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第31回 ワクチン浸透のシナリオにインフルワクチン難民の出現は好機?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下でのインフルエンザ同時流行を懸念して今年のインフルエンザワクチンの接種は異例の事態となっている。厚生労働省が事前に「高齢者優先」を呼び掛けて10月1日からスタート。今シーズンは例年よりも多い成人量換算で約6,640万人分のワクチンが確保されたというが、高齢者以外への接種が本格的に始まった10月26日からわずか1週間ほど経た現在、すでにワクチン接種の予約受付を停止した医療機関も相次いでいるという。実は、私はまさにインフルエンザワクチンスタート日の10月1日に接種している。これはたまたま馴染みの医療機関がかかりつけの高齢者には既に9月中旬~下旬に接種を開始し、さらに高齢者での接種者増加も十分に見込んだ発注を終えていたこともあり、高齢者の接種希望者が多くない平日の午後を中心に高齢者以外の接種予約も進めていたからである。ちなみに面識のある複数の開業医に話を聞くと、一様に今年はインフルエンザワクチンの接種希望者が多く、しかも一見さんの割合が多いと口にする。ある知り合いの医師は、Facebookでの投稿で10月だけで3,000人に接種したと記述していたのだから驚く。ワクチン接種の予約を停止した医療機関の多くは、12月までの入荷を見越しても、もはやこれ以上の接種予約を受け付けるのは不可能という判断らしい。そうした中でワクチン接種を求めてさまよう「ワクチン難民」も出始めているという。私のような仕事をしていると、この手の状況や家族が重病になった時に「どこへ行けば?」的な相談が来ることが少なくない。実際、今回も「どこに行けば打てるんだろうか?」「子供が受験生なので何とかならないかな?」という相談がもはや10件以上来ている。たぶん医療従事者の皆さんは私以上にその手の相談攻勢にさらされていると思われる。これらに対しては相談者の居住地域の開業医一覧が乗っている医師会のHPがあれば、それを教えて個別の医療機関に問い合わせするよう促し、各医療機関にワクチンが再入荷するであろう11月下旬前後まで落ち着いて待つように伝えるぐらいしかできない。そして、今回そうした相談を寄せてくる人に見事に共通しているのが、これまでほとんどインフルエンザワクチンの接種歴がないこと。それゆえかかりつけ医もなく、情報も不足しているので「ワクチン難民」という状況である。これを自業自得と言ってしまうのは簡単だが、ちょっと見方を変えるとこれがワクチンへの一般人の理解を浸透させる新たなチャンスにも見えてくる。改めて言うまでもないが、ワクチンとは基本的に健康な人に接種するものである。しかも、その効果は予防あるいは重症化リスクの低下であり、接種者は実感しにくい。この点は検査値や自覚症状の改善が実感できる薬とは根本的に受け止め方が異なる。根拠の曖昧な反ワクチン派がはびこってしまう根底には、このように侵襲が伴うにもかかわらず効果を自覚しにくい、そして時として副反応が報告されてしまうワクチン特有の構造的な問題が一因と考えられる。そして、ワクチンの中でも比較的信頼度の低いものの代表格がインフルエンザワクチンである。これは一般人のワクチンに対する直感的な理解が「ワクチン=予防=打ったら完全にその感染症にかからない」であり、インフルエンザワクチンは麻疹、風疹のワクチンのようなほぼ完全に近い予防効果は期待できない。ところがこうした「誤解」が不信感の種になりやすいのである。実際、毎年インフルエンザシーズンになるとTwitterなどでは「インフルエンザワクチンは効かない」「ワクチン打ったのにかかったから、もう2度と打ちたくない」など、反ワクチン派に親和性の高い言説が飛び交う。ここでは釈迦に説法だが、インフルエンザワクチン接種による予防効果、つまり一般人の理解に基づく「ほぼ完全に予防できる効果」に近い数字は、たとえば小児では2013年のNEJMにVarsha K. Jainらが報告した6割前後というデータがある。これに加え重症化のリスクを低減でき、18歳未満でのインフルエンザ関連死は65%減らせるし、18歳以上の成人での入院リスクを5割強減らす。私は今回個人的に相談をしてきた人にはこうした話を必ずしている。彼らに知ってもらいたいのは「ワクチンの中には完全な予防効果が期待できないものの、重症化のリスクを減らす種類のものがあり、その接種でも意味がある」ということだ。とりわけ今のようなCOVID-19流行下では、医療機関は発熱患者が受診した際にその鑑別で頭を悩ませることになる。すでに日本感染症学会は「今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えて」でインフルエンザとCOVID-19の鑑別について、患者の接触歴やその地域での両感染症の流行状況、さらにインフルエンザに特徴的な突然の発熱や関節痛、COVID-19に特徴的な味覚・嗅覚障害などの症状を加味して、どちらの検査を優先させるかを決定するよう提言している。しかし、それでも多くの医師は事前鑑別には苦労するだろう。その中で予めインフルエンザワクチンを接種していれば、鑑別の一助にはなるだろう。そうしたことも私は相談者に話している。前述した「チャンス」とはまさにこのような、なんだかよく分からないけど今の雰囲気の中でインフルエンザワクチン接種を切望し、今後流れ次第で親ワクチン派、反ワクチン派のいずれにでも転びかねない人に少しでも理解を深めてもらうチャンスである。正直、メディアの側にいるとワクチンの意義という非常に地味なニュースほど一般に浸透しにくいことを痛いほど自覚している。だからこそ繰り返し伝えること、そして身近な人に確実に伝えることを辛抱強くやるしか方法はないと常に考えている。そしてこれは多忙で患者とじっくり話す時間が取れないことが多い状況であることは承知のうえで、医療従事者の皆さんにも実践してほしいことである。

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COVID-19流行下の仕事再開期におけるメンタルヘルス問題の調査

 中国・大連医科大学のYuan Zhang氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下の仕事再開期における不安症、うつ病、不眠症に影響を及ぼす因子について調査を行った。Journal of Psychosomatic Research誌2020年11月号の報告。 中国・山東省で2020年3月2日~8日に、割当抽出法(quota sampling)と機縁法(snowball sampling)を組み合わせた多施設横断調査を実施した。不安症、うつ病、不眠症の評価には、それぞれ全般性不安障害尺度(GAD-7)、こころとからだの質問票(PHQ-9)、不眠症重症度指数(ISI)を用いた。影響を及ぼす因子を調査するため、多変量ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・3施設より4,000通のアンケートを送付し、有効な回答3,237件を収集した。・各評価尺度に基づく不安症、うつ病、不眠症の有病率は19.5~21.7%であった。そのうち、2.9~5.6%は重症であった。・複数の症状を合併していた患者は、不安症とうつ病の合併2.4%、不安症と不眠症の合併4.8%、うつ病と不眠症の合併4.5%であった。・不安症と不眠症のスコアおよびうつ病と不眠症のスコアには、正の相関が認められた。・不安症、うつ病、不眠症のリスク因子は、50~64歳、30日以上に1回のみの屋外活動であった。・COVID-19流行期に、心理的介入を受けていた人は17.4%、個別の介入を受けていた人は5.2%であった。 著者らは「COVID-19流行下の仕事再開期には、メンタルヘルス問題の発生率が通常時よりも増加していた。現行の心理的介入は不十分であり、早期に有効な心理的介入を実施すべきである」としている。

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COVID-19、エクソソームによる予防と治療の可能性/日本治療学会

 10月に行われた第58回日本治療学会学術集会において、医療のさまざまな場面で活用されることが急増するリキッドバイオプシーの現状について、「目を見張る進歩をきたしたリキッドバイオプシー」とのテーマでシンポジウムが行われた。この中で東京医科大学の落谷 孝広氏(分子細胞治療研究部門)は「エクソソームによる新型コロナウイルス感染症の予防と治療」と題し、発表を行った。エクソソームがCOVID-19重症化の予測因子として使える可能性 エクソソームとは、細胞から分泌される直径50~150nm程度の物質で、表面には細胞膜由来の脂質やタンパク質、内部には核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど)やタンパク質など細胞内の物質を含み、細胞間の情報伝達の役割を担うとされる。近年の研究においては、がん細胞由来のエクソソームが、がんの転移に深く関わることも明らかになっている。 落谷氏は、がん領域を中心に、エクソソームに関する研究が数多く行われている状況を紹介。膀胱がんにおける早期発見と再発検出、前立腺がんにおける診断マーカーや骨転移の診断、乳がんにおける早期発見や薬剤の副反応や予後予測などに使った研究などを紹介した。落谷氏は「がんの早期発見、層別化、個別科医療の実現と、エクソソームはがん治療のあらゆるフェーズで使える可能性を持っている」と述べつつも、現状は研究上での成果が出た段階であり、「健康診断や臨床の現場で使われ、がんの死亡率を下げ、医療費削減に貢献することが最終目標。そのためには今後の大規模治験が欠かせない」と強調した。 続けてエクソソームを介した情報伝達のシステムはすべての細胞・生物に共通するものだとし、COVID-19のウイルス(SARS-CoV-2)とエクソソームは非常に形状が似通っており、大きさも同等であると指摘。特定のエクソソームのクラスターがCOVID-19重症化の予測因子として使える可能性がある、という研究結果を紹介した。エクソソームやRNAを補充あるいは除去することがCOVID-19治療につながる 落谷氏らの研究チームは、PCR検査でCOVID-19陽性と判定され、入院となった軽症患者31例と健常者10例を対象とし、エクソソームのタンパク質と血液中RNAの2種類に関して網羅的な解析を行い、その後重症化した9例において高値となった複数のRNAを同定した。 軽症のままだった患者は、陽性判明時点で抗ウイルス応答関連のエクソソームタンパク質が高発現していた。重症化した患者はそれがない一方で、凝固関連エクソソームタンパク質およびRNAと肝障害関連RNAが高発現していた(抗ウイルス応答関連エクソソームタンパク質COPB2の重症化予測因子としてのAUC=1.0、感度・特異度共に100%)。 落谷氏は、「新型コロナウイルス感染症の重症化の特効薬は存在しない現状では、陽性判定時に重症化リスクによって層別化し、ハイリスク群を徹底管理することが重要。軽症者は早期退院・自宅療養として医療崩壊を食い止めるとともに、経済への影響も最小限にできるはず」とする。 現在、この研究結果をもとに別の患者集団による検証解析が行われているが、今回同定された分子のいくつかはSARS-CoV-2の治療標的分子や病態との関連が報告されており、単なる血液バイオマーカーとしてだけでなくCOVID-19の重症化メカニズムに関与している可能性が示唆される。このエクソソームやRNAを補充あるいは除去することが新たなCOVID-19治療法の開発につながることも期待されている。関連サイト【プレスリリース】東京医科大学医学総合研究所の落谷孝広教授が参画する研究チームが、リキッドバイオプシーを用いたCOVID-19における重症化予測因子の同定/東京医科大学

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「抗菌薬は風邪に効果あり」の誤認識、若年・高齢層でいまだ多く

 11月は「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」である。今年は年初から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生・流行があったが、いま一度、抗菌薬および抗生物質の適切な認識と使用について考える契機としたい。国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンターが先月取りまとめたインターネット調査の結果によると、10代・60代の7割および20代の6割近くが、抗菌薬・抗生物質は風邪に「効果がある」と誤って認識していることがわかった。一方、風邪症状で医療機関を受診した4割が抗菌薬を処方されており、回答者全体の2割が、風邪で今後受診する際に抗菌薬の処方を希望していることも明らかになった。 本調査は、抗菌薬・抗生物質および薬剤耐性について、一般の人がどう認識しているのかを把握し、問題点と今後の取り組みの方向性を提示することを目的に、2020年8月、全国の10~60歳代以上の男女700人を対象に、インターネット上で行われた。風邪症状で受診した43.0%に抗菌薬処方、患者側も効果を期待か 回答者全体の21.7%(152人)が、今年1~8月の期間に風邪症状を経験した。このうち、56.6%(86人)が医療機関を受診し、43.0%に対し抗菌薬が処方されていた。また、全体の26.4%が今後、風邪で受診した時に抗菌薬の処方を希望していた。 抗菌薬の知識を問う設問(「抗菌薬・抗生物質は風邪に効果がある」についての正誤、「あてはまらない」が正解)への正答率(「不明」を除く)を年代別に見ると、30~50歳代では50%程度が正しく回答した一方、10歳代の正答率は26%、20歳代では43%、60歳代以上も30%程度にとどまっていた。過去の調査結果と比較すると、「抗菌薬は風邪に効果がないことを知っている人が少しずつ増えている可能性がある」としているが、依然、多くの年代で風邪の治療に抗菌薬が有効であると認識されており、処方薬の多さもその一因になっているのではないだろうか。AMRの温床、抗菌薬の飲み残しの「保管」「転用」も 処方した抗菌薬・抗生物質を患者が自己判断で中止したり、以前の飲み残しを別の不調時に転用したりする不適切使用は、新たなAMRを生む温床になりかねない。しかし本調査では、全体の25.7%が「治ったら途中で飲むのを止める」、8.9%が「途中で忘れてしまい飲み切っていない」と回答していた。また、飲み残しの抗菌薬の取り扱いについての設問(複数回答可)に対し、「いつか使おうと思ってとってある」(31.6%)、「体調が悪い時に飲んだことがある」(21.0%)、「人にあげたことがある」(1.0%)など、不適切な取り扱い方を回答に挙げた人が少なくないことは注視すべきである。 COVID-19への厳しい警戒状態は依然続いている上、これからインフルエンザや風邪の流行期となる。ただ、コロナ対策を通じて市民の感染症予防への意識は例年より高まっているはずであり、これを適切な抗菌薬の使い方を再確認する好機としたいところだ。

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術前療法を受けたHER2+乳がんの術後療法でのDS-8201、第III相試験開始/第一三共・AZ

 第一三共とアストラゼネカは11月4日、トラスツズマブ デルクステカン(商品名:エンハーツ、開発コード:DS-8201)について、術前療法後に浸潤性残存病変を有する再発リスクの高いHER2陽性の乳がん患者を対象とした第III相試験(DESTINY-Breast05)を北米、欧州、アジアで開始したと発表した。 本試験は、術前療法を経た手術後に乳房または腋窩リンパ節に浸潤性残存病変を有するHER2陽性乳がん患者のうち、再発リスクが高い患者を対象とした本剤とT-DM1を直接比較する第III相試験。有効性の主要評価項目は無浸潤疾患生存期間(IDFS)、安全性の評価項目は有害事象などで、最大1,600例を登録予定である。

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内在性制御性T細胞、腎移植後の免疫抑制療法の減少を可能に/BMJ

 内在性制御性T細胞(nTreg)の自家移植は、腎移植を受け免疫抑制された患者においても安全で実施可能である。ドイツ・シャリテ大学のAndy Roemhild氏らが、単施設における医師主導型nTreg用量漸増第I/IIa相臨床試験「ONEnTreg13試験」の結果を報告した。前臨床研究では、nTregが固形臓器移植後または移植片対宿主病(GVHD)後の移植片拒絶反応を遅延または防止し、in vivoにおいて養子移入後、生物学的薬剤や先進治療製剤による自己免疫や好ましくない免疫原性を制御する力があることが示されている。しかし、nTregによる養子細胞治療を広く実施するには、容易で堅実な製造方法、過剰な免疫抑制のリスク、標準治療薬との相互作用、安全性と有効性をモニタリングするバイオマーカーなど、実装に関連するさまざまな課題があった。BMJ誌2020年10月21日号掲載の報告。腎移植2週間前に採取した末梢血よりnTreg細胞を作製し、移植7日後に投与 ONEnTreg13試験は、多施設共同研究「ONE Study」の参加施設であるドイツ(ベルリン)のシャリテ大学病院にて実施された。対象は生体腎移植のレシピエント11例である。 腎臓移植2週間前に採取した40~50mLの末梢血からCD4+CD25+FoxP3+nTreg細胞を作製し、腎移植7日後に1回投与量0.5、1.0、または2.5~3.0×106個/体重kgのいずれかを静脈内投与した。その後48週まで、3剤併用免疫抑制療法から低用量タクロリムス単剤療法へ段階的な漸減を実施した。 主要な臨床および安全性の評価項目は、60週時点での複合エンドポイントとし、さらに3年間追跡調査を行った。評価には、生検により確認された急性拒絶反応の発生、nTreg注入関連有害事象、過剰免疫抑制などを含めた。副次評価項目は、移植腎機能とした。 結果について、安全域とバイオマーカーを確立するためにONEnTreg13試験の前に同施設で実施したONErgt11-CHA試験の9例(参照群)と比較した。nTreg療法は、忍容性が良好で単剤免疫抑制療法を実現 全患者で、十分な量と純度、機能を備えたnTreg細胞を作製することができた。3つのnTreg用量漸増群のいずれにおいても、用量制限毒性は確認されなかった。 nTreg群と参照群で、3年同種移植片生着率は100%であり、臨床および安全性プロファイルは類似していた。nTreg群では11例中8例(73%)が単剤による安定した免疫抑制療法を達成したが、参照群では標準的な2剤または3剤併用による免疫抑制療法は継続されたままであった(p=0.002)。作用機序としては、従来のT細胞活性化が低下し、nTregは生体内でポリクローナルからオリゴクローナルT細胞受容体レパートリーにシフトした。 著者は、症例数が少ないことを研究の限界として挙げたうえで、「今回の結果は、Tregの有効性のさらなる評価を支持するものであり、移植やあらゆる免疫疾患における次世代nTreg療法の開発の基礎となる」とまとめている。

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COVID-19に対する中和抗体LY-CoV555の有効性は?/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の外来患者へのSARS-CoV-2の中和抗体LY-CoV555投与について、2,800mg用量ではウイルス量を減少することが認められたが、他の用量では有効性が確認されなかった。米国・シダーズ・サイナイ医療センターのPeter Chen氏らが、進行中の第II相試験「Blocking Viral Attachment and Cell Entry with SARS-CoV-2 Neutralizing Antibodies trial:BLAZE-1試験」で事前に計画された中間解析(2020年9月5日現在)の結果を報告した。COVID-19は、多くの患者では軽症であるが、重症化し生命を脅かす可能性もある。ウイルス中和モノクローナル抗体は、ウイルス量を減らし、症状を改善し、入院を防ぐと予測されている。NEJM誌オンライン版2020年10月28日号掲載の報告。11日後のウイルス変化量で、3用量の有効性をプラセボと比較 研究グループは2020年6月17日~8月21日の期間に、軽症~中等症のCOVID-19外来患者467例を、中和抗体LY-CoV555群(700mg、2,800mg、7,000mg)またはプラセボ群に無作為に割り付け、それぞれ単回静脈内投与した。 主要評価項目は、ベースライン(SARS-CoV-2検査陽性判明時)から11日(±4)時点でのウイルス量の変化。ウイルス学的特性と症状に関するデータは29日目まで収集した。主要な副次評価項目は、安全性、患者報告による症状および転帰(COVID-19による入院、救急外来受診または死亡)であった。2,800mg投与群のみプラセボ群と比較してウイルス低下量が大 中間解析時点で、全例ではウイルス量(log10)のベースラインからの平均減少は-3.81で、ウイルスRNAの99.97%以上が除去された。 LY-CoV555の2,800mg投与群では、ベースラインからのウイルス変化量のプラセボとの差は-0.53(95%信頼区間[CI]:-0.98~-0.08、p=0.02)で、ウイルス量は3.4倍低下した。一方、700mg群(-0.20、95%CI:-0.66~0.25、p=0.38)、7,000mg群(0.09、95%CI:-0.37~0.55、p=0.70)では、ベースラインからのウイルス変化量についてプラセボとの差は認められなかった。 LY-CoV555群はプラセボ群と比較して、2~6日目の症状の重症度がわずかに低下した。COVID-19による入院または救急外来受診の患者の割合は、LY-CoV555群1.6%、プラセボ群6.3%であった。

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第58回 治療継続が大切!緑内障で一度欠けた視野は戻りません【使える!服薬指導箋】

第58回 治療継続が大切!緑内障で一度欠けた視野は戻りません1)Collaborative Normal-Tension Glaucoma Study Group. Am J Ophthalmol. 1998;126:487-497.2)同. GroupAm J Ophthalmol. 1998;126:498-505.3)The AGIS Investigators. Am J Ophthalmol.. 2000;130:429-440.

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病院風景3題【Dr. 中島の 新・徒然草】(348)

三百四十八の段 病院風景3題2020年も11月に突入し、ますます寒くなってきました。昨日、ついに電気毛布が登場。お蔭でよく眠れました。さて、今回は最近のちょっとした出来事を語りましょう。(その1)先日、顔面痙攣の患者さんにボトックスを打っていたときのこと。患者「中島先生は都構想に賛成? それとも反対?」中島「僕は〇〇ですね」患者「なんでまた?」ひとしきり政治ネタで盛り上がりました。考えてみれば、外科医のルーツは散髪屋さん。まさしく床屋談義です。患者「コロナも怖いし、私、投票はやめておこうかと思ってるのよ」中島「投票には行かないとダメでしょう」患者「先生は真面目やねえ」中島「自分が投票するからこそ、後で見るニュースが面白いんですよ」患者「じゃあ私も行こうかな」と、11月1日の投票日をスケジュールに入れて張り切っていたのですが、これ、投票は大阪市民だけなんですね。大阪府民であっても大阪市民でない私は関係なし。「府と市が一緒になって二重行政解消」と言ってるくらいだから府民も投票させてくれたらいいのに。確かに、大阪市外の自宅のほうには投票に関するこれといったお知らせも来ません。でも、職場のある大阪市中央区では選挙カーみたいなのが走り回っていました。「このままでは大阪市がなくなってしまいます!」「大阪市がなくなってもいいのでしょうか!」大きな声で主張していたのは、もっぱら反対派です。で、投票結果は反対派が賛成派を僅差で上回りました。面白いのが自民党と共産党が反対派、維新と公明党が賛成派だったことです。国語の試験で「呉越同舟を説明せよ」という問題が出たら、例として使えますね。(その2)転倒して、左手をついたら骨折してしまったという患者さん。彼女は若くして脳梗塞になり、左不全片麻痺になっていたのです。ほとんど見てわからない程度には回復したのですが、バランスが悪く、何かの拍子に転びそうになります。毎回、左足が引っかかるという同じパターン。中島「転んで受け身をとる練習をしたらどうですか?」患者「柔道みたいに?」中島「そう。左足が引っかかったときに、どううまく転ぶかって練習」患者「それ難しそう」中島「何も黒帯を取ろうってわけじゃないからできますよ」患者「できるかなあ」中島「最初は柔らかいマットか何かの上で練習するといいですよ」例によって、自分ではやらないことを偉そうに講釈してしまいました。でも、転ばないのも大切だけど、転んでしまったときの対処も大切ですよね。リハビリに取り入れるのもいいんじゃないかな。(その3)手術室でのお話。血管吻合の手術ですが、まずは若手が皮切開始。私は手術用顕微鏡をのぞきながら助手を務めます。もちろん、若手が行き詰まったら途中で交代するつもりでした。中島「おい、糸の真ん中を持ったら蝶々結びになってしまうやないか。端を持てよ」若手「すみません」中島「そもそも何回ぐらい練習してきたんや」若手「……」中島「100回か200回か、先生の回答はこの2択や」若手「……」中島「そうか、200回以上っていうのもあるから3択になるな」若手「もう勘弁してください」手術室というのは逃げ場がないので、熱血指導にはぴったりの場所です。と言いながらも、若手の吻合した血管はうまく開通し、見事に先発完投してくれました。手術室から出た時に若手2号と出くわしたので、つい余計な一言。中島「彼、時間はかかったけどうまくやりよったぞ」若手2号「先を越されて、ちょっと悔しいです」中島「先生にも必ず出番がくるから、その日に備えて練習しとこか」若手2号「そうします!」同期というのは何かと助け合う一方で、ライバル心も持っています。切磋琢磨して成長してくれるといいですね。最後に1句都構想 銀杏の黄色と ともに散る

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第31回 損税問題と全日病の行方は?日医・猪口副会長の微妙な立ち位置

長年、医療機関の経営を圧迫してきた控除対象外消費税。医療に関する消費税については、患者が支払う医療費は非課税だが、医療機関が医薬品や医療機器などを仕入れる際の消費税は「損税」、つまり収入に上乗せできない消費税として医療機関のコストになっている。これを課税扱いにしてゼロ税率にすれば、仕入れなどに払った税は控除可能になるため、病院業界は課税を中心にした是正策を求めてきた。一方、この問題を「解決済み」としていた日本医師会(日医)が、中川 俊男氏が会長選を制して新体制になった途端、「課税取引も視野に入れたあらゆる選択肢を排除せず」と述べ、方針転換の姿勢を示した。病院団体側に歩み寄ったように見受けられるが、病院団体のある役員は「課税を訴える四病協の一角を日医執行部に入れた(全日本病院協会[全日病]会長で日医副会長に就いた猪口 雄二氏)以上、顔を潰すわけにいかない。リップサービスだろう」と冷ややかだ。それどころか、日医が課税の旗を降ろした場合、全日病の分裂にもなりかねない状況だというのだ。日医は2019年10月の消費税率10%引き上げに先立ち、診療報酬で損税分を補填する仕組みを維持し、補填に過不足がある場合は、医療機関の申告により解消する税制上の仕組みの創設を国に提言したが、見送られた。日医はその後、診療報酬での対応の精緻化で損税問題は解消されたとコメントしている。ところが、今年6月の日医会長選において中川氏は、損税の原則課税を掲げる全日病の猪口会長を日医副会長候補に擁立。選挙戦で掲げた6項目の政策提言では、損税問題について「課税への転換を含め、ありとあらゆる選択肢を排除せずに議論していきたい」と述べた。そのような動きには、猪口氏擁立に関わる“裏”があったようだ。前出の役員は「接戦となった日医会長選を制するには、それなりの数がいる全日病会員兼日医代議員の票取りが肝要。そのための猪口氏擁立だった」と話す。会長就任後の9月17日の会見において中川氏は、2021年度の医療に関する税制要望を発表した際、「消費税率10%超へのさらなる引き上げに向け、課税取引も視野に入れてあらゆる選択肢を排除せず、引き続き検討する」と改めて明言している。ただし、日医としてはあくまで「課税取引も視野に」と言ったまでで、「課税に転換」したわけではない。日医が今後、課税の旗を降ろした場合、「四病協では猪口批判が高まる」(病院団体役員)と言うのも無理はないだろう。さらに、「猪口氏は誰にも相談せず日医副会長に立候補した。そして実際、副会長に就いた時点で全日病会長を辞任するのが筋だが、辞める様子がない。このことは、全日病の分裂、ひいては会員の大量脱退の芽をはらんでいる」と懸念する。日医会長選は、思わぬ“副産物”を生んでしまったようだ。

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安定期双極性障害患者の再発率に対する継続的な薬物治療の影響~メタ解析

 藤田医科大学の岸 太郎氏らは、双極性障害患者に対し抗精神病薬や気分安定薬を中止した場合と継続した場合の再発率を比較するため、二重盲検ランダム化プラセボ対照試験のランダム効果モデルメタ解析を実施した。Psychological Medicine誌オンライン版2020年10月13日号の報告。 2020年5月22日までに報告された研究を、言語制限なしで、Embase、PubMed、CENTRALデータベースよりシステマティックに検索した。独立した研究者が研究を評価し、データを抽出した。リスク比(RR)と有用性または有害性の治療必要数(NNTB/NNTH)を算出した。主要アウトカムは、6ヵ月時点での気分エピソードの再発率とした。副次的アウトカムは、抑うつエピソードおよび躁状態/軽躁状態/混合性エピソードの再発率、6ヵ月時点でのすべての原因による中止とした。また、これらのアウトカムの評価は、1、3、9、12、18、24ヵ月目に行われた。 主な結果は以下のとおり。・アリピプラゾール、アセナピン、divalproex、アリピプラゾール長時間作用型注射剤(LAI)、リスペリドンLAI、ラモトリギン、リチウム、オランザピン、パリペリドン、クエチアピンを使用した研究22件(5,462例)が抽出された。・平均研究期間は、64.50±69.35週であった。・抗精神病薬を継続した場合、すべての評価時点において、あらゆる気分エピソード、抑うつエピソード、躁状態/軽躁状態/混合性エピソードの再発率が低く、すべての原因による中止率も低下した。・6ヵ月時点での再発率およびすべての原因による中止率のRRは以下のとおりであった。 ●あらゆる気分エピソード:0.61(95%CI:0.54~0.70、NNT:5) ●抑うつエピソード:0.72(95%CI:0.60~0.87、NNT:13) ●躁状態/軽躁状態/混合性エピソード:0.45(95%CI:0.36~0.57、NNT:6) ●すべての原因による中止:0.71(95%CI:0.61~0.82、NNT:6) 著者らは「症状が安定した双極性障害患者に対する薬物療法の継続は、最大24ヵ月間の再発を抑制することが示唆された。1ヵ月以上の薬物治療の中止は、再発リスクを有意に上昇させた。しかし、6ヵ月間薬物療法を中止した患者のうち47.3%は再発しなかった」としている。

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消化性潰瘍の予防法が明確に-『消化性潰瘍診療ガイドライン2020』

 消化性潰瘍全般の国内有病率は減少傾向を示す。しかし、NSAIDs服用患者や抗凝固薬、抗血小板薬服用患者の潰瘍罹患率は増加の一途をたどるため、非専門医による予防対策も求められる。これらの背景を踏まえ、今年6月に発刊された『消化性潰瘍診療ガイドライン2020』(改訂第3版)では、「疫学」と「残胃潰瘍」の章などが追加。また、NSAIDs潰瘍と低用量アスピリン(LDA:low-dose aspirin)潰瘍の予防に対するフローチャートが新たに作成されたり、NSAIDsの心血管イベントに関する項目が盛り込まれたりしたことから、ガイドライン作成委員長を務めた佐藤 貴一氏(国際医療福祉大学病院消化器内科 教授)に、おさえておきたい改訂ポイントについてインタビューを行った(zoomによるリモート取材)。消化性潰瘍診療ガイドライン2020で加わった内容 消化性潰瘍診療ガイドライン2020では、主に治療や予防に関する疑問をCQ(clinical question)28項目、すでに結論が明らかなものをBQ(background question)61項目、今後の研究課題についてFRQ(future research question)1項目に記載し、第2版より見やすい構成になっている。CQとFRQにはそれぞれ「出血性潰瘍の予防」「虚血性十二指腸潰瘍の治療法」に関する内容が加わった。佐藤氏は、「NSAIDs潰瘍やLDA潰瘍の治療、とくに予防においてはフローチャートに基づき、プロトンポンプ阻害薬(PPI)による適切な対応をしていただきたい」と話した。 続いて、高齢者診療で慢性胃炎、他剤の副作用回避のために処方されることが多いPPIやヒスタミン2受容体拮抗薬(H2RA)の長期処方時に注意すべきポイントについては、「PPI服用による、肺炎、認知症、骨折などの有害事象が観察研究では危惧されているが、昨年報告された3年間にわたるPPIとプラセボ投与の大規模無作為化試験1)で有意差が見られたのは腸管感染症のみだった。とはいえ、必要以上に長期にわたってPPIを投与するのは避けるべき」と漫然処方に対し注意喚起した。一方で、H2RAは、せん妄など中枢神経系の副作用が高齢者でみられることが報告され注意が必要なため、「PPIやH2RAの有害事象を今後のガイドラインに盛り込むかどうか検討していきたい」とも話した。消化性潰瘍診療ガイドライン2020で強く推奨された服用例 H.pylori陰性、NSAIDsの服用がない患者で生じる特発性潰瘍は増加傾向を示し、2000~03年の潰瘍全体の中の頻度は約1~4%であったのが、2012~13年には12%となっている。同じくLDA服用者において、Nakayama氏ら2)が2000~03年と2004~07年の出血性潰瘍症例を比較した結果、 LDA服用者の比率が9.9%から18.8% へと有意に増加(p=0.0366)していたことが明らかになった。この背景について、同氏は「LDA服用例に消化性潰瘍や出血性潰瘍の予防がなされていなければ、それらの患者はさらに増加する恐れがある。LDA服用例の出血性胃潰瘍症例は2000年代前半より後半で有意に増加したと報告されている」とし、「すでに循環器内科医の多くの方はPPIを用いた潰瘍予防を行っている。今後は消化性潰瘍既往のある患者はもちろん、既往のない場合は保険適用外のため個別の症状詳記が必要になるが、高齢者にはPPI併用による潰瘍予防策を講じていただきたい」と話した。消化性潰瘍診療ガイドラインでは、抗血小板2剤併用療法(DAPT)時にPPI併用による出血予防を行うよう強く推奨している。消化性潰瘍診療ガイドライン2020でおさえておきたい項目 今回の消化性潰瘍診療ガイドライン2020の改訂でおさえておきたいもう1つのポイントとして、「BQ5-13:NSAIDsは心血管イベントを増加させるか?」「CQ5-14:低用量アスピリン(LDA)服用者におけるCOX-2選択的阻害薬は通常のNSAIDsより潰瘍リスクを下げるか?」の項目がある。NSAIDsの心血管イベントの有害事象については、これまでナプロキセン(商品名:ナイキサン)服用者のリスクが低いとされてきた。しかし、今回の文献検討では必ずしもそうではなかったと同氏は話した。「潰瘍出血のNSAIDsとLDA服用例で、セレコキシブ(商品名:セレコックス)+PPI群とナプロキセン+PPI併用群の上部消化管出血再発を比較したRCT3)では、セレコキシブ群で再発率が有意に低く心血管イベントの発生には差を認めなかったため、LDA服用の心血管疾患例でNSAIDs併用投与時にはセレコキシブ+PPIが有用」と説明。また、セレコキシブの添付文書には心血管疾患者への投与は禁忌とあるが、これは冠動脈バイパス術の周術期患者のみに該当し、そのほかの心血管患者は慎重投与であることから、個々の患者の状態に応じた柔軟な治療選択を提唱した。消化性潰瘍診療ガイドライン2020の治療フローチャート このほか、消化性潰瘍の治療フローチャートには治療に残胃潰瘍、特発性潰瘍の診断が消化性潰瘍診療ガイドライン2020に追加された。残胃潰瘍とは、外科的胃切除術後の残胃に生じる潰瘍を示す病態だが、現時点では有病率のデータはない。同氏は「近年では残胃で潰瘍を経験するなど実臨床で遭遇する機会が増えているため、新たに章立てしフローチャートに追加した。胃亜全摘術後の胃と小腸の吻合部分の潰瘍は吻合部潰瘍として知られており、これまで吻合部潰瘍が取り上げられていた。しかし、吻合部だけでなく、残胃内に潰瘍が生じることが多いため、今回取り上げた。その中にはNSAIDs潰瘍もあるが、ピロリ陽性、陰性の潰瘍もある」とコメントした。 最後に佐藤氏は「日常診療において、ピロリ菌除菌時に処方される薬剤、とくにクラリスロマイシンは併用注意薬や併用禁忌薬が多い。そのため、患者の紹介を受けた際には常用薬に該当薬剤が含まれていないか注意しながら治療選択を進めている」と、消化器潰瘍の診察時ならではの見逃してはいけないポイントを話した。

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乳がんでの免疫チェックポイント阻害薬の臨床開発はかなり複雑/日本治療学会

 2020年の乳がん診療におけるトピックスの1つとして、トリプルネガティブ(TN)乳がんに対する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の第III相試験の結果が多く発表されたことが挙げられる。しかし、これらの結果にはまだまだ未知の要因が関係しており、その理解はかなり複雑である。福島県立医科大学の佐治 重衡氏は、乳がんに対する免疫チェックポイント阻害薬の試験結果によるディスカッションポイントについて、第58回日本治療学会学術集会(10月22~24日)の会長企画シンポジウムにおける「乳診療の新たな構築 2020」で解説した。 乳がんでは腫瘍遺伝子変異量(TMB)が少ないとされ、免疫チェックポイント阻害薬への期待は高くはなかった。しかし、2019年にPD-L1陽性進行/再発TN乳がんに対するアテゾリズマブ+nabパクリタキセルが承認され、今後、ペムブロリズマブもKEYNOTE-355試験の結果を基にPD-L1陽性進行/再発TN乳がんに承認される可能性が高い。今回、佐治氏は、乳がんにおける免疫チェックポイント阻害薬治療でのディスカッションポイントとして、早期乳がんと進行/再発乳がんで免疫チェックポイント阻害薬の効果が異なる点、免疫チェックポイント阻害薬と組み合わせる化学療法によって異なる点を挙げ、それぞれ解説した。早期乳がんと進行/再発乳がんで免疫チェックポイント阻害薬の効果が異なるのは? 早期(Stage II~III)TN乳がんの術前治療としての免疫チェックポイント阻害薬アテゾリズマブを検討した第III相試験であるIMpassion031試験がESMO2020で発表された。本試験では、術前治療としてnabパクリタキセルを12週投与後、ドキソルビシン+シクロホスファミド8週投与する群とアテゾリズマブ追加群を比較した結果、術後の病理学的完全奏効(pCR)がアテゾリズマブ追加群で57.6%とプラセボ群(41.1%)より16.5%上乗せされたことが示された。また、この上乗せはPD-L1発現状況にかかわらずみられた。 ESMO2019で発表されたKEYNOTE-522試験においても、IMpassion031試験とは化学療法(カルボプラチン+パクリタキセルを4サイクル後、ドキソルビシン/エピルビシン+シクロホスファミドを4サイクル)は異なるが、早期TN乳がんの術前治療に免疫チェックポイント阻害薬ペムブロリズマブを追加することによりpCRの上乗せが示された。また、IMpassion031試験と同様に、PD-L1発現状況にかかわらず15%前後の上乗せが示された。どちらもリンパ節転移陽性例のほうが陰性例より上乗せ効果が高かった。 佐治氏は、この2つの試験結果から、なぜ早期乳がんではPD-L1陰性でも効果があるのか、また、なぜリンパ節転移陽性だとpCRの上乗せが顕著なのか、疑問を呈した。 まず前者について、佐治氏はESMO2020で発表されたNeoTRIP試験(早期TN乳がんに術前治療としてカルボプラチン+nabパクリタキセルにアテゾリズマブを追加)の結果を提示した。本試験では、術前治療前と途中のペア組織生検からPD-L1の発現変化を調べた結果、アテゾリズマブ併用群では、治療前にPD-L1陰性だった患者のうち64.3%が治療の途中で陽性となったのに対して、プラセボ群では17.7%しか陽性にならなかった。この結果から、佐治氏は、抗PD-L1抗体の併用により原発腫瘍のPD-L1の発現が誘導される可能性を言及した。リンパ節転移がある乳がんへの免疫チェックポイント阻害薬の効果の影響は? 後者については、治療する時点でリンパ節転移がある場合に免疫チェックポイント阻害薬の効果が顕著であるとするなら、リンパ節転移陽性の患者さんが乳房切除+リンパ節郭清といった手術後に免疫チェックポイント阻害薬を受けるときの効果はどうなるのか、という疑問が生じる。 これまで乳がんの術前治療と術後治療は効果が同じという前提で治療を行ってきているが、治療時にリンパ節転移があるほうが免疫チェックポイント阻害薬の効果が高いという仮説が正しいのであれば、術前治療と術後治療において免疫チェックポイント阻害薬の利益には差があることになってしまう。佐治氏は「もしそうであれば、免疫チェックポイント阻害薬を使用する時代になったときに手術を含めた治療戦略そのものを変えなければいけない」と述べ、「今後、術後治療での免疫チェックポイント阻害薬の結果が出てきたとき、リンパ節転移の有無が本当に大事なのかどうかは重要なポイントとなる」と指摘した。免疫チェックポイント阻害薬と組み合わせる化学療法の違いで異なる結果 免疫チェックポイント阻害薬と組み合わせる化学療法については、これまで、何を選んでもある程度の上乗せを期待できると考えられてきた。しかし、ESMO2020で発表されたIMpassion131試験は、対象が同じ未治療のPD-L1陽性進行/再発TN乳がんであるにもかかわらず、IMpassion130試験と異なる結果であった。すなわち、アテゾリズマブにnabパクリタキセルを組み合わせたIMpassion130試験では、無増悪生存期間(PFS)の上乗せ効果があったのに対し、パクリタキセルを組み合わせたIMpassion131試験では上乗せ効果がなかった。 この理由として、パクリタキセルの場合はステロイドを投与するためという意見もあるが、KEYNOTE-355試験など、ステロイドを必要とする化学療法との組み合わせがある他の試験では効果がみられているため、よくわかっていないという。佐治氏は、「今後、サブセット解析や細かいデータを見直した結果が発表されたときに、化学療法のペアの問題がどれくらい重要なのかがわかるだろう」と述べた。 最後に佐治氏は、「進行/再発乳がんではPD-L1陽性例にしか効果がないのに、なぜ早期乳がんではPD-L1の発現によらず効果があるのか。また、早期乳がんにおいてリンパ節転移が治療効果に影響している結果をどう解釈すればよいのか。さらに、どの化学療法を組み合わせて開発していくのか。乳がんにおける免疫チェックポイント阻害薬の臨床開発は簡単ではなく、やるべきことが多いことがわかった」と課題を述べ、講演を締めくくった。

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独裁主義は国民の健康アウトカムに悪影響/BMJ

 国の政治的特性として、自由・公平な選挙制度、市民団体や政治結社の自由、表現の自由といった民主主義的特性が薄れ、そうした点への規制や統制が強い独裁主義的特性が増すと、国民の推定平均余命、効果的な医療サービスを受ける機会および医療費の自己負担は、悪化するとの研究結果が示された。トルコ・Bilkent UniversityのSimon Wigley氏らが、136ヵ国を対象に行った検討で明らかにしたもので、BMJ誌2020年10月23日号で発表した。健康の政治的決定要因に関するこれまでの研究では、民主主義の全体的な質が、医療費や医療サービスの提供および国民の健康アウトカムに与える影響に視点が置かれていた。研究グループは、「しかし現在、民主主義的特性の大幅な増大(民主化)よりも大幅な減少(独裁化)を経験している国が少なくない」として、国の独裁化と健康アウトカムの関連を調べる検討を行ったという。独裁化が進んだ17ヵ国と、それ以外の国に分類 研究グループは、国の独裁化と国民の健康アウトカムおよびユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)への進展傾向との関連を調べるため、コントロール群を適当な重み付けから統合して評価するシンセティック対照解析を行った。 国の民主制の度合いを示す既存の指数などから、1989~2019年の世界各国の独裁・民主主義の状況を調べ、2000~10年に独裁制への移行が認められた17ヵ国(“介入”国群)と、1989~2019年に同移行がまったく認められなかった119ヵ国(コントロール群)、の2群に分類した。介入国群は低・中所得国で、北米と欧州西部を除く地域に属していた(バングラデシュ、中央アフリカ、コートジボワール、エクアドル、フィジー、リベリア、マダガスカル、モルドバ、ネパール、ニカラグア、北マケドニア、パレスチナ/ヨルダン川西岸地区、フィリピン、ロシア、ソロモン諸島、スリランカ、トーゴ)。 コントロール群を重み付けして組み合わせ、各介入国群についてシンセティック対照解析を実施し、独裁制への移行が認められなかった場合の予測値などを推算した。本手法は、無作為化が不可能で同質性が高い比較群が設定できない集団レベルの研究でとくに適しており、元来、経済学や政治学分野で政治や事象の影響を評価するために開発された方法で、最近では疫学研究でも使用することが増えているという。 主要アウトカムは、1989~2019年における、5歳時点のHIV非感染平均余命、UHC実効(effective coverage)指数(0~100ポイント)、1人当たり医療費自己負担だった。独裁化への移行後10年、全アウトカムで悪影響 介入国群では、独裁化への移行開始後10年時点で3つの主要アウトカムの変数はすべて、改善が認められたものもあったがパフォーマンスの低下がみられた。 5歳時点のHIV非感染平均余命は改善がみられ、介入国群の平均値は64.7年から66.1年へと2.2%増大していたが、独裁化への移行がなかった場合は3.5%(95%信頼区間[CI]:3.3~3.6、p<0.001)の増大が推定された。 UHC実効指数についても、独裁化への移行開始後10年で介入国群平均値は42.5ポイントから47.6ポイントへと11.9%増加したが、同移行がなかった場合は20.2%(同:19.6~21.2、p<0.001)の増加が推定された。 1人当たり医療費自己負担は、同移行開始後10年で介入国群平均値は4ドル(3.1ポンド、3.4ユーロ)から4.4ドルへと10.0%増加したが、同移行がなかった場合は4.4%(同:3.9~4.6、p<0.001)の増加にとどまると推定された。

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COVID-19回復者血漿療法は有益か/BMJ

 インドで行われた第II相多施設共同非盲検無作為化試験の結果、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)回復期患者の血漿を用いた治療は、COVID-19の重症化や全死因死亡の抑制と関連しないことが、インド・Indian Council of Medical ResearchのAnup Agarwal氏らにより報告された。2020年10月現在、COVID-19回復期血漿療法に関しては、複数の小規模ケースシリーズと1つの大規模観察試験(3万5,000例超)および3つの無作為化試験が発表されている。観察試験では臨床的有益性が示唆されたが、試験は早期に中止され、また死亡への有益性を確認することはできていなかった。BMJ誌2020年10月22日号掲載の報告。回復期患者血漿200mLを24時間間隔で2回投与 研究グループは、インドの成人で中等度COVID-19患者への回復期血漿治療の有効性について検討した。2020年4月22日~7月14日に、インド国内39ヵ所の公的および民間病院で、COVID-19が確認された18歳以上の患者464例を対象に試験を行った。被験者は、室内気でPaO2(動脈血酸素分圧)/FiO2(吸入酸素濃度)が200~300mmHg、または呼吸数24/分超かつ酸素飽和度93%以下だった。 235例(介入群)に標準的治療+回復期患者血漿投与を、229例(対照群)に標準的治療のみを行った。介入群には、回復期血漿200mLを24時間間隔で2回投与。中和抗体の出現と値の測定は事前に規定されていなかったが、試験終了時に保存検体の解析が行われた。 主要アウトカムは、試験登録後28日時点における重症(PaO2/FiO2<100mmHg未満)への進行または全死因死亡の複合だった。重症化・全死因死亡発生率は両群ともに18~19%と同等 試験登録後28日時点における主要複合アウトカムの発生は、介入群44例(19%)、対照群41例(18%)と両群で有意差はなかった(リスク差:0.008、95%信頼区間[CI]:-0.062~0.078)。リスク比は1.04(95%CI:0.71~1.54)だった。 結果を踏まえて著者は、「本試験は一般化可能性が高く、回復期血漿投与は検査体制が限られている現実の状況下で行われた」と述べるとともに、「回復期血漿投与を受ける側および提供する側双方の中和抗体価の先験的測定が、今後、COVID-19治療における回復期血漿の役割を明らかにする可能性はある」と提案している。

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筋電図バイオフィードバックは女性尿失禁に対する骨盤底筋訓練に有効なのか?:多施設共同研究(解説:宮嶋哲氏)-1313

オリジナルニュース尿失禁への骨盤底筋トレーニング、筋電図バイオフィードバック併用は?/BMJ 無意識に行われている体内状態を適切な計測器によって測定し、その情報を画像や音の形で自身が意識できるよう呈示することにより、従来制御することが不可能であると考えられてきた体内の諸機能を意識的に制御することが可能であることがわかってきた。人体における意識にのぼらない情報を工学的な手段によって視聴覚等で感知させ意識上にフィードバックすることにより、体内状態を意識的に希望する方向へ調節する技術や訓練をバイオフィードバックと呼び、現在、さまざまな疾患において用いられている。 本研究はスコットランドとイングランドの23医療施設において、腹圧性尿失禁を呈した18歳以上の600例の女性を対象としたRCTである。監督下の骨盤底筋訓練(PFMT)のみの群と筋電図によるバイオフィードバックを組み込んだ監督下PFMTの2群に割り付けられ、主要評価項目は24ヵ月時における尿失禁の自己申告による重症度(ICIQ- UI SF)であり、副次評価項目は、治癒または改善、他のPFM症状、QOL、PFM機能、他の治療の導入、プロトコールの実効性、費用、質調整生存年としている。結果は、ICIQ-UI SF平均値はバイオフィードバック群8.2ならびにコントロール群8.5と近似しており、費用ならびに質調整生存年においても有意な差を認めなかった。48症例(バイオフィードバック群34例、コントロール群14例)で副作用を認めた。以上から、筋電図バイオフィードバックをPFMTの補助にする治療の有効性は証明しえなかった。 女性尿失禁に対しては骨盤底筋訓練(PFMT)が尿失禁の改善につながり、わが国の『女性下部尿路症状診療ガイドライン(第2版)』CQ9においてPFMTは推奨グレードAである。PFMTの方法に関してはさまざまな行動療法統合プログラムを行うことの優越性が報告されているものの、バイオフィードバックを組み合わせることでの優位性に関しては議論の余地がある段階とされていた。本研究のように大規模かつ多施設共同RCTから筋電図バイオフィードバックの有効性が見いだせなかったことから、監督下PFMTは尿失禁の管理に効果的であるものの、その効果をより最大化するその他の方法に関してさらなる検討が必要と思われる。

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HPVワクチン【今、知っておきたいワクチンの話】各論 第5回

ワクチンで予防できる疾患ヒトパピローマウイルス(human papilloma virus:HPV)ワクチンは、HPV感染と感染によって発症する疾患を予防する。その代表が子宮頸がんである。HPV感染は、女性では、子宮頸がんのほか、肛門がん、膣がん、外陰部がん、口腔咽頭がん、肛門性器疣贅(尖圭コンジローマ)、男性では、肛門がん、陰茎がん、口腔咽頭がん、肛門性器疣贅の原因となる。HPVはヒトのみに感染する2本鎖DNAウイルスで、性交渉によって感染する。HPV感染はほとんどが一時的で典型的には12ヵ月以内に消失するが、12ヵ月を超えて感染が持続した場合に、数年の経過でがんを発症することがある1)。HPVには200種類以上のジェノタイプがあり、ジェノタイプによって、がんの発症リスクと発症する疾患が異なる(表1)。子宮頸がんの発症リスクが高い高リスクなジェノタイプは16型と18型がよく知られている。子宮頸がんの組織型のうち、扁平上皮がん、腺がん、腺扁平上皮がんは、約70%が、高リスク群である16型と18型が原因となる。そのほかのジェノタイプ、31, 33, 45, 52, 58型を加えると、約90%を占める2,3)。表1 HPVジェノタイプと関連疾患画像を拡大する子宮頸がんは、持続的なHPV感染によって、前がん病変である子宮頸部上皮内腫瘍(cervical intraepithelial neoplasia:CIN)やadenocarcinoma-in-situを経て発症する。CINは、組織学的にCIN1、CIN2、CIN3の3つに分類され、がんの発症リスクと関連している。CIN1やCIN2は通常がんへ進行することはまれで、正常組織へ戻るほうが多いと報告されている。CIN1からCIN3への進行は1年で1%程度だが、CIN2からCIN3への進行は2年以内に16%、5年以内に25%と上昇する。さらに、子宮頸がんやadenocarcinoma-in-situへの進行は、CIN2とCIN3は、CIN1と比較すると4.2倍のリスクがある。異形成が重度になるほどがん発症のリスクは高まる8)。ワクチンの概要(効果・副反応・生または不活化・定期または任意・接種方法)1)ワクチンの効果HPVワクチンには2価ワクチン(Cervarix)、4価ワクチン(Gardasil)、9価ワクチン(Gardasil 9、2020年に日本承認されたものは商品名をシルガード9という)の3種類が存在する。それぞれカバーするHPVの型が異なり、2価ワクチンは16, 18型、4価ワクチンは6, 11, 16, 18型、9価ワクチンは6, 11, 16, 18, 31, 33, 45, 52, 58型をカバーする(表2)。16, 18型は子宮頸がんの原因の約70%を占め、31, 33, 45, 52, 58型で約20%を占めるため、9価ワクチンでは子宮頸がんの原因の約90%をカバーできる。表2 HPVワクチンとカバーするHPVジェノタイプ画像を拡大するHPVワクチン接種により、HPV感染、子宮頸がんの前がん病変であるCIN2〜3、adenocarcinoma-in-situ、尖圭コンジローマ、肛門感染が減少することが示されてきた9)。前がん病変を確認した後に子宮頸がんが発症するまで放置するのは非倫理的であり、こうした病変は切除される。よって、がんに進行する前段階であり外科的治療の対象となる高悪性度の前がん病変の発生がエンドポイントに設定された。これまで、子宮頸がんの減少を直接示した報告はなかったが、本稿執筆中(2020年10月)に子宮頸がんが減少することを示した研究が発表された10)。若年女性に対する4価ワクチンの効果を検討した“FUTUREII”というランダム化比較試験では、15〜26歳の女性に4価ワクチン接種を行ったところ、48ヵ月の追跡期間で、プラセボと比較して、HPV16型または18型に関連したCIN2〜3、adenocarcinoma-in-situを含む前がん病変発症が98%減少した。CIN2単独では100%、CIN3では97%、adenocarcinoma-in-situでは100%の有効率が示された11)。また、10〜30歳の女性を対象とした、4価ワクチンの効果を検討したスウェーデンのコホート研究では、ワクチン接種者と非接種者を比較した場合、年齢補正後の子宮頸がんの発生率比は、0.51(95% CI,0.32-0.82)、暦年・居住地や親の特徴を追加補正した後の子宮頸がん発症率比は、0.37(95% CI,0.21-0.57)であり、初めて子宮頸がんが減少することが示された。4価ワクチンを17歳未満で接種した方が、17〜30歳で接種した場合よりも、子宮頸がんの発症が減少した10)。27〜45歳女性に対する4価ワクチンの研究では、予防効果は、CIN≧2の高度異形成は83.3%、尖圭コンジローマは100%と高く、接種後少なくとも10年間の予防効果が示された12)。9価ワクチンについては、16〜24歳の女性において、9価ワクチンと4価ワクチンの効果を48ヵ月追跡し比較した研究で、ワクチン接種前のHPV感染の有無に関わらず、高悪性度の子宮頸部や外陰部および膣の疾患(CIN、adenocarcinoma-in-situ、子宮頸がん、外陰上皮内腫瘍、膣がんを含む)の累積罹患率は100万人あたり14人と同等であった。また、9価ワクチンでカバーできる高悪性度の31, 33, 45, 52, 59型関連疾患(CIN, adenocarcinoma-in-situ, 子宮頸がん, 外陰上皮内腫瘍, 膣がんを含む)の罹患率については、9価ワクチンは100万人年あたり0.1人で、4価ワクチンは100万人年あたり1.6人であり、9価ワクチンの有効率は96.7%と高いことが示された13)。2)ワクチンの副反応主に報告されているワクチン接種後の有害事象は、注射部位の疼痛、腫脹、紅斑、掻痒感、全身症状は、頭痛、発熱、悪心、めまい、倦怠感などである14)。9価ワクチン接種者15,776例では、頭痛2,090例(13.2%)、発熱955例(6.1%)、失神36例(0.2%)が報告され、重篤な副反応は少なく0.1%未満であった15)。また、2009〜2015年にワクチン有害事象報告システムに報告された4価ワクチンの副反応は、合計60,461,220回接種のうち19,720例(0.03%)報告され、失神が100万接種あたり47例、体位性頻脈症候群(postural orthostatic tachycardia syndrome:POTS)やギラン・バレー症候群が100万接種あたり約1例、複雑性局所疼痛症候群(complex regional pain syndrome:CRPS)が100万接種あたり0.28例報告された16)。日本では、副反応としてCRPS、POTSに類似する病態、記憶障害や見当識障害などの高次脳機能障害や認知機能障害の報告が相次ぎ、それらは2014年に入り、HPVワクチン関連神経免疫異常症候群(HPV vaccine associated neuropathic syndrome:HANS)と呼ばれるようになった。HPVワクチンと、副反応と報告された症状との因果関係を調べる目的で行われた名古屋スタディでは、中学3年生〜大学3年生の女性約7万人を対象にアンケートを実施し、月経不順、疼痛、倦怠感、記憶障害、歩行困難、四肢の脱力を含む24の症状に関してワクチン接種者と非接種者とで比較したところ、症状発現に差はなく、ワクチンとそれらの症状との因果関係は示されなかった17)。接種スケジュールわが国では、HPVワクチンは2013年4月に定期接種化されたが、その後、副反応の報告が相次ぎ、同年6月に接種の積極的な勧奨が一時差し控えとなった。しかし、現在でも、A類の定期接種ワクチンに含まれている。画像を拡大する日本では、小学6年生〜高校1年生相当の女性に2価または4価ワクチンの3回接種が推奨されている。接種のタイミングは、2価ワクチンでは、初回接種、初回接種後1ヵ月、6ヵ月、4価ワクチンでは、初回接種、初回接種後2ヵ月、6ヵ月となっている。最近では、2020年7月21日に9価ワクチンであるシルガード9が、日本で製造販売承認された。9価ワクチンは、いまだ日本では定期接種化されていない(2020年10月現在)。画像を拡大する世界保健機関(World Health Organization:WHO)や米国予防接種諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices:ACIP)は図3のように9〜14歳の男女全員に最低6ヵ月あけて2回のワクチン接種(0、6〜12ヵ月)を推奨している(男性は4価と9価ワクチンのみ承認)。12〜15ヵ月以上はあけないこと、5ヵ月以内に2回目を接種した場合は、初回から少なくとも6ヵ月あけて3回目の接種を行うことを推奨している18)。HIV、悪性腫瘍、造血幹細胞移植後、固形臓器移植後、自己免疫性疾患、免疫抑制薬使用中などの免疫不全者や、15歳以上の場合には、3回接種(0、1〜2、6ヵ月)が推奨されている。当初は、すべての対象者に3回接種が推奨されていたが、9〜14歳の場合、2回接種(0、6ヵ月)と3回接種(0、1〜2、6ヵ月)では免疫原性に差がないことが示されたため、2014年にWHOは2回接種に推奨を変更した19-22)。最近では、子宮頸部の高悪性度病変の発症をエンドポイントとしたコホート研究が報告され、16歳以下で4価ワクチンを接種開始した女性において、1〜2回接種は、3回接種と同等にCIN3以上の高悪性度病変に対する有効性が示されている23)。また、2価または4価ワクチンで接種を開始した場合に、9価ワクチンでシリーズを終了することは可能となっている。ただし、2価または4価ワクチンを3回接種終了後に9価ワクチンを追加接種することは推奨されていない24)。27〜45歳については、HPVワクチン接種の推奨はない。ただし、感染していない型のHPVに対する新規感染を予防するメリットはあり、実際CIN、尖圭コンジローマを有意に減少されることは示されている25)。接種のメリットがある場合は、医師と話し合いの上、接種を行うことが考慮できるとなっている。図3 米国予防接種諮問委員会(ACIP)やWHOにおけるHPVワクチン接種スケジュール画像を拡大する日常診療で役立つ接種ポイント接種は、筋注で行う。まれに、失神の報告があることから、失神による転倒や怪我を予防するため、ワクチン接種は座位または臥位で実施し、接種後は座位で15分間経過観察するよう推奨されている。注意点は、妊婦に対する安全性は確立していないこと、接種の禁忌は、HPVワクチンでのアナフィラキシーの既往、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)のアレルギーがある。今後の課題・展望WHOは2030年までにすべての国で、子宮頸がんの罹患率を100,000人年あたり4人未満、子宮頸がんの死亡率を30%減少させることを目標として掲げている。そのため、諸外国ではHPVワクチンプログラムが立ち上げられ、HPVワクチンの接種が積極的に行われている。オーストラリアでは、2019年10月の報告で、子宮頸がんの発症率は、2014年で100,000人年あたり7.4人だが、2020 年までに 100,000人年あたり6人未満、2028 年までに 100,000人年あたり4人未満に減少し、2066年には 100,000 人年あたり1人未満という非常にまれながんになることが予想されている26)。一方、日本は、2017年の子宮頸がんの罹患率は、100,000人年あたり16.9人で、ワクチン接種率は1%未満といった現状である27)。最近、オーストラリアの研究グループは、日本が2013年6月から現在に至るまで、HPVワクチン接種を差し控えたことによる、子宮頸がん罹患数や死亡数への影響について報告した。1994〜2007年に生まれた女性(2002年生まれ以降の女性の20歳までのワクチン接種率は1%未満)に関して、生涯における子宮頸がん罹患数が80,200〜82,100人、死亡数が16,500〜16,800人のところ、もし、2013年のワクチン接種の差し控えがなく接種率が70%で維持されていた場合、罹患数は52,900〜57,500人、死亡数は10,800〜11,800人となり、それぞれ24,600〜27,300人、5,000〜5,700人減少すると推定された。また、今後2020年以降の接種率が70%に回復し、キャッチアップも行った場合には、罹患数は64,000〜67,300人、死亡数は13,100〜13,800人となり、14,800〜16,200人の発症と3,000〜3,400人の死亡を防ぐことが可能であると推測した28)。9価ワクチンのシルガード9が承認され、ようやくHPVワクチンに対して、再度社会が動き始めたようだ。しかし、実際のところ、定期接種であることの周知や、積極的なワクチン接種までは進んでいない。早急に接種の積極的な勧奨を再開し、将来的には、子宮頸がんで苦しむ人がいなくなることを期待している。参考となるサイトこどもとおとなのワクチンサイト1)Joel M Palefsk. Up to date. Human papillomavirus infections: Epidemiology and disease associations.2)de Sanjose S, et al. Lancet Oncol. 2010;11:1048-1056.3)Schiffman M, et al. Lancet. 2007;370:890-907.4)EM Burd. Clin Microbiol Rev. 2003;16:1–17.5)Muñoz N, et al. N Engl J Med. 2003;348:518-527.6)D'Souza G, et al. N Engl J Med. 2007;356:1944-1956.7)Olesen TB, et al. Lancet Oncol. 2019;20:145-158.8)Holowaty P, et al. J Natl Cancer Inst. 1999;91:252-258.9)Bosch FX, et al. Vaccine. 2013;31:H1-31.10)Lei J, et al. N Engl J Med. 2020;383:1340-1348.11)FUTURE II Study Group. N Engl J Med. 2007;356:1915-1927.12)CDC.9vHPV Vaccine for Mid-Adult Persons (27-45 yo) Results from Clinical Studies.13)Joura EA, et al. N Engl J Med. 2015;372:711-723.14)Dahlström LA, et al. BMJ. 2013;347:f5906.15)Moreira ED Jr, et al. Pediatrics. 2016;138:e20154387.doi:10.1542/peds.2015-4387.16)Arana JE, et al. Vaccine. 2018;36:1781-1788.17)Suzuki S, et al. Papillomavirus Res. 2018;5:96-103.18)WHO.Comprehensive Cervical Cancer Control.19)Dobson SR, et al. JAMA. 2013;309:1793-1802.20)Puthanakit T, et al. J Infect Dis. 2016;214:525-536.21)Iversen OE, et al. JAMA. 2016;316:2411-2421.22)Huang LM, et al. J Infect Dis. 2017;215:1711–1719.23)Verdoodt F, et al. Clin Infect Dis. 2020;70:608-614.24)CDC.Supplemental information and guidance for vaccination providers regarding use of 9-valent HPV.25)FDA.FDA approves expanded use of Gardasil 9 to include individuals 27 through 45 years old.26)Hall MT, et al. Lancet Public Health. 2019;4:e19-e27.27)国立がん研究センター がん情報サービス.最新がん統計(2020年07月06日)28)Simms KT, et al. Lancet Public Health. 2020;5:e223-e234.講師紹介

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「メジコン」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第24回

第24回 「メジコン」の名称の由来は?販売名メジコン®錠15mgメジコン®散10%メジコン®配合シロップ一般名(和名[命名法])1)メジコン錠15mg・メジコン散10%デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(JAN)[日局]2)メジコン配合シロップデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(JAN)[日局]クレゾールスルホン酸カリウム(JAN)[局外規]効能又は効果(1)メジコン錠15mg・メジコン散10% 1.下記疾患に伴う咳嗽感冒、急性気管支炎、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺炎、肺結核、上気道炎(咽喉頭炎、 鼻カタル) 2.気管支造影術及び気管支鏡検査時の咳嗽(2)メジコン配合シロップ下記疾患に伴う咳嗽及び喀痰喀出困難急性気管支炎、慢性気管支炎、感冒・上気道炎、肺結核、百日咳用法及び用量(1)メジコン錠15mg・メジコン散10%通常、成人にはデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物として1回15~30 mgを 1日1~4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。(2)メジコン配合シロップ通常、成人には1日18~24 mL、8~14歳1日9~16mL、3ヵ月~7歳1日3~8 mLを3~4回に分割経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者2.MAO阻害剤投与中の患者※本内容は2020年11月4日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2019年12月改訂(改訂第14版)医薬品インタビューフォーム「メジコン®錠15mg、メジコン®散10%、メジコン®配合シロップ」2)シオノギ製薬:製品情報一覧

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第31回 聖マリアンナ医大はなぜ、文科大臣を怒らせ続けるのか?

ワールドシリーズでコロナ騒動こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。米メジャーリーグのワールドシリーズは、ロサンゼルス・ドジャースの32年ぶりの優勝で終わりました。優勝を決めた10月27日の第6戦では、野球ファン以外もあっと驚く出来事がありました。ドジャースの内野手、ジャスティン・ターナー選手が新型コロナウイルス陽性であること試合途中で判明し、8回の守備から退きました。ターナー選手は第3戦と第4戦の初回に本塁打を放つなど、攻守で大活躍していました。コロナによる途中退場だけでもちょっとしたニュースですが、なんとターナー選手、別室に隔離されたにもかかわらず、試合後、優勝セレモニーが始まると米メジャーリーグ機構(MLB)の要請に従わずに参加、グラウンド上で他の選手とハグをし合ったり、記念撮影をしたりしたのです。しかも、マスクをずらして口元を出したままで…。ドジャース関係者はターナー選手を擁護したのですが、 MLBは28日に声明を出し「隔離状態を解き、フィールドに出た行為は誤りで、接触者を危険にさらした」と強く避難、調査を進める考えを明らかにしています。USA TODAY紙(電子版)は29日付でドジャースとレイズの選手、関係者らが自宅に戻り、自主隔離に入ったと報じています。同紙はロサンゼルス郡公衆衛生局が、「(ターナー選手のように)症状が出ていない場合でも、他人と接触するには10日間隔離した上で、症状と熱がない状態を24時間以上キープする必要がある。また、陽性反応を示した人と24時間以内に15分以上接触のあった者は14日間の隔離が必要である」というガイドラインのもと、ドジャースナインらに14日間の隔離を要求したことも報じています。とんだ優勝になったものです。しかし、前回書いたように、今回のワールドシリーズ、試合以外は選手全員がホテルに缶詰めとなって全試合を戦うバブル方式(まとまった泡の中で開催する、という意味)で行われたはずなのに、ターナー選手はどこから新型コロナに感染したのでしょうか?缶詰になったホテルの従業員からの感染説などがあるようですが、現時点では謎のままです。「合理的な説明をきちんと世の中にもするべきだ」と非難さて、今回は萩生田 光一文部科学大臣に“叱られた”聖マリアンナ医科大学(川崎市)の話題です。こちらも謎だらけです。各紙報道によると、萩生田文科大臣は10月30日の閣議後会見で、医学部入試で性別や浪人回数などによる差別があった問題で、不正を頑なに否定し続けている聖マリアンナ医大について、「合理的な説明をきちんと世の中にもするべきだ」と非難したとのことです。「毎年、毎年、偶然、偶然、偶然、偶然、偶然、合格者がそういう比率だったっていうのは、ちょっと理解できない」とも語っています。きっかけは東京医科大の不正入試聖マリアンナ医大の入試については、2018年から約2年間、さまざまな報道がされてきました。きっかけは、2018年7月に発覚した東京医科大の不正入試でした。文科省は同様の不正事例を調べるため、医学部医学科がある全国81大学の2013年度から2018年度までの6年間の入学者選抜を緊急調査しました。2018年12月に発表された調査結果では、聖マリアンナ医大を含む私立9校、国立1校の名を挙げ、男性に一律に加点する女性差別や浪人生差別などの問題があったと指摘しました。このとき、同大だけが差別の存在を否定しました。当時の柴山 昌彦文科大臣の強い要請もあり、同大は第三者委員会を組織。その調査結果(2020年1月公表)等を踏まえ、文科省は今年10月1日、同大幹部を同省に呼んで、「不適切な入試があったと見なさざるを得ない」と口頭で通告しました。私学助成金50%減額へこれを受け、日本私立学校振興・共済事業団は10月28日までに、2015~2018年度の医学部入試で女子や浪人生の差別的扱いが第三者委員会に認定された聖マリアンナ医科大について、2020年度の私学助成金を50%減額すると決定しています。冒頭の萩生田文科大臣の発言は、この決定後のものです。医学部入試が不適切だったとされた私立大は他に8校(東京医科大、岩手医科大学、昭和大学、順天堂大学、北里大学、金沢医科大学、福岡大学、日本大学)あり、いずれも不正を認め、助成金が不交付もしくは減額となっています。「そのような事実はなかったものと判断」聖マリアンナ医大が“すごい”のは、一貫して「差別的扱いの事実はない」との立場を貫き続けていることです。同大のホームページの「ニュース」コーナーには、「平成27年度~平成30年度の本学一般入学試験第2次試験についての本学の見解」として、文科省に今年9月28日に提出した文書が掲示されています。この文書は、9月3日に文科省が同大に送った「聖マリアンナ医科大学第2次受験者点数分布の性差の統計的有意性」と題する文書への回答です。それによると、第三者委員会の「大学の組織的関与によるものではないが一律の差別的取扱いが認められる」との結論に対しては「男女間に点数差が存するとの客観的事実については、これを否定するものではない」としています。また、文科省からの「別々の与えられた得点に男女が作為的に割り付けられたと判断せざるを得ない」といった指摘に対しても、「当該数値ないしデータを分析する際に用いた統計学的な分析手法自体の信頼性及び妥当性についても、 異論を述べるものではない」と反論していません。しかし、肝心の「見解」の部分では、「これまでも本学の見解としてお伝えしてきたとおり、 当該年度において実施された本学入学試験第2次試験において、 男女の別といった、 受験者の属性に応じた『一律の差別的取扱い』が行なわれたとの事実は確認できておらず、 本学としては、そのような事実はなかっ たものと判断しております。(中略)『別々の与えられた得点に男女が作為的に割り付けられた』といった事実についても同様になかったものと判断しております」と差別の存在を改めて完全否定しています。もっとも、「意図的ではないが、属性による評価の差異が生じ、一部受験者の入試結果に影響を及ぼした可能性がある」として、2次試験の不合格者に入学検定料を返還しています。文科大臣が2代続けて不快感聖マリアンナ医科大は、この2年間、文科大臣から叱られ続けてきました。文科省が2018年12月に不正入試の調査結果を発表した際も、柴山文科大臣は記者会見で、差別の存在を否定する同大の対応について「率直に言って何をしているのだろうと思う」と不快感を示し、第三者委員会を設けて事実関係を調査するよう強く求めています。今年1月に第三者委員会が「差別的取扱いが認められる」旨の報告書を公表した際には、萩生田文科大臣は、「大学の見解について丁寧な説明が必要」と注文を付けています。そして今回、再び萩生田文科大臣が“説明をきちんとしろ!“と怒ったわけです。認めると学内外でマズいことが起こる?ここまで、文科大臣の発言に正対せず、“説明しない”態度を貫く、というのはよほどの理由があるに違いありません。私学助成金ばかりでなく、文科省の各種補助金ですらもらえなくなる可能性があるのに、そのリスクを承知で歯向かうわけですから。ここからはまったくの想像ですが、考えられる理由は、1)本当に不正(差別)を行っていない、2)不正はあったがそれを正式に認めると学内外でマズいことが起こる、のいずれかででしょう。マズいことの有無や存在にについて、マスコミはとくに報道していません。1971年に神奈川県川崎市宮前区に開学した聖マリアンナ医大は、今では神奈川県にはなくてはならない存在となっています。現在、本院の聖マリアンナ医科大学病院のほかに、横浜市西部病院(横浜市旭区)、東横病院(川崎市中原区)、川崎市立多摩病院(川崎市多摩区、指定管理者として聖マリアンナ医大が管理)を経営しています。総病床数は計約2200床、神奈川県における急性期医療の重要拠点と言えるでしょう。これだけ急性期機能中心の附属病院が多くなると、医師確保の面でも相当な苦労があることは想像できます。それが医学部入試にも微妙に影響していたのかもしれませんが、それもあくまでも私の想像です。さて、ここまで文科省と仲が悪いと、自民党や厚労省とも仲が悪いと考えがちですが、どうやらそうでもないようです。聖マリアンナ医大の大学のホームページのトピック面、「Life at Marianna」には、今年10月1日(文科省が同大幹部を呼んだ日です)、三原 じゅん子・厚生労働副大臣が、同大産婦人科学の鈴木 直教授と小児がん・AYA世代がん患者の生殖医療の実情と課題について対談を行った、とのニュースが掲載されています。2010年代の新設医学部の議論の時も感じましたが、医学部教育と政治の関係は、相変わらず微妙かつ繊細だと感じる今日この頃です。

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