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がん悪液質におけるアナモレリンのレスポンダー(ONO-7643-04)/日本臨床腫瘍学会

 がん悪液質の国内第II相プラセボ対照比較ONO-7643-04試験における、アナモレリン奏効患者のサブ解析が、第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022 )で静岡県立静岡がんセンターの内藤立暁氏により発表された。ONO-7643-04試験のサブ解析、アナモレリンが優越性示す ONO-7643-04試験のサブ解析の結果、ほとんどのサブグループでアナモレリンの優越性が示された。ただし、PS不良例など一部のサブグループでの優越性の低さが示されている。・対象:非小細胞肺がんに関連するがん悪液質患者(n=174)・試験薬群:アナモレリン(n=84)・対照群:プラセボ(n=90)・評価項目:除脂肪体重(LBM)、体重、食欲に対する奏効率、OOLなど ONO-7643-04試験のアナモレリン奏効患者におけるサブ解析の主な結果は以下のとおり。・除脂肪体重に関する全体の奏効率はアナモレリン群64.4%に対しプラセボは28.9%、オッズ比(OR)は4.41で、アナモレリン群で有意に良好であった(p<0.001)。・ただし、PS不良群(ECOG PS2、OR:4.00、p=0.140)と、同時併用薬なし群(OS:1.20、p=0.820)では他のサブグループと比べ低かった。・全体重に関する全体の奏効率はアナモレリン群65.4%、プラセボ16.7%、ORは9.46で、アナモレリン群で有意に良好であった(p

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がんゲノム座談会 ~リキッドバイオプシーのメリット・デメリット、組織との違いを整理~【Oncologyインタビュー】第37回

司会聖マリアンナ医科大学 砂川優氏パネリスト国立がん研究センター中央病院 角南久仁子氏パネリスト・症例供覧国立がん研究センター東病院 中村能章氏続々と発表される、がんのリキッドバイオプシー研究。リキッドバイオプシーにはどのようなメリットがあるのか。リキッドバイオプシーが適するケースはどのようなものか、いまだに不明点は多い。リキッド、組織それぞれのゲノム解析のスペシャリストを招き自由に議論いただいた。

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肺がんCCRTのデュルバルマブ維持療法の5年解析(PACIFIC)/JCO

 Stage IIIの非小細胞肺がん(NSCLC)における化学放射線同時療法(CCRT)後のデュルバルマブ維持療法を評価した第III相PACIFIC試験の5年生存データが、Journal of Clinical Oncology誌に発表された。化学放射線同時療法後のデュルバルマブ維持療法は5年後も良好な成績を示している。・対象:CCRT後に進行していない切除不能Stage III NSCLC患者・試験群:デュルバルマブ10mg/kg、2週ごと12ヵ月(473例)・対照群:プラセボ、2週ごと12ヵ月(236例)・評価項目:[主要評価項目]盲検独立中央評価委員会(BICR)判定による無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)[副次評価項目]死亡または遠隔転移までの時間、2回目の進行までの時間、安全性などCRTの1~42日後に、被験者はデュルバルマブとプラセボに2対1に無作為に割り付けられた。 主な結果は以下のとおり。 ・調査対象患者の追跡期間中央値は61.6ヵ月であった・更新されたOS中央値はデュルバルマブ群47.5ヵ月、プラセボ群29.1ヵ月で、ハザード比(HR)は0.72(95%CI:0.59〜0.89)であった。・ PFS中央値はデュルバルマブ群16.9ヵ月、プラセボ群は5.6ヵ月で、HRは0.55(95%CI:0.45〜0.68)と、初回解析の結果から一貫していた。・推定5年PFS率はデュルバルマブ群33.1%に対し、プラセボ群は19.0%であった。 5年間の追跡結果でも、化学放射線同時療法後のデュルバルマブ維持療法は強固なOS成績と持続的なPFSの改善を示している。

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日本人がん患者の心血管疾患、発生しやすいがん種などが明らかに/日本循環器学会

 近年、がん患者の生存率向上により治療の副作用の1つである心毒性が問題視されている。ところが、アジア圏のなかでもとくに日本国内のそのような研究報告が乏しい。今回、村田 峻輔氏(国立循環器病センター予防医学・疫学情報部)らが、国内がん生存者における心血管疾患の全国的な発生率に関する後ろ向きコホート研究を行い、不整脈、心不全(HF)、および急性冠症候群(ASC)の100人年当たりの発生率(IR)は、それぞれ2.26、2.08、0.54 で不整脈とHFでは明らかに高く、一般集団と比較してもHFやACSのIRは非常に高いことが明らかになった。本結果は2022年3月11~13日に開催された第86回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Cohort Studies2で報告された。 本研究では、がん患者の心血管疾患発症に関し「HBCR(Hospital-based cancer registry)を用いてがん患者における心血管疾患の発生状況を説明する」「年齢・性別による発症頻度の違いを比較」「がん患者の心不全予防調査」の3つを目的として、対象者を1年間追跡して各心血管疾患の年間発生率を調査した。2014~2015年のDPCデータから対象のがん患者(乳がん、子宮頸がん、結腸がん、肝臓がん、肺がん、前立腺がん、胃がん)の心血管疾患発生状況を、HBCRデータからがん種、病期、1次治療に関する情報を抽出し、不整脈、HF、ASC、脳梗塞(CI)、脳出血(ICH)、静脈血栓塞栓症(VTE)の6つの発生率を調査した。各心血管疾患について、全がん患者、がん種別、年齢・性別のサブグループで100人年当たりのIRと95%信頼区間を算出した。また、各がん種で各心血管疾患のIRを比較、HF発生に対する潜在的な予測因子を調べるためにロジスティクス回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・本研究の対象者は、2014~15年にがん診療連携拠点病院495施設でがん(乳がん、子宮頸がん、結腸がん、肝臓がん、肺がん、前立腺がん、胃がん)と診断された者から外来のみまたは18歳未満の患者を除外した54万1,956例だった。・患者の構成は、乳がんと子宮頸がん患者では若年者が多く、いずれも1次治療には外科的治療の選択が多かった。一方、肝臓がんと肺がんはいずれも40%超が1次治療として化学療法を実施していた。・不整脈、HF、およびACSの100人年当たりのIRは、それぞれ2.26、2.08、0.54で不整脈とHFでは明らかに高く、一般集団と比較してもHFやACSのIRは非常に高かった。これは年齢・性別で比較しても明らかであった。・不整脈とHF、ACSの発生率を年齢・性別でみると、高齢者かつ男性で多かった。・がん種ごとにIRをみたところ、肺がん、肝臓がん、結腸がん、そして胃がん患者では不整脈の頻度が高かった。・肺がんと肝臓がん患者ではHFのIRも高く、化学療法や外科的治療が関連していた。その予測因子として、肺がんのオッズ比(OR)は、病期stage2で1.23(95 %信頼区間[CI]:1.08~1.40、p=0.001)、stage3で1.26(同:1.13~1.41、p

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Guardant360が固形がんの包括的ゲノムプロファイリング用リキッドバイオプシーとして承認

 ガーダントヘルスジャパンは、3月10日、固形がん患者における包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)用リキッドバイオプシー検査 Guardant360 CDx がん遺伝子パネル(Guardant360 CDx)の医療機器プログラムとしての製造販売承認を取得したと発表。 Guardant360 CDxは、ペムブロリズマブ(製品名:キイトルーダ)の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)固形がんおよびニボルマブ(製品名:オプジーボ)のMSI-High結腸・直腸がんのコンパニオン診断としての承認も取得している。 また、2021年12月、KRAS G12C阻害薬ソトラシブ(製品名:ルマケラス)のKRAS G12C変異陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺がんに対するコンパニオン診断として承認された。

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EGFR変異肺がん外科切除例の予後と特徴【肺がんインタビュー】 第76回

第76回 EGFR変異肺がん外科切除例の予後と特徴出演:近畿大学医学部 外科学 呼吸器外科部門 須田 健一氏非小細胞肺がん(NSCLC)周術期の分子標的療法についての議論が進んでいる。そのような中、5,000例を超えるわが国の肺がん切除例について、EGFR変異の意義を検討したデータがThe Annals of Thoracic Surgery誌で発表された。EGFR変異や変異サブタイプの予後因子としての意義、再発パターンや今後の展望について、筆頭著者の近畿大学医学部の須田健一氏に解説いただいた。参考Suda K,et al. Clinical Impacts of EGFR Mutation Status: Analysis of 5780 Surgically Resected Lung Cancer Cases. Ann Thorac Surg.2021;111:269-276.EGFR変異肺がん外科切除例の特徴と予後~肺癌登録合同委員会からの考察/日本肺癌学会2021

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ニボルマブ+イピリムマブ+2サイクル化学療法のNSCLC1次治療、アジア人でも有用(CheckMate9LA)

 非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療、ニボルマブ+イピリムマブ+2サイクル化学療法の無作為化第III相CheckMate9LA試験の日本人含むアジア人サブセット解析の結果がInternational Journal of Clinical Oncology誌に発表された。アジア人患者においても全集団と同様に、同レジメンの有用性が示されている。CheckMate9LA試験ではアジア人患者においても全集団と同様に有用性を示した[CheckMate9LA試験]・対象:未治療のStage IVまたは再発NSCLC患者(PS 0~1)・試験群:ニボルマブ360mg 3週ごと+イピリムマブ1mg 6週ごと+組織型別化学療法(シスプラチン/カルボプラチン+ペメトレキセド+ペメトレキセド維持療法またはカルボプラチン+パクリタキセル)3週ごと2サイクル(NIVO+IPI+Chemo群)・対照群:組織型別化学療法 3週ごと4サイクル(Chemo群)・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価の無増悪生存期間(PFS)、BICR評価の全奏効率(ORR)、PD-L1発現別抗腫瘍効果 CheckMate9LA試験の主な結果は以下のとおり。・アジア人患者の割り付けは、NIVO+IPI+Chemo群28例、Chemo群30例であった。・追跡期間は12.7ヵ月であった。・OS中央値は、NIVO+IPI+Chemo群では未到達、Chemo群13.3ヵ月であった(HR:0.47、95%CI:0.24〜0.92)。・ORRはニNIVO+IPI+Chemo群では57%、Chemo群では23%であった・Grade3/4の有害事象はNIVO+IPI+Chemo群の57%、Chemo群の50%で発現した。 CheckMate9LA試験でニボルマブ+イピリムマブ+化学療法レジメンはアジア人患者においても全集団と同様に有用性を示した。筆者は、ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法レジメンはアジア人サブセットにおいても有効性を改善し、安全性についても管理可能であり、アジア人の進行NSCLC患者の1次治療への使用を支持するものだと述べている。

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人は病気になってから予防する【Dr. 中島の 新・徒然草】(416)

四百十六の段 人は病気になってから予防する皆さん、禁煙指導にはいろいろな工夫をしておられることと思います。私は最近、「タバコをやめろ」とガミガミ言っておりません。あまり効果を感じられないからです。それに結局は個人の自由でもありますから。さて、今回来院されたのは50代の女性、主訴は慢性咳嗽。「咳が続くので下気道のほうに原因はないでしょうか?」という近所の耳鼻科からの紹介です。彼女の登場とともにモワッとしたタバコの臭いに気づきました。中島「かなり吸うほうですか?」患者「1日に1箱半ぐらいかな」中島「そうすると1日15本か」患者「いや1箱半なので30本です」中島「ああ、1箱は20本でしたね、すみません」タバコの本数をきかれると〇箱と答える喫煙者が多いですね。でも、ブリンクマン指数を計算するには本数に換算しなくてはなりません。1箱が何本だったか、ちゃんと覚えておかないと。中島「二十歳からだとすると、30年以上吸っておられるのですね」患者「途中何回も禁煙したんで、30年になるかならんかぐらい」中島「やっぱりやめるのは難しいですか?」患者「うーん、もう諦めた」中島「とりあえず胸のレントゲンを撮ってみましょう」何の気なしに撮影した胸部レントゲン。よく見ると、直径2センチくらいの円形のようなものが見えます。果たして結節影と呼ぶべきか否か、ぬぬぬ。見れば見るほど怪しい気がします。疑心が暗鬼を生むとはこのことでしょうか。以前の胸部レントゲンもありません。あったら今回のものと比較できるのですけど。患者「何かありますか?」中島「ここのところがね、なんか丸く見えるでしょ?」患者「あーっ! ホンマや」中島「もうちょっと詳しく調べたほうが良さそうに思うんですよ」患者「何か悪いものができてるってこと?」中島「いや、まだそうと決まったわけではないのですけど」患者「あかん、頭の中が真っ白になってもた」決着をつけるために胸部CT撮影の手配をしました。中島「今さらですけど、禁煙しましょうか」患者「うん、もうやめるわ」ということで胸部CT撮影後の再診時のテーマは、円形に見えたものは何らかの病変か正常構造物か?本当にタバコをやめることができたのか?といったところです。もし、胸部CTで異常がなかった場合、これで安心だとタバコを吸うのか?もうタバコはやめてしまうのか?どちらになるのかも確認しておきたいです。そういえば1990年代出版の『医療の大法則』という本に、「人は病気になってから予防する」というのがあったような気がします。確かに、肺がんと診断されたとたん禁煙する人は沢山見ました。しばらく彼女の経過を見守りたいと思います。最後に1句 禁煙し ふっと気がつく 沈丁花 

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高齢患者さんの意思決定能力、どう評価する?【非専門医のための緩和ケアTips】第23回

第23回 高齢患者さんの意思決定能力、どう評価する?緩和ケア領域では、治療方針や療養の場の話し合いなどで、意思決定支援をすることが求められます。しかし、高齢で、意思決定能力が低下している方も多いのが実情です。今日の質問開業の内科医です。外来は高齢患者さんが多く、治療方針を話し合う難しさを感じます。明らかに認知症が進行していれば意思決定能力がないと判断できますが、微妙なことが多くて…。治療に関する込み入った話を理解できていなさそうなとき、家族に相談すべきか、本人の意向をどう反映させるか迷います。意思決定能力は、どう評価すればよいのでしょうか?「同じ状況で悩んでいる」という方も多いのではないでしょうか? 私も緩和ケアを専門としてから仲間と議論する機会を持つようになり、「こんな分野もあるんだ!」と感じました。患者さんの意思決定能力を評価するためには、「意思決定能力を構成する要素」を理解する必要があります。3つの構成要素を順に見ていきましょう。1)情報を「受け取れ」るか?意思決定には、その判断のもとになる情報が必要です。たとえば、心不全の患者さんに対し、病名や予後予測などを説明しますよね。こうした情報を受け取り、理解して、はじめて患者さんは自分で意思決定ができます。ここでは、わかりやすい言葉で伝えることや、情報量に配慮することが大切です。2)情報を「検討」できるか?必要な情報が伝わったら、次はその情報をしっかり検討できるかを評価します。たとえば、精神疾患で論理性が障害されていないか、意向が合理的であるか、といった点が評価の対象です。このあたりは患者さんの価値観や人生経験も影響してくるので、評価が難しいところです。私自身の診療の工夫としては、構成要素の1)と2)を確認する意味で、説明後に、「お話ししたことについて、どのように理解したか、教えてもらえますか?」といったように、患者さん自身の言葉で説明し直してもらっています。3)「治療に対する選好を伝え」ることができるか最後は、「自身が考えや意見を伝えられるか?」という点です。自分の考えを他者に伝えるのは、私たちにとっても難しいことです。まして、医師に対し自分の選好を含んだ意見を伝えることに負担を感じる患者さんが多い、というのは想像できるでしょう。私の診療では、まずは患者さんに語ってもらいますが、併せて「言語化のサポート」をしています。具体的には、「先ほどのお話からは、『負担の多い治療はできるだけ避けたい』というお気持ちを感じましたが、いかがでしょうか?」といったように、意向を推測し、言語化したうえで確認するのです。いかがでしょうか?患者さんにベストな医療を提供するうえで、意思決定能力を評価する重要性はますます高まるでしょう。皆さんの取り組みについても、ぜひ教えてください。今回のTips今回のTips「意思決定能力の評価」は緩和ケアだけでなく、全医療者にとって大切なスキル。3つの構成要素を理解して、スキルを高めよう。

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ニボルマブ+化学療法の非小細胞肺がんネオアジュバント、FDAが承認/BMS

 ブリストルマイヤーズスクイブは、2022年3月4日、切除可能非小細胞肺がん(腫瘍径≧4cmまたはリンパ節転移陽性)成人患者に対する、プラチナダブレット化学療法+ニボルマブ(3週間ごとに3サイクル)のネオアジュバント療法について、米国食品医薬品局(FDA)が承認したと発表した。承認条件にPD-L1の状態は問われていない。 今回の承認は、非小細胞肺がんに対する免疫治療薬ベースのネオアジュバントで初めての肯定的な結果を出した、第III相CheckMate-816試験に基づいたもの。 CheckMate-816試験の主要評価項目は、無イベント生存期間(EFS)と病理学的完全奏効(pCR)などである。中間解析におけるEFS中央値は、ニボルマブ+化学療法群で31.6ヵ月、化学療法群は20.8ヵ月で、ニボルマブ+化学療法群が統計学的に有意な改善を示した(ハザード比[HR] 0.63、95%信頼区間[CI]:0.45〜0.87、p=0.0052) 。また、pCRはニボルマブ+化学療法群の24%に対し、化学療法群は2.2%であった(p<0.0001)。OSのHRは0.57(95%CI:0.38〜0.87)とニボルマブ+化学療法群で良好だが、統計学的有意差は示していない。 同試験のEFSの解析結果は、2022年4月に開催されるAACR2022で発表される。

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ニボルマブ+化学療法による非小細胞肺がん術前補助療法がFDA優先審査対象に/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは、2022年2月28日、米国食品医薬品局(FDA)が、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者の術前補助療法として、化学療法との併用療法によるニボルマブの生物学的製剤承認一部変更申請(sBLA)を受理し、優先審査対象に指定したことを発表した。 今回の申請は、第III相試験であるCheckMate-816試験の結果に基づいたもの。同験では、術前に投与した際、ニボルマブと化学療法の併用療法群は、化学療法単独群と比較して、病理学的完全奏効(pCR)および無イベント生存期間(EFS)を統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示した。 また、ニボルマブと化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、これまでにNSCLC試験で報告されているものと一貫していた。 CheckMate-816試験の結果は、以前に2021年米国がん学会(pCRデータ)および2021年米国臨床腫瘍学会(外科的予後)年次総会で発表されている。

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がん治療中の薬剤性間質性肺疾患、診断・治療における専門家の推奨/JCO

 抗がん剤は薬剤性間質性肺疾患の主な原因であり、原因薬剤としてブレオマイシン、エベロリムス、エルロチニブ、トラスツズマブ デルクステカン、免疫チェックポイント阻害薬などが挙げられる。薬剤性間質性肺疾患の特定と管理は難しく、抗がん剤によって引き起こされる間質性肺疾患の診断と治療に関する具体的なガイドラインは現在存在しない。今回、イタリア・IOV-Istituto Oncologico Veneto IRCCSのPierfranco Conte氏らの学際的グループが、公表文献と臨床専門知識に基づいて、がん患者の薬剤性間質性肺疾患の診断と治療における推奨事項を作成した。ESMO Open誌2022年2月23日号に掲載。 主な推奨事項は以下のとおりで、薬剤性間質性肺疾患の診断・治療における多職種連携の重要性を強調している。・診断手順の重要な要素は、身体検査と丁寧な病歴聴取、バイタルサイン(とくに呼吸数と動脈血酸素飽和度)の測定、関連のある臨床検査、スパイロメーターと一酸化炭素肺拡散能による呼吸機能検査、CT/画像診断である。・薬剤性間質性肺疾患の臨床症状やX線画像は、肺炎や間質性肺疾患と類似していることが多いため、感染性の原因を除外または確認するための微生物検査や血清学的検査を含む鑑別診断が重要である。・ほとんどの場合、薬剤性間質性肺疾患の治療には、抗がん剤の投与中止と短期ステロイド投与が必要である。薬剤性間質性肺疾患の再活性化を防ぐためにステロイドをゆっくり漸減する必要がある。・Grade3~4の薬剤性間質性肺疾患の患者は入院が必要で、多くの場合、酸素吸入と非侵襲的人工呼吸が必要である。侵襲的人工呼吸については、がんの予後を考慮して決定する必要がある。

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KRAS G12C変異陽性肺がんの新しい治療選択肢、ソトラシブ/日本臨床腫瘍学会

 2022年、KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対する2次治療の新たな選択肢として承認されたソトラシブについて、日本臨床腫瘍学会メディカルセミナーにて、愛知県がんセンターの藤原 豊氏が解説した。 肺がん、とくに肺腺がんには多くの遺伝子変異がある。今回ソトラシブが適応となるKRAS G12C変異は日本における扁平上皮非小細胞肺がんの4.1%程度であり、男性、喫煙者に多いことがわかっている。 KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対する従来の初回標準治療は、免疫チェックポイント阻害薬と細胞障害性抗がん剤の併用である。しかし、KRAS変異陽性の場合、陰性に比べて細胞障害性抗がん剤の効果が乏しく、とくに2次治療での効果は限定的であり、新しい治療選択肢が望まれていた。KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対するソトラシブの臨床試験成績 KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対するソトラシブの臨床試験、CodeBreaK100試験の概要は以下の通り。・対象:KRAS G12C変異陽性進行非小細胞肺がんで抗PD-1/PD-L1免疫治療および/またはプラチナ製剤を含む化学治療の前治療歴があり(前治療数は3つ以下)、RECIST1.1に基づく測定可能病変を有し、ESOG PS 0、1・方法:ソトラシブ960mgを1日1回経口投与(増悪、治療不耐性、同意撤回などまで投与を継続)・評価項目:[主要評価項目]客観的奏効率(ORR)[副次評価項目]奏効期間(DOR)、無増悪生存期間(PFS)、病勢コントロール率(DCR)、全生存期間(OS)、奏効までの期間(TTR)、安全性 患者背景は男女同等、アジアからは19名が参加している。前治療で化学療法、免疫療法を受けていた割合はどちらも9割を超えていた。 KRAS G12C変異陽性非小細胞肺がんに対するソトラシブの臨床試験主な結果は以下の通り。・主要評価項目であるORRは37.1%(95%信頼区間:28.6~46.2)であり、副次評価項目のDCRは80.6%(95%信頼区間:72.6~87.2)であった。DORの中央値は11.1ヵ月(95%信頼区間:6.9~NE)。・安全性については、全Gradeの副作用が69.8%、Grade3が19.8%、Grade4が0.8%であった。多く見られた副作用は下痢、悪心、ALT・AST増加などであった。KRAS G12C変異陽性肺がんの2次治療はどう変わるか 肺がん診療ガイドラインでは2021年の段階で、すでにソトラシブがKRAS G12C変異陽性に2次治療以降でソトラシブ単剤療法を推奨すると記載されている。 藤原氏は今後の治療戦略について、「1次治療開始時にKRAS G12C遺伝子変異検査を実施し、結果を把握しておけば、2次治療が必要になった場合にすぐにソトラシブを使えると考えている。初回の検査でKRAS G12C変異を確認しておくことが重要」と述べた。

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Stage I 非小細胞肺がん 再発高リスク群では補助化学療法が有効/Ann Thorac Surg

 わが国の肺癌診療ガイドラインでは2cmを超えるStage IA/BおよびIIA(TNM病期分類8版)の非小細胞肺がん(NSCLC)に対するテガフール・ウラシルの術後補助療法は推奨または提案、という位置づけである。 広島大学の津谷康大氏らによる、再発高リスクのStage I(TNM8版)完全切除NSCLCに対する補助化学療法の有効性を評価した試験結果がThe Annals of Thoracic Surgery誌に発表された。 同試験では、肺葉切除術を受けたStage I NSCLC1,278例のデータを前向きに収集し、分析した。再発リスク因子は、無再発生存率(RFS)のCox比例ハザードモデルを基に規定し、補助化学療法実施患者と非実施患者の生存率を比較した。 主な結果は以下のとおり。・RFSリスク因子としては、年齢70歳超、浸潤径2cm超、リンパ管侵襲、血管侵襲、臓側胸膜浸潤が同定された。・高リスク群(641例)においては、5年RFS(補助化学療法実施群81.4%対非実施群73.8%)、5年OS(補助化学療法実施群92.7%対非実施群73.8%)、とRFS、OSともに補助化学療法実施群で有意に長かった(5年RFS p=0.023、5年OS p<0.0001)。・低リスク群(637例)においては、補助化学療法実施群と非実施群の5年RFSは差はなかった(補助化学療法実施群98.1%対非実施群95.7%、p=0.30)。 補助化学療法は、病理学的T1c/T2a、リンパ節/血管侵襲など、高再発リスクを有するStage I NSCLC患者において、生存を改善する可能性が示唆される。

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不安に感じる心毒性とは?ー読者アンケートの結果から【見落とさない!がんの心毒性】第9回

本連載では、がん治療時におさえておくべき心毒性・心血管リスクとその対策について、4名のエキスパートを迎え、2021年4月より第1回~第8回まで総説編として現在のがん治療における心毒性トピックを解説してきました。近年の分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤など新しいがん治療薬が開発される中で、心血管系合併症(心毒性)に対して診療を行う腫瘍循環器学は、今後ますます注目される領域です。今年の春より実際の心毒性症例に基づく症例問題を掲載する予定ですが、その前に、肺がん、乳がん、消化器がん、造血器腫瘍、放射線の治療に携わるCareNet.com会員医師(計1,051名)を対象に行った『心毒性に対するアンケート』(実施期間:2021年8〜9月)の結果をご紹介しながら、実臨床で苦慮されている点をあぶり出していきたいと思います。(表1)CareNet.comにて行ったアンケートの結果画像を拡大する(表2)上記を基に向井氏が作成画像を拡大するがん治療における心毒性は心不全、虚血性心疾患、高血圧症、不整脈、血栓塞栓症に分類されますが、実臨床で腫瘍医の先生方がお困りの疾患はやはり、第一位は心不全、第二位は血栓塞栓症でした。実際に腫瘍循環器外来に院内から紹介される疾患も同様の結果ではないでしょうか。心不全については、第2回アントラサイクリン心筋症(筆者:大倉 裕二氏)、第3回HER2阻害薬の心毒性(筆者:志賀 太郎氏)がそれぞれの心筋症の特徴やその対応の詳細な解説をしています。今、上記の表の結果を踏まえ、少し振り返ってみましょう。アントラサイクリン心筋症ではやはり、「3回予防できる」という言葉が強く印象に残りました。現在さらに新しいがん治療において心不全を呈する可能性の高い治療も増加しており、腫瘍循環器領域において治療に関する新たなエビデンスが確立することが期待されていますさらに、第二位の血栓塞栓症は、第8回がんと血栓症(草場 仁志氏)で解説しました。がん関連血栓症はがんの増殖・転移と深い関係があり、がん診療の各ステージにおいて最も頻度が高く、常に頭に置く必要のある代表的な心毒性です。過去の研究から胃がんと膵臓がんは血栓塞栓症の高リスク因子と報告されているが、アンケートの結果から、実地診療でも消化器領域と肝胆膵領域で血栓塞栓症への関心が高いことがうかがわれました。2018年にがん関連血栓症の中で、静脈血栓塞栓症に対して直接経口抗凝固薬のエビデンスが確立され、抗凝固療法は大きく変化しています。その一方で、動脈血栓塞栓症に対するエビデンスは未だ不足しており治療に関しても未だ不明な点が少なくありません。(図1)は、外来化学療法中の死亡原因を示しています。第一位はがんの進展によるものですが、第二位はがん関連血栓塞栓症でした。そして、抗凝固療法における出血の合併症など腫瘍循環器医が対応すべき多くの問題が残っています。(図1)画像を拡大する1)Khorana AA, et al. J Thromb Heamost. 2007;5:632-634.講師紹介

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小型非小細胞肺がんの術式 区域切除vs.肺葉切除(JCOG0802/WJOG4607L)/日本臨床腫瘍学会

 小型(2cm以下)末梢非細胞肺がん(NSCLC)における区域切除と肺葉切除を比較した無作為化非劣性比較試験が実施され、区域切除の非劣性が示された。 現在は、2cm以下のNSCLCにおいても標準外科療法は肺葉切除である。より切除範囲の小さい区域手術は呼吸機能を温存できるため、小型NSCLCに適用できれば恩恵は大きいとされる。しかし、両群を比較した無作為化試験は行われていなかった。JCOG0802試験はOSにおける区域切除の利点を示した最初の第II相試験となった そのような中、小型末梢NSCLCにおける区域切除と肺葉切除を比較した無作為化非劣性比較試験(JCOG0802試験)が実施された。結果を国立がん研究センター東病院の坪井正博氏が、第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で発表した。[JCOG0802試験]・対象:(腫瘍径≦2cm、最大腫瘍径に対する充実性成分の比[C/T比]>0.5、外套1/3)の臨床Stage IA NSCLCまたは疑い患者・試験群:区域切除・対照群:肺葉切除・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[副次評価項目]術後呼吸機能(6ヵ月、1年)、無再発生存率(RFS)、局所再発の割合、有害事象など非劣性マージンはハザード比(HR)1.54、集積期間3年、追跡期間5年と設定された。 JCOG0802試験の主な結果は以下のとおり。・2009年8月~2014年10月に1,106例が登録され、肺葉切除(n=554)と区域切除(n=552)に無作為に割り付けられた。・追跡期間中央値7.3年であった。・5年OSは区域切除群94.3%、肺葉切除群は91.1%、で区域切除群の非劣性と優越性が確認された(HR:0.663、95%信頼区間[CI]:0.474~0.927、非劣性p<0.0001、優越性p=0.0082)。・OSの改善は、すべてのサブグループにわたり区域切除術群で観察された。・術後1年における呼吸機能FEV1の減少は、区域切除群8.5%、肺葉切除群12.0%、と区域切除で良好であった。しかし、2群間の差は3.5%で、事前に設定した基準(10%)に達しなかった。・5年RFSは、区域切除群で88.6%、肺葉切除群で87.9%と同等であった(HR:0.998、95%CI:0.753~1.323)。・全再発割合は区域切除群12.1%、肺葉切除群7.9%、と区域切除群で有意に多かった(p=0.0214)。局所再発の割合についても区域切除群10.5%、肺葉切除群5.4%、と区域切除群で有意に多かった(p=0.0018)。・全死亡は区域切除群10.5%、肺葉切除群14.9%、と肺葉切除群で多かった。なかでも、肺がん含む2次がんによる死亡は肺葉切除群5.6%、区域切除群2.2%、と肺葉切除群で多かった。 JCOG0802試験は、OSにおける区域切除の利点を示した最初の第II相試験となった。坪井氏は、後治療による違い、手術形式による違いなどは今後の研究課題であるが、このJCOG0802試験の結果から、区域切除を小型肺がんの標準外科治療として考慮すべきであると述べた。

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終末期でも「リハビリ」が大切な理由【非専門医のための緩和ケアTips】第22回

第22回 終末期でも「リハビリ」が大切な理由リハビリテーション(リハビリ)と聞くと、身体機能の改善・回復を目指して理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、そして言語聴覚士(ST)といった専門職が取り組む光景を思い浮かべますよね。実はこのリハビリ、緩和ケア領域でも重要な役割を担っています。今日の質問通院が困難となって訪問診療を担当している患者さん。原疾患は肺がんで、労作時を中心に呼吸困難も出現しています。おそらく数ヵ月の予後かと思うのですが、心配した家族から「体力が低下しないよう訪問リハビリをしてほしい」という希望がありました。終末期のリハビリに意味はあるのでしょうか?終末期の患者さんに緩和ケアを提供する中でリハビリの重要性はあまり知られておらず、同じような質問をよく頂きます。多くの方がイメージするリハビリは、「身体機能の改善」を目標としたものでしょう。それも正しいのですが、それだけですと「終末期患者のリハビリ」はイメージしにくいかもしれません。こうした病状の患者さんは身体機能が徐々に低下していくのが前提ですから…。しかし、私が緩和ケアを実践していくうえでは、症例を選びながらリハビリをオーダーする機会が多く、在宅における指示を行うことも多くあります。呼吸困難は薬剤だけで改善することが難しく、症状に対する不安から動かなくなり、ますます廃用が進むケースが多くあります。在宅酸素のチューブなども動きの制限になります。このような背景から、ベッドの起床が大変であれば支えを入れ、トイレまでの移動が難しければ途中に休憩できる場所を設置するといった住環境に合わせた調整を行ったうえで、患者さんにはなるべく動くようにしてもらいます。さらに、呼吸が荒くなった時に、ゆっくりと呼吸をして息を整えるといった練習にも取り組んでもらいます。生活の中で症状が悪化しやすい場面に、リハビリのアプローチを活用するのです。リハビリ自体に価値を見いだす患者さんやご家族も多いと感じます。薬物療法は効果のある・なしで判断しますが、リハビリにはまた違った側面があります。リハビリの専門職は「次はこのやり方でやってみましょう」「一緒に取り組んでみませんか?」といったように、患者さんにさまざまな提案をします。そして、症状緩和だけでなく、生活上で困っていることの相談にも乗ります。こうしたアプローチは、患者さんに「私のことを大切に考えてくれている」という思いをもたらし、心理的な支援としても効果を発揮します。このようにリハビリは緩和ケアにおいても重要ですが、少し注意が必要です。PT・OT・STといった専門職にもそれぞれ得意・不得意があります。通常は元気がある患者さんに接しており、終末期の患者さんを担当した経験が少ない場合は、つらく感じることもあるようです。医師よりも患者さんとの距離が近いが故に、「あと、どれくらいだと思いますか?」といったプレッシャーのかかる対話を求められることもあります。私の工夫としては、緩和ケアの一環としてリハビリを依頼する際は、担当者と直接やりとりをして患者さんの状況やリハビリの意義をしっかり説明するようにしています。ぜひ、皆さんもリハビリを活用した緩和ケアに取り組んでください。今回のTips今回のTips緩和ケアにおいてもリハビリは重要な役割を持つ。リハビリの専門職とコミュニケーションをとって取り組もう。

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IPF合併肺がんに対するニンテダニブ+化学療法(J-SONIC)/日本臨床腫瘍学会

 特発性肺線維症(IPF)は高率に肺がんを合併する。IPF合併肺がんの大きな問題はIPFの急性増悪であり、ときに急速な呼吸不全から致死的となる。しかし、IPF合併例は進行非小細胞肺がん(NSCLC)の臨床試験のほとんどで除外されている。ニンテダニブ+化学療法はIPF合併肺がんに対する治療オプションとなる 北九州市立医療センターの大坪孝平氏らは、IPF合併進行NSCLCに対し、ニンテダニブ+化学療法と化学療法単独を比較したJ-SONIC試験を、わが国の複数の臨床試験グループ間で行った。J-SONIC試験はIPF合併肺がんでは、世界初となる第III相無作為化比較試験である。・対象:化学療法未施行のIPF合併進行NSCLC(IPF GAP stage I~II:%FVC50%以上、%DLco36〜79%)・試験薬群:化学療法(カルボプラチン+nab-パクリタキセル)3週ごと4サイクル+ニンテダニブ・対照群:化学療法(同上)単独群 3週ごと4サイクル・評価項目:[主要評価盲目]IPF 無増悪生存期間(EPF)[副次評価項目]全奏効率(ORR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存率(OS)、安全性など IPF合併肺がんに対してニンテダニブ+化学療法と化学療法単独を比較したJ-SONIC試験の主な結果は以下のとおり。・2017年5月~2019年2月に、全国72施設から243例が登録され、ニンテダニブ併用群(121例)と化学療法単独群(122例)に無作為に割り付けられた。・主要評価項目のIPF EPF中央値は、化学療法+ニンテダニブ群で14.6ヵ月、化学療法群で11.8ヵ月、ハザード比(HR)は0.89(90%信頼区間[CI]:0.67~1.17)であった(p=0.24)。・ORRはニンテダニブ+化学療法群69%、化学療法群56%であった(p=0.04)・PFS中央値は、化学療法+ニンテダニブ群6.2ヵ月、化学療法群5.5ヵ月、HRは0.68(95%CI:0.50~0.92)、とニンテダニブ併用による改善を認めた。・OSは非扁平上皮がんにおいて改善を示し、ニンテダニブ+化学療法群では16.1ヵ月、化学療法群では13.1ヵ月、HRは0.61(95%CI:0.40~0.93)であった。・ニンテダニブ併用により発熱性好中球減少症や下痢、蛋白尿が多く認められたが、QOLは両群で差はなかった。 J-SONIC試験では主要評価項目は達成されなかったものの、ニンテダニブと化学療法の併用はIPF合併進行NSCLC(とくに非扁平上皮癌がん)に対する治療オプションとなるものと考えられる、と大坪氏は述べた。

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アテゾリズマブによるNSCLCアジュバント アジア人の成績(IMpower010)/日本臨床腫瘍学会

 完全切除非小細胞肺がん(NSCLC)における化学療法アジュバント後のアテゾリズマブを評価した無作為化第III相非盲検試験IMpower010のアジア人解析を、静岡県立静岡がんセンターの釼持広知氏が第19回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO2022)で発表。全体集団と同じく、アジア人集団でもアテゾリズマブの良好な成績が示された。・対象:Stage IB~IIIAで術後化学療法(プラチナ+ペメトレキセド/ドセタキセル/ゲムシタビン/ビノレルビン)、21日ごと最大4回サイクル)受けた完全切除NSCLC患者(ECOG PS 0~1)・試験群:アテゾリズマブ1,200mg/日 3週ごと16サイクル(Atezo群)・対照群:ベストサポーティブケア(BSC群)・評価項目[主要評価項目]治験責任医評価の無病生存期間(DFS)と全生存期間(OS)[副次評価項目]Stage II~IIIAのPD-L1(TC)≥1%のDFS、Stage II~IIIA全患者の DFS、ITT集団(Stage IB-IIIA)のDFS、ITT集団のOS(階層的に検証)、安全性 主な結果は以下のとおり。・アジア人集団(日本、中国、台湾、韓国、香港)は223例で全体の23.2%を占めた。・アジア人集団のPFS中央値はAtezo群42.3ヵ月、BSC群で31.4ヵ月、ハザード比(HR)は0.63(95%CI:0.37〜1.09)であった。また、この成績は全体集団の結果と同様であった。・OS中央値は未到達であった。・アジア人集団におけるAetzo群の安全性プロファイルは、全集団と同様に既知のものであったが、肝炎、皮疹はアジア人集団で多い傾向にあった。

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肺がん2021Wrap Up (3)周術期治療【肺がんインタビュー】 第74回

第74回 肺がん2021Wrap Up (3)周術期治療出演:兵庫県立がんセンター 副院長(医療連携・医療情報担当) 兼 ゲノム医療・臨床試験センター長 呼吸器内科部長 里内 美弥子氏2021年肺がんの重要トピックを兵庫県立がんセンターの里内 美弥子氏が一挙に解説。これだけ見ておけば、今年の肺がん研究の要点がわかる。

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