サイト内検索|page:996

検索結果 合計:36559件 表示位置:19901 - 19920

19901.

第22回 救急外来に担ぎ込まれた外傷の症例2【薬剤師のためのバイタルサイン講座】

今回は、外傷(ケガ)の症例を呈示します。身体の表面の外傷だけではなく、外傷による脳出血や内臓の損傷、それから骨折などに対する根本的な治療は外科医が専門ですが、内科医も外傷の初期診療に携わることがあります。外科医の持っている手術などの技術のない内科医が、どのようなことに注意しながら外傷の初期診療を行っているか、薬剤師の皆さんにご紹介したいと思います。患者さんHの場合◎経過──3今、男性の意識はありません。看護師が胸腔ドレナージチューブ(以下、ドレナージチューブ)の準備をしている間に、内科医は麻酔をすることなく注射針を左胸に刺しました。ちょうどその時、外科医が駆けつけてくれて、内科医からの状況説明を聞きながら、まもなく左胸の注射器を抜き、メスで2㎝ほど切開してドレナージチューブを左胸に挿入しました。内科医はバッグバルブマスク(BVM)を用いて補助換気を継続しています。外科医がドレナージチューブを挿入した瞬間、ドレナージチューブからは多量の空気と血液が排出されました。点滴の量はこの短時間で1,000mLを超えています。(SpO2と血圧が良くなってる...。少し身体の動きがあるみたい...〈表2〉)現場は少しだけ安堵した空気が流れました。「よし、じゃCTに行こう」と外科医が指揮をとりました。あなたは少し気になりましたが、病院を後にすることにしました。◎今回の経過と診断が知りたいあなたへ今回、高所からの転落で受傷した男性の診断は下記の通りでした。# 左側胸部打撲・擦過傷# 左肋骨骨折# 左脛骨骨折・腓骨骨折# 左肺挫傷# 左緊張性血気胸救急外来に搬入されたとき、男性は不穏・興奮状態でしたね。血圧はある程度維持されていましたが、脈拍は速く、ショックの徴候を疑わせます。(「ショックの診断基準・小項目」を確認してみてください。)同時にSpO2の低下があり、呼吸に異常があることがわかります。(SpO2についての説明はこちら。)私たち内科医は、手術など外傷の根本的な治療はできませんから、この内科医はバイタルサインに異常があるのを見て、直ちに外科と整形外科(足に骨折がありました)に連絡をしました。同時に呼吸と循環の治療を開始しています。呼吸の異常に対する治療は酸素投与であり、循環の治療は補液だったわけです(外傷のショックの原因の大部分は出血です)。本文に記載はありませんが、身体所見とベッドサイドでの超音波検査から、内科医は血気胸※2を疑っていました。その時、さらに呼吸と循環の状態が悪くなり、気管挿管とドレナージチューブの準備を始めました。左胸に注射針を刺したのは、外科的にドレナージチューブを挿入するまでの応急処置として、注射針を通して肺の空気を抜くためです。ショックの原因は、緊張性血気胸と胸腔内出血でしたから、ドレナージチューブによる治療(空気と血液の排出)と補液で改善しました。上記のprimary surveyが終わった後、詳細な病歴聴取・身体診察や画像診断などでsecondary surveyを行い、前述のような診断が得られました。内科医は手術こそできないものの、生命徴候の異常を素早く察知し、それに対する初期治療は可能です。こんなことに注意しながら内科医は外傷を診ていますが、外傷診療においてもバイタルサインの確認が重要というわけです。※2:肺の外傷により、出血した血液や肺からの空気が胸腔内に貯留した状態エピローグ数か月後、病院を訪れたあなたは、窓の清掃業者の男性が施設の窓をきれいに掃除しているところを見かけました。「そういえばあの患者さん、どうなったんだろう...。あら?」あなたは、てきぱきと窓をきれいにしているその男性が、あの日あの時あの救急の現場で暴れていた患者さんだったことに気付き、胸が温まる思いがしました。緊急度の判断病気にしても外傷にしても、生命を維持するのに必要な生理機能(気道・呼吸・循環・中枢神経)に異常を来している場合、緊急度が高いと判断されます。そのためにバイタルサインといわれる生命徴候(呼吸・脈拍・体温・血圧・意識レベル)を確認します。緊急度の判断にはバイタルサインのチェックが必須です。

19904.

双極性障害に対するアリピプラゾールの安全性評価

 双極性障害患者に対する治療法を選択するうえで、薬物療法の安全性および忍容性は重要な因子となる。イタリア・シエナ大学のAlessandro Cuomo氏らは、双極性障害に対するアリピプラゾール治療の全体的な忍容性および安全性プロファイルに焦点を当て、レビューを行った。Expert Opinion on Drug Safety誌オンライン版2019年5月9日号の報告。 レビューの対象は、躁病および混合エピソードの急性期治療および双極I型障害の維持療法に対するアリピプラゾール経口剤治療、双極性躁病に関連する興奮に対するアリピプラゾール即放性注射剤、双極I型障害の維持療法に対するアリピプラゾール持効性注射剤(AOM)とした。双極性障害に対するアリピプラゾールの安全性は、添付文書に従って検討を行った。PubMed検索より得られた英語の報告およびFDA、EMAのウェブサイトより入手可能な情報を用いて、アリピプラゾールの安全性および忍容性に焦点を当て、検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾールは、他の抗精神病薬と比較し、体重増加、脂質異常症、糖尿病、高プロラクチン血症のリスクが低く、良好な忍容性プロファイルを有していた。・また、アリピプラゾールは、多くの第2世代抗精神病薬と同様に、第1世代抗精神病薬と比較し、錐体外路系副作用が少なく、心血管に対する安全性が良好であった。

19905.

犬との暮らし、乳幼児の食物アレルギーを予防か

 わが国ではペットの飼育方法が変化し、近年、室内での飼育が進んでいる。それに伴いペット飼育と健康について高い関心が集まっているなかで、犬を飼うことが乳幼児にメリットを与えるという新たな知見が報告された。英国・キングス・カレッジ・ロンドンのThomas Marrs氏らは、食物アレルギー予防の無作為化試験「Enquiring About Tolerance(EAT)試験」に登録された生後3ヵ月の児1,303人について、犬猫飼育の有無とアレルギー発症との関連を調査。その結果、犬の飼育が食物アレルギー予防と関連する可能性が示されたという。Allergy誌オンライン版2019年5月11日号掲載の報告。 アレルギー疾患の負荷を軽減する鍵として、食物アレルギーの予防が挙げられる。食物アレルギーの発現リスクは環境曝露によって左右され、一部は、乳幼児期のマイクロバイオームの発達による可能性がある。しかし、これまでペット飼育など、潜在的に保護的な環境曝露が食物アレルギーにもたらす影響については、大規模調査が行われていなかった。そこで、研究グループはEAT試験の被験者のサブ解析を行った。 試験登録時、被験者のペット所有とアトピー性皮膚炎(AD)について、それぞれの有無を調査。3、12、36ヵ月時に経皮および血清での試験にて、食物およびエアロアレルゲン感作を調べ、1~3歳時に二重盲検プラセボ対照食物負荷試験(DBPCFC)を行い、食物アレルギーの状態を確認した。 主な結果は以下のとおり。・食物アレルギーと確認されたのは、完全データが得られた参加者のうち6.1%(68/1,124人)であった。・食物アレルギーと帝王切開、生後間もない時期の感染症または抗菌薬曝露との間に、有意な関連は認められなかった。・アトピー性疾患の家族歴、母親の犬/猫感作、および参加者のADを補正後、犬と暮らすことによって乳幼児期の食物アレルギー発症率が90%低下するという関連が認められた(補正後オッズ比[aOR]:0.10、信頼区間[CI]:0.01~0.71、p=0.02)。・2匹以上の犬と暮らしていた乳幼児49人では、食物アレルギー発症者が1人もみられず、用量反応関係があることが示唆された(飼育する犬が増えるごとのaOR:0.12、CI:0.02~0.81、p=0.03)。・犬または猫を飼うこととAD発症との間に関連性は認められなかった。

19906.

高齢女性、1日4,400歩でも死亡率低下、強度は関連せず

 健康のためには1日1万歩を目標に歩くことが必要と一般的に考えられているが、この歩数は科学的根拠が少ない。また、1日当たりの歩数にかかわらず、歩行強度が強いほうが健康ベネフィットがあるのかどうかも不明である。今回、ハーバード大学医学大学院のI-Min Lee氏らの前向きコホート研究の結果、高齢女性において、約4,400歩/日という少ない歩数でも約2,700歩/日に比べ、全死亡率が41%低いことが示された。また、1日当たりの歩数の増加につれて全死亡率は減少するが、約7,500歩/日を超えると平坦化した。歩行強度については、1日の総歩数を考慮すると全死亡率低下との明らかな関連は認められなかった。JAMA Internal Medicine誌オンライン版2019年5月29日号に掲載。 本研究は、米国のWomen's Health Studyにおいて、2011~15年に7日間、覚醒時間中に加速度計を装着することに同意した1万8,289人の米国人女性が参加した。1万7,708人が装着してデバイスを返却した(1万7,466デバイスからデータが正常にダウンロード)。そのうち、1日10時間以上、4日間以上装着していた1万6,741人のデータを用いて、1日当たり歩数および歩行強度の尺度(1分間ケイデンスピーク、30分間ケイデンスピーク、5分間ケイデンス最大、40歩/分以上での歩行時間)と全死亡率の関連を調べた。 主な結果は以下のとおり。・選択基準を満たした1万6,741人の女性の平均年齢(SD)は72.0歳(5.7)であった。・平均歩数は5,499歩/日で、歩行強度別の時間割合は、0歩/分が51.4%、1~39歩/分が45.5%、40歩/分以上(意図的な歩行)が3.1%であった。・平均4.3年の追跡調査期間中に、504人が死亡した。・各四分位における1日当たり歩数の中央値は、順に2,718、4,363、5,905、8,442であった。・交絡因子を調整後、各四分位の全死亡率に関連したハザード比(HR)はそれぞれ、1.00(基準)、0.59(95%CI:0.47~0.75)、0.54(同:0.41~0.72)、0.42(同:0.30~0.60)であった(p<0.01)。・スプライン解析では、1日当たり平均歩数が増えるにつれてHRが減少したが、約7,500歩/日以降は平坦になった。・歩行強度については、強度が強いほど全死亡率が有意に低かったが、1日当たり歩数を調整後はすべての関連が減衰し、ほとんどが有意ではなくなった。

19907.

軽症喘息の増悪予防、SABA vs.ブデソニド+ホルモテロール頓用/NEJM

 軽症喘息の成人患者では、ブデソニド+ホルモテロールの頓用はalbuterol(日本ではサルブタモールと呼ばれる)頓用に比べ喘息増悪の予防に優れることが、ニュージーランド・Medical Research Institute of New ZealandのRichard Beasley氏らが行った「Novel START試験」で示された。研究の詳細はNEJM誌2019年5月23日号に掲載された。これまでの二重盲検プラセボ対照比較試験で、ブデソニド+ホルモテロール頓用は、短時間作用性β2刺激薬(SABA)の頓用に比べ、重度の喘息増悪のリスクが低く、ブデソニド維持療法+SABA頓用とほぼ同じと報告されていた。3群で年間喘息増悪発生率を比較 本研究は、ニュージーランド、英国、イタリア、オーストラリアの16施設が参加した52週間の非盲検無作為化対照比較試験であり、2016年3月~2017年8月に患者登録が行われた(AstraZenecaなどの助成による)。 対象は、年齢18~75歳、登録前の3ヵ月間に単独の喘息治療としてSABAを使用し、患者報告で2回以上のSABA使用があるが、直近4週間の1日平均使用回数が2回以下の喘息患者であった。 被験者は、次の3つの群の1つに無作為に割り付けられた。(1)albuterol群:加圧噴霧式定量吸入器で、1回100μgを2吸入、発作時に頓用、(2)ブデソニド維持療法群:ブデソニド(タービュヘイラーで1吸入200μgを1日2回)+albuterol頓用、(3)ブデソニド+ホルモテロール群:タービュヘイラーで、ブデソニド200μgとホルモテロール6μg(1吸入)を頓用。薬剤の使用量の測定には、吸入器の電子モニタリングを用いた。 主要アウトカムは、喘息増悪の年間発生率であった。重度の喘息増悪の回数も有意に少ない 668例が登録され、albuterol群に223例(平均年齢35.8±14.0歳、女性50.7%)、ブデソニド維持療法群に225例(34.9±14.3歳、57.3%)、ブデソニド+ホルモテロール群には220例(36±14.1歳、55.5%)が割り付けられた。 ベースラインの過去1週間のACQ-5(0~6点、点数が高いほど喘息コントロールが不良)の平均値は1.1点(軽症喘息)で、患者の7.3%で過去1年間に重度の喘息増悪がみられ、54%で過去4週間のSABA使用が週2回以下であった。 ブデソニド+ホルモテロール群の年間喘息増悪発生率は、albuterol群よりも有意に低く(絶対的発生率:0.195 vs.0.400、相対的発生率:0.49、95%信頼区間[CI]:0.33~0.72、p<0.001)、ブデソニド維持療法群とは発生率に有意差はなかった(絶対的発生率:ブデソニド+ホルモテロール群0.195 vs.ブデソニド維持療法群0.175、相対的発生率:1.12、95%CI:0.70~1.79、p=0.65)。 重度の喘息増悪の回数は、ブデソニド+ホルモテロール群がalbuterol群(9回 vs.23回、相対リスク:0.40、95%CI:0.18~0.86)およびブデソニド維持療法群(9回 vs.21回、0.44、0.20~0.96)に比べ、有意に少なかった。 吸入ブデソニドの平均(±SD)使用量は、ブデソニド+ホルモテロール群が107±109μg/日、ブデソニド維持療法群は222±113μg/日であった。 有害事象の発生率と種類は、先行試験および実臨床での使用報告と一致していた。最も頻度の高い有害事象は、3群とも上気道感染症で、次いで鼻咽頭炎、喘息の順だった。 著者は、「この知見は、患者が喘息の増悪に気付いた状況で、吸入グルココルチコイドを気管支拡張薬との併用で頓用することで、患者が緊急治療を求めるほどに増悪が重症化するリスクを低減する可能性を示唆する」とし、「ブデソニド維持療法は、喘息症状のコントロールに優れるため、増悪よりもむしろ症状を最大の苦痛とする患者にとって価値があると考えられる」と指摘している。

19908.

アパルタミド、転移のある去勢抵抗性前立腺がんでPFS延長(TITAN)/ASCO2019

 日本でも転移のない去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)患者の治療薬として承認されたアンドロゲン受容体阻害薬アパルタミド(商品名:アーリーダ)に関して、転移を有する去勢感受性前立腺がん(mCSPC)を対象にアンドロゲン除去療法(ADT)と併用するプラセボ対照無作為化比較第III相臨床試験TITANの結果を、BC Cancer and Vancouver Prostate CentreのKim N. Chi氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で報告した。アパルタミド群で無増悪生存期間に有意な延長 同試験の対象はドセタキセル投与歴や限局性前立腺がん治療にかかわらず、ADT継続中に1ヵ所以上の転移巣を認めたPS0~1の前立腺がん患者1,052例。登録患者はベースのADTにアパルタミド(240mg/日経口)を併用したアパルタミド群525例とプラセボを併用したプラセボ群527例に割り付けられた。主要評価項目は画像診断上の無増悪生存期間(rPFS)と全生存期間(OS)、副次評価項目は化学療法開始までの期間、痛みの増悪までの期間、オピオイドの慢性使用までの期間、骨関連事象までの期間。 rPFS中央値はアパルタミド群が未到達、プラセボ群で22.1ヵ月と、アパルタミド群で有意な延長が認められた(HR:0.48、95%CI:0.39~0.60、p<0.0001)。24ヵ月時点でのrPFS率はアパルタミド群が68%、プラセボ群が48%だった。rPFS延長効果は人種差、年齢、ドセタキセル治療歴の有無、がんの大きさなどといったサブグループ別にかかわらず認められた。 24ヵ月時点でのOS率はアパルタミド群が82%、プラセボ群が74%で、アパルタミド群で有意な延長が認められた(HR:0.67、95%CI:0.51~0.89、p=0.0053)。 副次評価項目はアパルタミド群、プラセボ群いずれも未到達だが、化学療法開始までの期間はアパルタミド群で有意な延長が確認され(p<0.0001)、その一方で痛みの増悪までの期間はで両群間で有意差は認めなかった(p=0.1173)。 有害事象発現頻度はアパルタミド群が96.8%、プラセボ群が96.6%、Grade3以上の有害事象発現頻度はアパルタミド群が42.2%、プラセボ群が40.8%でほぼ同等であった。 FACT-Pで測定した健康関連QOLは両群間で違いは認められなかった。なお、この結果を受けて同試験の独立データモニタリング委員会は、プラセボ+ADT群の患者に対しては、アパルタミド+ADTへの切り替え機会を提供するよう勧告している。 今回の結果についてKim氏は「ドセタキセルによる前治療歴の有無などにかかわらず、広範囲なmCSPC患者でADTに加えてアパルタミドの併用が支持される」との結論を述べた。

19909.

FOLFOXIRI+BV、大腸がん1~2次治療でOS延長(TRIBE2)/ASCO2019

 切除不能大腸がんにおける、1~2次治療でのFOLFOXIRI+ベバシズマブ(BV)療法と、1次治療FOLFOX+BV、2次治療FOLFIRI+BVの治療シークエンスとを比較した第III相TRIBE2試験の結果、FOLFOXIRI+BV療法が奏効率、PFSおよびOSを有意に改善した。米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2019)で、同試験のアップデートデータをイタリア・Azienda Ospedaliera Universitaria PisanaのChiara Cremolini氏が発表した。 TRIBE2試験は、切除不能大腸がんの1~2次治療における3剤併用+BV(トリプレット群)と2剤併用+BVの逐次療法(ダブレット群)という2つの治療戦略の有効性を評価する非盲検無作為化第III相試験。被験者は、以下の2群に1:1の割合で無作為に割り付けられた(各併用療法はそれぞれ最大8サイクル)。【ダブレット群】FOLFOX+BV→維持療法として5-FU+BV(PDまで)→FOLFIRI+BV→5-FU+BV療法(PDまで)【トリプレット群】FOLFOXIRI+BV→5-FU+BV(PDまで)→FOLFOXIRI+BV→5-FU+BV(PDまで) 主要評価項目は、「無作為化から、2次治療のPD(2次治療なし、あるいは1次治療でのPDから3ヵ月以内に2次治療が開始されなかった場合は1次治療のPD)または死亡のいずれかが最初に生じるまでの期間」として定義される無増悪生存期間2(PFS2)。副次評価項目は、全生存期間(OS)、1次治療/2次治療それぞれにおけるRECISTによる奏効率(RR)、安全性などであった。 主な結果は以下のとおり。・2015年2月~2017年5月の間に、イタリアの58施設で、30~75歳、ECOG PS≦2(71歳以上はPS=0)の679例(ダブレット群/トリプレット群:340例/339例)の切除不能大腸がん患者が組み入れられた。年齢中央値:61歳/60歳、ECOG PS 0:85%/86%、右側原発:38%/38%、アジュバント化学療法歴有:2%/2%、同時性転移:89%/89%、肝限局転移:29%/32%、RAS変異型:65%/63%、BRAF変異型:10%/10%。・追跡期間中央値30.6ヵ月で、1次治療後のPD(PD1)が594例(303/291) 、2次治療後のPD(PD2)が514例(272/242)、OSイベントが408例(217/191)で報告された(データカットオフは2019年3月1日)。・トリプレット群ではダブレット群と比較して、1次治療のPFS中央値(9.8ヵ月 vs.12.0ヵ月、ハザード比[HR]:0.75、95%信頼区間[CI]:0.63~0.88、p<0.001)およびRR(50% vs.62%、オッズ比:1.61、95%CI:1.19~2.18、p=0.002)、PFS2中央値(17.5ヵ月 vs.19.1ヵ月、HR:0.74、95%CI:0.62~0.88、p<0.001)を有意に改善した。・PD1後に2次治療を受けたのは、ダブレット群で86%(うちFOLFIRI+BV:78%、FOLFIRI:10%)、トリプレット群で81%(うちFOLFOXIRI+BV:59%、FOLFOXIRI:9%)であった。・2次治療のPFS中央値 は、5.6ヵ月 vs.6.2ヵ月、HR:0.87(95%CI:0.73~1.04、p=0.112)で有意差はなかった。しかしper protocol解析(324例)の結果、トリプレット群で2次治療のPFSを有意に延長した(5.8ヵ月 vs.6.5ヵ月、HR:0.76、95%CI:0.60~0.97、p=0.025)。・OS中央値(予備解析、イベント数は60%)は、トリプレット群で有意に延長した(22.6ヵ月 vs. 27.6ヵ月、HR:0.81、95%CI:0.67~0.98、p=0.033)。・Grade3/4の有害事象のうち、トリプレット群で多くみられた項目は、1次治療:下痢(5% vs.17%、p<0.001)、好中球減少症(21% vs.50%、p<0.001)、発熱性好中球減少症(3% vs.7%、p=0.050)、2次治療:神経毒性(0% vs.5%、p=0.004)であった。

19910.

「豪華盛り合わせ」のパワーとオトク感(解説:今中和人氏)-1056

 ひと昔前は「80代に心臓手術の適応があるか? ないか?」と真剣に議論されていた(ちなみに結論は「ケース・バイ・ケース」がお約束)が、手術患者は明らかに高齢化しており、そんなのいまや日常的。ただ、高齢者に多い併存症の1つに貧血がある。一方、心臓外科の2割前後はいわゆる「急ぎ」の症例で、その方々は自己血貯血どころではなく、昨今の情勢では待期手術でも、まったりした術前入院など許されない。だから心臓手術の患者に貧血があって、何か即効性のある良いことができないか、というのはきわめて現実的なシナリオである。 本論文は、貧血を男性Hb 13、女性Hb 12(g/dL)未満、鉄欠乏を血清フェリチン100(ng/mL)未満と定義し、スイスのチューリッヒ大学病院での約3年半の開心術(バイパス、弁、バイパス+弁)約2,000例のうち、上記の定義に該当した505例に対する前向き二重盲検試験である。平均年齢は68歳とやや若く、35%が女性。平均BMIは27前後と肥満傾向で、貧血に該当する患者と、鉄欠乏に該当する患者がほぼ同数だったため、術前Hbは12.8~12.9と実はさほど低くなかった。実薬群は、手術前日に20mg/kgの鉄剤の静注、40,000単位のエリスロポエチンαの皮下注、1mgのビタミンB12の皮下注、5mgの葉酸薬の経口投与を行い、対照群にはplaceboを投与した。この投薬の赤血球輸血節減効果(輸血関係の研究だが、例によってFFPと血小板はほぼ無視)と採血データ等が、90日後まで検討された。 輸血基準は術中とICUではHb 7~8未満、ICUを出てからはHb 8未満であった。 この投与量だが、鉄剤は許容最高用量(本邦の用量は40~120mgだが化合物が異なり、比較が難しい)で、エリスロポエチンαは本邦では通常3,000~12,000単位、自己血貯血時のみ24,000単位が許容されていることから、これは相当な大量。ビタミンB12と葉酸も最高用量なので、要するに「豪華盛り合わせ」。上天丼に海老天を2本追加した、ぐらいのイメージである。 結果は、有害事象はなかった。赤血球輸血量は7日時点で実薬群1.5±2.7単位、対照群1.9±2.9単位、90日時点だとそれぞれ1.7±3.2単位(中央値0)、2.3±3.3単位(中央値1)で、ともに有意差がつき、赤血球1単位を節減できたと結論している。ところが赤血球1単位は212.5スイス・フランなのに、「豪華盛り合わせ」のお値段は682スイス・フラン。本稿執筆時点で1スイス・フランは108.57円なので、約51,000円の赤字である。 さらに貧血と鉄欠乏と区別してサブグループ解析すると、貧血患者では同様の輸血節減効果がある(ただしn数減少のため有意差は消滅)が、鉄欠乏患者では7日時点での輸血量が実薬群1.0±2.2単位、対照群1.3±2.8単位、90日時点でそれぞれ1.1±2.5単位(中央値0)、1.7±3.1単位(中央値0)と差がなく、薬価分74,000円はほぼ完全な「持ち出し」になった。著者らは、実薬群では後日のHbが上がっているから、この増加分を金銭換算すると赤字は相殺される、と、なかなか苦しい主張を展開しているが、少なくともオトク感は皆無に近い。おまけに本邦では保険も通らない。 エリスロポエチンの効果が出始めるのに2~3日はかかるといわれているのを、本論文は前日の投与でもなにがしかの違いがあることを示したわけで、立派な成果だとは思う。しかしHb 9以下など高度貧血では輸血はどだい不可避で、今回のように大柄な患者さんでちょっと貧血、なんていう場合に無輸血でいける可能性が上がる、という程度のパワーである。少々コスパが悪くても輸血合併症が多ければ輸血量削減の意義は大きいし、心臓外科医は私も含め輸血に関してPTSD状態で、つい無輸血にこだわってしまうが、日赤はじめ関係各位にあらためて感謝すべきことに、近年の深刻な輸血合併症は素晴らしく低率である(「PTSD心臓外科医のこだわりと肩すかし」)。 今回の造血薬「豪華盛り合わせ」のお金は、膨らむ一方の医療費の節減か、食の「豪華盛り合わせ」でないまでも、別の使途に振り向けたほうがよろしいのではないだろうか。

19911.

5剤目のEGFR変異陽性非小細胞肺がん治療薬「ビジンプロ錠15mg/45mg」【下平博士のDIノート】第26回

5剤目のEGFR変異陽性非小細胞肺がん治療薬「ビジンプロ錠15mg/45mg」今回は、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)「ダコミチニブ水和物(商品名:ビジンプロ錠15mg/45mg)」を紹介します。本剤は、上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)、ヒト上皮細胞増殖因子受容体(HER)2および4のチロシンキナーゼ活性を不可逆的に阻害することで、がん細胞の増殖を抑制します。<効能・効果>本剤は、EGFR遺伝子変異陽性の手術不能または再発非小細胞肺がん(NSCLC)の適応で、2019年1月8日に承認され、2019年3月1日より発売されています。<用法・用量>通常、成人にはダコミチニブとして1日1回45mgを経口投与します。なお、患者の状態により適宜減量し、副作用が現れた場合には、添付文書に記載されている基準を考慮して休薬、減量または中止します。本剤とCYP2D6基質の薬剤(デキストロメトルファンなど)を併用すると併用薬の血中濃度が上昇する恐れがあり、また、PPIなどの胃内pHを上昇させる薬剤を併用すると本剤の血中濃度が低下して有効性が減弱する可能性があるため、それぞれ併用注意となっています。<副作用>化学療法歴のないEGFR遺伝子変異陽性の切除不能な進行・再発NSCLC患者を対象とした非盲検無作為化国際共同第III相試験において、本剤が投与された227例(日本人患者40例を含む)中220例(96.9%)に副作用が認められました。主な副作用は、下痢193例(85.0%)、爪囲炎140例(61.7%)、口内炎(口腔内潰瘍形成、アフタ性潰瘍など)135例(59.5%)、ざ瘡様皮膚炎111例(48.9%)、発疹・斑状丘疹状皮疹・紅斑性皮疹など82例(36.1%)などでした(承認時)。なお、重大な副作用として間質性肺疾患(2.2%)、重度の下痢(8.4%)、重度の皮膚障害(31.7%)、肝機能障害(28.6%)が認められています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、EGFRというタンパク質などの働きを抑えることで、がん細胞の増殖を抑えます。2.空咳、発熱など風邪のような症状が現れ、息切れや息苦しさを感じた場合には使用を中止し、すぐに受診してください。3.飲み始めに下痢が生じることが多いので、下痢止め薬が処方されている場合は持ち歩くようにしてください。脱水予防のため、水、白湯、お茶、スポーツドリンクなどでこまめに水分を補給しましょう。4.バランスのよい食事を心掛け、調理をする際は消化をよくするように工夫してください。乳製品、繊維質や脂質が多い食品、香辛料やコーヒー、アルコールなどの刺激物はなるべく控えましょう。5.薬を飲み続けていると、爪周囲や口腔内の赤み、腫れ、痛みなどが生じることがあります。患部は清潔に保ち、日常生活に支障がある場合はご相談ください。6.吹き出物や発疹などの皮膚症状が生じることがあります。症状の予防や軽減のため、低刺激の保湿剤によるスキンケアをこまめに行い、外出時は紫外線対策をしましょう。<Shimo's eyes>NSCLCは肺がん症例の約85%とされており、日本人のNSCLC患者の30~40%にEGFR遺伝子変異があるといわれています。本剤は、ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)、エルロチニブ(同:タルセバ)、アファチニブ(同:ジオトリフ)、オシメルチニブ(同:タグリッソ)に続く、国内で5剤目のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)です。優先審査品目に指定され、申請から7ヵ月での承認となりました。本剤は、EGFRやHER2、HER4のチロシンキナーゼ活性を不可逆的に阻害することにより、EGFR遺伝子変異陽性のがん細胞の増殖を抑制すると考えられています。本剤で治療を行うためには、既存のEGFR-TKIと同様にEGFR遺伝子変異検査を実施する必要があります。臨床試験では副作用が高頻度で認められたため、患者さんには事前に発現率が高い副作用の好発時期を知らせておくことが重要です。個人差はありますが、投与を開始してから副作用が発現するまでの時期として、下痢は2ヵ月程度(中央値6日)、ざ瘡などの皮膚障害は4ヵ月程度(中央値9日)、口内炎や爪囲炎は6ヵ月間程度(それぞれの中央値9日、29日)が目安となります。投与初期から発現する可能性が高いので、それぞれの副作用への対策法も伝えるように心掛けましょう。NSCLCは分子標的薬の登場により着実に予後が改善しています。治療選択肢となる分子標的薬も増えたため、それぞれの薬剤の副作用プロファイルや用法を確認し、患者さんが安心して治療に専念できるように積極的にフォローしましょう。

19912.

「乳腺外科医事件」裁判の争点 【後編】

手術直後の女性患者への準強制わいせつ罪を問われた執刀医が、逮捕・勾留・起訴された事件。一審では無罪判決が言い渡されたが、検察は控訴し、争いは現在も続いている。この事件に関しては、ネットを中心として被害者とされる女性に対するバッシングと、医療者に対するバッシングがそれぞれ見られる。しかし、本件では「麻酔(注:本件ではプロポフォールやセボフルラン、笑気等が使用されていた)の影響で幻覚を体験した可能性がある」 として無罪判決が下されており、事件の本質からすると、女性も医師もある意味で被害者といえる。担当弁護人の1人である水沼 直樹氏に、実際に法廷で論じられた2つの争点について、前・後編で解説いただく本企画。前編に引き続き、今回は術後せん妄の有無についての裁判の経過と、このような事案を防ぐために考えられる医療安全対策を取り上げる。後編:術後せん妄か否かをめぐり、何が争点となったのか1.麻酔薬による術後せん妄の可能性本件の良性腫瘍摘出術では、麻酔薬としてプロポフォール200mgのほか、笑気ガスとセボフルランを継続的に投与し、鎮痛薬としてペンタゾシン5mg、坐薬等を投与していました(患者:30代前半、体重約50kg)。患者には、せん妄の準備因子の1つである脳の器質的障害は認められませんでしたが、誘発因子の1つとされる疼痛については、患者が術後に痛みを訴えています。また、直接因子とされる手術侵襲や上記の麻酔薬、オピオイド(ペンタゾシン)の使用も本件ではあります。弁護側証人は、乳房手術は全身麻酔後の覚醒時せん妄リスクが高い(オッズ比:5.19)と報告1)されていることを証言し、また、検察側証人がせん妄の可能性が低い理由の1つとして若年者であることを挙げたことに対し、せん妄の発症には必ずしも年齢による有意差があるわけではないと証言しました。実際に、小児麻酔においても術後せん妄が問題となり2)、学会等でも取り上げられていることも言及しています。麻酔薬と性的幻覚の症例報告は世界中にあり3)、プロポフォールについていえば、同薬により生々しい性的幻覚を見たという症例が世界中で報告されています4-7)。2.医師のDNAが患者の乳房に付着する可能性執刀医は、手術前に病室で患者の両胸を触診し、術前マーキングを実施していました。また、手術室内でも再度触診し、上級医と術式確認をしながら切開部を狭めるための再マーキングを行っています。これらの際、医師は通常どおり素手で触診しました。3.裁判所の判断患者が痛みを訴えていたことや術後にバイタルチェックを受けたこと等の記憶が無いこと、専門家の証言等を総合した結果、患者が「せん妄状態に陥っていた可能性は十分にあり、また、せん妄に伴って性的幻覚を体験していた可能性が相応にある」と判断しました。また、現場に臨場した警察官が、左胸以外の他の部分からも付着物を採取していれば、何らかの事実が判明でき真相解明につながった可能性がある、という旨が述べられました。なお、顔と両胸が写されていたこと等から、性的興味があったのではないかと検察官が指摘した医師が撮影した写真も、すべてマーキングされたものです。裁判所は、医師が医学的な目的以外で撮影したとはいえないと判断しました。詳細については、拙稿となりますが『医療判例解説 Vol.079』8)にも経緯をまとめています。4.医療安全対策この事件から得られた対策は、3つ考えられるでのはないでしょうか。1つは、患者の回診(とくに女性患者の回診)には、医療者1人で訪室しないことです。あらぬ疑いをかけられたり、また実際に犯行の機会を作ったりせずに済むからです。家族の立ち会いを求めるのも一案です。2つ目は、せん妄の診断基準としてはDSMやICD等がありますが、簡易版のスクリーニングツールも複数あります。CAMは、(1)急激な発症・症状の変動、(2)注意の障害、(3)解体した思考、(4)意識の障害の4項目から構成されるツールで、(1)(2)があり、かつ(3)または(4)があればせん妄と診断するという簡便なツールとなっています。これらを活用し、患者のせん妄を早期に医療機関が把握し、放置しないことが重要です。最後に、せん妄の可能性を患者や家族に対して、あらかじめ説明しておくことも重要です。英国立医療技術評価機構(NICE)のガイドラインや、厚生労働省制作の、せん妄に関する啓発動画9)を活用することも一案かと思います。参考1)Lepousé C et al. Br J Anaesth. 2006;96:747-53.2)Morgan E et al. Plast Reconstr Surg. 1990;86:475-8; discussion 479-480.3)Schneemilch C et al. Anaesthesist. 2012 ;61:234-41.4)Balasubramaniam B et al. Anaesthesia. 2003;58:549-53.5)Yang Z et al. J Anesth. 2016;30:486-8.6)Martínez Villar ML et al. Rev Esp Anestesiol Reanim. 2000;47:90-2.7)Marchaisseau V et al. Therapie. 2008;63:141-4.8)医療判例解説Vol.079 . 医事法令社;2019.9)厚生労働省委託緩和ケア普及啓発事業企画制作/日本サイコオンコロジー学会企画制作協力.『あれ?いつもと様子が違う=せん妄とは?』講師紹介

19915.

日本人高齢者における身体活動と認知症発症との関連

 岡山大学のYangyang Liu氏らは、高齢者における定期的な身体活動と認知症発症リスクとの関連について評価を行った。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2019年5月2日号の報告。 本検討は、岡山市で実施したレトロスペクティブコホート研究である。日本人高齢者5万1,477人を2008~14年にかけてフォローアップを行った。定期的な身体活動は、健康診断質問票を用いて評価を行った。認知症発症は、介護保険の認知症尺度を用いて評価した。身体活動のカテゴリ別の認知症発症率は、Cox比例ハザードモデル、95%信頼区間(CI)を用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・7年間のフォローアップ期間中に認知症を発症した高齢者は、1万3,816例であった。・認知症発症の多変量調整ハザード比は、身体活動の実施が1回以下/週であった高齢者と比較し、2回以上/週で0.79(95%CI:0.75~0.84)、毎日で0.94(95%CI:0.89~0.98)であった。・身体活動と性別との相互の関連性は有意であった(p<0.01)。・サブグループ解析における認知症発症の多変量調整ハザード比は、身体活動が2回以上/週の場合、男性で0.76(95%CI:0.70~0.84)、女性で0.81(0.76~0.87)と低いままであった。身体活動が毎日の場合、男性では0.82(95%CI:0.76~0.89)であったが、女性では1.01(0.95~1.07)であった。 著者らは「日本人高齢者における定期的な身体活動は、毎日行っている女性を除き、認知症発症リスクの低下に寄与すると考えられる」としている。

19916.

1日1杯でも効果、コーヒーが死亡率を改善~高山スタディ

 これまでの疫学研究では、コーヒー摂取と全死因死亡ならびに疾患特異的死亡は逆相関する、と言われている。今回、岐阜大学大学院医学系研究科疫学・予防医学分野の山川 路代氏らが、岐阜県高山市で実施された高山スタディにおいて、コーヒー1日1杯以上の摂取が全死因死亡および心血管疾患、感染症、消化器疾患による死亡と逆相関することを明らかにした。Public Health Nutrition誌オンライン版2019年5月20日号掲載の報告。 著者らは、集団ベース前向きコホート研究である高山スタディにおいて、1992年のベースライン時点で、がん、冠動脈疾患、脳卒中の既往がない35歳以上の住民2万9,079人を対象とし、2008年まで追跡した。本研究は、コーヒー摂取と全死因死亡ならびに疾患特異的死亡の関連を食事や生活習慣の因子で調整し、Cox比例ハザードモデルを用いて評価した。また、コーヒー摂取量を含む食事摂取量は食事摂取頻度調査票(Food Frequency Questionnaire:FFQ)を用い、ベースライン調査時のみ評価した。 主な結果は以下のとおり。・平均追跡期間は14.1年であった。・41万352人年が解析に含まれ、5,339例が死亡した。・コーヒー摂取は全対象者の全死因死亡および心血管疾患による死亡と逆相関していたが、がんによる相関はなかった。・まったく飲まない人の全死因死亡と比較した場合、多変量ハザード比(HR)は、1杯未満/日は0.93(95%信頼区間[CI]:0.86~1.00)、1杯/日は0.84(95%CI:0.76~0.93)、2~3杯/日は0.81(95%CI:0.71~0.92)であった。・心血管死で調整したHRは、それぞれ0.87(95%CI:0.77~0.99)、0.76(95%CI:0.63~0.92)、0.67(95%CI:0.50~0.89)であった。・ほかの原因による死亡でも逆相関がみられ、とくに感染症や消化器疾患による死亡でみられた。■関連記事コーヒーは5杯未満が有益?日本人の死亡率への影響コーヒーと大腸がんの関連、日本の8研究をプール解析コーヒーやお茶は糖代謝を改善するか~メタ解析慢性腎臓病患者でもコーヒー摂取で寿命が延びる?

19917.

敗血症関連凝固障害への遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤、第III相試験結果/JAMA

 敗血症関連凝固障害がみられる重症患者の治療において、遺伝子組換えヒト可溶性トロンボモデュリン(rhsTM)製剤ART-123はプラセボと比較して、28日以内の全死因死亡率を改善しないことが、ベルギー・Universite Libre de BruxellesのJean-Louis Vincent氏らが実施した「SCARLET試験」で示された。研究の詳細はJAMA誌オンライン版2019年5月19日号に掲載された。rhsTMは、播種性血管内凝固症候群(DIC)が疑われる敗血症患者を対象とする無作為化第IIb相試験の事後解析において、死亡率を抑制する可能性が示唆されていた。26ヵ国159施設のプラセボ対照無作為化試験 本研究は、日本を含む26ヵ国159施設が参加する二重盲検プラセボ対照無作為化第III相試験であり、2012年10月~2018年3月の期間に患者登録が行われた(Asahi-Kasei Pharma America Corporationの助成による)。 対象は、心血管あるいは呼吸器の障害を伴う敗血症関連凝固障害で、集中治療室に入室した患者であった。被験者は、rhsTM(0.06mg/kg/日、最大6mg/日、静脈内ボーラス投与または15分注入)またはプラセボを投与する群に無作為に割り付けられ、1日1回、6日間の治療が行われた。 主要エンドポイントは、28日時の全死因死亡であった。28日全死因死亡率:26.8% vs.29.4% 816例が登録され、このうち800例(平均年齢60.7歳、男性54.6%)が試験を完遂し、最大の解析対象集団(FAS)に含まれた。rhsTM群が395例、プラセボ群は405例であった。 28日全死因死亡率は、両群間に有意な差は認めなかった(rhsTM群26.8%[106/395例]vs.プラセボ群29.4%[119/405例]、p=0.32)。絶対リスク差は2.55%(95%信頼区間[CI]:-3.68~8.77)だった。 サブグループ解析では、ヘパリンの投与を受けた患者(416例)は、28日全死因死亡率がrhsTM群で低かった(差:-0.87%、95%CI:-9.52~7.77)のに対し、ヘパリンの投与を受けていない患者(384例)は、rhsTM群のほうが高かった(6.25%、-2.72~15.22)。 重篤な出血有害事象(頭蓋内出血、生命に関わる出血、担当医が重篤と判定した出血イベントで、赤血球濃厚液1,440mL[典型的には6単位]以上を2日で輸血した場合)の発生率は、rhsTM群が5.8%(23/396例)、プラセボ群は4.0%(16/404例)であった。 なお著者は、これらの知見に影響を及ぼした可能性のある原因として、次のような諸点を挙げている。(1)患者の約20%が、ベースライン時に凝固障害の基準を満たさなかった、(2)プラセボ群の死亡率が、試験開始前にサンプルサイズの算出に使用した予測値よりも高かった、(3)深部静脈血栓症の予防に用いたヘパリンが、rhsTMの効果を減弱させた可能性がある、(4)無作為化の際に施設で層別化したが、159施設中55施設は登録患者が1例のみであり、効果の結果に影響を及ぼした可能性がある。

19918.

骨髄腫治療におけるCAR-T細胞療法が示す可能性とその問題点(解説:藤原弘氏)-1055

 この令和元年5月初めに、NCIのKochenderfer博士等のグループからB-cell maturation antigen(BCMA)を標的分子として難治性多発性骨髄腫を対象疾患とするCAR-T細胞の1つであるbb2121を用いた第I相臨床試験の有望な観察結果がNew England Journal of Medicine誌に報告された。 bb2121はBCMAを認識するマウス抗体の短鎖・長鎖可変領域を一本鎖とした細胞外ドメイン(scFv)と4-1BBとCD3ζを直列につないだ細胞内ドメインを持つ第2世代CAR-T細胞である。CD19 CAR-T細胞での経験と同様に、CD28型第2世代CAR-T細胞(Brudno JN, et al. J Clin Oncol. 2018;36:2267-2280. )に比較して、輸注細胞の体内生存期間の延長傾向が得られている。このCAR-T細胞はBlueBird Bio/Celgeneが開発を進め、2017年にはFDAのBreakthrough Therapy designationを受けるなど、難治性骨髄腫に対する画期的な治療薬として期待されてきた経緯がある。日本国内でも、Celgeneが第II相試験(JapicCTI-184195)を計画している。 この論文も含めて、bb2121が抱える問題点は、その“瞬発力の高い抗腫瘍効果”に比べて、“再発率が高いこと”である。現在、世界で行われている骨髄腫に対するCAR-T細胞療法臨床試験の8割以上がBCMAを治療標的分子としているが、再発を抑制する、すなわち長期的な抗腫瘍効果を得るという視点に立った時、CAR遺伝子構造の改良や分子標的薬との併用といった方法でそれが達成できるのか、あるいはBCMA以外により適した標的抗原を探す必要はないのか、など課題は今も未解決である。米国・中国を中心に、さまざまな抗BCMA CAR-T細胞の開発が進められている現状、それ自体が、難治性骨髄腫に対する抗BCMA CAR-T細胞療法が、現時点では“決め手に欠ける”状況にあると感じさせる。

19919.

第40回 入らにゃ損!在宅療養支援連絡会J-HOPとは?【週刊・川添ラヂオ】

動画解説今回は川添先生による全国薬剤師・在宅療養支援連絡会 J-HOPのご紹介。J-HOPでは在宅医療に関する基本的な情報や疑問などの”あるある"を検索できる「あるシェア」をはじめ、情報共有や横の連絡を大切にしています。2017年より医師、歯科医との合同大会として全国在宅医療医歯薬連合会全国大会を開催し、他職種連携のための繋がりの場ともなっています。この時代に在宅と無関係な薬剤師など存在しない!地域のドクターと繋がりが持てる!川添先生お勧め団体第1弾。

検索結果 合計:36559件 表示位置:19901 - 19920