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治療薬の開発が進むアミロイドーシスの最新知見

 第3回日本アミロイドーシス研究会学術集会(大会長:安東 由喜雄氏[熊本大学大学院 生命科学研究部 神経内科学分野 教授])が、8月21日、東京都内にて開催された。今回は約60題に上る演題発表のほか、シンポジウム、特別講演が行われた。多様な症候を示すアミロイドーシス モーニングセミナーでは、山下 太郎 氏(熊本大学医学部附属病院 神経内科 アミロイドーシス診療体制構築事業 特任教授)が、「アミロイドーシスの早期診断と早期治療の重要性」と題し、レクチャーを行った。 セミナーでは、「本症は約60年前に発見されて以来、今日まで診断法と治療法の研究がされてきた」と疾患の歴史からひも解くとともに、主に家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)にフォーカスをあて解説が行われた。 アミロイドーシスは、特異なタンパクであるアミロイドがさまざまな臓器の細胞外に沈着することで、機能障害を引き起こす疾患群である。現在31種類のアミロイド前駆タンパク質が確認され、沈着する種々のタンパク質に応じて分類がされている(その1つにFAPに関連するトランスサイレチン〔TTR〕がある)。これら原因タンパクにより病型が異なり、病型により治療法も変わるために、確実な診断が重要となる。しかし、一般に全身性アミロイドーシスでは、多臓器に障害がみられ、多彩な症候を示すために、確定診断まで難渋される。 初発症状としては、全身倦怠感などの非特異的症状のほか、末梢神経障害による手足のしびれ、自律神経障害による起立性低血圧、消化管アミロイドーシスによる吐気、下痢、巨舌、心アミロイドーシスによる心肥大や不整脈、腎障害によるタンパク尿、浮腫、皮下出血などがみられる。 検査では、抗TTR抗体を用いた免疫染色などの組織診断、血清診断、遺伝子診断などが鑑別診断のため行われる。確定診断には、病理学的な検査が不可欠であり、組織の生検部位として障害臓器はもとより、消化管粘膜や腹壁脂肪での生検診断も可能である。また、近年では、レーザーマイクロダイセクションと液体クロマトグラフ-タンデム型質量分析など検査機器の進歩により、沈着タンパクの同定が可能となってきた。現在、熊本大学や信州大学などの施設で病型診断が行われている。その他の所見として、心胸郭比の拡大、心エコーによる心筋肥厚や輝度上昇、BNP、NT-proBNPの上昇も参考となる。 本症では、早期診断による、迅速な治療が患者の生命予後を左右するので、専門医や専門医療機関への紹介をお願いしたい。開発が待たれる内科的治療 現在、アミロイドーシスの治療ではFAPで肝移植や内科的治療、ALアミロイドーシスに対する自家末梢血幹細胞移植、AAアミロイドーシスに対する生物学的製剤などが行われている。 とくにFAPでは、TTRが肝臓で産生されることから早期の患者には肝移植が行われている。確かに肝移植後の生命予後は改善され、病期の進行も抑制される一方で、移植後でも症候が残ること、一部の患者では症候の悪化があること、移植ドナーの不足の問題など多くの課題が残されている。こうしたこともあり、内科的治療が模索され、2013年からは、アミロイド形成に関わるTTR四量体を安定化させるタファミジス(商品名:ビンダケル)が保険適用となり、FAPの肝移植が困難な患者や移植抵抗性の患者に対し、使用されている。そして、病期の進行を抑制する有効な治療薬となっている。 その他にも、siRNAやASOによる肝臓でのTTR発現抑制を目的とした核酸医薬医療は、世界規模の臨床試験がスタートしており、治療への効果が期待されているほか、免疫療法として、沈着したアミロイドに対する治療の研究も現在進められている。 次回第4回学術集会は、2016年8月19日に山田 正仁 会長(金沢大学大学院 教授)のもと都内において開催される予定である。ケアネットの関連コンテンツ希少疾病ライブラリ 家族性アミロイドポリニューロパチー家族性アミロイドポリニューロパチー 早期診断のコツ画像を拡大する

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抗認知症薬の脳萎縮予防効果を確認:藤田保健衛生大

 これまで抗認知症薬が軽度認知障害(MCI)やアルツハイマー病患者の脳萎縮を予防するという決定的なエビデンスはなかったが、藤田保健衛生大学の岸 太郎氏らによる無作為化プラセボ対照試験のメタ解析の結果、抗認知症薬はプラセボに比べ優れた脳萎縮予防効果を発揮することが示唆された。International Journal of Neuropsychopharmacology誌オンライン版2015年7月19日号の掲載報告。 研究グループは、PubMed、Cochrane LibraryおよびPsycINFOを用い、2015年5月16日までに発表されたMCIまたはアルツハイマー病患者を対象とする抗認知症薬の二重盲検無作為化プラセボ対照臨床試験の論文を検索した。主要評価項目はMRI測定による年換算された全脳容積変化率(%TBV/年)、海馬容積変化率(%HV/年)および脳室容積変化率(%VV/年)で、標準化平均差(SMD)および95%信頼区間(CI)を算出した。 結果は以下のとおり。・メタ解析に組み込まれたのは、MCI を対象とした試験4件(1,327例)、アルツハイマー病3件(381例)の、計7件(1,708例)の無作為化プラセボ対照臨床試験であった。・抗認知症薬の内訳は、ドネペジル3件(MCI 2件、アルツハイマー病1件)、ガランタミン1件(MCI)、メマンチン2件(アルツハイマー病)、リバスチグミン1件(MCI)であった。・統合解析の結果、抗認知症薬はプラセボと比較して、有意に全脳容積の減少が少なく(%TBV/年のSMD=-0.21、95%CI:-0.37~-0.04、p=0.01、4試験、624例)、脳室容積の増加が少なかったが(%VV/年のSMD=-0.79、95%CI:-1.40~-0.19、p=0.01、3試験、851例)、海馬容積の変化(%HV/年)について有意差は認められなかった。・個々の抗認知症薬については、プラセボと比較してドネペジルで有意な脳萎縮予防効果が認められた(全脳容積変化率 %TBV/年のSMD=-0.43、95%CI:-0.74~-0.12、p=0.007、1試験、164例;脳室容積 %VV/年のSMD=-0.51、95%CI:-0.73~-0.29、p<0.00001、2試験、338例)。・リバスチグミンも脳室容積の変化に関してはプラセボより優れていた(%VV/年のSMD=-1.33、95%CI:-1.52~-1.14、p<0.00001)。関連医療ニュース レビー小体型認知症、認知機能と脳萎縮の関連:大阪市立大学 抗認知症薬の神経新生促進メカニズムに迫る:大阪大学 統合失調症、脳容積とIQの関連  担当者へのご意見箱はこちら

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新規経口抗凝固薬の眼内出血リスク、従来薬との比較

 新しい経口抗凝固薬(NOAC)は、ほとんどの血栓形成予防において標準療法に対し非劣性であることが認められているが、安全性プロファイルには差があり、とくに眼内出血のリスクについてはほとんどわかっていない。ポルトガル・分子医学研究所のDaniel Caldeira氏らは、NOACに関連した重大な眼内出血のリスクを評価する無作為化比較試験のメタ解析を行った。その結果、NOACと他の抗血栓薬とで重大な眼内出血のリスクに差はないことを報告した。ただしイベント数が少ないため、「NOACの安全性プロファイルをよりよく特徴づけるためには、眼科の日常的な臨床診療下で患者をモニターする大規模なデータベースから追加の研究がなされるべきである」とまとめている。JAMA Ophthalmology 2015年7月号の掲載報告。 研究グループは、MEDLINE、Cochrane Library、SciELO collectionおよびWeb of Science databasesを用いて2014年11月までの論文を検索するとともに、他のシステマティックレビューや規制当局の資料も調べた。 対象は、NOACのすべての第III相無作為化比較試験(RCT)で眼内出血イベントについて報告されているものとし、2人の研究者が独立してデータを抽出した。 メタ解析にはランダム効果モデルを用い、試験の異質性はI2統計量で評価するとともに、重大な眼内出血については統合リスク比(RR)および95%信頼区間(CI)を算出して評価した。 主な結果は以下のとおり。・17件のRCTがメタ解析に組み込まれた。・心房細動患者において、NOACはビタミンK拮抗薬と比較し重大な眼内出血のリスクに差はないことが確認され(RR:0.84、95%CI:0.59~1.19、I2=35%、RCT5件)、アセチルサリチル酸と比較してもリスクの増加は認められなかった(RR=14.96、95%CI:0.85~262.00、RCT1件)。・静脈血栓塞栓症患者において、NOACは低分子ヘパリン+ビタミンK拮抗薬と比較し重大な眼内出血のリスクは増加しないことが確認された(RR=0.67、95%CI:0.37~1.20、I2=0%、RCT5件)。・整形外科手術を受けた患者においても、NOACと低分子ヘパリンとで差はなかった(RR=2.13、95%CI:0.22~20.50、I2=0%、RCT5件)。

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神経障害性疼痛に対するミルナシプランのエビデンスは?

 ミルナシプランはセロトニン・ノルエピネフリン再取り込み阻害薬(SNRI)であるが、慢性神経障害性疼痛や線維筋痛症の治療に用いられることがある。英国・オックスフォード大学のSheena Derry氏らは、慢性神経障害性疼痛に対するミルナシプランの鎮痛効果および安全性についてシステマティックレビューを行った。その結果、ミルナシプランの使用を支持するエビデンスはないことを報告した。本報告は、慢性神経障害性疼痛および線維筋痛症を対象とした以前のシステマティックレビュー(Cochrane Library Issue 3、2012)のアップデートで、今回は神経障害性疼痛と線維筋痛症に分けてシステマティックレビューを行った。Cochrane Database of Systematic Reviews誌オンライン版2015年7月6日号の掲載報告。 研究グループは、慢性神経障害性疼痛患者においてミルナシプランとプラセボまたは他の実薬とを比較した8週間以上の無作為化二重盲検試験について、2015年2月23日時点でCENTRAL、MEDLINEおよびEMBASEを用いて論文を検索するとともに、参考文献やレビューも調査した。 2人の研究者が独立して検索および有効性と安全性のデータを抽出し、研究の質を評価した。 主な結果は以下のとおり。・該当した論文は、神経障害性疼痛を伴う慢性腰痛患者40例を対象とした1件のみだった。・ミルナシプラン100mg~200mg/日とプラセボとで、6週後の疼痛スコアに差は認められなかった(エビデンスの質:非常に低い)。・有害事象の発現率は両群間で類似していたが、結論付けるにはデータがあまりに少なかった(エビデンスの質:非常に低い)。

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ドネペジルの効果が持続する期間は?:国内長期大規模研究

 これまで、アルツハイマー型認知症(AD)に関する研究は、長期的な大規模研究が非常に少なく、既存試験は通常、対象者数わずか数百例程度で実施されている。そのため、認知症機能評価別病期分類(FAST)により評価した、日常生活動作(ADL)の変化に関する詳細な調査はない。順天堂大学の新井 平伊氏らは、現在進行中のADに対するドネペジル塩酸塩の長期大規模観察研究(J-GOLD試験)の中間結果を発表した。著者らは「本研究は、日本におけるAD患者を対象とした最大規模の前向き研究であり、日常診療の実態を示す重要な研究である」としている。Psychogeriatrics誌オンライン版2015年6月26日号の報告。ドネペジルの効果で認知機能が有意に改善した期間 本研究は、AD患者におけるドネペジル長期投与による疾患状態の変化と安全性を評価することを目的とした。中間結果は、最大24ヵ月の収集されたデータより集計された。有効性は、FASTと認知機能検査(MMSEまたは改訂長谷川式簡易知能評価スケール)を用い評価した。 ドネペジル長期投与によるAD患者における疾患状態の変化と安全性を評価した主な結果は以下のとおり。・ドネペジル投与開始時(ベースライン)と比較してFASTステージが改善または維持されていた患者の割合は、6ヵ月時点で91.1%、12ヵ月時点で83.0%、18ヵ月時点で79.5%、24ヵ月時点で74.8%であった。・ドネペジル投与24ヵ月時点でのFASTの改善や維持または増悪に影響を与える要因を調査するため、多変量ロジスティック回帰分析を実施した結果、「認知症高齢者の日常生活における自立レベル」と「罹病期間」が同定された。・認知機能は、ベースラインと比較して、12週、6ヵ月時点で有意に改善し、12、18ヵ月時点ではベースラインレベルを維持していたが、24ヵ月時点では有意に低下していた。関連医療ニュース 認知症治療、薬物療法にどの程度期待してよいのか アルツハイマー病への薬物治療は平均余命の延長に寄与しているのか:東北大学 抗認知症薬4剤のメタ解析結果:AChE阻害薬は、重症認知症に対し有用か  担当者へのご意見箱はこちら

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脳卒中は認知症を誘発するのみならず、認知症の進行を促進する(解説:内山 真一郎 氏)-391

 REGARDS(Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke)に登録された米国住民から、認知障害のない45歳以上の2万3,572例を抽出し、平均6年間追跡調査したところ、515例が脳卒中を発症した。各種認知機能検査の変化を脳卒中発症群と非発症群で比較したところ、脳卒中発症群では非発症群と比較して、急性の認知機能低下と6年間の認知機能低下の促進と持続的低下が生じていた。 認知症には、アルツハイマー病のような変性疾患による認知症と、脳卒中に伴う血管性認知症とがあり、脳卒中後に生じる認知症は脳卒中後認知症と呼ばれている。しかしながら、アルツハイマー病でも脳卒中が合併すると認知機能が急速に悪化したり、認知症の進行が促進したりすることが知られている。そもそも、脳卒中の危険因子のほとんどはアルツハイマー病の危険因子でもあり、アルツハイマー病の発症機序や進行過程に、脳微小循環や血液脳関門の破綻を含む脳血管障害が密接に関与することが知られるようになった。脳卒中は、神経変性疾患を誘発または悪化させ、神経変性疾患は脳卒中後の脳損傷や認知障害を増幅するであろう。血管性危険因子は脳血管損傷を進行させ、炎症や酸化ストレスを促すと考えられる。 脳卒中と認知症は介護の対象となる2大疾患であり、健康寿命を短くする最大の原因となっている。この2大疾患の危険因子はほとんどが共通しているので、これらの危険因子を適切に管理することが脳卒中と認知症を同時に予防することになる。今年の世界脳卒中デーの標語は「脳卒中と認知症は予防できる」である。世界脳卒中機構(WSO)は、世界保健機関(WHO)に協力して血管性危険因子を管理することにより、脳卒中と認知症を予防するための一大キャンペーンを展開する予定である。

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抗うつ薬とNSAIDs併用、頭蓋内出血リスク1.6倍/BMJ

 抗うつ薬と非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の併用開始30日間において、頭蓋内出血リスクの増大が認められることを、韓国・医薬品安全・リスクマネジメント研究所(Institute of Drug Safety and Risk Management)のJu-Young Shin氏らが、2009~2013年の韓国健康保険データを後ろ向きに分析し報告した。NSAIDs非併用群と比較して1.6倍高かったという。BMJ誌オンライン版2015年7月14日号掲載の報告。5年間の韓国健康保険データを後ろ向きに分析 検討は、傾向スコア適合コホート研究にて行われた。2009年1月1日~2013年12月31日の韓国健康保険データベースから、前年に抗うつ薬処方歴がなく、同じく前年に脳血管障害の診断歴のない初回抗うつ薬投与患者を対象とし、NSADs併用開始後30日以内の頭蓋内出血による入院を調べた。 適合Cox回帰モデルを用いて、傾向スコアで1対1に適合後、抗うつ薬治療患者の頭蓋内出血リスクについて、NSAIDs併用 vs.非併用を比較した。抗うつ薬のクラスによる有意なリスクの差はみられず 傾向スコア評価・適合後、分析コホートには414万5,226例が組み込まれた。 結果、全試験期間中の30日頭蓋内出血リスクは、NSAIDs非併用群よりも併用群が有意に高率であった(補正後ハザード比:1.6、95%信頼区間:1.32~1.85、p<0.001)。 同リスクについて、各クラスの抗うつ薬についてそれ以外の抗うつ薬群と比較し検討したが、統計的に有意な差はみられなかった。

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脳卒中後、認知機能は急速に低下/JAMA

 脳卒中は認知機能を急速に低下させることが米国・ミシガン大学のDeborah A. Levine氏らによる前向き研究の結果、明らかにされた。認知機能の低下は脳卒中サバイバーの主要な障害要因であるが、これまで脳卒中後の認知機能の変化がどれほどなのかは不明であった。検討では6年間の追跡において、脳卒中は認知機能を加速度的かつ持続的に低下していくことも明らかになったという。JAMA誌2015年7月7日号掲載の報告より。脳卒中サバイバーの認知機能の変化を評価 検討は、前向きコホート研究Reasons for Geographic and Racial Differences in Stroke(REGARDS)の参加者のうち、ベースラインで認知障害がみられなかった45歳以上2万3,572例を対象とした。被験者は米国大陸に居住しており、2003~2007年に登録され2013年3月31日まで追跡を受けた。追跡期間中央値は6.1年(四分位範囲:5.0~7.1年)で、その間に515例が脳卒中サバイバーとなり、残る2万3,057例は脳卒中が未発症であった。 研究グループは、脳卒中サバイバーの認知機能の変化を評価し、発症前の機能の変化と比較した。 主要アウトカムは、総合的な認知機能の変化(6項目スクリーナー[Six-Item Screener: SIS]のスコア範囲0~6で評価)とした。副次アウトカムは、新たな学習能における変化(Consortium to Establish a Registry for Alzheimer Disease Word-List Learningのスコア範囲0~30で評価)、言語記憶(Word-List Delayed Recallのスコア範囲0~10で評価)、実行機能(Animal Fluency Testのスコア範囲0以上で評価)、認知機能障害(SISスコア5未満[障害あり] vs.5以上[障害なし]で評価)などであった。すべての評価は、高スコアほど認知機能が良好であることを示した。脳卒中は総合的な認知機能、新たな学習能、言語記憶の急速な低下と関連 結果、脳卒中は、総合的な認知機能(0.10ポイント、95%信頼区間[CI]:0.04~0.17)、新たな学習能(1.80ポイント、同:0.73~2.86)、言語記憶(0.60ポイント、0.13~1.07)の急速な低下と関連していた。 脳卒中被験者は非脳卒中被験者と比較して、総合的な認知機能[0.06ポイント(95%CI:0.03~0.08)/年の差が拡大]、実行機能[同0.63ポイント(同:0.12~1.15)]の低下がより急速であった。一方で、新たな学習能、言語記憶ではそうした加速はみられず、発症前と比較しても軌跡の有意な変化はみられなかった。 サバイバーにおける脳卒中後の認知障害リスクは、脳卒中直前と比較して急激に上昇したが、統計的な有意差はみられなかった(オッズ比1.32、95%CI:0.95~1.83、p=0.10)。しかしながら認知障害の発生が、脳卒中前と比べて脳卒中後のほうが有意に早まっていた(オッズ比/年:1.23、95%CI:1.10~1.38、p<0.001)。 ベースラインのあらゆる共変量について平均値を有した70歳代の黒人女性において、追跡3年時点における脳卒中が、より重度の認知障害と関連していることも明らかになった。認知障害発生率の絶対差でみると、3年時点4.0%(95%CI:-1.2~9.2%)、6年時点は12.4%(同:7.7~17.1%)であった。

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MRIが役に立たないという論文が出てしまいましたが…(解説:岡村 毅 氏)-386

 地域住民のコホート研究が明らかにしたところでは、MRI検査が一般人口における認知症の発症の予測において、あまり役に立たないという結果である。そうだろうなとしかいいようがない。 はじめに声を大にして述べておくが、放射線医学はすべての医学の基盤たる重要な領域であり、認知症学においても形態画像・機能画像ともに、必須のデバイスである。物忘れ外来(専門外来)に認知機能低下が疑われる患者さんが紹介されてきたが、非定型的な症状を呈しているために診断が困難である場合、画像検査の一環としてMRIを撮ることは絶対に必要である。 しかし、まだ健康な人の認知症発症予測には役に立たないということである。当たり前にも思えるが、臨床においては一般の方のテクノロジー信仰は絶大であると実感することも多いので、以下気楽に読んでください。 こんなケースはどうだろうか? 物忘れの不安を訴えて一般外来を受診された中年の方がいたとして、家族からみて心配はないのに本人はいたく気にしている。とりあえずは、いわゆるスクリーニング検査をしていただいたところ、カットオフ値のはるか上で、記憶力(遅延再生など)は問題がなく、注意の障害が軽度みられ(逆唱など)、詳しく聞くと心気症と睡眠障害が軽度出現している場合……、精神科医としてはうつ病を考えて、そっちの詳しい評価に移りたくなる。 が、認知症が心配なのでMRIを撮ってくださいと主張される。「何かわかるかもしれないじゃないですか、うつ病のこともわかるでしょ」というわけである。そもそも、精神機能そのものは形あるものではなく、また認知症が形態画像でわかるのは一定の進行がみられてからだし、現在の症状では少なくともCTで十分ではと伝えてもなかなか納得していただけない。 OECD(経済協力開発機構)によれば、日本は人口当たりのMRI装置数が最大の国だ1)。私見であるが、これはわが国の豊かさと同時に、資源配分の戦略性の欠如を示しているような気もする。暴論と思われたらお許しいただきたい。テクノロジーに対する信頼が高いのは悪いことではないし、繰り返しになるが専門外来に紹介されてきた人における鑑別においては、きわめて有力なツールである。また、研究の一環として将来の患者さんのために体系的に撮ることは生産的である。しかし、一般外来で戦略なく撮ることにはあまり意味はないだろう。それよりは、プライマリケアでは時間をかけて、生活歴や健康関連要因や心理社会的要因をきちんと問診できるような制度設計にしたほうが良い。 「認知症になる前に撮っても、その人にはあまり利益はない」、専門家なら皆そう思っていると信じるが、このような当たり前のことにエビデンスを付与した味わい深い論文である。 なお、筆者は自費で検診としてMRI検査を受ける場合は、まったく議論の土台が異なるのであり、これを否定しているのではないことを申し添えておく。【参考】1)Health equipment. Magnetic resonance imaging (MRI) units. OECD Data. (参照 2015.7.18).

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多発性硬化症再発へのステロイド、経口が静注に非劣性/Lancet

 多発性硬化症の再発に対し、高用量メチルプレドニゾロンの経口投与は静注投与に対して非劣性であることが判明した。フランス・レンヌ大学病院のEmmanuelle Le Page氏らが、199例を対象に行った二重盲無作為化比較試験の結果、報告した。高用量メチルプレドニゾロンの静注投与は、多発性硬化症の再発治療として推奨されているが、経口投与に比べて利便性に乏しく高価なことが指摘されていた。検討の結果、安全性についても同等であった。Lancet誌オンライン版2015年6月26日号掲載の報告より。治療開始28日後の改善率を比較 研究グループは、2008年1月29日~2013年6月14日にかけて、フランス13ヵ所の医療機関を通じて、多発性硬化症の再発から15日以内の18~55歳の患者199例を対象に試験を行い、高用量メチルプレドニゾロン経口投与の静注投与に対する非劣性を検証した。被験者は、Kurtzke機能評価尺度スコアの1項目以上で、1ポイント以上の増加が認められた。 検討では被験者を無作為に2群に分け、メチルプレドニゾロン1,000mg/日の3日間投与を、一方の群には経口投与(100例)、もう一方の群には静注投与(99例)にて行った。 主要エンドポイントは、28日時点の評価でコルチコステロイドによる再治療の必要性がなく改善が認められた人(Kurtzke機能評価尺度スコアの最も影響のあった部位で、1ポイント以上減少)の割合とした。 非劣性のマージンは15%と規定されていた。主要エンドポイント達成率は同等、経口群で不眠発生が高率 被験者の再発から治療開始までの平均期間は、経口群が7.0日、静注群が7.4日だった。 主要エンドポイントを達成した人の割合は、経口群が81%(82例中66例)、静注群が80%(90例中72例)で、経口投与の非劣性が示された(絶対差:0.5%、90%信頼区間:-9.5~10.4)。 有害事象発生率は、不眠症発生率が静注群で64%に対し経口群で77%と高率だったほかは、両群で同程度だった。 これらの結果を踏まえて著者は、「経口投与は静注投与に対して非劣性であり、安全性も類似していた」とまとめつつ、「治療へのアクセス、患者の快適性そしてコストは重要である。しかし、常に臨床医は再発の徴候について適切に判断する必要がある」と慎重を期すよう指摘している。

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レビー小体型認知症、認知機能と脳萎縮の関連:大阪市立大学

 レビー小体型認知症(DLB)患者における側頭葉内側萎縮(MTA)と認知機能障害との関係はいまだ明らかにされていない。大阪市立大学の田川 亮氏らは、これらの関係について、MRIを用いて検討した。その結果、MTAは記憶や言語に関する認知機能障害と関連している可能性を報告した。Geriatr Psychiatry Neurology誌オンライン版2015年6月11日号の掲載報告。 対象は、DLBと診断された37例で、1.5 Tesla MRIスキャナーにより検査した。すべてのMRIデータは、MRIスキャンで得られる画像上でMTAの程度を定量化できるvoxel-based specific regional analysis system for Alzheimer disease(VSRAD)の新型ソフトウエアを用いて分析した。関心体積(VOI)の標的は嗅内皮質、海馬、扁桃体の全領域とした。MTAの程度は標的VOI上の平均positive Zスコア(数値が高いほどMTAが重度)により評価した。認知機能障害の有無について、Mini-Mental State Examination(MMSE)および改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R:MMSEと比べ記憶と言語の評価に有効である)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・ZスコアとMMSE総スコアあるいはHDS-R総スコアの間に負の相関が認められた。・ステップワイズ法による重回帰分析により性別、年齢、発症年齢、DLB罹患期間、就学年数およびドネペジル治療などの共変数を調整して検討した結果、HDS-R総スコアはZスコアと独立した関係にあること、その一方、MMSE総スコアはそうではないことが示された。 以上のことから、MTAがDLB患者の認知機能障害、とくに見当識、即時再生、遅延再生、言語流暢性と関連があることが示唆された。関連医療ニュース レビー小体病変を伴うアルツハイマー病、その特徴は 若年発症統合失調症、脳の発達障害が明らかに EPA、DHA、ビタミンDは脳にどのような影響を及ぼすか

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ステント型血栓回収デバイス、急性虚血性脳卒中の1次治療に 米脳卒中治療ガイドライン

 2015年7月10日、日本メドトロニック発表。アメリカ心臓協会/アメリカ脳卒中協会(American Heart Association, AHA/American Stroke Association, ASA)から新しい脳卒中治療ガイドラインが発表された。本ガイドラインでは、適応患者に対し現行の標準治療であるIV-tPAに、Medtronic plc(本社:アイルランド ダブリン、会長兼最高経営責任者:オマーイシュラック)のステント型血栓回収デバイス(商品名:Solitaire)をはじめとするステント型血栓除去術の併用が治療の第1選択として推奨されている。 本ガイドラインは、NEJM誌にて発表された5つのグローバル臨床試験を専門委員会で分析した結果に基づくもの。この臨床試験では、脳から血栓を物理的に取り除く手技であるステント型血栓除去術を、IV-tPAなどの現行の薬剤治療へ追加することにより、薬剤治療のみを行った場合以上の治療効果をもたらすことが確認された。さらに、ステント型血栓除去術を追加することにより、脳卒中患者における身体障害の低減、神経学的結果および機能的自立回復率の向上が得られることが示唆された。 米国の急性虚血性脳卒中患者69万5,000人のうち、約24万人がステント型血栓回収デバイスによる治療に適応となるが、年間約1万3,000件の手技しか行われていないのが現状。日本メドトロニックプレスリリースはこちら。(PDF)

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認知症予測にMRI検査は役立つか/BMJ

 認知症発症の予測について、従来リスクデータにMRI検査の情報を加えても、予測能は改善しないことが示された。英国・ニューカッスル大学のBlossom C M Stephan氏らが住民10年間にわたる住民ベースコホート研究の結果、報告した。ただし、再分類能、予後予測能について統計的に有意な改善が示され、また臨床的有用性のエビデンスがあることも示されたという。従来リスク変数は、人口統計、神経心理、健康、生活習慣、身体機能、遺伝をベースとしたものである。これまでMRI情報を加えたモデルと従来モデルとを、住民ベースレベルで比較した検討は行われていなかった。BMJ誌オンライン版2015年6月22日号掲載の報告。従来リスク変数の予測能とMRIデータを加えた場合の予測能を比較 研究グループは、従来リスク変数の統合モデルにMRIデータを加えることで、10年フォローアップの予測を改善するかどうかを検討した。統合リスクモデルに組み込まれたのは、年齢、性別、教育、認識力、身体機能、生活習慣(喫煙、飲酒)、健康(心血管疾患、糖尿病、収縮期血圧)、アポリポ蛋白E遺伝子型であった。 フランスの3都市(ボルドー、ディジョン、モンペリエ)の複数医療機関で被験者を集めて行われた。被験者は65歳以上で認知症を有しておらず、ベースラインでMRI検査を受けており、10年フォローアップの認知症の状態が判明していた1,721例であった。 主要評価項目は、認知症の発症(あらゆる原因によるものとアルツハイマー型)とした。アルツハイマー型に限定した場合でも、両群の識別能に有意差みられず 10年フォローアップにおいて、認知症が確認されたのは119例であった。そのうち84例がアルツハイマー型であった。 統合リスクモデルの認知症識別能に関するC統計量は0.77(95%信頼区間[CI]:0.71~0.82)であった。 同モデルと、MRIの各データを加えたモデルのC統計量の比較において、有意差はみられなかった。MRIデータの白質病変容積を組み込んだモデルのC統計量は0.77(95%CI:0.72~0.82、C統計量の差に関するp=0.48)、全脳容積を組み込んだC統計量は0.77(同:0.72~0.82、p=0.60)、海馬容積の場合は0.79(同:0.74~0.84、p=0.07)であった。また、上記3変数を組み込んだ場合は0.79(同:0.75~0.84、p=0.05)であった。 しかしながら、従来モデルに海馬容積または3変数を加えた場合のモデルでは、再分類指数が有意に改善した(海馬容積モデルp=0.03、3変数統合モデルp=0.04)。また、識別曲線分析におけるネットベネフィットの増大が示された。 同様の結果は、アルツハイマー型に限ってみた場合にも観察された。

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認知症患者への睡眠薬投与、骨折に注意

 睡眠薬の使用は、高齢患者における転倒や骨折の潜在的な危険因子である。しかし、睡眠薬と骨折発生との関連についてデータがないことから、東京大学医学部附属病院老年病科の田宮 寛之氏らは、認知症の入院患者における睡眠薬と骨折の関連について、全国入院患者データベースを用いた症例対照研究で検討した。その結果、短時間型ベンゾジアゼピン系睡眠薬と超短時間型非ベンゾジアゼピン系睡眠薬により、認知症入院患者の骨折リスクが高まる可能性が示唆された。PLoS One誌2015年6月10日号に掲載。 著者らは、国内1,057病院の入院患者データベースを使用し、2012年4月~2013年3月の12ヵ月の間に入院した50歳以上の認知症患者を調査した。主要アウトカムは入院中の骨折とした。症例対照研究により、骨折患者と非骨折患者の間で睡眠薬の使用を比較した。 主な結果は以下のとおり。・14万494例のうち830例が院内で骨折した。・年齢・性別・病院で1対4にマッチングした結果、骨折患者817例に対し非骨折患者(対照)は3,158例であった。・Charlson併存疾患指数・緊急入院・日常生活動作(ADL)・水平歩行スコアの調整後、短時間型ベンゾジアゼピン系睡眠薬(オッズ比:1.43、95%信頼区間:1.19~1.73、p<0.001)、超短時間型非ベンゾジアゼピン系睡眠薬(1.66、1.37~2.01、p<0.001)、ヒドロキシジン(1.45、1.15~1.82、p=0.001)、リスペリドンおよびペロスピロン(1.37、1.08~1.73、p=0.010)の使用患者で骨折が多くみられた。・他の薬剤では、院内骨折との有意な関連は認められなかった。

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難病患者のためのSNS「RD-Oasis」がリリース

 NPO法人希少難病ネットつながる(事務局:東京都江戸川区、理事長:香取 久之、以下「RDneT」)は、難病や障害のある当事者、およびその家族・支援者等のための専用SNS「RD-Oasis」(アールディオアシス) (登録・利用無料)を6月29日(月)にリリースした。 昨年5月23日に成立した難病新法(難病の患者に対する医療等に関する法律)により、医療費助成対象疾患である指定難病が56疾患(約78万人)から平成27年7月1日以降、306疾患(約150万人)に拡大する事が決まった。 しかし、希少難病は約7,000疾患あるといわれており、“疑い”や“病名不明”といった病名が未確定の患者も多数存在するため、社会から孤立し、時には差別や偏見と闘いながら多くの困難を抱え生活している人も少なくない。 社会から孤立してしまう主な要因としては、(1)医療と患者のミスマッチ、(2)周囲の無理解(または相互の理解不足)、(3)制度の問題(公的支援の限界)が挙げられる。 RDneTは、上記要因を解消する1つの手段として、当事者・家族・支援者同士がつながり、さまざまな悩みや思いを語り合ったり、医療・福祉制度や就労・就学に関する情報交換を行ったりすることで、当事者等の声を社会に発信し、思いを形にするきっかけとなることが期待されている。 なお、RDneTはSCUEL(スクエル)プロジェクトに参加しており、疾患名や医療機関名など登録した情報の一部がデータベースに反映され、「医療と患者のミスマッチ」解消に役立てられる。【問合せ先】 特定非営利活動法人 希少難病ネットつながる(NPO法人RDneT) 理事長 香取久之(希少難病当事者) 〒133-0051 東京都江戸川区北小岩2-14-2-603 京成サンコーポ小岩 Tel: 090-1509-7101 / Fax: 03-3657-1397 / e-mail: info@rdnet.jp ホームページ: https://rdnet.jp/  Facebook: https://www.facebook.com/rdnettsunagaru

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冷やすだけ、リスクは皆無【Dr. 中島の 新・徒然草】(073)

七十三の段 冷やすだけ、リスクは皆無先日、近所の眼科クリニックから右眼瞼下垂の患者さんが紹介されてきました。皆さん御存知のとおり、未破裂脳動脈瘤による動眼神経圧迫が眼瞼下垂を起こすことがあるからです。そこで、頭蓋内精査の依頼ということでした。この患者さんは80代の女性ですが、最近になって右の瞼が下がってきて、見えにくくて仕方ないのだそうです。患者「朝起きたときはちゃんと見えているんやけど」中島「ええ」患者「でも昼になってきたらだんだん右目が細くなってきて見えにくくなってくるんよ」中島「朝はエエけど、昼からアカンということですか?」患者「そうでんねん」日内変動があるというのは動眼神経の圧迫よりも、むしろ重症筋無力症のような印象があります。また、この方は瞳孔のサイズに左右差がありませんでした。一般に動脈瘤の圧迫による動眼神経麻痺は眼瞼下垂に先行して患側の瞳孔が開くことが多いとされています。瞳孔を収縮させる pupillomotor fiber が動眼神経の表面にあり、動脈瘤の圧迫によって先に麻痺して瞳孔が開くからです。でも瞳孔の左右差がないということは、ますます動脈瘤らしくありません。そこで、アイステストを行うことにしました。アイステストというのは、下垂している瞼の上を氷で冷やすと瞼が上がる、というものです。物理的冷却によってコリンエステラーゼを失活させ、アセチルコリンの働きをよくすることによって症状の軽減を図るものです。重症筋無力症に対する感度は80%程度です。早速、診察室の奥の冷蔵庫からアイスノンを持ってきて、患者さん自身に患側の瞼の上にあててもらいました。中島「1分ほどあててくださいね」患者「はい」中島「ではアイスノンを外して。どうですか?」患者「明るくなった!」中島「瞼が上がりましたよ」見事に右の瞼が上がりました。もちろんコリンエステラーゼの失活は一時的なものなので、数分後には元に戻ってしまいます。それでも重症筋無力症の疑いが強くなったのは確かです。後は念のために画像検査で動脈瘤の存在を否定しておいて神経内科に紹介するだけ。中島「これは重症筋無力症じゃないかな」患者「はあ?」中島「昔、萬屋錦之介がかかった病気ですよ」患者「ああ、そうですか!」中島「もうちょっと詳しく検査してからね、専門科に送りましょう」患者「お願いします」それにしても、面倒でリスクのあるテンシロン・テストや、結果が出るまで時間のかかる抗アセチルコリン受容体抗体検査に比べ、アイステストの安直かつ安全なこと! 私のような非専門医が外来で手っ取り早く重症筋無力症をスクリーニングするにはピッタリの検査です。読者の皆さんも、重症筋無力症を疑わせる眼瞼下垂に遭遇したら、是非アイステストを試してみて下さい。最後に1句冷やすだけ リスク皆無で 簡単だ

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