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患者が後発品への変更を嫌がる薬剤は?【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第79回

後発医薬品の品質問題や供給停止の影響で、新規採用する薬剤の情報収集に追われている薬局は多いと思います。そのような中、東京都薬剤師会が後発医薬品に変更しにくい薬剤についてのアンケートを実施し、結果を公表しました。東京都薬剤師会は11月5日の定例会見で、後発品の使用実態に関する調査の続報を明らかにした。すでに示した「変更し難い医薬品」について、具体的な品目名を公表。薬局において変更しにくい内服薬は「エディロールカプセル」と後発品の「エルデカルシトールカプセル」が最も多く、次いで「デパス」「マイスリー錠」と続いた。同様に外用薬は「ヒルドイド」と後発品の「ヘパリン類似物質」が最多で、「モーラス」と「ケトプロフェンテープ」、「ロキソニン」と「ロキソプロフェンナトリウム」の順だった。(2021年11月8日付 RISFAX)この調査は2021年9月に実施されたもので、938人の管理薬剤師と薬局開設者が回答しました。後発医薬品に変更しにくい背景には、薬剤師としての視点だけでなく、実際には患者さんや医師からの要望や領域特有の難しさなどさまざまな理由があります。その品目や問題点を明らかにすることで、今後の使用推進につなげたいという目的があるのでしょう。まず、内服薬についてです。後発医薬品に変更しにくいと回答した薬局が30軒を超えたものは以下の17品目でした(カッコ内の数字は回答数)。なお、先発医薬品から後発医薬品への変更だけでなく、後発医薬品から後発医薬品への変更も含みます。1位エディロール(148)2位デパス(119)3位マイスリー(112)4位ロキソニン(100)5位アレロック(80)6位ハルシオン(80)7位メインテート(69)8位オノン(51)9位エルデカルシトール(47)10位レンドルミン(42)11位ビソプロロールフマル酸塩(41)12位サンバルタ(39)13位ノルバスク(38)14位アムロジン(36)15位ユベラ(34)16位アルファカルシドール(33)17位デパケン(30)変更しにくい理由は「患者希望」が41%、「後発医薬品が入手できない」が38%と高い割合でしたが、「医師の指示」も16%ありました。1位や9位など供給停止が原因の品目は今年ならではですが、それ以外では精神科系と循環器系の品目が多いという印象を受けます。精神科系の薬剤を変更した患者さんから効かなくなったと言われた…というのはしばしば耳にしますので、やはりハードルが高いのでしょう。次に、外用薬についてですが、上位10品目は以下のようになりました(カッコ内の数字は回答数)。1位ヒルドイド(669)2位モーラス(551)3位ロキソニンテープ(289)4位アンテベート(84)5位ホクナリンテープ(57)6位ヒアレイン(49)7位リンデロン(46)8位プロトピック(25)9位キサラタン(24)9位シムビコート(24)外用薬の変更しにくい理由は「患者の希望」が約60%を占めました。外用薬は先発医薬品と後発医薬品で使用感が異なることがあり、それを気にする患者さんがいることは知っていましたが、思っていたよりも多いのかなという印象です。ただ、個人的には、患者さんが後発医薬品を実際に使用したうえで先発医薬品を希望しているのか、後発医薬品は未使用だけれども薬価が安いなどの理由で先発医薬品のままでいいと考えているのかが気になります。また、「後発品調剤体制加算を1段階昇格するための重要な品目は何か」という問いに対して、外用薬を挙げる薬局が多くみられました。患者さんがこだわる使用感をどのように説明してフォローするかが1段階昇格の鍵となりそうです。使用感が異なる後発医薬品は同等ではない!?調査を実施した東京都薬剤師会の永田 泰造会長は、外用薬を変更しにくい理由として最も割合が高かった「患者希望」に関し、貼り心地や塗り心地といった使用感に問題があると指摘して「60%の患者がノーと言っている以上、先発とは同等のものではない」「こうした外用薬は後発品カテゴリーから除外すべきではないか」といった内容の発言をしたと報じられています。この発言に関しては、後発医薬品は先発医薬品と有効成分は同じであり、製剤的に改良していることもあるのに、使用感が違うのなら除外しようというのはちょっと乱暴に思います。しかし、患者さんが求める後発医薬品はどうあるべきか考え直すよい機会かもしれません。参考1)【東京都薬剤師会後発薬調査】「変更し難い医薬品」名を公表/内服1位はエディロール/外用薬1位はヒルドイド/永田会長「製剤技術異なる外用薬は単なる後発薬カテゴリーからはずすべき」|ドラビズon-line(dgs-on-line.com)2)後発品に変更できにくい内服薬は「エディロール」 都薬調査、外用薬は「ヒルドイド」と「モーラス」|日刊薬業(jiho.jp)

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事例038 コロナ特例「B001-2-5 院内トリアージ実施料」の査定【斬らレセプト シーズン2】

解説事例は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を疑い対応した患者が、再度来院されたため、それぞれの診療に「B001-2-5 院内トリアージ実施料」(以下、「同実施料」)を診療報酬上臨時的取扱に則り算定したところ、1回分がB事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)を理由に査定となりました。COVID-19を疑い「新型コロナウイルス感染症(COVIT-19 )診療の手引き」に沿った基本的な感染対策を実施して診療を行う場合は、「診療報酬取扱いの特例として同実施料を準用して算定できる」とあります。報酬を準用する場合には、準用先の報酬にかかる「注」なども適用されます。本来の同実施料は、施設基準を届出ている医療機関の夜間、休日または深夜において初診料を算定できる外来患者に算定ができます。COVID-19(疑いを含む)に対応する場合のみ届出を不要としています。また、必要な感染予防策を講じたうえで対面にて外来や往診を行った場合においても算定できると2020年4月に通知されています。その他の要件は明記が無いために、必要な感染予防策を講じた診療の都度に算定できるものと考えていました。事例では、病名をよく確認すると初診時の疑い病名は「中止」されていますが、急性上気道炎は継続されています。コメントをみると、再診のときに強くCOVID-19を疑った理由が不明瞭です。そのために、再診時は通常診療であり、同実施料は過剰と判断されたようです。医師にはこの理由を説明し、レセプト担当者には、複数回の同実施料の算定があった場合は、疑った要点と対応を医師にコメントいただくように伝え、査定防止対策としました。

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英語で「予防接種を受けましたか」は?【1分★医療英語】第3回

第3回 英語で「予防接種を受けましたか」は?Did you receive a measles shot as a child?(子供のころに麻疹の予防接種を受けましたか?)Yes, I did. And I think all my vaccines are fully up-to-date.(はい、受けました。必要なワクチンはすべて受けていると思います)《例文1》I’ll get vaccinated against the flu tomorrow.(明日、インフルエンザのワクチンを受けます)《例文2》The patient has just received the second COVID shot/jab.(その患者は2回目のコロナワクチンを接種したばかりだ)《解説》予防接種を受ける行為やプログラムのことを“vaccination”と表現します。日本でもよく聞く“vaccine”のほうは、予防接種時に投与する薬剤そのものを指します。また、簡易的な表現として米国では“shot”、英国では“jab”という表現もよく使われます。注射全般を指す“injection”も文脈次第でワクチンを意味することがあり、「予防」という意味の“protection”もワクチンを指すことがあります。また、抗体検査をしてワクチンの効果を確認したり、必要なワクチン接種を追加接種したりすることを“To update one’s vaccine status”ということがあります。“Which of my vaccines need to be updated?”(受け直したほうがいい予防接種はありますか?)などのように使います。講師紹介

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日本人アルコール依存症の重症度が治療経過に及ぼす影響

 エビデンスの蓄積によりアルコール依存症の重症度と再発リスクとの関連が示唆されているが、依存症の重症度が疾患経過に及ぼす影響は十分に評価されていない。久里浜医療センターの吉村 淳氏らは、入院治療後の経過に対するいくつかのアルコール依存症重症度指数の影響を調査した。Alcoholism, Clinical and Experimental Research誌オンライン版2021年9月29日号の報告。アルコール依存症の重症度の高さは断酒率低下と関連 本プロスペクティブ研究は、専門病院でのアルコール依存症治療後12ヵ月間にわたり実施した。連続して入院したアルコール依存症患者712例が入院時に登録の対象となり、フォローアップ調査には637例が登録された。患者の特徴および重症度は、入院時に複数の手法を用いて評価し、退院後には飲酒行動に関する質問票を用いて郵送にて継続的にフォローアップを行った。 アルコール依存症の重症度が疾患経過に及ぼす影響を調査した主な結果は以下のとおり。・ICD-10診断基準によって評価したアルコール依存症の重症度の高さは、研究期間中の断酒率低下と関連が認められた(p=0.035)。・ベースライン時の血中γグルタミルトランスフェラーゼ値(p=0.031)およびアルコール依存症尺度(ADS)スコア(p=0.0002)の増加は、断酒率の有意な低下と関連していた。・多変量Cox比例ハザード分析では、ADSスコアが最も悪い群は、最も良い群と比較し、飲酒再発リスクが有意に高かった(HR:2.67、p=0.001)。・アルコール依存症の重症度は、飲酒パターンとも関連しており、制限された飲酒および断酒した群では、飲酒状況が悪い群と比較し、入院時のADSスコアがより低く(p=0.001)、初回飲酒時の年齢がより遅かった(p<0.001)。 著者らは「本研究は、複数の手法による調査結果に反映されているように、より重度のアルコール依存症は、治療後の経過不良を予測していることが示唆された。このことから、治療開始時に依存症の重症度を評価することは、治療アウトカムの予測および追加の支援が必要な患者を顕在化させるために役立つ可能性がある」としている。

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ワクチン接種はコロナ重症化リスクを減らすか?/JAMA

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチン接種は、COVID-19による入院ならびにCOVID-19入院患者の死亡/人工呼吸器装着への進行を有意に低下させる可能性が認められた。米国疾病予防管理センターのMark W. Tenforde氏らが、米国の21施設で実施した症例コントロール研究の結果を報告した。COVID-19ワクチン接種の有益性を包括的に理解するためには、ワクチン接種にもかかわらずCOVID-19を発症した人の疾患重症度が、ワクチン未接種者よりも低いかどうかを判断する疾患軽減について検討する必要があった。著者は、「今回の結果は、ワクチン未接種の場合と比較すればワクチン接種後のブレークスルー感染のリスクが低いことと一致している」とまとめている。JAMA誌オンライン版2021年11月4日号掲載の報告。死亡/人工呼吸器装着のデータがある入院患者4,513例について解析 研究グループは、2021年7月14日までに登録され、2021年3月11日~8月15日の期間に入院し、死亡と人工呼吸器装着の28日転帰に関するデータを入手できた成人4,513例について解析した。最終追跡調査日は2021年8月8日。 主要評価項目は、(1)COVID-19による入院(症例:COVID-19の診断で入院した患者、対照:他の診断で入院した患者)、(2)COVID-19で入院した患者の疾患進行(症例:死亡または人工呼吸器を装着した患者、対照:それらへの進行なしの患者)で、これらとワクチン接種との関連について多重ロジスティック回帰を用いて検討した。 解析対象4,513例の患者背景は、年齢中央値59歳(IQR:45~69)、女性が2,202例(48.8%)、非ヒスパニック系黒人23.0%、ヒスパニック系15.9%、また免疫抑制状態の患者20.1%などであった。COVID-19入院患者、疾患重症化はワクチン接種者で有意に低下 4,513例中、COVID-19入院患者が1,983例、他の診断による入院患者が2,530例であった。COVID-19入院患者1,983例のうち、84.2%(1,669例)がワクチン未接種者であった。 COVID-19による入院は、ワクチン接種より未接種と有意に関連しており(症例15.8% vs.対照54.8%、補正後オッズ比[aOR]:0.15、95%信頼区間[CI]:0.13~0.18)、SARS-CoV-2がアルファ株(8.7% vs.51.7%、0.10、0.06~0.16)、デルタ株(21.9% vs. 61.8%、0.14、0.10~0.21)でも同様に認められた。 また、この関連性は、免疫正常者(11.2% vs.53.5%、aOR:0.10、95%CI:0.09~0.13)のほうが、免疫抑制患者(40.1% vs.58.8%、0.49、0.35~0.69)より強く(p<0.001)、BNT162b2ワクチン(Pfizer/BioNTech製)接種後120日以降(5.8% vs.11.5%、0.36、0.27~0.49)のほうが、mRNA-1273ワクチン(Moderna製)接種後120日以降(1.9% vs.8.3%、0.15、0.09~0.23)より弱かった(p<0.001)。 COVID-19入院患者のうち2021年3月14日~7月14日に登録された1,197例において、28日までの死亡または人工呼吸器装着は、ワクチン接種よりワクチン未接種に有意に関連していた(12.0% vs.24.7%、aOR:0.33、95%CI:0.19~0.58)。

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FFRガイド下PCI vs.CABG 、3枝冠動脈疾患/NEJM

 3枝冠動脈疾患患者において、冠血流予備量比(FFR)ガイド下での経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は、1年時点の死亡・心筋梗塞・脳卒中・再血行再建術の複合イベントの発生について、冠動脈バイパス術(CABG)に対する非劣性は示されなかった。米国・Stanford Cardiovascular InstituteのWilliam F. Fearon氏らが、欧米などの48施設で実施した多施設共同非劣性試験「Fractional Flow Reserve versus Angiography for Multivessel Evaluation(FAME)3試験」の結果を報告した。3枝冠動脈疾患患者では、PCIと比較しCABGの転帰が良好であることが知られていたが、FFRガイド下PCIに関する研究はなかった。NEJM誌オンライン版2021年11月4日号掲載の報告。FAME3試験でFFRガイド下PCI群とCABG群に割り付け FAME3試験で研究グループは、左主冠動脈を含まない3枝冠動脈疾患患者1,500例を、CABG群またはFFRガイド下PCI群(FFRが≦0.80でゾタロリムス溶出ステントを留置)に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 FAME3試験の主要評価項目は、1年以内の主要心脳血管有害事象(MACCE:全死亡、心筋梗塞、脳卒中、再血行再建術)の発生で、CABGに対するFFRガイド下PCIの非劣性マージンはハザード比(HR)の95%信頼区間(CI)の上限が1.65未満とした。副次評価項目は死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合および各イベントなどで、安全性についても評価した。FAME3試験ではFFRガイド下PCIの非劣性示されず FFRガイド下PCI群(757例)におけるステント留置本数(平均±SD)は3.7±1.9、CABG群における遠位側吻合数は3.4±1.0であった。 FAME3試験のMACCEの1年発生率は、FFRガイド下PCI群10.6%、CABG群6.9%、HRは1.5(95%CI:1.1~2.2)であり、FFRガイド下PCIは非劣性基準を満たさなかった(非劣性のp=0.35)。 死亡、心筋梗塞、脳卒中の複合イベント発生率は、FFRガイド下PCI群7.3%、CABG群5.2%であった(HR:1.4、95%CI:0.9~2.1)。 安全性については、FFRガイド下PCI群よりCABG群で、大出血(BARC出血基準3~5)(1.6% vs.3.8%、p<0.01)、心房細動/不整脈(2.4% vs.14.1%、p<0.001)、および急性腎障害(0.1% vs.0.9%、p<0.04)の発生率が有意に高かった。

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降圧薬の心血管イベント抑制効果 年齢やベースラインの血圧で異なるか (解説:江口和男氏)

 わが国の高血圧ガイドラインでは、高齢者における降圧目標を65~74歳については非高齢者と同様の130/80mmHg未満、75歳以上では原則として140/90mmHg未満としている(JSH2019ガイドライン)。同様に、ESHガイドラインでは60~79歳では140/90mmHg以上、80歳以上では160/90mmHg以上と年齢により降圧薬開始の基準を分けている。英国のNICEガイドラインでは80歳以上の高齢者で血圧が150/90mmHg以下であれば降圧治療を推奨しないとし、ISH2020ガイドラインでは冠動脈疾患、脳卒中などの併存疾患がある際の各降圧目標について、通常の130/80mmHgでなく高齢者は140/80mmHg未満と記載している。一方、米国ACC/AHA2017ガイドラインでは65歳以上のすべての外来通院可能な高齢者かつ収縮期血圧(SBP)≧130mmHgではSBPゴール130mmHg未満を目標とした降圧治療を推奨している。このようにわが国および国際的高血圧ガイドラインにおいて高齢者高血圧に対する降圧治療の考え方が異なっている。では、高齢者において積極的降圧療法を行う場合、降圧療法の開始基準や降圧目標を年齢で分けなければならないのだろうか? 高齢者における降圧療法では過降圧が危惧されるが、血圧レベルがさほど高くない場合(たとえば130/80mmHg)では、低血圧などの有害事象が出るだけでイベント抑制効果はないのであろうか? 本メタ解析では51のランダム化比較試験(RCT)に登録された35万8,707人という膨大な数の対象者を年齢およびベースラインの血圧カテゴリー別に解析した。対象者の年齢の中央値は65歳(四分位範囲59~75歳)で、55歳未満12.0%、55~64歳が35.8%、65~74歳が35.8%、75~84歳が15.1%、85歳以上が1.3%であった。主な心血管イベント発症のSBP 5mmHg低下におけるハザード比は、55歳未満0.82(95%信頼区間:0.76~0.88)、55~64歳が0.91(0.88~0.95)、65~74歳が0.91(0.88~0.95)、75~84歳が0.91(0.87~0.96)、85歳以上が0.99(0.87~1.12)であった。拡張期血圧についても同様の傾向であった。各年齢群における相対的な心血管イベント発症抑制効果は、ベースライン血圧の高低で統計的有意差は認めなかった。解釈 本研究では、薬剤による血圧降下療法は若年から高齢者のいかなる年齢層に対しても心血管イベント発症を抑制するのに有効で、いかなるベースラインの収縮期、拡張期血圧(e.g.<120/80mmHg)であっても有用であった。したがって、筆者らは降圧薬による降圧療法は年齢にかかわらず重要で、ガイドラインに記載されている「年齢別の」血圧目標値は取り除くべきであるとしている。 これまで、高齢者高血圧の降圧目標についてはさまざまな議論、変革があった。高齢者ではすでに何らかの高血圧性臓器障害を有しており、とくに脳血流の自動調節能の障害があるため降圧目標はやや高いところにおいておくべきという考え方や、とくに超高齢者では140/90mmHg未満に下げたほうがよいというエビデンスがなく積極的に下げる根拠がないとされていた。しかし、SPRINT試験の75歳以上におけるサブ解析や最近発表されたSTEP試験の層別解析においても、後期高齢者以上もしくは70~80歳の高い年齢層であっても積極的降圧治療の有用性が示され、その考え方が変化してきた。 本論文のメッセージは、降圧薬治療の効果は、超高齢者や現在降圧薬治療の適応とはならないような低いベースライン血圧であっても有効であるというものである。JSH2019の記載では、「薬物療法の開始基準は、原則として140/90mmHg以上である。ただし、75歳以上で収縮期血圧140~149mmHgや自力での外来通院不能な患者(フレイル、認知症、要介護、エンドオブライフを含む)の降圧薬開始は個別に判断する」としている。本メタ解析では85歳以上の高齢者についてはnが少なくイベント抑制効果は有意差がなかったが、75~85歳では他の年齢層と同様に有意差が認められた。本メタ解析の対象者数は膨大であり個々の対象者の情報は不明であるが、RCTに参加した患者、すなわち「外来通院可能な患者」と推測され、上記JSH2019の自力での外来通院不能な患者には当てはまらないであろう。したがって、JSH2019の記載内容はおおむね支持されているが、さらに踏み込んでベースラインの血圧レベルにかかわらず降圧療法によりイベント抑制効果が認められたという点が興味深い。極論であるが、たとえばアスピリンやスタチンのように、心血管リスクのある人は血圧レベルにかかわらず降圧薬を服用したほうがよいという時代になっていくのであろうか?

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オフィスの片付け【Dr. 中島の 新・徒然草】(401)

四百一の段 オフィスの片付けこの連載も、前回でついに400回に達したとか。ケアネットの担当者に教えてもらって初めて知りました。「序の段」が2014年1月20日なので、かれこれ8年弱になります。色々な事があった8年間ですが、今後も毎段、新たな気持ちで執筆に取り組みたいと思います。さて、今回は片付けの話です。いわゆる片付け界の巨匠というと『人生がときめく片づけの魔法』著者の近藤 麻理恵さんと、「断捨離」のやました ひでこさんが双璧かと思います。でも彼女たちの語る片付けの多くが、家を対象にしたもの。自分の住む家を、自分の部屋をいかに片付けて綺麗にするか、ということが主たるテーマです。我々の場合、家の片付けも大切ですが、職場の片付けも考えなくてはなりません。そこで、YouTubeで良い知恵が披露されていないかと「オフィス、片付け」というキーワードで調べてみると、あれこれと面白い動画がありました。お片付け研究室チャンネルとか、株式会社山崎文栄堂など、それぞれの人達が職場の整理整頓を語っているので大いに参考になります。これらの動画を見ては、私自身もヤル気を出して頑張っております。最近の私自身の工夫を述べるなら、まずは机の引き出しの整理です。私自身、これまでは机の引き出しを収納場所として使っていました。でも、それはあまり得策ではありません。理想的な環境というのは、机の前の椅子に座ったまま、ほとんど手を伸ばすことなく必要なものを何でも取ることができる、というものです。ここで言う必要なものというのは、ボールペンとか書きかけの書類とか参考にする資料とかのことを指します。私の場合、座って右側の袖引き出しの一番上には、よく使う文房具を入れるようにしています。ボールペンとかホッチキスとかリムーバーとかセロテープとか印鑑とかカッターとかです。逆に言えば、そのくらいのものしか普段は使わないので、ほかのものはまとめてロッカーや本棚に入れています。よく使う文房具だけを引き出しに残すと、結構スカスカになってしまうのですが、そのほうがなんだか気持ち良く使えます。右側の袖引き出しの中段には、ペンディングの書類です。整理したり捨てたりする直前のものですね。このような書類は、受け取った瞬間にすぐ処理できたら一番いいのですが、それができないときに入れておきます。時間ができたときにシュレッダーにかけたり、穴を開けて2穴フォルダーに綴じたり。もし穴を開けることのできない書類があったら、A4の透明なリフィルに入れて綴じることにしています。そして右側の袖引き出しの一番下には、よく使う資料や書類を入れておきます。このときに平積みに入れてしまうと何処に何があるかわからなくなるので、上からみて一目でわかるよう背表紙にタイトルを書き、それが見えるように収納します。書類をクリアファイルに入れた場合は背表紙がないので横にインデックスをつけておき、これまた上から見てすぐにわかるように収納しています。こうやっておくと、座ったままで引き出しを開け、必要なものを10秒以内に取り出すことができて便利です。もちろん、引き出しにはよく使う資料だけを入れておくので、そうでないものは本棚かロッカー行きになります。これらはたまに使う本や資料なので、10秒以内に取り出す必要はなく、その都度、ロッカーや本棚へ取りに行くわけです。また、多くの机では座ったときの自分の膝の上にくるセンター引き出しという横長のものがあるかと思います。これは一時的に離席するときに書類を入れておくためのものだそうです。ということは基本的には空ということですね。私は30センチ物差しなど、長いものを入れています。こうして整理・収納してみると、どの引き出しも結構な余裕ができます。この空間が勿体ないという考え方もあるかもしれませんが、逆に心の余裕になる気がして私は好きです。右側の袖引き出しの一番上に入れるボールペンは、よく書けるものを5~6本厳選しています。どれを選んでも常に書きやすいので、快適そのもの。逆に、書きにくいボールペンは結局使わないままになるので、まとめて外来診察室に寄付しています。極力無駄を排したオフィスや机は、時間の節約になるだけでなく、エネルギーの節約にもなります。要領よく仕事を片付けてなるべく早く帰宅し、よく眠るように心掛けると体調もいいような気がします。まだまだ発展途上の片付け術ですが、皆さんもそれぞれに工夫してみてはいかがでしょうか。片付いたオフィスで1句秋冷えの デスクに向かい 集中す

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患者の妊娠・出産と生殖医療に関する診療ガイドライン2021年版

子どもを得たい…そのとき医療者はどう向き合うか乳患者の妊娠が再発や予後に与える影響、生殖補助医療による妊娠率や出産率への影響、さらには経済的負担やQOLなども加味し、複数のアウトカムの益と害を評価することで、患者の多様な価値観を反映できるよう臨床課題が検証された。妊娠・出産を希望する乳患者と医療者の協働意思決定支援に役立つガイドラインである。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    乳患者の妊娠・出産と生殖医療に関する診療ガイドライン 2021年版定価3,520円(税込)判型B5判頁数228頁・カラー図数:9枚発行2021年10月編集日本がん・生殖医療学会

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第84回 次期診療報酬改定は「躊躇なくマイナス」、コロナ禍で疲弊した現場からは猛反発

財務省は11月8日の財政制度等審議会・財政制度分科会で、2022年度診療報酬改定について「医療提供体制改革なくして診療報酬改定なし」として、財務省が求める提供体制再編に沿わなければ診療報酬の引き上げに応じない姿勢を見せた。これに対し、全国保険医団体連合会(保団連)は11月11日、「低医療費政策とコロナ禍で疲弊した医療提供体制全体を立て直すためにも、診療報酬の抜本的引上げが必要だ」と反論した。10回中8回のマイナス改定とコロナ禍で経営悪化また、財務省が「診療報酬本体部分(技術料)はプラス改定が続いてきた」「躊躇なくマイナス改定すべき」と主張していることに対して、保団連は「薬価引き下げ分を技術料に振り替える慣行が崩れている下で、診療報酬全体は大幅なマイナスになっている」と反論。2000年の改定を基準にすると、2020年改定までに8回のマイナス改定が行われ、診療報酬が10%以上引き下げられている苦境を示した。こうした低医療費政策の下、医療機関はぎりぎりの経営を迫られていたところに、新型コロナウイルス感染症が拡大。患者は減る一方、感染防止対策費用などが増加。その結果、2020年度の国民医療費は対前年度比で1.4兆円減となり、多くの医療機関が診療報酬の減収で疲弊している。基本診療料の10%以上の引き上げなどを要望保団連は、2022年度の診療報酬改定では、国民に安全・安心で必要な医療を提供するため、これまでの低医療費政策とコロナで疲弊したすべての医療機関・医療従事者を立て直し、新興感染症に強い医療体制を確立する必要があるとした。同時に、国民や患者の負担も限界にきており、受診抑制を招かないよう患者負担を軽減すべきと主張。2022年度診療報酬改定に向けて、以下の要望を公表した。国民に必要な医療を安定して提供するため、基本診療料(初・再診料、入院基本料など)と算定頻度の高い診療行為を中心に、診療報酬を10%以上引き上げる。新型コロナ感染症への対応に係る診療報酬である医科・歯科・入院の感染症対策実施加算(2021年9月末で廃止)、乳幼児感染予防策加算(2021年10月より評価半減)についての評価を引き上げ、基本診療料に包括して恒久化することを含め、改定に盛り込む。患者窓口負担を軽減する。初診からのオンライン診療解禁は止めること。処方薬剤や処方日数制限などのルールが守られておらず、現時点では対面診療に変わり得るものとは到底言えない。「単一建物診療患者」の概念を廃止し、在医(施設)総管(在宅時医学総合管理料および施設入居時医学総合管理料)の評価を高い点数で一本化すること。在宅医療を担う医療機関が増えない原因の一端に、医療機関が「同じ建物に管理料を算定する患者が多い」という理由で低い診療報酬を算定せざるを得ないという不合理な報酬体系がある。改定周知期間わずか2ヵ月、関連書類3,000枚超の改善をまた、診療報酬の個別改定項目の発出(1月下旬)から新点数の運用(4月1日)まで2ヵ月間しか周知期間がないことも問題視した。この間、A4で3,000枚以上にもなる膨大かつ複雑な点数表や告示・通知、疑義解釈などを把握しなければならないため、医療機関の大きな負担となっている。そのため、6ヵ月以上の周知期間を設けることを求めた。財務省や厚生労働省は、医療費の数合わせや医療機関をコントロールするための“テコ”に診療報酬改定を使うのではなく、現場の実情を踏まえた改定を心掛けてほしい。新型コロナで疲弊しきった医療界に、これ以上鞭打つようなやり方はあまりに酷である。

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双極性障害患者の躁状態に対するCOVID-19パンデミックの影響

 COVID-19パンデミックは、人々の日常生活に支障を来し、メンタルヘルスに悪影響を及ぼすと考えられる。しかし、双極性障害患者の気分症状への影響およびパンデミック前の症状重症度との関連はよくわかっていない。オランダ・ライデン大学のManja Koenders氏らは、双極性障害患者の症状に対するCOVID-19パンデミックの影響について検討を行った。Brain and Behavior誌オンライン版2021年9月23日号の報告。 2020年4月~9月に双極I型障害および双極II型障害と診断された患者を対象に症状やウェルビーイングを評価したBipolar Netherlands Cohort(BINCO)研究を実施した。質問票には、躁症状および抑うつ症状(YMRS、ASRM、QIDS)、心配性(PSWQ)、ストレス(PSS)、孤独、睡眠、COVID-19への恐怖、積極的な対処、物質使用に関する内容を含めた。躁症状、抑うつ症状、ストレスのレベルは、COVID-19パンデミック前に評価し、ロックダウン中の軌跡は混合モデルを用いて推定した。 主な結果は以下のとおり。・双極性障害患者70例中36例(51%)は、COVID-19評価に1回以上反応が認められた(平均年齢:36.7歳、女性の割合:54%、双極I型障害の割合:31%)。・第1波の間、(軽)躁症状のベースラインからの有意な増加が観察され(χ2:17.60、p=0.004)、その後減少した。・COVID-19への恐怖(χ2:18.01、p=0.003)と積極的な対処(χ2:12.44、p=0.03)は、パンデミックの最初で最も高く、その後減少した。・抑うつ症状やストレスを含む他の尺度は、時間の経過とともに有意な変化は認められなかった。 著者らは「双極性障害患者は、COVID-19パンデミック前から初期段階にかけて躁症状の有意な増加が認められた。これらの症状は、ロックダウンが解除された翌月から、COVID-19への恐怖や積極的な対処とともに減少した」としている。

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抗CGRP抗体中止後の片頭痛の経過

 ドイツ国内および国際的なガイドラインにおいて、抗CGRP(受容体)モノクローナル抗体による6~12ヵ月の治療で片頭痛の予防を達成した後、薬剤の使用中止が推奨されている。ドイツ・シャリテー-ベルリン医科大学のBianca Raffaelli氏らは、抗CGRP(受容体)抗体中止4ヵ月後の片頭痛の経過を分析した。Cephalalgia誌オンライン版2021年9月27日号の報告。 抗CGRP(受容体)抗体を8ヵ月以上使用した後に中止した片頭痛患者を対象に、縦断的コホート研究を実施した。治療開始4週間前(ベースライン)、最終治療の前月、最終治療5~8週間後および13~16週間後の頭痛データを分析した。主要エンドポイントは、最終治療の前月から13~16週間後までの1ヵ月当たりの片頭痛日数の変化とした。副次的エンドポイントは、1ヵ月当たりの片頭痛日数および急性期治療薬使用日数の変化とした。 主な結果は以下のとおり。・対象は、抗CGRP受容体抗体エレヌマブおよび抗CGRP抗体ガルカネズマブまたはフレマネズマブの使用で均等に割り振られた62例。・最終治療の前月の1ヵ月当たりの片頭痛日数は、8.2±6.6日であった。・1ヵ月当たりの片頭痛日数は、最終治療5~8週間後で10.3±6.8日(p=0.001)、13~16週間後で12.5±6.6日(p<0.001)と徐々に増加していた。・最終治療13~16週間後の1ヵ月当たりの片頭痛日数は、ベースライン時と同程度であった(-0.8±5.4日、p>0.999)。・1ヵ月当たりの片頭痛日数および急性期治療薬使用日数の変化においても、同様の結果が認められた。 著者らは「片頭痛予防における抗CGRP(受容体)抗体の中止は、片頭痛の頻度および急性期治療薬の使用を有意に増加させることが示唆された」としている。

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HER2陽性大腸がんのトラスツズマブ デルクステカン第II相試験最終解析 (DESTINY-CRC01)/ 日本治療学会

 HER2陽性大腸がんに対するトラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)の多施設共同第II相試験DESTINY-CRC01の最終解析が第59回日本治療学会学術集会で発表された。中間解析に引き続き、良好な成績が示されている。 転移のある大腸がんのうち、HER2陽性腫瘍は2~3%と少ない。また、標的治療は承認されておらず、薬物治療の主体はいまだに化学療法である。そのような中、T-DXdは中間解析で良好な結果を残していた。・対象:2次治療以上の治療歴を有するHER2陽性切除不能・転移大腸がん患者78例 コホートA(53例):HER2 IHC3+またはIHC2+/ISH+ コホートB(15例):HER2 IHC2+/ISH- コホートC(18例):HER2 IHC1+・介入:T-DXd 6.4mg/kg 3週ごと・評価項目:[主要評価項目]コホートAでの独立中央判定による確定奏効率(confirmed ORR)[副次評価項目]ORR(コホートBとC)、病勢制御率(DCR)、奏効期間(DoR)、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、安全性と忍容性 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は、コホートA 62.4週、コホートB 27.0週、コホートCは16.9週であった。・独立中央判定によるconfirmed ORRは、コホートA 45.3% 、コホートBとコホートCはともに0%であった。 ・DCRは、コホートA 83.6%、コホートB 60.0%、コホートCは22.2%であった。・DoRは、コホートA 7.0ヵ月、コホートBとコートCはともに評価不能であった。 ・PFS中央値は、コホートA 6.9ヵ月、コホートB 2.1ヵ月、コホートCは1.4ヵ月であった。・OS中央値は、コホートA 15.5ヵ月、コホートB 7.3ヵ月、コホートCは7.7ヵ月であった。・安全性は従来のT-Dxdの報告と一貫しており、主なものは低Gradeの消化器系の有害事象であった。 ・間質性肺炎/肺臓炎の発現は全Gradeで9.3%、Grade5は3.5%であった。 T-DXd(6.4mg/kg 3週ごと)は、長期追跡においても、HER2陽性大腸がんに対し良好な抗腫瘍活性と持続性を示していた。発表者である近畿大学の川上 尚人氏は、この探索的研究の結果は、HER2陽性の転移を有する大腸がんへのT-DXdの有用性を引き続き支持するものだと述べている。

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5~11歳へのファイザー製ワクチンの安全性と有効性~第II/III相試験/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンBNT162b2(Pfizer-BioNTech製)の5~11歳への投与(21日間隔で10μgを2回投与)は、安全で、免疫原性を有し、有効率も約91%と高いことが示された。米国・Duke Human Vaccine InstituteのEmmanuel B. Walter氏らによる、5~11歳を対象とした第I相および進行中の第II/III相の無作為化試験の結果で、NEJM誌オンライン版2021年11月9日号で発表された。第I相で投与量を10μgに、第II/III相で有効率を評価 第I相無作為化試験は2021年3月24日~4月14日に米国内4地点でスクリーニングをして包含した5~11歳の48例を対象に行われた。1対1対1の割合で3群に無作為に割り付け、BNT162b2ワクチン10μg、20μg、30μgをそれぞれ投与し、安全性と免疫原性の所見から適切な投与量を決定した。 そのうえで、2021年6月7日~19日に計2,316例の5~11歳児についてスクリーニングを行い第II/III相無作為化試験を開始。対象児を2対1の割合で2群に割り付け第I相試験で同定した投与量のBNT162b2ワクチンまたはプラセボを投与し、有効率などを検証した。 BNT162b2ワクチン2回投与後1ヵ月の免疫応答を、16~25歳を対象に30μgを投与した主研究とイミュノブリッジングし、免疫原性データから有効率を推測した。COVID-19に対するワクチン有効率は、BNT162b2ワクチン2回投与後7日以降について評価した。5~11歳児2,268例を中央値2.3ヵ月追跡 第I相試験の反応原性と免疫原性に基づき、5~11歳への投与量は10μgが選定された。 第II/III相試験では、5~11歳児2,268例が無作為化され、BNT162b2ワクチン(10μg、1,517例)、またはプラセボ(751例)を、21日間隔で投与された。2021年9月6日のカットオフ時点で、追跡期間中央値は2.3ヵ月だった。 他の年齢と同様5~11歳でも、安全性プロファイルは良好で、ワクチン関連の重篤な有害イベントは認められなかった。 ワクチン2回投与から1ヵ月後の、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)中和抗体価の、16~25歳群に対する5~11歳群の幾何平均比は1.04(95%信頼区間[CI]:0.93~1.18)で、事前に規定した免疫原性の成功基準(両側95%CIの下限値:0.67超、推定幾何平均比:0.8以上)を満たした。 2回投与後7日以降のCOVID-19の発症は、BNT162b2群3例、プラセボ群16例が報告された(ワクチン有効率:90.7%、95%CI:67.7~98.3)。

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サクビトリル・バルサルタンvs.ラミプリル、心不全歴のない心筋梗塞患者/NEJM

 左室駆出分画低下や肺うっ血を伴う心筋梗塞の患者において、サクビトリル・バルサルタンはラミプリルと比べ、心血管死・心不全リスクを低下しなかったことが、米国・ハーバード・メディカル・スクールのMarc A Pfeffer氏らが約5,700例を対象に行った、多施設共同無作為化二重盲検試験で示された。症候性心不全の患者において、サクビトリル・バルサルタンはACE阻害薬と比べて入院や心血管死のリスクを低下することが示されている。一方で、急性心筋梗塞の患者を対象とした比較検討は行われていなかった。NEJM誌2021年11月11日号掲載の報告。心不全歴のない心筋梗塞患者を対象にサクビトリル・バルサルタンとラミプリルを比較 研究グループは、心筋梗塞を発症し、左室駆出分画低下や肺うっ血、またはその両方を伴う、心不全歴のない患者を無作為に2群に分け、推奨された治療に加え、一方にはサクビトリル・バルサルタン(サクビトリル97mg+バルサルタン103mg、1日2回)、もう一方にはラミプリル(5mg、1日2回)をそれぞれ投与した。 主要アウトカムは、心血管系の原因による死亡または心不全の発症(外来の症候性心不全または入院に至った心不全)で、いずれか先に発生したほうとした。サクビトリル・バルサルタン群とラミプリル群で主要アウトカムは同等 被験者は計5,661例で、サクビトリル・バルサルタン群に2,830例、ラミプリル群に2,831例が無作為化された。 中央値22ヵ月の追跡期間中の主要アウトカム発生は、サクビトリル・バルサルタン群338例(11.9%)、ラミプリル群373例(13.2%)で有意差は見られなかった(ハザード比[HR]:0.90、95%信頼区間[CI]:0.78~1.04、p=0.17)。 心血管系の原因による死亡または心不全による入院の発生も、サクビトリル・バルサルタン群308例(10.9%)、ラミプリル群335例(11.8%)で有意差はなかった(HR:0.91、95%CI:0.78~1.07)。心血管系の原因による死亡のみの比較でも、サクビトリル・バルサルタン群168例(5.9%)、ラミプリル群191例(6.7%)で有意差はなく(0.87、0.71~1.08)、全死因死亡もサクビトリル・バルサルタン群213例(7.5%)、ラミプリル群242例(8.5%)で有意差はなかった(0.88、0.73~1.05)。 有害事象による治療中断は、サクビトリル・バルサルタン群357例(12.6%)、ラミプリル群379例(13.4%)だった。

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055)皮膚科医が臨床写真を撮る意義【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第55回 皮膚科医が臨床写真を撮る意義ゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆皮膚科外来では、患者さんの病変部を写真に撮ることがよくあります。これらの臨床写真は、カルテの記録として残したり、医師・スタッフ間で情報を共有したり、症例報告や研究、論文発表に使われたりしています。1回にたった2~3枚の写真とはいえ、カメラを用意してポジションを決めて…と準備に意外と時間がかかることや、撮った写真の保存作業にも一定の労力が必要なこともあり、すべての症例を撮る訳にはいきません。実際には症例やタイミングを選んで撮影することになりますが、この臨床写真が治療の上でとても役に立つのです。普段、患者さんだけでなく私たち医療者も、それぞれの主観で捉えた患部の状態を記憶に保持しているため、現在の状態と比較する際にその記憶をよりどころとしています。ただ、この主観というのが厄介で、自分の先入観で事実がゆがめられてしまっていたり、実は変化があるのに見過ごしていたりすることがままあります。そんな時に臨床写真を見返すと、事実を客観的に確認することができます。それは、医療者が経過の評価を客観的に行えるだけにとどまらず、治療効果を患者さんと共有するのにも大いに役立ちます。とくに「頑張っているのに全然治らない」などとネガティブになりがちなタイプの患者さんに、前より良くなっていることを伝えるのに有効な方法だと感じます。日々診療に追われる中で、ついついカルテへの記入のみで満足してしまいがちですが、時々初心に帰って写真として記録を残しておくのも大切なことだなと、あらためて思いました。それでは、また〜!

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「マーロックス」の名称の由来は?【薬剤の意外な名称由来】第78回

第78回 「マーロックス」の名称の由来は?販売名マーロックス懸濁用配合顆粒一般名(和名[命名法])乾燥水酸化アルミニウムゲル水酸化マグネシウム(JAN)効能又は効果下記疾患における制酸作用と症状の改善胃・十二指腸潰瘍、胃炎、上部消化管機能異常用法及び用量通常成人には1日1.6g~4.8gを数回に分割し、本品1gに対し用時約10mLの水に懸濁して経口投与するか、または、そのまま経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。警告内容とその理由該当しない禁忌内容とその理由【禁忌(次の患者には投与しないこと)】透析療法を受けている患者[長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血等 があらわれることがある。]※本内容は2021年11月17日時点で公開されているインタビューフォームを基に作成しています。※副作用などの最新の情報については、インタビューフォームまたは添付文書をご確認ください。1)2021年2月改訂(改訂第17版)医薬品インタビューフォーム「マーロックス®懸濁用配合顆粒」2)サノフィe-MR:製品情報

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FGM導入で患者も主治医もWin-Win【令和時代の糖尿病診療】第3回

第3回 FGM導入で患者も主治医もWin-Win令和時代の糖尿病診療として、今回は薬剤ではなく、器機の面から考えてみる。糖尿病は生活習慣病の代表選手でもあり、治療の根源は食事や運動など生活習慣の改善にあるが、そもそも「生活習慣病とは何ぞや?」というと、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義される。裏を返せば、生活習慣を改善すれば良くなる見込みのある疾患であり、今回取り上げるFGM(Flash Glucose Monitoring)は、血糖値を連続的に「見える化」することにより、生活習慣の改善をサポートできる画期的な器機だ。従来の血糖自己測定(Self-Monitoring of Blood Glucose、以下SMBGと略す)は、穿刺針で指先から採血しその時点の血糖値を測定するものだが、FGMとは、上腕後部に着けたセンサーに服の上からリーダー(読取機)をかざすだけで、瞬時に血糖値を確認できるものである。正確には、FGMは血糖値ではなく間質液のグルコース濃度を測っているのだが、補正のために自己穿刺して血糖測定をする必要もないので、極めてシンプルに血糖管理ができる。センサーは最長14日間、自動的に毎分測定し記録し続ける(なお、最長8時間おきのスキャンが必要)ので、リーダーをかざした瞬間だけでなく、経時的な血糖推移も簡単に知ることができる。すなわち点が線になるのだ。図1:血糖グラフは「点」から「線」へ画像を拡大するこのメカニズムをご存じの方は、「CGM(Continuous Glucose Monitoring)との違いは?」という疑問にぶつかるかと思う。一言で表すならば、FGMはCGMの一種であり、間欠式スキャンCGM(intermittently scanned CGM:is-CGM)とも呼ばれる。リーダーをセンサーにかざした“瞬間”の皮下グルコース値を読み取る点から、“Flash”と名付けられた。患者が意図してセンサーにリーダーをかざすことで、現在から後ろ向きにグルコース値を認識する(一般的に、5~10分遅れて血液中のグルコース濃度が反映するとされる)。なお、CGMの中でもリアルタイムCGMはbluetoothで接続されるため、リーダーをかざす必要はない。FGM器機は、2017年に発売後まもなく保険適用され、さらに進化して2020年2月にはスマートフォンでも血糖値スキャンができるようになった。ここまで読んでいただき、少しでも興味を持っていただけたであろうか。「この手の器機は所詮専門医が使用するマニアックなもの」と決めつけてはいないだろうか? しかし、答えは「No」で、保険上では「糖尿病の治療に関し、専門の知識および5年以上の経験を有する常勤の医師または当該専門の医師の指導の下で糖尿病の治療を実施する医師が、間欠スキャン式持続血糖測定器を使用して血糖管理を行った場合に算定する」とある。対象は「強化インスリン療法を行っているもの、または強化インスリン療法を行った後に混合型インスリン製剤を1日2回以上使用しているもの」とされ、1型糖尿病でも2型糖尿病でも適応可能となっている。これにより、SMBGを行っているならばFGMを使用できない施設はほとんどないと言っていいのではないだろうか?FGMを装着後、劇的に血糖コントロールが改善した2例前置きはこのくらいにして、臨床現場での実例を見てみよう。まずは、小児発症の1型糖尿病で罹病歴27年の女性である。SMBGをきちんと行っているものの、HbA1cは7%台後半で変わらない状況であった。3年ほど前にFGMを装着したところ、インスリンを増量することもなくみるみるHbA1cが6%台後半まで下がり、なおかつ低血糖の頻度も減り非常に安定した。「子供のときは毎回針で指を刺して血を出すのが本当に痛くて嫌だったが、これ(FGM)になってからはいつでもどこでも測れるし、何よりも痛くない。時代は変わったなあ!」と、しみじみとご本人から語られたときは目頭が熱くなった。このときの言葉は今でも忘れられない。次に、2型糖尿病で強化インスリン療法を行っている60代女性のHbA1cを示す。図2:2型糖尿病:罹病歴21年(合併症:神経障害馬場分類1度[軽度]・網膜症[右A0:左A1」・腎症第1期)画像を拡大するどこからFGMが開始になったかは疑う余地もなかろう。これだけ劇的に下がったのは、薬剤を変えたわけでもインスリン量を増やしたわけでもなく、FGMを装着しただけである。患者は以前からSMBGを行っていたがさぼりがちで、測定結果も診察時には「忘れた」と言って持って来ないことが多々あった。そんな方が、スマホ対応のFGMを着けてからは多い時で1日に40回以上も測定したのである。最初は「先生に血糖値がすべてばれてしまう」と少し困惑気味だったが、聞くとゲーム感覚で楽しんでいるようで、どのようなものを食べると血糖値が高くなるとか、よく運動をすると血糖値がうそのように下がるなどとうれしそうに話してくれた。血糖変動が手に取るようにわかることで、行動変容が生まれたケースである。今後は薬剤の減量を検討しており、これがまた患者のいい動機付けになると考えられる。我々の施設では、強化インスリン療法施行中の2型糖尿病患者について、FGM導入は血糖コントロールのみならず、身体活動や治療満足度の改善にもベネフィットをもたらしたことも報告している1)。FGMデータを読むうえで重要な「AGP」と「TIR」それでは、実際のFGMデータ(AGPレポート)を見てみよう。図3:AGPレポート画像を拡大するここで2つのキーワード、AGP(Ambulatory Glucose Profile)とTIR(Time in Range)を以下に解説するので、ぜひ覚えていただきたい。これらは、HbA1cを補完する臨床目標およびアウトカム評価指標として、2019年6月にInternational Consensusで推奨されたものである2)。CGM/FGMの測定は1回の測定期間を2週間として、その間に得られたデータの70%以上を使用して解析すること解析にはAGPの手法を用いること血糖コントロール指標として、70~180mg/dLを治療域(Target Range)とし、この範囲内の測定回数または時間をTIR、治療域より低値域をTBR(Time Below Range)、高値域をTAR(Time Above Range)と定義する糖尿病リソースガイド3)より一部引用AGPについて、日々の血糖値を連続的に見ることができるのは言うまでもないが、FGM測定データの解析に用いられているAGPレポートとは「測定期間のグルコース値の要約」で、記録した数日間にわたる血糖変動の傾向が、一つのグラフとして示される。図4:AGPレポートの読み方《AGPレポートから読み取れる内容》1)24時間の平均血糖値2)24時間の血糖変動幅(i)中央値曲線(実線):中央値曲線の上下動が大きい箇所は、1日の中で血糖変動が大きい時間帯であることを示している。(ii)25%タイル曲線~75%タイル曲線(青色帯):各時間帯で、たとえば10日間のうち5日間はこの範囲内に血糖値が入る(50%の確率)。(iii)10%タイル曲線~90%タイル曲線(水色帯):各時間帯で、たとえば10日間のうち8日間はこの範囲内に血糖値が入る(80%の確率)。3)食後血糖の平均上昇幅このようにAGPで解析すると、1日のうちで低血糖/高血糖となる可能性の高い時間帯や血糖値の変動が大きい時間帯などが視覚的に確認でき、これを活用することで、血糖変動の幅や目標範囲との差、低血糖/高血糖の可能性の有無などについて把握しやすくなる。次にTIRとは、1日のうち血糖値が目標範囲内で過ごせた時間を表したもので、異なる糖尿病患者群のそれぞれで標準的なCGMの目標値が決められている。図5:異なる糖尿病患者群におけるCGMの目標値画像を拡大するこれらの指標に基づき、2型糖尿病患者を対象にした研究では、重症度に基づく糖尿病網膜症(DR)の有病率はTIR四分位の上昇とともに減少し、DRの重症度はTIR四分位数と逆相関を示した4)、TIRは大血管合併症の代替指標である頸動脈内膜中膜肥厚度と関連した5)など多くの論文が出され、有用性が実証されている。FGMによるAGPレポートを見るメリットとして、糖尿病のさまざまな合併症を防ぐため、24時間の血糖値がどのように変動しているか、つまり「血糖トレンド」に注目することが重要とされ、それをしっかり理解できると、下記のような点に関し、患者の状態が確認しやすくなる。(1)食後高血糖(血糖値スパイク)の有無(2)夜間低血糖や暁現象の有無(3)HbA1cの値だけではわからない、「血糖コントロールの質」などさらに今後の方向性として、コロナ禍などで対面診療ができない場合でのオンライン診療なども視野に入るかと思われる。FGM導入で患者も主治医もWin-Winいろいろと利便性ばかり述べてきたが、もちろん限界もある。装着を避けるべき患者像は、血糖値に振り回され、血糖ありきで生活習慣の改善がおろそかになってしまうような患者(たとえば血糖値が高いときインスリンを多く打ち過ぎて低血糖を繰り返す、あるいは補食し過ぎて高血糖になり悪化するケースなど)や、逆にせっかく装着しても、興味がなく規定の時間内に測定しない人や血糖値を他人に見られるのを非常に嫌がる患者などには、決して無理強いするものではない(医療機関でしか測定データを確認できない器機もあるにはあるが…)。また、皮膚に直接貼付するため、かぶれやすい患者などでは着けられない場合もある。いずれにせよ、患者の適性を考慮して使用することで行動変容につながり、薬剤以上の素晴らしい効果が期待できることをぜひ体験していただきたい。これを機に、糖尿病診療にFGMを活用すべく、まずは自身から行動変容を試みてはいかがだろうか。1)Ida S, et al. J Diabetes Res. 2020 Apr 9;2020:9463648.2)Battelino T, et al. Diabetes Care. 2019;42:1593-1603.3)糖尿病リソースガイド 糖尿病治療におけるTime in Range(TIR)の重要性と血糖トレンドの活用4)Lu J, et al. Diabetes Care. 2018;41:2370-2376.5)Jingyi Lu, et.al. Diabetes Technol Ther. 2020 Feb;22:72-78.

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