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日本初の原発性腋窩多汗症治療薬が登場

 2020年11月20日(金)に科研製薬株式会社主催のオンラインプレスセミナーが開催され、東京医科歯科大学皮膚科 主任教授の横関 博雄氏から腋窩多汗症の最新治療について語られた。 横関氏は9月に承認されたソフピロニウム臭化物について、「日本初の原発性腋窩多汗症治療に対する外用薬であり、同疾患で初めて保険適用となった薬剤である。副作用も少なく治療の第1選択として期待できる」と述べた。 従来の薬物療法は効果も限定的で副作用が多く、患者さんのQOL低下につながることもあったが、本薬剤の登場により、治療選択の幅が広がることが期待される。原発性腋窩多汗症の原因とは 原発性腋窩多汗症は、腋窩から温熱や精神的負荷の有無にかかわらず大量の発汗を生じる疾患であり、日常生活へ支障を来し精神的にも苦痛を感じる方が多く存在する。健康な人と比較しても汗腺に個体差はなく、遺伝的要因の関連が示唆されている。これまでの原発性腋窩多汗症治療 原発性腋窩多汗症に対する治療法として、塩化アルミニウム液外用療法、A型ボツリヌス毒素製剤の局注療法、内服療法がある。ところが、塩化アルミニウム液外用療法では刺激皮膚炎、内服療法では全身性抗コリン作用の副作用が懸念されるなど、治療を途中で断念してしまう患者も多く存在した。また、塩化アルミニウム外用液は保険適用がなく、市販薬の購入や院内製剤としての処方となり、保険適用のある外用薬の普及が望まれていた。ソフピロニウム臭化物の登場 ソフピロニウム臭化物ゲル5%は、原発性腋窩多汗症治療薬として初めて保険適用された外用薬で、2020年11月26日に発売された(商品名:エクロックゲル5%)。本剤は、エクリン腺に発現するムスカリン受容体のサブタイプ3(M3)に対して抗コリン作用を有する薬剤である。原発性腋窩多汗症患者を対象とした国内第III相試験では、治療終了時(6週)の多汗症疾患重症度評価尺度(HDSS)が1または2+両腋窩合計発汗重量のベースライン比0.5以下の割合が、ソフピロニウム臭化物5%群で53.9%、0%群で36.4%と統計学的に有意差がみられ有効性が認められた。安全性も全身性の抗コリン作用に関する有害事象は少なく、塗布部位への有害事象も軽度であった。今後の治療アルゴリズムについて 国内第III相試験の結果から、ソフピロニウム臭化物5%は副作用が少なく、保険適用された初めての外用薬として原発性腋窩多汗症の第1選択として期待される。現在の原発性腋窩多汗症における治療アルゴリズムの第1選択は塩化アルミニウム液外用療法となっているが、横関氏は「来年度の日本皮膚科学会にてガイドライン策定委員会を開催し、ソフピロニウム臭化物5%を追加した治療アルゴリズムの改訂について検討する」と述べた。まとめ エクロックゲルは原発性腋窩多汗症に対して、初めて保険適用された外用薬であり、副作用による患者への負担も軽減され長期的な治療継続も期待できる。また、外用薬の普及により原発性腋窩多汗症の認知度も向上することで少しでも疾患の理解につながることを期待したい。

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リキッドバイオプシー検査、ドライバー遺伝子変異では8割の一致率/日本肺学会

 液性検体(血漿や尿など)を検査等に利用する、リキッドバイオプシーの医療現場での普及が急速に進んでいる。がん治療においては、低侵襲で簡便な検査による早期発見や組織採取が難しい部位のがんでの診断等に応用が期待される。 こうした状況を背景に、11月に行われた第61回日本肺学会学術集会では「リキッドバイオプシーの可能性」と題したシンポジウムが開催された。この中で、国立がん研究センター東病院の善家 義貴氏は「リキッドバイオプシーの有効性に関する前向き観察研究(LC-SCRUM-Liquid)」について、最新情報を共有した。 LC-SCRUMは肺がんの遺伝子変異をスクリーニングし、治療薬開発につなげることを目的とした産学連携プロジェクトであり、現在全国200施設が参加し、現在、非小細胞肺がん(NSCLC)患者1万例を組み入れ、進行中だ。この試験の付随研究として実施されたLC-SCRUM-Liquidは、1)現行の組織採取による次世代シークエンス(NGS)遺伝子検査と血中遊離DNA(cfDNA)を用いたNGS解析の肺遺伝子異常の検出精度の比較2)リキッドバイオプシーによる遺伝子検査で特定遺伝子の異常を確認した場合、分子標的治療が有効かどうかという2点の検証を目的とした。 LC-SCRUM-Liquid には39都道府県159施設が参加、患者の組み入れ基準はLC-SCRUMに準じており、主なものは以下の通り。・20歳以上のNSCLC患者・StageIIIまたはIV・手術・放射線療法不適で、化学療法を実施または予定され、2レジメンまでの薬物療法歴・検査用組織を採取した4週以内に血漿(cfCNA)を採取・組織はオンコマイン(OCA v3)、cfCNAはGuardant360を用いて解析、ターゲットとする遺伝子はEGFR/KRAS/BRAF/ERBB2/MET/ALK/ROS1/RETとした。・腫瘍組織はOncomine Comprehensive Assay version 3 (OCA:Thermo Fisher Scientific社) を、cfDNAはGuardant 360(G360:Guardant Health社)を用いて解析した。 主な結果は以下のとおり。・2017年12月~2020年10月に887例が登録され、非適格者等を除いた832例が解析対象となった。・年齢中央値は68(SD:25~91)歳、男性が60%、腺がんが77%、初回治療例が92%だった。・検査受診から結果が返ってくるまでの日数中央値は組織検査が23(8~55)日、cfCNA検査が15(7~27)日だった。・組織検査は主に肺(59%)とリンパ節(22%)から、気管支鏡(69%)による生検で採取された。・遺伝子異常の検出率はEGFR(組織26% vs.cfCNA 24%)、KRAS(14% vs.12%)の順で高く、約半数で何らかのドライバー遺伝子が検出された。・腫瘍組織検査陽性に対し、cfCNA検査も陽性となった一致率を見ると、EGFR:78%、KRAS:76%、BRAF:80%、ERBB2:71%と遺伝子変異は高かったが、MET:57%、ALK:44%、ROS1:8%、RET:54%など融合遺伝子では低かった。・cfDNAのみで陽性となった患者の60%は, 組織検体不良が原因であった。・もっとも多かったEGFR変異陽性例で分子標的治療の効果を見たところ、組織検査のみ陽性(43例)で奏効率(ORR)60%、cfCNA検査のみ陽性(40例)で70%、両方で陽性(36例)で69%と、ほぼ同等の結果だった。 善家氏は「リキッドバイオプシーによるコンパニオン診断は現時点では保険承認されていないが、今回の試験によってその精度を確認できた。今後の承認に向け、一致率が高く、治療薬が存在するEGFR/ALKについてはすでにアンブレラ試験を開始し、RET/ROS1についても12月中に開始予定だ。ただし、融合遺伝子の検出精度については引き続き検討が必要だろう」とまとめた。

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非小細胞肺がん1次治療、3種の二ボルマブ関連併用療法が国内承認/小野・BMS

 小野薬品工業とブリストル・マイヤーズ スクイブは、2020年11月27日、ニボルマブとイピリムマブについて、「切除不能な進行・再発の 非小細胞肺がん」の効能又は効果に対して、以下の併用療法に係る国内製造販売承認事項一部変更承認を取得したと発表。 (1) ニボルマブとイピリムマブとの併用療法 (2) ニボルマブとイピリムマブおよびプラチナダブレット化学療法との併用療法(3) ニボルマブとプラチナダブレット学療法との併用療法 今回の承認は下記の試験結果に基づいたもの。・(1)(3):化学療法歴のない切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん(NSCLC)患者 を対象に、ニボルマブ単剤療法、ニボルマブとイピリムマブの併用療法又はニボルマブとプラチナ製剤を含む2剤化学療法との併用療法をプラチナダブレット化学療法と比較した複数のパ ートで構成された多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験(CheckMate-227試験) ・(2):化学療法歴のない切除不能進行・再発の NSCLC患者を対象に、ニボルマブとイピリムマブの併用療法にプラチナ製剤を含む2剤化学療法(2サイクル)を追加した併用療法を、プラチナダブレット化学療法と比較した多施設国際共同無作為化非盲検第III相臨床試験 (CheckMate -9LA試験)の結果に基づいた承認である。関連記事ニボルマブ・イピリムマブ併用NSCLC1次治療、日本人の結果(CheckMate-227)/日本肺学会2020進行NSCLCの初回治療、ニボルマブ+イピリムマブが有効/NEJMニボルマブ+イピリムマブ+2週間化学療法の肺がん1次治療、アジア人の成績は?(CheckMate9LA)/日本肺学会2020ニボルマブ+イピリムマブ+化学療法限定追加レジメン、肺がん1次治療でOS改善(CheckMate9LA)/ASCO2020

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心筋ミオシン活性化薬、心不全イベント・心血管死リスク低減/NEJM

 駆出率35%以下の症候性慢性心不全患者において、選択的心筋ミオシン活性化薬のomecamtiv mecarbilはプラセボと比較して、心不全・心血管死の複合イベント発生リスクを有意に抑制したことが示された。心血管死リスクのみについては、抑制効果はみられなかった。米国・サンフランシスコ退役軍人医療センターのJohn R. Teerlink氏らGALACTIC-HF研究チームが、8,256例を対象に行った第III相プラセボ対照無作為化比較試験の結果を報告した。omecamtiv mecarbilは、駆出率が低下した心不全患者の心機能を改善することが示されていたが、心血管アウトカムへの影響については確認されていなかった。NEJM誌オンライン版2020年11月13日号掲載の報告。 駆出率35%以下の症候性慢性心不全患者を対象に試験 研究グループは、症候性慢性心不全で駆出率が35%以下の患者(外来・入院)8,256例を対象に試験を行った。被験者を無作為に2群に分け、一方にはomecamtiv mecarbilを(薬物動態学的に用量を決め、25mg、37.5mg、50mgのいずれかを1日2回)、もう一方にはプラセボを、心不全の標準治療に加えそれぞれ投与した。 主要アウトカムは、初回心不全イベント(心不全による入院/救急受診)または心血管死の複合とした。心不全・心血管死発生率、omecamtiv mecarbil群37.0% vs.プラセボ群39.1% 追跡期間中央値21.8ヵ月において、主要複合アウトカムの発生はomecamtiv mecarbil群1,523/4,120例(37.0%)、プラセボ群1,607/4,112例(39.1%)だった(ハザード比[HR]:0.92、95%信頼区間[CI]:0.86~0.99、p=0.03)。 全体で心血管死はomecamtiv mecarbil群808例(19.6%)、プラセボ群798例(19.4%)だった(HR:1.01、95%CI:0.92~1.11、p=0.86)。カンザスシティ心筋症質問票(Kansas City Cardiomyopathy Questionnaire)の症状スコア合計の、ベースラインからの変化についても、両群で有意差はなかった。 ベースラインから24週までの、N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチド値の変化は、omecamtiv mecarbil群がプラセボ群に比べ10%低く、心臓トロポニンI値の中央値は4ng/L高かった。 心虚血および心室性不整脈イベントの発現頻度は、両群で同程度だった。

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高LDL-C値の70歳以上、心筋梗塞・アテローム性心血管疾患リスク増大/Lancet

 非アテローム性心血管疾患・非糖尿病・スタチン非服用で、低比重リポ蛋白(LDL)コレステロールが上昇した70~100歳集団は、心筋梗塞やアテローム性心血管疾患イベントの絶対リスクが最も高いことが、デンマーク・オーフス大学病院のMartin Bodtker Mortensen氏らが行った、同国一般住民を対象とした大規模コホート試験「Copenhagen General Population Study(CGPS)」で明らかにされた。一方で、同70~100歳集団は、同イベントの発症を5年間で1件予防するための必要治療数(NNT)が最も低いことも示された。著者は、「本試験のデータは、増え続ける70~100歳集団の心筋梗塞およびアテローム性心血管疾患の負荷を軽減するために必要な予防戦略にとって重要なものである」と述べている。先行研究では、70歳以上のLDLコレステロール値上昇は同イベント発症リスク増大と関連していないとされていた。Lancet誌2020年11月21日号掲載の報告。アテローム性心血管疾患・糖尿病、スタチン服用のない20~100歳を追跡 研究グループは先行研究の仮説を直近の70~100歳集団で検証するため、2003年11月25日~2015年2月17日に9万1,131例を対象に行われたCGPSの被験者データを解析した。被験者の年齢は20~100歳で、ベースラインでアテローム性心血管疾患や糖尿病がなく、スタチンを服用していない参加者を包含した。LDLコレステロール値は標準的な病院検査法を用いて測定された。 心筋梗塞およびアテローム性心血管疾患についてハザード比(HR)と絶対イベント率を算出し、5年間でイベント1件を予防するためのNNTを推算して評価した。LDL-Cが1.0mmol/L増でMIリスク1.3倍、70歳以上で増幅顕著 被験者9万1,131例は2018年12月7日まで、平均7.7(SD 3.2)年追跡を受けた。その間に1,515例が初回心筋梗塞を、また3,389例がアテローム性心血管疾患を発症した。 心筋梗塞リスクは、LDLコレステロール値が1.0mmol/L上昇するごとに増大することが、全年齢集団において認められた(HR:1.34、95%信頼区間[CI]:1.27~1.41)。同増大の関連は、いずれの年齢群においてもみられ(HRは20~49歳:1.68、50~59歳:1.28、60~69歳:1.29、70~79歳:1.25、80~100歳:1.28)、70~100歳でもリスクの増大はみられた。 アテローム性心血管疾患リスクも、LDLコレステロール値が1.0mmol/L上昇するごとに増大することが、全年齢集団において認められ(HR:1.16、95%CI:1.12~1.21)、70~100歳でもリスクの増大はみられた(HRは70~79歳:1.12、80~100歳:1.16)。 心筋梗塞リスクは、LDLコレステロール値5.0mmol/L以上上昇が3.00mmol/L未満上昇に比べ増大することも認められた。80~100歳のHRは2.99(95%CI:1.71~5.23)、70~79歳では同1.82(1.20~2.77)だった。 LDLコレステロール値の1.0mmol/L上昇ごとの心筋梗塞発症率(件/1,000人年)は、70~100歳群で最大で、年齢が下がるにつれて減少した。心筋梗塞を5年間で1件予防するためのNNTは、全集団が中程度のスタチン療法を受けた場合、70~100歳が最小で(NNTは70~79歳:145、80~100歳:80)、年齢が下がるにつれて増加した(同60~69歳:261、50~59歳:439、20~49歳:1,107)。

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新型コロナ、感染6ヵ月後も抗ウイルス抗体・中和抗体を保有/横浜市立大

 『新型コロナウイルス感染症回復患者専用抗体検査PROJECT』を立ち上げていた横浜市立大学の山中 竹春氏率いる研究グループは、12月2日に行った「新型コロナウイルス感染6ヵ月後における抗ウイルス抗体保有および中和抗体保有調査に関する中間報告」の記者会見で、感染症回復者のほとんどが6ヵ月後も抗ウイルス抗体および中和抗体を保有していることを明らかにした。 日本初の国内最大規模の回復者データに基づく本研究は、COVID-19回復者の一定期間後の追跡調査として『コロナ回復者専用抗体検査PROJECT』で参加者を募集。8~9月に617名の参加希望者が集まり、そのうち10月26日までに採血して検体測定を完了した376例のデータを解析した。今回の中間報告では、抗体保有率のほか、COVID-19回復者のうち酸素投与を要した中等症・重症例のほうが軽症例よりも中和活性が高い傾向であることも示唆された。 これまでの海外の報告では「中和抗体の活性が検出限界以下、もしくは非常に低い感染者がいる」「抗ウイルス抗体が早期に消失する」などと言われているが、今回の結果によれば、感染から中長期後の回復者の体内に中和抗体が確認されれば、そうでない場合に比べて再感染する可能性は低くなる。今後、回復者の1年後の状態が調査されるほか、厚生労働省主導の抗体保有率疫学調査が12月19日から東京都、大阪府、愛知県、福岡県の各3,000人を対象に実施されることから、これらの調査結果の報告が待たれる。

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044)患者さんの口コミが役立つ場面【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第44回 患者さんの口コミが役立つ場面ゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆日々の外来で、市販の化粧品やシャンプーなどをおすすめする機会があります(皮膚科では割と多いかもしれません)。だいたいの製品は、一般的な小売店でも取り扱われているはずですが、「○○薬局にありますか?」「××ドラッグストアにありますか?」とピンポイントで聞かれると、「本当にあるかな…?」と不安になってしまうもの。店に立ち寄る機会があるときには、さりげなくチェックするようにしています。あとは、患者さんが次回受診した際に、「シャンプー買いました? どこで売っていましたか?」と、話の流れで尋ねることも。この件に限りませんが、患者さんとのやりとりで得られる情報も、意外と侮れません。外来が混雑しているとなかなかゆっくり話せないのですが、処置の間などに手を動かしながら、雑談ついでにいろいろな情報収集を試みています。日々、いろいろなことを患者さんから学ばせてもらっているなぁと感じるのでした。それでは、また~!

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ドイツ流のサマリーの作成法【空手家心臓外科医、ドイツ武者修行の旅】第22回

当院では手術に入らないとき、病棟での業務を行うことになります。病棟の回診と共に重大な業務となるのが、「サマリーの作成」です。先日は朝から夕方にかけて、患者12人分の退院サマリーを作成しました。ずっとドイツ語で文章を考えているので、最後の方はずっと頭痛がしていました。ドイツ語の名詞には、男性名詞・女性名詞・中性名詞(例:vater[父/男性名詞]、mutter[母/女性名詞]、kind[子供/中性名詞])があって、それぞれに違った冠詞(der/die/dasなど)がつきます。さらにこれらが、それぞれ4種類の格変化をするし、中には語尾が変化する名詞なんかもあったりして、正式文書を書く際にはかなり頭を悩ませることになります。実際にふだんの会話の中では多少間違えても問題なく意味は通じるんですけどね~。文章にするとなると、きっちりしておかないと格好悪いです。ドイツ流の医療文書の作成法外国籍の医療者が多い当院では、正式な文書はすべて画像にある機械を使って、口述で作成します。この手前の機械に向かってレコーディングをして、元の親機(奥の機器)にはめ込むと、自動的にデータが専門部署に送られます。専門部署では1日中、担当のドイツ語ネイティブのスタッフが文書に打ち込んでくれます。細かい文法の誤りはもちろんのこと、ダサい言い回しをスマートなドイツ語へ意訳・変換してくれたりもします。初めの頃は全部の文章をドイツ語で書いてから読んでいたので、非常に時間がかかっていましたが、最近ではよく使う定型文をスマホのメモ帳に入れておいて、それらを組み合わせていく方法で、ググッと時間が短縮されるようになりました。ある症例のサマリーを作成してみた一番厄介な事例として「術後に一過性の心房細動を発症した患者が、アミオダロン投与して戻った症例」があります。退院時処方に抗凝固をどうするか、アミオダロンをいつまで投与するかは、術者やコンサルトしたときの循環器内科の先生の見解で複雑に変わってきます。「生体弁を使用した症例だから、3ヵ月はワルファリンを投与してください。それで、3ヵ月後までに不整脈の再発がなければ、アスピリンだけ継続して、再発があるようならばNOACに切り替えてください。アミオダロンは最初の1週間は600mg投与で、以降は200mgで。入院中からトータルで投与量が10gに達したら中止してもらって、再度心電図検査を行って、問題があれば循環器専門医に送って評価してもらってください」という文章を、短く切ってグダグダな文章を繋いで繋いで完成させたのですが…機械を通せばプロの文章作成係(“Schreiber”って呼ばれています)がスマートなドイツ語に仕上げてくれるという仕組みです。もちろん完成した文章は早速、スマホのメモに登録しておきました。外国人の医療者が多い病院なので、こういったネイティブのチェックが入るシステムで、上手く対応しています。

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「ブイフェンド」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第28回

第28回 「ブイフェンド」の名称の由来は?販売名ブイフェンド®錠 50mgブイフェンド®錠 200mgブイフェンド®ドライシロップ 2800mgブイフェンド®200mg 静注用一般名(和名[命名法])ボリコナゾール(JAN)効能又は効果下記の重症又は難治性真菌感染症侵襲性アスペルギルス症、肺アスペルギローマ、慢性壊死性肺アスペルギルス症カンジダ血症、食道カンジダ症、カンジダ腹膜炎、気管支・肺カンジダ症クリプトコックス髄膜炎、肺クリプトコックス症フサリウム症スケドスポリウム症造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防___下線は錠剤・ドライシロップのみ用法及び用量ブイフェンド錠50mg・錠200mg・ドライシロップ2800mg:画像を拡大するブイフェンド200mg 静注用:画像を拡大する警告内容とその理由【警 告】(1)本剤による治療にあたっては、感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導のもとで、重症又は難治性の真菌感染症患者を対象に行うこと。(2)重篤な肝障害があらわれることがあるので、投与にあたっては、観察を十分に行い、肝機能検査を定期的に行うこと。異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(3)羞明、霧視、視覚障害等の症状があらわれ、本剤投与中止後も症状が持続することがある。本剤投与中及び投与中止後もこれらの症状が回復するまでは、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないように十分注意すること。禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁 忌(次の患者には投与しないこと)】(1)次の薬剤を投与中の患者:リファンピシン、リファブチン、エファビレンツ、リトナビル、カルバマゼピン、長時間作用型バルビツール酸誘導体、ピモジド、キニジン硫酸塩水和物、イバブラジン塩酸塩、 麦角アルカロイド(エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、エルゴメトリンマレイン酸塩、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩)、トリアゾラム、チカグレロル、アスナプレビル、ロミタピドメシル酸塩、ブロナンセリン、スボレキサント、リバーロキサバン、リオシグアト、アゼルニジピン、オルメサルタンメドキソミル・アゼルニジピン、ベネトクラクス(用量漸増期)(2)本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者(3)妊婦又は妊娠している可能性のある患者※本内容は2020年12月2日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2020年11月改訂(第20版)医薬品インタビューフォーム「ブイフェンド®錠50mg・200mg/200mg静注用/ドライシロップ2800mg」2)Pfizer PROFESSIONALS:製品情報

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第35回 著名病院の整形外科医に巨額リベート、朝日スクープを他紙が追わない理由とは?

病院の整形外科医に売り上げの10%前後をキックバックこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。全国で新型コロナ感染症の患者増が止まりません。病床利用率など、医療体制の逼迫も深刻さを増しそうです。東京都は28日から、酒を提供する飲食店などを対象に営業時間の短縮要請を始めました。というわけで、私も今週末は外出自粛をしようと思ったのですが、9月半ばから苦しんでいる四十肩(肩関節周囲炎)が一向に軽快せず、夜間痛で眠れなくなってきたので、近所の鍼灸院まで行ってきました。「医療記者が鍼かよ…」と言われそうですが、これまで通っていた整形外科医院の院長は「とにかく肩を動かして下さい!」と言って、ロキソニンとケトプロフェンパップを処方するだけで、この2ヵ月半、まったく完治への展望がみえなかったため、止む無くの選択です。それにしても、整形外科の専門医より、鍼灸師のほうが言葉巧みで説明もわかりやすく、完治の期待を持たせる、というのはいささか問題ではないでしょうか。世の中で代替療法がはびこるわけです。と書きながら、私も整形外科に通うのはしばらく止め、鍼治療に専念しようかと思っています。ということで、今回は整形外科医の話題です。11月24日、朝日新聞は米国の医療機器メーカー・グローバスメディカルの日本法人が、同社の機器を購入した病院の医師に対し、売上の10%前後をキックバックしていた、と報じました。朝日新聞の独自ネタであるこの記事は、朝刊一面に大きく掲載されました。慈恵医大や岡山済生会の医師など20数人と報道同記事によれば、キックバック額は昨年1年間で少なくとも20数人に対し、総額1億円超となっており、医師本人ではなく、各医師や親族らが設立した会社に振り込むかたちで行っていた、とのことです。グローバスメディカル日本法人は、背骨や腰の治療で使う脊椎インプラントなどを販売する、整形外科専門の医療機器メーカーです。前身の会社、アルファテック・パシフィックも米国の医療機器メーカー、アルファテック・スパインの日本法人でした。2016年に米国で親会社がグローバスメディカルに買収され、日本でも同年よりグローバスメディカルの日本法人として営業活動を行っています。同法人の関係者の話や内部資料を基にしたという朝日新聞の報道によれば、同法人は、医師本人やその親族らが設立した会社と「販売手数料」を支払う契約を締結。この契約は病院が医療機器を購入するたびに販売額の10%前後を医師側の会社の口座に振り込むという内容で、医師側が昨年1年間で受け取った「手数料」は、1人あたり百十数万円から2千数百万円にものぼった、とのことです。なお、20数人の医師は関東や関西、九州の大規模な民間病院に勤務していたとのことで、同紙の続報では、東京慈恵会医科大学病院や岡山済生会病院などの名前が上がっていました。日本ではリベートは罰せられないさて、有名病院の整形外科医への巨額リベート発覚。朝日新聞がスクープし、続報では病院名も出ており、他紙も後追いするかと思われました。しかし、他紙はほとんど報道していません。いったいなぜでしょうか? 私の個人的な想像ですが、おそらく、リベート供与を罰する法律が日本にはまだ整備されていないため、企業も医師も「何の罪も犯していない」からだと思われます。朝日新聞の報道では、「医療機器会社の利益からもらっているという認識」であると、リベートを認める医師がいる一方で、「アドバイザリー契約の対価」と説明する医師もいたそうです。ただ、医師本人やその親族らにわざわざ会社を作らせてお金を振り込む手法からは、同法人にも医師側にも、なんらかのやましさがあったのは確かでしょう。日本には、過大な景品提供などによる不公正な取引を防ぐため、個々の業界が定めた自主規制ルールである「公正競争規約」があります。同規約は景品表示法第31条に基づくものではありますが、あくまで業界の自主ルールのため、そこに法律違反は発生しません。一方、米国にはリベートを罰する法律があり、受け取った医師も罰せられます。「機器の購入費用は医療費で賄われている」朝日新聞の報道を読んだ他紙の社会部記者が「これ追いましょうか」とデスクに相談したものの、「それ、罪になるの?」と言われ、「いや、日本では罪になりません」と答えたところ、「じゃあ、今はコロナに専念しなさい」とでも指示されたのではないでしょうか。朝日新聞の記者もそこはわかった上で、「機器の購入費用は、公的な財源からなる医療費で賄われている。医師への不当なリベートを日本でも規制することは、治療を受ける患者の立場だけでなく、国民の立場からも必要ではないか」と問題提起するかたちで結んでいます。医療機関は、購入した医療機器や医療器具を保険診療で使用することで診療報酬を得て、採算を取り、利益を得ます。その利益をまた機器購入の代金に回すわけですが、もし機器の価格にリベートが予め含まれているとしたら、それは確かに由々しき問題でしょう。リベートを出せるなら機器の価格をもっと下げろ、特定保険医療材料なら償還価格を下げろ、となるかもしれません。また、リベートをもらっている医師ともらっていない医師が存在するならば、それは機器メーカーによる医師のランク分けということになり、それはそれで、また別の問題が生じそうです。医療機器業公正取引協議会は調査に乗り出す朝日新聞の報道を受け、医療機器の業界団体でつくる医療機器業公正取引協議会は、グローバスメディカルの日本法人の調査に乗り出すことにしたそうです。また、東京慈恵会医科大学病院も調査に乗り出すとのことです。超高齢社会の到来で、整形外科は当面はニーズが高まり続ける診療科です。変形性脊椎症、脊柱側弯症、変形性脊椎症、骨折などの疾患において用いられる脊椎インプラントは、市場規模も大きく、販売競争も厳しいと見られます。医薬品業界よりも医療機器業界のほうが「公正競争規約」などの自主規制ルールやその運用自体が“緩い”とみる専門家もいるようです。今後、同社以外の“不適切事例”もひょっとしたら出てくるかもしれません。

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介護負担軽減のためエチゾラムを開始したが、過鎮静でかえって負担増大したため中止【うまくいく!処方提案プラクティス】第29回

 エチゾラムなどのベンゾジアゼピン系睡眠薬は、75歳以上あるいはフレイルから要介護状態の高齢者においては、過鎮静、認知機能や運動機能の低下、せん妄、転倒骨折のリスクになりうるため、慎重に投与する必要があります。今回の症例では、エチゾラムの服薬開始から中止までの経緯と、看護師と連携したフォローアップについて紹介します。患者情報90歳、男性(施設入居)基礎疾患ラクナ梗塞、アルツハイマー型認知症、高血圧症、脂質異常症、前立腺肥大症、変形性腰椎症、高度房室ブロック(ペースメーカー留置)、慢性心不全介護度要介護4訪問診療の間隔2週間に1回処方内容1.アムロジピン錠5mg 1錠 分1 朝食後2.アスピリン原末0.1g 分1 朝食後3.ジゴキシン錠0.125mg 1錠 分1 朝食後4.ボノプラザン錠10mg 1錠 分1 朝食後5.シロスタゾール錠100mg 1錠 分1 朝食後6.アルファカルシドール錠0.5μg 1錠 分1 朝食後7.タムスロシン錠0.2mg 1錠 分1 夕食後8.プロピベリン錠10mg 1錠 分1 夕食後9.フルボキサミン錠50mg 1錠 分1 夕食後10.フレカイニド錠50mg 2錠 分2 朝夕食後11.エチゾラム錠0.5mg 1錠 分1 夕食後(施設入居後の初診で追加)本症例のポイントこの患者さんは、アルツハイマー型認知症を基礎疾患とし、施設入居当初から入眠困難の状態で、徘徊や日中の活動低下などもありました。入居4日目の初診同行時に、施設看護師から、今後の介護負担増大が懸念されるため睡眠導入薬の処方を検討してほしいという話がありました。認知症患者における睡眠導入薬のエビデンスは乏しいため推奨されていませんが、現時点では施設介護職員の負担が大きいため、一時的な使用は必要と考えました。施設入居からまだ日が浅く、環境変化に慣れていないことが不眠の原因となっている可能性があるため、長期的ではなく短期的な服薬や状況に応じた頓用が適していると考えました。そこで睡眠障害のパターンが入眠障害型であることから、転倒リスクを考慮して筋弛緩作用が弱い低用量ゾルピデムを提案しました。しかし、医師からは施設介護職員が困っているのでしっかり落ち着かせる必要があるため、エチゾラム錠0.5mgを処方するとの回答でした。エチゾラムなどのベンゾジアゼピン系睡眠薬は『高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015』において、75歳以上あるいはフレイルから要介護状態の高齢者では、過鎮静、認知機能や運動機能の低下、せん妄、転倒骨折のリスクになることが指摘されています。この患者さんも当てはまりますので、過鎮静や筋弛緩作用による転倒などのリスクを伝え、経過について看護師と小まめに共有することで話がまとまりました。患者さんは、エチゾラム錠0.5mgの服用2日目には入眠できるようになりました。しかし、服用4日目の朝から座位保持が困難な状況になり、日中のふらつきが強く、転倒の危険性が高まってきました。看護師から移動や食事介助も難しいレベルの傾眠とふらつきがあり、かえって介護負担が増えているという相談があったため、医師に処方中止の提案をすることにしました。処方提案と経過医師に電話で上記の状況を報告し、エチゾラムを一旦中止あるいは減量で経過をみるか、エチゾラムを中止して非ベンゾジアゼピン系薬を頓用にするのはどうか提案しました。医師より、「鎮静も強く転倒リスクがあるのは問題なのでエチゾラムを中止して経過をみたい。薬が抜け切ったところで状況がまた変わるようなら他剤を検討する」という返答があり、即日エチゾラムを中止しました。看護師にも医師とのやりとりを共有し、エチゾラムを中止して鎮静が緩和した後に再度不眠で困るようなことがあれば他剤の提案を検討するので、経過については引き続き情報共有してほしい旨を伝えました。その結果、患者さんはエチゾラムの服薬を中止してから3日目まで傾眠とふらつきはありましたが徐々に改善し、5日目には食事や移動の介助時のふらつきもないほどに改善しました。現在は、活気を取り戻し、睡眠も問題ないことから処方薬の整理を医師と検討しているところです。1)日本老年医学会, 日本医療研究開発機構研究費・高齢者の薬物治療の安全性に関する研究研究班 編. 高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015 改訂第5版. 日本老年医学会;2016.2)臨床神経学. 2014;54.

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統合失調症スペクトラム障害の急性期入院患者に対する心理学的介入~メタ解析

 統合失調症スペクトラム障害患者へ心理的介入を実施するうえで、精神科急性期病棟に入院している期間は重要である。しかし、この期間での心理的介入効果は明らかになっていない。英国・ロンドン大学シティ校のK. Barnicot氏らは、精神科急性期病棟に入院している統合失調症スペクトラム障害患者に対する心理的介入について評価を行うため、メタ解析を実施した。Clinical Psychology Review誌オンライン版2020年10月17日号の報告。 統合失調症スペクトラム障害患者を対象に精神科急性期病棟で実施された心理的介入のランダム化比較試験(RCT)を、Embase、Medline、PsycInfoのデータベースよりシステマティックに検索した。群間における介入後のアウトカムの比較およびフォローアップ時の再発・再入院率を明らかにするため、変量効果メタ解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・29件のRCTをメタ解析に含めた。・心理的介入は、対照群と比較し、介入後の陽性症状、社会的機能、治療コンプライアンスの改善をもたらし、再発・再入院リスクを低下させた。・特定の心理的介入の効果は以下のとおりであった。【重要アウトカムに対する効果】強度80%超 ●心理教育【いくつかのアウトカムに対する効果】強度80%未満 ●アクセプタンス&コミットメントセラピー(ACT) ●認知行動療法(CBT) ●メタ認知療法(MCT) 著者らは「精神科急性期病棟に入院している統合失調症スペクトラム障害患者に対し、心理的介入は有効である可能性がある。しかし、バイアスリスクが高いまたは不明なエビデンスが多く、一部の分析は不十分であった。さらなる研究では、より厳密に設計されたRCTのデータを用いたメタ解析が求められる」としている。

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感染経路が不明なCOVID-19症例は診断が遅れやすい/日本での調査

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者の診断の大きな遅れ(long diagnostic delays:LDD)は、その後の患者隔離の効果が減少する可能性がある。わが国では当初、軽症の場合は発症から4日間待機という基準が示されたことから、茨城県土浦保健所の緒方 剛氏らは、曝露経路が不明なCOVID-19症例ではLDDが大幅に増加したと想定し、COVID-19症例のLDDの割合と曝露経路検出の関連を調査し報告した。International Journal of Environmental Research and Public Health誌オンライン版2020年11月21日号に掲載。 本研究は、2020年3月22日(第12週の終わり)時点で30例を超えるCOVID-19症例が報告された8都道府県から、曝露経路に関するデータを取得できなかった東京と大阪を除外し、北海道、埼玉、千葉、神奈川、愛知、兵庫を対象とした。これらの道県で、症状発現日が2月24日~3月15日(第9~11週)のCOVID-19症例と、PCR検査で確認されたSARS-CoV-2陽性例のうち、無症候性の症例と症状発現日が欠落している症例を除外した。LDDは、症状発現日からPCR検査によるSARS-CoV-2陽性の確認日までの期間が6日以上とした。 主な結果は以下のとおり。・364例のCOVID-19症例のうち、男性が190例(52%)、60歳以上が196例(54%)だった。曝露経路がわかっていた症例(経路既知例)は209例(57%)、曝露経路不明な症例(経路不明例)は118例(32%)、他国からの輸入症例(輸入例)は37例(10%)だった。・COVID-19患者の診断の遅れは平均6.28日(95%CI:5.8~6.8)で、標準偏差(SD)は4.57日(95%CI:4.1~5.0)だった(bootstrap)。・LDDの割合は、全体で51%、経路既知例で38%、経路不明例で65%、輸入例で73%だった。9週目に症状発現した症例と比較したLDDの調整オッズ比は、10週目に発現した症例で0.31(95%CI:0.170~0.58)、11週目に発現した症例で0.17(95%CI:0.090~0.32)だった。・経路既知例と比較したLDDの調整オッズ比は、経路不明例で2.38(95%CI:1.354~4.21)、輸入例で3.51(95%CI:1.418-8.75)だった。調整オッズ比は、愛知県の症例よりほかの5道県の症例で有意に高かった。 著者らは「曝露経路が不明な患者のLDD割合は65%であり、経路既知例よりも有意に高かった。症状発現から早期のPCR検査とPCR検査実施能力の強化が推奨される。また、COVID-19患者数のその後の増加に対するLDDの影響を検討するために、さらなる調査が必要」と結論している。

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約6割が第3波の原因はGo to関係と回答/アイスタット

 冬の到来を迎え新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、いわゆる「第3波」への対応が早急に模索されるとともに、全国的な感染患者、陽性者の増加が懸念されている。 株式会社アイスタット(代表取締役社長 志賀 保夫)は、11月24日に「COVID-19 第3波に関するアンケート調査」を行った。 アンケートは、業界最大規模のモニター数を誇るセルフ型アンケートツール“Freeasy”に登録している会員で20歳~69歳、北海道、東京都、大阪府のいずれかの居住者を対象に調査を実施したもの。 同社では今後も毎月定期的に定点調査を行い、その結果を報告するとしている。調査概要形式:WEBアンケート方式期日:2020年11月24日対象:セルフ型アンケートツール“freeasy”の登録者300人(20歳以上)アンケート結果の概要・新型コロナウィルス感染症拡大が「怖い」と回答した割合を経過月でみると、今回の第3波(11月24日)は76.7%で、第1回(3月20日)の69.7%より上回ったものの、第2回(4月20日)の92.0%、第3回(5月20日)の81.0%より低かった。・第3波が起きたと思う理由1位は、「Go to eatやGo to トラベルキャンペーンの開始」と半数(58.0%)以上が回答した。・第3波防止のために自粛要請や緊急事態宣言を出した方が良いと思う割合は55.7%だった。・新型コロナウィルス感染症の予防対策を「実施している」と回答した割合を経過月でみると、今回の第3波(11月24日)は79.7%で、第1回(3月20日)の58.7%より上回ったものの、緊急事態宣言中の第2回(4月20日)の84.7%、第3回(5月20日)の83.0%より低い結果だった。アンケート結果の詳細 「COVID-19の第3波についてどう思うか」という質問(11月24日時点)では、「非常に怖い」が39.7%で最も多く、「非常に怖い」「やや怖い」を足し合わせた「怖い」の割合でみると76.7%で、約8割に近い回答者が「怖い」と思っていることがわかった。属性別でみると「非常に怖い」を回答した割合は「60代・女性・既婚・北海道」で最も多い結果となった。 「COVID-19が拡大し始めた(第3波到来)と思う理由」という質問では、「Go to eatやGo to トラベルキャンペーンの開始」が58.0%で最も多く、次に「空気が乾燥する季節になってきたから」が57.3%、「気候が寒くなってきたから」が49.3%と続いた。「COVID-19(第3波)防止のために、国や自治体が警戒レベルをあげ、自粛要請や緊急事態宣言を出した方が良い思うか」という質問では、「出した方が良いと思う」が34.7%で最も多く、「すぐに出した方が良いと思う」「出した方が良いと思う」を足し合わせた「出した方が良い」の割合でみると55.7%を示し、過半数を越えた。 「COVID-19拡大の収束は、いつぐらいだと思うか」という質問では、「2022年以降」が46.0%で最も多く、約5割弱の人が1年以上は現在の状況が続くという結果だった。 「COVID-19の予防対策を実施しているか」を5段階評価で聞いたところ、「やや対策を実施している」が41.7%で、最も多い結果だった。また、「きちんと実施」「やや実施」を足し合わせた「実施」の割合は79.7%を示し、過半数を超える人が何らかの予防対策を実施していた。 「具体的にCOVID-19の予防対策」としては、「手洗い」が87.7%で最も多く、次に「マスク着用」が86.3%、「アルコール・エタノール消毒の利用」が70.0%と続いた。 「現在のCOVID-19の予防対策の意識は、緊急事態宣言のときと比べてどうか」を5段階評価で聞いたところ、「きちんと予防対策」「やや予防対策」が共に36.0%で、最も多く、「きちんと予防対策」「やや予防対策」を足し合わせた「対策している」の割合は72.0%で、約7割は緊急事態宣言のときと変わらず、意識して予防対策をしている結果だった。 「仮にPCR検査を受けたとき、免疫(陽性)があると思うか」という質問では、「わからない」が49.7%と最も多く、「ないと思う」が39.3%と続いた。

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PCI後の心筋壊死抑制、チカグレロルvs.クロピドグレル/Lancet

 待機的経皮的冠動脈インターベンション(PCI)後の周術期心筋壊死の減少において、チカグレロルのクロピドグレルに対する優越性は示されなかった。また、大出血は増大しなかったが、30日時点での小出血の発生頻度はチカグレロル群で高かった。フランス・ソルボンヌ大学のJohanne Silvain氏らによる第IIIb相非盲検無作為化試験「ALPHEUS試験」の結果で、著者は、「本結果は待機的PCIの標準治療としてクロピドグレルの使用を支持するものであった」とまとめている。PCIに関連した心筋壊死の頻度は高く、患者の長期予後に影響をもたらす。研究グループは、これまで待機的PCIにおけるチカグレロル投与の評価は行われていないが、クロピドグレルよりも周術期虚血性合併症を低減する可能性があり、最近では治療に推奨されているとして、チカグレロルのクロピドグレルに対する優越性を検証した。Lancet誌オンライン版2020年11月14日号掲載の報告。フランスとチェコの49病院で無作為化試験 ALPHEUS試験は、フランスとチェコの49病院で行われた。安定性冠動脈疾患を有し、PCI適応で、1つ以上の高リスクの特性を有する患者を、1対1の割合で無作為に2群に割り付け、一方にはチカグレロル(負荷投与量180mg、その後は1日2回90mgを30日間)を、もう一方にはクロピドグレル(負荷投与量300~600mg、その後は1日75mgを30日間)を投与した。割り付けはウェブ・レスポンスシステムを用いて行い、試験施設で層別化も行った。 主要アウトカムは、PCI関連のタイプ4(aまたはb)心筋梗塞または重大心筋傷害の複合であり、主要安全性アウトカムは大出血であった。いずれもPCI後48時間以内(または同時間内の退院時)に評価した。主要解析は、intention-to-treat(ITT)集団に発生したすべてのイベントをベースとして行われた。標準治療はクロピドグレルの使用を支持する結果に 2017年1月9日~2020年5月28日に、49病院で1,910例が無作為化を受けた(チカグレロル群956例、クロピドグレル群954例)。チカグレロル群の15例(非PCIが13例、同意撤回2例)、クロピドグレル群の12例(非PCIが9例、同意撤回2例、無作為化2回目1例)が除外され、ITT集団はチカグレロル群941例、クロピドグレル群942例であった。 48時間時点で観察された主要アウトカムは、チカグレロル群334/941例(35%)、クロピドグレル群341/942例(36%)であった(オッズ比[OR]:0.97、95%信頼区間[CI]:0.80~1.17、p=0.75)。 主要安全性アウトカムの発生は、両群で差はなかった。48時間時点の大出血(BARC 3または5)は、チカグレロル群1/941例(<1%)vs.クロピドグレル群なし(p=0.50)、30日時点は同5/941例(1%)vs.2/942例(<1%)であった(OR:2.51[95%CI:0.49~13.0]、p=0.29)。しかしながら、30日時点で評価した小出血イベントの頻度が、クロピドグレル群(71/942例[8%])よりもチカグレロル群(105/941例[11%])で高率だった(OR:1.54、95%CI:1.12~2.11、p=0.0070)。

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SGLT2阻害薬フォシーガ、日本で慢性心不全の承認取得/AZ・小野

 選択的SGLT2阻害薬フォシーガ(一般名:ダパグリフロジンプロピレングリコール水和物)について、標準治療を受けている慢性心不全に対する追加承認を、2020年11月27日に取得したことをアストラゼネカと小野薬品工業が発表した。慢性心不全治療薬として国内で最初に承認されたSGLT2阻害剤となる。本承認は、2型糖尿病合併の有無にかかわらず、左室駆出率が低下した慢性心不全(HFrEF)を対象とした第III相DAPA-HF試験の結果に基づく。添付文書の「効能又は効果に関連する注意」には、左室駆出率が保たれた慢性心不全(HFpEF)における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、HFrEFに投与する旨、記載されている。フォシーガは心血管死および心不全悪化リスクを低下、HFpEF患者については検証中 フォシーガは、心血管死または心不全による入院を含む心不全の悪化による複合リスクを統計学的に有意に低下させた、初めてのSGLT2阻害薬である。第III相DAPA-HF試験において、標準治療との併用で主要複合評価項目をプラセボと比べて26%低下させた。また、主要複合評価項目の構成項目である心血管死および心不全の悪化の両方において、全体的にリスクを低下させた。試験期間中、フォシーガ投与群では患者21例ごとに1件の心血管死、心不全による入院、または静脈注射による心不全治療につながる緊急受診を回避した。また、本試験における安全性プロファイルは、これまでの安全性プロファイルと一致していた。 DAPA-HF試験は、フォシーガの心血管および腎に対する効果を評価する“DapaCare”という臨床プログラムの一部で、腎については第III相DAPA-CKD試験において慢性腎臓病患者の治療を検証している。さらに、第III相DELIVER試験においてHFpEF患者の治療についても検証中であり、2021年後半に結果が出ると見込んでいる。フォシーガ添付文書に追加記載された内容■効能又は効果慢性心不全ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。■効能又は効果に関連する注意左室駆出率が保たれた慢性心不全における本薬の有効性及び安全性は確立していないため、左室駆出率の低下した慢性心不全患者に投与すること。「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療、左室駆出率等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること。

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第33回 日医・中川会長「社会保障のやさしさがない」75歳以上の患者負担、議論保留

<先週の動き>1.日医・中川会長「社会保障のやさしさがない」75歳以上の患者負担、議論保留2.地域医療構想、一人当たり医療費の地域差半減を/経済財政諮問会議3.年末年始に連絡可能な新型コロナ相談窓口の公表などを都道府県に要請/厚労省4.常勤医師の不在、秋田の介護老人保健施設の開設取り消し5.生殖補助医療の民法特例法案が成立、提供卵子でも産んだ母親と親子に6.外来機能報告制度、医療計画の見直しで2022年から開始1.日医・中川会長「社会保障のやさしさがない」75歳以上の患者負担、議論保留12月2日、「第15回 国民医療推進協議会総会」がテレビ会議システムにて開催され、後期高齢者の患者負担割合2割への引き上げについて、「慎重に対応するよう、強く要望する」との決議文が採択された。この日の総会には、日本医師会、日本歯科医師会、日本薬剤師会など41団体が参加した。日医・中川会長は「このような時期に後期高齢者の患者負担割合を1割から倍にするという議論事態が社会保障としてのやさしさをまったく感じられない」と強調した。これにより、12月4日に開催される予定であった全世代型社会保障検討会議が取りやめになった。政府が求める年収170万円以上の人を対象とする方針に対し、公明党は年金生活者である高齢者にとっては負担が大き過ぎるとして、年収240万円以上とするよう求めていた。政府は今週明けに、「全世代型社会保障検討会議」を開いて結論を出す予定だが、来年は引き上げの対象範囲や実施時期などで、さらに議論が重ねられる見込み。(参考)国民医療推進協議会 後期高齢者の患者負担割合で決議「慎重に対応を」(ミクスonline)75歳以上の医療費2割負担 対象範囲めぐり調整難航(NHK)2.地域医療構想、一人当たり医療費の地域差半減を/経済財政諮問会議政府は4日、「経済財政諮問会議」を開催した。社会保障について、経済・財政一体改革の推進により、一人当たり医療・介護費の地域差縮減を求める資料が提示された。地域医療構想の実現には、後発医薬品の使用割合の上昇などを必須目標として医療費適正化計画が盛り込まれ、目標達成のために都道府県へのインセンティブ強化、毎年度の医療費見込みの改訂、保険者協議会の役割強化などを求めている。田村厚生労働大臣からは、2024年度からの第4期医療費適正化計画に向け、都道府県の意見を聞きながら、国と地方が連携し医療費の適正化のために取り組む事項や効果的なPDCA管理ができる新たな仕組みなどについて検討を行い、医療等データの利活用、介護ロボット、ICTなどの活用推進を通して、医療・福祉サービスの生産性向上などを検討することが発表された。2022年度以降の後期高齢者の増加による社会保障費の急増対策として、今後もさまざまな政策立案が進むだろう。(参考)諮問会議 医療費の地域間格差是正はデータの可視化から 医療費適正化計画に後発品使用割合など明示(ミクスonline)令和2年 第18回 経済財政諮問会議 議事次第・資料(内閣府)3.年末年始に連絡可能な新型コロナ相談窓口の公表などを都道府県に要請/厚労省厚生労働省は2日に、新型コロナウイルス感染症対策推進本部などから各都道府県ならびに保健所設置市に対して、年末年始は例年の対応以外に、発熱患者などへの診療・検査を担う医療機関や救急・入院患者の受け入れ医療機関について、十分な医療提供体制を整備できるよう、各地の医療機関や医師会などと事前に調整を行っておくことを求める事務連絡を発出した。年末年始の受診、電話相談、受診調整に対応可能な医療機関を事前に調整のうえ、確保しておくこと。また、発熱患者等が円滑に相談できるよう、年末年始に連絡可能な相談窓口などの公表を行うことを要請している。発熱患者などが医療機関を受診した場合の流れについては、2020年10月16日付けの事務連絡も参考にするように求めている。(参考)年末年始に向けた医療提供体制の確保に関する対応について(令和2年12月2日 事務連絡)(厚労省)次のインフルエンザ流行に備えた発熱患者等が医療機関を受診した場合の流れについて(令和2年10月16日 事務連絡)(同)4.常勤医師の不在、秋田の介護老人保健施設の開設取り消し3日、秋田県は、介護老人保健施設「男鹿の郷」が、2億4,000万円の介護報酬を不正受給していたため、施設の開設許可を取り消した。処分を受けた施設は、介護保険法により老健施設で定められる常勤医師の勤務時間(1週間当たり32時間以上)に従わず、2018年2月から今年6月まで、医師の勤務時間が十数時間と短時間であったにもかかわらず、常勤と偽って請求し、不正受給を受けていた。(参考)介護報酬2億4千万円を不正受給 男鹿の老人保健施設(秋田魁新報)5.生殖補助医療の民法特例法案が成立、提供卵子でも産んだ母親と親子に第三者から精子や卵子の提供を受けて、生殖補助医療によって子供を授かった場合の親子関係を定める民法特例法案が4日、衆院本会議で可決・成立した。生殖補助医療によって、親子関係が不安定にならないよう法律で定めるのが狙いで、議論を重ねてきた。法案成立により、卵子提供では産んだ女性が母、精子提供では夫が父となる。親子関係部分の施行は公布から1年後から。なお、生まれた子が自分の出自を知る権利や、代理母出産をめぐる規制については、今後おおむね2年をめどに必要な法制上の措置を講じるとされた。海外で認められている生殖補助医療の対象の範囲に同性パートナーや独身女性を含むのかなど、今回の法案には含まれなかった論点についてはさらに議論が必要となる。(参考)社説:生殖医療法成立 ルール整備の出発点にしたい(読売新聞)生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律案(衆議院)6.外来機能報告制度、医療計画の見直しで2022年から開始3日に開催された「医療計画の見直し等に関する検討会」で、外来機能報告制度について「外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等に関する報告書」が取りまとめられ、2022年度から開始されることが承認された。現在、各医療機関について医療機能情報提供制度もあるが、患者側から見ると、外来医療の機能についての情報が十分に得られにくいこと、再診患者の逆紹介が十分に進んでいないことなどがある。一部の医療機関の外来患者が多くなることによる、患者の待ち時間や勤務医の外来負担などの課題を解消するため、地域での協議で各医療機関が「手上げ」して、「医療資源を重点的に活用する外来を地域で基幹的に担う医療機関」を明確化することになった。対象となる医療資源を重点的に活用する外来としては(1)医療資源を重点的に活用する入院の前後の外来(2)高額等の医療機器・設備を必要とする外来(3)特定の領域に特化した機能を有する外来(紹介患者に対する外来等)が想定されている。病床機能報告と同様に、外来機能報告制度にも診療レセプト情報や特定健診等情報データベース(NDB)を活用して、国から各医療機関に対して、当該医療機関の「医療資源を重点的に活用する外来」に関する実施状況のデータを提供することになっている。今回の報告書は、次回の社会保障審議会医療部会に報告され、医療法等の改正となる見込み。(参考)外来機能の明確化・連携、かかりつけ医機能の強化等に関する報告書(厚労省)第24回 医療計画の見直し等に関する検討会(同)

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高齢者でも積極的なコレステロール低下治療が有用だが個別的治療は常に念頭に置くべき(解説:桑島巌氏)-1323

 本論文は24の大規模臨床試験における75歳以上の高齢者2万1,492例について、コレステロール治療と心血管合併症リスク低下との関連をメタ解析した成績である。結果から言うと、75歳以上の高齢者でも若・中年者同様にコレステロール値は下げたほうが心筋梗塞、脳卒中などの心血管イベントリスクは有意に低下するという結果であった。 LDLコレステロール値を1mmol/L(38.67mg/dL)下げると心血管イベント低下率は26%で75歳未満の低下率15%と差がないという結果は、高齢者でもコレステロールの高い症例では心血管イベントは抑制できることを明瞭に示した。 このメタ解析は心血管リスクを有している高コレステロール例を下げることのメリットを実証したものであり、一般住民での追跡研究のメタ解析ではない。したがって、一般住民でのコレステロール値が低いほうが生命予後がよいか否かとの論争とは論点が異なる。 メタ解析の課題の1つである臨床試験の選択における恣意性に関しては、Cholesterol Treatment Trialist’s Collaboration(CTTC)の24試験も含んでおり問題がないと思われる。 メタ解析の避けられない短所として注意すべき点である患者背景の非均一性に関しては、多様性を特徴とする高齢者対象であるだけに、本研究の結果をそのまま臨床の場における高齢者の治療に当てはめるわけにはいかない。本メタ解析に含まれている臨床研究では、フレイルや認知機能障害、腎機能障害例の多くは除外されていることは念頭に置くべきである。また、有効性を検証するメタ解析では、有害事象や安全性に関する情報が希薄になりがちであることにも注意が必要である。 高齢者におけるリスクのある高コレステロール血症に対しても若・中年者同様に、厳格なコレステロール管理が重要であることを念頭に置きつつ、安全性を考慮しながら個別的な治療を心掛ける必要がある。

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生活改善にサポートが必要な患者さん【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第39回

■外来NGワード「意思を強く持ちなさい!」(長くは続かない)「ご家族の言うことに従いなさい!」(本人の気持ちを尋ねず)「きちんとしないと合併症が出ますよ!」(医学的脅し)■解説 誰の助けも必要とせず、意思を強く持って一人で頑張る患者さんがいる一方で、家族や知人のサポートが必要な患者さんもいます。こういった社会的サポートについて、ハウス(J.S.House)は4つの分類を提唱しています。金銭面の援助や車による送迎など、直接的に力を貸すのは『道具的サポート』、知識や情報を「こんな運動をしたらいいよ!」「近くのフィットネスジムに行ってみれば?」などと提供するのは『情報的サポート』といいます。また、「頑張っているね!」と励ましたり、愚痴を聞いたりして相談に乗るのは『情緒的サポート』、食事や運動、服薬がうまくいっているかどうかの確認は『評価的サポート』といいます。これらの社会的サポートを必要としているにもかかわらず、うまく得られていない患者さんには、サポーター向けの文書(手紙)を作るという手があります。 たとえば、「一緒に運動しませんか?」「お菓子は週1回までがいいですね?」など、自分にできることについての問い掛けや、「頑張っているわね。応援しています」など、励ましの声掛けをお願いします。逆に、「ダイエットしているのにあまり変わらないわね」「私は普通に食べるけど」などと言って、モチベーションを下げるような言動には気を付けていただけると助かります。などの内容が有効です。 ■患者さんとの会話でロールプレイ医師調子はいかがですか?患者頑張っていますが、なかなか一人では難しいですね。医師どなたか、身近で○○さんをサポートしてくれる人はいませんか?患者うーん、旦那と娘ですかね。医師そうですか。では、お二人に対して思うことはありますか?患者娘は甘いものをよく買ってくるので、つい食べてしまうんですよね。医師なるほど。お母さんの分まで買って来るんですね。旦那さんは?患者少し痩せたのに「あまり変わらないな」ですって…。医師それでは、今の気持ちを基にして、旦那さんと娘さんにお手紙を書いておきますね。患者本当ですか。ありがとうございます。(うれしそうな顔)■医師へのお勧めの言葉「○○さんをサポートしてくれる人はいますか?」(サポーターの確認)「サポーターさんへのお願いのお手紙を作っておきますね」(サポートの内容、やる気が出る声掛けとNGワードを記載)Williams DR, House JS. WHO Reg Publ Eur Ser. 1991;37:147-172.

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1日1回の経口服用で腎性貧血を治療する「バフセオ錠150mg/300mg」【下平博士のDIノート】第63回

1日1回の経口服用で腎性貧血を治療する「バフセオ錠150mg/300mg」今回は、低酸素誘導因子プロリン水酸化酵素(HIF-PH)阻害薬「バダデュスタット錠(商品名:バフセオ錠150mg/300mg、製造販売元:田辺三菱製薬)」を紹介します。本剤は、保存期・透析期にかかわらず、1日1回の経口服用で腎性貧血を改善し、患者さんのQOLやアドヒアランスの向上が期待されています。<効能・効果>本剤は、腎性貧血の適応で、2020年6月29日に承認され、2020年8月26日より発売されています。<用法・用量>通常、成人にはバダデュスタットとして1回300mgを開始用量とし、1日1回経口投与します。以後は、患者の状態に応じて最高用量1日1回600mgを超えない範囲で適宜増減します。増量する場合は、150mg単位を4週間以上の間隔を空けて行います。休薬した場合は、1段階低い用量で投与を再開します。なお、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)で未治療の場合、本剤投与開始の目安は、保存期の慢性腎臓病(CKD)患者および腹膜透析患者ではヘモグロビン濃度で11g/dL未満、血液透析患者ではヘモグロビン濃度で10g/dL未満とされています。<安全性>CKD患者を対象とした国内全臨床試験において、副作用(臨床検査値異常を含む)は、総症例数481例中61例(12.7%)に認められました。主な副作用は、下痢19例(4.0%)、悪心8例(1.7%)、高血圧7例(1.5%)、腹部不快感、嘔吐各4例(0.8%)でした(承認時)。なお、重大な副作用として、血栓塞栓症(4.2%)、肝機能障害(頻度不明)が現れることがあります。本剤の投与開始前に血栓塞栓症のリスクを評価し、本剤投与中も血栓塞栓症が疑われる徴候や症状を確認する必要があります。<相互作用>本剤はOAT1およびOAT3の基質であり、BCRPおよびOAT3に対して阻害作用を有します。したがって、BCRPの基質となる薬剤(ロスバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、サラゾスルファピリジンなど)、OAT3の基質となる薬剤(フロセミド、メトトレキサートなど)との相互作用には注意が必要です。また、多価陽イオンを含有する経口薬(カルシウム、鉄、マグネシウム、アルミニウムなどを含む製剤)と併用した場合にキレートを形成し、本剤の作用が減弱する恐れがあるため、併用する場合は本剤の服用前後2時間以上を空けて投与します。<患者さんへの指導例>1.この薬は、赤血球のもとになる細胞を刺激し血液中の赤血球を増やすことで、貧血を改善します。2.吐き気、嘔吐、手足の麻痺、しびれ、脱力、激しい頭痛、胸の痛み、息切れ、呼吸困難などが現れた場合は、すぐに医師に連絡してください。3.この薬には飲み合わせに注意が必要な薬があります。新たに薬やサプリメントを使用する場合は、必ず医師または薬剤師に本剤の服用を伝えてください。<Shimo's eyes>腎性貧血は、腎機能の低下に伴いエリスロポエチン(EPO)の産生が減少することによって生じる貧血です。これまで、腎性貧血の治療にはEPOの補給を行うために、ダルベポエチンアルファ(商品名:ネスプ)やエポエチンベータペゴル(同:ミルセラ)などのESAが投与されてきました。これらの製剤は注射薬ですが、近年は内服薬であるHIF-PH阻害薬が開発され、患者さんの負担を軽減し、QOLが維持されやすくなりました。HIF-PH阻害薬は、低酸素応答機構がEPO産生を調節することを利用した、まったく新しい機序の腎性貧血治療薬であり、その機構解明の功績により、William G. Kaelin Jr.、Sir Peter J. Ratcliffe、Gregg L. Semenzaが2019年ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。2020年11月時点でロキサデュスタット錠(同:エベレンゾ)、ダプロデュスタット錠(同:ダーブロック)、エナロデュスタット錠(同:エナロイ)、そして本剤の4種類が発売されています。それぞれ適応、服用回数、腎機能などによる投与量、増量段階の回数や間隔、食事の影響などに違いがあります。本剤は食事の影響が比較的少なく、どのタイミングでも服用できます。また、CKD保存期でも透析期でも同じ投与量であり、腎機能によって投与量が異なることもありません。調節範囲も4段階と比較的少なくなっています。腎性貧血患者は、リン吸着剤などの併用により服用時点が多くなりがちなので、シンプルな服用方法はアドヒアランスの向上に役立つと考えられます。HIF-PH阻害薬の登場によって、腎性貧血治療が薬局薬剤師にとって身近なものになります。日本腎臓学会から「HIF-PH阻害薬適正使用に関するrecommendation」が公表されていますので、一度目を通しておくとよいでしょう。参考1)PMDA 添付文書 バフセオ錠150mg/バフセオ錠300mg2)日本腎臓学会 HIF-PH 阻害薬適正使用に関するrecommendation

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