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アルツハイマー病のアジテーションに対するブレクスピプラゾールの有用性〜メタ解析

 最近のランダム化比較試験(RCT)において、アルツハイマー病患者の行動障害(アジテーション)のマネジメントに対するブレクスピプラゾールの有用性が示唆されている。しかし、その有効性および安全性は、まだ明らかとなっていない。ブラジル・Federal University of CearaのGabriel Marinheiro氏らは、アジテーションを有するアルツハイマー病患者を対象にブレクスピプラゾールとプラセボを比較したRCTのメタ解析を実施した。Neurological Sciences誌オンライン版2024年5月20日号の報告。 アジテーションを有するアルツハイマー病患者を対象にブレクスピプラゾールとプラセボを比較したRCTを、PubMed、Embase、Cochrane Libraryよりシステマティックに検索し、メタ解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・3件(1,048例)の研究をメタ解析に含めた。・アジテーションを有するアルツハイマー病患者に対するブレクスピプラゾール治療は、12週間にわたり、いずれの用量(MD:−3.05、95%信頼区間[CI]:−5.12〜−0.98、p<0.01、I2=19%)および2mg(MD:−4.36、95%CI:−7.02〜−1.70、p<0.01、I2=0%)においても、コーエンマンスフィールド行動異常評価尺度(Cohen-Mansfield Agitation Inventory)総スコアの有意な改善を示した。・同様に、アジテーションに関連する臨床全般印象度-重症度(CGI-S)スコアにおいても、ベネフィットが認められた(MD:−0.20、95%CI:−0.36〜−0.05、p<0.01、I2=35%)。・治療中に発生した少なくとも1つの有害事象の発生率(RR:1.14、95%CI:0.95〜1.37、p=0.16、I2=45%)および全死亡率(RR:1.99、95%CI:0.37〜10.84、p=0.42、I2=0%)は、両群間で有意な差は認められなかった。・ブレクスピプラゾール治療により、いずれの用量においても、シンプソンアンガス評価尺度(Simpson-Angus Scale)の有意な増加が認められた(MD:0.47、95%CI:0.28〜0.66、p<0.01)。 著者らは、「アルツハイマー病患者のアジテーション治療において、ブレクスピプラゾールの有用性が示唆された。ブレクスピプラゾールの長期的な効果を確認するためには、さらなる研究が求められる」としている。

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くも膜下出血の発症リスクが上がる/下がる薬は?

 オランダ・ユトレヒト大学医療センターのJos P. Kanning氏らは、動脈瘤によるくも膜下出血(aSAH:aneurysmal subarachnoid hemorrhage)の発症リスクを下げるとされる処方薬として、5剤(リシノプリル[商品名:ロンゲスほか]、アムロジピン[同:アムロジンほか]、シンバスタチン[同:リポバスほか]、メトホルミン[同:メトグルコほか]、タムスロシン[同:ハルナールほか])を明らかにした。一方で、aSAHの発症に関連している可能性がある薬剤についても示唆した。Neurology誌オンライン版2024年6月25日号掲載の報告。 研究者らは、処方薬とaSAH発症リスクとの関連性を体系的に調査するため、drug-wide association study(DWAS)を実施。Secure Anonymised Information Linkage(SAIL)データバンクの1982年1月1日以前に生まれた患者を研究対象とし、ICD-9およびICD-10を用いて2000~20年までの全aSAH症例を抽出した。さらに、各症例を年齢、性別で9つの対照群と無作為にマッチングさせ、さらに症例と対照の観察期間を比較できるようデータベースへの登録年を基にマッチングさせた。本研究集団の2%超に処方された薬剤を調査し、インデックス日(aSAH発生)前で、処方に関連する曝露期間を重複しないように3つ定義付けした(現在:インデックス日から3ヵ月以内、最近:インデックス日から3〜12ヵ月、過去:インデックス日から12ヵ月より前)。また、年齢、性別のほか、交絡因子の調整のためaSAHと薬物曝露に関連するであろう変数として、既知のaSAHリスク因子(喫煙状況、高血圧の有無、飲酒、BMI)についてコントロールし、インデックス日以前の1年間のヘルスケアの利用(かかりつけ医への来院数など)も評価した。 主な結果は以下のとおり。・aSAH群4,879例(平均年齢±SD:61.4±15.4歳、女性:61.2%)と対照群4万3,911例を照合した。・aSAH症例群は対照群よりもかかりつけ医の受診回数が多く(平均受診回数:23回vs.19回)、インデックス日以前の喫煙率(37% vs.21%)や高血圧症の既往(42% vs.37%)も高かった。・本研究中に特定された2,023種類の薬剤のうち、205種類(10.1%)が共通して処方されていた。・二項ロジスティック回帰分析でボンフェローニ補正を用いたところ、現在服用中でaSAH発症リスクが低下した薬剤は、リシノプリル(オッズ比[OR]:0.63、95%信頼区間[CI]:0.44~0.90)、アムロジピン(OR:0.82、95%CI:0.65~1.04)であった。ただし、両者とも服用が「最近」の場合には、aSAH発症リスクが上昇(リシノプリルのOR:1.30[95%CI:0.61~2.78]、アムロジピンのOR:1.61[95%CI:1.04~2.48])し、リシノプリルとアムロジピンで同様の傾向が見られた。・シンバスタチン(OR:0.78、95%CI:0.64~0.96)、メトホルミン(OR:0.58、95%CI:0.43~0.78)、タムスロシン(OR:0.55、95%CI:0.32~0.93)を現在服用中の場合でも、aSAH発症リスクの低下が認められた。・対照的に、ワルファリン(商品名:ワーファリンほか、OR:1.35、95%CI:1.02~1.79)、ベンラファキシン(同:イフェクサー、OR:1.67、95%CI:1.01~2.75)、プロクロルペラジン(同:ノバミン、OR:2.15、95%CI:1.45~3.18)、Co-codamol*(OR:1.31、95%CI:1.10~1.56)を現在服用中の場合、aSAH発症リスクの増加が認められた。*アセトアミノフェン・コデインリン酸塩、国内未承認

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6月14日 認知症予防の日【今日は何の日?】

【6月14日 認知症予防の日】〔由来〕アルツハイマー病を発見したアロイス・アルツハイマー博士の誕生日から日本認知症予防学会が制定。認知症予防の大切さを啓発している。関連コンテンツ睡眠で認知症予防、良質な睡眠を誘う音楽とは?【外来で役立つ!認知症Topics】脳トレゲームで認知症を防げるか?【外来で役立つ!認知症Topics】高まる「脳ドック」ニーズ、認知症を予測できるか?【外来で役立つ!認知症Topics】日本人における果物や野菜の摂取と認知症リスク~JPHC研究中年のコーヒーや紅茶の摂取と将来の認知症リスク~HUNT研究

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年収額に満足している診療科は?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(火)に会員医師1,004人を対象に、「年収に関するアンケート」を実施した。その中で、自身の年収額を妥当だと思うかどうか尋ねたところ、「そう思う」「ややそう思う」の合計が過半数を超えておおむね満足していることが伺えたが、「まったくそう思わない」と回答した医師も10%存在した。診療科別では、満足している診療科とそうでない診療科の差が明らかとなった。年収600万円未満の満足度が高い 年収額の妥当性について、全体では「そう思う」が25%、「ややそう思う」が36%、「あまりそう思わない」が29%、「まったくそう思わない」が10%であった。年収別の「そう思う」「ややそう思う」の割合は、600~800万円が44%、800~1,000万円が46%と半数を切ったが、その後は年収が上がるとともにほぼ上昇した。なお、600万円未満の「そう思う」「ややそう思う」の割合は55%で、うち「そう思う」が31%と満足度の高さが目立った。年代が上がるほど満足度も上昇 年代別の「そう思う」「ややそう思う」の割合は、35歳以下が52%、36~45歳が58%、46~55歳が62%、56~65歳が61%、66歳以上が70%であった。なお、最も多い年収帯は、35歳以下が1,000~1,200万円、36~45歳が1,400~1,600万円、それ以降の世代では2,000~2,500万円であった。女性の満足度が下がる 男女別では、男性は「そう思う」が25%、「ややそう思う」が35%、「あまりそう思わない」が29%、「まったくそう思わない」が10%で、女性はそれぞれ21%、40%、29%、9%であった。2022年に実施した同様の調査では、男性の分布は本年とほぼ同じであった一方、女性の「そう思う」は32%で、本年は約10%低くなっていた。とくに満足度が下がっていたのは、56~65歳と66歳以上の女性であった。大学病院の満足度が低い 勤務先別の「そう思う」「ややそう思う」の割合は、一般診療所が61%、一般病院が64%であったが、大学病院は45%と低かった。病床数別では、20床未満は71%、20床以上は60%であった。診療科別の傾向は? 「そう思う」「ややそう思う」と回答した医師の割合が50%以上であった診療科は下記のとおり(30人以上の回答が得られた診療科を抜粋)。精神科:78%泌尿器科:70%消化器内科:69%呼吸器内科:69%内科:64%小児科:62%神経内科:60%糖尿病・代謝・内分泌科:56%外科:50% その他、年代ごとの男女別、病床数別、勤務先別などの詳細な年収分布については、以下のページで結果を発表している。医師の年収に関するアンケート2024【第3回】年収額の妥当性

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コーヒー・紅茶と認知症リスク、性別や血管疾患併存で違い

 コーヒーや紅茶の摂取は、認知症リスクと関連しているといわれているが、性別および血管疾患のリスク因子がどのように関連しているかは、よくわかっていない。台湾・国立台湾大学のKuan-Chu Hou氏らは、コーヒーや紅茶の摂取と認知症との関連および性別や血管疾患の併存との関連を調査するため、本研究を実施した。Journal of the Formosan Medical Association誌オンライン版2024年5月6日号の報告。 対象は3施設より募集したアルツハイマー病(AD)の高齢患者278例、血管性認知症(VaD)患者102例、対照者468例は同期間に募集した。コーヒーや紅茶の摂取頻度および量、血管疾患の併存の有無に関するデータを収集した。コーヒーや紅茶の摂取と認知症リスクとの関連性を評価するため、多項ロジスティック回帰モデルを用いた。性別および血管疾患の併存により層別化して評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・コーヒーや紅茶の摂取において、さまざまな組み合わせおよび量は、AD、VaDに対する保護効果が認められた。・1日当たり3杯以上のコーヒーまたは紅茶の摂取は、AD(調整オッズ比[aOR]:0.42、95%信頼区間[CI]:0.22〜0.78)およびVaD(aOR:0.42、95%CI:0.19〜0.94)に対する予防効果が認められた。・層別化分析では、多量のコーヒーおよび紅茶の摂取によるADの保護効果は、女性および高血圧症患者でより顕著であった。・コーヒーまたは紅茶の摂取は、糖尿病患者におけるVaDリスク減少と関連していた(aOR:0.23、95%CI:0.06〜0.98)。・脂質異常症は、コーヒーまたは紅茶の摂取とADおよびVaDリスクとの関連性を変化させた(各々、p for interaction<0.01)。 著者らは、「コーヒーおよび紅茶の摂取量が増加すると、ADおよびVaDリスクが低下することが示唆され、性別や高血圧症、脂質異常症、糖尿病などの血管疾患の併存により違いが見られることが明らかとなった」としている。

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日本人における頭痛で受診する患者としない患者の特徴

 富士通クリニックの五十嵐 久佳氏らは、頭痛で医療機関を受診した患者と受診しなかった患者の特徴を明らかにするため、観察研究を実施した。BMJ Open誌2024年4月29日号の報告。 横断的なオンライン調査および医療請求データを用いて、観察研究を実施した。オンライン調査は、2020年11月に自己記入式アンケートで実施し、2017年12月〜2020年11月の医療請求データは、DeSCヘルスケアより提供された。性別と年齢が請求データと一致した19〜74歳の回答者2万1,480人のうち、頭痛を経験した人は7,311人であった。アウトカムは、参加者の特徴、医療機関の受診状況、薬物療法、片頭痛のQOLアンケート(MSQ)Ver.2.1より測定したQOL、頭痛重症度とした。 主な結果は以下のとおり。・頭痛を経験した7,311人のうち、医療機関を受診した人は735人、6,576人は受診しなかった。・医療機関を受診した人は、受診しなかった人と比較し、次の特徴が認められた。 ●頭痛頻度が高い(頭痛頻度中央値:3ヵ月当たり10日vs.5日) ●MSQスコアが低い(MSQスコア平均値:77.1±18.1 vs.87.6±13.0) ●薬物治療なしでは頭痛重症度の中〜重度が多い(41.2%[735人中303人]vs.19.0%[6,576人中1,252人])・医師の診察を求める最も一般的な理由は、頭痛に耐えられないためであった(36.5%[735人中268人])。・痛みがひどくなかったため、医師の診察を受けなかった人は、35.3%(6,576人中2,323人)であった。・1ヵ月当たり15日以上頭痛を経験した人は、どの病院、あるいはどの診療科を受診すべきかを迷っていた。 著者らは「患者は、痛みに耐えられない場合に助けを求めるが、1ヵ月当たり15日以上の頭痛を経験してもなお、診察を受けなかった人も存在する。そのため、症状やそれに伴う負担が増大し、効果的な頭痛のマネジメントができなくなる前に、意識を高めて早期の医療機関の受診を推奨することが重要である」としている。

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東日本大震災による住宅被害や精神的ダメージと修正可能な認知症リスクとの関連

 東北大学の千葉 一平氏らは、地域住民の高齢者における、東日本大震災による住宅被害および精神的ダメージと認知症の修正可能なリスク因子との関連を評価する目的で横断的研究を実施した。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2024年5月3日号の報告。 対象は、地域住民の高齢者2万9,039人(平均年齢:69.1±2.9歳、女性の割合:55.5%)。東日本大震災後の災害関連被害(住宅全壊または半壊)および精神的ダメージ(心的外傷後ストレス反応[PTSR])を、自己申告式アンケートを用いて収集し評価した。修正可能なリスク因子には、うつ病、社会的孤立、身体不活動、喫煙、糖尿病を含んだ。災害関連被害と修正可能なリスク因子との関連を評価するため、社会人口統計学的変数と健康状態変数を調整した後、最小二乗法および修正ポアソン回帰モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・震災による住宅の全壊は2,704人(10.0%)、PTSRは855人(3.2%)で認められた。・修正可能なリスク因子の数は、住宅全壊者(β=0.23、95%信頼区間[CI]:0.19~0.27)およびPTSR者(β=0.60、95%CI:0.53~0.67)で有意に多かった。・住宅全壊者は、修正可能なリスク因子のうち、うつ病と身体的不活動の割合が高かった。・PTSR者は、修正可能なリスク因子のすべての分野で割合が有意に高かった。 著者らは「東日本大震災による住宅被害および精神的ダメージは、認知症のリスク因子増加と関連していることが示唆された。認知症リスク軽減については、とくに災害で住宅被害や精神的ダメージを経験した高齢の被災者に対し、修正可能なリスク因子のさまざまな側面に応じた多元的な支援が求められる」としている。

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入院中に認知症が疑われる、または診断された高齢患者の特徴

 日本では、身体疾患による入院時に認知症の疑いまたは診断を受けた患者に対する加算制度が、2016年に開始された。藤田医科大学の芳野 弘氏らは、入院中に認知症の疑いまたは認知症と診断された高齢患者の臨床的特徴を調査した。Geriatrics & Gerontology International誌オンライン版2024年4月24日号の報告。 参加者569例の年齢、性別、併存疾患、入院の原因疾患、BMI、血液検査、入院前の環境、入院前の処方歴、せん妄の割合を調査した。高頻度の疾患については、それぞれのリスク因子を独立変数とし、単回帰分析を行い、その後、重回帰分析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・入院の原因疾患は、感染症が最も多かった。・入院中にせん妄が発現した患者は、48%であった。・せん妄を発現した患者は、自宅にいる頻度が最も高かった。・感染症患者は、非感染症患者と比較し、BMI(19.0±3.7 vs.20.4±4.1、p<0.001)、血清アルブミン(2.1±0.7 vs.3.3±0.6g/dL、p<0.001)が有意に低値であった。・感染症患者は、非感染症患者と比較し、白血球数(11,181.4±6,533.3 vs.8,765.8±111,424.3/μL、p=0.007)、CRP(8.6±8.6 vs.3.0±5.2mg/dL、p<0.001)が有意に高値であった。・感染症に関連する独立因子を用いて、重回帰分析を実施したところ、BMI(p=0.013)、血清アルブミン(p<0.001)、入院前の介護施設でのケア(p<0.001)との間に有意な相関が認められた。 著者らは、「認知症が疑われる、または認知症と診断された高齢患者が入院する際には、入院前のせん妄および環境の評価が必要である。さらに、栄養を評価することで、身体疾患による悪化の軽減にもつながる可能性がある」としている。

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同世代・同診療科の医師の年収は?/医師1,000人アンケート

 ケアネットでは、2月20日(金)に会員医師1,004人(男性:875人、女性:129人)を対象に、「年収に関するアンケート」を実施した。その結果、80%の医師が昨年度の年収額は1,000万円以上と回答した。しかし、男女別にみると、男性では1,000万円以上が83%であったのに対し、女性は60%と男女差がみられた。全体の最多年収帯は1,400~1,600万円 全体で最も多い年収帯は1,400~1,600万円であった(全体の14%)。年代別では、35歳以下は1,000~1,200万円(20%)、36~45歳は1,400~1,600万円(23%)が最も多かった。それ以降の世代では2,000~2,500万円が最も多く、46~55歳では16%、56~65歳および66歳以上はそれぞれ15%であった。 年収1,000万円以上と回答した割合は、全体では80%であった。年代別では、35歳以下が65%、36~45歳が86%、46~55歳が88%と年齢が上がるごとに増加したが、56~65歳は84%、66歳以上は77%と減少した。 なお、2022年3月に実施した同様の調査では、全体で最も多い年収帯は2,000~2,500万円(全体の15%)であった。1,000万円以上は男性83%、女性60% 男女別にみると、男性では1,000万円以上と回答した割合は83%であったのに対し、女性は60%であった。最も多い年収帯は、男性が1,400~1,600万円および2,000~2,500万円(それぞれ14%)で、女性は1,200~1,400万円(15%)であった。診療科別の傾向は? 診療科別に昨年度の年収が1,600万円以上と回答した医師の割合は下記のとおり(30人以上の回答が得られた診療科を抜粋)。泌尿器科(60%)呼吸器内科(50%)消化器内科(47%)外科(47%)循環器内科(46%)精神科(45%)整形外科(45%)小児科(45%)内科(44%)神経内科(40%)糖尿病・代謝・内分泌内科(31%) その他、年代ごとの男女別、病床数別、勤務先別などの詳細な年収分布については、以下のページで結果を発表している。医師の年収に関するアンケート2024【第1回】昨年度の年収

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神経発達症群(講座 精神疾患の臨床 第9巻)

神経発達症の専門医はもちろん、専門としない精神科医にもお勧め近年の多くの調査では、人口の1割以上において、主要な神経発達症のいずれかに該当することが示唆されている。成人後に初めて診断されるケースも多く、児童や精神発達症を専門としていない精神科医も無視できない状況となっている。本書は、神経発達症群全般における概念や分類の歴史的変遷をはじめ、知的発達症、自閉スペクトラム症、注意欠如多動症、発達学習症を軸に、診断概念、病態、原因、治療・支援に関する現時点での最新知識を概観できるようまとめている。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する目次を見るPDFで拡大する神経発達症群(講座 精神疾患の臨床 第9巻)定価19,800円(税込)判型B5判(上製)頁数512頁発行2024年5月担当編集本田秀夫(信州大学教授)監修松下正明(東京大学名誉教授)編集主幹神庭重信(九州大学名誉教授)ご購入(電子版)はこちらご購入(電子版)はこちら紙の書籍の購入はこちら医書.jpでの電子版の購入方法はこちら紙の書籍の購入はこちら

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気候変動は脳の疾患の悪化と関連

 気候変動は、脳卒中、片頭痛、アルツハイマー病、てんかん、多発性硬化症などの脳の疾患を悪化させる可能性のあることが、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)クイーンスクエア神経学研究所教授のSanjay Sisodiya氏らによる研究で明らかになった。研究グループは、「気候変動は、さまざまな神経疾患にかなりの影響を与える可能性が高い」と危惧を示している。この研究の詳細は、「The Lancet Neurology」6月号に掲載された。 この研究では、1968年から2023年の間に発表された332件の研究データを分析し、気候変動が、2016年の世界疾病負荷研究(Global Burden of Disease Study 2016)で検討された、脳卒中、片頭痛、アルツハイマー病、髄膜炎、てんかん、多発性硬化症などの19種類の神経疾患、および不安や抑うつ、統合失調症などの精神疾患に与える影響を検討した。 その結果、気候がいくつかの脳の疾患に影響を与えることに対しては明確なエビデンスがあり、特に脳卒中と神経系の感染症に対する影響は大きいことが示された。また、気候変動の中でも、極端な気温(高い場合も低い場合も)と気温の日内変動の大きさは脳の疾患に影響を及ぼし、特に、それらが季節的に異常な場合には影響が大きくなることも判明した。Sisodiya氏は、「夜の気温はとりわけ重要と考えられる。夜間を通して高い気温は睡眠を妨げ、睡眠の質の低さは多くの脳の疾患を悪化させることが知られているからだ」と話す。 実際に、本研究では、高温の日や熱波が発生しているときには、脳卒中による入院や身体障害の発生、死亡数が増加することが示された。一方、認知症の人は、認知機能障害が妨げとなって環境の変化に合わせた行動を取るのが難しいため、極端な気温のときや洪水や山火事のような自然災害が発生したときに悪影響を受けやすい傾向が認められた。研究グループは、「認知症の人はリスクに対する意識が低下しているため、暑いときに助けを求める能力や、水分の摂取量を増やし、衣類を調節するなどして危害を軽減させる能力が低下している」と説明している。さらに、多くの精神疾患で、高温、気温の日内変動、極端に高い気温と低い気温は、精神疾患の発症、入院、死亡リスクと関連していることも示された。 こうした結果を踏まえて研究グループは、「悪天候に起因する出来事が深刻さを増し、地球の気温が上昇するにつれて、過去の研究では脳の疾患に影響を与えるほど深刻ではないと考えられた環境要因が悪化し、人々はその悪化した要因にさらされている」と指摘する。その上で、気候変動の現在の状態だけでなく、将来の状態も考慮した最新の研究を行うことの重要性を強調している。 Sisodiya氏は、「この研究は気候条件が悪化していく中で実施されたが、有用な情報を個人や組織に提供し続けるためには、敏捷かつ動的であり続ける必要がある」と話す。同氏はまた、「将来の気候シナリオが脳の疾患へ及ぼす影響を見積もる研究はほとんどないことが、将来の計画を立てることを難しくしている」と述べている。

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タンパク質摂取量とアルツハイマー病との関連

 医療技術の進歩に伴い、疾患の構造は、急性疾患からアルツハイマー病(AD)などの慢性疾患に移行しつつある。その結果、疾患の発症だけでなく、健康寿命への潜在的な影響についての評価の必要性が高まっている。味の素株式会社のKazuki Fujiwara氏らは、ADの障害調整生存年(AD-DALY)率とタンパク質摂取量との関連を、性別および年齢グループごとに評価した。Nutrients誌2024年4月19日号の報告。 1990〜2019年の世界の疾病負担研究および日本の国民健康・栄養調査の公開データより抽出した、60代および70代以上の男女の代表値を分析に使用した。AD-DALY率とタンパク質摂取量との関連性を評価するため、相関分析を行い、重回帰モデルを層別化した。さらに、層別重回帰モデルを用いて、タンパク質摂取量の変化に伴うAD-DALY率の変化をシミュレートした。 主な結果は以下のとおり。・AD-DALY率とタンパク質摂取量は、すべての性別および年齢グループにおいて、有意な負の相関を示した。・層別重回帰モデルでは、女性において、タンパク質摂取量の増加とAD-DALY率の低下との間に有意な関連が認められた。・シミュレートでは、タンパク質摂取量が1.5g/kg/日まで増加すると、AD-DALY率は2019年と比較し、5〜9%減少した。・しかし、動物および植物性タンパク質の摂取量とAD-DALY率との関連性は、性別および年齢グループにより異なることが示唆された。 著者らは、「平均タンパク質摂取量を推奨範囲内で増加させることにより、AD-DALY率を改善可能であることが示唆された」としている。

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人間の「脳内コンパス」の場所を特定か

 人間には、「脳内コンパス」ともいうべき、迷子にならないようにするための脳活動パターンがあることを突き止めたと、英バーミンガム大学心理学分野のBenjamin Griffiths氏らが報告した。Griffiths氏らは、空間の中での自分の位置を把握してナビゲートするために使用する体内のコンパスを人間の脳内で初めて特定したと話している。詳細は、「Nature Human Behaviour」に5月6日掲載された。この発見をきっかけに、アルツハイマー病やパーキンソン病といったナビゲーション機能や見当識がしばしば損なわれる疾患について解明が進む可能性がある。 Griffiths氏は、「自分が向かっている方向を把握することは非常に重要だ。自分がいる場所や向かっている方向に少しでも誤差があると悲惨なことになり得る」と言う。さらに同氏は、「鳥、ネズミ、コウモリなどの動物には、正しい方向に進むための神経回路があることが知られている。しかし、人間の脳が実世界でどのように対処しているのかについて分かっていることは驚くほど少ない」と話す。 人間の脳活動を追跡するためには、通常、被験者ができるだけ静止していることが求められる。しかし今回の研究では、52人の参加者を対象に、脳波(EEG)を測定する携帯型のデバイスとモーションキャプチャを使って、動き回る人々の脳波と頭部の動きを分析した。研究参加者は、頭部に携帯型EEGデバイスを装着した状態で、複数のコンピューターのモニターからの指示に応じて頭や目を動かし、その間の脳活動がEEGデバイスにより測定された。また、てんかんなどの脳の疾患のモニタリング目的で脳に電極を埋め込んだ別の10人の参加者にも同様の実験を実施した。 その結果、脳後部の中心領域できめ細かく調整された頭の方向に関する信号が確認された。また、その信号は、対象者が別の方角に頭を向ける直前に検出され、頭の向きの変化を予測できる特有のパターンを持っていることも明らかになった。Griffiths氏は、「これらの信号を読み取ることで、脳がどのようにナビゲーション情報を処理するのか、また、これらの信号が視覚的な目印など他の手がかりとどのように連動するのかに焦点を合わせることができる」と説明する。 また、Griffiths氏は、「われわれのアプローチは、これらの機能についての研究に新たな道を開くものであり、神経変性疾患の研究や、ロボット工学および人工知能(AI)におけるナビゲーション技術の改善にもつながる可能性がある」と付け加えている。 今後の研究についてGriffiths氏は、「今回の研究で得られた知見からさらに一歩進め、脳が時間をどのようにナビゲートしているのか、また、そのような脳の活動が記憶に関連しているのかどうかを解明することになるだろう」と話している。

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日本人脳卒中患者では低体重ほど転帰不良/国立循環器病研究センター

 ボディマス指数(BMI)の高い人は、そうでない人に比べ、生活習慣病や心血管病の発症リスクが高い一方で、心血管病発症後の機能回復はむしろ良好であることが報告されている。脳卒中でも、肥満は発症リスク因子となるが、脳卒中発症後の転帰に関する研究結果は一貫していないことから、国立循環器病研究センターの三輪 佳織氏らの研究グループは、BMIが脳卒中後の転帰に影響があるか検証を行った。その結果、BMIが脳卒中病型ごとの転帰に影響を及ぼすことが判明し、とくにBMIが低い人では不良となることがわかった。この研究結果はInternational Journal of Stroke誌オンライン版2024年4月23日号に掲載された。高齢者の健康管理に役立つBMIの数値は 研究グループは、2006年1月~22年12月まで日本脳卒中データバンク(JSDB)に登録された急性期脳卒中例のうち入院時BMIが入力された症例を対象とした。BMIはWHO推奨のアジア人における定義に基づき、18.5未満を低体重、18.5~23.0未満を正常体重、23.0~25.0未満を過体重、25.0~30.0未満をI度肥満、30以上をII度肥満と分類した。脳卒中は、脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血に分類し、さらに脳梗塞病型はTOAST分類を用いて、心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞、その他の脳梗塞、原因不明脳梗塞に分類した。 評価項目である退院時の転帰(患者自立度)は、国際標準尺度である修正ランキンスケール(0[後遺障害なし]~6[死亡]の7段階の評価法)を用い、同尺度の5~6を転帰不良、0~2を転帰良好と定義した。これらを共変量で調整した後、混合効果ロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・急性期の脳卒中5万6,230例のうち、脳梗塞(4万3,668例、平均年齢74±12歳、男性61%)、脳出血(9,741例、平均年齢69±14歳、男性56%)、クモ膜下出血(2,821例、平均年齢63±15歳、男性33%)が今回の研究対象。・BMI18.5未満(低体重)は、脳梗塞と各病型(心原性脳塞栓症、アテローム血栓性脳梗塞、ラクナ梗塞)や脳出血における転帰不良のリスクを約1.4~2.3倍に高めた。・アテローム血栓性脳梗塞では、BMIと転帰不良にU字型の関連を認め、低体重と肥満はいずれも、転帰不良のリスクを高めた。・低体重は、とくに重症の脳梗塞や再灌流療法後における転帰不良と関連した。・BMI23.0~25.0(過体重)や80歳以上の高齢者におけるBMI25.0~30.0(I度肥満)のグループは、脳梗塞後の転帰不良リスクが9~17%低下し、“obesity paradox”を認めた。 研究グループは、今回の研究結果から「高齢者の体重管理の目標値としてBMI25を基準にすることが適切であり、BMIに基づく体重管理は脳卒中の発症予防および重症化予防の実現可能な対策といえる」と考察を行っている。

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PPIとH2ブロッカーで頭痛リスク上昇か

 胸焼けを抑えるための薬を服用している人は、服用していない人に比べて片頭痛やその他の重度の頭痛のリスクが高い可能性のあることが、新たな研究で示唆された。このようなリスク上昇は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)、制酸薬など、検討した全ての種類の胃酸分泌抑制薬で認められたという。米メリーランド大学栄養学・食品科学部門のMargaret Slavin氏らによるこの研究結果は、「Neurology」に4月24日掲載された。 Slavin氏は、「胃酸分泌抑制薬は幅広い用途で使用されている。この薬剤と片頭痛や重度の頭痛との潜在的な関連を考慮すると、今回の研究結果はさらなる調査実施の必要性を示したものだと言えるだろう」と述べる。同氏はさらに、「胃酸分泌抑制薬に関しては、しばしば過剰処方が指摘されている。また、PPIの長期使用により認知症リスクなど他のリスクが上昇する可能性を示唆する新たな研究結果も報告されている」と付け加えている。 胃酸が食道まで逆流する胃酸逆流は、食後や横になっているときに起こり、胸焼けや胃潰瘍を引き起こす。頻回な胃酸逆流は胃食道逆流症(GERD)の原因となり、それが食道がんにつながることもある。今回、Slavin氏らは、胃酸分泌抑制薬(PPI、H2ブロッカー、制酸薬)を使用している成人患者1万1,818人を対象に、胃酸分泌抑制薬の使用と片頭痛や重度の頭痛との関連を検討した。 胃酸分泌抑制薬使用者と非使用者での片頭痛や重度の頭痛の有病率は、PPIでそれぞれ25%と19%、H2ブロッカーで25%と20%、制酸薬で22%と20%であった。年齢や性別など頭痛に影響を及ぼす因子を調整して解析した結果、胃酸分泌抑制薬の使用者は非使用者に比べて、偏頭痛や重度の頭痛の発症リスクが有意に高いことが明らかになった。リスクは、PPI使用者で70%、H2ブロッカー使用者で40%、制酸薬使用者で30%の増加であった。 このような結果が示されたものの、Slavin氏は、この研究で対象としたのは処方薬のみであり、処方薬よりも薬効が低い傾向にある市販薬は対象としていない点を強調。その上で、「医師に相談することなく使用中の胃酸分泌抑制薬の服用を中止すべきではない」と主張している。同氏は、「胃酸の逆流とそれに付随する症状を抑えるために胃酸分泌抑制薬を必要とする人は数多く存在する。胃酸分泌抑制薬やサプリメントを使用していて、片頭痛や重度の頭痛に悩まされている人は、薬の服用を続けるべきかどうかを医師と相談する必要がある」と「Neurology」誌のニュースリリースの中で述べている。

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代替エンドポイントの適否は臨床試験でなくても確認できる(解説:折笠秀樹氏)

 評価項目(エンドポイント)には臨床と代替があります。たとえば、高血圧症であれば、臨床は脳心疾患であり、代替は血圧値です。代替である血圧値の低下が立証されれば、新薬の承認を得ることができます。その前提は、血圧値と脳心疾患の間に相関があることです。がんを除く32領域の慢性疾患で使われた37個の代替エンドポイントに対して、臨床エンドポイントとの相関性を調査しました。臨床試験から成るメタアナリシスで確かめられたのは、15個(41%)だけでした。残りの22個(59%)では、そうしたメタアナリシスはなかったようです。よく眺めると、メタアナリシスがないのは希少疾患が多そうでした。 続いて、メタアナリシスがあった15個の代替エンドポイントを調べました。54報のメタアナリシスがあり、109件の臨床試験が含まれていました。両者の相関性を報告していたのは59件(54%)ありましたが、強い相関性を示していたのは10件(17%)にすぎませんでした。このことから、相関性のエビデンスがないのに代替エンドポイントで承認されているのが現実だという報告でした。 この研究の最大の限界は、臨床試験しか調べていないことだと思います。両者の相関性は、疫学研究で確認している例がほとんどだと思います。私自身も新たな代替エンドポイントを使用する際は、必ず疫学データで裏付けできるようにと言ってきました。縦断的な疫学研究によって、代替エンドポイントの悪化と臨床イベント発現の有意な相関性が見られれば、それは十分強固な証拠になるはずです。臨床試験である必要性はないと思います。 臨床エンドポイントで承認するとなると、大規模かつ長期試験が必須となり、新薬が承認されるまで時間がかかります。そうするとドラッグロスが生じ、患者さんにとって不利益が生じます。希少疾患では、いつになっても承認されることがないかもしれません。そこで、代替エンドポイントによる承認は避けられません。疾患の詳しいメカニズムに関する研究が進み、疾患バイオマーカーの開発も伸びています。代替エンドポイントによる早期の新薬承認は、これから必要性を増してくると思われます。そのために、疾患レジストリーや電子カルテ等のRWDの活用も盛んになることでしょう。

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高齢者診療の困ったを解決するヒントは「老年医学」にあり!【こんなときどうする?高齢者診療】第1回

今回のテーマは、「なぜ今、老年医学が必要なのか?」です。このような症例に出会ったことはありませんか?85歳女性。自宅独居。糖尿病、高血圧、冠動脈疾患の既往有。呼吸苦を主訴に救急外来を受診。肺炎と診断し入院にて抗菌薬加療。肺炎の治療は適切に行われ呼吸苦症状も改善したが、自力歩行・経口摂取が困難になり自宅への帰宅不可能に。適切な診断と治療をして疾患は治ったにもかかわらず状況が悪化してしまう-高齢者診療でよく遭遇する場面かもしれません。老年医学はこうしたジレンマに向かい合うきっかけを提供し、すべての高齢者に対してQOLの維持・向上を図ること、また同時に心や体のさまざまな症状をコントロールするために体系化された学問です。老年医学の原則とアプローチ(「型」)を実践することで、困難事例に解決の糸口をみつけることができるようになります。老年医学の原則:コモンなことはコモンに起きる-老年症候群と多疾患併存日本における平均寿命と健康寿命はいずれも延伸していますが、平均寿命と健康寿命のギャップは医療の進歩にも関わらず顕著には短縮しておらず、女性で約12年、男性で約7~8年あります。1)この期間に多くの高齢者が抱える問題が2つあります。ひとつは老年症候群。たとえば記憶力の低下や抑うつ、転倒や失禁などの認知・身体機能の低下など、高齢者にコモンに起きる症状・兆候を「老年症候群」と総称します。もうひとつは、多疾患併存(multimorbidity)です。年齢に比例して併存疾患の数が多くなり、60歳以降では約20%が3つ以上の疾患を有しているという調査があります。2)高齢者の治療やケアをする場合、老年症候群と多疾患併存があるという前提で診察やケアにあたることが大切です。老年医学の型:5つのM老年症候群があり、多疾患併存状態にある高齢者の診療は、疾患の診断-治療という線形思考で解決しないことがほとんどです。そこで、複雑な状況を俯瞰するために「5つのM」というフレームを使います。要素は、大切なこと(Matters most)、薬(Medicine)、認知機能・こころ(Mind)、身体機能(Mobility)、複雑性・落としどころ(Multi-complexity)の5つです。今回のケースを5つのMを使って考えてみましょう。ポイントはMatters mostから考え始めること。「生きがい」・「大切なこと」といったことでもよいのですが、「今、患者/家族にとって一番の困りごとは何か、肺炎を治療した先の日々の生活に期待することは何か?」を入院加療の時点で考えられると、行うべき介入がさまざまな角度から検討できるようになります。今回のケースでは、肺炎治療後に自宅に帰り、自立した生活をできる限り続けることがゴールだったと考えてみましょう。そうすると、肺炎治療に加えて1人で歩行するための筋力維持が必要だと気付くでしょう。また筋力を維持するためには栄養状態にも気を配らなければなりません。それに気付けば理学療法士や管理栄養士など、その分野の専門職に相談するという選択肢もあります。また、肺炎治療中の絶対安静や絶食は、筋力や栄養状態の維持を同時に叶えるために適切な選択だろうか?本当に必要なのだろうか?と立ち止まって考えることもできます。しかし命に係わるかもしれない肺炎の治療は優先事項のひとつですから、落としどころとして、安静期間をできる限り短くできないか検討する、あるいはリハビリテーションの開始を早める、誤嚥のリスクを見極めて経口摂取を早期から進めていく、といった選択肢が出てくるかもしれません。100%正しい選択肢はありません。ですが5つのMで全体像を俯瞰すると、目の前の患者に対して、提供できる医療やケアの条件の中で、患者のゴールに近づく落としどころや優先順位を考えることができます。高齢者にかかわるすべての医療者で情報収集し共有する今回のケースでは、例として理学療法士や管理栄養士を出しましたが、その他にもさまざまな専門職が高齢者の医療に携わっています。医師は診断・治療といった医学的介入を職業の専門性として持つ一方で、患者とコミュニケーションできる時間が少ないために十分な「患者―医師関係」が構築しにくく、患者・家族が本当に大切にしていることが届きにくい場合があります。そのため、協働できる多職種の方とともに患者の情報を得る、そして彼らの専門性を活かして介入の方法やその分量のバランスをとること、落としどころを見つけることが医師に求められるスキルのひとつです。参考1)内閣府.令和5年度版高齢社会白書(全体版).第1章第2節高齢期の暮らしの動向.2)Miguel J. Divo,et al. Eur Respir J. 2014; 44(4): 1055–1068.

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事例048 難病患者指導管理料(パーキンソン病)の漏れ【斬らレセプト シーズン3】

解説レセプトチェックシステムにて「パーキンソン病に対してB001 7(1)難病外来指導管理料が算定できます」とのメッセージが表示されていました。「特定医療費(指定難病)受給者証」を持参している患者が、記載された指定難病を主病として受診されている場合には、難病外来指導管理料(以下「同管理料」)が算定できます。レセプトの目視点検を行いました。レセプトの病名欄には「パーキンソン病」と症状の「振戦」が表示されています。「パーキンソン病」は、同管理料の対象ですが、「ホーン・ヤールの重症度分類3度以上で、生活機能障害度2度以上」と基準が付記されています。レセプトには基準に達していることのコメントはありません。このままでは、同導管理料の算定はできません。カルテを参照しました。患者は「特定医療費(指定難病)」の申請中であることが記載されていました。同管理料の算定要件に合致します。レセプトの傷病名に、標準病名表から選んだ「パーキンソン病Yahr3G20」を表示させ請求をしています。傷病名が「パーキンソン病」のみの場合は、基準に達していることのコメントが必須となります。この調べの過程で、身体状況にかかる補記の無い「パーキンソン」「パーキンソン症候群」のみの病名にて同管理料を認めないとする査定があったことがわかりました。医師には受給者証が無い場合には、疾患の鑑別と身体状況について補記をしていただけるようにお願いして請求漏れ防止対策としました。なお、特定医療費(指定難病)受給の基準に達していなくとも、指定難病を主病とする治療中、月ごとの医療費総額(10割)が3万3,330円を超える月が3月以上ある患者には、軽症高額該当(軽症者の特例)助成対象という負担軽減の特例があることを申し添えます。

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