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てんかん症候群(第6版)―乳幼児・小児・青年期のてんかん学

てんかん学の“ブルーガイド”が7年振りの改訂7年振りの改訂!てんかん学の“ブルーガイド”として世界的に普及している“Epileptic Syndromes in Infancy, Childhood and Adolescence”(6th edition)の日本語翻訳版。国際抗てんかん連盟(ILAE)の新しい分類図式(2017年)を取り入れ、症候群アプローチの最新情報を盛り込む。豊富な動画(109本)を日本語訳の解説と共に視聴できるVIDEO付録付き。今回も静岡てんかん・神経医療センターのスタッフが総力をあげて翻訳。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    てんかん症候群(第6版)―乳幼児・小児・青年期のてんかん学定価3万1,900円(税込)判型B5変型判頁数720頁発行2021年5月監訳井上有史(国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター 名誉院長)

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第61回 日医会長の週刊誌騒動で注目される謎多き「日医総研」とは

一般週刊誌で、このところ毎週のように叩かれている日本医師会の中川 俊男会長。そのきっかけを作った『週刊新潮』では、日本医師会総合政策研究機構(日医総研)の女性研究員との“寿司デート”や、中川氏が副会長当時の原中 勝征会長に談判して女性研究員の年俸を日医職員で最も高給な1,800万円に引き上げさせたことが報じられている。ちなみに、厚生労働省からの天下りポストである事務局長でも年俸約1,500万円。日医常任理事の本給が1,416万円、副会長でも1,740万円なのだから、くだんの女性研究員の厚遇ぶりがうかがえる。中川氏のみならず女性研究員にも注目が集まる中、日医広報課から6月1日、日医総研の研究成果として「ワーキングペーパー」2本と「リサーチ・エッセイ」1本のリストが珍しく送られてきた。リサーチ・エッセイの作成者は女性研究員だった。あえてこの時期に研究成果を送ってきたのは、スキャンダルを気にせず、研究を淡々と行っている姿勢を示そうとしているのかと勘繰りたくなる。パワハラ、論文の偏向など4つの問題点しかし、今回のスキャンダル報道をきっかけに、日医の関係者の中には日医総研の膿出しを期待する向きもあるという。その理由として、ある関係者は以下の4点を挙げる。(1)女性研究員によるパワハラ。女性研究員は「日医総研の女帝」と呼ばれ、嫌われた研究員は出世の見込みがなくなると囁かれ、辞めていった研究員もいる。(2)医療政策に関して保守的で、改革的な論文が通らない。(3)研究員に医師がほとんどいない。医療政策の企画立案をする組織に医師がほとんどいないのは不自然。文系の研究員だと抑えやすいのではないかと推測される。(4)研究員の年俸が平均1,400万〜1,500万円と高過ぎる。日本最大手のシンクタンク、野村総合研究所でさえ平均年収は約1,235万円(2020年3月期有価証券報告書から)だ。無給の「客員研究員」がいる意味は野村総研のように業務委託などで稼いでいるわけでもないのに研究員の年俸は高く、外部の医師などが務める「客員研究員」は無給で名誉職的な立場に置かれているため、実質的な研究成果は実に不透明でわかりづらい。日医総研の設立目的に1つに「信頼できる正確な情報の提供」がある。一部研究員による“専横”がまかり通っているようでは、果たして「正確な情報」が提供されているのかが懸念される。

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うつ、不安、気分症状に対するカカオ製品の影響~メタ解析

 チョコレートのようなカカオ由来の製品は、気分や感情などの問題を緩和させることが期待されるが、この効果についてはまだ解明されていない。イタリア・カターニア大学のLaura Fusar-Poli氏らは、カカオ由来製品が抑うつ症状、不安症状、ポジティブ感情、ネガティブ感情に及ぼす影響を調査するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Critical Reviews in Food Science and Nutrition誌オンライン版2021年5月10日号の報告。 本システマティックレビューおよびメタ解析は、PRISMAガイドラインに従って実施された。2020年4月3日までに公表された文献を、Web of KnowledgeTMおよびPsycINFOより検索した。 主な結果は以下のとおり。・761件の文献をスクリーニングした後、9件をメタ解析に含めた。・研究の内訳は、以下のとおりであった。 ●カカオ製品による長期的(1週間超)な効果:2件 ●カカオ製品による短期的(3日)な効果:2件 ●カカオ製品による急性期(単回投与)効果:5件・変量効果メタ解析では、カカオが豊富な製品による抑うつ症状(Hedge's g:-0.42、95%CI:-0.67~-0.17)および不安症状(Hedge's g:-0.49、95%CI:-0.78~-0.19)への有意な効果が認められた。・さらに、ポジティブ感情(Hedge's g:0.41、95%CI:0.06~0.77)およびネガティブ感情(Hedge's g:-0.47、95%CI:-0.91~-0.03)の有意な改善も認められた。・すべてのメタ解析において、エフェクトサイズは中程度であったが、不均一性は低かった。 著者らは「カカオが豊富な製品は、短期的に感情および気分の問題を改善する可能性が示唆された。しかし、いずれも試験期間が短く、カカオ由来の製品の長期摂取の影響は、明らかではない。また、メタ解析に含まれる対象者数や研究数が十分ではないため、慎重な解釈が求められる」としている。

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妊娠中の局所ステロイド使用、胎児への影響は?

 妊娠中の局所コルチコステロイド使用は安全なのか。デンマーク国立血清研究所(Statens Serum Institut:SSI)のNiklas Worm Andersson氏らによる大規模コホート研究の結果、妊娠中の局所コルチコステロイド使用は在胎不当過小児(SGA)や低出生体重児のリスク増大とは関連しないことが示された。 妊娠中の局所コルチコステロイド使用頻度は高く、新生児へのリスクに関する懸念は高いが、そのエビデンスを示すデータは限定的であった。妊娠中の局所コルチコステロイド使用についてはとくに、強力~非常に強力な薬剤の使用への懸念が高かったが、著者は「今回の結果は、妊娠中に強力な局所コルチコステロイドを大量に使用した場合でも、リスクが中程度~大幅に増大する可能性は低いことを示唆するものであった」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年5月5日号掲載の報告。妊娠中の局所コルチコステロイド使用での顕著なリスク増大は認められず 研究グループは、妊娠中の局所コルチコステロイド使用とSGAおよび低出生体重児のリスク増大と関連するかを調べるため、さまざまなレジストリから集めた個人レベルの情報がある110万件の妊娠データを分析した。 1997年1月1日~2016年12月31日に、デンマークで局所コルチコステロイドに曝露された妊娠例を特定し、広範囲にわたるベースライン特性など傾向スコアに基づき非曝露例をマッチングし比較した。データ解析は2020年9月8日~2021年2月23日に行われた。主要アウトカムはSGAおよび低出生体重児で、アウトカムと曝露の関連を、相対リスク比(RR)および絶対リスク差(ARD)で評価した。 妊娠中の局所コルチコステロイド使用とSGAおよび低出生体重児のリスク増大と関連するかを調べた主な結果は以下のとおり。・対象期間中の曝露例6万497例と、適合対照群24万1,986例について解析が行われた。・SGA出生は、曝露群5,678例(9.4%)、非曝露群2万2,634例(9.4%)であった(RR:1.00[95%信頼区間[CI]:0.98~1.03]、1,000妊娠当たりのARD:0.3[95%CI:-2.3~2.9])。・妊娠中のあらゆる用量の強力~非常に強力な局所コルチコステロイド使用と、SGA(RR:1.03、95%CI:0.99~1.07)または低出生体重児(0.94、0.88~1.00)のリスク増大との関連は認められなかった。・事後解析において、非曝露の妊婦との比較において、妊娠中に強力~非常に強力な局所コルチコステロイドを大量使用(200g以上)した妊婦における顕著なリスク増大は認められなかった。RR(95%CI)は、SGAが1.17(0.95~1.46)、低出生体重児が1.14(0.81~1.60)であった。

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非小細胞肺がんに対するKRAS G12C阻害薬sotorasib第II相試験の追跡結果(CodeBreaK100)/ASCO2021

 既治療のKRAS p.G12C変異非小細胞肺がん(NSCLC)の第II相 CodeBreaK100試験のアップデート結果が米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)で発表された。これにsotorasib初の全生存期間(OS)結果も含まれた。・対象:KRAS p.G12C変異を有する既治療(3ライン以下)の局所進行または転移のあるNSCLC・介入:sotorasib 960mg/日、PDとなるまで投与・評価項目:[主要評価項目]盲検下独立中央画像判定機関(BICR)評価の奏効率(ORR)[副次評価項目]奏効期間(DoR)、疾患制御率(DCR)、初回奏効までの期間(TTR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性など[探索的研究]バイオマーカー  主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は15.3ヵ月であった。・対象は126例で、81%はプラチナベース化学療法とPD-1/L1阻害薬の両方の治療を受けていた。・主要評価項目であるBICR評価のORRは37.1%(CR 4例 3.2%、PR 42例 33.9%)、DCRは80.6%であった。・OS中央値は12.5ヵ月であった。・PFS中央値は6.8ヵ月、DoR中央値は11.1ヵ月であった。・治療関連有事象(TRAE)は全Gradeで88%、Grade3の発現は19.8%。ほとんどはGrade1〜2で管理可能であった。・探索的研究において、標準治療による臨床転帰が不良なSTK11などの共変異を有する患者においても奏効が観察された。 この結果は、New England Journal of Medicine誌2021年6月5日オンライン版に同時掲載された。

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ファイザー製ワクチン、12~15歳への第III相試験結果/NEJM

 12~15歳の思春期児において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチンBNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の安全性プロファイルは良好で、抗体反応は16~25歳よりも上回り、同年代で観察された新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチン有効率は100%と、高い有効性が示された。米国・シンシナティ小児病院のRobert W. Frenck Jr氏らが、進行中の第III相国際無作為化プラセボ対照試験の結果を報告した。ごく最近まで、新型コロナウイルスワクチンは、16歳未満児への使用は認められていなかった。NEJM誌オンライン版2021年5月27日号掲載の報告。2回目接種後7日以降の発症予防効果を検証 試験は観察者盲検にて行われ、12歳以上の被験者を1対1の割合で無作為に2群に分け、一方にはBNT162b2(30μg)を、もう一方にはプラセボを、21日間隔で2回投与した。免疫原性の目的は、12~15歳被験者のBNT162b2に対する免疫応答が、16~25歳と比較して非劣性であることとした。 12~15歳の被験者について、BNT162b2の安全性(反応原性と有害事象)と、2回目接種後7日以降に発症し感染が確認されたCOVID-19に対する有効性を評価した。2回接種後7日目以降の発症、BNT162b2は0例、プラセボ群16例 全体で12~15歳の被験者は2,260例で、BNT162b2接種者は1,131例、プラセボ接種者は1,129例だった。 他の年齢群と同様に12~15歳群でも、BNT162b2の安全性・副反応プロファイルは良好だった。反応原性(reactogenicity)は注射部位痛(79~86%)、疲労感(60~66%)、頭痛(55~65%)など主として一過性で軽度~中等度だった。ワクチンに関連した重篤な有害事象はなく、全体として重度の有害事象は少なかった。 12~15歳の16~25歳に対する、2回接種後のSARS-CoV-2 50%中和抗体の幾何平均比は、1.76(95%信頼区間[CI]:1.47~2.10)で、非劣性の基準(両側95%CI下限が0.67超)を満たしており、12~15歳群の反応がより大きかったことが示された。 SARS-CoV-2感染既往エビデンスがない被験者で、2回接種後7日目以降のCOVID-19発症者は、BNT162b2群では認められなかった一方で、プラセボ群では16例に認められた。観察されたワクチン有効率は、100%(95%CI:75.3~100)だった。

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脳卒中後のICMモニタリングでAF検出率7.4倍に/JAMA

 大・小血管疾患による脳卒中を呈した患者において、植込み型心臓モニタ(ICM)によるモニタリングの実施が、12誘導心電図やホルターモニタなどの通常ケアと比較して、12ヵ月間にわたる心房細動(AF)検出率が7.4倍有意に高かったことが、米国・ノースウェスタン大学のRichard A. Bernstein氏らによる無作為化比較試験「STROKE-AF試験」の結果、報告された。同患者ではAFリスクが高いと見なされておらず、AF発生率も不明であった。JAMA誌2021年6月1日号掲載の報告。 12ヵ月間の30秒以上持続した心房細動の発症を比較 STROKE-AF試験は、2016年4月~2019年7月にかけて、米国33ヵ所の医療機関を通じて496例を対象に開始され、追跡は2020年8月まで行われた。被験者は、脳卒中リスク因子が1つ以上あり、過去10日以内に大・小血管疾患による脳卒中を呈した60歳以上または50~59歳の患者を適格とした。 研究グループは被験者を無作為に2群に分け、一方にはICM挿入を(ICM群242例)、もう一方には、12誘導心電図やホルターモニタ、テレメトリー、発作時心電図記録計といった通常の心臓モニタリングを行った(対照群250例)。 主要アウトカムは、12ヵ月間の30秒以上持続したAF発症だった。AF検出率、対照群1.8%に対しICM群は12.1% 無作為化を受けた492例は、平均年齢67.1(SD 9.4)歳、女性185例(37.6%)で、12ヵ月間の追跡を完了したのは417例(84.8%)だった。CHA2DS2-VAScスコア中央値は5(四分位範囲:4~6)だった。 12ヵ月時点でAFが検出された患者は、ICM群27例(12.1%)、対照群4例(1.8%)だった(ハザード比:7.4、95%信頼区間:2.6~21.3、p<0.001)。 ICM群の221例において、ICMの挿入に関連した有害事象が報告されたのは4例(1.8%)だった(創感染1例、切開部出血2例、挿入部痛1例)。 これらの結果を踏まえて著者は、「さらなる研究を行い、大・小血管疾患による脳卒中を呈した患者で、AFを特定する臨床的重要性を解明する必要がある」と述べている。

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HR+/HER2-乳がんに対するパルボシクリブ+フルベストラントの長期予後追跡結果(PALOMA-3)/ASCO2021

 ホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)の進行乳がんに対する国際共同大規模臨床試験PALOMA-3(パルボシクリブ+フルベストラント併用療法)の長期追跡結果が、米国臨床腫瘍学会年次総会(2021 ASCO Annual Meeting)において、米国・Robert H. Lurie Comprehensive Cancer Center of Northwestern UniversityのMassimo Cristofanilli氏から発表された。PALOMA-3の6年以上の観察期間でもOS改善が持続 PALOMA-3試験は二重盲検の第III相無作為化比較試験であり、2018年にその試験プロトコールに則った結果発表がなされており、今回はその後の長期予後追跡結果の報告である。・対象:アジュバントまたは進行がんに対する内分泌療法施行中あるいは施行後に増悪したHR+/HER2-の乳がんの女性(閉経状況は問わず) ・試験群:パルボシクリブ(125mg1日1回内服、3週連続投与、1週休薬)+フルベストラント(500mgをDay1、15、29に筋注):Palbo群347例・対照群:プラセボ(3週投与1週休薬)+フルベストラント:Fulve群174例 進行がん治療としての化学療法は1レジメンまで許容(34%に化学療法治療歴あり)・評価項目:[主要評価項目]主治医評価による無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]全生存期間(OS)、奏効率、安全性、奏効期間 PALOMA-3の主な長期追跡結果は以下のとおり。・プロトコールで規定された最終的なOS解析(観察期間中央値44.8ヵ月)では、その中央値はPalbo群で34.9ヵ月、Fulve群で28.0ヵ月、ハザード比(HR)0.81(95%信頼区間[CI]:0.64~1.03)、p=0.0429(片側検定)と、事前既定の閾値に達せず、統計学的な有意差は検出されなかった(2018年の既報)。・今回は観察期間中央値73.3ヵ月時点での結果が報告された(データカットオフは2020年8月)。・OS中央値は、Palbo群で34.8ヵ月(95%CI:28.8~39.9)、Fulve群で28.0ヵ月(95%CI:23.5~33.8)、HR 0.81(95%CI:0.65~0.99)、p=0.0221(nominal 1-side検定)であった。・5年時のOS率は、Palbo群で23.3%、Fulve群で16.8%であった。・進行乳がんに対する化学療法(CT)治療歴の有無別にOSを検討したところ、CT治療歴なしの症例(全体の66%)でのOS中央値はPalbo群で39.3ヵ月、Fulve群で29.7ヵ月、HR 0.72(95%CI:0.55~0.94)であった。CT治療歴ありの症例(全体の34%)でのOS中央値はPalbo群24.6ヵ月、Fulve群24.3ヵ月、HR 0.97(95%CI:0.69~1.36)であった。・血清解析に同意した195例を対象に、血中循環腫瘍DNA(ct-DNA)を用いて、ESR1、PIK3CA、TP53などの17遺伝子について解析した結果、ESR1、PIK3CA、TP53の遺伝子変異によらず、OSに関するパルボシクリブの上乗せ効果が確認された。・新たな安全性の問題は認められなかった。 Cristofanilli氏は「ホルモン治療で病勢進行となったHR+/HER2-乳がん患者へのパルボシクリブ+フルベストラントの併用療法は、6年以上の観察期間を経てもOSの改善がみられた。これは、とくに内分泌療法に感受性のある患者や前治療に化学療法が使用されていない患者で顕著であり、これまでの本治療法の有用性をサポートするものである」と締めくくった。

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総合内科専門医試験オールスターレクチャー 循環器

第1回 イントロダクション第2回 急性冠症候群第3回 安定狭心症第4回 末梢動脈疾患・大動脈疾患第5回 不整脈と心電図(1)第6回 不整脈と心電図(2)第7回 心不全・心筋症 総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。循環器については、慶應義塾大学循環器内科の香坂俊先生が全7回のレクチャーをします。薬剤とカテーテルインターベンションのどちらも進歩がめざましい循環器。心電図で疾患を素早く見極めるだけでなく、適切な治療を選ぶ力が問われます。※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。第1回 イントロダクション香坂俊先生が解説する循環器。第1回はシリーズの導入として、問題を解く際に注目すべきキーワードや、2020年現在のタイムリーなトピックを紹介。「労作時に失神」「吸気時に増悪」など、具体的なシチュエーションから疾患のパターンを絞り込み。カテーテルの進歩によって治療できるようになった疾患も頻出です。エコーやCTなど画像から判断する問題の対策も万全に。静止画からイメージしにくい疾患について、動画で心臓の動きを確認します。第2回 急性冠症候群第2回では急性冠症候群(ACS)を取り上げます。まず基本はST上昇型の心筋梗塞。どの誘導のSTが上昇しているかで、心臓のどこに心筋梗塞が起きているかを判断。特徴的な心電図のパターンもよく狙われます。交互脈、PQ低下、巨大陰性T波、aVR誘導でのST上昇など、日常の診療であまり見られない心電図のパターンと、対応する疾患の組み合わせを確認します。薬剤の禁忌と、PCIの合併症の予防策も押さえます。第3回 安定狭心症第3回は、安定狭心症について解説します。治療選択において、バイパス手術かPCIのどちらを行うかの判断は、SYNTAX試験のスコアが決め手。安定狭心症は経過観察できる疾患なので、至適薬物療法(OMT)の導入も極めて重要です。近年、薬剤のエビデンスの蓄積により、投与期間短縮や、併用から単剤使用への変化が見られます。最新のトピックとして、薬剤による保存的治療と血行再建治療を比較したISCHEMIA試験の結果にも注目です。第4回 末梢動脈疾患・大動脈疾患第4回は、冠動脈以外の動脈硬化性疾患。以前は閉塞性動脈硬化症(ASO)と呼ばれていましたが、最近では、大動脈・頸動脈・腎動脈などを含む、心臓よりも末梢の動脈疾患を、末梢動脈疾患(PAD)と呼びます。冠動脈で行われてきたインターベンションが、ほかの血管にも応用できるようになりました。ただし、冠動脈の治療と微妙に違う部分に要注意。大動脈瘤、大動脈解離について、ステントグラフト内挿術の適応基準を押さえます。第5回 不整脈と心電図(1)循環器の試験で最大の山場となる不整脈。今回は頻脈性の上室性不整脈のポイントを押さえます。不整脈はマクロリエントリー型とミクロリエントリー型に分類。発作性上室性頻拍(PSVT)は薬でコントロール。ただし、WPW症候群合併時の対応は異なるので要注意。PSVTと心房粗動(AF)は、アブレーションの奏効率も非常に良好です。近年、新しい凝固薬が注目されている心房細動(AF)。凝固薬の適応判断はCHADS2スコアを使います。第6回 不整脈と心電図(2)第6回で取り上げるのは、徐脈性不整脈と心室性不整脈。徐脈性不整脈で肝心なのは、まずP波を見つけること。洞不全症候群(SSS)、房室ブロック(A-V block)などの特徴的な波形を確認します。失神や突然死につながる危険な心室性不整脈は、誘因となる所見の見分け方がよく問われます。QT延長、Brugada波形、J波症候群に要注意。心不全と関連する、心臓のイオンチャネルの変異によって起こるチャネル病についても確認しておきましょう。第7回 心不全・心筋症第7回は心不全と心筋症。試験では主に難治性の心筋症が問われる傾向があります。薬剤、手術、カテーテルそれぞれの治療法の適応基準を確認。心臓サルコイドーシスはPET検査による精度の高い診断で、より早期から治療可能に。慢性心不全は複数の薬剤の併用が課題です。左脚ブロックはペースメーカーによる再同期療法の適応となる数値をチェック。最後に循環器のセッションのまとめとして、香坂先生から試験攻略の秘訣をアドバイス。

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総合内科専門医試験オールスターレクチャー 腎臓

第1回 急性腎障害(AKI)第2回 慢性腎臓病(CKD)第3回 腎代替療法第4回 腎炎・ネフローゼ症候群第5回 遺伝性腎疾患第6回 その他の頻出疾患 総合内科専門医試験対策レクチャーの決定版登場!総合内科専門医試験の受験者が一番苦労するのは、自分の専門外の最新トピックス。そこでこのシリーズでは、CareNeTV等で評価の高い内科各領域のトップクラスの専門医を招聘。各科専門医の視点で“出そうなトピック”を抽出し、1講義約20分で丁寧に解説します。キャッチアップが大変な近年のガイドラインの改訂や新規薬剤をしっかりカバー。Up to date問題対策も万全です。腎臓については、聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科の櫻田勉先生が全6回のレクチャーをします。近年、有用な診断指標の登場により、各疾患の再定義が盛んに行われている腎臓領域。多彩な腎疾患の診断の要となるのは病理所見、見るべきポイントを確認します。※「アップデート2022追加収録」はCareNeTVにてご視聴ください。第1回 急性腎障害(AKI)第1回は急性腎障害(AKI)を取り上げます。従来は、軽微な腎機能障害は「急性腎不全」と呼ばれ、一過性のものと見なされていましたが、2016年のガイドライン以降、概念が刷新され「急性腎障害」へと名称が変更。早期発見、早期治療が提唱されています。とくに心臓手術後など、ICUでの発症頻度が高いAKI。リスクファクターや診断プロセスを整理します。近年注目されている「尿中バイオマーカー」は早期診断に有用です。第2回 慢性腎臓病(CKD)第2回は慢性腎臓病(CKD)を解説。従来は「慢性腎不全」と呼ばれていましたが、心血管疾患の発症率や腎代替療法のリスクが高まることから、より早期に治療することが重視され、「慢性腎臓病」という概念が再定義されました。本邦では約1330万人、成人の8人に1人がCKD患者とされ、不規則な生活習慣によって全体の約60%の患者が透析となります。HIF-PH阻害薬は、腎性貧血の新たな治療薬として注目のトピックです。第3回 腎代替療法第3回は腎代替療法です。透析療法と腎移植に大別される腎代替療法。透析療法には、血液透析と腹膜透析に分けられ、透析患者の97%が血液透析を採用しています。それぞれの透析の原理と、血液透析に伴う不均衡症候群や透析アミロイドーシス、腹膜透析に伴う被嚢性腹膜硬化症といった合併症を確認します。腎移植は、適応基準、移植後の免疫抑制療法、拒絶反応とともに、試験で問われやすい統計データも押さえておきましょう。第4回 腎炎・ネフローゼ症候群第4回は腎炎・ネフローゼ症候群。難治性腎障害指定のIgA腎症、ネフローゼ症候群、急速進行性腎炎症候群を解説します。病理所見が診断の要。IgA腎症は慢性糸球体腎炎の一種で、糸球体のメサンギウム領域にIgAの沈着を認めます。ネフローゼ症候群は、大量の蛋白尿と低蛋白血症、浮腫といった症状が特徴的です。急速進行性腎炎症候群は、血尿、蛋白尿、貧血と急速に進行する腎不全を来します。第5回 遺伝性腎疾患第5回は遺伝性腎疾患について解説します。腎臓専門医以外にとってはなじみの薄い遺伝性腎疾患ですが、中でも多発性嚢胞腎は、試験での出題頻度が高い傾向の疾患です。家族歴とともに、CTやMRIの画像所見で診断します。ファブリー病は、2018年に承認された経口薬によるケミカルシャペロン療法に注目。遺伝性尿細管機能異常症のFanconi症候群、Bartter症候群、Gitelman症候群については、それぞれの発症年齢や鑑別点の違いを確認します。第6回 その他の頻出疾患最終回では、試験に頻出の糖尿病性腎臓病、ループス腎炎、多発性骨髄腫による腎障害、血栓性微小血管症、コレステロール塞栓症、IgG4関連疾患についてまとめて解説します。近年では、ネフローゼ症候群を呈する典型的な「糖尿病性腎症」が減少し、顕性アルブミン尿を伴わず、徐々に腎機能低下を示す「糖尿病性腎臓病」が増加しています。ループス腎炎は、全身性エリテマトーデスに伴う腎障害。治療の変更点がポイントです。

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コロナ関連急性呼吸不全の呼吸管理:高流量鼻腔酸素or ヘルメット型非侵襲換気?(解説:山口佳寿博氏)-1402

 新型コロナ感染症に惹起された急性低酸素性呼吸不全(ARDS)の病理/形態、分子生物学的異常は、本感染症が発生した2020年の早い段階で明らかにされた(Ackermann M, et al. N Engl J Med. 2020;383:120-128., 山口. CLEAR!ジャーナル四天王-1265)。その結果、コロナARDSの病理/形態学的特徴は;(1)ARDSの通常所見としてのDiffuse alveolar damage(DAD)、(2)特異的所見として、血管内皮細胞炎(Endothelialitis)、血管増生賦活遺伝子と抑制遺伝子の不均衡に起因する著明な血管増生(Angiogenesis)を伴う肺微小循環血栓形成(TMA:Thromboembolic microangiopathy)であることが判明した。 血管内皮細胞炎/血管増生は、コロナ以外の原因によるARDSでも認められるが(Osuchowski MF, et al. Lancet Respir Med. 2021;9:622-642.)、コロナARDSではとくに著明な現象である。これらの病理/形態学的異常から、コロナARDSの呼吸生理学的特徴は;(1)肺胞虚脱/無気肺に起因する右-左血流短絡(Shunt:VA/Q=ゼロ)を含む低VA/Q領域の形成、(2)TMAに起因する肺胞死腔(Alveolar dead space:VA/Q=無限大)を含む高VA/Q領域の形成、(3)肺胞中隔病変(肺胞膜、肺毛細血管)に起因する拡散障害(Diffusion limitation)と考えることができる。これら3要因によって重篤な低酸素血症が惹起されるが、拡散障害の寄与率は低い。 ここで注意しなければならない点は、微小血管損傷を伴わない低VA/Q領域では、低酸素性肺血管攣縮(HPV:Hypoxic pulmonary vasoconstriction)によって肺血流は損傷部位から正常部位に再分布し低酸素血症を是正するが、ARDS肺にあっては、低VA/Q領域のHPVが麻痺しており(HPV paralysis)、肺血流の再分布が起こらず低酸素血症の是正は簡単ではない(Yamaguchi K. Chapter 9, p.149-172, 2020. In: Structure-Function Relationships in Various Respiratory Systems -Connecting to the Next Generation, Springer-Nature, Tokyo, Japan.)。高VA/Q領域のTMA病変部位からはHPV paralysisに陥っている低VA/Q領域に肺血流が再分布し、低酸素血症をさらに悪化させる。すなわちHPV paralysisは、ARDS肺における低酸素血症を治療抵抗性に移行させる重要な要因の1つである。治療抵抗性の重篤な低酸素血症は、“Refractory hypoxemia”と定義される。 本論評で取り上げたGriecoらの論文(Grieco DL, et al. JAMA. 2021;325:1731-1743.)は、首から上をHelmetで覆い非侵襲的呼吸管理(NIV:Non-invasive ventilation)を行うHelmet型NIVと鼻腔を介する高流量酸素投与(HFNO:High-flow nasal oxygen)の効果を、イタリア4施設のICUにおける多施設ランダム化比較試験によって検討したものである(HENIVOT Trial)。対象患者は、両側肺に浸潤陰影を認め、PaO2/FIO2値が200以下のARDS患者で、基礎的薬物治療として低用量デキサメタゾン(サイトカイン産生抑制薬)が100%の患者に、レムデシビル(抗ウイルス薬)が81%の患者に投与されていた。HFNO群(54例)では、高流量酸素(60L/min)投与を少なくとも48時間継続した後HFNOを離脱する方法がとられた。Helmet型NIV群(53例)では、Peak inspiratory flow:100L/min、Pressure support:10~12cmH2O、PEEP:10~12cmH2Oの初期設定の下48時間の呼吸管理が施行され、その後、Helmet型NIVを離脱する方法がとられた。以上のような2群において、28日間の観察期間における呼吸管理に関連する種々の指標が比較された。 その結果、Primary outcomeである28日間における補助呼吸管理が必要であった日数においては両群間で有意差を認めなかったが、Secondary outcomesとして設定された治療失敗率(気管内挿管率)、侵襲的機械呼吸補助が必要な日数に関してはHelmet型NIV群において有意に良い結果が得られた。以上より、症例数が少ないために確実な結果とは言い切れないが、Griecoらの論文は、コロナARDSの低酸素血症の治療にはHFNOよりもHelmet型NIVを適用することがより妥当であることを示唆した。 Helmet型NIVは、通常のFace-mask型NIVならびにHFNOに比べ、患者の密閉度が高い、安定したPEEPを維持できる、会話可能などの患者耐用能が高い、呼吸筋仕事量を低く抑え呼吸筋疲労を抑制できる、などの利点がある。コロナなど種々の感染症に起因する呼吸不全の管理では、患者から排出される感染微生物の周囲環境への播種をどのようにして防御するかが、ICUなどの施設内感染を予防するうえで非常に重要な問題である。Helmet型NIVでは吸気側、呼気側に微生物除去用Filterを装着することによって患者をHelmet内に密閉・隔離できるので、ICU内感染防御の面からはFace-mask型NIV、HFNOに比べ確実に優れている。しかしながら、Helmet型NIVはCO2の再呼吸が発生しやすく、上肢浮腫の発生頻度が高くなる欠点を有する(Munshi L, et al. JAMA. 2021;325:1723-1725.)。 HFNOにおいても装置の改良が進み、現在では、吸入気酸素濃度を21%から100%の間で調節できる機種が臨床の現場で使用されている。HFNOにおいても高流量酸素吸入(30L/min以上)によって気道内圧が上昇しPEEP様効果が発現する。しかしながら、HFNOにおけるPEEPはHelmet型NIVなどによる通常のPEEPとは異なり、気道内圧の変動に伴う受動的なもので、呼気相の早期に肺胞内圧は上昇するが呼気終末には肺胞内圧は低下する。そのため、肺ガス交換の維持に必要な呼気終末の肺胞Recruitmentの程度は、Helmet型NIVに比べHFNOで低いと考えなければならない。 コロナARDSの呼吸管理において今後考えなければならない重要事項の1つは、肺損傷部位に発生するHPV paralysisに対する治療法の確立である。HPV paralysisは治療抵抗性の低酸素血症を惹起するので、いくら酸素投与法を工夫してもHPV paralysisを是正しない限り、肺のガス交換効率ならびに生体の酸素化状態を劇的に改善させることができない。HPVは細葉内に存在する直径100~300μmの筋性肺細動脈の収縮によって生じるが、ARDSなどの損傷肺にあっては、肺細動脈壁における種々の血管拡張物質合成酵素の過剰発現がHPVの減弱に関与する。過剰発現する血管拡張物質合成酵素の中で、構造型、誘導型のNO合成酵素(eNOS、iNOS)ならびに構造型、誘導型のCyclooxygenase(COX-1、COX-2)がHPV paralysisの発生に重要な役割を果たすことが判明しており、これらの酵素を阻害することでARDSのHPV paralysisは有意に回復することが動物実験レベルで示されている(Naoki N, et al. Eur Respir J. 2002;20:43-51.)。臨床的に安全に投与できるのはCOX阻害薬(インドメタシン、アスピリンなど)であるので、今後、これらの薬物投与下でHelmet型NIV、HFNOの効果を検証する治験を期待したい。 Chowらは、小規模の観察研究ではあるが(アスピリン投与群:98例、非投与群:314例)、コロナ感染症患者にあって侵襲的機械呼吸の導入率、ICU入院率、病院内死亡率が、何らかの理由でアスピリン投与を受けていた群で有意に低いことを示した(Chow J, et al. Anesth Analg. 2021;132:930-942.)。さらに、アスピリンがARDSの発症/進行リスクを低下させるという直接的報告も散見される(Erlich JM, et al. Chest. 2011;139:289-295., Chen W, et al. Crit Care Med. 2015;43:801-807. , Panka BA, et al. Shock 2017;47:13-21.)。これらの報告は、アスピリンがHPV paralysisを抑制しコロナ重症例の肺ガス交換異常を改善するという、本論評で展開した仮説を支持する臨床的知見として興味深い。 アスピリンは、上述した血管拡張物質産生抑制に加え、トロンボキサンA2合成阻害を介して血小板凝集に起因する血栓性病変の発現を抑制、さらには、IL-6の産生抑制を介してCytokine stormの進行を抑制する(Chow J, et al. Anesth Analg. 2021;132:930-942.)。すなわち、アスピリンはARDSの発症/進行を抑制、血栓性病変を予防、HPV paralysisを是正し肺ガス交換効率を維持する作用を有し、ARDSに対する“廉価な総合薬”と考えることができる。今後、古き廉価なアスピリンがコロナ感染症などに併発したARDSの分野において正しく再評価されることが望まれる。

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みんなの脳神経内科

“最短距離”で書かれた、“みんなの”ための1冊脳梗塞、認知症、てんかん、パーキンソン病、しびれなど、プライマリケア領域や救急で遭遇する脳神経内科領域の主要疾患について、神経診察や画像診断のポイントなど、実際に現場で使える知識や診断テクニックを中心に、研修医や非専門医に向け著者の豊富な経験を基に平易な言葉でわかりやすく“最短距離”で書かれた、“みんなの”ための1冊。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    みんなの脳神経内科定価3,960円 + 税判型A5判頁数240頁 発行2021年5月著者山本 大介電子版でご購入の場合はこちら

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「ミオナール」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第55回

第55回 「ミオナール」の名称の由来は?販売名ミオナール®錠50mgミオナール®顆粒10%一般名(和名[命名法])エペリゾン塩酸塩(JAN)効能又は効果○下記疾患による筋緊張状態の改善頸肩腕症候群、肩関節周囲炎、腰痛症○下記疾患による痙性麻痺脳血管障害、痙性脊髄麻痺、頸部脊椎症、術後後遺症(脳・脊髄腫瘍を含む)、外傷後遺症(脊髄損傷、頭部外傷)、筋萎縮性側索硬化症、脳性小児麻痺、脊髄小脳変性症、脊髄血管障害、スモン(SMON)、その他の脳脊髄疾患用法及び用量錠50mg通常成人には1日量として3錠(エペリゾン塩酸塩として150mg)を3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。顆粒10%通常成人には1日量として1.5g(エペリゾン塩酸塩として150mg)を3回に分けて食後に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者※本内容は2021年6月9日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2015年12月改訂(改定第8版)医薬品インタビューフォーム「ミオナール®錠50mg/ミオナール®顆粒10%」2)Medical.eisai.jp:製品情報

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第61回 昭和大麻酔科で大量論文不正、MBA持つ元教授が「指導態度が高圧的」な講師を評価し続けた理由

約1年かけて100本以上の論文を調査こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この週末はMLBの中継を中心に、だらだらとテレビを観て過ごしたのですが、民放やNHKの報道番組などで、オリンピック関連の話題を若干肯定的に、明るい話題として伝えるようになってきたのが、気になりました。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身 茂会長に対するバッシングもなんなのでしょう。尾身氏のオリンピック開催によるリスク等に関する発言に、政権与党側が相当イラついているようです。菅 義偉首相がオリンピックに関して「平和の祭典」などとトンチンカンなコメントしかしないので、尾身氏が万全のリスク管理の必要性を説いたに過ぎないと思うのですが……。さて今回は、昭和大学(東京都品川区)の麻酔科医による論文不正について書いてみたいと思います。昭和大は5月28日、麻酔科学講座の講師だった上嶋 浩順医師が2015~20年に発表するなどした計142本の論文に不正があった、と発表しました。うち117本に捏造や改ざんがあったとして調査委員会(委員長:中村 明弘昭和大学理事、薬学部長)は論文の撤回を上嶋氏に勧告しました。また、昨年5月12日付けで上嶋氏を懲戒解雇、一部の論文で不適切に共著者になっていた同講座教授の大嶽 浩司医師を降格の処分としました。この論文不正は昨年3月、上嶋氏が論文を投稿したJournal of Anesthesia(日本麻酔科学会の英文機関誌)の編集長から同学会に報告があったことで発覚しました。同誌から調査依頼を受けた昭和大は調査委員会を設置して調査を開始、その直後、上嶋氏と大嶽氏が連名で執筆した論文計6本について、掲載した日米の学術誌が「不正があった」などとして撤回、その事実が昨年7月に新聞等で大きく報道され、表沙汰となりました。2人の連名の論文が100本以上に上ったことから調査委員会は約1年かけて不正の内容を調査し、今回の公表に至ったというわけです。142本の論文に不正、うち117本に捏造や改ざん昭和大が公表した「昭和大学における研究活動の不正行為に関する調査結果概要」によると、調査の対象となったのは論文147本と、執筆に関わった上嶋氏と大嶽氏、部下の医局員2名の計4名です。論文147本のうち、上嶋氏は原著論文9本、Letter to the Editor 74本、出版前の原著論文4本の捏造と、原著論文1本、症例報告1本の改ざんを認めました。さらに症例報告4本、Letter to the Editor 16本はデータがなく、捏造ではないことを証明できないため、調査委員会は捏造と認定しました。このほかに、本人が認めていない症例報告1報、Letter to the Editor2本を改ざん、症例報告1報、「関連領域と話題」1本、Letter to the Editor3本を捏造と認定しています。最終的に、捏造、改ざんがあった論文は合計117本に上りました。さらに、131本では論文作成に貢献していない人が共著者に入るなど、不適切なオーサーシップが認められたとして大嶽氏のほか、医局員2人の不正も認定しました。助教の1人は関係のない論文の著者となり学位を申請するよう指示され、それに従ったとのことです。2人については学位取り消しとなりました。なお、捏造・改ざんが認定された論文のデータ処理や解析は上嶋氏が単独で行っており、ほかの共著者については研究不正への関与は認められなかった、とのことです。元教授はMBAを持つ異色の麻酔科医上嶋氏は2004年関西医科大学卒で、同大、倉敷中央病院、埼玉医科大学国際医療センターなどを経て2015年から昭和大麻酔科で働いていました。気道管理と超音波ガイド下神経ブロックが専門で、多数の論文のほか、気道管理や神経ブロックの解説書の著書もあります。そんな氏が、なぜこのような大量の論文不正を行ったのでしょう。調査委員会の報告書によれば、不正の「発生要因」として「上嶋氏の研究不正に対する意識の欠如」「研究内容の確認体制の欠如」「著者としての責任に対する認識及び知識・理解の欠如」を挙げています。中でも、「研究内容の確認体制」はほぼ機能していなかったようです。報告書によれば、上嶋氏の臨床業務姿勢が極めて勤勉で、学外から臨床技術に対して高い評価を受けていたことから、大嶽氏が信頼に値する講座員と評価、共著者の選出を含めて一任しており、上嶋氏は「論文投稿前に相談や研究内容の確認を行わず、独断で論文投稿を行うようになっていた」とのことです。一方、大嶽氏も、上嶋氏が積極的に臨床研究を行い、多くの論文を執筆し、公表していることを評価しており、「研究内容の定期的な確認を行っていなかった」としています。その大嶽氏は1998年東京大学医学部卒、帝京大学医学部附属市原病院、シカゴ大学ビジネススクールMBA課程、帝京大学医学部附属病院、自治医科大学を経て2013年から昭和大学麻酔科学講座の教授を務めていました。MBAも持つ異色の麻酔科医で、マッキンゼー・アンド・カンパニーで経営コンサルタントの経験もあります。昭和大麻酔科講座教授に就任後も遠隔ICUのサービスを提供する会社の取締役も一時務めています。ひょっとしたら目線や興味が学外に向かう分、医局運営が他人任せで疎かになっていたのかもしれません。「意見を言うことで指導を受けられなくなることを恐れ」た部下たち報告書はそうした「発生要因」に加え、「講座内での不適切な指導体制」の存在も指摘しています。それによれば、上嶋氏は「末梢神経ブロックの若手医師への教育・指導を期待されて本学に着任。麻酔科学講座において他の医師へ末梢神経ブロックの指導を行っていたが、指導態度が高圧的であり、誰も意見を言えない状況であった」としています。さらに同氏が医局内の末梢神経プロックの指導対象者を自ら選出していたため、「意見を言うことで指導を受けられなくなることを恐れて指示に従わざるを得なかったと共著者は調査に対して回答している」と報告書は書いています。ひょっとしたら上嶋氏の下に付けば、論文数が少なくても学位はなんとかなる、といった評判でもあったのかもしれません。学位が取り消されてしまっては元も子もありませんが。背景に「業績に基づく組織運営体制」と麻酔科学会ところで、この事件については、日本麻酔科学会も5月28日に「上嶋浩順氏論文に関する調査報告書」を公表しています。Journal of Anesthesiaが日本麻酔科学会の英文機関誌であったことから、同学会は「上嶋浩順氏論文調査特別委員会」(委員長:川口 昌彦奈良県立医科大学附属病院教授)を組織、上嶋氏が所属した昭和大、埼玉医科大学国際医療センター、関西医大、岡山大に調査依頼を行い、それをとりまとめた報告書、という体裁です。この報告書では、昭和大時代の論文のみに捏造と改ざんが認められたとしています(昭和大の調査結果は同大報告書とほぼ同じ内容)。この報告書では、不正行為の発生要因として、「上嶋氏の研究公正に対する意識の欠如」「研究実施体制の不備」「研究データの管理体制の欠如 」「著者としての責任に対する認識欠如」など、昭和大の報告書と共通する要因が書かれている一方で、「業績に基づく組織運営体制」の問題点についても、次のように指摘しています。「多くの大学と同様に、昭和大学においても、診療科や個人の評価には、臨床業務実績や研究業績が用いられている。上嶋氏は、自身の昇進だけでなく、医局員の任期更新や医局員のリクルートのため、共著者としての論文提供が必要であった。そのため、研究への関与なく、筆頭著者、共著者となる習慣が医局内に認められた。麻酔科内の組織運営の責任者である大嶽氏は、このような体制を知りつつ、その体制改善の努力を怠っていたことは、今回の研究不正が継続的に行われてしまった背景要因として大きい」。どこの大学の医局にも大なり小なり存在するであろう、臨床業務実績・研究業績至上主義に触れているのは、興味深いところです。大嶽氏にとっても、大量の論文を発表する上嶋氏は「医局にとって役立つ」存在であったことは間違いありません。多少の人格的なマイナス面より“業績”を重視するのは、医学部にはよくあることです。昭和大の事件を聞いて、「そんなことあるよなあ」としみじみと思った大学病院の勤務医は少なくないのではないでしょうか。それにしても、この連載をはじめて1年余り、旭川医大、三重大、昭和大と、なぜこうも麻酔科医ばかりが目立った事件を起こしてしまうのでしょう。次また何か起こったら、腰を据えて取材してみようかと思います。

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ワクチン接種前の屋内大規模ライブ、抗原検査と予防策で感染者なし

 COVID-19感染拡大を防ぐため、多くの国で屋内での集団イベントが禁止され、経済に大きな影響を与えてきた。2020年年末にスペインで行われた、迅速抗原検査(Ag-RDT)を使った予防策の有効性を評価した試験の結果が、The Lancet Infectious Diseasesオンライン版2021年5月27日号に掲載された。 試験はスペイン・バルセロナのライブ会場で開催され、参加者登録はコンサート当日(2020年12月12日)午前中に行われた(この時点でのスペインのワクチン接種率はほぼ0%:編集部注)。鼻咽腔検体を使ったAg-RDT検査で陰性だった成人1,047例を5時間のイベントに参加する群と、帰宅して通常生活に戻る群に無作為に割り付け(年齢・性別で層別して無作為化)、イベント参加群465例、対照群495例を最終解析の対象とした。 スクリーニング会場とコンサート会場の入口では体温をモニターし、参加群全員にN95マスクを配布し、イベント中の着用を義務付けた。900人を収容する会場は十分な換気が行われ、会場内はソーシャルディスタンスをとる必要はなく、歌やダンスも可能とした。アルコールも提供され、飲みものを飲むときだけマスクを外すことが許可された。参加群のイベント滞在時間中央値は2時間40分だった。 抗原検査に使った鼻咽頭検体は、RT-PCR検査および細胞ウイルス培養により分析された。イベントの8日後に再度鼻咽頭検体を採取し、Ag-RDT、RT-PCR検査、およびTMA法で分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・ベースライン時点で、実験群13/465例(3%)、対照群15/495例(3%)が、Ag-RDTで陰性だったにもかかわらず、TMA法で陽性となった。RT-PCR検査は両群で1例が陽性となり、細胞ウイルス培養は全例が陰性だった。・イベント8日後、対照群の2例(1%未満)がAg-RDTとPCRで陽性となったが、参加群はいずれも全例が陰性だった。 研究者らは、迅速に行える抗原検査とあわせ、マスク着用をはじめとした十分な感染防止対策をとることで、安全に大規模イベントを行える可能性があるとしている。

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PTSD患者に対するSSRIの治療反応と予測因子

 心的外傷後ストレス障害(PTSD)治療に対しFDAより承認を受けている薬剤は、パロキセチンとセルトラリンである。両剤共にプラセボと比較し、有用性が示されているものの、すべてのPTSD患者にベネフィットをもたらすわけではない。デンマーク・コペンハーゲン大学のAnne Krogh Nohr氏らは、PTSD患者に対するSSRIによる治療反応の予測因子の調査および潜在クラス分析を行った。Psychiatry Research誌オンライン版2021年4月26日号の報告。 対象は、PTSD患者390例。オープンラベルのセルトラリンまたはパロキセチンと二重盲検のプラセボによる治療を実施し、症状の重症度を12週間測定した。まず、治療反応に対する集団レベルの予測因子を推定するため、成長曲線モデリング(GCM)を用いた。次に、成長混合モデル(GMM)を用いて、治療反応の経過に基づき患者を潜在クラスに分類し、潜在クラスの予測因子を調査した。 主な結果は以下のとおり。・GCMを用いた集団レベルの治療反応は、性別、小児期の性的トラウマや性的暴行により緩和された。・GMMを用いた分析により、以下の3つのクラスが特定された。 ●早い治療反応者 ●治療前の症状重症度が低い治療反応者 ●治療前の症状重症度が高い治療反応者・クラスの予測因子は、トラウマから発症までの期間、うつ症状の重症度、不安の重症度であった。 著者らは「本結果は、併存疾患の重症度が治療反応の低下に影響を及ぼさないことを示唆しており、とくにトラウマから発症までの期間が長い患者では、セルトラリンまたはパロキセチンによる治療ベネフィットが高い可能性がある」としている。

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肝発がんのリスク評価で共同声明/日本肝臓学会・日本糖尿病学会

 5月20日~22日まで完全WEB開催で開催された「第64回 日本糖尿病学会年次学術集会」(会長:戸邉 一之氏)の中で「第7回 肝臓と糖尿病・代謝研究会」(会長:同)が22日に併催された。その中で、日本肝臓学会(理事長:竹原 徹郎氏)と日本糖尿病学会(理事長:植木 浩二郎氏)の共同声明が発表された。 両学会は 2012 年より合同で委員会を設置し、研究会の開催のほか、共同研究として糖尿病外来における肝がんの発生実態の調査、糖尿病外来における肝がん高危険群の同定を目的とし、糖尿病外来における肝細胞がん発生の実態調査を行ってきた。 そこで、今回の研究会で両学会理事長による「肝がんのリスク評価指標に関する共同声明」が発表された。糖尿病患者で注意すべきがんの種類 糖尿病罹患によって全がん罹患のリスクは、1.2倍になるとされ、臓器別では、肝がん1.97倍、膵がん1.85倍、大腸がん1.4倍の順にリスクが高いことが報告され、悪性新生物は、糖尿病外来において注意すべき合併疾患とみなされていること、そして、最近ではウイルス肝炎を合併しない肝細胞がんが急増しており、背景に肥満・糖尿病患者の増加があると考えられている(日本糖尿病学会と日本学会の合同委員会による調査報告)。今後、糖尿病外来診療において、肥満関連肝障害およびそれを母体とした肝細胞がんの発生は、注意を払うべき合併疾患となりうることが提起されている。「FIB-4インデックス」が肝発がんのリスク評価に有効 糖尿病外来における肝がんの発生実態の調査、糖尿病外来における肝がん高危険群の同定を目的とし、両学会は2012年より合同で委員会を設置し、「糖尿病外来における肝細胞がん発生の実態調査を行ってきた」と報告。これを受けて、下記のように声明を行った。「糖尿病学会・肝臓学会双方の研修指定病院において通院歴のある2型糖尿病患者のうち、通院中に肝がんを発症したものを調査した。その結果、糖尿病患者における肝がんの発生率は、年0.1%程度であることが判明した。肝発がんの危険因子について分析したところ、『FIB-4インデックス』と呼ばれる肝臓の線維化を示す指標がリスク評価に極めて有効である事が判明した。有意な肝線維化を示す2.67以上で年発がん率0.6%、肝硬変を示唆する3.5以上で1.0%の高危険群を囲い込むことができる。FIB-4インデックスは、年齢、AST、ALT、血小板という日常臨床で用いられる項目のみで構成されており、日本肝臓学会のホームページでも計算できる」 糖尿病患者における今後の肝がん、肝炎の合併症の診療に活用いただきたい。

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