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日本人NAFLD患者の種々のがん予測に亜鉛測定が有用

 血清亜鉛(Zn)濃度の低下は肝性脳症や味覚異常など、さまざまな疾患に影響することが報告されている。しかしながら、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)患者における関連はほとんど報告されていない。今回、名古屋大学消化器内科学の伊藤 隆徳氏らは、血清中のZn濃度と総分岐鎖アミノ酸/チロシンモル比(BTR:molar ratio of total branched-chain amino acid to tyrosine)が、NAFLD患者の予後と関係することを明らかにした。著者らは、「血清中のBTRおよびZn濃度が、それぞれNAFLD患者の肝細胞がん(HCC)および他臓器がんの発生予測に有用」とコメントしている。Nutrition&Cancer誌オンライン版2019年8月21日号掲載の報告。 本研究では、名古屋大学と大垣市民病院において1999年1月~2014年12月の期間に肝生検を受け、NAFLDと診断された363例のうち、基準を満たした179例を登録。NAFLD患者の悪性腫瘍の発生率に対する血清中のBTRとZn濃度の影響を調査した。 主な結果は以下のとおり。・被験者179例の内訳は、NAFLが71例、NASHが108例だった。・平均年齢は53歳(四分位:40~62歳)、女性82例(45.8%)、男性97例(54.2%)だった。・被験者の各中央値はBTR:6.7、Zn:78.0μg/dLだった。・フォローアップ期間(中央値7.9年)中にHCCは7例(3.9%)、他臓器がんは10例(5.6%)発生し、他臓器がんの内訳として乳がん・婦人科がん・大腸がんが多くを占めていた。・Bruntの分類による活動性は、Grade1が107例(59.8%)、Grade2が64例(35.8%)、Grade3が8例(4.5%)であり、線維化は、Stage0が49例(27.4%)、Stage1が72例(40.2%)、Stage2が29例(16.2%)、Stage3が25例(14.0%)、そしてStage4が4例(2.2%)だった。・Cox比例ハザードモデルによる多変量解析により明らかとなったHCCのリスク因子は、肝線維化(F3~4、ハザード比[HR]:24.292、95%信頼区間[CI]:2.802~210.621、p=0.004)、BTR 5.0未満(HR:5.462、95%CI:1.095~27.253、p=0.038)であった。一方で、他臓器がんのリスク因子としては、血清Zn濃度70μg/dL未満(HR:3.504、95%CI:1.010~12.157、p=0.048)と病理学的肝内炎症(A2~3、HR:3.445、95%CI:0.886~13.395、p=0.074)が選択された。・血清中のBTR低値(5.0未満)およびZn欠乏(70μg/dL未満)の患者では、HCC(p

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糖尿病の安定CADに、チカグレロル+アスピリンは有益か?/NEJM

 心筋梗塞または脳卒中の既往歴のない安定冠動脈疾患を有する50歳以上の2型糖尿病患者において、チカグレロル+アスピリンの併用はアスピリン単剤と比べて、虚血性心血管イベントの発生が有意に減少したことが示された。一方で、大出血の発生は併用群で有意に増大した。フランス・パリ大学Bichat病院のP. Gabriel Steg氏らが、患者1万9,220例を対象に行ったプラセボ対照無作為化二重盲検試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年9月1日号で発表した。これまでに同患者集団において、チカグレロル+アスピリンの併用が、アウトカムを改善するか否かは明らかになっていなかった。心血管死・心筋梗塞・脳卒中の複合虚血性心血管イベントの発生を比較 研究グループは、安定冠動脈疾患と2型糖尿病を有する50歳以上の患者1万9,220例を対象に試験を行った。心筋梗塞や脳卒中の既往患者は除外した。 被験者を無作為に2群に分け、一方の群にはチカグレロル+アスピリン(チカグレロル群)を、もう一方の群にはプラセボ+アスピリン(プラセボ群)を投与した。 有効性の主要アウトカムは、心血管死・心筋梗塞・脳卒中の複合とした。安全性に関する主要アウトカムは、TIMI出血基準に基づく大出血だった。追跡期間中央値は39.9ヵ月 追跡期間の中央値は39.9ヵ月だった。治療中断の発生頻度は、プラセボ群(25.4%)よりもチカグレロル群(34.5%)が高かった。 主要有効性アウトカムとした虚血性心血管イベントの発生率は、プラセボ群よりもチカグレロル群で有意に低率だったが(チカグレロル群7.7% vs.プラセボ群8.5%、ハザード比[HR]:0.90、95%信頼区間[CI]:0.81~0.99、p=0.04)、TIMI大出血の発生率は、プラセボ群よりもチカグレロル群で有意に高率だった(2.2% vs.1.0%、2.32、1.82~2.94、p<0.001)。頭蓋内出血の発生率は、チカグレロル群0.7%で、プラセボ群0.5%だった(1.71、1.18~2.48、p=0.005)。 致死的出血の発生率については、有意差は認められなかった(0.2% vs.0.1%、HR:1.90、95%CI:0.87~4.15、p=0.11)。 探索的評価による複合不可逆的有害アウトカム(全死因死亡、心筋梗塞、脳卒中、致死的出血または頭蓋内出血)の発生は、同程度だった(10.1% vs.10.8%、HR:0.93、95%CI:0.86~1.02)。

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遺伝子検査活用のプライマリPCI、出血を2割減/NEJM

 プライマリ経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を行う患者において、CYP2C19遺伝子検査に基づく経口P2Y12阻害薬の治療は、チカグレロルまたはプラスグレルを投与する標準治療に対して、12ヵ月時点の血栓イベントに関して非劣性であり、出血の発現頻度は有意に低減したこと(ハザード比:0.78)が示された。オランダ・St. Antonius HospitalのDaniel M. F. Claassens氏らが、2,488例を対象に行った無作為化非盲検評価者盲検化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2019年9月3日号で発表した。早期CYP2C19遺伝子検査でP2Y12阻害薬を投与vs.標準治療を評価 研究グループは、プライマリPCIを受ける患者2,488例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方の群には早期CYP2C19遺伝子検査を行い、その結果に基づきP2Y12阻害薬を投与(遺伝子ガイド群1,242例)。具体的には、CYP2C19*2またはCYP2C19*3機能喪失型アレルのキャリアに対しては、チカグレロルまたはプラスグレルを、非キャリアにはクロピドグレルをそれぞれ投与した。もう一方の群には遺伝子検査を行わず、チカグレロルまたはプラスグレルによる標準治療を行った(標準治療群1,246例)。投与期間は12ヵ月間だった。 主要評価アウトカムは2つで、いずれも12ヵ月時点で評価した(1)有害臨床イベント(主要複合アウトカム[全死因死亡、心筋梗塞、確定的ステント血栓症、脳卒中、PLATO基準に基づく大出血])、(2)PLATO基準に基づく大出血または小出血(主要出血アウトカム)だった。主要複合アウトカムは、非劣性(絶対差マージン2ポイント)検定で評価した。遺伝子ガイド群、主要複合アウトカムの発生は非劣性、出血は約22%減少 主要複合アウトカムの発生は、遺伝子ガイド群63例(5.1%)、標準治療群73例(5.9%)で、遺伝子ガイド群の非劣性が示された(絶対差:-0.7ポイント、95%信頼区間[CI]:-2.0~0.7、非劣性のp<0.001)。 主要出血アウトカムの発生は、遺伝子ガイド群122例(9.8%)、標準治療群156例(12.5%)だった(ハザード比:0.78、95%CI:0.61~0.98、p=0.04)。

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第22回 患者・市民参画(PPI)の動きが高まっています【患者コミュニケーション塾】

要望が増えてきた「医療を受ける立場の者」の意見ここ数年、医療を取り巻くさまざまな分野で「患者・市民参画」が求められるようになってきました。COMLにも、1990年代後半から、事務所の拠点を置いている大阪府や神戸市などの行政から、医療に関するさまざまな委員会に委員として参加してほしいという要請が入るようになり、次第に、病院の外部評価委員会や厚生労働省や文部科学省といった国の審議会・検討会などからの依頼へと拡がっていきました。都道府県で6年ごと(2017年までは5年ごと)に作成されている医療計画には、06年から、「医療を受ける立場の者」が作成メンバーに加わることが求められています。さらに、大学や病院などで実施されている治験や臨床研究の倫理審査委員会でも、一般の人が外部委員として参加していますが、単なる構成要件ではなく、一般外部委員が出席していない倫理審査委員会は開催を認めないという「開催要件」になっています。相次ぐ医療事故により、2015年3月に東京女子医科大学病院と群馬大学病院で特定機能病院の承認が取り消され、それを機に、特定機能病院の医療安全に関する承認要件が見直されました。その結果、17年から特定機能病院では医療安全に関する監査委員会の設置が求められています。監査委員会は、外部委員が半数以上を占めていなければならず、そのなかに「医療を受ける立場の者」の必要性が明記されています。最近では、学会が作成している診療ガイドラインでも、作成段階から一般の人の意見を採り入れることが推奨されています。ガイドライン作成に関わっている医師の方であれば、そのような話もご存じなのではないでしょうか。イギリスのPPIという概念を導入して2015年に設立したAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)でも、17年から患者・市民参画の取り組みを進めようとしています。AMEDは内閣総理大臣、厚生労働大臣、文部科学大臣、経済産業大臣が主務大臣を務め、医療における基礎から実用化に至るまでの研究開発が切れ目なく実施されるように、大学や研究機関などを支援しています。つまり、研究開発のための環境整備に取り組んでいる機関です。私もアドバイザリーボードの委員としてAMEDに関わってきました。そのAMEDで、医療における研究開発を推進するうえで、患者・市民参画は必須の概念として、2017年に「臨床研究等における患者・市民参画に関する動向調査」委員会を立ちあげ、調査や話し合いを重ね、19年に『患者・市民参画(PPI)ガイドブック』という研究者向けの冊子を作成しました。私も委員の一人ですが、患者・市民参画の必要性をまずは研究者が理解することが必要ということで作成されたものです。PPIというのは、Patient and Public Involvementの頭文字を取ったもので、「患者・市民参画」と訳されています。各国に先駆けてイギリスで採り入れられてきた政策で、医学研究や臨床試験だけでなく、医療政策全般において、その意思決定の場に患者・市民の関与を求めています。医学部の入学試験の合否判定に、患者・市民が参画している大学もあると聞きます。欧米では患者・市民参画が早くから進められていて、カナダや米国ではPE(Patient Engagement)と呼ぶこともあるようです。ちなみに、日本の製薬業界では、患者中心ということでPatient Centricityという用語がよく使われています。的確に意見を述べる人を養成、バンク化患者・市民参画というと、現在の医療界では、治験や臨床研究への参画と受け止められがちです。しかしCOMLでは、これまでの経験から、イギリスと同様に広く医療における諸問題や政策に患者・市民として参画することと捉えて活動してきました。1992年から活動している模擬患者も、学生や医療者のコミュニケーション能力向上や医療面接試験に参画しているPPIの一つです。医療機関の改善のために参画しているという意味では、94年から取り組んできた<病院探検隊>も同様だと考えています。また、私が年間100を超える厚生労働省の審議会・検討会や、さまざまな委員会にメンバーとして出席していることも、PPIの活動です。日本ではPPIという考えのもとに進められてきたわけではありませんが、1990年代後半あたりから、医療の問題を考える際に、利用者である患者・市民の声を聞く必要性が少しずつ認識されてきました。それがここにきて、一気にさまざまな医療に関する分野で高まってきたという印象です。これはCOMLの創始者である故・辻本好子が2000年代半ばから予想していたことで、「これから患者・市民への委員要請が必ず増えてくると思う。でもある程度医療のことを理解していないと、冷静かつ客観的な意見は言えない。きちんと意見を述べることができる人を養成するような活動をCOMLでやろう」と私に持ち掛けました。その結果、09年度から始めた「医療で活躍するボランティア養成講座」(1回3時間×5回)が誕生しました。この講座を修了した人のなかには、電話相談スタッフや模擬患者、患者情報室スタッフなどとして活躍している人はたくさんいます。しかし、修了しただけでは意見を述べる委員として推薦できるかどうかの判断ができないことに歯痒い思いも抱いていました。そこで2017年度から始めたのが、「医療関係団体の一般委員養成講座」(1回3時間×7回)です。「医療で活躍するボランティア養成講座」を「医療をささえる市民養成講座」に改称して基礎コースと位置付け、全回修了した人を対象に委員を養成するアドバンスコースを始めたわけです。「医療関係会議の一般委員養成講座」の目的は、一般委員の役割を理解し、適切なタイミングで、わかりやすく意見を述べる能力を養うことです。患者・市民の視点を生かし、自分の関心事だけに固執するのではなく、バランスよく意見を述べることも大切です。そこで、第1回目は一般委員としてどのような会議体からの要請があるのか、何を大切にしなければいけないのかなどを解説し、講座に参加した動機や意気込みをディスカッションします。そして、終了時に指定した会議の資料や議事録を読み、そこで一般委員が果たしていた役割や、自分ならどのタイミングで、どのような意見を述べようと思うかを考えてきてもらい、第2回目で発表します。第3・4回目は、立教大学の松本茂教授に外部講師をお願いし、会議の場できちんと発言できる能力に力点を置いたディベートセミナーを実施。第5回目までに主に厚生労働省の2種類以上の検討会を傍聴し、第5回目で傍聴報告会を開催します。そして総仕上げは、第6・7回目の模擬検討会です。専門委員役(教授や医師会の役員など)や事務局役(厚生労働省技官)の協力を得て模擬検討会で議論し、専門委員役と事務局役、私とCOMLオブザーバーで採点をして、委員としての資質の合否判定を行います。そして合格者には、COML委員バンクに登録できる資格を付与するというものです。この合格率は約27%で、現在、12名がCOML委員バンク登録会員です。バンク化してまだ1年余りにもかかわらず、20を超える委員に就任して活躍し始めています。登録会員は委員として派遣するだけでなく、さまざまなPPI活動へと発展することができるのではと、大きな期待を寄せています。そして、夢は全国の地域ブロックでのバンク化です。そうすることで、医療と冷静に向き合う賢い患者が増えることにつなげていきたいと思っています。

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私流の“衝動買い”でマイホームを購入した話【医師のためのお金の話】第24回

私流の“衝動買い”でマイホームを購入した話こんにちは、自由気ままな整形外科医です。私は勤務医ですが、2000年頃から不動産や金融資産投資を通じて資産形成を開始しました。親からの相続もなくゼロからのスタートだったのですが、2013年には実質的に無借金となり、経済的自由を得られる状況に到達しています。2019年現在、私の不動産投資の状況としては、都市中心部に10物件を所有・運営しています。私の不動産投資戦略は、「地価の高い好立地の優良物件を購入する」こと、そして「空室に悩まされることなく、ストレスフリーで運営すること」です。とはいえ、好立地の物件は低利回りなので、通常の銀行融資を利用して購入するには多額の現金を用意しなければなりません。これを回避するためにうってつけなのが、「住宅ローン」を利用することです。住宅ローンは「自分が住むための物件を購入するための融資」なので、収益性が低くても融資を受けることが可能だからです。このような戦略にのっとって、先日、2軒目の収益マイホームを購入しました。マイホームを所有している方は多いと思いますが、今回は一般的な感覚と比べてかなり異質な購入でした。そもそも、マイホームといえども、私の中では立派な不動産投資です。マイホームを購入するに際し、立地や価格、間取りなどを綿密にプランニングするのが普通でしょう。しかし、今回の私はほぼ“衝動買い”だったのです。医療系スタートアップの営業で遠方に出張している時、懇意の不動産業者から「新規物件が出ました」と連絡が来たのです。物件情報はいつなんどき出てくるか予想ができません。仕事などで手が離せないことも多いのですが、そんなことは物件を購入できない言い訳にはなりません。電話で10分ほど担当者と話をした私は、現地に赴くことなく、「その場」で購入を決断しました。なぜ、1億円近い物件購入を現地調査もなしに即決できたのだと思いますか?物件購入を即決できる理由不動産投資の基本としては、物件購入の際には、現地調査が必須です。投資対象として利回りなどの数字が合うことは最低条件ですが、その条件をクリアしても数字だけを根拠に購入することはご法度です。しかし、今回はその基本原則を無視しています。実は私の所有物件の半数は、同様に担当者との電話だけで購入を即決しています。そんな芸当ができる理由は、下記の4つです。1.自宅から徒歩圏内のごく狭いエリアに特化している2.建物ではなく土地を購入する3.工務店や各種職人のチームを確保している4.ファイナンス(資金工面)をできる自信がある順番にご説明します。1)まず、物件を購入するエリアを自宅から徒歩圏内のごく狭い範囲に絞っています。その理由は、そのエリアは地価が高値安定していて、利便性が高いからです。私自身が長年そのエリアに住んでいるため、物件周辺の雰囲気は熟知しており、改めて現地調査に赴くまでもありません。Googleストリートビューで場所を確認するだけで、現地調査の代わりにできます。つまり、毎日そのエリアで暮らしていることが、そのまま精度の高い現地調査になっているのです。2)物件購入の目的が建物ではなく土地であることも、現地調査を省略できる要因の一つです。「土地値物件(ほぼ土地の値段だけで売買される物件)」に狙いを定めているため、購入価格は単純に「面積×坪単価」で決まります。そして土地の価値は立地と形状に依存しますので、住所・間口(道路に接している側の長さ)・前面道路の幅員(道路幅によって土地用途に制限が出る場合がある)の3つの情報さえあれば、大ハズレすることはありません。住所がわかれば駅からの距離も確認できます。このように押さえておくべき項目が少ないため、迅速な判断が可能となるのです。3)建物の躯体に関しては、物件情報からある程度予想がつきます。そして物件種類にもよりますが、ある程度費用をかければ再生できることがほとんどです。鉄骨造や鉄筋コンクリート造ではリカバリーが効きにくいので慎重な躯体調査が必要ですが、木造物件に関しては「どんな物件でも再生可能」と言ってもよいでしょう。このため、親しい工務店や職人グループを確保していれば、安心して物件の買い付けを入れられるのです。4)物件購入において最大の問題はファイナンスです。買い付けを入れたにもかかわらずファイナンス面で購入不可能になると、それまで築き上げてきた不動産業者との信頼関係が破綻します。不動産投資は人脈がすべて、と言っても過言ではないので、このような事態は絶対に避けなければいけません。この解決策としては、確実に購入できるように資金源を確保しておくことです。確実に銀行融資を利用できる方法はありませんが、銀行口座に物件価格以上の見せ金を入れておくだけで絶大な力を発揮します。数億円の銀行預金は非現実的に感じるかもしれませんが、物件購入を即決できる不動産投資家には、このような手法を採っている人もいます。最初のうちは夢のような話かもしれませんが、多くの競合を抑えて優良物件を購入するためのキラーアイテムと言ってよいでしょう。優良物件購入はハードルが高いここまで現地調査なしで物件購入を決断できる理由を説明しましたが、決して現地調査はしなくてもよい、と言っているわけではありません。基本的には現地調査は必須ですし、実際の物件を目の前にして多くのことを検討すべきです。しかし、よほどの不況時でない限り、優良物件ほど競争が激しいことも事実です。多くの競合を抑えて優良物件を購入するためには、迅速な決断と確実なファイナンスが不可欠なのです。繰り返しになりますが、不動産投資は立地と買値がすべてです。今回は、実例を交えて私が実践している手法をご紹介しました。かなり特異な手法かもしれませんが、不動産投資のスピード感をつかんでもらえれば幸いです。

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第15回 薬剤投与後の意識消失、原因は?【救急診療の基礎知識】

●今回のPoint1)アナフィラキシーはいつでも起こりうることを忘れずに!2)治療薬はアドレナリン! 適切なタイミング、適切な投与方法で!3)“くすりもりすく”を常に意識し対応を!【症例】62歳女性。数日前から倦怠感、発熱を認め、自宅で様子をみていたが、食事も取れなくなったため、心配した娘さんと共に救急外来を受診した。意識は清明であるが、頻呼吸、血圧の低下を認め、悪寒戦慄を伴う発熱の病歴も認めたため、点滴を行いつつ対応することとした。精査の結果、「急性腎盂腎炎」と診断し、全身状態から入院適応と判断し、救急外来で抗菌薬を投与し、病床の調整後入院予定であった。しかし、抗菌薬を投与し、付き添っていたところ、反応が乏しくなり、血圧低下を認めた。どのように対応するべきだろうか?●抗菌薬投与後のバイタルサイン意識10/JCS血圧88/52mmHg脈拍112回/分(整)呼吸28回/分SpO297%(RA)体温38.9℃瞳孔3/3mm+/+既往歴高血圧内服薬アジルサルタン(商品名:アジルバ)、アトルバスタチン(同:リピトール)アナフィラキシーの認識本症例の原因、これはわかりやすいですね。抗菌薬投与後に血圧低下を認める点から、アナフィラキシーであることは、誰もが認識できると思いますが、「アナフィラキシーであると早期に認識すること」が非常に大切であるため、いま一度整理しておきましょう。アナフィラキシーとは、「アレルゲンなどの侵入により、複数臓器に全身性のアレルギー症状が惹起され、生命に危機を与えうる過剰反応」と定義されます。また、アナフィラキシーショックとは、それに伴い血圧低下や意識障害を伴う場合とされます1)。アナフィラキシーの診断基準は表1のとおりですが、シンプルに言えば、「食べ物、蜂毒、薬などによって皮膚をはじめ、複数の臓器に何らかの症状が出た状態」と理解すればよいでしょう。表2が代表的な症状です。皮膚症状は必ずしも認めるとは限らないこと、消化器症状を忘れないことがポイントです。そして、本症例のような意識消失の原因がアナフィラキシーであることもあるため注意しましょう。表1 アナフィラキシーの診断基準画像を拡大する表2 アナフィラキシーの症状と頻度画像を拡大するアナフィラキシーの初期対応-注射薬によるアナフィラキシーは「あっ」という間!アナフィラキシー? と思ったら、迷っている時間はありません。とくに、抗菌薬や造影剤など、経静脈的に投与された薬剤によってアナフィラキシーの症状が出現した場合には、進行が早く「あっ」という間にショック、さらには心停止へと陥ります。今までそのような経験がない方のほうが多いと思いますが、本当に「あっ」という間です。万が一の際に困らないように確認しておきましょう。一般的に、アナフィラキシーによって、心停止、呼吸停止に至るまでの時間は、食物で30分、蜂毒で15分、薬剤で5分程度と言われていますが、前述のとおり、経静脈的に投与された薬剤の反応はものすごく早いのです4)。アドレナリンを適切なタイミングで適切に投与!アナフィラキシーに対する治療薬は“アドレナリン”、これのみです! 抗ヒスタミン薬やステロイドを使う場面もありますが、どちらも根本的な治療薬ではありません。とくに、本症例のように、注射薬によるアナフィラキシーの場合には、重症化しやすく、早期に対応する必要があるため、アドレナリン以外の薬剤で様子をみていては手遅れになります。ちなみに、「前も使用している薬だから大丈夫」とは限りません。いつでも起こりうることとして意識しておきましょう。日本医療安全調査機構から『注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡事例の分析』が平成30年1月に報告されました。12例のアナフィラキシーショックによる死亡症例が分析されていますが、原因として多かったのが、造影剤、そして抗菌薬でした。また、どの症例もアナフィラキシーを疑わせる症状が出てからアドレナリンの投与までに時間がかかってしまっているのです5)。アドレナリンの投与を躊躇してしまう気持ちはわかります。アドレナリンというと心肺停止の際に用いるもので、あまり使用経験のない人も多いと思います。しかし、アナフィラキシーに関しては、治療薬は唯一アドレナリンだけです。正しく使用すれば恐い薬ではありません。どのタイミングで使用するのか、どこに、どれだけ、どのように投与するのかを正確に頭に入れておきましょう。アドレナリンの投与のタイミングアドレナリンは、皮膚症状もしくは本症例のように明らかなアレルゲンの曝露(注射薬が代表的)があり、そのうえで、喉頭浮腫や喘鳴、呼吸困難感などのairwayやbreathingの問題、または血圧低下や失神のような意識消失などcirculationの問題、あるいは嘔気・嘔吐、腹痛などの消化器症状を認める場合に投与します。大事なポイントは、造影剤や抗菌薬などの投与後に皮膚症状がなくても、呼吸、循環、消化器症状に異常があったら投与するということです。アドレナリンの投与方法アドレナリンは大腿外側広筋に0.3mg(体型が大きい場合には0.5mg)筋注します。肩ではありません。皮下注でも、静注でもありません。正しく打てば、それによって困ることはまずありません。皮下注では効果発現に時間がかかり、静注では頻脈など心臓への影響が大きく逆効果となります。まずは筋注です!さいごに抗菌薬、造影剤などの薬剤は医療現場ではしばしば使用されます。もちろん診断、治療に必要なために行うわけですが、それによって状態が悪化してしまうことは、極力避けなければなりません。ゼロにはできませんが、本当に必要な検査、治療なのかをいま一度吟味し、慎重に対応することを心掛けておく必要があります。救急の現場など急ぐ場合もありますが、どのような場合でも、常に起こりうる状態の変化を意識し、対応しましょう。1)日本アレルギー学会 Anaphylaxis対策特別委員会. アナフィラキシーガイドライン. 日本アレルギー学会;2014.2)Sampson HA, et al. J Allergy Clin Immunol. 2006;117:391-397.3)Joint Task Force on Practice Parameters, et al. J Allergy Clin Immunol. 2005;115:S483-523.4)Pumphrey RS. Clin Exp Allergy. 2000;30:1144-1150.5)日本医療安全調査機構. 医療事故の再発防止に向けた提言 第3号 注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡事例の分析. 日本医療安全調査機構;2018.

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ケアネットDVD サンプル動画リンク集(2019年9月版カタログ掲載)

インデックスページへ戻るケアネットDVD 新刊・おすすめのサンプル動画をご覧いただけます。(※YouTube「ケアネット公式チャンネル」にリンクします)Dr.長尾の胸部X線クイズ 初級編Dr.長尾の胸部X線クイズ 中級編Dr.長尾の胸部X線クイズ 上級編Dr.長尾の胸部X線ルネッサンスDr.徳田のすぐできるフィジカル超実技Dr.志賀のパーフェクト!基本手技ナベちゃん先生のだれでも撮れる心エコーナベちゃん先生のだれでも読める心エコーネッティー先生のわかる!見逃さない!CT読影術スーさんの急変エコー裏ワザ小ワザ人のハいで読める!Dr.山口の胸部写真読影 免許皆伝〈上巻〉人のハいで読める!Dr.山口の胸部写真読影 免許皆伝〈下巻〉小三J読影法でわかる!Dr.佐藤の胸部写真の楽しみ方〈上巻〉小三J読影法でわかる!Dr.佐藤の胸部写真の楽しみ方〈下巻〉プライマリ・ケアの疑問 Dr.前野のスペシャリストにQ!【精神科編】Dr.香坂のアカデミック・パスポート 「文献の引き方」から「論文の書き方」まで肩腰膝の痛みをとるDr.究のあなたもできるトリガーポイント注射Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(上巻)Dr.大山のがんレク!すべての医療者に捧ぐがん種別薬物療法講義(下巻)骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科〈上巻〉骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科〈下巻〉骨太!Dr.仲田のダイナミック整形外科2志水太郎の診断戦略ケーススタディ志水太郎の診断戦略エッセンス「の」の字2回走査法で出来る!超音波手技大原則〈第1巻〉「の」の字2回走査法で出来る!超音波手技大原則〈第2巻〉「の」の字2回走査法で出来る!超音波手技大原則〈第3巻〉ドクター力丸の人工呼吸管理のオキテ長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.1長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.2長門流 総合内科専門医試験MUST!2018 Vol.3民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.1民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.2民谷式 内科系試験対策ウルトラCUE Vol.3Dr.林の笑劇的救急問答14〈上巻〉Dr.林の笑劇的救急問答14〈下巻〉Dr.たけしの本当にスゴい症候診断Dr.たけしの本当にスゴい症候診断2Dr.たけしの本当にスゴい症候診断3Dr.たけしの本当にスゴい高齢者身体診察Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(上巻)Dr.岡の感染症プラチナレクチャー 市中感染症編(下巻)出直し看護塾〈第1巻〉出直し看護塾〈第2巻〉Dr.野原のナルホド!接触・嚥下障害マネジメント~キュアからケアへ~すべての作品のサンプル動画はこちらからご覧いただけます。

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もう迷わない! 外科医けいゆう先生が贈る初期研修の知恵

SNSの人気医師による、初期研修医が求める情報を盛り込んだ1冊「けいゆう先生」のペンネームで知られ、SNSやウェブメディアの連載などで活躍中の山本 健人先生が、医学生や研修医向けに書き下ろしたのが本書です。誰が読んでも「なるほど!」と唸る、さすがの切り口の文章が満載。消化器外科医の日常を通し、「初期研修で学ぶべきこと」が余すことなく伝えられています。これから初期研修を受ける医師にとっては必携の書となるでしょう。本書が贈る「知恵」が初期研修を実りあるものにしてくれると確信しております。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。    もう迷わない! 外科医けいゆう先生が贈る初期研修の知恵定価2,700円 + 税判型A5判頁数232頁発行2019年9月著者山本 健人Amazonでご購入の場合はこちら

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第3回 医師の働き方改革の主役は薬剤師?【噂の狭研ラヂオ】

動画解説薬局や薬剤師が変われば日本の医療も変わるんじゃないだろうか?薬局経営に戻ってきた頃の狭間先生の直感はいまや確信に変わっています。高齢化と働き方改革によって医療のマンパワー不足が差し迫る今、日本の医療を救うことができるのは薬局薬剤師しかいません。これから医師が見ることのできなくなる患者さん、これまでも気づくことができていない薬害、それを見られるのは薬学知識のある薬剤師だけですよね?

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臨床的うつ病の補完代替療法~メタ解析

 うつ病に対する補完代替療法(CAM)の治療戦略や推奨事項は、臨床ガイドラインによって大きく異なる。ドイツ・デュースブルク・エッセン大学のHeidemarie Haller氏らは、臨床診断を受けたうつ病患者へのCAMに関するレベル1のエビデンスをシステマティックにレビューした。BMJ Open誌2019年8月5日号の報告。 2018年6月までのランダム化比較試験(RCT)のメタ解析を、PubMed、PsycInfo、Centralより検索した。うつ病の重症度、治療反応、寛解、再発、有害事象をアウトカムに含めた。エビデンスの質は、RCTおよびメタ解析などの方法論的質を考慮し、GRADEに基づいて評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・2002~18年に26件のメタ解析が実施されていた。・軽度~中等度のうつ病患者では、プラセボと比較し、セイヨウオトギリソウ(St. John's wort)の有効性が示唆された。さらに、セイヨウオトギリソウは、うつ病の重症度および治療反応に対する標準的な抗うつ薬治療との比較で有効性が示唆され、有害事象の有意な減少が認められた(エビデンスの質:中程度)。・再発うつ病患者では、うつ病の再発予防において、マインドフルネス認知療法が標準的な抗うつ薬治療よりも優れていることが示唆された(エビデンスの質:中程度)。・他のCAMに関するエビデンスは、エビデンスの質が低いまたは非常に低かった。 著者らは「2つを除き、臨床的うつ病に対するCAMは、エビデンスの質が低いまたは非常に低いことが示された。エビデンスは、主に元となるRCTやメタ解析の回避可能な方法論的欠陥のため、システマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目の基準に合致しないことから格下げする必要があり、さらなる研究が必要とされる」としている。

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アトピー性皮膚炎患者の長期心房細動リスク、絶対リスクは低いものの1.2倍に

 アトピー性皮膚炎(AD)患者と心血管リスクの関連を示唆する報告が相次いでいる。デンマーク・オーフス大学病院のSigrun A. J. Schmidt氏らは、ADと心房細動の関連について35年の長期フォローアップ研究を行い、AD(中等症~重症)患者において、心房細動リスクが20%高いことを見いだしたという。ただし、絶対リスクは低いままであった。その背景要因として、著者は「患者は早期にADを発症することが多く、担当医は心疾患リスク低減に向けた健康的なライフスタイルを推奨する機会があるためと考えられる」と述べている。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2019年8月20日号掲載の報告。 研究グループは、病院でADと診断された患者と心房細動の関連を明らかにするフォローアップ研究を行った。住民ベースのデンマークレジストリ(Danish National Patient Registry)を用いて、1977~2013年に入院または外来でADと診断された患者と、個別マッチングさせた比較コホートを特定。死亡、国外移住、心房細動と診断、もしくは2013年まで追跡した。 出生年と性別で補正後、Cox回帰法にて心房細動35年リスクを比較し、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を算出した。なお、検証試験として、同院皮膚科部門からADと診断された100例を無作為に選出し、研究者1人が患者カルテの精査を行った。 主な結果は以下のとおり。・AD患者群1万3,126例、対照群12万4,211例が解析に包含された。男性が43%、年齢中央値は19歳(四分位範囲:6~29)であった。・フォローアップ中央値19.3年において、心房細動35年リスクは、AD患者群は0.81%、対照群は0.67%であった。・AD診断の陽性反応適中度は99%であった。・AD患者群の対照群に対する補正前HRは1.2(95%CI:1.0~1.6)であった。同値は、さまざまな心房細動のリスク因子で補正後も、AD患者群のリスクは高いままであった(同:1.2、95%CI:0.9~1.5)。・35年リスクについて、性別(HR:女性1.6 vs.男性1.0)、診断時年齢(同:0~19歳1.6 vs. 20~63歳1.0~1.1)、喘息/関節リウマチ併存の診断(同:あり群1.7 vs.なし群1.0)、など、いくつか違いのあるエビデンスも見いだされた。・AD中等症群はHR:1.1(95%CI:0.8~1.6)、重症群はHR:1.3(95%CI:0.9~1.8)であった。・著者らは、本研究は、単一施設で行われた、中等症~重症のAD患者のみ、生活習慣のデータがない、という点で結果は限定的だとしている。

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6時間睡眠に忍び寄る睡眠負債、解決策はコーヒーナップ

 日本人の睡眠時間は世界でダントツ短い。厚生労働省の『平成27年 国民健康・栄養調査』によると、睡眠時間6時間未満の人がわずか8年で11%も増加し、全体の4割を占めている。睡眠不足が日常的に継続した先には、健康被害はおろか経済損失としても影響がでるという。 2019年9月2日、働くひとの眠り方改革「Biz×Sleep」プロジェクト始動に先駆けたオープニングイベントが開催され、枝川 義邦氏(早稲田大学リサーチイノベーションセンター 研究戦略部門教授)が「『働き方改革』成功の鍵は“眠り方改革”!」について講演、問題解決の糸口について語った。トークセッションでは、お笑い芸人TKO(木本 武宏氏、木下 隆行氏)が、眠りの悩みについて打ち明けた。6時間寝ていても油断は禁物 枝川氏はまず日本と世界の睡眠状況を示すために、OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均睡眠時間のグラフを提示し、「日本の平均的な睡眠時間は7時間22分で、加盟国で最も短い(OECDの平均は8時間25分)。ただし、この統計は15歳以上の睡眠時間を算出しているので、10代の睡眠が十分とれている者が含まれている」と述べた。 睡眠不足が積み重なった状態を『睡眠負債』というが、同氏は、「気づかないくらいわずかな睡眠不足でも、蓄積すると大きな影響を及ぼす可能性がある」とし、「実は、6時間未満で熟眠感を得ている人でも睡眠負債の可能性がある。睡眠不足が日常的な習慣になっている可能性もあり、自覚がないことも特徴」と警鐘を鳴らした。この現象は2003年に発表された論文1)で明らかとなり、2週間分の負債が蓄積することによるパフォーマンスの低下は、徹夜による負債に匹敵することが示された。 睡眠削減・労働時間多い=仕事がデキるの発想は時代遅れ!? 睡眠負債を抱えた人が働きに出れば、仕事効率に影響を及ぼしパフォーマンス低下は避けられない。2018年度『企業の睡眠負債』実態調査によると、仕事中に眠気を感じているのは8割近く、うち2割は毎日眠気を感じていた。回答者の6割近くが生産性への影響を訴えたという。 この“出勤しているにもかかわらず従業員のパフォーマンスが上がらない“残念な状態は、プレゼンティーイズムと呼ばれ、従業員の健康関連コストの8割弱を占める。同氏は「睡眠不足が原因の場合、1人あたり約3.4万円/年もの損失を職場に与えてしまう。以前は睡眠時間を削ってでも夜遅くまで働くことがカッコいいとされ、長時間労働を自負していた。しかし、今は規則正しい生活を行う人こそが素敵」とし、「睡眠負債は個人の問題ではなく、会社全体の問題として捉えることが重要」と強調した。遅寝遅起きでも◯、睡眠リズムとコーヒーナップが大切 睡眠不足にならない生活習慣を心がけることが一番だが、睡眠不足が避けられない場合もある。そのような時に、同氏は「コーヒーナップがお薦め」だという。コーヒーに含まれるカフェインの効果は摂取後20~30分後に効果を発揮する。また、人間の脳の活動は起きてから約12時間後に低下傾向に陥ることから、「(脳の活動が低下する前)昼食時にコーヒーを飲んで仮眠をとると、カフェインの効果で目が覚めやすく、午後の仕事が効率的にできる」と、それぞれのメカニズムを上手く利用した睡眠負債の対処法を推奨し、「まとまった睡眠時間が取れない人も、仕事中に眠気が襲ってきたときに10~15分の昼寝を取り入れることで、脳がスッキリして業務効率も上がる」とも述べた。 TKOとのトークセッションにおいて、木下氏は「不規則な生活が続いてしまう」と、悩みを吐露。それに対し枝川氏は、「睡眠はリズムが大切。前半と後半で役割が違うので、なるべくまとまった時間を睡眠にあてることが望ましい。短い睡眠時間を足し算するのは、最後の手段にしてほしい」とアドバイスした。

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食道がん発症における喫煙と飲酒の相互作用~プール解析

 食道がん発症の危険因子である喫煙と飲酒に有意な相加的相互作用が認められることが、愛知県がんセンター研究所の尾瀬 功氏らによる日本人集団ベースの大規模コホート研究のプール解析で示された。Cancer Medicine誌オンライン版2019年9月1日号に掲載。 本研究は、8つのコホート研究における被験者である16万2,826人の男性が対象。喫煙および飲酒状況については喫煙歴・飲酒歴の有無で分類し、喫煙量と飲酒量についてはpack-yearと1日飲酒量で3つに分類した。各研究における喫煙と飲酒の影響をCox回帰モデルで推定した。研究ごとの結果をメタ解析により結合させ、ハザード比(HR)の統合効果と、加法的および乗法的スケールによる相互作用を検討した。喫煙と飲酒の人口寄与割合(PAF)をこれらの曝露の分布と完全調整HRを用いて算出した。 主な結果は以下のとおり。・計16万2,826人の男性のうち、954人に食道がんが発生した。・喫煙、飲酒、およびこれらの組み合わせにおけるHR(95%信頼区間)は、それぞれ2.92(1.59~5.36)、2.73(1.78~4.18)、8.86(4.82~16.30)であった。・加法的スケールでは喫煙と飲酒の相互作用が有意に認められたが、乗法的スケールでは有意ではなかった。・3つのレベルでの喫煙と飲酒の組み合わせによる結果から、同様の有意な超相加的相互作用が示された。・喫煙、飲酒、およびこれらの組み合わせのPAFは、それぞれ55.4%、61.2%、81.4%であった。

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後期早産・妊娠高血圧腎症妊婦、計画出産は有益か/Lancet

 後期早産・妊娠高血圧腎症の女性における計画出産は、待機的管理と比較して、母体の障害発生や重症高血圧の頻度は低い一方で、新生児治療室への入室が多いことが、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのLucy C. Chappell氏らが行ったPHOENIX試験で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2019年8月28日号に掲載された。後期早産・妊娠高血圧腎症の女性では、母体の疾患進行に関連する制約と、新生児の合併症とのバランスをとる必要があり、至適な分娩開始時期は不明だという。英国の46施設が参加した無作為化試験 研究グループは、後期早産・妊娠高血圧腎症女性では、計画された早期の出産開始が、待機的管理(通常治療)と比較して、新生児/乳幼児の転帰を悪化させずに、母体の有害な転帰を抑制するかどうかを検証する目的で、多施設共同非盲検無作為化対照比較試験を実施した(英国国立衛生研究所[NIHR]健康技術評価プログラムの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、妊娠期間が34~<37週で、単胎または2絨毛膜2羊膜双胎の妊娠高血圧腎症または加重型妊娠高血圧腎症の女性であった。被験者は、48時間以内に計画的に出産を開始する群または待機的管理を行う群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 母体の主要評価項目は、障害発生(fullPIERSモデルの転帰:母体死亡、中枢神経系・心肺・血液・肝臓・腎臓の障害、胎盤早期剥離)と、割り付け後の収縮期血圧≧160mmHgの複合とし、優越性の評価を行った。周産期の主要評価項目は、出産から7日以内の新生児の死亡と、新生児の退院前の新生児治療室への入室の複合とし、非劣性の評価を行った(非劣性マージンは10%)。 2014年9月29日~2018年12月10日の期間に、イングランドとウェールズの46の産科施設で参加者の登録が行われた。分娩時期の共同意思決定のために、転帰のトレードオフを説明すべき 901例の女性が登録され、計画出産群に450例、待機的管理群には451例が割り付けられた。intention-to-treat(ITT)解析の対象は、計画出産群が448例の女性(平均年齢30.6[SD 6.4]歳)と471例の乳幼児、待機的管理群は451例の女性(30.8[6.3]歳)と475例の乳幼児であった。 母体の複合アウトカムの発生率は、計画出産群が65%(289例)と、待機的管理群の75%(338例)に比べ有意に低く、優越性が確認された(補正後相対リスク[RR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.79~0.94、p=0.0005)。 一方、周産期の新生児の複合アウトカムの発生率は、計画出産群は42%(196例)であり、待機的管理群の34%(159例)と比較して有意に高かった(補正後RR:1.26、95%CI:1.08~1.47、p=0.0034)。per-protocol(PP)解析でも、同様の結果が示され(1.40、1.18~1.66、p<0.0001)、周産期の複合アウトカムに関して、計画出産群は待機的管理群に劣ると判定された。 副次評価項目である母体の障害発生(計画出産群15% vs.待機的管理群20%、補正後RR:0.76、95%CI:0.59~0.98)および収縮期血圧≧160mmHg(60% vs.69%、0.85、0.77~0.94)はいずれも計画出産群が優れ、重症妊娠高血圧腎症への進行(64% vs.74%、0.86、0.79~0.94)も計画出産群のほうが良好だった。 死産、出産後7日以内の新生児の死亡、退院前の新生児の死亡は、両群とも認められなかった。新生児治療室への入室は、計画出産群で頻度が高かった(42% vs.34%、補正後RR:1.26、95%CI:1.08~1.47)。また、母親と新生児を合わせた医療費は計画出産群のほうが安価だった(p=0.00094)。 重篤な有害事象は、計画出産群の9例、待機的管理群の12例で認められた。このうち両群2例ずつが介入に関連する可能性があり、待機的管理群の1例は介入に関連する可能性が高いと判定された。 著者は、「この母体と新生児の転帰のトレードオフについては、分娩時期に関する共同意思決定(shared decision making)のために、後期早産・妊娠高血圧腎症女性と話し合う必要がある」と指摘している。

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ダパグリフロジン、HFrEF患者でCV死・心不全悪化リスク26%低下(DAPA-HF)/ESC2019

 2型糖尿病合併の有無を問わず、SGLT2阻害薬ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)が、左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)患者における心血管死と心不全悪化の発現率を有意に低下させた。フランス・パリで開催された欧州心臓病学会(ESC2019)で、グラスゴー大学循環器リサーチセンターのJohn McMurray氏が、第III相DAPA-HF試験の結果を発表した。 DAPA-HF試験は、2型糖尿病合併および非合併の成人HFrEF患者を対象に、心不全の標準治療(アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬[ARB]、β遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬[MRA]およびネプライシン阻害薬を含む薬剤)への追加療法としてのダパグリフロジンの有効性を検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験。 HFrEF患者(NYHA心機能分類IIからIV、LVEF;40%以下、NT-proBNP≧ 600pg/mL)に対し、標準治療への追加療法としてダパグリフロジン10mgを1日1回投与し、その有効性をプラセボとの比較で評価した。主要複合評価項目は、心不全イベント発生(入院または心不全による緊急受診)までの期間、または心血管死であった。 主な結果は以下のとおり。・ダパグリフロジン群に2,373例、プラセボ群に2,371例が無作為に割り付けられた。・ベースライン特性は、両群ともに平均LVEF:31%、平均eGFR:66mL/分/1.73m2、2型糖尿病罹患率:45%でバランスがとれていた。・心不全治療薬の使用状況は、レニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害薬:ダパグリフロジン群94% vs.プラセボ群93%、β遮断薬:両群ともに96%、MRA:両群ともに71%。・心血管死または心不全悪化の主要複合評価項目は、ダパグリフロジン群において有意に低下した(ハザード比[HR]:0.74、95%信頼区間[CI]:0.65~0.85、p=0.00001)。各項目の解析をみると、心不全悪化の初回発現リスク(HR:0.70、95%CI:0.59~0.83、p=0.00003)、心血管死のリスク(HR:0.82、95%CI:0.69~0.98、p=0.029)ともにダパグリフロジン群で低下した。主要複合評価項目におけるダパグリフロジンの影響は、2型糖尿病の有無を含む、検討された主要サブグループ全体でおおむね一貫していた。・全死亡率においても、100患者・年当たり1イベント換算で患者7.9例 vs.9.5例とダパグリフロジンで名目上有意な低下を示した(HR:0.83、95%CI:0.71~0.97、p=0.022)。・Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire (カンザスシティ心筋症質問票:KCCQ)の総合症状スコアに基づいた、患者報告アウトカムの有意な改善が確認された。・安全性プロファイルについて、心不全治療において一般的な懸念事項である体液減少の発現率は7.5% vs.6.8%、腎有害事象の発現率は6.5% vs.7.2%、重症低血糖の発現率はともに0.2%であった。

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脳クレアチン欠乏症候群〔CCDSs:cerebral creatine deficiency syndromes〕

1 疾患概要■ 概念・定義脳クレアチン欠乏症(cerebral creatine deficiency syndromes:CCDSs)は、脳内クレアチンが欠乏することにより発症し、知的障害、言語発達遅滞、痙攣、自閉症スペクトラム、筋緊張低下を特徴とする遺伝性疾患である。CCDSsは、クレアチン産生障害によるアルギニン:グリシンアミジノ基転移酵素(AGAT)欠損症(MIM#612718)と、グアニジノ酢酸メチル基転移酵素(GAMT)欠損症(MIM#612736)、およびクレアチン輸送障害によるクレアチントランスポーター(SLC6A8)欠損症(MIM#300352)の3疾患からなる。とくに、AGAT欠損症、およびGAMT欠損症はクレアチン投与が症状改善に有効であり、治療法のある知的障害として、見逃してはいけない疾患である。 本症は2018年4月に小児慢性特定疾病に登録されている。■ 疫学SLC6A8欠損症は、男性の知的障害(IQ<70)の0.3〜3.5%の原因と推定され、知的障害の単一遺伝子疾患として頻度の高い疾患の1つであるが、国内における症例の報告は10家系未満であり、わが国では未診断症例が多いと推測されている。AGAT欠損症は、世界でも極めてまれである。GAMT欠損症は、SLC6A8欠損症についで頻度が高く、110例以上の報告があるが、国内では1例のみ報告されている。■ 病因クレアチンは、グアニジノ基(HN=C(NH2)2)を持つグアニジノ化合物の1つである。クレアチンとATPは、クレアチンキナーゼにより可逆的にクレアチンリン酸とADPに変換する。脳におけるクレアチンの役割は不明な点も多いが、脳の機能や発達においてATPを的確に供給するための貯蔵庫としての機能以外に、神経修飾物質、神経伝達物質、抗酸化作用、細胞保護作用、骨や筋の成長促進作用、神経保護作用、視床下部に働き食欲や体重を調節する作用が報告されている。クレアチンは、食事の摂取によるものと、体内で生成されるものとがある。体内でのクレアチン生成は、グリシンアミジノ基転移酵素(L-arginine:glycine amindinotransferase:AGAT)とグアニジノ酢酸メチル基転移酵素(guanidinoacetate methyltransferase:GAMT)の2つの酵素により生成される。グリシン(glycine)はAGATによりアルギニン(L-arginine)のグアニジノ基を受け取り、グアニジノ酢酸(guanidinoacetate)とオルニチンになり、グアニジノ酢酸はGAMTによってメチル化され、クレアチンとなる。血液中のクレアチンの組織への取り込みやクレアチンの尿細管での再吸収はクレアチントランスポーター(SLC6A8)を介している(図1)。AGATとGAMTはそれぞれ、GATM遺伝子(15q21.1)とGAMT遺伝子(19p13.3)にコードされ、常染色体劣性(潜性)遺伝形式で男女とも発症する。SLC6A8は、SLC6A8遺伝子(Xq28)にコードされ、X連鎖性遺伝形式で主に男性に発症する。女性も男性に比べると一般に軽症ではあるが、さまざまな程度の症状を呈する。図1 クレアチン代謝経路画像を拡大する■ 症状知的障害(軽度〜重度)を主症状に、言語発達遅滞、痙攣、自閉症スペクトラム、筋緊張低下を特徴とする。運動異常(錐体外路症状)や行動異常を呈することもある。■ 予後合併症の程度によるが、生命予後は悪くないと推測される。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)1)プロトン-MRスペクトロスコピー(1H-MRS)(図2)3疾患に共通の所見として、Crピークの低下を認める。2)尿・血清・髄液中のグアニジノ酢酸、クレアチン、クレアチニンの測定(表)スクリーニングとして有用である。とくに、知的障害のある男性患者では、尿中クレアチン/クレアチニン比上昇(mg/dL換算で、2以上)により、SLC6A8欠損症が強く疑われる。尿・血清のクレアチン、クレアチニンは検査会社で測定可能である。LC-MS/MSあるいはGC-MSを用いたグアニジノ酢酸を含めたグアニジノ化合物の代謝産物は研究室レベルで測定可能である。図2 脳クレアチン欠乏症候群の診断画像を拡大する表 脳クレアチン欠乏症の診断画像を拡大する3)遺伝子検査検査会社(かずさDNA研究所など)で解析可能である(本稿公開の時点では、保険収載されておらず、自費診療となる)。とくに、女性のSLC6A8欠損症では、唯一の診断方法である。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)AGAT欠損症およびGAMT欠損症には、クレアチン補充療法が有効である。後者では、神経細胞毒性のあるグアニジノ酢酸の産生を抑えるために、オルニチン、安息香酸ナトリウムの併用、アルギニン摂取制限を行う。SLC6A8欠損症に対しては、クレアチン投与は有効ではないが、酵素活性が残存している可能性がある患者(とくに女児)ではクレアチン単独、あるいはアルギニンやグリシンとの併用が有効であるかもしれない。4 今後の展望SLC6A8欠損症に対しては、海外においては、サイクロクレアチンの臨床研究が始まっている。ホスホクレアチン、クレアミド(クレアチルグリシンメチルエステル)、クレアチンエチルエステル、ドデシルクレアチンエステル、S-アデノシルメチオニンなども可能性がある。また、タンパクの折りたたみに影響を与える遺伝子変異の場合、シャペロン療法が有効な可能性がある。5 主たる診療科小児科(小児神経内科)、児童精神科、神経内科、遺伝子診療部門(遺伝カウンセリング)※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報小児慢性特定疾病 脳クレアチン欠乏症候群(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)遺伝子医療実施施設検索システム(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本小児神経学会認定小児神経専門医(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)ATR-X症候群研究班&脳クレアチン欠乏症候群研究班(医療従事者向けのまとまった情報)Association for Creatine Deficiencies(クレアチン欠乏症協会の英文による医療従事者向けのまとまった情報)GeneReviews(「遺伝性疾患情報サイト」英文による医療従事者向けのまとまった情報)Treatable Intellectual Disability(「治療できる知的障害について」英文による医療従事者向けのまとまった情報)1)van de Kamp JM, et al. J Med Genet. 2013;50:463-472.2)Kato H, et al. Brain Dev. 2014;36:630-633.3)野崎章仁ほか. 脳と発達. 2015;47:49-52.4)Mercimek-Mahmutoglu S, et al. GeneReviews. December 10;2015.5)Curt MJC, et al. Biochimie. 2015;119:146-165.公開履歴初回2019年09月10日

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消費増税に伴う薬価改定で懸念されること【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第32回

「薬価改定は2年に1回・偶数年」とインプットされている方は多いと思います。直近では2018年4月に薬価改定が行われました。では次は2020年4月…となるところですが、2019年10月に行われることがすでに厚生労働省から告示されています。また、告示と同日に、製薬会社や医薬品卸会社に対して、医療に支障を来さないよう安全供給を求める課長通知が出されています。医療用医薬品等の製造販売業者、卸売販売業者等においては、例えば、今般の薬価・材料価格改定の適用日前に、医療機関等における在庫の積み増しをあおり、限度を超えた買いだめに応ずること等により、結果として医療用医薬品等の供給不足等を招き、国民医療に支障を来すことのないよう厳に留意されたいこと。(2019年8月19日 厚生労働省医政局経済課長・厚生労働省保険局医療課長通知)イレギュラーな薬価改定の理由は、消費増税によって医療機関が医薬品の購入時に支払う消費税が増加するため、市場実勢価格相当額に消費税相当額を上乗せして、医療機関が損をしないように補てんするためです。これまでの薬価改定では薬価が引き下げられる医薬品がほとんどでしたので、改定前は買い控えが発生していました。しかし、10月からは新薬創出加算品目や希少疾病薬などを中心とする37%もの品目の薬価が引き上げられるため、通常とは異なる「買いだめ、買い占め」現象が生じていることが報じられています。10月以降に薬価が引き上げられた医薬品を患者さんに調剤した場合は、引き上げられた薬価で一部負担金が計算されるため、9月の低い薬価のときに仕入れておくと、薬局は多少の利益を得ることができるためです。しかし、医薬品の大量の買いだめや買い占めが横行すると、本当に必要な病院や薬局に医薬品が供給されなくなる懸念があります。そのような混乱を避けるため、薬価や流通を管理する医政局経済課長と保険医療を管理する保険局医療課長の連名で、冒頭の通知が発出されました。「そんなこと言っても、安いんだったらやっぱり9月中に大量に仕入れたほうがいい」と思われるかもしれません。しかし、そのひと月の仕入れが急激に増えて支払額が大きくなるというのは、逆に経営の負担になることも考えられます。個人的には、このような価格改定にはあまり翻弄されず、必要なときに必要な量を仕入れる、という原理原則を守ることが大切ではないかと思います。今後は毎年改定を念頭に入れた仕入れ計画を2018年4月と2019年10月に薬価改定があるのなら、6ヵ月後の2020年4月の改定はないのでは? と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、「2019年10月の薬価改定は改定の回数にカウントしない」と明確に位置付けられています。よって、2020年4月の薬価改定は通常どおり行われるでしょう。2018年度から2020年度は3年連続で改定があり、さらに2021年度からは一部の医薬品では毎年改定が予定されています。頻回の改定があるのに在庫を多く抱えていると、経営の負担になる可能性もありますから、仕入れの際は長期的な視点が大切かと思います。また、薬価が改定されると、患者さんの一部負担金にも変更が生じる場合がありますので患者さんへの説明が必要でしょう。今回のような薬価引き上げはまれですが、薬価が引き上げられた医薬品を服用されている患者さんでは負担が大きくなるためトラブルになりかねません。過去にはアセトアミノフェンの原薬問題、抗インフルエンザウイルス薬の供給問題など、さまざまな理由によって医薬品の買いだめや買い占めが懸念されましたが、薬価改定でも起きるとは…。医療機関は本当にいろいろなことを考慮しながら仕入れをしなければいけないんだなぁ、としみじみ思ったうさこでした。

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第11回 陰部・肛門部の痛み【エキスパートが教える痛み診療のコツ】

第11回 陰部・肛門部の痛み陰部や肛門部の痛みを訴えられる難治性の患者さんも、少なからず見られます。しかも、座位などを取ることで、常に圧迫刺激が加わるため、仕事に影響を及ぼすことも多くなります。そのため、愁訴が複雑になることもありますので、治療に苦労することも珍しくありません。今回は、この陰部・肛門部痛を取り上げたいと思います。陰部・肛門部の痛みを5分類で考える陰部・肛門部の痛みは、感染症に伴う痛み、がんに由来する痛み、不対神経節に由来する痛み、仙骨硬膜外癒着に由来する痛み、身体表現型疼痛障害に由来する痛みに分類されます。1)感染症に伴う痛み痔ろうなどの感染によって生じる炎症痛が挙げられます。臀部の圧迫などによって生じた、褥瘡の炎症症状に由来する陰部・肛門部の痛みも存在します。2)がんに由来する痛み直腸がんや、大腸がんなどの悪性腫瘍による皮膚浸潤転移、Douglas窩転移、仙骨転移などの由来によって生じる陰部・肛門部の痛みが代表的なものです。手術歴や、再発所見があれば診断できます。3)不対神経節に由来する痛み不対神経節は、人体の交感神経節の中で最も尾側に位置しており、仙骨と尾骨の接合部の前面正中の後腹膜腔に存在しています。上位から連なって、腰仙骨の前面へと左右に走行してきた交感神経幹が、ほぼ仙尾関節の前面の高さで1つになるため、不対神経節という名称が付いています。この神経節由来の痛みとして考えられるのは、痔疾や、直腸がん手術後および同部位の外傷後に持続する陰部・肛門部の痛みです。肛門からの内診によって、仙骨部に痛みを再現できることがあります。4)仙骨硬膜外癒着に由来する痛みその他、気を付けなければならない陰部・肛門部の痛みとしては、仙骨硬膜外癒着に由来する痛みがあります。スケートなどで尻もちを着くなどして、陰部・肛門部・臀部の痛みが生じ、2~3ヵ月経過しても痛みが緩和されない場合に、仙骨硬膜外腔組織の癒着が原因となることがあります。5)身体表現型疼痛障害に由来する痛み陰部や肛門部の痛みを訴える患者さんの中には、精神的ストレスが原因になることがあります。特別な器質的な原因もなく、座位での保持が困難で、一般のベッドではうまくフィットしないため、睡眠障害も認められます。このような場合には、心理社会的な要因が存在する、身体表現型疼痛障害に由来する痛みが認められることがありますので注意が必要です。次回は、痛みの治療について述べます。1)花岡一雄ほか監修. 痛みマネジメントupdate 日本医師会雑誌. 2014;143:S148-149

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救急受診アルツハイマー病患者における向精神薬有害事象

 130万超の救急部門(ED)受診は、高齢者の薬物有害事象(ADE)と関連している。高齢者におけるアルツハイマー病(AD)有病率は増加しており、AD患者に処方される向精神薬のパターンにより、ADEの相加リスクが増加している。このような患者における向精神薬関連のADEついて、全国レベルの研究は十分とは言えない。米国・カリフォルニア大学のAryana Sepassi氏らは、高齢AD患者における向精神薬関連ADEの発生率と経済的負担について、非AD高齢者と比較し検討を行った。The Annals of Pharmacotherapy誌オンライン版2019年7月25日号の報告。 2013年に向精神薬関連のADEでEDを受診した高齢AD患者を対象に、イベント発生率および医療リソース利用率を調査するため、レトロスペクティブに分析した。ADとADEとの関連は、多重ロジスティック回帰を用いて分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・EDの受診がなかった2,049万2,554例に対し、EDを受診したAD患者は42万7,969例であった。・AD患者の1.04%において、1つ以上の有害事象が関連していた。・AD患者では、入院患者よりも頻繁に認められた(64.90% vs.34.92%、p<0.01)。・AD関連のADEの一般的な薬剤は、ベンゾジアゼピン、抗精神病薬、自律神経に影響を及ぼす薬剤(アドレナリン作動薬、抗ムスカリン薬、抗コリン薬)であった。・AD患者は、向精神薬関連ADEを経験する可能性が有意に高かった(OR:1.66、95%CI:1.20~1.82)。 著者らは「高齢AD患者は、非AD高齢者と比較し、向精神薬関連ADEおよびこれに関連する有害なアウトカムを頻繁に経験していた。このような高齢者に対し、向精神薬関連ADEを減少させるためのプロトコール開発が望まれる」としている。

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