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コロナ疑い熱中症患者への最新対応法/日本救急医学会

 日本救急医学会は『新型コロナウイルス感染症流行下における熱中症対応の手引き(第2版)』発刊に関する記者会見を7月15日に行った。初版が発刊されてから2年、今回はとくに“熱中症とマスク着用の関係性”と“蒸散冷却法の使用有無”に焦点が当てられて改訂が行われ、神田 潤氏(帝京大学医学部附属病院 高度救命救急センター/新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた熱中症診療に関するワーキンググループ タスクフォース長・編集長)がこれらの根拠などについて解説した。マスク着用が熱中症の危険因子となる根拠はない 第2版は初版のクリニカルクエスチョンを継承し、新たに報告された論文結果を踏まえて検討が行われた。第2版におけるQ1~7とその回答は以下のとおり。―――Q1:マスクを着用すると、体温が上がるか?A:暑熱環境における1時間程度の軽度の運動、あるいは20分のランニング程度の運動強度では、マスクの着用が体温に及ぼす影響はない。Q2:マスクを着用すると熱中症の発症が多くなるか?A:健常成人においてマスクの着用が熱中症の危険因子となる根拠はない。Q3:COVID-19の予防で「密閉」空間にしないようにしながら、熱中症を予防するためには、どのようにエアコンを用いるべきか?A:職場や教室等、人の集まる屋内では、密閉空間を避けるため、自然な風の流れが生じるように2方向の窓を開ける換気を適宜行い、室温を測定しながら、エアコンの温度設定を調節する。Q4:熱中症とCOVID-19は臨床症状から区別できるか?A:熱中症とCOVID-19はいずれも多彩な全身症状を呈するため、臨床症状のみから鑑別は困難である。Q5:血液検査は熱中症とCOVID-19の鑑別に有用か?A:両者の鑑別に有用な血液検査の項目はない。Q6:高体温、意識障害で熱中症を疑う患者の胸部CT検査はCOVID-19の鑑別診断に有用か?A:確定診断と除外診断に用いるには、不適切である。Q7:COVID-19の可能性がある熱中症患者の場合、蒸散冷却法を用いて、患者を冷却するべきか?A:通常の感染対策を行ったうえで蒸散冷却法を用いた積極的冷却を行ってもよいが、各施設で迅速に使用できる冷却法を選択するのが望ましい。―――マスク、呼吸困難感に影響及ぼす1)も熱中症リスクではない マスク着用時の体温上昇について、神田氏は「健常成人のボランティアの実験2)などでは、マスクを着用したとしても、熱中症のリスクは増大しなかった。ただし、高齢者や小児、既往のある人は、健常成人と同じ結果が出るかわからないため注意が必要。また、マスクをしていないからといって、熱中症のリスクが小さくなるわけではない」と強調した。蒸散冷却法にエアロゾルを介した感染リスクはない 熱中症患者に蒸散冷却法を用いると、発生するエアロゾルによって体表のウイルスが拡散するのではないか、と指摘されていた。そこで、同氏らはそれを検証するために人形を用いて実験を行い、その結果、人形表面の冷却効果を認めるも体表からの水分蒸発に伴うエアロゾルの発生は認めなかったことを明らかにした。これについて「蒸散冷却法による体表からの水分蒸発に伴うエアロゾルを介した感染のリスクはないものの、ほかの冷却法と同様に、患者がコロナ罹患者であった場合には会話や咳などによる感染のリスクが残存するため、感染対策を継続する必要がある」と述べ、「 一方で、どの冷却法を実施するかについては、蒸散冷却法を特別に推奨するものではなく、各施設で迅速に使用できる方法を選択するのが望ましい」と説明した。 このほか、同氏は「シャワー後の扇風機・うちわの使用は、蒸散冷却法そのものであるが、エアロゾルを介した感染リスクはないため、エアコン以外の熱中症対策(とくに停電時)として有効である。同様に、屋外のミストシャワーも蒸散冷却法そのものなので有効だ。エアロゾルの発生については検討していないが、シャワー自体にウイルスが存在しないので、エアロゾルを介した感染リスクは少ない。ただし、まわりに人がいる場合はマスクの着用が必要」と解説した。

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mRNAワクチン後の心筋炎、予防に有効な接種間隔は?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチン接種後の心筋炎のリスクが最も高いのは、思春期および若年成人の男性であり、これらの集団ではモデルナ製よりファイザー製のワクチンを用い接種間隔は30日以上が望ましいこと、5~11歳の小児での心筋炎発症は非常に稀でエビデンスの確実性は低いことなどを、カナダ・アルバータ大学のJennifer Pillay氏らが、システマティック・レビューの結果、報告した。著者は、「mRNAワクチンに関連した心筋炎は良性と思われるが、長期追跡データは限られており、生検や組織形態学等の適切な検査を用いた前向き研究によりメカニズムの解明が進むだろう」とまとめている。BMJ誌2022年7月13日号掲載の報告。大規模研究、観察研究、サーベイランスデータ、症例シリーズなど46件の研究を解析 研究グループは、Medline、EmbaseおよびCochrane Libraryを用い、2020年10月6日から2022年1月10日までに発表された論文(参考文献リストおよび灰色文献は2021年1月13日まで)を検索し、システマティック・レビューとエビデンスの統合を行った。 適格基準は、1万例超または地域住民を対象とした大規模研究または多施設の観察研究、およびCOVID-19 mRNAワクチン接種後に確認された心筋炎または心膜炎について報告しているサーベイランスデータ(発症率およびリスク要因)、症例シリーズ(5例以上、臨床症状、短期的な臨床経過および長期アウトカム)、オピニオン、レター、レビューおよび仮説的メカニズムに焦点を当てた原著とした。 評価者1人がスクリーニングし、他の1人が機械学習プログラムを用いて優先順位付けを行い除外の50%を検証した。2番目の評価者は、全文、抽出データ、および修正Joanna Briggs Institute toolを用いたバイアスリスク評価について、すべての除外を検証した。GRADEを用い発症率やリスク因子についてのエビデンスの確実性の評価をチームのコンセンサスで決定した。 解析に組み込まれた研究は46件であった(発症率に関する研究14件、リスク因子7件、特徴および短期経過11件、長期転帰3件、メカニズム21件)。mRNAワクチン接種後の心筋炎発症リスクは12~29歳男性、モデルナ製で高い mRNAワクチン接種後の心筋炎発症率は、100万人当たり12~17歳では50~139例(エビデンスの確実性:低)、18~29歳では28~147例(エビデンスの確実性:中)と、思春期の男性および若年成人男性で最も高かった。5~11歳の少年少女と18~29歳の女性では、BNT162b2(ファイザー製)ワクチン接種後の心筋炎発症率は100万人当たり20例未満と思われた(エビデンスの確実性:低)。 mRNAワクチン3回目接種後の発症率については、エビデンスの確実性は非常に低かった。 18~29歳の心筋炎発症率は、mRNA-1273(モデルナ製)ワクチン接種後のほうがファイザー製と比較しておそらく高いと思われた(エビデンスの確実性:中)。12~17歳、18~29歳、18~39歳では、mRNAワクチン2回目接種後の心筋炎/心膜炎発症率は、1回目接種から31日以上経過後に2回目を接種したほうが、30日以内に2回目を接種した場合と比較して低い可能性があった(エビデンスの確実性:低)。18~29歳の男性に限定したデータでは、心筋炎/心膜炎の発症率を大きく低下させるためには、接種間隔を56日以上にする必要があることが示唆された。 臨床経過および短期転帰は、5~11歳については小規模な症例シリーズ1件(8例)のみであった。思春期および成人については、心筋炎発症例のほとんど(>90%)が年齢中央値20~30歳の男性で、2回目接種後2~4日に症状が発現した(71~100%)。ほとんどの人(≧84%)が短期間(2~4日)入院した。 心膜炎に関してはデータが限られていたが、患者の年齢、性別、発症時期、入院率は心筋炎よりばらつきがあった。 長期追跡調査(3ヵ月、38例)を行った症例シリーズ3件において、50%超の患者で心エコー所見異常の持続、症状あるいは薬物治療の必要性や活動制限の継続も示唆された。 メカニズムの仮説を記述した研究は16件で、エビデンスを直接支持または反論するものはほとんどなかった。 なお、本レビューは現在進行中であり(Living evidence syntheses and review)、今後のアップデートはCOVID-19 Evidence Network to support Decision-making(COVID-END)のウェブサイトに掲載される予定だという。

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ノババックス製ワクチン、12歳以上の接種を承認/添付文書改訂

 厚生労働省は7月21日、ノババックス製新型コロナウイルスワクチン「組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン」(商品名:ヌバキソビッド筋注)について添付文書を改訂し、初回免疫(1回目・2回目)の接種対象者の年齢を、18歳以上から12歳以上に引き下げたことを発表した。なお、本ワクチンの3回目の追加接種は、従来どおり18歳以上が対象となっている。また、初回免疫でほかのメーカーのワクチンを接種した者に対しては、ノババックス製ワクチンを3回目に使用した際の有効性と安全性は確立していないとしている。 今回の改訂は、本ワクチンの海外第III相臨床試験「2019nCoV-301試験」の12~17歳の被験者を対象としたパートの試験成績を踏まえたものとなる。ワクチン接種群1,491例とプラセボ群756例が参加した本試験の結果、2回目接種後の追跡期間中央値がワクチン接種群で64日、プラセボ群で63日において、ワクチン効果(VE)が79.54%(95%信頼区間:46.83~92.13)であることが示された。 12~17歳における本ワクチンの安全性については、少なくとも1回接種した2,232例で評価し、発現頻度が10%以上、もしくは日常生活を妨げるほど重症の副反応として、圧痛、疼痛、頭痛、疲労、筋肉痛、倦怠感、悪心/嘔吐、発熱、関節痛が報告された。副反応の大部分は、接種後1~2日以内に発現し、持続期間の中央値は1~2日であったという。 ワクチンの添付文書における主な改訂は以下のとおり。7.1 初回免疫7.1.1 接種対象者12歳以上の者。7.1.2 接種回数本剤は2回接種により効果が確認されていることから、原則として、他のSARS-CoV-2に対するワクチンと混同することなく2回接種するよう注意すること。7.1.3 接種間隔1回目の接種から3週間を超えた場合には、できる限り速やかに2回目の接種を実施すること。7.2 追加免疫7.2.1 接種対象者18歳以上の者。SARS-CoV-2の流行状況や個々の背景因子等を踏まえ、ベネフィットとリスクを考慮し、追加免疫の要否を判断すること。7.2.2 接種時期通常、本剤2回目の接種から少なくとも6ヵ月経過した後に3回目の接種を行うことができる。7.2.3他のSARS-CoV-2ワクチンを接種した者に追加免疫として本剤を接種した際の有効性、安全性は確立していない。

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オミクロン株流行時期における5~11歳児に対するBNT162b2ワクチンの有効性(解説:寺田教彦氏)

 本研究はBNT162b2ワクチンのオミクロン株流行時期における5~11歳を対象にした研究である。 オミクロン株の流行中に新規のワクチン接種を受けた小児におけるBNT162b2ワクチンの有効性を推定するため、イスラエル最大の医療組織であるクラリット・ヘルス・サービス(CHS)のデータを用いて2021年11月23日以降にワクチン接種を受けた5~11歳児と未接種の対照をマッチさせてSARS-CoV-2感染の予防、有症状のCOVID-19患者を比較しており、和文要約は「オミクロン株流行中の5~11歳へのワクチン接種、実際の有効性は?/NEJM」に記載がある。 2022年7月中旬の現況としては、海外では5~11歳のワクチン接種で3回目を実施している国もあり、本邦も厚生労働省が3回目の接種について議論開始を検討している状況である。しかし、本邦では5~11歳の小児の接種率は低いままであり、2022年7月17日の首相官邸公式サイトを参考にすると、小児接種率は、2回接種完了者は17.6%、1回以上接種者は19.0%である(首相官邸公式サイト「新型コロナワクチンについて」)。本文では今回の研究を参考に、小児におけるBNT162b2ワクチン2回接種の意義について考察をする。 本研究のデータによると、BNT162b2ワクチンの推定有効率は感染予防については2回接種後7~21日で51%(95%CI:39~61%)であり、症候性COVID-19の予防効果は48%(95%CI:29~63%)だった。年齢サブグループ別に見た傾向としては10~11歳の高年齢グループに比較して5~6歳の低年齢グループのほうがワクチンの有効性は高かった。 本研究ではこのワクチンの効果を中等症の予防効果と評しており、私も適切な評価であると考える。 ワクチン接種の是非を論じる際は、接種によるメリットとデメリットを勘案する必要があるが、直接的なメリットとしては「発症(および感染)の予防効果」と「重症化の予防効果」があり、デメリットとしては「接種後の副反応」があるだろう。 これらについては、同様の話題で執筆の機会を頂き、CLEAR! ジャーナル四天王「小児期および青年期におけるオミクロン株に対するファイザー製ワクチン(BNT162b2ワクチン)の予防効果-1520」で論じた。当時は、5~11歳の予防効果のエビデンスを待ちたいとしたが、本研究から判明したエビデンスを用いて再度検討してみよう。感染と発症の予防効果は、成人のオミクロン株で低下しているように小児でも低下は認めるが、中等症程度の予防効果は期待できる。新型コロナウイルス感染症が流行した初期は小児の感染例は少なかったが、最近の本邦では、むしろ5~11歳が流行の中心となっている(第90回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード[令和4年7月13日])。また、5~11歳でも重症化する患者の報告や本邦でもCOVID-19罹患後の死亡例の報告があることを考えると、一概に小児は軽症であると断定することもしづらくなってきている。 以上より、5~11歳は現時点では新規COVID-19患者数で比較的多くの割合を占める年代であり、ワクチン2回接種では中等度とはいえ感染予防効果と重症化予防効果が期待できるメリットがあり、接種後の副反応は、成人などと比較し軽度で、重篤な副反応は増加していないことを考えると、2回接種によるメリットはデメリットを上回ると考える。 また、上記のようなワクチン接種の直接的なメリットではないが、ワクチン接種により、小児のCOVID-19流行を防ぐことは、これらの年代の学習や共同生活の機会が失われるリスクを下げることが期待できるだろう。それは、小児でもCOVID-19の流行が起これば、学級閉鎖や学校閉鎖の対応が実施されるからである。 さて、ここからはエビデンスとは離れ、臨床現場の感覚を記す。 小児症例では、一般に入院を要したり、重篤化する症例は少ないと考えられているが、入院を要するほどでないと医療従事者が判断する場合でも、食事摂取が不良だったり、頭痛や咽頭痛の訴えが強い場合に医療機関の受診を希望される両親が多い。このようなケースでは、医療機関を受診し、医師から「大丈夫ですよ」と声を掛けてもらうことで安心できることが多いようだが、COVID-19患者の受け入れには医療機関も十分な感染対策をしなければならず、医療逼迫の一因になっている感は否めない。 しかし、咽頭痛や倦怠感などによっては、数日間食事や水分摂取が難しくなり、入院が必要と判断されうる小児もいることを考えると、一概に医師の診察は不要とすることはできないだろう。 小児でのCOVID-19における致死率は高いとはいえないが、ある程度症状が悪化する症例があることは確かであり、ワクチン未接種により小児患者のCOVID-19患者が増加すると、一定数の医療機関受診が必要な患者が発生し、小児医療に逼迫が起こりかねず、受診が必要な小児患者の受診ができないという事態を起こすことも懸念される。また、病院職員などのCOVID-19陽性者の感染経路を調査すると児童からの感染と考えられる事例が増加しており、小児患者の増加は、エッセンシャルワーカーの濃厚接触者や感染者が増加することにもつながると考えられ、医療機関の負担となる可能性がある。 以上より、総合的に勘案すると5~11歳のワクチン接種は本人にとっても社会にとっても、実施するメリットのほうがデメリットより現時点では大きいと私は考えている。

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第3回 「新型コロナを5類へ」の声

肺炎を起こしにくいBA.5COVID-19の感染症法上の扱いを見直そう、という声はコロナ禍でメディアで頻繁に取り上げられています。アルファ株、デルタ株と比べてオミクロン株以降は弱毒化が継続しています。現時点では、BA.5は確かに肺炎をほとんど起こしていません。「5類へ」それゆえ、新型コロナを「季節性インフルエンザと同等の5類感染症相当」に引き下げるべき、あるいは完全に「5類感染症」にすべきという議論が高まっています。表は1~5類感染症と新型インフルエンザ等感染症をまとめたものです。なお、「〇:可能」というのは、そういう措置が可能というだけで、そうしなければならないわけではありません。画像を拡大する表.1~5類感染症と新型インフルエンザ等感染症の主な措置(筆者作成)「5類にすべきかどうか」という議論は、医学的にはナンセンスだと思っています。新型コロナは継続的な対応が必要と考えられ、「指定感染症」から「新型インフルエンザ等感染症」の枠組みに移行しました。行政上、さまざまな措置を弾力的に運用しやすい枠組みだったためです。柔軟な骨抜きができるからこそ、この枠組みにしたはずなので、あえて「5類感染症にしましょう」と提言する必要はなさそうです。全数報告が不要であれば、現在の「新型インフルエンザ等感染症」の枠組みの中で把握をやめればよいですし、5類感染症に近づけたいなら、「新型インフルエンザ等感染症の5類相当」を目指せばよいのです。6月にはCOVID-19の発生届を簡素化し、症状や感染経路などを記載するところはなくなりました。また、当初すべての陽性者に入院勧告が行われていた制度はすでに廃止され、現在は自宅療養、ホテル療養が可能です。そして、もう濃厚接触者については各自で把握している現状があります。これほど5類相当まで骨抜きダウングレードが進んでいる中、あえて動きにくい「完全5類感染症」にカテゴライズするメリットは多くありません。「5類感染症」にした場合、高齢者施設クラスターが発生しても、自治体はそこに公費を投下することが難しくなります。また、BA.5の次のウイルスがアルファ株やデルタ株のように厄介な場合、法的なハードルになり、手続きに時間がかかってしまいます。そのため、「新型インフルエンザ等感染症」の枠組みで自由にモディファイするほうが、何かとやりやすいのです。ただ、「もう5類感染症です」と政府がステートメントを出すことによって、国全体のマインドが上向くというのであれば、そういう施策もありかもしれません。しかし、また、どういった分類であっても、手を挙げてくれる医療機関が急増しない限り、おそらく発熱外来は逼迫します。そのため、感染が急拡大している現在の第7波の局面においては、「5類」かどうかという議論よりも、どのように医療逼迫をコントロールしていくかという議論のほうが重要に思います。

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異種ワクチンでのブースター接種、安全性は?/BMJ

 新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチン接種について、「ChAdOx1-S」(アストラゼネカ製)によるプライマリ接種とmRNAワクチン(「BNT162b2」[ファイザー製]または「mRNA-1273」[モデルナ製])によるブースター接種(異種ワクチン接種)は、プライマリ+ブースターをすべてmRNAワクチンで接種した場合(mRNA同種ワクチン3回接種)と比べて、重篤な有害イベントリスクの増大は認められなかったことを、デンマーク・Statens Serum InstitutのNiklas Worm Andersson氏らが報告した。同国内でワクチン接種をした成人を対象に行ったコホート試験の結果で、これまで異種ワクチンの安全性に関する情報は不十分だった。BMJ誌2022年7月13日号掲載の報告。ワクチン2/3回接種後28日の重篤な心血管・出血/血栓性有害イベントを比較 研究グループは、2021年1月1日~2022年3月26日にかけて、デンマーク国内を対象にコホート試験を行った。COVID-19ワクチンの初回接種に、「ChAdOx1-S」を接種し、その後ブースター接種としてmRNAワクチン(「BNT162b2」または「mRNA-1273」)を1~2回接種した成人(18~65歳)と、「BNT162b2」または「mRNA-1273」のみを2~3回接種した成人について比較検討した。 主要アウトカムは、ワクチン2回または3回接種後28日以内の、広範にわたる心血管・出血/血栓性有害イベント(虚血心イベント、脳血管イベント[梗塞または頭蓋内出血]、動脈血栓塞栓症、静脈血栓塞栓症[脳静脈血栓塞栓症または肺塞栓]、心筋炎/心膜炎など)による病院受診の発生だった。ポアソン回帰法で、特定の交絡因子を補正し発生率比を推算し評価した。24時間以上入院を要する重篤な有害イベント、両群で同等 計2回接種の異種ワクチン(ChAdOx1-S、mRNA)接種者は13万7,495人、同種ワクチン(mRNA、mRNA)接種者は268万8,142人だった。また、計3回接種の異種ワクチン(ChAdOx1-S、mRNA、mRNA)接種者は12万9,770人、同種ワクチン接種者(mRNA、mRNA、mRNA)は219万7,213人だった。 異種ワクチン群の同種ワクチン群に対する、ワクチン2/3回接種後28日の、心血管・出血/血栓性有害イベントの補正後発生率比は、虚血心イベントは2回接種群で1.22(95%信頼区間[CI]:0.79~1.91)、3回接種群で1.00(0.58~1.72)であった。また、脳血管イベントはそれぞれ0.74(0.40~1.34)と0.72(0.37~1.42)、動脈血栓塞栓症は1.12(0.13~9.58)と4.74(0.94~24.01)、静脈血栓塞栓症が0.79(0.45~1.38)と1.09(0.60~1.98)、心筋炎/心膜炎が0.84(0.18~3.96)と1.04(0.60~4.55)、血小板減少症と血液凝固障害が0.97(0.45~2.10)と0.89(0.21~3.77)、その他出血イベントが1.39(1.01~1.91)と1.02(0.70~1.47)だった。 24時間超の入院を要する重篤な有害イベントに限定した場合も、あらゆるアウトカムとの関連について有意差はなかった。 結果を踏まえて著者は、今回の試験結果は安心を与えるものだとしながらも、稀な有害事象もあるため、関連性を排除するものではないとしている。

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第118回 ランサムウェア被害の徳島・半田病院報告書に見る、病院のセキュリティ対策のずさんさ

オールスターゲーム後に気がかりなことこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。新型コロナウイルス感染症の第7波が到来、各地で感染者が急増しています。政府は現時点ではまん延防止措置等重点措置のような行動制限は必要ないとの方針ですが、このまま学校が夏休みに入り、帰省や観光等で人々の動きが活発になると、さらなる患者数の増加が予想されます。実際、街に出てみると、コロナ禍以前のような賑わいで、人々は普通に飲んで騒いでいます。昨年夏のように、医療提供体制が逼迫する恐れも出てきました。米国では、MLBでポストシーズンへの進出が絶望的となったロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平選手のトレード交渉が、今週開かれるオールスターゲーム後に本格化するのではと、マスコミが騒いでいます(8月2日の米東部時間午後6時、日本時間3日午前7時が今季のトレード期限)。仮にエンジェルスから放出されるとしたら、大谷選手はどのチームに行くのか。ワールドシリーズ進出を狙う強豪チームに行くのか…。その行き先がとても気がかりです。一方、日本においては、プロ野球のオールスターゲームが終わる7月末頃には、コロナ患者激増でまん延防止措置等重点措置が再び出されるのではないか、あるいは感染症法上の扱いを「2類相当」から「5類」に引き下げる議論が本格化するのではないか……。こちらもとても気がかりです。さて今回は、新型コロナウイルス“ではない”ウイルス、相変わらず各地の病院で被害が頻発している、コンピュータウイルスについて書いてみたいと思います。増える病院のサイバー攻撃報道6月20日、徳島県鳴門市の医療法人久仁会・鳴門山上病院にサイバー攻撃があり、 電子カルテや院内のLANシステムが使えなくなったことが判明し、各紙が報じました。各紙の報道によれば、感染したのは身代金要求型ウイルス「ランサムウェア」で、 19日午後にパソコンが勝手に再起動し、 プリンターから紙が大量に印刷されたのに職員が気付き、 被害が判明したとのことです。なお、同病院は患者のデータをバックアップしており、22日から通常診療を再開しています。また、7月4日には岐阜市の医療法人幸紀会・安江病院が外部から不正アクセスを受け、病院のコンピュータシステムに保管していた患者や職員、計約11万人分の個人情報が流出した可能性がある、と発表しました。各紙報道によると、流出した可能性があるのは、患者や新型コロナウイルスのワクチン接種者延べ11万1,991人と、職員715人分の名前や住所、電話番号や病歴などで、職員が5月27日朝、電子カルテのシステムが使えないことに気付き、不正アクセスが判明したそうです。翌28日には復旧したものの、29日まで救急患者の受け入れを停止しました。同病院は岐阜県警や厚生労働省に報告し、専門機関に調査を依頼したとのことです。全面復旧まで2カ月かかった徳島県つるぎ町の町立半田病院コンピュータウイルスによる病院の被害については、本連載でも「第86回 世界で猛威を振るうランサムウェア、徳島の町立病院を襲う」、「第91回 年末年始急展開の3事件、『アデュカヌマブ』『三重大汚職』『町立半田病院サイバー攻撃』のその後を読み解く」でも取り上げ、ランサムウェアが病院経営に与えるダメージについて書きました。第86回で詳しく書いた、徳島県つるぎ町の町立半田病院の被害はとくに深刻でした。2021年10月31日、病院システムのメインサーバーとバックアップサーバーが、「LockBit2.0」と名乗る国際的なハッカー集団が仕掛けるランサムウェアに感染。同病院ではこの攻撃で患者約8万5,000人分の電子カルテが閲覧不能となり、急患や新患の受け付けがができなくなるなど、大きな被害が出ました。最終的にサーバーが復旧し、通常診療に戻ったのはなんと2ヵ月後の2022年1月でした。セキュリティ対策ソフトをわざと稼働させずつるぎ町と同病院は、今年6月7日に「コンピュータウイルス感染事案有識者会議調査報告書」を公表しています。調査報告書によれば、電子カルテシステムにアクセスするパソコンの端末が古く、新しいセキュリティ対策ソフトを入れると、システムの動作が遅くなる恐れがあったため、電子カルテの販売事業者の指示で、このソフトの稼働が止められていたとのことです。具体的には、院内にあるパソコン(約200台)のうち、電子カルテシステムに接続する端末について、ウイルス対策ソフト(トレンドマイクロ社のウイルスバスター、マイクロソフト社のウィンドウズ・ディフェンダー)の動作のほか、ウィンドウズの定期更新、電子カルテシステムの動作に必要なマイクロソフト製プログラム(シルバーライト)の最新版への更新などが意図的に無効化されていました。報告書は「電子カルテの動作を優先しセキュリティ対策をないがしろにした」と厳しく指摘しています。さらに、電子カルテのメンテナンス目的で販売業者側が設置したVPN(仮想プラベートネットワーク)装置についても、2019年の設置後、修正プログラムが一度も適用されていませんでした。VPNの提供元であるフォーティネット社は2019年に脆弱性について注意喚起していますが、販売事業者はこれについても病院に説明していませんでした。「VPN装置の脆弱性を狙われ閉域網が破られた」調査報告書は、同病院にランサムウェアを仕掛けたサイバー犯罪集団により、「VPN装置の脆弱性を狙われ閉域網が破られた事案と判断するのが適当」と結論付けています。閉域網とは、外部のインターネットと完全に切り離された閉じられたネットワークのことです。かつては医療機関のネットワークはインターネットと切り離された閉域網を前提として構築されていました。しかし近年は、医療機関同士が患者情報をネットで共有したり、今回のケースのようにVPN装置を用いて、外部から操作したりと、閉域網ではなくなっているのが実情です。閉域網でないとしたら、それ相応の厳重なセキュリティ対策が必要になるわけですが、そこまでの対応をしている医療機関はまだ多くはありません。なお、事故発生当時は、同病院にはシステム担当者が1人しかおらず、セキュリティ対策に取り掛かる状況ではなかったとのことです。調査報告書は「起きるべくして起きてしまったインシデント」と総括、販売事業者側に対してもセキュリティソフトの停止を伝えず、VPNの修正ソフトも適用しないなど「事業者として責任を果たしていない」と、その問題点を強く非難しています。半田病院の「コンピュータウイルス感染事案有識者会議調査報告書」は、同病院のホームページにアップされており、誰でも閲覧し、ダウンロードすることができます1)。調査報告書の本編に加え、「調査報告書-技術編-」と「情報システムにおけるセキュリティ・コントロール・ガイドライン」も掲載されており、ホームページには、病院事業管理者である須藤 泰史氏の次のような言葉もあります。「この報告書には、我々の対応不足な点もたくさん指摘されていますが、広く日本の電子カルテシステムにおける問題も提起されています。本来なら、今後当院が電子カルテシステムをどのようにするのかの具体的な対策も提示して、皆様にご報告するべきだったと思いますが、まずはこれらを世に出して、全国の病院や事業所のセキュリティ強化に貢献できればと考え公開するものです」。同病院の事案で得られた教訓やノウハウを、全国の医療機関でも参考にしてほしいという強い気持ちが伝わってきます。全国の病院や診療所の院長は、この調査報告書の本編だけでも目を通されることをお勧めします。「一部の医療機関や警察、教育機関などを攻撃する」と「LockBit3.0」ところで、半田病院を襲ったランサムウェア「LockBit2.0」ですが、7月8日付の読売新聞の報道によれば「LockBit」は6月下旬、ダークウェブと呼ばれる闇サイトに開設しているホームページを一新。グループ名を「LockBit2.0」から「LockBit3.0」と改めたとのことです。このホームページでは一部の医療機関や警察、教育機関などを攻撃すると宣言。医療機関については、「死者が出る可能性がある」ところは避け、それ以外は、民間で収益を上げていれば攻撃対象にすると明記されているとのことです。ランサムウェアの被害多発を背景に、厚生労働省は今年3月に改定したばかりの「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第5.2版」を今年度内に再改定する予定です。また、厚生労働省の協力の下、日本医師会など医療・製薬分野の関係団体が、サイバー情報を平時から独自に収集・分析する新組織を年内にも発足させる方向で作業が進んでいるとのことです。リアルの世界だけではなく、サイバー空間においても、“ウイルス”は収まるどころかその威力をさらに増しているようです。参考1)徳島県つるぎ町立半田病院 コンピュータウイルス感染事案有識者会議調査報告書について

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テオフィリン鼻洗浄でコロナの嗅覚障害は改善するか

 気管支喘息治療薬でおなじみのテオフィリンは、細胞内のcAMP濃度を上昇させることで神経の興奮性を高める作用があり、これを利用した嗅覚の改善効果が以前より立証されている1)。また、最近の研究では生理食塩水鼻洗浄(SNI)にテオフィリンを追加することで、新型コロナウイルス感染後の嗅覚機能障害(OD:olfactory dysfunction)の効果的な治療になり得ることが示唆されている。 そこで、米国・ワシントン大学・セントルイス校のShruti Gupta氏らは新型コロナウイルス関連のODに対し、テオフィリン鼻洗浄の有効性と安全性を評価した。その結果、テオフィリン鼻洗浄の臨床的利点は決定的ではないことが示唆された。JAMA Otolaryngology-Head&Neck Surgery誌オンライン版2022年7月7日号掲載の報告。 本試験は三重盲検プラセボ対照第II相ランダム化試験で、2021年3月15日~8月31日にミズーリ州またはイリノイ州に居住し新型コロナによるODが持続する成人(コロナ感染疑いから3〜12ヵ月が経過した者)を対象に実施された。生理食塩水とテオフィリン400mgのキットを治療群用に、生理食塩水と乳糖粉末500mgのキットを対照群用として用意し、参加者はカプセル内容物を生理食塩水に溶解し、6週間にわたり朝と晩の1日2回の鼻腔洗浄を行った。 主要評価項目は治療群・対照群間で反応した人の割合の差で、CGI-I(Clinical Global Impression-Improvement)で少なくともわずかに改善を示す反応として定義した。副次評価の測定には、ペンシルベニア大学の嗅覚識別テスト(UPSIT)、嗅覚障害に関する質問、一般的な36項目の健康調査、新型コロナ関連の質問が含まれた。 主な結果は以下のとおり。・51例が研究に登録され、平均年齢±SDは46.0±13.1歳で、女性は36例(71%)。テオフィリン鼻洗浄群(n=26)とプラセボ鼻洗浄群(n=25)にランダムに割り付けられた。・参加者のうち45例が研究を完遂した。治療後、テオフィリン群13例(59%)はプラセボ群10例(43%)と比較して、CGI-Iスケール(反応した人)でわずかな改善を報告した(絶対偏差:15.6%、95%信頼区間[CI]:13.2~44.5%)。・ベースラインと6週間の嗅覚識別テストUPSITでの中央値の差は、テオフィリン群で3.0(95%CI:-1.0~7.0)、プラセボ群で0.0(95%CI:-2.0~6.0)だった。・混合モデル分析により、UPSITスコアの変化は2つの研究群間で統計学的に有意差が得られなかったことが明らかになった。・テオフィリン群の11例(50%)とプラセボ群の6例(26%)は、ベースラインから6週間までにUPSITスコアで4ポイント以上の変化があった。また、UPSITで反応した人の割合の差は、テオフィリン群で24%(95%CI:-4~52%)だった。

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コロナPCR検査等の誤判定、日本での要因は?

 新型コロナウイルス感染症の診断において、PCRをはじめとする核酸検査には高い信頼性が求められており、厚生労働省では、その測定性能や施設の能力の違いの実態把握と改善を目的として、2年にわたり「新型コロナウイルス感染症のPCR検査等にかかる精度管理調査業務」委託事業を行っている。今回、令和3年度調査結果について報告書がまとめられ、日本臨床検査薬協会(臨薬協)と日本分析機器工業会(分析工)がメディア勉強会を開催。同調査を実施、報告をとりまとめた宮地 勇人氏(新渡戸文化短期大学 副学長)が講演した。<外部精度管理調査の概要>実施期間:2021年11月7~25日参加施設(1,191施設):病院74.1%、衛生検査所14.7%、診療所3.8%、保健所3.1%、地方衛生研究所2.0%、検疫所1.6%など(自費検査の実施は、診療所 [93.3%]および臨時衛生検査所[80%]で多く、陰性証明書の発行を行っている施設は診療所[88.9%]で多い傾向がみられた。測定原理はリアルタイム PCR 法 が73.9%と最も多く、その他LAMP法、SmartAmp法などさまざまな等温核酸増幅法が用いられていた。プール法の実施施設は6.4%だった)。評価方法:陰性を含む濃度の異なる6試料について正答率を評価し、施設カテゴリーや測定法(機器・試薬およびその組み合わせで10施設以上で実施されていた21パターン)ごとに解析、誤判定要因の特定を行った。PCR等の偽陰性は医療機関で多い傾向、要因として挙がったのは 全体として、試料別にみた正答率は93.0~99.4%と総じて良好だったが、98施設(延べ139検体)で誤判定(偽陽性・偽陰性)があり、主に医療機関(病院・診療所)であった。試料別正答率を施設カテゴリー別にみると、地方衛生研究所や検疫所(100%)、保健所(96.7~100%)で高かったのに対し、病院(91.9~99.7%)や診療所(83.3~100%)で低かった。とくに診療所では、PCR検査等の偽陰性結果が比較的多くみられた。 偽陰性結果について詳細をみると、測定機器に依存する傾向がみられ、SmartGene(19施設)、TRCReady(26施設)、ミュータスワコーg1(19施設)使用施設に多く認められた(計64施設)。その他の要因を検討するため、上記測定機器を使用していた64施設を除く34施設で特性をみると、測定者に臨床検査技師や認定微生物検査技師等の認定資格なしの施設の割合が高く、導入時の性能評価未実施の施設の割合が高かった。 さらに34施設に対して誤判定要因についてヒアリング調査を行ったところ、「検出限界の未確認・再現性不良の可能性」といった試薬・機器に依存するものが22施設と最も多かった一方、測定前後の作業手順等に関わる下記5点も要因となっていることが明らかになった。・試料の取り違い(5施設15件)・陽性/陰性の判定指標の不適切さの可能性(3施設4件)・キャリーオーバー汚染(2施設2件)・測定試薬の管理の不適切さの可能性(1施設2件)・判定結果の転記ミスの可能性(1施設1件) 上記のうちとくに試料の取り違いについて、宮地氏は「1つの取り違いで必ず複数の誤判定が生じてしまう。今回の調査のように、事前に準備をしている状況でも起きているということは、大量検体が舞い込むような状況下ではさらに誤判定リスクが増していると懸念される」と指摘した。 そのほか今回の調査では、輸送培地に含まれる塩酸グアニジンが偽陰性リスクにつながりうることが示された。検査の拡大により、輸送培地として塩酸グアニジン溶液を含有して感染リスクを最小化した製品(SARS-CoV-2不活化試薬、PCRメディアSG、輸送用スワブキットなど)が使用されるようになっており、塩酸グアニジンが残存しているとPCR反応阻害による偽陰性リスクがあるため、使用している核酸抽出法がその影響を除外することを確認する必要がある。コロナ誤判定にスワブの種類は日本では影響なし スワブの素材により、ウイルス回収量が異なるということが世界的に指摘されている。今回の調査では、ウイルス回収量が最も高く臨床的感度が高いと報告されているナイロン製をはじめ、ポリアミド製、ポリウレタン製、ポリエステル製などの多様な素材の綿球が使用されていたが、明らかな差は認められなかった。宮地氏はこの結果から、「日本で一般的に使われているものは広く支障なく使えることが明らかになった。サプライ停滞時には、代替製品を使うことが可能」とした。 プール法の精度については、54施設を対象に3試料(5プール)の外部精度管理調査が実施された。正答率は94.4~100%と総じて良好で、誤判定があった施設は3施設であった。プールの個別試料の正答率は96.1~100%と総じて良好で、誤判定があった施設は3施設であった。計6施設で誤判定があり、その施設カテゴリーとしては病院等が多く、要因としては、・測定性能の確保(検出限界、再現性)・作業手順(検体の取り違い)・測定システム(ダイレクトPCRの使用)のほか、上述の6試料についての外部精度管理調査での誤判定ありの施設と、プール法での誤判定ありの施設に重複がみられた。 厚労省では、令和2年度調査の結果を踏まえて「新型コロナウイルス感染症のPCR検査等における精度管理マニュアル」を公開しているが、今回の調査で同マニュアルを利用していると答えた施設は39.2%と低く、とくに病院(32.6%)、診療所(28.9%)で低かった。マニュアルは今回の調査結果も反映して改訂されており、誤判定要因とその対策についてもまとめられている。

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1回の接種で効果が期待できる新型コロナワクチン「ジェコビデン筋注」【下平博士のDIノート】第102回

1回の接種で効果が期待できる新型コロナワクチン「ジェコビデン筋注」今回は、「新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン(遺伝子組換えアデノウイルスベクター)(商品名:ジェコビデン筋注、製造販売元:ヤンセンファーマ)」を紹介します。本剤は、わが国で2剤目として承認されたウイルスベクターワクチンであり、1回の接種で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を予防することが期待されています。<効能・効果>本剤は、SARS-CoV-2による感染症の予防の適応で、2022年5月30日に承認されました。なお、現時点では本剤の予防効果の持続期間は確立していません。本剤の接種は18歳以上が対象です。<用法・用量>通常、1回0.5mLを筋肉内に接種します。追加免疫については、本剤の初回接種から少なくとも2ヵ月経過した後に2回目の接種を行うことができます。<安全性>主な副反応として、注射部位疼痛(57.9%)、疲労(46.1%)、頭痛(44.7%)、筋肉痛(40.4%)などが報告されています。また、重大な副反応として、ショック、アナフィラキシー、血栓症・血栓塞栓症(脳静脈血栓症・脳静脈洞血栓症、内臓静脈血栓症等)、ギラン・バレー症候群(いずれも頻度不明)が設定されています。<患者さんへの指導例>1.このワクチンを接種することで新型コロナウイルスに対する免疫ができ、新型コロナウイルス感染症の発症を予防します。2.医師による問診や検温、診察の結果から接種できるかどうかが判断されます。発熱している人などは本剤の接種を受けることができません。3.本剤の接種当日は激しい運動を避け、接種部位を清潔に保ってください。接種後は健康状態に留意し、接種部位の異常や体調の変化、高熱、痙攣など普段と違う症状がある場合には、速やかに医師の診察を受けてください。4.1回の接種で予防できるワクチンです。初回接種から2ヵ月以上経過した後に2回目の接種(追加免疫)を受けることができます。追加免疫の要否は医師により判断されます。5.本剤の接種直後または接種後に、心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神が現れることがあります。接種後一定時間は接種施設で待機し、帰宅後もすぐに医師と連絡を取れるようにしておいてください。6.ワクチン接種後に、鼻血、青あざができる、出血が止まりにくい、ふくらはぎの痛み・腫れ、手足のしびれ、鋭い胸の痛みなどが起こった場合には、血栓症の恐れがありますので、すぐに受診してください。<Shimo's eyes>本剤は、わが国で5番目の新型コロナウイルスワクチンとして承認された1回接種で予防効果が期待できるワクチンです。これまで承認されているワクチンは、mRNAワクチンであるコミナティ筋注/同5~11歳用、スパイクバックス筋注と、アデノウイルスベクターワクチンであるバキスゼブリア筋注、および組み換えスパイクタンパクを抗原としたヌバキソビッド筋注がありました。本剤はバキスゼブリア筋注に続く2剤目のウイルスベクターワクチンです。本剤は新型コロナウイルスワクチンとして初めての1回接種型です。ワクチンを1回接種した場合、中等症や重症になるリスクを、未接種群と比較して約66%低減させたと報告されています。なお、予防効果を高めるために、2ヵ月以上経過してからの追加免疫が認められています。ただし、ほかのワクチンとの交互接種についての有効性および安全性は評価されていません。1回接種は0.5mLで、本剤1バイアルには5回接種分が含まれています。特徴としては、発熱の副反応の頻度が少ないことが挙げられます。一方、「重要な基本的注意」に血小板減少を伴う血栓症(TTS)について注意喚起されています。本症の多くは接種後3週間以内に発現し、致死的転帰の症例も報告されているため、血栓塞栓症もしくは血小板減少症のリスク因子を有する者への接種には注意が必要です。なお、本剤について現時点では公費負担での接種とはならないため、接種希望者は自費での接種が想定されています。参考1)PMDA 添付文書 ジェコビデン筋注

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第121回 脳の不調が続くCOVID-19患者に高圧酸素投与が有効

高圧室で100%の酸素を吸う高圧酸素治療(HBOT;hyperbaric oxygen therapy)が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染(COVID-19)後の不調(post-COVID-19 condition)に有効なことがプラセボ対照二重盲検無作為化試験で示されました1-4)。老化と関連する認知や身体機能の衰えの治療に取り組み、人が持てる力をHBOTを頼りに最大限に引き出すことを目指す病院Aviv Clinicsが試験を手掛けました。Aviv Clinicsの本拠は米国フロリダ州で、試験はイスラエルにあるその研究所Shamir Medical Centerで実施されました。集中できない、頭がもやもやする(brain fog)、忘れっぽくなった、目当ての単語や考えを思い出すのが困難といった認知症状(cognitive symptom)がSARS-CoV-2感染後3ヵ月超続く患者73人が試験参加に同意し、その約半数の37人がHBOTを受ける群、残り36人がプラセボ群に割り振られました。試験ではドイツのHAUX社製の高圧室(Starmed-2700 chamber)が使われ、HBOT実施群は2絶対気圧(2ATA)の環境でマスクから100%の酸素を吸う所要時間90分間の治療を週に5日の頻度で合計40回受けました。プラセボ群の患者は高圧室には入るもののHBOT群のような高圧にはせずいつもの気圧(1.03 ATA)で普段の酸素濃度(21%)の空気を吸いました。40回が済んでから1~3週間後に検査したところ、HBOT群の方がプラセボ群に比べて認知機能全般、注意、遂行機能がより改善していました。活力(energy)、睡眠、うつや不安などの精神症状、嗅覚、痛み指標も改善しました。それら体調の改善はMRIで調べた脳血流の改善と関連しました。また、HBOTに伴う脳前方領域の神経新生も認められました。神経新生が認められた領域は注意、精神状態、遂行機能を担います。HBOTの安全性懸念は認められず、副作用の発現率にプラセボ治療との有意差はありませんでした。副作用のせいで治療を止めた患者はいませんでした。研究者は今後取り組むべき課題を幾つか挙げています。1つはより大規模な試験を実施してHBOTが最も有効な患者特徴を割り出すことです。また、今回の試験の治療回数は40回でしたが、それが果たして最適な回数かどうかは不明であり、今後調べる必要があります。それに、今回の試験での効果は治療を終えてから1~3週間後のものであり、より長期の経過を調べなくてはなりません。なお今回の試験で使われたプロトコールや手順はAviv Clinicsや試験実施研究所Shamir Medical Centerから入手可能です2)。参考1)Zilberman-Itskovich S,et al. Sci Rep. 2022 Jul 12;12:11252.2)Effective treatment is now available for millions suffering with long COVID symptoms / GLOBE NEWSWIRE3)High-pressure oxygen treatment may help long COVID / Reuters4)Better brain function, fewer long-COVID symptoms after hyperbaric oxygen / University of Minnesota

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高齢者の4回目接種、オミクロン株への有効性は?/BMJ

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するmRNAワクチン(BNT162b2[ファイザー製]、mRNA-1273[モデルナ製])の4回接種は、3回接種と比較し、オミクロン変異株流行中の長期療養施設の60歳以上の入居者において、SARS-CoV-2オミクロン変異株の感染(症状の有無を問わないRT-PCR検査陽性)、症候性感染および重篤なアウトカム(入院または死亡)の予防を改善することが、カナダ・オンタリオ州公衆衛生局のRamandip Grewal氏らによる検討で示された。また、4回目接種者はワクチン未接種者と比較し、重篤なアウトカムへの予防効果は高いことも示された。ただし、保護効果の持続期間は不明であった。これまでに、イスラエルにおける60歳以上を対象としたリアルワールドの有効性試験では、BNT162b2の4回目接種者は3回目接種者(4ヵ月以上前に接種)と比較して、オミクロン変異株への感染およびCOVID-19重症化がかなり予防できることが示唆されていた。BMJ誌2022年7月6日号掲載の報告。カナダ介護施設60歳以上の入居者約6万人について解析 研究グループは、カナダ・オンタリオ州の長期療養施設626ヵ所において、2021年12月30日~2022年4月27日の期間にSARS-CoV-2のRT-PCR検査を1回以上受け適格基準を満たした、60歳以上の入居者6万1,344例を対象に、検査陰性デザインによる症例対照研究を行った。1週間に少なくとも1回陽性となった入居者を症例とし、同じ週の検査がすべて陰性であった入居者を対照とした。 主要評価項目は、RT-PCR検査で確認されたSARS-CoV-2オミクロン変異株の感染、入院または死亡。 多変量ロジスティック回帰法を用いて、年齢、性別、地域、併存疾患、検査実施週、90日以上前のSARS-CoV-2陽性歴等で補正し、限界有効性(4回接種vs.3回接種)ならびにワクチン有効性(2回、3回および4回接種vs.未接種)を推定した。4回目接種は、3回目接種よりオミクロン株感染予防をやや改善 SARS-CoV-2オミクロン変異株の感染陽性者は1万3,654例、陰性対照者は20万5,862例であった。 ワクチン接種後7日以上を経過した4回目接種(95%がmRNA-1273を接種)の、84日以上経過した3回目接種に対する限界有効性は、症状の有無を問わない感染に関して19%(95%信頼区間[CI]:12~26)、症候性感染が31%(20~41)、重篤なアウトカムに関して40%(24~52)であった。 ワクチン接種者の未接種者に対するワクチン有効性は、追加接種ごとに増加し、4回目接種では、症状の有無を問わない感染に関して49%(95%CI:43~54)、症候性感染が69%(95%CI:61~76)、重篤なアウトカムに関しては86%(81~90)であった。

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生後6ヵ月~4歳へのコロナワクチン、国内製造販売承認を申請/ファイザー

 ファイザーは7月14日付のプレスリリースで、生後6ヵ月~4歳の小児に対する同社の新型コロナウイルスワクチン(一般名:コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン[SARS-CoV-2]、商品名:コミナティ筋注)の製造販売承認を、厚生労働省に申請したことを発表した。 国内では、同社製の5~11歳に対する新型コロナワクチンが、2022年1月21日より承認されている。 なお米国では、6月17日に、生後6ヵ月以上に対する同社製のワクチンについて、米国食品医薬品局(FDA)が緊急使用許可(EUA)したことを発表している。

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第2回 第7波到来―アフターコロナの女神は微笑まない?

6月12日に当院の新型コロナ病床はゼロ床になりました(写真)。軽症中等症病床を担当していますが、これまで1,000人以上のCOVID-19を診療してきました。ほとんどが回復して元気に退院してくれましたが、この病棟の中で亡くなった人も少なくありません。ゼロ床になったとき、「このままアフターコロナを迎えるのかもしれない」という、そんな淡い期待がありました。しかし、そうは問屋が卸さなかった。写真. いったん閉鎖した新型コロナ病棟(国立病院機構近畿中央呼吸器センター、6月12日)期待は必ず裏切られる厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードは6月30日、全国の直近1週間の10万人当たりの新規感染者数が約92人へ増加し、今週先週比は1.17になったことを報告しました1)。また、若者だけでなく、すべての年代で微増となっていることもわかっています。また、6月第5週に、保健所の知り合いからこんな連絡が来ました。「陽性者もじわじわ増えているけど、入院依頼も多そう。近々、そちらにも依頼が行くと思います」と。とはいえ、「増えても1人か2人程度だろう」と予想していましたが、6月第5週の1週間でなんと7人の入院依頼がありました。7月に入り、景色が少しずつ変わってきました。東京都のオミクロン株BA.5の割合は7月7日時点で33.4%に到達しました2)。入院要請数も増えてきて、高齢者だけでなく中高年層の入院も増えてきました。増加比は高く、東京都は4週間後の8月3日には新規感染者数が5万人以上と、第6波を超える可能性があるとしています。アフターコロナの女神は微笑んでくれず、かくも期待は裏切られました。コロナ禍では「こうだといいな」ということとは、たいてい逆のほうに物事が運ぶことが多いです。“Anything that can go wrong will go wrong.”というのはマーフィーの法則の基本理念。人類を、よくもまぁここまで翻弄してくれるな、と思わざるを得ません。オミクロン株の肺炎例は少ない関西では第4波のアルファ株、関東では第5波のアルファ株の下気道親和性が高く、肺炎の罹患率も相当高かったものの、オミクロン株以降では肺炎の頻度は極端に少なくなりました。酸素投与が必要な中等症IIは今のところいません。オミクロン株になってウイルスそのものが弱毒化していることと、ワクチン接種が進んだことの、両方の恩恵を受けていると考えられます。4回目のワクチン接種は重症化予防が主たる目的ですが、毎日COVID-19患者さんと接触機会がある医療従事者は全国にたくさんいます。重症化リスク因子がなくても重症化してしまう事例もありますので、廃棄されているワクチンがあるのなら、医療従事者を接種対象に含めてもよいのではと思います。このまま7月下旬にはBA.5に置き換わる予定です。BA.2との違いは、BA.5はスパイクタンパク質に69/70欠失、L452R、F486V変異を有していることです。しかし、現時点で既存のオミクロン株と比べて、重症度が増すというエビデンスはありません。ただし先日、東京大学医科学研究所から、BA.5は肺で増殖しやすく、BA.2と比較して肺炎が多いというデータが提示されています3)。これが本当ならば、「ただの風邪だから大丈夫だろう」となめてかかるとまずいことになります。「感染者数は多いが、肺炎はそこまで多くない」という状況がダラダラ続くのであれば、医療逼迫はそこまで起こらないかもしれません。しかし、過去最大の死者数を出したのは、直近の第6波です。決して油断できないと考えております。参考文献・参考サイト1)第89回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(2022年6月30日)2)(第92回)東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議(2022年7月7日)3)Kimura I, et al. Virological characteristics of the novel SARS-CoV-2 Omicron variants including BA.2.12.1, BA.4 and BA.5. bioRxiv. 2022 May 26.

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5~11歳へのコロナワクチン、43~84日後の感染予防効果は21.2%/Lancet

 イタリアの5~11歳児への新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン「BNT162b2」(ファイザー製)の有効性は、12歳以上と比べて新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染およびCOVID-19重症化について、いずれも低いことが示された。また、感染への有効性は2回接種後最大となるが、その後は低下する。イタリア・Istituto Superiore di SanitaのChiara Sacco氏らが行った、5~11歳児対象の試験では最大規模かつ米国外では初めてとなる検討で、2022年1月~4月に2回接種を受けた106万超のデータを後ろ向きに解析した。イタリアでは、ファイザー製ワクチンの承認から4ヵ月超(2022年4月13日時点)で5~11歳児の接種率は40%弱であったという。研究グループは、今後のワクチン接種方針と戦略を定義し公衆衛生担当部局に通知するために、オミクロン変異株(B.1.1.529)流行中における5~11歳児へのワクチン接種の有効性を推定する検討を行った。Lancet誌2022年6月30日号掲載の報告。対SARS-CoV-2感染と対COVID-19入院・死亡への有効性を評価 研究グループは、イタリアの全国COVID-19サーベイランス・システムと全国ワクチン登録名簿をリンクして、SARS-CoV-2感染と重症COVID-19(入院または死亡)に対するBNT162b2ワクチンの有効性を評価する、後ろ向き集団解析を行った。 適格としたのは、SARS-CoV-2感染歴のない同国5~11歳児で、2022年1月17日~4月13日に追跡した。ワクチン接種データに一貫性がなく、試験開始前にSARS-CoV-2感染が診断された児、居住地に関する情報がない児は、解析から除外した。 ワクチン未接種の児を参照群とし、ワクチンの部分接種(1回接種)および完全接種(2回接種)の有効性を推算した。感染予防効果、2回接種後0~14日で38.7%と最大も、43~84日後には21.2%に低下 2022年4月13日の時点で、2回接種を受けていたのは、試験に組み込まれた5~11歳児296万5,918人中106万3,035人(35.8%)であった。1回接種は13万4,386人(4.5%)、未接種は176万8,497人(59.6%)だった。 試験期間中に報告されたSARS-CoV-2感染は76万6,756例、重症COVID-19は644例(うち入院627例、IUC入室15例、死亡2例)だった。 全体的に、ワクチン2回接種の有効率は、対SARS-CoV-2感染が29.4%(95%信頼区間[CI]:28.5~30.2)、対重症COVID-19は41.1%(22.2~55.4)だった。ワクチン1回接種の有効率は、それぞれ27.4%(26.4~28.4)、38.1%(20.9~51.5)だった。 対SARS-CoV-2感染のワクチン有効性は、2回接種後0~14日で38.7%(95%CI:37.7~39.7)と最大化し、43~84日後には21.2%(同:19.7~22.7)へと低下した。著者は、「現行のプライマリワクチンサイクル(2回接種)の完遂後に、感染への有効性は低下すると思われる」と述べている。

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5製品の特徴を整理、コロナワクチンに関する提言(第5版)公開/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:四柳 宏氏[東京大学医科学研究所附属病院長])は、7月8日に同学会のホームページで「COVID-19ワクチンに関する提言(第5版)」を公開した。 今回の提言では、第4版(2021年12月16日公開)と比較して構成を大幅に変更し、COVID-19ワクチンの種類ごとに記載。現在判明している各ワクチンの作用機序、有効性、安全性を記すとともに特定状況での接種として「妊婦」「免疫不全者」「COVID-19罹患者」の3区分を記載した。また、最後に「COVID-19ワクチンの開発状況と今後の展望」として、わが国を含む主要国での開発状況を記すとともに、引用文献も125本に増えている。 提言を作成したワクチン委員会・COVID-19ワクチン・タスクフォースでは「COVID-19の終息に向けて欠かすことのできないCOVID-19ワクチンが正しく理解され、広く普及してゆくことを願う」と期待をにじませている。第5版の主な改訂点【mRNAワクチン】・作用機序を加筆・4回接種の有効性を追加(主にイスラエルの知見を追加)・5~11歳への接種の有効性を追加(主にアメリカの知見を追加)・4回接種の安全性を追加(主にイスラエルの知見を追加)・5~11歳への接種の安全性を追加(主にアメリカおよびわが国[22年5月15日時点]の知見を追加)【ウイルスベクターワクチン】・アストラゼネカのバキスゼブリアの有効性(主にイギリスの知見)、安全性(主デンマークおよびノルウェーでの知見)を追加・ヤンセンファーマのジェコビデンの有効性(主にわが国での知見)、安全性(主にアメリカでの知見)を追加【組換えタンパク質ワクチン】・ノババックスのヌバキソビッドの作用機序、有効性、安全性を追加(主にアメリカおよびメキシコでの知見を追加)【特定状況での接種】・「妊婦」につき、わが国のレジストリ解析からワクチンの有効性を追加。また、胎児への影響についても追加・「免疫不全者」につき、効果と追加接種に関する記載を追加。また、リツキシマブの投与の注意も追加・「COVID-19罹患者」につき、long COVID(いわゆる後遺症)の記載を追加【ワクチンの開発状況と今後の展望】・主要先進国ならびにわが国での開発状況を追加

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サル痘疑い患者にはN95マスク、手袋、ガウン、眼の防護/国立感染症研究所・国立国際医療研究センター

 国立感染症研究所と国立国際医療研究センター国際感染症センターは、連名で「サル痘患者とサル痘疑い例への感染予防策」を2022年6月15日に発表し、今回その内容を改正し、7月8日に同研究所のホームぺージに公開した。全世界でサル痘の感染拡大が懸念される中、診療にあたる医療者が注意すべきポイントについて本対策ではコンパクトに記している。サル痘の感染経路 サル痘は接触感染や飛沫感染を起こすが、日常生活の中で空気感染を起こすことは確認されていない。ただし、空気感染を起こすと考えられている麻しんや水痘との臨床的な鑑別が困難であるため、発熱と発疹がありそれらの感染症が否定できない間は、サル痘疑いの患者には空気予防策の実施が求められる。サル痘の診療時の態勢と装備 医療従事者がサル痘確定患者に接する場合(検体採取時含む)は、患者を換気良好な部屋に収容し、N95マスク、手袋、ガウン、眼の防護具を着用する(患者のリネン類を扱う者や清掃担当者も同様)。 患者が使用したリネン類は、診断が確定するまでなるべく触れずに管理し、診断が確定してから適切な処理を行う。サル痘が確定したら、リネン類は、前述の個人防護具を着用して自身の粘膜に触れないように運搬し、通常の洗剤を用い常温で洗濯を行う(WHOなどは温水を推奨)。手指衛生を頻回に行い、とくにリネン類を扱った後は必ず手指衛生(流水と石鹸による手洗い、または擦式アルコール性手指消毒薬での消毒)を行う。 患者が滞在する、または滞在した環境は通常に清掃を行い、その後消毒(エンベロープウイルスに対して強い消毒効果を発揮する薬剤[消毒用エタノールなど])を行う。廃棄物は感染性廃棄物として扱う。 サル痘疑い例やサル痘患者は、可能な限りサージカルマスクを着用し、水疱を含む皮膚病変はガーゼなどで被覆する。家庭内などでのサル痘の感染対策はどうする サル痘疑い例やサル痘患者は、自宅などの滞在場所では、以下に留意する。・患者は同居人と肌や顔を接しないようにし、リネン類の共有を避ける。・患者が使用したリネン類は、病変や体液からの感染性粒子が飛散する可能性があるため、不用意に振り回したりせず、静かにビニール袋などに入れて運搬し、洗濯機に入れる。洗濯した後は再利用可能である。・ベッド、トイレ、患者が接触した場所(家具や床など)は、使い捨て手袋を着用して清掃し、その後消毒薬で清拭する。清掃や消毒後は手指衛生を行う。・患者が使用した食器や調理器具は、石鹸や洗剤などで洗った後に再利用可能である。・常に十分な換気を行うよう配慮する。 すべての皮疹が痂皮となり、すべての痂皮が剥がれ落ちて無くなるまで(おおむね21日間程度)は上記の感染対策を継続する。

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第120回 断食でCOVID-19重症化予防? / 音の鎮痛効果の仕組み

定期的な断食の習慣は健康に良いという報告がいくつかあり、たとえば心疾患や2型糖尿病を生じ難くなることやより長生きになることとの関連が示されています。断食の習慣が担いうる効能はどうやらまだ出尽くしてはおらず、米国ユタ州での試験で新型コロナウイルス感染(COVID-19)重症化を防ぐ効果が示唆されました1,2)。毎月最初の日曜日に2食続けて抜く断食(Intermittent fasting)をすることがユタ州の住民の大半(6割超)を占める末日聖徒イエス・キリスト教会教徒の典型的な習慣として知られています。試験ではそのユタ州の医療法人Intermountain HealthcareのCOVID-19患者201人が調べられ、断食の習慣がある人はない人に比べてCOVID-19による入院や死亡をより免れていました。COVID-19入院/死亡率は断食をしていた71人では11%、そうでない人では約28%でした(ハザード比:0.61、95%信頼区間:0.42~0.90)。断食の習慣とCOVID-19の経過が良好なことを関連付ける仕組みは今後調べる必要がありますが、考えられる仕組みが幾つかあります。断食をするとリノール酸を含む脂肪酸が体内で増えることが知られています。リノール酸は新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のスパイクタンパク質にきつく結合し、細胞受容体ACE2への親和性を低下させます。断食で増えたリノール酸はそのようにしてSARS-CoV-2感染細胞や細胞内SARS-CoV-2粒子を減らしてCOVID-19重症化を予防するのかもしれません。断食で増える多機能なタンパク質・ガレクチン3がSARS-CoV-2感染抑制に一役買っている可能性もあります。ガレクチン3は数多くの病原体に結合することができ、自然免疫を活性化し、抗ウイルスタンパク質遺伝子の発現を増やし、ウイルス複製を阻害することなどが知られています。また、COVID-19経過不良と関連する糖尿病や冠動脈疾患などの持病が断食で生じ難くなることでCOVID-19重症化が間接的に抑制されている可能性もあります。時々の断食はCOVID-19ワクチンの代役とはなりえませんが、ワクチン接種を補完してCOVID-19重症化を減らす予防や治療の役割を担えるかもしれません。全世界の誰もが数ヵ月に1回のCOVID-19ワクチン接種をいつまでも続けることはおよそ現実的ではなく1)、接種が行き届いていない国は多く存在します。COVID-19流行の目下やこれからの世界での断食のワクチン補完の役割はCOVID-19後遺症への効果も含めて更なる検討の価値があると著者は結論しています。音の鎮痛効果の仕組み約60年前の1960年、歯科処置中に音楽を流すことで患者の痛みが和らぐことを示した報告がScienceに掲載されました3)。難儀な処置を亜酸化窒素や局所麻酔なしでやりおおせた患者もいたほどの効果がありました。以降、モーツァルトの古典音楽やら現代のミュージシャン・マイケル ボルトンの歌やらさまざまな音の鎮痛効果が検討され、実際に効果も認められました。たとえば8年ほど前の2014年の報告ではそのモーツァルトやマイケル ボルトン等の好きな音楽を聴いているときの線維筋痛症患者の痛みが減ることが示されています4)。米国NIHの神経生物学者Yuanyuan Liu氏等が率いるチームがScienceに発表した最新のマウス研究成果によると、そういった音の鎮痛効果はどうやら脳の特定の神経回路を抑制することでもたらされるようです5)。研究でマウスには少なくとも人には心地よいバッハの交響曲Rejouissance(歓喜)を毎日20分聴かせました6)。曲の音の強さは50~60デシベルで、曲なしでの背景音(ambient noise)は45デシベルが保たれました。マウスの足には炎症痛誘発液(complete Freund’s adjuvant;CFA)が注射され、続いて微針(von Frey filament)でその足を突いてどれだけ痛がるかが調べられました。驚いたことに、痛みを緩和する音の強さは決まっているようで、曲が背景音を5デシベル上回る50デシベルのときにマウスの痛みが緩和しました。50デシベルだとマウスは足を刺激されても平気で、それより強い音だと音楽なしのときと同様により痛がりました。人にとって不快なように変化させたRejouissanceやホワイトノイズでどうかを試したところ、それらが背景音を若干上回るデシベルであればやはり痛みを和らげました。つまり音の種類や快不快ではなく強度が鎮痛の鍵を握るようです7)。そういう低強度の音の鎮痛効果を担う脳の神経回路を同定すべく色素を使って脳領域の連結を調べたところ聴覚皮質から視床への経路が見つかり、低強度の音はその経路の神経活動を低下させました。音なしでその経路を光や低分子化合物で止めると低強度の音と同様に痛みを和らげる効果があり、その経路が通るようにすれば痛みが復活しました。すなわち低強度の音は聴覚皮質から視床への神経信号を阻害することで鎮痛効果をもたらしているようです。今後の課題として、鎮痛には背景音を若干上回る低強度の音でないとどうしてだめなのかを解き明かしたいと研究者は考えています。また、音を使った痛み治療の実現に向けて人ではどうなのかも調べる必要があります。たとえばマウスに試したような低強度の音を聞いているときの視床の活動をMRIスキャンで測定する試験は実施する価値がありそうです6)。参考1)Horne BD, et al. BMJ Nutrition Prevention & Health. 2022 Jul 1.2)Study finds people who practice intermittent fasting experience less severe complications from COVID-19 / Eurekalert3)GARDNER WJ,et al. Science 1960 Jul 1;132:32-3.4)Garza-Villarreal EA,et al. Front Psychol. 2014 Feb 11;5:90. 5)Sound induces analgesia through corticothalamic circuits. Science. 2022 Jul 7.6)Soft sounds numb pain. Researchers may now know why / Science7)Researchers discover how sound reduces pain in mice / NIH

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ノババックスワクチンに心筋炎・心膜炎の注意喚起/使用上の注意改訂指示

 厚生労働省は7月8日、新型コロナウイルスに対するノババックス製新型コロナウイルスワクチン「組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン」(商品名:ヌバキソビッド筋注)について、使用上の注意に「重要な基本的注意」の項目を新設し、心筋炎・心膜炎に関して追記するよう改訂指示を発出した。 今回の改訂指示は、第81回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第6回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(2022年7月8日開催)における審議結果などを踏まえたものとなる。 ワクチンの添付文書における改訂(新設)は以下のとおり。8. 重要な基本的注意心筋炎、心膜炎が報告されているため、被接種者又はその保護者に対しては、心筋炎、心膜炎が疑われる症状(胸痛、動悸、むくみ、呼吸困難、頻呼吸等)が認められた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。

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第108回 大規模通信障害を受け、医療機関に代替手段確保を呼び掛け/厚労省

<先週の動き>1.大規模通信障害を受け、医療機関に代替手段確保を呼び掛け/厚労省2.コロナワクチン支援事業、期限を9月まで延長/厚労省3.テクノロジーの活用で、介護の生産性の向上あるか検証へ/厚労省4.診療報酬改定に加え、インフレが病院経営に直撃か/福祉医療機構5.電子処方箋発行にHPKIカードが必須、医薬関係者は早期取得を/厚労省1.大規模通信障害を受け、医療機関に代替手段確保を呼び掛け/厚労省2日に発生したKDDIの大規模な通信障害が長期化し、復旧まで3日ほどかかったことから、厚生労働省医政局は4日、全国の自治体ならびに医療機関に向けて、通信障害が発生した場合でも、診療などに影響が生じることがないよう平時から体制を整備していく必要性を呼び掛けた。医療施設における休日夜間の診療体制を維持するため、職員との連絡手段を確保すること患者からの電話を受信できるよう複数の通信手段を確保し、受信可能な電話番号をホームページに掲載するなどの体制を整備すること在宅医療や訪問看護などを実施している医療施設等において、当該医療施設等が利用している連絡手段が使用できない場合は、固定電話等の代替的な連絡先を患者等に伝えること特にリスクの高い在宅患者等について、患者等との連絡がとれない場合には、別の連絡手段を確保することや、頻回な訪問等による安否確認を行うこと以上を参考に、通信障害が発生した場合であっても診療を継続できるよう周知を求めている。(参考)通信障害時にも診療継続が可能となるよう、在宅患者への「代替的な連絡先」提示などの体制を確保せよ―厚労省(Gem Med)通信障害発生時における通信手段の確保について(厚労省)2.コロナワクチン支援事業、期限を9月まで延長/厚労省厚労省は6日、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業の期限を7月末までから9月末まで延長することを各都道府県に通知した。延長されたのは、「時間外・休日のワクチン接種会場への医療従事者派遣事業」「新型コロナウイルスワクチン接種体制支援事業」。病院への支援として、1日50回以上ワクチン接種を行った場合、1日当たり10万円が交付される。また、1日50回以上の接種を週1日以上達成する週が4週間以上ある場合、追加で医師1人1時間当たり7,550円などが交付される(集団接種会場への医療従事者派遣と同額)。診療所への支援としては、期間中に週100回以上の接種を4週間以上行った場合、達成した週における接種1回当たり2,000円を、同様に150回以上を4週間以上行った場合は1回当たり3,000円を交付する。この要件を満たさずとも、1日50回以上の接種を行った場合には、1日当たり定額で10万円が交付される。(参考)コロナワクチン接種推進に向けた補助(緊急包括支援事業)、期限を「9月」まで延長—厚労省(Gem Med)医療機関のワクチン接種、財政支援の期間延長 9月末まで、10月以降は今後判断(CB news)令和4年度新型コロナウイルス感染症緊急包括支援事業(医療分)の実施に当たっての取扱いについて(厚労省)3.テクノロジーの活用で、介護の生産性の向上あるか検証へ/厚労省厚労省は、持ち回り開催の社会保障審議会介護給付費分科会において、テクノロジーの活用により介護サービスの質の向上および業務効率化を推進していく観点から、実証研究の結果なども踏まえ、見直しを行うことを明らかにした。具体的には、見守り機器等を活用した夜間見守り、介護ロボットの活用などを実際に実証事業から得られたデータの分析を行い、次期介護報酬改定の検討に向けた、エビデンスの収集を行う。これらのテクノロジーの導入によって、ケアの質が適切に確保されているかどうか、介護職員の働き方や職場環境がどう改善したかなどについて10月以降に事後検討を行う。(参考)テクノロジー活用等による生産性向上の取組に係る効果検証について(厚労省)見守り機器活用など4つのテーマで効果実証へ 次期介護報酬改定の検討材料に、厚労省(CB news)4.診療報酬改定に加え、インフレが病院経営に直撃か/福祉医療機構福祉医療機構が2022年6月に行った病院経営動向調査の結果によると、一般病院における医業収益のDI(増加病院と減少病院の割合の差:%ポイント)は、前回調査から15%ポイント低下した。一方、医業費用のDIは前回調査から15%ポイント上昇、人件費増減のDIは前回調査から10%ポイント上昇しているなど、医療機関が診療報酬改定の影響だけでなく、物価高の影響を受けていることが明らかとなった。医療機関にとっては、電気代、水道代に加え、病院食の材料費の値上げが続いており、経営に対する影響が強まっていると考えられる。(参考)病院経営動向調査の概要(福祉医療機構)一般病院の医業収益、診療報酬改定で減収病院が多数に 福祉医療機構調査、改定直前の見込み下回るも費用増(CB news)コスト圧縮限界、病院給食明らかに赤字 物価高騰が委託先も直撃(同)5.電子処方箋発行にHPKIカードが必須、医薬関係者は早期取得を/厚労省厚労省は、ホームページに電子処方箋の概要案内を掲載した。電子処方箋の導入は2023年1月からで、複数の医療機関や薬局で直近に処方・調剤された情報の参照、それらを活用した重複投薬チェックなどができるようになる。患者はマイナンバーカードがなくとも、従来の健康保険証を利用して電子処方箋の発行を受けられるが、医療機関が発行するためには、医療機関において顔認証付きカードリーダーの準備が必要(オンライン資格確認の仕組みを活用するため)であり、日本医師会 電子認証センターでHPKIカードの発行手続きが必要となる。このため厚労省は、HPKIカードの早期取得を医師や薬剤師に働きかけると共に、医療機関側にオンライン資格確認のために顔認証付きカードリーダーの補助金を活用して整備を求めていく。なお、HPKIカードの申請には、申請書と住民票、身分証のコピー(運転免許証、マイナンバーカード)、医師・薬剤師免許のコピー、顔写真が必要だ。(参考)電子処方箋 概要案内【病院・診療所】(厚労省)オンライン資格確認導入に向けた準備作業の手引き(同)医師資格証(HPKIカード)新規お申込み(日本医師会 電子認証センター)電子処方箋導入補助金、1施設当たり7.7万-162.2万円 厚労省、HPKIの早期取得・オンライン資格確認導入促す(CB news)

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