サイト内検索|page:642

検索結果 合計:35654件 表示位置:12821 - 12840

12821.

進化する放射線治療に取り残されてる?new RTの心毒性対策とは【見落とさない!がんの心毒性】第7回

今回のお話ひと昔前までの放射線治療(RT)では、がん病変に関連した広範囲を対象に照射していたため、ホジキンリンパ腫、乳がん、食道がん、肺がんなど胸部RTが必要ながん腫では心臓縦隔が広範囲に照射されてしまい、急性期および遠隔慢性期に放射線関連心血管合併症(RACD :Radiation Associated Cardiovascular diseases:)を発症していました。しかし、最近は心臓回避技術の向上、いわゆるRTのオーダーメイド治療が進化しRACDの発症頻度は減少しています。ゆえに一昔前と同様の考察でRACDに対峙していては時代遅れです。一方、放射線による組織障害、その結果として生じた心血管障害への対応には案外これまで通りのRACDへの理解が不可欠であり、RACDリスク管理として一般的心血管リスク因子の適正化が重要です。つまるところ、従来から循環器医が注力している診療要素がここでも大事なのは明らかで、結局は、臨床におけるRACDに対する急な理論武装は不要な様に思っています。もちろん、現代のRTに精通し、それによる新規RACDへの探究は極めて重要と考えますが、まずは基本に忠実な診療を施す事、そしてこれは放射線治療医の先生方へのお願いとなりますがRACDスクリーニングへも目を向ける重要性をお届けしたいと思います。そのほかにも、最新RTが不整脈治療に有効となる可能性!? なんていう話題についてもご紹介してみたいと思います。なお、RACDという表記について、別のRIHD(Radiation Induced Heart Disease)の表記も見かけます。この領域において、まだ統一表記になっていないと理解しています。今回は筆者が従来から使用し、また今回2021年第4回日本腫瘍循環器学会でも表記で利用されたRACDを本稿では使用します。RACDの基本の基:平均心臓照射量とのリニアな関係まずは2013年NEJM誌からの報告です。乳がん患者においてRT治療後5年目から冠動脈イベント頻度は高まりはじめ、少なくとも20年間はリスクが続き、平均心臓照射量が多ければ多いほど冠動脈イベントの増加に関連する事が示されました1)(図1)。(図1)心臓への平均照射量に応じた冠動脈イベントの割合1)画像を拡大する「線量依存性」かつ「慢性期発症」というのがRACDの基本の基です。多くはないものの急性発症もある事は申し添えておきます。RACDの発症は近年の技術革新により減少しています。しかし、がん患者、がんサバイバーが更に増加する昨今、そして、高齢化により心疾患を抱えたRT患者の増加も想像にたやすく、今後も臨床においてRACDを診療する機会はなくならないでしょう。別途、胸部以外の部位へのRTでも炎症やほかの機序により心血管障害を起こす可能性もあるのですが2)、混乱を来すのでここでは扱いません。RTの技術革新、New RACDは従来型とは違うのか次にホジキンリンパ腫に対するRTを例に技術革新を紹介します3)。(図2)ホジキンリンパ腫に対するRTの時代ごとの変遷画像を拡大する(A)時代ごとで分かるRT技術革新。拡大放射線療法であるマントル照射(B)以前の治療法(D)(B)に比較しIMRTを用いたinvolved-site RTでは(C)心臓を回避したより限局的治療を可能とし、DIBH(deep inspiration breath-hold、深吸気呼吸停止)法も適用し心臓部位への照射量は軒並み抑えられています3)(図2)を見ると心臓への照射量は劇的に減少しています。強度変調放射線治療(IMRT:intensity-modulated RT)、定位放射線治療(SRT:Stereotactic RT)のほか、粒子線治療といった高精度放射線療法の導入により、オーダーメイド放射線治療ができるようになった近年、一昔前のRTと現在のものとでは、もう同等比較はできません。心臓照射はより回避され、がん病変へのより限局的治療へと進化し、冠動脈、心筋、弁膜など心臓内の各重要部位が回避できるRTに進化を遂げています。この新時代RTいわゆるNew RACDは従来のものとは異なり、より限局的な心血管障害になるでしょうし、患者毎、がん病変毎で個々に異なるRACDの病態を呈する前提で行われていくでしょう。そういう意味で、New RACDとRACDは確実に異なります。問題点は…当の小生もですが、New RACDについて深く語れるほど循環器医がRTの進化に追いついておらず、New RACDの詳細を大して認識できていないという事です。ただし、New RACDの発症形態、特有の予後などまだ不明な点が多いものの、結果として生じた心血管系組織障害に対する臨床的対応はそれほど変わらないとも言えます。 結局、主治医がとるべき臨床的対応は、従来のRACDに対するものとさほど変わらないのではないかと思っています。よく知られているRACD前述した通り、New RACDはより限局的な心血管障害となり、発症形態は従来のRACDとは異なると推察されます。、その臨床的病型について、注意点はこれまでとさほど変わらないとし、まずはRACDの代表的な所をお示しします。RACDとしておさえておきたい病態を(図3)に示しました4),5)。RTにより心室では拘束性障害や収縮性障害をきたします。そのほか、冠動脈硬化、弁膜硬化、刺激伝導障害、自律神経機能障害、心膜疾患、心嚢水貯留、上行大動脈の全周性高度石灰化 (porcelain aorta)などが生じます。(図3)RACDとして挙げられる心臓関連病態4),5)画像を拡大するRACDの多くは遠隔慢性期に発症―RT後にも症例に応じたRACDスクリーニング計画、心血管リスク因子の適正化が重要RACDの特徴は急性期障害もあるものの、問題の多くが治療後遠隔期の慢性期障害となる事です。ゆえに、がん治療病院の管理から離れた後に発症する懸念から、いかにあらかじめの患者教育が大事かということになります。そして、RACDリスクが高い患者にはRT後の定期的なRACDスクリーニングの計画が推奨されます。(表1)にRACDのリスク因子を示しました。中には「心血管疾患リスク因子の保有」とあります。この心血管疾患リスク因子管理がRACDの進行回避において非常に重要なのです。そして、項目にある「コバルト線源」については近年における臨床現場ではあまり一般的治療ではないと聞いています。ただし、過去に治療歴がある患者の場合には注意すべきであり知っておくことは望ましいですよね。(表1)RACDのリスク因子4),7)RACDによる冠動脈病変は周囲組織を含め硬化が強くPCIでもバイパス手術でも成績が不良と言われます6)。これらを改善させるためにもスクリーニングによる早期検出で少しでも安全な治療が可能になる事に期待がもたれます。(図4)にはスクリーニングを含めたRACD管理アルゴリズムを示しました。(図4)RACD管理アルゴリズム5),8)画像を拡大する逆の発想!?心室性不整脈に対するRTの可能性RACDを起こす放射線障害ですが、その組織傷害性を利用したRTによる不整脈源性障害心筋への治療利用が考えられています。phase I/II ENCORE-VT(Electrophysiology-Guided Noninvasive Cardiac Radioablation for Ventricular Tachycardia) trialが行われ、難治性心室性頻拍に対してその有効性と安全性が報告されました9)。今後、そういう治療が主流になって行くのでしょうか、興味津々です。おわりに進化したRTによるRACD、いわゆるNew RACDについて、発症形態や予後など不明な点が多く、われわれはそれを明らかにすべく更なる探求が必要であると思います。しかし、その臨床的対応については、まずは従来のRACD対する対応と大きく変える必要は無いのではないでしょうか。重要なのは、治療後遠隔慢性期の発症形態をとるRACDの発見が遅れないよう、あらかじめ患者教育を施し、RACDリスク因子となる高血圧、糖尿病、脂質異常などのリスク管理、そしてRACDに対するスクリーニングの計画が検討される事、つまりRT後の患者が放置されない医療的アプローチが肝要であるのだと思います。循環器医も腫瘍科医も現段階ではRT新時代に取り残されているのかもしれませんが、これまでの知識や経験をもってNew RACDへ対応して行くことが先決でしょう。また、そんな状況だからこそ、腫瘍科医や放射線科医、そして循環器医が互いの強みを発揮しながらの協働が必要になってくるわけです。そして、当然、新世代RT特有のNew RACDの側面も今後明らかになってくることにも期待が高まります。最新の情報をアップデートしていきましょう。1)Darby SC, et al. N Engl J Med. 2013;368:987-998.2)Haugnes HS, et al. J Clin Oncol. 2010;28:4649-4657.3)Bergom C, et al. JACC CardioOnc. 2021;3:343-359.4)Desai MY, et al. J Am Coll Cardiol. 2019;74:905-927.5)志賀太郎編. 医学書院. 2021. 循環器ジャーナル.(II章, がん放射線療法に関連した心血管合併症[RACD])6)Reed GW, et al. Circ Cardiovasc Interv. 2016;9:e003483.7)Jaworski C, et al. J Am Coll Cardiol. 2013;61:2319-2328.8)Ganatra S, et al. J Am Coll Cardiol CardioOnc. 2020;2:655-660.9)Robinson C, et al. Circulation. 2019;139:313-321.講師紹介

12822.

ファイザー製ワクチン、6ヵ月後の抗体価が著明に低下した人は?/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のBNT162b2ワクチン(Pfizer-BioNTech製)は、2回目接種6ヵ月後時点で、とくに「男性」「65歳以上」「免疫抑制状態にある人」で中和抗体価が著しく低下していた。イスラエル・テルアビブ大学のEinav G. Levin氏らが、医療従事者を対象とした6ヵ月間の前向き横断研究の結果を報告した。イスラエルでは、ワクチン接種率と有効性が高いにもかかわらず、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の症候性感染の発生率が増加しており、この増加がBNT162b2ワクチン2回接種後の免疫低下に起因するかどうかは不明であった。NEJM誌オンライン版2021年10月6日号掲載の報告。2回目接種後、6ヵ月間、毎月抗体価を測定 研究グループは、ワクチンを接種した医療従事者を対象に、抗スパイクIgG抗体および中和抗体の検査を毎月、6ヵ月間実施した。線形混合モデルを用いて抗体価の動態を評価し、6ヵ月後の抗体価の予測因子を検討した。 本研究には4,868例が参加し、解析対象集団は3,808例であった。中和抗体価は男性、65歳以上、免疫抑制状態にある人で著明に低下 IgG抗体価は一定の割合で減少した。一方、中和抗体価は、最初の3ヵ月間は急激に減少し、その後は比較的ゆっくり減少した、IgG抗体価は中和抗体価と高い相関性を示したが(スピアマン順位相関0.68~0.75)、IgG抗体値と中和抗体価の回帰関係は2回目のワクチン接種後の時間に依存していた。 2回目のワクチン接種から6ヵ月後の中和抗体価は、女性と比較して男性が低く(平均比:0.64、95%信頼区間[CI]:0.55~0.75)、18~44歳と比較して65歳以上が低く(0.58、0.48~0.70)、免疫抑制を伴わない参加者と比較して免疫抑制を伴う参加者で低かった(0.30、0.20~0.46)。 なお、著者は、健康な医療従事者を対象としており一般集団を反映していない可能性があることを、研究の限界として挙げている。

12823.

SSRIの副作用プロファイル~自然主義的横断研究

 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、最も一般的に使用されている抗うつ薬である。通常の臨床試験では、SSRIの副作用は過少報告されているといわれている。各SSRIの副作用プロファイルを完全に理解するためには、自然主義的な環境で構造化された手法を用いてシステマティックに評価することが求められる。インド・JDT Islam College of PharmacyのK. Anagha氏らは、自然主義的な治療環境で患者の主観的な症状を測定するために設計された自己評価法を用いて、3種類のSSRI(セルトラリン、エスシタロプラム、fluoxetine)によって誘発される副作用の頻度を調査した。The Primary Care Companion for CNS Disorders誌2021年7月29日号の報告。3種類のSSRIの副作用プロファイルを調査 対象は、3次医療施設の精神科より登録された外来患者。対象条件は、ICD-10基準でうつ病、不安スペクトラム障害、適応障害、心気症、衝動調節障害と診断されSSRI単剤治療を受けた18歳以上の患者とした。評価法には、42項目を含み、米FDAよりリリースされた抗うつ薬の最も一般的な副作用に関する添付文書データを用いて考案した。 自然主義的な治療環境でSSRIの副作用の頻度を調査した主な結果は以下のとおり。・対象患者数は100例、女性の割合は70%であった。・最も一般的な診断は、うつ病であった(49%)。・使用薬剤の割合は、セルトラリンが53%、エスシタロプラムが38%、fluoxetineが8%であった。・患者より報告された一般的な副作用は、腹部膨満感(64%)、傾眠(59%)、記憶障害(51%)、集中力低下(50%)、あくび(47%)、倦怠感(45%)、口渇(45%)、体重増加(45%)、ふらつき(43%)、発汗(38%)であった。・エスシタロプラムでは、頭痛、そう痒症、記憶障害、集中力低下、めまいの発生率が有意に高かった。・セルトラリンでは、食欲不振が有意に多かった。 著者らは「一般的に使用される3種類のSSRIに関する副作用の発生率やパターンが示された。また本結果は、他の同様な研究と比較するためのベースラインデータとなりうるであろう」としている。

12824.

医療クラウドファンディング、コロナ対応スタッフの苦境を救え

 新型コロナウイルスが猛威を振るい始めてから、クラウドファンディングを利用して医療材料などの資金調達を行う医療施設や大学が増加している。先月3日にREADYFOR主催の記者会見を行った医療法人社団 悠翔会もその1つだが、なぜこのような支援方法を選択したのだろうか。同施設は首都圏や沖縄に拠点を設け在宅診療にあたっている。新型コロナ患者対応においては、かかりつけ医を持たず、なおかつ自宅療養を余儀なくされる患者を保健所紹介のもとで積極的に対応しているが、その責任者である佐々木 淳氏(悠翔会理事長・診療部長)が語る、在宅におけるコロナ対応の現状や自施設スタッフのリスク管理とはー。新型コロナ×在宅医療、突きつけられる現実 在宅専門である同施設が在宅コロナ患者への往診を始めたのは東京都医師会と連携した2021年8月11日のこと。当初は通常の在宅チームのみで各地域の保健所からの依頼により対応していたが、徐々にその業務は逼迫、より多くの対応要請に迅速かつ確実に対応したいと考え8月24日より『コロナ専門往診チーム』が結成され、東京23区におけるコロナ患者の最終セーフティネットの役割を担い稼働した。 同施設の場合、通常診療は医師・看護師・ドライバーが3人1組で約10~13件/日(施設診療の場合は半日で30人ほどの診察が可能)の訪問診療を行っているが、コロナ診療の場合は、「同じ体制でも1日に多くて6件程度と、通常診療の半分しか対応することができない。この診療を支えるためのフォローアップチーム(毎日70~100人の患者に対し、1~3回/日の電話にて状況確認などを行う)や酸素濃縮器の集配チームなどを含め、約20名ものコメディカルを要する非常に負担の大きな仕事」と述べ、「にも関わらず、実際の診療報酬で評価されるのは“往診する医師の業務だけ”なので、施設経営は逼迫する一方だ」と話した。スタッフのリスク管理 また、コロナ診療と通常業務において大きく異なる点はやはり感染対策だが、悠翔会では以下の対策をスタッフのリスク管理として設けている。1)毎日の体調確認を確実に行う2)特定のスタッフを連続勤務させない3)余裕をもって診療ができるよう、十分な診療スタッフ数を確保する4)診療スタッフがコロナ診療に専念できるよう、診療外業務をバックアップチームが担う体制を作る5)感染防御具を毎度、きちんと使い捨てができるよう、潤沢に確保する6)感染防御が確実にできるスタッフだけでチームを組成する これは、往診を目的ではなく手段と捉えて患者に確かな安全・安心を提供し、助けを求めるすべての人に確実に医療が届けられるようにという『患者のニーズが最優先』の観点があっての対策なのだろう。通常業務にコロナ対応、賞与に報償を反映 上記のような対策が必要であればおのずと人員確保による人件費もかさむ。病院施設においては、コロナ禍による受診控えが影響しスタッフへの報酬を減額せざるを得ないところもあったが、本施設での影響を尋ねると、「日常診療における感染防御、クラスターへの対応(大規模PCR検査の実施など)、ワクチン接種、新型コロナ患者への往診対応など、通常の診療業務に多数の業務がアドオンされており、年末の賞与にてそれらへの報償を反映させる予定」と佐々木氏はコメント。このようなスタッフへの感謝の気持ちを添える対応をするためにも、クラウドファンディングの活用が欠かせなかったと言える。クラウドファンディング、地域限定から全国への呼びかけに 本施設のクラウドファンディングは開始1週間で早くも目標金額の1,200万円を達成。この支援費用は在宅中等症患者の命を繋ぐために必要な人件費として充てられるという。達成後も次の目標に向けて募集を行い、10月13日現在、支援者2,296人から約3,360万円の支援が集まっている。これに対し、佐々木氏は「目下のコロナ専門往診チーム体制、フォローアップ体制の更なる強化に加え、新たに計画されている新型コロナ療養施設での活動資金等に充当する」とコメントしている。 この取材時点では在宅診療での使用が認められていなかった抗体カクテル療法についても、9月17日に大阪府で解禁になったのを筆頭に東京都でも9月24日から始まった。もし、今後、第6波が到来して中等症II以上の自宅療養者が増えた場合、在宅診療の業務逼迫も今以上のものになることは想像に難くない。クラウドファンディング活用という先手の行動がきっと雨過天晴になるだろう。 クラウドファンディング(crowdfunding)とは、『群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語で、インターネットを通して自分の活動や夢を発信することで、想いに共感した人や活動を応援したいと思ってくれる人から資金を募るしくみ』1)のこと。今回のように寄付金を募るタイプのものは寄付型クラウドファンディングとも呼ばれている。そのほか、物を購入して作り手を応援する購入型、ふるさと納税を寄付金に充てるタイプなどがある。 これまでも地域住民、患者やその家族がお世話になっている病院に「寄付」するという行為は存在していたが、それが地域住民版だとしたら、クラウドファンディングは共感を得た全国各地の人から募るという意味で寄付の全国版とも言える。 本プロジェクト「緊急:新型コロナが“災害医療”となった今、第五波を乗り切るご支援を」は10月29日(金)午後11:00まで、支援を募集している。<医療法人社団 悠翔会>・2006年創設・首都圏:17拠点、沖縄:1拠点・医師数:96名(常勤:40名)・在宅患者数:6,400名

12825.

早期妊娠高血圧腎症、分娩時期の延伸にメトホルミンが有用/BMJ

 早期妊娠高血圧腎症を発症した妊婦(妊娠26~32週)への徐放性メトホルミン投与は、妊娠期間を延長できることが、南アフリカ共和国・ステレンボッシュ大学のCatherine A. Cluver氏らが行った無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果、示された。投与群はプラセボ群と比較して妊娠期間が1週間延長し、出生児の新生児室入室期間を短縮できることが示された。著者は、「今回の試験で早期妊娠高血圧腎症の治療は可能であることが実証されたが、さらなる試験を行う必要はある」とまとめている。BMJ誌2021年9月22日号掲載の報告。南アで180例を対象に二重盲検プラセボ対照無作為化試験 無作為化試験は南アフリカ共和国・ケープタウンの紹介制病院で行われた。妊娠26+0週~31+6週の待機的管理を受けている妊婦180例を無作為に2群に割り付け、徐放性メトホルミン(3g/日を分割投与、90例)またはプラセボ(90例)を分娩時まで投与した。 主要アウトカムは、妊娠期間の延長であった。無作為化から分娩までの期間中央値、メトホルミン群17.7日、プラセボ群10.1日 180例のうち1例は、試験薬を服用する前に分娩した。 無作為化から分娩までの期間中央値は、メトホルミン群17.7日(四分位範囲[IQR]:5.4~29.4日、89例)、プラセボ群10.1日(3.7~24.1、90例)であり、群間差中央値は7.6日(幾何平均比[GMR]:1.39、95%信頼区間[CI]:0.99~1.95、p=0.057)であった。 すべての投与時点で試験薬を服用し続けた被験者において、妊娠期間延長の中央値はメトホルミン群17.5日(IQR:5.4~28.7、76例)、プラセボ群7.9日(3.0~22.2、74例)であり、群間差中央値は9.6日(GMR:1.67、95%CI:1.16~2.42)であった。 全投与量を服用した被験者において、妊娠期間延長の中央値はメトホルミン群16.3日(IQR:4.8~28.8、40例)、プラセボ群4.8日(2.5~15.4、61例)であり、群間差中央値は11.5日(GMR:1.85、95%CI:1.14~2.88)であった。 母体、胎児、新生児複合アウトカム、および血中の可溶性fms様チロシンキナーゼ-1(sFlt-1)値、PlGF(placental growth factor)値、可溶性エンドグリン(soluble endoglin)値に差はみられなかった。 メトホルミン群で、出生児体重は有意ではないが増加し、新生児室の入室期間は短縮した。試験薬関連の重篤な有害事象は観察されなかったが、メトホルミン群では下痢の発現頻度が高かった。

12827.

無症候性高度頸動脈狭窄症に対するCAS vs.CEAの無作為化比較試験(ACST-2)(解説:中川原譲二氏)

 無症候性の高度頸動脈狭窄を有する患者に対する頸動脈ステント留置術(CAS)あるいは頸動脈内膜剥離術(CEA)はいずれも有効で、長期の脳卒中リスクを低減させる。しかしながら最近の全国規模のレジストリデータによると、いずれも後遺障害を伴う脳卒中や死亡について、1%程度の手技に関連するリスクを引き起こす。両者の長期的な予防効果を比較するためには、大規模な無作為化試験によるエビデンスが求められていた。CAS vs. CEA、多施設無作為化比較試験 ACST-2試験は、インターベンションを要する無症候性の高度頸動脈狭窄を有する患者を対象とした、CASとCEAに関する国際的な多施設無作為化比較試験であり、他の関連するすべての試験に通用する。被験者は、片側性または両側性に高度頸動脈狭窄があり、医師・患者共に頸動脈治療の施行に同意していた場合に適格とされたが、治療法は選択できなかった。被験者は無作為にCAS群またはCEA群に割り付けられ、1ヵ月後、その後は毎年の追跡を平均5年間受けた。術後30日以内に発生したイベントを、手技関連イベントとし、ITT集団を対象にテーブル解析による手技関連ハザードなどの解析を行った。手技非関連脳卒中については、Kaplan-Meier法やlog-rank検定法を用いて解析した。CAS vs. CEA、脳卒中発生リスクに関する長期効果に差はなし 2008年1月15日~2020年12月31日に、130施設の被験者3,625例をCAS群(1,811例)とCEA群(1,814例)に無作為に割り付けた。コンプライアンス、薬物治療はいずれも良好で、平均追跡期間は5年だった。全体で、手技関連の後遺障害を伴う脳卒中や死亡は1%(CAS群15例、CEA群18例)、手技関連の後遺障害を伴わない脳卒中は2%(それぞれ48例、29例)だった。Kaplan-Meier法による5年の手技非関連脳卒中の発生率は、致死的または後遺障害を伴う脳卒中については両群共2.5%、あらゆる脳卒中についてはCAS群5.3%、CEA群4.5%だった(rate ratio[RR]:1.16、95%CI:0.86~1.57、p=0.33)。すべてのCAS群vs. CEA群試験における手技非関連脳卒中の発生に関する一体的RRは、症候性・無症候性の患者で同等だった(全体RR:1.11、95%CI:0.91~1.32、p=0.21)。 適切なCASやCEA後に見られる重篤な合併症は同様に稀であり、致死的または後遺障害を伴う脳卒中に関して、これら2つの頸動脈治療法の長期効果は同等であった。CAS vs. CEA、予防効果の永続性の検証が必要 今回のACST-2試験では、無症候性高度頸動脈狭窄症に対するCAS vs. CEAの無作為化比較試験において、脳卒中発生リスクに関する長期効果は全体としては差はなしとされた。本研究の結果により、わが国においても、CASを第1選択とする介入フローがより加速するものと思われる。しかし、症候性の頸動脈狭窄症を対象とした他の比較試験でも見られたように、CEAは少なくとも後遺障害を伴わない脳卒中の発生に関して、有意差は出なかったが、CASよりも良好な結果となっていた。CEAやCASの予防的効果は、初期の数年間は同等であるが、その永続性(durability)については、ACST-2を含む臨床研究のさらなるフォローアップによって、検証されなければならない。

12828.

なぜ、働き方改革は「現場主体」でないといけないのか?【今日から始める「医師の働き方改革」】第4回

第4回 なぜ、働き方改革は「現場主体」でないといけないのか?私たちは、これまで1,000以上の組織の働き方改革を支援してきました。うまく進む働き方改革は、長崎大学病院での働き方改革も含め、「誰かに言われているからやる」のではなく「現場がやりたいと思うことを実現していく」を主眼に取り組みを進めていることが特徴です。今回は私たちが「現場主体」を重視する、その理由を紹介します。1)人口動態とマネジメント手法の変化表1は、ハーバード大学David E. Bloomが1990年に提唱した「どの国にも人口ボーナス期と人口オーナス期が存在する」という考え方を表しています(表1)。「人口ボーナス期」とは、若者が多数を占め、高齢者人口の割合が低い国の状態を指します。日本では1960年代~90年代半ばまでがこの時期に当たります。働き手が多く、市場にはまだモノが不足していたので1分1秒でも長く働き、隣の会社と同じ製品であっても早く安く大量に作って提供することが求められました。こうした時代、意思決定はトップダウンが合理的で、それに文句なく従う従業員が大勢いる組織が有利でした。賃金は現在より低く、労働時間の労働規制も厳しくなかったので、労働者をたくさん働かせてもしっかり利益が残ったのです。一方、現在の日本は「人口オーナス期」にあります。高齢者人口の割合が高く、若年の労働者が少ない人口構造です。経済成長は停滞し、市場は飽和状態にあります。早く安く大量に生産するやり方ではなく、市場から求められる、吟味された商品しか売れない時代になりました。こうした商品を生み出すにはトップダウンでは限界があり、現場発想をいかに速く商品・サービスに落とし込み、改良を続けるかが勝負を分けます。医療現場において少子高齢化による働き手不足と患者数増加によって、現場マネジメントの難易度は高まっています。男女ともに高学歴化が進み、男性が大半を占めていた医師の世界も今では医学部合格者の3割以上が女性です。結婚・育児にキャリアを阻まれることが少ない男性医師で成り立ってきた医療機関も、女性を含めた多様な人材が活躍できる環境整備を行わなければ経営が成り立たない状況です。このように人口ボーナス期・オーナス期は人口構造だけでなく、組織の勝ち筋、マネジメント手法にも大きな影響を与えます。つまりは、人口オーナス期に合わせた経済成長のルールに従い、現場の裁量を増やし、仕事のやり方を変えることが重要なのです。2)高まる不確実性今は「VUCAの時代」といわれます。VUCAとは「Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性」の頭文字で、「予測不可能な出来事が次々と起こる時代」を指します。2020年から続く新型コロナウイルス感染症の拡大は、まさしくそれを証明したといえるでしょう。これだけ急激な変化が起きると、トップが現場の情報を収集して、意思決定して、現場に展開するだけの十分な時間がありません。現場の意思決定の質を高め、スピーディーに変化する。それを促すための工夫が不可欠です。3)「やらされ感」の排除もうひとつ、職場の変革を現場主体で行うメリット、それは「持続性」です。どんな組織においても、対象者が「やらされている」と感じる取り組みは定着しにくいものです。やらせる人がいなくなったり何らかの理由で強制力がなくなったりした瞬間、元に戻る力が働きます。元に戻るだけならまだしも「忙しい中で無理やりやらされた」という不満が、上司や経営層への不信感や人材流出につながります。チームが集まって「ありたい姿」を作成するこうした理由から、私たちは「現場が主体となった働き方改革」を提唱しています。そのための第一歩が「ありたい姿」の作成です。働き方改革を始める際に、まずは「プロジェクトチーム」をつくる必要があります。日常業務とのつながりを確保するために同じ業務をしているメンバーで、人数は3~10人までがよいでしょう。10人は全員が議論に参加できる限界です。お互いの意見を尊重し、小さな意見も出せるようなメンバー選びも重要です。部門トップが入ると若手が萎縮するのであれば、トップはメンバーに入れないのも一手です。メンバーを選んだら、初回ミーティングのテーマは「働き方改革を行った結果、どうなりたいのか=ありたい姿の設定」です。用意するもの:大きめの付箋、ホワイトボード3~5人程度に分かれるファシリテーター役と付箋に記入する係を決める長崎大学の初回ミーティングの樣子1)問い掛けと意見出しファシリテーターは、次の問い掛けをします。「このチームのいいところはどこですか?」「もったいないな、と感じるところはどこですか?」「もっとよい時間の使い方をするためには、何の時間を増やし、何を減らしたいですか?」1つの問い掛けに対して3分ほど使ってファシリテーターも含めた意見出しを行い、出たそれぞれの意見を記入係が付箋に書き出します。「勤務時間短縮の要素を入れる」といった指定は不要です。チームのメンバーから「もっと早く帰りたい」といった言葉が出れば入れますが、強制や忖度が起きないように気を付けます。2)付箋をまとめる出た付箋を持ち寄り、ホワイトボードに貼り出します。ファシリテーターが内容の近いものをまとめてグルーピングします(KJ法と呼ばれる方法です)。付箋を使うのは意見をフラットに取り扱うためです。職位や年次によらず、どの意見も公平に扱うことが重要です(表2)。3)まとめて文章化する付箋をグループごとに整理し、それをつなげて参加者全員にとって納得感の高い「ありたい姿」を文章にします。チームのいいところは活用し、もったいないところを克服する、その結果○○に割く時間を増やす/○○という成果を出す、といった流れがよいでしょう。「みんなで早く帰る!」といった短い文章ではメンバー間でイメージがブレやすくなるため、「属人化を解消し、助け合うチームになることで、早く帰れる体制をつくる」など、アクションをイメージできる具体的なキーワードが入った文章にします(表3)。できた文章は、忘れないようにどこかに貼り出します。これは「一度決めたら変えられない」ものではなく、達成できたときや違和感が出たときなどに都度見直します。全員の意見を1つにまとめるのは難しいこともあるので、この作業はチームメンバー以外の取りまとめの上手な人や、私たちのような外部サポーターを入れることもお勧めです。このチームの「ありたい姿」を決める話し合いを観察していると、いくつか気付くことがあります。最初はどのチームも「そんなこと、考えたこともない」という沈黙が続きます。「組織のありたい姿なんて、経営者や教授が決めるものでしょう」と戸惑う方もいます。それでも、「どんな意見でもどうぞ」と促し続けると、ぽつりぽつりと意見が出てきます。はじめに出た意見を「なるほど、○○なんですね」としっかりと認めることで、次の意見が出るようになります。少し時間はかかりますが、この「ありたい姿」を決めるプロセスは非常に重要なので、チーム全員の納得感を確認しながらつくりましょう。「働き方改革=早く帰ること」というイメージを持つ方が多くいます。ベテランの方からは「若いうちは必死にやらないと。今さぼってどうする」「自分の時間を削ってきた若いころの努力やキャリアを否定された気になる」と不満や不安の声も上がります。また「医師の働き方改革によって、提供する医療の質が落ちることだけは避けねばならない」というのは、年齢にかかわらず、多くの医療者に共通した意見です。医師の働き方改革は「労働時間を減らす」という単純なものではありません。提供する医療の質を落とさないことは大前提です。あくまでも、提供する医療の質を上げつつ、チームの総労働時間を短縮する、そのための取り組みです。ありたい姿をどう現場に落とし込むのか、その方法は次回以降にご紹介します。

12829.

第79回 与野党の政策を党別分析、ツッコミどころ満載なその政策とは?(後編)

ついに岸田 文雄首相は10月14日の衆議院で解散を行い、19日公示、31日投開票のスケジュールで4年ぶりの衆院選が行われることになった。前回から自民党以外の与野党各党の新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)を含む医療・社会保障政策を紹介し、独断と偏見ながらその評価をしている。今回は前回紹介した公明党、立憲民主党、国民民主党以外の各政党についてである。野党二番目の議席数、日本共産党実は与党の自民党、公明党、野党第一党の立憲民主党に次いで衆議院で議席を有しているのが日本共産党(12議席)である。その共産党は11日に「総選挙政策 なにより、いのち。ぶれずに、つらぬく」を公表した。まず、新型コロナ対策として(1)ワクチンと一体で大規模検査、(2)医療・保健所への支援、(3)まともな補償、の3本柱を訴えている。ただ、このうちの(1)は「『いつでも、誰でも、無料で』という大規模・頻回・無料のPCR検査実施」、「職場、学校、保育所、幼稚園、家庭などでの自主検査を大規模かつ無料で行えるように国が思い切った補助」とのことで、ややため息が出てしまう。パンデミック当初の検査能力不足に起因した検査抑制は確かに問題だったが、今は検査が不足しているとは必ずしも言えない。また、どんなに検査の自動化やプール方式などの効率化を進めても検査に要するリソースが有限であることを考えれば、現状の検査能力の使い方こそが最重要である。その中で医療従事者や介護従事者、警察・消防などのエッセンシャルワーカーに比較的頻回な定期検査を行うならば、リソースの有効活用にはなるだろうが、いつでも誰でも無料は大衆受けするがかなり非科学的といえる。また、今回の教訓を踏まえた医療などのキャパシティ向上を謳って「感染症病床、救急・救命体制への国の予算を2倍にするとともに、ICU病床への支援を新設して2倍」「保健所予算を2倍にして、保健所数も、職員数も大きく増やす」「国立感染症研究所・地方衛生研究所の予算を拡充し、研究予算を10倍」などの定量目標を掲げているが、正直財源も含め、いずれも現実味を感じない。ボリューミィ政策、日本維新の会野党第3党の日本維新の会。同党は衆院選向けの公約は発表していないが政策提言「維新八策2021」という8領域339項目の政策を公表している。医療・社会保障に関してはこのうち「2.減税と規制改革、日本をダイナミックに飛躍させる成長戦略」「3.『チャレンジのためのセーフティネット』大胆な労働市場・社会保障制度改革」、「4.多様性を支える 教育・ 社会政策、将来世代への徹底投資」に集中的に登場する。まず、成長戦略項目で訴えていることは、(1)ITによる医療・介護の産業化・高度化、(2)診療報酬点数に需給バランスを通じた調整メカニズム導入、(3)混合診療解禁、(4)医療法人などの経営・資金調達方法の大幅に規制緩和、(5)OTC販売時の対面販売規制見直し、であり、端的に言えば医療での規制緩和・市場原理導入ということだ。社会保障制度の項目では、数多くの政策が並んでいるが根幹として医療費の自己負担割合について「年齢で負担割合に差を設けるのではなく、所得に応じて負担割合に差を設ける仕組みに変更」と訴えている。これについては一見すると合理的に見えるが、ここで考えるべきはまず低所得者と高所得者でどちらのほうが一般的に考えて健康不安があるかという点だ。答えはおおむね低所得者に行くはずだ。生活の基本である衣食住に対するものも含め可処分所得が低いため、健康維持に使えるお金も減るからである。つまり健康不安の少ない高所得者が高い自己負担割合になれば、結果として彼らは過少給付となるので不公平感が否めない。ちなみに後段の項目では「定期的な検診受診者や健康リスクの低い被保険者などの保険料を値引きする医療保険に保険料割引制度導入」と訴えているため、高所得者はこの点では得をして前述の過少給付分を補填できるかもしれない。しかし、逆に相対的に健康リスクが高いとみられる低所得者はこの制度では恩恵を受けがたくなり、一部の低所得者と高所得者との間で格差が広がる危険性もある。その一方で「国民健康保険でのスケールメリットを活かせる広域的運営の推進」や「レセプトチェックのルール統一を行い、国民皆保険制度の元で AIやビッグデータを活用することで、医療費の適正化と医療の質の向上を同時に実現」は個人的には一考に値すると感じている。とくに後者のレセプト審査基準が地域によって幅があることは、患者目線に立てばこれまでも内外から疑問視されていた点である。新型コロナ対策についても12本の提言を挙げているが、その多くに新味はない。さらに、「人員配置や設備面で急性期の受け入れ能力がない中小病院が過多になっている現状を精査し、医療提供体制の再編を強力に推進」という点については、やや「???」とも思う。そもそも高齢化が進む日本の将来を見据えた場合、急性期医療以外を担う病院の必要性は高い。もっとも医療機関数や病床数が多めであることは確かだが、ほぼ民間病院だらけの中小病院をどのようにして「再編を強力に推進」するのかと思ってしまう。後述する社民党の政策に出てくる国公立病院の統廃合も含めた機能点検ですらあれだけ揉めたのだから、こうした維新の提言が実現するとは思えないのだが…残る社民党、れいわ新選組、NHK党は…さて前編分も含め、ここまでが現状で衆議院に議席を持つ政党の政策についてだが、参議院に議席を有し、公職選挙法や政党助成法での政党要件を満たし、なおかつ今回の衆議院選に候補者を立てている政党がいくつかある。社民党、れいわ新選組、NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で(公職選挙法上の略称・NHK党)の3政党である。この各党についても触れておきたい。これは政治・選挙取材を得意とする私の友人で「黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い」で第15回開高健ノンフィクション賞を受賞した畠山 理仁(みちよし)氏が実践しているすべての候補の主張に耳を傾け、すべての候補を公平に扱うべきという主張に共鳴しているからだ。まずは社民党。かつては最大野党として衆参両院で最盛期に3分の1以上の議席を占めたこともある旧日本社会党を前身とする社民党は現在、衆参両院で議員各1人にまで凋落している。その社民党の「2021年重点政策」を見ると、社会保障・医療関連でまず触れられているのが、「1.新型コロナ感染症災害からの生活再建」の中の「医療機関、介護・医療従事者を支援。地域医療を守る」の項目。具体的には2019年に厚生労働省「医療計画の見直し等に関する検討会」の「地域医療構想に関するワーキンググループ」が急性期医療機能の観点から424(現在は436)の公立・公的等医療機関について統廃合も含めた機能再検証を求めた件をあげ、新型コロナの病床確保の観点からこの方針の撤回を求めるというもの。確かにこの一件はいきなり該当病院が名指しされたことで当該病院関係者や自治体に大混乱を与えたことは事実だ。しかし、従来から国内の医療機関が極端に急性期医療に軸足を置いてきた結果、超高齢化社会の進行に伴う将来的な慢性疾患対応の増加とミスマッチになっていたこともまた事実である。単純に将来の新興感染症を見越して現行のままの急性期病床配置を維持すれば良いものではない。この政策項目の中では「削減してきた保健所、保健師の数を増やし、公衆衛生の強化に取り組みます」とも訴えているが、それならば新興感染症対策の最前線である保健所の在り方も含めた急性期病床の配置までもう少し踏み込んだ提言があってほしいと思うのは要求のレベルが高すぎるだろうか?「2.格差・貧困の解消」では「75歳以上の高齢者医療費負担2倍化反対」として、今年6月に成立した健康保険法改正により、75歳以上の単身高齢者で年収200万円以上であれば医療費の自己負担額が2割に引き上げられる法改定が成立したが、その撤回を求めている。ただ、この高齢者の自己負担引き上げは長らく議論されてきたもので、実際の引き上げも慎重にかつ段階的に行われている。そもそも少子高齢化と経済低成長の時代に現役世代のみで現在の社会保障制度を支えることが困難なことは社民党も知らぬはずはない。その意味ではこの主張・政策は手垢まみれのポピュリズムとさえ言えるかもしれない。一方、代表である山本 太郎氏の出馬選挙区問題でドタバタが起きた、れいわ新選組(参議院2議席)だが、その新型コロナ対策は他党と比べ医療対策よりも経済対策が中心。その中で「PCR検査最大能力を100万回/日に向上へ」という政策を掲げている。正直、必要な検査数はその時々の流行状況などにもなど左右されるため、数値目標を掲げるのは必ずしも適切ではない。ただ、同党の主張は「医療者はもちろんのこと、バス・タクシードライバー、駅員、保育・介護職等のエッセンシャルワーカーやその家族、濃厚接触者、コロナウイルス感染の疑いのある者が、定期的に優先し、複数回検査できる体制の構築」と具体的に記述している。要は感染の疑いがある者や濃厚接触者といった日常診療でベーシックに必要とされる検査分を前提にエッセンシャルワーカー分を上乗せした数値目標らしい。その意味では一定程度ロジックは成立している。また、こうしたエッセンシャルワーカーに対して1日当たり2万4,000円の危険手当の給付を訴えている。2万4,000円というのは、アフリカの新興国・南スーダンに展開した国連南スーダン共和国ミッション (UNMISS) に、2012年1月から2017年5月まで自衛隊を派遣した際、非常時に小規模な戦闘が起こることも念頭に行う「駆け付け警護」まで実施した際の隊員の1日当たりの「国際平和協力手当」が原点だ。要は最も危険な公務員の任務での手当と同額ということだ。この背景として同党は、こうしたエッセンシャルワーカーが通常人口に比べて新型コロナでの死亡リスクが2倍以上にのぼることを例示している。考え方として悪くはないが、給付が実現しても死亡リスクそのものが低下するわけではないので、その点の対策がなければアンバランスである。さらに基本政策の中では、「障がい者福祉と介護保険の統合路線は見直し」を訴えている。これは障害者総合支援法の第7条の自立支援給付での「介護保険優先原則」の見直しである。同党はこの条文により障害者が充実した重度訪問介護などのサービスを利用できず、65歳以上では利用時の原則一割負担とサービスの幅も狭い介護保険の利用を求められる点を是正すべきとしている。これは障害者議員を擁する同党ならではと言えるかもしれない。で、最後はNHK党(衆参両院で各1議席:衆院の1議席は日本維新の会を除名された丸山穂高氏が入党したことによる)となるが、もともとNHKと対決するシングル・イシューの政党であり、新型コロナ対策や医療・社会保障に関する政策は同党の公式ホームページでは一切見当たらなかった。さて月末の衆議院選の結果はいかなるものになるだろう?

12830.

切り傷の縫合処置(表皮縫合)【漫画でわかる創傷治療のコツ】第7回

第7回 切り傷の縫合処置(表皮縫合)《解説》今回は、仕上げの表皮縫合を説明します。ついにキズモンスターをやっつけるぞ!最後に表皮縫合:目的は段差の修正!真皮縫合が終了した時点で創縁は寄っているため、表皮縫合では少しズレている創縁を揃えるように行います。きつく結紮する必要はありません。針糸は角針、非吸収性のモノフィラメント糸を使うことが多いです。太さは真皮縫合と同じか少し細くてもよいです。真皮縫合と同様に、針は皮膚に直角に刺入しますが、その際しっかり皮膚を外反させる必要があります。持針器を持つ手もクイッとしっかり返しましょう!ここまで説明したのは、一般的によく使われる「単純縫合」についてです。縫合の方法にはほかにも種類があり、緊張のかかり方や角質の厚さ等で選択します。水平マットレス縫合:手掌部など硬い皮膚の縫合に使用垂直マットレス縫合:創縁を確実に合わせたい場合に使用また、3つの創縁を寄せるときに使う「三点縫合法」という方法もあります。知っていると便利です!さて、縫合についての基本は確認できましたか。正しい道具と針糸、少しのコツを知るだけで、キズモンスターの発生をかなりの確率で防ぐことができます! 一緒に頑張りましょう!!参考1)波利井 清紀ほか監修. 形成外科治療手技全書I 形成外科の基本手技1. 克誠堂出版;2016.2)菅又 章 編. PEPARS(ペパーズ)123 実践!よくわかる縫合の基本講座<増大号>. 全日本病院出版会;2017.3)上田 晃一 編. PEPARS(ペパーズ)88 コツがわかる!形成外科の基本手技―後期臨床研修医・外科系医師のために―. 全日本病院出版会;2014.4)日本形成外科学会, 日本創傷外科学会, 日本頭蓋顎顔面外科学会編. 形成外科診療ガイドライン2 急性創傷/瘢痕ケロイド. 金原出版;2015.

12831.

急性期および治療抵抗性統合失調症に対する抗精神病薬治療戦略~ガイドラインのレビュー

 慶應義塾大学の下村 雄太郎氏らは、急性期および治療抵抗性統合失調症に対する抗精神病薬の治療戦略に関する現状を要約するため、ガイドラインおよびアルゴリズムのシステマティックレビューを実施した。Schizophrenia Research誌オンライン版2021年9月8日号の報告。治療抵抗性統合失調症に対するクロザピンの使用を多くのガイドラインが推奨 急性期および治療抵抗性統合失調症に対する抗精神病薬治療に関する臨床ガイドラインおよびアルゴリズムを特定するため、MEDLINEおよびEmbaseを用いて、システマティックに文献検索を行った。治療反応不良(抗精神病薬の増量や切り替えなど)や治療抵抗性を含む抗精神病薬治療戦略の推奨事項に関する情報を収集した。 主な結果は以下のとおり。・2011年以降に公開された、各国の急性期および治療抵抗性統合失調症治療のガイドラインやアルゴリズムを17件特定した。・急性期および治療抵抗性統合失調症に対する抗精神病薬の投与量に関しては、ほとんどのガイドライン(11件中10件)において、低用量または有効最低用量から開始し、漸増することとしていた。・治療反応不良例に対する抗精神病薬治療戦略に関しては、すべてのガイドライン(9件中9件)において、承認用量範囲の最大用量に向かって抗精神病薬の増量が推奨されていた。・例外的な場合に、承認用量範囲を超えた抗精神病薬の増量に肯定的であったガイドラインは5件、否定的であったガイドラインは10件であった。・多くのガイドライン(17件中16件)において、治療反応不良例には、他の抗精神病薬への切り替えを推奨していたが、クロザピン以外の抗精神病薬については、エビデンスが十分でないことが、いくつかのガイドラインにおいて指摘されていた。・すべてのガイドライン(17件中17件)において、2種類の抗精神病薬で治療反応が不十分であった場合に、クロザピンの使用を推奨していた。・4件のガイドラインでは、クロザピンの早期使用を推奨していたが、あくまで第3選択薬としてであった。 著者らは「現在利用可能なガイドラインやアルゴリズムでは、急性期統合失調症治療に対し治療反応が不良な場合には、抗精神病薬の増量や他の抗精神病薬への切り替えが推奨されていた。とくに、治療抵抗性統合失調症に対するクロザピンの使用が推奨されていた」としている。

12832.

IBDの新規経口薬ozanimod、潰瘍性大腸炎の導入・維持療法に有効/NEJM

 中等症~重症の活動期潰瘍性大腸炎(UC)患者に対する導入および維持療法として、新規経口薬として開発中のozanimodはプラセボと比較して、より有効であることが、米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のWilliam J. Sandborn氏らによる、多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第III相試験の結果、示された。ozanimodは、選択的スフィンゴシン-1-リン酸受容体調整薬で、炎症性腸疾患(IBD)の治療薬として開発が進められている。NEJM誌2021年9月30日号掲載の報告。中等症~重症の活動期UC患者を対象にozanimodとプラセボを比較 研究グループは中等症~重症の活動期UC患者を対象に、10週間の導入期間において、コホート1ではozanimod群(ozanimod塩酸塩1mg[ozanimod 0.92mg相当])またはプラセボ群に2対1の割合で無作為に割り付け、それぞれ1日1回経口投与し、コホート2では非盲検下でozanimod(コホート1と同用量)を投与した。10週時点で、各コホートにおいてozanimodに対し臨床的反応を示した患者をozanimod群またはプラセボ群に再び無作為に割り付け、二重盲検下で52週間まで(維持期間)投与した。 両期間の主要評価項目は、臨床的寛解率として、3項目(直腸出血、排便頻度、内視鏡)のMayoスコアで評価した。主要な副次評価項目は、臨床的反応、内視鏡的改善、組織学的治癒とし、階層的検定を行った。安全性についても評価した。臨床的寛解率は導入期18.4% vs.6.0%、維持期37.0% vs.18.5% 導入期間において、コホート1に645例、コホート2に367例が割り付けられ、計457例が維持期間に再び割り付けられた。 臨床的寛解率は、導入期間でozanimod群18.4%(79/429例)vs.プラセボ群6.0%(13/216例)(p<0.001)、維持期間でそれぞれ37.0%(85/230例)vs.18.5%(42/227例)(p<0.001)であり、両期間においてozanimod群がプラセボ群と比較して有意に高かった。 臨床的反応率も、導入期間(47.8% vs.25.9%、p<0.001)および維持期間(60.0% vs.41.0%、p<0.001)のいずれにおいてもozanimod群がプラセボ群より有意に高率であった。その他のすべての副次評価項目も、両期間においてozanimod群がプラセボ群より有意に改善した。 安全性については、ozanimod群の感染症(あらゆる重症度)発生率がプラセボ群と比較し、導入期間では同程度、維持期間では増加した。重篤な感染症の発生率は、52週の試験期間を通していずれの群も2%未満であった。肝アミノトランスフェラーゼ値の上昇は、ozanimod群で多くみられた。 なお、著者は、日常診療での幅広い患者集団においては結果が異なる可能性があること、長期データが不足していることなどを挙げて結果は限定的だとしている。現在、非盲検延長試験が進行中である。

12833.

コロナ治療でイベルメクチン適応外使用に注意喚起/MSD

 MSDは10月12日、医療関係者向けの情報サイトで「COVID-19に対するイベルメクチンの処方について」と題した文書を掲載。腸管糞線虫症または疥癬の経口治療薬として国内承認されているイベルメクチン(商品名:ストロメクトール)は、COVID-19の治療薬としては承認されていないため適応外使用となることを注意喚起した。イベルメクチンはコロナ治療薬として承認されていない イベルメクチンを巡っては、同剤を開発した米・メルク社が9月、COVID-19治療薬としての有効性と安全性のエビデンスについて分析した結果をステートメントとして発表。▽前臨床試験では新型コロナウイルス感染症に対する治療効果を示す科学的な根拠は示されていない▽新型コロナウイルス感染症患者に対する臨床上の活性または臨床上の有効性について意義のあるエビデンスは存在しない▽大半の臨床試験において安全性に関するデータが不足している―とし、「規制当局によって承認された添付文書に記載されている用法・用量や適応症以外におけるイベルメクチンの安全性と有効性を支持するデータは、現時点では存在しない」との見解を示した。 さらに世界保健機関(WHO)は、COVID-19に対する治療薬としてイベルメクチンを使用することは、臨床試験以外では推奨されないとする声明を発表している。 日本国内におけるイベルメクチンの製造販売元であるMSDは今回の文書で、「本剤は COVID-19の治療薬として承認されていない」と改めて強調し、COVID-19に対して適応外使用された際の安全性情報の監視を継続するとしている。イベルメクチンの添付文書が改訂、重大な副作用に「意識障害」追記 PMDAは、10月12日付でイベルメクチンの添付文書を一部改訂。重大な副作用として「意識障害」の項を追加し、「昏睡、意識レベルの低下、意識変容状態等の意識障害が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う」こと、および「意識障害があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明する」旨の記載が加えられた。

12834.

054)話が止まらないおじいさん【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第54回 話が止まらないおじいさんゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆先日のこと。カルテに星マークのあるおじいさんが、外来の終わり間際に受診されました(カルテの星マークは、何かしらの事情で要注意であることを意味します)。定期的に受診されていて、確かにちょっと癖のある患者さんです。その日も、院内環境などについて軽くご立腹ではありましたが、皮膚科的には問題なく、「それではお大事に…」と言って診察を終えようとしたところ、何やら宗教の話をしながら、教本(?)を取り出したおじいさん。そこから「生きることとは…死ぬこととは…」と、ありがたい説法(?)が始まり、こちらが「そろそろ次の方もいるので…」と終わりを促しても、なかなか話をやめようとしません。背後からはスタッフの「もう終わりにして!」というプレッシャー。星マーク付きということもあり、無用なトラブルに発展しないようにと思うと、こちらも強くは出られず。実際、時間にしたら10分も経っていなかったと思われますが、止まらないおじいさんの宗教トークは、長い時間に感じられました。皮膚科外来を経験してかれこれ十数年。ピヨピヨのヒヨッ子だった新米の頃と違い、今ではたいがいの患者さんと渡り合えるつもりでいますが、久々に参った一件でした。医師である私の父なら、おそらく「悪いけど、もう出てくんない!?」と一喝して終わるのだろうなあ。そんな姿がありありと目に浮かびます。私もまだまだヒヨッ子、ということかもしれません。それでは、また~!

12835.

それ、尊敬ポイントじゃないっす【Dr. 中島の 新・徒然草】(396)

三百九十六の段 それ、尊敬ポイントじゃないっすある日の事。私が書いた診断書を見た医師事務さん(正式名称:医師事務作業補助者)が一言。医師事務「先生すごいですね。カルテだけでもわかるんですか?」中島「えっ、この診断書のこと?」医師事務「患者さんを診なくてもここまで書けるんですね」皆さん、ご存じのとおり、自分が診ていない患者さんの診断書作成を依頼されることはいくらでもあります。何年も前に受診した方とか、すでに主治医が異動してしまっているとか。そんな時、カルテ記載を頼りにして代理の医師が診断書を作成するしかないわけです。詳細な記載があれば簡単ですが、カルテにほとんど何も書かれていなければ診断書作成が困難なのは言うまでもありません。中島「たまたまこの人の場合はできたというだけで」医師事務「でも驚きました、ホントに」中島「いやいやいや。そこ、尊敬するポイントじゃないから」私とてお世辞を言われるのは大好きですが、見当外れの事で尊敬されるのは自らの美学が許しません。どうやらこの傾向は子供のころからあったようです。思い起こせば小学校2年生の時のこと。夏の体育の授業は、プールでの水泳がメインでした。今の小学生はスイスイ泳ぐのでしょうけど、昭和の時代の水泳の授業は大変です。水に顔をつけるのが怖くて泣いているのが必ず何人かいて、先生たちもその子供たちにかかりっきり。プールに入った生徒を無事に全員回収したらそれでOK、泳ぎを教えるどころではありませんでした。そんな中、ひたすら練習をして夏休みの終わりに何とか25メートル泳げるようになった私は、栄光の黒線2本をもらうことができました。10メートル泳げたら黒線1本、25メートル泳げたら黒線2本です。クラスの中でも、白い水泳帽に黒線2本を縫い付けていたのは私のほかにもう1人いるだけでした。そして小学校3年生の夏。ほとんどのクラスメートが線なしの白帽の中、私は意気揚々と黒線2本の水泳帽を被ってシーズン初の授業に臨みました。ところが! なんと、25メートルどころか5メートルしか泳げなかったのです。担任「おい、中島! お前は全然泳がれへんやないか。黒線とってしまえ」そう担任に怒鳴られた私は、家に帰って母親に黒線を取るよう頼みました。母親「えっ、せっかく縫い付けたのをまた取るんか?」中島「5メートルしか泳がれへん奴は黒線をつけたらアカンのや」母親「そんなもん、黙ってつけといたらエエやんか」母親にとっては単に面倒な作業だったということでしょう。そして次のプールの授業。白い水泳帽を被って参加した私は、クラス中の笑いものになりました。あろうことか担任まで笑っています。担任「中島! お前、ホンマに黒線を取ってきよったんか。アホな奴っちゃな」私にとっては、「泳げる人は黒線をつける。泳げない人は黒線をつけない」という当たり前の事でした。でも世の中はそういう仕組みになっていなかったようです。2~3週間ほど練習したら、また25メートル泳げるようになったので、再び母親に頼んで黒線を縫い付けてもらいました。この時はちょっと嬉しかったです。いい大人になった今、振り返ってみると、自分にとって一番耐えがたいのは「泳げもしないのに黒線をつけている」という事だったのかな、と思います。小学生なりの意地があったのかもしれません。中島「泳げもせんのに黒線をつけてもらうわけにはいかんからなあ」医師事務「はあ?」中島「いやいや、こっちのこと」診断書1枚で思い出した小学校の思い出。もう半世紀以上も過ぎましたが、あまり人間の中身は変わっていないようです。読者の皆様もそれぞれに美学があることと思いますが、どうぞ、大切になさってください。最後に1句取っちまえ! 泳げん奴は 黒線を

12836.

肥大型心筋症〔HCM:hypertrophic cardiomyopathy〕

1 疾患概要■ 概念・定義肥大型心筋症(hypertrophic cardiomyopathy:HCM)は、主に遺伝的変異を原因として不均一な心肥大を左室や右室に来し、心機能低下をもたらすとされる特発性心筋症であり、わが国では指定難病とされている。臨床的には左室流出路閉塞を来す閉塞性obstructive HCMと来さない非閉塞性non-obstructive HCMに分類され、前者では収縮期に左室内圧較差が生じることが臨床的に問題となることが多いのに対し、後者は予後が比較的安定しているとされている。■ 疫学日本全国に推計患者数が2万1,900人、有病率は人口10万人あたり17.3人と報告されている(1998年の全国疫学調査)。男女比は2.3:1と男性に多い。■ 病因心筋収縮関連蛋白の遺伝子異常が主な病因であり、2019年時点では11の原因遺伝子と、サルコメアを構成するタンパク質をコードする遺伝子の1,500以上の変異が報告されている。しかし、遺伝子異常が特定されない症例も多くみられ(20~50%)、病因に関しては不明な点も多い。 ■ 症状閉塞性肥大型心筋症では胸部症状(労作時呼吸困難や相対的心筋虚血による胸痛・胸部絞扼感)や神経学的症状(起立時のめまい・ふらつき、眼前暗黒感、失神)が認められる。非閉塞性肥大型心筋症患者は無症候であることも多く、健康診断での心電図などを契機にわが国では発見される場合も多い。■ 分類肥大型心筋症は以下の5つのタイプに分類される:1.閉塞性肥大型心筋症(HOCM)HOCM(basal obstruction):安静時に30mmHg以上の左室流出路圧較差を認める。HOCM(labile/provocable obstruction):安静時に圧較差は30mmHg未満であるが、運動などの生理的な誘発で30mmHg以上の圧較差を認める。2.非閉塞性肥大型心筋症(non-obstructive HCM):安静時および誘発時に30mmHg以上の圧較差を認めない。3.心室中部閉塞性心筋症(MVO):肥大に伴う心室中部での30mmHg以上の圧較差を認める。4.心尖部肥大型心筋症(apical HCM):心尖部に限局して肥大を認める。5.拡張相肥大型心筋症(dilated phase of HCM; D-HCM):肥大型心筋症の経過中に,肥大した心室壁厚が減少・菲薄化し、心室内腔の拡大を伴う左室収縮力低下(左室駆出率50%未満)を来し、拡張型心筋症様病態を呈する。■ 予後1982年の厚生省特定疾患特発性心筋症調査研究班の報告では肥大型心筋症の5年生存率および10年生存率は、それぞれ91.5%と81.8%であった。死因として若年者では心臓突然死が多く、致死性不整脈、失神・心停止の既往、突然死の家族歴、左室最大壁厚>30mmのうち2項目以上で突然死リスクが高いとされる。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)■ 心エコー検査心室中隔の肥大、非対称性中隔肥厚(拡張期の心室中隔厚/後壁厚≧1.3)など心筋の限局性肥大、左室拡張能障害(左室流入血流速波形での拡張障害パターン、僧帽弁輪部拡張早期運動速度低下)を認める。閉塞性肥大型心筋症では、僧帽弁の収縮期前方運動、左室流出路狭窄を認める。■ 心臓MRI検査ガドリニウム造影剤を用いた遅延相でのガドリニウム増強効果(Late Gadolinium Effect)は心筋線維化の存在を反映する。■ 心臓カテーテル検査圧測定で左室拡張末期圧上昇、左室−大動脈間圧較差(閉塞性)、Brockenbrough現象(期外収縮発生後の脈圧減少)が認められる。■ 心内膜下心筋生検他の原因による心筋肥大を鑑別する上で重要であり、病理検体で肥大心筋細胞、心筋線維化(線維犯行および間質線維化)、心筋細胞の錯綜配列などが認められる。■ 運動負荷検査心肺運動負荷試験により、肥大型心筋症症例では症状の出現閾値、Peak VO2を評価することで適切な運動制限を設定することが可能となる。■ 遺伝子検査ルーチンでの遺伝子検査は推奨されていないが、左室肥大を引き起こすことが知られている他の遺伝的疾患(ファブリー病、ライソゾーム蓄積病など)の除外診断のため、あるいは患者の一等親血縁者などを対象として希望があれば実施されることが多い。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)閉塞性肥大型心筋症に対する現在の治療は、β遮断薬、非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬、ジソピラミドなどによる対症療法が中心であるが、後述のmavacamtenが近い将来使用可能になることが予想される。薬物療法に抵抗性を示す症例では、外科的中隔切除術やアルコールを用いた中隔焼灼術(percutaneous transluminal septal myocardial ablation:PTSMA)などの侵襲的中隔縮小療法を検討するが、リスクを伴うことから事前に入念な評価を要する。また、心臓突然死リスクを評価することは重要であり、心停止の既往、持続性心室頻拍、原因不明の失神、左室壁30mm以上、2014ESCガイドライン計算式(HCM Risk-SCD Calculator)でハイリスク(5年間のイベント予測が6%より大きい)、第1度近親者の突然死、運動時の血圧反応異常などが認められる場合には致死的不整脈による心臓突然死リスクが高く、植込み型除細動器の植え込みを検討する。4 今後の展望肥大型心筋症に対しての根本的治療として世界初の疾患特異的治療薬であるmavacamtenの登場によってパラダイム・シフトを迎えている。mavacamtenは、肥大型心筋症筋組織のアクチン・ミオシンの架橋形成を抑制する低分子選択的アロステリック阻害剤であり、心筋の過剰収縮を低下させ、心筋エネルギー消費を改善するまったく新しい機序の経口薬である。EXPLORER-HCM試験では、症候性の閉塞性肥大型心筋症(左室流出路における圧較差50mmHg以上)の成人患者を対象とし、mavacamtenまたはプラセボに1対1で無作為に割り付け、それぞれを30週間投与し、主要評価項目である(1)最高酸素摂取量(peak VO2)が1.5mL/kg/分以上増加し、かつNYHAクラスが1つ以上低下した場合、または(2)NYHAクラスの悪化を伴わずにpeak VO2が3.0mL/kg/分以上の増加が、プラセボ投与128例中22例(17%)に対し、mavacamten投与123例中45例(37%)で達成し、有意な改善を認めており、2022年以降米国などで市販が望まれている。5 主たる診療科循環器内科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 肥大型心筋症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン 心筋症診療ガイドライン(2018年改訂版)(医療従事者向けのまとまった情報)2014 ESC HCM Risk-SCD Calculator(医療従事者向けのまとまった情報)1)Maron BJ. N Engl J Med. 2018;379:655-668.2)Ommen SR, et al. Circulation. 2020;142:e533-e557.3)Olivotto I,et al. Lancet. 2020;396:759-769.公開履歴初回2021年10月14日

12837.

提案した治療を拒否された…【非専門医のための緩和ケアTips】第13回

第13回 提案した治療を拒否された…入院と違って短時間でさまざまな患者さんの健康問題への対応が求められる外来診療。時折、医療者が勧める治療法を受け入れない患者さんがいますよね。医師としてはちょっと「イラッ」としてしまうこんな場面に役立つ、緩和ケア的なアプローチはあるのでしょうか?今日の質問乳がんの患者さん。地域の基幹病院と私の診療所に通院し、私は主に支持療法を提供しています。ご本人から「痛み(がん疼痛)が強くなってきて、もう少し和らげたい」とあったので少量の経口オピオイドを勧めたのですが、説明後には「痛み止めはまだ飲みたくありません」と言います。丁寧に説明した後にそう言われると、ちょっとがっくりしてしまいます…。今回のご質問、心中穏やかでないようですね。私も以前はよくこの方と同じ気持ちになっていました。患者さんの困り事に対し、しっかり検討したうえで提案したにもかかわらず、受け入れてもらえないという状況は緩和ケアの場でもしばしば経験します。先日、医療コミュニケーションの復習をしていて、米国の緩和ケアに関する情報サイトを見たところ、まったく同じトピックを扱っていました。われわれを悩ませるこの問題は万国共通のようです。ここでは、ともすると忘れがちな「大前提」があります。それは「判断能力のある成人は、医学的には妥当で有益であっても、その治療を拒否する権利がある」ということです。言われてみれば当たり前ですが、私たち医療者は無意識下に「患者さんは指導には従うべき!」といった認識を抱いています。そんな気持ちに駆られると、医師の言うことを聞くのが「良い患者」、聞かないのは「悪い患者」といった感覚に陥りがちです。ここはその時々で振り返りたいところです。さて、推奨する治療を拒否する患者さんに遭遇したとき、相手が「状況や内容を理解できていない」ために拒否的な態度なのか、「理解したうえで、あえて選択しない」のかを見極めることが大切です。「状況や内容を理解できていない」のであれば、より伝わる方法を考え、意思決定を支援するご家族とやり取りすることが重要です。私たちが多く接する高齢の患者さんも、こうした配慮が必要なことがよくあります。具体的な工夫としては、「説明する情報を最小限にする」「ポイントを書きながら伝える」「時間を置いて看護師から理解を確認する」などが挙げられます。一方、「理解したうえで、あえて選択しない」のであれば、そこに何か理由があるはずです。そして、その理由に合わせた代替案を提案するアプローチが大切です。ここでは、「ああ、そんなふうに思われているんですね。それはどうしてですか?」と共感を示しつつ、探索的なコミュニケーションを取ることが効果を発揮します。たとえばこんな感じです。医師「『薬を使いたくない』とのことですが、気になっていることを教えてもらえませんか?」患者「薬に頼ると、病気に負けてしまう気がするのですよね…」医師「そんなふうに感じるのですね。そんなふうに感じるようになった経験があったのでしょうか? よかったら、もう少し詳しく聞かせてもらえますか?」相手の懸念を深堀りしたうえで、頭ごなしに否定や説得するような態度にならないよう、留意して対話します。いかがでしょう? 探索的なコミュニケーションや相手の理解をアセスメントするといった緩和ケア的アプローチを、ぜひ臨床の場で活用してください。今回のTips今回のTips治療を拒否されたら、「状況や内容を理解できていない」のか、「理解したうえで、あえて選択しない」のかを見極め、次のアクションにつなげましょう。

12838.

第79回 新型コロナ巡る多大な犠牲者の陰に見え隠れするカネとポストの争い

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染者数は急減しているとはいえ、死者は現在約1万8,000人に及ぶ。コロナ対策の原則は早期発見、早期隔離、早期治療だが、対策を講じてもなお、これほどの人が亡くなったことに疑問を抱かざるを得ない。PCR検査を幅広く行い、陽性者を隔離し、重症化すれば専門施設で集中治療する―。本来ならPCR検査数を増やすことは最優先課題のはずだったが、厚生労働省は当初から抑制し続けてきた。そこには、いくつかの理由があるようだ。首相の検査拡大指示も無視した医務技監昨年8月まで、医系技官のトップの医務技監だった鈴木 康裕氏(現・国際医療福祉大学副学長・教授)は、安倍 晋三首相(当時)の指示にもかかわらず、PCR検査の拡大を行わなかった。鈴木氏は偽陽性の頻度を理由に「陽性と結果が出たからといって、本当に感染しているかを意味しない」とメディアのインタビューに応えている。また、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会委員の岡部 信彦氏(川崎市健康安全研究所所長)も、PCR検査の精度管理を理由に検査拡大に反対した。検査抑制の理由は何か。上 昌広氏(NPO法人医療ガバナンス研究所理事長)らは、保健所を守るためだと指摘する。感染症法により、保健所長が感染の疑いがあると判断した場合、検査は不可避で、陽性の場合は入院させる。人権にかかわる措置であるため、手順は法令で細かく規定されている。こうした事情により、実質的にPCR検査は保健所の独占状態となった。しかし保健所は、PCR検査だけでなく、積極的疫学調査や入院調整なども担っていたため、業務過剰に陥った。幾度かの感染者急増の波もあり、PCR検査への対応が追い付かない上に、自宅療養者に対する入院判断ミスや情報管理の不備なども度重なり、感染者が死亡するケースが相次いだのは、さまざまなメディアが報じた通りだ。「独占」体制で生じる利権の構造コロナに関する保健所の業務独占体制は変える必要がある。しかし、そこが一筋縄ではいかないのは、関係者の利権の喪失にかかわるからだという。例えば、保健所が積極的疫学調査として集めたデータは、国立感染症研究所(感染研)に送られ、“感染症ムラ”が独占する。現在の体制下では、保健所長は医系技官、地方衛生研究所(地衛研)所長は感染研幹部経験者の“専用ポスト”なっているという。検査の独占はカネとポストにつながるため、COVID-19を1・2類感染症から5類感染症にダウングレードする議論にもおのずと関連してくる。COVID-19を巡っては、ウイルスそのものの脅威により、多大な社会的損失と生命の犠牲を余儀なくされた。これは紛れもない事実だが、医療政策をつかさどる人や組織の在り方によって被った人為的影響も計り知れないのではないだろうか。

12839.

双極性障害の自殺企図に対する季節的な日照時間変動の影響

 双極性障害では、概日リズムの乱れと自殺リスクの高さとの関連が認められる。双極I型障害患者を対象としたこれまでの探索的研究では、冬と夏の日照量の変化と自殺企図歴との関連が示唆された。この結果をより多くのデータを用いて確認するため、ドイツ・ドレスデン工科大学のMichael Bauer氏らは、情報源を42%、収集国を25%増加させ、検討を行った。International Journal of Bipolar Disorders誌2021年9月1日号の報告。 さまざまな緯度の40ヵ国より得られた71件の情報源から収集したデータを分析した。分析対象には、双極I型障害患者4,876例が含まれており、これまでの研究よりも45%増加した。対象患者のうち、自殺企図歴を有する患者は1,496例(30.7%)であった。太陽からの光エネルギーが地表に当たる量を示す日照量のデータを、64ヵ国、479地点より収集した。 主な結果は以下のとおり。・本分析により、同様の最良モデルを用いた探索的研究の結果が確認され、統計学的有意差がわずかに向上した。・自殺企図歴と冬と夏の日照量の変化(冬の平均日照量/夏の平均日照量)との間に有意な逆相関が認められた。・冬と夏の日照量の変化比率は、赤道付近で最大であり、夏の日照量と比較し冬の日照量が極端に少ない極地では最小となる。・自殺企図リスクの増加に関連する他の因子は、アルコール乱用歴、薬物乱用歴、女性、若年出生コホートであった。・熱帯地方の日照パターンに対応するため、日照量の変化比率を最少月間日照量/最大月間日照量と置き換えた場合でも、同様の結果が得られた。・すべての推定係数において、p<0.01の統計学的に有意な差が認められた。 著者らは「冬と夏および月間最少と最大の日照量の変化は、双極I型障害患者の自殺企図リスクを高める可能性がある。双極性障害では、概日リズムの機能障害と自殺行動が高率で認められるため、概日リズムの同調に対する昼光や電灯の最適な役割についてより深い理解が求められる」としている。

12840.

治療抵抗性片頭痛患者に対するフレマネズマブ治療がQOLや生産性に及ぼす影響

 片頭痛は、うつ病のみならず、QOLや仕事の生産性へ影響を及ぼす疾患である。ヒト化モノクローナル抗体であるフレマネズマブは、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)を標的とした薬剤であり、片頭痛の予防的治療に対する有効性が認められている。米国・Boston Headache Institute & MedVadis Research CorporationのEgilius L. H. Spierings氏らは、第IIIb相FOCUS試験のオープンラベル延長試験において患者が報告したアウトカムを、経時的に評価した。Headache誌オンライン版2021年8月10日号の報告。 12週間の二重盲検試験であるFOCUS試験を終了した反復性片頭痛および慢性片頭痛患者を対象に、12週間のオープンラベル延長試験へ移行し、フレマネズマブ225mg月1回投与を行った。患者の自己評価には、片頭痛用QOL調査票(MSQoL)による日常役割機能の制限(RFR)、日常役割機能の予防(RFP)、感情的機能(EF)やEuroQol-5-Dimension-5-Level(EQ-5D-5L)、患者による変化に関する包括印象度(PGIC)、Work Productivity and Activity Impairment(WPAI)、こころとからだの質問票(PHQ-9)を含めた。 主な結果は以下のとおり。・FOCUS試験の二重盲検期間に参加した838例のうち、オープンラベル延長試験に807例が移行し、6ヵ月時点で772例が登録されていた。・6ヵ月時点でのフレマネズマブ四半期ごと投与群(四半期群)、フレマネズマブ月1回投与群(月1群)、プラセボ群における各評価項目に対する改善は以下のとおりであった。●MSQoL-RFRのベースラインからの平均変化 四半期群:24.6±21.9、月1群:22.9±21.3、プラセボ群:20.8±26.5●MSQoL-RFPのベースラインからの平均変化 四半期群:19.6±20.0、月1群:18.3±19.7、プラセボ群:16.0±19.9●MSQoL-EFのベースラインからの平均変化 四半期群:22.5±24.2、月1群:19.1±23.6、プラセボ群:17.2±24.7●EQ-5D-5Lのベースラインからの平均変化 四半期群:8.0±19.6、月1群:7.3±21.1、プラセボ群:6.6±21.0●WPAIの労働時間損失率のベースラインからの平均変化 四半期群:-4.9±28.3、月1群:-6.9±23.3、プラセボ群:-4.0±22.5●WPAIの労働効率低下率のベースラインからの平均変化 四半期群:-18.5±26.1、月1群:-17.1±27.8、プラセボ群:-13.4±28.3●WPAIの全般労働障害率のベースラインからの平均変化 四半期群:-20.0±28.3、月1群:-19.1±30.6、プラセボ群:-14.5±30.5●WPAIの活動性障害率のベースラインからの平均変化 四半期群:-19.5±28.0、月1群:-18.0±29.3、プラセボ群:-15.4±27.5●PHQ-9のベースラインからの平均変化 四半期群:-2.4±5.3、月1群:-1.6±5.5、プラセボ群:-2.0±4.9●PGICによる治療反応率 四半期群:77.1%(271例中209例)、月1群:75.4%(272例中205例)、プラセボ群:68.8%(263例中181例) 著者らは「反復性および慢性片頭痛でこれまで複数のクラスの片頭痛予防薬で効果不十分であった患者に対し、6ヵ月間のフレマネズマブ治療を実施することにより、MSQoL、うつ病、労働生産性の改善が期待できる」としている。

検索結果 合計:35654件 表示位置:12821 - 12840