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院外心肺停止・治療抵抗性心室細動へECMOを適応することで救命率・社会復帰率が顕著に改善される(解説:今井靖氏)-1339

 今回はLancet誌に報告された興味深い論文を紹介するとともに、この領域の現状と課題について論じたい。 院外心肺停止・心室細動の患者において、半数以上の患者は初期ACLS(advanced cardiac life support)に不応性である。今回米国で、院外心肺停止・治療抵抗性心室細動に対してextracorporeal membrane oxygenation(ECMO)を用いた心肺蘇生と標準的ACLSとをランダム化比較する研究が実施された。ミネソタメディカルセンターにおいて、第II相単施設オープン試験として18~75歳の心肺停止・心室細動を対象としている。3回のAEDによる電気的除細動が無効、Lund University Cardiac Arrest System(LUCAS)という機械的心肺蘇生装置を使用、30分以内の移送時間という状況において、患者をスクラッチカードを用いてランダムに上述の2群に割り付けている。主要エンドポイントは生存退院、副次的エンドポイントは安全、生存、退院後3および6ヵ月目での機能的評価とした。すべての解析はITT解析となっている。2019年8月8日~2020年6月14日の間、36例(平均59歳[36~73歳]、83%男性)の患者が登録された。6例を除外し、30例を半数ずつACLS群とECMO群とに割り付けた(1例は途中で脱落)。結果であるが、生存退院はACLS群では15例中1例(7%、95%信頼区間:1.6~30.2)、ECMO群では14例中6例(43%、95%信頼区間:21.3~67.7)であった。本研究は米国国立心肺血液研究所(National Heart, Lung, and Blood Institute)によって、予定されていた初回中間解析で明らかな有意差がついたと判断され中止となった。30例の登録の段階ですでにECMO群の優位性が示されたためであるが、6ヵ月後についてもECMO群で優れていた。 現在本邦においては日本ACLS協会の資料に従えば、2018年(平成30年)2018年中に一般市民に目撃された心肺停止症例は2万5,756例、そのうちの41.9%、1万791例においては一般市民による心肺蘇生が行われず、1ヵ月後生存者/社会復帰者は966例(9.0%)/482例(4.5%)と低率であった。逆に一般市民によって心肺蘇生がなされた症例が1万4,965例(58.1%)あり、1ヵ月後生存者数/社会復帰者数は2,618例(17.5%)/1,873例(12.5%)と倍以上に改善するという結果であった。さらに一般市民が除細動を実施した傷病者数は1,254例で、1ヵ月後生存者数/社会復帰者数は701例(55.9%)/605例(48.2%)と約半数が救命・社会復帰されるというものであった。 本邦でも一般市民の心肺蘇生の教育が広がりつつあることに加えてAEDが大幅に普及されたことで近年心肺蘇生例の予後は改善しつつあることがわかる。しかしながら、救命救急機関に搬送されて以降のPCPS、ECMOといった機械補助の使用は、施設間および担当する医師の判断により異なるのが現状であると認識している。今回このLancet誌に報告された臨床研究は、初めてACLSに対してECMO導入を行うことの有益性を検証したランダム化比較試験であり、コストとリソースを投じるに見合った良好な生存率が得られることを示した点でその意義は高い。今、本邦においてもCOVID-19感染拡大・蔓延の中でCOVID-19感染重症症例へのECMO導入など、その整備と体制を整えた医療機関数およびその機関での収容可能数が増えたものと思われる。今はCOVID-19感染を乗り越えることが各医療機関の喫緊の課題であるが、それらを乗り越えた先において、救急医療における心肺停止例へのECMOの活用により心肺蘇生・治療抵抗性心室細動症例の予後・社会復帰率改善が得られることを期待したい。

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FIDELIO-DKD試験-非ステロイド系選択的鉱質コルチコイド受容体拮抗薬finerenoneに、心腎保護効果あり!(解説:石上友章氏)-1340

 慢性腎臓病(CKD)診療の究極のゴールは、腎保護と心血管保護の、両立にある。腎機能低下・透析を回避して、長生きできる治療法が、待ち望まれている。高血圧、糖尿病は、CKDのリスクであり、降圧薬、血糖降下薬には、高血圧・糖尿病を修正・軽快することで、間接的にCKDないしDKDの進展抑制が可能である。しかし、降圧薬であるACE阻害薬・ARBの確たる『降圧を超えた臓器保護作用』については、議論の余地があった。 レニン・アンジオテンシン(RA)系は、重要な創薬標的であり、これまでさまざまな薬剤が上市されてきた。RA系の最終産物であるアンジオテンシンIIは、腎内作用と、腎外作用があり、副腎を刺激してアルドステロンの分泌を促進することは、主要な腎外作用である。アルドステロンは、11βHSD2存在下でコルチゾールが不活化することで、核内にある鉱質コルチコイド受容体(MR)と結合し、アルドステロン誘導性タンパク質(AIP:aldosterone inducible protein)の遺伝子発現を通して、アルドステロン作用を発揮する。 第1世代(スピロノラクトン)、第2世代(エプレレノン)の抗アルドステロン薬は、ステロイド骨格を有し、第3世代(エサキセレノン)は非ステロイド骨格であり、前者をMRA(鉱質コルチコイド受容体拮抗薬)、後者をMRB(鉱質コルチコイド受容体遮断薬)と呼称する。FIDELIO-DKD試験1)では、新規第3世代MRBであるfinerenoneを試験薬として、RA系阻害薬を用いた治療中のCKD合併2型糖尿病患者を対象に行われた。 結果は、finerenoneに心腎保護効果があることが証明された。1次エンドポイントである、腎複合エンドポイントは楽々と(HR:0.82、0.73~0.93、p=0.001)、2次エンドポイントである心血管複合エンドポイントは辛うじて(HR:0.86、0.75~0.99、p=0.03)統計学的有意差をつけることができた。これまで、多くの基礎研究の成果から、鉱質コルチコイド受容体の活性化が、心血管・腎の組織・細胞レベルでの障害をもたらすことが示唆されている。FIDELIO-DKD試験は、セオリーを臨床試験で証明したことから、トランスレーショナル・リサーチの成果と言える。著者らはDiscussionにおいて、軽度の血圧低下を伴った、アルブミン尿・心血管イベントに対する効果が早期に認められることから、一部の作用はナトリウム利尿効果に由来するとしている。一方、SGLT2阻害薬カナグリフロジンを試験薬にしたCREDENCE試験と比較して、1次エンドポイントの群間差のmagnitudeが少ないことに言及しており、両薬剤の薬効をもたらす作用点を比較するうえで興味深い。

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6歳未満の乳幼児の調剤報酬上乗せ 要件は「とくに必要な感染予防策」【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第60回

年末から春は処方箋が増える時期ですが、新型コロナウイルス感染症によって昨年の同時期よりも少ないという薬局も多いと思います。実際、私が携わっている薬局は、小児科や外科からの処方箋が明らかに減っているという感覚があります。この状況は暖かくなる春ごろまで続く可能性もあるので、医療が必要な人が適切に治療を受けられているのかという問題だけでなく、薬局の経営や存続にも関わってきます。これに伴い、薬局を対象にした経済的な支援として、6歳未満の乳幼児の調剤報酬が上乗せされることになりました。厚生労働省は2020年12月15日、受診控えで小児科の患者が減って経営が悪化していることを背景に、事務連絡「新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて(その31)」を発出しました。これにより、新型コロナウイルス感染症が拡大している間は、6歳未満の乳幼児の処方箋受付の場合は12点を算定することができます。なお、保険医療機関の医科の場合は100点、歯科の場合は55点が算定できます。いずれも小児の外来診療などにおいて「とくに必要な感染予防策」を講じたうえで、保護者の同意を得ることが条件です。その「とくに必要な感染予防策」とは、以下のようなものです(同通知より一部改変)。COVID-19に特徴的な症状はなく、小児では出現しても訴えとして現れることが期待できないことから、1人の患者ごとに手指消毒を実施する。流行状況を踏まえ、家庭内・保育所内などに感染徴候のある人がいたか、いなかったのかを確実に把握する。環境消毒については、手指の高頻度接触面といわれるドアノブ・手すり・椅子・スイッチ・タッチパネル・マウス・キーボードなどは定期的に70~95%アルコールか0.05%次亜塩素酸ナトリウムを用いて清拭消毒し、とくに小児が触れる可能性が高い場所は重点的に行う。これらに関しては、オンライン診療・服薬指導では対象となりません。明確な基準による許可などがないため、加算を算定する場合は薬歴に記載するなど記録を残せばよいと思われます。現時点では、この加算は2020年度中(2021年2月診療分)までの措置とされており、それ以降は別途検討されます。これまで小児の感染者数はそれほど多くはありませんでしたが、英国で発見された新型コロナ変異株は子供にも感染しやすい可能性が示唆されています。新型コロナに特徴的とされている味覚・嗅覚異常は、6歳未満の乳幼児が訴えるのは難しいため、より慎重な対応が求められます。地域独自、時期限定の支援もそのほかの経済支援として、東京都では新型コロナウイルスに感染した患者を年末年始に受け入れる体制を強化するため、医療機関などに協力金を支給しました。保険薬局では、患者が年末年始であっても調剤を受けたり薬を購入したりできるように、1日8時間以上営業することを条件に1日3万円が支給されました。なお、医療機関に関しては、軽症・中等症の患者を受け入れた医療機関には1人1日当たり7万円、重症者の場合は30万円が支給され、すでに入院している患者も対象となりました。もしかしたら、こういった支援はゴールデンウイークなどの大型連休でもまた登場するかもしれませんので、通知などをチェックするようにしましょう。もう少し、もう少し、と思いながらコロナ禍でも業務を行ってきましたが、しばらくこの状況は続くと思ったほうがよさそうです。経済的な支援で利用できるものは利用しつつ、スタッフのメンタルケアや薬局の設備の見直しなども必要になってくるかもしれません。

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第42回 南アの新型コロナウイルス変異株へのワクチン効果が心配されている/変異株はどう発生するのか

南アの新型コロナウイルス変異株へのワクチン効果が心配されている南アフリカ(南ア)で広まる新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異株は英国で広まる変異株にはない変異があり、英国の専門家はそれらがワクチンの効果を妨げる恐れがあると心配しています1-3)。南アの変異株B.1.351(別称501Y.V2)のスパイクタンパク質の受容体結合領域(RBD)には英国の変異株B.1.1.7と共通するN501Y変異に加えてさらに2つの変異が存在します。南アの変異株に特有のそれら2つの変異の1つE484Kは抗体を寄せ付け難くすることが知られており1)、厄介なことに先立つ感染やワクチン接種で備わった免疫防御をウイルスが回避するのを助けます。E484Kだけで南アの変異株に目下のワクチンが全く歯が立たなくなるとは考え難いが、変異株の発見にはワクチンの効果の心配がつきものであり、南アの変異株へのワクチンの効き具合はまだ想像がつかないとロンドン大学のFrancois Balloux教授は言っています1)。英国の変異株は去年9月にみつかり4)、12月中旬に同国で急速に広まりました。南アの変異株は11月中旬から他のSARS-CoV-2に取って代わって同国で広まっていることが12月18日に発表されました5)。オックスフォード大学の免疫学者で英国のワクチン開発の取り組みへの助言者の1人・John Bell氏は英国の変異株にワクチンは効きそうだが南アの変異株への効果は大変心配(big question mark)で、調査を急いでいると言っています3,6)。南アの変異株のゲノムを調べている同国の大学University of KwaZulu-Natalの感染症専門家Richard Lessells氏はその調査こそ同氏等の最優先課題であるとし、抗体がすでに備わっている人やワクチン接種を経た人の血液の中和抗体活性の検討を始めています7)。中和抗体だけでなく細胞を介した免疫を調べることも有益だろうと米国のウイルス学者Kartik Chandran氏は科学ニュースThe Scientistに述べています3)。T細胞が担うそれらの免疫は中和抗体に比べて変異への対応がより鈍いかもしれません。※幸いなことに、南アと英国の SARS-CoV-2 変異株に共通のN501Y変異はPfizer/BioNTechのワクチンの効果を妨げはしないようです。先週7日にbioRxivに掲載された実験によると、同ワクチンの第III相試験の被験者20人の血清はN501Y変異導入SARS-CoV-2を非変異SARS-CoV-2と同様に中和しました。SARS-CoV-2変異株はどう発生するのか新型コロナウイルス感染(COVID-19)から1ヵ月が過ぎてもその原因ウイルスSARS-CoV-2を排出し続けるがん(リンパ腫)患者がいることを知ったケンブリッジ大学のウイルス研究者Ravindra Gupta氏は治療を助けるために出向いてその男性患者にとりつくSARS-CoV-2の面々の変遷を調べました8,9)。その結果、抗体を効かなくするスパイクタンパク質変異対を備えるSARS-CoV-2一派が回復者血漿投与に伴って優勢になっており、その変異対の片割れΔH69/ΔV70は英国で広まる変異株B.1.1.7にも存在するものでした。男性患者は抗体を作る免疫細胞・B細胞を減らす抗がん剤リツキシマブ治療を受けていて免疫が衰えている免疫弱者であり、抗ウイルス薬Remdesivir(レムデシビル)や回復者血漿投与の甲斐なくCOVID-19診断から101日で亡くなりました。男性にとりついたSARS-CoV-2の面々は2度の一連のレムデシビル治療にも関わらず65日間はほとんど進化的変化(evolutionary change)なしで居着いていました。しかし回復者血漿が投与されるやその組成は一変し、抗体を効かなくする変異対・D796HとΔH69/ΔV70を有するSARS-CoV-2一派があたまをもたげて優勢になり、その変異対はSARS-CoV-2への主な抗体を突き放すウイルスの常套手段の一つであることが判明しました。スパイクタンパク質に8つの変異を携えて英国で広まる変異株B.1.1.7もGupta氏等が見つけた変異対保有一派と同様に免疫弱者が出どころかもしれないと研究者は考えています8)。ΔH69/ΔV70変異を備えて抗体を突っぱねることがSARS-CoV-2の常套手段であることはその変異がB.1.1.7に備わることも物語っています。Scienceのニュースによると8)、レンチウイルスを試しに使ったGupta氏の実験でΔH69/ΔV70変異は感染を捗らせました。B.1.1.7のスパイクタンパク質に備わる別の変異N501Yは南アで広まる変異株B1.351にも存在し、Science誌掲載の研究では細胞受容体ACE2との密着を促すことが示唆されました10)。N501Yのように独立して生き残る変異はウイルスにとって有益である公算が大きいとFred Hutchinson Cancer Research Centerの進化生物学者Jesse Bloom氏は言っています8)。英国の変異株B.1.1.7のスパイクタンパク質に備わるP681H変異もN501Yと同様に注意が必要とみられています。P681Hは細胞侵入に際してのスパイクタンパク質切断部位を変えます。その切断部位は20年近く前の2003年に流行したコロナウイルスSARS-CoV-1とSARS-CoV-2のスパイクタンパク質の不一致領域に位置し、その領域の変化は感染をより広めやすくする恐れがあります10)。参考1)expert reaction to the South African variant / Science Media Centre2)UK scientists worried vaccines may not work on S.African coronavirus variant / Reuters3)South African SARS-CoV-2 Variant Alarms Scientists / TheScientist4)COVID-19 (SARS-CoV-2): information about the new virus variant / GOV.UK 5)SARS-CoV-2 Variants / WHO6)Covid: 'No question' restrictions will be tightened, says Boris Johnson / BBC7)South Africa testing whether vaccines work against variant / AP8)U.K. variant puts spotlight on immunocompromised patients’ role in the COVID-19 pandemic / Science9)Neutralising antibodies drive Spike mediated SARS-CoV-2 evasion. medRxiv. December 19, 202010)Gu H, et al. Science. 2020 Sep 25;369:1603-1607.

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うつ病患者のBMIと治療結果との関連

 うつ病患者では、抗うつ薬の治療反応が悪いと、BMIが高まる可能性がある。しかし、治療反応に対する低体重の影響はよくわかっていない。また、治療反応を予測するためにBMI測定を実施すべきかについても研究されていなかった。中国・首都医科大学のLe Xiao氏らは、うつ病患者のBMIと治療結果との関連について検討を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2020年11月12日号の報告。 抗うつ薬(パロキセチン、ミルタザピン、パロキセチン+ミルタザピン)の治療結果を報告した臨床試験の成人うつ病患者202例のデータを事後分析した。ベースライン時のBMIおよび0、2、3、4、6、8週目のハミルトンうつ病評価尺度(HAMD-17)による症状重症度を測定した。肥満度の分類は、BMI18.5未満(低体重)、18.5~23.9(正常体重)、24以上(過体重)と定義した。エンドポイントにおけるHAMD-17スコアの減少、反応(HAMD-17スコア50%以上の減少)、寛解(HAMD-17スコア7以下)に対するベースライン時のBMIの影響を調査するため、単変量分析を用いた。継続的な体重やBMIの測定とHAMD-17スコアの減少との関連を調査するため、ピアソン相関係数を用いた。寛解の予測因子の検討には、ロジスティック回帰分析を用いた。BMIとHAMD-17の変化との関連を明らかにするため、多重線形回帰分析を用いた。主な結果は以下のとおり。・肥満度の分類では、正常体重111例(55.0%)、低体重20例(9.9%)、過体重71例(35.1%)であった。・低体重の患者では、抗うつ薬の治療反応が最も良好であった。・非寛解患者は、寛解患者と比較し、体重およびBMIが高値であった(p<0.05)。・HAMD-17スコアの減少は、ベースライン時の体重(r=-0.16、p=0.032)およびBMI(r=-0.19、p=0.012)と関連が認められた。・ロジスティック回帰では、正常体重および低体重の患者(BMI24未満)は、過体重の患者と比較し、寛解率が2倍高かった(OR:1.958、95%CI:1.015~3.774、p=0.045)。・多重線形回帰では、BMI増加とHAMD-17合計スコア変化の減少との関連が認められた(β=-0.32、p=0.016)。 著者らは「うつ病の治療結果は、BMIにより予測できることが確認された。また、抗うつ薬治療が最も奏効するのは、低体重の患者であることが初めて明らかとなった。本調査結果は、BMIによる抗うつ薬の選択に際し、意思決定に役立つ可能性がある」としている。

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体験ルポ・新型コロナワクチン接種(2)新たなワクチンに臨むために必要なこと

 国内では、連日のように過去最多の感染者数が確認されている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。行動を変え、消毒を徹底するなどの地道な自助努力が、現時点ではわれわれにできる唯一の感染防止策であり、ワクチン接種の開始が待ち望まれるところである。 感染者数世界最多の米国では、世界に先駆け2020年12月14日からワクチン接種が実施されている。本稿は、米国・ワシントンDCの病院に勤務する日本人医師の安川 康介氏がケアネットに寄せたワクチン接種の体験ルポ第2弾である。安川氏は、2020年12月16日に1回目のワクチン接種を経験し、今回は、2回目となる1月5日の接種の際に経験した体調変化や周りの接種者の反応、日本が新たなワクチンに臨むために必要なことについてレポートしている。2回目接種時に体調変化を経験、ナースでは接種忌避傾向も 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者数増加を受け、日本では1月7日に2度目の緊急事態宣言が発出された。Pfizer社は2020年12月18日、日本におけるmRNAワクチンの製造販売承認を申請し、今年2月には承認される見通しである。日本における収束に向け、ワクチンへの期待が高まる。 米国では、FDAが2020年12月11日、Pfizer社とBioNTech社が開発したmRNAワクチン(BNT162b2)の緊急使用を認めた。これを受けて、わたしが勤務するワシントンDCのMedStar Washington Hospital Centerにおいても、12月16日から医療従事者を対象にワクチン接種が始まり、同日に受けることができた。ご存じの通り、本ワクチンは2回接種が必要であり、年明けの1月5日に2回目を接種した。 前回接種時は、主に接種部位の痛みがあったのみで、それも2~3日後にはほぼ消失した。2回目の接種では、前回と同様に接種部位の痛みが生じたのに加え、前回と違ったのは、翌日にやや強い倦怠感を経験したことである。体温が37.2度程度と少し高くなり、体がだるく、いわゆる風邪を引いた時のような倦怠感が夜まで続いた。接種を受けた同僚の中には、初回はほとんど全身性の反応が出なかったが、2回目の接種では、当夜に眠れないくらいの発熱・悪寒・頭痛を経験した人もいた。2回目の接種時に全身性の症状が出やすいことは臨床試験でも報告されており、16~55歳では、2回目接種後の発熱は16%、倦怠感は59%、頭痛は52%と報告されている。逆に、初回接種後に発熱・悪寒・倦怠感が強かったものの、2回目ではそれほど全身性の反応が出なかった人もいた。わたしが勤務する病院では、医師やナースプラクティショナーの多くがワクチン接種を受けた一方、看護師やナースアシスタントではワクチン接種を躊躇する人も多く、わたしはコロナ病棟の看護師を対象にmRNAワクチンに関する教育も担当した。 Pfizer/BioNTech社ワクチンでは、2回目接種後7日以降の発症予防効果は95%、モデルナ社のワクチンでは2回目接種後14日以降の発症予防効果は94.1%といずれも高い。ただし、無症状の感染や2次感染をどれだけ予防できるかは今のところ不明で、感染予防対策は引き続き必須である。一部施設では、ワクチンの無症状感染についての予防効果を調べるため、接種後毎週PCRを行うという臨床試験も開始されているようである。モデルナ社のワクチンの臨床試験では、2回目接種前にPCR検査をしており、PCR陽性は1万4,134人中14人、プラセボ群では1万4,073人中38人と、無症状の感染の予防効果も期待されている1)。大規模接種の円滑実施のカギはプロトコル作成と周到なシミュレーション 米国では2020年12月18日、モデルナ社のmRNAワクチンの緊急使用も認められ、急ピッチで、Pfizer/BioNTech社およびモデルナ社のワクチン接種が進んでいる。実際に接種が始まった12月16日から、すでに500万人以上(1月7日執筆時、対象は主に医療従事者・高齢者施設の入居者)がワクチン接種を受けた。しかしこの数は、米政府が2020年末までの目標に掲げていた2,000万人には遠く及ばず、進行の遅れに対する批判の声が上がっている。実際に各州に供給されているワクチン量に比べ、接種された数は大幅に下回っており、大規模なワクチン接種をいかに効率的に行うか、各州で調整が進められている段階である。CDC(米国疾病予防管理センター)はワクチンの接種について、phase1aでは高齢施設入居者と医療従事者、phase1bでは消防士や警察官、グローサリーストアの従業員などのエッセンシャルワーカー、75歳以上の高齢者、などと優先順位を設定したものの2)、実際はphase1a全員の接種が終わる前にでも次のフェーズでの接種を開始する州が増えている状況である3)。 翻って日本においても、大規模なワクチン接種をいかに効率的に実施できるか今から綿密に計画しておくことが重要である。Pfizer/BioNTech社ワクチンは保管温度が−70℃、モデルナ社ワクチンは−20℃であり、コールドチェーンの確立はもちろんのこと、効率的に接種を行っていくためには、接種者の登録および説明は、接種会場ではなく事前に済ませられるような形で行うことも必要かもしれない。わたし自身、ワクチン接種の登録はオンラインシステムで済ませ、ワクチンに関する説明はFDAが作成した説明書4)および医療機関が個別に作成した資料を渡され、読むように指示されただけである。また、Pfizer/BioNTech社ワクチンは、これまで接種した約190万人中21人に強いアレルギー反応が確認されており5)、CDCではワクチン接種後15~30分観察することを推奨している。接種会場では、アナフィラキシーをどのようにモニターし、治療するかをプロトコル化しておく必要もあるだろう。 日本に限らず世界的にもCOVID-19の感染者数増加に伴い、医療施設に負荷がかかっている。したがって、具体的に誰がどのように接種を進めていくのか、人材調整も喫緊の課題だ。たとえば米国では、州によってはCVSやWalgreensなどの薬局と提携を結び、薬剤師が高齢者施設での接種を担っている6)。また、Pfizer/BioNTech社ワクチンの場合、解凍した後、冷蔵保存(2~8℃)が5日間と短い(モデルナ社は30日)。そのため、ワクチンを無駄にしないためにはいつ、どこに配給し、ワクチンが余った場合には誰に回すのか、あるいは他施設に輸送するのか、といったことを周到にシミュレーションしておくべきである。 日本では、ワクチンを忌避する人も少なからずいる。世界に先駆けて新型コロナワクチンを接種した国々からは、メディアを通じてネガティブな情報も届いていることだろう。HPVワクチンの二の舞にならないように、メディアや国民に向けて、ワクチンの正しい科学的知識、予期される局所反応・全身性反応に関する教育等を行うことが、この新たなワクチンを経験するに当たっては何よりも重要であると考える。先行して大規模接種が開始された米国の情報などを参考に、接種開始早期から円滑に進行できることを願っている。【安川 康介氏プロフィール】2007年慶應義塾大学医学部卒業。日本赤十字社医療センターにて初期研修を修了後渡米。ミネソタ州ミネソタ大学医学部内科レジデンシー、テキサス州ベイラー医科大学感染症フェローシップ修了。米国内科専門医・感染症専門医。現在は、ワシントンDCのMedStar Washington Hospital Centerにて、ホスピタリストとして勤務。参考文献・参考サイトはこちら1)https://www.fda.gov/media/144453/download2)https://www.cdc.gov/vaccines/hcp/acip-recs/vacc-specific/covid-19/evidence-table-phase-1b-1c.html3)https://www.cnn.com/2021/01/06/health/covid-19-messy-roll-out-state-expand-priorities/index.html4)https://www.fda.gov/media/144414/download5)https://www.cdc.gov/mmwr/volumes/70/wr/mm7002e1.htm?s_cid=mm7002e1_w6)https://www.gov.ca.gov/2020/12/28/governor-newsom-announces-partnership-with-cvs-and-walgreens-to-provide-pfizer-vaccines-to-residents-and-staff-in-long-term-care-facilities/

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COVID-19入院患者への中和抗体、レムデシビルへの上乗せ効果示せず/NEJM

 レムデシビルの投与を受けている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の入院患者において、中和モノクローナル抗体LY-CoV555(bamlanivimab)の単回投与はプラセボと比較して、5日目までの有効性に差はないことが、デンマーク・コペンハーゲン大学病院のJens D. Lundgren氏らが実施した「ACTIV-3/TICO LY-CoV555試験」で明らかとなった。研究の詳細は、NEJM誌オンライン版2020年12月22日号に掲載された。抗ウイルス薬レムデシビルは、COVID-19入院患者の回復までの期間を短縮することが示されているが、有効な追加治療が早急に求められている。また、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する受動免疫を活用して、感染に対する液性免疫応答を増強することは、COVID-19患者の臨床評価における優先事項とされる。LY-CoV555は、COVID-19外来患者においてウイルス負荷および入院・救急診療部受診の頻度を低減することが知られている。3ヵ国31施設が参加したプラセボ対照無作為化試験 本研究は、COVID-19入院患者の治療における中和モノクローナル抗体と抗ウイルス薬の役割を解明する目的で、米国国立衛生研究所(NIH)によって設立されたACTIV-3/TICO(Therapeutics for Inpatients with COVID-19)プラットフォームに基づく最初の臨床試験であり、31施設(米国23施設、デンマーク7施設、シンガポール1施設)が参加し、2020年8月5日~10月13日の期間に患者登録が行われた(米国Operation Warp Speedなどの助成による)。 対象は、SARS-CoV-2に感染した成人入院患者で、COVID-19による症状発現から12日以内であり、末梢臓器不全(昇圧療法、新規腎代替療法、侵襲的機械換気、体外式膜型人工肺、機械的循環補助)がないこととされた。 被験者は、LY-CoV555(7,000mg)またはプラセボを1時間で静脈内注入する群(単回投与)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。加えて、全例が基礎治療として、レムデシビルと、適応がある場合は酸素補給やグルココルチコイドを含む質の高い支持療法を受けた。 主要アウトカムは90日の期間中における持続的回復(自宅退院し、少なくとも14日間自宅にいることと定義)とし、time-to-event解析で評価された。また、5日目の肺機能に関する7段階の順序尺度(カテゴリー1「症状が最小限またはまったくない状態で、通常の活動を自立的に行うことができる」~カテゴリー7「死亡」)に基づき、無益性(futility)の中間解析が実施された。5日目のカテゴリー1+2達成率:50% vs.54% 2020年10月26日、データ・安全性監視委員会は、314例(LY-CoV555群163例[年齢中央値63歳、女性40%]、プラセボ群151例[59歳、47%])が無作為化され投与を受けた時点で、無益性のため患者登録を中止するよう推奨した。 無作為化前または無作為化の日に、298例(95%)がレムデシビルの投与を開始しており、49%がグルココルチコイドの投与を受けていた。症状発現からの期間中央値は7日(IQR:5~9)だった。 5日目の時点で、肺アウトカムの上位2カテゴリー(カテゴリー1と2)を達成したのは、LY-CoV555群が161例中81例(50%)、プラセボ群は150例中81例(54%)であった。また、5日目までに退院した患者は、それぞれ90例(55%)および85例(56%)であった。7段階のカテゴリーに関して、LY-CoV555群がプラセボ群よりも良好なカテゴリーに属するオッズ比(OR)は0.85(95%信頼区間[CI]:0.56~1.29)であり、両群間に有意な差は認められなかった(p=0.45)。 10月26日の時点における持続的回復(少なくとも28日間追跡されるか、この間に死亡した患者が対象)は、LY-CoV555群が87例中71例(82%)、プラセボ群は81例中64例(79%)で達成された(率比[RR]:1.06、95%CI:0.77~1.47)。また、全患者における退院は、LY-CoV555群が163例中143例(88%)、プラセボ群は151例中136例(90%)で達成された(RR:0.97、95%CI:0.78~1.20)。 安全性の主要アウトカム(死亡、重篤な有害事象、Grade3/4の有害事象の複合)は、5日目の時点でLY-CoV555群が163例中31例(19%)、プラセボ群は151例中21例(14%)で発生した(OR:1.56、95%CI:0.78~3.10、p=0.20)。また、28日目の時点で、安全性主要アウトカムまたは臓器不全、重篤な重複感染症を発症した患者は、それぞれ163例中49例(30%)および151例中37例(25%)(HR:1.25、95%CI:0.81~1.93)であり、10月26日の時点における死亡は9例(6%)および5例(3%)であった(HR:2.00、95%CI:0.67~5.99)。死亡例14例のうち12例はCOVID-19の悪化、2例は心肺停止によるものだった。 著者は、「TICOプラットフォームは、今後も、新規モノクローナル抗体製剤を含め、COVID-19の追加治療の評価を進める予定である」としている。

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成人発症のがんサバイバー、2次原発がんの発症・死亡リスク高/JAMA

 米国の成人発症がんの生存者は一般集団と比較して、いくつかの種類の原発がんで、2次原発がん(SPC)の発症およびSPCによる死亡のリスクが高く、喫煙または肥満に関連する一部のSPCは、がん生存者全体におけるSPC罹患およびSPCによる死亡に占める割合が高いことが、米国がん協会(ACS)のHyuna Sung氏らの検討で示された。研究の成果は、JAMA誌2020年12月22・29日号に掲載された。新たながんを発症するがん生存者の数は増加すると予測されている。一方、成人発症がんの生存者におけるSPCのリスクに関して、包括的なデータは十分でないという。SEERの12のレジストリデータを用いた後ろ向きコホート研究 研究グループは、成人発症がんの生存者における全体およびがん種別のSPCリスクを、1次原発がん(FPC)の種別および性別で定量的に評価することを目的に、後ろ向きコホート研究を行った(ACSの助成による)。 解析には、米国のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)の12のレジストリのデータを用いた。対象は、1992~2011年の期間に年齢20~84歳でFPCと診断され(2017年12月31日まで追跡)、5年以上生存した患者であった。 主要アウトカムは1万人年当たりのSPC罹患およびSPCによる死亡とし、標準化罹患比(SIR)と標準化死亡比(SMR)を一般集団の予測値と比較した。男女とも喉頭がんでSIRが高く、肺がんで全SPC死の3割以上 153万7,101例の生存者(平均年齢60.4歳、女性48.8%)のうち、1,119万7,890人年(平均7.3年)の追跡期間中に、15万6,442例がSPCに罹患し、8万8,818例がSPCで死亡した。 男性では、一般集団と比較して、30種のFPCのうち18種でSPC発症リスクが、27種でSPCによる死亡リスクが統計学的に有意に高かった。また、女性では、一般集団と比較して、31種のFPCのうち21種でSPC発症リスクが、28種でSPCによる死亡リスクが統計学的に有意に高かった。 男性では、SIRが最も高かったのは喉頭がんの生存者(SIR:1.75、95%信頼区間[CI]:1.68~1.83、罹患率:1万人年当たり373例)であり、SMRが最も高かったのは胆嚢がんの生存者(SMR:3.82、95%CI:3.31~4.39、死亡率:1万人年当たり341例)であった。また、女性では、SIRおよびSMRはいずれも、喉頭がん生存者(SIR:2.48、95%CI:2.27~2.72、罹患率:1万人年当たり336例、SMR:4.56、95%CI:4.11~5.06、死亡率:1万人年当たり268例)で最も高かった。 特定のFPCとSPCリスクとの関連には大きなばらつきが認められた。一方、喫煙または肥満に関連する一部のSPC(たとえば、肺がん、膀胱がん、口腔・咽頭がん、大腸がん、膵がん、子宮体がん、肝がんなど)だけで、全SPCの罹患率および死亡率のかなりの割合を占めており、肺がん単独で全SPCによる死亡の31~33%を占めた。 著者は、「これらの知見は、がん生存者における継続的なサーベイランスおよび新規がんの予防への取り組みの重要性を強調するものである」としている。

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第37回 軽症者の宿泊・自宅療養を義務化など、感染症法を改正へ

<先週の動き>1.軽症者の宿泊・自宅療養を義務化など、感染症法を改正へ2.救急車利用、20年間で1.8倍増と過去最高記録を更新3.医療事故調査制度、発足5年で見直しを求める声4.国土交通省、サービス付き高齢者住宅の監視を強化へ5.人件費、医薬品・医療材料費の高騰で民間病院の経営状態が悪化1.軽症者の宿泊・自宅療養を義務化など、感染症法を改正へ新型コロナウイルス対策を定めた新型インフルエンザ等対策特別措置法について、1月18日に招集される通常国会において改正される見込みとなった。今回の改正には、ほかの法案と切り離し、特例で先行処理を行うとして与野党間でも合意をしている。緊急事態宣言下で、都道府県知事の休業命令に対して、事業者が従わない場合に50万円以下の「過料」を科すことも検討されており、感染拡大防止のため、早期の成立を目指すことになる。さらに政府・与党は、感染症の対策強化のため、軽症・無症状者の宿泊・自宅療養を感染症法により義務化する検討に入った。自治体が新型コロナウイルス感染者に対して入院を命じても応じなかった場合、罰則を科す内容も含め、感染防御の実効性を持たせるとみられる。(参考)休業命令違反に過料50万円 コロナ特措法改正で―政府(時事通信)コロナ軽症者、宿泊・自宅療養を義務化 感染症法改正検討 政府・与党(毎日新聞)2.救急車利用、20年間で1.8倍増と過去最高記録を更新2019年の救急車による救急出動件数は663万9,767件(対前年比3万4,554件[0.5%]増)、搬送人員は597万8,008人(対前年比1万7,713人[0.3%]増)で救急出動件数、搬送人員ともに過去最多となったことが総務省の発表で明らかとなった。1999年の出動件数370.1万件と比較すると、この20年間で約1.8倍に増えている。また、救急車が現場に到着するまでの時間は2019年で8.7分と、1999年の6.0分から2.7分伸びた。病院までの搬送時間も同年の26.7分から39.5分と約1.5倍となっている。このうち急病の搬送人員数は392万2274人と、10年連続で過去最高。搬送された患者の60%以上が65才以上であり、高齢化によると考えられる。ただ、対前年比の増加率は過去10年で最低であり、「軽症での救急搬送割合」は前年から0.8ポイント減少するなど、適正利用の啓発が効を奏していると考えられる。(参考)「令和2年版 救急・救助の現況」の公表(総務省)3.医療事故調査制度、発足5年で見直しを求める声患者の「予期しない死亡」を対象とする医療事故調査制度が発足から5年を経過し、医療機関側に原因の調査などが義務付けられているが、被害者団体が2020年12月に、制度改善のための検討会を設置するよう求める要請書を厚生労働省に提出した。制度の対象となる医療事故の相談がこの5年間で135件があったが、3割に当たる55件は実際には報告されなかった。患者団体は「第三者機関の調査権限を強化すべき」と新たに検討会を開き、制度の見直しを求めている。現在の医療事故調査制度の主な問題点として医療過誤原告の会が指摘しているのは、以下の項目などで、今後も政府への働きかけを強めていくだろう。1)死亡事故が起きた際、「予期せぬ死亡事故」だったのかを医療機関側が判断するため「予期した死亡」とみなしてセンターへ報告しない場合、それを第三者が検証できない2)被害者遺族が「医療事故ではないか」と思っても、第三者として判断してくれるところがない3)医療事故調査・支援センターの調査報告書は公表されていないので再発防止に役立っていない4)死亡事故のみで重度障害事故が対象外になっている。(参考)「医療事故調査制度」見直しへ遺族ら要望「調査が不十分」(NHK)4.国土交通省、サービス付き高齢者住宅の監視を強化へ国土交通省は、サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会において議論を重ねてきたが、介護報酬改定に合わせて、2021年度から高齢者住宅のサービス内容などについて監視機構を強化することに決めた。現在、全国で26万人の高齢者が居住しているが、経営不振または入居者減少、人手不足を理由に、廃業する事業者が発生し、高齢者が住まいを失うことが問題になっている。今後は、すべての施設に入居・退去者の数や退去理由などの公開を義務化するとともに、人手不足については、職員の常駐を求める規制を緩和するなどの検討を進める。また、一部で問題とされている、自社提供の介護サービスを使わせるため家賃を安く抑えている施設については、補助金の支給対象から外すなどを検討している。(参考)サービス付き高齢者向け住宅に関する懇談会 第5回配布資料(国土交通省)5.人件費、医薬品・医療材料費の高騰で民間病院の経営状態が悪化2018~2019年度にかけて、民間病院の医療法人の経営状態が悪化していることが、福祉医療機構(WAM)により公表された「2019年度(令和元年度)決算 医療法人の経営分析参考指標」で明らかとなった。事業収益対事業利益率は2.0%と、前年度に比べ、0.2ポイントの低下となった。また、医療従事者などの1人当たり人件費は5,349千円と、前年度より4万6千円上昇し、人件費率が58.2%と前年度と比べて0.1ポイント上昇していた。さらに、医療材料費率が12.0%と前年度比0.1ポイント上昇しており、これらの費用の増加が事業収益対事業利益率の低下の一因と考えられる。現在、コロナウイルスの感染拡大で、民間病院に対してもコロナウイルス感染者の受け入れの要請が求められているが、院内感染対策やクラスター対策などのコストがあるため、踏み切れない病院も多いと考えられる。(参考)2019年度(令和元年度)決算 医療法人の経営分析参考指標の概要について(独立行政法人 福祉医療機構)2019年度の医療法人経営、人件費・医薬品・医療材料費等のコスト増で「収益率は悪化」―WAM(Gem Med)

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開業or離婚!?人生の分かれ道は夫婦の分かれ道【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第9回

第9回 開業or離婚!? 人生の分かれ道は夫婦の分かれ道漫画・イラスト:かたぎりもとこ開業するに当たって「タイミング」は非常に重要です。医師会の調査によると、新規開業の場合、開業する医師の平均年齢は41.3歳であることがわかっています1)。開業タイミングに影響するライフイベントや制約条件としては、主に以下の5つがあるでしょう。(1)出産/育児(2)介護(3)教育費(4)融資の可否(5)売り手側の希望(承継開業の場合)(1)は今回の例にもあるように、配偶者や自分の出産/育児のタイミングに開業するというケースです。開業したいと考えていたものの、想像以上に育児に時間がとられることがわかり、開業を断念するという方もいます。(2)も育児と同様に、介護によってプライベートに大きな負担が発生することが理解しやすいでしょう。(3)の教育費については、子供が成長するにつれ、子供の進路が開業に影響してくることがあります。とくに医師の場合は「子供も医師にしたい」と考える方も多く、私立大学の医学部を目指すとなれば、進学準備や学費に潤沢なキャッシュが必要となります。新規開業の場合は開業して2年程度は勤務医よりも年収が下がる可能性が高く、状況によっては開業を断念せざるを得ない方もいます。(4)の融資の可否はさらにシビアな問題です。もちろん、自分の貯蓄を活用して開業する分には問題にはなりませんが、新規開業では7,000万円程度の初期費用が必要となり、融資の利用を検討される方も多くいます。弊社データでは開業時に90%以上の方が融資を受けており、融資先としては地銀からが60%以上となっています。住宅ローン等と同様に、年齢が上がるにつれて、融資の審査は厳しくなります。承継しての開業であれば、新規開業よりも初期費用が抑えられ、かつ旧院長(売り手)のこれまでの財務実績があるため事業計画を立てやすく、融資を受ける際の説明も通りやすくなります。(5)承継開業の場合には、売り手の院長は「できれば長く医院を運営してくれる人に譲りたい」と考えることが多く、買い手側の医師の年齢がネックとなって譲渡希望者に選ばれない、というケースが散見します。逆に、30代など若い医師の場合も、売り手側が不安を感じて選ばれない、というケースがあります。「年齢」という、どうにもならない要素によって開業の可否が決まるケースがあることも、また事実なのです。こうして見ていくと「完璧なタイミング」というものは、ほぼ存在しないことがわかります。どの方も何かしらの困難や不安を抱えつつ、決断し、開業するのです。参考1)日本医師会総合政策研究機構. ワーキングペーパー 開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査. 2009年

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あなたには帰る家がある(後編)【なんで倦怠期は「ある」の?どうすればいいの?】Part 1

今回のキーワード絆の強さ(愛着スタイル)生殖戦略世代間連鎖男女平等(男女共同参画)アサーション夫婦間のSST共働きと共子育て「屋上付きの2階建て」そもそもなんで倦怠期は「ある」の?倦怠期になる原因は、不安定なコミュニケーションスタイル(愛着スタイル)、男女の脳機能の違い(システム化と共感性)、男女の社会的な役割の違い(ジェンダーギャップ)であることが分かりました。それでは、そもそもなぜこの3つの原因は「ある」のでしょうか? ここから、3つの原因の起源を進化心理学的に、そして文化心理学的にそれぞれ探ってみましょう。(1)男女の脳機能の違いの起源-生存と生殖に適応的だったから約700万年前にチンパンジーと共通の祖先が、二足歩行をするようになり、人類が誕生しました。この時に、手が自由になり、獲った食料を持ち歩けるようになりました。そして、男性は、日々食料を確保し、女性と分け合い、そのお返しとして、女性がその男性とセックスして、生まれた子どもを育てるようになりました。これが、性別役割分業の起源です。この時、食料を毎回取ってこれる男性が、女性に選ばれるでしょう。よって、生き残り子孫を残す男性の心理は、どうやって得るか、そして何を得るか、つまり理屈(論理)と結果です。これが、システム化の起源です。一方で、子どもを生んで無事に育てる女性が、男性に選ばれるでしょう。よって、生き残り子孫を残す女性の心理は、見た目や肌の美しさ(感染症の兆候がないこと)という身体的な特徴に加えて、子ども(相手)の気持ちにどう応えるか、そしてどうやって一緒にいるか、つまり情緒(感情)や関係性(プロセス)です。これが、共感性の起源です。つまり、男女の脳機能の違いが「ある」は、生存と生殖に適応的だったからであると言えるでしょう。(2)不安定な愛着スタイルの起源-生殖に適応的だったから約700万年前に人類が性別役割分業をするのと同時に、特定の男性と特定の女性がセックスをするようになりました。これが、一夫一妻型(制)の起源です。約300万年前に人類が家族を中心とした血縁集団の部族をつくるようになりました。そして、助け合うと、オキシトシンとあいまってドパミンが活性化して心地良く感じるようにもなりました。これが、絆(愛着スタイル)の起源です。これは、前編でご紹介した同調性にもつながります。夫婦は「好きでい続けるから助け合える」と思われがちですが、実は逆です。夫婦は「助け合うから好きでい続ける」のです。ただし、これは安定型の愛着スタイルの話です。一方、夫婦のどちらか、とくに両方の愛着スタイルが不安定な場合、子どもが身体的に自立する4歳以降、つまり子育てが一段落する結婚4年目以降に、倦怠期になり、離婚と再婚が繰り返されることが促進されます。すると、異なる夫婦関から生まれる子孫は、遺伝子をより多様に残せます。この子孫は、多様な免疫力を持っている点で、倦怠期にならない夫婦から生まれる子孫よりも、生存の適応度を高めます。もちろん、夫婦として幸せかどうかは別問題です。つまり、不安定な愛着スタイルが「ある」のは、生殖に適応的だったからです。これは、不倫の心理にもつながる生殖戦略です。なお、不倫の心理の詳細については、関連記事7をご参照ください。もちろん、愛着スタイルは、遺伝的に受け継がれるだけでなく、文化的にも受け継がれます(世代間連鎖)。ガミガミ型(不安型)やヘコヘコ型(回避型)の不安定な愛着スタイルの両親から生まれる子どもたちは、前編のストレンジ・シチュエーション法でご説明したとおり、気まぐれで一貫していない愛情(不安型)や、一貫して乏しい愛情(回避型)を親から受け取ることになるというわけです。なお、そんな子どもたちは、不安定なもともとの家族から逃れるため、早期に結婚して新しい家族をつくる生殖戦略をとります。この戦略は、その後に離婚と再婚を繰り返すことも含めて、やはり生殖の適応度は高いと言えるでしょう。 (3)ジェンダーギャップの起源-近代社会に適応的だったから約1万数千年前に現生人類が農耕牧畜をするようになりました。一家総出で田畑や牧場で働く生活スタイルになり、性別役割分業は、いったん目立たなくなりました。しかし、200年前の産業革命から、夫が働いた給料で女性が働かなくてもすむようになり、子育てと家事に専念する専業主婦が生まれ、性別役割分業が逆に際立っていきました。これが、ジェンダーギャップの起源です。つまり、ジェンダーギャップが「ある」のは、近代社会に適応的だったからです。しかし、20世紀後半の情報革命から、男女平等(男女共同参画)が高まり、世界的にはジェンダーギャップは小さくなってきました。しかし、日本をはじめとする東アジアでは、もともと上下関係に馴染みやすい集団主義の文化(権威主義的パーソナリティ)が根付いていました。男尊女卑はその代表です。そのため、日本はジェンダーギャップへの対策は、大きく出遅れています。なお、権威主義的パーソナリティの詳細については、関連記事8をご参照ください。 次のページへ >>

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あなたには帰る家がある(後編)【なんで倦怠期は「ある」の?どうすればいいの?】Part 2

倦怠期にどうすればいいの?倦怠期の起源は、生存、生殖、そして社会に適応的であったことによるものであることが分かりました。それでは、倦怠期にどうすればいいのでしょうか? ここから、不安定な愛着スタイル、男女の脳機能の違い、ジェンダーギャップという3つの原因に対しての対策をそれぞれご紹介しましょう。(1)不安定な愛着スタイルへの対策-アサーションアサーションとは、相手にうまく伝えるためのコミュニケーションスキルのことです。英語で直訳すると「主張」ですが、意訳すると「爽やかな言い方」になるでしょう。たとえば、真弓が秀明に面と向かって「パパって家族のこと、何にも考えてないでしょ!」と怒鳴るシーンがあります。これは、アサーションでは、感情的に相手を威嚇・挑発するという攻撃的なコミュニケーションに当たります。これは、言い過ぎです。一方、その真弓の剣幕に対して秀明は、にらみ返しますが、しばらくして急に作り笑いをして無言になります。これは、アサーションでは、相手に気を遣って我慢するという非主張的なコミュニケーションに当たります。これは、言わなさ過ぎです。このように、攻撃と非主張のコミュニケーションがパターン化されることで、ガミガミ型(不安型)とヘコヘコ型(回避型)のコミュニケーションスタイル(愛着スタイル)が強化されていくという悪循環が起きるわけです。これは、太郎と綾子のコミュニケーションにもきれいに当てはまります。アサーションによる取り組みによって、まず、このようなコミュニケーションのパターンに気付くことです。そして、攻撃でもなく非主張でもなく、自分の気持ちや思いを大切にして率直に伝えると同時に、相手の気持ちや思いも大切にして耳を傾けるアサーティブなコミュニケーションをすることです。根っこにある愛着スタイルは、あくまでコミュニケーションの「癖」です。「癖」は意識して、トレーニングをして変えていくことができます。実際に、真弓が秀明に離婚を切り出すシーンで、真弓は「悔しいけど、私自分で思っていたより、ずっとパパのこと好きだった。だから、パパ、私傷ついたよ」と冷静に伝えています。すると、秀明は「ウニ丼の店、また行こう」「映画も」ともう一度やり直したい気持ちを素直に打ち明けます。また、太郎は、真弓の指摘の甲斐もあって、これまでのような綾子を言いなりにさせる夫婦関係を悔い改めます。ラストシーンでは、綾子が「誰のおかげ?」と冗談めかして太郎にたずね、太郎は「綾子のおかげです」と笑顔で答えています。もはや、この2組の夫婦関係は、かかあ天下型でも亭主関白型でもなくなってきています。なお、アサーションの詳細については、関連記事9をご参照ください。 (2)男女の脳機能の違いへの対策-夫婦間のSSTSST(ソーシャルスキルトレーニング)とは、社会的なスキルをトレーニングすることです。SSTは、先ほどのアサーションも広い意味では含みます。この記事では、SSTをとくに男女の脳機能の違い、つまり理屈っぽい夫(システム化)と情緒的な妻(共感性)へのコミュニケーションスキルについてそれぞれフォーカスします。この取り組みによって、前編でご紹介したカサンドラ症候群や「逆カサンドラ症候群」を予防しましょう。a. 理屈っぽい夫へのSSTこれは、妻が、夫は共感が苦手であることを理解して、論理的に接することです。ポイントは、以下の3つのきっちり感です。男性は、きっちりという形(結果)に重きを置くからです。これらは、男性同士のコミュニケーションでは、当たり前のようにやられています。1つ目は、きっちり説明することです。たとえば、家事の分担をお願いするとき、妻は「私のつらさを察して」と感情的に言わず、家事の負担、妻も仕事をしている場合はその負担、子どもがいるなら育児の負担の内容を具体的に書き出し、さらには数値化もすることです。お願いする根拠を示すことで、理屈で訴えることです。また、連絡事項は、結論から言い、「3つある」とポイントをカウントすることです。伝え方としては、いきなり話し出すのではなく、顔を見て、間を置くことです。この理由は、男性は、女性と比べて、視覚的な情報処理が得意である一方、聴覚的な情報処理が不得意だからです。その起源は、男性の脳機能が狩りのため、そして女性の脳機能が子育てのために最適化されてきたからと言えます。よって、男性は、遠くのものや位置関係など把握する空間認識能力は長けていますが、女性のように近くのものや声を把握する危機回避能力は長けていないのです。2つ目は、きっちりルール化することです。この理由は、ルールとは理屈そのものなので、男性に受け入れやすいからです。たとえば、家事について「気付いて臨機応変に動いて」と漠然と期待せず、家事の内容や時間を細かく分けて、分担表を張り出すことです。また、愚痴りたい時、「優しくして」と情緒的に言うのではなく、「今、愚痴りたい。『大変だったね』のひと言のみちょうだい」「いつもの慰め一発ちょうだい」と具体的に言うことです。3つ目は、きっちり感謝することです。たとえば、分担した家事について「ちゃんとできていない」と厳しくダメ出しせず、完璧でなくても「ありがとう」「助かる」「うれしい」というポジティブな言葉をあえて言い、時にメールや手紙で文章にすることです。この理由は、「頼れる夫」というメンツを守るためです。メンツは、体裁という形(システム)であるため、より男性が重んじるからです。さらには、妻が「このフタ取れない。取ってくれない?」とわざと甘えるのも効果的でしょう。b. 情緒的な妻へのSSTこれは、夫が、妻は理屈が苦手であることを理解して共感的に接することです。ポイントは、以下の3つのとりあえず感です。女性は、とりあえずという流れ(プロセス)に重きを置くからです。これらは、女性同士のコミュニケーションでは、当たり前のようにやられています。1つ目は、とりあえず謝ることです。たとえば、夫の帰宅が遅くなった時、夫は「急な残業だからしょうがないじゃん」という理屈は言わず、まず「心細い思いをさせてごめん」と謝ることです。簡単に謝るのは納得できないと思うかもしれませんが、この場合の謝ることは、共感的な挨拶であるととらえ直しましょう。たとえ妻が「仕事と私、どっちが大事なの?」という究極の質問をしてきても同じです。これは、典型的なジレンマの罠です。夫が「仕事だからしょうがないじゃん」と答えれば、ますます妻の怒りが増します。逆に、「もちろんきみだよ」だと答えても、じゃあなぜ遅かったのかと、結局妻の怒りが増します。かと言って、夫は「そんなこと比べることはできない」と正論を言っても、怒りはおさまりません。なぜなら、妻だってそんなことは最初から分かっているからです。この質問の模範解答は、まず「そんなふうに思わせてごめん」と謝ることです。2つ目は、とりあえず合わせることです。たとえば、妻が困りごとを言った時、「だったらこうすればいいじゃん」という解決策をすぐに言わず、まず「困ったね」「つらいね」と気持ちに寄り添う言葉かけをすることです。この理由は、女性は解決(結論)よりも関係性、つまり大切にされているかを重んじるからです。むしろ、解決策をすぐに言われたら、人格を否定されたとも受け取りかねません。3つ目は、とりあえず雑談することです。たとえば、妻が1日の出来事の報告を延々と話している時、夫は「オチがない」と否定せず、「そうそう!」「分かる~」と合いの手を入れることです。また、自分もオチのない話をあえてすることです。これは、ある意味「共感オチ」です。お互いに大切にしているというメッセージを伝え合う目的があると理解しましょう。メールやラインで、妻が「今、○○中」との事実の報告のみを送ってきた場合、夫は「だから?」と決して無視せず、「こっちは××中」と事実の報告返しをすることです。これは、どこにいても相手のことを思っているというメッセージを伝え合う目的があると理解しましょう。(3)ジェンダーギャップへの対策-共働きと共子育て共働きが夫も妻も働くことであるように、共子育てとは夫も妻も子育てにかかわることです。もちろん、家事は言うまでもありません。この2つの取り組みによって、夫婦が、再びお互いに関心を抱き、心を通じ合い、対等になり、モラルハラスメントや共依存を予防することができます。とくに、欧米では、共働きも共子育ても当たり前になっています。夫が子育てにかかわらないのも、妻が働かないのも少数派です。夫が育児や家事をしないのと同じように、妻が仕事をしないことが問題視されます。妻が働いていない場合は、病気なのかと周りから思われます。それほど専業主婦という概念そのものが薄れています。妻が働く意味は、妻が経済的な自立だけでなく、心理的な自立も取り戻し、真に夫と対等に夫婦の決定ができるようになることです。そして、そもそも話し合いができない、対等になれないのであれば、離婚という限界設定ができることです。妻は、夫が定年退職するまで我慢して待たなくてよくなります。熟年離婚ほどお互いに不幸なものはありません。早い段階で見切りを立てることができれば、再婚のチャンスもあります。逆に言えば、離婚という限界設定があるために、夫がモラルハザードに陥ることなく、夫婦の決定に真剣に向き合うようになるとも言えます。ドラマの中で、太郎は、綾子の本気の離婚の申し出によって初めて彼女への理解を深め、今までの接し方を悔い改めました。ただし、日本では、女性が働きたくてもなかなか働けない、男性が働かされ過ぎて家事や育児をやる余裕がないという現実もあります。その原因は、雇用の流動性が低いという社会構造です。そして、それを下支えする集団主義による男尊女卑の文化(権威主義的パーソナリティ)です。もちろん、制度改革をもっと進める必要がありますが、少なくとも、妻は子育てのために仕事を辞めないこととそもそも最初から専業主婦を目指さないマインドを持つ必要があるでしょう。そして、夫は育児のために仕事をセーブするマインドを持つ必要があるでしょう。ちなみに、夫婦ですぐにできる「制度改革」があります。それは、真弓や英明のように夫婦が「パパ」「ママ」という役割で呼び合うのではなく、名前で呼び合うことです。これは、お互いを親としてではなく、男女としてみることにつながります。親であること以上に、まず夫婦であること、男女であることが最優先であることを意識づけすることができます。これは、結果的に私たちのためだけでなく、次世代のためにもなります。結局、政治は政治家を選ぶ国民一人一人の意識や文化に根ざしています。国を変えるには、まず家庭の中の夫婦がその関係のあり方を見つめ直し、その夫婦(親たち)をモデルとする次世代(子どもたち)に影響を与えていく必要があるでしょう。<< 前のページへ | 次のページへ >>

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あなたには帰る家がある(後編)【なんで倦怠期は「ある」の?どうすればいいの?】Part 3

私たちが「帰る家」とは?倦怠期への対策として、アサーション、夫婦間のSST、共働きと共子育ての3つの対策をそれぞれご提案しました。最後に、夫婦関係を「屋上のある2階建ての家」になぞらえて考えてみましょう。なお、この家の1階、2階、屋上の3段階は、マズローの欲求5段階説をもとにしています。(1)1階-「経済共同体」-共同経営者土台となる1階は、「経済共同体」であることです。夫婦は、「一心同体」「運命共同体」であるという幻想を抱く前に、現実的にも法律的にも経済を共有する関係であることです。言い換えれば、夫婦関係で一番大事なことは、生活が安定していることです。それは、お金、時間、労力において余裕があることです。また、夫婦関係は、例えるなら共同経営者であることです。上司と部下ではないです。逆に言えば、不公平になっていたり決定権が偏っている場合、そして先ほどご紹介したアサーションや夫婦間のSSTでも一方が改善するつもりがない場合、先ほどの限界設定が必要になります。なお、この1階は、マズローの1段目の「生理的欲求」と2段目の「安全欲求」に重なります。(2)2階-「苦楽共同体」-親友1階の土台をもとに発展していく2階は、「苦楽共同体」です。夫婦は、助け合い、励まし合い、慰め合って、苦楽を共にして乗り越えていく関係であることです。言い換えれば、夫婦関係で次に大事なことは、信頼関係を築いていることです。それは、夫婦がお互いのことを最優先に考えることです。つまり、仕事、子ども、自分の親などは二の次になるということです。この点で、夫婦関係は、親友であることでもあります。逆に言えば、一方が不倫をしている場合、もはや親友ではなく、先ほどの限界設定が必要になります。なお、この2階は、マズローの3段目の「愛情欲求」と4段目の「承認欲求」に重なります。(3)屋上-「価値共同体」-パートナー最後は、3階ではなく屋上としたのは、多くの夫婦が1階と2階でうまくいっているからです。つまり、屋上は、必ずしも必要なものではなく、あれば理想といえる位置づけです。それは、「価値共同体」です。夫婦は、いっしょに叶えたいことに向かって突き進んでいく関係であることです。言い換えれば、夫婦関係の究極は、夫婦でいることの社会的な価値を見いだすことです。例えば、旅行、スポーツ、アート、楽器演奏、学問追求などを通して、いっしょに何かを実現していくことです。そして、周り(社会)に貢献していくことです。ただし、ここで注意すべきことは、子育てのみを夫婦の価値にしないことです。なぜなら、子育てには終わりがあるからです。この境地で、夫婦関係は、唯一無二のパートナーであると言えるでしょう。「私たちはこういう夫婦です」「こんなことしてきました」「これからこんなことしていきます」という夫婦のアイデンティティです。このスキルの詳細については、関連記事10をご参照ください。なお、この屋上は、マズローの5段目の「自己実現欲求」に重なります。 夫婦とは?自分の親といっしょにいるのが平均20年、自分の子どもといっしょにいるのが平均20年です。それに対して、夫婦でいっしょにいるのは平均50年です。実は、夫婦は、人生の中で最もいっしょにいる時間が長い人であることが分かります。そんな長い期間、「経済共同体」「苦楽共同体」「価値共同体」であり続けることによってはじめて、夫婦は運命共同体になると思えるのではないでしょうか?<< 前のページへ■関連記事7.昼顔【不倫はなぜ「ある」の?どうすれば?】Part 18.半沢直樹【なんでやられたらやり返すの?逆に手を組むには?(ゲーム理論)】Part 19.逃げるは恥だが役に立つ【アサーション】10.ドンファン【どう愛する?】3)夫のトリセツ:黒川伊保子、講談社+α新書、20194)妻のトリセツ:黒川伊保子、講談社+α新書、20185)専業主婦になりたい女たち:白河桃子、ポプラ新書、2014

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第33回 p=0.05は有意差あり? なし?【統計のそこが知りたい!】

第33回 p=0.05は有意差あり? なし?検定を行うと「*(アスタリスク)」の有無はチェックしますが、p値をきちんと調べないということはないでしょうか。エクセルを含めて多くの統計ソフトでは、検定結果に検定統計量のtやFなどの値と、統計量から導かれたp値が出力されます。さらに、p値が0.05未満(p<0.05)になるとアスタリスクを1つ出力し、0.01未満(p<0.01)になればアスタリスクを2つ出力します。では、p値が、ぴったり0.05となった場合、どう判断すればいいのでしょうか。■p=0.05となった場合はpとは、統計的仮説検定を行う際のp値のことです。検定を行うとき、pが設定した基準を満たしたならば有意という判断をしますが、最もよく使われる基準はp<0.05(5%未満)です。したがって、この基準をきちんとクリアした場合、pがちょうど0.05なら有意ではないということになります。実際の臨床試験結果などで、p=0.05となることは非常にまれかもしれませんが、もしそのような結果が出たら悩んでしまいます。■論文に記載する場合の決まり事論文などへ投稿する場合は、一般には次のように対処すればよいとされています。Materials&Methodsのところで、「p≦0.05を統計学的に有意にする」と明記し、「有意であった」としておけば良いようです。0.05といっても統計学が定めた決まり事で、100回に5回起こるような出来事かどうかという目安ですから、“≦”か“<”にあまりこだわる必要はないようです。実際、「p≦0.05を統計学的に有意にする」と書いてある論文もありますから、まずはそのように明記し論文投稿をして、査読者から何らかのコメントが返ってきたら、それに従えば良いようです。統計ソフトの多くはp値の出力が小数点以下3桁か4桁まで出力されます。したがって、0.05といっても、これは本当にちょうど0.050と出力されたときの話です。エクセルなどで、0.054をエクセルの機能で小数点第3位を四捨五入して0.05と出力されてしまうと、これは明らかにp<0.05でもp≦0.05だとしても有意差があるとは言えませんので、必ず、小数点第3位以下も確認するよう注意が必要です。逆に、エクセルの場合p=0.050なのに判定にアスタリスク(*)が付いて出力されることがあります。エクセルではp値を小数点以下第4桁以降も計算しているので、本当は、0.04987のようにわずかに0.050を下回っていたのが、出力時に表示上で四捨五入され0.050となった珍しいケースかもしれません。このようなこともありますので、検定結果を確認するときは、アスタリスクだけでなくp値も必ず小数点以下第3位以下も含めてチェックすることが必要です。■さらに学習を進めたい人にお薦めのコンテンツ「わかる統計教室」第3回 理解しておきたい検定セクション1 母集団、n数、サンプル数、サンプルサイズとはセクション10 p値による仮説検定第4回 ギモンを解決! 一問一答質問1 p値は小さければ小さいほど差がある(よく効いた)といえるのか?

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教育講演:ALアミロイドーシス【Oncologyインタビュー】第25回

出演:日本赤十字社医療センター 骨髄腫アミロイド―シスセンター長 鈴木 憲史氏ALアミロドーシスは希少疾患であるが、内科領域に潜在的な患者は数多く存在する可能性がある。今後、治療大きく進化する同疾患を日本赤十字社医療センター鈴木憲史氏が解説する。

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COVID-19の院内死亡率、10代はインフルの10倍にも

 インフルエンザとCOVID-19は、類似した感染様式を伴う呼吸器疾患である。そのため、インフルエンザの流行モデルは、COVID-19の流行モデルの検証にもなり得ると考えられる。ただし、両者を直接比較するデータはほとんどない。フランス・ディジョンのUniversity of Bourgogne-Franche-Comté(UBFC)のLionel Piroth氏ら研究グループが、国の行政データベース(PMSI)を用いて後ろ向きコホート研究を実施したところ、入院を要するCOVID-19患者と季節性インフルエンザの患者の症状にはかなりの差異があり、11〜17歳におけるCOVID-19の院内死亡率は、インフルエンザの10倍にも上ることが明らかになった。The Lancet Respiratory Medicine誌2020年12月17日付のオンライン版に掲載。 本研究には、2020年3月1日~4月30日にCOVID-19で入院した全患者、および2018年12月1日~2019年2月28日にインフルエンザで入院した全患者が含まれ、年齢層ごとに層別化されたデータを基に、患者間の危険因子、臨床的特徴、および転帰の比較が行われた。 主な調査結果は以下のとおり。・8万9,530例のCOVID-19患者および4万5,819例のインフルエンザ患者が、それぞれの研究期間中にフランス国内で入院した。患者の年齢中央値は、COVID-19で68歳(四分位範囲[IQR]:52~82)、インフルエンザでは71歳(IQR:34~84)だった。 ・COVID-19患者は、インフルエンザ患者よりも肥満または太り過ぎの傾向があり、糖尿病、高血圧および脂質異常症が多く見られたのに対し、インフルエンザ患者は、心不全、慢性呼吸器疾患、肝硬変、および欠乏性貧血が多かった。 ・COVID-19の入院患者では、インフルエンザと比べ急性呼吸不全、肺塞栓症、敗血症性ショック、または出血性脳卒中の発症頻度が高かったが、心筋梗塞や心房細動の発症頻度は低かった。・院内死亡率は、COVID-19患者のほうがインフルエンザ患者よりも高く(1万5,104例[16.9%]/8万9,530例 vs.2,640例[5.8%]/4万5,819例)、相対死亡リスクは2.9(95%信頼区間[CI]:2.8~3.0)、年齢標準化死亡比は2.82であった。・入院患者のうち、18歳未満の小児の割合はインフルエンザよりもCOVID-19のほうが少なかった(1,227例[1.4%] vs.8,942例[19.5%])。・5歳未満では、インフルエンザよりもCOVID-19のほうが集中治療を要する頻度が高かった(14/613例[2.3%] vs.65/6973例[0.9%])。・11〜17歳におけるCOVID-19の院内死亡率は、インフルエンザよりも10倍高かった(5/458例[1.1%] vs.1/804例[0.1%])。 本結果について著者らは、対象患者数が少ないため、限定的な知見ではあるものの、入院を要するCOVID-19患者と季節性インフルエンザ患者の症状にはかなりの差異があること、小児においてはCOVID-19の入院率はインフルエンザよりも低いが、院内死亡率が高いことを指摘。本結果により、COVID-19の適切な感染予防策の重要性およびワクチンや治療の必要性が浮き彫りになったと述べている。

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ゾレドロン酸の顎骨壊死発生率とリスク因子/JAMA Oncol

 ゾレドロン酸は、骨転移のあるがん患者において骨修飾薬(BMA)として用いられている。米国の多施設共同前向き観察コホート試験(SWOG Cancer Research Network S0702)の結果、投与後累積3年の顎骨壊死の発生率は2.8%であることが明らかにされた。JAMA Oncology誌オンライン版2020年12月17日号掲載の報告。 試験は、BMA治療が限定的または治療歴がなく、試験登録から30日以内、ゾレドロン酸の使用などの治療計画があり、骨転移のあるがん患者を対象とした。ベースラインおよび6ヵ月ごとに提出された医学的、歯科学的および患者によるアウトカム報告に基づき、顎骨壊死(確立された基準で定義)の発生を3年間にわたり追跡評価した。 主要評価項目は、確認された顎骨壊死の累積発生率で、頭蓋領域への同時放射線療法が行われていない状態で8週間以上、顎領域に骨の露出領域が認められた場合と定義した。 主な結果は以下のとおり。・SWOG S0702試験には、3,491例が登録された(女性1,806例[51.7%]、年齢中央値63.1歳)。1,120例が乳がん、580例が骨髄腫、702例が前立腺がん、666例が肺がん、423例がその他の悪性腫瘍であった。・ベースラインの歯科学的検査が行われたのは2,263例(64.8%)であった。・全体で、顎骨壊死の確定発生は90例であった。累積発生率は1年時0.8%(95%信頼区間[CI]:0.5~1.1)、2年時2.0%(1.5~2.5)、3年時2.8%(2.3~3.5)であった。・3年累積発生率は、骨髄腫の患者で最も高率だった(4.3%、95%CI:2.8~6.4)。・ゾレドロン酸の投与計画間隔が5週間未満だった患者は、5週間以上だった患者と比べて顎骨壊死の発生が有意に多かった(ハザード比[HR]:4.65、95%CI:1.46~14.81、p=0.009)。・顎骨壊死の発生率の高さは、歯の総数が少ないこと(HR:0.51、95%CI:0.31~0.83、p=0.006)、義歯(入れ歯)があること(1.83、1.10~3.03、p=0.02)、現在喫煙(2.12、1.12~4.02、p=0.02)と関連していた。

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初発精神疾患患者における抗精神病薬治療の中止率

 コンプライアンスの不良は、精神疾患患者にとって重要な問題である。精神疾患の再発を予防するうえで抗精神病薬治療は有用であるが、初回エピソード精神疾患後の治療期間に関する明確な推奨事項はなく、治療中止率やその原因については、よくわかっていない。スペイン・バスク大学のAna Catalan氏らは、初回エピソード精神疾患患者における抗精神病薬治療を中止するまでの期間と再発までの期間について調査を行った。Early Intervention in Psychiatry誌オンライン版2020年12月7日号の報告。 初回エピソード精神疾患患者の大規模サンプルを用いて2年間評価し、すべての原因による抗精神病薬治療を中止するまでの期間と最初の再発までの期間を比較した。対象患者の社会人口統計学的および精神病理学的特徴、再発回数を収集した。 主な結果は以下のとおり。・初回エピソード精神疾患患者310例(平均年齢:30.2±11.2歳)を対象に、7つの早期介入チームが評価を行った。・診断では、特定不能の精神疾患(36.1%)が最も多く、使用された抗精神病薬は、リスペリドン(26.5%)、オランザピン(18.7%)が多かった。・最初の抗精神病薬治療の中止理由は、有効性の欠如であり、次いでコンプライアンス不良であった。・抗精神病薬の種類による再発率の差は認められなかった。・剤形では、長時間作用型注射剤(LAI)で治療された患者は、経口剤で治療された患者と比較し、治療から離脱することが少なかった。 著者らは「薬剤間での再発率の差は認められなかったが、剤形間では定着率の違いが認められた。精神医学では、コンプライアンスは依然として重要な問題であるため、LAI治療などさまざまな治療戦略を用いて、コンプライアンス向上を促進する必要がある」としている。

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Pfizerの新型コロナワクチン、190万人でのアレルギー反応は/CDC

 米国で2020年12月14〜23日に初回投与されたPfizer-BioNTechのCOVID-19ワクチン接種189万3,360回で、21例(11.1例/100万回)にアナフィラキシーが発現し、そのうち71%は15分以内に発症したことを、米国疾病予防管理センター(CDC)が2021年1月6日に発表した。 米国では2020年12月23日の時点で、Pfizer-BioNTechのCOVID-19ワクチンの1回目の投与が189万3,360人(女性117万7,527人、男性64万8,327人、性別不明6万7,506人)に実施され、4,393例(0.2%)に有害事象が報告された。そのうち、アナフィラキシーを含む重度のアレルギー反応の可能性がある175例を調査した。これらのうち21例(11.1例/100万回)がアナフィラキシーと判断され、うち17例はアレルギーまたはアレルギー反応の既往があり、そのうち7例はアナフィラキシーの既往があった。 投与から症状発現までの中央値は13分(範囲:2〜150分)で、15分以内が21例中15例(71%)、15〜30分が3例(14%)、30分を過ぎて発現したのは3例(14%)であった。治療については、21例中19例(90%)がアドレナリン(エピネフリン)で治療され、1例は皮下、18例は筋肉内に投与された。21例中4例(19%)が入院し、17例(81%)が救急科で治療を受けた。その後の情報が入手可能な20例全員が回復もしくは退院した。 アナフィラキシーではないと判断された154例のうち、86例は非アナフィラキシー性のアレルギー反応、61例は非アレルギー性の有害事象と判断され、7例は調査中という。

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Dr.林の笑劇的救急問答16 肺炎編

第1回 肺炎球菌はチンピラ?第2回 マイコプラズマはかわいい?第3回 レジオネラは麻薬の運び屋?第4回 ごえんしたら誤嚥性肺炎? Dr.林の笑劇的救急問答も16年目に突入!今シーズンは、「肺炎」、「壊死性筋膜炎」、「ダニ」のバラエティに富んだ3テーマでお届けします。上巻では「肺炎」を取り上げ、肺炎球菌、マイコプラズマ、レジオネラ、誤嚥性肺炎について詳しく見ていきます。COVID-19との鑑別のためにも、重要な肺炎を診断、除外できるよう、救急での診療のポイントを確認しておきましょう。思わず笑ってしまう症例ドラマと楽しくわかりやすいDr.林の講義でしっかりと学んでください。(2020年2月収録)第1回 肺炎球菌はチンピラ?今回から4回にわたって肺炎を取り上げます。まずは、肺炎球菌から。肺炎球菌による肺炎をいかに鑑別するか、また、その治療と治療経過についてしっかりと確認していきましょう。Dr.林曰く『肺炎球菌は“チンピラ”』...。これは一体どういうことなのか!詳しくは番組で!第2回 マイコプラズマはかわいい?今回は“マイコプラズマ”がテーマ。マイクプラズマ肺炎は若年者に多く、通常は「元気な肺炎」です。しかしまれに重症化することがあります。悪さをしているのは、かわいいマイコではなく、取り巻きのT細胞。マイコプラズマ肺炎の重症化のメカニズムと治療戦略について、Dr.林が解説します。第3回 レジオネラは麻薬の運び屋?今回のテーマは「レジオネラ」。レジオネラ症は重症化すると、劇症型の肺炎(レジオネラ肺炎:在郷軍人肺炎)を引き起こし、肺外(中枢神経・消化器など)症状が強く出てくることがあります。レジオネラとの闘い方をしっかりと学んでおきましょう。そして...、Dr.林曰く、「レジオネラは水面下で暗躍する麻薬の運び屋」のよう。その意味と意図についても一緒にご確認ください。第4回 ごえんしたら誤嚥性肺炎?今回のテーマは誤嚥性肺炎。誤嚥性肺炎と誤嚥性肺臓炎。まずはこの2つをきちんと分類してから始めましょう。誤嚥性肺炎は、高齢者の肺炎のおよそ80%を占める肺炎です。しかしながら、診断基準がなく、臨床診断となります。それではどうやって診断していくのか、そして、その後の対応は?Dr.林のわかりやすい講義でしっかりと確認してください。

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