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COVID-19の回復期血漿療法、高力価vs.低力価/NEJM

 人工呼吸器未装着の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者において、抗SARS-CoV-2 IgG抗体価が高い血漿の投与は低力価の血漿の投与と比較して、死亡リスクが低下することが明らかとなった。米国・メイヨー・クリニックのMichael J. Joyner氏らが、全米レジストリのCOVID-19回復期血漿拡大アクセスプログラムに参加した患者データを後ろ向きに解析し報告した。回復期血漿療法は、COVID-19から回復した患者の血漿に、SARS-CoV-2への治療用抗体が存在し、その血漿をレシピエントに投与可能であるという推定の下で、COVID-19の治療法として広く利用されている。しかし、高力価血漿が低力価血漿よりも死亡リスク低下と関連するかについては不明であった。NEJM誌オンライン版2021年1月13日号掲載の報告。全米レジストリ登録患者約3,000例を後ろ向きに解析 研究グループは、全米レジストリベースの後ろ向き研究で、回復期血漿の投与を受けたCOVID-19入院患者の抗SARS-CoV-2 IgG抗体価を測定し、抗体価と血漿投与後30日以内の死亡との関連を解析した。 解析には、2020年7月4日まで、またはプログラムの当初3ヵ月間に登録され、投与された血漿の抗SARS-CoV-2抗体価のデータと30日死亡に関するデータが利用可能であった3,082例(全米680の急性期施設から登録)が組み込まれた。 抗SARS-CoV-2 IgG抗体価は、シグナル/カットオフ値(S/CO)が<4.62を低力価、4.62~18.45を中力価、>18.45を高力価とした。高力価血漿群が低力価血漿群より30日死亡リスク34%低下 解析対象3,082例は、男性61%、黒人23%、ヒスパニック系37%、70歳未満が69%であり、3分の2が侵襲的人工呼吸器装着前に血漿投与を受けていた。登録施設当たりの患者数中央値は2例(IQR:1~6)。低力価群(561例)、中力価群(2,006例)、高力価群(515例)の3群間の、人口統計学的特性、COVID-19との関連リスク因子、COVID-19の治療薬の併用使用は概して似通っていた。 血漿投与後30日以内の死亡は、高力価群で515例中115例(22.3%)、中力価群で2,006例中549例(27.4%)、低力価群で561例中166例(29.6%)に発生した。 抗SARS-CoV-2抗体価とCOVID-19による死亡リスクとの関連は、人工呼吸器の装着の有無で異なっていた。低力価群に対する高力価群の30日死亡リスク低下は、血漿投与前に人工呼吸器を装着していなかった患者で確認され(相対リスク[RR]:0.66、95%信頼区間[CI]:0.48~0.91)、人工呼吸器を装着していた患者では死亡リスクへの影響は認められなかった(RR:1.02、95%CI:0.78~1.32)。

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院外心停止、蘇生中の亜硝酸ナトリウムは入院時生存を改善せず/JAMA

 院外心停止患者において、亜硝酸ナトリウムの投与はプラセボと比較して、入院までの生存を改善しないことが、米国・ワシントン大学のFrancis Kim氏らによる第II相無作為化二重盲検プラセボ比較臨床試験の結果、明らかとなった。心停止の動物モデルでは、蘇生中の亜硝酸ナトリウムの治療的投与により生存率が改善することが認められているが、臨床試験における有効性の評価はこれまで行われていなかった。著者は今回の結果を受け、「院外心停止において蘇生中の亜硝酸ナトリウム投与は支持されない」とまとめている。JAMA誌2021年1月12日号掲載の報告。約1,500例を亜硝酸ナトリウム45mg群、60mg群、プラセボ群に無作為化 研究グループは2018年2月8日~2019年8月19日の期間に、ワシントン州キング郡における心室細動または非心室細動による院外心停止の成人患者を登録し、亜硝酸ナトリウム45mg投与群、同60mg投与群、またはプラセボ群に1対1対1の割合で無作為に割り付け、救急医療隊員による積極的な蘇生中に可能な限り早期にボーラス投与した。 主要評価項目は、入院までの生存(片側検定で評価)。副次評価項目は、院外の変数(自己心拍再開率、再停止率、血圧を維持するためのノルエピネフリン投与)と、院内変数(退院までの生存、退院時の神経学的アウトカム、24時間・48時間・72時間までの累積生存率、集中治療室在室日数)などであった。 計1,502例(平均年齢64歳[SD 17]、女性34%)が無作為化を受け、99%が試験を完遂した。入院時生存率は、亜硝酸ナトリウム投与群41~43%、プラセボ群44% 入院まで生存していた患者は、亜硝酸ナトリウム45mg群(500例)では205例(41%)、亜硝酸ナトリウム60mg群(498例)では212例(43%)、プラセボ群(499例)では218例(44%)であった。 入院時生存率のプラセボ群に対する平均群間差は、45mg群が-2.9%(片側95%信頼区間[CI]:-8.0~∞、p=0.82)、60mg群が-1.3%(-6.5~∞、p=0.66)で、いずれも有意差は認められなかった。 退院時生存など事前に設定された7つの副次評価項目も、有意差が確認されたものはなかった。退院時生存率は、45mg群13.2%、60mg群14.5%、プラセボ群14.9%で、退院時生存率のプラセボ群に対する平均群間差は、45mg群-1.7%(両側95%CI:-6.0~2.6、p=0.44)、60mg群は-0.4%(-4.9~4.0、p=0.85)であった。

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治療フローが様変わり、「肝硬変診療ガイドライン2020」の変更点とは

 肝硬変の非代償期と聞けば誰しもが諦めていたものだが、時代遅れと言われぬよう、この感覚をアップデートさせねばならないようだー。2020年11月、『肝硬変診療ガイドライン2020(改定第3版)』が発刊された。第2版が発刊された2015年から5年もの間に肝硬変治療に関する知見が数多く報告され、治療法は目まぐるしく変化している。そのため、海外の最新治療ガイドライン(GL)と齟齬がないように、かつ日本の実地診療に即したフローとなるよう留意し、日本肝臓学会と日本消化器病学会が対等の立場で初めて合同作成した。今回、その作成委員長を務めた吉治 仁志氏(奈良県立医科大学消化器・代謝内科 教授)に非専門医もおさえておくべき変更点やGLの活用方法についてインタビューした。肝硬変症状、プライマリケアでも早期発見を 今回の改訂において、“実地医家(プライマリケア医)にも使いやすい”を基本に作成を進めたと話した吉治氏。同氏によると、肝硬変は肝臓専門医による診療だけではなく、実地医家による日々の診療からの気付きが重要だという。「これまで非代償期の患者は予後不良で治療も困難であった。しかし、肝硬変は非代償期からも可逆性である事が明らかとなると共に、この5~10年の間に新薬が次々と登場し肝硬変治療に対する概念が変わったことで、非代償期を含めた肝硬変を非専門医にも診察してもらう意味がある」と説明した。 今回のフローチャートの見やすさや検査項目の算出のしやすさは、そんな状況変化を反映させ刷新しており、肝硬変診断のフローチャートの身体所見に『黄疸』『掻痒感』が追加されたのもその一例である。同氏は「黄疸は進行例で発見されることが多く実地医家では診療が困難であったため、これまで所見として含まれていなかったが、現況を顧みて追加した」と補足した。一方、掻痒感については「多くの非専門医は肝臓疾患がもたらす痒みの認識が薄いように感じる。そのため、抗ヒスタミン薬などで経過観察され、その間に肝疾患が進行してしまう場合も散見される。冬場は乾燥によるかゆみを訴える患者も多いが、肝疾患によるかゆみは抗ヒスタミン薬が無効である例が多く、ほかの所見もあれば血液検査を行い肝臓疾患の有無について判別を行ってほしい」と訴えた。栄養療法を簡単に個別化できるフローチャートへ 肝硬変治療で重要となる栄養療法もフローチャートが明確になり非専門医でも利用しやすくなっているが、これには近年の肝硬変患者の成因変化が影響している。2008年の肝硬変成因別調査

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俺にそれをきくか?【Dr. 中島の 新・徒然草】(358)

三百五十八の段 俺にそれをきくか?大寒波の中、コロナの勢いはとどまるところを知らず。ついに日本全国での1日の死者数が100人を超えました。大阪医療センターでも大変なことになっています。なんせ通常診療の上にコロナがのしかかってくるので、人手不足が否めません。そのせいか人間関係のトラブルは普段の5割増し。私自身もつい感情的になってしまった1日でした。そんなイライラ大爆発の中で書いたものが読者の笑いをとれるのか?それが本日の私の課題です。先日来院された通院患者さん。子供の時の大病を克服して今は立派な社会人青年です。私とも20年近くの付き合いになってしまいました。今回の外来でお母さんから何やらお話が。母親「この子、ジムのトレーナーにチャレンジしたんですよ」中島「ダンベルか何かで挑んだんですか?」男同士の力比べかと思ってしまいました。母親「そうじゃなくて、女性のトレーナーに告白したんです」中島「へっ? 告白でっか」女の子に興味がないのかと母親なりに心配していたそうです。でも、それは杞憂でした。当たって砕け散ったのは残念ですが。母親「中島先生やったら何かアドバイスがあるんじゃないかと」患者「どうしたらうまく行ったんでしょうか?」それを俺にきくかね?中島「そっち方面は最も苦手とするところ……あった、いいアドバイスが!」母親&患者「ぜひ教えてください!」急にいい考えが浮かんできました。中島「ひょっとして唐突に告白したんと違うか?」患者「そうですね、相手は驚いていました」そりゃダメだ。中島「イヌの頭を撫でることを想像してみようよ」患者「はい」中島「いくら友好的なイヌでも、いきなり頭を撫でようとしたらびっくりして噛まれるやろ」患者「そうですね」中島「そやから、今から頭を撫でるぞ、という予告がいるんや」患者「予告するんですか?」中島「ジムに行ったときに、『次回、告白するからな。心の準備しとってや』と言うとくわけよ」患者「わかりました、やってみます!」中島「驚かせて反射的に拒否される、というのだけは避けられるで」なんとも後ろ向きのアドバイスですが、患者は真剣です。中島「それと持っている武器は全部使った方がエエな」母親&患者「??」中島「お母さんくらいの年代だったら、バブルの頃の3高を覚えているでしょう」母親「そういえば3高ってありました。女性が男性に求める条件ですよね」中島「高身長、高学歴、高収入だったかな」母親「そうそう!」中島「高学歴とか高収入とかで勝負するのは卑怯や、などと思ったらアカン」患者「大丈夫です。高学歴も高収入もありませんから」中島「高収入でなくても、家が金持ちでもエエんや」母親「家にもお金がないんですけど」中島「お金持ちだと相手が思うのは自由やろ」患者「なんか、お金で釣るみたいで嫌だなあ」中島「心配あれへん。『好きになった人がたまたまお金持ちだっただけよ』と都合良く補正するんや、ヒトっちゅうもんは」しかし大丈夫かね、このアドバイス?自分で言ってて心配になってきた。中島「最後にもう1つ言っておこう」母親&患者「なんですか、それ?」中島「うまく振られるスキルや」患者「スキル?」中島「柔道ではまず受け身、スキーでもまず転び方から学ぶやろ」患者「ええ」中島「そやから振られたときのダメージを最小限にする心構えや」またまた後ろ向きのアドバイス!でも期待されている以上、何かを言わなくては。母親「あの、振られるのが前提になっているのでしょうか?」中島「いやいや、前提というわけではないんですけどね」不戦敗にならないための準備とでもいいましょうか。思い切って告白するにはダメージコントロールも大切です。中島「振られてもたら、『ファーストクラスでハワイの別荘に遊びに来てもらおかと思ってたんやけど、残念!』と言うわけよ」患者「はあ?」中島「振られた後やから何言ってもエエやろ。『思った』というのは事実やから、そこにウソはあれへん」母親&患者「確かに。さすが、中島先生!」ともかく、患者さんに明るく楽しく前向きに生きていただくための外来診療。たとえ根拠のない助言でも、明日への活力になればそれで十分。中島「次に外来に来た時には戦果をきかせてや。楽しみにしとるで」母親&患者「はいっ!」果たして、次回の外来でどんな話がきけるのか。わくわくしてきますね。最後に1句イライラを 笑いに変えた 睦月かな

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事例018 モーラステープの査定【斬らレセプト シーズン2】

解説事例では、湿布薬ケトプロフェン貼付剤(商品名:モーラステープ)がB事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)として査定となりました。湿布薬の処方に当たっては、診療報酬点数表の第5投薬の通則5によって、湿布薬の種類にかかわらず、1処方につき70枚が限度とされています。医師がやむを得ず70枚を超えて投薬する場合は、その理由を処方箋と診療報酬明細書に記載することで算定することができます。本事例では、1処方84枚と70枚を超えていました。病名から見て貼付部位が6ヵ所と明確であるため70枚超えの投与は可能であり、コメントは特に必要ではないと考えられていました。しかし、コメント記載がない場合の多くは1回処方量70枚を超える部分が査定となります。なぜ42枚に査定となったのだろうと、もう1度診療報酬明細書を確認してみました。用量コメントに1日2回とありました。湿布薬(モーラステープなど)は「1局所1日1回貼付」が原則です。医学的に1日2回を必要としたコメントは見当たりませんでした。したがって、本来の用量の1日1回分が妥当であると査定となったことが考えられます。総量70枚を超える、または1日1回を超える貼付を必要とする場合には、あらかじめ医学的コメントを記載していただくように改めて医師にお願いしています。最近の事例を紹介します。診療報酬点数表に明記はありませんが、同月内で140枚を超える処方は認められない傾向です。たとえば、同月に28枚×2回、42枚×1回、56枚×1回の計154枚の組み合わせでは、14枚分が査定となっています。毎回の処方では算定要件を満たしますが、同月内合計で140枚を超える場合は見逃しやすいため注意が必要です。さらに、2020年10月診療分から、湿布薬投与の1日用量などや、1処方70枚超えにかかるコメントには、レセプト電算処理システムコードを選択しての入力が必須となりました。該当コードを使用していないコメント入力やコメント内容に不備がある場合は返戻されています。対策としてはレセプトチェックシステムを活用されると良いでしょう。

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医療マンガ大賞2020 入選作「心がふるえたエピソード」(原作:若手内科医イーノ氏)

医療マンガ大賞2020 入選作「心がふるえたエピソード」(原作:若手内科医イーノ氏)漫画家・chiku氏からのコメント若手内科医イーノ先生のエピソードを拝読して、一番印象に残ったのは、「できないことが増えていくっていうのも素敵なことなのよ」という言葉です。何でもすぐに答えを求める傾向にある現代に対し、このエピソードを漫画としてどのように表現したらいいか、悩み続けました。その中で思い出したのが「かぐや姫」です。日本最古の物語「竹取物語」は、謎だらけの作品です。かぐや姫の正体どころか、作者の正体すら解明されていません。そういえば、竹に関する芥川龍之介の「藪の中」という小説もまた、事件の「真相」は描かれていません。「できないことが増えていくっていうのも素敵なことなのよ」という言葉は、その真意とは異なるかもしれませんが、コロナ禍の中の今を生きる私たちに、一条の光明を与えていただいているような気がしました。若手内科医イーノ氏(30代・内科)による原作エピソードはこちら参考第2回医療マンガ大賞受賞作品 心がふるえたエピソード (横浜市医療局)医療マンガ大賞特設Webサイト(同)バックナンバー

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医療マンガ大賞2020 「心がふるえたエピソード(医師視点)」入選作品

医師1年目、患者さんから言われた言葉が今でも胸に残っている。やること為すことすべてが新しく、ときには怯えながらも日々患者さんのために働く。困っている人のために自分ができることが増え、充足を感じていた。病棟で出会ったその女性は50代という若さにもかかわらず、進行胃がんを患っていた。 外来で抗がん剤の治療を行うも効果は乏しく、本人と家族の希望で治療を中断したばかり。数日前から吐いてしまい、食事が取れないために入院となった。自分の命が限られていることは外来主治医から伝えられていた。私に任されたのは、必要な水分を補うための点滴をとることだった。進行胃がんという背景を疑ってしまうような穏やかな雰囲気をまとった人だった。血管めがけて針を進めるも、腫れてしまう。失敗だ。苦しむ本人に、もう一度針を刺さなければならない。「申し訳ありません、うまく点滴をとることができませんでした。もう一度、血管を見させてください」「いいのよ、何度でも。できるまでやってちょうだい」優しい言葉に励まされ、2回目でなんとか点滴をとることができた。ほっと胸をなでおろしつつ、「点滴から水やお薬が入れば、気持ち悪さもいくらか楽になると思います」と伝えた。その後数日して、点滴が漏れてしまったためにまた私が病室に伺うことになった。念入りに針を進め、今度は1回目で成功する。「今日は1回で点滴が入ってよかったです」前回の自分よりうまくなった気がして、思わず彼女に語りかける。するとまた優しそうな顔で彼女は言った。「きっと先生はこれからいろいろなことができるようになっていくのでしょうね。でも、できないことが増えていくっていうのも素敵なことなのよ。若い先生にはまだわからないかもしれないけど、覚えておいてくださいね」その場では、言葉の真意はわからなかった。ただ、なぜだかとても大切な言葉であると感じた。 彼女が亡くなったのはそれからまもなくのことだった。あれから5年。いまだに自身の成長に喜びを感じている。いつか、自分が老いや衰えを自覚したとき、彼女の言葉の真意がわかるようになる日が楽しみである。原作:若手内科医イーノ氏(30代・内科)バックナンバー

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第41回 難病患者とのコミュニケーションで重要な2つのこと

前回紹介した、難病患者支援などを行っているNPO法人Smile and Hope(千葉県八千代市)主催の「心のケアシンポジウム〜今こそ生きる意味を問う〜」では、医療・福祉現場のコミュニケーションの在り方もトピックの1つとなった。東京都立神経病院リハビリテーション科の作業療法士である本間 武蔵氏は、「難病コミュニケーション」をテーマに臨床経験から得られた視点を話した。本間氏は、ALSなど神経難病患者の日常生活支援を行うなかで、あらかじめ録音・保存した声をパソコンで再現するソフトウエア「マイボイス」や、意思伝達ソフトウエア「ハーティーラダー」などを活用し、気管切開で声を失った患者の意思伝達のサポートに取り組んでいる。難病コミュニケーションは手段と心本間氏はまず、神経難病のコミュニケーションについて「コミュニケーション手段」と「心のコミュニケーション」を2つの柱として挙げた。ALSは、症状が進行すると運動障害や構音障害、呼吸障害などが現れる。そのため、残存運動機能に合わせたコミュニケーションツールを選択する必要がある。たとえば、パソコンやタブレット、スマートフォンを使ったワンスイッチ操作による文字入力や、視線やまばたきによって透明文字盤を指し示すコミュニケーションなどだ。ただ、本間氏は「日常生活のコミュニケーションは、装置や用具に頼らない手段が重要。複雑な装置や特殊な用具がなくても、コミュニケーションはできる」と述べる。また、装置や用具を使うにしても、できるだけシンプルな仕組みで簡単に使えるものであることに加え、同時に複数の手段を使いこなすことが重要と指摘。究極のコミュニケーション手段として、相手が患者の口の形を読み取る「口文字盤」や、太田氏が開発した、瞳の動きだけで言葉を伝える「Wアイクロストーク」を挙げ、「人の読み取り能力は、高性能なセンサーよりも優れている」と述べた。心のコミュニケーションについては、「周囲が患者さんに声掛けしたり関心を寄せたりすることが重要」とし、具体的には「患者さんからの意思表示が読み取れなかったとしても、やりとりに関心や共感を添えることや、それまでの会話や関わりを基に、推測で理解することもコミュニケーションになる」と述べた。本間氏は、心のコミュニケーションにおける大切なポイントとして、「心をここに置く」「コンディションが良い状態で臨む」の2つを挙げる。前者は、置かれた状況で充分とはいえなくても相手に集中する意識感覚を持つことで、スケジュールのなかの一場面とは全く違った関わりになるという。後者については、患者が示す文字盤を読み取ることだけにとらわれない余裕が生まれ、イメージが湧くなど、自身でも心の会話ができていると感じられるという。コミュニケーション意欲減退は、人生への諦めに前回、ALSを発症した医師の太田 守武氏が、多くの困難を感じた中でも「最大の壁」と称したのが情動制止困難であった。普段は抑えることができる感情が抑えられなくなり、極端な表現により周囲との関係がうまくいかなくなることもあるのが特徴だ。しかしこれも症状の1つであり、本人も苦しんでいるという理解が大切だと本間氏は強調した。また、病初期から進行期において、本人は発した言葉が相手に通じていると思っているのに、実際には聞き取ってもらえていないという齟齬が生じたり、形が崩れた文字が読み取れず、理解してもらえなかったりすることで孤独感が次第に募る。こうなると、コミュニケーションへの意欲だけでなく、この先の人生まで諦めてしまう可能性があり、全経過の中で最大の危機である。一方で、視線透明文字盤や意思伝達装置などに落ち着いて取り組む患者の多くは、胃瘻や気管切開、人工呼吸器により身体や生活が楽になり、安定しているからこそ積極的なコミュニケーションが可能になっているという側面もあるという。ただ、心のコミュニケーションは病初期の段階から必要だと本間氏は指摘する。「コミュニケーション手段が成り立たなくなったから、心でコミュニケーションするというのは間違っている。患者さんは1人ひとり異なるので、パターン化せず、想像力を働かせて患者さんの意思を正しく読み取ることが大切」と指摘。「患者さんは、日常の些細な事をきっかけに『生きていける』と思ったり『死にたい』という気持ちになったりしている。それだけに、心のコミュニケーションは患者さんとの共同作業として向き合っていきたい」と締めくくった。難病患者や重度障がい者を巡っては、悲惨な事件が起きている一方、ALS患者の舩後 靖彦氏が国政史上初の参議院議員となるなど、世間の耳目を集めている。医療者として、一個人として、どのようなコミュニケーションができるだろうか。改めて考えてみたい。

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日本人成人ADHD患者に対するグアンファシン徐放製剤の有効性と安全性

 塩野義製薬の納谷 憲幸氏らは、日本人成人の注意欠如多動症(ADHD)患者に対するグアンファシン徐放製剤(GXR)の有効性と安全性を評価した第III相二重盲検プラセボ対照ランダム化試験の事後分析を行い、ADHDサブタイプ(混合型、不注意優勢型)、年齢(31歳以上、30歳以下)、性別、体重別(50kg以上、50kg未満)のGXRの有効性および安全性について、検討を行った。Neuropsychopharmacology Reports誌オンライン版2020年12月10日号の報告。 有効性の主要エンドポイントは、成人用ADHD評価尺度ADHD-RS-IV with adult prompts日本語版合計スコアのベースラインから10週目までの変化とした。 主な結果は以下のとおり。・有効性の分析は、200例(GXR群:100例、プラセボ群:100例)で実施した。・ADHD-RS-IV合計スコアのエフェクトサイズは、すべてのサブグループで類似していた。 ●全体:0.52 ●ADHD混合型:0.51 ●ADHD不注意優勢型:0.52 ●31歳以上:0.61 ●30歳以下:0.47 ●男性:0.50 ●女性:0.57・治療による有害事象(TEAE)の発生率や種類は、サブグループ間で大きな違いは認められなかった。・重大なTEAE(男性:10.6%、女性:34.3%)およびTEAEによる治療中止(男性:12.1%、女性:34.3%)の発生率は、男性よりも女性において約3倍高かった。・体重別のTEAE発生率は、用量調節期間、維持期間でそれぞれ以下のとおりであった。 ●50kg未満:100%(用量調節期間)、40%(維持期間) ●50kg以上:73.6%(用量調節期間)、24.4%(維持期間) 著者らは「本事後分析の結果では、ADHDサブタイプ、年齢、性別に関係なくGXRの有効性および安全性が裏付けられており、必要に応じてTEAEとGXRの用量最適化を注意深くモニタリングする必要がある」としている。

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高齢者ニーズに合わせたイグザレルトOD錠発売/バイエル薬品

 バイエル薬品株式会社は、選択的直接作用型第Xa因子阻害剤(経口抗凝固剤)リバーロキサバン(一般名)の新剤形として、「(商品名)イグザレルトOD錠 10mg」・「同 15mg」を1月18日に発売した。 リバーロキサバンは、非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中・全身性塞栓症の発症抑制や、深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症の治療・再発抑制の成人への適応として承認され、2012年よりわが国で販売、広く処方されている。 今回新たに発売されたリバーロキサバンの新剤形は、嚥下力の低下、複数の薬剤の服用といった高齢者が抱える服薬上のニーズに応えるため、日本向けの製剤としてわが国で独自に開発したもので、唾液で速やかに崩壊するため、水なしでも服用ができる。製品概要製品名:イグザレルトOD錠 10mg、同OD錠 15mg一般名:リバーロキサバン効能・効果:非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制、深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症の治療および再発抑制用法・用量:[非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制]通常、成人にはリバーロキサバンとして15mgを1日1回食後に経口投与する。なお、腎障害のある患者に対しては、腎機能の程度に応じて10mg 1日1回に減量する。[深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症の治療および再発抑制]通常、成人には深部静脈血栓症または肺血栓塞栓症発症後の初期3週間はリバーロキサバンとして15mgを1日2回食後に経口投与し、その後は15mgを1日1回食後に経口投与する。製造発売承認日:2020年8月6日発売日:2021年1月18日薬価:イグザレルトOD錠 10mg:364.10 円/錠、同15mg:517.00 円/錠

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2型糖尿病へのSGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬のベネフィット/BMJ

 成人2型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬およびグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬が共有するベネフィットとして、重症低血糖を起こすことなく、全死因死亡、心血管死、心筋梗塞、腎不全、重症高血糖の発生低下および体重の減少があることを、ニュージーランド・オタゴ大学のSuetonia C. Palmer氏らが764試験、被験者総数42万例超を対象にしたネットワークメタ解析によって明らかにした。ただし、絶対ベネフィットは、心血管リスクや腎疾患リスクなど患者個々のリスクプロファイルによって、大幅に違いがみられることも示されたという。著者は、「今回のレビューは、BMJ Rapid Recommendationsに直接的に反映される方法が用いられ、すべての結果は既存の糖尿病治療への両クラスの薬剤の追加に言及するものであった」と述べている。BMJ誌2021年1月13日号掲載の報告。MedlineやEmbaseなど、20年8月までレビュー 研究グループは、Medline、Embase、Cochrane CENTRALを基に、2020年8月11日までに発表された試験結果についてシステマティック・レビューを行った。適格条件は、成人2型糖尿病患者を対象にSGLT2阻害薬またはGLP-1受容体作動薬と、プラセボや標準的治療、その他血糖降下治療を比較し、24週以上追跡した無作為化試験。2人の独立したレビュアーによって、適格性のスクリーニングおよびデータ抽出、バイアスリスクの評価が行われた。 データを基に頻度論に基づく変量効果モデルを用いてネットワークメタ解析を行い、エビデンスの確実性については、GRADEシステムで評価した。 アウトカムは、患者1,000人当たりの5年間の推定絶対治療効果で、被験者のリスクプロファイルに応じて次の5段階に分け検証した。非常に低リスク(心血管リスクなし)、低リスク(3つ以上の心血管リスクあり)、中リスク(心血管疾患)、高リスク(CKD)、非常に高リスク(心血管疾患・CKD)。検討はBMJ Rapid Recommendationsプロセスに準じ、ガイドラインパネルがレビューの監視を規定した。SGLT2阻害薬、死亡や心不全による入院リスクをGLP-1受容体作動薬より低下 764試験、被験者総数42万1,346例を対象に分析が行われた。 SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬ともに、全死因死亡、心血管死、非致死的心筋梗塞、腎不全のリスクをいずれも低下した(高い確実性のエビデンス)。 両薬剤間の顕著な違いは、SGLT2阻害薬はGLP-1受容体作動薬より死亡や心不全による入院のリスクを低下したこと、GLP-1受容体作動薬は非致死的脳卒中リスクを低下したがSGLT2阻害薬では同効果は認められなかったことだった。 また、SGLT2阻害薬は性器感染症の原因となり(高い確実性)、GLP-1受容体作動薬は重度消化器イベントの原因となる可能性が示された(低い確実性)。両薬剤ともに、体重減少効果も示されたが、エビデンスの確実性は低かった。 なお、手足切断、失明、眼疾患、神経障害性疼痛、健康関連の生活の質(QOL)については、両薬剤ともにその効果を示すエビデンスがほとんどもしくはまったくなかった。 両薬剤の絶対ベネフィットは、心血管リスクや腎疾患リスクのランクにより大きな違いが認められた。

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COVID-19、半年後も6割強に倦怠感・筋力低下/Lancet

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で急性症状を呈した入院患者は、退院後6ヵ月時点で、主に倦怠感・筋力低下、睡眠困難、不安・うつに悩まされていることが明らかにされた。中国・Jin Yin-tan病院(武漢市)のChaolin Huang氏らが、1,733例の入院患者についてフォローアップ試験を行い明らかにした。COVID-19の長期的な健康への影響はほとんど明らかになっていないが、今回の検討では、入院中の症状が重症だった患者について、肺の拡散障害および画像所見の異常がより深刻であることも示され、著者は「これらの集団が、長期的な回復介入を必要とする主なターゲット集団である」と述べている。Lancet誌2021年1月8日号掲載の報告。退院後の症状の聞き取り、6分間歩行テスト、血液検査などを実施 研究グループは、COVID-19退院患者の長期的な健康への影響を明らかにし、関連するリスク因子、とくに疾患重症度を調べるため、2020年1月7日~5月29日に武漢市のJin Yin-tan病院から退院したCOVID-19患者を対象に、前後両方向コホート試験を行った。調査から除外されたのは、フォローアップ前に死亡、精神病性障害、認知症、または再入院のためフォローアップが困難、骨関節症で移動が困難、退院前後に脳卒中や肺塞栓症などの疾患により寝たきりの状態、試験参加を拒否、連絡が不可能、武漢市外に居住または介護・福祉施設に入居の患者すべてであった。 全対象患者に対し、退院後の症状、健康関連の生活の質(QOL)などに関する質問と、身体検査、6分間歩行テスト、血液検査を実施。層別任意不均等抽出法を用いて、被験者を入院中の重症度スケール(7段階評価)に応じて規定した3群(スケール3[酸素補給不要]、4[酸素補給を要する]、5~6[5:高流量鼻カニューレ、非侵襲的人工換気を要する、6:体外式膜型人工肺、侵襲的人工換気を要する])に分類し、肺機能検査、胸部高分解能CT、超音波検査を行った。Lopinavir Trial for Suppression of SARS-CoV-2 in China(LOTUS)試験に登録していた患者は、試験期間中にSARS-CoV-2抗体検査を受けていた。 多変量補整線形またはロジスティック回帰モデルを用いて、重症度と長期健康アウトカムの関連を検証した。入院中に重症だと、倦怠感/筋力低下リスクは約2.7倍に 試験期間中に退院した2,469例のうち、1,733例が同試験に参加した。被験者の年齢中央値は57.0歳(IQR:47.0~65.0)、男性は897例(52%)だった。フォローアップ検査は2020年6月16日~9月3日に行われ、症状発症後の追跡期間中央値は186.0日(IQR:175.0~199.0)だった。 最も多くの患者に認められた症状は、倦怠感または筋力低下(63%、1,038/1,655例)、睡眠困難(26%、437/1,655例)だった。不安やうつ症状も23%(367/1,617例)報告された。 6分間歩行テストの結果が正常値の下限を下回った割合は、入院中の症状重症度スケール3群で24%、同4群で22%、5~6群で29%だった。拡散障害はそれぞれ22%、29%、56%で、CTスコア中央値はそれぞれ3.0(IQR:2.0~5.0)、4.0(3.0~5.0)、5.0(4.0~6.0)だった。 多変量補整後、拡散障害発症に関するオッズ比(OR)は、重症度スケール3群に比べて、4群1.61(95%信頼区間[CI]:0.80~3.25)、5~6群4.60(1.85~11.48)だった。不安またはうつ症状のORは、それぞれ0.88(0.66~1.17)、1.77(1.05~2.97)であり、倦怠感または筋力低下のORはそれぞれ0.74(0.58~0.96)、2.69(1.46~4.96)だった。 フォローアップ時に抗体検査を受けていた94例において、血清陽性率(96.2% vs.58.5%)、中和抗体力価の中央値(19.0 vs.10.0)はいずれも急性期と比較して有意に低かった。 また、急性期に腎障害はなかったがeGFR値が90mL/分/1.73m2以上だった患者822例のうち、フォローアップ時のeGFR値が90mL/分/1.73m2以下だった患者は107例だった。

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京都の老舗にコロナ対策を学ぶ【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第32回

第32回 京都の老舗にコロナ対策を学ぶ新型コロナウイルスに振り回された2020年でした。コロナ前と比較すると、わずか1年で驚くほど多くのことが変化しました。学会も大きく変化しました。これまでは、世界各地で開催される国際学会が大きな意味をもっていました。自分が属する循環器領域でいえば、代表的な国際的学術集会として、3月のACC(アメリカ心臓病学会)、8月末のESC(欧州心臓病学会)、11月のAHA(アメリカ心臓協会)などが挙げられます。国内では、JCS(日本循環器学会)はアジアを中心とした海外からの参加も多く活気があります。これらの学会は数万人の規模で、多くの医師・研究者が演劇一座の巡業のように開催地を転々と移動していたのです。2020年は、現地での対面の集会ではなく、すべてがオンラインでの開催となりました。するとその良さもわかってきました。パソコンの画面を通じて自室から参加することが可能となり、時間的・空間的な制約もありません。参加のために長期間の休みをとる必要がありません。何よりもスライドが見やすいです。新型コロナウイルス感染症の拡大は大変なことですが、それをチャンスと捉えられる面もあるのではないでしょうか。平時において変革していくには時間が必要ですが、危機や困難は変化を加速させ、その変化を容認することを容易にします。COVID-19がなければ「学会をインターネット上でWeb開催するぞ」と言ったところで相手にもされなかったでしょう。それが、わずか半年~一年で皆がZOOMの操作に習熟するまでに普及したことも事実です。驚くべきスピードです。慣れない最初は失敗することもありましたが、今では皆さん上手に操っています。「習うより慣れろ」とは良く言ったものです。従来の対面での集会には、オンラインでは補うことできない良さがあることも事実です。しかし、COVID-19が収束したとしても、学術集会が元に戻ることはないでしょう。COVID-19がわずかな期間で世界中に広がったのは航空機の利用によって人の移動が活発化したことに関連していることは明白だからです。医療関係者が感染症拡大の原因となることは避けねばなりません。新型コロナウイルス感染症の出現を嘆き悲しみ、元通りの学会の復活を願うことは得策ではありません。新たな学術集会の在り方を考えていくことは喫緊の課題です。先日、テレビ番組で京都の老舗が紹介されていました。「変わることなく守り通してきたからこそ、江戸時代から店舗が維持できたのですね、素晴らしいですね」という趣旨で、司会者が紹介しました。チャラチャラしたお笑い芸人が、アポなし突撃取材するという今風の安っぽい番組です。登場した穏やかな雰囲気の主は、「ちゃいますな」と切って捨てました。何事にも本音を感じさせない京都人としては珍しい断定的な否定でした。変化することができなかった店はすべて潰れてしまったのだそうです。特に明治維新後の東京遷都が京都にとって最大のピンチで、バタバタと閉店を与儀なくされたのです。今も続く老舗というのは、フレキシブルに時代に合わせて変化してきたからこそ継続しているのです。京都における老舗とは、保守性の真逆で柔軟性の証なのだと、反論したのです。若手芸人は直立不動で聴いておりました。自分も頭を殴られたような衝撃を受けました。自分は、京都の老舗は変化を忌み嫌う保守の権化であると信じていたからです。柔軟に変化していくことが大切なのです。猫の身体は非常に柔軟性が高いことはご存じと思います。関節が緩やかで、筋肉や靭帯も柔らかいので可動範囲が大きいです。小さな鎖骨は靭帯で強固に繋がっておらず、人間でいうといつも肩が外れている状態です。そのため肩幅をとても小さくすることができ、身体で一番幅が広く調整不可能な頭より大きな空間は自由に通りぬけることができます。猫は、京都の老舗以上に柔軟性の権化なのです。何事においても猫は師匠と崇めておりますが、新型コロナウイルスへの対応も完了しているようです。あらためて入門します。弟子にしてください。

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第41回 コロナ対応病床増、感染症法改正か医療法改正か…。そこ結構大事では?

菅⾸相、医療関係団体と会談こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。緊急事態宣言で、私自身も自粛生活が続いています。夜の街に飲みに出ることもなくなり、自宅でニュース番組やワイドショーのハシゴと、ニンテンドー3DSで20年以上前のゲーム「ゼルダの伝説 時のオカリナ」をプレイして時間を潰しています。ゼルダの世界には厄介なモンスターは出ますが、感染症はなく安全です。ただ3DSは中高年がプレイするには画面が小さ過ぎます。古いゲームですが、名作なだけにSwitchへの移植を切に願う今日この頃です。さて、政府は1月13日、大阪、兵庫、京都、愛知、岐阜、福岡、栃木の7府県にも緊急事態宣言を発出しました。さらにコロナ対応病床の不足に関するさまざまな報道を受けてか、菅 義偉首相は翌14日、新型コロナウイルス感染症対策を巡る医療関係団体の各代表と会談し、「とくに新型コロナの患者に対応している医療機関が治療に必要な設備を整えて医療従事者を確保し、適切な診療を行うことができるよう、最大限の支援を実施する」と明言しました。この会談には、日本医師会の中川 俊男会長、日本病院会の相澤 孝夫会長、全日本病院協会の猪口 雄二会長、日本医療法人協会の加納 繁照会長、日本看護協会の福井 トシ子会長、全国医学部長病院長会議の湯澤 由紀夫会長の6人が出席。その姿はNHKニュース等のテレビでも大きく取り上げられました。この会談の後、日医と日病、全日病、医法協は、共同で対策組織を設置する方針も打ち出しました。先週のコラムでは「日本医師会をはじめとする医療関係団体が、具体的にどんなアクションを起こすのか、注視したいと思います」と書きましたが、「国民にお願いするだけで自分たちは何もやっていない!」といった報道を受け、医療関係団体が動き出しました。1月18日のNHKニュースでは、今週中にも日本医師会などの医療関係団体が対策会議の初会合を開くとのことです。地域の医療機関の役割分担も含めた連携強化が話し合われる予定だそうですが、どれだけ現場で実効性のある対策が打ち出されるかが注目されます。菅首相、医療法改正に言及実は、今回取り上げたかったのはこのニュースではなく、13日の緊急事態宣言追発出後の菅首相の記者会見です。最後の質問に指名された日本ビデオニュース社の記者が、医療法改正の意向があるかどうかについて、次のように質問しました。「(前略)日本は病床数は世界で、人口当たりの病床数は世界一多い国ですよね。今、感染者数はアメリカの100分の1くらいですよね。それで医療がひっ迫していて、緊急事態を迎えているという状況の総理の説明が、単に医療の体制が違うんですというので果たしていいのでしょうか。つまり、体制を作っているのは政治なのではないかと。政治が法制度を変えれば、それは変えられるではないですか。そこで質問です。もうすぐ国会が始まります。例えば医療法によって、今、政府は病院の病床の転換というのは病院任せにするしかない、お願いするしかない状況になっていますけれども、例えば医療法の改正というのは、ただ単にシステムが違いますではなくて、今の政府の中のアジェンダに入っていないのでしょうか。それから、同じく感染症法の改正、これもコロナが当初あまりどういう病気か分からない段階で2類相当にしてしまった。なので、軽症者や無症状者でも非常に厳重に扱わなければいけなくなっている。(中略)。国会が始まりますので、法制度の部分で2つの法律、今国会で改正されるおつもりがあるのか」この質問に対する菅首相の答えは以下のようなものでした。「(前略)医療機関でありますけれども、日本には今の法律がある中で、ひっ迫状況にならないように、政府としては、ベッドは数多くあるわけでありますから、それぞれの民間病院に一定数を出してほしいとか、そういう働きかけをずっと行ってきているということも事実であります。そして、この感染症については先ほど申し上げましたけれども、法律改正は行うわけでありますから、それと同時に医療法について、今のままで結果的にいいのかどうか、国民皆保険、そして多くの皆さんが診察を受けられる今の仕組みを続けていく中で、今回のコロナがあって、そうしたことも含めて、もう一度検証していく必要があると思っています。それによって必要であれば、そこは改正するというのは当然のことだと思います」(下線編集部)。事前質問にはなかったとみられ、この回答、菅首相本人も十分に理解して話しているかどうか、見ている側も不安になるような口調で話していました。案の定、「国民皆保険を見直す」と誤解する人も出て、ネット上でも一時話題となりました。普通に解釈すれば、「国民皆保険を堅持するためにも、医療法についても検討する必要がある」という意味だと想像できるのですが、あの話し方では誤解を招いても仕方ないですね。急転直下、感染症法での対応へ「病床確保へ医療法を検証」は、医療関係者にとっては大ニュースです。翌日、1月14日付けの日本経済新聞も「首相記者会見のポイント」として列挙するほどでした。この菅首相の会見を受け、加藤勝信官房長官は14日の記者会見で、「今回の感染症の対応を含め、医療制度のみならず幅広く検証し、必要な対応をとる必要がある。(首相は)医療法という言葉を述べたが、医療に関する法制度という広い意味ではないか」と説明、病床の確保に向けて医療法を含めた法制度全般を検証する考えを示しました。その直後、方針が急転します。当面は医療法ではなく感染症法を改正し、コロナ病床増に対応する方針が決まったのです。厚生労働省は15日、新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れる病床を確保するため、医療機関への協力要請を「勧告」に強めることなどを盛り込んだ感染症法の改正案を専門家でつくる部会に示し、了承されたのです。各紙もコロナ病床増は感染症法改正で対応することを大きく報じました。改正案では、「勧告」に正当な理由がなく応じない場合、厚労相や都道府県知事が機関名を公表できるようになります。また、入院措置に従わない人や保健所の疫学調査を拒否した人に対して同法で罰則を設ける方針も示されています。遅過ぎる法改正での対応この13日から15日の一連の流れを見ていて、いくつか「おや?」と思うことがありました。一番の謎は、菅首相が「当面のコロナ対応病床増を感染症法改正で対応する」ことを知らなかったことです。そんな大事なことを知らされていなかったのか、ただ忘れてしまっていたのか。いずれにせよ、結構大きな問題ではないでしょうか。ここからはまったくの想像です。厚生労働省の事務方は、かなり早い段階から、法的にコロナ対応病床を増やす方法を考えていたに違いありません。医療提供体制を規定するのは医療法ですが、今から医療法で医療計画などを改正しても、現場の体制をすぐに変えることはできません。そう考えると即効性があるのは感染症法改正ということになります。ただ、この2案を検討しながらも、菅首相に対して具体的な説明はしていなかったのではないでしょうか。加藤官房長官が「(首相は)医療法という言葉を述べたが、医療に関する法制度という広い意味ではないか」と説明したことからも、そう感じます。それにしても、第3波が本格的に到来してから法律改正を検討し始めるとは、政府も厚労官僚も一体これまで何をやっていたのでしょう? 厚労官僚はそうした具体策を菅首相(や安倍前首相)に上げることすら、怖かったのでしょうか…。医療法改正での対応も早急に今回の対応は感染症法による病床確保策ですが、医療法改正による対応も早急に必要と思われます。なぜなら、今回の病院間のコロナ対応の差は、医療法が規定する医療計画の中に「パンデミックを起こすような感染症への対応」について記載がないことも原因の一つだと考えられるからです。さらには、地区医師会や病院団体等が策定に積極的ではなかった地域医療構想策定の遅れも、医療機関の役割分担ができなかった原因でしょう。厚労省は次回の医療法改正で、医療計画の記載事項に「新興感染症の感染拡大時における医療」を追加する方針で見直しを進めています。あわせて、公立・公的・民間含め、地域の医療機関が機能分担を推し進めざるを得ないような、何らかの強制的な仕組みの導入も必要だと考えられます。今週、医療関係団体は対策会議の初会合を開くそうです。言うならばこれは「地域医療構想調整会議」の全国版と言えるでしょう。実際に各地で進められている地域医療構想調整会議を医療機関の利害だけを主張する場ではなく、有事を想定して強制的な役割(病床)配分ができるような場に生まれ変わらせることも、次期医療法改正では必要だと思います。

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簡易懸濁法に適した整腸剤へ変更して介護負担を軽減【うまくいく!処方提案プラクティス】第31回

 今回は、処方頻度の高い整腸剤に関する処方提案を紹介します。乳酸菌製剤と酪酸菌製剤では、高温条件で簡易懸濁した場合、形状に差があることがあります。その特性を利用し、介護者の負担を軽減することができました。患者情報94歳、女性(長女と同居)基礎疾患認知症、便秘症、胆石症(10年前に手術)、繰り返す尿路感染症介護度要介護2訪問診療の間隔2週間に1回処方内容1.耐性乳酸菌製剤散 3g 分3 朝昼夕食後2.酸化マグネシウム錠330mg 3錠 分3 朝昼夕食後3.スルファメトキサゾール・トリメトプリム錠 1錠 分1 朝食後4.グリセリン浣腸60mL 便秘時 1個使用本症例のポイントこの患者さんは、排便コントロールがあまり良好ではなく、時折宿便のような状態になって浣腸が必要になるため、介護負担が大きいということを同居の長女から相談されました。また、錠剤を噛み砕いてしまうことが多いため、長女が簡易懸濁法を用いて服薬させていましたが、懸濁すると薬剤がのり状になり、本人が口中の不快感を訴えて服用させづらいという話も伺いました。排便コントロールの改善のため、酸化マグネシウムの増量や刺激性下剤の追加などを検討しようと考えましたが、長女は長年服用している薬なので、できるだけ今の治療に近いまま調整してほしいという意向でした。そこで、本人および長女の服用・介護負担軽減のため、まず耐性乳酸菌製剤散に焦点を当てて検討することにしました。耐性乳酸菌製剤散は、賦形剤としてデンプンが含有されているため、高温条件下ではのり状になって固まりやすく、懸濁しにくい薬剤です。また、薬効への影響はないとされていますが、懸濁時の温度によって含有されている乳酸菌数が減少することも知られています1,2)。<耐性乳酸菌製剤を50℃温湯と常温に入れて自然放置した時の耐性乳酸菌数の比較>(参考文献2より改変)これらのことから、芽胞形成菌である酪酸菌が含有された酪酸菌製剤錠のほうが適しているのではないかと考えました。芽胞形成菌はその名のとおり芽胞を形成することで、高温条件下でも菌数が減少しにくく、人為的な抗菌薬耐性を付与しなくても抗菌薬の影響を受けにくいという特徴があります3)。そこで、耐性乳酸菌製剤から酪酸菌製剤への変更を提案することにしました。処方提案と経過事前に医療機関に、長女とのやりとりと上記の文献データをトレーシングレポートとしてFAX送信しました。そのうえで医師に電話で疑義照会し、酪酸菌製剤 3錠 分3 毎食後への変更を提案しました。医師は、すでにトレーシングレポートの内容を把握しており、薬剤的な懸念があり介護者の負担も大きいので、提案どおりに変更してみようと承認を得ることができました。処方内容の変更後、長女からは、のり状になることもなく服薬させることができるようになり、排便コントロールも良好になったため浣腸を使用することは減ったと話を伺うことができました。その後も、時折グリセリン浣腸を使用することはありましたが、排便コントロールが悪化することなく経過しています。1)ビオフェルミン製薬 学術部門開発部資料2)藤島一郎監修, 倉田なおみ編集. 内服薬 経管投与ハンドブック 〜簡易懸濁法可能医薬品一覧〜 第4版. じほう;2020.3)江頭かの子ほか. 週刊日本医事新報. 2014;4706:67.

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COVID-19、重症患者で皮膚粘膜疾患が顕著

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者の皮膚症状に関する報告が寄せられた。これまで皮膚粘膜疾患とCOVID-19の臨床経過との関連についての情報は限定的であったが、米国・Donald and Barbara Zucker School of Medicine at Hofstra/NorthwellのSergey Rekhtman氏らが、COVID-19入院成人患者296例における発疹症状と関連する臨床経過との関連を調べた結果、同患者で明らかな皮膚粘膜疾患のパターンが認められ、皮膚粘膜疾患があるとより重症の臨床経過をたどる可能性が示されたという。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2020年12月24日号掲載の報告。COVID-19入院成人患者296例のうち35例が少なくとも1つの疾患関連の発疹 研究グループは2020年5月11日~6月15日に、HMO組織Northwell Health傘下の2つの3次医療機能病院で前向きコホート研究を行い、COVID-19入院成人患者における、皮膚粘膜疾患の有病率を推算し、形態学的パターンを特徴付け、臨床経過との関連を描出した。ただし本検討では、皮膚生検は行われていない。 COVID-19入院成人患者の発疹症状と臨床経過との関連を調べた主な結果は以下のとおり。・COVID-19入院成人患者296例のうち、35例(11.8%)が少なくとも1つの疾患関連の発疹を呈した。・形態学的パターンとして、潰瘍(13/35例、37.1%)、紫斑(9/35例、25.7%)、壊死(5/35例、14.3%)、非特異的紅斑(4/35例、11.4%)、麻疹様発疹(4/35例、11.4%)、紫斑様病変(4/35例、11.4%)、小水疱(1/35例、2.9%)などが認められた。・解剖学的部位特異性も認められ、潰瘍(13例)は顔・口唇または舌に、紫斑病変(9例)は四肢に、壊死(5例)は爪先に認められた。・皮膚粘膜症状を有する患者は有さない患者と比較して、人工呼吸器使用(61% vs.30%)、昇圧薬使用(77% vs.33%)、透析導入(31% vs.9%)、血栓症あり(17% vs.11%)、院内死亡(34% vs.12%)において、より割合が高かった。・皮膚粘膜疾患を有する患者は、人工呼吸器使用率が有意に高率であった(補正後有病率比[PR]:1.98、95%信頼区間[CI]:1.37~2.86、p<0.001)。・その他のアウトカムに関する差異は、共変量補正後は減弱し、統計的有意性は認められなかった。

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がんに存在する異常なmRNAの全長構造を同定/国立がん研究センター

 東京大学大学院新領域創成科学研究科の関 真秀特任助教と鈴木 穣教授らのグループは、国立がん研究センター先端医療開発センター免疫療法開発分野・中面哲也分野長らとの共同研究により、ナノポアシークエンサーで肺がんに存在する異常なmRNAの網羅的な同定をして、異常なmRNAから生じるペプチドが免疫細胞に認識されることを示した。 従来のシークエンサーは、RNAをばらばらに短くしてから配列を読み取っていたため、mRNAの全長配列を読み取ることはできなかった。それに対して、長い配列を読み取れるナノポアシークエンサーは、mRNAの全長配列を読み取ることができる。 今回、肺がんにナノポアシークエンサーを用いて、正常な組織に存在しない異常なmRNAの全長構造をカタログ化した。さらに、異常なmRNAから生じるペプチド配列が免疫細胞によって認識されることを示した。異常mRNAの蓄積が、がん免疫療法が効くかどうかの新たな指標となる可能性がある。 同研究成果は、2021年1月4日(月)に英国科学雑誌「Genome Biology」のオンライン版で掲載された。■参考国立がん研究センタープレスリリース

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双極性障害患者における寝室の夜間光曝露と肥満との関係

 肥満や過体重は、双極性障害患者で非常に多く認められており、身体的な問題だけでなく精神疾患の発症リスクにも影響を及ぼす。藤田医科大学の江崎 悠一氏らは、双極性障害患者における寝室の夜間光曝露と肥満との関係を明らかにするため、横断的研究を行った。Physiology & Behavior誌オンライン版2020年12月8日号の報告。 対象は、双極性障害患者200例。就寝時から起床時までの寝室の光度は、携帯型光度計を用いて7夜連続で測定した。自己申告による身長と体重のデータよりBMIを測定し、BMI25kg/m2以上を肥満と定義した。 主な結果は以下のとおり。・肥満の有病率は、44%であった。・年齢、性別、向精神薬の使用、睡眠パラメータ、身体活動で調整後のロジスティック回帰分析では、肥満のオッズ比(OR)が、平均光度3ルクス未満の群(88例)よりも、3ルクス以上の群(112例)において有意に高かった(OR:2.13、95%信頼区間:1.19~4.21、p=0.01)。・平均光度3ルクス以上の群は、3ルクス未満の群よりも、体重(調整後平均:68.7kg vs.64.4kg、p=0.03)およびBMI(調整後平均:25.6kg/m2 vs.24.2kg/m2、p=0.04)が有意に高かった。 著者らは「双極性障害患者における寝室の夜間光曝露と肥満との間に有意な関連が観察された。この関連性を明らかにするためには、さらなる長期的な調査が必要とされる」としている。

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