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高血圧スクリーニングの脳心血管病予防効果から学ぶべきこと(解説:有馬久富氏)-1107

 中国全土の高齢者を対象としたChinese Longitudinal Healthy Longevity Surveyの成績から、高血圧と診断されたことのない高齢者における血圧測定および発見された高血圧者に対する生活指導・受診勧奨が2~3年後の収縮期血圧を平均で8mmHgも低下させることが明らかとなり、BMJに報告された1)。一般住民における血圧がこれほど劇的に低下した場合、脳心血管病は20~30%減少するものと期待される2)。本研究で有効性の示された高血圧スクリーニングおよび指導は、健診が一般的に行われていない低・中所得国において、有効かつ費用対効果の高い脳心血管病予防戦略となると考えられる。 本研究の結果は、健康診断の普及しているわが国にそのまま当てはまらないかもしれない。しかし、わが国において4,300万人存在すると推計される高血圧者のうち1,400万人(33%)が自らの高血圧を認識しておらず、治療も受けていない3)。わが国の脳心血管病を最大限に予防してゆくために、健診受診率の向上による高血圧者の発見、保健指導実施率の向上、医療機関未受診者の減少のための対策を継続して進めてゆく必要がある。

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第1回 心臓病は社会の中で全身から診る視点が必要

9月13日から3日間、名古屋国際会議場で、第67回日本心臓病学会学術集会が開催される。心臓病の実臨床に重点を置く同学会。大会長の三重大学循環器・腎臓内科学教授の伊藤正明氏は「循環器科の先生はもちろん、他科の先生、開業医、コメディカルの方々を含めた幅広い学びの場を提供したい」と語る。循環器科は心臓だけを診ていてはいけない第67回の日本心臓病学会学術集会では、「原点を学び、未来を創る」「全身を診る、心臓をみる」という2つのテーマを掲げました。「原点」というのは、身体診察で理学的所見を取る、問診で患者さんの訴えを聞く、といういわば医師の基本のこと。若い先生方は、血液検査や心エコーやCTといった画像診断に頼り過ぎ、脈を取る、心臓の音を聞く、といった循環器医の基本をともすればおろそかにしがちです。心臓病学会は、歴史的に実臨床に重きを置いてきた学会なので、今回改めて、そのことを強調させていただきました。一方で、心エコー、CT、MRIといった画像検査が現在の心臓病診療に不可欠なのは言うまでもありません。さらに、それらから得られた情報をIoTなどを使ってより質の高い治療につなげていく、AI、遠隔診療、ロボット手術といったものが「未来」です。これらについては、私のたちの世代のほうがむしろしっかり勉強して、追いついていかなければならない。これからの心臓病の臨床には両方とも大切だと考え、多数のプログラムを用意しました。もう1つ「全身を診る、心臓を診る」というテーマを打ち出したのは、心臓病を全身から捉えるという視点が近年ますます重要になっているためです。心臓病はそれ単独で発症するというわけではなく、全身疾患の一病態として起こるケースが多い。糖尿病や脂質異常症が心筋梗塞の危険因子になるといったことはもちろんですが、肺高血圧症は呼吸器症状として現れ、アミロイドーシスやサルコイドーシスなどは、全身に出る症状や所見を理解していなければ診断できません。こうした観点から考えると、循環器医はもはや心臓だけを診ていてはいけない。心臓をきちんと診られるのは当たり前ですが、全身疾患の中でそれを評価し治療していかなければならないのです。逆に言うと、他科の先生にも心臓病にもっと関心を持って、理解してほしいと思います。循環器とがんが重なる領域であるオンコカーディオロジーが昨今注目されていますが、これなども典型的な流れと言えます。本学会でも「会長特別企画」の1つとして、オンコカーディオロジーのほか、感染症、膠原病、透析、周産期などの境界領域でのプログラムを設けています。心不全パンデミックを防ぐ地域での医療ケア連携現在、私たちの研究室で最も力を入れているは、心不全です。私自身はもともと基礎研究を中心にやってきましたが、今地域に目を向けると、心不全パンデミックとも言われる、高齢化に伴う心不全患者の急増への対応が喫緊の課題だと感じます。しかし、心不全診療は、循環器専門医だけのものではありません。急性期は大学病院をはじめとする大病院で対応しますが、その後の慢性期は地域で継続的にフォローしていただかなければならない。地域の開業医の先生方との連携は不可欠ですし、さらに在宅、施設でケアに携わる多職種のコメディカルスタッフとチームで、社会の中で患者さん一人ひとりを診ていく必要があります。日本心臓病学会の伝統として、ケースを大切にするということがあります。「地域医療/実地医家活動委員会」の企画で、今回は全国9チームでJCCケースカンファレンスを行ってもらいます。「症例から深く学ぶ」と題したシンポジウムも、1例1例を大事にする心臓病学会らしい企画だと思います。地域医療のケースも多数扱いますので、開業医の先生方やコメディカルの方々にも、多岐にわたる最新の心臓病の実臨床を学んでほしいですね。また今回、ACC Asia ConferenceがCourse Directorの福田 恵一氏(慶應義塾大学)とAaron D. Kugelmass氏(米国・タフツ大学)の下、同時開催されます。過去2回は中国で開かれており、日本開催は初めてです。ACC(American College of Cardiology)は教育中心の学会で、欧米タイプの学びを身近で体験する良い機会になると思います。メッセージ(動画)

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第2回 0402通知は薬剤師の職を奪うのか?【噂の狭研ラヂオ】

動画解説「薬剤師以外でも調剤可能」という内容のいわゆる0402通知。国は薬剤師の仕事を奪うつもりなのか?という噂についてハザケンが論じます。狭間先生いわく「これは薬剤師が本来やりたかった対人業務を行うための時間と気力と体力を温存するための段取りの1つ」。非薬剤師との共同について前向きに考えてみましょう!

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ラムシルマブ適応拡大、肝細胞がんは薬を使い切る戦略が鍵に

 ラムシルマブの登場で、肝細胞がんの薬物治療は4剤が使用可能となったが、治療アルゴリズムはどう変化するのか。2019年6月、化学療法後に増悪した血清AFP値400ng/mL以上の切除不能な肝細胞がんに対して、ラムシルマブが適応拡大された。これを受けて8月1日、都内でメディアセミナー(主催:日本イーライリリー)が開催され、工藤 正俊氏(近畿大学医学部消化器内科 教授)が講演した。肝細胞がん薬物治療は、2次治療の選択肢が課題 本邦における肝がんの年間罹患数は約4万人、年間死亡数は約2万7,000人となっている。性別ごとの年間死亡数では、男性では肺、胃、大腸に次ぐ4番目、女性では大腸、肺、膵臓、胃、乳房に次ぐ6番目と、今もって死亡の多いがんといえる1)。肝がんの主要な背景疾患であるC型肝炎の新たな感染が減ったことで、死亡数は漸減の傾向にあるが、食事の欧米化などの影響から、B型/C型ウイルス由来ではない肝細胞がんが増加傾向にある。 肝細胞がんの治療アルゴリズムは、肝予備能(Child-Pugh分類)、肝外転移や脈管侵襲の有無、腫瘍数や腫瘍径から判断される。早期~中間期肝がんでは切除やラジオ波焼灼療法(RFA)、肝動脈化学塞栓療法(TACE)が検討され、進行期(肝外転移もしくは脈管侵襲あり)あるいは腫瘍数4個以上でTACE不応の場合は、分子標的薬による治療が行われる2)。 2009年、肝細胞がんで初めて生存延長を示した分子標的薬として、マルチチロシンキナーゼ阻害薬(mTKI)ソラフェニブが承認された。以降、2017年にソラフェニブ後の2次治療薬としてレゴラフェニブ、2018年にソラフェニブに対する非劣性を証明したレンバチニブが1次治療薬として承認されている。 しかし、ソラフェニブによる治療を受けた患者のうち、レゴラフェニブに適格となる症例は約3割に限られる。そのため、臨床試験は存在しないが、実臨床ではソラフェニブ後のレンバチニブもよく用いられている。また、1次治療でレンバチニブを投与した場合の2次治療薬についても、臨床試験が行われておらず、忍容性の高い2次治療の選択肢が求められている。ラムシルマブの臨床成績(REACH試験/ REACH-2試験) 抗VEGFR-2抗体ラムシルマブは、これまでに胃がん、結腸・直腸がん、非小細胞肺がんで承認されている血管新生阻害薬。投与方法は2週間に1回、60分の点滴静注となっている。肝細胞がんに対するラムシルマブの有効性を検討した最初の第III相試験であるREACH試験は、1次治療でソラフェニブ投与を受けた、BCLC Stage B/C、Child-Pugh分類A、PS 0~1の進行肝細胞がん患者を対象としている。主要評価項目の1つ、全体集団でのOS中央値は、ラムシルマブ群9.2ヵ月 vs.プラセボ群7.6ヵ月と有意差は認められなかった(ハザード比[HR]:0.87、95%信頼区間[CI]:0.72~1.05、p=0.14)。しかし、事前規定されたサブグループであるAFP(α-フェトプロテイン)≧400ng/mL以上の患者では、7.8ヵ月 vs.4.2ヵ月とラムシルマブ群でOS中央値を有意に延長した(HR:0.674、95%CI:0.508~0.895、p=0.0059)3)。 AFPは肝細胞がんの早期発見に有用とされる腫瘍マーカーの1つで、基準値は10.0ng/mL以下。AFP高値は強力な予後不良因子とされており、肝細胞がんの肝切除例についてみたデータでは、AFP値が高くなればなるほど、生存期間が短くなっている4)。これらのことから、REACH-2試験ではAFP≧400ng/mLの患者に対象を絞って、ラムシルマブの有効性が検討された。その結果、ベースライン時のAFP値が3,920ng/mL vs.2,741ng/mLとラムシルマブ群で高かったにもかかわらず、OS中央値は8.5ヵ月 vs.7.3ヵ月とラムシルマブ群で有意に延長した(HR:0.710、95%CI:0.531~0.949、p=0.0199)。 ラムシルマブ群で多くみられたGrade3以上の有害事象は、高血圧(12.2% vs.5.3%)、腹水(4.1% vs.2.1%)、肝性脳症(3.0% vs.0%)など5)。工藤氏は、高血圧については薬でコントロール可能とし、腹水や肝性脳症に注意が必要と話した。また、同氏はラムシルマブによる治療の大きな特徴として、dose-intensityの高さを挙げた。REACH-2試験では、ラムシルマブの投与期間中央値は12.0週間、投与サイクル数中央値は6.0サイクルで、相対dose-intensity中央値は97.9%と非常に高かった。他のTKI3剤で8~9割弱なことと比較して高いほか、日本人サブセットでも同等の高い数値が得られている。ラムシルマブ含めた分子標的薬をTACEを行うことなく選択 レンバチニブ後のラムシルマブ投与については、臨床試験で確認されたものではない。しかし、レンバチニブと比較してVEGFR-2に対する同薬の50%阻害濃度(IC50)が数倍高いこと、抗体薬であることなどから期待できるとし、工藤氏はAFP≧400ng/mL以上の患者に対して実臨床でその有用性を確認していく必要があると話した。 ラムシルマブを含め、肝細胞がん治療に使える4剤は、すべて適応がChild-Pugh分類Aの患者に限られる。つまり、肝予備能を維持しながら次の治療につなげて、薬剤を使い切ることが予後延長の鍵になる、と同氏は説明。これまでは、TACE不応となるのを待って分子標的薬を導入してきたが、今後はより早い段階から、場合によってはTACEを行うことなく薬物療法を選択していくようなケースも出てくるのではないかと話し、薬物療法開始の機会を逃さない戦略が必要になると指摘して締めくくった。 なお、肝治療ガイドラインは2021年改訂予定で作業が進められており、ラムシルマブの適応拡大については、日本肝臓学会のホームページ上での追加が予定されている。

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小児抑うつ尺度-日本語版の信頼性と妥当性

 うつ病は、個人だけでなく社会に大きな悪影響を及ぼす疾患であり、早期発見のための心理学的な評価ツールが求められる。久留米大学の大園 秀一氏らは、アップデートされた小児抑うつ尺度-日本語版(CDI-J)の信頼性および妥当性を評価し、うつ病検出のカットオフ値を設定するため検討を行った。Pediatrics international誌オンライン版2019年7月25日号の報告。 対象は、7~17歳の子供・青年465人。小・中学校の生徒および病院スタッフの子供たちより集められた群を対照群、小児心身外来および思春期精神科外来患者を外来患者群とした。両群のCDI-Jスコアを、バリマックス回転を用いた因子分析の対象とし、その後、測定不変性分析を行った。妥当性を評価するため、Youth Self Report(YSR)を実施した。外来患者群には、現在の抑うつ症状を診断するため、精神疾患簡易構造化面接法を実施した。うつ病発見のパフォーマンスを評価し、うつ病検出のカットオフ値を設定するため、ROC解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・CDI-Jは、一貫して信頼性が高かった(Cronbach α:0.86、平均項目間相関:0.16)。・再試験の信頼性は、非常に高かった(平均間隔18日:y=0.59、p<0.05)。・両群に対して、4因子のソリューションは、適切な一貫性(0.52~0.73)および対応(YSRとのピアソン相関:0.65)を示した。・ROC解析では、適切なカットオフ値は、23/24であった。 著者らは「CDI-Jは、標準的な診断手順として信頼性が高く、検証済みのツールとして使用可能である」としている。

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日本の小中学生におけるインフル予防接種の有効性

 インフルエンザワクチンの接種は、インフルエンザの発症予防や発症後の重症化の予防に一定の効果があるとされている。今回、東北大学の國吉 保孝氏らが、地域の小中学生における季節性不活化インフルエンザワクチン接種(IIV)の有効性について2シーズンで評価した結果が報告された。Human Vaccines & Immunotherapeutics誌オンライン版2019年8月19日号に掲載。 本研究は、公立小中学校の生徒における2012/13年および2014/15年シーズンのデータでの横断調査。調査地域における対象学年の全員にアンケートを配布し、得られた7,945人の回答を分析した。予防接種状況とインフルエンザ発症は、両親または保護者による自己申告式アンケートにより判断した。一般化線形混合モデルを用いて、学校および個人の共変量におけるクラスタリングを調整し、予防接種状況とインフルエンザ発症との関連についてオッズ比および95%信頼区間(CI)を計算した。 主な結果は以下のとおり。・予防接種率は2シーズンで同程度であったが、2015年のインフルエンザ発症率は2013年の調査よりも高かった(25% vs.17%)。・未接種群に対する、1回もしくは2回の予防接種を受けた群におけるオッズ比は、2013年では0.77(95%CI:0.65~0.92)、2015年では0.88(95%CI:0.75~1.02)であった。・必要な回数の接種を完了した群におけるオッズ比は、2013年では0.75(95%CI:0.62~0.89)、2015年では0.86(95%CI:0.74~1.00)であった。 これらの結果から、地域社会のリアルワールドにおいて、季節性IIVが日本の小中学生のインフルエンザを予防したことが示された。なお、2シーズン間の臨床効果の差については、「おそらく流行株とワクチン株の抗原性のミスマッチが原因」と著者らは考察している。

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強化降圧治療、脳白質病変容積の増加が少ない/JAMA

 成人高血圧患者では、収縮期血圧(SBP)の降圧目標値を120mmHg未満とする強化降圧治療は140mmHg未満とする標準降圧治療に比べ、脳白質病変の容積の増加が少ないものの、その差は大きくないことが、米国・ペンシルベニア大学のIlya M. Nasrallah氏らが行ったSPRINT MIND試験で示された。研究の成果は、JAMA誌2019年8月13日号に掲載された。強化降圧治療は、心血管疾患による合併症や死亡を抑制することが証明されているが、脳の健康への影響は明確でないという。疫学データでは、高血圧は脳白質病変の主要なリスク因子とされる。SPRINT試験のMRIサブスタディ 本研究は、米国の27施設が参加した多施設共同無作為化試験であるSPRINT試験のサブスタディであり、強化降圧治療は脳白質病変容積の増加を抑制するかを評価する目的で行われた(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 SPRINT試験の対象は、年齢50歳以上、SBPが130~180mmHgで、心血管リスクが高い患者(心血管疾患、慢性腎臓病[CKD、eGFR<60mL/分/1.73m2]、10年フラミンガム心血管疾患リスク≧15%、年齢75歳以上)であり、糖尿病や脳卒中の既往歴のある患者や認知症の患者は除外された。被験者は、SBPの目標値を120mmHg未満とする強化治療群または140mmHg未満とする標準治療群に無作為に割り付けられた。 SPRINT試験は2010年11月8日に開始され、2015年8月20日、主解析の主要アウトカム(複合心血管イベント)と全死因死亡が強化治療群で明らかに優れたことから、早期有効中止となった。 今回の解析には、ベースライン時に脳MRIを受けた670例が含まれ、このうち449例がフォローアップのMRIを完遂した。最終フォローアップ日は2016年7月1日だった。主要アウトカムは脳白質病変容積、副次アウトカムは全脳容積とした。全脳容積の減少は強化治療で大きく、その解剖学的原理は不明 ベースラインでMRIを受けた670例は、平均年齢67.3[SD 8.2]歳、女性40.4%であった。このうちフォローアップのMRIを完遂した449例(67.0%)の無作為化から最終MRIまでの期間中央値は3.97年であり、治療介入期間中央値は3.40年であった。 線形混合モデルに基づく解析を行ったところ、脳白質病変容積の平均値は、強化治療群では4.57から5.49cm3(差:0.92cm3、95%信頼区間[CI]:0.69~1.14)へ、標準治療群では4.40から5.85cm3(1.45cm3、1.21~1.70)へとそれぞれ増加し、変化の群間差は-0.54cm3(-0.87~-0.20)と、強化治療群で有意に増加の程度が小さかった。 また、全脳容積の平均値は、強化治療群では1,134.5から1,104.0cm3(差:-30.6cm3、95%CI:-32.3~-28.8)へ、標準治療群では1,134.0から1,107.1cm3(-26.9cm3、-28.8~-24.9)へとそれぞれ低下し、変化の群間差は-3.7cm3(-6.3~-1.1)と、強化治療群で有意に低下の程度が大きかった。 全脳容積のサブグループ解析では、女性は治療群によって全脳容積の変化の差(差:-0.2cm3、95%CI:-4.5~4.0)に有意差はなかったが、男性は強化治療群が標準治療群に比べ減少の程度が有意に大きかった(-6.0cm3、-9.3~-2.7)(交互作用のp=0.04)。 著者は、「脳における高血圧の主たる構造的な関連要因は、異常な脳白質病変容積であることを考慮すると、今回の結果は、高血圧に対しより強い降圧治療を行えば、この構造的異常の発現を遅延させる可能性があることを示唆する。一方、強化治療群で脳容積の減少が大きかったことの解剖学的原理と機能的意義は不明である」と指摘している。

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ダパグリフロジンがHFrEF患者で主要評価項目達成、同クラスで初/AstraZeneca

 AstraZeneca(本社:英国ケンブリッジ、最高経営責任者:パスカル・ソリオ)は2019年8月26日までに、ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)の心不全に対する有効性を検討した第III相DAPA-HF試験において、主要評価項目を達成したことを発表した。2型糖尿病合併の有無を問わず、心不全患者の標準治療への追加治療として、SGLT2阻害薬の有効性および安全性が実証されたのは初となる。 第III相DAPA-HF試験は、2型糖尿病合併および非合併の成人HFrEF(左室駆出率が低下した心不全)患者を対象に、心不全の標準治療(アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬、アンジオテンシンII受容体拮抗薬[ARB]、β遮断薬、ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬[MRA]およびネプライシン阻害薬を含む薬剤)への追加療法としてのダパグリフロジンの有効性を検討した、国際多施設共同無作為化二重盲検並行群間比較試験。 HFrEF(NYHA心機能分類IIからIV、LVEF;40%以下)患者に対し、標準治療への追加療法としてダパグリフロジン10mgを1日1回投与し、その有効性をプラセボとの比較で評価した。主要複合評価項目は、心不全イベント発症(入院または心不全による緊急受診)までの期間、もしくは心血管死であった。 ダパグリフロジン群ではプラセボ群と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意義のあるリスク低下を示し、主要複合評価項目を達成した。本試験におけるダパグリフロジンの安全性プロファイルは、これまでに確立された同剤のプロファイルと一貫していた。AstraZenecaはプレスリリースの中で、同試験の全結果は、今後の学術集会において発表予定としている。 なお、ダパグリフロジンについては、HFpEF(左室駆出率が保持された心不全)患者対象の第III相DELIVER試験、HFrEFおよびHFpEF患者対象の第III相DETERMINE試験も進行中である。

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アトピー性皮膚炎、FLG変異に人種差

 アトピー性皮膚炎(AD)とフィラグリン遺伝子(FLG)変異との関連について、米国・ペンシルベニア大学のDavid J. Margolis氏らは、軽症~中等症アトピー性皮膚炎児のコホートにおいて、FLG機能欠損(LoF)変異は人種による顕著な違いがみられること、そしてそれがADの持続と関連していることを明らかにした。ADとFLG変異の関連に関しては4つの変異が最もよく評価に使われている。今回の結果を踏まえて著者は、「従来の4つの変異を調べるだけでは不十分である。ADについてFLG LoF変異に基づく遺伝子診断テストを計画する場合は包括的に行うべきであり、最もよく試験されている変異に依存すべきではない」と指摘している。JAMA Dermatology誌オンライン版2019年7月31日号掲載の報告。 研究グループは、アフリカ系とヨーロッパ系の小児におけるFLG LoF変異を包括的に詳述し、ターゲットシーケンスの結果を比較するとともに、それらの変異とADの持続との関連を調べる前向きコホート試験を行った。Pediatric Eczema Elective Registry(PEER)を用いてサブコホートの遺伝子を評価し、軽症~中等症のAD児が解析に包含された。Massively parallel sequencing(MPS)を用いて、白人種およびアフリカ系アメリカンの小児のFLG LoF変異に着目した。2005年6月~2017年7月に患者登録し、データは2019年1月25日~5月10日に解析された。主要評価項目は、FLG LoF変異と白人種およびアフリカ系アメリカンとの関連性、有するリスク、ADの持続とした。 主な結果は以下のとおり。・計741例の小児が解析に包含された。女児394例(53.2%)、男児347例(46.8%)、発症時の平均(SD)年齢は1.97(2.72)歳であった。・包含対象のうち、白人種394例(53.2%)、アフリカ系アメリカン326例(44.0%)、その他21例(2.8%)であった。・MPSにより、AD児と関連する23個のFLG LoF変異が見つかった。・全コホートにおいて、FLG LoF変異の保有児は177例(23.9%)であり、124例が白人種(白人種に占める割合31.5%)、50例がアフリカ系アメリカン(同15.3%)であった。・アフリカ系アメリカン小児と比較した白人種小児におけるあらゆるFLG LoF変異の保有オッズ比(OR)は、2.44(95%信頼区間[CI]:1.76~3.39)であった。・数種のFLG LoF変異が人種に特有のものとして見つかった(たとえば、p.S3316*とp.R826*は、白人種では認められなかった)。・FLG LoF変異保有児は、持続するADを有する傾向が認められた(OR:0.67、95%CI:0.56~0.80)。

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チャーグ・ストラウス症候群〔CSS : Churg-Strauss syndrome〕(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)

1 疾患概要■ 概念・定義チャーグ・ストラウス症候群(以下CSS)は、1951年にJacob ChurgとLotte Straussの2人の病理学者が提唱した疾患概念で、(1)気管支喘息、(2)発熱、(3)好酸球増加、および(4)特徴的な血管病理所見の4つを基本とした疾患である。特徴的な血管病理所見とは、結節性多発動脈炎(polyarteritis nodosa: PAN)にみられるフィブリノイド壊死と、血管壁および血管外結合組織における血管周囲の好酸球浸潤および類上皮細胞と巨細胞からなる血管外肉芽腫の2つである。とくに好酸球浸潤と肉芽腫の存在により、PANとは独立した疾患とされた。その後、Chapel Hill Consensus Conferenceで、(1)気道における好酸球を多数認める肉芽腫性炎症所見、(2)小・中型血管の壊死性血管炎、(3)喘息と好酸球増多症の3項目がCSSの定義として記載された。すなわちCSSの疾患概念は、1)気管支喘息2)好酸球増加3)病理所見(血管壁への好酸球浸潤と血管外肉芽腫)の3つを有する疾患といえる。2012年に血管炎の分類が見直され、CSSはeosinophilic granulomatosis with polyangiits(EGPA)とされ、和訳では「好酸球性多発血管炎性肉芽腫症」とよばれることに決まった。なお、日本ではアレルギー性肉芽腫性血管炎(allergic granulomatous angiitis)という名称も使用されてきたが、今後はEGPAに統一されていくと思われる。■ 疫学英国での疫学調査で、100万人あたり1~2人程度といわれてきた。わが国では2008年に実施された全国調査でその実態が明らかとなり、年間新規患者数は約100例、受療患者数は約1,900例と推定されている。男女比は1:1.7程度で女性にやや多く、発症年齢は30~60歳に好発し、平均55歳であった。■ 病因家族内発症はほとんどないことから、遺伝的要因はほとんどないと考えられる。環境要因として、気管支喘息患者でロイコトリエン拮抗薬(leukotriene antagonist:LTA)の服用者に多いことが指摘され、LTAそのものに対するアレルギー、LTA併用によるステロイドの減量の影響、などが発症要因としていわれてきた。しかし、わが国で2008年に実施された全国調査では、LTAの服用率は約35%に過ぎず、因果関係は不明である。抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:ANCA)が約40~50%の症例に検出されることから、この抗体が本症の病態に関与していると考えられる。しかし、ANCAの有無からCSSの臨床的特徴を検討した研究によると、ANCA陽性例では腎病変と末梢神経病変および組織学的に血管炎が証明された率が高く、陰性例では心病変が多かった。したがって、臓器への“好酸球浸潤”による病変と、“血管炎”による病変の2種類の病態があり、ANCA陽性群は“血管炎”が優勢、ANCA陰性例は“好酸球浸潤”が主な病態であると推察される。ただし、後者は特発性好酸球増多症候群(hypereosinophilic syndrome:HES)症例と鑑別が必要である。■ 症状臨床症状では、気管支喘息と多発性単神経炎が90%以上の症例でみられ圧倒的に高頻度である。そのほか、発熱、体重減少、筋痛、関節痛、紫斑が30%以上の症例にみられた。頻度は低いが腹痛・消化管出血(胃・腸の潰瘍)・消化管穿孔などの消化器病変、脳出血・脳硬塞、心筋梗塞・心外膜炎などの病変もみられる。検査所見では好酸球増加、白血球増加、IgE高値が90%以上にみられ、MPO-ANCAは約半数で陽性である。■ 分類CSSの中で、とくに病型の分類などはない。■ 予後約80%の症例は、適切な治療によって寛解ないし治癒するが、約20%の症例では、脳出血・脳硬塞や心筋梗塞・心外膜炎、腸穿孔、視力障害、腎不全を生じることがある。生命予後は一般に良好であるが、末梢神経障害が長年後遺症として残ることがある。また、一度寛解・治癒しても、再燃・再発を来すことがあるが、その頻度は少ない(10%以下と推定される)。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)CSSは、他の血管炎、とくに顕微鏡的多発血管炎と多発血管炎性肉芽腫症(旧 ウェゲナー肉芽腫症)との鑑別が重要であり、わが国では1998年の厚生労働省の分類基準(表1)によって診断されている。しかし、国際的にはLanhamらの分類基準(表2)と米国リウマチ学会(ACR)の分類基準(表3)が使われている。最近、Wattsらによる全身性血管炎の分類アルゴリズムが提唱され、CSSはLanhamまたはACRの分類基準のいずれかを満たすものとされている。画像を拡大する画像を拡大する画像を拡大する3 治療 (治験中・研究中のものも含む)一般的にはステロイドで、初期治療ではプレドニゾロン(商品名:プレドニンほか)30~60 mg/日(大半が40mg/日以上)が使用され、その後症状に合わせて漸減される。脳・心臓・腸に病変を有する場合は、免疫抑制薬であるシクロホスファミド(同:エンドキサン)(内服:50~100mg/日、点滴静注:500~1,000mg/月)などを併用する。後遺症として末梢神経障害が高頻度にみられるが、これに対して高用量ガンマグロブリン療法が保険適用で使用される。2018年5月にIL-5抗体メポリズマブ(同:ヌーカラ)が承認され、上記の既存薬で効果不十分なEGPAに適用となった。4 今後の展望治療としてはステロイド療法が依然主体であるが、ステロイドの副作用を回避するため、抗IL-5抗体(メポリズマブなど)に加えて、将来は、IL-5受容体抗体(ベンラリズマブ)や抗IgE抗体(オマリズマブ)、抗CD20抗体(リツキシマブ)などの分子標的療法も試みられている。今後、原因究明のための基礎研究や疫学的研究、後遺症として残存する末梢神経障害に対する治療なども検討課題である。5 主たる診療科膠原病内科、アレルギー科、呼吸器内科、神経内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)難病情報センター 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)公開履歴初回2013年03月21日更新2019年08月27日

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第26回 Stage IのNSCLC、術後補助療法実施の規準は?【肺がんインタビュー】

第26回 Stage IのNSCLC、術後補助療法実施の規準は?Stage Iの非小細胞肺がん(NSCLC)における術後補助療法は、議論の余地があるテーマである。そのような中、ASCO2019で術後補助療法の恩恵をリスク別に分析した研究が報告された。発表者である広島大学呼吸器外科の津谷 康大氏に、研究の背景と結果について聞いた。実臨床で迷うStage I NSCLCの術後補助療法導入この研究を行った背景について教えていただけますか。Stage IのNSCLCに術後補助療法をするか否かは、世界的にみても意見の分かれるところです。日本のデータでは2 cmを超えるStage Iの腺がんに対するUFTによる術後補助療法の有効性が示されており、ガイドラインでも推奨されています。しかし、この研究の2cmは腫瘍全体径での定義です。現在のTNM-8では、腫瘍サイズを浸潤径(浸潤がんだけの大きさ)で定義しており、新しい基準で考えると、違った結果になる可能性もあります。また、海外ではTNM-8によるStage Iの術後補助療法のエビデンスはありません。つまり、やらないという方向です。日本と海外のスタンダードはまったく異なっています。たとえば、実臨床で腫瘍径3 cmでも浸潤部分が1cmの腺がんに遭遇した場合、術後補助療法はどうすべきか。これほど浸潤がんの成分が小さければ、やらなくてよいという感覚の先生方が多いと思いますが、データはまったくありません。Stage Iの術後補助療法をやるべき患者とやらなくてよい患者をどう分けるべきか、後ろ向きに解析しました。どのようなデータを活用されたのですか?肺がんの手術症例についてさまざまな研究をするために、広島大学、神奈川県立がんセンター、東京医大の3施設で2010年から前向きに全例登録しているデータベースがあります。このデータベースには腺がんの浸潤がんと非浸潤がんの成分が別々に記録されているので、今回の研究では、それを用い、新しいデータに差し替えて研究しました。高リスク患者のStage I患者は術後補助療法の恩恵を受ける今回の試験の結果について紹介いただけますか。当該データベースにおけるStage IのNSCLC症例に対し、病理学的な再発因子を多変量解析したところ、浸潤径2 cm超、リンパ管侵襲、血管侵襲、臓側胸膜浸潤という4つの因子が再発に関わっていることがわかりました。そのうち1つでも該当した症例を高リスク、4項目どれも該当しない症例を低リスクと分類し解析を行いました。その結果、低リスク患者は再発をほとんど起こさず(5年無再発生存率[RFS]96%)、きわめて予後良好で、高リスク患者は低リスク患者に比べ予後不良(5年RFS 77%)でした。術後補助療法の有無と予後をみたところ、低リスク患者では、術後補助療法実施のいかんにかかわらず、きわめて予後良好でした(5年RFS:実施群98%対観察群96%)。一方、高リスク患者は術後補助療法実施により予後が改善しました(5年RFS:実施群81%対観察群74%)。同じStage Iでも、高リスクと低リスクに分けることによって、術後補助療法実施によるメリットが異なることがわかりました。高リスクの術後補助療法の内容をみると、併用化学療法よりも単剤化学療法のほうが、予後が良いという結果でしたが?この試験の結果だけでは何とも言えませんが、少なくともプラチナ併用のほうが良かったという結果ではありません。ただし、治療期間(UFTは2年間内服、プラチナ化学療法は長くて4サイクル[3~4ヵ月])なども影響している可能性があると思います。病理レポートがStage I術後補助療法導入の判断材料にこの試験での知見は、臨床でどう活かすことができるでしょうか。日本では腫瘍全体径2 cmを超えるStage Iの腺がんにはUFTの術後補助療法が推奨されますが、その中でも浸潤径2 cm以下の低リスクの患者に対しては、術後補助療法の導入は慎重に考えてよいかもしれません。逆に、腫瘍全体は小さくても、リンパ管侵襲や血管侵襲があるなど悪性度が高そうな患者では、術後補助療法導入の余地があるかもしれません。今回の研究で用いた再発リスク因子は、通常各施設の病理レポートに記載されています。それを参考にすることで、Stage I腺がんに術後補助療法をするか否かの判断基準になると思います。海外の医学メディアでも紹介されていましたが、海外からの反響はありましたか。ASCO発表の後、海外の病理医から連絡があり、今までリンパ侵襲や血管侵襲を測っていないが、どう測るのかという問い合わせがありました。Stage Iの術後補助療法は海外でも議論を呼ぶテーマなのだと、あらためて感じました。

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「医薬品の販売情報提供活動に関するGL」薬剤師への影響は?【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第31回

厚生労働省が適切な診療、医薬品の処方を確保するために策定した「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」の運用が、一部を除いて2019年4月から開始されています。残りの一部であった、製薬会社内の情報提供活動を監視する部門の設立に関しては10月までの猶予期間がありましたので、本ガイドラインはいよいよすべての項目がスタートします。薬剤師として気になるのは、「情報提供の何が変わるの?」ということだと思いますので、今回は薬局に関係するポイントをピックアップして紹介します。なぜガイドラインが作られたのか?端的に言うと、医療用医薬品のプロモーション活動は自主ルールが定められているにもかかわらず、不適切な広告、プロモーション活動が横行していたためです。厚生労働省は2016年より、全国の医療機関の中からモニター医療機関を選定し、医療用医薬品の広告などの適切性に関する調査を実施していますが、製品説明会などのいわゆるクローズドな場において、不適切な情報提供(事実誤認の恐れのある表現やデータ加工、未承認の効能効果の情報提供など)の事例が多く報告されています。そのため、広告を適正化することで医療用医薬品の適正使用を確保し、保健衛生の向上を図るためにガイドラインが策定されました。何が変わったのか?今までは、MRが製品説明を行う際に、MR個人が作成したプレゼン資料を用いることがありました。しかし、それでは情報提供の内容や質を製薬会社として担保できず、不適切な情報提供が発生する可能性があるため、現在では原則として、しかるべき部門が作成した資材のみ使用可能です。また、記載できる内容は、科学的および客観的な根拠に基づく情報のみで、試験の設計や結果を正確に明示し、医薬品の品質、有効性、安全性に関してネガティブな情報であっても積極的に記載することが求められるようになりました。今後は、これらの内容を確認して情報提供活動の適切性を監督する部門(販売情報提供活動監督部門)による審査をクリアした資材でのみ情報提供活動を行うことになります。プレゼン資料だけでなく、パンフレット、ホームページ、MRのプレゼン自体まで監視の対象です。なお、製薬会社の情報提供活動について苦情があった場合のために、窓口を設置して事実関係の調査や必要な措置を講じることも求められています。この監督部門の設立や窓口の設置には準備が必要であるため、2019年10月1日からスタートすればよいとされています。今までどおり、医薬品に関する情報はもらえるのか?上記のように、製薬会社の社内チェックは厳しくなりますが、基本的には今までと同様に情報提供をする製薬会社がほとんどだと思います。ただし、未承認薬、適応外の用法用量や明確に添付文書に記載されていない内容などについてはかなり厳格化されます。医療者から情報を求められた場合は提供が可能ですが、販売部門であるMR以外からの回答が望ましいとされているため、タイムラグが生じると予想できます。また、製薬会社のホームページから資材を直接ダウンロードするという簡易的な提供方法ではなくなる企業が増えるかもしれません。必要になることがわかっている資料や情報は、時間に余裕を持って入手するとよいでしょう。患者さんに影響はあるのか?製薬会社から一般の方向けの情報提供に若干影響がありそうです。当然のことですが、疾患啓発では、医療用医薬品による治療のみを推奨することや特定の製薬会社の薬剤へ誘引するような内容は禁止されています。また、ガイドラインやQ&Aでもかなりあいまいな文言なので解釈次第ではありますが、製薬会社が今回のガイドライン策定の背景を鑑み、誤解されないよう新聞や雑誌などの一般紙の取材を受けない、などとなれば、一般の方が入手できる情報が減る可能性はあります。ざっくりとではありますが、「医療用医薬品の販売情報提供活動に関するガイドライン」のポイントをまとめました。製薬会社が医薬品の情報を一番多く持っていることは確かですが、待っていても添付文書やインタビューフォーム以上の情報は提供されませんので、これまで以上に必要な情報は自発的に収集する必要がありそうです。

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第5回 海外でスマートフォンを盗まれたらどうする?【外科医けいゆうの気になる話題】

第5回 海外でスマートフォンを盗まれたらどうする?以前、国際学会でパリに行った時、スマートフォンをすられたことがあります。「スリには気を付けろ」と周囲から散々言われていたので、移動時にはリュックを前にする、貴重品は肌身離さず持つ、という行動を徹底しているつもりでした。ところが、最終日に油断が出ました。列車が遅延し、空港に向かうバスにぎりぎり間に合うかどうか、という状況に陥り、バスターミナルまで必死で走っていた時のことです。誰しも、日頃余裕のある時には注意できても、焦ったり急いだりといった平静を失った時には、ぼろが出ます。右手にスーツケース、左手にお土産の紙袋、という状況で、思わずリュックを背中に背負って、走っている最中にすられてしまったのです。走っていた間はどうしてもリュックが上下に揺れるため、犯行に気付けなかったのです。今思えば、「リュックを背負って急いで走っている外国人」など、スリにとっては格好の餌食だったに違いありません。バスターミナルに着いてリュックを下ろした時、リュックのすべてのポケットが全開になっているのを見て、血の気が引きました。海外のWi-Fiがつながらない環境下でスマートフォンを失くすと、連絡の手段が一時的にまったくなくなります。不正使用されるかもしれない、という状況でも、携帯電話会社に連絡して通信をストップすることすらできないのです。私は大変焦りましたが、結果的には空港でPCを使って妻に連絡し、悪用されることなく契約を解除することができました。実はこうした被害に遭った際にやるべきことが2つあります。1つは、PCを使った遠隔操作でスマートフォン内のデータをすべて消去することです。これはiPhoneの「iPhoneを探す」というアプリの便利な機能です。ただし、あらかじめ「iPhoneを探す」を設定しておかなければ、この機能を使うことができないので注意が必要です。2つ目は、クレジットカードに付帯している旅行保険の携行品損害特約を利用することです。今回は、減価償却分が考慮され、定価の7割くらいの保険金が支払われました。デジタルカメラやPCなどの電化製品が盗難に遭った、破損したという場合も、自分の故意や不注意が原因でない限り、一定の上限額まで補償される可能性が高いため、覚えておくと安心です。海外で盗難に遭うと、思わず途方に暮れてしまうものですが、ぜひ私の苦い思い出を活かしてくだされば幸いです。

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第6回 東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座【ご案内】

 東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター、同医学部附属病院 消化器化学療法外科、同大学院臨床腫瘍学分野、同大学院未来がん医療プロフェッショナル養成プランは、2019年9月23日(月・祝)に、第6回東京医科歯科大学「がんを考える」市民公開講座を開催する。本講座は、同学が地域がん診療連携拠点病院の活動の一環として、がんに関するさまざまなテーマで開催する公開講座の6回目となる。今回は『広がるがん治療の選択肢』をテーマに、最近話題の治療、新たに保険適用となった治療のメリットや留意点、自分に最適な治療を決めるためのサポートなどについて、さまざまな立場から情報提供する。各種ブース展示や体験コーナーなど、楽しく学べる企画が予定されている。 開催概要は以下のとおり。【日時】2019年9月23日(月・祝)《ブース展示》12:00~17:00《セミナー》13:00~16:40【場所】東京医科歯科大学 M&Dタワー2F 鈴木章夫記念講堂〒113-8519 東京都文京区湯島1-5-45【参加費】無料(※参加申し込み不要)【テーマ】広がるがん治療の選択肢【予定内容】《セミナー》鈴木章夫記念講堂 司会:佐藤 信吾氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター/整形外科)13:00~13:15 開会挨拶 日本のがん治療の現状 三宅 智氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター/緩和ケア科)13:15~13:45 講演1 広がる低侵襲手術(腹腔鏡からロボット手術まで) 徳永 正則氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 胃外科)13:45~14:15 講演2 広がる薬物療法の選択肢(分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤など) 坂下 博之氏(横須賀共済病院 化学療法科)14:15~14:45 講演3  がんゲノム医療ってどんなもの? 加納 嘉人氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター/がんゲノム診療科)14:45~15:05 休憩15:05~16:35 シンポジウム 広がるがん治療の選択肢 ~自分にとって最適な治療を決めるためには~ 座長:三宅 智氏(1)がん治療医の立場から   石川 敏昭氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科)(2)精神科/心療内科医の立場から   竹内 崇氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 精神科/心身医療科)(3)緩和ケア看護師の立場から   本松 裕子氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 緩和ケア認定看護師)(4)がん相談支援センターの立場から   渡井 有紀氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 認定がん専門相談員)(5)患者の立場から   濱島 明美氏(再発乳がん患者)16:35~16:40 閉会挨拶 川﨑 つま子氏(東京医科歯科大学医学部附属病院 看護部長)《ブース展示》講堂前ホワイエ 12:00~17:00 ■がんと栄養・食事 (東京医科歯科大学医学部附属病院 臨床栄養部)■お口の楽しみ、支えます (東京医科歯科大学歯学部 口腔保健学科)■「がんのリハビリテーション」ってどんなもの? -筋力維持のリハビリテーションと生活の工夫など- (東京医科歯科大学医学部附属病院 リハビリテーション部)■教えて!がんゲノム医療 (東京医科歯科大学医学部附属病院 がんゲノム診療科)■抗がん剤治療の味方「CVポート」ってどんなもの? (株式会社メディコン)■がん患者と家族へのピアサポートの紹介 (特定非営利活動法人 がん患者団体支援機構)■ウィッグを楽しもう! (株式会社東京義髪整形)■リレー・フォー・ライフ・ジャパン(RFLJ)のご紹介 (RFLJ御茶ノ水実行委員会)■その情報、図書館で調べられます (東京都立中央図書館)■「わたしらしく生きる」をサポートします (東京医科歯科大学医学部附属病院 がん相談支援センター)■「もっと知ってほしい」シリーズ冊子 (認定NPO法人 キャンサーネットジャパン)■看護師よろずミニ相談 (東京医科歯科大学医学部附属病院 専門・認定看護師チーム)【問い合わせ先】東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター〒113-8519 東京都文京区湯島1-5-45TEL:03-5803-4886(平日 9:00~16:30)【共催】東京医科歯科大学医学部附属病院 腫瘍センター東京医科歯科大学医学部附属病院 消化器化学療法外科東京医科歯科大学大学院 臨床腫瘍学分野東京医科歯科大学大学院 未来がん医療プロフェッショナル養成プラン【協力】認定NPO法人キャンサーネットジャパン【後援】東京医科歯科大学医師会/東京都/文京区/東京都医師会詳細はこちら

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肺がん2剤併用療法、ベースはシスプラチン?カルボプラチン?/Lung Cancer

 進行期非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、プラチナベース化学療法はいまだ大きな柱である。実臨床においてはシスプラチンとカルボプラチンの2つのプラチナ製剤が多く使われる。すでに、Cohchraneグループによるカルボプラチンとシスプラチンベースの化学療法を比較するメタアナリシスが行われているが、NSCLCにおける急速な治療の変化と拡大する臨床試験の中、新たなデータの反映が求められていた。そのような中、ドイツのGriesingerらは、2013年〜2018年1月に発表されたNSCLC1次治療におけるカルボプラチンとシスプラチンの無作為化比較試験のシステマチックリサーチを⾏い、解析結果を更新した。評価項⽬は全⽣存期間(OS)、1年⽣存率(1yOS)、客観的奏効率(ORR)、Grade3/4の薬物関連有害事象など。Lung Cancer誌2019年9⽉号掲載の報告。肺がん2剤併用療法、プラチナ製剤はシスプラチンがカルボプラチンよりORRわずかに良好 進行期非小細胞肺がんの1次治療の2剤併用療法において、プラチナ製剤をカルボプラチンとシスプラチンで比較した主な結果は以下のとおり。・適格となった無作為化⽐較試験は12、患者数は2,048例であった。・OSはカルボプラチンとシスプラチン両群で差はなかった(HR:1.08、95%CI:0.96~1.21)。・1yOSも両群で差がなかった(RR:0.97、95%CI:0.97~1.0)。・ORRについては、シスプラチン群でわずかに良好であった(RR:0.88、95%CI:0.78~0.99)。・薬物関連有害事象については、血小板減少、貧血、神経障害、悪心・嘔吐で両群に差異が発生した。・HRQoLを比較した3つのRCTでは、両群に差は認められなかった。

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ベンゾジアゼピンや抗コリン薬の使用と認知症発症との関連

 ベンゾジアゼピンや抗コリン薬の使用と認知症リスクの関連について、オランダ・アムステルダム大学のMelanie Hafdi氏らが、プロスペクティブコホート研究を行った。Journal of the American Medical Directors Association誌オンライン版2019年7月9日号の報告。 対象は、オランダの家庭医療116施設より募集された認知症でない70~78歳の高齢者3,526人。薬剤使用に関する情報は、ベースラインおよび2年間のフォローアップ期間中に報告され、対象者の電子カルテと照合した。抗コリン薬の曝露は、抗コリン作動性認知負荷尺度(anticholinergic cognitive burden score)により定義した。対象者は、2年ごとのフォローアップ中に認知症について評価され、電子カルテや死亡記録から情報を補填した。長期の抗コリン薬の曝露は認知症リスクとの関連が認められた ベンゾジアゼピンや抗コリン薬と認知症リスクの主な研究結果は以下のとおり。・フォローアップ期間の中央値6.7年間で、認知症を発症した高齢者は233人(7%)であった。・認知症発症率は、ベンゾジアゼピン使用者で6%、非使用者で7%であった(ハザード比[HR]:0.71、95%信頼区間[CI]:0.58~1.07)。・ベースラインおよび2年間のフォローアップ後のベンゾジアゼピン継続使用でも、ポイント推定値は実質的に変わらなかった(HR:0.60、95%CI:0.34~1.10)。・抗コリン薬使用と認知症発症率に関連は認められなかった(HR:1.01、95%CI:0.50~1.10)。・抗コリン作動性認知負荷尺度のスコアが高い抗コリン薬の継続使用者は、認知症リスクが有意に増加していたが(HR:1.95、95%CI:1.13~3.38)、抗うつ薬または抗精神病薬の使用者を除外すると、その差は認められなかった(HR:0.42、95%CI:0.06~3.01)。 著者らは「ベンゾジアゼピンの使用は、認知症リスク増加と関連が認められなかった。継続的な長期の抗コリン薬の曝露は、6年間のフォローアップ期間を通じて、認知症リスクとの関連が認められたが、この関連は、抗うつ薬または抗精神病薬の使用によって促進され、これに寄与するバイアスが示唆された。医療者は、ベンゾジアゼピンと抗コリン薬の潜在的なベネフィットと、関連する健康アウトカムへの影響を慎重に比較検討し、処方を改善することが求められる」としている。■「抗コリン薬と認知症」関連記事抗コリン薬、認知症発症と強く関連/BMJ

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大気汚染物質への長期曝露と肺気腫の関連は?/JAMA

 オゾン(O3)やPM2.5などの大気汚染物質への長期曝露と肺気腫増大の関連が定量的に明らかにされた。米国・ワシントン大学のMeng Wang氏らが2000~18年にかけて米国内6都市部で行ったコホート研究の結果で、JAMA誌2019年8月13日号で発表した。歴史的には、大気汚染物質は心血管および呼吸器疾患と関連することが示されているが、当代の大気汚染物質への曝露が肺気腫と関連しているかは明らかになっていなかった。米国6都市で約7,000例を追跡し肺気腫率の変化を調査 本検討で研究グループは、O3、PM2.5、窒素酸化物(NOx)、ブラックカーボンへの曝露と肺気腫率の変化の長期関連を調べることを目的とした。肺気腫の評価は、CT画像診断と肺機能検査に基づいた。 米国6都市(ウィンストン・セーラム、ニューヨーク、ボルティモア、セントポール、シカゴ、ロサンゼルス)で行われたMulti-Ethnic Study of Atherosclerosis(MESA)Air and Lung Studiesの被験者を包含してコホート試験を実施。対象者は、2000年7月~2002年8月に集められた45~84歳の成人6,814例と、その後に追加された2005年2月~2007年5月に集められた257例が含まれた。最終フォローアップは2018年11月。 コホート特異的モニタリングが組み込まれている検証された空時間的モデルを用いて、居住地に特異的な大気汚染物質(O3、PM2.5、NOx、ブラックカーボン)を算出し、1999年からフォローアップ終了までの間測定した。 主要評価項目は、肺気腫率(Hounsfield単位-950未満の肺ピクセルパーセンテージで定義)。被験者は2000~07年に心臓CTスキャン評価を、2010~18年に同一領域の肺CTスキャンの評価を最高5回受けた。また、2004~2018年に肺機能検査を最高3回受けた。肺気腫率、10年間で平均0.58ポイント上昇 被験者計7,071例(補充時の平均年齢60歳[範囲:45~84]、男性3,330例[47.1%])において、5,780例がベースライン調査時~フォローアップ期間中の大気汚染物質曝露の評価を受け、少なくとも1回のフォローアップCTスキャンを受けた。また、2,772例が少なくとも1回の肺機能検査を受けた。フォローアップ期間の中央値は10年であった。 肺気腫率中央値はベースラインでは3%であったが、10年間で平均0.58ポイント上昇した。 フォローアップ期間中、PM2.5とNOxの平均環境濃度は一貫して低下したが(O3については認められなかった)、ベースラインのO3、PM2.5、NOx、ブラックカーボンの環境濃度と、10年間での肺気腫率上昇との有意な関連が認められた。O3は0.13/3ppb(95%信頼区間[CI]:0.03~0.24)、PM2.5は0.11/2μg/m3(95%CI:0.03~0.19)、NOxは0.06/10ppb(95%CI:0.01~0.12)、ブラックカーボンは0.10/0.2μg/m3(95%CI:0.01~0.18)であった。 フォローアップ期間中のO3とNOxの環境濃度は、肺気腫率上昇と有意に関連した。PM2.5については認められなかった。 ベースラインとフォローアップ期間中のO3の環境濃度は、10年間での1秒量の低下と有意に関連していた。ベースラインでは13.41mL/3ppb(95%CI:0.7~26.1)、フォローアップ中は同18.15mL/3ppb(1.59~34.71)であった。

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