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【GET!ザ・トレンド】脳神経細胞再生を現実にする(1)

「中枢神経系はいったん発達が終われば再生しない」、それが定説であった。ところが、近年の研究で、ヒトの脳にも“神経幹細胞”が存在し、新たな神経細胞を作っていることが証明された。さらに、この研究結果を応用した、神経疾患に対する再生医療も現実化しつつある。今回は、神経再生医療の世界的権威であり、世界で初めて神経幹細胞を発見した、慶應義塾大学 医学部 生理学教室 教授 岡野栄之氏に聞いた。神経細胞再生についての定説が覆る中枢神経系はいったん発達が終われば再生しない。それが定説であった。しかし、胎生期においては、ヒトの脳で新たな神経細胞が活発に生み出されている。実際には、神経細胞の元となる神経幹細胞が存在し、それが活発に分裂することで、新たな神経細胞とグリア細胞を生産している。この分裂能力は成体では消失し、脳では新たな神経細胞は生み出されないと考えられてきた。ところが、ここ十数年の研究で、成体の脳にも神経幹細胞は存在し、新たな神経細胞を作る能力があることがわかってきた。神経幹細胞マーカーMusashiの発見岡野氏は最先端の神経発生の研究の中、神経幹細胞のマーカーMusashiを発見する。Musashiは神経幹細胞に強く発現するRNA結合蛋白質であり、種を超えて存在する。そのMusashiを用いたマウスの神経発生の研究の結果、胎生期のマウスにはMusashiを発現する神経幹細胞が豊富に存在しており、そのMusashi陽性細胞は生後も脳室周囲に存在することが明らかになった。そこで、ヒト成人の脳にもMusashi陽性の神経幹細胞があるのではないか?と考え、岡野氏は、米国コーネル大学教授(当時)Steven Goldman氏と共同研究を開始する。「Musashi」とはショウジョウバエの神経発生遺伝子として発見された。岡野氏らは、この遺伝子が種を超えて中枢神経系の前駆細胞に広く発現することから、その産生蛋白質が神経系発生マーカーとしての役割を果たすことを解明した。Musashiの名称は、その遺伝子変異によりハエの1つの毛穴から2本の毛が生える異常がみられたことから、宮本武蔵の二刀流になぞらえたもの。ヒト成人の脳にも再生能力がある共同研究の結果、てんかん患者の剖検脳の脳室周囲にMusashi陽性細胞が存在することが明らかになる。そして、Musashi陽性細胞は培養液中で分裂し、新たな神経細胞を作ることも明らかになった。つまり神経幹細胞である。このことから、ヒト成人の脳にも神経幹細胞は存在することが、世界で初めて証明された。1998年のことである。(Pincus DW, et al. Ann Neurol. 1998; 43:576-585.)。一方、増殖細胞の検出ツールBrdU*を用いた、米国とスウェーデンのがん増殖に関する共同研究で、新たに分裂した神経細胞がヒトの脳内(海馬)に存在することが、ほぼ同時期に明らかになった。この2つの研究を相補的に考えると、ヒト成人の脳には神経幹細胞が存在し、何らかのプロセスを経て、脳内で新たな神経細胞が生み出されていることがわかった。*BrdU(bromodeoxyuridine):チミジンアナログ。新たに合成されたDNAに取り込まれる。標識することで増殖細胞の検出ツールとなる。ヒト成人の脳でも神経幹細胞は存在し、梗塞部位に神経細胞が再生するメカニズムを岡野氏が解説する。(岡野栄之氏解説:4’24”)日本発の神経細胞再生医薬品への発展しかし、その再生効率はきわめて低い。神経系を効率よく再生させるためには、内在性の神経幹細胞をより活性化させることが必要だという。そのためには、薬剤で活性化を促すか、不足する神経幹細胞を外部から移植することが根本であるとわかり、2000年代半ばから、神経幹細胞を用いた再生医療の研究が進み出す。その1つとして、岡野氏が顧問を務めるサンバイオ社が再生医薬品SB623を開発している。SB623は骨髄間質細胞に、ある遺伝子を導入し、再生能力を高めた神経再生細胞である。脳梗塞巣に移植することで、脳内のさまざまな栄養因子を出すなど、間接的に再生能力を高め、脳梗塞によって失われた機能を回復させる。すでに米国では動物実験で効果が確認され、スタンフォード大学、ピッツバーグ大学でのPhaseI/IIaが実施されている。その結果は良好で、米国では次のステージへ向け進行しているという。一方、本邦においても2014年の薬事法改正で、"再生医療等製品の条件及び期限付き承認制度"が導入された。ある程度の安全性と有効性が確認されると、条件付きで承認が得られるというものである。この改正で再生医薬品の承認までの時間が短縮されるといわれている。そのため、多くの企業などによる、さまざまな再生医薬品の開発が繰り広げられると考えられる。そのような中、SB623については、すでに米国での治験実績があり、本邦でも同じスキームで開発が進められると期待できると岡野氏は言う。その有用性が証明されれば、日本発の再生医薬品は予想以上に早く臨床に登場するかもしれない。もはや夢物語ではない神経疾患の再生医療岡野栄之氏からのメッセージ:1’04”岡野氏は最後に、「再生医療の研究により、今まで治らなかった神経疾患に対し、さまざまな治療法が開発されている。実際、多くの臨床試験が次々に始まっており、日常診療においても再生医療は夢物語ではない」と述べた。

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ハワイの認知症入院患者、日系人高齢者が多い

 ハワイで認知症と診断され入院している患者を調べたところ、ネイティブ・ハワイアンと日系人の高齢者が多いことが、米国・ハワイ大学のTetine L. Sentell氏らによる調査の結果、明らかにされた。結果について著者は、「ネイティブ・ハワイアンと日系人高齢者集団に対する公衆衛生および臨床ケアにおいて、重要な意味がある」と指摘している。認知症入院患者はそうではない入院患者と比べて、コスト、入院期間、また死亡率が高いが、米国においてこれまでネイティブ・ハワイアンおよびアジア系サブグループの認知症に関するデータは限定的であった。Journal of the American Geriatrics Society誌2015年1月号(オンライン版2014年12月23日号)の掲載報告。 研究グループは、2006年12月~2010年12月にハワイで入院した全成人を対象に、認知症と診断された入院患者について、年齢階層別(18~59歳、60~69歳、70~79歳、80~89歳、90歳以上)にアジア系住民および太平洋諸島系の原住民(ネイティブ・ハワイアン、中国系、日系、フィリピン系)の割合を調べ、白人の割合と比較した。認知症診断はICD-9コードを用いて特定した。集団分母は、米国国勢調査を利用した。 主な結果は以下のとおり。・認知症診断歴のある入院患者1万3,465例を特定し分析した。・全年齢階層群で、ネイティブ・ハワイアンの認知症入院患者の割合(未補正)が最も高く、その他の人種よりも年齢は若い傾向がみられた。・補正後モデル(性別、居住地、加入保険)において、白人と比べてネイティブ・ハワイアンの認知症入院患者は90歳以上群を除き有意に高率であった。18~59歳群(aRR:1.50、95%信頼区間[CI]:0.84~2.69)、60~69歳群(同2.53、1.74~3.68)、70~79歳群(同2.19、1.78~2.69)、80~89歳群(同2.53、1.24~1.71)。・日系人では高齢者群で有意に高率であった。70~79歳群(aRR:1.30、95%CI:1.01~1.67)、80~89歳群(同1.29、1.05~1.57)、90歳以上群(同1.51、1.24~1.85)。・日系人の若い年齢群(18~59歳)は、白人よりも認知症患者は有意に少ないと思われた(aRR:0.40、95%CI:0.17~0.94)。関連医療ニュース アルツハイマー病への薬物治療は平均余命の延長に寄与しているのか:東北大学 低緯度地域では発揚気質が増強される可能性あり:大分大学 冬季うつ病、注意が必要な地域は  担当者へのご意見箱はこちら

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4価HPVワクチン接種、多発性硬化症と関連なし/JAMA

 4価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種は、多発性硬化症などの中枢神経系の脱髄疾患の発症とは関連がないことが、デンマーク・Statens Serum研究所のNikolai Madrid Scheller氏らの調査で示された。2006年に4価、その後2価ワクチンが登場して以降、HPVワクチンは世界で1億7,500万回以上接種されているが、多発性硬化症のほか視神経炎、横断性脊髄炎、急性散在性脳脊髄炎、視神経脊髄炎などの脱髄疾患との関連を示唆する症例が報告されている。ワクチンが免疫疾患を誘発する可能性のある機序として、分子相同性や自己反応性T細胞活性化が指摘されているが、HPVワクチンが多発性硬化症のリスクを真に増大させるか否かは不明であった。JAMA誌2015年1月6日号掲載の報告。2国の10~44歳の全女性のデータを解析 研究グループは、2006~2013年のデンマークおよびスウェーデンの10~44歳の全女性における4価HPVワクチンの接種状況および多発性硬化症などの中枢神経系の脱髄疾患の発症に関するデータを用い、これらの関連を検証した(Swedish Foundation for Strategic Research、Novo Nordisk Foundation、Danish Medical Research Council funded the studyの助成による)。 ポアソン回帰モデルを用いて、ワクチン接種者・非接種者に関するコホート解析および自己対照ケースシリーズ(self-controlled case-series)解析を行った。接種後2年(730日)のリスク期間におけるイベント発生率を比較し、発症の率比を推算した。 398万3,824人(デンマーク:156万5,964人、スウェーデン:241万7,860人)の女性が解析の対象となった。そのうち78万9,082人が合計192万7,581回の4価HPVワクチン接種を受けた。接種回数は、1回が78万9,082人、2回が67万687人、3回が46万7,812人であった。2つの解析はともに有意差なし 全体のフォローアップ期間は2,133万2,622人年であった。接種時の平均年齢は17.3歳であり、デンマークの18.5歳に比べスウェーデンは15.3歳と約3歳年少だった。フォローアップ期間中に多発性硬化症が4,322例、その他の脱髄疾患は3,300例に認められ、そのうち2年のリスク期間内の発症はそれぞれ73例、90例であった。 コホート解析では、多発性硬化症、その他の脱髄疾患の双方で、4価HPVワクチン接種に関連するリスクの増加は認めなかった。すなわち、多発性硬化症の粗発症率は、ワクチン接種群が10万人年当たり6.12件(95%信頼区間[CI]:4.86~7.69)、非接種群は21.54件(95%CI:20.90~22.20)であり、補正後の率比は0.90(95%CI:0.70~1.15)と有意な差はなかった。また、その他の脱髄疾患の粗発症率は、それぞれ7.54件(95%CI:6.13~9.27)、16.14件(95%CI:15.58~16.71件)、補正率比は1.00(95%CI:0.80~1.26)であり、やはり有意差は認めなかった。 同様に、自己対照ケースシリーズ解析による多発性硬化症の発症率は1.05(95%CI:0.79~1.38)、その他の脱髄疾患の発症率は1.14(95%CI:0.88~1.47)であり、いずれも有意な差はみられなかった。また、年齢別(10~29歳、30~44歳)、国別、リスク期間別(0~179日、180~364日、365~729日、730日以降)の解析でも、有意な差は認めなかった。 著者は、「4価HPVワクチンは多発性硬化症や他の脱髄疾患の発症とは関連がない。本試験の知見はこれらの因果関係への懸念を支持しない」と結論している。

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重度アルツハイマー病に心理社会的介入は有効か:東北大

 重度アルツハイマー病に対する心理社会的介入は有効なのか。東北大学の目黒 謙一氏らは、重度アルツハイマー病患者に対する薬物療法に心理社会的介入を併用した際の効果を明らかにするため、介護老人保健施設入所患者を対象に前向き介入試験を実施した。その結果、意欲改善やリハビリテーションのスムーズな導入、および転倒事故の減少がみられたという。著者は、「心理社会的介入の併用治療アプローチは、重度の患者に対しても有用な効果を示した。ただし、より大規模なコホートを用いて再検証する必要がある」と述べている。BMC Neurology誌オンライン版2014年12月17日号の掲載報告。 コリンエステラーゼ阻害薬は、アルツハイマー病(AD)の進行を遅らせることができ、中等度~重度ADに対する臨床的効果が、複数の臨床試験により首尾一貫して報告されている。また、軽度~中等度AD患者においては、心理社会的介入との併用による効果が報告されているが、重度AD患者に対する同薬と他の治療アプローチもしくはリハビリテーションを併用した際の効果については議論の余地が残っている。そこで研究グループは、介護老人保健施設入所患者を対象に、前向き介入試験を実施した。 2ヵ所の介護老人保健施設(N1、N2)を対象とした。N1は126床の施設で、ドネペジルでの治療は行わずに心理社会的介入のみ(現実見当識訓練[リアリティオリエンテーション]および回想法)を実施した。N2は認知症特別室50床を含む150床の施設で、ドネペジルを処方し、心理社会的介入に加えてリハビリテーションが実施された。N1およびN2の重度AD患者(MMSE<6)32例(16 vs. 16)を対象として、心理介入療法の有無別(各施設8 vs. 8)に、ドネペジル(10mg/日、3ヵ月間投与)の効果を比較した。意欲の指標としてVitality Indexを用いて日常生活行動とリハビリの導入について評価した。 主な結果は以下のとおり。・N2におけるドネペジルの奏効率(MMSEが3+)は37.5%であった。・ドネペジル+心理社会的介入は、Vitality Indexの総スコア(Wilcoxon検定のp=0.016)、およびサブスコアのコミュニケーション(p=0.038)、食事(p=0.023)、リハビリテーション(p=0.011)を改善した。・大半のリハビリテーションはスムーズに導入され、転倒事故の頻度が減少した。・薬剤を使用していないN1での心理社会的介入では、総スコアの改善のみ認められた(Wilcoxon検定、p=0.046)。関連医療ニュース 認知症患者への精神療法、必要性はどの程度か 認知機能トレーニング/リハビリテーションはどの程度有効なのか 統合失調症へのアリピプラゾール+リハビリ、認知機能に相乗効果:奈良県立医大  担当者へのご意見箱はこちら

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レビー小体型認知症は日中の眠気がアルツハイマー型より多い傾向

 アルツハイマー型認知症(AD)と比べてレビー小体型認知症(DLB)のほうが、日中の過剰な眠気がみられる患者が、より多いとみられることが、米国・メイヨークリニックのTanis J Ferman氏らによる検討の結果、明らかになった。これまで、レビー小体型認知症の日中の過剰な眠気は、既知の一般的な問題として報告されていたが、アルツハイマー型認知症患者と比較した検討は行われていなかった。Alzheimer's Research & Therapy誌2014年12月10日号の掲載報告。レビー小体型認知症は日中の異常な眠気が特徴 研究グループは、AD患者とDLB患者を比較して、夜間連続睡眠と日中眠りに落ちている傾向との関連を調べた。DLB患者61例、AD患者26例に、夜間睡眠ポリグラフ検査を実施した。また、そのうちDLB患者32例、AD患者18例に日中、反復睡眠潜時検査(Multiple Sleep Latency Test:MSLT)を行った。DLB患者の20例について、神経病理学的検査を行った。 レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症を比較して日中眠りに落ちている傾向との関連を調べた主な結果は以下のとおり。・夜間睡眠効率は、両群で差はみられなかったが、日中初期睡眠潜時の平均MSLT値は、AD群11±5分、DLB群6.4±5分で、DLB群のほうが有意に短かった(p<0.01)。・10分以内に眠りに落ちたのは、DLB群81%に対し、AD群は39%であった(p<0.01)。5分以内に眠りに落ちたのは、DLB群56%、AD群17%であった(p<0.01)。・AD群の日中の睡眠は、認知障害の重症度と関連していた。・一方、DLB群では、認知症重症度のほか、前の晩の睡眠効率、また幻視や変動、パーキンソニズム、レム睡眠行動障害とも関連がみられなかった。・これらのデータから、日中の異常な眠気はDLBの特徴であり、夜間睡眠の乱れや、DLBの基本的な4つの特性とは無関係であることが示唆された。・DLB患者20例の剖検所見からは、脳幹や辺縁部にレビー小体型認知症が認められた移行型DLB患者と、びまん性DLB患者について、認知症重症度、DLBコアの特色、睡眠変数に違いはみられなかったことが示されている。・以上を踏まえて著者は、「日中の眠気は、AD患者よりDLB患者でより多く認められようだ」と述べ、「DLB患者の日中の眠気は、脳幹や辺縁部の睡眠-覚醒の生理が破壊されていることによるものと思われた。さらなる研究により、基礎的メカニズムを解明する必要がある」とまとめている。関連医療ニュース 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 レビー小体型認知症の排尿障害、その頻度は:東邦大学 認知症の不眠にはメラトニンが有用

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抗うつ薬は有用か、てんかん患者のうつ

 てんかん患者のうつ病に対する治療として、抗うつ薬の有効性と安全性、けいれん発作再発に対する有効性を明らかにするため、英国・Leeds General InfirmaryのMelissa J Maguire氏らは8件の臨床試験をレビューした。その結果、抗うつ薬の有効性に対するエビデンスは非常に少なく、また質の高いエビデンスも存在しないことを明らかにし、同領域において大規模な比較臨床試験の必要性を指摘した。Cochrane Database Systematic Reviewsオンライン版2014年12月3日号の掲載報告。 うつ病性障害は、てんかん患者の約3分の1に発症する一般的な精神的合併症であり、QOLに多大な悪影響をもたらす。しかし、いずれの抗うつ薬(あるいは種類)最良であるのか、また、けいれん発作を悪化させるリスクなどに関する情報が不確実なため、これらの患者がうつ病に対し適切な治療を受けていないことが懸念される。 研究グループは、これらの課題に取り組み、実臨床および今後の研究に向け情報を提供することを目的とし、てんかん患者のうつ病治療として、抗うつ薬に関する無作為化対照試験および前向き非無作為化試験から得られたエビデンスを統合し、レビューした。主要目的は、うつ症状の治療における抗うつ薬の有効性と安全性、けいれん発作再発に対する有効性の評価とした。 論文検索は、2014年5月31日までに発表された試験を含む、Cochrane Epilepsy Group Specialised Register、Cochrane Central Register of Controlled Trials (CENTRAL 2014, Issue 5)、MEDLINE(Ovid)、SCOPUS、PsycINFO、www.clinicaltrials.gov、その他国際会議議事録にて行い、言語による制限を設けなかった。 うつ症状に対し抗うつ薬治療を実施したてんかん小児および成人患者を対象とした、無作為化対照試験(RCT)および非無作為化コホート対照試験、非対照試験を検索した。介入群は、現行の抗てんかん薬レジメンに抗うつ薬を追加した患者とした。一方、対照群は現行のてんかん薬レジメンに、プラセボ、比較対照の抗うつ薬、心理療法のいずれかを追加、あるいは治療の追加なしの患者とした。 試験デザイン要素、患者背景、各試験のアウトカムを基にデータを抽出。主要アウトカムはうつ病スコアの変化(50%以上の改善を示した人数あるいは平均差)およびけいれん発作頻度の変化(発作の再発あるいはてんかん重積症の発作のどちらか、または両方を発症した患者の平均差あるいは人数)とした。副次アウトカムは有害事象、試験中止例数および中止理由とした。データ抽出は対象試験ごとに2人の執筆者がそれぞれ実施、これによりデータ抽出のクロスチェックとした。無作為化試験および非無作為化試験におけるバイアスの危険性を、コクラン共同計画の拡張バイアスリスク評価ツール(extended Cochrane Collaboration tool for assessing risk of bias)を使用して評価した。バイナリアウトカムは95%信頼区間(CI)を有するリスク比として示した。連続アウトカムは95%CIを伴う標準化平均差、そして95%信頼Clを伴う平均差として示した。可能であればメタ回帰法を用い、想定される不均一性の原因を調査する予定であったが、データ不足により断念した。 主な結果は以下のとおり。・8件の試験(RCTが3件と前向きコホート研究5件)、抗うつ薬治療中のてんかん患者471例を対象にレビューを行った。・RCTはすべて、抗うつ薬と実薬、プラセボまたは無治療との比較を行った単施設での試験であった。・5件の非無作為化前向きコホート研究は、主に、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)によりうつ病治療中の部分てんかん患者におけるアウトカムを報告するものであった。・すべてのRCTおよび1件の前向きコホート研究については、バイアスのリスクが不明確と評価された。他の4件の前向きコホート研究については、バイアスのリスクが高いと評価された。・うつ病スコアが50%以上改善した割合に対するメタ解析は、比較した治療が異なっていたため実施できなかった。・記述的分析の結果、レスポンダー率は、投与された抗うつ薬の種類によって24%~97%の幅が認められた。・うつ病スコアの平均差に関しては、シタロプラムを用いた2件の前向きコホート研究(計88例)の限定的なメタ解析が実施可能であった。同分析では、うつ病スコアにおける効果予測1.17 (95%CI:0.96~1.38)であり、エビデンスの質は低かった。・てんかん発作頻度に関するRCTのデータがなく、また前向きコホート研究においても、比較対照となる治療が異なるためメタ解析は実施できなかった。記述的分析の結果、SSRIを用いた3件の試験において、発作頻度の有意な上昇は認められなかった。・抗うつ薬の中止理由として、無効よりも有害事象によるものが多かった。・SSRIに関する有害事象として嘔気、めまい、鎮静、胃腸障害、性機能障害が報告された。・3件の比較研究を通し、解析に使用した試験の規模が小さく、比較のために参照した試験が各1件のみであるという理由から、エビデンスの質は中程度と評価した。・最後の比較研究に関しては、2件の参照試験における試験方法に問題があるという点でエビデンスの質が低いと評価した。・てんかん関連うつ症状に対する、抗うつ薬の有効性に関するエビデンスは非常に少なく、ベンラファキシンがうつ症状に対し統計学的に有意な効果を示した小規模なRCTが1件あるのみであった。・てんかん患者のうつ症状治療に際し、抗うつ薬またはその種類の選択に関し情報を提供する質の高いエビデンスはなかった。・今回のレビューでは、SSRIによる発作悪化という観点から、安全性に関するエビデンスの質は低く、また発作に使用できる抗うつ薬の種類や安全性の判定に使用可能な比較対照データはなかった。心理療法は、患者が抗うつ薬の服用を好まない場合や許容できない有害事象のある場合に対して考慮されるが、現在のところ、てんかん患者のうつ病治療として抗うつ薬と心理療法を比較しているデータはなかった。うつ病を有するてんかん患者を対象とした、さらに踏み込んだ抗うつ薬および心理療法に関する大規模コホート比較臨床試験が将来のよりよい治療計画のために必要である。関連医療ニュース どの尺度が最適か、てんかん患者のうつ病検出 てんかん患者のうつ病有病率は高い パロキセチンは他の抗うつ薬よりも優れているのか  担当者へのご意見箱はこちら

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脳梗塞、動脈内治療が機能的転帰に有効/NEJM

 急性虚血性脳卒中患者に対し発症後6時間以内に行う動脈内治療は、機能的アウトカムに有効かつ安全であることが、オランダ・エラスムスMC大学医療センターのO.A. Berkhemer氏らによる多施設共同無作為化試験の結果、明らかにされた。対象は前方循環の頭蓋内動脈近位部閉塞による急性虚血性脳卒中患者で、標準治療とされるrt-PA静注療法の単独群との比較で機能的アウトカムへの効果が検討された。これまでに、同患者への動脈内治療は緊急的な血行再建術に非常に効果的であることは知られていたが、機能的アウトカムへの効果は立証されていなかった。NEJM誌2015年1月1日号(オンライン版2014年12月17日号)掲載の報告より。発症後6時間以内に動脈内治療 試験はオランダ国内16施設にて、患者を標準治療単独群または標準治療+動脈内治療を行う群に無作為に割り付けて行われた。前方循環の動脈近位部閉塞を血管イメージングで確認し、発症後6時間以内に動脈内治療が可能であった患者を適格とした。 主要アウトカムは、90日時点の修正Rankinスケールスコアとし、0(症状なし)から6(死亡)のスコアを用いて機能的アウトカムを評価した。 治療効果は、順序ロジスティック回帰法を用いて推算した共通オッズ比(事前に予後因子を規定し補正)を用いて、動脈内治療のほうが標準治療単独よりも、より修正Rankinスコアが低くなるという尤度を測定して評価した。90日時点、機能的自立患者は32.6%vs.19.1%で介入を支持する結果 500例の患者が登録され、233例が動脈内治療(介入)群に、267例が標準治療単独(対照)群に割り付けられた。被験者は平均年齢65歳(範囲:23~96歳)、男性が292例(58.4%)で、無作為化前に実施されたrt-PA治療を受けたのは445例(89.0%)であった(うち介入群は203例[87.1%])。 介入群に割り付けられた233例のうち、実際に動脈内治療(機械的血栓除去術のありなし含む)を受けたのは196例であった。そのうち機械的血栓除去術を受けたのは195例で、190例(81.5%)が血栓回収ステントを用いた介入が行われた。 結果、90日時点の評価に基づく介入群の補正後共通オッズ比は、1.67(95%信頼区間[CI]:1.21~2.30)であった。機能的に自立した患者(修正Rankスコア0~2)の割合は、介入群32.6%vs. 対照群19.1%で、介入を支持する絶対差は13.5ポイント(95%CI:5.9~21.2)であった。 なお死亡率や症候性脳内出血の発生率について、両群間で有意な差はなかった。

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軽度認知障害からの進行を予測する新リスク指標

 軽度認知障害(MCI)からprobableなアルツハイマー型認知症(AD)への進行を予測する新たな診断基準が、米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のSei J. Lee氏らにより開発提示された。臨床指標をベースとしたリスク予測因子で、臨床医がMCI患者の進行について低リスクvs.高リスクを鑑別するのに役立つ可能性があるという。PLoS One誌2014年12月8日号の掲載報告。 研究グループは、MCIから認知症への進行について、大半を臨床で即時に入手できる情報だけを用いた3年リスクの予測指標の開発に取り組んだ。多施設共同長期観察研究であるAlzheimer's Disease Neuroimaging Initiative(ADNI)登録患者で、健忘型MCI(Amnestic MCI)と診断された382例の情報を集めて、人口統計学的情報や併存疾患、症状や機能に関する介護者の報告、基本的神経学的尺度の各項目の被験者の実行能を調べた。主要評価項目は、probable ADへの進行であった。 主な結果は以下のとおり。・被験者は、平均年齢75歳(SD 7)であった。・3年以内に43%が、probableなADに進行した。・進行に関する重大予測因子は、女性、支援拒否、介護者がいない時に転倒、1人での買い物が困難、予定を覚えていない、10単語リストの思い出し正答数、見当識、時計を描くのが困難、であった。・最終ポイントスコアは0~16(平均[SD]:4.2[2.9])であった。・optimism-corrected Harrell'sによるC統計値は0.71(95%CI:0.68~0.75)であった。・3年間でprobableなADに進行したのは、低リスクスコア被験者(0~2ポイント、124例)では14%であった一方、中リスクスコア被験者(3~8ポイント、223例)は51%、高リスクスコア被験者(9~16ポイント、35例)は91%であった。関連医療ニュース 早期介入により認知症発症率はどこまで減らせるか? 統合失調症患者を発症前に特定できるか:国立精神・神経医療研究センター 統合失調症の発症は予測できるか、ポイントは下垂体:富山大学  担当者へのご意見箱はこちら

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アルコール依存症治療に期待される抗てんかん薬

 先行研究により、トピラマートはアルコール依存症におけるエチルアルコール摂取を減じるが、認知障害を含むいくつかの有害事象の発現をもたらすことが示唆されている。一方で、ゾニサミドは構造的にアルコール依存症治療薬としての見込みがあり、トピラマートよりも忍容性が大きい可能性があるといわれている。米国・ボストン大学医学部大学院のClifford M. Knapp氏らは、ゾニサミドのアルコール消費への有効性と、アルコール依存症患者における神経毒性作用を調べた。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2014年11月25日号の掲載報告。抗てんかん薬ゾニサミドはアルコール依存症治療として有効 研究グループは、ゾニサミド(400mg/日)のアルコール消費への有効性と、アルコール依存症患者における神経毒性作用を調べた。検討は、二重盲検プラセボ対照試験にて行われ、比較群としてトピラマート(300mg/日)、認知障害をもたらさないレベチラセタム(2,000mg/日)の2つの抗てんかん薬が用いられた。試験薬の投与期間は14週間(2週間の漸減期間含む)。Brief Behavioral Compliance Enhancement Treatmentを用いてアドヒアランスの助長が図られた。神経毒性作用の評価は、神経心理学的テストとAB-Neurotoxicity Scaleで行われた。 抗てんかん薬のアルコール依存症治療薬としての有効性を調査した主な結果は以下のとおり。・プラセボ群と比較して、抗てんかん薬のゾニサミド群とトピラマート群は、1日アルコール摂取量、飲酒日数割合、深酒をした日数割合が有意に低下した。・深酒日数割合についてだけは、抗てんかん薬のレベチラセタム群でも有意な低下が認められた。・トピラマート群は、11週、12週時点でプラセボと比較して、Neurotoxicity Scaleのサブスケールによる評価で唯一、神経機能低下が有意に増大していた。・トピラマート群とゾニサミド群はいずれも、言葉の流暢さやワーキングメモリ(作業記憶)においてわずかだが低下が認められた。・これらの所見から、抗てんかん薬のゾニサミドは、アルコール依存症治療に有効であり、その効果サイズはトピラマートと同等であることが示唆された。また両剤とも、認知障害の発現パターンは類似していたが、トピラマート群のみで、精神機能低下の顕著な増大が報告された。関連医療ニュース 過食性障害薬物治療の新たな可能性とは 「抗てんかん薬による自殺リスク」どう対応すべきか 片頭痛の予防に抗てんかん薬、どの程度有用か

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適切な認知症薬物療法を行うために

 英国・クィーンズ大学ベルファストのCarole Parsons氏らは、進行した認知症患者に対する適切な薬物治療を行うための薬物カテゴリーを作成すること、また、それらの患者で用いられている薬物を調べるための、長期前向きコホート試験の実現可能性を評価し、開発したカテゴリーを使用することで進行した認知症患者が入所するナーシングホームで処方が適切になるかを確認する検討を行った。これまで同様の評価や検討は行われていなかった。Drugs & Aging誌オンライン版2014年12月6日号の掲載報告。 検討は、北アイルランドの進行した認知症患者が入所するナーシングホームで行われた。進行した認知症(定義:Functional Assessment Staging[FAST]スコアが6E~7F)に対する薬物療法の適切性について、専門臨床医らが参加した3ラウンドのデルファイ法によるコンセンサスパネルサーベイにより評価した。その後、長期前向きコホート実行可能性試験を、3件のナーシングホームで行った。参加施設で臨床および薬物使用データを収集し、認知症重症度の短期検査を実施。データは、ベースライン、試験開始から9ヵ月または死亡するまで3ヵ月ごとに収集した。試験期間中に死亡した場合、データは死亡から14日以内に収集した。施設入所者に対する薬物処方の適切性を決定するため、データを収集するたびに、コンセンサス委員会による薬物治療の適切性尺度をレトロスペクティブに適用した。 主な結果は以下のとおり。・サーベイに含まれていた97個の薬物および薬物クラスのうち、87個(90%)でコンセンサスが得られた。・長期前向きコホート実行可能性試験には、入居者15例が登録された。そのうち4例はデータ収集期間中に死亡した。・1例当たりの平均処方薬物数は、ベースライン時16.2、3ヵ月時19.6、6ヵ月時17.4 、9ヵ月時16.1であった。・ベースライン時に、コンセンサス委員会が不適切と考える薬物を1つ以上服用していた患者は14例で、処方された薬物の約25%は不適切だと考えられた。・死亡後の収集データから、死亡者について、不適切な薬物処方が減少し、適切な薬物療法の割合が増加していたことが示唆された。・本研究は、英国において進行した認知症患者に対する、薬物の適切性の指標を考案ならびに適用した最初の研究であった。・専門臨床医らが参加したデルファイ法によるコンセンサス委員会のサーベイは、このような指標の開発に適切な方法であった。・ナーシングホームの進行した認知症入居者から、QOL、機能の状態、身体的な心地よさ、神経精神症状そして認知機能に関する情報を収集することは実行可能であった。関連医療ニュース 日本では認知症への抗精神病薬使用が増加 これからのアルツハイマー病治療薬はこう変わる 認知症タイプ別、各認知機能の経過を比較  担当者へのご意見箱はこちら

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小児てんかん、複雑な経過をたどる

 米国・Ann & Robert H. Lurie Children's HospitalのAnne T. Berg氏らは、小児てんかん患者の寛解、再発、薬剤抵抗性の発生頻度を20年間にわたり前向きに調査した。その結果、てんかんのタイプや脳損傷あるいは神経系障害の有無などにより予後は多様で、複雑な経過をたどることを報告した。Epilepsia誌オンライン版2014年11月28日号の掲載報告。 検討は、新規にてんかんと診断された小児の地域ベースコホートを対象とし、頻繁な電話と定期的な診療記録のレビューにより、最長21年間前向きに調査した。寛解期間1、2、3、5年間それぞれの達成状況やその後の再発について記録し、分析した。そのほかのアウトカムとして、薬剤抵抗性(2剤を適正に使用しても発作抑制不能)、2年以内の早期寛解および早期薬剤抵抗性、最終評価時点での完全寛解(CR-LC:最終評価時点で5年間発作および薬物治療なし)についても評価した。発作の経過に関する複合的アウトカムを、早期の持続的寛解およびCR-LC(最良好群)から1年寛解未達成(最不良群)までの8カテゴリーに分けて分析した。 主な結果は以下のとおり。・被験者は613例であった。そのうち516例が10年以上の追跡を完了した。・初回寛解1年達成率は95%、2、3、5年達成率はそれぞれ92%、89%、81%であった。その後の再発は、それぞれ52%、41%、29%、15%で認めた。・再発後に多くが再び寛解を得た。1人につき記録された再発後寛解は、初回寛解1年達成者では最高7回、同2年および3年達成者では最高5回、同5年達成者では最高2回を記録した。・全期間における薬剤抵抗性の発生率は118例(22.9%)、早期薬剤抵抗性(2年以内)は70例(13.6%)、早期寛解は283例(54.8%)、CR-LCは311例(60.3%)であった。・複合アウトカムの発生率は、CR-LCを認める早期の持続的寛解(172例、33%)、CR-LCを認める後期の持続的寛解(51例、10%)、1回の寛解-再発を繰り返した後のCR-LC(61例、12%)、2回以上の寛解-再発を繰り返した後のCR-LC(27例、5%)、さまざまな非CR-LCアウトカム(179例、35%)、1年寛解未達成(26例、5%)であった。・アウトカムの分布は、てんかんのタイプや脳損傷あるいは神経系障害の有無など各グループ間で相違がみられた(p<0.0001)。・小児てんかんにおける発作の予後は、非常に多様であることが示唆された。複雑な過程をたどることが明らかになった今回の所見は、成人期を迎える若い患者が、てんかんによって受ける影響を理解するための取り組みを促進すると思われた。関連医療ニュース 小児てんかんの予後予測、診断初期で可能 小児てんかんの死亡率を低下させるために 低用量EPA+DHA、てんかん発作を抑制  担当者へのご意見箱はこちら

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認知症によいサプリメント、その効果は

 大豆レシチンより生成したホスファチジルセリン(PS)とホスファチジン酸(PA)を配合したサプリメントは、高齢者において記憶、気分、認知機能を改善すること、アルツハイマー病(AD)患者の日常機能や感情に対して有益な影響を及ぼすことが明らかにされた。ドイツ・Analyze & realize GmbHのMargret I. More氏らによる検討の結果、示された。Advances in Therapy誌オンライン版2014年11月21日号の掲載報告。 研究グループは、大豆レシチンより生成したPS 100mgとPA 80mgを配合した脳の健康を保つための食物サプリメントの有用性を検討するため、早期パイロットスタディを実施した。同様の検討はこれまで行われていない。 はじめに、健常ボランティアにおいてPS+PA単回摂取後の血清分析を実施。次に、機能障害や抑うつを認めないが記憶に問題のある高齢者(記憶および気分に及ぼす影響をウエクスラー記憶検査とうつ症状リストを用いて評価)を対象とし、3ヵ月間の二重盲検プラセボ対照試験にて、PS+PA 3カプセル/日(300mg PS+240mg PA/日)とプラセボの有用性を比較評価した。さらに、AD患者を対象とした2ヵ月間の無作為化二重盲検プラセボ対照試験において、PS+PA 3カプセル/日(300mg PS+240mg PA/日)とプラセボの、日常機能、メンタルヘルス、感情、自己報告による全身状態に及ぼす影響を比較評価した。 主な結果は以下のとおり。・血清中PS濃度は、摂取後90分でピークに達し、180分後にベースライン値に回復した。・高齢者において、PS+PA群(per protocol[PP]のn=31)ではプラセボ群(PPのn=26)と比べて記憶力の有意な改善が認められ、摂取前後の比較において冬季うつ病(ウインターブルー)の抑制が認められた。・AD患者において、PS+PA群(PPのn=53)では日常生活機能(日常生活における7つの活動)が維持されていたが、プラセボ群(PPのn=39)では5.62から4.90へと低下し(p=0.035)、有意な群間差を認めた(p=0.021)。・日常生活機能について、PS+PA群では悪化が3.8%、安定が90.6%であったのに対し、プラセボ群ではそれぞれ17.9%、79.5%であった(p=0.066)。・PS+PA群では、自己報告による全身状態の改善を認めた患者は49%であったが、プラセボ群では26.3%にとどまった(p=0.084)。・PS+PA群では、試験後もサプリメント摂取(二重盲検期間中)を継続した患者が約43%いたが、プラセボを受けた患者はいなかった。ネガティブな副作用は認められなかった。・以上のことから、PSは、経口摂取により効果的に吸収されることが示された。また、高齢者を対象とした試験により、PS+PAの記憶、気分、認知機能に対する有益な効果が示された。AD患者に対する短期間のPS+PA摂取は、日常機能、感情、自己報告による全身状態に対し、安定した効果を示した。・本パイロット研究の結果は、AD患者そして記憶や認知機能に問題のある高齢者に対するPS+PAの長期試験の実施を促すものであった。関連医療ニュース 認知症にイチョウ葉エキス、本当に有効なのか アルツハイマーに有用な生薬はコレ 認知症タイプ別、各認知機能の経過を比較  担当者へのご意見箱はこちら

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レビー小体型認知症の排尿障害、その頻度は:東邦大学

 レビー小体型認知症(DLB)は、認知症の中でも2番目に多い疾患であるが、DLB患者の下部尿路(LUT)機能については、これまで十分に検討されてこなかった。東邦大学医療センター佐倉病院の舘野 冬樹氏らは、尿流動態検査により、DLBのLUT機能を調べた。Movement disorders誌オンライン版2014年10月30日号の報告。 対象はDLB患者32例(男性:23例、女性:9例、年齢:59~86歳[平均:75.9歳]、罹病期間:0.2~17年[平均:3.3年])。すべての患者において筋電図-膀胱内圧測定を実施し、21例で括約筋の運動単位電位分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・DLB患者の91%はLUT症状を有していた(夜間頻尿[>8回]84%、尿失禁[>1回/週]50%)。・排尿筋過活動は87.1%でみられ、排尿後の残尿量は最小であった。・神経原性変化は50%で認められた。 LUT機能不全はDLBに共通の特徴であり、認知症や不動状態だけでなく、中枢および末梢の体性-自律神経障害に起因すると考えられる。関連医療ニュース レビー小体型認知症、パーキンソン診断に有用な方法は 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 レビー小体型認知症、アルツハイマー型との違いは?

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小児てんかんの死亡率を低下させるために

 米国疾病予防管理センター(CDC)のAnbesaw W. Selassie氏らは、2000~2011年までのサウスカロライナ州における小児てんかんの死亡率、ならびにチーム医療がアウトカムに及ぼした影響などについて調査を行った。その結果、小児てんかんの全死亡率は8.8/1,000人年で、死亡の年間リスクは0.84%であることを報告した。そのうえで、チーム医療介入がアウトカムを改善すること、とくに併存症(co-occurring conditions)を有する患者への適切かつタイムリーな介入が早期死亡リスクを減少させうるとした。Morbidity and Mortality Weekly Report 2014年11月7日号の掲載報告。 てんかんは小児期における一般的な神経系疾患で、米国の2007年における0~17歳のてんかん児は推定45万人。そのうち特別な治療を必要とするてんかん児のおよそ53%が併存症を有しているが、包括的なケアを受けているのは3分の1にとどまっているという。これまでに、てんかん児と一般集団とを比較した死亡リスクの検討において、併存症を有するてんかん児ではよりリスクが高い一方で、併存症を有していないてんかん児の死亡リスクは一般集団と同程度であることが示されていた。しかしながら、検討された試験は少なく、実施された試験もサンプル数が少なく、比較が限定的で代表的なデータとはいえないことから、研究グループは、「超過死亡をより正しく把握するためには、てんかん児の死亡率に関する広範なサーベイランスの必要性が示唆される」として本検討を行った。 検討は、2000~2011年までのサウスカロライナ州におけるてんかん児の死亡率について、人口動態的特性および死因の側面から行った。 主な結果は以下のとおり。・てんかん児の全死亡率は8.8/1,000人年で、年間死亡リスクは0.84%であった。・てんかん児の主な死因は、病状進行、心血管障害、外傷であった。・医療および医療以外のシステムとの協同によるチーム医療によりアウトカムの改善が可能であり、特別な医療サービスを必要とする小児におけるコスト軽減につながると思われた。ただし、いずれもさらなる検討が求められる。・てんかん児、とくに併存症を有する患児には、適切かつタイムリーな医療・ソーシャルサービスの投入が、早期死亡リスクを減少させる可能性があった。・「チームケア」が、てんかん児のアウトカムを改善するか否かの評価にあたっては、医療従事者、ソーシャルサービス提供者、支援団体などが協働することが望ましい。関連医療ニュース 小児てんかんの予後予測、診断初期で可能 小児てんかん患者、最大の死因とは 統合失調症患者の突然死、その主な原因は  担当者へのご意見箱はこちら

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疼痛を伴うMSにデュロキセチンが有効

 米国・コロラド大学ヘルスサイエンスセンターのTimothy L. Vollmer氏らは、神経障害性疼痛をしばしば有する多発性硬化症(NP-MS)患者における疼痛処置としてのデュロキセチン(商品名:サインバルタ)の有効性と忍容性を評価する無作為化二重盲検試験を行った。その結果、NP-MS患者に対してデュロキセチンは有効であることを報告した。安全性プロファイルも他の患者集団で報告されたものと一致していた。NP-MS患者へのデュロキセチン治療は適応承認されていない。Pain Practice誌2014年11月号の掲載報告。 検討は、239例のNP-MS患者を対象に行われた。まず、被験者を、デュロキセチン60mg/日投与群またはプラセボを投与する群に無作為に割り付け、1日1回投与の6週間にわたる急性期治療フェーズの検討を行った(デュロキセチン投与群は30mgを1週間、60mgを5週間投与された)。その後、12週間の非盲検延長フェーズ(デュロキセチン30~120mg/日投与)の検討を行った。 被験者は、無作為化以前に、MSを有して1年以上、1日の平均疼痛(API)評価スコアが4以上の日が7日間のうち4日以上あった。なお患者の毎日のAPI評価は、電子日記において11ポイント制(0[疼痛なし]~10[最大級の痛み])で行われた。 主要有効性評価は週ごとのAPI評価の変化で、ミックスモデル反復測定分析により分析が行われた。治療完了や治療中断理由、治療関連有害事象の発生は、Fisher's 正確確率検定で比較した。 主な結果は以下のとおり。・デュロキセチン群は118例、プラセボ群は121例であった。・6週時点で、デュロキセチン群の患者はプラセボ群の患者と比較して、API評価における統計的改善が有意に大きかった(-1.83 vs. -1.07、p=0.001)。・治療完了について、群間で有意な差は認められなかった。・有害事象による中断は、デュロキセチン群がプラセボ群よりも統計的に有意に多かった(13.6% vs. 4.1%、p=0.012)。・食欲減退の報告頻度が、デュロキセチン治療患者で有意に高かった(5.9% vs. 0%、p=0.007)。

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レビー小体病を画像診断で層別解析

 パーキンソン病(PD)、認知症を伴うパーキンソン病(PDD)、レビー小体型認知症(DLB)は、レビー小体病(LBD)と総称される。神経症状を欠く一次性レビー小体病(pure psychiatric presentation:PPP)は、明らかなパーキンソン症候がなく、長年にわたり認知障害が続くという精神症状において、第四のサブタイプといえるかもしれない。石川県・粟津神経サナトリウムの小林 克治氏らは、60例のmeta-iodobenzylguanidine(MIBG)心筋シンチグラフィー検査の解析を行い、層別解析結果を報告した。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2014年10月22日号の掲載報告。 本研究では、心筋MIBG検査で低集積がみられる被験者が、PPPを有するかを検討することが目的であった。心筋MIBGを受けた60例(女性28例、男性32例)を、精神医学的な画像診断に基づき、うつ病群(D群、27例)、単独幻視群(V群16例)、精神病群(P群17例)の3群に層別化した。56例については、脳SPECT検査も行われ、37例で血流低下が認められ、19例で異常所見はみられなかった。それらに基づき最終的な診断(PD、PDD、DLB、PPP)を、DSM-IV、統合パーキンソン病評価尺度(UPDRS)、Mini-mental state examination(MMSE)を用いて行った。 主な結果は以下のとおり。・D群(うつ病)患者のうち、40%はパーキンソン症候を伴わないうつ病と診断された。しかし、約50%は典型的なパーキンソン症候が認められた。・P群(精神病)患者の大半は、PDDまたはDLBの病像を呈した。・統計的分析により、「V-DLB後頭葉血流低下群」「SPECT異常なしD-PD群」「側頭葉血流低下P-PDD群」「SPECT異常なしD-PPP群」の4つの組み合わせが示された。・PPPは大うつ病性障害を特徴とし、LBD予備群、PDのうつの前駆症状の可能性がある。PDDを特徴付けるにあたり、精神病と認知症は質的に同等であった。関連医療ニュース レビー小体型認知症、パーキンソン診断に有用な方法は 認知症、アルツハイマー型とレビー小体型の見分け方:金沢大学 たった2つの質問で認知症ルールアウトが可能

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うつ病+認知障害への有効な治療介入は

 うつ病と認知障害を有する高齢者に対しては、抗うつ薬の効果は限定的である。また、心理社会的介入の効果はこれまで十分に検討されていなかった。このような患者に対し、問題適応療法(problem adaptation therapy:PATH)が、認知障害支持療法(ST-CI)よりも、病状の低減に有効であることが、米国・ウェイル・コーネル・メディカル大学のDimitris N. Kiosses氏らによる無作為化試験の結果、報告された。JAMA Psychiatry誌オンライン版2014年11月5日号の掲載報告。 試験は同大研究所で2006年4月~2011年9月に行われた。被験者は、大うつ病、中等度認知症レベルの認知障害を有している65歳以上の74例で、無作為にPATH群とST-CI群に割り付けられ、週1回12週間にわたる介入を自宅で受けた。検討ではミックス効果モデルを用いて、12週間介入の両群の効果を比較した(途中離脱者は14.8%)。主要アウトカムは、うつ病(モンゴメリ・アスベルグうつ病評価尺度[MADRS]で評価)および障害(World Health Organization Disability Assessment Schedule II[WHODAS 2.0]で評価)の改善であった。 PATHは、代替戦略、環境適応、介護者支援を統合した問題解決アプローチで、患者の感情調節を図る。一方のST-CIは、情動、理解、共感の表出にフォーカスを当てた介入の方法である。 主な結果は以下のとおり。・12週間介入において、PATH群のほうがST-CI群よりも、うつ病(Cohen d:0.60、95%信頼区間[CI]:0.13~1.06、治療×期間 F1,179=8.03、p=0.005)、障害(同:0.67、0.20~1.14、F1,169=14.86、p=0.001)ともに有意に大きく改善した。・さらに副次アウトカムのうつ病寛解率も、PATH群のほうがST-CI群よりも有意に高値であった(37.84% vs. 13.51%、χ2=5.74、p=0.02、NNT=4.11)。 今回の結果を踏まえて、著者らは「PATHは、うつ病と認知障害を有する、治療選択肢がほとんどない高齢者の大規模集団に好影響をもたらす可能性がある」とまとめている。関連医療ニュース 認知症の精神症状、さらなる評価が必要 高齢者への向精神薬投与、認知症発症リスクと強く関連 若年双極性障害への治療効果を高めるには  担当者へのご意見箱はこちら

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