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第21回 カイ2乗検定とは? その1【統計のそこが知りたい!】

第21回 カイ2乗検定とは? その1日常、医療者が文献でよく目にするカイ2乗検定(Chi-squared test)は、「独立性の検定」とも呼ばれます。ここで「独立」とはどういう意味かというと、簡単に言えば「独立→関係がない」「独立でない→何か関係性がある」ということです。では、カイ2乗検定とはどのような検定でしょう。■カイ2乗検定とは何か表1は、ある新薬Xの有効性を、若年層(15~34歳)、中年層(35~64歳)、高齢層(65歳以上)別に調べた結果です。表1 年齢別新薬Xの有効人数この表からは、若年層に新薬Xが有効と判断された人数が多く、次いで中年層、高齢層ということになります。しかし、この表からだけでは「新薬Xは若年層に最も有効性を示し、次いで中年層、高齢層であった」と考えることはできません。なぜならば、この表には、「無効と判断された人数がない」からです。表2のクロス集計表は年齢層と有効、無効との関係をみたものです。表2 新薬Xの有効・無効の人数別と割合別上のクロス集計表を解釈すると次のようになります。有効と判断された人の割合は、若年層が75%、中年層が67%、高齢層は33%で、年齢層が若い層ほど有効と判断された人の割合が高くなる傾向がみられます。無効と判断された人の割合は、若年層が25%、中年層が33%、高齢層は67%で、年齢層が高い層ほど無効と判断された人の割合は高くなる傾向がみられます。このクロス集計表でみられるように、ある特定の年齢層で有効と判断された人の割合あるいは無効と判断された人の割合が高いとき、年齢層と有効・無効の項目は関連性があると解釈します。では、母集団における年齢層と有効・無効の項目との関連性の有無はどうでしょうか。それを調べる検定法がカイ2乗検定です。第22回では、カイ2乗検定を理解するために「期待度数」と「カイ2乗値」について解説します。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション13 カイ2乗検定第4回 ギモンを解決!一問一答質問24 カイ2乗検定とは?

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肝細胞がん2次治療、ペムブロリズマブの有効性は?(KEYNOTE-240)/JCO

 既治療の進行肝細胞がん(HCC)患者に対する、ペムブロリズマブの有効性と安全性に関する結果が示された。第II相試験「KEYNOTE-224」において抗腫瘍活性と安全性が示されたことを踏まえて、無作為化二重盲検第III相試験「KEYNOTE-240」が実施されたが、米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校のRichard S. Finn氏らは、全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)が事前に規定された統計学的有意性を満たさなかったことを報告した。著者は、「KEYNOTE-240試験の結果はKEYNOTE-224試験と一致しており、既治療のHCC患者におけるペムブロリズマブのリスク対効果比が良好であることは裏付けられた」と述べている。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年12月2日号掲載の報告。 KEYNOTE-240試験は、27ヵ国119施設で実施された。対象は、ソラフェニブ治療中または治療後に病勢進行が確認された、またはソラフェニブに不耐容の進行肝細胞がん患者であった。適格患者を、ペムブロリズマブ+Best Supportive Care(BSC)群とプラセボ+BSC群に、2対1の割合で無作為に割り付け追跡した。 主要評価項目はOSおよびPFSで、片側有意水準は、初回中間解析ではp=0.002、最終解析ではp=0.0174とした。安全性は、試験薬を1回以上投与された全患者で評価した。 主な結果は以下のとおり。・2016年5月31日~2017年11月23日に、413例が無作為に割り付けられた。・2019年1月2日時点での追跡期間中央値は、ペムブロリズマブ群13.8ヵ月、プラセボ群10.6ヵ月であった。・OS中央値は、ペムブロリズマブ群13.9ヵ月vs.プラセボ群10.6ヵ月であった(ハザード比[HR]:0.781、95%CI:0.611~0.998、p=0.0238)。・PFS中央値は、初回中間解析でペムブロリズマブ群3.0ヵ月vs.プラセボ群2.8ヵ月(HR:0.775、95%CI:0.609~0.987、p=0.0186)、最終解析ではそれぞれ3.0ヵ月vs.2.8ヵ月(HR:0.718、95%CI:0.570~0.904、p=0.0022)であった。・Grade3以上の有害事象は、ペムブロリズマブ群で147例(52.7%)、プラセボ群で62例(46.3%)に発現し、治療関連有害事象はそれぞれ52例(18.6%)および10例(7.5%)であった。

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長期抗精神病薬治療が体重に及ぼす影響~コホート研究

 抗精神病薬は、長期間にわたり使用されることが多いにもかかわらず、体重への影響に関するエビデンスの大半は、短期的な臨床試験による報告にとどまっている。とくに、抗精神病薬の投与量による体重への影響については、ほとんど調査されていない。英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのJuan Carlos Bazo-Alvarez氏らは、3種類の第2世代抗精神病薬を高用量または低用量で開始した患者における体重への短期的および長期的変化について検討を行った。Journal of Psychopharmacology誌オンライン版2019年11月14日号の報告。 本研究は、2005~15年に英国プライマリケアにて精神疾患と診断された患者を対象としたレトロスペクティブコホート研究。3種類の第2世代抗精神病薬(オランザピン、クエチアピン、リスペリドン)の初回使用より調査を行った。主要アウトカムは、性別および高用量または低用量で層別化した後の、抗精神病薬治療開始の4年前と4年後との体重変化とした。 主な結果は以下のとおり。・対象患者は、女性2万2,306例、男性1万6,559例であった。・オランザピン治療は、体重変化が最も高く、高用量でより多くの体重増加が認められた。・4年後の体重増加は、オランザピンの高用量(5mg超)女性で平均+6.1kg、低用量(5mg以下)で平均+4.4kgであった。・オランザピン治療の最初の6週間における体重増加は、高用量で平均+3.2kg、低用量で平均+1.9kgであった。・男性でも、その傾向は同様であった。・リスペリドンおよびクエチアピン治療患者では、短期的および長期的な体重増加は少なかった。 著者らは「オランザピン治療は、体重増加が最も多かった。高用量とより多くの体重増加との関連が認められた。臨床医は、メンタルヘルス上のベネフィット、体重増加、その他の有害事象とのバランスを取るため、最低有効量による治療を心掛ける必要がある」としている。

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つまようじに殺された人【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第154回

つまようじに殺された人photoACより使用うちにも7歳と5歳の子供がいるのですが、つまようじで工作することがあって、怖いなぁといつも思っています。何かの拍子にすべって、眼に刺さったらどうすんねんと、過保護っぷり全開です。さて、今日はつまようじに殺されたという世にも珍しい症例報告を紹介しましょう。Lares Dos Santos C, et al.Unusual case of a fatal upper esophageal trauma caused by a toothpick.J Forensic Leg Med. 2019 Feb;62:82-86.50歳の女性が、トイレで倒れているところを発見されました。体表面にいくつか挫創があり、前頸部が緑色に変色していたそうです。死亡してから、おそらくかなりの時間が経過していました。剖検で、頸部軟部組織を調べてみると、なんと3cmの木製つまようじが見つかったではありませんか! 周囲には強い化膿性炎症が見られ、培養でKlebsiella oxytocaが検出されました。つまり、頸部の軟部組織に入り込んだつまようじが感染症を起こし、それによって死亡した可能性が示唆されました。ではなぜ、つまようじが頸部の軟部組織に入り込んだのか。まさかのつまようじ殺人か!?調査によると、実は亡くなる5日前に、サラミと一緒にパンを食べた際、喉の不快感を訴えて救急外来を受診していたことがわかりました。今だからわかりますが、おそらくそのサラミには、つまようじが刺さっていたのでしょう。救急部でレントゲン写真と喉頭鏡検査が行われましたが、特段の異常は同定できなかったそうです。鼻咽頭炎という診断が下され、対症療法が行われました。しかし、残念ながら、その後亡くなってしまったというわけです。つまようじが消化管穿孔を起こしたという事例は、数えきれないくらい報告されていますが、食道に刺さって死んでしまったという症例は、この報告をおいてほかにありません。まれな“つまようじ論文”としては、「心臓内つまようじにより反復性緑膿菌菌血症を来した1例」1)が報告されているのですが、取り寄せるだけでかなりお金がかかることがわかり、全文読むのはあきらめました。すいません。1)Pellegrini AJ, et al. Recurrent Pseudomonas aeruginosa bacteremia caused by an intracardiac toothpick. J Card Surg. 2017 Feb;32(2):97-98.

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地域密着型認知症治療の現状調査~相模原市認知症疾患医療センターでの調査

 日本では認知症対策として地域密着型統合ケアシステムを促進するため、2013年に認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)を策定し、2015年に認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)として改訂を行った。これらのプログラム導入後、地域の認知症ケアにどのような影響を及ぼすかについては、十分な研究が行われていない。北里大学の姜 善貴氏らは、相模原市認知症疾患医療センターにおける認知症診断を含む医療相談経路の調査を通じて、地域密着型認知症治療の現状について調査を行った。Psychogeriatrics誌オンライン版2019年12月4日号の報告。 対象は、認知症の鑑別診断または治療のために相模原市認知症疾患医療センターで診断を受けた患者1,480例(男性:585例、女性:895例)。薬物療法前の診察に至る経路と相談後の診断との関連について調査を行った。 主な結果は以下のとおり。・紹介なしで受診した患者は、認知症と診断されるケースが有意に少なかった。・精神科以外のクリニックから紹介された患者では、認知症と診断されるケースが有意に多かった。・施設タイプと抗認知症薬の使用または非使用の比較において、有意な差が観察された。・抗認知症薬の処方率は、精神科病院および精神科以外のクリニックにおいて有意に高かった。・各施設で処方されている抗認知症薬のうち、約30%が保険適用外であった可能性が示唆された。 著者らは「地域密着型統合ケアシステムは、各地域内でのコラボレーションを促進することを目的としている。しかし、認知症患者に対する適切な薬物療法に関する情報は、非専門医や地域住民に十分浸透していない。医療スタッフが認知症に対する理解を深め、患者に対するより良い認知症サポートを提供できるようにするための人材ソリューションが必要とされる」としている。

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海外渡航者へのワクチンの勧め

 11月30日・12月1日に「第23回 日本ワクチン学会学術集会」(会長:多屋 馨子〔国立感染症研究所〕)が開催された。「国際化とワクチン」をテーマに開催されたシンポジウムでは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで多数の来日外国人が持ち込む可能性がある感染症への備えとしてのワクチンの重要性などが語られた。 本稿では、「渡航医学におけるワクチン」を取り上げる。予防接種では目の前の接種希望者のリスクとベネフィットを考える シンポジウムでは、田中 孝明氏(川崎医科大学 小児科学 講師)が「海外渡航者のためのワクチン」をテーマに、インバウンドの逆、日本人が海外渡航する場合(アウトバウンド)における予防接種の対応や現在の問題点などを講演した。 アウトバウンドの予防接種では、厚生労働省検疫所(FORTH)やアメリカ疾病予防管理センター(CDC)の予防接種情報が有用と紹介し、トラベル・クリニックでの対応を例に説明した。来院した予防接種希望者には、「行き先、滞在期間、渡航目的、既往歴、接種歴など」を問診し、ワクチンを考慮し、選択する必要がある。また、先ごろ発行された『海外渡航者のためのワクチンガイドライン/ガイダンス 2019』にも触れ、海外渡航時のワクチン接種の指針が示されたことを説明した。 多くのワクチンは複数回の接種が必要だが、渡航までの期間が十分でないため、渡航先で接種を継続する場合が多い。しかし、製薬会社が異なるワクチンの互換性が確認されていないことが問題となっており、これらのエビデンスが極めて乏しいという。 そのほか、腸チフスワクチンを例に、多くの渡航者に必要であるにもかかわらず国内では希少疾患のため、ワクチンが承認されておらず、本ワクチンの接種は自己輸入して扱っている施設に限られている。しかも、接種後に健康被害が起こっても「(手厚い)予防接種法や医薬品医療機器総合機構法による救済制度の補償外であり、接種する側・される側の負担が大きい」と接種現場での悩みを語った。現状では、疾病予防効果と副反応の可能性などを衡量し、接種希望者に情報を伝え、接種をするかどうか決定することが接種の現場で行われている。 最後に同氏は、「こうした未承認ワクチンの問題や渡航ワクチンのエビデンス不足はもちろん、渡航分野の臨床研究の進展が今後の課題」と述べ、講演を終えた。

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男性胚細胞腫瘍の心血管疾患リスクは?/JCO

 男性の胚細胞腫瘍は、まれだが20~30代に比較的多く発生するという特徴がある。その男性胚細胞腫瘍(精巣腫瘍)について、ブレオマイシン+エトポシド+シスプラチン(BEP)併用療法が、治療開始後1年未満の心血管疾患(CVD)リスクを顕著に増加させ、10年後にもわずかだがリスク増加と関連することが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のJakob Lauritsen氏らによる検討で明らかにされた。また、放射線療法が糖尿病のリスク増加と関連していることも示されたという。なお、経過観察の患者では、CVDリスクは正常集団と同程度であった。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2019年12月10日号掲載の報告。 研究グループは、デンマークの精巣腫瘍データベースを用いて、腫瘍治療後のCVDリスクを分析した。臨床データを収集するとともに、患者1例につきデンマークの正常集団から生年月日をマッチさせたリスク集団サンプリング(risk-set sampling)で対照10例を抽出し、治療とアウトカムとの関連性を、がん治療を時変共変量(time-varying covariate)として組み込んだCoxモデルでアウトカムごとに分析した。 心血管リスク因子、CVDおよび関連する死亡は、デンマークのレジストリで特定した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、胚細胞腫瘍の男性患者5,185例、対照男性5万1,850例で、追跡期間中央値は15.8年であった。・BEP併用療法(1,819例)は、高血圧症と高コレステロール血症のリスク増加と関連していた。・BEP併用療法開始後1年未満のCVDのハザード比(HR)は、心筋梗塞が6.3(95%信頼区間[CI]:2.9~13.9)、脳血管障害が6.0(2.6~14.1)、静脈血栓塞栓症が24.7(14.0~43.6)であった。・BEP併用療法開始後1年以降は、CVDリスクは正常レベルに低下したが、10年後の時点でも心筋梗塞(HR:1.4、95%CI:1.0~2.0)および心血管死(1.6、1.0~2.5)のリスク増加が認められた。・放射線療法(780例)は、長期追跡で糖尿病のリスクを増加させた(HR:1.4、95%CI:1.0~2.0)が、ほかのリスクは増加しなかった。・経過観察の患者(3,332例)では、心血管リスク因子、CVDおよび心血管死のデータは正常集団と同程度であった。

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進行卵巣がんの維持療法、オラパリブ+ベバシズマブが有効/NEJM

 1次治療のプラチナ製剤+タキサン系薬+ベバシズマブが奏効した進行卵巣がん患者において、維持療法はベバシズマブにオラパリブを追加することで、無増悪生存(PFS)期間が有意に延長することが認められた。この有効性はBRCA遺伝子変異のない相同組み換え修復異常(HRD)陽性患者で大きかった。フランス・クロード・ベルナール・リヨン第1大学のIsabelle Ray-Coquard氏らが、11ヵ国で実施された第III相の国際共同無作為化二重盲検試験「PAOLA-1試験」の結果を報告した。オラパリブは、新たに診断されたBRCA変異陽性の進行卵巣がん患者に対する維持療法として、大きな臨床的有益性をもたらすことが示唆されていたが、BRCA変異の有無にかかわらずオラパリブ+ベバシズマブ併用による維持療法が有効かどうかは不明であった。NEJM誌2019年12月19日号掲載の報告。進行卵巣がんの1次治療奏効806例でオラパリブ+ベバシズマブvs.プラセボ+ベバシズマブ 研究グループは2015年7月~2017年9月の間に、新たに診断を受けた高悪性度の進行卵巣がんで1次治療のプラチナ製剤+タキサン系薬+ベバシズマブが奏効した患者(手術アウトカムまたはBRCA変異の有無は問わず)806例を対象とした。 被験者を無作為に2対1の割合で、オラパリブ(300mgを1日2回)+ベバシズマブ(15mg/kg)群(オラパリブ併用群、537例)と、プラセボ+ベバシズマブ群(ベバシズマブ単独群、269例)に割り付け、オラパリブは最長24ヵ月間、ベバシズマブは3週ごとに最長15ヵ月間投与した。 主要評価項目は、治験担当医の評価によるPFS期間(無作為化から病勢進行または死亡までの期間と定義)。有効性はintention-to-treat解析を行い評価した。オラパリブ+ベバシズマブ群で進行卵巣がん患者のPFSが有意に延長 追跡期間中央値22.9ヵ月時点で、進行卵巣がん患者のPFS中央値はオラパリブ併用群が22.1ヵ月、ベバシズマブ単独群が16.6ヵ月であった(病勢進行または死亡のハザード比[HR]:0.59、95%信頼区間[CI]:0.49~0.72、p<0.001)。 オラパリブ併用群vs.ベバシズマブ単独群の進行卵巣がんの病勢進行または死亡のHRは、BRCA変異陽性HRD陽性患者では0.33(95%CI:0.25~0.45)(PFS中央値 37.2ヵ月vs.17.7ヵ月)、BRCA変異陰性HRD陽性患者では0.43(0.28~0.66)(28.1ヵ月vs.16.6ヵ月)であった。 有害事象は、オラパリブとベバシズマブでそれぞれ確立されている安全性プロファイルと一致した。 なお著者は、比較対照としてオラパリブ単独群が欠けていることを研究の限界として挙げており、PFSの有益性がオラパリブの追加によるものが大きいのか、オラパリブとベバシズマブの相乗効果なのかについて結論付けるのは困難であるとまとめている。

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頸動脈狭窄症への経頸動脈血行再建、経大腿動脈と比較/JAMA

 頸動脈狭窄症の治療において、経頸動脈血行再建術(transcarotid artery revascularization:TCAR)は経大腿動脈アプローチによるステント留置術と比較し、脳卒中または死亡のリスクが有意に低いことが示された。米国・ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのMarc L. Schermerhorn氏らが、TCARと経大腿動脈ステント術の転帰を傾向スコアマッチング法により比較した解析結果を報告した。従来の経大腿動脈アプローチによる頸動脈ステント術は、頸動脈内膜剥離術と比較して周術期脳卒中の発生率が高いことがいくつかの試験で観察されていた。一方、TCARは2015年に開発されたリバースフローシステムによる新しい頸動脈ステント術で、経大腿動脈アプローチとは対照的に、頸動脈に直接アクセスすることによって大動脈弓でのカテーテル操作を回避し、標的病変操作前の頸動脈から大腿静脈への体外動静脈シャントによって脳を保護する。TCARは経大腿動脈アプローチによる脳卒中リスクを減少させるために開発されたが、経大腿動脈ステント術と比較した場合のアウトカムはよくわかっていなかった。JAMA誌2019年12月17日号掲載の報告。傾向スコアマッチング法でTCARと経大腿動脈ステント術のアウトカムを比較 研究グループは、2016年9月~2019年4月に米国およびカナダでTCARまたは経大腿動脈ステント術を受けた無症候性/症候性の頸動脈狭窄症患者を前向きに登録したVascular Quality Initiative Transcarotid Artery Surveillance ProjectおよびCarotid Stent Registryのデータ(追跡期間終了日2019年5月29日)を用い、傾向スコアマッチング解析を実施した。 主要評価項目は、院内脳卒中(同側または反対側、皮質または椎骨脳底、虚血性または出血性脳卒中と定義)/死亡、脳卒中、死亡(全死因死亡)、心筋梗塞、ならびに1年時点の同側脳卒中または死亡の複合エンドポイントであった。 研究期間中の登録患者はTCARが5,251例、経大腿動脈ステント術が6,640例で、傾向スコアマッチングにより抽出されたそれぞれ3,286例が解析対象となった。TCAR群は平均(±SD)年齢71.7±9.8歳、女性35.7%、経大腿動脈ステント術群は同71.6±9.3歳、女性35.1%であった。院内脳卒中/死亡、脳卒中および死亡のリスクはTCARが有意に低い 院内脳卒中/死亡はTCAR群1.6%vs.経大腿動脈ステント術群3.1%で、絶対差は-1.52%(95%信頼区間[CI]:-2.29~-0.75)、相対リスク(RR)は0.51(95%CI:0.37~0.72)(p<0.001)であった。脳卒中は1.3% vs.2.4%(絶対差:-1.10%[95%CI:-1.79~-0.41]、RR:0.54[95%CI:0.38~0.79]、p=0.001)、死亡は0.4% vs.1.0%(-0.55%[-0.98~-0.11]、0.44[0.23~0.82]、p=0.008)で、いずれもTCAR群で有意にリスクが低下した。 周術期心筋梗塞については、両群間で統計学的有意差は確認されなかった(0.2% vs.0.3%、絶対差:-0.09%[95%CI:-0.37~0.19]、RR:0.70[0.27~1.84]、p=0.47)。Kaplan-Meier法による1年時点の同側脳卒中または死亡は、TCARで有意にリスクが低下した(5.1% vs.9.6%、ハザード比:0.52[95%CI:0.41~0.66]、p<0.001)。 TCARでは、治療を要するアクセス部位合併症のリスクが高かったが(1.3% vs.0.8%、絶対差:0.52%[95%CI:-0.01~1.04]、RR:1.63[95%CI:1.02~2.61]、p=0.04)、術中放射線照射時間(中央値5分[IQR:3~7]vs.16分[11~23]、p<0.001)は短く、造影剤使用量(中央値30mL[IQR:20~45]vs.80 mL[55~122]、p<0.001)は少なかった。

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日本人トリプルネガティブ乳がんのMSI-H頻度は?

 日本人のトリプルネガティブ乳がん患者におけるMSI-H頻度は高くはないものの、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)のターゲットとなる患者が存在することが示唆された。九州大学の倉田 加奈子氏らによる、Breast Cancer誌オンライン版2020年1月6日号掲載の報告より。 本邦では、MSI-HまたはdMMRを有する進行固形がんに対しペムブロリズマブが承認されている。また、ゲノム不安定性を有する腫瘍はPD-1 / PD-L1阻害に良好な反応を示し、難治性乳がんの有望なターゲットとなりうることが示唆されている。しかし、日本人のトリプルネガティブ乳がんにおけるMSI-H頻度は明らかになっていない。トリプルネガティブ乳がんでMSI-Hの場合、Ki-67高値など予後不良とされる特徴 本研究では、2004年1月から2014年12月の間に、国内3施設で術前化学療法なしで切除を実施した女性トリプルネガティブ乳がん患者228例を対象に、MSI-H頻度を後ろ向きに評価した。MSI解析には、5種類のマイクロサテライトマーカー(BAT-26、NR-21、BAT-25、MONO-27、NR-24)によるMSI Analysis System Version 1.2(Promega)を使用している。 トリプルネガティブ乳がん患者におけるMSI-H頻度を評価した主な結果は以下のとおり。・トリプルネガティブ乳がんの228検体のうち、222検体(97.4%)がマイクロサテライト安定性、4検体(1.7%)がMSI-L(いずれか1種類のマーカーで不安定性を示す)、2検体(0.9%)がMSI-H (2種類以上のマーカーで不安定性を示す)であった。・MSI-Hの2検体では、ともにBAT-26、NR21およびBAT-25の3つのマーカーで不安定性を示した。これらの腫瘍はそれぞれT1N0およびT2N0であり、NG3およびKi-67高値(>30%)といった予後不良とされる特徴を有し、基底細胞様、non-BRCAnessに分類された。1検体でのみPD-L1発現が確認され、2検体でTIL低値およびCD8陰性であった。・MSI-Lの4検体では、不安定性を示したマーカーはそれぞれ異なり、4検体が基底細胞様、2検体のみnon-BRCAnessに分類された。また、1検体のみPD-L1発現がありTIL高値、そのほか3検体はTIL低値であった。 著者らは、日本人のトリプルネガティブ乳がん患者におけるMSI-H頻度はまれではあるものの、ICIの潜在的なターゲットとなる患者は存在し、包括的なゲノムプロファイリングのプラットフォームを使用してピックアップしていく必要があると結論付けている。

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お年玉シーズンに知っておきたい「賢い贈与」のコツ【医師のためのお金の話】第28回

こんにちは。自由気ままな整形外科医です。令和になって初めてのお正月はいかがお過ごしでしょうか? 病院で忙しく働いていた先生もいらっしゃるでしょうが、自宅でのんびり過ごした先生も多かったのではないでしょうか。お正月のビッグイベントといえば「お年玉」。子供のころは親や親戚からもらうお年玉がとても楽しみでした。ところが、大人になると今度はお年玉を渡す立場になります。自分の子供だけではなく、両親や親戚の子供にまでお年玉を渡すようになると、たかがお年玉といえども結構な出費になります。年始から頭の痛い問題です(笑)。さて、お年玉も含めたお金を渡す行為は、税務的に「贈与」となります。もちろん、お年玉程度の金額で贈与税を支払う人はいないでしょうが、資産継承の観点からは贈与について知っておく必要があります。「暦年贈与」に潜む落とし穴医師は高額所得者であることが多く、同世代の方と比較してキャッシュフローが多い傾向にあります。このため、子供に対してまとまった金額を贈与する方も少なくありません。スムーズな資産継承のためには贈与が欠かせませんが、一般的によく行われているのは贈与金額を非課税枠の110万円以内にとどめて毎年贈与を繰り返す例です。このような贈与の仕方を「暦年贈与」といいます。110万円以内の暦年贈与は非課税なので贈与税申告も不要となり、気楽に贈与できることがメリットです。しかし毎年110万円ずつ子供に贈与していると、毎年一定の金額を贈与することが決まっている「定期贈与」と見なされる可能性があります。定期贈与は、贈与を開始した年に「定期的にお金を受け取る権利」の贈与を受けたものとして、これまでの贈与額の合計額に対して多額の贈与税が課税されてしまいます。これでは何のために暦年贈与したのかわからなくなりますね。「定期贈与」の回避策定期贈与と見なされるのを回避するためには、下記のような対策が有効といわれています。1)毎年「贈与契約書」を作成する2)受贈者本人の銀行口座へ振り込むことで記録を残す3)110万円を少しだけ超える金額を贈与して贈与税の申告を行う4)毎年違う時期に違う金額を贈与することで単発の贈与であることを強調する毎年贈与しているとトータルで大きな金額になってしまいます。上記の1)~2)の対策を行うことで、そのお金が一括で贈与したものではないことを証明するのです。3)に関しては110万円の非課税枠を超えて少額の贈与税が発生しても、暦年贈与をしたほうがトータルでの税額は抑えられます。たとえば111万円贈与した場合の贈与税は1,000円なので、10年贈与しても1万円にしかなりません。一方、1,110万円を一括贈与すると、100万円の贈与税になります。さらに、4)のように贈与の時期をランダム化することで、「暦年贈与だけども、あらかじめ決めた定期贈与ではありません!」と強調します。ここまでは一般的にいわれている定期贈与対策なので、抜かりなく実践するべきでしょう。私が実践する“ダメ押し”暦年贈与法一般的な暦年贈与の注意点をお話ししましたが、このまま終わっては面白くありません。そこで、私が毎年実践している暦年贈与の「コツ」を伝授いたします。前述の4つの対策は当然行っていますが、贈与契約書の空白スペースに、子供に「贈与を受けた感想」を書かせるようにしているのです。「おとなになったら大事に使いたいです」「お金をもらってうれしいです」などの子供の素直な感想を書いてもらうことで、贈与契約書に臨場感を醸し出します。子供の成長に従って書かれている内容や字もきれいになっていくので、税務署も否認しにくくなるはずです。子供にとっても大事に使わなければいけないというプレッシャーになるかもしれません。さらに、子供の感想入り贈与契約書を公証役場に持参して確定日付を取得します。公正証書にすると最低5,000円の費用がかかりますが、確定日付なら700円で済みます。確定日付は、単にその日その場所に贈与契約書が存在したという証明にすぎませんが、税務署に数年分の贈与契約書をまとめて作成したのではないかと疑われることを100%回避できるので有効です。ここまでやれば税務署も怖くない!?

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2020年を迎えて【Dr. 中島の 新・徒然草】(305)

三百五の段 2020年を迎えて皆さま、明けましておめでとうございます。新たな年を迎えて、それぞれに今年の目標をお考えになったことと思います。私自身は、現在やっている仕事を効率的にやりたいな、と考えています。たとえば、電子カルテを使いこなして短時間で作業をこなす不要な紙類を処分して本棚をスッキリさせる引き出しを片づけて必要なものをすぐに手に取れるようにするなどなど。また、病院の書類仕事をできるだけ手早く済ませるというのもあります。そういえば、昨年、介護保険主治医意見書に関するアンケートというのが病院宛てに来ました。担当者に「こちらで調べたところ、中島先生が一番沢山書いているので、解答のほうもよろしくお願いします」と言われてしまいました。なんだかんだで書類仕事が多いので、要領良く済ませることが大切かと思います。そして、色々な努力で捻出した時間で、体を動かしたり英語を勉強したりしたいですね。たとえば1日1万歩。「勝間和代の、毎日1万歩1年間歩いたら得られた、衝撃の効果」というタイトルのYouTubeを見て、いたく納得いたしました。ウエストが引き締まり、体も丈夫になったそうです。おそらく沢山歩けば、カロリーを気にせずに食べたり、朝までぐっすり眠ったりすることもできるのでしょう。また、本欄で自分なりの工夫を披露していきたいと考えています。それでは2020年最初の1句捻り出す スキマ時間で 1万歩

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統合失調症の維持療法における抗精神病薬使用ガイドラインのレビュー

 慶應義塾大学の下村 雄太郎氏らは、統合失調症の維持期における抗精神病薬治療に関する臨床ガイドラインおよびアルゴリズムについて、臨床実践に導くために、これまでのシステマティックレビューに、最新の知見を含めて更新した。Schizophrenia Research誌オンライン版2019年11月26日号の報告。 統合失調症の維持期における抗精神病薬治療に関する臨床ガイドラインおよびアルゴリズムを特定するため、MEDLINE、Embaseよりシステマティックに文献検索を行った。ガイドライン/アルゴリズムの全体的な品質をAGREE IIに従って評価し、治療推奨事項に関する情報を抽出した。 主な結果は以下のとおり。・2012年のシステマティックレビュー以降に新たに報告された11件を含む20件のさまざまな地域におけるガイドライン/アルゴリズムを特定した。・すべてのガイドライン/アルゴリズムは、一定レベルの品質を満たしていた。・推奨、部分的推奨、非推奨に分類した。・抗精神病薬の中止戦略に関するガイドライン/アルゴリズムの6件中5件において、複数エピソードの統合失調症に対する抗精神病薬の中止戦略は非推奨であった。・一方で、統合失調症全般(13件中7件、2013年以降では8件中7件)および初回エピソード統合失調症(11件中10件、2013年以降では7件中7件)においては、抗精神病薬の中止戦略は、非推奨から部分的推奨へ移行する傾向が認められた。・抗精神病薬使用における断続的/標的戦略は、減少していた(9件中9件)。・抗精神病薬の中止戦略と同様に、すべての更新または新規のガイドライン/アルゴリズムでは、抗精神病薬の減量/低用量戦略を推奨していた(6件中6件)。 著者らは「統合失調症の維持期における抗精神病薬治療に関する最近の臨床ガイドラインおよびアルゴリズムでは、抗精神病薬の中止、減量、低用量戦略にシフトしていることが示唆された。しかし、臨床医は、これらの戦略のリスクとベネフィットを個々の患者に応じてよく考える必要がある」としている。

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BRCA変異陽性膵臓がんにオラパリブを承認/FDA

 米国食品医薬品局(FDA)は2019年12月27日、プラチナベースの1次治療化学療法レジメンで16週間以上疾患が進行しなかった生殖細胞系列BRCA(gBRCA)変異陽性の転移を有する膵臓がんの成人患者の維持療法として、オラパリブ(商品名:リムパーザ)を承認した。オラパリブのPFS中央値は7.4ヵ月、プラセボは3.8ヵ月 FDAはまた、コンパニオン診断として、BRACAnalysis CDxテスト(Myriad Genetic Laboratories、Inc.)も承認した。 オラパリブの有効性は、転移を有するgBRCA変異膵腺がん患者154例においてオラパリブとプラセボを比較した多施設二重盲検無作為化プラセボ対照試験POLOで検討された。 主要有効性評価項目は、盲検独立中央委員会による無増悪生存期間(PFS)、追加の有効性評価項目は、全生存期間(OS)および全奏効率(ORR)であった。 PFS中央値は、オラパリブ投与患者7.4ヵ月、プラセボ投与患者では3.8ヵ月であった(HR:0.53、95%CI:0.35~0.81、p=0.0035)。OS中央値は、オラパリブおよびプラセボで18.9ヵ月および18.1ヵ月であった(HR:0.91、95%CI:0.56~1.46、p=0.683)。ORRは23%および12%であった。 POLO試験で観察されたオラパリブの一般的な副作用は既報のものと一致していた。10%以上の項目は、悪心、疲労、嘔吐、腹痛、貧血、下痢、めまい、好中球減少症、白血球減少症、鼻咽頭炎/上気道感染症/インフルエンザ、気道感染症、関節痛/筋肉痛、味覚障害、頭痛、消化不良、食欲減退、便秘、口内炎、呼吸困難、血小板減少であった。

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わが国における脳血管疾患発症率の動向

 日本人の主な死因である脳血管疾患の近年の発症率は不明である。今回、岩手医科大学の大間々 真一氏らが、高齢者の多い岩手県において過去10年間のデータを調査した結果、脳血管疾患の発症率と発症数が減少していることがわかった。今後も減少することが予測されるが、85歳以上では増加することが示唆された。Journal of stroke and cerebrovascular diseases誌オンライン版2019年12月23日号に掲載。 著者らは、2008~17年のIwate Stroke Registry(岩手県全体のデータ)を用いた後ろ向き調査を実施し、発症率の変化率と日本の地域別将来推計人口から今後の発症率を予測した。 主な結果は以下のとおり。・日本の標準的な集団における脳血管疾患の10万人年当たり年齢調整発症率は、10年間で、男性で212.1から176.8に、女性で123.1から97.0に減少した。・55歳未満の年齢別発症率と発症数はわずかしか減少しなかったが、55歳以上では減少した。・2040年の全体の発症数は2015年の3分の2に減少するが、85歳以上の発症数は2040年まで増加することが予測された。

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trastuzumab deruxtecan、米国で発売。HER2陽性乳がんに/第一三共

 第一三共は、2020年1月7日、trastuzumab deruxtecan(商品名:ENHERTU)を米国において新発売したと発表。 適応は、「転移性の乳がんに対する治療として2つ以上の抗HER2療法を受けたHER2陽性の手術不能又は転移性乳がん」。同剤は、2019年12月20日に米国食品医薬品局(FDA)より販売承認を取得していた。

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院外気管挿管時、ロクロニウムvs.スキサメトニウム/JAMA

 院外救急医療の気管挿管時において、ロクロニウムの使用はsuccinylcholine(本邦ではスキサメトニウム)に対し、初回成功率に関して非劣性を示さなかった。フランス・CHU de la Reunion病院のBertrand Guihard氏らが1,248例を対象に行った無作為化試験で明らかにした。ロクロニウムおよびsuccinylcholineは迅速導入気管挿管時にしばしば使用されるが、これら薬剤の救急医療での気管挿管成功に関する有効性の比較について臨床試験による評価はされておらず、またsuccinylcholine使用では、ロクロニウム使用では報告されていない有害事象との関連が示されていた。JAMA誌2019年12月17日号掲載の報告。非劣性マージン7%とし、プロトコール適合解析 研究グループは2014年1月~2016年8月にかけて、フランス17ヵ所の院外救急医療ユニットを通じて、院外での迅速導入気管挿管を要する成人患者1,248例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはロクロニウム(1.2mg/kg、624例)を、もう一方にはsuccinylcholine(1mg/kg、624例)を投与し、ロクロニウムのsuccinylcholineに対する非劣性を検証した。追跡は、2016年8月31日まで行った。 主要アウトカムは、初回施行での気管挿管成功率。非劣性マージンは7%とし、主要解析はper-protocolで行うと事前に規定した。初回挿管成功率、succinylcholine群79.4%に対しロクロニウム群74.6% 被験者の平均年齢は56歳、女性は501例(40.1%)だった。1,230例(98.6%)が試験を完了し、うち1,226例(98.2%)がper-protocol解析に包含された。 初回施行での気管挿管成功は、ロクロニウム群455/610例(74.6%)、succinylcholine群489/616例(79.4%)だった。群間差は、-4.8%(片側97.5%信頼区間[CI]:-9~∞)で、非劣性の基準は満たされなかった。 最も多くみられた気管挿管に関する有害事象は、低酸素血症と低血圧症で、ロクロニウム群ではそれぞれ55/610例(9.0%)と39/610例(6.4%)、succinylcholine群では61/616例(9.9%)と62/616例(10.1%)だった。

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臨床論文、男性はポジティブに書く傾向/BMJ

 医療やライフサイエンス部門における女性の活躍がいまだ目立たないのは、臨床研究の自己表現力(self presentation)において性差が存在しているせいではないのか。ドイツ・マンハイム大学のMarc J. Lerchenmueller氏らが、臨床試験論文約10万件、一般生命科学論文約620万件を対象に調査した結果、臨床試験論文で筆頭および末尾の著者のいずれか、もしくは両方が男性の場合、いずれも女性の場合に比べてタイトルやアブストラクト内に、「novel」や「excellent」といった用語を用いて研究結果を肯定的に発表する傾向が強いことが判明したという。とくにその傾向は、影響力が強い臨床ジャーナルで最も大きく、さらにそうした肯定的表現が、論文の引用率の高さとも関連していたという。BMJ誌2019年12月16日号クリスマス特集号の「Sweet Little Lies」より。「novel」「excellent」など25の肯定表現の使用を調査 研究グループは、2002~17年に発表されPubMedに登録された臨床試験論文10万1,720件と、一般生命科学論文約620万件について、そのタイトルとアブストラクトを後ろ向き観察研究にて調べた。 タイトルおよびアブストラクトを解析して、「novel」(新奇な)、「excellent」(卓越した、素晴らしい)といった用語を用いて研究結果を肯定的にみせる違いが男女間に存在するかどうかを検証。科学ジャーナル、刊行年、ジャーナルの影響力、科学分野で補正を行ったうえで、25の肯定的用語について、筆頭および末尾の著者の性機能としての「ポジティブ・フレーミング」の相対的蓋然性を推算・評価した。ポジティブ・フレーミング、筆頭・末尾著者が女性では10.9%、男性では12.2% 論文の筆頭・末尾の両著者が女性の場合、25の肯定的用語が1つでも用いられていたのは10.9%だったのに対し、一方もしくは両著者が男性の場合は12.2%で、相対格差は12.3%(95%信頼区間[CI]:5.7~18.9)だった。 肯定的表現の性差は、影響力の強い臨床ジャーナル(Journal Citation Reportでインパクトファクター10超)で最も大きく、女性著者は男性著者に比べ、試験結果を肯定的に表現する傾向が21.4%低かった。 すべての臨床ジャーナルにおいて、肯定的表現のある論文の引用率は9.4%(95%CI:6.6~12.2)と高く、影響力が強い臨床ジャーナルでは13.0%(同:9.5~16.5)だった。この結果は、PubMedに登録された一般生命科学論文に調査対象を広げた場合でも同様に認められ、肯定的な単語の使用の性差は、幅広いサンプルで一般化されることが示唆された。

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