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乳房温存手術後の同側再発の抑制に、加速乳房部分照射は有効か/Lancet

 乳房温存手術後の放射線療法において、温存乳房内再発(IBTR)の予防に関して、加速乳房部分照射(APBI)の全乳房照射(WBI)に対する非劣性が示された。ただし、APBIでは急性毒性の発現は少ないものの、中等度の晩期有害事象の増加と整容性不良が認められた。カナダ・マックマスター大学およびJuravinski Cancer CenterのTimothy J. Whelan氏らが、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのがんセンター33施設で実施した多施設共同無作為化非劣性試験「RAPID試験」の結果を報告した。WBIは、整容性が良好で局所再発を低下させるものの、乳房温存手術後3~5週間にわたり1日1回照射が必要であることから、より簡便な方法として腫瘍床に1週間照射するAPBIが開発された。Lancet誌2019年12月14日号掲載の報告。乳がん患者2,135例をAPBI群とWBI群に無作為化、IBTR率を評価 研究グループは、乳房温存手術を受けた非浸潤性乳管がんまたはリンパ節転移陰性の40歳以上の乳がん患者を、APBI群(38.5Gy/10回、1日2回で5~8日間)またはWBI群(42.5Gy/16回、1日1回21日間、または50Gy/25回、1日1回35日間)に1対1の割合で無作為に割り付けた(非盲検)。 主要評価項目はIBTRで、APBIのWBIに対する非劣性マージンは、IBTRハザード比(HR)の両側90%信頼区間(CI)上限値が2.02未満とした。 2006年2月7日~2011年7月15日に2,135例が登録され、APBI群1,070例、WBI群1,065例に無作為化された。APBI群のうち6例は治療前に同意撤回、4例は放射線治療を受けず、16例はWBIを受け、WBI群では16例が同意撤回、2例が放射線治療を受けなかった。また、追跡不能および追跡期間中の撤回が、APBI群で14例および9例、WBI群でそれぞれ20例および35例であった。APBIはWBIに対して非劣性 追跡期間中央値8.6年(IQR:7.3~9.9)において、8年累積IBTR率はAPBI群で3.0%(95%CI:1.9~4.0)、WBI群で2.8%(95%CI:1.8~3.9)であった。WBIに対するAPBIのHRは1.27(90%CI:0.84~1.91)であり、非劣性が認められた。 急性放射線毒性(放射線療法開始後3ヵ月以内、Grade2以上)の発現率は、APBI群(28%、300/1,070例)がWBI群(45%、484/1,065例)より有意に低かった(p<0.0001)。 一方、晩期放射線毒性(3ヵ月以降、Grade2以上)の発現率は、APBI群(32%、346/1,070例)がWBI群(13%、142/1,065例)より有意に高かった(p<0.0001)。 また、整容性不良(fairまたはpoor)の患者の割合も、APBI群がWBI群より3年時(絶対群間差:11.3%、95%CI:7.5~15.0)、5年時(16.5%、12.5~20.4)および7年時(17.7%、12.9~22.3)のいずれにおいても高率であった。

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年1~2回の芸術活動が寿命に好影響/BMJ

 美術館やコンサートに行くといった受容的芸術活動(receptive arts engagement)は、高齢者の寿命に保護的作用をもたらす可能性が示された。同活動を1年に1~2回行う人は、まったく行わない人に比べて死亡リスクが約14%低く、2~3ヵ月に1回行う人では31%も低かったという。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのDaisy Fancourt氏らが、50歳以上の住民6,710例を約14年間追跡したデータを解析して明らかにした。なお示された関連性について著者は、「芸術活動をする人としない人における認知レベル、メンタルヘルス、身体活動度の違いによって部分的に説明はできそうだが、それらの因子を補正したモデルでも関連性は維持されていた」と検証結果を報告し、今回の観察的試験では要因を仮定するには至らなかったと述べている。BMJ誌2019年12月18日号のクリスマス特集「EXPRESS YOURSELF」より。美術館やコンサートに行く「受容的芸術活動」頻度と死亡率を検証 研究グループは、地域で暮らす50歳以上を対象に行った「English Longitudinal Study of Ageing:ELSA」の被験者のうち、2004~05年にベースラインの質問に回答した6,710例を対象に前向きコホート試験を行い、被験者の自己報告による受容的芸術活動(美術館、アートギャラリー、展覧会、劇場、コンサートやオペラに行く)と死亡率との関連を調査した(死亡の最終データ取得は2018年3月)。 被験者のうち女性は53.6%、平均年齢は65.9歳(標準偏差:9.4)だった。死亡率との関連はNHSの中央レジスタデータを利用して評価した。年1~2回活動で死亡リスク14%低下、2~3ヵ月に1回は31%低下 平均追跡期間は12年2ヵ月で、最長は13.8年だった。その間に2,001例(29.8%)が死亡していた。死亡者は、女性よりも男性で多く、また高齢、独居、学歴がなく、現在無職で、財産・職業ステータスは低い傾向がみられた。さらに死亡率は、抑うつ症状が高く、視力・聴力が弱く、がん・肺疾患・心血管疾患と診断されていた人・その他慢性症状がある人、運動をあまりしない人、飲酒はきわめてまれな人、および喫煙をしていた人で高かった。また、認知レベルは低く、孤立しており、親密な友人がおらず、独居、無趣味、社会的活動への参加はまれ、地域のグループとの関わりがない人でも高かった。 死亡数は、受容的芸術的活動をまったく行わない人(1,762例)では837例(47.5%)だったのに対し、まれ(1年に1~2回)でも同活動を行っていた人(3,042例)は809例(26.6%)で、追跡期間中どの時点でも死亡リスクは約14%低かった(ハザード比[HR]:0.86、95%信頼区間[CI]:0.77~0.96)。 同活動を頻繁(2~3ヵ月に1回)に行っていた人(1,906例)の死亡は355例で、まったく行わない人に比べて死亡リスクは約31%低かった(HR:0.69、95%CI:0.59~0.80)。 同活動は、人口統計学的・社会経済的要因、健康関連・行動学的要因、社会的要因とは独立した要因であることが認められ、感度分析の結果、性別、社会経済学的状態、社会的要因による影響は受けないことが確認された。

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今もしも自分がブラック・ジャックの患者だったら

 2019年9月、神奈川県横浜市は、医療現場で生じるコミュニケーションギャップの改善を目的に、医療現場における“視点の違い”を描く「医療マンガ大賞」を募集した。同年12月、その受賞作決定を記念したアフタートークイベントでは、「SNS医療のカタチ」所属医師4人と写真家の幡野 広志氏が、それぞれの視点で医療漫画について語った。 中学時代から『ブラック・ジャック』を何度も読んだという写真家・幡野 広志氏は、「病気になってからブラック・ジャックを読んだら、結構つらかった」という。その真意とは?第2回 患者になって『ブラック・ジャック』を読んだらつらかった話https://www.carenet.com/useful/medmanga/cg002553_002.html 患者と医療従事者の間に生じるコミュニケーションギャップは、誰もが少なからず感じたことがあるだろう。「医療マンガ大賞」では、患者・医療従事者の実体験に基づくエピソードが、患者視点・医療従事者視点のそれぞれで漫画化されている。 本イベントでは、今日診た患者さんの話から終末期の対応まで、日々患者と向き合う医師の本音が語られた。医療マンガ大賞受賞記念イベントレポートhttps://www.carenet.com/useful/medmanga/cg002553_index.html

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ニボルマブ・イピリムマブ併用、非小細胞肺がんに対する国内承認申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2019年12月25日、PD-1モノクローナル抗体ニボルマブ(商品名:オプジーボ)とCTLA-4モノクローナル抗体イピリムマブ(商品名:ヤーボイ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対する両剤の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。 今回の承認申請は、小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブ社が、化学療法未治療のStageⅣまたは再発の非小細胞肺がん患者を対象に実施した国際共同非盲検無作為化第III相臨床試験(CheckMate-227試験)の Part1の結果などに基づいている。本結果において、ニボルマブとイピリムマブの併用療法は、化学療法と比較して、主要評価項目の1つであるPD-L1発現レベルが1%以上の患者における全生存期間の有意な延長を達成している。

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TAVRのデバイス性能は製品によって差がある(解説:上妻謙氏)-1160

 経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)は、重症大動脈弁狭窄症に対する治療として数々の外科手術との無作為化比較臨床試験が行われてきて、すでに手術リスクの程度にかかわらず外科手術よりも安全であることが証明され、世界中で適応が拡大されてきている。しかし今までTAVRのデバイス同士の比較が行われた大規模研究は少なく、デバイスごとの成績の差違は明らかではなかった。 本SCOPE I試験は、現在のスタンダードデバイスであるSAPIEN 3と自己拡張型デバイスであるACURATE neoを1対1にランダマイズして比較したもので、75歳以上のSTSスコアの平均が3.5と中等度から低リスク患者を中心に739例がエントリーされた。プライマリーエンドポイントはVARC-2という弁膜症治療における有効性と安全性の30日成績で、具体的には全死亡、脳卒中、生命を脅かす出血、重大な血管合併症、PCIを要する冠動脈閉塞、急性腎障害、弁膜症症状または心不全による再入院、再治療を要する人工弁不全、中等度以上の弁逆流、あるいは狭窄の複合エンドポイントである。 結果はACURATE neo群24%、SAPIEN 3群16%で、非劣性は証明されず、SAPIEN 3のほうが有意に良好な成績であった。ただし死亡、脳卒中は差がなく、主に差があったのは急性腎障害と人工弁逆流の割合であった。人工弁逆流の差はSAPIEN 3に逆流防止のスカートが付いている効果と考えられ、腎障害の頻度の差はACURATE neo群で手技時間が長く造影剤使用量が多かったことによると考察されている。代わりにSAPIEN 3はACURATE neoに比べ残存圧較差が大きく、有効弁口面積が小さくなった。ACURATE neoは弁輪を拡張する力が弱く、ペースメーカーが必要になる症例が少ないといわれているが、ペースメーカー植え込み率も10%対9%と違いがなかった。 複合エンドポイントでの差で、ハードエンドポイントには差がなかったが、このようなデバイスによる成績の差がはっきりと示された臨床試験は近年では珍しい。実際に本研究も非劣性を検証するデザインであり、同等になるとの仮説であった。冠動脈の薬剤溶出ステント同士の比較試験で同等の成績ばかりが続いており、薬剤溶出ステントは成熟したデバイス市場であることが示されてきたが、TAVRのデバイスに関してはその製品差が大きいことをうかがわせる。しかしACURATE neoのシステムも今後逆流防止のスカートが付く予定で、手技時間が短縮するようなデバイスの改良が進めば、性能が追いつき、むしろ有効弁口面積を大きくとれるメリットも活かせる可能性があり、今後のデバイス進歩に有用な情報が得られたといえる。

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最近の話題:アテゾリズマブ+Chemoの肺がん1次治療、FDAで承認【侍オンコロジスト奮闘記】第85回

第85回:最近の話題:アテゾリズマブ+Chemoの肺がん1次治療、FDAで承認West H, et al. Atezolizumab in combination with carboplatin plus nab-paclitaxel chemotherapy compared with chemotherapy alone as first-line treatment for metastatic non-squamous non-small-cell lung cancer (IMpower130): a multicentre, randomised, open-label, phase 3 trial.Lancet Oncol. 2019;20:924-937.FDA、非扁平上皮NSCLCの初期治療にアテゾリズマブ+化学療法を承認/Roche

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第32回 血管拡張薬による頭痛、潰瘍はどれくらいの頻度で生じるのか【論文で探る服薬指導のエビデンス】

 血管拡張薬による薬剤誘発性頭痛は比較的よく知られている副作用で、私も患者さんから強度の頭痛について相談されたことが何度もあります。NSAIDsを併用することもありますが、効果が不十分なケースもあるため対応に困ることがありました。今回は、血管拡張薬の中でも特徴的な作用を持つニコランジルについて紹介します。頭痛のため9人中1人は脱落ニコランジルを用いた長期のプラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験として、5,126例(平均年齢67歳)を組み入れて、平均1.6年追跡したIONA試験があります1)。これはニコランジル唯一の大規模ランダム化試験で、組み入れ基準は、男性は45歳以上、女性は55歳以上、心筋梗塞、冠動脈バイパス術の既往または過去2年間の運動負荷試験陽性例で、次のリスク因子のうち少なくとも1つを有する被験者でした。条件:心電図による左室肥大、EF≦45%、拡張終期径>55mm、糖尿病、高血圧、その他の血管疾患薬局では、心臓カテーテル治療によりステントを留置している患者さんの対応も多いと思いますが、この試験の対象ではないことに注意が必要です。介入群はニコランジル10mg×2回/日を2週間服用後、20mg×2回/日に増量した2,565例で、比較対象はプラセボ服用の2,561例でした。いずれの群もベースラインで他の標準療法(抗血小板薬、β遮断薬、Ca拮抗薬、スタチンおよびACE阻害薬)を受けています。主解析項目は、冠動脈心疾患死、非致死性心筋梗塞、胸痛による緊急入院の複合エンドポイントで、ニコランジル群337例(13.1%)、プラセボ群398例(15.5%)で、ハザード比:0.83、95%信頼区間[CI]:0.72~0.97、p=0.014でした。NNTは100/(15.5-13.1)≒42ですので、複合エンドポイントでは有意差が出ています。しかし、中に入っている各イベント自体は同列に扱えるものではないことに留意が必要です。二次解析項目では、冠動脈性心疾患死および非致死性心筋梗塞を見ています。こちらはニコランジル群107例(4.2%)に対してプラセボ群134例(5.2%)で、ハザード比:0.79、95%CI:0.61~1.02、p=0.068と有意差はありませんでした。総死亡はハザード比:0.85、95%CI:0.66~1.10と減少傾向であるものの、こちらも有意差はありませんでした。頭痛による脱落は、プラセボ群の81例(3.1%)に対して、ニコランジル群では364例(14.2%)ですので、9人服用すれば1人が頭痛で脱落するという計算になります。本研究に限った話ではないのですが、このように副作用の頻度に偏りが大きいと事実上盲検化が維持できないケースもあります。高用量であるほど潰瘍が早期にできて治りにくい添付文書に頻度不明の副作用として記載がある潰瘍の頻度については、IONA試験の各種コホート研究およびIONA試験の著者から収集した未公表データを含めたシステマティックレビューが2016年に発表されています2)。ここでは、Kチャネル開口作用を持つニコランジルに特徴的な潰瘍について紹介されています。同文献によれば、口腔潰瘍は被験者の0.2%で発症し、肛門潰瘍は0.07~0.37%で発症するとされています。口腔潰瘍を発症するまでの期間は、30mg/日未満群では74週間であるのに対し、高用量群では7.5週間(p=0.47)と用量依存性がありました。また、用量と潰瘍治癒時間にも有意な相関関係がみられています。重症の場合は医師と相談のうえで中止されることがあるため、口内炎が悪化するようなら報告を求めるよう伝える必要があります。実際に口腔内や舌に生じた潰瘍の症例報告の文献がありますが3)、ニコランジルを中止後4週間前後で治癒しています。まれな副作用ではありますが、同文献内に症例写真が掲載されていますので、ご覧いただきイメージをつかむとよいと思います。1)IONA Study Group. Lancet. 2002;359:1269-1275.2)Pisano U, et al. Adv Ther. 2016;33:320-344.3)Webster K, et al. Br Dent J. 2005;198:619-621.

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カワイイかふぇ【Dr. 中島の 新・徒然草】(304)

三百四の段 カワイイかふぇ中島「昨日はどこに泊まったのですか?」チャットフィールド姉妹「ナンバ。オオサカの」中島「またディープなところでんな。それでどっかに行きました?」姉妹「 “カワイイかふぇ” に行った」中島「何それ、マニアックすぎる!」“カワイイかふぇ” のところだけ日本語でした。チャットフィールド姉妹はイギリスの家庭医です。第14回医療の質・安全学会学術集会の招請講演者として来日されました。「日本は初めて」と言いながら、日本人のわれわれも知らないところを探検してきたようです。学会で隣の席になったのは、ノルウェーから来日した訪問看護師のリネさん。中島「リネさん、京都に来るまでにはどこか寄りましたか?」リネ「ええ、横浜と仙台と高知です。看護の集まりで講演してきました」中島「ちょっとちょっとちょっと! それ、訪問しすぎや」リネ「ノルウェーの人も魚を食べるけど、日本にはいろいろな料理法があるのね」中島「日本にいる間にぜひ魚を楽しんでください」外国から来た人と調子良く話すには、その国を誉めるに限ります。スウェーデンから来たヨハン先生には「誉める作戦」でいきました。中島「ヨハン先生、日本は初めてですか?」ヨハン「そうなんだ。昨日はラーメンを食べたよ」中島「ええーっ、いきなりラーメンすか!」ヨハン「俺が食べたラーメンの写真を見てくれ」中島「な、なるほど」ヨハン「何を食べても美味しいし、いい国だなあ日本は」中島「いやいやいや、スウェーデンも偉大な国ですよ」ヨハン「来てくれたことがあるのか!」中島「行ったことはないんですけど」ヨハン「なんじゃ、そら」中島「私は卓球をしていましたからね、私にとってスウェーデンは特別な国です」あまり知られていませんが、卓球王国の中国に何度も煮え湯を飲ませたのがスウェーデンです。中島「ちょうどベンクソンが世界チャンピオンになった年に、私は卓球を始めました」ヨハン「おお、ベンクソンか!」中島「ベンクソンは僕のヒーローです」ステラン・ベンクソンは1971年、名古屋で行われた世界卓球選手権で優勝しました。18歳のベンクソンが、決勝で前回チャンピオンの伊藤繁雄に勝ったのをテレビで見て、「卓球だ、俺も卓球をやるしかない!」と中学生になったばかりの私は心に誓ったのでした。中島「そしてワルドナーですね」ヨハン「ワルドナーか、彼もスウェーデンの英雄だよ」100年に1人の天才と称されたヤン=オベ・ワルドナーは、同僚のヨルゲン・パーソンと共に、何年にも渡って中国の前に立ちはだかり、その優勝を阻んできました。全く無駄のないワルドナーのプレーは、もしAIに卓球をやらせたらこうするんじゃないか、と思わせるようなものでした。ヨハン「知ってるか? ワルドナーは中国でもすごく尊敬されているんだ。なんせ人民元に顔が印刷されたことのある外国人は、彼ともう1人しかいないからな」中島「すごいですね! ちなみにもう1人というのは?」ヨハン「スターリンだよ」中島「スターリンに匹敵するインパクトがあるのか、ワルドナーは!」ヨハン先生は、学会が終わったら大阪でお好み焼きを食べ、広島に向かって出発しました。なんちゅう行動力、初めての日本とは思えん!それにしても皆さん、「地球の裏側にこんな楽しい国があるとは、知らんかった」と御満悦でした。私も外国の人としゃべると、視野が広まるような気がします。どの国の人に対しても「誉める作戦」で話が弾むよう、普段から知識を蓄えておくといいですね。それでは今年最後の1句外国は とにかく誉めよ 誉め倒せ2019年、私にとっては激動の1年でしたが、何とか乗り切ることができそうです。読者の皆様もよい年をお迎えください。

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乳がん病期分類と微量栄養素の関係

 乳がん治療は、治療法の種類によって酸化ストレスレベル増加や抗酸化物質の枯渇を招く可能性がある。乳がんの病期分類が進行するにつれて、血清の微量栄養素濃度の有意な低下がみられることが、ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学のCintia Rosa氏らの調査で明らかとなった。「微量栄養素間の相乗効果は、利益を最大化し、正常細胞への照射の悪影響を最小化するために考慮されなければならない」と報告している。Nutrients誌オンライン版2019年12月4日号掲載の報告。 研究グループは放射線治療前の乳がん患者を対象とした横断観察研究を行い、乳がんの病期分類(TNM分類)と微量栄養素(レチノール、β-カロテン、亜鉛)の血清濃度の相関関係を調査、放射線治療前に行われるさまざまな治療法とこれらの微量栄養素間の相乗効果について検討した。患者は、グループ1:乳房温存手術、グループ2:化学療法のみ、グループ3:乳房温存手術と化学療法の3グループに割り付けられ、それぞれのグループにおいて、レチノール、β-カロテン、および亜鉛の血清濃度を定量化した。 主な結果は以下のとおり。・230例の患者を評価した。・疾患の病期分類が進行するにつれ、微量栄養素の血清濃度が低下した。・手術のみの場合でも、レチノールは血清濃度に大きな悪影響を及ぼした。・放射線治療前の治療を考慮すると、手術のみと術後化学療法を受けている患者では、β-カロテンとレチノールの欠乏率が高かった。・亜鉛、レチノール、およびβ-カロテンの濃度間に正の相関があり、これらの微量栄養素間の相乗効果が示された。

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統合失調症に対する長時間作用型持効性注射剤の無作為化試験のレビュー

 ドイツ・シャリテ医科大学のLuisa Peters氏らは、統合失調症に対する長時間作用型持効性注射剤抗精神病薬(LAI)について、2016年1月~2019年3月に公表されたランダム化比較試験(RCT)データのレビューを行った。Current Psychiatry Reports誌2019年11月19日号の報告。 主な結果は以下のとおり。・RCT 31件(1次研究:7件、事後解析:24件)、4,738例が抽出された。内訳は、プラセボ対照研究は11件(1,875例)、経口抗精神病薬(OAP)との比較試験7件(658例)、LAI同士の比較試験13件(2,205例)であった。・LAIには、aripiprazole lauroxil nanocrystal dispersion、皮下注射可能なリスペリドン製剤、aripiprazole lauroxil、アリピプラゾール1ヵ月製剤、パリペリドン1ヵ月製剤、paliperidone 3ヵ月製剤、リスペリドンLAIが含まれていた。・再発および入院の予防に関して、LAIは、プラセボよりも有用であり、OAPより部分的に優れていた。また、LAI間で違いは認められなかった。・LAIは、すべての原因による中止、機能、QOL、忍容性に関して、OAPと同等であり、患者満足度およびサービスへの関与が高かった。 著者らは「最近のメタ解析では、さまざまな結果が得られていたが、LAIよりもOAPを優先すべきとの結果には至らなかった。RCTでは、LAIは、プラセボより優れ、OAPよりも部分的に優れていた。LAIとOAPの有効性比較については、さらなる研究が求められる」としている。

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大幅なスピード違反、高級車が多い診療科は?/BMJ

 医師の運転時のスピードや高級車の所有率は、診療科によって異なるのだろうか。米国・ハーバード大学メディカルスクールのAndre Zimerman氏らがスピード違反の切符を切られた医師を対象とした観察研究で、大幅なスピード超過で切符を切られる可能性が高い診療科や、高級車の所有率が高い診療科を調査した。BMJ誌2019年12月18日号(クリスマス特集号)に掲載。 本観察研究の対象は、2004~17年に米国フロリダ州でスピード違反のチケットを切られた医師5,372人と医師以外の1万9,639人。年齢および性別を調整後、制限速度より20mile/時(32.19km/時)を超える大幅なスピード違反、高級車の所有、警察官による違反切符の減免割合を診療科ごとに調査した。 主な結果は以下のとおり。・20mile/時を超える大幅なスピード違反で運転していたドライバーの割合は、違反切符を切られた医師および医師以外で同じだった(26.4% vs.26.8%)。・違反切符を切られた医師の中では、精神科医が大幅なスピード違反で罰金を科される可能性が最も高かった(基準とした麻酔科医に対する調整オッズ比は1.51、95%信頼区間[CI]:1.07〜2.14)。・違反切符を切られたドライバーの中で、循環器科医が最も高級車の所有が多く(違反切符を切られた循環器科医で高級車を所有する割合は40.9%、95%CI:35.9~45.9%)、救急科、家庭医療、小児科、一般外科、精神科の医師では少なかった(例として、家庭医で高級車を所有する割合は20.6%、95%CI:18.2〜23.0%)。・警察官が違反切符を切る際に速度の数字を減らして、罰金額が上がる値のすぐ下の速度を記録することは多くみられたが、その割合は診療科ごと、また医師と医師以外で差はなかった。 今回の観察研究では、スピード違反切符を切られた医師の中で、精神科医が大幅なスピード違反の割合が最も高く、循環器科医が高級車を運転している割合が最も高かった。

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アナストロゾール5年投与の乳がん予防効果、11年後も(IBIS-II)/Lancet

 乳がん発症リスクが高い閉経後女性において、アナストロゾールの予防効果は投与終了後も長期にわたり維持されており、新たな遅発性の副作用は報告されなかったことが、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のJack Cuzick氏らによる長期追跡試験「IBIS-II試験」で示された。「MAP.3」および「IBIS-II」の2件の大規模臨床試験において、アロマターゼ阻害薬投与後最初の5年間で高リスク女性の乳がん発症率が低下することが報告されていたが、アナストロゾール投与終了後の長期的な乳がん発症率についてはこれまで不明であった。Lancet誌オンライン版2019年12月12日号掲載の報告。また同日、サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS2019)にて発表された。アナストロゾール5年投与による乳がん発症率をプラセボと比較 IBIS-II試験(International Breast Cancer Intervention Study II)は、乳がん高リスク閉経後女性におけるアナストロゾールの乳がん(浸潤性乳がんまたは非浸潤性乳管がん)に対する発症予防効果および安全性を評価する、国際多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験である。 研究グループは、2003年2月2日~2012年1月31日の間に、40~70歳の乳がん発症高リスク閉経後女性(一般女性に対する乳がん相対リスクが40~44歳は4倍以上、45~60歳は2倍以上、60~70歳は1.5倍以上)3,864例を、アナストロゾール(1mgを1日1回経口投与)群(1,920例)またはプラセボ群(1,944例)に1対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ5年間投与した。 治療完遂後、年1回追跡調査を行い、乳がん発症、死亡、その他のがんの発症、主要有害事象(心血管イベントおよび骨折)に関するデータを収集した。主要評価項目は、すべての乳がん発症で、Cox比例ハザードモデルを用いてintention-to-treat解析を行った。アナストロゾール群で追跡期間約11年の乳がん発症率が49%低下 追跡期間中央値131ヵ月(IQR:105~156)において、乳がん発症率はアナストロゾール群で49%減少した(85例vs.165例、ハザード比[HR]:0.51、95%信頼区間[CI]:0.39~0.66、p<0.0001)。 アナストロゾール群の乳がん発症率の低下は、最初の5年間が大きかったが(35例vs.89例、HR:0.39、95%CI:0.27~0.58、p<0.0001)、5年以降も有意であり(新規発症例:50例vs.76例、HR:0.64、95%CI:0.45~0.91、p=0.014)、最初の5年間と5年以降とで有意差はなかった(p=0.087)。 エストロゲン受容体陽性浸潤性乳がんの発症率はアナストロゾール群で54%低下し(HR:0.46、95%CI:0.33~0.65、p<0.0001)、治療完遂後に有意な効果が持続した。非浸潤性乳管がんはアナストロゾール群で59%低下し(HR:0.41、95%CI:0.22~0.79、p=0.0081)、とくにエストロゲン受容体陽性で著しかった(HR:0.22、95%CI:0.78~0.65、p<0.0001)。 観察された全死亡(69例vs.70例、HR:0.96、95%CI:0.69~1.34、p=0.82)、または乳がん死亡(2例vs.3例)について、アナストロゾール群とプラセボ群で有意差は確認されなかった。非乳がんの発症率は、アナストロゾール群で有意な低下が確認され(147例vs.200例、オッズ比:0.72、95%CI:0.57~0.91、p=0.0042)、とくに非黒色腫皮膚がんの発症率低下が大きかった。 骨折または心血管疾患のリスク増加は確認されなかった。 結果を踏まえて著者は、「さらなるフォローアップを行い、乳がん死亡への効果を評価することが必要だ」と述べている。

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spin(印象操作)研究のspin率は14%/BMJ

 試験の結果が有利に見えるように、曲解する、読者に誤解を与えるといった「spin」(印象操作)について、そのspinを研究した論文ではspinが認められるかを、オーストラリア・シドニー大学のLisa Bero氏らが調べた。結果は14%で認められたという。これまでに、spin研究者(PhDを持つ研究者やバイオメディカル研究者)が行ったspin研究では、さまざまな科学論文や試験デザインで幅広くspinが認められ、システマティックレビューによってspinのprevalence(有病率)中央値は、システマティックレビュー論文26%に対して試験論文では56%であることが示されていた。BMJ誌2019年12月18日号クリスマス特集号の「Sweet Little Lies」より。研究結果の表現や解釈のゆがみ、結果と解釈の不一致などがみられるかを調査 研究グループは、科学論文における35のspin研究論文を対象にメタ解析を行い、spin研究におけるspinを特定し“有病率”を調べた。 spinの定義は、(1)研究結果の表現や解釈をゆがめた報告や、まぎらわしい解釈を創作している、(2)結果と解釈が一致しておらず、解釈では良好であると示されているがデータや結果が伴っていない、(3)因果関係を試験デザインから導き出せない、(4)結果の過剰解釈や不適切な外挿が認められる、とした。14%という結果をどう解釈する? 35のspin研究のうち、spinが認められたのは5件(14%、95%信頼区間[CI]:4.8~30.3)だった。そのうち2件(質的改善介入試験または精神科治療試験のレビュー)は、spin定義の(1)研究結果の表現や解釈をゆがめた報告をしていた。また、3件(レビュー2件と横断研究1件)は、(4)結果の過剰解釈や不適切な外挿を行っていた。 この結果について著者は、「Conclusion」として、「spinはspin研究でも起きていることが示された。このトピックに関する研究者は、自分たちの所見のspinに対して敏感でなければならない。われわれの研究は、厳密な介入の必要性を否定するものではなく、さまざまな研究分野のspinを減らすためのものである」と述べている。 また同時に、「Conclusion with spin」として次のような“解釈”も示している。「spin研究でのspin発生は他のトピックの研究よりも少ないだろうという、われわれの仮説は証明された。spin研究者は他の研究者よりも、自分たちの解釈をspinすることはまれなようである。彼らが、研究報告におけるspinや無駄な研究を減らす介入を開始し検証できるよう、莫大なresources(資金)を投じるべきであろう」。

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てんかん重積状態が止まらないときの薬剤選択(解説:岡村毅氏)-1162

 精神科医をしていると、世界はいまも謎に満ちていると感じる。ほかの科ではどうであろうか? 教科書だけ見ていると、多くのことが既知になり、予測可能になったように思われる。でも臨床現場はいまだにわからないことだらけだ。医師になって17年が過ぎたが、闇の中で意思決定をし続けなければならない臨床医学に、私はいまだに戦慄することがある。 精神医学の例を挙げだすと深みにはまるので、神経学の例を挙げよう。たとえば、てんかん重積状態である。ベンゾジアゼピンが効かない場合どうすればよいのだろうか? 日本神経学会のガイドラインでは、ホスフェニトインあるいはフェノバルビタールあるいはミダゾラムあるいはレベチラセタムとある。要するに、どれが優れているかわからないのだ。 いま、てんかん重積状態の患者がいるとしよう。初めにベンゾジアゼピンを使うところまでは、自信を持って進める。それでも止まらない場合…そこから先は闇の中を歩まねばならない。 本研究は、米国で一般的に使われるホスフェニトイン、レベチラセタム、バルプロ酸の静脈投与を救命救急科において多施設ランダム化二重盲検試験で比較したものである。連邦規則21 CFR 50.24に基づき、本人の同意は取られることなく試験が行われた。てんかん重積が止まらない状態では生命の危険があり、何が最も効くかはわかっておらず、意識消失しているので同意は取れないため、同意を集めていては研究のしようがないからである。また、現状でも3つの薬剤のどれを使うかは、その施設や担当医の裁量に任されており、患者サイドの体験(何が最も効くかはわからないが何かを投与される)は変わらない。 さて結果は、3剤の優劣は見いだされなかった(いずれも45~47%の効果)。この結果はこれまでの観察研究などの結果とも整合する。 本研究こそは、臨床医が日々接している謎(あるいは闇)を照らすものだ。いま再び、てんかん重積状態の患者がいるとして、初めにベンゾジアゼピンを使うところまでは自信を持って進める。しかし止まらない。この論文が出るまでは、この時点でもはや見える世界の端に到達してしまっていた。しかしこの論文を知ったいま、どれを使ってもほぼ同じ効果が見込めることがわかったので、闇を前にしたときの戦慄は多少抑えられることだろう。人間を相手にしているのだから、私たち臨床医は永久に闇に囲まれてはいるのだけれど。

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肺がん患者の血栓症の実態を探る大規模前向き試験「Rising-VTE」【肺がんインタビュー】 第30回

第30回 肺がん患者の血栓症の実態を探る大規模前向き試験「Rising-VTE」がん患者では静脈血栓塞栓症(VTE)リスクが高い。がん患者の生命予後の改善に伴い、VTE発症も増加している。しかし、いまだに日本人がん患者におけるVTEの大規模研究はない。そのような中、肺がん患者を対象にした、日本初の大規模前向き観察試験「Rising-VTE」試験が進行中である。試験責任者である島根大学の津端 由佳里氏に試験の背景と狙いを聞いた。「この患者さんが出血で亡くなったら…」データがない日本人がん患者のVTEこの試験を行おうと考えられたきっかけは何ですか。国立がん研究センターでの研修時、両側下肢のVTEの患者さんを診たことがきっかけです。当時、指導医と相談して、その患者さんにワルファリン療法を開始しました。ところが、カンファレンスで「もしこの患者さんが出血で亡くなったらどうするの?」と、当時の上司に指摘されました。がん患者のVTEのデータは海外の研究しかなかったのです。その後、島根大学に戻ると、肺がん患者さんの生命予後の延びに伴ってVTEの患者さんも多くなっていると実感しました。「こういう治療をするなら、津端先生自身が日本人のデータを出さなければいけない」。研修当時の上司の言葉が、ずっと心に残っていました。がん患者さんにVTEが多いのはなぜですか。また、VTEの合併はどの程度ですか。がん患者さんのVTEリスクが高いのは、がん細胞が凝固促進因子を積極的に作り出して凝固傾向を招いているからです。KhoranaのVTEリスクスコア*を用いた海外の報告では、入院がん患者の20%にVTEが存在するとあります。*Khorana VTEリスクスコア:がんの部位、血小板数、ヘモグロビン値、赤血球造血刺激因子製剤の使用、白血球数、BMIをリスク因子とし、合計点からVTE発症を予測するスコアDOACの登場で臨床試験実現この試験ではDOAC(direct oral anticoagulant:直接作用型経口抗凝固薬)をお使いですが、試験の実現に至った経緯との関係はありますか。まず、ワルファリンでの臨床試験を考えましたが、抗がん剤とワルファリンは相性が良くありません。ワルファリンの代謝はCYPに影響されるため、抗がん剤との併用が問題になることが多くあります。さらに、ワルファリンの効果はビタミンなど食事の内容に影響されます。化学療法を受けている患者さんは摂食に障害が出ることも多く、ワルファリンがコントロールしにくいのです。また、がん患者さんは出血リスクも高いため、出血傾向の問題になりえます。このようなことから、ワルファリンで研究するのは難しいと思っていました。そのような中、DOACが下肢VTEに承認されました。DOACであれば、出血リスクも少なく、食事の影響も受けにくいので、がん患者さんのVTE試験ができると思いました。そこで、医師主導で臨床試験をやりたいのでご支援いただけないかと、第一三共株式会社に相談しました。ちょうど同社にも、がん患者さんのデータに対するニーズがあり、ご了承いただき、医師主導臨床試験が実現しました。試験の概要について教えてください。Rising-VTEは多施設前向き観察試験です。国内の35施設から根治的な治療を行わない肺がん患者さんを登録し、診断時にVTE合併の有無を確認します。VTE合併のある患者さんには、エドキサバン(商品名:リクシアナ)の投与を行い、VTEの再発状況と治療の安全性を観察します。VTE合併のない患者さんには通常の治療を行い、2年間観察し、症候性および無症候性のVTEの発症を観察します。“医師の知りたい”に応える試験この試験で注目すべきことは何ですか?日本では、がん患者の血栓塞栓症の大規模な研究はまったくありませんでした。前向きの観察研究として、そして4期の肺がんを対象としたものとしては、初めてかつ最大規模であると考えています。医師主導臨床試験ですので、医師が知りたいと思うことをClinical Questionとして取り上げています。メーカーが考えたプロモーションのための試験ではなく、医師が知りたいと思ったことを提案し、それに関して企業からサポートを受けた試験ですので、日常診療に即した結果を大いに期待していただけると思います。「医師が知りたいと思うこと」とは、どのようなことですか。VTEの診療は、基本的にはASCO(米国臨床腫瘍学会)のガイドラインに準じて行います。この試験により、欧米人との発症の差や日本人としてのリスクをみることができます。また、がんの臨床経過とVTE発症の関係がみられると思います。がん細胞が血栓塞栓因子を出しているため、がんが良くなると血栓塞栓も良くなり、がんが悪くなると血栓塞栓も悪くなります。がんの臨床経過とVTE発症の関係をみることで、VTE治療の開始時期、中断と再開のタイミングなども検討できます。そして、4期の肺がんに特化することで、臨床に有益な細かな情報が得られます。肺がんでは、分子標的治療薬、免疫CP阻害薬、細胞障害性抗がん剤という3種の薬剤を使います。また、遺伝子変異検査を行っています。どの薬剤でどれくらい血栓塞栓が出るか、どの遺伝子変異でどれくらい血栓塞栓が出るか、そのほか、組織型などの患者背景によるリスクが明らかになってくると思います。試験のスケジュールはどのようなものですか。2016年6月から登録を開始し、2018年8月に登録は完了しました。登録症例数は1,000例を目標としましたが、最終的には1,021例の登録を頂きました。経過観察期間である2020年8月まで、VTEがどれだけ発症したか、最初にVTEがあった人の結果はどうだったかを調査します。最終結果は2021年になる予定です。最後に読者の方にメッセージをお願いします。がんとVTEは昔から非常に注目されていましたが、腫瘍を治療する医師と循環器内科医師の連携の機運も高まる中、最近はさらに注目を浴びています。当試験のベースラインのデータでも、肺がん診断時に6.4%の患者さんがVTEを合併し、そのうち80%の方が無症候性でした。目の前の患者さんにもVTE合併の可能性があることを念頭に置いて、積極的なVTEスクリーニングを心掛けていただければと思います。Rising-VTE試験世界肺学会(WCLC2019)での発表はこちら

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オンパットロ:世界で初めてのRNAi治療薬

2019年9月9日、オンパットロ(一般名:パチシランナトリウム)が「トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー」を効能・効果として発売された。オンパットロは世界初のRNAi治療薬となる。トランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)とはFAPは、トランスサイレチン(TTR)というタンパク質を産生する遺伝子の変異によって生じる進行性疾患である。TTR遺伝子に変異が生じるとTTRタンパク質がアミロイド線維を形成し、全身のさまざまな部位に沈着することによって、ポリニューロパチー、心症状、消化器症状などの多様な症状が現れる。徐々に歩行困難や寝たきりの状態となり、未治療であれば、発症から約10年で死に至ることもある。これまでのFAPの治療選択肢には、同所性肝移植およびTTR四量体安定化剤があった。RNAiを応用したオンパットロの作用機序RNAi(RNA interference)は、生物に元来備わっている遺伝子発現を抑制する仕組み(遺伝子サイレンシング)であり、その発見に対して2006年にノーベル生理学・医学賞が贈られている。RNAi治療薬はこのRNAiを医薬品に応用したものであり、遺伝子疾患などの治療法を変える可能性が示唆されている新たなアプローチである。世界初のRNAi治療薬オンパットロは、TTRをコードするmRNA(TTR mRNA)を標的として作用することで、TTR mRNAを特異的に分解して、FAPの原因であるTTRの産生を選択的に阻害する。その結果、体内組織におけるTTRの蓄積を減少させ、疾患による症状やQOLを改善することが期待されている。FAP患者におけるニューロパチーの症状を改善パチシランナトリウムの国際共同第III相試験(APOLLO試験)では、日本人患者を含むFAPの成人患者225例を、パチシランナトリウム群とプラセボ群に無作為に割り付け、有効性と安全性を評価した。主要評価項目である、補正神経障害スコア(mNIS+7)のベースラインから18ヵ月までの変化量における両群の差は-34.0(p<0.001)で、パチシランナトリウム群で有意な改善が認められた。日本人サブグループ解析における両群の差は-31.60であった。また、APOLLO試験では、FAPの心アミロイドーシスを有する患者について、心臓の機能や構造を評価するサブグループ解析が行われており、良好な効果が確認されている。今後のFAP治療への期待今後、オンパットロはFAP治療の有用な選択肢になると考えられる。さらに、海外第II相継続投与試験またはAPOLLO試験のいずれかを完了したFAP患者を対象として、オンパットロを長期投与(最長5年間)した際の安全性と有効性を評価する試験が継続中であり、今後、新たなデータの蓄積が期待される。

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最難関!Step2CSを私はこうやって乗り越えた【臨床留学通信 from NY】第5回

第5回:最難関!Step2CSを私はこうやって乗り越えた今回は、私にとって最難関試験だったStep 2CSについてお話ししたいと思います。これも先述の通り、とにかく英語力が問われる試験です。テスト対策のみならず、英語力の底上げが必要となります。したがって、最も大事なことはUSMLEを受けると決めた時から、英会話およびリスニング力を徹底的に鍛えておくことです。これが、英会話が得意ではない私にとって非常に難しい問題でした。実際、医師5年目まで実践的な英会話の経験がなく、読むことができても英語がスラスラと出てくるなんて到底無理でした。そんな状態ですから、試験対策を始めてみて自分の英会話力のなさにがく然とし、先立ってCSの受験日を半年後に設定したことにかなりの焦りを感じました(実際、業務の兼ね合いでそこしか休みが取れなかったという事情もありますが…)。私の場合、勉強を始めた当初は、日常診療で聞きたい内容を日本語で言うのは難しくなくても、英語で何と質問したらいいかわからない、そもそも何と言って診察に入ったらいいのかわからない、どのように病状を説明したらいいのかわからない、という八方塞がりの状況でした。対策はFirst AidとUSMLE worldなのはほかと変わりませんが、やはりFirst Aidの占める割合が非常に高いです。英会話に問題はない人はFirst Aidのみで十分と思われるくらい、ここから徹底して出題されます。ただ英会話力に全く自信がない私は、全ての患者さんへの質問の仕方、診察の仕方、説明の仕方を英語の文章丸覚えという対策で臨みました。とりわけ質問に対しては、相手が意地悪く聞き返してくるので、複数の言い方をあらかじめ覚えて対応しました。本当に丸暗記です。さらに、試験を受けた友人や、帰国子女の友人、オンライン英会話教室を相手に、毎日1つずつ問題をクリアしていくようにしました。「クリア」というのは、15分の制限時間内に病歴を取り、診察をし、所見を伝えるという一連の作業を、何も見ずにやり通すことです。これについては、時間で区切って練習を繰り返して慣れておく必要があります。また、より伝わるように発音の改善に努めました。有用なオンラインUSMLE対策コース「Dr.Puma」そうは言っても、なかなか自分だけでの対策は難しく、ある程度定型文を作った後は、Dr. Pumaというインド人講師にスカイプを通じて教えてもらいました。ちなみに、私が受講した2011年はまだ比較的安かったのですが、今は高くなっています。それでも、渡米してから受講するKaplanのコースなどに比べ、渡米費用がかからない分安いですし、診察の仕方も含めて対策を教えてくれるDr.Pumaは教え方が上手です。私自身、彼のコースを受講したからこそ合格したと言っても過言ではなく、本当に有用なコースでお薦めです。さらに、紹介してもらった彼の友人と知り合いになり、その後2人で練習し続けたのも効果的でした。このように、同時期に試験を受ける人を見つけることも重要です (私の場合、その後も友人関係が続いており、ありがたいです)。使えるツールはとことん使う(ただし高額も覚悟で…)高額ではありますが、私はKaplanのコースも受講しました。秀逸なテキストを基に先に勉強し、CSの直前に現地でコースを受けることで、英語の感覚がよくなってくることもありますし、実際の試験同様、12人の模擬患者を一気に診察するという実際の試験を想定した体験ができるのもKaplanの大きなメリットです。高額ではありますが、英語が得意ではない方は検討してもいいと思います。なおCSの受験会場もロサンゼルスにしました。当時、近くのSan JoseでKaplanの講習を受けられたのもここに決めた理由の1つですが、ほかの会場と比べて英語がそれほど速くないという噂があったのもあります。時差の影響も、東海岸より少ないと思います。こうして、最終的に何とか運良く“Pass”したわけですが、本当にギリギリのラインでした。ちなみに、CSは点数ではなく合否結果のみが問われるので、ここは一発で確実に“Pass”することを心掛けました。Column画像を拡大する12月になると、ニューヨークはイルミネーションがいたる所で点灯して鮮やかな街並みとなります。写真は、ロックフェラーセンターのクリスマスツリーです。この風景を見ると1年の終わりを感じますが、こちらには正月の文化がなく、子供の幼稚園は年明け2日から。私も勤務続きで、正月休みはなさそうです。

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第10回 地域全体を底上げしなきゃ意味がない【噂の狭研ラヂオ】

動画解説前回に引き続きバード薬局鳥居泰宏先生との対談をお届けします。鳥居先生が自身の薬局に限らず地域全体の薬局の質を上げようと尽力する理由はなにか。これからの薬剤師に必要なスキルとして現在勉強中のこととは?

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週7パック以上の納豆で骨粗鬆症性骨折リスクが半減?

 納豆摂取と骨密度との間の直接の関連は知られているが、骨粗鬆症性骨折との関連については報告されていない。今回、大阪医科大学/京都栄養医療専門学校の兒島 茜氏らの研究で、閉経後の日本人女性において習慣的な納豆摂取が骨密度とは関係なく骨粗鬆症性骨折のリスク低下と関連していることが示唆された。The Journal of Nutrition誌オンライン版2019年12月11日号に掲載。 本研究は、納豆の習慣的な摂取と骨粗鬆症性骨折リスクとの関連を調査した前向きコホート研究。対象は、1996、1999、2002、2006年にJapanese Population-based Osteoporosis(JPOS)研究に登録され、ベースライン時に45歳以上であった閉経後日本人女性1,417人。登録時に、納豆、豆腐、その他の大豆製品の摂取について食事摂取頻度調査票(FFQ)を使用して調査した。骨折は1999年、2002年、2006年、2011/2012年の追跡調査で確認した。主要アウトカムは骨粗鬆症性骨折で、医師がレントゲン写真で診断した、強い外力によらない臨床的骨折とした。Cox比例ハザードモデルを用いて、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・1万7,699人年の追跡期間中(中央値15.2年)、172人の女性に骨粗鬆症性骨折が確認された。・年齢、股関節の骨密度年齢について調整後、納豆摂取量が週当たり1パック(約40 g)未満に対するHRは、1~6パックで0.72(95%CI:0.52~0.98)、7パック以上で0.51(95%CI:0.30~0.87)であった。・さらに、BMI、骨粗鬆症性骨折の既往、心筋梗塞または脳卒中の既往、糖尿病、現在の喫煙、飲酒、豆腐および他の大豆製品の摂取頻度、食事性カルシウム摂取について調整すると、1パック未満に対するHRは1~6パックで0.79(95%CI:0.56~1.10)、7パック以上で0.56(95%CI:0.32~0.99)となった。・豆腐や他の大豆製品の摂取頻度は、骨粗鬆症性骨折のリスクと関連がなかった。

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長期認知症リスクを予測するためのLIBRAスコア

 現在のところ認知症の根治的治療は解明されておらず、認知症研究の焦点は予防戦略にシフトしつつある。オランダ・マーストリヒト大学のKay Deckers氏らは、修正可能なリスク(冠動脈疾患、糖尿病、高コレステロール血症、高血圧、うつ病、肥満、喫煙、運動不足、腎疾患)および保護因子(低~中程度のアルコール摂取、認知活動、健康的な食事)の12種をスコア化したLIfestyle for BRAin Health(LIBRA)スコアを用いて、アポリポ蛋白E(APOE)の対立遺伝子ε4を基にした遺伝リスクが高いまたは低い人における、中年期および後期の認知症および軽度認知障害(MCI)の予測精度について調査を行った。International Journal of Geriatric Psychiatry誌オンライン版2019年11月17日号の報告。 フィンランドのCardiovascular Risk Factors, Aging and Dementia(CAIDE)集団ベース研究の参加者を対象に、中年期(1,024例)および後期(604例)2回のLIBRAスコア測定を30年後まで実施した。確立された基準に従い、認知症およびMCIの診断を行った。性別および教育を調整したモデルにおけるLIBRAスコアと認知症およびMCIリスクの関連を評価するため、Cox比例ハザードモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・中年期の高LIBRAスコアは、30年後までの認知症(ハザード比[HR]:1.27、95%信頼区間[CI]:1.13~1.43)およびMCI(未調整HR:1.12、95%CI:1.03~1.22)の高リスクと関連が認められた。・後期の高LIBRAスコアは、MCI(HR:1.11、95%CI:1.00~1.25)の高リスクと関連が認められたが、認知症(HR:1.02、95%CI:0.84~1.24)では認められなかった。・後期の高LIBRAスコアは、APOEε4ノンキャリアにおいて、認知症の高リスクと関連が認められた。 著者らは「認知症予防において、修正可能なリスクおよび保護因子の重要性が確認された」としている。

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