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ESMO2025 レポート 肺がん(前編)

レポーター紹介2025年10月17~21日に、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)がドイツ・ベルリンで開催された。善家 義貴氏(国立がん研究センター東病院)が肺がん領域における重要演題をピックアップし、結果を解説。前編として、ドライバー陽性非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療で注目の3演題を取り上げ、解説する。後編はこちら[目次]HER2遺伝子変異陽性1.Beamion Lung-12.SOHO-01ALK融合遺伝子陽性3.ALEXHER2遺伝子変異陽性1.進行HER2陽性NSCLCに対するHER2-TKI(ゾンゲルチニブ)の初回治療の報告:Beamion Lung-1本試験の第IB相において、未治療HER2遺伝子変異陽性NSCLCに対するゾンゲルチニブ120mg QDの有効性、安全性が確認された。計74例が登録され、75歳以上が13例(18%)、女性が37例(50%)、非アジア人が33例(45%)、喫煙者が26例(35%)であった。HER2遺伝子変異は、チロシンキナーゼドメイン(TKD)変異のみが対象であり、A775_G776insYVMAが49例(66%)であった。主要評価項目である奏効割合(ORR)は77%(95%CI:66~85)であり、6ヵ月奏効持続割合および6ヵ月無増悪生存(PFS)割合はそれぞれ80%、79%であった。主な有害事象は、下痢40例(3%)、皮疹17例(23%)、ALT上昇13例(18%)、AST上昇12例(16%)であった。Grade3の有害事象は13例(18%)に認められ、Grade3の下痢は2例(3%)であった。<結論>ゾンゲルチニブは、進行HER2遺伝子変異陽性NSCLCの初回治療において、有望な治療成績を示した。現在、初回治療でゾンゲルチニブと化学療法を比較するBeamion Lung-2試験(NCT06151574)が進行中である。<コメント>ゾンゲルチニブは、既治療の進行HER2陽性NSCLCの適応で承認されているが、今後は進行HER2遺伝子変異陽性NSCLCの初回治療での使用が期待される。他剤との使い分けが今後の議論となるが、毒性のマネジメントがしやすいことは良い点である。2.進行HER2陽性NSCLCに対するHER2-TKI(sevabertinib[BAY 2927088])の治療成績:SOHO-01進行HER2遺伝子変異陽性NSCLCを対象に、3つのコホート(コホートD:既治療かつHER2標的治療未治療、コホートE:既治療かつHER2標的抗体薬物複合体[ADC]既治療、コホートF:全身治療未治療)における有効性、安全性を確認する第Ib相拡大コホート試験が実施された。コホートD/E/Fでは、それぞれ81例/55例/73例が登録された。女性が50例(52%)/36例(65%)/46例(63%)、アジア人が57例(70%)/32例(58%)/51例(70%)、非喫煙者が50例(62%)/35例(64%)/57例(78%)、HER2-TKD変異が 73例(90%)/52例(95%)/71例(97%)であった。主要評価項目であるORRは、コホートDが64%(95%信頼区間[CI]:53~75)、コホートEが38%(同:25~82)、コホートFが71%(同:59~81)であった。奏効期間(DoR)中央値およびPFS中央値は、コホートDがそれぞれ9.2ヵ月(95%CI:6.3~13.5)、8.3ヵ月(同:6.9~12.3)、コホートEがそれぞれ8.5ヵ月(同:5.6~16.4)、8.3ヵ月(同:4.3~8.3)、コホートFがそれぞれ11.0ヵ月(同:8.1~推定不能)、未到達(同:9.6~推定不能)であった。主な有害事象は全体で下痢(87%)、皮疹(49%)、爪囲炎(26%)、胃炎(19%)、悪心(18%)であった。Grade3以上の下痢は、コホートD/E/Fでそれぞれ23%/11%/5%に発現した。間質性肺炎(ILD)は認められていない。<結論>sevabertinibも進行HER2遺伝子変異陽性NSCLCの初回治療例、既治療例ともに有望な治療成績を示した。現在、初回治療でsevabertinibと化学療法と比較するSOHO-02試験(NCT06452277)が進行中である。<コメント>sevabertinibもゾンゲルチニブ同様に有望なHER2-TKIである。全体的に下痢の頻度は高いが、初回治療例ではGrade3以上の下痢の頻度は少なかった。ILDの発現がないことも特徴的であり、今後、HER2-ADC、ゾンゲルチニブとの使い分けが焦点となる。ALK融合遺伝子陽性3.進行ALK陽性NSCLCに対するアレクチニブとクリゾチニブの比較のOS最終解析:ALEX本試験は、進行ALK融合遺伝子陽性NSCLCに対するアレクチニブとクリゾチニブを比較する海外第III相試験であり、すでにPFSが有意に改善したことが報告されている。今回はOSの最終解析の報告である。未治療の進行ALK融合遺伝子陽性NSCLCを対象として、アレクチニブ(600mg BID)群とクリゾチニブ(250mg BID)群に、152/151例を割り付けた。アレクチニブ群/クリゾチニブ群における脳転移を有する割合は42.1%/38.4%、脳転移に対する放射線治療歴を有する割合は17.1%/13.9%であった。クロスオーバーは本試験では許容されていない。最終解析のOS中央値は、アレクチニブ群/クリゾチニブ群で81.1ヵ月/54.2ヵ月(ハザード比[HR]:0.78[95%CI:0.56~1.08]、p=0.132)であった。脳転移の有無によらずアレクチニブの治療成績は良好であった。後治療を受けた割合は37.5%/47.7%であり、アレクチニブ群で最も多かったのはロルラチニブ(18.4%)、クリゾチニブ群ではアレクチニブ(25.2%)であった。Grade3以上の主な有害事象として、アレクチニブ群では貧血(7.2%)、AST上昇(5.3%)を認めた。<結論>アレクチニブは81.1ヵ月(中央値)という臨床的に意義のあるOSを示し、引き続き初回治療の標準治療であることを支持するデータであった。<コメント>現状では分子標的薬治療では最長のOSである。今後、ロルラチニブのOSが出たときには、どちらを選択するかさらなる議論が予想される。アレクチニブの日本の承認用量は海外の半分であることも記載しておく。

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後悔しないがんの病院と名医の探し方

がん患者のための情報サイト「イシュラン」編集長が解説!「病院・医師選びに迷ったら、ランキング本よりも本書を」- 高野 利実先生(がん研有明病院 院長補佐・乳腺内科部長)「科学的思考の教科書であり、迷いへの道しるべ」- 勅使川原 真衣氏(がんサバイバー・著述家)すぐに役立つチェックポイント(1)コミュニケーションで名医を見極める、3つのチェックポイント(2)あなたとの“相性”がわかる、医師のコミュニケーション4タイプ(3)がん種別ガイドライン一覧(4)がん種別専門医一覧QRコード名医の本音に迫るインタビューも掲載さらに、全国の患者から信頼を集める4人の「がんの名医」へのインタビューも収録。医師たちが語る「信頼される医者の条件」は、単なる技術や実績だけではなく、患者とのコミュニケーション、相性、説明の姿勢、治療への向き合い方といった“人間性”にも及びます。柏木 伸一郎先生(大阪公立大学附属病院)野口 晋佐先生(医療法人松野敬愛会能代病院院長)藤野 孝介先生(熊本大学病院)木下 貴之先生(国立病院機構東京医療センター)業界インサイダーの専門的な知見とリアルな声著者は医療コンサルタント/医療情報サイト編集者として、長年多くのがん治療医やがん患者・家族と向き合ってきた経験を持ち、最新の治療法にも精通しています。業界のインサイダーだからこそ持てる、医師や病院に関する専門的な知見と、現場のリアルな声が、本書に込められています。「がん診療連携拠点病院」とは何なの?「がんセンター」「大学病院」など、病院の種類と特徴の違いとは?自分のがん種に強い専門医をどう探す?手術件数が多い病院を選ぶべきというのは本当か?Google検索や口コミ情報に頼っても大丈夫?主治医との相性をどう見分ける?標準治療と自由診療、どう考えたら良いの?セカンドオピニオンを申し出ると、主治医の機嫌を損ねるのでは?画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する目次を見るPDFで拡大する後悔しないがんの病院と名医の探し方定価2,200円(税込)判型A5判頁数224頁発行2025年8月著者鈴木 英介ご購入はこちらご購入はこちら

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NTRK陽性固形がんへのレポトレクチニブ承認/BMS

 ブリストル マイヤーズ スクイブは2025年11月20日、レポトレクチニブ(商品名:オータイロ)について「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌」に対する効能・効果の追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得したことを発表した。 本承認は、成人患者を対象とした国際共同第I/II相試験(TRIDENT-1試験)および小児・若年成人患者を対象とした海外第I/II相試験(CARE試験)の参加者のうち、NTRK融合遺伝子陽性固形がん患者から得られた結果に基づくものである。両試験のNTRK融合遺伝子陽性固形がん患者の結果は欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)で報告されており、主な結果は以下のとおりであった。【TRIDENT-1試験(TRK阻害薬未治療60例、既治療87例)】 ・確定奏効率:未治療58%、既治療52% ・PFS中央値:未治療未到達、既治療7.4ヵ月 ・1年PFS率:未治療61%、既治療29% ・OS中央値:未治療55.6ヵ月、既治療16.9ヵ月 ・1年OS率:未治療80%、既治療59%【CARE試験(TRK阻害薬未治療5例、既治療15例)】 ・確定奏効率:未治療60%、既治療27% なお、レポトレクチニブの「NTRK融合遺伝子陽性の進行・再発の固形癌」の適応判定に必要なNTRK1/2/3融合遺伝子を検出するコンパニオン診断には、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルを使用する。

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進展型小細胞肺がんにICI+Chemoはどの程度使われているか?臨床現場の実態【肺がんインタビュー】第116回

第116回 進展型小細胞肺がんにICI+Chemoはどの程度使われているか?臨床現場の実態進展型小細胞肺がんの治療にICIと化学療法の併用が導入されて久しい。アカデミックには証明されたレジメンだが、臨床現場での導入はどの程度なのか。信州大学の曽根原圭氏にリアルワールド研究の内容を紹介いただいた。 参考 Hirabayashi T, et al. Respir Investig. 2025;63:928-933.

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75歳以上のNSCLC、術前ICI+化学療法は安全に実施可能?(CReGYT-04 Neo-Venus副次解析)/日本肺癌学会

 StageII~IIIの切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、ニボルマブ+化学療法による術前補助療法が2023年3月より使用可能となった。そこで、実臨床におけるニボルマブ+プラチナ併用化学療法による術前補助療法の安全性・有効性を検討する多施設共同後ろ向き観察研究「CReGYT-04 Neo-Venus」が実施された。本研究では、第III相試験「CheckMate-816試験」と一貫した安全性が示され、実行可能であることが報告された1)。 ただし、実臨床における肺がん手術例の約半数は75歳以上の高齢者である。また、高齢者を対象に、免疫チェックポイント阻害薬+化学療法による術前補助療法の安全性・有効性を検討した報告はない。そこでCReGYT-04 Neo-Venusの副次解析として、75歳以上の高齢者における安全性・有効性に関する解析が実施された。本解析結果を松原 太一氏(九州大学病院 呼吸器外科)が、第66回日本肺癌学会学術集会で発表した。 対象は、ニボルマブ+プラチナ併用化学療法による術前補助療法を1サイクル以上受けた切除可能StageII~III NSCLC患者131例。このうち、登録時に術前補助療法を実施中であった1例を除外した130例を解析対象とした。解析対象患者を年齢で2群(75歳以上:28例/75歳未満:102例)に分類し、患者背景や治療成績を比較した。 主な結果は以下のとおり。・患者背景について、75歳以上の高齢群は非高齢群と比較して、男性が少ない(67.9%vs.87.3%)、他がんの既往ありが多い(32.1%vs.11.8%)という特徴があった。糖尿病や冠動脈疾患などの合併症については、2群間で差はみられなかった。臨床的StageやPD-L1発現状況についても2群間で差はみられなかった。・化学療法の種類について、高齢群はカルボプラチンベースのレジメンが多かった(96.4%vs.75.5%)。・術前補助療法の完遂割合は高齢群92.9%、非高齢群84.3%であった。・術前補助療法の奏効割合は高齢群68%、非高齢群66%であり、病勢コントロール割合はそれぞれ100%、96%であった。・術前補助療法におけるGrade3以上の治療関連有害事象は高齢群35.7%、非高齢群27.5%に発現した。全Gradeの免疫関連有害事象は高齢群7.1%、非高齢群25.5%に発現し、高齢群のほうが少なかった(p=0.0393)。・手術実施割合は高齢群92.9%(予定症例3.6%を含む)、非高齢群91.5%(同2.9%を含む)であった。非実施割合はそれぞれ7.1%(病勢進行1例、AE 1例)、8.8%(病勢進行4例、患者拒否2例、AE 1例、その他2例)であった。・手術実施例におけるR0切除割合は高齢群96.0%、非高齢群98.9%であった。・病理学的完全奏効(pCR)割合は高齢群20.8%、非高齢群39.3%であり、病理学的奏効(MPR)割合はそれぞれ54.2%、60.7%であった。 本結果について、松原氏は「pCR、MPR割合は非高齢群と比較するとやや低いものの、臨床試験の結果と比較しても全体的に良好な結果であった」と考察し「高齢者に対するニボルマブ+化学療法による術前補助療法は忍容性があり、病理学的奏効も期待できる治療であると考えられる。今後は長期フォローアップでの有効性の検討や、他の術前・術後補助療法の忍容性・有効性の検討も必要である」とまとめた。

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身寄りのない患者を看取る【非専門医のための緩和ケアTips】第112回

身寄りのない患者を看取る今回は「身寄りのない患者さんのお看取り」に関する質問をいただきました。都市でも地方でも、こういった難しい状況に直面することが増えてきているのでしょう。医療者として、どのようなことを理解しておく必要があるでしょうか?今回の質問急性期病院から一人暮らしで身寄りのない患者の訪問診療を依頼されました。当面は穏やかに自宅で過ごせそうで、当院で訪問診療を行う予定です。ただ、将来のお看取りの際にどのように対応すれば良いかと考えています。このような患者さんをお看取りする際には、どのような注意点があるのでしょうか?一人暮らしの高齢者は今後ますます増えることが予想されており、非常に大切なテーマだと思います。その中でも頼れる家族や親族がいない場合、医療者としては、いくつか考えておくべきことがあります。1)介護サポートをどうするか家族の介護が期待できない分、どうしても自宅での療養が難しくなる場合があります。もちろん、介護保険の介護サービスを使いながら住まいと介護のサポートをする形が一般的です。費用面で問題がなければ、施設入所も現実的な選択肢となるでしょう。2)意思決定をどうするか本人の意思決定能力が低下している場合、家族と医療者が話し合い、本人の意思を推定しながら医療とケアの方針を話し合います。しかし、身寄りがない場合はこういった方法を採ることができません。本人に意思決定能力がある状態であれば、事前の話し合いがより重要になります。また、医療や介護の関係者が本人にとっての最善を検討することが必要で、場合によっては成年後見制度を活用することも検討します。3)身寄りがない背景に注意する「身寄りがない」という場合、本当に天涯孤独のケースもありますが、さまざまな事情で家族・親族と縁が切れてしまっているケースもあります。私の経験でも、過去に飲酒、借金、暴力の問題があった患者さんでは、子供から「もう関係ないので、連絡しないでほしい」と言われたことがあります。医療者が解決できる問題ではないことが大半ですが、「身寄りがない」状況の背景にある因子を確認しておくことが、無用なトラブルを防ぐことにつながります。4)関係者を適切に増やし、情報共有をする身寄りがない患者さんのお看取りは、医療機関と医療者だけではできないことが大半であり、さまざまな関係者の力を借りながら対応することが求められます。医療や介護の専門職だけでなく、生活支援をするNPOのような地域のリソースや大家さんのような立場の方にも状況を擦り合わせる必要があるかもしれません。「地域で看取る」ためには医療者以外の力も合わせて取り組んでいく必要があり、適切な情報共有が求められます。もっとたくさんの論点があるのですが、まずは上記の点を確認し、経験のある方に相談しながら取り組みましょう。無理のない範囲で、患者さんの人生の最終段階を支えていただければと思います。今回のTips今回のTips身寄りのない患者さんの看取りは関係者と情報共有をしながら、準備することが大切です。

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日本人EGFR陽性NSCLCへのオシメルチニブ、PD-L1高発現の影響は?(WJOG20724L)/日本肺癌学会

 EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の標準治療の1つとして、オシメルチニブが用いられている。しかし、1次治療でオシメルチニブ単剤を用いた進行NSCLC患者を対象とした後ろ向き観察研究(OSI-FACT)において、PD-L1高値の集団は無増悪生存期間(PFS)が不良であったことが報告された1)。ただし、OSI-FACTはPD-L1発現状況の影響を検討することを目的とした研究ではなかった。そこで、StageIVの肺がん患者6,751例の大規模コホート研究(REAL-WIND/WJOG1512L)のデータを用いて、初回治療としてオシメルチニブ単剤を用いたNSCLC患者の治療効果と、PD-L1発現状況の関係を検討する研究(WJOG20724L)が実施された。本研究の結果を坂田 能彦氏(済生会熊本病院)が第66回日本肺癌学会学術集会で報告した。 対象は、2016年1月~2020年12月にREAL-WINDへ登録されたStageIVの肺がん患者6,751例のうち、初回治療でオシメルチニブ単剤が投与されたEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者486例。このうちPD-L1不明例(101例)を除いた385例(コホートB)、およびコホートBからOSI-FACTの重複症例を除いた200例(コホートA)が解析対象となった。対象患者をPD-L1発現状況で2群(TPS≧50%、TPS<50%)に分類し、治療成績を比較した。主要評価項目はPFS、副次評価項目は全生存期間(OS)、PFS率、OS率などとした。未調整の解析に加えて、逆確率重み付け法(IPTW)や傾向スコアマッチング法(PSM)を用いて背景因子を調整した解析も実施した。 主な結果は以下のとおり。・PD-L1発現状況(TPS≧50%/TPS<50%)は、コホートAが48例(24%)/152例(76%)、コホートBが83例(22%)/302例(78%)であった。・PD-L1高発現群(TPS≧50%)は低発現/陰性群(TPS<50%)と比較して、男性、PS1以上、喫煙歴あり、EGFR uncommon変異が多かった。・コホートAにおけるPFSは、未調整解析でPD-L1高発現群が低発現/陰性群と比較して有意に不良であり、PSM、IPTWを用いた解析でも同様の傾向であった。詳細は以下のとおり。<未調整>PFS中央値:10.8ヵ月vs.20.1ヵ月(ハザード比[HR]:1.95、95%信頼区間[CI]:1.30~2.92、p=0.001)1/2年PFS率:45.6%/24.8%vs.76.2%/41.6%<PSM>PFS中央値:10.5ヵ月vs.19.7ヵ月(HR:1.74、95%CI:0.97~3.11、p=0.061)1/2年PFS率:43.7%/26.2%vs.78.0%/34.2%<IPTW>PFS中央値:10.8ヵ月vs.19.8ヵ月(HR:1.91、95%CI:1.13~3.23、p=0.016)1/2年PFS率:45.6%/24.8%vs.79.2%/36.6%・コホートAにおけるOSも、未調整解析でPD-L1高発現群が低発現/陰性群と比較して有意に不良であり、PSM、IPTWを用いた解析でも同様の傾向であった。詳細は以下のとおり。<未調整>OS中央値:26.7ヵ月vs.32.8ヵ月(HR:1.77、95%CI:1.02~3.09、p=0.044)1/2年OS率:80.2%/57.9%vs.91.5%/80.5%<PSM>OS中央値:23.7ヵ月vs.32.8ヵ月(HR:1.68、95%CI:0.81~3.52、p=0.17)1/2年OS率:80.2%/48.9%vs.91.5%/69.7%<IPTW>OS中央値:26.7ヵ月vs.32.8ヵ月(HR:1.69、95%CI:0.82~3.48、p=0.15)1/2年OS率:80.2%/57.9%vs.94.1%/81.9%・コホートBにおいても、PFS、OSはいずれの解析もコホートAと同様の結果であった。 本結果について、坂田氏は「いずれの患者集団においても、PD-L1高発現は初回治療でオシメルチニブ単剤が投与された患者の有効性に、負の影響を及ぼすことが追認された。EGFR遺伝子変異陽性例において、PD-L1高発現は治療戦略を検討するうえで考慮するべき因子である」と述べた。

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第1/2世代EGFR-TKI後にCNS進行したNSCLCへのオシメルチニブ(WJOG12819L/KISEKI)/日本肺癌学会

 EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の1次治療の標準治療として、第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)のオシメルチニブが用いられているが、第1/2世代のEGFR-TKIが用いられる場合もある。ただし、本邦では第1/2世代EGFR-TKIを用いた1次治療で進行が認められた場合、EGFR T790M変異が確認されないとオシメルチニブは適応とならない。そこで、第1/2世代EGFR-TKIを用いて治療を開始し、進行時にEGFR T790M変異が陰性(もしくは検出不能/検査困難)となったNSCLC患者に対するオシメルチニブの有用性を検討する医師主導の国内第II相試験「WJOG12819L/KISEKI試験」が実施された。第66回日本肺癌学会学術集会において、本試験の中枢神経系(CNS)単独の進行がみられた患者集団(コホート1)の結果を高濱 隆幸氏(近畿大学病院 腫瘍内科)が報告した。なお、第1/2世代EGFR-TKIおよびプラチナ製剤による治療後に進行を認めたEGFR T790M変異陰性集団(コホート2)の結果はすでに報告されている。コホート2における奏効割合(ORR)は29.1%、無増悪生存期間(PFS)中央値は4.07ヵ月であり、主要評価項目が達成された1)。・対象:以下の適格基準を満たすEGFR-TKI既治療のEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者17例<主な適格基準>(1)20歳以上(2)初回EGFR-TKI投与前にEGFR-TKI感受性変異を検出(3)ECOG PS0~2(4)第1/2世代EGFR-TKI治療開始後にCNS進行のみを確認(5)CNS進行後に採取した組織もしくは血漿サンプルでEGFR T790M変異陰性(もしくは検出不能/検査困難)・介入:オシメルチニブ80mg/日・評価項目:[主要評価項目]CNS ORR[副次評価項目]安全性[探索的評価項目]CNS PFSなど・解析計画:CNS ORRの95%信頼区間(CI)の下限が20%を上回った場合に、主要評価項目達成とした。 主な結果は以下のとおり。・対象患者の年齢中央値は69歳(範囲:47~84)、PS0/1の割合は47.1%/52.9%であった。1次治療開始前のEGFR遺伝子変異の内訳(exon19欠失変異/L858R変異)は、47.1%/52.9%であった。・CNS ORRは47.1%(95%CI:23.0~72.2)であり、95%CIの下限値が20%を上回ったことから、主要評価項目が達成された。・CNS PFS中央値は14.6ヵ月であった。 本結果について、高濱氏は「組織検体が得られていない患者では、EGFR T790M変異が陰性であることを証明することが難しいというリミテーションが存在する」としつつ、「EGFR T790M変異陰性もしくは不明の患者において、オシメルチニブはCNSへの一定の奏効を示した」と結論をまとめた。

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既治療のEGFR陽性NSCLC、sac-TMTがOS改善(OptiTROP-Lung04)/NEJM

 上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)による前治療後に病勢が進行したEGFR遺伝子変異陽性の進行・転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)において、抗TROP2抗体薬物複合体sacituzumab tirumotecan(sac-TMT)はペメトレキセド+白金製剤ベースの化学療法と比較して、無増悪生存期間(PFS)とともに全生存期間(OS)をも改善し、新たな安全性シグナルの発現は認められなかった。中国・Guangdong Provincial Clinical Research Center for CancerのWenfeng Fang氏らが、第III相試験「OptiTROP-Lung04試験」の結果で示した。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2025年10月19日号に掲載された。中国の無作為化試験 OptiTROP-Lung04試験は、中国の66施設で実施した非盲検無作為化試験であり、2023年7月~2024年4月に参加者のスクリーニングが行われた(Sichuan Kelun-Biotech Biopharmaceuticalの助成を受けた)。 年齢18~75歳、局所進行(StageIIIBまたはIIIC)または転移のある(StageIV)の非扁平上皮NSCLCと診断され、治癒切除術または根治的化学放射線療法が非適応で、EGFR変異(exon19delまたはexon21 L858R置換)陽性であり、1次または2次治療においてEGFR-TKI(第1・2世代はT790M変異陰性例、第3世代はT790M変異の有無を問わない)の投与を受けたのち病勢が進行した患者376例(年齢中央値60歳[範囲:31~75]、男性39.6%)を対象とした。  参加者を、sac-TMT群(188例)またはペメトレキセド+白金製剤ベースの化学療法群(188例)に無作為に割り付けた。sac-TMT群は、28日を1サイクルとして1および15日目に5mg/kg体重を静脈内投与した。化学療法群は、21日を1サイクルとして1日目にペメトレキセド(500mg/m2体表面積)+担当医の選択によりカルボプラチン(AUC 5mg/mL/分)またはシスプラチン(75mg/m2)の投与を最大で4サイクル行い、その後ペメトレキセドによる維持療法を施行した。客観的奏効割合、奏効期間も優れる 登録時に、74.5%が非喫煙者で、97.6%がStageIVであった。全身状態の指標(ECOG PSスコア)は、0が20.7%、1が79.3%で、94.7%が前治療で第3世代EGFR-TKIの投与(62.5%は1次治療として)を受けていた。  追跡期間中央値18.9ヵ月の時点における、独立審査委員会が盲検下に評価したPFS中央値(主要エンドポイント)は、化学療法群よりもsac-TMT群で延長した(8.3ヵ月vs.4.3ヵ月、病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.49、95%信頼区間[CI]:0.39~0.62)。12ヵ月時のPFS率は、sac-TMT群が32.3%、化学療法群は7.9%だった。  また、OS中央値(主な副次エンドポイント)は、化学療法群が17.4ヵ月であったのに対し、sac-TMT群は推定不能(95%CI:21.5~推定不能)であり有意に優れた(死亡のHR:0.60、95%CI:0.44~0.82、両側p=0.001)。18ヵ月時のOS率は、sac-TMT群が65.8%、化学療法群は48.0%だった。  独立審査委員会が盲検下に評価した客観的奏効(完全奏効+部分奏効)の割合は、sac-TMT群が60.6%、化学療法群は43.1%であった(群間差:17.0%ポイント、95%CI:7.0~27.1)。奏効期間中央値はそれぞれ8.3ヵ月および4.2ヵ月であり、奏効期間中央値が1年以上の患者の割合は36.3%および8.1%だった。口内炎が高頻度に sac-TMT関連の新たな安全性シグナルは認めなかった。Grade3以上の治療関連有害事象は、sac-TMT群で58.0%、化学療法群で53.8%に発現し、最も頻度が高かったのは好中球数の減少(39.9%、33.0%)であった。Grade3以上の貧血(11.2%vs.14.3%)、血小板減少(2.1%vs.16.5%)はsac-TMT群で少なく、重篤な治療関連有害事象の頻度もsac-TMT群で低かった(9.0%vs.17.6%)。また、sac-TMT群では、治療関連有害事象による投与中止の報告はなかった。  とくに注目すべき薬剤関連有害事象については、sac-TMT群で口内炎(64.4%vs.4.9%)の頻度が高かった。sac-TMT群の口内炎の内訳は、Grade1が42例(22.3%)、同2が70例(37.2%)、同3が9例(4.8%)で、Grade4/5は認めなかった。19例(10.1%)が口内炎のため減量したが、投与中止例はなく、Grade3の9例はいずれも適切な介入と減量により診断から中央値で10日以内にGrade2以下に改善した。  著者は、「近年の治療の進歩は主に、化学療法と免疫チェックポイント阻害薬、抗血管新生薬、二重特異性抗EGFR/c-Met抗体、HER3を標的とする抗体薬物複合体を組み合わせた多剤併用療法が中心となっているが、主要な臨床試験ではOSの有益性に関して有意差は達成されていないことから、本試験においてsac-TMTが単剤でOSを有意に改善したことは注目に値する」「EGFR-TKI抵抗性のNSCLCでは、ペメトレキセド+白金製剤ベースの化学療法の前に、sac-TMTが考慮すべき好ましい治療選択肢となる可能性がある」としている。

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症候からわかる irAE逆引きマニュアル

症状(+検査)→診断(病名)→治療でirAEを適切に処置!本書は、近年注目を集めている免疫チェックポイント阻害薬(ICI)に伴って起こる副作用「免疫関連有害事象(irAE)」への実践的な対応法をまとめた医療従事者向けの実用書です。ICIの登場によってがん治療は大きく進歩しましたが、その一方で、副作用であるirAEへの理解と適切な対応が求められるようになっています。本書で取り上げている「irAE逆引きマニュアル」は、著者が独自に作成したものです。前半では、症状からirAEの可能性を推定できる構成後半では、主なirAEごとに症状・検査・重症度別の治療や経過観察のポイントを原則1ページに整理しています。症状から疑われる疾患をすぐに確認でき、診断から検査・治療までの流れをひと目で把握できる実用的なツールです。現場での判断力と対応力を支える1冊として、幅広い医療職の方におすすめしたい書籍です。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する目次を見るPDFで拡大する症候からわかる irAE逆引きマニュアル定価4,950円(税込)判型A5判頁数183頁発行2025年11月著者野口 哲男(市立長浜病院呼吸器内科/呼吸器ドクターN)ご購入はこちらご購入はこちら

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日本人EGFR陽性NSCLC、アファチニブvs.オシメルチニブ(Heat on Beat)/日本肺癌学会

 オシメルチニブは、EGFR遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者の標準治療として用いられている。ただし日本人では、オシメルチニブの有用性をゲフィチニブまたはエルロチニブと比較検証した「FLAURA試験」1,2)において、有効性が対照群と拮抗していたことも報告されている。そこで、1次治療にアファチニブを用いた際のシークエンス治療の有用性について、1次治療でオシメルチニブを用いる治療法と比較する国内第II相試験「Heat on Beat試験」が実施された。第66回日本肺癌学会学術集会において、本試験の結果を森川 慶氏(聖マリアンナ医科大学 呼吸器内科)が報告した。なお、本試験の結果は、米国臨床腫瘍学会年次総会(2025 ASCO Annual Meeting)でも報告されている(PI:帝京大学腫瘍内科 関 順彦氏)。・試験デザイン:国内第II相無作為化比較試験・対象:未治療のStageIIIB/IIIC/IVのEGFR遺伝子変異陽性NSCLC患者100例・試験群(アファチニブ群):アファチニブ→病勢進行時の再生検でEGFR T790M変異が認められた場合にオシメルチニブ 50例(解析対象:47例)・対照群(オシメルチニブ群):オシメルチニブ 50例(解析対象:48例)・評価項目:[共主要評価項目]3年全生存(OS)率、免疫学的バイオマーカー探索[副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、奏効率(ORR)、OSなど 主な結果は以下のとおり。・解析対象患者の年齢中央値は、アファチニブ群70歳(範囲:43~87)、オシメルチニブ群72歳(48~88)、非喫煙者の割合はそれぞれ46.8%、45.8%であった。EGFR exon21 L858R変異がそれぞれ48.9%、47.9%であった。・ORRはアファチニブ群63.8%(CR:1例)、オシメルチニブ群62.5%(CR:3例)であった。・3年OS率はアファチニブ群54.7%、オシメルチニブ群57.5%であり、主要評価項目は達成されなかった(p=0.64)。・OS中央値はアファチニブ群38.8ヵ月、オシメルチニブ群未到達であった(ハザード比[HR]:1.15、95%信頼区間[CI]:0.64~2.05)。・PFS中央値はアファチニブ群16.7ヵ月、オシメルチニブ群14.5ヵ月であった(HR:1.17、95%CI:0.72~1.90)。・EGFR遺伝子変異の種類別にみたPFS中央値、OS中央値は以下のとおりであった(アファチニブ群vs.オシメルチニブ群[HR、95%CI]を示す)。【exon19欠失変異】 PFS中央値:18.3ヵ月vs.33.6ヵ月(HR:1.62、95%CI:0.75~3.48) OS中央値:未到達vs.未到達(HR:1.16、95%CI:0.42~3.20)【exon21 L858R変異】 PFS中央値:13.9ヵ月vs.10.6ヵ月(HR:0.88、95%CI:0.43~1.79) OS中央値:35.9ヵ月vs.未到達(HR:1.21、95%CI:0.54~2.70)・有害事象は、アファチニブ群では下痢、ざ瘡様皮膚が多かった。下痢の発現割合(全Grade/Grade3以上)はアファチニブ群91.5%/29.8%、オシメルチニブ群31.3%/6.3%であり、ざ瘡様皮膚はそれぞれ68.1%/10.6%、43.8%/2.1%であった。一方、オシメルチニブ群では肺臓炎が多く、発現割合はそれぞれ10.6%/2.1%、20.8%/6.3%(オシメルチニブ群のGrade3以上はいずれもGrade5)であった。・有害事象で1次治療が治療中止に至った患者のうち、2次治療に移行した患者の割合はアファチニブ群70.0%(7/10例)、オシメルチニブ群35.7%(5/14例)であった。・2次治療を受けた患者の割合は、アファチニブ群74.5%、オシメルチニブ群54.2%であった。2次治療の内訳は以下のとおりであった。【アファチニブ群】 化学療法20.0% 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)±化学療法42.9% オシメルチニブ±化学療法31.4% オシメルチニブ以外のEGFR-TKI±化学療法5.7%【オシメルチニブ群】 化学療法23.1% ICI±化学療法53.8% オシメルチニブ±化学療法3.8% オシメルチニブ以外のEGFR-TKI±化学療法19.3%・アファチニブ群の病勢進行時の再生検検体でEGFR T790M変異が認められた割合は、組織検体19.2%(5/26件)、リキッドバイオプシー検体20%(4/20件)であった。・末梢血中の種々の免疫細胞を評価し、Th7RおよびTh2フラクションのみがPFSおよびOSとの相関を認めた。オシメルチニブ群では、Th7R高値、Th2低値で予後が良好な傾向にあったが、この傾向はアファチニブ群では認められなかった。バイオマーカー別のオシメルチニブ群のPFS中央値、OS中央値は以下のとおり。【免疫バイオマーカー:Th7R高値vs.低値】 PFS中央値:33.1ヵ月vs.6.7ヵ月(p<0.01) OS中央値:未到達vs.40.5ヵ月(p=0.29)【免疫バイオマーカー:Th2高値vs.低値】 PFS中央値:6.0ヵ月vs.30.6ヵ月(p=0.02) OS中央値:30.2ヵ月vs.未到達(p<0.01) 本結果について、森川氏は「主要評価項目の3年OS率は達成されなかった。その要因の1つとして、EGFR T790M変異の検出が低く、かつT790M変異陽性症例でのオシメルチニブ投与期間も想定より短かったため、シークエンス治療(アファチニブ→オシメルチニブ)が有効であった症例が少なかったことが考えられる」と考察した。また「オシメルチニブはホストの免疫状態によって治療効果が大きく影響を受ける可能性があり、Th7Rなどの免疫バイオマーカーがオシメルチニブの治療効果予測に関与する可能性がある」と述べた。

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がん患者の死亡の要因は大血管への腫瘍の浸潤?

 がん患者の命を奪う要因は、がんそのものではなく、腫瘍細胞や腫瘍が体内のどこに広がるかであることを示した研究結果が報告された。腫瘍が主要な血管に浸潤すると血液凝固が起こり、それが臓器不全につながる可能性のあることが明らかになったという。米テキサス大学サウスウェスタン医療センターのMatteo Ligorio氏らによるこの研究の詳細は、「Nature Medicine」に10月16日掲載された。 Ligorio氏らは、これが、がんが進行するとすぐに死亡する患者がいる一方で、がんが全身に転移していても生き続ける人がいる理由だと述べている。Ligorio氏は、「われわれが解明しようとしていた大きな疑問は、がん患者の命を奪うものは何なのか。なぜがん患者は、6カ月前でも6カ月後でもなく、特定の日に死亡するのかということだった」と同医療センターのニュースリリースの中で述べている。 米国では毎年約60万人ががんで命を落としている。Ligorio氏は、「だが実際のところ、何が彼らの命を奪うのかは不明だ」と語る。今回の研究でLigorio氏らは、大腸がん、肺がん、卵巣がん、肝臓がん、膵臓がんにより死亡した108人の患者の症例を分析した。そのうちの92人から採取した3,382枚のスライドを調査した結果、81人(88%)で、静脈や動脈、心腔内に腫瘍塞栓が確認された。また、有効なCT画像が入手できた101人(93%)の画像の解析から、60人(59%)で大血管浸潤の兆候が確認された。 次に、ホスピスに入院している末期患者31人(固形がん患者21人、その他の疾患の患者10人)を対象に、患者の健康状態の変化に応じて血液を採取しながら追跡し(平均追跡期間37.8日)、死亡時に剖検で大血管を検査した。その結果、他の原因で死亡した患者と比べて、がんで死亡した患者では、血管壁や内腔へ腫瘍が浸潤していた人が多いことが明らかになった。CT検査も実施された数例では、これらの悪性腫瘍は患者が死亡する数週間または数カ月前から存在していたことが示された。さらに、血液サンプルの解析からは、死の直前に血流中のがん細胞の数が急増していたことも明らかになった。 以上の結果から研究グループは、がん患者が死亡する理由として、腫瘍が大血管に浸潤すると、腫瘍片が血流に放出され、血液が凝固しやすくなって血栓が形成され、それが臓器への血流を遮断して多臓器不全を引き起こし、最終的には死に至るという新たな理論を打ち立てた。この理論を検証するため、Ligorio氏らは1,250人のドイツ人がん患者のCT画像を解析した。その結果、患者のほとんどにおいて、腫瘍が大血管に浸潤していることが確認された。 Ligorio氏らは現在、腫瘍の血管への広がりを抑制する治療ががん患者の生存期間の延長につながるのかどうかを調べる臨床試験を準備しているところだという。本論文の筆頭著者であるサウスウェスタン医療センターのKelley Newcomer氏は、「大血管に近付いている腫瘍を治療するための手術や放射線治療が、がん患者の診断、管理、治療の方法を一変させる可能性がある」とニュースリリースの中で述べている。

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高齢者機能評価は負担ばかりで利益がない!? 【高齢者がん治療 虎の巻】第4回

講師紹介<今回のPoint>GAは、入退院支援加算+総合機能評価加算の枠組みで診療報酬に組み込める多職種連携を広げることでほかの加算と組み合わせが可能診療報酬は、GAを評価・活用し“行動につなげる”ことではじめて得られる―診療報酬という視点から考えるGAの価値―高齢者機能評価(Geriatric Assessment:GA)に関する講演をすると、毎回のように次の質問をいただきます。「どれくらい時間がかかるのか?」「誰が、いつ行うべきか?」「評価結果をどう活かすのか?」そして―「診療報酬になるのか?」GAを実施していない施設では、「たとえ評価表への記載だけなら数分で終了します」と言われても、結果の評価・記録・共有・多職種連携のすべてが現場にとって“負担増”に見えるのが現実です。そのため、「もし診療報酬で評価されるなら…」と考えるのは自然なことかもしれません。今回は、GAがどのように診療報酬上の加算として位置付けられるか、実例を交えて私見をご紹介します。GA評価の基本は「入退院支援加算+総合機能評価加算」令和6年度診療報酬改定1)では、GAとの親和性が高い以下の加算が整理されています。●入退院支援加算・入院時支援加算・入退院支援加算1(700点)「退院困難な要因(悪性腫瘍含む)を有する入院中の患者であって、在宅での療養を希望するもの」に対して入退院支援を行った場合。・入院時支援加算1(240点)/ 入院時支援加算2(200点)入院前に患者の栄養状態・併用薬などを確認し、療養支援計画書を作成した場合。これらは、すでに多くの急性期病院で標準的に運用されている加算です。さらにこれらの加算に追加してGAを行うことで、以下の算定が可能です。・総合機能評価加算(50点)65歳以上、もしくは40~64歳の悪性腫瘍の患者に対し「身体機能や退院後に必要となりうる介護サービス等について総合的に評価を行った上で、当該評価の結果を入院中の診療や適切な退院支援に活用する」場合この加算の要件としては、GAで得られた情報を患者および家族に説明し、診療録に記載する必要がありますが、日常的にGAを導入している施設では、すでにこれらを満たす体制が整っていることが多いはずです。「たった50点」で終わらせない多職種連携ここで、「50点だけ?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際にはGAを起点に多職種の支援に展開することで、ほかの加算の可能性も大きく広がります。たとえば、日本老年医学会のCGA72)では、評価で「否」と答えた項目に対して、次のアクションが提示されており、評価から介入への流れが可視化されています(表1)。GAという“点”を多職種につなげて“線”にすることで、より価値が出る、ということですね。(表1)画像を拡大する症例で考える:実際にどこまで加算できるか?第1、2回提示の症例をもとに、加算の可能性を検討してみます。<症例>(第1回、第2回と同じ患者)88歳、女性。進行肺がんと診断され、本人は『できることがあるなら治療したい』と希望。既往に高血圧、糖尿病、軽度の認知機能低下があり、PSは1〜2。診察には娘が同席し、『年齢的にも無理はさせたくない。でも本人が治療を望んでいるなら…』と戸惑いを見せる。遺伝子変異検査ではドライバー変異なし、PD-L1発現25%。告知後、看護師が待合でG8(Geriatric8)を実施したところ、スコアは10.5点(失点項目:年齢、併用薬数、外出の制限など)。改訂長谷川式簡易知能評価(HDS-R)は20点で認知症の可能性あり。多職種カンファレンスでは、免疫チェックポイント阻害薬の単剤投与を提案。薬剤師には併用薬の整理を、MSWには家庭環境の支援を依頼し、チームで治療準備を整えることとした。(表2)画像を拡大する表2を踏まえ、本症例で実際に見込める加算「入退院支援加算」+「入院時支援加算」+「総合機能評価加算」GAの結果をもとに入院診療計画書・療養計画書を作成する→計950~990点 上記を基本とし、GAM(GA guided management)として多職種連携することで、本症例は下記について追加で算定できる可能性があります。 多職種カンファレンスを実施し意思決定支援等を行う→「がん患者指導管理料 (イ) 500点」 薬剤師に併用薬の整理を依頼→「薬剤総合評価調整加算 100点」(退院時1回)および「薬剤調整加算 150点」 外出の制限がありリハビリテーション依頼→「がん患者リハビリテーション料(1単位)205点」 G8の点数が低く、栄養状態に脆弱性あり→「栄養食事指導料1 260点」合計:2,165~2,205点いかがでしょうか。単体の50点加算にとどまらず、GA結果を起点にGAMを展開すれば、複数の加算を組み合わせることが可能です。総合機能評価加算は入退院支援加算への追加であり、その内容が入院もしくは退院支援に使用されることが必要です。よって、少なくとも関係学会でのガイドラインに則して評価ツールが利用され、その結果に応じた対応をすることで入院中もしくは退院後の生活支援につながることが期待されています。重要なのは、「GAを実施して記録した」だけでは加算にはならないということです。なお、診療報酬の算定については施設によって要件が異なることをご理解いただくとともに、各評価の算定要件は必ずご確認のうえ運用ください 。1)厚生労働省:令和6年度診療報酬改定について 2)日本老年医学会:高齢者診療におけるお役立ちツール

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EGFR陽性NSCLCへのオシメルチニブ+化学療法、日本人でもOS良好(FLAURA2)/日本肺癌学会

 国際共同第III相無作為化比較試験「FLAURA2試験」において、EGFR遺伝子変異陽性の進行・転移非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療として、オシメルチニブ+化学療法はオシメルチニブ単剤と比較して無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を改善したことが報告されている1)。ただし、本試験のサブグループ解析において、中国人を除くアジア人集団のOSのハザード比(HR)は1.00(95%信頼区間[CI]:0.71~1.40)であったことから、日本人集団の結果が待ち望まれていた。そこで、第66回日本肺癌学会学術集会において、小林 国彦氏(埼玉医科大学国際医療センター)が本試験の結果を報告するとともに、日本人集団のOS解析結果を報告した。また、本報告の追加資料において、日本人集団の患者背景とPFS解析結果も示された。試験デザイン:国際共同第III相非盲検無作為化比較試験対象:EGFR遺伝子変異陽性(exon19欠失/L858R)でStageIIIB、IIIC、IVの未治療の非扁平上皮NSCLC成人患者557例試験群:オシメルチニブ(80mg/日)+化学療法(ペメトレキセド[500mg/m2]+シスプラチン[75mg/m2]またはカルボプラチン[AUC 5]を3週ごと4サイクル)→オシメルチニブ(80mg/日)+ペメトレキセド(500mg/m2)を3週ごと(併用群、279例)対照群:オシメルチニブ(80mg/日)(単独群、278例)評価項目:[主要評価項目]RECIST 1.1を用いた治験担当医師評価に基づくPFS[副次評価項目]OSなど 既報の主要な結果は以下のとおり。・OS中央値(併用群vs.単独群)47.5ヵ月vs.37.6ヵ月(HR:0.77、95%CI:0.61〜0.96、p=0.02)・2/3/4年OS率(同上)80%/63%/49%vs.72%/51%/41%・PFS中央値(同上)25.5ヵ月vs.16.7ヵ月(HR:0.62、95%CI:0.49〜0.79、p<0.001)・1/2年PFS率(同上)80%/57%vs.66%/41% 日本人集団の解析結果は以下のとおり。・解析対象は併用群47例、単独群47例であった。男性の割合はそれぞれ34%、51%であり、年齢中央値はそれぞれ68歳(範囲:39~83)、65歳(同:33~79)であった。EGFR遺伝子変異の内訳は、exon19欠失変異/L858R変異が、併用群49%/51%、単独群66%/34%であった。・OS中央値は併用群48.3ヵ月、単独群34.3ヵ月であり、日本人集団でも併用群が良好であった(HR:0.60、95%CI:0.36~1.03)。・2年、3年、4年時のOS率は、併用群がそれぞれ85%、65%、52%であり、単独群がそれぞれ65%、41%、33%であった。・PFS中央値は併用群24.8ヵ月、単独群16.4ヵ月であり、日本人集団でも併用群が良好であった(HR:0.49、95%CI:0.28~0.86)。・1年、2年時のPFS率は、併用群がそれぞれ83%、64%であり、単独群がそれぞれ63%、30%であった。

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ROS1陽性NSCLCに対するタレトレクチニブを発売/日本化薬

 日本化薬は「ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)」の適応で、厚生労働省より製造販売承認を取得したタレトレクチニブ(商品名:イブトロジー)について、2025年11月12日に発売したことを発表した。タレトレクチニブは、同適応症に対する薬剤として4剤目となる。 ROS1を標的とするチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)を用いた治療において、耐性変異としてG2032R変異などが発現することが報告されている。そこで、これらの耐性変異体への活性を有する薬剤の開発が望まれていた。 タレトレクチニブは、ROS1変異体(G2032R、L2026M、L1951Rなど)に対しても阻害活性を有するTKIである。タレトレクチニブの承認は、ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発NSCLCを対象とした2つの第II相試験(TRUST-I試験[中国]およびTRUST-II試験[国際共同])などに基づく。2試験の統合解析1)において、未治療集団および既治療集団の確定奏効率は、それぞれ88.8%、55.8%であった。また、未治療集団および既治療集団の頭蓋内奏効率は、それぞれ76.5%、65.6%であった。 なお、タレトレクチニブのコンパニオン診断としては、AmoyDx肺癌マルチ遺伝子PCRパネルが承認されている。<製品概要>販売名:イブトロジーカプセル200mg一般名:タレトレクチニブアジピン酸塩製造販売承認日:2025年9月19日薬価基準収載日:2025年11月12日効能又は効果:ROS1融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌用法及び用量:通常、成人にはタレトレクチニブとして1日1回600mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。薬価:9,711.20円(200mg 1カプセル)製造販売元:日本化薬株式会社

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進行扁平上皮NSCLCの1次治療、ivonescimab併用がICI併用と比較しPFS改善(HARMONi-6)/Lancet

 未治療の進行扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、ivonescimab+化学療法はチスレリズマブ+化学療法と比較して、PD-L1の発現状態を問わず無増悪生存期間(PFS)を有意に改善させ、安全性プロファイルは管理可能なものであった。中国・上海交通大学のZhiwei Chen氏らが、同国50病院で実施した第III相無作為化二重盲検比較試験「HARMONi-6試験」の結果で示された。扁平上皮NSCLCは非扁平上皮NSCLCと比べて臨床アウトカムが不良で、治療選択肢は限られている。今回の結果を踏まえて著者は、「本レジメンは扁平上皮NSCLC患者集団における1次治療として使用できる可能性がある」とまとめている。Lancet誌2025年11月1日号掲載の報告。臨床病期(IIIB/IIIC期vs.IV期)、PD-L1発現(TPS≧1%vs.<1%)で層別化 HARMONi-6試験では、進行扁平上皮NSCLC患者に対する1次治療として、ivonescimab+化学療法(ivonescimab群)の有効性と安全性をチスレリズマブ+化学療法(チスレリズマブ群)と比較した。対象は、年齢18~75歳、未治療・切除不能な病理組織学的に確認されたStageIIIB/IIICまたはStageIVの扁平上皮NSCLCで、ECOG PSスコア0または1の患者とした。 被験者は、ivonescimab群またはチスレリズマブ群に1対1の割合で無作為に割り付けられ、ivonescimab(20mg/kg)またはチスレリズマブ(200mg)+パクリタキセル(175mg/m2)およびカルボプラチン(AUC 5mg/mL/分)をいずれも静脈内投与で3週ごとに4サイクル受けた後、維持療法としてivonescimab(20mg/kg)またはチスレリズマブ(200mg)の単独療法を受けた。臨床病期(IIIB/IIIC期vs.IV期)、PD-L1発現(TPS≧1%vs.<1%)によって層別化された。 主要評価項目は、無作為化された全被験者におけるPFS(RECIST v1.1に基づく独立画像判定委員会判定)であった。また、安全性(治療に関連した有害事象および重篤な有害事象ならびに免疫またはVEGF阻害に関連した有害事象と定義)は、割り付け治療の試験薬を少なくとも1回投与された全被験者を対象に解析が行われた。PFS中央値はivonescimab群11.1ヵ月、チスレリズマブ群6.9ヵ月 2023年8月17日~2025年1月21日に761例が適格性についてスクリーニングを受け、532例(70%)が試験に登録・無作為化された(ivonescimab群266例、チスレリズマブ群266例)。ベースライン特性は両群間でバランスが取れており、被験者は、ほとんどが現在または元喫煙者で(92%と86%)、両群ともPD-L1 TPS<1%は39%であった。 データカットオフ日の2025年2月28日時点で、ivonescimab群で162例(61%)、チスレリズマブ群で134例(50%)が割り付け治療を継続していた。追跡期間中央値は10.3ヵ月(95%信頼区間[CI]:9.5~11.0)で、PFS中央値は、ivonescimab群11.1ヵ月(95%CI:9.9~評価不能)、チスレリズマブ群6.9ヵ月(5.8~8.6)であった(ハザード比[HR]:0.60、95%CI:0.46~0.78、片側p<0.0001)。ivonescimab群のPFS改善、PD-L1発現状態にかかわらず ivonescimab群におけるPFSベネフィットは、PD-L1の発現状態にかかわらず一貫して認められた(TPS≧1%群のHR:0.66[95%CI:0.46~0.95]、<1%群:0.55[0.37~0.82])。 ivonescimab群で170例(64%)、チスレリズマブ群で144例(54%)にGrade3以上の治療関連有害事象が認められ、ivonescimab群で24例(9%)、チスレリズマブ群で27例(10%)にGrade3以上の免疫関連有害事象が認められた。Grade3以上の治療関連出血は、ivonescimab群で5例(2%)、チスレリズマブ群で2例(1%)に認められた。

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HER2変異陽性NSCLCに対するゾンゲルチニブを発売/ベーリンガーインゲルハイム

 日本ベーリンガーインゲルハイムは「がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(NSCLC)」の適応で、厚生労働省より製造販売承認を取得したゾンゲルチニブ(商品名:ヘルネクシオス)を2025年11月12日に発売した。ゾンゲルチニブは、同適応症に対する分子標的薬として、国内初の経口薬となる。 HER2遺伝子変異は、NSCLC患者の約2~4%に認められるとされており、非喫煙者や女性、腺がんで多くみられる。また、HER2遺伝子変異陽性のNSCLCは予後不良であり、脳転移のリスクも高いことが知られている。 ゾンゲルチニブは、野生型EGFRを阻害せず、HER2のチロシンキナーゼドメイン以外の変異(HER2 exon20挿入変異など)を含む広範なHER2変異体に対して阻害活性を有するHER2選択的チロシンキナーゼ阻害薬である。また、共有結合型の不可逆的な結合様式を有する。 ゾンゲルチニブの承認の根拠となった国際共同第I相非盲検用量漸増試験「Beamion LUNG-1試験」1)では、既治療のNSCLC患者における奏効率は71%(完全奏効率7%、部分奏効率64%)であり、病勢コントロール率は96%であった。最も多く報告された有害事象はGrade1の下痢(48%)であり、治験薬との因果関係のあるGrade3以上の有害事象の発現割合は17%であった。<製品概要>販売名:ヘルネクシオス60mg錠一般名:ゾンゲルチニブ製造販売承認日:2025年9月19日薬価基準収載日:2025年11月12日効能又は効果:がん化学療法後に増悪したHER2(ERBB2)遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌用法及び用量:通常、成人には、ゾンゲルチニブとして1日1回120mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。製造販売元:日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

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小細胞肺がん2次治療、タルラタマブの安全性(DeLLphi-304)/ESMO2025

 DLL3を標的とするBiTE製剤タルラタマブの小細胞肺がん(SCLC)2次治療DeLLphi-304試験における、有害事象(AE)の追加分析結果が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2025)で発表された。・試験デザイン:国際共同第III相無作為化比較試験・対象:プラチナ製剤を含む化学療法±抗PD-1/PD-L1抗体薬による1次治療を受けたSCLC患者(無症候性の脳転移は治療歴を問わず許容)・試験群(タルラタマブ群):タルラタマブ(1日目に1mg、8・15日目に10mgを点滴静注し、以降は2週間間隔で10mgを点滴静注) 254例・対照群(化学療法群):化学療法(トポテカン、アムルビシン、lurbinectedinのいずれか)※ 255例・評価項目:[主要評価項目]全生存期間(OS)[主要な副次評価項目]無増悪生存期間(PFS)、患者報告アウトカム[副次評価項目]奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性など※:日本はアムルビシン 主な結果は以下のとおり。・DeLLphi-304試験において新たな安全性のシグナルは特定されなかった。・タルラタマブ群は化学療法群に比べ、血液毒性および感染症の発生率が低かった。・タルラタマブの治療関連有害事象(TRAE)は多くがGrade1/2で、時間経過とともに発現割合は減少した。・同剤のTRAEで最も多いのものはサイトカイン放出症候群(CRS)であった。CRSの発現は1ヵ月未満56%、1〜3ヵ月3%、3ヵ月超0%でほとんどが1ヵ月未満であった。・CRS発現はサブグループ(PS、年齢、肝転移、脳転移、PD-[L]1投与歴、腫瘍量)間で差はみられなかった。・免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)は6%で認められたが、ほとんどはGrade1/2で、93%が回復した。・神経学的TRAEとして書字障害が23%でみられた。書字障害のほとんどはGrade1/2で、全例回復、投与中止になった症例はなかった。

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