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adagrasib+ペムブロリズマブがKRAS G12C変異陽性NSCLCに対して有望な結果(KRYSTAL-7)/ESMO2023

 adagrasibは、半減期が長く(23時間)、用量依存的な薬物動態を示し、中枢神経系への移行性を有するKRAS G12C阻害薬である。また、肝臓やその他の臓器部位に対するoff-target作用も少ないと考えられている。KRAS G12C変異を有する進行・転移非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象に、adagrasibとペムブロリズマブの併用療法を検討したKRYSTAL-7試験が実施され、PD-L1高発現(TPS 50%以上)の患者において有望な結果が示された。本結果は、米国・シカゴ大学メディカルセンターのMarina Garassino氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で報告した。adagrasibの併用療法はPD-L1高発現のNSCLC患者に有望な有効性試験デザイン:海外第II相試験対象:未治療のKRAS G12C変異を有する進行・転移NSCLC患者148例試験群:adagrasib(400mg、1日2回)+ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)評価項目:[主要評価項目]治験担当医師評価に基づく奏効率(ORR)[副次評価項目]奏効期間(DOR)、治験担当医師評価に基づく無増悪生存期間(PFS)、安全性など本発表では、PD-L1高発現(TPS 50%以上)の患者51例における有効性と治療を受けた全患者148例の安全性のデータが報告された。 adagrasibとペムブロリズマブの併用療法を検討したKRYSTAL-7試験の主な結果は以下のとおり。・対象患者の年齢中央値は67歳、女性が48%であり、追跡期間中央値は8.7ヵ月であった(PD-L1高発現の患者の追跡期間中央値は10.1ヵ月)。・PD-L1高発現の患者におけるORRは63%(CR:1例、PR:31例)、病勢コントロール率は84%であった。・奏効までの期間中央値は1.4ヵ月、DOR中央値は未到達(95%信頼区間[CI]:12.6~推定不能)であった。・PFS中央値は未到達(95%CI:8.2~推定不能)であり、1年PFS率は60.8%であった。・全患者における主な治療関連有害事象(40例以上に発現)は、悪心(34.5%)、下痢(29.7%)であった。・全Gradeの免疫関連有害事象(irAE)は18%、Grade3以上のirAEは5%に認められた。・Grade5の治療関連有害事象が2例(1%)に認められ、内訳は肺臓炎、肺炎であった。・adagrasibとペムブロリズマブの両剤の中止に至った治療関連有害事象は4%に認められた(adagrasibのみ中止:6%、ペムブロリズマブのみ中止:11%)。・ALT/AST上昇やその他の肝関連の治療関連有害事象により両剤の中止に至った患者はいなかった。 本結果について、Garassino氏は「adagrasibとペムブロリズマブの併用療法は、PD-L1高発現のNSCLC患者における有望な有効性、管理可能な安全性プロファイルを示した。PD-L1高発現の患者におけるORRは63%であり、ペムブロリズマブ単剤によって得られると予測されるORR(39~45%)よりも良好であった。これらの結果は、未治療のKRAS G12C変異を有するPD-L1 TPS 50%以上の進行・転移NSCLC患者を対象として、adagrasibとペムブロリズマブの併用療法とペムブロリズマブ単剤療法を比較する第III相試験の開始を支持するものである」とまとめた。

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KRAS G12C変異大腸がん、ソトラシブ+パニツブマブが第III相試験でPFS延長(CodeBreaK 300)/ESMO2023

 KRAS G12C遺伝子変異を有する進行固形がんに対する、KRAS G12C阻害薬ソトラシブの有用性をみる大規模バスケットCodeBreaK試験。第I相CodeBreaK 101試験ではKRAS G12C変異の転移大腸がん(mCRC)コホートにおいて、ソトラシブ+抗EGFR抗体パニツムマブ併用療法が30%の奏効率(ORR)を示した。欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)のPresidentialセッションで、イタリア・Fondazione IRCCS Istituto Nazionale dei TumoriのFilippo Pietrantonio氏が、第III相CodeBreaK 300試験の初回解析結果を発表した。・対象:化学療法抵抗性KRAS G12C変異を有するmCRC患者、PS0~2・試験群:ソトラシブ960mgを1日1回+パニツムマブ6mg/kg(ソトラシブ960mg群)、またはソトラシブ240mgを1日1回+パニツムマブ6mg/kg(ソトラシブ240mg群)・対照群:治験責任医師が選択したTAS-102またはレゴラフェニブ(選択治療群)・評価項目:[主要評価項目]無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]全生存期間(OS)、ORR 主な結果は以下のとおり。・160例が登録され、ソトラシブ960mg群(n=53)、ソトラシブ240mg群(n=53)、選択治療群(n=54)に無作為に1対1対1で割り付けられた。・追跡期間中央値7.8ヵ月におけるPFSは、ソトラシブ960mg群5.6ヵ月、ソトラシブ240mg群3.9ヵ月、選択治療群2.2ヵ月であった。ソトラシブ960mg群の選択治療群に対するハザード比(HR)は0.49(95%信頼区間[CI]:0.30~0.80、p=0.006)、ソトラシブ240mg群のHRは0.58(95%CI:0.36~0.93、p=0.03)で、主要評価項目を達成した。・OSは未到達、ORRはソトラシブ960mg群26.4%、ソトラシブ240mg群5.7%、選択治療群0%であった。・Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)は、ソトラシブ960mg群36%、ソトラシブ240mg群30%、選択治療群43%で発現した。5%以上に発現したのは、ソトラシブ960mg群はざ瘡様皮膚炎(11.3%)、低マグネシウム血症(5.7%)、発疹(5.7%)、ソトラシブ240mg群は低マグネシウム血症(7.5%)、下痢(5.7%)、選択治療群は好中球減少症(23.5%)、貧血(5.9%)、高血圧(5.9%)であった。致命的なTRAEはなかった。 Pietrantonio氏は「ソトラシブ+パニツムマブ併用療法は、本試験の主要評価項目を達成し、とくにソトラシブ960mg群は優れた臨床的ベネフィットを示した。Grade3以上のTRAEは両ソト群で選択治療群より少なく、忍容性が認められた。以上から、ソトラシブ+パニツムマブ併用療法は新たな標準療法となり、非小細胞肺がん同様に、ソトラシブ960mgのレジメンが支持される」と結論付けた。

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アファチニブがUncommon EGFR変異陽性NSCLCのPFS改善(ACHILLES/TORG1834)/ESMO2023

 EGFR遺伝子変異は多様であり、多くのuncommon変異やcompound変異(EGFRチロシンキナーゼ部位に複数の変異を有する)が存在する。これらの多様な変異に対して、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)が有効性を示す可能性を示唆する報告はあるが、結論は得られていない。そこで、EGFR-TKIの活性が低いとされるexon20挿入変異やT790M変異を除くuncommon変異をsensitizing uncommon変異と定義し、EGFR遺伝子にsensitizing uncommon変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象として、アファチニブと化学療法を比較する第III相試験(ACHILLES/TORG1834試験)が実施された。その結果、アファチニブは化学療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を改善した。本結果は、新潟県立がんセンター新潟病院の三浦 理氏によって欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で発表された。アファチニブがACHILLES/TORG1834試験でPFSを有意に改善試験デザイン:国内第III相非盲検無作為化比較試験対象:未治療のsensitizing uncommon EGFR遺伝子変異(exon20挿入変異、de novo T790M変異を除くuncommon/compound変異)を有する進行・再発の非扁平上皮NSCLC患者109例試験群:アファチニブ(1日30mgまたは40mg)を病勢進行まで (アファチニブ群:73例)対照群:プラチナ製剤(シスプラチン[75mg/m2]またはカルボプラチンAUC5または6)+ペメトレキセド(500mg/m2)を3週ごとに4サイクル→ペメトレキセドを3週ごとに病勢進行まで(化学療法群:36例)評価項目:[主要評価項目]治験医師評価に基づくPFS[副次評価項目]奏効率(ORR)、病勢コントロール率(DCR)、全生存期間(OS)、安全性などデータカットオフ日:2023年2月28日 アファチニブと化学療法を比較したACHILLES/TORG1834試験の主な結果は以下のとおり。・対象の半数以上が主要なuncommon変異を有し、G719X変異単独が39.4%(43/109例)、L861Q変異単独が18.3%(20/109例)であった。compound変異は31.2%(34/109例)に認められ、uncommon/uncommon変異が22.0%(24/109例)、common(L858Rまたはexon19欠失変異)/uncommon変異が9.2%(10/109例)であった。・追跡期間中央値は12.5ヵ月であった。・PFS中央値は化学療法群が5.7ヵ月であったのに対し、アファチニブ群は10.6ヵ月であり、アファチニブ群が有意に改善した(ハザード比[HR]:0.422、95%信頼区間[CI]:0.256~0.694、p=0.0007、有意水準α=0.0304)。・以上の結果から、データ安全性モニタリング委員会はACHILLES/TORG1834試験の早期中止を勧告した。・ORRは化学療法群が47.1%(PR:16例)であったのに対し、アファチニブ群は61.4%(CR:2例、PR:41例)であったが両群間に有意差は認められなかった(p=0.2069)。・DCRは化学療法群82.4%、アファチニブ群82.9%であった。・Grade3以上の有害事象は化学療法群37.1%、アファチニブ群43.8%に発現した。アファチニブ群の主な有害事象(50%以上に発現)は、下痢(82.2%)、爪囲炎、発疹、粘膜炎(いずれも58.9%)であった。アファチニブ群において肺炎による治療関連死が1例認められた。 三浦氏は「本試験によって、未治療のsensitizing uncommon EGFR遺伝子変異を有する非扁平上皮NSCLC患者において、アファチニブが標準治療となることが示された。今後はOSのデータや変異の種類による治療への反応性、病勢進行後の治療状況などを明らかにする予定である」とまとめた。

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アジアの緩和ケアについて【非専門医のための緩和ケアTips】第62回

第62回 アジアの緩和ケアについて今回は日常の臨床から離れ、海外に目を向けたいと思います。2023年10月にアジア全域の緩和ケアに関する国際学会が韓国で開催されます。国際学会と聞くとワクワクしますよね。今回はそんな国際的な緩和ケアの話題について、お話しします。今回の質問先日、メディアで海外の支援活動をしている医師が取り上げられていました。緩和ケア領域においても、こういった国際的な交流はあるのでしょうか?今回は、これまであまり触れてこなかった話題に関するご質問をいただきました。緩和ケアを通じた国際交流、期待で胸が膨らみますよね。実は、今私が最も関心があり、将来的に活躍の場を広げたいのが、この領域です。10月に韓国で開催される「第15回アジア太平洋ホスピス緩和ケア会議 APHC(Asia Pacific Hospice Palliative Care)2023」に参加します。これはアジアの各国が参加する、アジアで最大級の緩和ケアに関する国際学会です。とくに研究領域では、アジア各国の若手が今後の国際的な研究の取り組みを議論するなど、刺激的な場です。私が今回参加する目的は、各国で異なる緩和ケアの提供モデルを共有し、私たちの取り組む緩和ケアをより良くするアイデアを得るためです。私も10年以上緩和ケア領域に従事し、患者さんに必要なさまざまなことに取り組んできました。そして、「今後10年、さらに何に取り組んでいくかべきか」を考える時期にあります。まったく異なる環境で緩和ケアを実践している方と議論することが、知らず知らずのうちに自分がつくっていた“限界”を取っ払ってくれるのではないか、と期待しています。先日、私の病院にカンボジア出身の医師が見学に来たのですが、彼の話もいろいろ考えさせられました。カンボジアは内戦などがあり、医療体制はこの30年ほどでつくられたものです。緩和ケアなどの領域はまだ広がっておらず、緩和ケアを教え、広げる人材もこれから育てていく必要がある、という話でした。さらに数年前、インドネシアやフィリピンの医療従事者と話した際は、多くの島に人口が分布している地理的特性の中でどのように緩和ケアを提供するのか、というのが大きな問題となっていました。日本でも沖縄をはじめとした離島医療において議論されるテーマです。こうしてみると、日々の臨床から少し視野を広げ、アジア各国における緩和ケアが置かれた状況を考えることが、自分たちの強みと今後の伸び代を考える機会になるかもしれません。今回のTips今回のTipsアジアの一員としての日本を、緩和ケアを通じて意識してみるのも刺激になりますよ。

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EGFR変異陽性NSCLCに対するオシメルチニブへのラムシルマブ上乗せは有用か?(OSIRAM-1)/ESMO2023

 第1世代EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)とVEGF阻害薬ラムシルマブの併用はEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に有用であることが報告されているが、第3世代EGFR-TKIとの併用の有用性は明らかになっていない。そこで、第3世代EGFR-TKIのオシメルチニブとVEGF阻害薬ラムシルマブの併用療法の有用性を評価するOSIRAM-1試験が実施された。本試験の結果を北里大学病院/神奈川県立がんセンターの中原 善朗氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で発表した。試験デザイン:国内第II相無作為化比較試験対象:未治療のEGFR遺伝子変異(exon19欠失変異、L858R変異)を有する進行NSCLC患者122例(症候性の脳転移を有する患者は除外)試験群:オシメルチニブ(80mg、1日1回)+ラムシルマブ(10mg/kg、隔週)を病勢進行または許容できない毒性の発現まで(併用群:59例)対照群:オシメルチニブ(同上)を病勢進行または許容できない毒性の発現まで(単独群:63例)層別化因子:性別、EGFR遺伝子変異の種類評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)に基づくPFS[副次評価項目]奏効率、安全性など 主な結果は以下のとおり。・2018年11月~2020年4月に122例の患者が組み入れられ、追跡期間中央値は36.0ヵ月であった。・BICRに基づくPFS中央値は併用群20.0ヵ月、単独群24.0ヵ月であり、有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:1.054、95%信頼区間[CI]:0.674~1.648、p=0.82)。・BICRに基づくPFSのサブグループ解析(post-hoc解析)において、75歳以上(HR:0.688、95%CI:0.250~1.895)、L858R変異(同:0.821、0.388~1.740)、脳転移あり(同:0.655、0.296~1.451)の集団で併用群が良好な傾向を示した。・併用群の治療期間中央値は、オシメルチニブが571日であったのに対し、ラムシルマブは140日であった。・Grade3以上の主な有害事象(いずれかの群で10%以上)は、CK上昇(併用群:1.7%、単独群:12.9%)、好中球数減少(それぞれ10.2%、3.2%)、高血圧(それぞれ16.9%、1.6%)であった。・血小板数減少(併用群:55.9%、単独群27.4%)、好中球数減少(それぞれ30.5%、25.8%)が併用群に多く認められ、ラムシルマブの治療中止に至った(血小板数減少による中止:14例、好中球数減少による中止:11例)。 本結果について、中原氏は「本試験において、オシメルチニブへのラムシルマブ上乗せの効果は認められなかったが、脳転移を有する患者においてPFSが改善する傾向がみられた。本試験ではラムシルマブ投与期間が想定よりかなり短く、併用療法による血小板数減少・好中球数減少に加え、新型コロナウイルス感染症のパンデミック期と重なったことで、隔週の来院が求められる併用群のラムシルマブ投与に悪影響が及んだ可能性がある」とまとめた。

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切除可能NSCLC、周術期ペムブロリズマブ上乗せでOS・EFS改善(KEYNOTE-671)/ESMO2023

 切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)患者を対象としたKEYNOTE-671試験の第1回中間解析において、術前補助療法としてペムブロリズマブ+化学療法、術後補助療法としてペムブロリズマブを用いた場合、術前補助療法として化学療法を用いた場合と比較して、無イベント生存期間(EFS)が有意に改善したことが報告されている1)。今回、KEYNOTE-671試験の第2回中間解析の結果が、カナダ・McGill UniversityのJonathan Spicer氏により、欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で発表され、EFSと全生存期間(OS)が有意に改善したことが示された。本試験の結果から、米国食品医薬品局(FDA)は2023年10月16日に切除可能なNSCLC患者に対する術前・術後補助療法としてペムブロリズマブの使用を承認したことを発表している2)。・試験デザイン:国際共同無作為化二重盲検第III相試験・対象:切除可能なStageII、IIIA、IIIB(N2)のNSCLC患者(AJCC第8版に基づく)・試験群:ペムブロリズマブ200mg+化学療法(シスプラチン[75mg/m2]+ゲムシタビン[1,000mg/m2を各サイクル1、8日目]またはペメトレキセド[500mg/m2])を3週ごと最大4サイクル→手術→ペムブロリズマブ200mgを3週ごと最大13サイクル(ペムブロリズマブ群:397例)・対照群:プラセボ+化学療法(同上)を3週ごと最大4サイクル→手術→プラセボを3週ごと最大13サイクル(プラセボ群:400例)・評価項目:[主要評価項目]EFSおよびOS[副次評価項目]病理学的完全奏効(pCR)、病理学的奏効(mPR)など・解析計画:計2回の中間解析が事前規定され、今回の中間解析はEFSの最終解析とした。今回の解析におけるOSの有意水準は片側α=0.00543であった。・データカットオフ日:2023年7月10日 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は36.6ヵ月(範囲:18.8~62.0)であり、254例(31.9%)が死亡した。・OS中央値はプラセボ群が52.4ヵ月(95%信頼区間[CI]:45.7~推定不能)であったのに対し、ペムブロリズマブ群では未到達(同:推定不能~推定不能)であり、ペムブロリズマブ群が有意に改善した(ハザード比[HR]:0.72、95%CI:0.56~0.93、片側p=0.00517)。・3年OS率はプラセボ群64.0%、ペムブロリズマブ群71.3%、4年OS率はそれぞれ51.5%、67.1%であった。・OSのサブグループ解析においてもペムブロリズマブ群が良好な傾向であったが、PD-L1発現状況別にみたOSのHR(95%CI)は、PD-L1(TPS)50%以上が0.55(0.33~0.92)、1~49%が0.69(0.44~1.07)、1%未満が0.91(0.63~1.32)であり、PD-L1発現が少ないほどペムブロリズマブ群のベネフィットは減少する傾向にあった。また、東アジア人集団のHR(95%CI)は1.05(0.64~1.73)、喫煙歴のない集団は1.00(0.41~2.46)であった。・EFS中央値はプラセボ群が18.3ヵ月(95%CI:14.8~22.1)であったのに対し、ペムブロリズマブ群では47.2ヵ月(同:32.9~推定不能)であり、第1回の中間解析に続き、ペムブロリズマブ群が有意に改善した(HR:0.59[95%CI:0.48~0.72])。・Grade3以上の治療関連有害事象(TRAE)はプラセボ群37.8%、ペムブロリズマブ群45.2%に認められ、治療中止に至ったTRAEはそれぞれ5.3%、13.6%、死亡に至ったTRAEはそれぞれ0.8%、1.0%に認められた。 本結果について、Spicer氏は「OSの有意な改善が認められ、新たな安全性シグナルは検出されなかったことから、本試験の周術期レジメンは切除可能なStageII、IIIA、IIIBのNSCLCに対する新たな標準治療となる」とまとめた。

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ニボルマブベースの非小細胞肺がん周術期レジメンが有効性示す(CheckMate 77T)/ESMO2023

 切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)におけるニボルマブベースの周術期レジメンが良好な結果を示した。 欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)において米国・MDアンダーソンがんセンターのTina Cascone氏が発表した、同集団に対する術前ニボルマブ+化学療法、術後ニボルマブを評価する無作為化二重盲検第III相CheckMate 77T試験の中間解析の結果である。・対象:切除可能なStageIIA〜IIIB (American Joint Committee on Cancer[AJCC]第8版) のNSCLC・試験群:ニボルマブ360mg 3週ごと+プラチナダブレット化学療法 3週ごと4サイクル→手術→ニボルマブ480mg 4週ごと1年間(NIVO+化学療法/NIVO群、n=229)・対照群:プラチナダブレット化学療法 3週ごと4サイクル→手術→プラセボ4週ごと1年間(化学療法/PBO群、n=232)評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)評価の無イベント生存期間(EFS)[副次評価項目]病理学的完全奏効(pCR)および主要な病理学的奏効(MPR)(ともに盲検下独立病理学審査[BIPR]評価)、全生存期間(OS)、安全性など 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は25.4ヵ月であった。・BICR評価のEFS中央値は、NIVO+化学療法/NIVO群は未到達、化学療法/PBO群は18.4ヵ月で、NIVO+化学療法/NIVO群で有意に改善していた(ハザード比[HR]:0.58、97.36%信頼区間[CI]:0.42〜0.81、p=0.00025)。・12ヵ月EFS率はNIVO+化学療法/NIVO群73%、化学療法/PBO群59%、18ヵ月EFS率はそれぞれ70%と50%であった。・BIPR評価のpCR率はNIVO+化学療法/NIVO群25.3%、化学療法/PBO群4.7%(オッズ比[OR]:6.64、95%CI:3.40〜12.97)、BIPR評価のMPR率はそれそれ35.4%と12.1%であった(OR:4.01 、95%CI:2.48〜6.49)。・全期間における全Gradeの治療関連有害事象(TRAE)は、NIVO+化学療法/NIVO群の89%、化学療法/PBO群の87%に発現した。術前期間のTRAE発現はそれぞれ86%と85%、術後期間のTRAE発現はそれぞれ50%と30%であった。 Cascone氏は、CheckMate 77T試験の結果は、ニボルマブベースの周術期レジメンが切除可能NSCLCにとって有望な新しい治療選択肢であることを支持するものだと結んだ。

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切除可能ALK陽性NSCLC、術後アレクチニブがDFS改善(ALINA)/ESMO2023

 切除可能なStageIB~IIIAのALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する標準治療は、プラチナ製剤を用いた化学療法である。そこで、進行期のALK融合遺伝子陽性NSCLC患者に対する有効性が認められているアレクチニブを術後補助療法として用いた場合の有効性・安全性を検討するALINA試験が実施され、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのBenjamin Solomon氏が欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2023)で中間解析の結果を発表した。アレクチニブはプラチナ製剤を用いた化学療法と比較して無病生存期間(DFS)が有意に改善したことが示された。試験デザイン:国際共同第III相非盲検無作為化比較試験対象:抗がん剤による全身療法歴のないECOG PS 0/1の切除可能なStageIB(4cm以上)~IIIAのALK融合遺伝子陽性NSCLC患者(UICC/AJCC第7版に基づく)試験群:アレクチニブ600mg(1日2回)を2年間または再発まで(アレクチニブ群:130例)対照群:シスプラチン+ペメトレキセドまたはビノレルビンまたはゲムシタビン(シスプラチン不耐の場合はカルボプラチンに変更可能)を3週ごと4サイクルまたは再発まで(化学療法群:127例)評価項目:[主要評価項目]DFS(StageII~IIIA集団→ITT集団[StageIB~IIIA]の順に階層的に検証)[その他の評価項目]中枢神経系再発に対するDFS(CNS DFS)、全生存期間(OS)、安全性など解析計画:今回の解析におけるStageII~IIIA集団の有意水準はα=0.0118、ITT集団の有意水準はα=0.0077とした。データカットオフ日:2023年6月26日 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は27.8ヵ月であった。・StageII~IIIA集団におけるDFS中央値は化学療法群44.4ヵ月(95%信頼区間[CI]:27.8~推定不能)であったのに対し、アレクチニブ群は未到達であり、アレクチニブ群が有意に改善した(ハザード比[HR]:0.24、95%CI:0.13~0.45、p<0.0001)。・StageII~IIIA集団における2年DFS率は化学療法群63.0%、アレクチニブ群93.8%、3年DFS率はそれぞれ53.3%、88.3%であった。・ITT集団においても、アレクチニブ群は化学療法群と比較してDFSが改善した(HR:0.24、95%CI:0.13~0.43、p<0.0001)。・DFSのサブグループ解析において、いずれのサブグループにおいてもアレクチニブ群が良好な傾向にあった。・ITT集団において、アレクチニブ群は化学療法群と比較してCNS DFSが改善した(HR:0.22、95%CI:0.08~0.58)。・再発はアレクチニブ群15例、化学療法群49例に認められ、そのうち遠隔転移はアレクチニブ群33.3%(5/15例)、化学療法群55.1%(27/49例)であった。脳転移はアレクチニブ群4例、化学療法群14例に認められた。・OSのデータは未成熟であった(死亡は6例)。・Grade3以上の有害事象は化学療法群31%(37/120例)、アレクチニブ群30%(38/128例)に認められ、Grade5の有害事象は認められなかった。重篤な治療関連有害事象はそれぞれ7%(8/120例)、2%(2/128例)、治療中止に至った有害事象はそれぞれ13%(15/120例)、5%(7/128例)に認められた。 本結果について、Solomon氏は「本試験は、切除可能なStageIB~IIIAのALK融合遺伝子陽性NSCLC患者におけるALK阻害薬の有効性を第III相試験で初めて示した試験であり、アレクチニブは術後補助療法における新たな治療選択肢となる」とまとめた。

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味覚障害に耐えられない症例に対する処方は注意せよ(解説:田中希宇人氏/山口佳寿博氏)

 ゲーファピキサント(商品名:リフヌア)は、選択的P2X3受容体拮抗薬である。P2X3受容体は気道に分布する迷走神経のC線維と呼ばれる求心性神経線維末端にあるATP依存性イオンチャネルである。C線維は炎症や化学物質に反応して活性化される。ATPは炎症により気道粘膜から放出され、シグナル伝達を介して咳嗽反応を惹起させる。ゲーファピキサントはP2X3受容体を介したATPシグナル伝達を遮断することにより、感覚神経の活性化や咳嗽の抑制効果が期待されている薬剤である。現在、慢性咳嗽の原因となりうる病歴・職業歴・環境要因・検査結果などを踏まえた包括的な診断に基づく十分な治療を行っても咳嗽が続く場合、いわゆる難治性の慢性咳嗽に適応となっている。実臨床下では、慢性咳嗽の症例に一般的な鎮咳薬や気管支拡張薬、吸入ステロイド薬が適切に使用されても改善が得られない場合に処方を検討する薬剤となっている。 2005年に亀井らにより咳嗽にP2X3が関与していることが示唆(Kamei J, et al. Eur J Pharmacol. 2005;528:158-161.)されて以来、ゲーファピキサントの開発が進んできた。国際共同第III相試験である「COUGH-1試験」では、治療抵抗性あるいは原因不明の慢性咳嗽症例732例を対象に、ゲーファピキサント15mg 1日2回群、45mg 1日2回群、プラセボの3群が比較検討された(McGarvey LP, et al. Lancet. 2022;399:909-923.)。主要評価項目としては有効性として12週での24時間当たりの咳嗽頻度が評価された。732例のうち、気管支喘息は40.7%、胃食道逆流症が40.5%、アレルギー性鼻炎が19.7%含まれた。主要評価項目である咳嗽頻度はゲーファピキサント45mg群でベースラインに1時間当たり28.5回認めていたものが、12週時点で14.4回に減少。プラセボ群に対する相対減少率も-18.45%と有意差をもって咳嗽頻度を改善したとされた。また24週時点でも評価された「COUGH-2試験」でも同様の結果が示された。 今回取り上げたKum氏らのCOUGH-1, 2試験を含むメタ解析でも、ゲーファピキサント45mg群はプラセボ群と比較し、覚醒時の咳嗽頻度を17.6%減少させ、咳嗽の重症度や咳嗽に起因するQOLも、わずかではあるが改善させるとの結果であった。実臨床においても、呼吸器内科医が詳細に問診をとり、診察を行い、各医療機関でできる検査を組み合わせて適切な診断や治療を行っても残ってしまう難治性咳嗽の症例は時々見掛けることがある。そのような症例に対し、奥の手としてゲーファピキサントが選択されることがある。ただ、もちろん他の治療や環境因子に介入しても改善しなかったしつこい咳嗽に対する処方なので、他の鎮咳薬などの治療選択肢と比べて劇的な効果への期待は難しいことが多い。COUGH-1, 2試験では「治療抵抗性あるいは原因不明の慢性咳嗽症例」が含まれているが、ゲーファピキサントがより効果的な症例は喘息なのか、COPDなのか、間質性肺炎なのか、はたまた他の慢性咳嗽の原因となりうる疾患なのか、そのあたりが今後の臨床試験で明らかになると、ゲーファピキサントの立ち位置がよりはっきりしてくるのだろう。 またCOUGH-1, 2試験の併合解析でも指摘されているが、味覚に関する有害事象が高いことが知られている。ゲーファピキサントの承認時資料によると、味覚に関連する有害事象の発現時期としては、中央値で2.0日、1週間以内に52.7%の方が味覚に関する異常を訴えるとされている。さらに気になるところは、有害事象の平均持続期間が200日以上と想像以上に長いことも指摘されている。Kum氏らの報告でも味覚関連有害事象が100人当たり32人増加するとされ、効果に比べて有害事象の懸念が考えられた。 ゲーファピキサントはあくまで症状に対する対症療法に位置付けられる薬剤であり、原疾患に対する薬剤ではない。実際の現場において、内科の短い診療時間で味覚に対するきめ細やかな対応は困難であることが予想されるため、できれば歯科/口腔外科や、看護スタッフ、薬剤師、栄養士などの介入があるとよいだろう。味覚に関する有害事象で困るようであれば、1日1回に減量する、一定期間薬剤を中止するなどの対応も必要となる。承認時資料によると、通常用量の1/3量のゲーファピキサント15mgでは味覚障害の有害事象の頻度は17.5%と報告されているので、投与量の減量は有効な手段の1つと考えられる。また、有害事象を起こしやすい、あるいは起こしにくい患者背景がわかると、処方を勧める1つのきっかけになると考える。 実臨床では、慢性咳嗽で一般的な治療で難治と考えられる症例に、ゲーファピキサントが考慮される。エビデンスのない領域であるが、肥満が問題となっている喘息症例で適切な治療を行っても咳嗽が残ってしまう症例に対し、ゲーファピキサントで咳嗽が抑えられ、食欲も制限されたら、もしかしたら喘息のコントロールも改善するかもしれない。ただし、味覚に関連する有害事象の発現で致命的になりうるような悪液質状態の肺がん症例や、るい痩が進んできているCOPDや間質性肺炎に対する慢性咳嗽に対しては、安易に処方することのないようにされたい。

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Stroke Oncology(脳卒中合併がん)の対策、学会の枠越え取り組み/日本腫瘍循環器学会

 がん患者の脳梗塞合併の課題解決に向け、脳卒中医とがん診療医が共同で取り組んでいる。 9月30日~10月1日の2日間、神戸で開催された第6回日本腫瘍循環器学会学術集会にて、NTT東日本関東病院の水上 拓郎氏が発表した。 がん患者の脳梗塞リスクは非がん患者と比べ高く、そのリスクはステージが進行するごとに上昇する。がん患者の脳卒中合併には複数の因子が絡み、がん種や診断時期によってリスクは異なるため、予後予測は複雑である。 そのような中、脳卒中とがん、それぞれの専門家が議論する場が必要とされてきた。日本脳卒中学会では2020年からStroke Oncology Project Teamを設立している。日本がんサポーティブケア学会では、腫瘍医側の主体として、Stroke Oncologyワーキンググループ(WG)を2022年に設立した。同WGでは、脳卒中医と連携し、Stroke Oncologyの各種課題について議論する。 学術集会では最初の取り組みとして実施した日本国内の先行研究のレビューを発表した。脳卒中発症の予測因子として、D-ダイマー、CRP、脳転移の有無、がん診断からの期間の関連が高いと報告している。

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より取り見取りの学習ソース 米国の継続医学教育(CME)とは?【侍オンコロジスト奮闘記】第153回

第153回:より取り見取りの学習ソース 米国の継続医学教育(CME)とは?参考MedscapeMedscape CME & EDUCATIONResearch To PracticePhysicians’ Education ResourceClinical Care OptionsTargeted OncologyVuMediOncology Learning NetworkGRACE

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ICIによる心筋炎、現時点でわかっていること/日本腫瘍循環器学会

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は抗PD-1抗体のニボルマブが2014年に本邦で上市されて以来、抗PD-L1抗体や抗CTLA-4抗体も登場し、現在では臓器横断的に幅広いがん種に対し、単独投与のみならず併用投与も行われるようになった。しかし、その一方でさまざまな免疫関連有害事象(irAE)が報告されており、とくに循環器医も腫瘍医も恐れているirAEの1つに心筋炎がある。これは通常の心筋炎とは何が違い、どのように対処するべきなのだろうか―。9月30日~10月1日に開催された第6回日本腫瘍循環器学会学術集会のシンポジウム『免疫チェックポイント阻害薬関連有害事象として心筋炎の最新の理解と対応』において、3名の医師が心筋炎のメカニズムや病態、実臨床での事例やその対応について発表した。irAE心筋炎でわかっていること、わかっていないこと Onco-Cardiology教育に力を入れる田尻 和子氏(国立がん研究センター東病院 循環器科長)によると、あいにく現時点ではこの病態の解明には至っていないが、心筋炎を起こす免疫細胞の種類とその働き、免疫細胞を制御している分子・シグナル・液性因子、心臓のT細胞は何を敵だと思って攻撃しているのか、などの疑問が沸いている状況だという。同氏はこれらの疑問点を詳細に解説したうえで、「なぜICI投与患者の約1%だけが心筋炎を発症するのか、そして従来の心筋炎よりなぜ予後が悪いのか」と2つの疑問を挙げた。 前者については「ICI治療前に存在する患者固有の特徴によるのか、またはICI投与によって生じた何らかの事象に関連するのか」と問題提起。また、「心筋に特異的なタンパクであるαミオシンを免疫細胞が敵だと思いこみ自己免疫性心筋炎が発症することは明らかになっている1-4)ものの、心筋炎にならなかったICI投与患者の心筋にもαミオシン反応性T細胞が存在することから、なんらかのウイルス感染が引き起こしている可能性、根底にある遺伝的感受性や腸内細菌の関与も考えられる」とコメントした。 さらに後者の疑問に対しては「いわゆる一般的な心筋炎というのは治療介入しなくとも自然軽快していくが、irAE心筋炎はステロイド抵抗性であったり、免疫応答がより強力(マクロファージの比率が多い、より高密度のリンパ球浸潤)であったりするのではないか。T細胞がICIにより永久的にリプログラムされて抑制シグナルに耐性を持ち、ICI投与終了後数年にわたる可能性も否めない。さらに、ウイルス感染が原因であればそのウイルスを除去すれば終わりだが、irAE心筋炎のT細胞が認識する抗原が腫瘍や心筋だった場合はそれらが除去されないために炎症が収束しないのではないか」と、仮説を挙げた。心筋炎の発症頻度は1%超、致死率は25~40%の可能性 続いて発表した清田 尚臣氏(神戸大学医学部附属病院 腫瘍センター)はirAEの特徴と実際の発症頻度について解説。「当初の発症頻度は0.09%程度と言われていたが、現在のRCTメタ解析などによると最大で5.8%に上り、近年の報告の多くは1%を超えている。つまり、想定していたよりも頻度や致死率が非常に高く、発症までの期間中央値は30日前後であることが各種論文から明らかになってきた」と述べた。同氏の施設では年間290例(ICI延べ処方件数3,341件)がICI治療を行っているが、「irAEの発症頻度を3%、致死率を30%と想定した場合、当院では年間9人が発症し、約3人が死亡することになる」と、いかに発症を抑えることが重要かを示した。 同氏はオンコロジストとしてできることについて、JAVELIN Renal 101試験5)でのMACEの定義や頻度を示し、「ICIを使用する前には脂質異常症などの既往、ベースライン時点での心電図とトロポニン測定などを実施して評価をしておくことが必要。検査所見のみで無症状の場合もあるが、心筋炎を疑う症状(息切れ、胸痛、浮腫、動悸、ショック症状など)がみられたら躊躇せずに、心電図、トロポニンやBNPの測定、心エコーを実施してほしい」と述べ、「irAE心筋炎はCCU管理が必要になる場合もあるため、疑った時点で早期に循環器医にコンサルテーションすることも必要」と連携の重要性も説明した。心筋炎に遭遇、実臨床での適切な対応策 循環器医の立場で登壇した及川 雅啓氏(福島県立医科大学 循環器内科学講座)は、実際にirAE心筋炎に遭遇しており、その際の対処法としてのステロイドの有用性、irAE後のICI再投与について言及した。 同氏の施設ではICI外来を設置し、患者・医療者の双方に負担がない取り組みを行っている。概要は以下のとおり。<福島県立医科大学附属病院のICI外来>・ICI治療が予定される場合、がん治療を行う各科にてトロポニンI、心電図、心エコーのオーダーを行い、循環器内科ICI外来(カルテ診)へ紹介する。・検査結果をカルテにて確認し、ICI開始後約1ヵ月、3ヵ月、以後3ヵ月ごとにトロポニンI測定ならびに心電図検査を実施する。・問題が生じた場合には、各科主治医に連絡を取り、今後の方針を検討する。 上記のフォローアップを受けた全271例のうち、トロポニンIの上昇(>0.05ng/mL)を認めたのは15例(5.5%)で、そのうちirAE心筋炎と診断されたのは4例(1.4%)だったという。この4例に対しては「ESCガイドライン6)に基づく治療として、ICIを中止し、心電図モニターを行った後、メチルプレドニゾロン500~1,000mg/dayを最低3日間実施した。これで改善すれば経口プレドニゾロン1mg/kg/dayに切り替え、ステロイド抵抗性がみられた場合には2ndラインとして免疫抑制薬の投与に切り替えが必要となる。本症例ではステロイド治療が奏効したが、重篤化前の治療介入が非常に重要であることが明らかであった」。 また、irAE心筋炎を診断する際の検査値について、「トロポニンIの持続上昇は臨床的な心筋炎に至る可能性が高いため、綿密なフォローアップが必要である」と説明し、さらに「肝機能異常やCPK上昇を伴っていることも報告7)されているが、実際に当院の症例でも同様の傾向が見られた。このような検査値にも注意を払うことが診断精度向上につながる」と補足した。 ICI再投与についてはJAMA誌での報告8)を示し、「irAE発症者6,123例のうち452例(7.4%)に行われ、再投与により28.8%でirAEが再発している。irAE心筋炎を発症した3例に再投与が行われ再発は0例であったが、例数が少なく判断が難しい。この結果を見る限りでは、現時点で再投与を積極的に行うことは難しいのではないか」と個人的見解を示した。 なお、本シンポジウムでは発表後に症例検討のパネルディスカッションが行われ、会場からの質問や相談が尽きず、盛況に終わった。■参考文献日本腫瘍循環器学会1)Munz C, et al. Nat Rev Immunol. 2009;9:246-258.2)Tajiri K, et al. Int J Mol Sci. 2021;22:794.3)Won T, et al. Cell Rep. 2022;41:1116114)Axelrod ML, et al. Nature. 2022;611:818-826.5)Rini BI, et al. J Clin Oncol. 2022;40:1929-1938.6)Lyon AR, et al. Eur Heart J. 2022;44:4229-4361.7)Vasbinder A, et al. JACC CardioOncol. 2022;4:689-700.8)Dolladille C, et al. JAMA Oncol. 2020;6:865-871.

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運動するのも緩和ケア?【非専門医のための緩和ケアTips】第61回

第61回 運動するのも緩和ケア?緩和ケアの専門家として、時々聞かれるのが「運動療法ってどんなことをするのですか?」というトピックです。確かに緩和ケアの教科書を見ると書いてありますからね。今回は緩和ケアにおける運動療法を考えてみましょう。今回の質問外来で診ているがん患者さん。痛みなどの身体症状は抑えられているのですが、不眠があり、気分も晴れないとのことです。こういった方に運動を勧めることをどう思われますか?外来通院されている患者さんに、少しでもできることがないかと考える姿勢が非常に伝わってくる質問ですね。まず、緩和ケア領域における運動療法についての一般論を共有します。がん患者への運動療法は世界的に議論され、研究領域の1つでもあります。その効果としては、倦怠感などの苦痛症状の緩和、身体機能やQOLの向上などが期待されています。運動の内容としては、日本緩和医療学会の編集による『がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス(2016年版)』(金原出版)に、これまでのエビデンスをまとめた推奨事項が記載されています。これによると「一般に成人(18~64歳)に対して、中等度の身体活動を週150分、高強度の有酸素運動を週75分、中~高強度の抵抗運動を週2回以上、行うことが推奨されている」(学会サイトから無料で閲覧可)。このように、緩和ケア領域における運動療法には一定の効果が期待できるわけですが、実践するうえでの注意点は何でしょう?それは、「適応」と「安全」です。「適応」としては、運動療法を検討している患者さんの症状や苦痛に対するアセスメントが重要です。今回の相談のケースでは、患者さんの気分の落ち込みがうつ病の症状かを考慮する必要があるでしょう。また、不眠も運動による改善が期待できますが、そもそもの不眠の原因を取り除くことも必要です。次に「安全」についてです。健康な人も同様ですが、がん患者であればなおさら過度な運動は禁物です。高齢の患者さんには持病のある人も多く、さらに安全に配慮する必要があります。骨転移のあるがん患者さんが転倒して骨折する、というのはよくあるケースですが、運動療法中に骨折すれば管理上の問題にもなります。そのほか、化学療法中の患者さんであれば、発熱や吐き気といった副作用が出ている時期や、骨髄抑制の期間中の運動は避けたほうがよいでしょう。以上、緩和ケア領域における運動療法を検討しました。「適応」と「安全」をしっかり考えながら、ケアに運動を取り込みましょう。今回のTips今回のTips緩和ケア領域の運動療法は、「適応」と「安全」を考えるのがポイント!

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血栓高リスクの肺・消化器がん、エノキサパリンによる血栓予防で生存改善(TARGET-TP)

 肺がんや消化器がん患者において、バイオマーカーに基づく血栓リスクの分類と、高リスクに分類された患者に対するエノキサパリンによる血栓予防は、血栓塞栓症の発生を抑制するだけでなく、生存も改善することが報告された。本研究結果は、オーストラリア・Peter MacCallum Cancer CentreのMarliese Alexander氏らによって、JAMA Oncology誌オンライン版2023年9月21日号で報告された。 2018年6月~2021年7月に第III相非盲検無作為化比較試験「Targeted Thromboprophylaxis in Ambulatory Patients Receiving Anticancer Therapies(TARGET-TP)」が実施された。本試験はオーストラリアの5施設において、肺がんまたは消化器がんに対する抗がん剤治療を開始する18歳以上の患者328例が対象となった。フィブリノゲン値とDダイマー値に基づき、血栓塞栓症リスクを低リスクと高リスクに分類した※。高リスクに分類された患者について、エノキサパリン40mg(1日1回、皮下投与)を90日間投与する群(エノキサパリン群)、血栓予防薬を投与しない群(高リスク対照群)に1対1に割り付け、比較した。なお、エノキサパリン群は血栓塞栓症リスクに応じて、180日まで投与期間を延長可能とした。主要評価項目は180日後までの血栓塞栓症の発生、副次評価項目は、血栓塞栓症リスクモデルの検証、出血、全死亡などであった。※ 以下の(1)~(3)のいずれかを満たすものを高リスクとした。(1)ベースライン時のフィブリノゲン値4g/L以上かつDダイマー値0.5mg/L以上、(2)ベースライン時のDダイマー値1.5mg/L以上、(3)1ヵ月後のDダイマー値1.5mg/L以上。 主な結果は以下のとおり。・対象患者328例(年齢中央値[範囲]:65歳[30~88]、男性:176例[54%])のうち、肺がんは127例(39%)、消化器がんは201例(61%)であった。転移を有していたのは132例(40%)、高リスクと判定されたのは200例であった。・血栓塞栓症は高リスク対照群で23例(23%)に発生したのに対し、エノキサパリン群では8例(8%)と有意に少なかった(ハザード比[HR]:0.31、95%信頼区間[CI]:0.15~0.70)。低リスク群では10例(8%)に発生したが、高リスク対照群よりも有意に少なかった(同:3.33、1.58~6.99)。・血栓塞栓症リスクモデルの感度は70%、特異度は61%であった。・大出血の発生に群間差は認められなかった(エノキサパリン群:1例[1%]、高リスク対照群:2例[2%]、低リスク群:3例[2%])。・6ヵ月死亡率は高リスク対照群が26%であったのに対し、エノキサパリン群では13%(HR:0.48、95%CI:0.24~0.93、p=0.03)、低リスク群では7%(同:4.71、2.13~10.42、p<0.001)であり、高リスク対照群と比較して有意に低かった。

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HER3-DXd、EGFR-TKIおよび化療耐性のEGFR陽性NSCLCに良好な抗腫瘍活性(HERTHENA-Lung01)/WCLC2023

 抗HER3抗体薬物複合体patritumab deruxtecan(HER3-DXd)のEGFR-TKI、プラチナ化学療法耐性のEGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対する有効性が発表された。 EGFR‐TKIはEGFR変異のある進行期NSCLCの標準治療であるが、最終的に耐性が発現する。EGFR‐TKI耐性後はプラチナベースの化学療法が用いられるが、その効果は限定的である。 HER3を標的とした抗体薬物複合体(ADC)であるHER3-DXdは、第I相結果でEGFR‐TKIに対する多様な耐性機構を持つEGFR変異陽性NSCLCにおいて、管理可能な安全性と抗腫瘍活性が示されている。 世界肺癌学会(WCLC2023)では、EGFR‐TKI療法およびプラチナ化学療法後のEGFR変異陽性NSCLC患者に対する、HER3-DXdの第II相HERTHENA-Lung01試験の結果を、米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのHelena A. Yu氏が発表した。対象:既治療の進行期EGFR変異陽性NSCLC患者(無症状の脳転移患者も含む)介入:HER3-DXd固定用量(5.6mg/kg)3週ごと(226例)、HER3-DXd用量漸増3週ごと(51例)評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央判定(BICR)による確定奏効率(confirmed ORR)[副次評価項目]BICRによる奏効期間(DOR)今回の発表は、固定用量群の有効性と安全性である。 主な結果は以下のとおり。・有効性追跡期間中央値は18.9ヵ月、安全性解析対象集団の治療期間中央値は5.5ヵ月であった。・ベースラインで、脳転移例32%、肝転移例33%が含まれた。・前治療歴(ライン数)は2ラインが26%、2ライン超が73%であった。・confirmed ORRは、全症例で29.8%、第3世代EGFR-TKI耐性例で29.2%、病勢コントロール率(DCR)はそれぞれ73.8%と72.7%であった。・DOR中央値は、全症例、第3世代EGFR-TKI耐性例ともに6.4ヵ月であった。・PFS中央値は、全症例、第3世代EGFR-TKI耐性例ともに5.5ヵ月であった。・OS中央値は、全症例、第3世代EGFR-TKI耐性例ともに11.9ヵ月であった。・頭蓋内confirmed ORRは33.3%、DCRは76.7%であった。・治療下で発現した有害事象(TEAE)の発現は全Gradeで99.6%(治療中断7.1%、減量21.3%)、Grade3以上は64.9%であった。頻度の高いTEAEは悪心(66%)、血小板減少(44%)、食欲不振(42%)などであった。・治療関連ILDの発現は5.3%であった。 Yu氏らは、HER3-DXdはEGFR‐TKIおよびプラチナベース化学療法で進行したEGFR変異NSCLC患者にとって有望な治療法であると結論付けた。

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小細胞肺がん、アテゾリズマブ+化学療法の5年生存率(IMpower133/IMbrella A)

 進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)に対するアテゾリズマブ+化学療法の1次治療による5年生存率は12%であると示された。 世界肺癌学会(WCLC2023)で、米国・ジョージタウン大学のStephen V. Liu氏らが発表した、第III相IMpower133試験と第IV相IMbrella A試験の統合解析で明らかになった。小細胞肺がんに対する免疫治療の長期生存データが示されたのは初めて。 既報では、化学療法単独治療によるES-SCLCの5年全生存(OS)率は約2%、OS中央値は約12ヵ月である1)。 IMbrella A試験は、オープンラベル非無作為化多施設長期観察試験。対象は、IMpower133試験におけるアテリズマブ+化学療法(カルボプラチン+エトポシド)群の中で、アテゾリズマブ継続または生存追跡が行われていた患者18例。 主な結果は以下のとおり。・患者の年齢中央値は60.5歳、65歳未満が77.8%であった。・アテゾリズマブ+化学療法群の観察期間中央値は59.4ヵ月であった。・IMpower133試験におけるOS中央値は、アテゾリズマブ+化学療法群12.3ヵ月、化学療法群10.3ヵ月であった。・IMbrella A試験におけるアテゾリズマブ+化学療法群の3年OS率は16%、5年OS率は12%であった。・IMbrella A試験でみられた重篤な有害事象は3例で下痢、肺炎、気胸であった。注目すべき有害事象(AE of special interest)として、Grade2の甲状腺機能低下症が1例発現している。 発表者は、アテゾリズマブ+化学療法のES-SCLCに対する5年の持続的な生存ベネフィットが示された、と述べている。

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日本人NSCLCのオシメルチニブ早期減量は脳転移の発生/進行リスク

 肺がんは初診時に脳転移が発生していることも多く、非小細胞肺がん(NSCLC)患者のうち20~40%は治療経過中に脳転移が発生するとされている1,2)。NSCLC患者はEGFR変異があると脳転移のリスクが上昇するとされており、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)の脳転移制御に対する役割が注目されている。そこで、日本医科大学付属病院の戸塚 猛大氏らの研究グループは、オシメルチニブの早期減量が脳転移に及ぼす影響を検討した。その結果、オシメルチニブの早期減量は脳転移の発生または進行のリスクであり、治療開始前に脳転移がある患者、75歳以下の患者でリスクが高かった。本研究結果は、Cancer Medicine誌オンライン版2023年9月11日号に掲載された。 2018年8月~2021年10月の期間に1次治療としてオシメルチニブを投与されたEGFR変異(ex19del/L858R)を有するNSCLC患者79例を後ろ向きに追跡した。オシメルチニブ早期減量の影響を評価するため、治療開始4ヵ月時点においてオシメルチニブによる治療を継続し、病勢コントロールが達成されている患者62例を解析対象とした。対象患者を治療開始後4ヵ月以内のオシメルチニブ減量の有無によって2群に分類し(通常用量群、減量群)、脳転移の発生または進行までの期間、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を検討した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者62例中13例が治療開始4ヵ月以内のオシメルチニブ減量を経験した。減量群13例の内訳は、オシメルチニブ40mgを1日1回投与が7例、オシメルチニブ80mgを隔日投与が6例であった。・早期減量の主な理由は、消化器毒性(4例)、皮疹(3例)であった。・脳転移の発生または進行までの期間は、減量群が通常群と比べて短かった(ハザード比[HR]:4.47、95%信頼区間[CI]:1.52~13.11)。・治療開始1年間における脳転移の発生または進行の累積発生率は、減量群23.1%、通常用量群5.0%であった。・治療開始前に脳転移ありのサブグループ(HR:6.23、95%CI:1.12~34.64)、75歳未満のサブグループ(同:4.84、1.40~16.76)において、減量群が通常用量群と比べて脳転移の発生または進行のリスクが高かった・PFS中央値は減量群が22.3ヵ月であったのに対して、通常用量群は24.6ヵ月であり、有意差は認められなかった(HR:1.49、95%CI:0.67~3.32)。・OSについても有意差は認められなかった(HR:1.06、0.22~4.99)。

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通院時間増で遺伝子異常にマッチした治験参加率が低下/国立がん研究センター

 病院までの移動時間によって、包括的がんゲノムプロファイリング(CGP)検査後の遺伝子異常にマッチした治験参加率に差が出るという。国立がん研究センター中央病院 先端医療科の上原 悠治氏、小山 隆文氏らによる研究結果が、JAMA Network Open誌2023年9月15日号に掲載された。 研究者らは、病院(国立がん研究センター中央病院)までの移動時間または距離が、CGP検査後の遺伝子異常にマッチした治験参加率と相関するかを評価する、後ろ向きコホート研究を行った。対象となったのは、CGP検査後に遺伝子異常にマッチした治験に参加するため国立がん研究センター中央病院に日本全国の病院から紹介された進行性または転移性固形腫瘍患者。患者登録は2020年6月~2022年6月、データ解析は2022年6月~10月に行われた。主要アウトカムは遺伝子異常にマッチした治験への登録、副次アウトカムは全がん治験(遺伝子異常にマッチした治験と遺伝子異常にマッチしていない治験の合計)への登録とした。 主な結果は以下のとおり。・患者1,127例(平均年齢62[範囲:16~85]歳、女性584[52%]例、全員日本在住)のうち、127例(11%)が遺伝子異常にマッチした治験、241例(21%)が全がん治験に参加した。全体集団における移動距離の中央値は38(四分位範囲[IQR]:21~107)km、移動時間の中央値は55(IQR:35~110)分であった。・多変量ロジスティック回帰分析後、移動距離(100km以上 vs.100km未満)は遺伝子異常にマッチした治験の登録とは関連していなかった(26/310例[8%] vs.101/807例[12%]、オッズ比[OR]:0.64、95%信頼区間[CI]:0.40~1.02)。一方、移動時間が120分以上の患者は120分未満より遺伝子異常にマッチした治験の参加率が有意に低かった(19/276例[7%] vs.108/851例[13%]、OR:0.51、95%CI:0.29~0.84) 。・移動時間が40分未満(38/283例[13%])、40~120分(70/568例[12%])、120分以上(19/276例[7%])と長くなるにつれ、遺伝子異常にマッチした治験の参加率は低下した。・全がん治験への参加率と、移動距離・時間の間には有意な相関関係はみられなかった。 筆頭著者の上原氏は「移動時間が増加すると遺伝子異常にマッチした治験の参加率が減少する可能性が示された。近年、世界的に治験に関する地域格差や多様性の確保が注目されている。本試験は、日本のがんゲノム医療とプレシジョン・オンコロジーにおける地域格差をデータとして示し、デジタルプラットフォームなどを用いて自宅や近隣の医療機関で行う分散型治験(Decentralized Clinical Trials[DCT])を進めるうえでのエビデンスとして重要になるものだ」と述べた。

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