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アファチニブ→オシメルチニブのシ―クエンス、T790M変異NSCLCでOS45ヵ月(GioTag)/ベーリンガーインゲルハイム

 ベーリンガーインゲルハイムは、2019年8月2日、GioTag研究の中間解析結果を発表した。同研究では、初回治療のアファチニブに続きオシメルチニブを投与することにより、Del19変異陽性患者において、約4年間(45.7ヵ月間)の全生存期間(OS)を示した。 GioTag研究は、第1および第2世代のEGFR-TKIに対する耐性メカニズムであるT790M獲得遺伝子変異を有するEGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、アファチニブに続いてオシメルチニブを投与する治療法を評価したリアルワールドの後ろ向き観察研究。 前回のGioTag研究結果では、2年および2.5年間のOS率が示された。今回その後の解析として、最新データの評価が行われた。リアルワールドの臨床環境で、アファチニブ40mgで投与を開始したEGFR T790M獲得遺伝子変異陽性のNSCLC患者において、OS中央値は45.3ヵ月間、アップデート解析での2年OS率は82%となった。 Del19変異陽性患者の全生存期間(OS)中央値はより長く、45.7カ月であった。アファチニブとオシメルチニブを用いたシークエンシャル治療について、更新された治療期間中央値は、全体で28.1ヵ月、Del19変異陽性患者では30.6ヵ月であった。

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透析患者のEPO抵抗性貧血の解決になるか(解説:浦信行氏)-1102

 同時報告の保存期CKDでも述べたように(「保存期CKD患者の貧血治療が経口薬で」)、roxadustatは経口投与の低酸素誘導因子(HIF)の分解酵素阻害薬であり、結果的にHIFを安定化させて内因性エリスロポエチン(EPO)の転写を促進して腎性貧血の改善を促す。併せて、ヘプシジンの産生を抑制して、鉄利用を高める作用も持つ。 今回の透析例における第III相の結果は、EPO製剤投与群と比較して貧血改善効果は同等であった。従来のEPO製剤は、高用量を要するEPO抵抗性の症例が存在する。今回の検討ではCRPの値で2群に分けて検討しており、CRP高値群では反応性の低下からEPOの用量を多く必要としたが、roxadustat群ではCRPの高低にかかわらず良好な反応を示し、炎症に左右されない効果を発揮することが明らかとなった。 ところで、保存期CKDの成績ではあるが、従来のEPO製剤での治療でHb値を13g/dL以上にすると死亡や心不全による入院のリスクが増加し(CHOIR試験)、脳卒中リスクが増加する(TREAT試験)可能性が報告されている。しかし、リスクと相関していたのはHb値よりも高用量のEPO製剤であったとされる。この点からもHIF刺激薬は有利である可能性がある。ちなみに、炎症がヘプシジンを増加させるので、両治療群でCRP高低の2群間のヘプシジンの差を比較すると、機序の1つの解明につながる可能性があるが、残念ながらそのような解析結果は示されていない。 一方、やや気に掛かるのは、HIF刺激薬群で有害事象による中止と中断例が多いことである。本来EPO製剤投与群を2群に分けて試験に入っているので、EPO製剤による有害事象例や中断例が事前に除外されている結果なのかもしれないが、これら有害事象と中断を合わせた脱落率が15%であることは、やはり気に掛かる。

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1日1回服用で脳内の神経伝達物質の働きを強める小児AD/HD治療薬「ビバンセカプセル20mg/30mg」【下平博士のDIノート】第31回

1日1回服用で脳内の神経伝達物質の働きを強める小児AD/HD治療薬「ビバンセカプセル20mg/30mg」今回は、中枢神経刺激薬「リスデキサンフェタミンメシル酸塩カプセル(商品名:ビバンセカプセル20mg/30mg)」を紹介します。本剤は、ドパミン/ノルアドレナリン遊離促進・再取り込み阻害薬で、1日1回の服用で血中濃度を持続的に維持し、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の症状を改善します。<効能・効果>本剤は、小児期におけるAD/HDの適応で、2019年3月26日に承認され、12月3日に発売されています。なお、本剤の使用実態下における乱用・依存性に関する評価が行われるまでの間は、他のAD/HD治療薬が効果不十分な場合にのみ使用します。<用法・用量>通常、小児にはリスデキサンフェタミンメシル酸塩として30mgを1日1回、朝に経口投与します。症状により1日70㎎を超えない範囲で適宜増減しますが、増量は1週間以上の間隔を空けて1日用量として20mgを超えない範囲で行います。<副作用>承認時における安全性評価対象症例172例中、臨床検査値異常変動を含む副作用は154例(89.5%)に認められました。主なものは、食欲減退136例(79.1%)、不眠78例(45.3%)、体重減少44例(25.6%)、頭痛31例(18.0%)、悪心19例(11.0%)でした。<患者さんへの指導例>1.この薬は、脳内の神経伝達物質の働きを強めることで、注意力散漫、衝動的で落ち着きがないなどの症状を改善します。2.睡眠に影響を与える恐れがあるため、午後の服用は避けてください。3.めまい、眠気、視覚障害などが起こることがあるので、危険を伴う作業や場所ではお子さんから目を離さないようにしてください。4.まれに自殺したい気持ちが現れることが報告されているので、いつもと違う様子を見かけたら、速やかに医療機関に連絡してください。5.本剤を適正な治療以外の目的で使用あるいは他人へ譲渡してはいけません。6.この薬の治療における役割や依存性などの危険性について、わからないことや不安なことがあれば、いつでも医師または薬剤師に相談してください。<Shimo's eyes>本剤は、中枢神経刺激系AD/HD治療薬であり、d-アンフェタミンとL-リジンのプロドラッグ製剤です。投与後に体内で徐々に活性体であるd-アンフェタミンに変換されることで、急激な血中濃度上昇を抑制し、その血中濃度を維持します。わが国における既存のAD/HD治療薬としては、中枢神経刺激薬としてメチルフェニデート徐放錠(商品名:コンサータ)、非中枢系としてアトモキセチン(同:ストラテラカプセル)およびグアンファシン(同:インチュニブ錠)が発売されています。国内では、以前よりアンフェタミン類の薬物乱用が問題となっており、過去にはメチルフェニデート即放性製剤の不適正使用が社会問題化したこともあるため、徐放性製剤であるメチルフェニデート徐放錠が開発されました。メチルフェニデート徐放錠は不適正な使用を防止するため、薬物依存を含むリスクを十分管理できる医師・医療機関、調剤責任者のいる薬局でのみ取り扱われるよう流通管理の厳格化などの必要な措置を講じることが求められています。本剤およびメチルフェニデートを取り扱う薬局・調剤責任者は、厚生労働省からの留意事項通知に基づいて「ADHD適正流通管理システム」への登録が必要です。なお、本剤は覚せい剤原料に指定されているため、薬局での管理には注意が必要です。本剤は、使用実態下における乱用・依存性の評価が行われるまでの間、他のAD/HD治療薬では効果不十分な場合にのみ変更で使用することができます。なお、承認時の臨床試験において、6歳未満および18歳以上の患者における有効性・安全性は確立していないため、18歳以上の患者への適応はありません。18歳未満から服用を開始し、かつ治療上の有益性が認められる場合のみ投与が可能です。相互作用については、高血圧クリーゼを避けるためにMAO阻害薬を投与中または投与中止後2週間以内の患者には禁忌です。また、炭酸水素ナトリウムなど、尿のpHをアルカリ化する薬剤を併用すると、本剤の活性体であるd-アンフェタミンの腎排泄が抑制されて作用が増強し、逆にアスコルビン酸などの尿のpHを酸性化する薬剤を併用すると作用が減弱するので、それぞれ併用注意となっています。本剤の大量投与時や曝露量増加によって細胞外セロトニン濃度が高まると、不安や発熱、震えなどを引き起こすセロトニン症候群が生じる恐れがあるため注意が必要です。注意事項が多いですが、服薬指導が一方的な情報提供にならないよう、患者さんやご家族の理解度をしっかり確認しつつ話を進めましょう。参考PMDA ビバンセカプセル20mg/ビバンセカプセル30mgADHD適正流通管理システム

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第12回 低血糖、シックデイ、アドヒア―注射剤にまつわる問題への対処法【高齢者糖尿病診療のコツ】

第12回 低血糖、シックデイ、アドヒア―注射剤にまつわる問題への対処法前回に引き続き、GLP-1受容体作動薬とインスリンそれぞれについて、高齢者での使い方のポイントをご紹介します。低血糖や、GLP-1受容体作動薬での消化器症状、そしてきちんと打てているかが心配な注射剤のアドヒアランスについて、状態を確認する方法と対処法をまとめます。Q1 低血糖や消化器症状、シックデイが心配。どのようにコントロールしますか?1)低血糖について高齢者では発汗・動悸といった典型的な低血糖症状が出づらく、めまいや脱力感が前面に出る場合が多く、低血糖症状が見逃されることがあります。また、低血糖症状がせん妄として現れることもあり、注意が必要です。インスリン使用者あるいはGLP-1製剤にSU薬やグリニド薬を併用している例では、低血糖のリスクがあるため、定期受診時に非典型的な症状も含めて症状の有無を確認します。また、HbA1cの下限も意識し、過度のコントロールにならないようにインスリンやSU薬、グリニド薬を減量します。2)消化器症状について肥満の非高齢者では好ましいGLP-1受容体作動薬の食欲低下作用ですが、高齢者では脱水やサルコペニアを惹起する可能性があり、食思不振や過度の体重減少に注意が必要です。そのため、筋肉量が少ないと予想される「やせ型」の高齢者にはあまりいい適応ではありません。週1回のGLP-1受容体作動薬は消化器症状が比較的出づらいといわれていますが、リスクはあるため、定期外来受診時は食欲と体重の推移に注意する必要があります。3)シックデイについて水分や炭水化物の摂取などの一般的なシックデイ対応が前提ですが、ここでは注射製剤の取扱いについて記述します。GLP-1受容体作動薬は血糖依存性にインスリン分泌を促進するため、基本的には食事量が少なくても中止する必要はありませんが、嘔気などの消化器症状が強い場合は増悪させる危険性があるため中止します。持効型や中間型などの作用時間の長いインスリンは中止しないことが原則です。とくに、1型糖尿病などインスリン依存状態の場合は、たとえ食事摂取ができなくとも持効型製剤は絶対に中止しないように指導します。2型糖尿病でインスリン分泌能が保たれている場合には投与量を減量する場合もあります。超即効型製剤は、食事(炭水化物)量に応じ調整(例:食事摂取量が半量ならインスリン半量など)するように指導し、紙に書いて渡していますが、高齢者では対応困難な場合が多く、強い症状が半日以上続く、24時間以上経口摂取ができないなどといった場合1)は医療機関を受診するように指導しています。Q2 手技指導のポイントがあれば、教えてください。1)自己注射の可否の判断認知機能の低下した高齢者にとって新たに注射手技を獲得することは非常に困難です。DASC-8や時計描画試験を含むMini-Cogなどを用いて認知機能をスクリーニングし(第4回参照)、本人への指導を行うかを検討します。本人が難しい場合には介護者への指導を行うことになりますが、老々介護の世帯も多く、介護者への指導も難しいこともあり、インスリン分泌能が保たれている場合には、訪問看護やデイケアの看護師が行う週1回のGLP-1製剤が有用な選択肢として考えられます。また、注射自体は患者本人が可能なものの、インスリンの準備やその単位設定が困難な場合があるので、注射手技の一部を介護者に依頼することもよくあります。2)自己血糖測定本人や介護者が注射手技は獲得できても、自己血糖測定が困難な場合もあるため、指導状況をみながら自己血糖測定の指導を行うかどうか検討します。GLP-1製剤のみを使用している場合で、低血糖リスクが少ないと判断した場合は、血糖測定は必須ではありません。インスリン注射の場合で血糖測定が困難なときには、低血糖回避のため、やむを得ず血糖コントロール目標を緩和することがあります。自己血糖測定が可能な場合には、低血糖を回避するために、食前または眠前の血糖値100mg/dL未満が継続する場合にその前の責任インスリンの減量(1~2単位)を考慮します。また、血糖値の変動が大きい場合には、インスリンボールができていないかどうかを確認し、固くない場所に注射するように指導します。3)注射のアドヒアランス自己注射を行えていた例でも、加齢に伴って打ち忘れがあったり、注射の実施が困難になったりする場合もあります。明らかな誘因がなくコントロールが悪化したときは、注射の打ち忘れと注射手技を確認します。とくに眠前の持効型インスリンは、つい早く寝てしまって、打ち忘れが起こりやすいので、朝食前や夕食後に変更することがあります。外出や旅行の際のインスリンの打ち忘れも起こりやすいので、あらかじめバッグに予備の注射薬を入れておくように指導します。インスリン注射は実施できていても単位を間違えることが懸念される場合は、多少の血糖上昇には目をつぶり、毎回のインスリン量を同じにする、10単位など覚えやすい単位数に設定するなどの工夫をすることもあります。インスリン単位数は処方箋の記載だけでなく、必ず紙に書いて(多くは自己血糖記録用紙に)渡すようにし、外来受診時に何単位打っているかを患者さんに答えてもらって、単位数の間違えがないかを確認しています。独居で介護者がいない場合は低血糖リスクを極力下げるため、血糖管理目標を緩和します。訪問看護を導入すると、インスリンの残量を確認することで実際に打てているかどうかをわかることがあります。インスリン注射が必要であるが、自己管理が困難で、かつ介護者が不在の場合は外来での対応は困難であり、入院あるいは短期入所のうえ環境調整が必要です。入院・入所を拒否された場合でも、説得を続けながら地域包括支援センターなどに相談します。1)日本老年医学会・日本糖尿病学会編著. 高齢者糖尿病診療ガイドライン2017.南江堂;2017.

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医師は仕事でSNSを使っている? 会員医師アンケート

「仕事上で最も利用している」のはYouTube多くの人が日常的に使っているソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。人によっては、仕事上の情報収集・情報発信の目的で利用しているケースもある。では、医師の場合、研究や日常診療に役立つ情報を収集するために、どのSNSを利用しているのだろうか。ケアネットでは、2019年7月にCareNet会員医師を対象にSNS利用動向についてのアンケートを行った。アンケートは、2019年7月4日(木)~19日(金)の期間にインターネットで行われ、会員医師400人(20~30代・40代・50代・60代以上の各年代100人)から回答を得た。SNSの種類をFacebook、Twitter、Instagram、YouTubeの4つに絞ったうえで、それぞれについて「書き込み・投稿する」「閲覧のみ」「まったく利用しない」を選択してもらった(仕事上の利用動向調査を主目的としたため、プライベートでの利用が多いことが想定されるLINEは選択肢から除外した)。次に「4つのうち、仕事上で最も利用しているSNS」を選択してもらい、併せてその理由を聞いた。「書き込み・投稿する」と回答した人が最も多かったSNSはFacebookで14.2%、続いてTwitterで9.7%だった。特徴的な結果となったのがYouTubeで、「書き込み・投稿する」と答えた人は9.2%とTwitterと大きな差はなかったが、「閲覧のみ」と答えた人が71.5%と、ほかのSNSと比べて突出して多かった。「仕事上で最も利用しているSNS」への回答でもYouTubeが57%と最も多く、その理由しては「動画が診療に役立つ」との声が多く挙がった。一方、「仕事上では利用しない」「エビデンスの乏しい情報が多い」と情報の正確性を危惧し、「利用には慎重になる」という意見もあった。回答者は男性90%、20床以上が75%回答者400人(4区分の年代別に各100人)の内訳は、男性が90%、病床数別では、20床以上が約3/4だった。画像を拡大する「閲覧のみ」の利用率はYouTubeが突出して高いFacebook、Twitter、Instagram、YouTubeの4つのSNSの利用状況について、「利用している/書き込み・投稿する」「利用している/閲覧のみ」「利用していない」の3つから選択してもらった。「書き込み・投稿する」と回答した人数が最も多かったのはFacebookで14.2%(57人)、続いてTwitterで9.7%(39人)だった。YouTubeは、「書き込み・投稿する」と答えた人は9.2%(37人)とTwitterと大きな差はなかったが、「閲覧のみ」と回答した人が71.5%(286人)と、ほかのSNSに比べて突出して多かった点が特徴的だった。Instagramは「書き込み・投稿する」と「閲覧のみ」を合計しても109人と、最も利用者が少なかった。画像を拡大する世代別の差が少ないFacebook・YouTube、若年層中心のTwitter・Instagram年代別に見ると、どのSNSも年齢層が上がるにつれ「利用していない」比率が増える傾向はあるものの、Facebookはどの年代でも利用者と非利用者の比率が拮抗していた。YouTubeも年代を問わずに利用されているが、利用の仕方は「閲覧のみ」とする人が多かった。一方、Twitter・Instagramでは「書き込み・投稿する」ユーザーは、40代までの比較的若い層に偏っていた。画像を拡大する画像を拡大する女性のほうが利用に積極的利用者の比率を男女別で見たところ、大きな差は見られないケースが多かったものの、Twitterの利用率(書き込み・投稿する:女性20% vs.男性8%、閲覧のみ:女性28% vs.男性24%)、Instagramの利用率(書き込み・投稿する:女性18% vs.男性5%、閲覧のみ:女性25% vs.男性20%)などで女性のほうが高かった。画像を拡大する「仕事に使っている」のはYouTube「4つのSNSのうち、診療に関する情報を集めるために最も頻繁に使っているものを1つ選んでください」という設問では、YouTubeが57%(227人)で圧倒的な1位となった。続いてFacebookが23%(91人)、Twitterが11%(45人)となり、Instagramは2%(9人)だった。画像を拡大する診療科別では内科系でYouTubeの比率高い上記質問の回答を診療科別(内科系・外科系・その他)で分類したところ、内科系ではほかと比べてYouTubeの比率が高く、「手技の動画が便利」(内科・40代・男性)、「動画主体でわかりやすい」(呼吸器内科・30代・男性)といった声が挙がった。内科系では開業医の比率が高いことから勤務医よりも幅広い診療情報を求める傾向がある、とも考えられる。一方、外科系ではYouTubeの比率が相対的に低かった。「その他」ではTwitterの比率が最も高かったが、ここには臨床研修医が一定数含まれており、年代的な偏りが反映されているのかもしれない。画像を拡大する【分類詳細】内科系: 内科、神経内科、循環器内科、消化器内科、血液内科、呼吸器内科、糖尿病・代謝・内分泌内科、総合診療科外科系: 外科、整形外科、消化器外科、形成外科、脳神経外科、心臓血管外科その他: 小児科、精神科、放射線科、耳鼻咽喉科、リハビリテーション科、眼科、皮膚科、臨床研修医リアルのつながり維持するFacebook、多様性&専門性のTwitter最後に「仕事で最も頻繁に使っているSNS」で、それぞれを選んだ理由について聞いた。利用者の最も多かったYouTubeでは、「診察手技や患者の所見の動画を見ることがある」(内科・30代・男性)「手技や神経学的徴候の参考にするため」(神経内科・30代・女性)「テキストではわかりにくい手技の実際や解説を動画で確認することがある」(その他・40代・男性)「オペ動画を見るため」(耳鼻咽喉科・50代・男性)といったように、診療や手術の動画を手軽に見られる、という利便性を挙げる声が多かった。Facebookを選んだ人からは、「医療関係者とつながっているSNSであるため」(小児科・30代・男性)「医師が実名で情報提供・情報共有をしているから」(その他・30代・女性)「年配の先生が使っている場合も多いため」(臨床研修医・20代・女性)といったように、リアルでつながりがある医師や職場の同僚・上司の発言をフォローしておくため、実名制で著名な医師の発言を検索できるため、医療者同士のFacebookグループに入っているから、といった理由が挙がった。Twitterを選んだ人からは、「その分野で権威のある方の意見を聞けるから」(外科・30代・男性)「勝手に情報が流れてくる。本音が聞けて面白い」(精神科・男性・40代)「専門家が集結するから」(放射線科・20代・男性)と、直接の知り合いではなくても有名医師の意見やそれに対するディスカッションを見ることができる、多くの専門家の意見を知ることができる、といった理由が挙がった。匿名でも使えることから、より本音に近い内容が見られたり、議論が盛り上がりやすかったり、という点を評価する人も多いようだ。Instagramは利用者自体が限られ、利用もプライベート目的がほとんどの様子。仕事上の情報収集・発信には、まだほとんど使われていないようだ。YouTube以外は「利用していない」が半数超「閲覧のみ」の利用者が7割を超えたYouTube以外では、「利用していない」との回答者が全体の半数を超えた。全体を通して目立ったのは、「診療に関する情報を集めるためには使っていない」(小児科・40代・男性)「エビデンスがない情報が多い」(精神科・60代・男性)「参考程度にしている」(循環器内科・60代・男性「実際に診療に使うことはほとんどない」(外科・60代・男性)といった「SNSと仕事には一定の距離を置いている」という声だ。SNSの炎上リスクはもとより、守秘義務事項が多い仕事特性、多忙さ、勤務中にPC・スマートフォンを操作できる状況にある人が少ない、といった医師特有の事情も相まって、仕事に関して積極的にSNSを利用する医師はごく一部にとどまっている様子がうかがえる。欧米では著名医師や研究室、ジャーナルなどがSNSを積極的に利用している例が多く、公式アカウントの開設・運営や限定公開設定の利用などによって、日本でも医師のSNS利用はもう少し広がる余地がありそうだ。実際、2019年の日本循環器学会学術集会では講演内容をTwitterで投稿する、日本抗加齢医学会総会では専用ハッシュタグを作って会期中にTwitterでの投稿を促すなど、SNS活用の取り組みが広がっている。参考までに、総務省が行った全国規模のネット利用動向調査※1内の各SNSの利用動向と今回の結果を比較した。すると、各SNSツールの利用動向では、「自ら情報発信や発言を積極的に行っている」とする人はFacebook:5.3%(今回の医師調査:14.2%)、Twitter:7.7%(同:9.7%)、Instagram:3.9%(同:6.5%)といずれも医師調査で高くなっており、「利用はしているが閲覧中心」とする利用者の比率も、すべてのSNSにおいて医師調査のほうが高かった※2。「積極的には使っていない」という慎重派が多いとはいえ、日本全体の平均値と比較した場合には、医師群の利用率の高さを予測できる結果となった。※1「ICTによるインクルージョンの実現に関する調査研究」(2018年)※2「利用はしているが閲覧中心」:今回の医師調査では「利用している/閲覧のみ」の回答者、総務省統計は「自ら情報発信や発言することよりも他人の書き込みや発言等を閲覧することのほうが多い」「ほとんど情報発信や発言せず、他人の書き込みや発言等の閲覧しか行わない」の回答者を合計したもの。

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仕事に関連した精神的疲労と不眠症リスク

 ノルウェー科学技術大学のEivind Schjelderup Skarpsno氏らは、仕事に関連した精神的疲労と不眠症状リスクとの将来にわたる関連性を調査し、余暇がこの関連性に影響を及ぼすかについて、検討を行った。Behavioral Sleep Medicine誌オンライン版2019年7月15日号の報告。 対象は、ノルウェーHUNT研究の調査に2回連続で参加した女性8,464人と男性7,480人。1995~97年のベースライン時に、不眠症状の認められない就労者に関する縦断的なデータを調査した。2006~08年のフォローアップ期間において、ベースライン時の仕事に関連した精神的疲労と、余暇の身体活動に関連した不眠症状の調整リスク比(RR)および95%信頼区間(CI)を算出するため、ポアソン回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・就労日後、常に精神的疲労を経験していた人は、経験したことがない、またはめったにない人と比較し、不眠症状のRRが女性2.55(95%CI:1.91~3.40)、男性2.61(95%CI:1.80~3.78)であった。・この関連は、余暇の身体活動による強い修正効果は認められなかったが、常に精神的疲労を経験している就労者の不眠症状のRRは、低い身体活動で3.17(95%CI:2.28~4.40)、高い身体活動で2.52(95%CI:1.89~3.39)であった。 著者らは「高認知作業負荷によって引き起こされる仕事に関連した精神的疲労は、不眠症状の強いリスク因子であることが示唆された。余暇の身体活動に明らかな修正効果は認められなかったが、低い身体活動を伴う仕事に関連した精神的疲労を経験した就労者で、不眠症状リスクが最も高かった」としている。

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喘息患者の3 人に1 人は救急経験あり

 アストラゼネカ株式会社は、気管支喘息患者を取り巻く現状や喘息治療の実態を明らかにすることを目的とした患者調査を全国3,000名の患者に実施し、その結果が公表された。 調査結果は今回発表の「喘息患者さんの予定外受診・救急受診・救急搬送の現状」編のほか、「喘息患者さんの通院・服薬の現状」編、「重症喘息患者さんの現状」編という3つのテーマで公開される。監修は東田 有智氏(近畿大学病院 病院長)が担当した。●調査概要調査実施日:2019年4月15~26日実施方法:インターネット調査対象:全国の気管支喘息患者 3,000名(気管支喘息と診断されて直近1年以内に通院または入院の経験あり)性別:男性1,539名、女性1,461名発作で救急搬送されたことを主治医に伝える患者は半数 「気管支喘息の症状のコントロールについて」という問いでは、「症状がコントロールされた状態」と回答した患者が73.6%、「少し不十分」が24.1%、「まったくコントロールされていない」が2.2%と、おおむねコントロールできている患者が多数を占めた。 「現在の喘息治療で、喘息のない人と同じ日常生活を送れているか」という問いでは、「非常にそう思う」と回答した患者が20.8%、「どちらかというとそう思う」が48.8%、「どちらともいえない」が16.3%、「どちらかというとそうは思わない」が10.9%、「まったくそう思わない」が3.2%と、約7割の患者が健康な人と同じ日常生活を送っていると回答した。 「気管支喘息のために予定外受診、救急受診、入院などを経験した頻度はどれくらいか」という問いでは、「月1回以上」と回答した患者が12.3%、「月1回未満~年1回以上」が26.2%、「ここ1年はない」が61.5%だった。約6割の患者が急変した状況の診療がないと回答した。地域別でみると九州・沖縄地方(19.7%)、中部地方(12.1%)、四国地方(12.0%)で「月1回以上」と回答した患者が多かった。 「これまでに、気管支喘息の発作で救急搬送されたり、救急受診をしたことがあるか」という問いでは、「ある」と回答した患者が34.6%、「ない」が65.4%だった。地方別では、九州・沖縄地方(40.3%)、近畿地方(37.2%)、四国地方(36.1%)の順で多かった。 救急受診・救急搬送経験者(n=1,038)に「主治医に救急受診したことを伝えたか」という問いでは、「はい」と回答した患者が53.7%、「いいえ」が27.4%、「わからない」が18.9%だった。 「医師から説明を受けて、気管支喘息の悪化に関連しているものは何か」という問いでは、「好酸球の増加」(76.5%)、「ダニなどのアレルゲン」(62.5%)、「喫煙」(59.8%)、「妊娠」(58.3%)、「過去の重篤な発作」および「鼻炎・副鼻腔炎」(52.1%)の順で多かった。さらなる医師と患者のコミュニケーションの進展が治療のカギ これらの調査を踏まえ監修の東田 有智氏は「今回の調査結果から、6割に上る患者が、自分の症状はコントロールされている、あるいは、喘息の無い人と同じ日常生活を送れている、と感じていながら、ガイドラインで『コントロール不十分』『コントロール不良』と定義される状態にあると考えられることが示された。さらに、患者の3人に1人が喘息発作で救急搬送や救急受診などを経験している実態も明らかとなったほか、救急搬送を経験した患者の半数は主治医にその旨を伝えていた。そのほか、自分の症状悪化の要因が『好酸球の増加』であると、医師から説明を受けて認識している人が7割に上るなど、患者と主治医との間のコミュニケーションの現状もわかった。引き続き患者と主治医とがコミュニケーションを取り、患者がそれぞれの症状にあった治療に出会い、健康な人と変わらない日常生活を送ることを願う」とコメントを寄せている。

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非糖尿病者でHbA1cとがん発症にU字型の関連

 HbA1cとがん発症との関連を経時的に評価するため、聖路加国際病院の小林 大輝氏らがHbA1cを複数回測定する縦断研究を実施した。その結果、非糖尿病者においてHbA1cレベルとがんリスクとの間にU字型の関連がみられたが、前糖尿病レベルで追加リスクは認められなかった。また、HbA1c低値が乳がんおよび女性性器がんの発症と関連することが示唆された。Acta Diabetologica誌オンライン版2019年8月9日号に掲載。 本研究は、聖路加国際病院で実施された後ろ向き縦断研究で、2005~16年に同病院で自主的に健康診断を受けたすべての参加者を含む。アウトカムはがん発症で、HbA1cレベルのカテゴリー間で比較した。HbA1cの変動を考慮するために、HbA1cの経時的な測定を適用した混合効果モデルを使用し縦断的に分析した。 主な結果は以下のとおり。・糖尿病ではない7万7,385人(平均年齢44.7歳、男性49.4%)が参加した。・追跡期間中央値の1,588日(四分位範囲:730~2,946)で、4,506人(5.8%)の参加者にがんが発症した。・HbA1cとがん発症の関係はU字型で、HbA1c 5.5~5.9%の群と比べたオッズ比(OR)は、HbA1c低値群(5.0%未満におけるOR:1.31、95%CI:1.17~1.46)、HbA1c高値群(7.5%以上におけるOR:1.87、95%CI:1.03~3.39)とも有意に高かった。・最も低いHbA1cでは、乳がん(OR:1.5、95%CI:1.21~1.86)と女性性器がん(OR:1.57、95%CI:1.04~2.37)のオッズがより高かった。

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遺伝学的に血清Caが高い人は骨折しにくいのか/BMJ

 正常カルシウム値の集団において、血清カルシウムを増加させる遺伝的素因は、骨密度の上昇とは関連せず、臨床的に意義のある骨折予防効果をもたらさないことが、カナダ・マギル大学のAgustin Cerani氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2019年8月1日号に掲載された。カルシウム補助剤は、一般住民において広く使用されており、骨折リスクの低減を意図して用いられることが多いが、冠動脈疾患のリスクを増大させることが知られており、骨の健康への保護効果は依然として不明とされる。遺伝学的血清カルシウム増加の影響を評価するメンデル無作為化研究 研究グループは、遺伝学的に増加した血清カルシウムが、骨密度の改善や骨粗鬆症性骨折の抑制をもたらすかを評価する目的で、メンデル無作為化研究を行った(カナダ衛生研究所[CIHR]などの助成による)。 解析には、(1)UK Biobankコホートの遺伝子型と骨密度のデータ、(2)英国、米国、欧州、中国の25のコホートの遺伝子型と骨折のデータ、(3)欧州の17のコホートの遺伝子型と血清カルシウム値のデータの要約統計量を使用した。 6万1,079例の血清カルシウム値のゲノムワイド関連メタ解析データを用いて、血清カルシウム値の遺伝的決定因子を同定した。次いで、UK Biobank研究のデータを使用して、血清カルシウム値上昇の遺伝的素因と、平均カルシウム値が正常範囲の42万6,824例の骨密度(踵骨の超音波測定)との関連を評価した。 さらに、平均カルシウム値が正常範囲の骨折症例7万6,549例と対照47万164例を含む24のコホートとUK Biobankのデータを用いて、骨折のゲノムワイド関連メタ解析を実施した。ベネフィットよりリスクが大きい可能性 カルシウム増加と関連する7つの一塩基多型はいずれも、骨密度および骨折との間に有意なゲノムワイド関連を認めなかった(すべてのp>0.08)。 逆分散法によるメンデル無作為化分析では、遺伝学的な血清カルシウム値の1標準偏差(0.13mmol/L、0.51mg/dL)の上昇は、骨密度の上昇(0.003g/cm2、95%信頼区間[CI]:-0.059~0.066、p=0.92)および骨折リスクの低下(オッズ比:1.01、95%CI:0.89~1.15、p=0.85)と関連しなかった。 潜在的な多面的作用(pleiotropic effect)を探索するために、3つの感度分析を行ったが、エビデンスは得られなかった。 また、アジア人家系のコホートの影響を評価するために、中国南部で行われた研究(HKOS)を除外して、骨折のゲノムワイド関連研究のメタ解析を行ったところ、操作変数の要約統計量およびメンデル無作為化の結果は、主解析と実質的に同一であり、アジア人家系の影響は認めなかった。 著者は「生涯にわたって遺伝学的に誘導された血清カルシウムの増加が、長期的なカルシウム剤の補充の効果をどの程度再現するかは不明である」とし、「遺伝学的に増加した血清カルシウムは冠動脈疾患のリスク上昇と強く関連するため、一般住民におけるカルシウム補助剤の広範な普及は、ベネフィットよりもリスクが大きいと考えられる」と指摘している。

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保存期CKD患者の貧血治療が経口薬で(解説:浦信行氏)-1101

 従来、CKDに合併する腎性貧血は透析例も含めて赤血球造血刺激因子製剤(ESA)が治療の主体であった。roxadustatは経口投与の低酸素誘導因子(HIF)の分解酵素阻害薬であり、結果的にHIFを安定化させて内因性エリスロポエチン(EPO)の転写を促進して腎性貧血の改善を促す。現在、roxadustatを含めて5製剤が開発中である。同時に鉄吸収や肝臓からの鉄の放出を抑えるヘプシジンの産生を抑制して、鉄利用を高める作用も併せ持つ。 今回の第III相の結果は貧血改善に著効を呈し、しかも反応も2~3週間後の早期から期待できるようだ。これにはEPO産生の増加だけでなく、EPOの受容体も活性化し、加えて鉄供給・利用も連動することによると考えられる。これまでは保存期CKDは2~4週ごとのESAの皮下または静脈注射を余儀なくされ、また、EPO抵抗性の症例もあることから、HIF刺激薬は治療利益が大きいと考えられる。また、LDLコレステロールも25.3mg/dL低下し、有意な減少であったため付加価値的要素もあるが、同時にHDLコレステロールも10mg/dL程度低下するため、その価値は大きくはなさそうである。一方でHIF刺激の結果、長期的には血管新生を惹起する可能性は否定できず、糖尿病症例の網膜症悪化や、腫瘍進展のリスクの懸念は残るので、長期的なリスクの評価が必要と考える。

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第26回 “上品な”不整脈のトリセツ【Dr.ヒロのドキドキ心電図マスター】

第26回:“上品な”不整脈のトリセツ2018年8月末から隔週連載でスタートしたドキ心も今回で26回目。約一年が経過しましたが、すべては皆さまのおかげです。でもね、正直まだ全然話し足りない! 心電図には魅力的な話題があと2倍、5倍、いや10倍はあるんですよ!(ただのオシャベリなだけかも…)前2回のエッセーで途切れてしまいましたが、今回は、ここ数回で登場している「ラダーグラム」を用いて、心室期外収縮(PVC)の秘密にDr.ヒロが迫ります!症例提示68歳、男性。心筋症のため循環器科に通院中。以下に定期外来での心電図を示す(図1)。(図1)定期外来時の心電図画像を拡大する【問題1】心電図所見として正しいものを2つ選べ。1)右房拡大2)心室期外収縮3)心房期外収縮4)右室肥大5)QT延長解答はこちら2)、5)解説はこちら「心筋症」および「循環器科に定期通院」というフレーズから何らかの心臓病がありそうな准高齢者ですね。1問目はいつもと同じ。「系統的判読」で読んでいきましょう(第1回)。1)×:ここは“ピッタリ”部分の確認。「右房拡大」では、下壁誘導、つまりニサンエフでP波の“ツンッ”(尖鋭化)と増高(2.5mm以上)が特徴です。むしろ本例では、IIとV1誘導に着目すれば、以下の「左房拡大」の基準にほぼ該当します。(図2)左房拡大の診断基準杉山 裕章. 心電図のみかた・考え方(応用編).中外医学社;2014.p.26-27を改変.画像を拡大する2)○:大半を占める心拍のP波は“イチニエフの法則”を満たすので、基本的には「洞調律」でOKです。残る肢誘導2、5拍目と胸部誘導2拍目だけQRS波形が異なっています。洞周期から予想される位置よりも“先行”して出て、どう見ても異質なカタチ、幅もワイドでP波の随伴もありません。これは「心室期外収縮」(PVC)でいいでしょう。3)×:「心房期外収縮」(PAC)の場合、基本は洞収縮QRS波と同じ波形、先行P波(P'波)があるはずですが、これには該当しません。4)×:1)に続き、これも“左右違い”(笑)。正しくは「左室肥大」です。左側胸部誘導(V4~V6)でQRS波形同士が重なって見える“密集感”と“ストレイン・パターン”(strain pattern)と呼ばれる典型的なST-T変化を認めます(下行型ST低下と陰性T波の組み合わせ)。5)○:今まであまり扱わなかった“バランスよし!”の部分です。QT間隔(QRS波の「はじまり」~T波の「おわり」)を目視でR-R間隔と比べましょう(目視法)。機械に頼るのも一手です。補正値(QTc)がいずれも上限450ms(0.45秒)を大きく越えており、「QT延長」と言えます。以上、診断をまとめます。この方の基礎疾患は「肥大型心筋症」(HCM)でした。いずれの所見も“さもありなん”な典型心電図だと思います。考えられる心電図診断をまとめると次のようになります。心電図診断心室期外収縮(頻発性)左房拡大左室肥大QT延長【問題2】肢誘導からI誘導の抜粋を示す(図3)。本リズム・ストリップ(rhythm strip)のラダーグラムを描け。(図3)I誘導のみ抜粋画像を拡大する解答はこちら図4の下図(図4)肢誘導(I誘導)のラダーグラム画像を拡大する解説はこちら期外収縮のポイントである『線香とカタチと法被が大事よね』の“大事よね”は何でしたか? …ええ、回復周期(または休止期)の「代償性」です。そして、ここでも出た「ラダーグラム」! 胸部誘導では、洞収縮部分に若干のR-R間隔に不整(洞[性]不整脈?)があるため、あえて肢誘導で鋭く見やすいP波のあるI誘導をチョイスしています。洞収縮では当然QRS波の手前、そしてPVCではST部分かT波上行脚に“トンガリ”があり、これがP波です。P-P間隔はほぼ整であることもわかるでしょう。PVC直後のP波にはQRS波が続かず、この「1拍抜ける」メカニズムを描くには、「不応期」という概念が必要です。“逆行性シグナルは不応期を残す”今回のレクチャーのポイントは、“お上品”なPVCのラダーグラムを描くこと。PVCの“上品さ”とは、洞結節の活動(ペース)には干渉しないことを意味するのでした(第21回)。洞収縮のラダーグラムに関しては、すでに扱っていますから(第22回、第23回)、PVCの前後を含む(肢誘導)3~6拍目を抜き出して解説しましょう。ボクがまだまだ若手だった頃、PVCによる“脈飛び”は、洞結節、心房を経て下向き(心室方向)に伝わる興奮と、PVC起源である心室からの上向き(心房方向)興奮とが房室結節あたりで“ぶつかる”ためと思っていました。この「衝突モデル」、まったくダメかと言うとそうではないのですが、実にオシイ。今回は詳しく述べませんが、これでは説明不能な現象(間入性PVCなど)があります。洞結節にはじまる興奮は刺激伝導系という“高速道路”を通りますから、心房、房室結節までは瞬時に伝わります。ただ、心房から心室への“関所”(房室接合部)を抜けるときだけ時間がかかります。“ETC”ではなく、“料金所”で財布から小銭を出して支払っているイメージでしょうか(笑)。一方、多くのPVCは刺激伝導系から外れた“片田舎”で発生し、“下道”をノンビリと心房に向かうシグナルを送ります。この片方は「上から下」、もう片方が「下から上」のシグナルは心房と心室の“はざま”である「房室接合部」で拮抗することになります。ここは、ラダーグラムでは「A-V」フロアと表記するのでした(第22回)。P波とQRS波の時間的な前後関係を考慮すると、このゾーンに心室からの“逆走”刺激が先に到着し、一部の組織を興奮させます。ボクはこの所見を見ると、かつてのチビDr.ヒロが熱中した『ゼルダの伝説~リンクの冒険~』に登場し、勇者リンクがマスターする“上突き”と言われる技のイメージが頭をよぎります(笑)ボク的には“グサッ”と音が出んばかりに“爪痕”を残すイメージです。実際には、PVC起源からのシグナルが房室接合部のどこまで突き刺さるかは、出る場所やタイミングなどいくつかの要素が関係します。ただ、「A-V」フロア領域の一部が強制的に興奮させられた結果、その後しばらく興奮できない“休憩時間”に入るということが大事。“グサッ”と剣でやられて“ウギャー”となって、しばらく傷を癒やすのに時間を必要とし、その時間が「不応期」(refractory period)ということになります。このようにPVCからの“上突き”は体表面心電図には表れない、いわば“空想の産物”(正式名称は「不顕(または潜伏)伝導」[concealed conduction])なのですが、不整脈を理解する“キモ”の一つです。この用語は初学者には難しいかと思うので、 “上突き”でいいと思います。これより以下の話は、やや古典的な概念だと仰せの方もいるかもしれませんが、“ニバイニバーイの法則”を満たすPVCの性質を理解するのに便利なのでご紹介します。“2種類の不応期とPVCラダーグラム”不応期には2つの時相があります。まず1つ目。興奮した(“上突き”された)直後は“永遠の眠り”と思わせるような「絶対不応期」(ARP:absolute refractory period)と呼ばれる時期。この間は、いかに大きな声で呼ぼうと、体を揺り動かそうと、電気ビリビリを流そうとも房室接合部の心筋は目覚めません。この時期が一定時間続いた後、心筋たちは「相対不応期」(RRP:relative refractory period)に突入します。これが2つ目の不応期になります。房室接合部は、この時期も基本“居眠り中”で、つまり上(心房)からの電気刺激は通れないはずなのですが、タイミングなどの関係で“寝ぼけマナコ”で反応することがあります。その場合、通常よりはだいぶ減速はするものの、洞結節からの“使者”の通過を許すことになるのです。通常のPVCの多くは、回復周期が「代償性」となり、PVCを挟むR-R間隔*が洞周期の2倍となります(ニバイニバーイの法則)。そのためには、洞結節がほかに乱されず己のペースで興奮し続けることと“洞結節発”の興奮が1回遮断される必要があります。前者はPACと違って、PVCでは「リセット現象」が起こらないことで、そして後者はシグナルが房室接合部の「絶対不応期」にぶつかることで理解すればいいのです。*:より正確には「P-P間隔」ですが、おおむね「R-R間隔」で代用できるのでした(第21回)。ラダーグラムでは、PVCからの“上突き”が残す不応期の「絶対」ゾーン(ARP)にぶつかる様子を描きます。直後の「相対」ゾーン(RRP)ではありませんよ。そして同時に、PVCの影響は「房室接合部(A-V)」フロアにとどまり、洞結節の興奮ペースに影響を与えないことも理解してもらえるでしょうか。これが“干渉”しない“上品さ”なんです。以上の様子を(図5)に示すので、カラー線部分にご注目下さい。(図5)PVCラダーグラム~不応期とともに~画像を拡大する1回こそ絶対不応期の「壁」に阻まれ遮断されたものの、左から4つ目の洞結節シグナルは予定通りP波を作り、そして房室接合部から心室に通じて何もなかったかのように涼しい顔で“いつも通り”のQRS波を作ります。これを理解すれば、もう皆さんは回復周期が代償性を示す“上品な”PVCのラダーグラムを描くことができ、自然と“ニバイニバーイの法則”も理解できているはずです。「不応期」の帯を取って遠目で眺めれば、実は上からと下からの刺激が“ぶつかる”感じに相違ない様子が描写されており(図4)、未熟なかつてのDr.ヒロのイメージもあながち悪くはないのかもしれません。このラダーグラムを一度図示しておけば、PVCの重要な性質も理解でき、かなり強固な記憶として定着するかと思います。“「相対不応期」も少しだけ”ちなみに、「相対不応期」のほうはと言えば、「間入性(interpolated)PVC」と呼ばれる、やや特殊なPVCを理解するのに役立ちます。「間入性PVC」では、PVCを挟む洞収縮の距離(R-R間隔)が“ほぼ洞周期”、つまりイチバイ(1倍)に近くなります*2。きれいに“ピッタリ2倍”の「代償性PVC」とは異なり、実際には“1倍ちょっと”のR-R間隔になるケースが大半で、そのカラクリを理解するカギが「相対不応期」があります。折をみて、この点に関しても解説したいですが、今回はこれで終わりましょう。*2:P波が見えないこともありますが、「P-P間隔」なら“ピッタリ1倍”、つまり洞周期そのものです。Take-home MessagePVC起源からの“上突き”は房室接合部に不応期を残す。“ニバイニバーイの法則”も絶対不応期を意識したラダーグラム描画で理解できる!【古都のこと~三明院】三明院(さんめいいん)は、三宅八幡宮から徒歩数分の場所にあります。初めて八幡宮に行った時に、道の途中でひときわ目立つ朱色の建物に遭遇しました。神社関連施設なのかと思ったら、こちらは真言宗の「お寺」でした。明治39年(1906年)開山と京都の中では比較的新しい寺院で、当然ながら弘法大師が本尊です。ボクが気になった仏塔は多宝塔*といい、「宝(方)形造」と呼ばれる“四角錐屋根”型の上に相輪が立ち、四隅に鎖をかけるのがお決まりのデザインなのだそう。この三明院は“隠れ紅葉スポット”で、多宝塔の朱色味がより一層増して感じられる秋にぜひまた訪れようと思いました。おっと、本堂でのお参りも忘れずにね。*:釈迦と多宝如来の二仏を祀る。毎月1日にご開帳される。

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加熱式タバコに含まれる未知の物質【新型タバコの基礎知識】第6回

第6回 加熱式タバコに含まれる未知の物質Key Points加熱式タバコには、タバコ会社の報告よりも実際には多くの化学物質が含まれている。これらの化学物質の有害性はデータが不十分で、未知なものが多い。第5回では、加熱式タバコからも紙巻タバコと同じぐらい多くの種類の有害物質が出ているということをご紹介しました。しかし、これらも加熱式タバコに含まれる有害物質の中の、一部に過ぎません。2012年に米国食品医薬品局(FDA)は、タバコ製品から出る93種類の有害物質を指定し、これらについては調査・報告することをタバコ会社に求めました。しかし、フィリップモリス社が米国でアイコスを申請*1した際に報告した化学物質は58種類で、ここにはFDAが求めた有害物質93種類のうちの40種類しか含まれなかったという事実があります*2。このとき報告されなかった53種類のうちの50種は、発がん性物質でした1)。実は、フィリップモリス社はこの米国での申請過程における補足資料で、113種類の化学物質が測定されたという結果を一度は報告していました(前述の58種類のうちの56種類の他に、それ以外の57種類が報告されていた)。同社は、報告した58種類のうちの9種の有害物質ではアイコスの方が量が少なかったことを根拠にして、“紙巻タバコと比べて有害物質が約90%低減している”と宣伝・広告しており、この9種類以外の物質量については言及していないのです。補足資料で報告されたものの、その後同社が報告しなかった57種類の化学物質について、その含有量をみると、実は、1種類を除く56種類の化学物質で、アイコスから紙巻タバコよりも多くの量が検出されていました。22物質では3倍以上になっており、7物質では10倍以上になっていたのです。これらの化学物質の有害性はデータが不十分で未知なものが多いのが現状です。しかし、それらの物質そのもの、そして複合的に作用することによる毒性が、アイコス全体の有害性を構成する主成分となる可能性もあります。

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統合失調症におけるムスカリン性アセチルコリン受容体の役割

 統合失調症の病態生理において、ムスカリン受容体機能障害が重要な役割を担っていることが示唆されている。最近、神経伝達物質受容体に対する免疫反応性が、統合失調症のいくつかのケースにおいて、病原性の役割を担う可能性についても明らかとなっている。オーストラリア・クイーンズランド大学のAlexander E. Ryan氏らは、統合失調症におけるムスカリン受容体機能障害のケースをレビューし、この機能障害からムスカリン受容体標的抗体の開発が支持されるかについて検討を行った。The Australian and New Zealand Journal of Psychiatry誌オンライン版2019年7月26日号の報告。 統合失調症におけるムスカリン受容体の研究および抗ムスカリン性アセチルコリン受容体抗体の存在と潜在的な役割についてレビューを行った。 主な結果は以下のとおり。・ムスカリンシグナル伝達の変化または欠乏が、統合失調症のいくつかの重要な臨床的特徴の根底にあるとのエビデンスが蓄積されている。・統合失調症における抗ムスカリン性アセチルコリン受容体抗体について調査した研究は比較的少ないが、このような抗体が一定の割合の患者に存在することが一貫して認められた。・統合失調症において、これらの抗体が病原性作用を有する、または未知の病態生理学的過程に対するバイオマーカーとして存在することが示唆された。 著者らは「高レベルの抗ムスカリン性アセチルコリン受容体抗体の存在は、統合失調症患者のサブグループを特定し、病因や臨床症状、治療に役立つ可能性がある。これまでの研究では、とくに抗精神病薬治療を長期にわたり受けている慢性期統合失調症患者を対象としている。抗精神病薬は免疫機能を調整し、受容体濃度を調整するため、今後の研究では、初回エピソード統合失調症患者における抗ムスカリン抗体の存在をスクリーニングすることが推奨される」としている。

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乳がんリンパ浮腫のセルフケア、Webとパンフレットどちらが効果的

 乳がん治療関連リンパ浮腫(breast cancer-related lymphedema:BCRL)患者のケアに対するウェブベースのマルチメディアツールを用いた介入(Web Based Multimedia Intervention:WBMI)の結果が示された。米国・ヴァンダービルト大学のSheila H. Ridner氏らによる検討で、WBMIを受けた患者は、対照(パンフレットのみ)より生物行動症状(気分)が改善し、介入に対する知覚価値も高いことが示されたという。ただし、WBMI群は完遂率が低く、他の評価項目については大きな違いはみられなかったとしている。Journal of Women's Health誌オンライン版2019年7月17日号掲載の報告。 研究グループは、BCRLを有する女性患者の症状負荷、機能、心理面の健康、費用および腕の体積に対するWBMIの効果を評価する目的で、患者をWBMI群(80例)および対照群(80例)に無作為に割り付けた。WBMIは12項目から成り、それぞれ約30分を要した。対照群へは、パンフレットを提供するのみで、読むのに約2時間を要した。 介入前および介入後1、3、6および12ヵ月時に症状負荷、心理面の健康、機能および経費に関するデータを収集し、45例のサブグループは介入前および介入後3、6および12ヵ月時に腕の細胞外液量を生体インピーダンス法で測定した。また、介入に対する知覚価値についても調査した。 主な結果は以下のとおり。・介入の完遂率は、WBMI群58%、対照群77%で、統計学的に有意な差があった(p=0.011)。・Lymphedema Symptom Intensity and Distress Scale-Arm(LSIDS-A)に基づく症状の評価では、生物行動症状(気分)数はWBMIで減少を示したが、その他の症状については2群間で統計学的な有意差がなかった(効果量:0.05~0.28、p>0.05)。・他の変数の変化については、2群間で有意差は観察されなかった。・WBMIは、パンフレットよりもセルフケア情報が優れていると認識されていた(p=0.001)。 WBMIは生物行動症状を改善し、より質の高い情報と認識された。他の変数において統計的な有意に至らなかったのは、WBMI患者の介入完遂率の低さが影響している可能性があると筆者は結んでいる。

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心房細動を洞調律から検出、AI対応ECGによるPOCT/Lancet

 新たに開発された人工知能(AI)対応心電図(ECG)アルゴリズムを用いた臨床現場即時検査(point of care test:POCT)は、標準12誘導ECGで洞調律の集団の中から心房細動患者を同定できることが、米国・メイヨー・クリニックのZachi I. Attia氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年8月1日号に掲載された。心房細動は無症状のことが多いため検出されない場合があるが、脳卒中や心不全、死亡と関連する。既存のスクリーニング法は、長期のモニタリングを要するうえ、費用の面と利益が少ないことから制限されている。機械学習を用い、迅速かつ安価なPOCTを開発 研究グループは、機械学習を用いて、心房細動患者を同定するための迅速かつ安価なPOCTを開発する目的で、後ろ向きのアウトカム予測解析を行った(特定の研究助成は受けていない)。 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用い、標準12誘導ECG(10秒)で洞調律の患者において、心房細動発現のECG上の特徴を検出するAI対応ECGを開発した。 対象は、1993年12月31日~2017年7月21日の期間に、メイヨー・クリニックのECG検査室で、仰臥位での標準12誘導ECGを1回以上受け、洞調律であった年齢18歳以上の患者であった。ECGで1回以上の心房細動または心房粗動の調律がみられた患者を心房細動とした。全患者およびそのECGのデジタルデータを、訓練データセット、検証データセット、テストデータセットに、7対1対2の割合で無作為に割り付けた。 テストデータセットに適用する確率閾値を選択するために、検証データセットの受信者動作特性曲線(ROC)の曲線下面積(AUC)を算出した。AUCおよび精度、感度、特異度、F1値とともに、その両側95%信頼区間(CI)を算出し、テストデータセットを用いてモデル性能を評価した。洞調律ECG上のわずかなパターンを検出 18万922例の64万9,931件の洞調律ECGが解析に含まれた。12万6,526例(ECGデータ45万4,789件、患者1例当たりのECG件数3.6[SD 4.8]件)が訓練データセットに、1万8,116例(6万4,340件、3.6[SD 4.8]件)が検証データセットに、3万6,280例(13万802件、3.6[SD 4.9]件)がテストデータセットに割り付けられた。訓練データセットを用いてモデルが構築された。 全体の平均年齢は60.3(SD 16.5)歳、男性が8万9,791例(49.6%)であり、モデルにより1万5,419例(8.5%)で1回以上の心房細動が記録された。検証データセットでは1,573例(8.7%)で、テストデータセットでは3,051例(8.4%)で、それぞれ1回以上の心房細動が検出された。 個々の患者の初回洞調律ECGに関してモデル性能を評価したところ、AI対応ECGによる心房細動検出のROC AUCは0.87(95%信頼区間[CI]:0.86~0.88)、感度は79.0%(77.5~80.4)、特異度は79.5%(79.0~79.9)、F1値は39.2%(38.1~40.3)であり、全体の精度は79.4%(79.0~79.9)であった。 同じ患者の関心期間(心房細動が記録されていない患者は初回ECG施行日以降、記録されている患者は記録されたECG施行日の31日前以降)の最初の1ヵ月に得られたすべての洞調律ECGに関して、モデル性能を評価すると、ROC AUCが0.90(0.90~0.91)へと改善し、感度は82.3%(80.9~83.6)、特異度は83.4%(83.0~83.8)、F1値は45.4%(44.2~46.5)、全体の精度は83.3%(83.0~83.7)へと、それぞれ向上した。 著者は、「これらの知見は、洞調律ECG上のわずかなパターンが、心房細動の発現を示唆する可能性があるとの仮説を支持するものである」とまとめ、「検出されずに見落とされる可能性のある心房細動患者を、安価で非侵襲的、かつさまざまな環境で利用可能なPOCTを用いて同定することは、心房細動のスクリーニングや、原因不明の脳卒中の既往歴のある患者のマネジメントにおいて、重要な実臨床上の意義を有する」と指摘している。

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慈善団体の患者支援プログラム、経済的困窮者の多くが対象外/JAMA

 米国の大規模な独立慈善団体が運営する疾患別患者支援プログラム(274件)の97%が、無保険患者を対象外としており、また、プログラムがカバーしている医薬品の年間薬剤費はカバー対象外の医薬品と比べ3倍以上であることが、同国ジョンズホプキンス大学のSo-Yeon Kang氏らの調査で示された。研究の詳細は、JAMA誌2019年8月6日号に掲載された。米国の独立慈善団体による患者支援プログラムは、高額な処方薬への患者アクセスを改善するが、最近の連邦政府の調査では、薬剤費の増大や反キックバック法違反の疑いが生じている。また、これらプログラムの構成や患者の適格基準、カバーされる医薬品の詳細はほとんど知られていないという。6つの慈善団体のプログラムの記述的横断研究 研究グループは、米国の独立慈善団体による患者支援プログラムの適格基準と、プログラムによってカバーされている医薬品の詳細を調査する目的で、記述的横断研究を行った(Arnold Venturesの助成による)。 調査対象は、2018年において、メディケア加入者に限定せずに患者支援プログラムを提供する、6つの大規模な独立慈善団体(CancerCare Co-Payment Assistance Foundation、Good Days、The HealthWell Foundation、The PAN Foundation、The Patient Advocate Foundation Co-Pay Relief、Patient Services Incorporated)であり、274件の疾患別の患者支援プログラムを提供していた。 医薬品を同定するために、Medicare Part D Drug Spending Dashboardで報告されるあらゆる使用医薬品と、2016年のメディケア受給者1人当たりの支出額が1万ドル超であったあらゆる特許切れ先発医薬品についてサブグループ解析を行った。 主要アウトカムは、患者支援プログラムの特性(支援のタイプ[支払金の補助、健康保険料補助]、健康保険要件の有無、所得の適格条件など)とした。副次アウトカムは、患者支援プログラムがカバーしている医薬品のコスト(薬剤費)、およびカバーしている高額な特許切れ先発医薬品vs.代用可能な後発医薬品の比較などであった。プログラム対象医薬品の年間薬剤費中央値は1,157ドル、対象外医薬品は367ドル 解析に含まれた6つの独立慈善団体の2017年の収入総額は、2,400万~5億3,200万ドルであった。また、患者支援プログラムの支出総額は2,400万~3億5,300万ドルであり、収入に占める支出の割合は平均86%であった。 これらの団体によって提供された274件の患者支援プログラムのうち、168件(61%)が支払金補助の提供のみを、9件(3%)が健康保険料補助の提供のみを行っており、90件(33%)はいずれか一方を選択可能であった。また、最も多かった保障対象の治療領域はがんまたはがん治療関連症状(113件[41%])と、遺伝性疾患/希少疾患(93件[34%])であった。 267件(97%)のプログラムが、適格基準として保険加入を求めていた(無保険の患者は対象外)。また、259件(94%)のプログラムが、所得(年収)要件として連邦貧困水準の400%(119件[43%]、個人の場合は4万8,560ドル、4人家族では10万400ドル)または500%(140件[51%]、6万700ドル、12万5,500ドル)を設けていた。 プログラム(123件)がカバーしている医薬品の年間受益者当たり薬事費の中央値は1,157ドル(IQR:247~5,609)と、カバー対象外の同薬剤費367ドル(100~1,500)の315%に相当し、高額であった。 特許切れの先発医薬品(薬剤費>1万ドル)は、平均3.1(SD 2.0)件の患者支援プログラムでカバーされていたのに対し、後発医薬品をカバーするプログラムは平均1.2(1.0)件であった。たとえば、ボルテゾミブの先発品をカバーするプログラムは8件であったのに対し、その後発品をカバーするプログラムは1件のみだった。 著者は「これらの知見により、プログラムのいくつかの特徴が、経済的に困窮した患者への有益性を制限し、高額な薬剤の使用を強化している可能性が示唆される」としている。

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収縮期血圧、拡張期血圧ともその上昇は心血管系発症リスクであることを確認(解説:桑島巖氏)-1099

 本論文は130万例という膨大な症例数の観察研究から、収縮期/拡張期血圧の心血管合併症発症リスクを高血圧の定義を130/80mmHg、140/90mmHgに分けて検討したものである。 結果としていずれの定義であっても収縮期血圧、拡張期血圧は、各々独立した発症リスクの予測因子であることが示され、収縮期血圧のリスクは拡張期血圧よりも予測リスクが高いことを証明した。 観察研究において収縮期血圧と拡張期血圧とを各々分け、心血管リスク評価にあたってはその解釈に十分に注意する必要がある。なぜなら加齢変化により収縮期血圧は上昇傾向となり、拡張期血圧は下降傾向をたどるからである。すなわち高齢者により脈圧が大きくなることは多くの臨床家が経験していることである。 観察疫学研究では必ず65歳前後からの心血管疾患発症リスクは、収縮期血圧が上昇するほど右肩上がりに高まる一方で、拡張期血圧は低くなるほど高まりJカーブ現象は必ず認められるのである。しかしこの現象をもって拡張期血圧を80mmHg以下に下げることは危険であるとの誤った判断をして一世を風靡したCruickshank博士(Cruickshank JM. BMJ. 1988;297:1227-1230.)に代表されるような専門医がわが国でも非常に多かったのである。 疫学研究での結果はランダム化試験によって確認される必要があるが、事実Jカーブ現象についてもSPRINT研究では認められていない。 観察研究である本論文でも拡張期血圧と血管リスクとの間にJカーブ現象が観察されているが、その関連性においては年齢およびその他共変量のいずれか1つの関与が示唆されていると述べていることから経年的変化によって生じた現象である事を示唆している。 拡張期血圧最低四分位範囲の対象例では、収縮期血圧の影響がより大きいとの結論を導きだしているのは妥当な解釈といえよう。

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デュラグルチドは心血管イベント低リスク患者においても有用である(解説:住谷哲氏)-1103

 GLP-1受容体作動薬を用いた心血管アウトカム試験CVOTは、経口セマグルチドによるPIONEER 6を除くと、これまでにELIXA(リキシセナチド)、LEADER(リラグルチド)、EXSCEL(徐放型エキセナチド)、SUSTAIN-6(セマグルチド)、Harmony Outcomes(アルビグルチド)の5試験が報告されている。これら5試験と比較して本試験REWINDの特徴は、(1)非劣性試験ではなく優越性試験である、(2)心血管イベントの既往のない1次予防患者が多く含まれている(2次予防患者は全体の31.5%)、(3)女性が多く含まれている(全体の46.3%)、(4)HbA1cが比較的低い(平均7.3%)、(5)観察期間が長い(中央値5.4年)が挙げられる。対象患者の糖尿病罹病期間は10.5年であり、80%以上がメトホルミン、45%以上がSU薬を投与されていることから初回治療患者ではないが、心血管イベントリスクの低い、われわれが日常診療で出会う患者像に比較的近いといって良い。CVOTはすべてランダム化比較試験であるため、介入の有効性efficacy、因果関係causalityを明らかにすることができるが、一般化可能性generalizabilityに問題があるとされている。これまでに発表されたGLP-1受容体作動薬のCVOTの結果が心血管イベントリスクのきわめて高い患者で得られたのに対して、REWINDはより低リスクである患者が多く含まれているため、その結果はわれわれの日常臨床で多くの患者に適用できる可能性がある。 主要評価項目の3-point MACEはプラセボ群の663例(13.4%、2.7件/100人年)に比べ、デュラグルチド群は594例(12.0%、2.4件/100人年)、ハザード比[HR]:0.88、95%信頼区間[CI]:0.79~0.99、p=0.026とデュラグルチド群で有意に減少した。その内訳は、非致死的脳卒中(HR:0.76、95%CI:0.61~0.95、p=0.017)はデュラグルチド群で有意に減少したが、心血管死(0.91、0.78~1.06、p=0.21)と非致死的心筋梗塞(0.96、0.79~1.16、p=0.65)は両群間に有意差を認めなかった。さらに総死亡も両群間に差はなかった(デュラグルチド群536例[10.8%]vs.プラセボ群592例[12.0%]、HR:0.90、95%CI:0.80~1.01、p=0.067)。 SGLT2阻害薬のCVOTの結果はすべての試験でほぼ一貫した結果が得られているが、GLP-1受容体作動薬の結果は各試験間のばらつきが大きい印象がある。それを長時間作用型vs.短時間作用型、ヒトGLP-1由来vs. exendin-4(トカゲ)由来などの各薬剤間の差に基づいて説明する意見もあるが、筆者は各試験デザインの差、特に患者背景と観察期間の差ではないかと考えている。つまり、患者背景と観察期間を一致させて各薬剤を用いた試験を実施すれば、ほぼ同じような結果が出るだろうと予測している。もしそうであれば、注射回数は少ないほうが良いと思われるので、週1回製剤であるデュラグルチドは他剤に比べて有利だろう(持効型エキセナチドはデバイスと適応の点で難がある)。問題は日本での投与量上限が0.75mgであり、本試験で使用された1.5mgではない点にある。同じGLP-1受容体作動薬であるリラグルチドも長らく投与量上限が0.9mgに設定されていたが、先日国際標準量である1.8mgに変更された。なぜ日本人だけが投与量を少なくする必要があるのか筆者には不明であるが、REWINDのエビデンスを活用するためにも一日でも早く投与量上限が1.5mgに変更されることを期待したい。

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医学論文史上、最凶最悪の誤嚥論文!【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第145回

医学論文史上、最凶最悪の誤嚥論文!いらすとやより使用さて、この論文を紹介するにあたり、虫が嫌いな人はご注意を! 満を持して登場する、私が数多く見てきた中で、最凶最悪の誤嚥論文です。心して読めッ!Vazirani J, et al.A complicated cockroach-ectomy.Respirol Case Rep. 2018;6:e00332.発作性心房細動の既往歴がある42歳男性がゴキブリを吸い込んだ! ということで救急部を受診しました。キャーーーー!!! もうこの時点でアウトーッ!!ゴキブリを吸い込んでしまった後、胸部の圧迫感、息切れ、そして肺の中を虫が動き回る感覚を訴えたそうです。いや、吸い込むってどういうことだよ、と突っ込みたくなるのですが、……おええええ! 想像もしたくない。バイタルサインはおおむね問題なかったのですが、左側の呼吸音が減弱し、喘鳴を聴取しました。ゴキブリ喘鳴。しかし、胸部レントゲン写真では特段異常はみられませんでした。この時点では、「うーん、ゴキブリを吸い込んだ? まさか患者さんの狂言じゃないだろうな…」と主治医も思っていたかもしれません。念のため…と気管支鏡検査を行ったところ、まずちぎれたゴキブリの下半分(腹部以下)が舌区に深く入りこんでおり、その他のゴキブリの破片も気管内に散在していました。疑ってスイマセン、本当でしたね…。見たくない…。見たくないよぉ……!論文には、絶対に見てはいけない「endobronchial cockroach(気管支内ゴキブリ)」の写真が掲載されています。見たい人はどうぞ、PubMedでフリーで読めます。処置の途中、急激に酸素飽和度が低下しました。ゴキブリによるアレルゲン曝露なのか、喉頭痙攣か、とにかく処置が継続できませんでした。いったん中断し、酸素化改善を待つしかありませんでした。その後、残りのゴキブリは咳嗽とともに喀出されたものもあったそうです。状態が落ち着いてきたので、念のため全身麻酔下でもう一度気管支鏡で摘出し、晴れて気管支からゴキブリは消え去りました。ふぅ、やれやれ。その後、患者さんは発熱し、血培からMicrococcus luteusが検出されました。踏んだり蹴ったり。泣きっ面に蜂。ゴキブリの持っていた腐敗菌だったのかどうかはわかりませんが、しかるべき抗菌薬によって治療されました。さて、ゴキブリ誤嚥は、小児で過去に1例報告されています1)。小児や精神科疾患の患者さんでは仕方ないのかなという気持ちはありますが、基本的に元気な成人がこんなもん誤嚥することはないはずです。なぜ誤嚥したのか結局よくわからなかったためか、論文のDiscussionではミクロコッカス菌血症やアレルギーの話が主体になっています(笑)。1)Marlow TJ, et al. J Emerg Med. 1997;15:487-489.

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