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ASCO2019レポート 泌尿器腫瘍

レポーター紹介# LBA2 転移性ホルモン感受性前立腺がんにおけるエンザルタミドの生存期間延長効果Sweeney C, et al. J Clin Oncol 37, 2019米国臨床腫瘍学会(ASCO)は毎年Plenary sessionとして時代を変える結果となった臨床試験を4題選択し、学会3日目にほかのsessionは行わず、単独で最も収容人数の多い会場で演題発表を行う。泌尿器がんでこの名誉あるPlenary sessionに選ばれたのが、ENZAMET試験であった。エンザルタミドは、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)においてドセタキセル後でもドセタキセル前であってもプラセボと比較し生存期間(OS)の延長効果が示され、日本でも保険償還されている。2019年2月のASCO-GUでは、ARCHES試験の結果が報告され、転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)においての画像上の無増悪生存期間(rPFS)の延長効果が報告され、アビラテロン+プレドニゾロン療法と同様にホルモン感受性期での使用のメリットが示されていた。今回ASCO2019で報告されたのは、オーストラリア・ニュージーランドの臨床試験グループが主導する国際共同臨床試験で、mHSPCに対し非ステロイド系抗アンドロゲン薬 (NSAA)とエンザルタミドをランダム化比較し、OSの延長効果を検証するデザインであった。このENZAMET試験において観察期間中央値34ヵ月時点における中間解析が報告された。対象患者は、転移量(High/Low volume)、早期ドセタキセルの計画(あり/なし)、Performance status(0~1/2)、骨修飾薬(あり/なし)、合併症(少ない/多い)、施設で割り付け調整され、テストステロン抑制療法に加えて通常のNSAA(ビカルタミド、フルタミド、lilutamide)を行う群と、エンザルタミド160mgを行う群の2群に分けられた。ARCHES試験と異なりドセタキセルの併用が許容されており、約45%が併用していた。プライマリエンドポイントの3年OSは、NSAA群で72%、エンザルタミド群で80%であり、ハザード比(HR)0.67(95%信頼区間[CI]:0.52~0.86、p=0.002)であった。セカンダリーエンドポイントの、PSA無増悪生存期間のHRは0.39(95%CI:0.33~0.47)であった。計画的に設定されたサブグループであるドセタキセルの併用群と非併用群の治療成績も発表され、非併用群では3年OSはNSAA群70%、エンザルタミド群83%(HR:0.53[95%CI:0.37~0.75])であったのに対し、併用群では75%と74%(HR:0.90[95%CI:0.62~1.31])であり、エンザルタミドの上乗せ効果は不明瞭であった。有害事象は、ドセタキセル併用なしでは倦怠感Grade2が3%から10%に増加する程度で、エンザルタミドの既報と大差はなかったが、ドセタキセルと併用した場合は知覚神経障害と爪の変化、流涙、倦怠感が増加した。この試験は、発表と同時にNew England Journal of Medicine誌にもオンライン出版された。mHSPCの標準治療は、転移量の多いHigh volume症例では早期ドセタキセルとアビラテロン+プレドニゾロン療法のいずれかであったが、本試験により転移量の少ないLow volume症例も含めたmHSPCの新たな治療オプションが選択可能となった。# 5006 転移性ホルモン感受性前立腺がんに対するアパルタミドの無増悪生存期間延長効果Chi KN, et al. J Clin Oncol 37, 2019アパルタミドはアンドロゲン受容体拮抗薬として遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺がん(nmCRPC)の標準治療として、日本でも2019年3月に承認となった新規ホルモン製剤である。ASCO2019では、mHSPCにおいてプラセボと比較した二重盲検国際第III相試験であるTITAN試験の結果がOral abstract sessionで報告された。mHSPCの症例のうち、アンドロゲン抑制療法+プラセボ群は527例、アンドロゲン抑制療法+アパルタミド群は525例であり、High volume症例は両群とも60%程度含まれていた。プライマリエンドポイントは、rPFS(α=0.005)とOS(α=0.045)の2つ設定しており、今回はrPFSの最終解析とOSの中間解析であった。2年rPFS割合はプラセボ群48%、アパルタミド群68%であり、HR:0.48(95%CI:0.39~0.60、p<0.0001)と有意にアパルタミド群で良好な結果となった。OSの中間解析ではα<0.009で有効性ありと判断される解析計画であり、観察期間中央値約22ヵ月の現時点において、2年OS割合はプラセボ群74%、アパルタミド群82%、HR:0.67(95%CI:0.51~0.89、p=0.0053)であった。独立データモニタリング委員会は、盲検下での試験継続は倫理性に問題が生じると判断し、盲検解除とプラセボ群にクロスオーバーでのアパルタミド投与を推奨した。rPFSやOSのサブグループ解析から、本試験前のドセタキセルの有無や腫瘍量によらず、アパルタミド群に良好な結果であった。有害事象は、All gradeで皮疹8.5% vs.27%、甲状腺機能低下症1.1% vs.6.5%など、アパルタミド群で多い傾向はあったが、痙攣は0.4% vs.0.6%と両群で差はなく、健康関連QOLも2群の差は認められなかった。ENZAMET試験とTITAN試験は、ほぼ同じmHSPCを対象として新規アンドロゲン受容体拮抗薬の有効性が再現性をもって証明されたが、薬剤の使い分けを要する臨床像は明らかではない。# 4504 尿路上皮がん化学療法後のペムブロリズマブ維持療法の可能性Galsky MD, et al. J Clin Oncol 37, 2019尿路上皮がんに対するペムブロリズマブ療法は、KEYNOTE-045試験の結果を受けてがん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮がんに対し、日本でも2017年12月に承認された。1次治療のプラチナ併用療法は、シスプラチンの蓄積毒性の懸念から8サイクル程度までで終了することが一般的である。非小細胞肺がんでは、プラチナ併用療法後にペメトレキセドやエルロチニブを用いたswitch maintenance(1次治療で用いた薬剤から変更して維持療法を行うこと)の有効性が第Ⅲ相試験で示されており、今回の報告はその可能性を尿路上皮がんで評価したランダム化第II相試験である。転移性の尿路上皮がんを初回治療としてプラチナ併用療法を8コース以下で行い、病勢安定以上の効果を得ている症例を対象に、プラセボ群とペムブロリズマブ群にランダム化し、以後の治療を行った。プライマリエンドポイントはPFSであり、中央値は3.2ヵ月 vs.5.4ヵ月(HR:0.64[95%CI:0.41~0.98]、p=0.038)と有意に腫瘍進行を遅らせた。何らかの重篤な有害事象が生じた症例は、プラセボ群35%、ペムブロリズマブ群53%であり、有害事象の増加は否めないが、生存期間の延長が可能となるかどうか、第III相試験での検証が待たれる有望な結果であった。# Poster Discussion 肉腫様腎がんの新たな治療戦略Brugarolas J. Poster Discussion 3rd June, 2019肉腫様腎がんは2~11%の割合でさまざまな組織型に混在し、淡明細胞がんと比較すると予後不良であり、既存の血管新生阻害薬の効果も限定的である。ASCO2019では、大規模第III相試験の追加解析が3報報告され、ポスターディスカッションが企画された。IMmotion151試験からアテゾリスマブ+ベバシズマブ療法(#4512)、CheckMate214試験からニボルマブ+イピリムマブ療法(#4513)、ハーバード大学の後方視解析(#4514)、KEYNOTE-426試験からペムブロリズマブ+アキシチニブ療法(#4500)の治療成績をレビューした。これらの比較第III相試験はいずれもスニチニブを対照群としており、PFSはIMmotion151試験では中央値8.3ヵ月 vs.5.3ヵ月(HR:0.52[95%CI:0.34~0.79])、CheckMate214試験では8.4ヵ月 vs.4.9ヵ月(HR:0.61[95%CI:0.38~0.97])、KEYNOTE-426試験では1年PFS割合で57% vs.26%(HR:0.54[95%CI:0.29~1.00])と報告された。OS中央値は、IMmotion151試験では21.7ヵ月 vs.15.4ヵ月(HR:0.64[95%CI:0.41~1.01])、CheckMate 214試験では31.2ヵ月 vs.13.6ヵ月(HR:0.55[95%CI:0.33~0.90])、KEYNOTE-426試験では未報告である。ハーバード大学からの後方視コホートでは、肉腫様腎がんで免疫チェックポイント阻害薬を使用した症例と使用しなかった症例のOSは、中央値24.5ヵ月 vs.10.3ヵ月(adjusted 0.43[95%CI:0.30~0.63]、p<0.0001)と報告されていた。奏効割合は、IMmotion151試験では全組織型で41%であったのに対し肉腫様腎がんでは59%、CheckMate 214試験では53%と75%、KEYNOTE-426試験では65%と72%と報告され、肉腫様腎がんでの免疫チェックポイント阻害薬併用療法の効果は全体集団よりインパクトが大きい可能性が示唆された。肉腫様腎がんではProgrammed death-ligand 1(PD-L1)の発現割合が高いことや、遺伝子ではSETD2やTP53、NF2、BAP1などの変異が多く、またTumor Mutation Burdenや遺伝子不安定性が高いことが過去に報告されており、これらの免疫チェックポイント阻害薬の効果が高まる要因となっていると考えられる。Brugarolas氏は未解決の問題として、肉腫様腎がんの最適な治療レジメンがどれか、肉腫様腎がんのみの前向き試験が必要かどうか、肉腫成分の比率は治療経過に影響を与えるか、免疫療法に効果を示すメカニズムに関してなど、さまざまな課題があるものの、肉腫様腎がんは免疫チェックポイント阻害薬のよい適応となるだろう、と結んだ。

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ダパグリフロジン、糖尿病患者の腎保護示す-DECLARE‐TIMI 58サブ解析

 近年、SGLT2阻害剤はアテローム性動脈硬化症患者の腎アウトカムに対し、有益な効果を示すことが明らかになりつつある。今回、イスラエル・Hadassah Hebrew University Hospital のOfri Mosenzon氏らがDECLARE-TIMI 58のサブ解析を実施。ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)が、腎機能を保持している2型糖尿病患者において、アテローム性動脈硬化症の有無にかかわらず、プラセボと比較して腎疾患の予防および進展抑制を示す結果が得られた。Lancet Diabetes & Endocrinology誌オンライン版2019年6月10日号に掲載された。 研究者らは、複合アウトカムの構成要素、サブグループ解析、さまざまな時点でのeGFRの変化を調査する目的でサブ解析を実施。HbA1cが6.5〜12.0%(47.5〜113.1mmol/mol)の2型糖尿病で、アテローム性動脈硬化症または複数の危険因子を有し、クレアチニンクリアランス60mL/分以上の患者を、1日1回ダパグリフロジン10mg服用群またはプラセボ服用群に1対1に無作為に割り付けた。事前に規定した副次評価項目としての心腎複合アウトカムは、eGFR(推定糸球体濾過量)60mL/分/1.73m2未満かつ40%以上の持続的低下、末期腎不全(90日以上の透析、腎移植、またはeGFRが15mL/分/1.73m2未満を持続)、あるいは腎・心血管系による死亡であった。また、腎特異的複合アウトカムからは、心血管死を除外した。 主な結果は以下のとおり。・試験は2013年4月25日~2018年9月18日に実施された。・追跡期間中央値は4.2年(四分位範囲3.9~4.4)だった。・参加者1万7,160例が無作為に割り付けられた。・各参加者のベースライン時のeGFRは、90mL/分/1.73m2以上が8,162例(47.6%)、60〜90mL/分/1.73m2未満が7,732例(45.1%)、60mL/分/1.73m2未満が1,265例(7.4%)であった(eGFRのデータ消失が1例)。・6,974例(40.6%)はアテローム性動脈硬化症を発症し、1万186例(59.4%)は複数の危険因子を有していた。・副次評価項目としての心腎複合アウトカムは、プラセボと比較してダパグリフロジンで有意に減少した(ハザード比[HR]:0.76、95%信頼区間[CI]:0.67~0.87、p

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全粒穀物、食物繊維の摂取が肝がんリスクを低下?/JAMA Oncol

 がん治療薬の開発が進んでいるが、一方で予防に対する研究も活発である。中国・安徽医科大学のWanshui Yang氏らは、全粒穀物や食物繊維の摂取量増加が、肝細胞がん(HCC)の素因として知られるインスリン抵抗性、高インスリン血症および炎症のリスク低下と関連していることから、これらの長期摂取によりHCCのリスクが低下するのではないかと仮定し、その関連性を米国の2つのコホート研究を基に解析した。その結果、全粒穀物および、おそらくシリアル繊維とふすまの摂取量増加は、米国成人のHCCのリスク低下と関連していることが示されたという。著者は、「今回の知見を再現し、他の人種・民族あるいは高リスク集団におけるこれらの関連性を調べ、根本的なメカニズムを解明するためには、今後、B型およびC型肝炎ウイルス感染を考慮したさらなる研究が必要である」とまとめている。JAMA Oncology誌オンライン版2019年2月21日号掲載の報告。 研究グループは、米国のNurses' Health StudyおよびHealth Professionals Follow-up Studyから計12万5,455例について解析した。 被験者は、全粒穀物、その成分であるふすまと胚芽、および食物繊維(シリアル、果物、野菜)の摂取量について、食事摂取頻度調査票(Food Frequency Questionnaire:FFQ)を用いて4年ごとに調査を受けていた。これらの摂取量とHCCとの関連について、Cox比例ハザード回帰モデルを用い、HCCの既知のリスク因子を調整後の多変量ハザード比(HR)とその95%信頼区間(CI)を推算し評価した。 主な結果は以下のとおり。・平均追跡期間24.2年、被験者12万5,455例(女性7万7,241例、男性4万8,214例、平均年齢63.4歳)中、HCC患者141例を確認した。・全粒穀物の摂取量増加は、HCCのリスク低下と有意に関連していた(最高三分位vs.最低三分位のHR:0.63、95%CI:0.41~0.96、傾向p=0.04)。・全ふすまの摂取量増加は、有意ではないもののHCCのリスク低下との関連が観察された(HR:0.70、95%CI:0.46~1.07、傾向p=0.11)。胚芽では関連はみられなかった。・シリアル繊維の摂取量増加は、有意ではないもののHCCのリスク低下と関連していた(HR:0.68、95%CI:0.45~1.03、傾向p=0.07)。果物や野菜の繊維では関連はみられなかった。

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統合失調症治療における多剤併用療法の単剤療法への切り替え~メタ解析

 統合失調症における抗精神病薬の多剤併用療法は、単剤療法よりも優位性があることが最近のメタ解析で報告されているが、単剤療法への切り替えは、副作用に関して有益である。東京女子医科大学の松井 健太郎氏らは、抗精神病薬の多剤併用療法を受けている患者に対し、単剤療法への切り替えを行うべきか、多剤併用療法を継続すべきかについて、システマティックレビューおよびメタ解析を行った。Schizophrenia Research誌オンライン版2019年6月7日号の報告。統合失調症患者の多剤併用療法、単剤療法への切り替えと併用継続を比較 これまでのメタ解析から、多剤併用療法を受けていた統合失調症患者を対象に、単剤療法への切り替えと多剤併用療法の継続について比較したランダム化比較試験(RCT)をシステマティックに選択した。さらに、MEDLINE、Embase、Cochrane Central Register of Controlled Trialsを用いて、最新のシステマティック文献検索を行った。試験中止、再発、精神病理学、神経認知機能、錐体外路症状、体重、BMIに関するデータを抽出し統合した。 統合失調症患者の多剤併用療法について、単剤療法への切り替えと併用継続を比較した主な結果は以下のとおり。・6件のRCT(341例)が抽出された。・すべての研究において、2種類の抗精神病薬から単剤への切り替えが検討されていた。クロザピン治療を受けていた患者が含まれていた研究は3件であった。・多剤併用療法の継続は、すべての原因による試験中止に関して、有意に優れていた(6 RCT、341例、RR:2.28、95%CI:1.50~3.46、p<0.001)。・再発、精神病理学、神経認知機能、錐体外路症状、体重、BMIに関しては、有意な差が認められなかった。・エビデンスの質は、非常に低かった。 著者らは「本結果は、臨床医が2種類の抗精神病薬で治療後に単剤療法への切り替えを行う際には、患者の状態を注意深く監視すべきであることを示唆している。全体的なエビデンスの質が非常に低いことを考慮すると、本結果は暫定的なものであると考えるべきである」としている。

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HPVワクチン、感染と異形成の双方を抑制/Lancet

 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種プログラムは、女性のHPV感染および子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)Grade2(中等度)以上の異形成(2+)を抑制し、男女の肛門性器疣贅を減少させることを示す強固なエビデンスが、カナダ・ラヴァル大学のMelanie Drolet氏らHPV Vaccination Impact Study Groupによる6,000万人以上を最長8年間追跡したデータのメタ解析で得られた。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2019年6月26日号に掲載された。HPVワクチン接種が開始されて10年以上が経過し、現在、99の国と地域で接種プログラムが導入されており、リアルワールドにおける有効性の評価や年齢別の効果の定量化が求められている。HPVワクチン接種、14ヵ国の最長8年時のデータのメタ解析 研究グループは、2015年に、9つの高所得国でHPVワクチン接種プログラム導入から最長4年時の効果に関するメタ解析を行っており、今回は、14ヵ国の最長8年時のデータを解析した(世界保健機関[WHO]などの助成による)。 前回の報告と同様の方針で、2014年2月1日~2018年10月11日までに発表された研究を検索した。一般集団において、HPVワクチン接種前後の期間で、1つ以上のHPV関連エンドポイント(HPV性器感染、肛門性器疣贅の診断、組織学的に確定されたCIN2+)の頻度(有病率または罹患率)を比較している、HPVワクチン接種前後の同一集団データを用いた研究、および患者登録の方法を用いた研究を対象とした。 主要評価項目は、HPVワクチン接種前と接種後の期間におけるHPV関連エンドポイントの頻度(有病率または罹患率)の比較における相対リスク(RR)とした。性別、年齢、HPVワクチン接種導入以降の年数で層別化した。変量効果モデルを用いて統合RRを推計した。HPVワクチン接種により大きな直接効果とともに集団免疫効果も メタ解析では、14の高所得国から報告された65件の研究(HPV感染23件、肛門性器疣贅29件、CIN2+ 13件)の論文が対象となった。2007~15年の8年間(CIN2+は9年間)における6,000万人以上のデータが解析に含まれた。 HPVワクチン接種後5~8年の期間に、HPV 16/18型の有病率は13~19歳の女性で83%(RR:0.17、95%信頼区間[CI]:0.11~0.25)、20~24歳の女性では66%(0.34、0.23~0.49)、それぞれ有意に低下した。そのほとんどがHPVワクチン接種を受けていない25~29歳の女性では、1~4年の期間ではHPV 16/18型の有病率に有意な差は認めなかった(0.86、0.69~1.07)のに対し、5~8年後には37%(0.63、0.41~0.97)有意に低下しており、集団免疫効果が示唆された。 また、HPVワクチン接種後5~8年の期間に、HPV 31/33/45型の有病率は13~19歳の女性で54%(RR:0.46、95%CI:0.33~0.66)有意に低下したが、20~24歳の女性では有意な差はみられなかった(0.72、0.47~1.10)。 参加者のHPVワクチン接種率が高かった(≧50%)試験は、低かった(<50%)試験に比べ、全般にHPV 16/18型およびHPV 31/33/45型の有病率が低かったが、有意差はなかった。 肛門性器疣贅の診断は、HPVワクチン接種後5~8年の期間に、15~19歳の女性で67%(RR:0.33、95%CI:0.24~0.46)、20~24歳の女性で54%(0.46、0.36~0.60)、25~29歳の女性では31%(0.69、0.53~0.89)、それぞれ有意に低下した。また、HPVワクチン接種を受けていない15~19歳の男性でも48%(0.52、0.37~0.75)、20~24歳の男性では32%(0.68、0.47~0.98)、それぞれ有意に低下しており、集団免疫効果が示唆された。 HPVワクチン接種後5~9年間に、CIN2+は15~19歳の女性で51%(RR:0.49、95%CI:0.42~0.58)、20~24歳の女性では31%(0.69、0.57~0.84)、それぞれ有意に低下した。これに対し、同時期に、そのほとんどがHPVワクチン接種を受けていない25~29歳の女性では、CIN2+が19%(1.19、1.06~1.32)有意に増加し、30~39歳の女性でも23%(1.23、1.13~1.34)有意に増加した。 著者は、「原因(高リスクのHPV感染)と疾患エンドポイント(CIN2+)の双方が有意に減少したことから、HPVワクチン接種の実施により、リアルワールドにおいて子宮頸がんが予防されたことを示す強固なエビデンスがもたらされた」とし、「複数集団へのHPVワクチン接種と高い接種率によって、より大きな直接効果と集団免疫効果がもたらされた」と指摘している。

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青少年の電子タバコと喫煙の増加、北米とイングランドで差/BMJ

 2017~18年の期間に、カナダと米国では青少年におけるベイピング(発生させた蒸気[vapor]を吸引する)電子タバコの使用が増加し、カナダでは可燃性タバコの喫煙も増加している一方、イングランドではこれらの使用に関してほとんど変化がないことが、カナダ・ウォータールー大学のDavid Hammond氏らの調査で示された。研究の詳細は、BMJ誌2019年6月20日号に掲載された。ベイピングは、可燃性タバコの煙を吸引するのと比べて、ニコチン送達の有害性が最も低くなるとされる。しかし、毒性物質の量や毒性の程度は低いが、長期曝露によりニコチン依存を引き起こす可能性や、呼吸器や心血管の健康リスクに影響を及ぼす可能性が示唆されている。北米では新世代のベイピング製品として、ニコチン塩を用いた「JUUL」のような高ニコチン濃度の製品が登場しているが、ニコチン塩製品への市場移行の影響はほとんど知られていない。2018年にはカナダでも規制緩和が進められ、ベイピング製品の市場開拓が進んでいるという。16~19歳の約2万4,000例について、オンライン反復横断調査 研究グループは、カナダ、イングランド、米国の青少年におけるベイピングと喫煙の使用状況の違いを評価する目的で、反復横断調査を行った(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 カナダ(7,891例)、イングランド(7,897例)、米国(8,140例)の16~19歳を対象に、2017年7~8月と2018年8~9月の2回、オンラインによる調査を実施した。 ベイピングと喫煙の使用の有無、過去30日および1週間以内の使用、過去1ヵ月のうち15日以上の使用の割合について評価した。JUULおよび他の一般的なベイピング製品の検討も行った。規制緩和が進んだカナダと米国では、常習性も拡大 ベイピングの使用割合は、非喫煙者と試行的喫煙者(生涯の喫煙本数が100本未満)を含め、2017年と2018年ではカナダと米国で、過去30日(カナダ:8.4%→14.6%、米国:11.1%→16.2%)、過去1週間(5.2%→9.3%、6.4%→10.6%)、過去1ヵ月のうち15日以上(2.1%→3.6%、3.0%→5.2%)が、いずれも有意に増加した(すべてp<0.001)。イングランドでは、それぞれ8.7%→8.9%、4.6%→4.6%、2.0%→2.2%と、ほとんど変化しなかった。 喫煙の割合は、2017年と2018年ではカナダで、過去30日(10.7%→15.5%)、過去1週間(7.6%→11.9%)、過去1ヵ月のうち15日以上(4.8%→7.4%)のいずれもが有意に増加した(すべてp<0.001)。イングランドでわずかに増加が認められたが(それぞれ、15.6%→16.4%、9.8%→11.3%、5.0%→6.4%)、米国ではほぼ変化がなかった(それぞれ、11.0%→12.2%、8.5%→8.8%、4.6%→5.1%)。 ベイピングの使用者のうち、2017年に比べ2018年で、より常習的に使用するようになったと回答した者の割合は、カナダと米国では、過去30日(カナダ:28.8%→39.5%、米国:35.4%→48.1%)、過去1週間(17.6%→25.0%、20.4%→31.6%)、過去1ヵ月のうち15日以上(7.2%→9.7%、9.7%→15.4%)のいずれにおいても有意に増加した(すべてp<0.01)。一方、イングランドではいずれも増加はしたが有意ではなかった(それぞれ、25.8%→27.1%、13.7%→13.9%、5.9%→6.8%)。また、カナダでは喫煙についても、2018年で使用頻度が高くなったと回答した者の割合が、それぞれ有意に増加した(p<0.001、p<0.001、p=0.002)。 過去30日にベイピングを使用した集団におけるJUULの使用割合は、米国では2017年の9.4%から2018年には28.1%へと約3倍に増加し、2017年は0%だったカナダとイングランドでは、2018年にはそれぞれ10.3%および3.3%への増加であった。 著者は、「イングランドで変化が小さいのは、おそらく、欧州タバコ製品指令(Tobacco Products Directive:TPD)による市場制限とニコチン量の上限規制の結果と考えられる」とし、「急速に進展するベイピング市場およびニコチン塩ベースの製品の出現に対して、徹底した監視が必要である」と指摘している。

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デュルバルマブ、進展型小細胞肺がんのOSを有意に延長(CASPIAN)/AstraZeneca

 AstraZenecaは、2019年6月27日、進展型小細胞肺がん(SCLC)の1次治療を対象としたデュルバルマブの第III相CASPIAN試験で、主要評価項目である全生存率(OS)を達成したと発表。 CASPIAN試験は、進展型SCLC患者の1次治療における無作為化オープンラベル多施設共同国際第III相試験。この試験では、化学療法単独とデュルバルマブ+化学療法(エトポシド+シスプラチン/カルボプラチン)およびデュルバルマブ+トレメリムマブ+化学療法(上記と同様)とを比較しており、米国、欧州、南米、アジア、中東を含む22ヵ国、200以上の施設で実施されている。 独立データモニタリング委員会による中間分析では、デュルバルマブ+化学療法(エトポシド+シスプラチン)群は、化学療法単独に比べ主要評価項目であるOSを統計学的に有意に改善した。デュルバルマブ併用療法の安全性と耐容性は、これらの既知の安全性プロファイルと一致していた。 AstraZenecaは、今後の医学会での発表のために、今回のデータを提出するとしている。

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進行胃がんに対する腹腔鏡下幽門側胃切除は開腹術に匹敵するか?(解説:上村直実氏)-1071

 最近の疫学調査によると、ピロリ感染者数の減少や除菌治療の普及により胃がん死亡者は減少の一途をたどっている。さらに、全国の検診体制の充実や内視鏡検査の普及により早期発見される胃がんが多くなり、内視鏡的切除術の件数が著明に増加しているのが現状である。しかし、臨床現場では手術可能な進行胃がんに遭遇する機会も少なくなく、従来の開腹手術と腹腔鏡下手術の適応に迷うこともある。 日本、韓国および中国において両術式の有用性と安全性を検証する無作為介入試験(RCT)が進行中であるが、今回、進行胃がん(T2〜T4a)の約1,000症例を対象として中国で実施されたCLASS-01試験の結果が報告された。無作為割り付けによる多施設共同RCTの結果、3年無再発生存率(腹腔鏡術群76.5% vs.開腹術群77.8%)および3年累積再発率(18.8% vs.16.5%)は両群間に統計学的に有意な差を認めなかった。 わが国で実施されているRCT(JLSSG0901試験)の結果は未定であるが、世界に先駆けて実施している全国的な外科系手術症例の大規模データベースであるNational Clinical Database(NCD)を用いて施行されたコホート研究の結果では、胃がんに対する外科的切除における腹腔鏡下手術は術後の死亡率や縫合不全や膵液瘻など重篤な合併症の発生率で開腹手術と遜色がないと報告されている(Etoh T, et al. Surg Endosc. 2018;32:2766-2773.)。わが国の胃がん治療ガイドラインでは、現時点で腹腔鏡下手術は幽門側胃切除が適応となるStageI(T1、T2N0)に限定されているが、今後、適応範囲の拡大が期待される。 以上の結果から、手術可能な胃がんに対する腹腔鏡下手術は開腹手術にひけをとらない術式となっているものと思われる。ただし、実際の診療における術式の選択にあたっては、技術格差に基づく手術成績の施設間格差を考慮すべきであろう。その参考資料として、今後、施設ごとに開腹手術と腹腔鏡下手術の手術成績が開示されることが期待される。

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ドローンは人を傷つけるのか、助けるのか【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第142回

ドローンは人を傷つけるのか、助けるのかいらすとやより使用私の友人はドローンを持っているのですが、飛ばせるエリアが限られているらしくて、ほとんど使えないとボヤいています。皆さんはドローンと触れ合ったことがありますか?ドローンはいろいろな現場で用いられるようになってきました。とくに物流に対する期待は大きく、近い将来、自宅にドローンが荷物を届けてくれるようになるかもしれません。海外では試験的に運用されているところもありますね。今回は、ドローンの論文を2つ紹介しましょう。 Chung LK, et al.Skull fracture with effacement of the superior sagittal sinus following drone impact: a case report.Child’s Nerv Syst. 2017;33:1609-1611.1つ目は、ドローンによる悲劇。世界各国では、ドローンを上手に速く操作することを競う大会が開かれています。当然、ドローンのスピードも上がるため、ぶつかってしまうと大けがを負わせてしまいます。あるドローンレースの現場にいた13歳の男の子は、飛んできたドローンが頭を直撃するという事態に見舞われました。衝撃が非常に強く、頭蓋骨は陥没骨折し、その傷は上矢状静脈洞に達しました。神経症状を来すほどでしたが、保存的な治療で軽快し退院までこぎ着けたそうです。Claesson A, et al. Drones may be used to save lives in out of hospital cardiac arrest due to drowning. Resuscitation. 2017;114:152-1562つ目はまったく逆で、ドローンが人を救うことに役立つのではないかという論文です。スウェーデンの浅瀬で行われた研究で、14人のライフガードと、ドローンの性能を比較したものです。要は、目的とするマネキンまでどちらが早く到達できるかを検証したものです。そんなん、行く手に水があったら絶対にドローンのほうが早いに決まってるじゃんと思っていたら、まさにそのとおりの結果でした(p

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抑うつ症状と燃え尽き症候群との関係

 燃え尽き症候群とうつ病との間に重複する概念が存在するのか、あるいは互いに異なるのかについては、継続的に議論されており、入院患者における精査は行われていない。この関連性を明らかにするため、スイス・ベルン大学のKathleen Schwarzkopf氏らは、3つの異なるうつ病尺度を用いて検討を行った。さらに、抑うつ症状と燃え尽き症候群との関連における心理的苦痛、知覚されたストレスおよび睡眠の質への影響についても調査を行った。Zeitschrift fur Psychosomatische Medizin und Psychotherapie誌2019年6月号の報告。 対象は、職業性ストレス関連障害治療の専門病院に紹介された23~82歳の入院患者723例(女性の割合:51.2%)。評価には、燃え尽き症候群評価尺度(Maslach Burnout Inventory)、ベック抑うつ質問票、Hospital Anxiety and Depression Scale(HAD)、Brief Symptom Inventory、知覚されたストレス尺度(Perceived Stress Scale)、ピッツバーグ睡眠質問票を用いた。 主な結果は以下のとおり。・燃え尽き症候群の合計スコアやサブスケール(情緒的消耗感、脱人格化、達成感の低下)とうつ症状(うつ病尺度にかかわらず)との間に有意な相関関係が認められた。・共分散は、1.1~19.4%であった。・燃え尽き症候群のレベルは、認知情動的症状と直接的な関連が認められた。程度は低いものの、身体的情動的症状とうつ病との関連も認められた。・多変量解析では、燃え尽き症候群が有意に多かった因子は、うつ症状、若年、男性、精神的苦痛やストレスレベルの高さであった。 著者らは「燃え尽き症候群とうつ病は、同様な精神病理学を示すものではないが、2つの構成要素には重複する部分が多く、この程度は使用するうつ病評価尺度により変化する可能性が示唆された」としている。

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血圧と認知症サブタイプ別リスク~260万人を長期観察

 血圧上昇と認知症リスクの関連は、期間や認知症のサブタイプにより異なるのだろうか。今回、英国・London School of Hygiene & Tropical MedicineのJohn Gregson氏らによる約260万人の後ろ向きコホート研究から、血圧上昇は認知症リスク低下と短期的には関連するが、長期的な関連はあまり大きくないことがわかった。また、長期的な関連は、アルツハイマー型認知症と血管性認知症では逆であったことが報告された。European Journal of Neurology誌オンライン版2019年6月24日号に掲載。 本研究は、United Kingdom Clinical Practice Research Databaseにおいて、1992~2011年に血圧を測定し、それ以前に認知症ではなかった40歳以上の259万3,629人のデータを解析。ポアソン回帰モデルを使用して、収縮期血圧と認知症(医師の診断による)との関連を調べた。血圧は認知症発症前駆期に低下すると考えられているため、血圧測定からの経過時間のカテゴリー(5年未満、5~10年、10年超)および認知症のサブタイプ(アルツハイマー型、血管性)別に関連を調べた。 主な結果は以下のとおり。・観察期間中央値は8.2年で、アルツハイマー型認知症4万9,161例、血管性認知症1万3,816例、その他の認知症2,541例の計6万5,618例の認知症が観察された。・平均収縮期血圧10mmHg上昇につき、認知症リスクは9.2%(95%CI:8.4~10.0)低かったが、この関連は血圧測定からの期間によって著しく変化した。・血圧測定後5年未満では、平均収縮期血圧10mmHg上昇につき、認知症リスクが15.8%(同:15.5~17.0)低く、血圧測定後5~10年ではリスクが5.8%(同:4.4~7.7)低かった。・血圧測定後10年超では、平均収縮期血圧10mmHg上昇につき、認知症リスクが1.6%(同:0.1~3.0)低かった。サブタイプ別にみると、アルツハイマー型認知症リスクは4.3%(同:2.5~6.0)低く、血管性認知症リスクは7.0%(同:3.8~10.2)高かった。■「サブタイプ」関連記事最もOSが良好な乳がんのサブタイプは?

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乳がん患者への予後情報の開示は効果的か/Cancer

 がん患者へ明確な予後を知らせる効果に関する知見が示された。聖隷三方原病院 緩和ケアチームの森 雅紀氏らは、日本人乳がん女性患者に対して、予後の明確な開示の有無という点で異なる2つのビデオ(患者と医師のコミュニケーション場面を撮影したもの)を見せ、患者が抱く不確実性や不安、満足感などに変化が認められるかを無作為化試験により調べた。その結果、明確な予後の開示はそれらのアウトカムを改善することが示されたという。結果を踏まえて著者は、「がん患者に予後について質問をされたら、医療従事者は、その要望を尊重すべきであり、適切であれば明快に話し合うことが推奨されるだろう」と述べている。Cancer誌オンライン版2019年6月17日号掲載の報告。 研究グループは、「アジアでは臨床において、進行がん患者への予後は、非開示が典型的なままである。予後を伝える重要性が世界的にますます認識されるようになっているが、アジア人の進行がん患者に対する、明確な予後の開示が及ぼす影響については、ほとんどわかっていない」として、がん再発を伴う患者に対する、明確な予後の伝達効果を、無作為化ビデオ描写試験にて調べた。 根治手術を受けた日本人乳がん女性に対して、再発難治乳がんを有する患者と患者のがん担当医との予後に関するコミュニケーションを撮影したビデオを見せた。ビデオは、明確な予後の開示の有無のみが異なる2つのパターンが用意された。 主要評価項目は、被験者が抱く不確実性(Uncertainty、範囲:0~10)である。副次評価項目は、不安(State-Trait Anxiety Inventory-Stateで測定、範囲:20~80)、満足度(Patient Satisfaction Questionnaire、範囲:0~10)、自己効力感(Self efficacy、範囲:0~10)、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)について話し合う意欲(範囲:1~4)などであった。 主な結果は以下のとおり。・合計105例の女性が参加した(平均年齢53.8歳)。・被験者の不確実性のスコアは、予後の開示が多いビデオを見た後のほうが、少ないビデオを見た後よりも有意に低下した(それぞれの平均スコアは5.3 vs.5.7、p=0.032)。・同様に、満足度は上昇し(それぞれ5.6 vs.5.2、p=0.010)、不安は増加しなかった(State-Trait Anxiety Inventory-Stateスコアの変化はそれぞれ0.06 vs.0.6、p=0.198)。・一方で、自己効力感(それぞれ5.2 vs.5.0、p=0.277)、ACPについて話し合う意欲(それぞれ2.7 vs.2.7、p=0.240)については、有意な変化はみられなかった。

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DES留置後、DAPT3ヵ月+P2Y12阻害薬単剤vs.DAPT12ヵ月/JAMA

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)で薬剤溶出ステント(DES)を留置した患者において、3ヵ月間の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)+P2Y12阻害薬単剤療法は、12ヵ月間のDAPTと比較し、主要心・脳血管イベント(MACCE:全死因死亡、心筋梗塞または脳卒中の複合エンドポイント)の発生に関して非劣性であることが検証された。韓国・成均館大学校のJoo-Yong Hahn氏らが、同国の33施設で実施した非盲検無作為化非劣性試験「SMART-CHOICE試験」の結果を報告した。これまで、PCI後の短期間DAPT+P2Y12阻害薬単剤療法に関するデータは限定的であった。JAMA誌2019年6月25日号掲載の報告。DES留置患者約3,000例で、12ヵ月時の主要心・脳血管イベントを評価 研究グループは、PCIでDESを留置した患者2,993例を、アスピリン+P2Y12阻害薬3ヵ月間、その後P2Y12阻害薬単剤療法(P2Y12阻害薬単剤群、1,495例)、またはアスピリン+P2Y12阻害薬12ヵ月間(DAPT群、1,498例)のいずれかに無作為に割り付けた。登録は2014年3月18日に開始され、2018年7月19日に追跡調査が完了した。 主要評価項目は、PCI実施後12ヵ月時点でのMACCE(非劣性マージンは1.8%)、副次評価項目はMACCEの個別のイベントおよび出血(BARC出血基準のタイプ2~5)であった。 無作為化された2,993例(平均年齢64歳、女性795例[26.6%])のうち、2,912例(97.3%)が試験を完遂した。治験プロトコールの順守率はP2Y12阻害薬単剤群で79.3%、DAPT群で95.2%であった。P2Y12阻害薬単剤群、DAPT群に対して非劣性、出血は42%低下 12ヵ月時点で、MACCEはP2Y12阻害薬単剤群で42例、DAPT群で36例に認められた(2.9% vs.2.5%、群間差:0.4%、片側95%信頼区間[CI]:-∞~1.3%、非劣性のp=0.007)。副次評価項目は、全死因死亡(21例[1.4%]vs.18例[1.2%]、ハザード比[HR]:1.18、95%CI:0.63~2.21、p=0.61)、心筋梗塞(11例[0.8%]vs.17例[1.2%]、HR:0.66、95%CI:0.31~1.40、p=0.28)、脳卒中(11例[0.8%]vs.5例[0.3%]、HR:2.23、95%CI:0.78~6.43、p=0.14)のいずれも有意差はなかった。 出血の発現頻度は、P2Y12阻害薬単剤群がDAPT群と比較して有意に低かった(2.0% vs.3.4%、HR:0.58、95%CI:0.36~0.92、p=0.02)。 著者は、非劣性マージンが比較的広く検出力が不足している可能性や、非盲検試験で対象が低リスク集団であったことなどを指摘し、「他の集団でさらなる検証が必要である」とまとめている。

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脳損傷急性期の15%は行動反応なくとも脳活動あり/NEJM

 急性脳損傷患者の15%で、運動指令に対する行動反応はなくても、脳波測定(EEG)では指令に反応を示す記録がみられ、脳が活性化していることが明らかになった。米国・コロンビア大学のJan Claassen氏らが、脳損傷患者を対象に、音声による運動指令に反応する脳活動と予後への影響を検証した前向き試験の結果を報告した。臨床的に無反応な患者において、体を動かすよう声掛けをした際に脳活動を示す脳波が検出される場合がある。そのような認知と運動の解離が、脳損傷後の数日間にみられる割合や予後についての重要性は、これまで十分に解明されていなかった。NEJM誌2019年6月27日号掲載の報告。無反応患者を対象に、声による運動指令に対する脳活動を脳波で確認 研究グループは、2014年7月~2017年9月の期間に、1施設の集中治療室で、さまざまな原因による急性脳損傷があり、音声による運動指令に無反応な患者(痛み刺激部位を特定できる患者や、視覚刺激で凝視または追視できる患者を含む)を前向きに連続登録した。 「手を動かして」という指令に対する脳活動を、機械学習を応用したEEGにより検出。また、12ヵ月時点の機能アウトカムを、Glasgow Outcome Scale-Extended(GOS-E:スコア範囲1~8、高いほうが良好であること示す)で評価した。15%の認知と運動の解離を認めた患者のうち、半数で解離が解消 脳損傷後の期間中央値4日の時点で、無反応患者104例中16例(15%)でEEGによる脳活動が検出された。これら16例中8例(50%)、ならびに脳活動が検出されなかった88例中23例(26%)は、退院前には指令に従うことができるまでに改善した。 12ヵ月時のGOS-Eスコアが4以上(8時間独力で機能することを意味する)であったのは、脳活動が検出された患者で44%(7/16例)、検出されなかった患者で14%(12/84例)であった(オッズ比:4.6、95%信頼区間:1.2~17.1)。 なお、著者は、さまざまな原因(心停止、脳内出血、頭部外傷または硬膜下血腫、クモ膜下出血)による脳損傷患者を対象としたこと、12ヵ月時の追跡調査は電話によるもので直接行っていないこと、鎮静が交絡因子である可能性などを挙げて、結果については限定的だとしている。

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経口GLP-1受容体作動薬の心血管安全性を確認(解説:吉岡成人氏)-1070

経口GLP-1受容体作動薬 日本では未発売の製剤であるが、GLP-1受容体作動薬であるリラグルチドと構造が類似した週1回注射製剤セマグルチド(商品名:Ozempic)は、2型糖尿病患者の心血管イベントを抑止することがすでに確認されている(Holman RP, et al. N Engl J Med. 2017;377:1228-1239.)。また、セマグルチドには経口製剤があり(吸収促進剤により胃粘膜でのセマグルチドの分解を阻害し、胃粘膜細胞間隙から薬剤が吸収される製剤)、1日1回の経口投与によって注射製剤と同等のHbA1c低下作用と体重減少作用が示されている(Davies M, et al. JAMA. 2017;318:1460-1470.)。今回、経口セマグルチドの承認申請前に実施する心血管系に対する安全性を評価する試験の結果が公表された(Husain M, et al. N Engl J Med. 2019 Jun 11. [Epub ahead of print])。経口セマグルチドの心血管系に対する安全性検証試験 心血管疾患ないしは慢性腎臓病を合併した50歳以上、ないしは、心血管イベントのリスクを持った60歳以上の2型糖尿病3,183例を対象に、経口セマグルチドまたはプラセボを標準治療に追加する二重盲検、プラセボ対照試験である。 主要評価項目を心血管死、非致死性心筋梗塞、または非致死性脳卒中の最初の発現までの時間に関する複合アウトカムとしている。追跡期間(中央値16ヵ月)中に、延べ137件のイベントが発生し、経口セマグルチドのプラセボに対するハザード比は0.79(95%信頼区間:0.57~1.11)であり、非劣性が確認された。個々のイベントについては、心血管死、非致死性脳卒中はセマグルチド投与群で減少傾向であったが、非致死性心筋梗塞の発症については差がなかった。試験薬の中止に至った有害事象の発現頻度はセマグルチド群11.6%、プラセボ群6.5%であり、最も多いのは消化器症状による中止であった。観察期間中における網膜症やその関連疾患および悪性腫瘍の発生頻度は、それぞれ、セマグルチド群7.1%、2.6%、プラセボ群6.3%、3.0%であった。心血管安全性は確認できた 欧米のガイドラインでは、心血管リスクの高い2型糖尿病患者には、比較的早い段階からのSGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬の使用が推奨されている。今回の試験でも経口セマグルチドはHbA1cを1.0%、体重を4.2kg減少させ(プラセボ群:0.3%、0.8kg)、糖尿病治療薬としての有用性が再認識された。 今回、確認できたのは、心血管系の安全性についてである。一部の報道では『心血管死・全死亡が半減』などと過大な解釈が行われているが、主要評価項目である複合アウトカムには差がなく、非致死性心筋梗塞や非致死性脳卒中も減少していない。観察期間の中央値が16ヵ月と短い期間に心血管死のみが減少していることの理由も不明であり、経口セマグルチドが心血管イベントの抑止に対して有効な薬剤なのかどうか、今後の展開が期待される。

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非日常の大阪【Dr. 中島の 新・徒然草】(279)

二百七十九の段 非日常の大阪皆さん御存じのとおり、先週末、6月28日(金)、29日(土)の2日間、大阪ではG20大阪サミットが開催されました。世界20ヵ国の首脳に加え、国際連合や国際通貨基金(IMF)の代表なども加わり、合計37の国と機関の参加です。要人警護のために、全国の警察から3万人ともいわれる応援があり、街中は警官だらけという異様な光景でした。せっかくなので、大阪で体験した非日常の1週間を振り返ってみましょう。 6月21日(金)1週間前というのに、すでにあちこちに赤色灯を回した警察車両が目立つようになりました。京都方面から名神高速で大阪に来た人によると、1車線はズラッと警察車両で占められていたとのことです。他府県からの応援の車だったのでしょう。病院では繰り返しアナウンスがありました。G20当日と前後合わせて4日間は、市内のあちこちで通行止めになるので、車の使用は極力避けましょう、という趣旨のものです。10メートルごとに検問が行われるとか、100メートル進むのに1時間はかかるとか、善悪よりも損得を優先する大阪人に車をあきらめさせるような噂も流れていました。 6月25日(火)夜、轟音をとどろかせて伊丹空港に大型機が降りてきた、とのことです。目撃した人の話によると、音が異様に大きく、ライトの位置がずいぶん高い飛行機だったとか。なんでもこの飛行機は米軍の大型輸送機C17で、大統領専用車両「ビースト」を降ろした後、離着陸の門限21時を無視して悠々と離陸していったのだそうです。 6月26日(水)G20開幕前々日。そろそろ各国の人たちが現地入りし始めるということで、赤色灯を回した警察車両が常時視界に入ってきます。たまたま乗ったタクシーの運転手によれば、市内の主要ホテル周辺の道路は、断続的に通行が規制されて通れたものじゃないとのことでした。G20の4日間は仕事にならないので、会社全体が休みになる予定だとか。 6月27日(木)いよいよG20前日、大阪の街がゴーストタウン化するのかと思いきや、普通に素人の車が走っていました。これはちょっとびっくりです。でもそれ以上に赤色灯の車だらけ! 視界には常時10台以上の警察車両が目に入ってきます。阪神高速道路の出入り口はすべて3~4台のパトカーで閉鎖され、要人が乗っていそうな車列だけが通されていました。 6月28日(金)いよいよG20当日。なんと、車で外来に病院にやってきた患者さんがいました! 「正月みたいに空いていましたわ」と大喜び。大阪市内の学校も休校になっているので、地下鉄も普段より空いていたということです。道路脇には警察車両だらけ、歩道も警官だらけ。そして大阪名物の路上駐車が一掃されています。たまに路駐している車があると思いきや、いかつい兄ちゃんたちが乗り込みました。覆面パトカーのようです。ときおり赤色灯を回しながら何台もの警察車両が隊列を組んでやってくるのは、まるで映画の一場面のようでした。これだけ警官の数が多いと、交通事故、酔っ払い、ケンカもほとんどなく、救急外来も平和そのものです。 6月29日(土)やはり、自分の目で道路状況を見なくては気持ちがおさまりません。本来なら休日ですが、病院の行事があったので車で出勤しました。確かに道はガラガラです。周囲を走っている車は、一見普通のセダンやバンであっても、すぐに警察車両とわかりました。というのは、他府県ナンバー、スモークの窓ガラス、そして制限速度順守で、誰がどうみても素人ではありません。尋常ではないオーラを感じるのか、ゆっくり走っていても煽る車は皆無です。病院に近づくにつれ道路上の車の数が増え、ついに谷町四丁目交差点の手前で前後左右、10台ほどの名古屋ナンバーと尾張小牧ナンバーに囲まれてしまいました。ほんとに1時間100メートルみたいなペースでしか進まなくなったので、裏道を抜けようとしましたが、あちこちに白い大型の伸縮フェンスがあって迂回の連続。このフェンスと大勢の警官、何台ものパトカーは、ふいに登場するのでびっくりさせられます。ようやく病院の駐車場に車を停めることができたので、ちょっと周囲を歩いてみました。大阪城周辺のいくつかの空き地には警察車両(大型人員輸送車)がびっしり駐車していましたが、簡易トイレも一緒に設置されているのには警察の苦労がしのばれました。そんなものものしい警戒の中でも事情を知らない、というか、空気を読まない外国人観光客がゾロゾロと大阪城公園に入って行きます。ま、非日常の中の日常といったところでしょうか。阪神高速道路は完全に封鎖されており、全く車が走っていません。ちょうどいい機会なので上から写真を撮ってみましたが、1台も車が走っていない高速道路は、まるでサーキットみたいな風景でした。もっぱら要人の移動に使われているようです。普段は混み過ぎて「阪神低速道路」などと悪口を言われていますが、空いてさえいれば大阪市内のどこでも瞬時に移動可能です。あとは要人の宿泊するホテルと最寄の出入り口の間の一般道だけ確保すればいいわけですから、この仕組みを考えた人はえらいですね! というわけで、大変な1週間が無事終了し、日常生活が戻ってきました。タクシーの運転手曰く、「もうこんな風景、生きている間に見られないでしょうねえ」私も同感です。最後に1句市民より 警官多けりゃ 事件なし

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理想の年収額は2,000万円以上

 ケアネットでは、5月30日(木)~6月3日(月)に会員医師1,000人(各年代200人ずつ)を対象に、インターネットによる「年収に関するアンケート」を行った。その中で、自身の業務内容・仕事量に見合うと思う年収額について尋ねたところ、現在の年収帯と同じ年収帯を回答する医師が多かった。また、全年収別で最も回答数が多かった年収帯は2,000~2,500万円(46%)であった。 実年収と自身の考える適正年収についての質問では、600万円未満では「現状と同額と回答」と「現状より高い金額を回答」がほぼ拮抗していたものの、600万円~2,000万円までの各項目では、「現状より高い金額を回答」が6割以上を占め、2,000万円以上から現状と同額またはそれより低い金額と回答する会員医師が約6割以上を占めた。 年代別では、35歳以下では1,400~1,600万円(16%)という回答が最も多かったが、36歳以上では各年代とも2,000~2,500万円という回答が最多であった(36~45歳:22%、46~55歳:23%、56~65歳:22%、66歳以上:14%)。 上記のほか、男女別、病床数別、勤務先別、診療科別で集計したグラフについても、以下のページで発表している。

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統合失調症における抗精神病薬減量モデル~パイロット研究

 精神科医と統合失調症患者は、再発することを恐れ、抗精神病薬の減量をためらっているのではないか。このようなジレンマの克服を目的とし、米国・ニューヨーク州立大学バッファロー校のChisa Ozawa氏らは、個々の患者のドパミンD2受容体占有率に対応した経口投与量を算出するモデルを開発した。Journal of Clinical Psychopharmacology誌オンライン版2019年6月10日号の報告。 本パイロット研究では、リスペリドンまたはオランザピンの単剤治療で臨床的に安定している統合失調症患者35例を対象に、減量群(17例)または維持群(18例)にランダムに割り付けた。減量群では、モデルを使用してランダムに収集した血漿濃度から算出したトラフ値D2占有率65%に対応するよう、抗精神病薬の減量を行った。 主な結果は以下のとおり。・投与量は、減量群においてリスペリドン4.2±1.9mg/日から1.4±0.4mg/日へ、オランザピン12.8±3.9mg/日から6.7±1.8mg/日へ減量した。維持群では、リスペリドン4.3±1.9mg/日、オランザピン15.8±4.6mg/日であった。・試験完了患者は、減量群で12例(70.5%)、維持群で13例(72.2%)であった(p=0.604)。臨床的な悪化が認められ脱落した患者は、減量群で3例(18.8%)であったが、維持群では認められなかった。・両群間で陽性・陰性症状評価尺度PANSSスコアの変化に有意な差は認められなかったが、臨床全般印象度(CGI-S)の陽性症状サブスコアで差が認められた(減量群:0.4±0.7、維持群:-0.1±0.7、p=0.029)。 著者らは「本モデルを用いた抗精神病薬の減量戦略は、脱落率の点では維持群と同等であったが、安全性の観点については、さらなる検討が必要である」としている。

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