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抗うつ薬治療後のうつ病患者における皮質厚の変化

 従来の抗うつ薬が遅効性であることを考慮すると、早期治療反応のバイオマーカーを特定することは、重要な課題である。うつ病の神経画像の研究では、皮質厚の減少が報告されているが、抗うつ薬がこの異常を改善させるかはよくわかっていない。米国・イェール大学のSamaneh Nemati氏らは、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)治療後の初期の皮質厚変化について、プラセボとの比較を行い調査した。Chronic Stress誌2020年1月~12月号の報告。 うつ病患者215例を対象とし、SSRI(セルトラリン)群またはプラセボ群に、ランダムに割り付けた。ベースライン時および治療1週間後に、構造的画像(structural MRI)スキャンを行った。治療反応は、8週間後のハミルトンうつ病評価尺度スコア50%以上の改善と定義した。治療効果、治療反応、治療×反応について調査するため、vertex-wise approachを用いた。 主な結果は以下のとおり。・多重比較の修正後、SSRI群は、プラセボ群と比較し、皮質厚が広範に増大しており、有意な治療効果が認められた。・皮質厚増加は、左内側前頭前野、右内側および外側前頭前野、右頭頂側頭葉内で認められた。・SSRI誘発性の皮質薄化は認められず、治療反応または治療×反応の相互作用も認められなかった。 著者らは「うつ病患者でみられる皮質厚の異常が、抗うつ薬で改善する可能性が示唆された。しかし、初期の皮質変化とその後の治療反応との関連は実証されていない。このような初期効果が8週間維持され、治療反応の向上と関連しているかを調査するためには、さらなる研究が求められる」としている。

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ニボルマブ・化学療法併用、非小細胞肺がんに対する国内承認申請/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年2月27日、ニボルマブ(商品名:オプジーボ)について、切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんに対するプラチナ製剤を含む2剤化学療法との併用療法による用法及び用量の追加に係る国内製造販売承認事項一部変更承認申請を行ったと発表。 今回の承認申請は、化学療法未治療のStage4または再発の非小細胞肺がん患者を対象に実施した多施設国際共同非盲検無作為化第III相臨床試験CheckMate-227のPart1およびPart2の結果に基づいている。

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COVID-19、無症状でもCTに異常、急速な進行も

 武漢の病院に入院したCOVID-19肺炎患者の胸部CT画像の所見と変化について、華中科技大学放射線科のHeshui Shi氏らがまとめた研究結果が発表された。疾患経過における複数時点でのCT所見を分析した結果、無症状の患者であってもCT画像には異常が認められ、1〜3週間以内に急速に進行するケースが示された。著者らは「CT画像と臨床および検査所見を組み合わせることで、COVID-19の早期診断が容易になるだろう」と述べている。Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2月24日号掲載の報告。 研究者らは、2019年12月20日~2020年1月23日に武漢の2病院に入院し、胸部CTによる経過観察が行われた81例(RT-PCR法あるいは次世代シーケンシングによる確定例)を遡及的に登録。患者は、発症と初回CT撮影までの時間に基づき4群(グループ1[15例:無症状で発症前に撮影]、グループ2[21例:発症から1週間以内]、グループ3[30例:1週間超~2週間以内]、グループ4[15例:2週間超~3週間以内])に分類された。画像所見とその変化を分析し、4群で比較した。 主な結果は以下のとおり。・81例の内訳は、男性42例(52%)、女性39例(48%)、平均年齢は49.5(SD:11.0)歳。・異常が見られた平均肺区域数は、全体:10.5(SD:6.4)、グループ1:2.8(3.3)、グループ2:11.1(5.4)、グループ3:13.0(5.7)、グループ4:12.1(5.9)であった。・異常の内訳は、両側性(64例 [79%])、末梢性(44例 [54%])、辺縁不整(66 例[ 81%])、すりガラス影(53例 [65%])が多く、主に右下葉(849区域中225 区画[27%])で発生していた。・グループ1の主な所見は、片側性(9例 [60%])、多発性(8例 [53%])、すりガラス影(14 例[93%])であり、急速に両側性に進展したケースが多かった(19例 [90%])・グループ2では、びまん性(11例 [52%])、すりガラス影優位(17例 [81%])が多かった。・一方で、グループ3、グループ4ではすりガラス影が減少し(17例[57%]、5例[33%])、湿潤影とすりガラス影の混合パターンが増加した(12例[40%]、8例[53%])。

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妊娠中のマクロライド系抗菌薬、先天異常への影響は/BMJ

 妊娠第1期のマクロライド系抗菌薬の処方は、ペニシリン系抗菌薬に比べ、子供の主要な先天形成異常や心血管の先天異常のリスクが高く、全妊娠期間の処方では生殖器の先天異常のリスクが増加することが、英国・ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのHeng Fan氏らの調査で示された。妊娠中のマクロライド系抗菌薬処方に関する最近の系統的レビューでは、流産のリスク増加には一貫したエビデンスがあるが、先天異常や脳性麻痺、てんかんのリスク増加には一貫性のあるエビデンスは少ないと報告されている。また、妊娠中のマクロライド系抗菌薬の使用に関する施策上の勧告は、国によってかなり異なるという。BMJ誌2020年2月19日号掲載の報告。マクロライド系抗菌薬の処方と子供の主要な先天異常を評価 研究グループは、妊娠中のマクロライド系抗菌薬の処方と、子供の主要な先天異常や神経発達症との関連を評価する目的で、地域住民ベースのコホート研究を行った(筆頭著者は英国Child Health Research CIOなどの助成を受けた)。 解析には、UK Clinical Practice Research Datalinkのデータを使用した。対象には、母親が妊娠4週から分娩までの期間に、単剤の抗菌薬治療としてマクロライド系抗菌薬(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン)またはペニシリン系抗菌薬の投与を受けた、1990~2016年に出生した10万4,605人の子供が含まれた。 2つの陰性対照コホートとして、母親が妊娠前にマクロライド系抗菌薬またはペニシリンを処方された子供8万2,314人と、研究コホートの子供の同胞5万3,735人が解析に含まれた。妊娠第1期(4~13週)、妊娠第2~3期(14週~分娩)、全妊娠期間に処方を受けた妊婦に分けて解析した。 主要アウトカムとして、欧州先天異常監視機構(EUROCAT)の定義によるすべての主要な先天異常および身体の部位別の主要な先天異常(神経、心血管、消化器、生殖器、尿路)のリスクを評価した。さらに、神経発達症として、脳性麻痺、てんかん、注意欠陥多動性障害、自閉性スペクトラム障害のリスクも検討した。マクロライド系抗菌薬は研究が進むまで他の抗菌薬を処方すべき 主要な先天異常は、母親が妊娠中にマクロライド系抗菌薬を処方された子供では、8,632人中186人(1,000人当たり21.55人)、母親がペニシリン系抗菌薬を処方された子供では、9万5,973人中1,666例(1,000人当たり17.36人)で発生した。 妊娠第1期のマクロライド系抗菌薬の処方はペニシリン系抗菌薬に比べ、主要な先天異常のリスクが高く(1,000人当たり27.65人vs.17.65人、補正後リスク比[RR]:1.55、95%信頼区間[CI]:1.19~2.03)、心血管の先天異常(同10.60人vs.6.61人、1.62、1.05~2.51)のリスクも上昇した。 全妊娠期間にマクロライド系抗菌薬が処方された場合は、生殖器の先天異常のリスクが増加した(1,000人当たり4.75人vs.3.07人、補正後RR:1.58、95%CI:1.14~2.19、主に尿道下裂)。また、妊娠第1期のエリスロマイシンは、主要な先天異常のリスクが高かった(同27.39 vs.17.65、1.50、1.13~1.99)。 他の部位別の先天異常や神経発達症には、マクロライド系抗菌薬の処方は統計学的に有意な関連は認められなかった。また、これらの知見は、感度分析の頑健性が高かった。 著者は、「マクロライド系抗菌薬は、妊娠中は注意して使用し、研究が進むまでは、使用可能な他の抗菌薬がある場合は、それを処方すべきだろう」としている。

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無症状でも重症ASは放っておいてはダメ(解説:上妻謙氏)-1192

 昔から失神や胸痛を来した重症大動脈弁狭窄症(AS)は、急いで手術しないと急死しやすいことは経験的に認められてきた。TAVRが出てくる前から手術ができる患者は準緊急で手術に送ったものだったが、TAVRが出てから市場が大きく掘り起こされ、超高齢社会も相まって、無症候のASが多く見つかるようになった。これは、そういった無症候の重症ASを手術せずに経過をみたらどうなるかということをはっきりさせた重要な論文である。 早期に手術をする群に比べコンサーバティブに経過観察した群は明らかに死亡率が高く、早期手術群では手術死亡もなかった。単純明快な論文であるが、いくつかlimitationも存在する。まずは145例と症例数の少ない点、そして患者の6割以上が二尖弁で平均年齢が62歳と若い点である。これは最近増加している高齢者のdegenerative ASの患者像とは異なり、手術リスクも異なるため、同様には扱いにくい。しかしTAVRが一般化した現在では高齢者にも当てはめてよいと考えられる。 このスタディが行われた韓国ではTAVRが保険適用となっておらず、高齢者を多数含む研究が行いにくかったと思われ、実際にランダマイズの前に除外された症例が多いのにも注意を要する。また今回の対象患者は流速4.5m/sあるいは弁口面積0.75cm2以下、平均圧較差50mmHg以上でvery severe ASとされているが、一般にvery severe ASといえば流速5m/s以上、弁口面積0.6cm2以下あるいは、もっと重症のものを指すことが多い。この定義が異なるところが日常臨床に当てはめるにあたって混乱を招きやすい点だろう。いずれにせよ、症状がないからと治療を受けるのを躊躇する患者に説明するのに良い材料ができたといえる。

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035)患者さんが言うことを聞かない理由【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第35回 患者さんが言うことを聞かない理由しがない皮膚科勤務医デルぽんです☆先日のこと。顔全体の紅斑・鱗屑症状がわりと強いシニアの女性が来院しました。分布や皮疹の状態から脂漏性皮膚炎を考え、生活指導・外用薬の指導を行いました。2週間後、再診に現れたその方は、鱗屑はなくなっていたものの、紅斑が明らかに残っており、ぱっと見て「あれ?」と感じる所見でした。よくよく話を聞いてみると、どうやらステロイド外用薬を自己判断で塗らなかったことが判明。しかし、ステロイド以外で炎症を抑える塗り薬を出そうか尋ねたところ、「経過に満足しているから、今のままがよい」とのこと。ニコニコの笑顔のまま帰宅され、また数週間後に来院してもらうことになりました。今はインターネットが普及し、患者さんが自分でさまざまな情報を取得できる時代です。なかには、インターネット上の情報に影響されて、こちらの指導通りに治療をしないなど、自己判断で行動される患者さんもいます。そういったケースは、残念ながら、誤った情報をうのみにしてしまっていたり、書いていることを正しく理解できていなかったりする場合がほとんどです。みていて思うのは、やはり「専門のことは専門家に任せるのが一番」ということ。餅は餅屋といいますが、医療に限らず、専門外のことは、専門家の意見に耳を傾けることが大切です。自分で調べたり考えたりももちろん大切ですが、そればかりに気を取られて行動してしまうと、自らの選択肢を狭める結果につながりかねません。自分で調べようとする姿勢は尊重しつつも、間違った認識は正していくように努めているデルぽんです。人生、日々勉強!それでは、また~!

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プロピオン酸血症〔PA:Propionic acidemia〕

1 疾患概要■ 概念・定義生体内で生じる各種の不揮発酸が代謝障害によって蓄積し、代謝性アシドーシスを主徴とする各種の症状・異常所見を呈する疾患群を「有機酸代謝異常症」と総称する。主な疾患は、分枝鎖アミノ酸の代謝経路上に多く、中でもプロピオン酸血症(Propionic acidemia:PA)は最も代表的なものである。本疾患では、3-ヒドロキシプロピオン酸、メチルクエン酸などの短鎖カルボン酸が体液中に蓄積し、典型的には重篤な代謝性アシドーシスを主徴とする急性脳症様の症状で発症するほか、各種臓器に慢性進行性の病的変化をもたらす。■ 疫学新生児マススクリーニング試験研究(1997~2012年、被検者数195万人)による国内での罹患頻度は約45,000人に1人と、高頻度に発見された。ただし、これには後述する「最軽症型」が多く含まれ、典型的な症状を示す患者の頻度は約40万人に1人と推計されている。■ 病因(図)バリン・イソロイシン代謝経路上の酵素「プロピオニオニル-CoAカルボキシラーゼ(PCC)」の活性低下に起因する、常染色体劣性遺伝性疾患(OMIM#606054)である。PCCはミトコンドリア基質に発現しており、αサブユニットとβサブユニットからなる多量体である。各サブユニットは、それぞれPCCA遺伝子(MIM*232000、局在13q32.3)とPCCB遺伝子(MIM*232050、局在3q22.3)にコードされている。図 プロピオン酸血症に関連する代謝経路画像を拡大する■ 症状典型的には新生児期から乳児期にかけて、重度の代謝性アシドーシスと高アンモニア血症が出現し、哺乳不良、嘔吐、呼吸障害、筋緊張低下などから、けいれんや嗜眠~昏睡など急性脳症の症状へ進展する。初発時以降も同様の急性増悪を繰り返しやすく、特に感染症罹患が契機となることが多い。コントロール困難例では、経口摂取不良が続き、身体発育が遅延する。1)中枢神経障害急性代謝不全の後遺症として、もしくは代謝異常が慢性的に中枢神経系に及ぼす影響によって、全般的な精神運動発達遅滞を呈することが多い。急性増悪を契機に、あるいは明らかな誘因なく、両側大脳基底核病変(梗塞様病変)を生じて不随意運動が出現することもある。2)心臓病変急性代謝不全による発症歴の有無に関わらず、心筋症や不整脈を併発しうる。心筋症は拡張型の報告が多いが、肥大型の報告もある。不整脈はQT延長が本疾患に特徴的である。3)その他汎血球減少、免疫不全、視神経萎縮、感音性難聴、膵炎などが報告されている。■ 分類1)発症前型新生児マススクリーニングで発見される無症状例を指す。そのうち多数を占めるPCCB p.Y435C変異のホモ接合体は、特段の症状を発症しないと目されており、「最軽症型」と呼ばれる。2)急性発症型呼吸障害、多呼吸、意識障害などで急性に発症し、代謝性アシドーシス、ケトーシス、高アンモニア血症、低血糖、高乳酸血症などの検査異常を呈する症例を指す。3)慢性進行型乳幼児期からの食思不振、反復性嘔吐などが認められ、身体発育や精神運動発達に遅延が現れる症例を指すが、経過中に急性症状を呈しうる。■ 予後新生児期発症の重症例は、急性期死亡ないし重篤な障害を遺すことが少なくない。遅発例も急性発症時の症状が軽いとは限らず、治療が遅れれば後遺症の危険が高くなる。また、急性代謝不全の有無に関わらず、心筋症、QT延長などの心臓合併症が出現・進行する可能性があり、特に心筋症は慢性期死亡の主要な原因に挙げられている。一方、新生児マススクリーニングで発見された87例(最長20歳まで)の予後調査では、患者の大半が少なくとも1アレルにPCCB p.Y435C変異を有しており、疾患との関連が明らかな症状の回答はなかった。したがって、この群の予後は総じて良好と思われるが、より長期的な評価(特に心臓への影響)には、さらに経過観察を続ける必要がある。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)1)一般血液・尿検査急性期には、アニオンギャップ開大性の代謝性アシドーシスをはじめ、ケトーシス、高アンモニア血症、低血糖、汎血球減少などが認められる。高乳酸血症や血清アミノトランスフェラーゼ(AST・ALT)、クレアチニンキナーゼの上昇を伴うことも多い。2)タンデム質量分析法(タンデムマス、MS/MS)による血中アシルカルニチン分析プロピオニルカルニチン(C3)の増加を認め、アセチルカルニチン(C2)との比(C3/C2)の上昇を伴う。これはメチルマロン酸血症と共通の所見であり、鑑別には尿中有機酸分析が必要である。C3/C2の上昇を伴わない場合は、異化亢進状態(=アセチルCoA増加)に伴う非特異的変化と考えられる。3)ガスクロマトグラフィ質量分析法(GC/MS)による尿中有機酸分析診断確定に最も重要な検査で、3-ヒドロキシプロピオン酸・プロピオニルグリシン・メチルクエン酸の排泄が増加する。メチルマロン酸血症との鑑別には、メチルマロン酸の排泄増加が伴わないことを確認する。4)PCC酵素活性測定白血球や皮膚線維芽細胞の破砕液を粗酵素源として測定可能であり、低下していれば確定所見となるが、実施しているのは一部の研究機関に限られる。5)遺伝子解析PCCA、PCCBのいずれにも病因となる変異が報告されている。遺伝学的検査料の算定対象である。※ 2)、3)は「先天性代謝異常症検査」として保険診療項目に収載されている。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ 急性代謝不全の治療タンパク摂取を中止し、輸液にて80kcal/kg/日以上を確保する。有機酸の排泄促進に静注用L-カルニチンを投与する。未診断の段階では、ビタミンB12反応性メチルマロン酸血症の可能性に対するヒドロキソコバラミン(商品名:フレスミンS)またはシアノコバラミン(同:同名、ビタミンB12ほか)の投与をはじめ、チアミン(同:塩酸チアミン、メタボリンほか)、リボフラビン(同:強力ビスラーゼ、ハイボンほか)、ビオチン(同:同名)などの各種水溶性ビタミン剤も投与しておく。高アンモニア血症を認める場合は、安息香酸ナトリウムやカルグルミン酸を投与する。速やかに改善しない場合は、持続血液透析(CHD)または持続血液透析濾過(CHDF)を開始するか、実施可能施設へ転送する。■ 亜急性期〜慢性期の治療急性期所見の改善を評価しつつ、治療開始から24~36時間以内にアミノ酸輸液を開始する。経口摂取・経管栄養が可能になれば、母乳や育児用調製粉乳などへ変更し、自然タンパク摂取量を漸増する。必要エネルギーおよびタンパク量の不足分は、イソロイシン・バリン・メチオニン・スレオニン・グリシン除去粉乳(同:雪印S-22)で補う。薬物療法としては、L-カルニチン補充を続けるほか、腸内細菌によるプロピオン酸産生の抑制にメトロニダゾールやラクツロースを投与する。■ 肝移植・腎移植早期発症の重症例を中心に生体肝移植の実施例が増えている。食欲改善、食事療法緩和、救急受診・入院の大幅な減少などの効果が認められているが、移植後に急性代謝不全や中枢神経病変の進行などを認めた事例の報告もある。4 今後の展望新生児マススクリーニングによる発症前診断・治療開始による発症予防と予後改善が期待されているが、「最軽症型」が多発する一方で、最重症例の発症にはスクリーニングが間に合わないなど、その効果・有用性には限界も看取されている。また、臨床像が類似する尿素サイクル異常症では、肝移植によって根治的効果を得られるが、本疾患では中枢神経障害などに対する効果は十分ではない。これらの課題を克服する新規治療法としては、遺伝子治療の実用化が期待される。5 主たる診療科小児科・新生児科が診療に当たるが、急性期の治療は、先天代謝異常症専門医の下、小児の血液浄化療法に豊富な経験を有する医療機関で実施することが望ましい。成人期に移行した患者については、症状・病変に応じて内分泌代謝内科、神経内科、循環器内科などで対応しながら、小児科が並診する形が考えられる。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報日本先天代謝異常学会(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本マススクリーニング学会(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)タンデムマス・スクリーニング普及協会(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)先天代謝異常症患者登録制度JaSMIn(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)島根大学医学部小児科(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)福井大学医学部小児科(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)岐阜大学大学院医学系研究科小児病態学(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)国立成育医療研究センター研究所マススクリーニング研究室(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報有機酸・脂肪酸代謝異常症の患者家族会「ひだまりたんぽぽ」(患者とその家族および支援者の会)1)日本先天代謝異常学会編集. 新生児マススクリーニング対象疾患等診療ガイドライン. 診断と治療社;2019.2)山口清次編集. よくわかる新生児マススクリーニングガイドブック. 診断と治療社; 2019.公開履歴初回2020年03月02日

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使える英語上達のカギは「とにかく聴き、ひたすら話す」に尽きる!【臨床留学通信 from NY】第7回

第7回:使える英語上達のカギは「とにかく聴き、ひたすら話す」に尽きる!今回は、私なりの英語の勉強の仕方をお伝えします。とはいえ、実のところ英語に対しては渡米して1年半経過した今でも苦手意識があり、自信を持ってこれが正解と言えるのかわかりませんが、発音の改善、そして「話す・聴く」に相当な時間をかけること、この2つが非常に大事だということは強調しておきます。オンライン教室やドラマのセリフで生きた英会話を体得するまず、発音に関してはスコット・ペリーの教材を買いました。日本人的な英語の発音から、それらしく聞こえる発音になるいくつかのtipsを紹介しており、短期間で発音が良くのなるのが実感できます。発音が良くなれば、USMLE Step2CSにおいて相手により伝わりやすくなり、音の違いがわかるようになればリスニングに生かせます。また、英会話において初心者であっても自信を持って会話できるというメリットがあります。そのため、まず発音から入るのは理に適っていると思います。次に、話すこと・聴くことですが、可能であればやはり毎日2~3時間は確保したいところです。話すことについては、数あるオンライン英会話教室からいくつか試してみてやるのがいいでしょう。(私はnative campというのを最終的に利用しました。時間が無制限なのがポイントです) 聞くことについてはPodcastのnewsなり、好きな洋画ドラマを活用するといいと思います(私はフレンズやERなどを観ました)。とにかく、移動などの隙間時間をすべてPodcastのリスニングに費やすのです。ちなみに、映画は言葉が少ないので、ドラマのほうがいいと思います。嫌にならない程度に英語字幕で観てから、<字幕なし>にトライし、また<字幕あり>に戻るといった具合に、多少繰り返しやっていましたが、この方法だと飽きてくるので、<字幕あり>だけを通してみるのもいいでしょう。ただ<字幕あり>では、耳ではなく目で単語を追ってしまうため、理想としては聞き取れなかったところを字幕で確認し、再び<字幕なし>で聴き取れるまで繰り返しトレーニングするのがいいと思います。渡米して1年半、曲がりなりにも臨床医として働いている私ですが、英語に依然苦労していて、今でもドラマを観ては勉強を続けています。毎日の地道な積み重ねの先に、口をついて出てくる英語があるStep2CSの勉強開始の時点では、英語が全く口から出なかった訳ですが、CSの勉強は定型文を丸覚えしてそれを声に出してみるという練習をひたすら行いました。その際に、オンライン英会話教室も利用して、日常英会話も含めた会話の相手だけでなく、CSの模擬患者役もしてもらいました。CSの対策は、半年あまりの短い期間にかなりの詰め込んだ勉強をしましたが、USMLEを受けると決めた時点からオンライン英会話教室などを利用して少しでも早い時期から話す訓練を始めるべきです。1日30分程度から始めて、軌道に乗ったら1日2~3時間できれば理想的です。それでも、上達には年単位でかかるものだというのが、私が経験から得た実感です。Column画像を拡大する米国に来て当初3年の目標であった、JACC誌に論文を掲載するという目標がまず達成できました1,2)。米国の研修医をやりながら、合間に時間を見つけて臨床研究をやるのはなかなかハードでしたが、形になりホッとしております。とくにこの論文はメタ解析であり、数百本の論文に目を通しScreeningする作業を1年前のICUの夜勤中の合間にやったのは本当に大変でした。今回の画像は、私の職場Mount Sinai Beth Israelです。ここで日夜臨床と研究に取り組んでおり、今回の論文も執筆しました。1)https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S07351097193849062)https://www.carenet.com/news/general/carenet/49510

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がん免疫療法の主役となる「T細胞」の秘密【そこからですか!?のがん免疫講座】第2回

はじめに前回は、「がん細胞も細菌やウイルスと同じように非自己として認識されれば、免疫にとっては排除の対象となり、それが“がん免疫”」という話をしました。そして免疫系は自然免疫と獲得免疫に分けられ、さまざまな細胞が関わっていることを紹介しました。今回はそうした中で「がん免疫にとって最も重要なもの」を解説します。主役はT細胞のうちの「CD8陽性T細胞」すでにタイトルにあるように、がん免疫の主役は「獲得免疫」、とくにT細胞といわれており、現状のがん免疫療法はT細胞を上手に利用しています。免疫チェックポイント阻害薬(ICI)はT細胞を活性化してがん細胞を攻撃していますし1)、血液腫瘍領域で話題のCAR-T細胞療法はがん細胞を攻撃するT細胞を人工的に作って体に戻す、という治療法です2)。前回も出てきたように、T細胞は「獲得免疫」に属しますので、がん細胞を特異的に見分けて攻撃しているわけなんですが、ここで少しややこしいのがT細胞の中にもいろいろな種類がある点です。T細胞は、表面に出ている分子によって、CD4陽性T細胞とCD8陽性T細胞にざっくりと分けられます。ウイルスなどの病原体が感染した細胞は、異常な細胞として免疫系にとっての排除対象になります。この異常細胞を攻撃・排除するための免疫を細胞性免疫と呼んでおり、CD8陽性T細胞が主にこの役割を担っています。「細胞を攻撃・傷害するT細胞」ということで、細胞傷害性T細胞とも呼ばれています。勘の鋭い方はもうおわかりかもしれませんが、ウイルスに感染した細胞だけではなく、がん細胞も異常な細胞として認識されれば、この細胞性免疫の攻撃・排除の対象となります。したがって、がん免疫の主役となり、がん細胞を攻撃・排除する細胞はCD8陽性T細胞だと考えられています。実際に、CD8陽性T細胞を除去したマウスは、がん細胞に対する免疫が働かないため、腫瘍を埋めるとその腫瘍増殖は速くなり、ICIが効かなくなります。ここで、非常に重要なことを思い出していただきたいのですが、獲得免疫は「記憶」することで同じ病原体に出合ったときに効率的に排除できることが特徴、でした。これががん細胞に働いてくれれば長期の効果が期待できます。これが、ICIが分子標的薬や抗がん剤と決定的に異なる点であり、ICIを使った患者さんの中にまるで完治したかのように長期に再発のない方がいる理由の1つと考えられています。がん細胞を攻撃・排除するT細胞活性化の7ステップこの「CD8陽性T細胞=細胞傷害性T細胞」によるがん細胞を攻撃・排除するプロセスは、以下の7つのステップにまとめられます(図1)3)。画像を拡大する1)がん細胞から免疫応答を引き起こす物質(がん抗原)が放出される。2)抗原提示細胞が、がん抗原を主要組織適合遺伝子複合体(MHC)の上に提示する。3)T細胞が、MHC上のがん抗原をT細胞受容体(TCR)で認識し、認識がうまくいけば活性化する。4)活性化したT細胞が遊走する。5)遊走したT細胞ががん細胞のところへ浸潤する。6)再度、T細胞がTCRでがん細胞のMHC上に提示されたがん抗原を介してがん細胞を認識する。7)T細胞が、がん細胞をうまく認識できたら攻撃・排除する3)。一気によくわからない言葉がたくさん出てきたと思いますので、少し説明を追加しましょう。がん抗原という言葉は今後もよく出てきますので、少し難しいですがぜひ覚えておいてください。免疫応答を引き起こす物質を総称して「抗原」と呼んでいますが、がん由来の「抗原」なので単純にがん抗原と呼んでいます。一般的に言えば、「タンパク質の切れ端」みたいなものと思っていただければいいでしょう。MHCについては、もしかしたら皆さんはHLAと言ったほうが、なじみがあるかもしれません。ヒトの場合はMHCのことをHLAと呼んでいます。よく移植医療のときに「HLAが一致している」などという言葉が出てきますよね。MHCはお皿のようになっていて、細胞の外に出て抗原を乗せており(「提示」と呼んでいます)、T細胞はMHCによって外に提示された抗原をTCRという受容体で認識します(図2)。がん細胞も含む体中のあらゆる細胞はこのMHCに抗原を乗せて外に提示していますが、とくに抗原を提示することを専門とし、免疫を活性化する細胞のことを、抗原提示細胞という単純な名前で呼んでいます(図2)。抗原提示細胞は総称であり、前回登場した自然免疫に属する樹状細胞などが含まれます。画像を拡大するちょっと複雑になってきたので、ICIの作用機序などについては、次回ゆっくりお話ししましょう。1)Zou W, et al. Sci Transl Med. 2016;8:328rv4.2)June CH, et al. N Engl J Med. 2018;379:64-73.3)Chen DS, et al. Immunity. 2013;39:1-10.

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意識が飛ぶほどの痛みも。診断に数年かかった身近な疾患

 とくに日本において、病気としての社会的認知度が極めて低く、「さぼっている」「精神的なもの」というレッテルを貼られがちな疾患がある。女性の12.9%、男性の3.6%が抱える神経性の疾患でありながら、その認識の低さにより受診率が低く、患者の半数以上が市販の鎮痛薬にのみ頼っている。1月29日、「『健康経営』の新たな視座 働き世代の女性が苦しむ片頭痛への理解」と題したメディアセミナー(主催:日本イーライリリー)が開催された。本稿では、坂井 文彦氏(埼玉国際頭痛センター)、五十嵐 久佳氏(富士通クリニック)のほか、女性患者による講演の内容をレポートする。複数科を受診も診断はつかず、休職を検討 登壇した50代の女性患者は、高校時代から時折頭痛があり、出産後に悪化。仕事中に資料がチラチラと光って見え読めなくなるという閃輝暗点が出現し、吐き気を伴うことも。内科を受診するも、鎮痛薬を処方されるのみで原因はわからなかった。 その後もめまい外来やメニエール病疑いでの耳鼻科受診など、複数の病院・診療科を受診するも明確な診断はつかないまま時間が経過。50代を過ぎるとさらに頭痛が悪化し、座っていても意識が飛ぶほどの痛みがでることも。休職に至り、仕事を辞めることを検討せざるを得なくなった。 はっきりとした診断がつかないこともあり、家族でさえ「また?」という反応になることが何よりもつらかったと話す。安静にすると収まる場合もあり、職場ではひたすら我慢していたという。現在は片頭痛との診断が出て、定期的な受診のほか、頭痛教室や頭痛ヨガに通っている。痛みが完全に取り除かれたわけではないが、何よりもこの痛みが病気であると自身も確認でき、周囲にも説明できるようになったこと、そして頭痛ダイアリーをつけて予兆をつかむことができ、収まらなかったら薬という安心感があることで、以前とはつらさの度合いが異なると話した。3大慢性頭痛の診断ポイントは? 国際頭痛分類(第3版)で頭痛は367種類に分類されており、その鑑別は容易ではない。くも膜下出血や髄膜炎などを疑うことと比較して、慢性頭痛は医療者からの認識や疾患として捉える意識も低いと坂井氏は指摘。慢性頭痛は頭痛そのものが疾患であるという認識を、改めて持つがことが重要と話した。 同氏は、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛という3大慢性頭痛の診断のポイントについて、下記の通り整理した。・片頭痛 痛み:頭の片側がズキズキ痛む きっかけ・予兆:光や音で痛みがでる 頻度:月に数回 併発する症状:吐き気や嘔吐・緊張型頭痛 痛み:頭が締めつけられるよう きっかけ・予兆:ふわふわとしためまい 頻度:ほとんど毎日 併発する症状:肩や首がこる・群発頭痛 痛み:片側の目の奥に強い痛みが走る きっかけ・予兆:アルコールで誘発 頻度:半年から年1回程度で1ヵ月ほどほぼ毎日起こる 併発する症状:痛む側の目の充血、涙 慢性頭痛では、患者の話を頼りに鑑別していくしかない点に難しさがある。同氏は、動くとつらい(血管が広がると悪化)のが片頭痛、動くとまぎれる(筋肉が収縮して血行がよくなり改善)のは緊張型頭痛であることが多く、この2つに関してはまずこの点で大別できるだろうと話した。病態は複雑、しかし予兆や回復期の特徴でみえてきていることも 片頭痛の症状には様々なバリエーションがあり複雑だが、特徴を整理することで患者の負担感を軽減できる可能性もある。例えば、誘発因子としてストレスが考えられる片頭痛では、予兆として生あくび、前兆として閃輝暗点、頭痛は拍動性で、回復期には睡眠で寛解がみられることが多い。また、ホルモンバランスを誘発因子とする片頭痛では、予兆として浮腫、頭痛に悪心・嘔吐を伴うことがあり、回復期には利尿がみられるという。 WHOによる2015年の報告1)では、片頭痛による生涯支障年数は神経疾患の中で脳卒中に次ぐ第2位。髄膜炎や認知症と比較しても片頭痛による健康寿命は短いと試算されている。アブセンティーズム(欠勤・休職や遅刻・早退)だけでなく、プレゼンティーズム(出勤しているものの生産性が低い状態)への影響は大きく、坂井氏は、医療者と企業が連携して患者負担を軽減していくことが必要とした。仕事に支障がでるような痛みでも、92%が我慢して勤務 五十嵐氏は、片頭痛に対する認識について、患者300人と患者以外の300人に対するインターネット調査の結果2)を解説。「仕事に支障がでるほどの片頭痛が出たときどうするか」という患者対象の質問では、92%が我慢して勤務を継続すると回答していた。その理由として最も多かったのは「周りの人に迷惑をかけたくないから(60%)」というもの。一方で、患者以外を対象に、体調による働き方の調整への許容度を聞いた質問では、片頭痛により仕事を休むことを79%の人が許容していた。 片頭痛による痛みを、上司が理解していると思うかという患者対象の質問では、理解されていると答えた患者は50%に留まっている。また、片頭痛の痛みの度合いについて、患者は「出産に次ぐ痛み」と答える割合が多かったが、患者以外にとっては「出産→腎結石→骨折」に次ぐ程度との回答が多かった。 これらの結果から同氏は、体調による働き方の調整には一定の理解があるものの、具体的にどうしたらいいのかわからないという課題があると指摘。組織ぐるみ、システムとしての対応策を検討していくことの重要性を強調した。片頭痛は主観的症状が主となるため、患者側は理解されないだろうというつらさを抱えてしまい、周りの人間はその度合いを理解することが難しい。受診を控え、市販鎮痛薬だけに頼ってしまうといった状況を避けるためにも、広くこの疾患に対する認知度を高めていくことが重要とした。

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統合失調症の世界的な現状~GBD 2017

 統合失調症は、世界で深刻な健康問題の1つである。中国・西安交通大学のHairong He氏らは、統合失調症の世界的負担について、国や地域レベルで定量化するため、Global Burden of Disease Study 2017(GBD 2017)を用いて検討を行った。Epidemiology and Psychiatric Sciences誌2020年1月13日号の報告。 1990~2017年のGBD 2017データを用いて、統合失調症の有病数、障害調整生存年数(DALYs)、年齢調整罹患率(ASIR)、DALYsの年齢調整率(ASDR)に関する詳細情報を収集した。統合失調症のASIRおよびASDRの時間的傾向を定量化するため、ASIRおよびASDRの推定年間変化率(EAPC)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・2017年の世界的な統合失調症有病数は113万件(95%不確定性区間[UI]:100万~128万)、1,266万DALYs(95%UI:948万~1,556万)であった。・1990~2017年の期間に、世界的なASIRはわずかに減少し(EAPC:-0.124、95%UI:-0.114~-0.135)、ASDRは変化が認められなかった。・有病数、DALYs、ASIR、ASDRは、女性よりも男性で高かった。・年齢別にみると、有病数は20~29歳で、DALYsの割合は30~54歳で最も高かった。・地域別にみると、2017年のASIR(19.66、95%UI:17.72~22.00)とASDR(205.23、95%UI:153.13~253.34)は、東アジアで最も高かった。・社会人口統計指標(SDI)別にみると、ASIRは高~中程度SDIの国で最も高く、ASDRは高度SDIの国で最も高かった。・ASDRのEAPCは、1990年のASDRと負の相関が認められた(p=0.001、ρ=-0.23)。 著者らは「統合失調症の世界的な負担は、依然として大きく、増加し続けており、医療システムの負担増大につながっている。本調査結果は、高齢社会における統合失調症患者の増加を考慮した、リソース配分と医療サービスの計画に役立つであろう」としている。

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スタチンは卵巣がんの発生を抑制するか/JAMA

 スタチン治療薬のターゲット遺伝子の抑制は、上皮性卵巣がんのリスク低下と有意に関連することが、英国・ブリストル大学のJames Yarmolinsky氏らによるメンデルランダム化解析の結果、示された。ただし著者は、「今回の所見は、スタチン治療薬がリスクを低減することを示す所見ではない。さらなる研究を行い治療薬においても同様の関連性が認められるかを明らかにする必要がある」と述べている。これまで前臨床試験および疫学的研究において、スタチンが上皮性卵巣がんリスクに対して化学的予防効果をもたらす可能性が示唆されていた。JAMA誌2020年2月18日号掲載の報告。HMG-CoA還元酵素、NPC1L1、PCSK9の治療的抑制をGWASメタ解析データで解析 研究グループは、3-ヒドロキシ-3-メチルグルタリル補酵素A(HMG-CoA)還元酵素(HMG-CoA還元酵素の機能低下と関連する遺伝子異型、スタチン治療薬のターゲット遺伝子)と、一般集団における上皮性卵巣がんの関連性、およびBRCA1/2変異遺伝子との関連性を調べる検討を行った。 HMG-CoA還元酵素、Niemann-Pick C1-Like 1(NPC1L1)、proprotein convertase subtilisin/kexin type 9(PCSK9)の治療的抑制の代替として、HMGCR、NPC1L1、PCSK9における一塩基遺伝子多型(SNPs)とLDLコレステロール低下との関連が示されている、ゲノムワイド関連解析(GWAS)のメタ解析データ(19万6,475例以下で構成)を用いた。 このGWASメタ解析のデータを用いたOvarian Cancer Association Consortium(OCAC)による浸潤上皮性卵巣がんの症例対照解析での上記SNPsに関するサマリー統計(6万3,347例)と、Consortium of Investigators of Modifiers of BRCA1/2(CIMBA)によるBRCA1/2変異遺伝子キャリアにおける上皮性卵巣がんの後ろ向きコホート解析のサマリー統計(3万1,448例)を入手して評価した。2つのコンソーシアムにおける被験者は、1973~2014年に登録され、2015年まで追跡を受けていた。OCAC被験者は14ヵ国から、CIMBA被験者は25ヵ国から参加していた。 SNPsは、multi-allelicモデルに統合され、ターゲットの終身阻害を意味するメンデルランダム化推定値を、逆分散法ランダム効果モデルを用いて算出した。 主要曝露は、HMG-CoA還元酵素の遺伝的プロキシ阻害、副次曝露は、NPC1L1とPCSK9の遺伝的プロキシ阻害および遺伝的プロキシLDLコレステロール値で、主要評価項目は、総合的および組織型特異的な浸潤上皮性卵巣がん(一般集団対象)、上皮性卵巣がん(BRCA1/2変異遺伝子キャリア対象)、卵巣がんオッズ(一般集団対象)およびハザード比(BRCA1/2変異遺伝子キャリア対象)とした。HMG-CoA還元酵素の遺伝的プロキシ阻害は卵巣がんリスク低下と有意に関連 OCACのサンプル例は浸潤上皮性卵巣がんの女性2万2,406例と対照4万941例であり、CIMBAのサンプル例は上皮性卵巣がんの女性3,887例と対照2万7,561例であった。コホート年齢中央値は41.5~59.0歳の範囲にわたっており、全被験者が欧州人であった。 主要解析において、遺伝的プロキシLDLコレステロール値1mmol/L(38.7mg/dL)低下に相当するHMG-CoA還元酵素の遺伝的プロキシ阻害が、上皮性卵巣がんのオッズ低下と関連することが示された(オッズ比[OR]:0.60[95%信頼区間[CI]:0.43~0.83]、p=0.002)。 また、BRCA1/2変異遺伝子キャリア対象の解析では、HMG-CoA還元酵素の遺伝的プロキシ阻害と卵巣がんリスク低下の関連が示された(ハザード比[HR]:0.69、[95%CI:0.51~0.93、p=0.01)。 副次解析では、NPC1L1(OR:0.97[95%CI:0.53~1.75]p=0.91)およびPCSK9(0.98[0.85~1.13]、p=0.80)の遺伝的プロキシ阻害、LDLコレステロール値(0.98[0.91~1.05]、p=0.55)のいずれも上皮性卵巣がんとの有意な関連は認められなかった。

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multimorbidity評価に利用可能な指標は?/BMJ

 慢性疾患が2つ以上併存する多疾患罹患(multimorbidity)の患者が一般的にみられるようになっているが、この多疾患罹患を評価する指標は、研究者と臨床医でさまざまに異なっている。英国・エディンバラ大学のLucy E. Stirland氏らは、システマティックレビューにて多疾患罹患を評価する指標の特定などを行った結果、異なる項目とアウトカムから構成される35の指標が利用可能であることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「研究者と臨床医は、新たな指標を作成する前に、既存の指標の適合性を検証する必要があるだろう」と述べている。BMJ誌2020年2月18日号掲載の報告。システマティックレビューで指標を特定および評価 研究グループは、併存疾患数にかかわらず多疾患罹患を評価する既存の指標を特定およびサマライズすること、メンタルヘルスの併存またはアウトカムを包含した指標であるかを確認すること、さらに適用性、実行性、活用性をベースにした勧告を作成することを目的とするシステマティックレビューを行った。 データソースは、2018年10月までの7つのメディカルリサーチデータベース(Medline、Web of Science Core Collection、Cochrane Library、Embase、PsycINFO、Scopus、CINAHL Plus)、および関連論文の参考・引用文献。検索の対象は英語の出版物のみとした。疾患数よりも多くの情報を含み、1つの特異的疾患に関連する併存疾患へのフォーカスではない、新たな多疾患罹患の指標について描出していたオリジナル論文を適格とした。また、コミュニティおよび集団レベルの成人を試験対象のベースとしているものとした。使用が推奨されるのは12指標 7,128報が検索され、重複を除いた5,560のタイトルが特定された。適格基準についてスクリーニング後、最終的に35の指標を示した論文がレビューに包含された。 指標項目としては、状態(他のパラメーターに重きを置いたものまたは統合したもの)を用いたものが25指標、診断カテゴリーを用いたものが5指標、薬物使用を用いたものが4指標、生理学的評価を用いたものが1指標であった。 予測アウトカムは、死亡(18指標)、医療の利用またはコスト(13指標)、入院(13指標)、健康関連QOL(7指標)であった。 メンタルヘルスは29指標で併存疾患に含まれており、多くの指標で考慮されていることが示唆された。 使用が推奨されるのは12指標であった。

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COVID-19への治療薬の考え方/日本感染症学会

 日本感染症学会(理事長:舘田 一博)は、今般の新型コロナウイルス感染症の治療に関し、「COVID-19に対する抗ウイルス薬による治療の考え方 第1版」を2月26日に公開した。 本指針は、現時点で収集されている知見より抗ウイルス薬に関するわが国における暫定的な指針を示すのが目的。そして、抗ウイルス薬の使用にあたっては、現在わが国ではCOVID-19に適応を有する薬剤は存在しないことを前提に、行うことのできる治療は、国内ですでに薬事承認されている薬剤を適応外使用することであり、使用では各施設の薬剤適応外使用に関する指針に則り、必要な手続きを行うことになるとしている。抗ウイルス薬の対象と開始のタイミング 現時点では、患者の臨床経過の中における抗ウイルス薬を開始すべき時期は患者が低酸素血症を発症し、酸素投与が必要であることが必要条件。そのうえで次の4点を考慮する。1)おおむね50歳未満の患者では肺炎を発症しても自然経過の中で治癒する例が多いため、必ずしも抗ウイルス薬を投与せずとも経過を観察してよい。2)おおむね50歳以上の患者では重篤な呼吸不全を起こす可能性が高く、死亡率も高いため、低酸素血症を呈し酸素投与が必要となった段階で抗ウイルス薬の投与を検討する。3)糖尿病・心血管疾患・慢性肺疾患、喫煙による慢性閉塞性肺疾患、免疫抑制状態などのある患者においても上記2)に準じる。4)年齢にかかわらず、酸素投与と対症療法だけでは呼吸不全が悪化傾向にある例では抗ウイルス薬の投与を検討する。抗ウイルス薬の選択 現時点でのわが国における入手可能性や有害事象などの観点より次の2剤を治療薬として提示。今後、臨床的有効性や有害事象などの知見の集積に伴い、COVID-19の治療のための抗ウイルス薬の選択肢や用法用量に関し新たな情報が得られる可能性が高い。●ロピナビル・リトナビル ロピナビルはHIV-1に対するプロテアーゼ阻害剤として有効性が認められ、シトクロームP450の阻害によりロピナビルの血中濃度を保つためリトナビルとの合剤として使用。・投与方法(用法・用量)1)ロピナビル・リトナビル(商品名:カレトラ配合錠):400mg/100mg経口12時間おき、10日間程度2)ロピナビル・リトナビル(同:カレトラ配合内用液):400mg/100mg(1回5mL)経口12時間おき、10日程度*上記は抗HIV薬としての承認用量であるが、高濃度のEC50を示す可能性があり、用量については有害事象のモニターと合わせ今後の検討が必要・投与時の注意点:(1)本剤の有効性に関し、適切な重症度や投与開始のタイミングは不明(2)使用開始前にはHIV感染の有無を確認し、陽性の場合には対応について専門家に相談(3)リトナビルによる薬剤相互作用があるため、併用薬に注意する(4)錠剤の内服困難者に内用液を使用する場合、アルコール過敏がないか確認する また、本指針には、国立国際医療研究センターでの本剤使用7症例の臨床経過(2020年2月21日まで)のほか、海外での臨床報告なども記載されている。●ファビピラビル 本剤は「新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症(但し,他の抗インフルエンザウイルス薬が無効又は効果不十分なものに限る)」に限定して承認。本剤のCOVID-19への使用実績は無い。・投与方法(用法・用量) ファビピラビル(同:アビガン)を3,600mg(1,800mgBID)(Day1)+1,600mg(800mgBID)(Day2以降)、最長14日間投与。・投与時の注意点:(1)本剤の有効性に関し、適切な重症度や投与開始のタイミングに関しては不明(2)以下の薬剤については、薬物相互作用の可能性があることから、本剤との併用には注意して使用する:1)ピラジナミド、2)レパグリニド、3)テオフィリン、4)ファムシクロビル、5)スリンダク(3)患者の状態によっては経口投与が極めて困難な場合も想定される。その場合は55°Cに加温した水を加えて試験薬懸濁液を調製する(簡易懸濁法)。被験者に経鼻胃管を挿入し、経鼻胃管が胃の中に入っていることを胸部X線検査で確認した後、ピストンを用いて懸濁液をゆっくりと注入する。その後、5mLの水で経鼻胃管を洗浄する(4)動物実験において、本剤は初期胚の致死および催奇形性が確認されていることから、妊婦または妊娠している可能性のある婦人には投与しない(5)妊娠する可能性のある婦人に投与する場合は、投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認した上で、投与を開始する。また、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中および投与終了後7日間はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導する。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師などに連絡するよう患者を指導する(6)本剤は精液中へ移行することから、男性患者に投与する際は、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中および投与終了後7日間まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底(男性は必ずコンドームを着用)するよう指導する。また、この期間中は妊婦との性交渉を行わせない(7)治療開始に先立ち、患者またはその家族などに有効性および危険性(胎児への曝露の危険性を含む)を十分に文書にて説明し、文書で同意を得てから投与を開始する(8)本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討する 指針では以上の他にも、「COVID-19に対する治療に使用できる可能性のある抗ウイルス薬にはレムデシビル、インターフェロン、クロロキンなどがあるが、それらの効果や併用効果に関しては今後の知見が待たれる」と期待を寄せている。

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新型コロナウイルス感染の家族内感染クラスター事例(解説:浦島充佳氏)-1194

オリジナルニュースCOVID-19、家族クラスターにおける感染の経過/Lancet 一番注目するべきは、どこで感染したか明確にトレースできない患者が含まれる点と、発症直後より感染力を有する点である。SARSのときは、誰からどこで感染したということがほぼすべてのケースで同定できた。また、SARS患者は発症して5日目より感染力を増す傾向にあった。そのためSARS患者を4日以内に入院隔離すれば感染拡大を阻止し、封じ込めることができる。実際、発熱から入院までが平均3日となった時点より患者発生数が減り始めている。しかし、中国の対策チームは「新型コロナウイルスは潜伏期間にも感染させる可能性がある」と発表した。また上記論文からも、少なくとも発症日にすでに感染性を有する可能性も示された。もしもこれが事実なら、患者を入院させた時点で、すでに数人に感染させている可能性があり、封じ込めが難しい。数理モデルからすると、1人の患者が平均1人より多くに感染させると感染が拡大するが、1人未満であれば感染は終息のほうに向かう。だから隔離したときにすでに平均2人にうつしたとすると、患者数は指数関数的に増加することになる。 また家族7人中孫娘を除く6人、親戚5人中入院していた1歳息子を除く4人が感染したことを考えると、感染力は強いと考えるべきである。10歳孫息子が無症候性感染例(症状がないのに感染している症例)であった。この児はほかの人に明らかに感染させた証拠はない。もしも無症候性感染例が感染力を持つとすると封じ込めは厄介であろう。SARSでは誰から誰に感染したかしっかりトレースできた。インフルエンザでは誰からうつされたか不明のことも多い。これはSARSでは無症候性感染例に感染力がなく、インフルエンザでは感染力があるからである(あるいは発症前から感染力を呈するからである)。親戚の1人が武漢の生鮮市場で感染したとすると、無症候性感染者あるいは不顕性感染者(症状が軽い)から感染した可能性があり、今後も無症候性感染者あるいは不顕性感染者からの感染があるかないかを慎重に見極める必要があるであろう。  孫息子はマスクをしておらず肺炎を発症し、孫娘はマスクをしていて肺炎にはかからなかった。という話を聞くとマスクに感染予防効果があるように感じてしまうかもしれないが、偶然の可能性のほうが高いであろう。年齢が高いほど重症化しやすいことを考えると、小児年齢は感染し難いとも考えられる:10歳と7歳との違い。30代の両親の肺炎より祖父母の肺炎のほうが重症である。 両親は下痢症状を伴っていた。SARSの10%、MERSの30%は下痢を伴う。熱と咳が典型であるが、下痢で発症する場合も念頭に置くべきである。 CT像はウイルス性肺炎で、抗生剤が有効な細菌性肺炎とは異なる。現時点では一旦肺炎を発症すると対症療法しかなく、感染経路を遮断し、封じ込めに全力を注ぐのが最も重要である。

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学生の認知機能に対する朝食の影響~ADHDとの関連

 米国・アメリカン大学のElizabeth T. Brandley氏らは、大学生の認知機能に対する栄養バランスの取れた朝食の効果について、注意欠如多動症(ADHD)の有無の影響を考慮し検討を行った。American Journal of Health Promotion誌オンライン版2020年2月4日号の報告。 18~25歳の大学生でADHD(19例)および非ADHD(27例)を対象に、食事介入前後の認知機能の変化を測定した。対象者は、一晩の絶食後および栄養バランスの取れた朝食シェイクの摂取1時間後に、コンピューターによる認知機能評価(CNS Vital Signs)を受けた。カテゴリ変数の比較にはカイ二乗検定を、群間および群内の連続データの比較にはウィルコクソンの順位和検定と符号順位検定をそれぞれ用いた。多変量ロジスティック回帰を用いて、年齢、性別、成績評価値(GPA)、学年で調整した後、朝食摂取による認知機能改善に対するADHDの影響を推定した。 主な結果は以下のとおり。・ADHDの有無にかかわらず、多くの学生がベースライン時に朝食を摂取していなかった(ADHD群:47%、非ADHD群:33%)。・バランスの取れた朝食シェイクの摂取1時間後、両群ともに4つの認知機能ドメインの改善が認められた。・ADHD群は、非ADHD群と比較し、反応時間がより改善する可能性が高かった(オッズ比:1.07、95%CI:1.00~1.15、p=0.04)。 著者らは「学生がバランスの取れた朝食を摂取することで、ADHDの有無にかかわらず、認知機能に好影響を与える可能性が示唆された。この結果を確認するためには、さらなる調査が求められる」としている。

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花粉症重症度の自己チェックに有用なツール公開

 ノバルティスファーマ株式会社は2020年2月、重症花粉症の情報に特化したWEBサイトを全面リニューアルし、自分に合った花粉マネジメント法の理解や治療選択の一助となることを目的とした『重症花粉症ドットコム』を開設した。今回のサイトリニューアルに際し、自らも症状に悩み、その辛さをSNSなどで訴える川口 春奈さん(女優・モデル)が「重症花粉症」の啓発アンバサダーに就任。重い症状に悩む患者に自らの重症度を考えるきっかけを提供する。自分の重症度が簡単にチェックできる 花粉症には症状の程度があるため、重症度ごとの対応が必要となる。ある調査によると、スギ花粉症患者の約7割が重症と報告され、重症花粉症の場合は鼻や眼の症状に加え、全身倦怠感や頭重感など全身症状を引き起こす場合がある。このような症状によるQOL低下は事故や欠勤につながる可能性があることから、花粉症に悩む方は『重症花粉症ドットコム』内にある「花粉症チェッカー」を用い、自身の花粉症の重症度や症状に応じた治療法を理解することが大切である。実際に花粉症チェッカーを用いて“重症花粉症かも”と判定された川口氏は「自身の重症度は理解していたが、どのようなタイプ(くしゃみで困る、鼻水で困るなど)なのかは知らなかった」とコメントした。  重症度がセルフチェックできるようになった今、 医師に求められるのは、患者に適切な治療法を提供する際に「あなたは◯◯タイプ」と伝えることかもしれない。WEBサイト「重症花粉症ドットコム」はこちら

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COVID-19、家族クラスターにおける感染の経過/Lancet

 中国・深セン市の家族7人における、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)への感染および臨床経過が報告された。香港大学のJasper Fuk-Woo Chan氏らによる、Lancet誌2月15日号(オンライン版1月24日号)掲載の報告。 2019年12月29日から2020年1月4日まで武漢市に滞在した家族6人を、1月10日から登録。うち5人で感染が確認された。さらに、旅行していないもう1人において、家族のうち4人と数日間接触した後、SARS-CoV-2陽性が確認された。本研究では、同家族の疫学的、臨床的、実験的、放射線学的、および微生物学的所見を報告している。 各人のベースライン特性と検査結果は以下の通り(疾患歴/検査結果)。患者1(母親、65歳):高血圧および治療済の良性腫瘍/RT-PCR陽性、CTスキャン陽性患者2(父親、66歳):高血圧/RT-PCR陽性、CTスキャン陽性患者3(娘、37歳):なし/RT-PCR陰性、CTスキャン陽性患者4(義理の息子、36歳):慢性副鼻腔炎/RT-PCR陽性、CTスキャン陽性患者5(孫・男児、10歳):なし/RT-PCR陽性、CTスキャン陽性患者6(孫・女児、7歳):不明/RT-PCR陰性、CTスキャン陰性患者7(患者4の母・旅行歴なし、63歳):糖尿病/RT-PCR陽性、CTスキャン陽性 主な疫学的・臨床的・放射線学的・微生物学的特徴は以下の通り。・家族の誰も武漢の市場や動物への接触はなかったが、患者1~6は武漢に住む親類と滞在中毎日接触し、患者1と患者3は武漢の病院を訪れていた。・患者1~4は発熱、上気道または下気道症状、下痢、これらの組み合わせを曝露(武漢到着)後3~6日に示した。患者5は無症候性であった。・60歳以上の患者は、より全身性の症状、広範なすりガラス状病変、リンパ球減少、血小板減少のほか、CRPおよびLDHの増加を示した。・30代の患者では、下痢のほか、咽頭痛、鼻詰まり、鼻漏などの上気道症状がみられた。・point-of-care multiplex RT-PCRでは、6例とも既知の呼吸器病原性菌に対し陰性。SARS-CoV-2のRNA依存性RNAポリメラーゼ (RdRp)をエンコードするRT-PCRでは5例が陽性で、同ウイルス表面のスパイク状タンパク質を認め、サンガーシークエンス法により確定された。陰性の1例(患者3)は、武漢の病院への曝露という疫学的に強い関連があり、多発性のすりガラス状病変が確認されたため、感染症例とみなされた。・患者2の血清サンプルのみが陽性であり、他のすべての患者の血清、尿、および糞便サンプルは、SARS-CoV-2について陰性であった。・6例全員が隔離され、支持療法下で入院。2020年1月20日時点で病状は安定していた。

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入園入学シーズン、食物アレルギーとアナフィラキシーから子供をどう守るか

 2020年2月21日、マイランEPD合同会社は4月の入園入学シーズンに合わせ、医師・教職員・保護者の立場から食物アレルギーを持つ子供を守るための知識を学ぶための「アナフィラキシー啓発メディアセミナー」を開催、この中でアレルギー専門医の佐藤 さくら氏(国立病院機構相模原病院臨床研究センター病態総合研究部 病因病態研究室長)が食物アレルギーの病態や最新の関連ガイドラインについて講演を行った。 食物アレルギーの子供は年々増えている。東京都が3歳児健診時に行った調査によると「子供がアレルギーを持つ」と答えた保護者は、1999年には7.1%だったが2014年には16.1%まで増加しており、保育園・幼稚園や学校側は、給食を筆頭に、調理実習、修学旅行などの校外授業、小麦粉粘土の使用などのさまざまな面で対応が必要となっている。死亡事故を機にガイドラインを整備 こうした施設側の対応は、学校では「学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン」(日本学校保健会・2020年3月改訂予定)、保育園では「保育所におけるアレルギー対応ガイドライン」(厚生労働省)が基本指針となる。2012年、東京都調布市の小学校で牛乳アレルギーを持つ女児が給食で提供された「チーズ入りチヂミ」を食べ、アナフィラキシーショックを起こして亡くなった、という不幸な事故を機にガイドラインの整備が進んだ。 両ガイドラインでは、食物アレルギー対応策の3つの柱として以下を挙げている。1)正しい理解と正確な情報の把握2)日常の取り組みと事故予防3)緊急時の対応 この3点の実践でカギとなるのが、アレルギーの有無やその症状をまとめた「学校生活管理指導表」だ。施設側に特別な配慮を求める場合、主治医が本表に病歴や治療歴を記載し、それを基に保護者と施設側が事前に必要な対策を話し合う、という使い方をする。従来から同様の調査表・アンケートはあったものの、施設によりフォーマットが異なり、設問が医療的に不適なものが含まれていたのを、ガイドラインによって統一した。 「よくあるのが、主治医はアレルギーが確定した食品だけを記載したものの、家庭では用心してそれ以外にも食べさせていない食物がある、というケース。こうしたものを洗い出し、入園入学前に食べられるかどうかを試しておくことが大切」(佐藤氏)。「学校生活管理指導表」には、このほか症状や出た場合の対応法、連絡先、アドレナリン自己注射薬(商品名:エピペン®など)を所持する場合は、その使用の判断について確認する項目などが含まれる。 佐藤氏は、保護者がインターネット等でアレルギーに関する不確かな情報に触れる機会が多いことも挙げ、確実な情報源として以下を紹介した。・アレルギーポータル(日本アレルギー学会)症状や治療方法、相談できる専門医の情報を網羅。非常時や災害時の対応方法も集約されている。・マイエピ(マイランEPD合同会社)佐藤氏が監修したアレルギー児を持つ保護者、関係者向けのアプリ。アレルギーの症状や検査の記録を写真とともに記録できるノート機能のほか、アナフィラキシー発現時におけるエピペン®の投与手順や、使用期限前にお知らせする、「重要なお知らせ通知プログラム」などがある。学校と病院が連携して対策進める 続いて、廣瀬 郷氏(調布市教育委員会 教育部学務課長補佐)が、教育現場で行われているアレルギー対策について講演した。マニュアルの整備や就学前の情報収集のほか、近隣の慈恵医科大学附属第三病院と連携して教員が判断に迷った場合に相談するホットラインを開設したこと、病院側の提案により緊急時を想定したシミュレーション訓練を行っていることなどを紹介したうえで、「調布のアナフィラキシーショックの死亡事故から7年。事故を風化させないように引き続き対策に取り組んでいく」と述べた。■関連するガイドライン・資料学校給食における食物アレルギー対応について(文部科学省)学校給食における食物アレルギー対応指針(文部科学省)保育所におけるアレルギー対応ガイドライン2019年改訂版(厚生労働省)アナフィラキシーガイドライン(日本アレルギー学会)

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