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多発性硬化症の病態に関わる免疫細胞の新知見

 2021年2月17日、ノバルティス ファーマは、『MS病態への関与が示唆される「B細胞」とは? ~免疫の仕組みとMS治療の課題~』と題するメディアセミナーを開催した。 多発性硬化症(以下、MS)は自己免疫疾患の1つとして知られている。国内の推定患者数は約1万5千人以上と考えられており、女性の患者数が男性の約2.9倍といわれている。平均発症年齢は30歳前後、発症のピークは20代であり、就職や出産、育児などのライフイベントが多い時期と重なるため、社会への影響が大きい疾患であると考えられる。 本セミナーでは、野原 千洋子氏(東京都保健医療公社荏原病院 神経内科 部長)が、近年MS病態に直接関与していると注目されている「B細胞」にフォーカスしながら、MSと免疫の仕組みについて講演を行った。周囲から理解されにくい症状に悩まされる MSは、中枢神経における神経細胞の軸索を覆うように存在しているミエリンが破壊され、「脱髄」と呼ばれる病変が多発する疾患である。ミエリンは、動作や感覚などの情報が神経を通じてスムーズに伝達されるように助ける役割を持つ。脱髄が起こると、中枢神経における情報伝達に障害が生じ、さまざまな症状を引き起こしてしまう。 MSでは、脱髄の起こった部位によって異なる症状が現れる。歩行障害や運動障害といった周囲から見てもわかりやすい症状がある一方で、視野障害や感覚障害、認知機能障害、排尿・排便障害といった周りから見えづらい症状が起こる場合もある。野原氏は、「MSは周囲から理解されにくい症状が多く、早期の診断、治療が重要である」と指摘した。T細胞だけではない? MS病態へのB細胞の関与 MSの発症原因の詳細はいまだ不明であるが、獲得免疫であるT細胞/B細胞の免疫寛容の破綻が原因とされている。従来、MSはT細胞が主に関わる自己免疫疾患のモデルであるといわれていた。しかし、近年MSの発症前から進行期へと至る一連のステージにおいて、B細胞による病態への関与も示唆されるようになったという。 MSの発症においては、ヘルパーT細胞は二次リンパ組織内で抗原提示細胞により活性化された後、Th1細胞やTh17細胞として血液脳関門を通過する。そうして中枢神経系に侵入したTh1細胞やTh17細胞は、炎症性サイトカインを産生し、マクロファージやキラーT細胞を活性化させる。その結果、神経が傷害され脱髄を引き起こす、という発症メカニズムが考えられていた。 しかし、このメカニズムの中で、T細胞のTh1細胞やTh2細胞への分化、炎症性サイトカインの産生を介したT細胞の活性化、Th1細胞の自己増殖の促進にB細胞が寄与していることが明らかになった。さらに、こうしたB細胞とT細胞の相互作用に加えて、B細胞が中枢神経系において単独で自己抗体を産生し、脱髄を引き起こすことも明らかになったという。 実際にMSの発症や再発において、B細胞の自己抗体産生を反映したオリゴクローナルバンドの検出率が上昇したとされる報告や、B細胞の活性化マーカーであるCXCL13(ケモカインの一種)の髄液中での濃度上昇が認められた報告もあるという。さらに、二次進行型MS患者においてはB細胞のリンパ濾胞様構造が認められたという報告もあり、野原氏は「MSの臨床経過の一連のステージにおいて、B細胞は大きな役割を担っている」と語った。B細胞をターゲットにした治療への期待 B細胞がMSの病態に関わるのであれば、当然B細胞が治療のターゲットとして考えられる。実際にB細胞除去療法を行った結果では、T細胞の異常な活性化を抑えることで、IL-17やIFN-γといったMS病態を進行させるサイトカインの産生が抑制されるという。野原氏は「MSの病態にはB細胞が深く関与していることが明らかになってきており、海外ではB細胞をターゲットにした治療薬の承認も得られている。今後、B細胞に関わるさらなる知見が得られることに期待したい」と締めくくった。

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コロナ禍の中で花粉症診療へ行くべきか/アイスタット

 花粉症の季節が到来した。街中ではマスクだけでなく、花粉防止のゴーグルをかけた人を見かけるようになった。新型コロナウイルス感染症が収束をみせない中、慢性疾患や花粉症に代表される季節性疾患の診療に例年とは異なる動きはあるのであろうか。 株式会社アイスタット(代表取締役社長:志賀 保夫)は、2月25日に花粉症の理由で病医院を受診する人の割合、傾向を知る目的として、花粉症に関するアンケート調査を行い、その結果を発表した。 アンケートは、業界最大規模のモニター数を誇るセルフ型アンケートツール“Freeasy”の会員で20~69歳、東京・神奈川・千葉・埼玉に在住の300人を対象に実施した。同社では今後も毎月定期的に定点調査を行い、その結果を報告するとしている。調査概要形式:WEBアンケート方式期日:2021年2月19日対象:セルフ型アンケートツール“Freeasy”の登録者300人(20~69歳)で東京・神奈川・千葉・埼玉在住者アンケート結果の概要・花粉症が「現在ない」と回答した割合は46.3%、花粉症歴が「長い」は26.0%、「中間」は16.0%、「短い」は11.7%・花粉症歴が「長い」と回答した人ほど、医療機関を「毎年、受診している」が多い結果に・花粉症の強さが「軽症」と回答した人は、医療機関を「1度も受診したことがない」が最多に。「中等症」「重症」と回答した人は、医療機関を「毎年、受診している」が最多に・花粉症の三大症状の「鼻水」「目のかゆみ・痛み・涙」「くしゃみ」は70%以上に・花粉症の症状で「鼻水」を回答した人は、医療機関を「1度も受診したことがない」が最多に・コロナ禍により、花粉症の症状で病医院の受診を控えるかは、「そう思う」42.9%が「そう思わない」24.8%を上回ったアンケート結果の概要 「花粉症と自覚した時期」について聞いたところ、「現在、花粉症でない」が46.3%で最多であり、次に「長い」(約15年超)が26.0%、「中間」(約5~15年)が16.0%、「短い」(最近~5年以内)が11.7%だった。※以下は「花粉症歴があると回答した161人」の回答 「花粉症の症状」を聞いたところ、「鼻水」、「目のかゆみ・痛み・涙」がともに77.0%で最も多く、次に「くしゃみ」が73.9%、「鼻づまり」が56.5%、「だるい、ボーっとする」が26.1%と多かった。 「花粉症の強さを自身の判断」で聞いたところ、「軽症」が47.2%で最も多く、次に「中等症」が42.2%、「重症」が8.1%だった。 「花粉症対策として病医院の処方箋・市販薬も含め服用・使用している薬」について聞いたところ、「飲み薬(1種類)」が42.9%と最も多く、次に「点眼薬」が32.9%、点鼻薬が21.1%と上位を占めた。その一方で、「薬を服用、使用していない」が29.2%いた。薬に頼らずに我慢する患者の存在もうかがわれた。 「花粉症の理由で病院に受診したことがあるか」を聞いたところ、「1度も受診したことがない」が45.3%で最も多く、「その年の症状により受診」が32.3%、「毎年、受診している」が22.4%だった。花粉症軽度の割合が多いことから医療機関へ受診につながらないことが推定された。 「今シーズン(2021年春季)、花粉症の治療のために病院を受診するか」を聞いたところ、「受診する予定はない」が70.2%と最多で、「受診する予定」が18.0%、「すでに受診した」が11.8%だった。花粉症診療へ消極的な動きが判明した。 「昨今のコロナ禍により病医院へ受診することを控えようと思うか」を聞いたところ、「非常に」「やや」を足し合わせた「そう思う」が42.9%、「どちらともいえない」が32.3%、「あまり思わない」「まったく思わない」を足し合わせた「そう思わない」の24.8%と診療を控える傾向がうかがわれた。 「花粉症で病医院を受診する決め手」を聞いたところ、「病医院で処方される薬の方がドラッグストアなどの市販薬より、効果があるから」が34.2%で最も多く、次に「病医院で処置・治療してもらうと効き目があるから」が26.7%、「病医院を受診することで安心感を得たいから」が19.9%と上位を占めた。受診の決め手となる動機では、医療機関から処方される治療薬への期待がうかがわれた。

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ペムブロリズマブ+化学療法の食道がん1次治療、日本人の結果(KEYNOTE-590)/日本臨床腫瘍学会

 切除不能な局所進行または転移のある食道腺がん、食道扁平上皮がん、Siewert I型食道胃接合部腺がん患者に対する1次治療として化学療法とペムブロリズマブの併用療法と化学療法を比較する無作為化二重盲検第III相KEYNOTE-590試験の日本人集団における結果を第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO VIrtual2021)で、埼玉県立がんセンターの原 浩樹氏が発表した。・対象:未治療の転移を有する食道腺がん・扁平上皮がん、食道胃接合部Siewert Type1腺がん患者(PS 0~1)・試験群:ペムブロリズマブ+化学療法(シスプラチン+5-FU)3週ごと最大35サイクル(ペムブロリズマブ+化学療法群、373例)・対照群:化学療法(同上)(化学療法群、376例)・評価項目:[主要評価項目]無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)[副次評価項目]客観的奏効率(ORR) 主な結果は以下のとおり。・日本人集団は141例で、ペムブロリズマブ+化学療法群74例、化学療法群67例に無作為に割付けられた。・日本人集団は全ITT集団と比べ、患者の年齢が高く(68.0歳 vs.63.0歳)、ECOG PS0が多く(71.6% vs.40.2%)、食道扁平上皮がんが多かった(89.4% vs.73.2%)。・日本人集団のOS中央値は、ペムブロリズマブ+化学療法群17.6ヵ月、化学療法群11.7ヵ月であった(HR:0.71、95% CI:0.47~1.09)。・日本人集団のPFS中央値はペムブロリズマブ+化学療法群6.3ヵ月、化学療法群6.0ヵ月であった(HR:0.58、95% CI:0.40~0.84)。・日本人集団のORRはペムブロリズマブ+化学療法群56.8%、化学療法群は38.8%、DoR中央値はそれぞれ8.3ヵ月と6.1ヵ月であった。・日本人集団のGrade3以上の有害事象(AE)発現割合は、ペムブロリズマブ+化学療法群74.3%、化学療法群61.2%であった。日本人サブセットでITT集団より多くみられたAEは、悪心嘔吐、食欲不振、好中球減少、白血球減少、口内炎であった。

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AZ社の新型コロナワクチン、接種間隔は3ヵ月が有益/Lancet

 ChAdOx1 nCoV-19(AZD1222)ワクチンの2回接種は、主要解析の結果、中間解析と一致して新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対し有効であることが確認された。探索的事後解析では、パンデミックにおける供給不足時にできるだけ早く大多数の住民にワクチンを行き渡らせるための短い接種間隔プログラムより、3ヵ月の接種間隔のほうが2回目接種後の予防効果が改善しており利点があることも示された。英国・オックスフォード大学のMerryn Voysey氏らオックスフォード・ワクチン・グループが、AZD1222ワクチンに関する4つの臨床試験の統合解析結果を報告した。AZD1222ワクチンは、英国の医薬品・医療製品規制庁により標準用量を4~12週間の間隔で2回接種する緊急使用が承認され、英国でのワクチン導入計画では、ハイリスクの人々を対象にただちに初回接種を行い、12週間後に2回目接種を行うことになっていた。Lancet誌オンライン版2021年2月19日号掲載の報告。4試験の統合主要解析と接種間隔別等の探索的事後解析を実施 研究グループは、単盲検無作為化比較試験である英国の第I/II相試験「COV001試験」および第II/III相試験「COV002試験」、ならびにブラジルの第III相試験「COV003試験」と、二重盲検無作為化比較試験である南アフリカの第I/II相試験「COV005試験」について、事前に設定されていた統合解析に主要解析と、探索的事後解析を行った。 試験では、18歳以上の健康成人がChAdOx1 nCoV-19ワクチン接種群(標準用量として5×1010のウイルス粒子を2回接種)、または対照群(対照ワクチンまたは生理食塩水)に1対1の割合で無作為に割り付けられ、英国の試験では、一部の被験者に、1回目は低用量(ウイルス粒子2.2×1010)、2回目は標準用量を接種した。 主要評価項目は、ウイルス学的に確定された症候性COVID-19で、2回目接種後14日以降に1つ以上の特定症状(37.8度以上の発熱、咳嗽、息切れ、嗅覚消失/味覚消失)を認め、核酸増幅検査(NAAT)陽性と定義した。副次有効性解析には、初回接種後22日以降の発症例を組み込んだ。また、免疫測定法および疑似ウイルス中和抗体価で評価した抗体反応を探索的評価項目とした。 主要解析対象集団は、盲検化された独立評価委員会により判定されたNAAT陽性のCOVID-19患者で、ベースライン時にSARS-CoV-2のN蛋白血清反応陰性かつ2回目接種後に最低14日間追跡調査が行われ、NAATで過去のSARS-CoV-2感染の証拠がないすべての被験者であった。安全性解析対象集団には、最低1回の接種を受けた全被験者が含まれた。ワクチン有効率、全体66.7%、標準用量2回接種(接種間隔12週間以上)81.3% 2020年4月23日~12月6日の期間に4つの試験で2万4,422例が登録され、そのうち1万7,178例が主要解析に組み込まれた(ワクチン接種群8,597例、対照群8,581例)。データカットオフ日は、2020年12月7日であった。 主要評価項目を満たした症候性COVID-19患者は計332例発生した。ワクチン群84例(1.0%)、対照群248例(2.9%)で、ワクチンの有効率は66.7%(95%信頼区間[CI]:57.4~74.0)であった。初回接種後21日以降に、COVID-19による入院はワクチン群では確認されず、対照群で15例認められた。 重篤な有害事象は、ワクチン群0.9%(108/1万2,282例)、対照群1.1%(127/1万1,962例)に確認された。接種と関連がないと思われる死亡が7例(ワクチン群2例、対照群5例)発生し、うち対照群の1例はCOVID-19関連死であった。 探索的解析の結果、標準用量単回接種後、22~90日間におけるワクチンの有効性は76.0%(95%CI:59.3~85.9)であった。モデル解析では、初回接種から最初の3ヵ月間で感染予防効果は減弱しないことが示唆された。また、この期間中の抗体価は維持されており、90日目までの低下は最小限であった(幾何平均比[GMR]:0.66、95%CI:0.59~0.74)。 さらに、標準用量2回接種者において、プライム/ブースト(1回目と2回目)の間隔は、長いほうが短期間の場合より2回目接種後の有効性が高かった(有効率:12週間以上81.3%[95%CI:60.3~91.2]、6週間未満55.1%[95%CI:33.0~69.9])。18~55歳の被験者では、接種間隔が12週間以上の場合、6週間未満と比較して抗体価が2倍以上高いことが示唆された(GMR:2.32、95%CI:2.01~2.68)。

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高GI食、心血管疾患・死亡リスク増大と関連/NEJM

 低・中所得国を含む5大陸で実施された前向きコホート研究「Prospective Urban Rural Epidemiology(PURE)研究」の結果、グリセミック指数(GI)が高い食事は、心血管疾患および死亡のリスクを増大することが明らかとなった。カナダ・トロント大学のDavid J.A. Jenkins氏らが報告した。GIと心血管疾患の関連性に関するデータのほとんどは、高所得国である西洋諸国の集団から得られたものであり、低・中所得国である非西洋諸国からの情報は少ない。このギャップを埋めるため、地理的に多様な大規模集団のデータが必要とされていた。NEJM誌オンライン版2021年2月24日号掲載の報告。PURE研究の20ヵ国約14万人について解析 研究グループは、GIと心血管疾患および全死因死亡との関連を評価する目的で、PURE研究から高所得国4ヵ国(カナダ、スウェーデン、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)、中所得国11ヵ国(アルゼンチン、ブラジル、チリ、中国、コロンビア、イラン、マレーシア、パレスチナ領土、ポーランド、南アフリカ共和国、トルコ)、および低所得国5ヵ国(バングラデシュ、インド、パキスタン、タンザニア、ジンバブエ)のデータを分析評価した。 解析には、35~70歳の13万7,851人が含まれた。追跡期間の中央値は9.5年。 各国で検証済みの食物摂取頻度調査票を用いて食事摂取量を算出し、7つに分類された炭水化物食品(豆類、でんぷん質食品、野菜、果物、果実飲料、乳製品、砂糖入り飲料)の摂取量に基づいて、GIおよびグリセミック負荷(GL)を推定した。 主要評価項目は、主要心血管イベント(心血管死、非致死的心筋梗塞、脳卒中、心不全)または全死因死亡の複合エンドポイントで、GIおよびGLとの関連について多変量Cox frailtyモデルを用いてハザード比(HR)を算出し評価した。心血管疾患の既往にかかわらず、高GIで心血管イベント/死亡リスクが増大 主要評価項目の解析対象は11万9,572人であった。このうち、追跡期間中に、複合エンドポイントが1万4,075人に発生した。死亡が8,780人(心血管死3,229人、非心血管死5,551人)で、8,252人に1つ以上の主要心血管イベントが認められた。 GIを五分位で分類し、年齢、性別等複数要因について調整後、GIが最も高い群(Q5:中央値91、IQR:90~91)は、最も低い群(Q1:中央値76、IQR:74~78)と比較して、ベースラインでの心血管疾患の既往の有無にかかわらず複合エンドポイントのリスクが高かった(既往ありのHR:1.51[95%CI:1.25~1.82]、既往なしのHR:1.21[95%CI:1.11~1.34])。高GIは、複合エンドポイントのうち心血管死のリスク増大とも関連していた。 GLに関しては、心血管疾患の既往ありではGIの結果と類似していたが(HR:1.34、95%CI:1.08~1.67)、既往なしでは有意な関連はみられなかった(HR:1.02、95%CI:0.91~1.13)。

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コロナワクチンを打った【Dr. 中島の 新・徒然草】(364)

三百六十四の段 コロナワクチンを打った早くも3月。仄かに沈丁花の香りがしてきてます。その一方で花粉がきつい。泣きながら、鼻水を垂れながら、仕事をしています。さて、今回はコロナワクチンのお話。医療従事者の端くれとして、私もワクチンを打つことになりました。アナフィラキシーとか発熱とか、いろいろと心配はありますが、結局はほとんどの医師が接種希望です。ワクチン接種は数回に分けて行われるわけですが、私は遅めの日を希望しました。というのも、ディープフリーザーで保存するようなワクチンのこと。当初は溶かすタイミングがうまくいかず、失活してしまったり、シャーベットのままで打ったりという混乱があるかもしれません。なので、ある程度システムが落ち着いてからのほうがいいと思ったからです。私より先に打った人たちは「インフルエンザより痛くなかった」とか「熱を測ったら37度台だった」とか、言いたい放題です。中には「注射してから腕が上がらなくなっちまった。アンギオを代わってくれ」とか言って周囲を恐怖に陥れている先生もいました。さて、接種当日は分単位のスケジュール。何しろ凍結させていたワクチンを溶かして、5人とか6人に分けて打つわけです。私にも金曜日の15時56分という厳密な時刻が割り当てられました。当日は、あらかじめ書き込んだ予診票とIDカードを持って30分ほど早めに会場に到着。すると、「中島先生、こっちです」と言われてすぐに中に案内されました。あの分単位の厳密なスケジュールはいずこに?ガランと広い講堂に接種ブースがまばらに設置されています。特に場所も決まっていないみたいで、目のあった担当者のブースに行き、簡単な確認の後に注射をしてもらいました。注射の後は15分間の経過観察です。講堂の奥に衝立で仕切ったスペースがあり、20脚ほどの椅子が間隔を開けて置いてありました。万一のために救急担当者が待機していますが、何も起こらないのでその人たちも暇です。持ち込んだ電子カルテの端末相手にひたすら仕事を片付けていました。一方、経過観察のために椅子に座っている人たちもすることがないので、ひたすら天井を睨んでいるか床を見つめているか。15分経過した人から順に、黙って会場を去って行きました。私自身も接種後には特に何事も起こらず。と、思っていたら翌日、土曜日の午後からなんだか寒気がしてきました。幸いなことに体温は平熱です。でも、いくら着込んでもエアコンの温度を上げても寒い。そこでラーメンを食べて風呂に入って寝ました。ワクチンとの因果関係は不明ですが、2回目を打つか否か、よく考えなくてはなりません。接種の翌々日となる日曜日は少しマシでしたが、相変わらず何もする気がしません。午前中は寝たり起きたりしていましたが、午後になって急に元気が出てきました。結局、土日を使って体調を整えたことになります。ワクチン接種が金曜日で良かった!今となっては2回目の接種もするつもりですが、何事も初めての時はわかりません。「ワクチンを打って2日間ほどはしんどかったで」そう言うと、まだ接種していない人たちは面白いくらい心配そうな顔をします。あの「腕が上がらなくなった」と言っていた先生もきっと密かに楽しんでいたのでしょうね。というわけで、コロナワクチン接種の経験を述べさせていただきました。読者の皆さんはいかがでしょうか。最後に1句沈丁花 鼻を垂れつつ ワクチンだ

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第47回 精神保健指定医取消処分は「後出しじゃんけん」、東京高裁が国を痛烈批判

精神保健指定医の取消処分を違法として、高橋 恵氏(北里大学医学部准教授)が国を訴えていた裁判で、東京高等裁判所は2021年1月27日、高橋氏側を敗訴とした東京地方裁判所の判決を破棄し、取消処分を違法とした。その後、国は最高裁判所への上告を断念、判決が確定した。判決では、処分基準について「アンフェアな後出しじゃんけん」と批判。2月8日に記者会見した代理人弁護士の井上 清成氏は、「かなりきつい物言いをしていることで、厚労行政に対してくさびを打ち込んだ判決」と評した。また、同席した高橋氏は「処分による被害は甚大。名誉毀損や資格停止などへの損害に対し、何らかの補償を考えていただきたい」と訴えた。この問題は、聖マリアンナ医科大学病院における精神保健指定医の不正申請が明るみになったこときっかけに、厚生労働省が調査を実施。2016年に高橋氏ら89人が精神保健指定医取消の処分を受けたものである。処分の取り消しを求めた医師の裁判を巡っては、田村 龍太郎氏が昨年11月、最高裁で勝訴が確定したが、もう1人は敗訴が確定している。いずれも高橋氏が指導した申請医だった。2人は、チーム医療を行っていた症例を高橋氏の指導の下でケースレポートを作成したが、カルテ記載が少ないことを理由に、自ら診断治療に関わっていない症例を不正申請したと認定され、取消処分を受けた。しかし、今回の判決で、敗訴した申請医に対しても十分な関与が認定されたことから、高橋氏は「厚労省には判決内容を踏まえ、改めて処分を見直していただきたい」と述べた。カルテ記載の量と質のみで判断できない「医師の関与の度合い」井上弁護士によると、高裁判決のポイントは以下の通りだ。【1】指定医事務取扱要領における「同一症例について、同時に複数の医師がケースレポートを作成することは、認められない」という規定は、申請時期が異なる年度であれば、同一症例について複数の医師が申請可能とも読めるとの解釈を示し、チーム医療においては同一症例について、複数の医師が自ら担当として診断または治療に十分な関わりを持つことも通常であると認定した。【2】厚労省が2016年10月26日に発出したプレスリリース「精神保健指定医に対する行政処分等について(概要)」における記述のうち、【行政処分の対象者に関する考え方】を「処分基準」であると認定した。処分基準を予め決めていたのではなく、処分発表の当日のプレスリリースで公表したことを問題視し、判決が「後出しじゃんけん」と批判した理由だ。具体的には、(1)ケースレポートに係る症例の診療録の記載が全くなく、診断または治療に十分な関わりがあったとは言えない申請医、(2)ケースレポートに係る症例の診療録の記載が週1回未満であり、記載内容から診断または治療に十分な関わりがあったとは言えない申請医、(3)申請医の不正なケースレポートにおいて指導等を行ったことを署名により証明した指導医――を処分対象者として、その全員について、期間を定めて指定医の職務を停止するのではなく、指定医の指定を取り消すという処分を定立したと認定。その上で、担当として十分な関わりを持ったかどうかをカルテ記載の量と質によってのみ判断することは、少なくともチーム医療による治療に関しては精神科医一般の認識と大きく異なっていたと指摘した。【3】指導医に対する処分は結果責任を問われたものであると認定した上で、「指定医として著しく不適当と認められたとき」に当たる否かは、好ましくない結果の具体的な内容や社会一般、公益に及ぼす好ましくなさの程度、そのような結果が発生した客観的な過程や客観的な原因、緊急の必要性の程度等を検討して、処分の適法性を判断するとした。【4】本件病院精神科病棟のチーム医療体制において、カルテ記載担当者以外のチーム内の医師によるカルテ記載は少なくなることから、カルテ記載担当者でない申請医が「自ら担当として診断または治療に十分な関わりを持った」かどうかの判断は、カルテ記載の量や質を重視するのではなく、チーム内における申請医の診断や治療への関与の態様を個別具体的に検討するほかないと判断した。【5】仮に「指定医として著しく不適当」であるとしても、指定医の指定取消ではなく、指定医の職務停止処分とすべきだったと判断した。処分者に対して求められる謝罪と補償上記のように、高裁判決はチーム医療の実態を細かく認定し、適正に行われたと判断し、形式的なカルテ記載に基づく国の処分基準の理不尽さを指摘する内容となった。厚労省は、処分を受けた医師らに対し、謝罪による名誉回復と補償を行うだろうか。今後の動きを注視したい。

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片頭痛に対するfremanezumabの効果~第III相試験の事後解析

 カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とするモノクローナル抗体は、片頭痛の予防に対する有効性および安全性が示されている薬剤である。臨床試験では治療反応群と非反応群が存在しているが、有効性の評価では両群の平均値を用いる。そのため、治療反応群における臨床的ベネフィットについての情報が十分に評価されていない。治療反応がみられる患者における臨床的な改善度を明らかにすることは、臨床医と患者にとって重要なポイントである。米国・トーマス・ジェファソン大学のStephen D. Silberstein氏らは、ヒト化モノクローナル抗体fremanezumabにより治療反応がみられた患者における臨床的ベネフィットを明らかにするため、2つの第III相HALO臨床試験の事後分析を実施した。The Journal of Headache and Pain誌2021年1月7日号の報告。 反復性片頭痛(EM)または慢性片頭痛(CM)を有する患者を対象に、fremanezumabの四半期(fremanezumab 675mg vs.プラセボvs.プラセボ)または月1回(EM患者[fremanezumab 225mg vs.225mg vs.225mg]、CM患者[fremanezumab 675mg vs.225mg vs.225mg])投与を行った12週間のランダム化二重盲検プラセボ対照HALO EM臨床試験およびHALO CM臨床試験の事後分析を実施した。治療反応の定義は、月間の片頭痛日数がEM患者で2日以上減少、CM患者で4日以上減少とした。治療効果として、毎月の片頭痛日数の減少、急性頭痛薬の使用、片頭痛関連障害、健康関連QOLの変化を評価した。 主な結果は以下のとおり。・HALO臨床試験の治療反応患者は、全体で857例であった(EM患者:429例[73.8%]、CM患者:428例[56.7%])。・月間の平均片頭痛日数が50%以上減少した患者の割合は、HALO臨床試験に参加した全患者の場合よりも、治療反応患者のみの場合のほうがより高かった(EM四半期:59.8%、EM月次:63.7%、CM四半期:52.8%、CM月次:59.0%)。・EMおよびCMの治療反応患者では、全患者と比較し、急性頭痛薬の平均使用日数の減少、片頭痛関連障害スコアの大幅な減少、健康関連QOLの大幅な改善が認められた。 著者らは「fremanezumab治療反応患者では、評価したすべての治療効果において、臨床的に有意義な改善が認められており、臨床試験で示されている数値以上に、副次的効果が期待できるであろう」としている。

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重症精神疾患患者における抗精神病薬切り替えと体重変化~メタ解析

 重症精神疾患患者では、肥満や代謝により臨床的な悪影響が懸念されるが、これを予防できる可能性がある。心血管代謝の負担を軽減するうえで、抗精神病薬の切り替えが有用かを、オーストラリア・クイーンズランド大学のDan Siskind氏らが検討を行った。Schizophrenia Bulletin誌オンライン版2021年2月6日号の報告。 2020年3月8日までの文献をPubMED、Embase、PsycINFO、Cochraneより検索した。抗精神病薬切り替え群と継続群における体重および代謝変化を比較するため、群全体と群内でのメタ解析を実施した。 主な結果は以下のとおり。・抽出された61研究のうち、59研究をメタ解析に含めた(エビデンスの質高評価40%)。・切り替え群と継続群を比較したメタ解析では、アリピプラゾールのみが体重を有意に減少させた(-5.52kg、95%CI:-10.63~-0.42、p=0.03)。一方、オランザピンは、体重を有意に増加させた(2.46kg、95%CI:0.34~4.57、p=0.02)。・アリピプラゾールへの切り替えにより、空腹時血糖(-3.99mg/dL、95%CI:-7.34~-0.64、p=0.02)およびトリグリセライド(-31.03mg/dL、95%CI:-48.73~-13.34、p=0.0001)の有意な改善が認められた。・アリピプラゾールおよびオランザピンによる切り替え群と継続群において、治療中止と精神症状の評価に違いは認められなかった。・切り替え後のメタ解析では、体重減少との関連が認められた薬剤はアリピプラゾール(-1.96kg、95%CI:-3.07~-0.85、p<0.001)、ziprasidone(-2.22kg、95%CI:-3.84~-0.60、p=0.007)であった。一方、体重増加と関連が認められた薬剤は、オランザピン(2.71kg、95%CI:1.87~3.55、p<0.001)、クロザピン(2.80kg、95%CI:0.26~5.34、p=0.03)であった。・amisulpride、パリペリドン、リスペリドン、クエチアピン、ルラシドンに切り替えた場合、体重およびその他の心血管代謝に有意な影響は認められなかった。 著者らは「アリピプラゾールやziprasidoneのような体重増加リスクの低い抗精神病薬に切り替えることにより、体重プロファイルや心血管代謝を改善することが可能である。抗精神病薬の切り替えを行う際には、切り替え前後の体重増加リスクを考慮する必要がある。精神症状の安定している患者に対する抗精神病薬の切り替えは、症状悪化リスクを鑑み検討すべきである」としている。

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がん遺伝子パネル検査のスタート半年、「エキスパートパネル」の評価は?/日本臨床腫瘍学会

 2019年6月に保険適用となったがんゲノムプロファイリング(comprehensive genomic profiling test、CGP)検査。その実施は、がんゲノム医療中核拠点病院、拠点病院、連携病院に限定され、検査結果は中核拠点病院、拠点病院で実施される専門家会議「エキスパートパネル」での検討が必須とされている。 ここでの方針がCGP検査を受けた患者の治療に直結するが、各エキスパートパネルの現状や判断の差異については評価されていなかった。そこで、中核拠点病院11施設での2019年6月~2020年1月における、エキスパートパネルの実績(全検討症例数および、遺伝子異常に合った投薬や遺伝相談外来の受診に結び付いた症例数)を調査するとともに、模擬症例2例を用いて各エキスパートパネル間で推奨治療に差があるかどうかを検証する研究を行った。第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)では、この研究結果を国立がん研究センター中央病院の角南 久仁子氏が発表した。 主な結果は以下のとおり。・上記期間において計747例(範囲:5~172例/施設)が中核拠点病院のエキスパートパネルで検討された。・遺伝子異常に合った投薬は28例(3.7%)で行われた。投薬の内訳でもっとも多いのは治験で28例中16例であった。・遺伝相談外来受診は18例(2.4%)であった。・模擬症例2例の検討では治験を中心に推奨治療に施設間差を認めた。 今回の研究結果を受け、下記2点を実施し、さらなる研究を継続するとしている。1)中核拠点病院12施設について2020年2月~2021年1月におけるエキスパートパネルの実績調査2)エキスパートパネルの標準化のため、各がん種で代表的な遺伝子異常を有する模擬症例50例を提示し、中核拠点病院代表者のエキスパートパネルを実施。推奨治療の差異を評価するとともにセミナーなどを開催 また、推奨治療の違いが各エキスパートパネルの治験情報へのアクセスの違いが影響しているとの見解を示し、今後の治験情報の共有化の重要性を訴えた。

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ファイザーの新型コロナワクチン、イスラエルで高い有効性を実証/NEJM

 PfizerとBioNTechによる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチン「BNT162b2」の推定有効率は、2回接種後で、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染に対しては92%、症候性COVID-19に対しては94%、重症COVID-19には92%と、いずれも高いことが報告された。イスラエル・Clalit Health ServicesのNoa Dagan氏らが、イスラエル最大のヘルスケア組織(HCO)からのデータを用いて、約60万人のワクチン接種者と非接種の適合対照者について行った試験で明らかにした。COVID-19に対する集団予防接種キャンペーンが世界各地で開始されている中、ワクチンの有効性は非コントロール下で多様な集団におけるさまざまなアウトカムの評価が必要となっている。著者は、「今回の試験結果は、全国的なワクチン集団接種について評価したもので、mRNAワクチンBNT162b2がさまざまなCOVID-19関連アウトカムに対して有効であることを示し、無作為化試験の結果と一致する所見が得られた」とまとめている。NEJM誌オンライン版2021年2月24日号掲載の報告。SARS-CoV-2感染、COVID-19による入院や重症などへの有効性を検証 研究グループは、イスラエル最大のHCO「Clalit Health Services(CHS)」の加入者データを基に、2020年12月20日~2021年2月1日に、BNT162b2の接種者と、人口統計学的・臨床的特徴に基づき適合した非接種対照者を対象とした試験を行った。 アウトカムは、記録されたSARS-CoV-2への感染、症候性COVID-19、COVID-19による入院、重症疾患、死亡だった。各アウトカムについて、Kaplan-Meier推定法を用いて、ワクチンの有効性(1-リスク比)を推算し評価した。推定有効率は年齢群を問わず同等 ワクチン接種群と適合対照群には、それぞれ59万6,618人が包含された。 ワクチン初回接種後14~20日後のワクチン推定有効率は、記録されたSARS-CoV-2への感染が46%(95%信頼区間[CI]:40~51)、症候性COVID-19は57%(50~63)、COVID-19による入院は74%(56~86)、重症疾患は62%(39~80)だった。 ワクチン2回目接種後7日以降の同値は、それぞれ92%(95%CI:88~95)、94%(87~98)、87%(55~100)、92%(75~100)だった。 また、ワクチン初回接種後14~20日後の、COVID-19による死亡に関するワクチン推定有効率は72%(95%CI:19~100)だった。 記録されたSARS-CoV-2への感染と症候性COVID-19について評価した、特定サブ集団における推定有効率は、年齢群を問わず同等だった。ただし、複数の併存疾患者においてはわずかだが有効性が低下する可能性が示された。

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過体重・肥満へのセマグルチド、68週後の体重減16%/JAMA

 非糖尿病の過体重または肥満の成人に対し、食事療法と強化行動療法に加えたセマグルチド2.4mgの週1回皮下投与は、プラセボ投与に比べ、長期68週間の統計学的に有意な体重減少をもたらしたことが示された。セマグルチド群では、68週後に体重5%以上減少の達成が9割近くに上り、また体重変化の平均値は-16.0%だった。米国・ペンシルベニア大学のThomas A. Wadden氏らが、611例を対象とした第III相無作為化二重盲検並行群間試験の結果をJAMA誌オンライン版2021年2月24日号で発表した。結果を踏まえて著者は、「今回示された効果の持続性を評価するため、さらなる研究を行う必要がある」とまとめている。薬物療法と、栄養士との対面カウンセリング30回の強化行動療法を併用 研究グループは2018年8月~2020年4月にかけて、米国41ヵ所の施設を通じ、非糖尿病で過体重(BMI 27以上)+1つ以上の併存疾患または肥満(BMI 30以上)の18歳以上、611例を対象に、68週間の無作為化比較試験を行った。 被験者を無作為に2対1の2群に分け、セマグルチド2.4mg(407例)またはプラセボ(204例)をそれぞれ週1回皮下投与した。両群に対し、試験開始後8週間にわたる低カロリー食事療法と、68週間にわたる強化行動療法(栄養士との対面カウンセリング30回など)を行った。 主要エンドポイントは2つで、ベースラインから68週までの体重の変化と体重5%以上減少の達成率だった。副次エンドポイントは、ベースライン体重からの10%以上または15%以上減少の達成率などだった。セマグルチド群の約56%が体重15%以上減少を達成 被験者611例の平均年齢は46歳(SD 13)、495例(81.0%)が女性、平均体重105.8kg(SD 22.9)、平均BMI 38.0(SD 6.7)だった。試験を完遂したのは567例(92.8%)、試験終了時に505例(82.7%)が治療を受けていた。 68週時点で、ベースラインからの推定平均体重変化は、セマグルチド群-16.0%、プラセボ群-5.7%だった(群間差:-10.3ポイント、95%信頼区間[CI]:-12.0~-8.6、p<0.001)。 体重5%以上減少の達成率は、セマグルチド群がプラセボ群と比べて有意に高かった(86.6% vs.47.6%、p<0.001)。体重10%以上減少、15%以上減少の達成率も、それぞれ75.3% vs.27.0%、55.8% vs.13.2%と、いずれもセマグルチド群で有意に高率だった(いずれもp<0.001)。 胃腸系の有害イベントの発現頻度が、プラセボ群(63.2%)に対しセマグルチド群(82.8%)で高率だった。有害イベントによる治療中断はセマグルチド群3.4%、プラセボ群0%だった。

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047)フットケアを怠ると? 足裏に潜む魔物【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第47回 フットケアを怠ると? 足裏に潜む魔物ゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆今回は、足底のタコ・ウオノメ(胼胝・鶏眼)について。皮膚科では、胼胝・鶏眼処置、いわゆるウオノメ削りは、よくある処置の1つです。剃刀やコーンカッターなどを用いて、足の裏で硬く、ときには芯になっている角質を削り取るというもの。だいたい1~2ヵ月に一度のペースで通われている患者さんが多い印象です。そんなに珍しい処置ではないものの、たかがウオノメ…と油断していると、皮膚の下にとんでもないモノが隠れていることがあります。そう、鶏眼下の皮膚潰瘍。とくに足底の感覚が鈍くなっている糖尿病患者さんに多いです。過去に、「最近、足の裏が痛くて…」と訴える患者さんの足底を診てみたら、鶏眼を中心にした水疱形成がみられ、表面の水疱蓋を除去してみると、不整形に連なった潰瘍が現れて…、しかもちょっと離れた潰瘍とつながっていた、というようなケースもありました。潰瘍まではいかなくとも、鶏眼の下で水疱になっているケースは珍しくありません。また、同様の訴えの患者さんで、足底の鶏眼がいかにもな感じに腫脹していたため、盛り上がっている角質を切開したら、中から小さな肉芽様の結節が現れた、というケースもありました。その時は血管拡張性肉芽腫などを考えて、経過を見ることにしましたが、隠れているのは潰瘍だけではないのだな~と認識をあらためた一件でした。足底に潜む魔物にご注意を? たかがウオノメ、されどウオノメ。痛みや腫れを伴う足の皮膚トラブルは、ぜひ皮膚科にご紹介ください!それでは、また~!

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“BLUE GIANT SUPREME”【空手家心臓外科医、ドイツ武者修行の旅】第28回

私の趣味は漫画を読むことです。引っ越しを重ねるうちにどんどん増えていく大量の漫画を持ち歩くことが困難になったため、すべて自炊して(漫画本をばらしスキャンすること)PDFにして管理しております。現在は電子書籍での購入のみを行なっております。それ以来、当直なんて怖くなくなりました。タブレットさえ持っていれば、すべての漫画を本棚ごと持ち歩いているようなものですから、家にいても病院にいても、漫画を読むことができるのです。2017年に小学館マンガ大賞を取った『BLUE GIANT』(石塚 真一(著)/小学館)と言う漫画があります。あらすじは宮城県の高校生である宮本 大(ミヤモト ダイ)がジャズにハマって、サックス一本担いで上京する物語です。うまくいくときもいかないときも、前向きで強靭なメンタルでどんどんと前へ進んでいく姿にいつも私も勇気付けられていました。大くんが東京での目標を達成し、いよいよ世界に飛び出そうとしたところで連載は終了します。そして物語は『BLUE GIANT SUPREME』という続編へと移ります。大くんが次の挑戦の場として選んだのは、クラシック大国のドイツ・ミュンヘンでした。初心を思い起こさせる場所実は私がドイツで最初に住んでいたのはミュンヘンでした。奇しくもリアルタイムに、大くんと共にミュンヘンで夢を追いかけることになったのです。電子書籍で本を購入して読んだときは興奮しましたね~。「お前もミュンヘンに来たかー!」みたいな感じで。でも、それを伝える相手がドイツにいないと言うか…そもそも伝えるほどのドイツ語能力も持ち合わせていなかったので、そのときの感動はそっと自分の心にしまう他ありませんでした。漫画では、ミュンヘンに着いた大くんは早速街に出て、サックスの練習ができる場所を探します。「ここで楽器を吹くな!」と警察に怒られたりしながら孤独にミュンヘンの街を歩き続けて、日が落ちる直前にやっと人気のない川っぺりを見つけ、ようやくサックスを吹きます。寒さと孤独で凍えそうになりながら深夜のミュンヘン中央駅でコーヒーをすすり、大くんは散々だったドイツ初日を「最高の1日だった」と振り返ります。ミュンヘン中央駅です。数年前は、たくさんの難民が到着したことで大々的なニュースになった場所です。ミュンヘン中央駅は写真のようにターミナル駅です。ここからヨーロッパ中に線路が延びていて、まさに「旅のはじまり」を象徴する駅なのです。私もしょっちゅう訪れて、気合いの入れ直しをしていました。大くんはコミックにすると1冊半程度、ミュンヘンに滞在してから次の街へと向かいます。作品ではミュンヘンの街がとても丁寧に描かれていて、一目見ただけで大くんがミュンヘンのどこを歩いているのかはっきりとわかるし、街の雰囲気もよく伝わってきます。ドイツの空気を感じることができる作品として、とてもおすすめです。

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「フィニバックス」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第41回

第41回 「フィニバックス」の名称の由来は?販売名フィニバックス®点滴静注用0.25gフィニバックス®点滴静注用0.5gフィニバックス®キット点滴静注用0.25g一般名(和名[命名法])ドリペネム水和物(JAN)[日局]効能又は効果〈適応菌種〉ドリペネムに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属(エンテロコッカス・フェシウムを除く)、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、インフルエンザ菌、緑膿菌、アシネトバクター属、ペプトストレプトコッカス属、バクテロイデス属、プレボテラ属 〈適応症〉敗血症、感染性心内膜炎、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、胆管炎、肝膿瘍、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、化膿性髄膜炎、眼窩感染、角膜炎(角膜潰瘍を含む)、眼内炎(全眼球炎を含む)、中耳炎、顎骨周辺の蜂巣炎、顎炎用法及び用量通常、成人にはドリペネムとして1回0.25g(力価)を1日2回又は3回、30分以上かけて点滴静注する。 なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、1回0.5g(力価)を1日3回投与し、増量が必要と判断される場合に限り1回量として1.0g(力価)、1日量として3.0g(力価)まで投与できる。通常、小児にはドリペネムとして1回20mg(力価)/kgを1日3回、30分以上かけて点滴静注する。なお、年齢・症状に応じて適宜増減するが、重症・難治性感染症には、1回40mg(力価)/kgまで増量することができる。ただし、投与量の上限は1回1.0g(力価)までとする。警告内容とその理由設定されていない禁忌内容とその理由(原則禁忌を含む)【禁忌(次の患者には投与しないこと)】1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者2.バルプロ酸ナトリウムを投与中の患者※本内容は2021年3月3日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2021年2月改訂(第16版)医薬品インタビューフォーム「フィニバックス®点滴静注用0.25g・フィニバックス®点滴静注用0.5g/フィニバックス®キット点滴静注用0.25g2)シオノギ製薬:製品情報一覧

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第47回 「発症10日したらもう他人に感染させない」エビデンス明示で、回復患者受け入れは進むか?

全国医学部長病院長会議がコロナ重症症例診療で見解こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。春本番、プロ野球のキャンプも日米で本番を迎えています。春の沖縄キャンプ地巡りが大好きな知人がいて、ある時、スポーツニュースを観ていたらバックネット裏にスカウトのように陣取る姿が映り、驚いたことがあります。今年のキャンプは無観客なので、そういった楽しみや驚きもなく、寂しいものです。そんな中、景気のいい話もあります。2月25日、東北楽天ゴールデンイーグルスは田中将大投手に特化したファンクラブの申し込みを同日開始したところ、10人限定の年会費180万円のコースが14分で完売した、と発表しました。また、1,000人限定の1万8,000円のコースも4時間余りで完売したそうです。楽天ファンでもない私でも1万8,000円なら安い、と思いエントリーしようと考えたくらいです。ことほど左様に私を含めた誰もがスポーツ観戦など外に出かけたくうずうずしている今日このごろですが、首都圏以外の6府県の緊急事態宣言が28日で解除されました。各府県は飲食店への営業時間の短縮要請などを徐々に緩和するとのことですが、暖かさに誘われ、飲み会も増えていきそうです。英国型の変異株は実行再生産数を0.4〜0.7引き上げるとの報告もあります。第4波到来の可能性は割と高いのでは、と思いますが、皆さんいかがでしょう。少々状況が落ち着いてきた中、全国医学部長病院長会議は2月24日、「新型コロナウイルス重症症例診療を担う医療施設に関する見解」を、会長の湯澤 由紀夫氏(藤田医科大学病院 院長)と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関わる課題対応委員会委員長の瀬戸 泰之氏(東京大学医学部附属病院 院長)の連名で公表しました。前回、「第46回 第4波を見据えてか!? 厚労省が『大学病院に重症患者を受け入れさせよ』と都道府県に事務連絡」では、大学病院、中でも国立大学病院の動きが鈍い、と書きましたが、全国医学部長病院長会議が自ら、今後の大学病院の役割について対外的に見解を公表したのは大きな意味がある、と言えるでしょう。「今こそ重症症例の診療体制の整備に取り組むべき」見解では、「今後、また未曾有の感染症が襲ってくるときに備えるためにも、わが国の緊急時医療体制の構築を再考する絶好の機会ととらえている。このような重症症例診療を行いうる医療体制の構築に相応の時間を要するのは自明であり、平時よりの備えが肝要である」として、今こそ重症症例の診療体制の整備に取り組むべきだと訴えました。具体的には、コロナの重症者の治療は「高度かつ統制のとれたチームワークのもと治療を行なわなければならない」として、「重症症例の診療は大学病院、救命救急センターなど、従来より高度な集中治療を行ってきた医療施設が中心的に担うべき」としました。一方で、大学病院や救命救急センターなどでは、「新型コロナウイルス感染症の重症患者への診療」と共に「新型コロナウイルス感染症以外の高度医療」を提供しなければならならず、「通常診療の維持を前提とした新型コロナウィルス重症症例診療に必要な医療体制確保について、実態ニーズを踏まえたものとなるよう検討いただきたい」としています。その上で、「新型コロナウィルス重症治療は これまでにない総合的かつ統合的な加療であり、通常の重症肺炎診療とは異なるものでもあり、施行するにあたり相応の診療報酬が病院運営上必須である」と、報酬上の手当も国に求めました。端的に言えば、「コロナの重症者には通常診療と並行して取り組むが、相応のお手当はお願いします」ということのようです。「後方病床あるなら大学病院も頑張る」私自身がとくに重要だと思ったのは、後半の連携に関するくだりです。見解では、「円滑な重症症例病床運用のためには、重症症例を診る施設がその治療に集中するため、軽快ないしは改善した場合の後方病床確保も重要な課題となる」と指摘、「特に、重症から回復した高齢者が退院基準を満たしても、そのまま自宅退院できることはまれであり、後方病床に移送できなければ重症病床の活用に支障が生じる。医療状況が逼迫している折、そのような医療提供体制の役割分担を推進することは医療効率化のためにも極めて重要」と、回復した患者の受け入れる後方病床の整備を強く求めています。「後方病床を整備してくれるなら、大学病院も頑張るよ」とも読めるのですが、確かに回復した患者の引き受け手がなく、いつまでも大学病院に入院させていては、新規入院を受け入れることができないわけで、その体制をつくっておくことは重要です。ちなみに、見解では、後方病床の確保を“下り”の流れと表現しています。退院基準の見直し案と感染可能期間のエビデンス明示ちょうど第3波が収まり、比較的余裕が出てきた今こそ、それぞれの地域において後方病床の役割を果たす病院をきちんと決めておくべきです。ただ、地域のよっては、「コロナ回復患者引き受けます」と手を挙げる病院はまだまだ多くはないようです。“流れ”づくりの主役となるべきは、日本医師会、四病院団体協議会、全国自治体病院協議会によってつくられた「新型コロナウイルス感染症患者受入病床確保対策会議」だと思うのですが、これについては前回書いたので今回は触れません。実は、先々週にも回復患者引き受けに関連した動きがありました。厚生労働省は2月18日の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(座長:脇田 隆字・国立感染症研究所所長)の第24回会合に対し、新型コロナウイルス感染症の退院基準の見直し案を提示、あわせて発症からの感染可能期間などのエビデンスも提示したのです。退院基準見直し案では、有症状者については人工呼吸器等による治療の有無別に分け、治療を行った場合には発症日から15日間経過し、かつ症状軽快後72時間経過した場合に退院可能とするが、「発症日から20日間経過するまでの間は、適切な管理を行う」などの条件を付けました。他方、人工呼吸器等治療を行わない場合(軽症・中等症)については現行通り(1.発症日から10日間経過し、かつ症状軽快72時間経過した場合に退院可能とする。2.症状軽快後24時間経過した後、24時間以上間隔をあけ 2回のPCR検査又は抗原定量検査で陰性を確認できれば、退院可能とする)としました。軽症・中等症は「現行通り」でも大丈夫な理由・エビデンスについては、「軽症・中等症において、感染性のあるウイルス粒子の分離報告は 10 日目以降では稀であり、これら の症例において、症状が消失してからも長期的にウイルス RNA が検出される例からの二次感染を認める報告は現時点では見つからなかった」とし、「退院後のPCR 再陽性例における感染性や、再陽性例からの二次感染を認める報告も現時点では見つからなかった」としています。医療機関だけでなく一般にもアピールすべきでは要するに、「発症日から10日したらもう他人に感染させない」「症状軽快後、PCR陽性が続く場合も他人に感染させない」というわけです。厚労省としては、この見直し案とエビデンスによって、一般病院や介護施設での回復患者の受け入れが進み、重症病床の回転が良くなることを期待しているわけですが、本当に地域でそうした“流れ”が普通に構築されることを期待したいと思います。ところで、なぜこの事実(エビデンス)を、医療機関だけでなく一般にももっと広く、強くアピールしないのでしょう。何かまた、「国民があらぬ誤解する」とでも国は考えているのでしょうか(新型コロナウイルス感染症は発症の数日前から感染力が高まることを、国は昨年の感染拡大当初、国民に知らせるのをためらっていた、と聞いています)。少々、謎です。このエビデンスがしっかり世の中に浸透すれば、それこそ報酬さえ手厚くすれば後方病院は回復患者受け入れに手を挙げるでしょうし、問題となっている職場における理不尽な感染者差別(復職後に陰性証明を要求されたり、在宅勤務を強制されたり人が出ているそうです)なども減ると思うのですが…。

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内服薬に嫌悪感がある患者の疼痛コントロールの秘策【うまくいく!処方提案プラクティス】第33回

 今回は、エスフルルビプロフェン・ハッカ油貼付薬(以下エスフルルビプロフェン)を用いた疼痛コントロールの事例を紹介します。エスフルルビプロフェンは、フルルビプロフェンの活性本体(光学異性体:S体)であり、最大2枚を貼付することで薬物の全身曝露量に相当するAUC(時間曲線下面積)が経口フルルビプロフェンの通常用量とほぼ同等となります。その作用動態を活かすことで、内服薬に嫌悪感がある患者さんでも抵抗なく、効果的な疼痛コントロールを行うことができます。患者情報90歳、女性(施設入居)基礎疾患変形性関節症、高血圧症、便秘症、骨粗鬆症既往歴消化性潰瘍の既往なし訪問診療の間隔月2回処方内容1.アムロジピン錠2.5mg 1錠 分1 朝食後2.カンデサルタン シレキセチル錠4mg 1錠 分1 朝食後3.酸化マグネシウム錠500mg 2錠 分2 朝夕食後4.エルデカルシトールカプセル0.75μg 1カプセル 分1 朝食後5.レバミピド錠100mg 2錠 分2 朝夕食後6.硝酸イソソルビドテープ40mg 1枚 18時に貼付本症例のポイント施設入居の患者さんの初回の訪問診療にケアマネジャーと同行させてもらうこととなりました。その際、患者さんより、両膝が痛くて市販の貼付薬を使っているがあまり良くならず、寝返りも打てないほど腰も痛いので何とかできないかという相談がありました。しかし、過去に友人が鎮痛薬で胃潰瘍を起こした経験があり、鎮痛薬の内服には嫌悪感といえるほど抵抗がありました。医師は、COX-2選択的阻害薬とプロトンポンプ阻害薬を用いて、胃粘膜への影響をできる限り最小限にして治療するのはどうかと提案しました。それでも患者さんは、これ以上内服薬を増やすのは体に毒だからと言って抵抗を示しました。処方提案と経過医師より、薬剤師としての薬学的な意見を聞きたいが、何か有用な手段はあるかと相談を受けました。そこで、内服薬への抵抗感が強いので、内服薬と同等の効果が得られるエスフルルビプロフェンを両膝に2枚貼付するのはどうか提案しました。エスフルルビプロフェンは外用薬なので内服薬の数は増えませんが、内服薬とほぼ同等のAUCを得ることで全身的な治療効果が期待できます。私見ではありますが、嚥下困難や重度の認知症など内服が困難な患者さんにおける疼痛コントロール(とくに痛みの箇所が複数ある場合)では、このエスフルルビプロフェンは有効な選択肢であると考えています。しかし、外用薬とはいえ、胃粘膜への影響は内服薬に相当します。胃粘膜への影響は懸念事項であり、慎重に検討する必要があると考えました。そこで、現行のレバミピド錠(朝夕)をランソプラゾールOD錠(朝のみ)に変更できないか提案しました。医師からは、内服薬を増やさずにむしろ服用錠数を減らすことができると評価していただき、承認を得ることができました。患者さんからも、直接膝に貼る鎮痛薬なので安心で、胃潰瘍に対する心配をくみ取って胃薬も変えてくれたと喜んでもらえました。患者さんと介護スタッフには、エスフルルビプロフェンは最大貼付枚数2枚を超えないように、腰には貼付せずに基本的には両膝にそれぞれ1枚貼付するように指導しました。エスフルルビプロフェン開始後、両膝痛に加えて腰痛も改善しました。14日間は連日貼付していましたが、その後の状態も安定していたため、疼痛時のみの使用に切り替えました。その後も疼痛の悪化はなく、患者さんの調子に合わせてエスフルルビプロフェンを継続しています。ロコアテープ インタビューフォーム

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新型コロナ、医療者の転帰不良リスクはあるか?

 医療従事者は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染リスクが高いが、感染後の転帰不良リスクはあるのか。北米の医療者127例を対象として後ろ向き観察コホート研究の結果が発表された。JAMA Network Open誌2021年1月28日号掲載の報告。 2020年4月15日~6月5日までに北米の36施設で確認された、1,992例のCOVID-19成人患者が対象に含まれた。データ解析は2020年9月10日~10月1日に行われ、患者のベースライン時の特性、併存疾患、症状、治療法および転帰に関するデータが収集された。 主要評価項目は人工呼吸器の利用または死亡の複合エンドポイントだった。 主な結果は以下のとおり。・解析されたのは1,790例で、内訳は医療従事者127例と非医療従事者1,663例だった。3:1の傾向スコアマッチングが行われ、122例の医療従事者と366例の非医療従事者がマッチングされた。・女性は医療従事者で71例(58.2%)、非医療従事者で214例(58.5%)、平均年齢(SD)は医療従事者で52(13)歳、非医療従事者で57(17)歳だった。・複合エンドポイントについて、両者の間に有意差はなかった(補正後オッズ比:0.60、95%信頼区間:0.34~1.04)。・医療従事者は集中治療室への入院を必要とする可能性が低く(0.56、0.34~0.92)、7日以上の入院を必要とする可能性も低かった(0.53、0.34~0.83)。・人工呼吸器の利用(0.66、0.37~1.17)、死亡(0.47、0.18~1.27)、昇圧薬の利用(0.68、0.37~1.24)についても、両者の間に有意差はなかった。

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老年精神薬理学の最近の進展に関する専門家の意見

 高齢化社会が進むにつれ、老年精神疾患への対応に関する重要性が高まっている。米国・ケース・ウェスタン・リザーブ大学のAwais Aftab氏らは、アルツハイマー病(AD)、重度または難治性のうつ病、がんおよび終末期ケアに焦点を当て、老年精神医学に関連する最近の進展についてレビューを行った。Expert Review of Clinical Pharmacology誌オンライン版2021年2月5日号の報告。 ADの疾患修飾療法、診断用放射線トレーサ、認知症の神経精神症状に対する薬剤、ケタミン、esketamine、サイケデリックス薬、カンナビノイドについて、PubMed、Google Scholar、Medscape、ClinicalTrials.govより過去6年間の文献を非システマティックに検索し、レビューを行った。 主なレビューは以下のとおり。・非常に早期のADを対象とした抗アミロイド薬の試験が注目されており、aducanumabはFDAで審査中、いくつかの薬剤は第III相試験が進行中であった。・AD診断のためのアミロイドおよびタウ蛋白のPETスキャンは、FDAにより承認されている。・認知症の神経精神症状に対する有望な薬剤として、pimavanserin、ブレクスピプラゾール、エスシタロプラム、デキストロメトルファン/キニジン配合剤、リチウムが挙げられる。・esketamineは、一般成人の治療抵抗性うつ病治療に対し承認されているが、高齢患者を対象とした第III相試験において有効性を示すことができなかった。・終末期およびがん関連のうつ病および不安症に対するサイケデリックス支援療法のベネフィットに関する予備的なエビデンスが報告されている。・カンナビノイドに関するエビデンスは、不十分であった。

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MSI-H/dMMR大腸がん1次治療のペムブロリズマブ、アジア人でも有用性を確認/日本臨床腫瘍学会

 DNAミスマッチ修復欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有する転移のある大腸がん患者を対象に、1次治療としてのペムブロリズマブの有用性を見るKEYNOTE-177試験。昨年発表された第2回中間解析では、ペムブロリズマブは化学療法と比較して全集団における無増悪生存期間(PFS)を有意に改善することが示された。2月に行われた第18回日本臨床腫瘍学会学術集会(JSMO Virtual2021)のPresidential Session1において、吉野 孝之氏(国立がん研究センター東病院)が、本試験におけるアジア人サブセットの解析結果を発表した。 KEYNOTE-177試験の概要は以下のとおり。・未治療のMSI-H/dMMR陽性、転移を有する大腸がん患者307例をペムブロリズマブ(200mg、3週ごと投与)群または化学療法(5-FU併用療法±ベバシズマブまたはセツキシマブ、2週ごと投与)群に1対1の割合で無作為に割り付け・化学療法群では病勢進行後にペムブロリズマブ群へのクロスオーバー可・主要評価項目はPFSおよび全生存(OS) 主な結果は以下のとおり。・全307例中48例がアジア人だった(ペムブロリズマブ群22例、化学療法群 26例)。・アジア人のPFS中央値はペムブロリズマブ群で未達、化学療法群で10.4ヵ月だった(HR 0.65、95%CI 0.30~1.41)。・アジア人の奏効率は、ペムブロリズマブ群45%、化学療法群46%であり、奏効期間はペムブロリズマブ群で未達、化学療法群で28.8ヵ月だった。・アジア人において、ペムブロリズマブ群に生じたGrade3以上の有害事象は化学療法群よりも少なかった(9% vs 80%)。 今回の結果は全集団の結果と概ね一致しており、dMMR/MSI-H陽性・転移のある大腸がん患者の1次治療としてのペムブロリズマブは、アジア人においても有効性と忍容性が高いことが示された、としている。JSMO Virtual2021は3月1~31日までオンデマンド配信が行われる(要参加登録)。https://www.congre.co.jp/jsmo2021/

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