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Dr.田中和豊の血液検査指南 総論・血算編

【総論】 第1回 検査の目的 第2回 検査の指標 第3回 診断過程における検査の役割 第4回 検査の選択とマネジメント 第5回 Bayes統計学【血算編】 第1回 白血球1 白血球増加症 第2回 白血球2 白血球分画異常症 第3回 白血球3 白血球減少症 第4回 赤血球1 多血症 第5回 赤血球2 貧血 第6回 赤血球3 正球性貧血・小球性貧血 第7回 血小板1 血小板増加症 第8回 血小板2 血小板減少症 第9回 血小板3 汎血球減少症 第10回 血小板4 TTP・HUS・HIT 【総論】すべてのベースとなる検査の基本からスタート。日々の診療で検査を行うことが目的になっていませんか?念のための検査をやっていませんか?何のために検査を行うのか、どのような検査をどのように行えばよいのか、また、その結果をどのように解釈し、マネジメントを行うのか。Dr.田中和豊流の“血液検査学”を理解するための前提の講義です。【血算編】白血球・赤血球・血小板の検査値をどのように解釈し、治療を行うのか。Dr.田中和豊式“鉄則”や、鑑別診断や経験的治療の“フローチャート”を用い、やるべきことをシンプルにレクチャーします。この番組を見ると、血液検査の数値を見たときに、実臨床で何をすべきかをしっかりと理解できるようになるはずです。※この番組をご覧になる際に、「問題解決型救急初期検査 第2版(医学書院)」ご参考いただくと、より理解が深まります。書籍はこちら ↓【問題解決型救急初期検査 第2版(医学書院)】【総論】第1回 検査の目的医学生、初期研修医 の皆さん!その検査は何のためにやっていますか?検査を行うことが目的になっていませんか?念のための検査をやっていませんか? そんな検査に、田中和豊先生が喝を入れます! 日々の診療で行う検査について、今一度、考え直してみましょう。【総論】第2回 検査の指標検査を行うためには、それぞれの検査の特性を知らなければなりません。傷病を診断するための検査の特性を示すいくつかの指標があります。例えば、有病率と罹患率、感度と特異度、精密度・再現性・信頼度、尤度比などです。それらの指標の考え方と意義、そしてそれらをどのように用いるのか?田中和豊先生が医学生・初期研修医向けにシンプルにわかりやすく解説します。【総論】第3回 診断過程における検査の役割診療において検査を行うとき、検査前にその疾患である確率と検査を行い、その結果による検査後の確率の変化について考えていきましょう。検査前確率と検査後の確率の関係はBayesの定理によってその関係式が導き出されます。また、検査前の確率から、検査後の確率を算出する方法は2つあり、それにはオッズ比と尤度比という指標を用います。今回は、これらの関係について、そして検査後確率の算出方法について、詳しく解説します。医学生・初期研修医の方は必見です。【総論】第4回 検査の選択とマネジメント今回は、検査の選択、検査計画、検査の解釈、診断、マネジメントについて解説します。 それぞれの場面において何を優先して考えるべきか、その結果から何を導き出すのか、Dr.田中和豊が示す“鉄則”を確認していきましょう!【総論】第5回 Bayes統計学今回はBayes統計学について考えます。Bayes統計学は、原因から結果という自然な時間の流れに逆行する“逆確率”であるということ、事前確率を推定する“主観確率”であるということから、異端の統計学とのレッテルを貼られ、一統計学の世界から抹殺されていた時期もありました。そして、現在どのようにBayes統計学をEBMに応用しているのか、その歴史と意義について詳しく解説します。【血算編】第1回 白血球1 白血球増加症血液検査の原則から確認しましょう。採血は痛い!だから患者のためには、きちんとした計画そして評価が必要です。 そして、いよいよ血算編。まずは3回にわたって白血球についてみていきます。今回は、白血球増加症について。白血球が増加しているとき、確認すべきステップと鉄則は?Dr.田中和豊がシンプルかつわかりやすくにお教えします。【血算編】第2回 白血球2 白血球分画異常症今回は、白血球分画の異常について取り上げます。白血球の分画の基準値は%で示されますが、実際の異常を診る場合には絶対数を計算して確認しましょう。 好中球増加症、リンパ球増加症、異形リンパ球、単球増加症、好酸球増加症についてぞれぞれの異常値とその原因についてシンプルにわかりやすく解説します。 好中球増加症で用いられる左方移動や右方移動についてもその命名の歴史からご説明します。【血算編】第3回 白血球3 白血球減少症今回は白血球減少症についてです。白血球減少症の原因は、産生低下と破壊亢進の2つ。そのため、通常、問診や診察で簡単に判断できます。 すなわち白血球減少症では、鑑別よりも、マネジメントが問題となります。 その中でもとくに重要な発熱性好中球減少症について詳しく解説します。 Dr.田中和豊式フローチャートに沿って対応すれば、慌てずに対処できます。【血算編】第4回 赤血球1 多血症今回から3回にわたって赤血球について解説します。 まずは、赤血球の基本から。 赤血球の指標には、RBC、Hb 、Hctがありますが、実は、この3つの指標はほぼ同じもので、どれを使用してもかまいません。 しかし、実際には、Hbを使用することが多いのではないでしょうか。 それは、赤血球を評価するためには、赤血球の機能である酸素運搬能を評価することとなり、その動脈酸素運搬能DO2を算出する際に直接比例するHbを多血症や貧血の指標として用いるのです。 Hbの指標を用いて、基準値、多血症について、考えていきましょう。※スライドの文字に修正があります。誤)多血症 polycythermia⇒ 正)多血症 polycythemiaとなります。【血算編】第5回 赤血球2 貧血臨床上、最も多く遭遇する病態である「貧血」について解説します。血液単位容積あたりのヘモグロビン量の減少を貧血と呼びます。 まずは、その貧血の定義と鑑別診断について考えていきましょう。MCV(平均赤血球容積)で貧血を分類し、その中で大球性貧血について詳しくみていきます。田中和豊式鑑別診断のフローチャートで体系立てて診断・治療をすすめていきましょう。【血算編】第6回 赤血球3 正球性貧血・小球性貧血赤血球の最終話は、正球性貧血と小球性貧血について解説します。 それぞれの鑑別診断とその後の対応について、田中和豊式フローチャートで解説します。小球性貧血の中でも頻度の高い、鉄欠乏性貧血については、著量なども含め、詳しく見ていきます。最後には赤血球に関するまとめまで。しっかりと確認してください。【血算編】第7回 血小板1 血小板増加症今回から4回にわたって血小板について解説します。血小板の異常は、数の異常と、機能異常がありますが、このシリーズでは、数の異常について取り上げていきます。まずは、血小板増加症から。血小板増加症は、一次性と2次性に分類されます。それらをどのような順番で鑑別していくのか、田中和豊式フローチャートで確認していきましょう。【血算編】第8回 血小板2 血小板減少症今回は血小板減少症を取り上げます。血小板減少症は、プライマリケアにおいて、遭遇することが多い疾患です。そのため、マネジメントを身に付けておくことが重要となります。Dr.田中和豊式フローチャートで手順をしっかりと確認しましょう。対応するうえで重要なポイントとなる「血小板輸血」、「敗血症」などについても詳しく解説します。最後に、Dr.田中和豊が実際に経験した症例「血小板数3,000/μLの29歳女性」について振り返ります。その時のDr.田中のマネジメントはどうだったのか!【血算編】第9回 血小板3 汎血球減少症今回は汎血球減少症、無効造血、溶血性貧血について取り上げます。それぞれの疾患の定義と鑑別疾患をシンプルにわかりやすく解説します。いずれも、鑑別疾患が限られる疾患ですので、しっかりと覚えておきましょう。【血算編】第10回 血小板4 TTP・HUS・HIT最終回の今回は、TTP:血栓性血小板減少性紫斑病、HUS:溶血性尿毒症症候群 、HIT:ヘパリン起因性血小板減少症について取り上げます。それぞれの診断のポイントと、治療例を解説します。 また、血小板に関してこれまでを総括します。重要なポイントをおさらいしましょう!

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第30回 来年9月、レセプト審査システムにAI活用で地域差解消へ

<先週の動き>1.来年9月、レセプト審査システムにAI活用で地域差解消へ2.将来的に、電子カルテ情報は全国の医療機関で共有されることに3.オンライン診療は映像必須など、ガイドラインの見直しへ4.地域医療構想、コロナ収束後に向けた議論も見直し進まず5.アドバンス・ケア・プランニング、介護報酬にも反映を1.来年9月、レセプト審査システムにAI活用で地域差解消へ10月30日、厚生労働省は「審査支払機能の在り方に関する検討会」を開催し、社会保険診療報酬支払基金(支払基金)によるレセプト審査結果の不合理な差異の解消、支払基金と国民健康保険団体連合会(国保連)のシステムのあり方について議論が行われた。毎月1億6,000万件のレセプト処理を手作業で行っている現状だが、今後、AIを導入することで支払いの効率化を図ることとなった。また、従来からある支払基金と国保連のシステムの二重投資については、審査プログラムの共通化、AIの活用により、2021年9月からは9割のレセプト審査がコンピュータチェックで完結するように準備を進めていることが明らかとなった。今後、レセプト審査の標準化により、これまで認められていた地域差が縮小し、レセプト審査費用の軽減などが見込まれる。(参考)医療費審査、地域差縮小へ 厚労省、来年9月にシステム統一 無駄な支払いを抑制(日本経済新聞)第3回 審査支払機能の在り方に関する検討会 資料(厚労省)支払基金改革 審査事務集約化計画工程表等を公表(支払基金)2.将来的に、電子カルテ情報は全国の医療機関で共有されることに厚労省は11月6日、「第5回健康・医療・介護情報利活用検討会及び第4回医療等情報利活用ワーキンググループ」をオンライン開催した。保健医療情報を全国の医療機関などで確認できる仕組みの拡大および電子カルテ情報などの標準化について話し合われた。今後、電子カルテ情報の標準化を進め、全国の医療機関で共有できる範囲については、診療情報提供書、退院時サマリー、電子処方箋、健診結果を含めることになった。その確認方法については、今年中をめどに具体化する見込み。また、患者がレセプトの傷病名を確認できることについて、患者への告知を前提とし、提供の仕組みは改めて検討される。さらに患者が受診の都度、情報公開に対する同意の有無でコントロールするなどの提案が出された。このほか救急時の情報閲覧の仕組みに関しても、患者がマイナンバーカードを持参し、顔認証付きカードリーダーなどを用いて本人確認を行い、情報閲覧への本人の同意を得た上で、医師らによる情報の閲覧を原則とすることとなった。政府は、2021年3月のオンライン資格確認の本格的な運用開始に合わせて、マイナンバーカードを利用した電子処方箋の仕組み構築も進めており、マイナポータルでは、同年3月から特定健診などの、2021年10月から薬剤などの情報の閲覧開始に向けた準備を着実に進めている。(参考)注視すべきデータヘルス改革(薬事日報)第5回 健康・医療・介護情報利活用検討会及び第4回医療等情報利活用WG資料(厚労省)3.オンライン診療は映像必須など、ガイドラインの見直しへ厚労省は11月2日に「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」を開き、オンライン診療の普及に向けたガイドラインの見直しについて検討を行った。2018年3月に発出された「オンライン診療の適切な実施に関する指針」は、新型コロナウイルスの流行拡大により、初診患者についても規制緩和を行なっているが、今後、適切なオンライン診療の普及に必要な検討を進める。オンライン診療は対面診療を行なわないため、心筋梗塞などを見逃すリスクがある。このため安全性と信頼性を担保するため、オンライン診療は、電話ではなく映像を必須とすることになった。また、初診のオンライン診療は医師会側が兼ねてから要望している「かかりつけ医」が行うことについては、オンラインシステムのベンダーについて国側に管理を求める声も上がった。今後、各方面の意見を取りまとめ、年内にルールの大枠を定め、来年以降施行されることになる見込み。(参考)関心高まるオンライン診療 普及に医師・患者のリスク共有不可欠(SankeiBiz)第11回 オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会(厚労省)4.地域医療構想、コロナ収束後に向けた議論も見直し進まず11月5日、「厚労省医政局は地域医療構想に関するワーキンググループ」を開催し、新型コロナウイルス感染症を踏まえた地域医療構想の考え方について議論した。現状、各医療機関において新型コロナ対応を行なっているが、その間も人口減少・高齢化は着実に進み、地域の医療ニーズが徐々に変化するとともに、労働力人口の減少によるマンパワー不足も一層厳しくなるため、2025年の地域医療構想の実現は変わらず必要とされている。今後、地域医療構想の実現に向けた医療機能の分化・連携の取り組みの中で、コロナも含めた感染症病床の整備も踏まえた形での検討に時間を要することから、現時点ではスケジュールの具体化に関する議論は進んでいない。また、公立・公的医療機関などに対する再検証要請も、今年9月の期限を延長したものの明確な期限は示されていない。総務省では、10月29日に「地域医療確保に関する国と地方の協議の場」を開催し、各都道府県の首長からは、現状のコロナ感染拡大でのスケジュールの見直しを求めている。今後の議論の行方次第では、地域医療構想の実現に影響が及ぶと考えられる。(参考)今後の地域医療構想に関する議論の整理に向けた考え方(案)(厚労省)新型コロナウイルス感染症を踏まえた地域医療構想の検討状況について(厚労省医政局)5.アドバンス・ケア・プランニング、介護報酬にも反映を厚労省は11月5日に「社会保障審議会介護給付費分科会」をオンラインで開催した。今後、最も年間死亡数が多くなると予測される2040年には、2015年と比べて約39万人の死亡数増加が見込まれる中、国民の多くは、「最期を迎えたい場所」について、「自宅」を希望している。充実した看取りへの対応が求められているとし、2018年3月に改定された「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」に基づき、看取り・ターミナルケアに関して、ガイドラインの内容に沿った取り組みを行う介護サービス事業者への加算要件について検討することが提案された。今後、終末期医療や看取りの現場では、アドバンス・ケア・プランニングに基づいて患者が希望する医療・介護の実現が求められることとなる。(参考)第191回 社会保障審議会介護給付費分科会 【資料1】地域包括ケアシステムの推進(厚労省)「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」の改訂について(同)

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「1日に70人の患者が来る診療所」を引き継いだはずなのに【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第4回

第4回 「1日に70人の患者が来る診療所」を引き継いだはずなのに…漫画・イラスト:かたぎりもとこ「私が引き継いだら、患者さん、どれくらい減りますかね…?」医業承継の現場で買い手の医師の方からよく聞かれる質問です。私たちの答えは「一般的に、引き継ぎ直後は2割程度の患者さんが離反しますが、その後、半年程度かけて旧院長が運営していた時代の外来数を上回るケースが多いですよ」というものです。想像できることですが、旧診療所に通う患者さんの一定数は旧院長の“ファン”であり、院長交代によって通院先を他院(より自宅に近い診療所など)へ変えてしまいます。ですが、その後、新院長がホームページを作成する、広告を打つなどの新規の患者さんがより集まるような対策や、電子カルテを導入する、スタッフの配置転換をするなど、患者さん1人当たりをより効率的に診療できる取り組みを推進していくため、患者さんが徐々に増えていくケースが多いのです。結果として、高齢で集患対策などをあまり行っていなかった旧院長時代の患者数を超えられる、というわけです(参考までに、医業承継において売り手の先生が紙カルテを運用しているケースは7割を超えています)。一方、引き継ぎ後の「平均2割」という数字を大きく超える患者離反が発生している場合は注意が必要です。外的要因、つまり「同時期に新しく競合の診療所ができた」というのも想定できますが、どちらかというと内的要因(自院の問題)によるケースが多いのです。よくあるのが、「旧院長と比較して、患者さんとのコミュニケーション方法が大きく異なる(要は怖い、厳しい、横柄などと思われてしまう)」というものです。こうした事象を防ぐために、承継前の面談時に旧院長の人柄やコミュニケーションスタイルを確認しておくこと、引き継ぎをしっかりと行って現在来院している患者さんの特性をきちんと認識しておくことが重要です。できれば、引き継ぎ期間を長く設けて自分がアルバイトする、もしくは引き継ぎ後に旧院長に週1、2回程度の非常勤勤務をしてもらう、などの緩やかな移行期間を設け、患者さんの離反数を最小化することが大切です。

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第31回 検定の落とし穴とは?【統計のそこが知りたい!】

第31回 検定の落とし穴とは?あまり意味のない差でも、サンプルサイズを増やしていけば、どこかで帰無仮説は棄却され、「統計学的に有意な差がある」ことになります。このような検定の落とし穴にはまらないためには、どこに注意すればいいのかについて解説します。■検定統計量t値の求め方t値は比較する平均値の差分を標準誤差(SE)で割った値です。t値を求めるときの分母となっている標準誤差(SE)は、対応のあるt検定の場合、次の式で求められる値です。注.標準偏差は個々のデータの差分について求めた値t値は統計学が定めた基準の値である棄却限界値と比較し、t値>棄却限界値であれば、帰無仮説を棄却し、対立仮説を採択します。つまり、t値は大きければ大きいほど帰無仮説が棄却されやすく、有意になりやすいということになります。では、上記の式をみて、どのような場合にt値が大きくなるのかを考えてみましょう。標本調査を多数回したとします。どの標本調査も比較する平均値の差分と標準偏差は一定で、サンプルサイズは異なるとします。サンプルサイズが大きい標本調査の標準誤差(SE)の値は、分子(標準偏差)は変わらず、分母(√n)が大きくなりますので、標準誤差(SE)の値は小さくなります。t値は、標準誤差(SE)が小さくなり、比較する平均値の差分は一定なので、大きくなります。ということは、検定結果はどうなるでしょうか。t値が大きくなれば、そのt値が偶然に観測される確率、すなわちp値はどんどん小さくなるので、帰無仮説は棄却されやすくなり、有意になりやすくなります。ということは、サンプルサイズは多ければ多いほどいいということでしょうか。たしかに、「とにかく有意差が出ればよい」という考え方であれば、サンプルサイズを増やせるだけ増やしたほうがよい、ということになります。しかし、「ほんのわずかな差しかなくても、サンプルサイズさえ増やしていけば、統計学的に有意になってしまう」ということになります。つまり、あまり意味のない差でも、サンプルサイズさえ増やしていけばそのうち統計学的に有意になってしまうということになるのです。統計で判断できるのは、「標本調査で観測された差分の値は母集団においても有意に差がある」といえるかどうかの判断だけであり、その差分の値が臨床的に意味のある値であるかどうかは、まったく別の話だということです。一例を挙げると、2型糖尿病治療薬を投与して24週後に空腹時血糖変化量がベースラインから-5.0mg/dL低下したのは、統計学的に母集団においても有意であったかどうかの答えは出せますが、「空腹時血糖変化量が-5.0mg/dL低下したことに意味があるのかどうか」の判断には、検定結果よりも、またp値よりも何よりも「-5.0mg/dL」という値そのものが一番わかりやすい基準となります。たとえば、t値が大きく、結果としてp<0.001といわれると、とてもよい結果が出たかのような落とし穴にはまりそうになりますが、「空腹時血糖変化量がベースラインから-5.0mg/dL減少した」というデータをきちんとみれば、あまり意味がないのではないかという判断ができます。つまり、統計解析の結果と臨床試験の結果の値、どちらも重要ということなのです。統計解析の結果に目を向けすぎると臨床試験の結果の値をおろそかにしてしまいがちになります。「本当に臨床的に意味のある値なのかどうか」を判断することは、統計以上にとても大事なことになります。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション8 信頼区間による仮説検定セクション9 t値による仮説検定セクション10 p値による仮説検定

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マンモ検診開始、40歳への引き下げは乳がん死を減少/Lancet Oncol

 40代から始めるマンモグラフィ検診の乳がん死への効果について、英国で行われた無作為化試験「UK Age試験」の最終結果が、英国・ロンドン大学クイーン・メアリー校のStephen W. Duffy氏らにより公表された。40歳または41歳という、より若い年齢から始める毎年のマンモグラフィ検診は、乳がん死の相対的な減少と関連していることが示されたという。フォローアップ10年以降は有意差がみられなくなっていたが、絶対的減少は変わらなかった。結果を踏まえて著者は、「スクリーニング開始年齢を50歳から40歳に引き下げることは、乳がん死を減少すると思われる」とまとめている。Lancet Oncology誌2020年9月号掲載の報告。 研究グループは、40~48歳時のマンモグラフィ検診の乳がん死への影響を推定する無作為化試験を行った。英国全土にわたる23ヵ所の乳がん検診施設で被験者を募り、39~41歳の女性を、一般医(GP)で層別化して1対2の割合で無作為に介入群と対照群に割り付けた。 介入群は、試験に包含された時の年齢から暦年で48歳に達するまで毎年マンモグラフィ検診を受けた。対照群は、国民保健サービスの乳がん検診プログラム(NHSBSP)から案内が来た約50歳時に初回検診を受ける標準ケアを受けた。介入群の女性への受診案内は郵送で行われた。また、対照群は試験参加を認識していなかった。 主要エンドポイントは、被験者のNHSBSP初回検診前の介入期間中の乳がん死(直接の死因が乳がんであるとコード化されていた)診断であった。 死亡への影響の時期を調べるため、さまざまなフォローアップ期間での結果を解析した。主要比較は、無作為化状況の準拠にかかわらず全女性を対象に行った(intention-to-treat解析)。本論では、長期的な解析が報告された。 主な結果は以下のとおり。・1990年10月14日~1997年9月24日に、16万921例の女性が試験に登録された。・5万3,883例(33.5%)が介入群に、10万6,953例(66.5%)が対照群に無作為に割り付けられた。・無作為化から2017年2月28日までのフォローアップの中央値は、22.8年であった。・フォローアップ10年時点で乳がん死の有意な減少が観察された。介入群83例vs.対照群219例(相対比[RR]:0.75、95%信頼区間[CI]:0.58~0.97、p=0.029)。・それ以降は有意な減少は認められなかった。介入群126例vs.対照群255例(RR:0.98、95%CI:0.79~1.22、p=0.86)。

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双極性障害とうつ病患者の白質異常と認知機能との関係

 近年、うつ病患者と双極性障害患者の白質線維の整合性(white matter integrity)を比較した拡散テンソル画像(DTI)の研究数が増加している。しかし、両疾患の白質異常の違いを調査した研究はあまりない。広島大学の増田 慶一氏らは、白質異常と認知機能との関係を調査するため、全脳トラクトグラフィーを用いて、健常対照者と寛解期うつ病患者および双極性障害患者の白質線維の整合性を包括的に評価した。Brain and Behavior誌オンライン版2020年10月3日号の報告。 健常対照者30例、うつ病患者30例、双極性障害患者30例を対象に、神経認知機能検査とDTIを実施した。3群間の白質線維の整合性と認知機能との関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・双極性障害患者は、うつ病患者や健常対照者と比較し、脳梁体部の異方性(fractional anisotropy:FA)が弱く、持続的注意力およびセットシフティングのスコアが低かった。・脳梁の左体部のFAは、双極性障害患者の持続的注意力と関連が認められた。 著者らは「双極性障害患者の脳梁における白質線維の整合性の有意な低下は、うつ病患者と比較し、持続的注意力低下との関連が認められた」としている。

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PCI後チカグレロルvs.クロピドグレル、NACEリスク差は?/JAMA

 日常臨床で経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた急性冠症候群(ACS)患者の抗血小板療法において、チカグレロルとクロピドグレルには、1年後の純臨床有害事象(NACE、虚血性イベント+出血性イベント)のリスクに差はないことが、韓国・亜洲大学校のSeng Chan You氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2020年10月27日号で報告された。欧米の現行のガイドラインは、主に単一の大規模な無作為化臨床試験(PLATO試験)に基づき、ACS患者への優先的なP2Y12阻害薬としてチカグレロルを推奨しているが、PLATO試験では北米やアジアの患者におけるチカグレロルの有益性は明確ではなく、薬剤誘発性の呼吸困難や出血イベントなどの問題が残されている。また、最近の観察研究の結果からは、日常臨床においてチカグレロルはクロピドグレルに比べ良好な転帰をもたらすとの見解に疑問が投げ掛けられているという。チカグレロルのNACEリスクをクロピドグレルと比較 研究グループは、日常臨床でPCIを受けたACS患者における、チカグレロルの虚血性イベントおよび出血性イベントとの関連を、クロピドグレルと比較する目的で、後ろ向きコホート研究を行った(韓国バイオ産業戦略的技術開発計画などの助成による)。 解析には、米国の2つの電子健康記録(EHR)に基づくデータベースと、韓国の1つの全国的な診療報酬請求データベースが用いられた。対象は、2011年11月~2019年3月の期間に、PCIを受けたACS患者のうち、チカグレロルまたはクロピドグレルを投与された集団であった。これらの集団について、大規模な傾向スコアアルゴリズムを用いてマッチングが行われた。 主要エンドポイントは、12ヵ月の時点でのNACEとした。NACEは、虚血性イベント(心筋梗塞の再発、血行再建、虚血性脳卒中)と出血性イベント(出血性脳卒中、消化管出血)で構成された。副次エンドポイントには、12ヵ月時のNACEまたは死亡、全死因死亡、虚血性イベント、出血性イベント、主要エンドポイントの個々の構成要素、呼吸困難が含まれた。変量効果メタ解析により、データベースごとのハザード比(HR)を統合し、サマリーHRを算出した。チカグレロルがクロピドグレルより有効かの判断にはさらなる研究要 3つのデータベースから合計18万3,579例(チカグレロル群4万3,578例、クロピドグレル群14万1例)が解析に含まれた。傾向スコアマッチングにより、両群から3万1,290組(年齢層中央値60~64歳、女性29.3%)の患者が抽出され、このうち95.5%でチカグレロルまたはクロピドグレルとともにアスピリンが使用されていた。 1年後のNACEのリスクは、米国の1つのデータベース(HR:1.06、95%信頼区間[CI]:0.90~1.24、p=0.52)と韓国のデータベース(1.02、0.96~1.09、p=0.50)の解析では、チカグレロル群とクロピドグレル群の間に有意な差はみられなかったが、米国のもう1つのデータベース(1.08、1.00~1.17、p=0.05)の解析ではチカグレロル群で有意に高かった。これらを総合した1年後のNACE発生率は、チカグレロル群が15.1%(3,484/2万3,116人年)、クロピドグレル群は14.6%(3,290/2万2,587人年)であり、両群間に有意な差は認められなかった(サマリーHR:1.05、95%CI:1.00~1.10、p=0.06)。 1年後のNACEまたは死亡(チカグレロル群16.8% vs.クロピドグレル群16.6%、サマリーHR:1.03、95%CI:0.98~1.08、p=0.21)、虚血性イベント(13.5% vs.13.4%、1.03、0.98~1.08、p=0.32)、虚血性脳卒中(0.7% vs.0.8%、0.93、0.76~1.13、p=0.46)、急性心筋梗塞の再発(8.1% vs.8.2%、1.01、0.94~1.08、p=0.81)、血行再建(4.3% vs.4.3%、1.08、0.85~1.38、p=0.51)、全死因死亡(2.0% vs.2.1%、0.97、0.81~1.16、p=0.74)には、両群間に有意差はなかった。 一方、チカグレロル群は、出血性イベント(0.3% vs.0.2%、サマリーHR:1.60、95%CI:1.10~2.33、p=0.01)、呼吸困難(27.3% vs.22.6%、1.21、1.17~1.26、p<0.001)、消化管出血(1.9% vs.1.4%、1.32、1.05~1.66、p=0.02)のリスクが高かった。 著者は、「評価不能な交絡の可能性を排除できないため、チカグレロルはクロピドグレルよりも有効かを判断するには、さらなる研究を要する」としている。

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臨床試験の利益相反、研究者の理解に大きなばらつき/BMJ

 臨床試験に関連する利益相反とは何か、どのような場合にそれを報告すべきかについての研究者の理解には、かなりのばらつきがあり、非営利的な金銭的利益相反(政治的な意図を持つ政府系医療機関による試験への資金提供など)の重大さを認識しつつも、その報告と管理は困難と考える研究者もいることが、デンマーク・オーデンセ大学病院のLasse Ostengaard氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2020年10月27日号で報告された。営利組織からの資金提供と、著者の金銭的な利益相反は、統計学的に有意な結果や好意的な結論の報告の頻度が高いことと関連する。また、利益相反は、試験のデザインや運営、解析、報告の仕方に影響を及ぼす可能性があるとの懸念が広まっている。利益相反が、試験の特定のデザインの特徴やバイアス、問題を最小化するための管理戦略に及ぼす適切でない影響に関連するメカニズムは、十分には理解されていないという。20人の研究者へのインタビューによる定性的研究 研究グループは、臨床試験の研究者は自分が携わった試験に適切でない影響を及ぼす利益相反をどのように認識しているか、その潜在的な影響を最小限に抑えるためにどのような管理戦略を行っているかを評価する目的で、インタビューによる定性的研究を行った(研究助成は受けていない)。 対象は、臨床試験の方法論や統計学の専門知識を持ち、10件以上の臨床試験に参加したことのある研究者であった。インタビューの対象となる研究者は、Web of Scienceの検索と機縁法(snowball sampling)で特定された。52人の臨床試験研究者に電子メールでインタビューを申し込み、20人(38%)が応じた。インタビュー時間中央値は24分(範囲:15~58)だった。 インタビューは、2017年12月~2018年7月の期間に電話で行われ、録音して逐語的に文字に起こされた。文字起こしは分析ソフト(NVivo 12)で読み込まれ、体系的にテキストを凝縮して解析された。半構造化インタビューは、金銭的および非金銭的な利益相反に重点が置かれた。利益相反の定義や閾値を使い分け、報告時期の基準も異なる インタビューの対象となった研究者が参加した臨床試験の件数中央値は37.5件(IQR:20~100)であった。20人の内訳は、医師が12人、他の医療従事者が2人、生物統計学者が4人、他の専門家が2人で、男性が18人、女性は2人だった。10人(50%)は企業が資金を提供した試験、19人(95%)は企業が資金を提供したが独立に運営された学術的試験、18人(90%)は非営利的な資金提供による試験を経験していた。主に薬剤の試験に参加した研究者が11人(55%)、主に薬剤以外の試験に参加した研究者が6人(30%)、薬剤と非薬剤の試験がほぼ同じ割合の研究者が3人(15%)だった。 事前に規定された2つのテーマ(利益相反の影響、管理戦略)と、2つの追加テーマ(利益相反の定義と報告)について検討した。利益相反の影響として認識された例には、質的に劣る比較対象の選択、無作為化の手順の操作、試験の早過ぎる中止、データの捏造、データへのアクセスの妨害、情報操作(spin、たとえば、結果の過度に好意的な解釈)などが挙げられた。 利益相反を管理する戦略の例としては、情報開示手続き、試験のデザインと解析からの資金提供者の除外、独立委員会の設置、データへの完全なアクセスを保証する規約、解析と報告に関して資金提供者による制限がないことなどが挙げられた。 また、臨床試験研究者は、利益相反と考えられることの定義や閾値を使い分けており、利益相反の報告の時期に関して異なる基準を示した。さらに、非営利的な金銭的利益相反(たとえば、政治的な意図を持つ政府系医療機関による試験への資金提供)の重大さは、営利的な金銭的利益相反(たとえば、製薬企業や医療機器企業による資金提供)と同等またはそれ以上であるが、その報告と管理はより困難と考える研究者もいた。 著者は、「これらの結果は、臨床試験における利益相反を評価するツール(TACIT)の開発のためのエビデンスの基盤として不可欠な要素である。TACIT(tool for addressing conflicts of interest in trials)は、臨床試験報告の読者に、利益相反の情報へのアクセスの仕方、その情報の処理の仕方の指針を示すことを目的とし、とくに系統的レビューを実施する際に、利益相反のある臨床試験の結果をどう解釈するかについての思考様式を提供するものである」としている。

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第31回 ワクチン浸透のシナリオにインフルワクチン難民の出現は好機?

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下でのインフルエンザ同時流行を懸念して今年のインフルエンザワクチンの接種は異例の事態となっている。厚生労働省が事前に「高齢者優先」を呼び掛けて10月1日からスタート。今シーズンは例年よりも多い成人量換算で約6,640万人分のワクチンが確保されたというが、高齢者以外への接種が本格的に始まった10月26日からわずか1週間ほど経た現在、すでにワクチン接種の予約受付を停止した医療機関も相次いでいるという。実は、私はまさにインフルエンザワクチンスタート日の10月1日に接種している。これはたまたま馴染みの医療機関がかかりつけの高齢者には既に9月中旬~下旬に接種を開始し、さらに高齢者での接種者増加も十分に見込んだ発注を終えていたこともあり、高齢者の接種希望者が多くない平日の午後を中心に高齢者以外の接種予約も進めていたからである。ちなみに面識のある複数の開業医に話を聞くと、一様に今年はインフルエンザワクチンの接種希望者が多く、しかも一見さんの割合が多いと口にする。ある知り合いの医師は、Facebookでの投稿で10月だけで3,000人に接種したと記述していたのだから驚く。ワクチン接種の予約を停止した医療機関の多くは、12月までの入荷を見越しても、もはやこれ以上の接種予約を受け付けるのは不可能という判断らしい。そうした中でワクチン接種を求めてさまよう「ワクチン難民」も出始めているという。私のような仕事をしていると、この手の状況や家族が重病になった時に「どこへ行けば?」的な相談が来ることが少なくない。実際、今回も「どこに行けば打てるんだろうか?」「子供が受験生なので何とかならないかな?」という相談がもはや10件以上来ている。たぶん医療従事者の皆さんは私以上にその手の相談攻勢にさらされていると思われる。これらに対しては相談者の居住地域の開業医一覧が乗っている医師会のHPがあれば、それを教えて個別の医療機関に問い合わせするよう促し、各医療機関にワクチンが再入荷するであろう11月下旬前後まで落ち着いて待つように伝えるぐらいしかできない。そして、今回そうした相談を寄せてくる人に見事に共通しているのが、これまでほとんどインフルエンザワクチンの接種歴がないこと。それゆえかかりつけ医もなく、情報も不足しているので「ワクチン難民」という状況である。これを自業自得と言ってしまうのは簡単だが、ちょっと見方を変えるとこれがワクチンへの一般人の理解を浸透させる新たなチャンスにも見えてくる。改めて言うまでもないが、ワクチンとは基本的に健康な人に接種するものである。しかも、その効果は予防あるいは重症化リスクの低下であり、接種者は実感しにくい。この点は検査値や自覚症状の改善が実感できる薬とは根本的に受け止め方が異なる。根拠の曖昧な反ワクチン派がはびこってしまう根底には、このように侵襲が伴うにもかかわらず効果を自覚しにくい、そして時として副反応が報告されてしまうワクチン特有の構造的な問題が一因と考えられる。そして、ワクチンの中でも比較的信頼度の低いものの代表格がインフルエンザワクチンである。これは一般人のワクチンに対する直感的な理解が「ワクチン=予防=打ったら完全にその感染症にかからない」であり、インフルエンザワクチンは麻疹、風疹のワクチンのようなほぼ完全に近い予防効果は期待できない。ところがこうした「誤解」が不信感の種になりやすいのである。実際、毎年インフルエンザシーズンになるとTwitterなどでは「インフルエンザワクチンは効かない」「ワクチン打ったのにかかったから、もう2度と打ちたくない」など、反ワクチン派に親和性の高い言説が飛び交う。ここでは釈迦に説法だが、インフルエンザワクチン接種による予防効果、つまり一般人の理解に基づく「ほぼ完全に予防できる効果」に近い数字は、たとえば小児では2013年のNEJMにVarsha K. Jainらが報告した6割前後というデータがある。これに加え重症化のリスクを低減でき、18歳未満でのインフルエンザ関連死は65%減らせるし、18歳以上の成人での入院リスクを5割強減らす。私は今回個人的に相談をしてきた人にはこうした話を必ずしている。彼らに知ってもらいたいのは「ワクチンの中には完全な予防効果が期待できないものの、重症化のリスクを減らす種類のものがあり、その接種でも意味がある」ということだ。とりわけ今のようなCOVID-19流行下では、医療機関は発熱患者が受診した際にその鑑別で頭を悩ませることになる。すでに日本感染症学会は「今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えて」でインフルエンザとCOVID-19の鑑別について、患者の接触歴やその地域での両感染症の流行状況、さらにインフルエンザに特徴的な突然の発熱や関節痛、COVID-19に特徴的な味覚・嗅覚障害などの症状を加味して、どちらの検査を優先させるかを決定するよう提言している。しかし、それでも多くの医師は事前鑑別には苦労するだろう。その中で予めインフルエンザワクチンを接種していれば、鑑別の一助にはなるだろう。そうしたことも私は相談者に話している。前述した「チャンス」とはまさにこのような、なんだかよく分からないけど今の雰囲気の中でインフルエンザワクチン接種を切望し、今後流れ次第で親ワクチン派、反ワクチン派のいずれにでも転びかねない人に少しでも理解を深めてもらうチャンスである。正直、メディアの側にいるとワクチンの意義という非常に地味なニュースほど一般に浸透しにくいことを痛いほど自覚している。だからこそ繰り返し伝えること、そして身近な人に確実に伝えることを辛抱強くやるしか方法はないと常に考えている。そしてこれは多忙で患者とじっくり話す時間が取れないことが多い状況であることは承知のうえで、医療従事者の皆さんにも実践してほしいことである。

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COVID-19流行下の仕事再開期におけるメンタルヘルス問題の調査

 中国・大連医科大学のYuan Zhang氏らは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下の仕事再開期における不安症、うつ病、不眠症に影響を及ぼす因子について調査を行った。Journal of Psychosomatic Research誌2020年11月号の報告。 中国・山東省で2020年3月2日~8日に、割当抽出法(quota sampling)と機縁法(snowball sampling)を組み合わせた多施設横断調査を実施した。不安症、うつ病、不眠症の評価には、それぞれ全般性不安障害尺度(GAD-7)、こころとからだの質問票(PHQ-9)、不眠症重症度指数(ISI)を用いた。影響を及ぼす因子を調査するため、多変量ロジスティック回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・3施設より4,000通のアンケートを送付し、有効な回答3,237件を収集した。・各評価尺度に基づく不安症、うつ病、不眠症の有病率は19.5~21.7%であった。そのうち、2.9~5.6%は重症であった。・複数の症状を合併していた患者は、不安症とうつ病の合併2.4%、不安症と不眠症の合併4.8%、うつ病と不眠症の合併4.5%であった。・不安症と不眠症のスコアおよびうつ病と不眠症のスコアには、正の相関が認められた。・不安症、うつ病、不眠症のリスク因子は、50~64歳、30日以上に1回のみの屋外活動であった。・COVID-19流行期に、心理的介入を受けていた人は17.4%、個別の介入を受けていた人は5.2%であった。 著者らは「COVID-19流行下の仕事再開期には、メンタルヘルス問題の発生率が通常時よりも増加していた。現行の心理的介入は不十分であり、早期に有効な心理的介入を実施すべきである」としている。

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COVID-19、エクソソームによる予防と治療の可能性/日本治療学会

 10月に行われた第58回日本治療学会学術集会において、医療のさまざまな場面で活用されることが急増するリキッドバイオプシーの現状について、「目を見張る進歩をきたしたリキッドバイオプシー」とのテーマでシンポジウムが行われた。この中で東京医科大学の落谷 孝広氏(分子細胞治療研究部門)は「エクソソームによる新型コロナウイルス感染症の予防と治療」と題し、発表を行った。エクソソームがCOVID-19重症化の予測因子として使える可能性 エクソソームとは、細胞から分泌される直径50~150nm程度の物質で、表面には細胞膜由来の脂質やタンパク質、内部には核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど)やタンパク質など細胞内の物質を含み、細胞間の情報伝達の役割を担うとされる。近年の研究においては、がん細胞由来のエクソソームが、がんの転移に深く関わることも明らかになっている。 落谷氏は、がん領域を中心に、エクソソームに関する研究が数多く行われている状況を紹介。膀胱がんにおける早期発見と再発検出、前立腺がんにおける診断マーカーや骨転移の診断、乳がんにおける早期発見や薬剤の副反応や予後予測などに使った研究などを紹介した。落谷氏は「がんの早期発見、層別化、個別科医療の実現と、エクソソームはがん治療のあらゆるフェーズで使える可能性を持っている」と述べつつも、現状は研究上での成果が出た段階であり、「健康診断や臨床の現場で使われ、がんの死亡率を下げ、医療費削減に貢献することが最終目標。そのためには今後の大規模治験が欠かせない」と強調した。 続けてエクソソームを介した情報伝達のシステムはすべての細胞・生物に共通するものだとし、COVID-19のウイルス(SARS-CoV-2)とエクソソームは非常に形状が似通っており、大きさも同等であると指摘。特定のエクソソームのクラスターがCOVID-19重症化の予測因子として使える可能性がある、という研究結果を紹介した。エクソソームやRNAを補充あるいは除去することがCOVID-19治療につながる 落谷氏らの研究チームは、PCR検査でCOVID-19陽性と判定され、入院となった軽症患者31例と健常者10例を対象とし、エクソソームのタンパク質と血液中RNAの2種類に関して網羅的な解析を行い、その後重症化した9例において高値となった複数のRNAを同定した。 軽症のままだった患者は、陽性判明時点で抗ウイルス応答関連のエクソソームタンパク質が高発現していた。重症化した患者はそれがない一方で、凝固関連エクソソームタンパク質およびRNAと肝障害関連RNAが高発現していた(抗ウイルス応答関連エクソソームタンパク質COPB2の重症化予測因子としてのAUC=1.0、感度・特異度共に100%)。 落谷氏は、「新型コロナウイルス感染症の重症化の特効薬は存在しない現状では、陽性判定時に重症化リスクによって層別化し、ハイリスク群を徹底管理することが重要。軽症者は早期退院・自宅療養として医療崩壊を食い止めるとともに、経済への影響も最小限にできるはず」とする。 現在、この研究結果をもとに別の患者集団による検証解析が行われているが、今回同定された分子のいくつかはSARS-CoV-2の治療標的分子や病態との関連が報告されており、単なる血液バイオマーカーとしてだけでなくCOVID-19の重症化メカニズムに関与している可能性が示唆される。このエクソソームやRNAを補充あるいは除去することが新たなCOVID-19治療法の開発につながることも期待されている。関連サイト【プレスリリース】東京医科大学医学総合研究所の落谷孝広教授が参画する研究チームが、リキッドバイオプシーを用いたCOVID-19における重症化予測因子の同定/東京医科大学

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「抗菌薬は風邪に効果あり」の誤認識、若年・高齢層でいまだ多く

 11月は「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」である。今年は年初から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発生・流行があったが、いま一度、抗菌薬および抗生物質の適切な認識と使用について考える契機としたい。国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンターが先月取りまとめたインターネット調査の結果によると、10代・60代の7割および20代の6割近くが、抗菌薬・抗生物質は風邪に「効果がある」と誤って認識していることがわかった。一方、風邪症状で医療機関を受診した4割が抗菌薬を処方されており、回答者全体の2割が、風邪で今後受診する際に抗菌薬の処方を希望していることも明らかになった。 本調査は、抗菌薬・抗生物質および薬剤耐性について、一般の人がどう認識しているのかを把握し、問題点と今後の取り組みの方向性を提示することを目的に、2020年8月、全国の10~60歳代以上の男女700人を対象に、インターネット上で行われた。風邪症状で受診した43.0%に抗菌薬処方、患者側も効果を期待か 回答者全体の21.7%(152人)が、今年1~8月の期間に風邪症状を経験した。このうち、56.6%(86人)が医療機関を受診し、43.0%に対し抗菌薬が処方されていた。また、全体の26.4%が今後、風邪で受診した時に抗菌薬の処方を希望していた。 抗菌薬の知識を問う設問(「抗菌薬・抗生物質は風邪に効果がある」についての正誤、「あてはまらない」が正解)への正答率(「不明」を除く)を年代別に見ると、30~50歳代では50%程度が正しく回答した一方、10歳代の正答率は26%、20歳代では43%、60歳代以上も30%程度にとどまっていた。過去の調査結果と比較すると、「抗菌薬は風邪に効果がないことを知っている人が少しずつ増えている可能性がある」としているが、依然、多くの年代で風邪の治療に抗菌薬が有効であると認識されており、処方薬の多さもその一因になっているのではないだろうか。AMRの温床、抗菌薬の飲み残しの「保管」「転用」も 処方した抗菌薬・抗生物質を患者が自己判断で中止したり、以前の飲み残しを別の不調時に転用したりする不適切使用は、新たなAMRを生む温床になりかねない。しかし本調査では、全体の25.7%が「治ったら途中で飲むのを止める」、8.9%が「途中で忘れてしまい飲み切っていない」と回答していた。また、飲み残しの抗菌薬の取り扱いについての設問(複数回答可)に対し、「いつか使おうと思ってとってある」(31.6%)、「体調が悪い時に飲んだことがある」(21.0%)、「人にあげたことがある」(1.0%)など、不適切な取り扱い方を回答に挙げた人が少なくないことは注視すべきである。 COVID-19への厳しい警戒状態は依然続いている上、これからインフルエンザや風邪の流行期となる。ただ、コロナ対策を通じて市民の感染症予防への意識は例年より高まっているはずであり、これを適切な抗菌薬の使い方を再確認する好機としたいところだ。

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術前療法を受けたHER2+乳がんの術後療法でのDS-8201、第III相試験開始/第一三共・AZ

 第一三共とアストラゼネカは11月4日、トラスツズマブ デルクステカン(商品名:エンハーツ、開発コード:DS-8201)について、術前療法後に浸潤性残存病変を有する再発リスクの高いHER2陽性の乳がん患者を対象とした第III相試験(DESTINY-Breast05)を北米、欧州、アジアで開始したと発表した。 本試験は、術前療法を経た手術後に乳房または腋窩リンパ節に浸潤性残存病変を有するHER2陽性乳がん患者のうち、再発リスクが高い患者を対象とした本剤とT-DM1を直接比較する第III相試験。有効性の主要評価項目は無浸潤疾患生存期間(IDFS)、安全性の評価項目は有害事象などで、最大1,600例を登録予定である。

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内在性制御性T細胞、腎移植後の免疫抑制療法の減少を可能に/BMJ

 内在性制御性T細胞(nTreg)の自家移植は、腎移植を受け免疫抑制された患者においても安全で実施可能である。ドイツ・シャリテ大学のAndy Roemhild氏らが、単施設における医師主導型nTreg用量漸増第I/IIa相臨床試験「ONEnTreg13試験」の結果を報告した。前臨床研究では、nTregが固形臓器移植後または移植片対宿主病(GVHD)後の移植片拒絶反応を遅延または防止し、in vivoにおいて養子移入後、生物学的薬剤や先進治療製剤による自己免疫や好ましくない免疫原性を制御する力があることが示されている。しかし、nTregによる養子細胞治療を広く実施するには、容易で堅実な製造方法、過剰な免疫抑制のリスク、標準治療薬との相互作用、安全性と有効性をモニタリングするバイオマーカーなど、実装に関連するさまざまな課題があった。BMJ誌2020年10月21日号掲載の報告。腎移植2週間前に採取した末梢血よりnTreg細胞を作製し、移植7日後に投与 ONEnTreg13試験は、多施設共同研究「ONE Study」の参加施設であるドイツ(ベルリン)のシャリテ大学病院にて実施された。対象は生体腎移植のレシピエント11例である。 腎臓移植2週間前に採取した40~50mLの末梢血からCD4+CD25+FoxP3+nTreg細胞を作製し、腎移植7日後に1回投与量0.5、1.0、または2.5~3.0×106個/体重kgのいずれかを静脈内投与した。その後48週まで、3剤併用免疫抑制療法から低用量タクロリムス単剤療法へ段階的な漸減を実施した。 主要な臨床および安全性の評価項目は、60週時点での複合エンドポイントとし、さらに3年間追跡調査を行った。評価には、生検により確認された急性拒絶反応の発生、nTreg注入関連有害事象、過剰免疫抑制などを含めた。副次評価項目は、移植腎機能とした。 結果について、安全域とバイオマーカーを確立するためにONEnTreg13試験の前に同施設で実施したONErgt11-CHA試験の9例(参照群)と比較した。nTreg療法は、忍容性が良好で単剤免疫抑制療法を実現 全患者で、十分な量と純度、機能を備えたnTreg細胞を作製することができた。3つのnTreg用量漸増群のいずれにおいても、用量制限毒性は確認されなかった。 nTreg群と参照群で、3年同種移植片生着率は100%であり、臨床および安全性プロファイルは類似していた。nTreg群では11例中8例(73%)が単剤による安定した免疫抑制療法を達成したが、参照群では標準的な2剤または3剤併用による免疫抑制療法は継続されたままであった(p=0.002)。作用機序としては、従来のT細胞活性化が低下し、nTregは生体内でポリクローナルからオリゴクローナルT細胞受容体レパートリーにシフトした。 著者は、症例数が少ないことを研究の限界として挙げたうえで、「今回の結果は、Tregの有効性のさらなる評価を支持するものであり、移植やあらゆる免疫疾患における次世代nTreg療法の開発の基礎となる」とまとめている。

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COVID-19に対する中和抗体LY-CoV555の有効性は?/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の外来患者へのSARS-CoV-2の中和抗体LY-CoV555投与について、2,800mg用量ではウイルス量を減少することが認められたが、他の用量では有効性が確認されなかった。米国・シダーズ・サイナイ医療センターのPeter Chen氏らが、進行中の第II相試験「Blocking Viral Attachment and Cell Entry with SARS-CoV-2 Neutralizing Antibodies trial:BLAZE-1試験」で事前に計画された中間解析(2020年9月5日現在)の結果を報告した。COVID-19は、多くの患者では軽症であるが、重症化し生命を脅かす可能性もある。ウイルス中和モノクローナル抗体は、ウイルス量を減らし、症状を改善し、入院を防ぐと予測されている。NEJM誌オンライン版2020年10月28日号掲載の報告。11日後のウイルス変化量で、3用量の有効性をプラセボと比較 研究グループは2020年6月17日~8月21日の期間に、軽症~中等症のCOVID-19外来患者467例を、中和抗体LY-CoV555群(700mg、2,800mg、7,000mg)またはプラセボ群に無作為に割り付け、それぞれ単回静脈内投与した。 主要評価項目は、ベースライン(SARS-CoV-2検査陽性判明時)から11日(±4)時点でのウイルス量の変化。ウイルス学的特性と症状に関するデータは29日目まで収集した。主要な副次評価項目は、安全性、患者報告による症状および転帰(COVID-19による入院、救急外来受診または死亡)であった。2,800mg投与群のみプラセボ群と比較してウイルス低下量が大 中間解析時点で、全例ではウイルス量(log10)のベースラインからの平均減少は-3.81で、ウイルスRNAの99.97%以上が除去された。 LY-CoV555の2,800mg投与群では、ベースラインからのウイルス変化量のプラセボとの差は-0.53(95%信頼区間[CI]:-0.98~-0.08、p=0.02)で、ウイルス量は3.4倍低下した。一方、700mg群(-0.20、95%CI:-0.66~0.25、p=0.38)、7,000mg群(0.09、95%CI:-0.37~0.55、p=0.70)では、ベースラインからのウイルス変化量についてプラセボとの差は認められなかった。 LY-CoV555群はプラセボ群と比較して、2~6日目の症状の重症度がわずかに低下した。COVID-19による入院または救急外来受診の患者の割合は、LY-CoV555群1.6%、プラセボ群6.3%であった。

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第58回 治療継続が大切!緑内障で一度欠けた視野は戻りません【使える!服薬指導箋】

第58回 治療継続が大切!緑内障で一度欠けた視野は戻りません1)Collaborative Normal-Tension Glaucoma Study Group. Am J Ophthalmol. 1998;126:487-497.2)同. GroupAm J Ophthalmol. 1998;126:498-505.3)The AGIS Investigators. Am J Ophthalmol.. 2000;130:429-440.

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病院風景3題【Dr. 中島の 新・徒然草】(348)

三百四十八の段 病院風景3題2020年も11月に突入し、ますます寒くなってきました。昨日、ついに電気毛布が登場。お蔭でよく眠れました。さて、今回は最近のちょっとした出来事を語りましょう。(その1)先日、顔面痙攣の患者さんにボトックスを打っていたときのこと。患者「中島先生は都構想に賛成? それとも反対?」中島「僕は〇〇ですね」患者「なんでまた?」ひとしきり政治ネタで盛り上がりました。考えてみれば、外科医のルーツは散髪屋さん。まさしく床屋談義です。患者「コロナも怖いし、私、投票はやめておこうかと思ってるのよ」中島「投票には行かないとダメでしょう」患者「先生は真面目やねえ」中島「自分が投票するからこそ、後で見るニュースが面白いんですよ」患者「じゃあ私も行こうかな」と、11月1日の投票日をスケジュールに入れて張り切っていたのですが、これ、投票は大阪市民だけなんですね。大阪府民であっても大阪市民でない私は関係なし。「府と市が一緒になって二重行政解消」と言ってるくらいだから府民も投票させてくれたらいいのに。確かに、大阪市外の自宅のほうには投票に関するこれといったお知らせも来ません。でも、職場のある大阪市中央区では選挙カーみたいなのが走り回っていました。「このままでは大阪市がなくなってしまいます!」「大阪市がなくなってもいいのでしょうか!」大きな声で主張していたのは、もっぱら反対派です。で、投票結果は反対派が賛成派を僅差で上回りました。面白いのが自民党と共産党が反対派、維新と公明党が賛成派だったことです。国語の試験で「呉越同舟を説明せよ」という問題が出たら、例として使えますね。(その2)転倒して、左手をついたら骨折してしまったという患者さん。彼女は若くして脳梗塞になり、左不全片麻痺になっていたのです。ほとんど見てわからない程度には回復したのですが、バランスが悪く、何かの拍子に転びそうになります。毎回、左足が引っかかるという同じパターン。中島「転んで受け身をとる練習をしたらどうですか?」患者「柔道みたいに?」中島「そう。左足が引っかかったときに、どううまく転ぶかって練習」患者「それ難しそう」中島「何も黒帯を取ろうってわけじゃないからできますよ」患者「できるかなあ」中島「最初は柔らかいマットか何かの上で練習するといいですよ」例によって、自分ではやらないことを偉そうに講釈してしまいました。でも、転ばないのも大切だけど、転んでしまったときの対処も大切ですよね。リハビリに取り入れるのもいいんじゃないかな。(その3)手術室でのお話。血管吻合の手術ですが、まずは若手が皮切開始。私は手術用顕微鏡をのぞきながら助手を務めます。もちろん、若手が行き詰まったら途中で交代するつもりでした。中島「おい、糸の真ん中を持ったら蝶々結びになってしまうやないか。端を持てよ」若手「すみません」中島「そもそも何回ぐらい練習してきたんや」若手「……」中島「100回か200回か、先生の回答はこの2択や」若手「……」中島「そうか、200回以上っていうのもあるから3択になるな」若手「もう勘弁してください」手術室というのは逃げ場がないので、熱血指導にはぴったりの場所です。と言いながらも、若手の吻合した血管はうまく開通し、見事に先発完投してくれました。手術室から出た時に若手2号と出くわしたので、つい余計な一言。中島「彼、時間はかかったけどうまくやりよったぞ」若手2号「先を越されて、ちょっと悔しいです」中島「先生にも必ず出番がくるから、その日に備えて練習しとこか」若手2号「そうします!」同期というのは何かと助け合う一方で、ライバル心も持っています。切磋琢磨して成長してくれるといいですね。最後に1句都構想 銀杏の黄色と ともに散る

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第31回 損税問題と全日病の行方は?日医・猪口副会長の微妙な立ち位置

長年、医療機関の経営を圧迫してきた控除対象外消費税。医療に関する消費税については、患者が支払う医療費は非課税だが、医療機関が医薬品や医療機器などを仕入れる際の消費税は「損税」、つまり収入に上乗せできない消費税として医療機関のコストになっている。これを課税扱いにしてゼロ税率にすれば、仕入れなどに払った税は控除可能になるため、病院業界は課税を中心にした是正策を求めてきた。一方、この問題を「解決済み」としていた日本医師会(日医)が、中川 俊男氏が会長選を制して新体制になった途端、「課税取引も視野に入れたあらゆる選択肢を排除せず」と述べ、方針転換の姿勢を示した。病院団体側に歩み寄ったように見受けられるが、病院団体のある役員は「課税を訴える四病協の一角を日医執行部に入れた(全日本病院協会[全日病]会長で日医副会長に就いた猪口 雄二氏)以上、顔を潰すわけにいかない。リップサービスだろう」と冷ややかだ。それどころか、日医が課税の旗を降ろした場合、全日病の分裂にもなりかねない状況だというのだ。日医は2019年10月の消費税率10%引き上げに先立ち、診療報酬で損税分を補填する仕組みを維持し、補填に過不足がある場合は、医療機関の申告により解消する税制上の仕組みの創設を国に提言したが、見送られた。日医はその後、診療報酬での対応の精緻化で損税問題は解消されたとコメントしている。ところが、今年6月の日医会長選において中川氏は、損税の原則課税を掲げる全日病の猪口会長を日医副会長候補に擁立。選挙戦で掲げた6項目の政策提言では、損税問題について「課税への転換を含め、ありとあらゆる選択肢を排除せずに議論していきたい」と述べた。そのような動きには、猪口氏擁立に関わる“裏”があったようだ。前出の役員は「接戦となった日医会長選を制するには、それなりの数がいる全日病会員兼日医代議員の票取りが肝要。そのための猪口氏擁立だった」と話す。会長就任後の9月17日の会見において中川氏は、2021年度の医療に関する税制要望を発表した際、「消費税率10%超へのさらなる引き上げに向け、課税取引も視野に入れてあらゆる選択肢を排除せず、引き続き検討する」と改めて明言している。ただし、日医としてはあくまで「課税取引も視野に」と言ったまでで、「課税に転換」したわけではない。日医が今後、課税の旗を降ろした場合、「四病協では猪口批判が高まる」(病院団体役員)と言うのも無理はないだろう。さらに、「猪口氏は誰にも相談せず日医副会長に立候補した。そして実際、副会長に就いた時点で全日病会長を辞任するのが筋だが、辞める様子がない。このことは、全日病の分裂、ひいては会員の大量脱退の芽をはらんでいる」と懸念する。日医会長選は、思わぬ“副産物”を生んでしまったようだ。

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