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新型タバコにおけるハーム・リダクションってなに?(1)【新型タバコの基礎知識】第9回

第9回 新型タバコにおけるハーム・リダクションってなに?(1)Key Points加熱式タバコや電子タバコによるハーム・リダクションの可否を考えるためには、発がん性物質だけでなく、ニコチン依存症に関する理解も必要。ニコチンの本当のリスク:ニコチン依存症は実は“幸せ”を奪っている。最近、米国で電子タバコによるものと考えられる呼吸器症状・疾患のために6人が死亡したとする報道がなされ、トランプ大統領がフレーバー添加の電子タバコの使用を禁止する旨を発信したとして話題になっています。死亡は最大レベルの不可逆的有害事象であり、この電子タバコによると考えられる死亡の事実は重いものです。専門家団体が電子タバコなら害がほとんどない(95%少ない)と主張していた英国でも、電子タバコの扱いについて見直すべきではないかという意見も出ています。しかし、電子タバコによる害が本当に大きいのかどうかを判定するためには、死亡の件数よりも、死亡が発生する確率が高いのか低いのかを判定することが求められます。現在のところ、その情報は得られていません。私は、今回の死亡例の報告に関しては、電子タバコの極端なヘビーユーザーや、違法薬剤等を添加して使用するなどの変則的使用が原因なのではないかと推測していますが、これは想像の域を出ていません。まずは、米国がまとめる報告書を待ちたいと思います。さて、今回のテーマは、ハーム・リダクション(害の低減)です。ハーム・リダクションとは、簡単に言うと、大きな害のある行動をそれよりも小さな害の行動に置き換えることによって、害は完全にはなくせないが、害を少なくさせること、をいいます。具体例としては、薬物使用者らが1つの注射器を回し打ちすることによってHIVウイルス感染が蔓延するという問題に対して、薬物使用をやめさせる取組みとは別に、HIVウイルス感染を防止するために無料の注射器を配ったという事例があります。また、自動車事故による死亡を防ぐために、自動車事故をなくす取組みとは別に、運転時にシートベルトを着用する、ということもハーム・リダクションの一例として知られています。タバコ問題の場合のハーム・リダクション戦略として、どうしてもタバコをやめられない人に対して、タバコの代わりにニコチン入りの電子タバコ等を吸ってもらったら、有害物質への曝露を減らせるのではないか、というわけです。しかし、議論は単純ではありません。世界的にハーム・リダクションの効果や可能性が主に議論されているのは、ニコチン入りの電子タバコについてです。タバコ問題におけるハーム・リダクションについて考えていくために、今回はニコチン依存症について取り上げたいと思います。そもそもニコチン依存症とは何でしょうか?ニコチン依存症とは「血中のニコチン濃度がある一定以下になると不快感を覚え、喫煙を繰り返してしまう疾患」とされます1)。ニコチンを摂取していると、それなしでは不快感を感じるようになってしまい、摂取すればその不快感がなくなるので、繰り返し摂取するようになってしまうのです。 ニコチンは吸収が速く、体内から消失するのも速いため、喫煙してから30分程度ですぐにニコチン切れ症状を生じてしまい、「吸いたい、吸いたい」となってしまうのです。 しかし、この説明だけではニコチン依存症の本当の意味で残酷な病態については理解できないかもしれません。ニコチン依存症は実は、“幸せを奪っている”のです。ニコチン依存になると、楽しいことやうれしいことがあっても、楽しい! うれしい! と感じなくさせられてしまうのです。人生の楽しみや幸せを奪うのがニコチン依存なのです。禁煙した人が「禁煙したら、ご飯がおいしくなった」と言っているのを聞いたことがあるのではないでしょうか。でも実はそうではなくて、もともとご飯はおいしいのです。喫煙していると、ニコチンという物質が、人がおいしいと感じたり、楽しい、うれしい、幸せだと感じたりするときに機能する脳の中の報酬系(ほうしゅうけい)回路を邪魔してしまい、もともとおいしいご飯を食べても、おいしいと感じられなくさせられてしまっていたのです。喫煙していると、ご飯を食べても、楽しいことがあっても、幸せだと感じるようなタイミングでも、それを感じることができなくさせられてしまっているといえます。喫煙者はタバコを吸っていない時間はすぐにニコチン欠乏状態となり、いつも「吸いたい、吸いたい」という感情に支配されてしまうのです。ニコチンの欠乏状態を喫煙により補充した瞬間だけニコチンが足りているという満足感が得られ、喫煙者はそれでニコチンにより救われた気になってしまいます。本当は、ニコチンにより「おいしい、楽しい、うれしい、幸せ」を感じることが奪われているのに、です。このことを実証した実験研究があるので、紹介します2)。うれしいことがあると脳の報酬系回路の反応が活発になります。それをMRIを使って測定した研究です。多くの子どもは、チョコレートをもらったらうれしいと感じるものだと思います。この研究では、タバコを吸っている10代の男女43人と、吸っていない10代の男女43人に、チョコレートをあげたときの脳の反応を比べています。その結果、図のように脳の報酬系回路の反応性は、タバコを吸っているかどうかで大きく違っていました。光っている反応が強いほど、脳の報酬系回路の反応が強い(例えば、うれしいと感じている)ことを示しています。タバコを多く吸っているほど、脳の反応が弱くなっていたのです。チョコレートをもらうことは些細なことであって、そんなにうれしがることではない、と指摘する人もいるかもしれません。しかし、些細なことの積み重ねが人生ではないでしょうか。ニコチンという物質は、そんな些細な幸せを奪ってしまうのです。加熱式タバコには、紙巻タバコとほとんど変わらないレベルのニコチンが含まれています(第3回参照)。そのため、紙巻タバコから加熱式タバコにスイッチしても、ニコチン依存は維持されます。タバコが吸いにくい環境で、加熱式タバコなら吸うことができるからという理由で、加熱式タバコを吸っている人もいます。加熱式タバコによりニコチンを補充しやすくなり、より強固なニコチン依存状態に陥ってしまう可能性もあるのです。画像を拡大する第10回は、「新型タバコにおけるハーム・リダクションってなに?(2)」です。1)厚生労働省e-ヘルスケアネット「ニコチン依存症」2)Peters J et al. Am J Psychiatry. 2011; 168: 540-549.2

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糖尿病と食道腺がんリスク(プール解析)/Cancer

 糖尿病とさまざまながんの関係が研究されているが、食道/食道胃接合部の腫瘍との関係は明らかになっていない。米国国立がん研究所(NCI)のJessica L. Petrick氏らは、2,309例の食道腺がん(EA)、1,938例の食道胃接合部腺がん(EGJA)、1,728例のバレット食道(BE)、および1万6,354例の対照を含む、国際バレットおよび食道腺がんコンソーシアム(International Barrett's and Esophageal Adenocarcinoma Consortium:BEACON)の13の研究データを統合し、糖尿病とEA、EGJA、BEの関連についての研究固有のオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を、ロジスティック回帰を用いて推定した。Cancer誌オンライン版2019年9月6日号掲載の報告。 主な結果は以下のとおり。・糖尿病によるEAリスクのオッズ比は1.34(95%CI:1.00~1.80、I2=48.8%)、EGJAリスクのオッズ比は1.27(95%CI:1.05~1.55、I2=0.0%)、EAとEGJAを合わせたリスクのオッズ比は1.30(95%CI:1.06~1.58、I2=34.9%)であった。・胃食道逆流症状がある患者では、糖尿病によるEA/EGJAのリスクはさらに増加し、オッズ比は1.63(95%CI:1.19~2.22、交互作用のp=0.04)であった。・胃食道逆流症状がない患者では、糖尿病とEA/EGJAリスクとの関連はみられなかった(OR:1.03、95%CI:0.74~1.43)。・糖尿病とBEの間に一貫した関連性はみられなかった。

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PPCI前の遠隔虚血プレコンディショニング、STEMI予後に有意義か/Lancet

 プライマリ経皮的冠動脈インターベンション(PPCI)を受けるST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者では、PPCI前に遠隔虚血コンディショニング(remote ischaemic conditioning:RIC)を行っても心臓死/心不全による入院は減少しないことが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのDerek J. Hausenloy氏らが行ったCONDI-2/ERIC-PPCI試験で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2019年9月6日号に掲載された。RICは、上腕に装着したカフの膨張と解除を繰り返すことで、一時的に虚血と再灌流を引き起こす。これにより、PPCIを受けるSTEMI患者の心筋梗塞の大きさが20~30%縮小し、臨床アウトカムが改善すると報告されていたが、十分な検出力を持つ大規模な前向き研究は行われていなかった。欧州4ヵ国33施設の医師主導無作為化試験 本研究は、英国、デンマーク、スペイン、セルビアの33施設が参加した医師主導の単盲検無作為化対照比較試験であり、2013年11月~2018年3月の期間に患者登録が行われた(英国心臓財団などの助成による)。 対象は、年齢18歳以上、胸痛がみられてSTEMIが疑われ、PPCIが適応とされた患者であった。被験者は、PPCI施行前にRICを行う群または標準治療を行う群(対照群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 RIC群では、上腕に装着した自動カフの膨張(5分間)と収縮(5分間)を交互に4回繰り返すことで、間欠的に虚血と再灌流を誘発した。英国の施設のみ、対照群にシャムRICを行った。 データ収集とアウトカムの評価を行う医師には、治療割り付け情報がマスクされた。主要複合エンドポイントは、12ヵ月後の心臓死と心不全による入院の複合とし、intention-to-treat解析を行った。新たな心臓保護の標的の特定が必要 5,115例(intention-to-treat集団)が登録され、RIC群に2,546例(平均年齢63.9[SD 12.1]歳、女性24.0%)、対照群には2,569例(63.1[12.2]歳、22.4%)が割り付けられた。 12ヵ月後の主要複合エンドポイントの発生率は、RIC群が9.4%(239/2,546例)、対照群は8.6%(220/2,569例)であり、両群間に有意な差は認められなかった(ハザード比[HR]:1.10、95%信頼区間[CI]:0.91~1.32、p=0.32)。 同様に、12ヵ月後の心臓死(3.1% vs.2.7%、HR:1.13、95%CI:0.82~1.56、p=0.46)および心不全による入院(7.6% vs.7.1%、1.06、0.87~1.30、p=0.55)にも、両群間に差はみられなかった。 事前に規定されたサブグループ解析では、年齢、糖尿病の有無、PPCI前のTIMI血流分類、梗塞部位、first medical contact to balloon timeの違いによる主要複合エンドポイントの発生に関して両群間に有意な差はなかった。 主要複合エンドポイントのper-protocol解析の結果も、intention-to-treat解析ときわめて類似しており、両群間に差はなかった(RIC群9.0% vs.対照群8.1%、HR:1.11、95%CI:0.90~1.36、p=0.35)。 30日以内の心臓死と心不全による入院の複合、および個々のイベントの発生には両群間に有意差はなく、30日以内の主要心血管イベント/脳有害事象(全死因死亡、再梗塞、予定外の血行再建、脳卒中)、および個々のイベントの発生にも差はなかった。また、12ヵ月以内の植え込み型除細動器の施術の頻度にも差は認められなかった。 また、試験治療関連の予想外の有害事象はみられなかった。RIC群で皮膚点状出血が2.8%、一過性の疼痛や知覚障害が5.8%で報告された。有害事象による治療中止はなかった。 著者は「RICは、STEMI発症後の臨床転帰改善の最も有望な心臓保護戦略であり、他の選択肢は少ない。それゆえ、新たな心臓保護の標的を特定し、複数の標的への併用治療のような革新的な保護アプローチを開発するために、新たな研究を要する」としている。

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H. pylori除菌と栄養補助、胃がん抑制に効果/BMJ

 2週間のHelicobacter pylori除菌治療と7年間のビタミンまたはニンニクの補助食品による3つの介入は、それぞれ22年以上にわたり胃がんによる死亡のリスクを有意に改善し、除菌とビタミン補助は胃がんの発生も抑制することが、中国・Peking University Cancer Hospital and InstituteのWen-Qing Li氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2019年9月11日号に掲載された。H. pylori感染は胃がんの確立されたリスク因子であり、その除菌は胃がんの予防戦略となりうる。一方、胃がんの予防におけるH. pylori除菌治療の効果の持続期間や、関連のあるすべての有益な作用および有害な作用を知るには、長期の追跡調査を要する。胃がんに及ぼす栄養補助食品の効果の評価にも長期の調査が必要とされている。中国の地域住民を対象とする要因デザインの無作為化試験 研究グループは、H. pylori除菌および栄養補助による胃がんの予防効果を評価する目的で、プラセボ対照無作為化試験を実施した(米国国立衛生研究所[NIH]などの助成による)。 対象は、中国山東省臨ク県の胃がんリスクが高い地域の住民3,365例であった。このうち、H. pylori抗体が血清学的陽性の2,258例は、2×2×2要因デザインにより、H. pylori除菌、ビタミン補助、ニンニク補助、それぞれのプラセボに無作為に割り付けられた。また、H. pylori抗体が血清学的陰性の1,107例は、2×2要因デザインにより、ビタミン補助、ニンニク補助、それぞれのプラセボに無作為に割り付けられた。 H. pylori除菌治療では、アモキシシリン+オメプラゾールが2週間投与された。ビタミン補助はビタミンC、Eとセレニウムが、ニンニク補助はニンニク抽出物とニンニク油が、7.3年間投与された(1995~2003年)。 主要アウトカムは、2017年まで定期的に行われた胃内視鏡検査で同定された胃がんの累積発生率と、死亡証明書と病院記録で確定された胃がんによる死亡とした。副次アウトカムは、胃がん以外のがんや心血管疾患などの他の原因による死亡であった。H. pylori除菌の効果は、比較的早期に発現 1995~2017年の期間(フォローアップ期間22.3年)に、151例の胃がんが発生し、94例が胃がんで死亡した。このうちベースラインでH. pylori陽性であったのは、それぞれ119例(79%)および76例(81%)だった。 H. pylori除菌治療による胃がん発生の保護効果は介入後22年間持続した(オッズ比[OR]:0.48、95%信頼区間[CI]:0.32~0.71、p<0.001)。また、ビタミン補助により、胃がん発生は有意に減少したが(0.64、0.46~0.91、p=0.01)、ニンニク補助に有意な保護効果は認められなかった(0.81、0.57~1.13、p=0.22)。 3つの介入はいずれも、胃がんによる死亡を有意に抑制した(H. pylori除菌治療の完全補正後ハザード比[HR]:0.62、95%CI:0.39~0.99、p=0.05、ビタミン補助の完全補正後HR:0.48、0.31~0.75、p=0.001、ニンニク補助の完全補正後HR:0.66、0.43~1.00、p=0.05)。 胃がんの発生と死亡の双方に及ぼすH. pylori除菌治療の効果と、胃がんによる死亡に及ぼすビタミン補助の効果は比較的早期に認められたが、胃がんの発生に及ぼすビタミン補助とニンニク補助の効果の発現には時間を要した。 全死因死亡に関しては、H. pylori除菌とニンニク補助は影響を及ぼさず、ビタミン補助は改善の傾向が認められたものの有意な差はなかった(HR:0.87、95%CI:0.76~1.01、p=0.07)。また、3つの介入と、他のがん種および心血管疾患の間には、統計学的に有意な関連はみられなかった。 著者は、「これらの知見は胃がん予防の潜在的な機会をもたらすが、ビタミン補助とニンニク補助の良好な効果を確定し、H. pylori除菌治療とビタミン、ニンニク補助に関する可能性のあるリスクを特定するには、さらに規模の大きな介入試験を要する」としている。

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東京都でインフルエンザ流行開始、昨年比で3ヵ月早く

 東京都が9月26日付でまとめた、都内のインフルエンザ定点医療機関からの第38週(9月16~22日)の患者報告数が、流行開始の目安となる定点当たり報告数1.0を超えた。インフルエンザは、例年12月から3月にかけて流行しているが、昨年と比べても11週早い。今シーズンの異例ともいえる速さでの流行開始に、都は早めの注意と対策を呼び掛けている。 都内419ヵ所のインフルエンザ定点医療機関から報告された第38週の患者報告数は、定点当たり1.06人。今シーズン(9月2日以降)において、都内の学校や社会福祉施設等で発生したインフルエンザと思われる集団感染事例は、22日までに55件報告されている。 定点当たりの患者報告数が1.0人/週を超えた保健所は、都内31ヵ所中12ヵ所。報告数が多い順に、多摩小平(4.05人)、中央区(1.80人)、文京・渋谷区(1.57人)、杉並(1.53人)、世田谷(1.46人)、中野区(1.40人)、板橋区(1.38人)、江戸川(1.37人)、八王子市(1.33人)、北区(1.18人)、西多摩(1.14人)。

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若者に対するアルコールスクリーニングと評価尺度~メタ解析

 臨床医は、アルコールによる有害な影響を受けた若者における飲酒リスクを特定するための強力な理論的根拠を求めている。英国・ヨーク大学のPaul Toner氏らは、25歳未満の若者を対象としたアルコールスクリーニングと評価尺度に関する検証文献のエビデンスの質を評価するため、システマティック・レビューを行った。Drug and Alcohol Dependence誌2019年9月1日号の報告。 6つの電子データベース(MEDLINE、EMBASE、PsycINFO、SSCI、HMIC、ADAI)より、2016年5月までの公表されている文献および灰色文献を検索した。1980年以降に英語で公表された、以前のアルコール測定と比較したスクリーニングまたは評価尺度に関するフルテキストレポートを検証に含めた。バイアスリスクは、COSMINおよびQUADAS-2を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・135件の個別検証研究で構成される39件のレポートが特定された。・サマリ推定値は、スクリーニング機器が良好に機能することを示唆していた(AUC:0.91[95%CI:0.88~0.93]、感度:0.98[95%CI:0.95~0.99]、特異性:0.78[95%CI:0.74~0.82])。・既存の評価手法の検証エビデンスが不足している点を考慮し、10項目で調整した集計された信頼度推定値は、0.81(95%CI:0.78~0.83)であり、信頼性が示唆された。・バイアスリスクは、スクリーニングおよび評価尺度に関する研究のいずれも高かった。 著者らは「スクリーニングに関する利用可能なエビデンスの量および質は、良好であった。単一質問の場合には、アルコールの頻度または量について質問することが推奨される。さらに質問可能であれば、3項目のAUDIT-Cまたは10項目のAUDITの使用が推奨される。若者のアルコール関連問題を評価するためには、新たな手法を開発する必要がある」としている。

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新しい抗うつ薬の出現(解説:岡村毅氏)-1117

 まったく新しい機序の抗うつ薬に関する臨床からの報告である。まずは抗うつ薬についておさらいしてみよう。1999年にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が使えるようになり、うつ病の薬物療法に革命的な変化が起きた。それまでの古典的抗うつ薬には抗コリン作用(便秘など)や抗ヒスタミン作用(眠気など)などが伴ったが、SSRIには消化器症状(吐き気など)以外は比較的少なかったからである。 また、このころ(製薬業界にとっては黒歴史かもしれないが)うつはこころの風邪というキャンペーンがなされたりして、精神科・心療内科の敷居がずいぶん低くなった。うつはこころの風邪という言説は、今ではすっかり疾病喧伝(薬を売るために変な宣伝をしたという批判)の文脈で引用されるが、個人的には物事には両面があると思う。今では信じられないかもしれないが、「うつは弱い人がなるものだ」「精神科に行くなんて人生の破滅だ」と信じて、誰にも助けを求められずに重篤化する人もいたので、このキャンペーンによって救われた人もいただろう。 もちろん操作診断が使われるようになり、専門家が経験と知識に基づいて診断する「うつ病」から、いくつかの基準を満たしたときに診断される「うつ病エピソード」として捉えられるようになったことも大きいだろう。 ともあれ、20世紀から21世紀になるころ、うつ病は特殊で恐ろしい精神疾患ではなくなり、僕らの生活世界に現れた。人々は、かつてはそう簡単には「わたし、うつっぽいかも」とは言わなかったが、いまやずいぶん簡単に言うようになった。あれから20年間、いち臨床医としての意見であるが、SSRIが出たときのような革命的変化をもたらした薬剤は出ていない。 これは実は、統合失調症についてもいえる。1996年に同じく副作用が少ない非定型抗精神病薬が使えるようになって(もちろん、ないわけではない)、革命的な変化が起きた。具体的には新たな長期入院者はほとんど見なくなった。その後いくつかいい薬は出たが、破壊的イノベーションは起きていない。そして人々は「トウシツ」などと気軽に言うようになった。 おそらく50年前には、うつ病や統合失調症を経験した友達がいる人は少なかったであろう。今では、たぶん普通のことだ。 いずれにせよ、うつ病の薬物治療は20年程度、革命的な進歩はない。よく言えば漸進している状態である。むしろ、うつ病として治療すべき状態と、そうではない状態(たとえば生活習慣の乱れをまずは治すべき状態)などの、薬物治療以前の仕分けがしっかりなされるようになってきている。また人的資源の少ないわが国でも認知行動療法もようやく行われつつある。修正型電気けいれん療法(m-ECT)もいまや広く行われている。薬物療法以外が拡充しているのだから、健全なことだと思う。 さて、うつ病の薬物治療で現在のところ期待されている薬剤は「ケタミン」と「GABA受容体作用薬」であろう。本論文は、後者についての明らかな臨床効果を報告するものである。 これが、革命を起こしたSSRI以来の20年間に出現した「その他大勢」の新薬の末席に連なることになるのか、ブレークスルーになるのかは、もうしばらく見てみないとわからないだろう。 なお、筆者は抗うつ薬が常に必要だとは思わない。うつ病の治療には薬物治療、精神療法、環境調整の3つの柱があり、とくに軽症の場合は薬物を使わなくてもよい場合も多い。一方で、医学はしょせん人間の営みであり、苦しむ人を支援するためには、3つの柱を総動員しなければならない。また、こころを込めて治療をしても治らないときもある。とはいえ、この3つの柱はがんの「標準治療」みたいなものであり、奇妙な代替療法に患者さんが迷い込まないことを祈りたい。

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子供のスキューバダイビングは要注意!【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第147回

子供のスキューバダイビングいらすとやより使用セレブな医師の中には、スキューバダイビングセットを持っていて、もしかすると子供と一緒にスキューバダイビングをしている人もいるかもしれません。自家用クルーザーとか持っていたりして…、きぃー!羨ましいったらありゃしない!…とまぁ、そんな嫉妬はさておき。子供のダイビングについて、指導団体ごとに規準は異なりますが、体験ダイビング・Cカード(ライセンス)取得講習を受けて、10歳から参加可能としている団体が多いです。浅瀬や安全なエリアであれば、8歳も許可しているところもあります。紹介するのは、子供におけるスキューバダイビングの脳動脈空気塞栓症の報告です。Johnson V, et al.Should children be SCUBA diving?: Cerebral arterial gas embolism in a swimming pool.Pediatr Emerg Care. 2012;28:361-362.この症例報告は、脳の動脈空気塞栓を起こした10歳の子供について紹介しています。肺の過膨脹により肺胞が破裂し、肺静脈から左心系に空気塞栓が起こる機序がもっとも多く、脳塞栓と心筋梗塞が空気塞栓の中ではもっとも致死的になります。とくにスキューバダイビングの場合、浮上するときに立位になるため、脳塞栓のリスクが倍増します。過去に、アイドルの12歳の女の子がヘリウムガスを胸いっぱいに吸い込んで、空気塞栓をおこした事例があり、テレビ番組のロケ中ということもあって話題になりました。これも上述した、肺気圧外傷という機序によって起こります。脳動脈空気塞栓症は、減圧症(decompression sickness)と似た症状を起こすことがあり、鑑別が重要になります(表)。これら2つをまとめて減圧病(decompression illness)と呼びます。表 減圧症と脳動脈空気塞栓症の違い画像を拡大する成人と比べて気圧外傷に弱い小児において、とくに致死的となりうる空気塞栓は回避したいところです。各種団体が書いているように、10歳を超えてから注意深く始めるのがよさそうですね。また、ダイビング中、少量の静脈ガスであっても卵円孔開存があれば右左シャントによって動脈にガスが入るので、脳動脈空気塞栓症のリスクは高くなります。喘息やブラ・ブレブなどの肺嚢胞もリスクになるので、小児喘息例では要注意です。

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アーリーダ:“Early-leader”―前立腺がん早期治療のリーダーを目指す薬剤

2019年3月、アンドロゲンシグナル伝達阻害薬(ARAT)アーリーダ(一般名:アパルタミド)は、「遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺」を効能・効果とする製造販売承認を取得した。M0 CRPC治療の重要性ホルモン療法を実施しても進行する去勢抵抗性の前立腺がんのうち、遠隔転移がないものは、非転移性去勢抵抗性がん(M0 CRPC)と分類される。これまで「M0 CRPC患者の予後は総じて良好であり、あまり積極的な治療は必要ではない」との見方がなされることもあった。しかしM0 CRPC患者の中でも、前立腺がんの腫瘍マーカーである前立腺特異抗原(PSA)の倍加時間(PSADT)が短かったり、ベースラインのPSAが高値であったりすると、比較的早期にがんの転移を来し死亡に至る場合がある。そのため、M0 CRPCでも積極的な治療が必要となる場合があるが、M0 CRPCに特化した適応を有する治療薬は承認されていなかった。MFS延長が確認されたアンドロゲンシグナル伝達阻害薬M0 CRPCに適応を有するARATとして、アーリーダは、2018年に米国で承認・発売され、日本では2019年3月に承認された。M0 CRPC患者(PSADT10ヵ月以下)を対象とした、海外第III相臨床試験SPARTAN studyでは、主要評価項目としてアーリーダ投与による無転移生存期間(MFS)を検討している。その中央値は40.51ヵ月であり、プラセボと比較して約2年延長した。これによりアーリーダは製造販売承認を取得した。患者に、より安心を与える薬剤にさらにSPARTAN studyでは2次無増悪生存期間(PFS2)についても検討されている。プラセボ群のPFS2の中央値は39.3ヵ月であるのに対し、アーリーダ群は未到達と大きく差を広げている。PFS2が延長され、2次治療の効果を長く保ち増悪までの期間を延ばすことは、1剤目からアーリーダを投与するリーズナブルな理由となる。一つひとつの薬剤を長く使って症状を進行させないことが、前立腺がんの治療においては重要だからである。そしてPFS2の延長により、医師が患者に対して「この治療薬が効かなくても次の一手として他の薬剤もある」という安心感を伝えられることもアーリーダのベネフィットであろう。また、他のARATと比較して、アーリーダの安全性プロファイルは異なっており、皮疹は多いが、悪心、疲労などの副作用が少ないという特徴もある。前立腺がん治療の課題とアーリーダへの期待前立腺がん治療には、課題が残っている。とくに、M0 CRPCでは、積極的に治療を行わないケースが存在した。そのため適切なタイミングで画像を用いた転移の確認が行われていない場合もあり、裏を返せば骨転移がある症例に放射線治療やデノスマブなどを用いた薬物治療がなされていなかった場合も存在する。アーリーダがM0 CRPCを適応として承認されたことにより、M0 CRPCにスポットライトが当たった。このことでM0 CRPCがより適切に治療されることを期待したい。なおアーリーダは転移性去勢感受性前立腺がん(mCSPC)患者における有用性も報告され、すでに本邦においても効能・効果の追加承認申請が当局に提出されている。前立腺がんの早期ステージでの主要な位置づけ、“Early-leader”への可能性が、まさにその製品名からも感じられる。

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高まる腫瘍循環器学への注目/日本腫瘍循環器学会

 がん治療において心血管系の合併症を避けることは容易ではない。ほとんどのがんの予後が改善される中、この合併症への対策はさらに重要になっている。2019年9月21日から第2回日本腫瘍循環器学会学術集会が開催された。東京大学の小室 一成氏は、理事長講演のなかで以下のように述べた。 腫瘍循環器学は世界的に注目が高まっている。その傾向はわが国でも同様で、多くのがん関連学会、循環器関連学会で腫瘍循環器学が取り上げられている。 日本腫瘍循環器学会においても、単施設レジストリなどの発表がさかんに行われていることは大きな前進である。今後はそのような個の活動からさらに進み、循環器専門医と腫瘍専門医の連携など組織的な活動へのさらなる発展が望まれる。 学会としては、疫学研究(早期診断とリスク層別化、治療最適化のため)、基礎研究(病態解明)、治療指針としてのガイドライン策定、医療体制の整備について取り組んでいきたい。 まずは2020年にも抗がん剤の心臓副作用の日本の状況を把握するレジストリ研究を開始するという。

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CDK4/6阻害薬trilaciclibの小細胞肺がん化学療法における骨髄保護作用/Ann Oncol

 小細胞肺がんの治療においても、化学療法の骨髄毒性は大きな問題である。trilaciclibは、化学療法中の造血幹細胞・前駆細胞(HSPC)および免疫系機能保護を目的に開発中のCDK4/6阻害薬であり、前臨床において、HSPCのG1期からの移行を一時的に制御し、化学療法のダメージから保護することで、骨髄毒性からの回復を早め抗腫瘍免疫を強化するとされる。trilaciclibの骨髄保存の利点に対する概念実証を強固に示した 未治療の進展型小細胞肺がんにおける、trilaciclibの有効性、安全性および薬物動態を検証した第I/II相試験の結果が発表された。Annals of Oncology誌2019年8月27日号掲載の報告。 同試験はPart1(非盲検、用量設定)とPart2(無作為化、二重盲検プラセボ対照)からなる。Part2では、被験者は無作為に割り付けられ、エトポシド+カルボプラチン(E/P)の各サイクル前にtrilaciclibまたはプラセボを投与された。評価項目は骨髄抑制に対するtrilaciclibの効果と抗腫瘍効果であった。 trilaciclibの有効性を検証した主な結果は以下の通り。・122例の患者が登録された(Part1に19例、Part2に75例)。・trilaciclib群では好中球数、赤血球数、リンパ球の改善が確認された。・Grade3以上の有害事象(AE)はtrilaciclib+E/P群50%、プラセボ+E/P群83.8%とtrilaciclib群で良好であった。その結果は主に血液毒性の減少によるものであった。・trilaciclibに関連するGrade3以上のAEは発生しなかった。・全奏効率はtrilaciclib+E/P群 66.7%、プラセボ+E/P群56.8%であった(p=0.3831)。・無増悪生存期間PFS中央値はtrilaciclib+E/P群 6.2ヵ月、プラセボ+E/P群5.0ヵ月であった(HR:0.71、p=0.1695)。・全生存期間中央値はtrilaciclib+E/P群 10.9ヵ月、プラセボ+E/P群10.6ヵ月であった(HR:0.87、p=0.6107)。 筆者は「この試験の結果はtrilaciclibの骨髄保存の利点に対する概念実証を強固に示した」と結論付けた。

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HFrEFへのsacubitril-バルサルタンは動脈スティフネスを改善?/JAMA

 左室駆出率(LVEF)が低下した心不全(HFrEF)患者において、sacubitril/バルサルタンはエナラプリルと比較し中心動脈スティフネスを有意に改善しないことが示された。米国・ブリガム&ウィメンズ病院のAkshay S. Desai氏らが、sacubitril/バルサルタンによるHFrEFの治療が中心動脈スティフネスおよび心臓リモデリングを改善するかについて検証した無作為化二重盲検臨床試験「EVALUATE-HF試験」の結果を報告した。sacubitril/バルサルタンは、エナラプリルと比較しHFrEF患者の心血管死および心不全による入院を減少させることが示されており、血行動態や心臓リモデリングの改善と関連する可能性があった。著者は「今回の結果は、HFrEFに対するsacubitril/バルサルタンの作用メカニズムを理解するうえで手掛かりとなるだろう」とまとめている。JAMA誌オンライン版2019年9月2日号掲載の報告。HFrEF患者約460例でsacubitril/バルサルタンvs.エナラプリル 研究グループは、2016年8月17日~2018年6月28日に米国の85施設にて、LVEF 40%以下の心不全患者464例を、sacubitril/バルサルタン群(目標用量:97/103mg、1日2回、231例)とエナラプリル群(同10mg、1日2回、233例)に無作為に割り付け、12週間投与した(2019年1月26日追跡調査終了)。 主要評価項目は、中心動脈スティフネスの尺度である大動脈の特性インピーダンス(Zc)の、ベースラインから12週までの変化とした。また、NT-proBNP、LVEF、左室全体の長軸方向ストレイン(global longitudinal strain:GLS)、僧帽弁輪弛緩速度、僧帽弁E/e'比、左室収縮末期容積係数(LVESVI)、左室拡張末期容積係数(LVEDVI)、左房容積係数および心室血管整合比の、ベースラインから12週までの変化も副次評価項目として事前に規定された。特性インピーダンスの変化に両群間で有意差なし 464例(平均[±SD]年齢67.3±9.1歳、女性23.5%)のうち、427例が試験を完遂した。 Zcは、12週時においてsacubitril/バルサルタン群では低下し、エナラプリル群では増加したが、ベースラインからの変化は両群間で有意差は確認されなかった(群間差:-2.2dyne×s/cm5、95%信頼区間[CI]:-17.6~13.2、p=0.78)。 副次評価項目9項目のうち、LVEFを含む4項目(GLS、僧帽弁輪弛緩速度、心室血管整合比)でベースラインからの変化に有意な群間差はなかった。残りの、左房容積係数、LVEDVI、LVESVI、僧帽弁E/e'などの項目は、エナラプリル群よりsacubitril/バルサルタン群でベースラインからの減少が大きいことが示された。 有害事象については、低血圧症(sacubitril/バルサルタン群3.9%、エナラプリル群1.7%)も含め両群で類似していた。

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ベジタリアンは肉食より脳卒中リスク増/BMJ

 魚食や菜食主義(ベジタリアン)の人は、肉食の人と比較して虚血性心疾患の発生率は低かったが、ベジタリアンでは脳出血および全脳卒中の発生率が高いことが示された。英国・オックスフォード大学のTammy Y N Tong氏らが、ベジタリアンと虚血性心疾患および脳卒中との関連を調査した前向きコホート研究「EPIC-Oxford研究」の18年を超える追跡調査結果を報告した。これまでの研究では、ベジタリアンが非ベジタリアンより虚血性心疾患のリスクが低いことは報告されていたが、利用可能なデータが限られており、脳卒中に関するエビデンスは十分ではなかった。BMJ誌2019年9月4日号掲載の報告。約5万人を肉食・魚食・ベジタリアンに分け心血管疾患および脳卒中の発生を調査 研究グループは、1993~2001年に虚血性心疾患、脳卒中、狭心症または心血管疾患の既往がない4万8,188例を登録し、ベースラインとその後2010~13年に収集された食事の情報に基づいて、肉食群(魚、乳製品、卵を消費するかどうかにかかわらず肉を食べる人:2万4,428例)、魚食群(魚は食べるが肉は食べない人:7,506例)、菜食群(ヴィーガンを含むベジタリアン:1万6,254例)に分類し、追跡調査した。ベースラインとその後の2010年頃(平均追跡期間14年後)の両方で食事に関する報告があったのは2万8,364例であった。 主要評価項目は、2016年までの英国医療サービスの関連記録から特定された虚血性心疾患および脳卒中(脳梗塞、脳出血)の発生とし、Cox比例ハザードモデル、Wald検定を用いて解析した。ベジタリアン群の脳卒中が肉食群に比べ20%増加 18.1年以上の追跡調査の結果、虚血性心疾患2,820例、全脳卒中1,072例(脳梗塞519例、脳出血300例)が確認された。社会人口学的および生活習慣の交絡因子を調整後、魚食群およびベジタリアン群の虚血性心疾患の発生は、肉食群と比較してそれぞれ13%(ハザード比[HR]:0.87、95%信頼区間[CI]:0.77~0.99)および22%(HR:0.78、95%CI:0.70~0.87)低下した(異質性のp<0.001)。この差は、虚血性心疾患の発生が肉食群よりもベジタリアン群において、10年以上で1,000人当たり10症例(95%CI:6.7~13.1)少ないことに相当した。虚血性心疾患との関連性は、自己報告による高コレステロール、高血圧、糖尿病、BMIで調整すると、部分的に減弱した(ベジタリアン群のHR:0.90、95%CI:0.81~1.00)。 一方、ベジタリアン群では、全脳卒中の発生が肉食群より20%増加した(HR:1.20、95%CI:1.02~1.40)。これは、10年以上で1,000人当たり3症例多いことに相当し、大部分は脳出血の増加によるもので、脳卒中との関連性は疾患リスク因子を調整しても減弱しなかった。 なお、著者は研究の限界として、スタチンなどの薬物療法に関する情報が利用できなかったこと、食事や食事以外に関する交絡因子の可能性、対象者の多くが欧州の白人であり一般化できるかは限定的であることなどを挙げている。

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ブレクスピプラゾールのリバウンド現象抑制作用

 統合失調症患者に対する抗精神病薬の長期治療は、ドパミンD2受容体感作により引き起こされると考えられる過感受性精神病や遅発性ジスキネジアを誘発する可能性がある。大塚製薬のNaoki Amada氏らは、ラットにおいて亜慢性期治療後のD2受容体感受性に対するブレクスピプラゾールの効果を検討した。また、他の非定型抗精神病薬を投与された亜慢性期ラットでのD2受容体に対する増強作用を、ブレクスピプラゾールが抑制できるかについて評価を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2019年9月5日号の報告。ブレクスピプラゾールは反復投与後のD2受容体感作のリスクが低い 最大D2受容体濃度(Bmax)およびアポモルヒネ(D2受容体アゴニスト)誘導性常同行動について、21日間のvehicle、ハロペリドール(1mg/kg)、ブレクスピプラゾール(Bmax:4または30mg/kg、常同行動:6または30mg/kg)のいずれかを投与したラットで測定した。次に、ミニポンプを介して21日間リスペリドン(1.5mg/kg/日)皮下投与を行ったラットにおいて、アポモルヒネ誘発運動亢進および(±)-2.5-ジメトキシ-4-ヨードアンフェタミン塩酸塩(DOI:5-HT2A受容体アゴニスト)誘発性頭部けいれん(head twitches)の増加に対する、ブレクスピプラゾール(3mg/kg)、アリピプラゾール(10mg/kg)、オランザピン(3mg/kg)経口投与の効果を評価した。 ブレクスピプラゾールの効果検討の主な結果は以下のとおり。・ハロペリドールおよびブレクスピプラゾール(30mg/kg[抗アポモルヒネ誘発性常同行動のED50の約10倍])は、Bmaxおよびアポモルヒネ誘発性常同行動の有意な増加が認められたが、ブレクスピプラゾール(4または6mg/kg)では認められなかった。・ブレクスピプラゾール(3mg/kg)とオランザピン(3mg/kg)では、リスペリドンで治療された亜慢性期ラットにおいて、アポモルヒネ誘発運動亢進およびDOI誘発性頭部けいれん(head twitches)の増加に対する有意な抑制効果が認められたが、アリピプラゾール(10mg/kg)では、アポモルヒネ誘発運動亢進のみの有意な抑制効果が認められた。 著者らは「ブレクスピプラゾールは、反復投与後のD2受容体感作のリスクが低く、リスペリドン反復投与後のD2および5-HT2A受容体に関連するリバウンド現象を抑制する」としている。

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AIは洞調律の心電図から発作性心房細動を診断できるのか(解説:高月誠司氏)-1114

 本研究は、発作性心房細動患者の洞調律の心電図と心房細動ではない患者の洞調律の心電図を人工知能(AI)に学習させ、洞調律の心電図からその患者が発作性心房細動か否か認識できるかを検証した。畳み込みニューラルネットワーク(convolutional neural network)という画像や動画認識に多く用いられる方法を使った、AIによる10秒間の標準12誘導心電図解析の研究である。 メイヨー・クリニックの45万4,789枚の心電図で自己学習させ、6万4,340枚の心電図で自己検証、そして13万802枚の心電図でテストが行われた。結果は感度82.3%(真陽性/[真陽性+偽陰性])、特異度83.4%(真陰性/[偽陽性+真陰性])、正確度83.3%([真陽性+真陰性]/全体)で、発作性心房細動を識別することに成功した。 これには驚きを隠さざるを得ない。人間の目には見えない何かをAIは見ていることになる。これが実用化されると、健康診断の洞調律の心電図から心房細動患者が検出できるようになるということである。実用化の前には外部データを使っての検証は必須である。また、本研究ではテスト用心電図の8.4%が心房細動患者のものであったが、実際の有病率は1%程度である。そうなると偽陽性の割合が増えることが予想され、心エコーやほかの指標と組み合わせて判断する必要が出てくるだろう。また、隠れ心房細動の検出にどのようなモダリティーを用いるべきか、議論になるであろう。

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030)ありがちな外来混雑パターン【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第30回 ありがちな外来混雑パターンしがない皮膚科勤務医デルぽんです☆日々、外来をやっていると、なんとなくお決まりの患者さんの流れが見えてきませんか? 示し合わせているわけでもないのに、どこも似たような感じで不思議なものです。朝イチは、コンスタントに混雑する時間帯。出勤前のサラリーマンや、早起きの高齢者など、診療開始時間には、すでに十数人が待合室に座っています。診察を開始して、混雑の第一波が落ち着くと、時刻はだいたい10時半頃になっています。ここからは、お昼に向けてだんだんと忙しくなっていく時間帯です。日によっては、出足の遅い患者さんがお昼の受付終了間際にどっと押し寄せることもあり、お昼時間にずれ込んでしまうこともしばしば。雨の日など、患者さんの出足が遅くなりやすい日は、とくにピークが後ろ倒しになりがちで、受付終了時間に混雑が待ち構えていたりします。このように、お昼に大混雑があったり、第一波が落ち着く前に第二波が来たりすると、「今日は忙しかったな…」という印象が残ります。受付人数を確認して、「こんなに来てたのか!」とか「案外こんなもんか」などとスタッフ間で感想を言い合うのも、混雑日の一興です(笑)。また、終了時間ギリギリや、昼過ぎの時間外に飛び込んでくる患者さんに限って重症例のことがあり、診察を始めるとそこから予想外に時間が掛かることも。我慢を続けて耐えきれなくなってから来るのではなく、悪化する前に(そして受付時間内に)受診してほしい! と心の底から願う皮膚科医なのでした。それでは、また~!

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証人尋問について【Dr. 中島の 新・徒然草】(291)

二百九十一の段 証人尋問について患者さんに頼まれて意見書を作成しているうちに、いつのまにか証人として裁判所に行く羽目になってしまった。そんな経験が読者の皆様にもおありでしょうか?私はあるんですよ、これが。実際のところ、出廷の日時が決まると、その日が近づくに従って、だんだん重苦しい気持ちになってきます。もちろん、患者代理人の弁護士さんとは何度も打ち合わせをしてはいるのですが。そんなある日の事。たまたま外来をしていた時の患者さんの中に、別の弁護士さんの名前を見つけました。とある慢性疾患で通院しておられたわけです。これ幸いと、診察室でこの弁護士さん(=患者さん)に、私の苦しい気持ちを聞いてもらいました。中島「実は来週、大阪地裁に呼ばれているんですよ。証人尋問で」患者「そうなんですか」中島「私が訴えられているわけではないんですけどね」この部分は強調しておきましょう。中島「人格攻撃とかされたらどうしよう、と思ったら気が重いです」患者「そんなに心配しなくていいでしょう」中島「でも、相手の弁護士さんは有名な人らしいんです」患者「優れた弁護士ってのはね、証拠の積み上げで相手を圧倒するものなんですよ」そんな事、初めて聞いた!患者「人格攻撃で証人を錯乱状態にするというのは感心しませんな」中島「そうなんですか!」患者「依頼人にはアピールになるでしょうけど、裁判官には通用しませんよ」中島「なるほど」確かに、訴訟そのもので勝ち目がなかったら、せめて依頼人の前で証人をやり込めて点数を稼ぐくらいしかないわけです。ということは、人格攻撃というのも苦し紛れの行動かも。そう考えると、なんだか証人尋問もうまくいきそうな気がしてきました。それから数ヵ月。何だかんだで無事に裁判も終わり、あの患者さん(=弁護士さん)の再診の日がやってきました。中島「前回は証人尋問の事でアドバイスをいただきまして、ありがとうございました」患者「うまく行きましたか?」中島「お蔭様で、落ち着いて証言することができました」患者「それは良かった」中島「特に人格攻撃ということもなく、淡々と事実関係と疑問点を尋ねられただけです」実際のところ、質問の意図など考えず、ひたすら正確に答えようとしているうちに証人尋問が終わったという印象です。それにしても、「証拠を積み上げて相手を圧倒する」という考え方、素晴らしいですね。もしまた出廷する機会があったら、この言葉を胸に、落ち着いて臨みたいものです。ということで最後に1句人格を 攻撃されても 糠に釘

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日常的な問診こそ、最大のハードル【臨床留学通信 from NY】第2回

第2回:日常的な問診こそ、最大のハードル今回から、USMLE全体の対策等について述べていきたいと思います。概略は下記の通りです。USMLE Step1: 基礎医学anatomy,behavioral science,biochemistry,microbiology,pathology, pharmacology, physiologyなどUSMLE Step2 CK: 臨床医学internal medicine, surgery, pediatrics, psychiatry, obstetrics/gynecology, preventive medicineUSMLE Step2 CS: Clinical skills医学的なアセスメント、患者への気遣い、英語力USMLE Step3: Case SimulationStep3は渡米してからの受験でもよいのですが、内容はStep2 CKに毛が生えたようなものです(ただし、Visaの関係でStep3が渡米前に必要になることもあります)。わたしにとって大きなハードルだったのは、Step2 CSでした。とにかく英語で問診し、英語で模擬患者の訴えを聞き、英語で説明し、英語でカルテを書くという、徹底的に英語力が問われる試験です。わたしの場合、医師3年目にUSMLE受験を志し、同年にStep1を受験したものの、4年目は忙しく循環器研修に没頭し、5年目にようやくStep2 CKとCSを受験しました。とにもかくにも、日本を出て外人と英語で話したことなど、これまでまったくと言っていいほどなかったわけですから、医学英語が頭には浮かんでも口からスラスラ出て来ず、CSには本当に苦労しました。しかも、ベースはあくまで問診なので、本当に試されるのは医学英語というより、むしろ日常英会話力です。USMLEを受けるといったん心に決めたら、USMLEの勉強はもちろんですが、英語 (特に話す力)を並行して勉強することを強くお勧めします。実際、1年程度で英会話を身に付けるのは、かなりの労力を要しました。USMLEは高得点での一発合格が必須!ここで最も大事なことは、USMLEを受験するからには、勝負は一度きりと肝に銘じ、一回で合格すること、それも高得点で、ということです。それが後々のレジデンシーのマッチングに影響するのみならず、仮にも不合格となると、レッテルは永続的に記録として残ってしまいます。そこで必要なのが、受験に向けた戦略の立て方です。例えば、受験の順序がStep1→2CK→2CSである必要はありません(ただし、Step3については必ず最後でなければいけません)。わたしの場合は順番通りでよかったのですが、Step2CKについては、臨床をある程度積んだ研修医2年目後半以降などがいいのかもしれません。Step 1と2CSは勤めている病院によりけりですが、対策に時間がかかるので、半年以上の時間が確保できるタイミングで受けるのが望ましいでしょう。また、試験対策にはいずれも1,000ドル前後の受験費用、およびそれぞれ参考書や問題集の購入、またCS対策として現地でKaplanの講習を受けるとなると相当な出費を余儀なくされます。更にCSは現地で受けなければいけません。そして、晴れて試験をパスして留学してからも何かとお金がかかりますので、貯蓄は必須です。臨床と並行した試験勉強は、ゴールを決めてから着手USMLEの各ステップとも参考書となるのはKeyとなるFirst Aidを、問題集についてはUSMLE worldというネット問題集をお勧めします(https://www.uworld.com)。ネット問題集は期間でいくらと決まっているため、集中的に利用するのがよいでしょう。わたしは学生のころ、何となくFirst Aidを買ってはみたものの、結局にらめっこしておしまいでした。また、参考書だけでは頭にも残りません。問題集を買ったり、実際に試験を申し込んだりするような形 (日付を決める)で、背水の陣で臨むべきです。日々の臨床をやりながら試験勉強を並行するのはモチベーションも上がりにくく、相当な労力と時間を要しますので、かなりの覚悟がないと合格までたどり着けません。ちなみに、USMLEを受験するにはECFMGのウェブサイトに飛び、アカウントを作成し、Application form(form 183)を提出して、初めて申し込むことができます。詳細はウェブサイトとなりますが、提出には学部長のサインが必要となるため、久々に学事課なるところへ足を運びました。次回は、各々の試験の対策事項について述べます。

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ESMO2019 会員レポート

2019年9月27日から10月1日までESMO2019が開催される。この重要な会議における、実用的な情報をニュートラルに提供するため、ケアネットでは会員現役ドクターによる聴講レポートを企画。現在そして今後のがんの診療トレンドを順次紹介していく。現地バルセロナからオンサイトレビューレポート一覧レポーター

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