IMpower010は、Stage IB~IIIAの非小細胞肺がん(NSCLC)を対象に、外科的切除とシスプラチンベースの補助療法(最大4サイクル)後のアジュバントにおけるアテゾリズマブの有効性と安全性をBSCと比較した国際第III非盲検試験。無作為割り付けは1,005例が対象となった。主要評価項目は、PD-L1陽性のStage II~IIIA、無作為化集団のStage II~IIIA、ITT集団のStage II~IIIAにおける、治験担当医判定のDFS。主な副次評価項目は、全体集団、ITT集団のStage IB~IIIAの全生存期間など。 この試験で、アテゾリズマブは手術および化学療法後の補助療法として、Stage II~IIIAのNSCLCにおいて統計学的に有意なDFSの改善を示した。DFSの改善は、PD-L1陽性集団で顕著であった。 Genentechは、IMpower010試験の結果を、今後の医学学会で発表し、米国食品医薬品局や欧州医薬品庁など世界の保健当局に提出するとしている。

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ニボルマブ+イピリムマブの肺がん術前治療、主要評価項目を達成(NEOSTAR)/Nat Med

 手術可能NSCLC患者を対象に、ニボルマブ+イピリムマブによる術前治療の有効性と安全性を評価する第II相NEOSTAR試験の追跡結果がNature Medicine誌に掲載された。・対象:切除可能Stage I~IIIA 非小細胞肺がん(Single N2)・arm A:ニボルマブ3mg/kg+イピリムマブ1mg/kg→ニボルマブ2週ごと3サイクル(NI群)・arm B:ニボルマブ3mg/kg→ニボルマブ2週ごと3サイクル(N群)・評価項目:[主要評価項目]N群とNI群のMPR(Major Pathologic Response、生存しうる腫瘍細胞10%以下)[副次評価項目]毒性、周術期罹患率/死亡率、奏効率(ORR)、無再発生存期間、全生存期間など 主な結果は以下のとおり。・NI群のMPR率は38%(8/21例)で、事前に指定された主要評価項(21例中6例のMPR)を達成した。・NI群のMPR率は22%(5/23例)であった。・切除を行った37例におけるMPR率は、NI群50%(8/16例)、N群24%(5/21例)であった。・NI群ではN群に比較べ、高い病理学的完全奏効率を示し(10%対38%)、生存しうる腫瘍細胞(viable tumor)も少なかった(50%対9%)。・腸内ルミノコッカス属とアッケルマンシア属の増加が併用療法のMPRと関連していた。

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StageIII非小細胞肺がんCRT、化学療法で予後は変わるか。10年間の追跡結果(WJTOG0105)/JAMA Oncol

 StageIIIの非小細胞肺がんの化学放射線療法(CRT)10年後の累積毒性発現と長期転帰を評価する多施設第III相無作為化試験WJTOG0105が行われ、その結果が国立がん研究センター東病院の善家 義貴氏らによりJAMA Oncology誌に発表された。非小細胞肺がん440例を無作為に割り付け、 CRTの長期転帰を比較・対象:切除不能なStageIII非小細胞肺がん患者・試験群: 毎週イリノテカン+カルボプラチン 6サイクル+胸部放射線療法(TRT)60Gy→イリノテカン+カルボプラチン 2サイクル(B群) 毎週パクリタキセル+カルボプラチン 6サイクル+TRT 60Gy→パクリタキセル+カルボプラチン 2サイクル(C群)・対照群:マイトマイシン+ビンデシン+シスプラチン 4サイクル+TRT 60Gy(A群)・評価項目:[主要評価項目]CRT後10年の生存率[副次評価項目]CRT開始90日以降の毒性 StageIII非小細胞肺がんのCRT10年後の累積毒性発現と長期転帰を評価した主な結果は以下のとおり。・2001年9月〜2005年9月に、440例の患者がA群(146例)、B群(147例)、C群(147例)に無作為に割り付けられた。・CRTを受けた非小細胞肺がん患者の追跡期間中央値は11.9年であった。・全生存期間中央値はA群20.5ヵ月、B群19.8ヵ月、C群22.0ヵ月、10年生存率はそれぞれ13.6%、7.5%、15.2%で、治療群間に有意差はなかった。・10年無増悪生存率はA群8.5%、B群6.5%、C群11.1%であった。・Garde3/4の後期毒性はA群で3.4%(心臓0.7%、肺2.7%)に発現。肺にのみ発現したGarde3/4の毒性はB群3.4%、C群4.1%であった。 この非小細胞肺がんCRT開始から10年間の追跡において、C群はA群と同様の有効性と安全性プロファイルを示した。

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TRK阻害薬ラロトレクチニブ、NTRK陽性固形がんに国内承認/バイエル

 バイエル薬品は、2021年3月23日、神経栄養因子チロシンキナーゼ受容体(NTRK)融合遺伝子陽性の進行・再発固形がん治療薬として、ラロトレクチニブ(商品名:ヴァイトラックビ)の製造販売承認を取得した。 ラロトレクチニブは、NTRK遺伝子融合陽性の進行・再発の固形がんの治療に特化した経口トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)阻害薬として開発され、TRK融合を有する成人および小児固形がん患者に対し、高い奏効割合と持続的な奏効を示し、TRK融合を有する中枢神経系原発腫瘍に対して高い病勢コントロール率を示している。 日本におけるヴァイトラックビの承認は、成人および青年期の患者を対象とした第II相試験NAVIGATE、および小児を対象とした第I/II相試験SCOUTのデータに基づくもの。 また、同剤のコンパニオン診断としては、ファウンデーション・メディシン社の「FoundationOne CDx がんゲノムプロファイル」が、本年1月22日に適応追加の承認を取得している。

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既治療NSCLCへのニボルマブ、5年生存率の結果/JCO

 免疫療法は、進行非小細胞肺がん(NSCLC)の治療に革命をもたらした。すでに、既治療の扁平上皮および非扁平上皮NSCLC患者を対象とした2つの第III相試験(CheckMate-017およびCheckMate-057)において、ニボルマブはドセタキセルと比較し、全生存(OS)期間の改善と良好な安全性を示している。米国・Fox Chase Cancer CenterのHossein Borghaei氏らは、両試験の5年間における有効性および安全性に関するプール解析を行い、ニボルマブはドセタキセルと比較して、OS延長効果が持続し、新たな安全性の懸念はなかったことを明らかにした。Journal of Clinical Oncology誌2021年3月1日号掲載の報告。 研究グループは、プラチナ併用化学療法中または化学療法後に進行したECOG PS≦1のNSCLC患者(CheckMate-017:扁平上皮がん、CheckMate-057:非扁平上皮がん、合計854例)を、ニボルマブ群(3mg/kg、2週間ごと)またはドセタキセル群(75mg/m2、3週間ごと)に1対1の割合で無作為に割り付け、進行または許容できない毒性発現まで投与した。 両試験の主要評価項目はOSで、副次評価項目は無増悪生存(PFS)および安全性などであった。探索的ランドマーク解析による評価も行った。 主な結果は以下のとおり。・CheckMate-017試験64.2ヵ月、CheckMate-057試験64.5ヵ月の最小追跡期間において、ニボルマブ群で50例、ドセタキセル群で9例が生存していた。・5年OS率はニボルマブ群13.4%、ドセタキセル群2.6%であり、5年PFS率はそれぞれ8.0%、0%であった。・ランドマーク解析において、2年時および3年時に病勢進行を認めなかったニボルマブ群の患者の5年生存率はそれぞれ82.0%および93.0%、5年無増悪率はそれぞれ59.6%および78.3%であった。・治療関連有害事象(TRAE)は、3~5年の追跡期間中にニボルマブ群で31例中8例(25.8%)に報告され、そのうち7例が新たな事象を経験した。Grade3のTRAEは1例(3.2%)認められた。Grade4のTRAEはなかった。

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血液検体による固形がんCGP「FoundationOne Liquid CDx」国内承認/中外

 中外製薬は、2021年03月23日、固形がんに対する包括的ゲノムプロファイリング(CGP: comprehensive genomic profiling)を提供するリキッドバイオプシー(LB: liquid biopsy)検査として、「FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル」の承認を、3月22日に厚生労働省より取得したと発表。血液検体を用いた固形がんに対するCGPと、国内で承認された複数のコンパニオン診断機能を併せ持ったがん遺伝子パネル検査として国内初の承認となる。 FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイルは、進行固形がん患者を対象とし、血液中の循環腫瘍DNA(ctDNA: circulating tumor DNA)を用いることで、324のがん関連遺伝子を解析する。がんゲノムプロファイリング機能と併せ、厚生労働省より承認されている複数の分子標的治療のコンパニオン診断機能も有しており、これらの結果を一つのレポートとして提供する。 販売名はFoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル。下の医薬品の適応判定の補助を目的とし、対応する遺伝子変異等を検出する。・EGFR遺伝子変異(非小細胞肺がん):アファチニブマレイン酸塩、エルロチニブ塩酸塩、ゲフィチニブ、オシメルチニブメシル酸塩・EGFRT790M変異(非小細胞肺がん):オシメルチニブメシル酸塩・ALK融合遺伝子(非小細胞肺がん):アレクチニブ塩酸塩、クリゾチニブ、セリチニブ・ROS1融合遺伝子(非小細胞肺がん):エヌトレクチニブ・NTRK1/2/3融合遺伝子(固形がん):エヌトレクチニブ

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ROS1陽性肺がんに対するエヌトレクチニブ、統合解析の結果/JCO

 ROS1融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)におけるROS1‐TKIエヌトレクチニブ(商品名:ロズリートレク)の3つの第I、II相臨床試験(ALKA-372-001、STARTRK-1、STARTRK-2)の統合分析の結果がJournal of Clinical Oncology誌に掲載された。 有効性評価集団は、局所進行または転移のあるROS1陽性NSCLCの成人患者で、CNS転移の有無にかかわらず600mg/日以上のエヌトレクチニブを投与された。複合主要評価項目は盲検化独立中央委員会評価の客観的奏効率(ORR)と奏効期間(DoR)、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、頭蓋内ORR、頭蓋内DoR、頭蓋内PFS、安全性などであった。 主な結果は以下のとおり。・6ヵ月以上の追跡を行った161例が評価対象となった。・治療期間中央値は10.7ヵ月であった。・ORRは67.1%であった。・DoR中央値は15.7ヵ月、12ヵ月DoR率63%であった。・PFS中央値は15.7ヵ月、12ヵ月PFS率は55%であった。・OS中央値は未達、12ヵ月OS率は81%であった。・CNS転移を有する患者(24例)の盲検化独立中央委員会による頭蓋内ORRは79.2%であった。・頭蓋内PFS中央値は12.0ヵ月、頭蓋内DoR中央値は12.9ヵ月、12ヵ月DoR割合は55%であった。・初回解析と同様、新たな安全性シグナルは見つからなかった。

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汎HER阻害薬poziotinib、EGFRおよびHER2 exon20変異NSCLCに有望な評価/ESMO-TAT2021

 2021年3月1〜2日に開催されたESMO Targeted Anticancer Therapies(TAT)Virtual Congress 2021の発表によると、EGFR exon20変異を有する転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、汎HER阻害薬poziotinibは臨床的利益と許容できる安全性を示した。さらにこの研究では、EGFRまたはHER2のexon20変異を有する患者において、poziotinibの1日2回の投与が1回投与に比べ安全性プロファイルが改善される可能性があることを示した。このpoziotinibの研究はマルチコホート第II相ZENITH20試験である。・対象:[コホート3]転移のある未治療のEGFR exon20変異NSCLC患者79例[コホート5」EGFRまたはHER2 exoin20変異NSCLC患者40例・介入:[コホート3]poziotinib16 mg/日[コホート5」poziotinib1日1回(10、12、16mg/回)と1日2回(6mg、8mg/回)に無作為に割り付け。・評価項目:客観的奏効率(ORR)奏効期間、無増悪生存期間(PFS)および安全性 主な結果は以下のとおり。[コホート3]・追跡期間中央値9.2ヵ月時点で、79例中12例が治療を継続していた。 ・ORRは27.8%、疾患制御率は86.1%であった。・DoR中央値は6.5ヵ月であった。・ITT解析患者の91%が腫瘍縮小を示した。 ・PFS中央値は7.2ヵ月であった。・有害事象(AE)プロファイルは、第2世代EGFR-TKIと同様であった。Gade3以上のAEは皮疹が33%、下痢が23%で発現した。[コホート5]・AE発現率は16mg1日1回の31%に対し、8mg1日2回では21%、12mg1日1回の27%に対し、6mg1日2回では16%と、1日2回投与群で低かった。 これらのデータは、poziotinibの16mg/日投与が転移のある未治療のEGFR exoin20変異NSCLC患者において臨床的に意味のある活性を有することを示し、さらに、1日2回投与とすることで、忍容性と安全性が改善されたことを示唆したと、著者らは述べている。

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「腫瘍内科専門医」は新専門医制度で何が変わる?/日本臨床腫瘍学会

 日本臨床腫瘍学会の専門医制度は、新専門医制度の中で主に内科を基本領域とする「サブスペシャルティ領域専門医」として日本専門医機構より認定された。名称は「腫瘍内科専門医」とされ、今秋・遅くとも来春からの研修開始を目指して最終調整が進められている。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)ではこの新専門医制度についてシンポジウムが開催された。本稿では、その概要について解説した田村 研治氏(島根大学医学部附属病院先端がん治療センター)の講演内容を紹介する。「腫瘍内科専門医」への名称変更に紆余曲折 2018年、日本専門医機構は「がん薬物療法専門医」を新専門医制度における「サブスペシャリティ領域専門医」として承認した。しかし2019年に厚生労働省・医道審議会医師分科会・医師研修部会が発足し、同新制度の問題点を指摘。サブスペシャリティ領域の承認基準や整備指針に不十分な点があるのではないかということで、見直しが図られた。 その結果、最終的に「がん薬物療法専門医」は「腫瘍内科専門医」に名称が変更され、内科のサブスペシャリティ領域の1つとして承認された。腫瘍内科と呼吸器内科で異なるサブスぺ領域の類型とは? サブスペシャリティ領域は、研修実施の時期や考え方に応じて以下の3類型が設けられている。1)連動研修を行い得る領域:内科(ほか基本領域)の3年間の研修中に、いくつかの症例について連動して研修可能(消化器内科、呼吸器内科、血液内科など)2)連動研修を行わない領域:内科(ほか基本領域)の3年間の研修後に開始(腫瘍内科、アレルギー、感染症など)3)少なくとも1つのサブスペシャリティ領域を修得した後に研修を行う領域:(消化器内科→肝臓内科、消化器内視鏡など) このうち、腫瘍内科は2)連動研修を行わない領域に位置づけられ、3年間の基本領域研修中にがんの症例を経験したとしても、研修経験は共有できない。また、複数のサブスペシャリティ領域の同時登録はできないため、例えば連動研修として呼吸器内科の研修を開始していた場合に、同時期に腫瘍内科での研修を開始することはできない。 しかし、サブスペシャリティ領域どうしの症例のオーバーラップは可能であり、田村氏は「例えば呼吸器内科領域で肺がんの症例を診ていて、2つめのサブスぺ領域として腫瘍内科を選択した場合には、双方の学会の同意のもと、腫瘍内科での症例としても認められることとなっている」と説明した。また、新専門医制度は5年をめどに制度が見直されることとされており、「将来的には、腫瘍内科についても連動研修が可能となるよう目指して体制の整備含め動いていきたい」と展望を示した。腫瘍内科専門医は日本内科学会を基本領域とする 旧専門医制度での「がん薬物療法専門医」取得にあたっては、内科のほか外科、産婦人科、泌尿器科など14学会の専門医資格を基本資格としている。しかし、新専門医制度では、「腫瘍内科専門医」は日本内科学会を基本領域とする。この背景には、新制度では多くのサブスペシャリティ領域専門医の取得が実質的に難しいこと(原則として2領域)、「がん薬物療法専門医」取得者の基本領域は86%を日本内科学会が占めることがある。ただし、日本外科学会を基本領域としている医師も10%ほどおり、田村氏は「とくに乳がん領域で多く、今後日本外科学会については基本領域としての追加を検討していきたい」と話した。 なお、この変更は旧専門医制度「がん薬物療法専門医」取得者の更新には影響せず、例えば皮膚科を基本領域として「がん薬物療法専門医」を取得している医師の資格は失われない。腫瘍内科専門医が2024年度頃に誕生の見通し 新専門医制度における内科専門研修1期生は、2018年から3年間の基本領域プログラムを受けており、本来であれば、2021年4月から腫瘍内科等のサブスペシャリティ領域の研修がスタート予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症等の影響で遅れが出ており、基本領域の試験は2021年7月4日に予定されている。「腫瘍内科専門医のモデルカリキュラムは9月頃にはホームページ上で公開予定となっており、J-OSLERの開始も遅くとも来春までには整えたい」と田村氏は説明した。なお、2021年4月からの症例については、さかのぼって実績に含めることができる。 今後数年は旧制度と新制度が並行する形となるが、2024年度頃におそらく最初の腫瘍内科専門医が誕生し、その後最終的には、旧制度は終了する予定との見通しを同氏は示した。参加者からは、「外科などの内科以外を基本領域とするがん薬物療法専門医は腫瘍内科専門医へ移行可能か?」という質問が寄せられた。同氏は、旧制度のがん薬物療法専門医は順次更新が行われるので、新専門医制度による影響は受けないことを説明。名称については今後更新の際に「がん薬物療法専門医」→「腫瘍内科専門医」と変更される可能性はあるが、資格としては変わらず更新が可能とした。

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ペムブロリズマブ、TMB-High固形がんに国内承認申請/MSD

 MSDは、2021年3月11日、抗PD-1抗体ペムブロリズマブ (商品名:キイトルーダ)について、がん化学療法後に増悪した進行・再発の腫瘍遺伝子変異量高スコア(TMB-High)を有する固形がんに対する製造販売承認事項一部変更承認申請を行った。がん種横断的に共通するバイオマーカーに基づいた承認申請としては、2018年に承認を取得した高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がんに次いで、2件目の申請となる。 腫瘍遺伝子変異量(TMB)とは、腫瘍細胞に生じた遺伝子変異量で、ゲノムコーディング領域1メガ塩基 (megabase) 当たりの非同義体細胞遺伝子変異数として示され、10変異/megabase以上である状態をTMB-Highと定義している。TMB-Highの腫瘍では、ネオアンチゲンがより多く誘導され、免疫チェックポイント阻害薬に対して良好に反応する可能性があるとされ、悪性黒色腫、非小細胞肺がん、大腸がん、子宮内膜がんなどで比較的多く見られると報告されている。 今回の製造販売承認事項一部変更承認申請は、固形がんに対するペムブロリズマブの有効性を評価する多施設共同非ランダム化非盲検試験であるKEYNOTE-158試験のデータに基づいたもの。

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EGFR変異肺がん2次治療、オシメルチニブ+ベバシズマブの評価は?【肺がんインタビュー】 第60回

第60回 EGFR変異肺がん2次治療、オシメルチニブ+ベバシズマブの評価は?出演:和歌山県立医科大学 内科学第3講座 赤松 弘朗氏EGFR変異非小細胞肺がんにおけるEGFR-TKIとVEGF阻害薬の併用による有効性の向上が報告されている。そこで2次治療のT790 M変異陽性例に対するオシメルチニブ+ベバシズマブを評価するWJOG8715L試験が行われ、その結果がJAMA Oncology誌で発表された。筆頭著者である和歌山県立医科大学の赤松 弘朗氏に同研究の内容と結果について聞いた。参考Akamatsu H, et al. Efficacy of Osimertinib Plus Bevacizumab vs Osimertinib in Patients With EGFR T790M-Mutated Non-Small Cell Lung Cancer Previously Treated With Epidermal Growth Factor Receptor-Tyrosine Kinase Inhibitor: West Japan Oncology Group 8715L Phase 2 Randomized Clinical Trial.JAMA Oncol. 2021 Jan.[Epub ahead of print]

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T790M陽性肺がん、オシメルチニブ+ベバシズマブ有効性示せず(WJOG8715L)/JAMA Oncol

 EGFR変異非小細胞肺がんにおける第1世代EGFR-TKIとVEGF阻害薬の併用による有効性の向上が報告されている。そこで2次治療のT790 M変異陽性例に対するオシメルチニブ+ベバシズマブの有効性と安全性を評価する第I/II相WJOG8715L試験が行われた。この試験は6例の導入部分とそれに続く第II相部分で構成される。・対象:EGFR-TKI(第3世代TKI除く)耐性かつEGFRT790M変異陽性の進行肺腺がん患者・試験群:オシメルチニブ80mg/日+ベバシズマブ15mg/kg 3週間ごと PDとなるまで・対照群:オシメルチニブ80mg/日PDとなるまで・評価項目:[主要評価項目]治験担当医評価の無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]全体奏効率(ORR)、治療成功時間(TTF)、全生存期間(OS)、安全性 主な結果は以下の通り・2017年8月〜2018年9月に、第II相には87例の患者が登録された。・登録患者年齢中央値は68歳、男性41%、ECOG PS 0が46%、脳転移例は26%であった。・PFS中央値はオシメルチニブ+ベバシズマブ群9.4ヵ月、オシメルチニブ群13.5ヵ月であった(HR:1.44、80%CI:1.00〜2.08、p=0.20)。・ORRはオシメルチニブ+ベバシズマブ群68%、オシメルチニブ群54%であった。・TTF中央値は、オシメルチニブ+ベバシズマブ群8.4ヵ月、オシメルチニブ群11.2ヵ月であった(p=0.12)。・OS中央値は、オシメルチニブ+ベバシズマブ群未達、オシメルチニブ群22.1ヵ月であった( p=0.96)。・併用療法群で、Grade3以上の一般的な有害事象はタンパク尿(23%)、高血圧(20%)であった。 EGFRT790M変異を有する進行肺腺がん患者においてオシメルチニブとベバシズマブの併用はオシメルチニブ単独と比較して主要・副次評価項目を達成できなかった。

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肺がん1次治療におけるペムブロリズマブ単独治療、日本人の5年生存率(KEYNOTE-024)/日本臨床腫瘍学会

 PD-L1発現(TPS≧50%)の転移を有する非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療におけるペンブロリズマブ単剤治療と標準化学療法を比較した第III相KEYNOTE-024試験。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)では、日本人サブセットの58.8ヵ月追跡結果を静岡県立静岡がんセンターの高橋 利明氏が発表した。・対象:転移を有する未治療のPD-L1高発現(TPS≧50%)NSCLC患者(305例)・試験群:ペムブロリズマブ200mg 3週ごと(154例)・対照群:治験担当医が選択したプラチナベース化学療法 4~6サイクル(151例)・評価項目:[主要評価項目]無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]OSなど 主な結果は以下のとおり。・日本人患者40例がペンブロリズマブ群21例と化学療法群19例に無作為に割り付けられた。・データカットオフ時(2020年6月1日)の日本人サブセットの追跡期間中央値は58.8ヵ月であった。・19例中14例73.7%が化学療法から抗PD-L1療法にクロスオーバーした。・日本人サブセットのOS中央値はペンブロリズマブ群は未達、化学療法群は21.5ヵ月であった(HR:0.39、95%CI:0.17〜0.89)。5年OS率は、ペンブロリズマブ群50.8%に対し、化学療法群では21.1%(6.6-41.0)であった。・日本人サブセットのPFS中央値はペムブロリズマブ群14.6ヵ月、化学療法群4.1ヵ月であった(HR:0.21、95%CI:0.09〜0.50)。3年PFS率はペムブロリズマブ群35.9%に対し、化学療法群0%であった。・ペンブロリズマブ群の治療期間が長かったにもかかわらず(13.1ヵ月対3.5ヵ月)、Grade3〜5の治療関連有害事象は、化学療法に比べペンブロリズマブ群で頻度が低く、47%対19%であった。 これらの結果は、PD-L1(TPS)50%以上の日本人NSLC患者におけるペンブロリズマブ単剤療法の1次治療を持続的に長期OSの利益を提供し続けた。

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原発不明がん、NGSから原発を推定した治療の成果は?(NGSCUP)/日本臨床腫瘍学会

 原発不明がん(CUP)は全悪性腫瘍の2〜5%を占める。生命予後は不良、治療法は未確立であり、経験的にプラチナ製剤とタキサンの併用が行われている。最近の腫瘍ゲノム解析の進歩によりCUP個別患者の腫瘍の遺伝子発現/異常パターンから原発腫瘍を推定し、特異的治療を行う試みがある。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)では、未治療のCUPに対し次世代シークエンサー(NGS)による遺伝子プロファイリングから推定された原発疾患に対する標準的治療を行う多施設共同第II相試験の結果を千葉大学の滝口 裕一氏が発表した。 対象は未治療の転移を有するCUP患者110例(PS 0~2)。対象患者はNGS検査ののち、推定された原発腫瘍に対する標準治療を受けた。主要評価項目は1年全生存(OS)割合。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏効率、有害事象などである。事前に設定された1年全生存(OS)割合の95%信頼区間(CI)の下限は40%であった。 主な結果は以下のとおり。・97例が推定された原発腫瘍に対する治療を受けた。・NGSにより推定された原発腫瘍としては肺がん22%、肝臓がん16%、腎がん16%、大腸がん12%など、組織型は腺がん52.6%、低分化腺がん16.5%、未分化がん15.5%、扁平上皮がん9.3%であった。・1年OS割合は53.1%(95%CI:42.6~62.5)で、事前に設定された閾値を上回り、主要評価項目を達成した。・OS中央値は13.7ヵ月、PFS中央値は5.2ヵ月であった。・発見された遺伝子異常は、TP5346.4%、KRAS19.6%、CDKN2A18.6%であった。・事前に定義した有効な薬物療法がある腫瘍(大腸がん、乳がん、卵巣がん、腎がん、前立腺がん、膀胱がん、非小細胞肺がん、胚細胞腫瘍、リンパ腫)と推定された患者はそれ以外と比べ、OS15.7ヵ月対11.0ヵ月(HR:0.634、p=0.078)、PFS5.5ヵ月対2.8ヵ月(HR:0.578、p=0.019)と、良好な生存期間を示す傾向が認められた。

1060.

非扁平上皮NSCLC、KEYNOTE-189のOSおよび日本人試験のアップデート/日本臨床腫瘍学会

 転移を有する非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療における、ペムブロリズマブ+化学療法の第III相KEYNOTE-189試験。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)では、関西医科大学の倉田 宝保氏が全集団の全生存期間(OS)と日本人サブセットのアップデートを発表した。・対象:再発・転移のある無治療のStageIV非扁平上皮NSCLC患者・試験群:ペムブロリズマブ+化学療法(カルボプラチンまたはシスプラチン+ペメトレキセド)3週ごと4サイクル後、ペメトレキセド3週ごと最大35サイクル)(ペムブロリズマブ+Chemo群)・対照群:プラセボ+化学療法(ペムブロリズマブ併用群と同一用法・用量)(Chemo群)・評価項目:[主要評価項目]OS、無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)、安全性[探索的評価項目]PD-L1発現(TPS)別OS、PFS、ORR、2次治療後までを含めたPFS(PFS2)など 主な結果は以下のとおり。・全集団のOS追跡期間中央値は46.3ヵ月、日本人サブセットの追跡期間中央値は33.8ヵ月であった。・全集団のOSはペムブロリズマブ+Chemo群22.0ヵ月、Chemo群10.6ヵ月、3年OS率はペムブロリズマブ+Chemo群31.3%、Chemo群17.4%であった(HR:0.60、95%CI:0.50~0.72)。・全集団のPFSはペムブロリズマブ+Chemo群9.0ヵ月、Chemo群4.9ヵ月、3年PFS率はペムブロリズマブ+Chemo群11.8%、Chemo群1.3%であった(HR:0.50、95%CI:0.41~0.59)。・40例の日本人患者はペムブロリズマブ+Chemo群25例、Chemo群15例に無作為に割り付けられた。・日本人のOS中央値はペムブロリズマブ+Chemo群は未達、Chemo群25.9ヵ月であった(HR:0.44、95%CI:0.19〜1.04)。・日本人のPFS中央値はペムブロリズマブ+Chemo群17.4ヵ月、Chemo群は7.1ヵ月であった(HR:0.76、95%CI:0.37〜1.55)。・日本人のORRはペムブロリズマブ+Chemo群56.0%、Chemo群は33.3%であった。・全集団のGrade3以上の治療関連有害事象(TRAE)発現率はペンブロリズマブ+Chemo群52.1%、Chemo群42.1%、日本人集団のGrade3以上のTRAE発現率はペンブロリズマブ+Chemo群60.0%、Chemo群46.7%であった。

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