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COVID-19、中国からドイツへの帰国者126人の追跡調査/NEJM

 世界中に広がる新型コロナウイルスの感染を受け、多くの国が中国からの帰国者、旅行者に制限を設けている。ドイツの研究者らは、中国・湖北省から帰国した126人についての追跡結果を、NEJM誌オンライン版2020年2月18日号のCORRESPONDENCEに報告した。出発時の感染疑い10例と帰国後の症状発現1例は陰性 帰国者らの症状と臨床徴候のスクリーニングは中国を出発する前に実施され、飛行中、感染の可能性が高い10人の乗客は隔離された。彼らは、到着後すぐにフランクフルト大学病院に移送されたが、全員がRT-PCR検査でSARS-CoV-2陰性を示した。 残り116人の乗客(年齢:5ヵ月~68歳、23人の子供を含む)は、フランクフルト空港の医療センターに送られ、医師チームによって評価された。それぞれ症状(発熱、疲労感、のどの痛み、咳、鼻水、筋肉痛、下痢など)に関する聞き取りと体温計測が行われ、1人を除き全員が無熱だった。 38.4℃の発熱と呼吸困難、咳を呈した1人の乗客は、評価のためフランクフルト大学病院に移送されたが、RT-PCR検査結果は陰性だった。症状なしの2例で陽性が発覚 研究者らが、事前に計画されていた検疫プロセスをクリアした115人のうち、同意が得られた114人に追加でRT-PCR検査を実施したところ、2人(1.8%)がSARS-CoV-2陽性を示した。さらに、両サンプルから分離されたSARS-CoV-2は、潜在的な感染性を示した。 これらの2人(58歳男性、44歳女性)は、さらなる評価・観察のためフランクフルト大学病院の感染症ユニットに移送された。58歳の男性は、7日間の観察後も無症候・無熱であり、貧血以外の検査値異常はみられなかった。44歳の女性は、胸部と脚にわずかな発疹と軽微の咽喉炎を示したが、7日後には経過良好であり、検査値異常は報告されなかった。 この調査結果より、研究者らは「感染性のあるウイルスの放出は、発熱がなく、感染の兆候がないか軽微な人にも起こりうるかもしれない」と結論付けている。■補足資料Supplementary Appendix

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祭りで目を失った子供【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第157回

祭りで目を失った子供photoACより使用イスラム教シーア派の宗教行事として「アーシューラー(Ashura)」があります。アーシューラーとは、イスラーム暦の最初の月、ムハッラムの10日目にあたる日のことです。また、3代目イマームであるフサインの命日にあたるため、シーア派にとってはきわめて重要な日なのです。アーシューラーは元々危険なものではないのですが、一部の国では自傷行為や爆竹・花火を使った過激な祭典になっていることもあります。今回はアーシューラーの危険性を記した医学論文を紹介しましょう。Moustaine MO, et al.Ashura: a festival of charity associated with a serious and disabling eye injury (report of 12 cases).Ann Burns Fire Disasters. 2017 Mar 31;30(1):65-67.本来アーシューラーは、子供が参加したとき、おもちゃやお菓子をあげるような、ハロウィーンに似た穏やかな祭典だったのですが、近年どんどん過激化していることが問題視されています。この論文は、カサブランカにある小児眼科で治療を受けたアーシューラー時の重度眼損傷の被害児12例をまとめて報告したものです。12人の小児(平均年齢8.5歳、男児8人、女児4人)のうち、3人が両眼を損傷しました。全体の3分の2が爆竹による爆発が原因でした。8例は視機能が回復しましたが、3例は永続的な視力低下に至り、1例については穿孔により眼そのものを失うこととなりました。この論文では、輸入された爆竹のほとんどが粗悪な中国製であり、想定よりも火力が強いことが危険であると書かれています。本場中国ですら、北京市や深セン市などの大都市では使用に一定の規制が設けられています。最近は花火や爆竹をやろうにも規制が強くなり、近所の公園ですらNGになりました。そのため、爆竹なんてものを最近の子供は知らないそうで、これもそのうち死語になるかもしれませんね。

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統合失調症患者の再入院減少のための長時間作用型持効性注射剤の実際の効果

 抗精神病薬の長時間作用型持効性注射剤(LAI)と経口剤の有効性に関する比較は、さまざまな方法論的な問題により明確になっていない。韓国・健康保険審査評価院のHye Ok Kim氏らは、統合失調症患者の再入院に対するLAIと経口抗精神病薬との比較を実施した。Annals of General Psychiatry誌2020年1月14日号の報告。 2008~17年の統合失調症入院患者7万5,274例を対象に、LAIと経口抗精神病薬の再入院に対する予防効果を比較するため、被験者内分析を実施した。再入院率は、非薬物療法、経口剤単独療法、LAI療法で比較を行った。各入院エピソードについて、入院前の治療の状態に従って比較を行った。 主な結果は以下のとおり。・13万2,028件の入院エピソードについて分析を行った。・総観測期間25万5,664患者年の間に発生したアウトカムイベントは、10万1,589件であった。・LAI療法と経口剤単独療法の比較において、LAI療法の再入院の発生率比(IRR)は0.71(0.64~0.78、p<0.001)であった。・LAI療法の初回入院のIRRは、0.74(0.65~0.86)であり、入院回数が2回目(IRR:0.65[0.53~0.79])、3回目(IRR:0.56[0.43~0.76])、4回目(IRR:0.42[0.31~0.56])と増えるにつれ、IRRの減少が認められた。 著者らは「実臨床におけるLAI療法は、経口剤単独療法と比較し、統合失調症患者の再入院率を29%低下させることが示唆された。さらに、入院を繰り返す患者において、再入院率を58%低下させた。LAIは経口抗精神病薬と比較し、再入院回数が多い統合失調症患者において、再入院リスクの低減により寄与する」としている。

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肺がんEGFR変異の検出、凍結生検でより高く/Lung Cancer

 生検技術が、EGFR変異陽性の検出に影響するという検討結果が示された。ドイツ・エバーハルト・カール大学のMaik Haentschel氏らは、単一施設でのレトロスペクティブ研究を行い、気管支鏡下凍結生検によって得られた組織におけるEGFR変異の検出率を、ほかの標準的な組織標本採取法技と比較した。その結果、気管支鏡下凍結生検は、ほかの組織採取法と比較し、進行非小細胞肺がん(NSCLC)におけるEGFR変異の検出率が高いことが示されたという。EGFR変異陽性の検出は、NSCLCの個別化治療にとってきわめて重要となっているが、これまで生検の手技が、EGFR変異の検出率にどのように影響を及ぼすかは不明であった。著者は、「今回の結果は、進行NSCLC患者の個別治療を最適化するのに役立つと思われる。ただし後ろ向きの解析であるため、最終的な評価には前向き研究が必要である」とまとめている。Lung Cancer誌オンライン版2020年1月号掲載の報告。 研究グループは、2008年3月~2014年7月に組織学的にNSCLCと診断されEGFR変異の有無が既知の414例について後ろ向きに解析した。 気管支鏡下凍結生検により得られた腫瘍組織標本群(125例)と、ほかの手法で得られた腫瘍組織標本群(298例)のEGFR変異検出率を比較した。主な結果は以下のとおり。・気管支鏡下凍結生検組織では、125例中27例(21.6%)で29のEGFR変異が検出された。・一方、非凍結生検法(気管支鏡鉗子生検、穿刺吸引、画像ガイド下経胸壁および外科的手技)で得られた生検組織では、298例中40例(13.8%)で42のEGFR変異が検出された。検出率は、凍結生検組織が非凍結生検組織よりも有意に高率であった(p<0.05)。・凍結生検は、鉗子生検と比較して中枢型腫瘍におけるEGFR変異の検出率が高く(19.6% vs.6.5%、p<0.05)、末梢型腫瘍についてもわずかだが高い傾向が認められた(33.3% vs.26.9%)。

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災害診療に影響大なエネルギー、電気よりも…

 病院などの医療・福祉施設は、災害時に診療機能の継続が急務となる。また、高齢者を含む災害弱者を預かる責務を負うため、電気や水道、ガスなどのライフライン確保が求められる。この時、災害時の病院を稼働させるために忘れてはならないものーそれは石油である。 2020年1月23日、「防災の専門家と考える自然災害時の施設のリスクと備えを学ぶセミナー」が開催され、野口 英一氏(戸田中央医科グループ災害対策室長)が「自然災害時の社会的重要インフラ機能障害と対応策-業務機能継続の観点から-」について講演した(主催:全国石油商業組合連合会)。電気復旧、早くても7~14日は要する 気象庁が公開する、気象庁震度階級関連解説表(震度階とライフライン・インフラ等への影響1))には、『震度5弱程度以上の揺れがあった地域では、停電が発生することがある』と、統計的データに基づいた内容が示されている。 これを踏まえ、野口氏は過去の事例として、1995年に発生した阪神淡路大震災時の診療機能に係る被害状況(診療可能状況 神戸市内等182病院)2)を提示。「震災当日は手術や人工透析など、水道設備が必要な部門ほど対応に苦慮していた」と当時を振り返り、診療機能の低下要因として、上水道や電気、そしてガスの供給不能を挙げた。 当時は水道や都市ガスの完全復旧に約2ヵ月以上も要した。それに比べ、電気は震災後7日目に復旧するという目を見張る早さだったという。しかし、ほかの災害時にも同様の復旧が見込めるわけではなく、たとえば、2019年10月に発生した台風19号による被害では、電気の復旧に約2週間も要している。このことから、同氏は「阪神淡路大震災当時は電力会社の活躍が大きかった。しかし、ほかの震災では電力不足が一番の問題であった」と述べ、災害時に備えて「復旧までの期間は自家発電装置活用による施設ごとの対応が重要」と強調した。医療機器を稼働させるのに必要な電力量は? 災害時に電力が必要な医療活動はさまざまあるが、とくにトリアージや救急患者の手術などが優先活動として挙げられる。同氏は「トリアージには1kVA、救急患者手術には30kVA、救急患者入院には12kVAの電力を要する」とし、この状況下で利用される医療機器について「シリンジポンプは家電製品と同レベルの消費電力なので問題ないが、X線の平均消費電力は医療機器で最も高く、IH調理器の約12倍に相当する。」とコメント。一方で、被災者や入院患者の状態に最も影響するのは空調設備であるものの、「これが一番制限されてしまう」と述べた。発電に必要なのは石油 災害時の電力供給に重要な役割を担うのが自家発電装置であるが、これを稼働させるには石油の備蓄も重要である。仮に自家発電装置で72時間も電力を持続させるには、施設内に大型の石油保管用地下タンクが必要となる。都市部で地下タンクの設置は厳しいため、最寄りの石油販売業者から取り寄せなければならないが、これに対し同氏は「東日本大震災時は石油出荷拠点のほとんどが被災し、出荷不可能な日が続いた」と述べ、「災害時の石油需要は医療施設だけではない。緊急車両や災害対応車両用、避難所の給油・暖房用としてもニーズがある。医療施設には給油の優先ルールがないため、本来であれば自施設での72時間分の燃料備蓄が望まれる。しかし、消防法の規制などで備蓄が難しい場合には、外部から確実に調達できる方法が必要であり、そのためには日頃から地域の石油販売業者との関係性が大切」と、罹災に備えた地域交流の重要性を訴えた。

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心原性ショックのAMI、軸流ポンプLVAD vs.IABP/JAMA

 2015~17年に経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を実施した心原性ショックの急性心筋梗塞(AMI)患者において、軸流ポンプ左心補助人工心臓(LVAD)(Impellaデバイス)の使用は大動脈バルーンパンピング(IABP)と比較し、院内死亡および大出血合併症のリスクを増大することが示された。米国・カリフォルニア大学サンフランシスコ校のSanket S. Dhruva氏らが、機械的循環補助(MCS)デバイスによる治療を受けた、心原性ショックを伴うAMIでPCIを実施した患者のアウトカムを検討した後ろ向きコホート研究の結果を報告した。AMIの心原性ショックは、その後の後遺症や死亡と関連する。軸流ポンプLVADはIABPより良好な血行動態補助を提供するが、臨床アウトカムについてはあまり知られていなかった。JAMA誌オンライン版2020年2月10日号掲載の報告。軸流ポンプLVAD(Impella)使用例とIABP使用例で院内死亡/大出血を比較 研究グループは、2015年10月1日~2017年12月31日に、米国NCDR(National Cardiovascular Data Registry)のCathPCIレジストリとChest Pain-MIレジストリのデータを用い、PCIを実施した心原性ショックを伴うAMI患者について解析した(最終追跡期間2017年12月31日)。 患者を軸流ポンプLVAD単独使用、IABP単独使用、およびその他(たとえば、経皮的体外設置型心室補助システム、体外式膜型人工肺の使用、またはMCS併用)に分類するとともに、人口統計、既往歴、症状、梗塞部位、冠動脈の解剖学および臨床検査データに関して軸流ポンプLVAD使用患者とIABP使用患者でマッチングした。 主要評価項目は、院内死亡と院内大出血であった。Impella使用例で院内死亡/大出血リスクが有意に増大 心原性ショックを伴うAMIでPCIを施行した患者は2万8,304例(平均[±SD]年齢65.0±12.6歳、男性67.0%、ST上昇型心筋梗塞81.3%、心停止43.3%)で、このうち軸流ポンプLVAD単独使用患者は6.2%、IABP単独使用患者は29.9%であった。 傾向スコアでマッチングした軸流ポンプLVAD群1,680例およびIABP群1,680例において、軸流ポンプLVAD群はIABP群より院内死亡リスクが有意に高く(45.0% vs.34.1%、絶対リスク差:10.9ポイント[95%信頼区間[CI]:7.6~14.2]、p<0.001)、院内大出血のリスクも有意に高い(31.3% vs.16.0%、15.4ポイント[12.5~18.2]、p<0.001)ことが認められた。この関連は、PCI開始前後で患者が機器を使用したタイミングにかかわらず一貫していた。 著者は、観察研究であり、残余交絡が存在するなど研究の限界を挙げたうえで、「心原性ショックのAMI患者に対する適切な医療機器の選択について理解を深めるため、今後さらなる研究が必要である」とまとめている。

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新規抗体薬bimekizumabは乾癬性関節炎に有効か?/Lancet

 活動性乾癬性関節炎患者において、IL-17AおよびIL-17Fを選択的に阻害するモノクローナル抗体bimekizumabの16mgまたは160mg投与(320mg負荷投与あり/なし)は、プラセボと比較しACR50改善率が有意に高く、安全性プロファイルは良好であることが認められた。米国・ロチェスター大学のChristopher T. Ritchlin氏らが、多施設共同48週間の無作為化二重盲検プラセボ対照第IIb相用量範囲試験「BE ACTIVE試験」の結果を報告した。今回の結果を受け著者は、「乾癬性関節炎の治療として、bimekizumabの第III相試験の実施が支持される」とまとめている。Lancet誌2020年2月8日号掲載の報告。bimekizumabの4用量による用量範囲試験 BE ACTIVE試験は、チェコ、ドイツ、ハンガリー、ポーランド、ロシア、米国の41施設にて、6ヵ月以上症状を有する乾癬性関節炎の成人患者(18歳以上)を対象に行われた。 被験者を、プラセボ群、bimekizumab 16mg群、bimekizumab 160mg群、bimekizumab160mg+320mg 1回負荷投与群およびbimekizumab 320mg群に1対1対1対1対1の割合で無作為に割り付け、4週ごとに12週間皮下投与した。12週後に、プラセボ群およびbimekizumab 16mg群の患者を再びbimekizumab 160mg群または320mg群のいずれかに1対1の割合で無作為に割り付け、その他の患者には当初割り付けられたbimekizumab投与量を最長48週間投与した。 主要評価項目は、1回以上治験薬の投与を受けた患者における、12週時の米国リウマチ学会分類基準の50%以上改善に達した患者の割合(ACR50改善率)であった。bimekizumab 16mgおよび160mg投与は主要評価項目を達成 2016年10月27日~2018年7月16日に308例がスクリーニングを受け、206例が5群に無作為に割り付けられた(プラセボ群42例、4つのbimekizumab群各41例)。 12週時のACR50改善率は、プラセボ群と比較して、bimekizumab 16mg群(オッズ比[OR]:4.2、95%信頼区間[CI]:1.1~15.2、p=0.032)、bimekizumab 160mg群(8.1、2.3~28.7、p=0.0012)、bimekizumab 160mg+320mg負荷投与群(9.7、2.7~34.3、p=0.0004)で有意に高かった。 12週時における試験治療下で発現した有害事象(TEAE)の発現率は、プラセボ群で42例中24例(57%)、bimekizumab群で164例中68例(41%)であり、そのほとんどは軽度~中等度であった。重篤なTEAEは9例の患者で確認され、そのうち8例がbimekizumabの投与を受けていた。死亡や炎症性腸疾患の報告は確認されなかった。

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乳がん発症ハイリスク閉経後女性に対するアナストロゾールによる化学予防(IBIS-II):5年内服後の予防効果は11年後も継続(解説:下村昭彦氏)-1189

 本試験は、乳がん発症リスクの高い閉経後女性に対するアナストロゾール予防投与の試験(IBIS-II試験)の長期フォローアップデータである。初回の報告は2015年に行われ、今回はそのフォローアップデータが公表された。本試験では乳がん発症高リスクと考えられる40〜70歳の閉経後女性を対象に行われた。高リスクの定義としては、家族歴などが挙げられた。3,894例がアナストロゾール群もしくはプラセボ群に1:1に割り付けられ、5年間内服した。観察期間中央値は131ヵ月で、乳がん発症はハザード比0.51とアナストロゾール群で統計学的有意に約半数に減少した(85例vs.165例、95%CI:0.39~0.66、p<0.0001)。 キャリーオーバーエフェクト(治療終了後も治療効果が継続すること)が認められ、乳がん発症率の低下は、最初の5年間が大きかったが(35例vs.89例、HR:0.39、95%CI:0.27~0.58、p<0.0001)、5年以降もアナストロゾール群で有意に少なかった(新規発症例:50例vs.76例、HR:0.64、95%CI:0.45~0.91、p=0.014)。これは乳がん術後のタモキシフェンやアロマターゼ阻害薬で見られる現象と同様である。 興味深いことに、乳がん死亡はアナストロゾール群で2例、対照群で3例と両群に差を認めなかったが、アナストロゾール群では他がん(とくにメラノーマ以外の皮膚がん)による死亡が顕著に少なかった。骨折や心血管イベントなどの有害事象は両群で差はなく、アナストロゾール投与による有害事象の増加は認めなかった。 本試験により、乳がん発症リスクの高い閉経後女性に対するアナストロゾール5年投与の予防効果が示された。これは、術後のタモキシフェン投与後にレトロゾール投与を5年追加することの意義を検証したMA.17試験で、対側乳がんの発症が抑制されたという結果とも一致する。発症抑制効果は認められたが、生存への寄与については現在のところ示されていない。また、本試験では有害事象の増加は認めなかったが、ABCSG-16試験(アロマターゼ阻害薬5年vs.7年)では明らかに骨折が増加していた。患者背景の違いなど、有害事象についても慎重な判断が必要だろう。

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第43回 ホットタオルなどで目を温めるとドライアイの症状が和らぎます【使える!服薬指導箋】

第43回 ホットタオルなどで目を温めるとドライアイの症状が和らぎます1)医療情報科学研究所(編集). メディックメディア. 『薬がみえるvol.2』p.3962)Sassa T, et al. FASEB J. 2018;32:2966-2978. [Epub 2018 Jan 17].3)Lemp MA, et al. Cornea. 2012;31:472-478.4)Sim HS, et al. Ophthalmol Ther. 2014;3:37-48. [Epub 2014 Aug 26].

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民泊あれこれ【Dr. 中島の 新・徒然草】(311)

三百十一の段 民泊あれこれ近医から紹介されてきた80代後半の女性。『最近物忘れが多いので認知症はありませんでしょうか? できれば頭部MRIをお願いします』という診療情報提供書をお持ちでした。近くの商店街に住んでいて御一人での受診です。80代後半でありながら、付き添いなしで病院の受診手続きを済ませて診察室に現れたのだから、むしろ相当しっかりしているような気がします。少し世間話をしながらの問診ですが、話は思わぬ方向に行ってしまいました。中島「〇〇商店街に住んでおられるのですね。いいところじゃないですか」患者「それが先生、全然あきませんねん」中島「僕も時々通るけど、シャッター商店街という印象は全く持ちませんよ」患者「それがね。民泊ですねん、民泊!」中島「民泊というと、最近流行っているやつですか?」私自身は1回も利用したことはありませんが、大阪に来た知り合いが、朝食付き1泊2,000円の民泊を利用したそうです。思ったより清潔で、非日常の体験ができたので喜んでいました。患者「まだシャッター商店街のほうがなんぼかマシや」中島「ええ?」患者「跡継ぎがいなくなった商店が、次々に外国人に買われて民泊になるんよ」中島「そうなんですか!」患者「外国からの観光客が狭いところに大勢で泊まってうるさいし、ゴミはところ構わず捨てるし」中島「それは大変ですね」患者「あの人ら、タバコを吸っては吸い殻をゴミの中に捨てるから危なくて仕方ないんよ」中島「そういや、民泊でボヤが起こったというニュースがありましたね」患者「京都でしょ。他人事とは思われへんわ」調べてみたら2年ほど前の事でした。大惨事にならなくて良かったです。患者「夜中でも関係なしに大きなスーツケースをガラガラ引っ張ってくるし」中島「あれ、結構響きますよね」患者「玄関がドンドンドンと叩かれたと思ったら、住所を書いた紙を出して『ココ、ドコ?』と言われるし」中島「行き先がわからなくなったんですかね」患者「新しい住居表示で、聞かれてもわからないのよ。第一、なんで夜遅くに玄関の扉を叩くわけ?」中島「すみません」意味不明な問答です。患者「町内会の会長さんが何回も行政に掛け合って、ようやく民泊の中を見せてもらったら汚い汚い!」患者「一族郎党でやってくるから、夜中に赤ん坊の泣き声がしてね」患者「そら赤ん坊は泣くもんやから仕方ないけど。ぬいぐるみとか持って行ってあやしてやったら、その時だけは向こうの人も喜んでくれるのよ」相槌を打つ隙もありません。患者「先生、どない思います?」そんなこときかれても困りまんがな。中島「ま、認知症の方は心配しなくていいんじゃないかな」患者「はあ?」中島「せっかく来られたんだから、頭部MRIの手配をしておきましょう」この方も、民泊相手に文句を言っているかぎりボケなくて済みそうですね。最後に1句高齢者 民泊刺激で 活性化

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治療抵抗性うつ病のリスク因子~コホート研究

 治療抵抗性うつ病のリスク因子を明らかにすることは、メカニズムやリスクを有する患者を特定するために、役立つであろう。しかし、さまざまなリスク因子が治療抵抗性うつ病とどのように関連しているかは、よくわかっていない。デンマーク・Bispebjerg and Frederiksberg HospitalのFrederikke Hordam Gronemann氏らは、治療抵抗性うつ病と社会人口統計学的および臨床的なリスク因子との独立した関連性について、検討を行った。Journal of Affective Disorders誌2020年1月15日号の報告。 1996~2014年にデンマークの全国患者登録システム(DNPR)より抽出したうつ病患者19万4,074例を対象に、診断後12ヵ月間治療抵抗性うつ病のフォローアップを行った。社会人口統計学的および臨床的なリスク因子は、全国レジストリより抽出した。競合死亡リスクの分析には、Cox比例ハザード回帰モデルおよびFine-Grayモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・治療抵抗性うつ病の強いリスク因子は、以下のとおりであった。 ●再発性うつ病(調整ハザード比[aHR]:1.17、95%CI:1.14~1.20) ●うつ病重症度(aHR:2.01、95%CI:1.95~2.08) ●精神科病棟への入院(aHR:2.03、95%CI:1.96~2.10)・治療抵抗性うつ病の発生率との関連が認められたのは、以下のとおりであった。 ●65~84歳(aHR:1.96、95%CI:1.83~2.10) ●失業(aHR:1.12、95%CI:1.08~1.16) ●同居(aHR:1.27、95%CI:1.23~1.30) ●不安症合併(aHR:1.18、95%CI:1.10~1.27) ●不眠症合併(aHR:1.27、95%CI:1.06~1.51) ●片頭痛合併(aHR:1.42、95%CI:1.16~1.73) ●向精神薬の使用・本研究の限界として、入院中の薬物治療に関する情報が得られなかった点、症状の重症度や治療反応をより正確に評価するための評価尺度に関する情報が不足していた点があげられる。

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polatuzumab vedotin、DLBCL国内第II相試験の主要評価項目を達成/中外

 中外製薬は、2020年2月13日、polatuzumab vedotinの国内第II相臨床試験(JO40762/P-DRIVE試験)において、主要評価項目を達成したと発表。 JO40762(P-DRIVE)試験は、再発又は難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者35例を対象として、polatuzumab vedotinとBR療法を併用投与する第II相多施設共同単群非盲検試験。本試験の主要評価項目は治験責任/分担医師評価によるPRA時点(治験薬最終投与後6~8週)におけるPET-CTによる完全奏効率(complete response rate:CRR)である。 polatuzumab vedotinは、ヒト化抗CD79bモノクローナル抗体とチューブリン重合阻害剤をリンカーで結合させた、抗CD79b抗体薬物複合体。CD79bタンパクは、多くのB細胞で特異的に発現しており、新たな治療法を開発する上で有望なターゲットになり得る。現在国内外において、複数のタイプの非ホジキンリンパ腫を対象として臨床開発が行われている。わが国では、2019年11月に厚生労働省よりDLBCLに対する希少疾病用医薬品に指定されており、米国では2019年6月に迅速承認を、欧州では2020年1月に条件付き承認をそれぞれ取得している。

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高出血リスクへのPCIステント、ポリマーベースvs.ポリマーフリー/NEJM

 出血リスクが高い、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後に1ヵ月の抗血小板薬2剤併用療法を行った患者において、ポリマーベース・ゾタロリムス溶出ステントの使用は、ポリマーフリー・umirolimus被覆ステントの使用に対し、安全性および有効性の複合アウトカムについて非劣性であったことが示された。スイス・ベルン大学のStephan Windecker氏らが、約2,000例を対象に行った無作為化単盲検試験で明らかにした。これまで同患者において、ポリマーフリー・薬剤被覆ステントの使用は優れた臨床的アウトカムを示すことが報告されていたが、ポリマーベース・薬剤溶出ステントとの比較データは限られていた。NEJM誌オンライン版2020年2月12日号掲載の報告。1年後の心臓死、心筋梗塞、ステント血栓症の統合アウトカムを比較 研究グループは、PCIを受ける患者で出血リスクの高い1,996例を対象に試験を行った。 被験者を無作為に2群に分け、一方にはポリマーベースのゾタロリムス溶出ステントを(1,003例)、もう一方の群にはポリマーフリーのumirolimus被覆ステントを用いてPCIを施行した(993例)。被験者は術後、抗血小板薬2剤併用療法を1ヵ月、その後は抗血小板薬単剤療法を受けた。 主要アウトカムは、1年時点の心臓死、心筋梗塞、ステント血栓症の統合アウトカムだった。主な副次アウトカムは、標的病変不全と、心臓死、標的病変心筋梗塞または標的病変血行再建の臨床的必要性のいずれかで評価した有効性だった。両アウトカムともに、非劣性検証を行った。主な副次アウトカムも非劣性 1年時点の主要アウトカム発生は、ゾタロリムス溶出ステント群17.1%(988例中169例)、ポリマーフリー・umirolimus被覆ステント群16.9%(969例中164例)だった(リスク差:0.2ポイント、97.5%片側信頼区間[CI]上限:3.5、非劣性マージン:4.1、非劣性のp=0.01)。 主な副次アウトカムの発生も、ゾタロリムス溶出ステント群17.6%(174例)、ポリマーフリー・umirolimus被覆ステント群17.4%(169例)だった(リスク差:0.2ポイント、97.5%片側CI上限:3.5、非劣性マージン:4.4、非劣性のp=0.007)。

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MRSA、バンコマイシン/ダプトマイシンへのβラクタム系追加投与は?/JAMA

 MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)菌血症患者に対し、バンコマイシンまたはダプトマイシン静脈投与による標準治療にβラクタム系抗菌薬を追加投与しても、90日時点の複合アウトカムおよび全死因死亡について、有意な改善は認められないことが示された。オーストラリア・Peter Doherty Institute for Infection and ImmunityのSteven Y C Tong氏らが、約350例の患者を対象に行った無作為化試験で明らかにした。MRSA菌血症による死亡率は20%超となっている。これまで標準治療+βラクタム系抗菌薬による介入が死亡率を低下することが示されていたが、検出力が十分な無作為化試験による検討はされていなかった。JAMA誌2020年2月11日号掲載の報告。標準治療に加えβラクタム系抗菌薬を7日間投与 研究グループは2015年8月~2018年7月にかけて、4ヵ国27病院でMRSA菌血症が確認された成人患者352例を対象に、非盲検無作為化試験を開始し、2018年10月23日まで追跡した。 被験者を無作為に2群に分け、一方には標準治療(バンコマイシンまたはダプトマイシン)に加えβラクタム系抗菌薬(flucloxacillin、クロキサシリン、セファゾリンのいずれか)を静脈投与した(174例)。もう一方の群には、標準治療のみを行った(178例)。 合計治療日数については担当臨床医の判断とし、またβラクタム系抗菌薬投与は7日間とした。 主要エンドポイントは、90日時点における死亡、5日時点の持続性菌血症、微生物学的再発、微生物学的治療失敗の複合エンドポイントとした。 副次アウトカムは、14日、42日、90日時点の死亡率と、2日、5日時点の持続性菌血症、急性腎障害(AKI)、微生物学的再発、微生物学的治療失敗、抗菌薬静脈投与期間などだった。主要エンドポイント発生はともに約4割 試験は当初440例を登録する予定だったが、同試験のデータ・安全性モニタリング委員会は安全性への懸念から、試験の早期中止を勧告。無作為化を受けた被験者は352例であった。被験者の平均年齢は62.2歳、女性は34.4%、試験を完了したのは345例(98%)だった。 主要エンドポイントの発生は、βラクタム群59例(35%)、標準治療群68例(39%)だった(絶対群間差:-4.2ポイント、95%信頼区間[CI]:-14.3~6.0)。事前に規定した副次評価項目9項目のうち、7項目で有意差がなかった。 90日全死因死亡は、βラクタム群35例(21%)vs.標準治療群28例(16%)(群間差:4.5ポイント、95%CI:-3.7~12.7)、5日時点の持続性菌血症発生率はそれぞれ11% vs.20%(-8.9ポイント、-16.6~-1.2)であり、また、ベースライン時に透析を受けていなかった被験者におけるAKIの発生率は23% vs.6%(17.2ポイント、9.3~25.2)だった。 結果について著者は、「安全性への懸念から試験が早期に中止となったこと、介入を支持する臨床的に意義のある差異が検出されなかったことを考慮して、所見を解釈すべきであろう」と述べている。

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COVID-19、年代別の致命率は~4万例超を分析

 4万4,000例を超える新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疫学的調査結果が報告された。2020年2月11日時点で、中国で診断された全症例の記述的、探索的分析の結果が示されている。CCDC(中国疾病管理予防センター)のYanping Zhang氏らによるChinese journal of Epidemiology誌オンライン版2020年2月17日号掲載の報告。COVID-19症例の年齢分布や致命率を分析 著者らは、2020年2月11日までに報告されたすべてのCOVID-19症例を、中国の感染症情報システムから抽出。以下の6つの観点で分析を実施した:(1)患者特性の要約、(2)年齢分布と性比の分析、(3)致命率(死亡例数/確定例数、%で表す)と死亡率(死亡例数/総観察時間、per 10 person-days[PD]で表す)の算出、(4)ウイルスの広がりの地理的時間的分析、(5)流行曲線の構築、(6)サブグループ解析。 患者特性はベースライン時に収集され、併存疾患は自己申告による病歴に基づく。症例は、確定(咽頭スワブでのウイルス核酸増幅検査陽性)、疑い(症状と暴露状況に基づき臨床的に診断された症例)、臨床診断(湖北省のみ、COVID-19と一致する肺造影像疑いの症例)、無症候(検査陽性だが、発熱やから咳などの症状がみられない症例)に分類された。 流行曲線における発症日は、本調査中に患者が発熱または咳の発症を自己申告した日付として定義。重症度は、軽度(非肺炎および軽度肺炎の症例が含まれる)、中等度(呼吸困難[呼吸数≧30/分、血中酸素飽和度≦93%、PaO2/FiO2比<300、および/または24~48時間以内に>50%の肺浸潤])、重度(呼吸不全、敗血症性ショック、および/または多臓器障害)に分類された。COVID-19の致命率は2.3% COVID-19症例の年齢分布や致命率を分析した主な結果は以下のとおり。・計7万2,314例の患者記録が分析された。内訳は、確定が4万4,672例(61.8%)、疑いが1万6,186例(22.4%)、臨床診断が1万567例(14.6%)、無症候が889例(1.2%)。以下のデータはすべて確定例での分析結果。・年齢構成は、9歳以下が416例(0.9%)、10~19歳が549例(1.2%)、20~29歳が3,619例(8.1%)、30~39歳が7,600例(17.0%)、40~49歳が8,571例(19.2%)、50~59歳が1万8例(22.4%)、60~69歳が8,583例(19.2%)、70~79歳が3,918例(8.8%)、80歳以上が1,408例(3.2%)。・男性が51.4%、湖北省で診断された症例が74.7%を占め、85.8%で武漢市と関連する暴露が報告された。・重症度は、軽度が3万6,160例(80.9%)、中等度が6,168例(13.8%)、重度が2,087例(4.7%)、不明が257例(0.6%)。・併存疾患は、高血圧が2,683例(12.8%)、 糖尿病1,102例(5.3%)、心血管疾患874例(4.2%)、慢性呼吸器疾患511例(2.4%)、がん107例(0.5%)であった。・1,023例が死亡し、全体の致命率は2.3%。・年齢層別の死亡数(致命率、死亡率[per 10 PD])は、9歳以下はなし、10~19歳が1例(0.2%、0.002)、20~29歳が7例(0.2%、0.001)、30~39歳が18例(0.2%、0.002)、40~49歳が38例(0.4%、0.003)、50~59歳が130例(1.3%、0.009)、60~69歳が309例(3.6%、0.024)、70~79歳が312例(8.0%、0.056)、80歳以上が208例(14.8%、0.111)。・併存疾患別の死亡数は、致命率および死亡率が高い順に、心血管疾患92例(10.5%、0.068)>糖尿病80例(7.3%、0.045)>慢性呼吸器疾患32例(6.3%、0.040)>高血圧161例(6.0%、0.038)>がん6例(5.6%、0.036)。なお、併存疾患のない患者で死亡は133例発生し、致命率は0.9%、死亡率は0.005 per 10 PDであった。・発症の流行曲線は1月23~26日頃および2月1日にピークに達し、その後減少傾向にある。・COVID-19は、2019年12月以降に湖北省から外部に広がり、2020年2月11日までに、31省すべてに広がった。・1,716例の医療従事者が確定例に含まれ、5例が死亡している。 著者らは、COVID-19は確定例の約81%で軽度であり、致命率は2.3%と非常に低いとしている。1,023例の死亡のうち、過半数が60歳以上および/または併存疾患を有しており、軽度または中等度の患者では死亡は発生していない。しかし、COVID-19が急速に広がったことは明らかで、湖北省から中国本土の残りの地域に広がるまでたった30日しかかからなかったと指摘。多くの人が春節の長い休暇から戻った現在、流行のリバウンドに備える必要があるとしている。

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犬と猫と心電図から人工知能(AI)に挑戦する!【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第20回

第20回 犬と猫と心電図から人工知能(AI)に挑戦する!2019年に自分が読んだ論文の中で最も興奮した論文を紹介しましょう。米メイヨークリニックの研究チームの論文です(Attia ZI, et al. Lancet. 2019;394:861-867.)。インパクトのある研究なので、ケアネットのジャーナル四天王でも紹介されています(心房細動を洞調律から検出、AI対応ECGによるPOCT/Lancet)。簡単におさらいすると、発作性心房細動患者の一見正常な洞調律の標準12誘導心電図から、潜在的な心房細動の存在を、83%の正確度をもって人工知能(AI)が識別できたというのです。発作性心房細動は、動悸発作時にタイミングよく心電図を記録できれば診断可能ですが、非発作時の洞調律の心電図から、過去の心房細動の有無を類推することは難しいです。循環器専門医である自分が、このAIより正確に診断できる自信はありません。この研究では、深層学習(ディープラーニング)に分類される「畳み込みニューラルネットワーク(CNN)」をAI技術として用いています。このCNNは、人間の脳内の視覚の神経回路網を模した画像認識法で、自動運転や監視カメラの顔認識、アルファ碁での碁盤局面の認識にも活用されています。ここで、皆様にCNNを噛砕いて解説しましょう。人間が物を見る過程は、物体が網膜に像を結び、視神経を通じて脳に刺激が達し、物体が何であるかを認識します。脳は、物体の像全体を一機に把握するのではなく、限定された領域ごとに像をスキャンするように認識し、その領域をスライドさせ認識作業を繰り返し、さらに統合して全体を認識します。コンピュータのCNNでは、画像データの一部分にフィルタをかけ演算し、その領域をスライドしながら繰り返します。この処理が「畳み込み」で、画像が持つ局所的な特徴を抽出します。コンピュータは画像の特徴を繰り返し抽出し対象物を推測し、また正解データで答え合わせをして学習しながら、画像認識の精度を高めていくのです。さて、突然ですが皆さんは、犬と猫の区別ができますか? このコラムの読者の皆様は、間違うことなく「犬だ!」/「猫さまだ!」と判断できることでしょう。しかし、犬の定義や猫の定義を正確に述べることは難しいのではないでしょうか。幼少期から数多くの犬と猫に出会い、その各場面で親から「これは犬、これは猫」と正解を教えられるうちに、その特徴を抽出し認識精度が向上してきたのです。「瞳の形状を観察し縦長ならば猫の確率が高い」などの鑑別点を事前に教えられた訳ではありません。この「目の付けどころ」を「特徴量」と呼びます。視覚から入力された動物の画像データから自らが特徴量そのものを学んでいくのです。これが人間の学習であり成長です。AIにおいても、特徴量をコンピュータが能動的に抽出する点が鍵なのです。心房細動推定の論文でも、心電図P波の心房負荷所見などをコンピュータに教えて判断させるのではなく、18万人を超える患者の約65万件の心電図を見せ続けて、その画像データに潜む特徴量そのものを抽出させ深層学習させたのです。我が家の猫は、自分のことを猫と認識しているのか、人間と自覚しているのかに興味が湧いてきました。家猫として人間に囲まれて育ってきたので、猫の特徴量について学習する機会がなかったに違いありません。きっと自らを一番偉い人間として認識していることでしょう。猫と人間の境界線が不鮮明で、猫の家来であることに何の不満もない私に、AIや深層学習を語る資格はないのかもしれません。

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服薬負担を考慮した剤形・服用回数の変更提案【うまくいく!処方提案プラクティス】第15回

 今回は患者さんの服薬負担を考慮した処方提案を紹介します。さまざまな薬の剤形や規格を把握している薬剤師だからこそ提案できる場面は多くあります。薬学的な判断を行いつつ、患者さんの想いも実現できるように寄り添いましょう。患者情報90歳、女性(施設入居)体  重:50kg基礎疾患:心房細動、閉塞性動脈硬化症、高血圧症、糖尿病、褥瘡既 往 歴:とくになし直近の血液検査:TG:151mg/dL処方内容1.ジゴキシン錠0.125mg 1錠 分1 朝食後2.エソメプラゾールカプセル20mg 1カプセル 分1 朝食後3.スピロノラクトン錠25mg 2錠 分1 朝食後4.アピキサバン錠2.5mg 2錠 分2 朝夕食後5.トコフェロールニコチン酸エステルカプセル200mg 2カプセル 分2 朝夕食後6.ニコランジル錠5mg 3錠 分3 毎食後7.イコサペント酸エチルカプセル300mg 6カプセル 分2 朝夕食後8.ポラプレジンク口腔内崩壊錠75mg 2錠 分2 朝夕食後本症例のポイントこの患者さんは、以前より両下肢の冷感と違和感を自覚しており、定期訪問診療で閉塞性動脈硬化症による血流障害を指摘され、イコサペント酸エチル(以下EPA)が開始となりました。EPAには300mgの軟カプセル(直径約18mm)と、300mg/600mg/900mgの3規格の小さな粒状カプセル(直径約4mm)の分包包装があります。今回、軟カプセルが処方されたのは、いつもの定期薬と一包化することで服薬アドヒアランスに影響を与えることなく治療が可能と判断されたためです。処方提案と経過しかし、実は患者さんはこれ以上薬を増やすことが嫌で、大きい薬は服用が難しいということを話されていました。また、併用注意のアピキサバンを服用していることから、EPA1,800mg/日では出血に関わる副作用を助長する可能性があり、開始用量も慎重に検討したほうがいいと考えました。そこで、患者さんの想いに沿って、負担の少ない剤形と用法用量への変更を医師に提案することにしました。医師への疑義照会を電話で行い、アピキサバンの出血リスクからEPAは900mg/日に減量し、患者さんの心理的負担を軽減するために小さい粒状カプセルに変更して1日1回服用にまとめるのはどうか提案しました。その結果、出血リスクを懸念した医師に提案を承認してもらうことができました。現在、患者さんはEPA900mgを夕食後に1包服用しており、薬剤は増えたものの問題なく服薬を続けて症状は改善傾向にあります。

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オランザピン研究の最新レビュー

 多くのエビデンスによってオランザピンは、米国で発売されている抗精神病薬の中で、クロザピンを除き最も効果的な薬剤の1つであるといわれている。しかしオランザピンは、代謝関連の副作用(とくに体重増加)の問題が報告されている。誘発される体重増加をコントロールするための戦略を明らかにすることで、オランザピンの臨床的有用性を再評価できると考えられる。米国・コロンビア大学のAmir M. Meftah氏らは、2008年と2009年に行ったレビュー以降のオランザピンに関する最近のエビデンスをレビューし、統合失調症およびその他の疾患への使用、オランザピン20mg/日超の安全性について検討を行った。Postgraduate Medicine誌オンライン版2020年1月3日号の報告。 2008年~2019年7月までのオランザピンに関する英語文献をPubMedより検索した。最初の検索で見落とした可能性のある他のレポートについて、レビュー文献を調査した。研究の有効性、安全性のデータに基づき評価を行った。 主な結果は以下のとおり。・オランザピンの使用は減少している可能性があるが、全体的には一般的に用いられている。・オランザピンは、有効性および体重増加や代謝関連の副作用の両方が報告され続けている。・最近の研究では、神経性食欲不振や化学療法誘発性悪心に対する治療にオランザピンが支持されている。・オランザピン20mg/日超の高用量に関するエビデンスは限られている。・食事のカウンセリングや運動などの非薬理学的介入は、抗精神病薬による体重増加への効果的な介入であると考えられる。・トピラマート、メトホルミン、オランザピンとsamidorphanの組み合わせも有用であると考えられる。 著者らは「オランザピンは、有用な抗精神病薬ではあるが、注意深くモニタリングする必要がある。オランザピンによる体重増加を緩和するための利用可能なさまざまなオプションを比較し、薬理学的治療と非薬理学的治療の相乗効果を評価するために、さらなる研究が必要とされる」としている。

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血清BDNF濃度、短時間睡眠を伴う不眠と関連か

 神経系から分泌されるタンパク質である脳由来神経栄養因子(BDNF) は、神経細胞の発生・成長・維持・修復に働くが、ヒトの睡眠の調節にも関与することが示されている。今回、京都大学の降籏 隆二氏らは、血清BDNF濃度と睡眠障害との関連について短時間睡眠を伴う不眠(insomnia with short sleep duration:ISS)に着目し、横断研究を実施した。その結果、ISSが血清BDNF濃度の低下と関連している可能性が示された。Sleep Medicine誌2020年4月号に掲載。 本研究の対象は、東京の総合病院1施設に勤務する看護師から登録された女性577人(35.45±10.90歳)。2015年11~12月に、血清BDNF濃度を測定し、自記式質問票により不眠(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒)の有無、睡眠時間を調査した。ISSは、入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒のいずれか1つがあり、睡眠時間が6時間未満のものとした。 主な結果は以下のとおり。・577人のうち、21.3%が不眠と回答し、41.4%が短時間睡眠(6時間未満)であり、最終的にISSとされたのは12.5%だった。・ISS群は、非ISS群と比較して血清BDNF濃度が有意に低かった。・短時間睡眠を対象とした解析では、不眠のある群では、不眠のない群と比較して有意に血清BDNF濃度が低下していたが、正常睡眠時間(6時間以上)では不眠の有無による血清BDNF濃度の差は認められなかった。 著者らは「本研究は、ISSでは血清BDNF濃度が低下することを示した初めての研究であり、これらの結果が睡眠の悪化とBDNFの病態生理学的な関連性を解明するかもしれない」としている。

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