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新型コロナを5類相当にすべき?すべきでない?医師が考えるその理由

 日本国内での新型コロナの感染状況は小康状態が続く中、ワクチン接種は進み、経口薬の承認も期待される。一方で、オミクロン株についてはいまだ不明な点が多く、国内での感染者数も少しずつ増加している。「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を5類相当に格下げすべき」。これまで何度か話題に上ったこの意見について、医師たちはどのように考えているのか? CareNet.comの会員医師1,000人を対象にアンケートを行った(2021年12月3日実施)。新型コロナウイルス感染症は5類でも2類でもない特例的な枠組み 新型コロナウイルス感染症は現在、感染症法上「新型インフルエンザ等感染症」という特例的な枠組みに位置付けられ1)、入院勧告や外出自粛要請などが可能で、医療費が公費負担となる1~2類感染症に近い対応がとられている2)。その法的位置付けについて、今年初めまでは「指定感染症」に位置付けられていたこと、一部報道などでは“2類相当”との言葉が先行するケースもみられたことなどから、混乱が生じている側面がある。 「COVID-19の現行の感染症法上の位置付けについて、どの程度認識しているか」という問いに対しては、最も多い63%の医師が「何となく理解している」と回答し、「よく理解している」との回答は28%に留まった。新型コロナの位置付け変更「今すぐではないが今後状況をみて」が45% COVID-19を5類感染症相当の位置付けに変更すべきか? という問いに対しては、「今後状況の変化に応じて5類相当の位置付けに変更すべき」と回答した医師が45%と最も多く、「1~5類の分類に当てはめず、特例的な位置付けの中で状況に応じて変更すべき(25%)」、「現状の位置付けのまま、変更すべきではない(16%)」と続き、「今すぐに5類相当の位置付けに変更すべき」と答えた医師は13%だった。 COVID-19患者あるいは発熱患者の診療有無別にみると、「いずれも診療していない」と回答した医師で、新型コロナウイルス感染症を「今すぐに5類相当の位置付けに変更すべき」との回答が若干少なく、「現状の位置付けのまま、変更すべきではない」との回答が若干多かったが、全体的な回答の傾向に大きな違いはみられなかった。 また、どのような状況になれば新型コロナウイルス感染症を5類相当に変更すべきかという問いに対しては、「経口薬が承認されたら」という回答が最も多く、「第6波がきても重症者が増加せず、医療ひっ迫が起こらなかったら」という回答が続いた。新型コロナの5類相当への変更は行政の関与がほとんどなくなることを意味 新型コロナウイルス感染症を「今すぐに5類相当に」と回答した理由としては、「保健所を通さず診療所で診察できるようにして重症者を手厚く治療できるようにした方がいい」等、病院や医師判断での入院・治療ができるようにした方がよいのではないかという意見が目立った。 「今後状況の変化に応じて5類相当に」と回答した理由としては、「変異株が新たに報告されるたびに警戒を強めなければならない状況では、今5類にするのは危険。疫学的に理解が広まり、治療法(経口薬)が確立されれば検討の余地あり」等、経口薬の広まりや変異株の出現状況等に応じていつかは変更すべきとする意見が多かった。 「1~5類の分類に当てはめず、特例的な位置付けの中で状況に応じて変更すべき」と回答した理由としては、「5類への引き下げは行政の関与がほとんどなくなることを意味するため、その選択肢はありえない」といった意見や、フレキシブルに対応するため既存の枠組みに当てはめないほうがよいのではないかといった意見がみられた。 「現状の位置付けのまま、変更すべきではない」と回答した理由としては、「公費で診療にしないと診察にこない患者がいる」「自費となると治療薬が高額で治療を受けられなくなる人がでてくる」等、自費負担となることの弊害を挙げる意見や、万が一の場合に行動制限等の強い措置がとれるようにしておく必要を指摘する意見があがった。 アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。新型コロナウイルス感染症、感染症法上の現在の扱いは妥当?…会員1,000人アンケート

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モデルナ製ワクチンの追加接種を承認、「スパイクバックス」に名称変更も/厚労省

 厚生労働省は12月16日、モデルナ社の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンについて用法・用量の追加を特例承認した(国内の申請者は武田薬品工業)。先行して承認されたファイザー製ワクチン同様、国内の18歳以上に対し、3回目のブースター接種(追加免疫)への使用が可能になる。ただし、追加接種では0.25mLと従来の半量になる(2回目までの初回免疫では0.5mL)。併せて、販売名が「モデルナ筋注」から「スパイクバックス筋注」に名称変更されることも周知された。モデルナ製ワクチンが名称変更でスパイクバックス筋注に 国内における追加接種は、現在、2021年12月1日から22年9月30日までを接種可能時期としており、▽2回目接種を完了した日から、原則8ヵ月以上経過▽18歳以上▽日本国内での初回接種(1・2回目接種)またはそれに相当する接種を完了―のすべてを満たす人が対象となっている。しかし、現在拡大が懸念されているオミクロン株のリスクを考慮し、諸外国では接種間隔を短縮したり、18歳以下にも対象を拡大したりする動きがある。<モデルナ製ワクチン添付文書情報> ※今回の主な追加・変更箇所を抜粋3.3 製剤の性状販売名:スパイクバックス筋注(旧販売名:COVID-19ワクチンモデルナ筋注)6. 用法及び用量初回免疫:1回0.5mLを2回、通常、4週間の間隔をおいて、筋肉内に接種する。追加免疫:1回0.25mLを筋肉内に接種する。7. 用法及び用量に関連する注意7.2 追加免疫7.2.1 接種対象者18歳以上の者。SARS-CoV-2の流行状況や個々の背景因子等を踏まえ、ベネフィットとリスクを考慮し、追加免疫の要否を判断すること。7.2.2 接種時期通常、本剤2回目の接種から少なくとも6ヵ月経過した後に3回目の接種を行うことができる。7.2.3 初回免疫として他のSARS-CoV-2ワクチンを接種した者に追加免疫として本剤0.25mLを接種した臨床試験は実施していない。

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ファイザー製ワクチン、ブースター接種で死亡リスク9割減/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)mRNAワクチンのBNT162b2(Pfizer/BioNTech製)の、2回接種から少なくとも5ヵ月後にブースター接種を受けた人は、ブースター接種を受けていない人と比較して、COVID-19による死亡リスクが90%低下した。イスラエル・Clalit Health ServicesのRonen Arbel氏らが、同国半数超の国民が加入する健康保険データを基に解析を行い報告した。SARS-CoV-2のデルタ(B.1.617.2)変異株の出現と、BNT162b2ワクチンの経時的な有効性の低下により、早期にワクチンを接種した集団においてCOVID-19の再流行が発生したことから、イスラエルの保健省は2021年7月30日にBNT162b2ワクチンの3回目接種(ブースター接種)を承認したが、ブースター接種でCOVID-19による死亡率が低下するかどうかのエビデンスが必要とされていた。NEJM誌オンライン版2021年12月8日号掲載の報告。ブースター群と非ブースター群の計84万例超でCOVID-19死を比較 研究グループは、イスラエル国民の半数以上が加入している同国最大の医療保険組織「Clalit Health Services」のデータを用い、ブースター接種が承認された7日後の2021年8月6日時点で50歳以上であり、少なくとも5ヵ月前にBNT162b2ワクチンの2回目の接種を受けた人を対象として、2021年9月29日までの間のブースター接種者(ブースター群)と非接種者(非ブースター群)のCOVID-19による死亡について検討した。試験終了日において、ブースター接種後7日までの人は、非ブースター群に含めた。 時間依存共変量を用いるCox比例ハザード回帰モデルにより社会人口統計学的要因と併存疾患を補正し、ブースター接種の有無と死亡との関連を解析した。 解析対象は、適格基準を満たした84万3,208例であった。ブースター接種で死亡リスクが90%低下 84万3,208例中75万8,118例(90%)が、54日間の試験期間中にブースター接種を受けた。 COVID-19による死亡は、ブースター群で65例(0.16/10万人/日)、非ブースター群で137例(2.98/10万人/日)に認められた。非ブースター群に対するブースター群のCOVID-19による死亡の補正後ハザード比は、0.10(95%信頼区間[CI]:0.07~0.14、p<0.001)であった。 なお、著者は試験期間が54日間と短期であること、高齢者(60歳以上)が若年者(60歳未満)より早くブースター接種を開始していることが生存率に影響している可能性があること、重篤な有害事象に関するデータが不足していること、BNT162b2ワクチンのみの結果であること、などを研究の限界として挙げている。

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人生の「裏道」にはお宝が埋まっている!?【医師のためのお金の話】第51回

株式投資には「人の行く裏に道あり花の山」という投資格言があります。投資家は群集心理のために、他の人が注目しているホットな銘柄に投資しがちです。しかしこの格言は、「むしろ他人と反対のことをやったほうが成功する確率が高い」と説いています。私も他人と同じ行動とならないよう心掛けて株式投資をしたところ、約8年でいわゆる「億り人」になりました。他人と真逆の行動になることも多いので精神的プレッシャーはキツイですが、得られる果実は大きいと感じています。この格言は株式投資の真理の一端を捉えていますが、実は日常生活でも有効なことが多いです。株式投資だけにとどめておくのはもったいない…。今回は「人の行く裏に道あり花の山」のおトクな使い方を伝授しましょう!秋の紅葉シーズンはどのような行動が最適?今年の秋の紅葉シーズンは晴天に恵まれました。新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が減少したことも相まって、全国各地の紅葉スポットは混雑したようです。しかし医療従事者としては、人混みに出て感染するわけにはいかないのが悩ましいところです。ここで登場するのが「人の行く裏に道あり花の山」の考え方です。人混みを避けつつ紅葉見物するには混雑する週末を避ける必要があります。「そんなこと言われても、週末しか休めないよ」という声が聞こえてきそうですね。しかし裏道とて「タダ」では通れません。ここでは平日に紅葉狩りに行くという代償が必要です。有給休暇のハードルは高いと思われがちですが、強いキモチがあれば意外と取れちゃうものです。本当に紅葉狩りに行きたいのならサクッと有給休暇を取得しましょう!ちなみに私は平日に休みまくって各地の紅葉狩りを楽しみました。週末は観光客でごった返す有名スポットも、平日ならさほど混雑せずに堪能できます。心の持ち方だけで快適な紅葉狩りを楽しめるのです。裏道を行くには代償が必要紅葉狩り以外にも、高級ホテルに宿泊する際には、できるだけ平日になるように旅程を調整しています。週末をできるだけ避けて高級ホテルに宿泊するという、人と異なる選択をすることで安価に快適な旅行を実現できるのです。この場合も平日に有給休暇を取得する必要がありますが、裏道を行くからには何らかの代償は払わざるを得ません。有給取得は高いハードルかもしれませんが、株式投資で裏道を行くために必要な極度の精神的プレッシャーまでは必要ない、と割り切りましょう。このように投資や日常生活でうまくやっていくには「人の行く裏に道あり花の山」の考え方がポイントになりますが、「フリーランチ」というわけにはいかず、何らかの代償は支払う必要があります。周囲の人と同じ選択をしてコスパの悪い人生を歩むのか、はたまた何らかの代償を支払いながらも素晴らしい成果を得続けるのか…。あなたならどちらを選びますか?

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コロナワクチン3回目、7種のワクチンを比較/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン、ChAdOx1(AstraZeneca製、ChAd)またはBNT162b2(Pfizer-BioNtech製、BNT)の2回接種後の追加接種として、7種のCOVID-19ワクチン接種による免疫原性を調べたところ、ChAd 2回接種群では7種すべてで、BNT 2回接種群では6種で、抗体および中和反応の増加が認められた。英国・サウサンプトン大学病院のAlasdair P. S. Munro氏らが、2,878例を対象に行った第II相多施設共同無作為化試験「COV-BOOST試験」の結果を報告した。Lancet誌オンライン版12月2日号掲載の報告。ワクチン2回接種後、70日・84日以降に7種ワクチンを追加接種 COV-BOOST試験は、年齢30歳以上でChAdを2回接種後70日以上、またはBNTを2回接種後84日以上経過しており、検査で確認されたSARS-CoV-2感染歴がない人を対象とした。18ヵ所の試験センターをA~Cの3グループに分け、各グループで被験者を無作為化した。 グループAでは被験者を4群(1対1対1対1)に分け、NVX-CoV2373(Novavax製、NVX)を規定量、NVXを規定の半分量、ChAd、4価髄膜炎菌結合型ワクチン(MenACWY)を接種した。 グループBでは被験者を5群(1対1対1対1対1)に分け、BNT、VLA2001(Valneva製、VLA)を規定量、VLAを規定の半分量、Ad26.COV2.S(Janssen製、Ad26)、MenACWYを接種した。 グループCでは被験者を4群(1対1対1対1)に分け、mRNA1273(Moderna製、m1273)、CVnCov(CureVac製、CVn)、BNT半分量、MenACWYを接種した。 被験者および試験スタッフは、割り付けを知らされなかった。 主要アウトカムは、安全性と反応原性、およびELISA法測定による抗スパイクIgG抗体の免疫原性。副次アウトカムは、ウイルス中和と細胞応答の評価などだった。唯一、BNT 2回接種後のVLA投与でスパイクIgG抗体増加せず 2021年6月1日~30日に3,498例がスクリーニングを受け、2,878例が試験の適格基準を満たし、COVID-19ワクチンまたはコントロールワクチンの接種を受けた。ChAd 2回接種者の年齢中央値は、若年群が53歳(IQR:44~61)、高齢群が76歳(73~78)であり、BNT 2回接種者はそれぞれ51歳(41~59)、78歳(75~82)であった。ChAd 2回接種者は、女性が46.7%、白人95.4%で、BNT 2回接種者はそれぞれ53.6%、91.9%だった。 7種のワクチンのうち、反応原性の増加が認められたのは、ChAdまたはBNTを2回接種後のm1273、BNTを2回接種後のChAdおよびAd26の3種のワクチンだった。 ChAd 2回接種者では、コントロール群に対するスパイクIgG抗体の幾何平均比(GMR)は、VLA半分量群が1.8(99%信頼区間[CI]:1.5~2.3)と最小で、m1273群が32.3(24.8~42.0)と最大だった。野生型細胞反応性に関するスパイクIgG抗体の対コントロール群GMRは、ChAd群が1.1(95%CI:0.7~1.6)と最小で、m1273群が3.6(2.4~5.5)と最大だった。  BNT 2回接種者では、スパイクIgG抗体の対コントロール群GMRはVLA半分量群が1.3(99%CI:1.0~1.5)と最小で、m1273群が11.5(9.4~14.1)と最大だった。VLA(半分量と規定量)群はいずれも99%CI上限値が、事前に規定した最低ラインの1.75に至らなかった。野生型細胞反応性に関する対コントロール群GMRは、VLA半分量群が1.0(95%CI:0.7~1.6)と最小で、m1273群が4.7(3.1~7.1)と最大だった。これらの結果は、年齢30~69歳と、70歳以上で類似していた。 最も頻度の高い局所および全身性の有害事象は倦怠感と痛みで、70歳以上よりも30~69歳で報告例が多かった。重篤な有害事象はまれであり、ワクチン群とコントロール群で同程度だった。報告された重篤な有害事象は24件で、内訳はコントロール群とVLA群が各5件、Ad26群とBNT半分量群とChAd群とNVX群とNVX半分量群で各2件、VLA半分量群とBNT群とCVn群とm1273群が各1件だった。

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ファイザーの経口コロナ治療薬、最終結果でも重症化89%減、オミクロン株にも有効か

 米国・ファイザーは12月14日付のプレスリリースで、開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)新規経口治療薬であるnirmatrelvir(PF-07321332)/リトナビル配合剤(商品名:Paxlovid)について、第II/III相臨床試験(EPIC-HR)の最終データを公表した。それによると、Paxlovidを投与した高リスクの成人患者において、入院または死亡のリスクが、プラセボに比べ89%減少したという。これは、先月同社が公表した中間解析のデータとも一致している。 Paxlovidは、ファイザー社が新たに開発した抗ウイルス薬nirmatrelvirと、既存の抗HIV薬リトナビルとの合剤。今回、最終結果が公表されたEPIC-HR試験では、全登録患者(2,246例)のうち、発症3日以内に治療を開始(投与群)した場合、登録後28日目までに入院した患者は0.7%(5/697例が入院、死亡例なし)だったのに対し、プラセボ群では、入院または死亡した患者は6.5%(44/682例が入院、その後9例死亡)で、Paxlovidは入院または死亡のリスクを89%減少させた(p<0.0001)。 また、nirmatrelvirについては、以前に同定された懸念すべき変異株(VOC)に対し、in vitroにおいて一貫した抗ウイルス活性を示しており、現在拡大が懸念されているオミクロン株に関連した3CLプロテアーゼについても強力に阻害したという。これは、nirmatrelvirがオミクロン株への強固な抗ウイルス活性を有する可能性を示唆しており、ファイザー社では、追加研究でデータ収集を進めていく方針。

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広い範囲で有効なアスピリンでもCOVID-19には効かないみたい(解説:後藤信哉氏)

 アスピリンには抗炎症効果がある。また、アスピリンは心筋梗塞などの血栓イベント予防効果もある。COVID-19はウイルス感染なので炎症が起こる。COVID-19では血栓症も増える。抗炎症効果、抗血栓効果のあるアスピリンはCOVID-19の予後改善効果があると期待された。 話は変わるが筆者はOxford大学と密接に共同研究している数少ない日本の研究者であると思う。Oxford大学は多くのカレッジからなる。臨床研究を主導するのはNuffield Department of Population Health(旧称 Clinical Trial Service Unit:CTSU)である。彼らの臨床医学における実証的ポリシーは揺るがない。バイアスをなくすために大規模ランダム化比較試験により臨床的仮説を徹底的に検証する。COVID-19 pandemicと同時に、少しでも効きそうな治療法についてランダム化比較試験を行うRECOVERY試験を開始した。本研究を主導したMartin Landray教授は筆者の長年の共同研究相手である。RECOVERY試験は次々と成果を生み出している。本年のエリザベス女王の誕生日にLandray教授はRECOVERY試験の貢献により女王陛下のknightに任命され、Sir. Martin Landray教授になった。臨床医学の貢献に対してSirの称号と名誉を与える英国の対応は日本でも真似できるかもしれない。 COVID-19の症例でもアスピリンは28日間の観察期間における血栓性イベントを5.3%から4.6%に減少させ、重篤な出血イベントを1.0%から1.6%に増加させた。つまり、簡易なランダム化比較試験でもアスピリン群ではしっかり薬剤を服用していたと想定される。しかし、死亡率には差がなかった。経過中の人工呼吸器の装着にも差がなかった。カプランマイヤーカーブを見ると、わずかにアスピリン群の予後が良いようにも見える。しかし、14,892例のランダム化比較試験では、アスピリンによる予後改善効果は否定されてしまった。 COVID-19は本当に厄介な病気である。

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第88回 がんが大変だ! 検診控え依然続き、話題の線虫検査にも疑念報道(前編)

コロナ禍、受診者が激減したがん検診こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。先週は約2年ぶりに人間ドックを受診しました。諸般の事情から、近所の民間病院のドックを受けたのですが、なかなか興味深い体験をしました。そこのドックを選んだ理由の一つは、胃の検査がX線ではなく内視鏡検査であること(未だにバリウムを飲むX線検査だけの医療機関が多い)でした。ただ、実際に行ってみると、人間ドック専用のスペースや検査機器があるわけではなく、受診者は通常の診療を受ける患者の間に入って、さまざまな検査を進めていくシステム(眼底検査は眼科外来に、というように)でした。ドック専門の医療機関ではない病院が、自費の人間ドック受診者を受け入れる際に用いられる手法です。しかし、このコロナ禍の中、健常な一般人(=私)を、患者が診療を待つ各診療科を回らせるのはリスクが高過ぎるのではないでしょうか(そもそも、その病院はまだ面会禁止中でした)。所見があると内視鏡検査に進んで二度手間になるX線検査ではなく内視鏡検査を受けられたのはよかったのですが、コロナ感染の不安を感じた1日でした。ということで、今回はコロナ禍の中、受診者が激減し、大きな問題になっているがん検診について書いてみたいと思います。折も折、週刊文春の12月16日号では、「15種類のがんを判定できる」と鳴り物入りで全国展開中のHIROTSバイオサイエンスの線虫がん検査キット「N-NOSE」が、「『精度86%』は問題だらけ」と報道され、話題となっています。がん検診や、がんの簡易検査でいったい何が起きてきるのでしょう。がん診断件数、胃がん13.4%減、大腸がん10.2%減1ヵ月ほど前の11月4日、日本対がん協会は、2020年に新たに診断されたがんの件数が前年に比べて約1割減った、とする調査結果を発表しました。調査は、同協会とがん関連3学会(日本癌学会、日本癌治療学会、日本臨床腫瘍学会)が共同で、全がん協会加盟施設、がん診療連携拠点病院、がん診療病院、大学病院など486施設に対し、今年7月〜8月に行ったものです。回答を得た105施設では、2020年のがん診断件数は8万660件で、2019年の8万8,814件より8,154件(9.2%)少なく、治療数(外科的・鏡視下的)も減ったことがわかりました。最も減少幅が大きかったのは胃がんで13.4%減。続いて大腸がん10.2%減、乳がん8.2%減、肺がん6.4%減、子宮頸がん4.8%減という結果でした。日本対がん協会はこの結果について、「がん診断の減少は早期が顕著なため、進行期の発見の増加が心配されます。さらに治療や予後の悪化、将来的にはがん死亡率の増加するおそれもあります」とコメントしました。調査結果を報道した11月4日付の朝日新聞は、全国から患者が集まる公益財団法人がん研究会有明病院(東京都江東区)の結果も伝えています。それによれば、「紹介されて来る患者が減り、去年の手術数は前年から15%減った。胃がん全体の手術数は32%減だった。進行度を表すステージ別でみると、ほかのステージでは大きな差がないのに、最も早期の『ステージIA』では50%も減っていた」とのことです。院内がん登録全国集計では全登録数が6万409件減少さらに11月25日には、国立がん研究センターが2020年の院内がん登録全国集計報告書を公表しました。この報告書でも日本対がん協会の調査と同様の傾向が見て取れます。同報告書によると、2019年と比較して、院内がん登録病院の約7割に当たる594施設で全登録数が6万409件(施設平均4.6%)減少した、とのことです。全国集計では、20年の1年間にがんの診断や治療を受けた患者の院内情報について、院内がん登録を実施した863施設から集めた104万379例のデータを分析。がん診療連携拠点病院等450施設での5大がんの全登録数の推移を見ると、肝臓がんは男女ともにほぼ横ばいでしたが、男性では胃・大腸がん、女性では乳房・胃がんの減少が大きかった、とのことです。とくに胃がんでは、前年の登録数に比べて男性で11.3%、女性で12.5%も減少していました。また、2016~2020年の院内がん登録全国集計のすべてに参加した735施設を対象に、診断月、発見経緯、病期等の要因別の登録数について、2016~2019年の4年平均と2020年を比較したところ、2020年の全登録数は4年平均と比べて98.6%減少。診断月別では、緊急事態宣言が出ていた5月に登録数の減少が見られ、がん検診発見例、検診以外の発見例ともに減少を認めたそうです。11月25日に開いた記者会見で同センターの担当者は、「自覚症状など検診以外の発見例でも登録数が減少している。新型コロナウイルスの感染拡大により、一定の受診控えが生じていた可能性がある」と説明したとのことです。がん検診受診者数の減少と医療機関の受診・通院控えが影響こうした診断件数の減少の原因の一つが、がん検診受診者数の減少であることは間違いありません。2020年4~5月の緊急事態宣言の際には、自治体などで実施されるがん検診が相次いで中止されました。日本対がん協会の調査では、20年のがん検診の受診者数は前年に比べて約3割減だったそうです。この他、医療機関への受診・通院控えの影響も指摘されています。コロナ禍、医療機関を受診すること自体が感染リスクを高めるため、少々体の具合が悪くても受診を先延ばしにしてしまう人が増えたわけです。この受診控えは、生活習慣病など、慢性疾患の患者にも起きたため、他の病気での通院をきっかけにがんが見つかるケースも減ったとみられています。そもそも低いがん検診の受診率にコロナが追い打ちそもそも日本は、欧米の先進諸国に比べ、がん検診の受診率が極めて低い状況にあります。コロナ禍前の2019年の受診率は、男性の肺がん検診受診率53.4%を最高に、その他の胃がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんは3〜4割台です。この数字は、OECD加盟諸国と比べて極めて低水準で、例えば乳がん検診、子宮頸がん検診の受診率は、米国では80%以上、英国では70%以上です。そんな状況で新型コロナウイルスの感染拡大が起こったわけで、数年後に進行がんの患者が医療機関に殺到する可能性も考えられます。今後、がん検診の受診率をどう上げていくかは、日本のがん医療にとって喫緊の課題と言えそうです。がん検診避け自費の線虫検査に走る人の意識とは日本のがんの早期発見がそのような深刻な状況に置かれた中、週刊文春の12月16日号では、「15種類のがんを判定できる」と全国展開中のHIROTSUバイオサイエンスの線虫がん検査キット「N-NOSE」が、「『精度86%』は問題だらけ」と報道し、医療界に衝撃を与えています。そもそも、死亡率減少のエビデンスが確立している5大がんの検診の受診は控えながら、エビデンス不透明かつ15のがんも発見できると喧伝する保険外の検査に走る人々の意識も謎です。苦しい検査よりラクで手軽な検査に手が伸びてしまうのは、「がんは切らずに治せる」という言葉にすがる人々との意識と、ある意味共通しているのかもしれません。では、線虫がヒトの尿を“嗅ぎ分けて”がんを判定するという「N-NOSE」のいったい何が問題視されているのでしょうか?(この項続く)。

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75歳以上のコロナワクチン、心血管イベントに影響なし/JAMA

 仏・French National Agency for Medicines and Health Products SafetyのMarie Joelle Jabagi氏らが75歳以上のフランス人において、BNT162b2mRNAワクチン(以下、ファイザー社ワクチン)接種後の重度心血管イベントの発症について短期リスクを評価。その結果、急性心筋梗塞、脳卒中、および肺塞栓症の発生率の増加は、ワクチン接種14日後に見られなかったことを明らかにした。なお、先行のイスラエルと米国の研究でも、ファイザー社ワクチン接種後42日と21日において、心筋梗塞、肺塞栓症、脳血管イベントのリスクは増加しなかったと報告している。JAMA誌オンライン版2021年11月22日号のリサーチレターに掲載された。 研究者らは、フランスの国民健康データシステムを使用し、75歳以上でかつ2020年12月15日~2021年4月30日に急性心筋梗塞、出血性脳卒中、虚血性脳卒中、肺塞栓症と診断されて入院した患者(ワクチンの接種は問わない)を適格者として検証を行った。調査方法には自己対照ケースシリーズ法を用い、心血管イベントに依存する曝露、ワクチン接種のキャンセルや延期または短期の死亡率を増加させる可能性のある死亡率に関連する高いイベントを調査した。その際、イベントに先行する曝露のみが考慮された。曝露リスクの間隔は2回のワクチン接種後それぞれ1~14日で、曝露リスク間隔はさらに1~7日目と8~14日目に細分化された。ワクチン接種日以外は非リスク期間と見なされた。イベントとワクチン接種の両方のバックグラウンド率の変化を考慮するため、一時的(7日単位)に調整された相対発生率(RI)を計算した。 主な結果は以下のとおり。・2021年4月30日時点で、75歳以上の約390万人がファイザー社ワクチンを1回以上接種し、320万人が2回接種をしていた。・そのうち、観察期間中に1万1,113例が急性心筋梗塞で入院(そのうち1回以上ワクチン接種を受けたのは58.6%)し、1万7,014例が虚血性脳卒中(同54.0%)、4,804例が出血性脳卒中(同42.7.%)、7,221例が肺塞栓症(55.3%)で入院した。・ワクチン1回目、2回目いずれかの接種後14日間に、有意なリスク増加は見られなかった。・心筋梗塞のRIは、 1回目が0.97(95%信頼区間[CI]:0.88~1.06)、2回目が1.04(同:0.93~1.16)だった。虚血性脳卒中では1回目が0.90(同:0.84~0.98)、2回目が0.92(同:0.84~1.02)。出血性脳卒中は1回目が0.90(同:0.78~1.04)および2回目は0.97(同:0.81~1.15)。肺塞栓症は0.85(同:0.75~0.96)、2回目は1.10(同:0.95~1.26)だった。・2つの細分化された曝露間隔(1~7日および8~14日)において、心血管イベントの有意な増加はいずれも観察されなかった。

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コロナ検査キットの調剤室外での陳列や広告が可能に【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第80回

薬局で新型コロナウイルス感染症に対する医療用の抗原定性検査キット(以下、検査キット)を販売できるようになって2ヵ月半がたちました。いざ販売しようと思うと、選定や陳列で迷った方も多いのではないかと思います。厚生労働省から11月19日に事務連絡「新型コロナウイルス感染症流行下における薬局での医療用抗原定性検査キットの取扱いに関する留意事項について」が出され、追加の留意事項が示されました。検査キットを販売する際の注意事項が明確になりましたので、気になった点をピックアップしてみます。1. 陳列などについて入手希望者が容易に認識できるよう、調剤室以外での陳列や空箱の陳列は差し支えない。販売に当たっては、薬剤師による説明、使用に当たっての留意事項を理解していることの確認などが必要である。2. 広告などについて「医療用検査キットを取り扱っている」旨を薬局内・薬局の店頭・隣接店舗へ掲示、薬局のホームページやチラシなどへ掲載することも差し支えない。入手希望者がその製品が医療用検査キットであることをより容易に認識できるよう、名称・製造販売者名・販売価格・医療用検査キットと空箱の写真を使用することは差し支えないが、受診が不要であるなどの不適切な表示やその他の事項に関する広告を行ってはいけない。入手希望者が研究用検査キットと医療用検査キットとを混同することがないよう、また、研究用検査キットについて診断目的と誤認することがないように特段留意する必要がある。3. その他薬局が、他の薬局の求めに応じて医療用検査キットを分割して当該薬局に販売(授与)することも差し支えない。医療用検査キットは体外診断用医薬品であることから、これまで薬局での陳列が認められていませんでした。また、広告は医薬品等適正広告基準にのっとる必要があり、研究用検査キットに比べて表示や販売方法が限定されていました。今回の事務連絡により、医療用検査キットの陳列・広告が緩和されることになります。空箱を陳列しているだけでも調剤を待つ患者さんの興味を引くことができるのではないかと思います。事務連絡には、販売可能な医療用検査キットのリスト(11月17日時点)や、消費者庁と厚生労働省の連名で作成されたポスターも入っていますので、ぜひ一読をおすすめします。ポスターには、研究用検査キットと医療用検査キットの違いや購入希望者は薬剤師に相談することなど、一般の方々への注意事項が記載されていて、そのまま薬局へ掲示ができるものです。最後に検査後の説明について。医療用検査キットの販売の目的は新型コロナウイルス感染症の拡大防止です。陽性や症状のある場合はすぐに医療機関を受診してもらい、陰性の場合であっても偽陰性の可能性を考慮して外出時の感染対策を続けてもらうなどの指導もしっかり行ってください。参考1)事務連絡「新型コロナウイルス感染症流行下における薬局での医療用抗原定性検査キットの取扱いに関する留意事項について」|厚生労働省(mhlw.go.jp)

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肺炎球菌ワクチン【今、知っておきたいワクチンの話】各論 第11回

ワクチンで予防できる疾患:肺炎球菌感染症肺炎球菌感染症とは肺炎球菌の感染による疾病の総称であり、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎、髄膜炎などが含まれる。肺炎球菌は主に鼻腔粘膜に保菌され、乳幼児では40〜60%と高頻度に、成人ではおよそ3〜5%に保菌されている1)。感染経路は飛沫感染であり、小児の細菌感染症の主な原因菌の1つである。また、成人の市中肺炎の起因菌では38%と最も多い2)。肺炎球菌が髄液や血液などの無菌部位に侵入すると、菌血症を伴う肺炎、髄膜炎、敗血症などの侵襲性肺炎球菌感染症(invasive pneumococcal disease:以下「IPD」)を引き起こす。治療は抗菌薬投与および全身管理であるが、近年は薬剤耐性菌の出現も問題となっている3)。わが国の成人IPDの好発年齢は60~80代で4,5)、基礎疾患があることは発症や重症化のリスクとなる3,6)。65歳以上の成人(以下「高齢者」)の罹患率はおよそ5/10万人・年であり、致命率は6%台と高い1)。成人の肺炎球菌感染症とりわけIPDの発症や重症化の予防には、日常診療における基礎疾患の管理とともに肺炎球菌ワクチンの接種が重要である3,6)。ワクチンの概要肺炎球菌の病原因子の中で最も重要なものは、菌の表層全体を覆う莢膜である。この莢膜は多糖体からなり、97種類の型が報告されている3)。ある莢膜型の肺炎球菌に感染するとその型に対する抗体が獲得され、同じ型には感染しなくなるが、別の型には抗体がないため感染が成立し、発症する7)。そのため肺炎球菌による発症や重症化を予防するには、さまざまな莢膜型の抗体をあらかじめ獲得しておく必要があり7)、肺炎球菌ワクチンは莢膜多糖体を抗原としている。国内では以下の2つのワクチンが承認されているが、それぞれカバーする莢膜型の数や種類、免疫応答の方法などが異なる(表)。以下に2つのワクチンの特徴を述べる。1)23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)〔商品名:ニューモバックスNP〕23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(以下「PPSV23」)は、莢膜多糖体からなる不活化ワクチンで、23種類の莢膜型を有する。PPSV23接種による免疫応答では、T細胞を介さないため免疫記憶は獲得されず、B細胞の活性化によりIgG抗体のみが獲得される。IgG抗体は経年的に減弱し、減弱するとワクチン血清型の菌に対して予防効果は期待できなくなる3)。PPSV23の予防効果としては、接種により高齢者のワクチン血清型のIPDを39%減少させ8)、すべての肺炎球菌による市中肺炎を27.4%、ワクチン血清型の肺炎球菌による市中肺炎を33.5%減少させたと国内より報告されている9)。PPSV23は2006年に販売開始となり、2014年から5年間限定で65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳および100歳になる人を対象に定期接種となった。2019年度以降はさらに5年間の期限で、同年齢を対象に定期接種が継続されている10)。初回接種後の予防効果は3〜5年で低下する11)。再接種による予防効果について明確なエビデンスは報告されていないが、再接種後の免疫原性は初回接種時と同等であり、初回接種時と同等の予防効果が期待されている12)。また、再接種時の局所および全身性の副反応の頻度は初回接種時より高いことに注意が必要だが、いずれも軽度で許容範囲と考えられている12)。以上より症例によっては追加接種を繰り返してもよいと考えられ、接種後5年以上の間隔をおいて再接種することができる12)。2)沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)〔同:プレベナー13水性懸濁注〕沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(以下「PCV13」)は、莢膜多糖体に無毒化したジフテリア蛋白を結合させた蛋白結合型の不活化ワクチンで、13種類の莢膜型を有する。PCV13接種による免疫応答は、T細胞とB細胞を介している。まず、樹状細胞に抗原が提示されてT細胞の活性化を誘導する(T細胞依存型)。ついで活性したT細胞とB細胞の相互作用によりB細胞が活性化する。その後、形質細胞によるIgG抗体の産生とメモリーB細胞による免疫記憶が獲得される。そのため記憶された莢膜型の菌が侵入すると速やかにIgG抗体産生能が誘導(ブースター効果)され免疫能が高まる3)。小児に対する7価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV7)は2010年より販売開始となり、同年に接種費用の公費助成が開始された。2013年4月より定期接種となり、同年11月よりPCV13に切り替えられた。予防効果として、PCV7・PCV13の導入により小児のIPD、とくに髄膜炎は87%も激減したと報告されている4)。一方、2014年より高齢者に対しても適応が拡大され、任意接種することが可能となった。PCV13接種により高齢者のワクチン血清型のIPDを47〜57%減少させ、ワクチン血清型の肺炎(非侵襲型)を38〜70%、すべての原因の肺炎を6〜11%減少させたとの予防効果が諸外国より報告されている13)。さらに2020年5月からは、高齢者のみならず全年齢に適応が拡大され、全年齢の「肺炎球菌感染症に罹患するリスクが高い人」に接種が可能となった。また、PCV13接種には集団免疫効果が認められており、小児へのPCV7およびPCV13接種の間接効果(集団免疫)により、成人IPD症例のPCV13血清型(莢膜型)は劇的に減少した3)。その一方で、PCV13に含まれない血清型が増加するなど血清型置換が報告されている3)がこの問題は後述する。表 肺炎球菌ワクチン(PPSV23とPCV13)の比較画像を拡大する接種のスケジュール1)23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)〔商品名:ニューモバックスNP〕【定期接種】これまでにPPSV23を1回も接種したことがなく、以下(1)(2)にあてはまる人は定期接種として1回接種できる。(1)2019年度から2023年度末までの5年間限定で65歳、70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳および100歳になる人。なお、2023年度以降は65歳になる年度に定期接種として1回接種できる見込みである。(2)60〜64歳で、心臓、腎臓、呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限されている人。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)で免疫機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な人。【任意接種】2歳以上で上記以外の人。接種後5年以上の間隔をおいて再接種することができる12)。2)沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)〔同:プレベナー13水性懸濁注〕【定期接種】小児(2ヵ月以上5歳未満)以下のように接種開始時の月齢・年齢によって接種間隔・回数が異なることに注意する。(〔1〕1回目、〔2〕2回目、〔3〕3回目、〔4〕4回目)[接種開始が生後2ヵ月~7ヵ月に至るまでの場合(4回接種)]〔1〕〔2〕〔3〕の間は 27 日以上(27~56日)、〔3〕〔4〕の間は 60日以上の間隔をあけて(12~15ヵ月齢で)接種する 。[接種開始が生後7ヵ月~12ヵ月に至るまでの場合(3回接種)]〔1〕〔2〕の間は 27日以上(27~56日)、〔2〕〔3〕の間は 60日以上の間隔をあけて(12ヵ月齢以降で)接種する。[接種開始が12ヵ月~24ヵ月に至るまでの場合(2回接種)]〔1〕〔2〕の間は 60日以上の間隔をあけて接種する。[接種開始が24か月-5歳の誕生日に至るまでの場合(1回接種)]1回のみ接種する。【任意接種】5歳以上の罹患するリスクが高い者:1回1回のみ接種する。日常診療で役立つ接種ポイント1)PPSV23の推奨(1)2歳以上の脾臓を摘出した患者肺炎球菌感染症の発症予防として保険適用されるが、より確実な予防のためには摘出の14日以上前までに接種を済ませておくことが望ましい。(2)2歳以上の脾機能不全(鎌状赤血球など)の患者(3)高齢者(4)心臓や呼吸器の慢性疾患、腎不全、肝機能障害、糖尿病、慢性髄液漏などの基礎疾患がある患者(5)免疫抑制作用がある治療が予定されている患者。治療開始の14日以上前までに接種を済ませておくことが望ましい。2)PCV13の推奨(1)乳幼児(生後2ヵ月~5歳未満:定期接種)IPDは、とくに乳幼児でリスクが高く、5歳未満の致命率はおよそ1%と報告され14)、後遺症を残す危険性もある。そのため乳児であっても、接種が可能となる生後2ヵ月以上ではワクチン接種をされることを強く勧める。(2)基礎疾患がある5〜64歳の人2017年時点のIPDの致命率は、6〜44歳で6.2%、45〜64歳で19.5%と高く、基礎疾患を有することがリスクとなることが報告されている6)。基礎疾患(先天性心疾患、慢性心疾患、慢性肺疾患、慢性腎疾患、慢性肝疾患、糖尿病、自己免疫性疾患、神経疾患、血液・ 腫瘍性疾患、染色体異常、早産低出生体重児、無脾症・脾低形成、脾摘後、臓器移植後、髄液漏、人工内耳、原発性免疫不全症、造血幹細胞移植後など6,15)がある人には、本人・保護者と医師との話し合い(共有意思決定)に基づいてワクチン接種をされることを勧める。詳しくは「6歳から64歳までのハイリスク者に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方」(2021年3月17日)を参照。(3)基礎疾患がある高齢者、高齢者施設の入所者 基礎疾患(慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患、糖尿病、アルコール依存症、喫煙者など)がある高齢者では、本人・家族と医師との話し合い(共有意思決定)に基づいてワクチン接種することを勧める11)。とくに、髄液漏、人工内耳、免疫不全(HIV、無脾症、骨髄腫、固形臓器移植など)の患者には接種を勧める11)。高齢者施設の入所者も医師と相談して接種することを勧める11)。3)高齢者に対するPPSV23とPCV13の接種に関する考え方これまで高齢者に対するPPSV23とPCV13の接種について国内外で議論されてきたが、現時点での日本呼吸器学会・日本感染症学会の合同委員会による「考え方」16)を紹介する。【PPSV23未接種者に対して】(1)まず定期接種としてPPSV23の接種を受けられるようにスケジュールを行う。(2)PPSV23とPCV13の両方の接種をする場合には(1)を考慮しつつPCV13→PPSV23の順番で接種し、PCV13接種後6ヵ月〜4年以内にPPSV23を接種することが適切と考えられている。この順番の利点は、成人ではPCV13接種後に、被接種者に13の血清型の莢膜抗原特異的なメモリーB細胞が誘導され、その後のPPSV23接種により両ワクチンに共通した12の血清型に対する特異抗体のブースター効果が期待されることである。ただし、この連続接種については海外のデータに基づいており、日本人を対象とした有効性、安全性の検討はなされていない。【PPSV23既接種者に対して】PPSV23接種から1年以上あけてからPCV13接種を行う。詳細は以下の図1と「65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第3版)」を参照。図1 65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方(2019年10月)(日本感染症学会/日本呼吸器学会 合同委員会)画像を拡大する今後の課題・展望小児へのPCV7およびPCV13接種の間接効果(集団免疫)により、成人IPD症例のPCV13血清型(莢膜型)は劇的に減少したが、一方でPCV13に含まれない血清型が増加し、血清型置換が報告されている3)(図2)。図2 小児へのPCVs導入後のIPD由来株の莢膜型変化画像を拡大する2018年の厚生労働省の予防接種基本方針部会では、国内のIPDや肺炎原因菌の血清型分布などを検討しPCV13を高齢者に対する定期接種に指定しないと結論された17)。また、米国予防接種諮問委員会(ACIP)において、PPSV23はこれまで同様に推奨されたが、小児へのPCV13定期接種の集団免疫効果により高齢者の同ワクチン血清型の感染が劇的に減少したことから費用対効果も考慮し、高齢者へのPCV13の定期接種や一律のPCV13-PPSV23の連続接種は推奨しない方針に変更され、患者背景を考慮してPCV13接種を推奨することとされた13)。PCV13は高齢者の定期接種には指定されていないものの、接種しないことが勧められているわけではなく、その効果や安全性は確認されており13)、患者背景を考慮して接種する必要があることに注意する。とくに基礎疾患がある高齢者、高齢者施設の入所者には積極的に接種を勧めたい。また、2016年時点の高齢者のPPSV23接種率は40%ほど1)に留まっており、接種率のさらなる向上が必要である。基礎疾患を有することはIPDの重症化のリスクであり、日常診療における基礎疾患の管理とともに、適切にPPSV23やPCV13の接種を勧め、被接種者と共有意思決定を行い(shared decision making)、接種を実施し患者や地域住民をIPDから守りたい。わが国では成人IPDの調査・研究に限界があるが、前述の通りIPD症例の莢膜型の変化が報告4)されており、将来的にはさらに多くの血清型をカバーするワクチンやすべての肺炎球菌に共通する抗原をターゲットとした次世代型ワクチンの開発が望まれ、今後の動向にも注目したい3,6,18)。参考となるサイト(公的助成情報、主要研究グループ、参考となるサイト)1)23 価肺炎球菌莢膜ポリサッカライド ワクチン(肺炎球菌ワクチン) ファクトシート. 平成30(2018)年5月14日.国立感染症研究所.2)13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(成人用)に関するファクトシート. 平成27年7月28日.国立感染症研究所. 3)65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第3版 2019-10-30)日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討WG委員会/日本感染症学会ワクチン委員会・合同委員会4)「6歳から64歳までのハイリスク者に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方」(2021年3月17日).日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討委員会/日本感染症学会ワクチン委員会/日本ワクチン学会・合同委員会.5)こどもとおとなのワクチンサイト1)国立感染症研究所. 23 価肺炎球菌莢膜ポリサッカライド ワクチン(肺炎球菌ワクチン) ファクトシート. 平成30(2018)年5月14日. 2018.(2021年8月9日アクセス)2)Yoshii Y, et al. Infectious diseases. 2016;48:782-788.3)生方公子,ほか. 肺炎球菌感染症とワクチン. 2019.(2021年8月10日アクセス)4)Ubukata K, et al. Emerg Infect Dis. 2018;24:2010-2020.5)Ubukata K, et al. J Infect Chemother. 2021;27:211-217.6)Hanada S, et al. J Infect Chemother. 2021;27:1311-1318.7)生方公子, ほか. 肺炎球菌. 重症型のレンサ球菌・肺炎球菌感染症に対するサーベイランスの構築と病因解析、その診断・治療に関する研究.(2021年8月10日アクセス)8)新橋玲子, ほか.成人侵襲性肺炎球菌感染症に対する 23 価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンの有効性. 2018; IASR 39:115-6.(2021年8月10日アクセス) 9)Suzuki M, et al. Lancet Infect Dis. 2017;17:313-321.10)厚生労働省. 第27回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 資料. 2019.(2021年8月10日アクセス)11)World Health Organization. Releve epidemiologique hebdomadaire. 2008;83(42):373-384.12)肺炎球菌ワクチン再接種問題検討委員会. 肺炎球菌ワクチン再接種のガイダンス(改訂版). 感染症誌. 2017;9;:543-552.(2021年8月10日アクセス)13)Matanock A, et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2019;68:1069-1075.14)国立感染症研究所. 資料3 13価肺炎球菌コンジュゲートワクチン(成人用)に関するファクトシート. 平成27年7月28日. 第1回厚生科学審議会予防接種・ワクチン文科会予防接種基本方針部会ワクチンに関する小委員会資料. 2015.(2021年8月9日アクセス)15)日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討委員会/日本感染症学会ワクチン委員会/日本ワクチン学会・合同委員会. 「6歳から64歳までのハイリスク者に対する肺炎球菌ワクチン接種の考え方」(2021年3月17日). (2021年8月9日アクセス)16)日本呼吸器学会呼吸器ワクチン検討WG委員会/日本感染症学会ワクチン委員会・合同委員会. 65歳以上の成人に対する肺炎球菌ワクチン接種に関する考え方(第3版 2019-10-30). 2019.(2021年8月9日アクセス)17)厚生労働省. 第24回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会 資料 2018.(2021年8月9日アクセス)18)菅 秀, 富樫武弘, 細矢光亮, ほか. 13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)導入後の小児侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の現状. IASR Vol. 39 p112-113. 2018.(2021年8月10日アクセス)講師紹介

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第90回 オミクロン株そのものを使った実験でワクチン追加接種の効果を確認

Pfizer(ファイザー)/BioNTech(ビオンテック)の1週間ほど前の発表1,2)に続き、Reutersが報じたイスラエルでの研究でも両社の新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンBNT162b2追加接種がどうやらオミクロン(Omicron)株に有効らしいことが示されました。BNT162b2を2回接種の人の血液はオミクロン株を全く中和できませんでしたが、3回目接種は中和活性を100倍ほど高めたとイスラエルのSheba Medical CenterのGili Regev-Yochay氏が先週土曜日11日に記者会見で発表しました3)。Regev-Yochay氏は同病院の感染症部門を率いています。その発表の3日前の8日水曜日に発表されたPfizer/BioNTechの研究1)によると、BNT162b2の2回接種を済ませた人の血清のオミクロン株に対する中和効果は著しく弱く、他のSARS-CoV-2株に対する中和活性の25分の1未満ほどでしかありませんでした。しかし3回目接種をした人のオミクロン株スパイクタンパク質に対する中和抗体活性は2回接種後に比べて25倍高く、3回接種後のオミクロン株中和活性は2回接種後の非オミクロン株中和活性に肩を並べるほどになると示唆されました。Pfizer/BioNTechとイスラエルの研究はどちらもオミクロン株への3回接種の効果を示すものですが中身が少し違っています。Pfizer/BioNTechの研究ではオミクロン株そのものではなくオミクロン株の変異を仕込んだ代理ウイルス(pseudovirus)が使われました3)。一方、イスラエルの研究はBNT162b2を2回接種してから5~6ヵ月経つ人と3回目接種してから間もない(1ヵ月後)人の血液のオミクロン株そのものへの効果を比較しており、オミクロン株そのものを使ったぶん実態により即しているようです。2回接種群と3回接種群の人数はどちらも20人です。ともあれBNT162b2の3回接種がオミクロン株に有効らしいことが2つの異なる研究で示されたことは頼もしい限りです。BNT162b2を3回接種すればオミクロン株からより確実に身を守れるとPfizerのCEO・Albert Bourla氏は言っています1)。米国の感染症対策の本丸・国立アレルギー感染症研究所(NIAID)を率いるAnthony Fauci(アンソニー・ファウチ)氏もBourla氏と似た考えのようです。ニュースのインタビューでファウチ氏は追加接種が最善(optimal care)であり4)、引き続き検討が必要ではあるもののオミクロン株に特化したワクチンを揃える必要はないかもしれないと言っています5)。米国でのオミクロン株感染は概ね軽症で済んでいる米国でのオミクロン株感染は初出の12月1日から1週間後8日までに22州で確認されています。経過が一通り判明しているそれらオミクロン株感染者43人を調べたところ多くがワクチン接種済みでしたが、幸いなことに概ね軽症で済んでおり、1人が2日間の入院を要したものの誰も死には至っていません6-8)。43人のうち34人(79%)はワクチン接種済みで、およそ3人に1人(14人)は追加接種済みでもありました。咳(89%;33人)、疲労感(65%;24人)、鼻水/鼻詰まり(59%;22人)を多くが呈し、他に発熱(38%;14人)、悪心嘔吐(22%;8人)、息切れ/呼吸困難(16%;6人)、下痢(11%;4人)、味覚や嗅覚の消失(8%;3人)が認められました6)。最も早い発症日は11月15日でした。検体採取からウイルス配列判明まで2~3週間を要したことから11月遅くに発生したオミクロン株感染の同定が近々続くだろうと著者は言っています。参考1)Pfizer and BioNTech Provide Update on Omicron Variant / BUSINESS WIRE2)ファイザー製コロナワクチン、3回接種でオミクロン株にも効果 / ケアネット3)Israeli study finds Pfizer COVID-19 booster protects against Omicron / Reuters4)Fauci says three shots of COVID-19 vaccine is 'optimal care' / Reuters5)Fauci says Omicron-specific version of Covid-19 vaccines may not be necessary / STAT6)CDC COVID-19 Response Team. MMWR. Morbidity and Mortality Weekly Report.2021 December 10 [Epub ahead of print]7)Most reported U.S. Omicron cases have hit the fully vaccinated -CDC / Reuters8)Early U.S. Omicron Cases Caused Mild Illness in Vaccinated / Bloomberg

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コロナ抗原定性検査の種類・活用方法を患者さんに聞かれたら/臨薬協など

 「ワクチン・検査パッケージ」ではPCR検査や抗原定量検査が推奨されているが、抗原定性検査の利用も可能とされ、9月からは薬局での販売も解禁されている。しかし、抗原定性検査は鼻腔ぬぐい液の採取が必要で使用に難しさがある点や、精度と活用方法を理解したうえでの使用が求められる点、未承認のキットも販売されている点など、課題も多い。日本臨床検査薬協会(臨薬協)は11月、抗原定性検査キットの適正な使用を促進し感染制御に資することを目的として、臨床検査振興協議会による一般消費者向けの啓発資料「医療用(体外診断用医薬品)抗原定性検査キットとは?」のウェブサイト掲載を受けて、ホームページ上で抗原定性検査キットの種類を「新型コロナウイルス感染症の医療用抗原簡易キット一覧」で公開している。抗原定性検査の結果=診断ではないことを理解してもらう必要 政府の新型コロナウイルス感染症対策本部では、制度開始にあたり公開した「ワクチン・検査パッケージ制度要綱」の中で、無症状者に対する抗原定性検査は、確定診断としての使用は推奨されないが、無症状者の感染者のうちウイルス量が多いものを発見することにより、事前に PCR 検査等を受検することができない場合にも対応する観点から、場の感染リスクを下げうるとの考え方に基づき、利用可能としている。 また、抗原定性検査の実施方法について詳細・留意点をまとめた「ワクチン・検査パッケージ制度における抗原定性検査の実施要綱」では、飲食店やイベント主催者等が抗原定性検査を実施する際は、担当者の研修受講や陽性者が出た場合の紹介先としての医療機関との連携を求めているほか、結果は、あくまでもワクチン・検査パッケージ制度においてのみ用いられるものであり、受検者が新型コロナ感染者の患者であるかどうかの診断には用いることができないと明記されている。抗原定性検査キットの購入から廃棄までの留意点をQ&Aで説明 臨床検査振興協議会による一般消費者向けの啓発資料「医療用(体外診断用医薬品)抗原定性検査キットとは?」では、キットの購入から検査実施とその後の対応、さらに使用済キットの廃棄までのプロセスにおいて留意すべき点を、イラストを用いながら解説している。設けられている8つのQは以下の通り:Q1医療用の抗原定性検査キットが薬局で買えるようになったと聞いたけど、抗原定性検査キットって何ですか?Q2抗原定性検査ってPCR 検査と何が違うの?Q3薬局には、「研究用」と書いてある検査キットも売っているけど「医療用」とは何が違うの?Q4薬局で普通に買えるの?Q5「医療用」の検査キットを買ってきました。でも、テレビで見たものと違うみたい…大丈夫なのかな?Q6なんだかインフルエンザの時の検査みたいですね。鼻の奥をぐりぐりされて痛かった記憶があるけど、自分で出来るか不安です。Q7結果が出たけど、どうしたらよいの?Q8検査キットは普通に捨ててよいの?抗原定性検査キットで製造販売承認を取得している製品を一覧化 「新型コロナウイルス感染症の医療用抗原簡易キット一覧」では、2021年11月17日時点で製造販売承認を取得している抗原定性検査キット16製品について一覧化して示している。それぞれの抗原定性検査キットで少しずつ使い方が異なっていることから、うちいくつかの製品については、各社のキットの使用上の注意点に関する動画等が閲覧できるサイトへのリンクが貼られている。

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第81回 医師79人の残業代未払い計1億円、3回目の勧告で支払いへ

<先週の動き>1.医師79人の残業代未払い計1億円、3回目の勧告で支払いへ2.オミクロン株懸念、海外渡航歴のある全陽性者に入院要請/厚労省3.年収200万円以上の後期高齢者の自己負担2割、来年10月から4.コロナ病床確保のため、感染症法改正案を来年の通常国会に提出へ5.自宅療養者へアビガンの不適切処方が問題に/千葉県6.介護老人保健施設で殺人事件、看護師が逮捕/茨城県警1.医師79人の残業代未払い計1億円、3回目の勧告で支払いへ医師の時間外労働について、すべての医師を管理職と位置付けて割増賃金を支給していなかったとして、宮城県の気仙沼市立病院が労働基準監督署から是正勧告を受けた。勧告に従い、未払いの賃金について、医師79人に計約1億円を年度内に支払う。これまでに同院は2017~2021年にかけて3回、同じ趣旨の勧告を受けていた。現在は診療科長以上を管理職とするよう規則を改めている。(参考)「医師は全て管理職」に是正勧告 残業代1億円支払いへ 気仙沼市立病院(河北新報)医師79人に残業代計1億円を未払い 宮城・気仙沼市立病院 病院側は全員に計1億円余り支払う方針(東日本放送)2.オミクロン株懸念、海外渡航歴のある全陽性者に入院要請/厚労省厚生労働省は、国内での新型コロナウイルスの変異型「オミクロン株」の感染予防策として、新型コロナウイルスの陽性者のうち、過去14日以内に海外渡航歴があるすべての人を入院させるよう、自治体に要請した。陽性者がオミクロン株に感染しているかどうかを調べるには時間がかかるため、結果が出るまではオミクロン株感染疑い例として扱うこととなる。オミクロン株の感染症例は、症状がある人は回復後に、無症状の場合は陽性確認6日後に、それぞれ2回連続で陰性を確認後に退院が可能となる。(参考)入国2週間以内の全陽性者を入院へ 厚労省、オミクロン警戒で要請(朝日新聞)オミクロン株 検疫外で初確認…岐阜の男性(読売新聞)3.年収200万円以上の後期高齢者の自己負担2割、来年10月から政府は、75歳以上の高齢者の医療費負担について、原則1割負担から年収200万円以上の場合2割へ引き上げる時期を来年10月とする方向で検討に入った。来年以降、団塊世代が後期高齢者に入ることを踏まえ、医療費の増加が見込まれている。政府は現役世代の負担増加を抑えるため、今年6月に医療制度改革関連法で2割負担の導入を決めており、来年の予算編成で導入時期を正式に決める。75歳以上の高齢者の窓口負担が2割となる対象者は約370万人だが、今後の医療費抑制策についてさらに検討を進めると見られる。(参考)75歳以上の医療費2割負担 来年10月から実施で検討 政府(NHK)75歳以上医療費2割負担、22年10月から 厚労省調整(日経新聞)4.コロナ病床確保のため、感染症法改正案を来年の通常国会に提出へ政府は、新型コロナウイルス感染症対策を強化するため、来年の1月に開会される通常国会に感染症改正案などを提出する見通しだ。新型コロナ患者に対応する病床を確保するために、国や自治体と医療機関が結ぶ協定を法律上の仕組みで実効性を高め、民間病院に対しても協議に応じるよう義務付け、平時から取り組みを進めるのが狙い。また、都道府県に対しても、自宅や宿泊施設での療養者の健康観察を義務付け、新たな公費負担医療制度を創設する見込み。(参考)感染症法改正案、22年国会提出 コロナ病床確保、検疫強化へ(東京新聞)医療機関と協定法定化 感染症法改正案全容判明(産経新聞)5.自宅療養者へアビガンの不適切処方が問題に/千葉県今年の8~9月、千葉県いすみ市の公立病院「いすみ医療センター」で、自宅療養中の新型コロナウイルス感染者90例以上に対して、抗インフルエンザ薬「ファビピラビル(商品名:アビガン)」を処方していた問題で、12月7日に記者会見を開き、不適切な処方だったとして謝罪した。厚労省は、ファビピラビルのコロナ患者への投与については研究名目で、患者の同意を前提に入院患者に限って認めていた。病院によれば、8月中旬は病床が逼迫した状況であり、当時同院のアドバイザーだった医師が、いすみ市が開催した会議で自宅療養者に対してファビピラビルを含めた複数の薬剤を投与する旨を発言し、保健所長も同意していたという。現在のところ、重篤な健康被害は確認されていない。(参考)自宅療養者へのアビガン処方 担当医「やむをえなかった」(朝日新聞)アビガン処方、車の窓越しに医師「コロナに打ち勝つぞ」…患者「説明理解できず」(読売新聞)10代含む自宅療養者90人にアビガン投与 厚労省通知に違反か 千葉・いすみ医療センター(東京新聞)コロナ未承認薬のアビガン処方、保健所長も同意…病院関係者の聞き取り開始(千葉日報)6.介護老人保健施設で殺人事件、看護師が逮捕/茨城県警茨城県古河市の介護老人保健施設「けやきの舎(いえ)」で、去年7月に入所中の男性が殺害されたとして、殺人容疑で当時介護職員として勤務していた元職員を茨城県警が8日に逮捕した。捜査関係者によると、この施設では複数の入所者の不審死が確認されており、県警が関連について調べている。死亡した76歳男性の死因は空気塞栓による急性循環不全であり、当日に同容疑者が普段は使わないシリンジ(注射筒)を使っているのを目撃され、同日に退職していた。容疑者は看護師の資格を持ち、昨年4月から介護職員として同施設で勤務し、研修中だった。(参考)76歳死亡の介護施設 複数不審死を確認 県警、関連調べる 茨城(毎日新聞)注射筒使用を同僚が目撃 逮捕の元職員、通常扱わず(日経新聞)古河の入所者男性殺害事件 遺体に「多量の空気注入」痕跡(NHK)

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コロナワクチン3種の有効性、流行株で変化?/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するBNT162b2(Pfizer/BioNTech製)、mRNA-1273(Moderna製)、Ad26.COV2.S(Janssen/Johnson & Johnson製)の3種類のワクチンの有効性は、デルタ変異株が優勢になるに伴ってやや低下したものの、COVID-19による入院に対する有効性は高いまま維持されていた。ただし、65歳以上でBNT162b2またはmRNA-1273ワクチン接種者に限ってみると、COVID-19による入院に対する有効率はわずかに低下していたという。米国・ニューヨーク(NY)州保健局のEli S. Rosenberg氏らが、同州データベースを用いた前向きコホート研究の解析結果を報告した。FDAが承認した3種類のCOVID-19ワクチンの有効性に関する、米国の地域住民を対象としたデータは限られており、ワクチンの有効性の低下が、免疫の減弱、デルタ変異株または他の原因に起因するかどうかについても不明であった。著者は、「今回の結果は、COVID-19患者を減少させるためには、予防行動に加えてワクチンが引き続き有効であることを支持するものである」とまとめている。NEJM誌オンライン版2021年12月1日号掲載の報告。NY州869万人における3種類のワクチンの有効性を検証 研究グループは、NY州における4つのデータベース(CIR、NYSIIS、ECLRS、HERDS)※を連携して、同州居住18歳以上の成人869万825例を対象とするコホートを構築し、BNT162b2、mRNA-1273およびAd26.COV2.Sワクチンの有効性を評価した。 評価項目は、2021年5月1日~9月3日における検査で確認されたCOVID-19に対するワクチンの有効性、ならびに2021年5月1日~8月31日におけるCOVID-19による入院(入院時または入院後にCOVID-19と確定診断)に対するワクチンの有効性で、接種したワクチンの種類、年齢、ワクチン接種完了月に準じて定義したコホートと、年齢別のワクチン未接種コホートを比較した。※CIR(Citywide Immunization Registry):NY市居住者のCOVID-19ワクチン接種に関する全データ、NYSIIS(New York State Immunization Information System):NY州およびその他の地域のCOVID-19ワクチン接種に関するデータ、ECLRS(Electronic Clinical Laboratory Reporting System):NY州のすべてのCOVID-19検査結果、HERDS(Health Electronic Response Data System):NY州内全入院施設の日次電子調査(COVID-19の診断が確認された人の全新規入院に関するデータ日次新型コロナ入院データを収集)2021年5月~8月に、3種類すべてで有効性が低下 対象期間中に、COVID-19は15万865例、COVID-19による入院は1万4,477例確認された。 流行中の変異株に占めるデルタ変異株の割合が1.8%だった2021年5月1日の週において、COVID-19に対する有効率中央値は、BNT162b2で91.3%(範囲:84.1~97.0)、mRNA-1273で96.9%(93.7~98.0)、Ad26.COV2.Sで86.6%(77.8~89.7)であった。 その後、有効率は全コホートで同時に低下し、全体の有効率中央値は5月1日の週の93.4%(範囲:77.8~98.0)から、デルタ変異株が85.3%を占めた7月10日頃には73.5%(13.8~90.0)、デルタ変異株が99.6%を占めた8月28日の週には74.2%(63.4~86.8)となった。 一方、COVID-19による入院に対する有効率は、18~64歳では明らかな経時変化はみられず、ほぼ86%以上で維持されていた。65歳以上では、BNT162b2またはmRNA-1273は5月から8月にかけて有効率が低下し(それぞれ94.8%→88.6%、97.1→93.7%)、Ad26.COV2.Sは経時的な変化はないものの他のワクチンよりも有効率が低かった(範囲:80.0~90.6%)。

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第87回 生物兵器の道理で考えるとぞっとする!?オミクロン株軽症者を軽視するリスク

先週触れた新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)のオミクロン株の感染者は、NHKのまとめたデータによると、8日18:30時点で世界53ヵ国・地域で検出され、日本国内でもすでに4例目が確認されている。先週の段階では南アフリカ(以下、南ア)で感染の主流がデルタ株からオミクロン株に移行しつつあったことから、感染力はデルタ株より強いことが示唆されるのではないかと触れたが、その可能性は先週よりも高まっていると言えそうだ。「8割おじさん」こと西浦 博氏(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻教授)が12月8日に開催された厚生労働省の第62回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードに提出した資料によれば、南アのハウテン州での報告をベースにしたオミクロン株の実効再生産数はデルタ株の4.2倍だという。もっともこれはウイルスの素の感染力である基本再生産数ではなく、報告バイアスの可能性はすべて拭い切れていないことや、ワクチン接種歴や年齢などを加味できていないデータであること、南アのワクチン接種率は30%未満でワクチンより抗体価が低い自然感染での免疫獲得者が多い状態だったことなどが研究の限界として存在したことを西浦氏自身が指摘している。とはいえ、これまでデルタ株主流だった世界各国でオミクロン株の市中感染報告が増加している現状を考えれば、やはりデルタ株を超える感染力の強さという可能性はかなり濃厚と言える。その一方で、あくまで現時点の感染者の多くが無症候、軽症で、野生株や既存の変異株と比べて重症化リスクが上昇している可能性が見えていないことはやや好材料である。もっともこれも現時点での推測に過ぎない。ただ、そのためか「全世界からの外国人入国をストップさせている『鎖国政策』はやり過ぎではないか?」との意見がちらほら出ている。しかし、現時点では私はやむを得ないと思っている。この件は前回も簡単には触れたが、そもそも感染者が無症候、軽症だから気にしなくていいというのはやや極論に過ぎる。重症化リスクが高まっていないとしても、従来株ですら20%は重症化するのだから、感染力が強い可能性があるオミクロン株が流入すれば、日本国内でも大量の市中感染を産み出し、その結果、一定数の重症者が発生してしまう。しかも、現在の日本国内は、高齢者や基礎疾患保有者という重症化リスクの高い人の抗体価が低下し、3回目接種のスタンバイ状態となっている時期である。つまり、今が最もブレークスルー感染リスクが高まっている時期とも言える。加えて新型コロナをインフルエンザと同等に扱えるだけの対処手段はまだ乏しく、それは今申請中の新型コロナの経口治療薬であるモルヌピラビルが承認を受けても劇的に変化するとは断言し切れない。結果としてオミクロン株の流入とそれに伴う感染者の増加は、まだ仮縫いの新型コロナ医療体制を再び逼迫させる恐れがある。百歩譲ってオミクロン株感染者がほとんど重症化しないとしても、流入して感染が広がれば問題は多くなると感じている。そう思うのは、私が過去に共著ながら生物兵器テロに関する新書を執筆した際にお会いした、ある生物兵器の専門家が言っていた一言をふと思い出したからでもある。私はこの専門家にお会いした時、次のような質問を投げかけた。「ベネズエラウマ脳炎ウイルスなんて生物兵器として使えるんですか?」ベネズエラウマ脳炎ウイルスは、トガウイルス科アルファウイルス属に属するウイルスで人獣共通感染症を引き起こす。感染力が強く、10~100個のウイルスでも感染が成立し、ヒトでは2~5日間の潜伏期間を経て発熱・頭痛・筋肉痛などのインフルエンザ様症状が起こる。感染者の約1~3%が脳炎を発症し、そうした人の10~20%が死亡する。生物兵器の候補としてよく書籍や文献に登場するのだが、最終的な感染者の致死率は計算上0.1~0.6%と必ずしも高くない。私としては「その程度の致死率の低いウイルスが生物兵器として効果があるのか?」 という意味で、この専門家に質問したのだった。それに対するこの方の答えは次のようなものだった。「そりゃ致死率が高いもののほうが生物兵器としての効果が高いようにも思えますよね? でも必ずしもそうとは言えない。おおむね致死率が高い病原体は、感染力は低い。また、そうした病原体を生物兵器にすると、開発・使用する側もその過程で感染リスクを負う。これに対し、ベネズエラウマ脳炎ウイルスは開発・使用する側のリスクは低い。敵国に使う際の効果は、確かに殺傷能力という意味では低いが、感染力が強いため、一旦放出されれば次から次に敵側の戦闘員が感染してダラダラと発熱の症状が続いて戦闘能力が大幅に奪われる。感染が民間人に及べば、軍事力を底から支える敵国の経済が低迷し、敵国の継戦能力は軍事力と経済力の双方から削がれる。こう考えると実は最も生物兵器としては利用価値があるとも言える」さすがにこの回答には「なるほど」と唸ってしまった。ここで話をオミクロン株に戻そう。まさに感染力が強く重症化しにくい可能性があるオミクロン株は、ベネズエラウマ脳炎ウイルスと通じるものがある。そしてこのコロナ禍を契機に日本社会全体にようやく「風邪も含め、感染症が疑われる時は無理せず休もう」というごく当たり前の概念が定着しつつある。「風邪でも休めないあなたに…」といったCMコピーはもはや非常識と言い切ってもいい社会環境だ。とすると、オミクロン株による感染者がほぼ軽症か無症候だったとしても、感染者が激増すれば社会全体が経済活動の大幅な縮小を強いられることになる。そうなればようやく感染状況が落ち着いて再開されつつある経済への打撃はいかばかりだろうか? 「感染しても軽症だから」という思考は、社会全体が長らく続くコロナ禍で疲弊しすぎた故の副作用なのかもしれないが、SNSを中心にこの手の発言が比較的著名な言論人から出てくることには危惧の念しかないのである。

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ファイザー製コロナワクチン、3回接種でオミクロン株にも効果

 米国・ファイザー社は、12月8日に発表したプレスリリースで、現在拡大が懸念されているオミクロン株に対する同社の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの効果を調べた研究結果を公表した。それによると、初回接種(2回)では、野生株と比べ、オミクロン株に対する中和抗体力価が大幅な減少を示し、オミクロン株への保護効果が十分ではない可能性があるという。ただ、3回目の追加接種により、従来株と同等の効果が得られることも示された。同社は、より多くの人がまずは初回接種を完遂すると共に、COVID-19拡大防止には追加接種が必要であるとしている。 今回公表したのは予備的な実験データの段階だが、初回接種までの中和抗体力価は、野生株や従来の変異株などに比べ、オミクロン株に対しては有意に減少していたが、3回目の追加接種により、初回接種の25倍まで増強され、従来株並みの高い保護レベルが観察されたという。ファイザー社は、「初回接種によるコロナ重症化予防には引き続き有用だが、追加接種によりオミクロン株も含めたより高い予防効果が得られる可能性がある」とし、各国で進められている追加接種が、引き続きCOVID-19拡大防止に対する最善策であるとの見解を示した。 同社では、追加接種後のオミクロン株に対する中和抗体の持続性などを検討するため、さらにデータ収集を進めることにしている。

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医師が選ぶ「2021年の漢字」TOP5を発表!【CareNet.com会員アンケート】

毎年12月に発表される「今年の漢字」(主催:日本漢字能力検定協会)に先立ち、CareNet.com会員の先生方にも今年の漢字を選んでいただきました! 皆さんは、今年1年の世相を漢字1文字で表すとしたら、何を思い浮かべますか?それでは、医師に選ばれた「2021年の漢字」TOP5を発表します。イラスト内の漢字は、日本習字高等師範免許を持つケアネット社員による書き下ろしです!第1位「禍」第1位は、第2位と倍の差をつけた「禍」。2021年も、昨年に続き新型コロナウイルス感染症の影響が色濃い1年でした。医療現場にとっての第5波は、東京オリンピックよりも大きいインパクトだったようです。来年こそは、平穏な日常を取り戻したいですね。「禍」を選んだ理由(コメント抜粋)コロナ禍という一言に尽きると思う。(60代 整形外科/大阪)コロナ第5波が印象に残っているから。(30代 消化器内科/東京)まだまだコロナの影響が根強いため。(40代 内科/福岡)コロナに巻き込まれ、国も自治体も、個人も人生がかき回された1年だった。(30代 心臓血管外科/大分)コロナによる医療崩壊や度重なる自然災害など禍が絶えない年でした。(50代 泌尿器科/岩手)第2位「輪」第2位にランクインした「輪」は、1年遅れで開催された東京オリンピック・パラリンピックを連想させます。五輪の「輪」だけでなく、世界や人とのつながりを感じたという趣旨のコメントも多数寄せられました。開催には賛否両論ありましたが、無事に閉会でき安堵した方も多かったのではないでしょうか。同じく五輪から連想される「金」や「五」と答えた方もいらっしゃいました。 「輪」を選んだ理由(コメント抜粋)五輪があったとともに、「人の輪」を再認識したから。(30代 糖尿病・代謝・内分泌内科/京都)オリンピック。ワクチン接種が世界各国で行われており世界の輪を感じたから。(30代 精神科/茨城)諸外国と比較しまずまずの感染水準で東京オリンピック、パラリンピックを遂行できたため。記念すべきイベントだったと思います。(30代 耳鼻咽喉科/東京)激動の時代だったと思うがそこからの回復、復興をしている皆の協力をもっての輪、オリンピックの輪。(40代 麻酔科/静岡)■第3位「耐」第3位は「耐」でした。長らく続いた緊急事態宣言による大型商業施設や飲食店の休業、移動制限など、全国民が我慢を強いられた1年でした。医療従事者はさらに第5波への対応やワクチン接種業務などもあり、耐えに耐え抜いた年だったことと思います。1年間本当にお疲れさまでした。 「耐」を選んだ理由(コメント抜粋)2020年に続き、コロナウイルスのために耐える1年だった。(50代 内科/茨城)なかなか収束しない感染状況、自粛生活に耐え、勤務先でも急な退職が相次ぎ、業務増加に耐え…と耐える1年だった。(40代 精神科/熊本)生活、仕事のさまざまな局面で自粛を求められ、耐える一年であったから。(40代 消化器内科/茨城)第4位「忍」第4位の「忍」は、コメントにもあるように、「耐え忍んだから」という理由で選んだ方が多かったようです。とくに医療従事者の皆さんは我慢を強いられる場面も少なくなかったことでしょう。新たな変異株が現れ、先行きが不透明な状況ではありますが、年末年始は少しでも気の休まる時間が取れるとよいです。 「忍」を選んだ理由(コメント抜粋)コロナで国民みんなが耐え忍んだ年だから。(40代 内科/新潟)県外への移動禁止、3密回避など、我慢の一年だったから。(30代 その他診療科/静岡)コロナ禍も2年目となり、オリンピックや選挙などもあったが、大きな混乱もなくさまざまな社会活動を行えるようになっているのは、大勢の人々の忍耐力によるものだったと思う。(50代 麻酔科/兵庫)第5位「乱」第5位は、過去にも何度か登場している「乱」でした。コロナによる世の中や生活の「混乱」を連想した方が多かったようです。来年こそは、落ち着いた気持ちで過ごしたいものですね。同様の理由で「混」を選んだ方もいらっしゃいました。 「乱」を選んだ理由(コメント抜粋)コロナ、政治などいろいろなところで混乱があったから。(30代 泌尿器科/神奈川)新型コロナですべてが乱されたから。(50代 内科/埼玉)自分の生活が目まぐるしく変化して乱れた。(40代 呼吸器内科/大阪)これまで未経験な事態が重なった。(40代 循環器内科/東京)アンケート概要アンケート名『2021年振り返り企画!今年の漢字と印象に残ったオリパラ選手をお聞かせください』実施日   2021年11月15日~21日調査方法  インターネット対象    CareNet.com会員医師有効回答数 1,059件

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第87回 規制緩和を背景に「感染性胃腸炎」が例年並みに増加中

国内でも、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者が見つかり始めているが、一方で別の感染症による患者数が増えている。ノロウイルスやロタウイルスなどにより腹痛や下痢、嘔吐などの症状が起きる感染性胃腸炎だ。例年は11月から増え始め、12月をピークにいったん減少し、1~3月ごろに再び増える傾向にある。12月のピークはノロウイルス、春のピークはロタウイルスによるもので、冬場に流行する感染性胃腸炎はウイルス性のものが多い。保育園や幼稚園、福祉施設などでの集団発生の多くはこの時期に発生し、少量のウイルスで感染するノロウイルスによるもの(ノロウイルス感染症)と推察される。子どもや高齢者では重症化や、嘔吐物による誤嚥性肺炎、最悪の場合は気道に詰まって窒息死することもある。また、ノロウイルス感染症の患者の糞便や嘔吐物には、大量のノロウイルス(感染者の吐物1g当たり100万個以上)が含まれており、適切な処理を行わないと2次感染も起こりうる。昨シーズンはコロナ禍による外出抑制で患者数は激減ところが、昨シーズンは過去に例がないくらい患者数が少なかった。その背景について東京都健康安全研究センターでは、コロナ禍で会食や外食の機会が減ったことによる影響が大きいのではないかと見ている。主な感染経路は経口感染で、人から人へ感染する場合と、食べ物から感染する場合などがあるからだ。しかし今シーズンは、規制が緩和され、人と会う機会も増えているため、11月から感染者数が増加し、例年並みのペースにまで近付いている。アルコール消毒より流水と石けん手洗いが効果商業施設などの入り口や家庭内でアルコール消毒が行われているが、感染性胃腸炎は通常の新型コロナ対策では防ぎ切れない。ノロウイルスやロタウイルスは、消毒剤への抵抗性が強く、消毒用アルコールはあまり効果がないと言われている。それより有効なのは、従来からの流水と石けんによる手洗いだという。国立感染症研究所によると、手のひら側はしわの多い部分や指の間、手の甲側は親指を中心に全体的に洗い残しが多いという。来院患者さんたちにも、意識してしっかりと洗うよう伝えたい。糞便や嘔吐物の処理には次亜塩素酸ナトリウム前述のように、糞便や嘔吐物を適切に処理することも重要だ。処理者は感染しないように、使い捨ての手袋やマスク、ガウンなどを着用する。また汚染した床は、乾いた嘔吐物が舞うことを防ぐため、乾燥させないよう速やかに、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系の消毒剤や家庭用塩素系漂白剤)で汚染場所の外側から中心に向かって浸すように拭くなど、汚染を広げないようにして処理する。じゅうたんなど次亜塩素酸ナトリウムを使いづらい場所で嘔吐した場合は、スチームアイロンによる熱処理が有効だ。ノロウイルスは熱に弱く、85度以上1分間以上の加熱で不活化するという。今の時期、新型コロナウイルスだけがクローズアップされ、その陰に隠れがちだが、経済活動が再び活気を取り戻し、着実に人流が増えている中、気を付けるべき感染症があることを改めて確認し、患者さんにも周知する必要があるだろう。

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