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Dr.増井の心電図ハンティング2 失神・不整脈編

第1回 不整脈心電図のルーチンワーク第2回 P 波が繋がっているから大丈夫?第3回 その心電図はレッドカード?第4回 ルーチンワークの必要性第5回 右脳系心電図第6回 同じ心電図でも目的でアクションが変わる第7回 失神評価に心エコーは必要?第8回 自動測定を信じてもOK?第9回 wide QRSで非循環器医ができること第10回 所見のない失神心電図 大人気の「Dr.増井の心電図ハンティング」の第2弾!失神心電図は非循環器医にとって、ちょっと苦手な心電図。不整脈では見るべきところが多すぎて、確定診断が容易ではないからです。でも、実際のところ、非循環器医が不整脈診断を網羅する必要はありません。マネジメントに必要な情報を読み取り、目の前の患者に対するアクションを決めることができればいいのです。そのためのルーチンワークや鉄則を基に、コツをしっかりとお教えします。番組では12症例の心電図が出てきます。その心電図をあなたが手に取ったと思って、アクションを決めていきましょう。この番組を見た後には失神心電図に自信をもって対応ができるようになるはずです。さあ、心電図ハンティングに出かけましょう!このDVDは中外医学社「心電図ハンター 心電図×非循環器医 2失神・動悸/不整脈編」を映像化したものです。ぜひ書籍を片手に当DVDをご覧ください。書籍はこちら ↓ ↓【心電図ハンター 心電図×非循環器医 2失神・動悸/不整脈編】 第1回 不整脈心電図のルーチンワーク見るべきところが多すぎて、確定診断が容易ではない不整脈の心電図。苦手な人も多いのではないでしょうか。では、どのように見ていくのでしょうか。そうです。実は確定診断にこだわる必要はありません。マネジメントに必要な情報を読み取ればよいのです。そのために、まずは、不整脈心電図に出会ったときに行うべきルーチンワークを確認しましょう。実際の心電図を見ながら、確認していきますので、しっかりと頭に残るはずです。第2回 P 波が繋がっているから大丈夫?今回は、2つの心電図を見ながら解説します。1例目は失神を繰り返す90歳代女性、2例目は買い物中に突然失神した70歳女性の心電図です。 失神心電図では、まずは、増井の鉄則&ルーチンワークで確認していきましょう。 鉄則1はP波とQRSのつながりを評価すること。1例目を研修医は、P波とQRSがつながっていると判断し、洞性徐脈と判断しました。本当にその判断で大丈夫なのでしょうか。洞性徐脈と思ったら、確認すべきことがありますよ。 第3回 その心電図はレッドカード?今回の症例は、84歳女性です。転倒し、大腿骨頸部骨折で手術となりました。研修医が、術前の心電図を確認し、洞性脈(右脚ブロック)と判断し、手術にゴーサインを出しました。ところが…。 今回は循環器医にコンサルトすべき術前心電図について解説します。症状があればコンサルトするのか(イエローカード)、なくてもコンサルトするのか(レッドカード)。しっかりと確認しましょう。第4回 ルーチンワークの必要性70歳男性 頭部外傷でCTは正常、受傷時の記憶がないということで、失神の可能性のある患者の心電図です。この心電図から読み取れたのは「洞不全症候群」。洞不全症候群であればペースメーカーの適応や治療は、症状のあるなしで判断しなければなりません。 この患者は失神があったのかないのか、受傷時の病歴がはっきりしません。こんなときどうすればいいのでしょうか! そう、困ったときこそ、ルーチンワークです!今回もルーチンワークを実施することで、診断を導き出すことができたのです。第5回 右脳系心電図今回のテーマは「右脳系」心電図。さて、右脳系って? 心原性失神の中には。パターン認識で診断するものがいくつかあります。これらのパターン認識心電図をハンティングするには、 心電図全体を見て、あるイメージ波形の存在にピンとくるかどうかが勝負なのです!そう、右脳(イメージ脳)をフル活用して診断します。その右脳系心電図は診断学のSystem1(直観的思考)とも言い換えることができます。 さて、その直感的な心電図にはどのようなものがあるのか、どこに気付けば直観的に判断できるのか?しっかりと確認してみましょう!第6回 同じ心電図でも目的でアクションが変わる今回のテーマは「J波症候群」。J波症候群は、早期再分極症候群とも呼ばれ、心臓突然死と関連性があるとされています。 さて、そのJ波症候群と早期再分極の違いはいったい何なのでしょうか。 まず1つは、微妙に違う波形。この波形パターンを覚えておきましょう。そして、もう1つは、主訴。何のためにその心電図を取ったかが判別をする決め手にもなります。第7回 失神評価に心エコーは必要?今回は、16歳女性の失神心電図です。そう、若い患者さんの失神といえば、家族歴を聞くことが重要です。皆さん、どのような聞いていますか?聞き方によっては重要な情報を引き出せないこともあるので、ポイントを整理してみましょう。そして、失神で心エコーを実施するべきなのでしょうか?また、そのタイミングは?増井伸高先生が解説します。第8回 自動測定を信じてもOK?心電図の「自動解析」を使っていますか?実は虚血の判断に関しては、再現性が乏しかったり、正確でなかったりでオススメしません。ですが、忙しい臨床の現場で役立つ「自動解析」の使い方があるんです!確認してみましょう。そして、重要なのは、「自動解析」でスピーディーに判断した後のアクション。それが、あなたの臨床の質につながります。第9回 wide QRSで非循環器医ができること心電図を見てWide QRSとNarrow QRSの判断をし、そして、Wide QRSでは、すぐに循環器医をコールする。これは非循環器医にとって重要なことです。しかし、それだけではなく、非循環器医としてやるべきことがあります!しっかりと確認していきましょう。第10回 所見のない失神心電図Dr.増井の心電図ハンティング2 失神・不整脈編もいよいよ最終回!今回はこのシリーズの第1回~第9回で学んだ心電図のいずれにも該当する所見がない心電図が登場。さあ、あなたならどう判断しますか?初回心電図で心原性と診断できるのはわずか5%未満。心電図以外でも方法があるのか?しっかりと確認してください!

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サクビトリル・バルサルタン:ステージBにエビデンスが出なかったけど、日本だけはステージAから使えてしまう矛盾(解説:絹川弘一郎氏)

 サクビトリル・バルサルタンはとても良い心不全治療薬である。もう少し正確に言うと素晴らしい軽症心不全治療薬である。Paradigm-HFやLifeのデータを見てもNYHA 4度には効かないし、自分の臨床経験でもその通りである。サクビトリル・バルサルタンは重症テスターともいえ、この薬剤に忍容性がない(=血圧が下がりすぎる、ないしは腎機能が悪化する)場合、NYHA 4度と認定しても構わないのではとすら、最近思う。しかし、血行動態が安定しているNYHA 2度のHFrEFには実によく効くし、リバースリモデリングも大いに期待できる。 閑話休題(それはさておき)、Paradise-MIという試験が発表されて、急性心筋梗塞(AMI)後LVEFが低下したか(40%以下)、または肺うっ血所見のある患者に対してramipril 10mg/dayと比較してサクビトリル・バルサルタン400mg/dayが心血管死亡や心不全入院を減らすかどうかが検証された。 もともと、HFrEFの治療というのはAMI後の遠心性リモデリングから心不全に至る道筋における神経体液性因子の悪循環を阻止するという動物実験モデルがそのベーシックリサーチ的枠組みであり、その視点でいえば、HFrEFの予後を改善する薬剤はすべからくAMI後のリモデリング抑制(時にリバースリモデリングも)とイベント抑制がセットになるべきである。事実、ACE阻害薬の有効性はEFが低下したAMI症例においてSAVE試験(カプトプリル)で実証されており、その後TRACE試験(トランドラプリル)でも追試されている。EFは問わずAMI全般でACE阻害薬にリモデリング抑制とイベント抑制があるというGISSI-3試験(リシノプリル)もあるし、AIRE試験(ramipril)ではEFは問わず心不全を合併したAMI症例での有効性を示している。ARNIはその機序から考えても(例えば、カルペリチドのAMI直後の投与がイベントを減らすというJ-WINDのデータなどから)、ACE阻害薬以上のイベント抑制効果を急性心筋梗塞後の患者でもたらすと想像していた。 しかし、このParadise-MIの結果は否定的である。確かに全体のハザード比[HR]が0.90でカプランマイヤー曲線もずっとramipril群より下にあるし、PCIをしたAMIとか、血圧低めの患者とか、Killip II度以上の急性心不全患者とか、効きそうなサブグループもあるが、やはり有意差なしは有意差なしである。ramiprilは日本では導入されていなくて、使用経験はないが、評判では“最強の”ACE阻害薬と言われている。何をもって最強というのかよくわからんけど(おそらくは降圧効果であろう)、カプトプリルが“最弱の”ACE阻害薬でその対極に位置する。ARBにも“最弱”ロサルタンがあるし、“最強”ARBはカンデサルタンかテルミサルタンか。 この強弱については歴史的に臨床試験の結果である程度の推測がされている。一番弱いはずのカプトプリルにロサルタンはOPTIMAAL試験で勝てないばかりか負けかかっており(HR:1.15、95%信頼区間[CI]:0.99~1.28)、それこそRAS阻害薬中の最弱という位置付けである。そしてVALIANT試験でカプトプリルにようやく引き分けたバルサルタンはその次に弱い感じである。 On Target試験というテルミサルタンとramiprilをハイリスク高血圧患者に対して投与してイベント比較をした試験もあって、そこでは引き分けなので(厳密にはAMI後のEF低下例ではないので引用する意味はないかもしれないが)、イメージとしてARBとACE阻害薬の最強対決が引き分けたみたいに思っている。そこで、日本にramiprilがない上で、通常AMI後にはramiprilより少し弱そうなエナラプリルを投与するのであるから、そこをARNIにしたら血圧の忍容性が良ければもう少しメリットがあるかもしれないという想像は可能である。 とはいえ、テルミサルタンが強かろうと、そもそもOPTIMAALやValiantのせいでAMI後にARBは推奨されてないから強いARB入れましょうともならない。今回ARNIの相手に最強ACE阻害薬を選んだのが間違いというか、やや調子に乗ったというか、エナラプリル相手が無難であったと思われる。 いずれにしても、もうこれで再戦はないので、心筋梗塞後のステージBにおいてACE阻害薬をARNIに切り替える、または最初から投与することを支持するハードなエビデンスはありません、という状況がずっと続く。ただし、この試験では“最初の”心不全増悪と心血管死亡を主要エンドポイントとしており、差は認めなかったけれども、ごく最近になって心不全による“総入院回数”と心血管死をエンドポイントに設定するとARNIが入院回数を減らしたという論文が出た。さらにParadise-MIのプロトコル論文によるとエコーデータをサブ解析用に取得しているようなので、左室リモデリングの点でARNIの方がramiprilより優れているとなれば、やっぱり効果はあるかもと言い出すかもしれない。しかし、ここにも小規模ながら最近negativeなデータがあって、心筋梗塞後3ヵ月以上経過した(しかし無症状のEF40%以下)患者に対するMRIで検討した左室リモデリングやNT-proBNPに対する効果はバルサルタン320mgとの比較で差がないとなっており、相手を選べば勝てるともいえない(これはHFrEFの一歩手前でSOLVD-preventionと同じような患者層であり、HFrEFにおいてARNIによるプラスアルファのリバースリモデリングが実体験上ある中でむしろ差がないことはとても意外である)。とはいえ、日本は世界で唯一高血圧に対する適応症をARNIが取得しており、ステージAから投与可能となっているから、ステージBのエビデンスなどあってもなくてもどっちでも一緒である。

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AIに小説を書かせてみた【Dr. 中島の 新・徒然草】(404)

四百四の段 AIに小説を書かせてみた2017年に、本欄(百七十の段 人工知能が小説を書く日)でAIが小説を書くとどうなるかについて述べました。内容ですが、公立はこだて未来大学の松原 仁教授とお弟子さんたちが、AIに小説を書かせて星新一賞に応募する、というものです。実際に応募した小説を読んでみたのですが、「入賞には程遠いなあ」というのが正直な感想でした。それから4年あまりの歳月が流れた2021年、ついに実用的な小説執筆AIが登場したのです。その名も”AIのべりすと”。文庫本174万冊分のコーパスを読み込ませたAIで、ユーザーが冒頭の1パラグラフを入力すると、勝手にストーリーを作り出してしまうというもの。たぶん、1文を入力するだけでも自動的に小説を書いてくれるのでしょう。このAIを開発したのはStaと名乗るの日本人の若者です。たった1人で作って、運営もしているのだからすごいですね。ものは試し。早速、件のウェブサイトに1パラグラフを入力して、小説を作ってみました。今日、俺は大変な目に遭った。生きるか死ぬかという事件に巻き込まれたのだ。でもこうして生きている。事件に巻き込まれたのは不運だが、生きているということは幸運なのかもしれない。こんな感じですね。この後はどうにでも続ける事が可能ですが、果たしてAIはどういうストーリーを持ってくるのか?「それにしても……」と俺が呟くように言うと、前を歩いていた真希乃が立ち止まって振り返った。彼女は無言で首を傾げる。そして言った。「どうしたんですか?」真希乃には不思議な力があるような気がする。それはただのずいぶん変なところで区切られてしまいました。とはいえ、いきなり”真希乃さん”の登場です。創作活動で案外難しいのが登場人物のネーミングですが、あまり奇を衒っていないわりには、令和の現代でも違和感のない絶妙の名前です。ちょっと感心しました。さらに続きを書かせます。勘だけども……。そう思わせる何かがあった。今だってそうだ。彼女が振り向かなかったら、俺は自分の気持ちに気付かないままだっただろうし、気付いたとしても素直になれなかったはずだ。だから彼女には不思議な力があると思うんだ。彼女の瞳を見つめながらそんなことを思った。その瞬間、これはちょっと僕のスタイルじゃないですね。動きが全くないし、「自分の気持ち」とか「不思議な力」とか、あまり自分の話には出てきません。さらに続きを……。「あ」と言ってしまった。言ってから自分で驚いた。どうしてこんな言葉が出てしまったのか分からない。しかし出てしまったものは仕方ない。もう引き返せない。なので開き直ることにした。「えっとさ……あの……ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけどいいかな?……いや別に大したことじゃないんだよ。いや、ちょっと。話を進めてください! 「引き返せない」とか「開き直る」とか、たった今、生きるか死ぬかの目に遭った人間の考えることでもないと思うんですけど。さらに進めます。本当に大したことではないんだけどね。なんかこう言いたくなってしまって……ごめんなさい!今のなし!」一気にまくしたてるように喋ると、恥ずかしさが込み上げてきて思わず目を逸らす。顔が熱くなる。穴があれば入りたい気分だ。「なんですかそれ」真希また変なところで切れてしまいました。それにしても話が進みません。乃は可笑しそうにクスリと笑うと再び歩き始めた。彼女の背中を見ながら思う。やはりこの子と一緒にいる時が一番落ち着くなぁと。「それで先輩の話っていうのは何でしょうか?」立ち止まったままの真希乃に追いつくと、話を聞いてくれるらしい。真希乃、頼む! そのウジウジ男を何とかしてくれ! これ以上、退屈な話を読む気がなくなったのでやめるぞ、僕は。というわけで、日本語として違和感はないものの、なかなか前に進まない話になってしまいました。この「AIのべりすと」はいろいろなパラメーターを調整することができるみたいなので、もう少し動きのある話も作ることができるのではないかと思います。思うに、作っている話が行き詰まったときに助けを求める相手として、この「AIのべりすと」はいいのかもしれません。とりあえず何かAIに書かせて「ダメだダメだダメだ! ちょっと、そこどいてくれないかな。もう後はオレが書くから!」とユーザーに言わせる、出来の悪いアシスタントみたいなものですかね。でも”真希乃”という絶妙な名前をもたらしてくれたわけだから、部分的には役に立ちそう。何より、昔の人工知能小説よりも遥かに進歩しているのは確かです。話の進むのが遅いとはいえ、画期的な「AIのべりすと」。もう少し使いこなすことができたら、皆さんに新作小説を披露したいと思います。少々、お時間をください。最後に1句冬ごもり ともに執筆 AIと

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医師が選ぶ「2021年の漢字」TOP5を発表!【CareNet.com会員アンケート】

毎年12月に発表される「今年の漢字」(主催:日本漢字能力検定協会)に先立ち、CareNet.com会員の先生方にも今年の漢字を選んでいただきました! 皆さんは、今年1年の世相を漢字1文字で表すとしたら、何を思い浮かべますか?それでは、医師に選ばれた「2021年の漢字」TOP5を発表します。イラスト内の漢字は、日本習字高等師範免許を持つケアネット社員による書き下ろしです!第1位「禍」第1位は、第2位と倍の差をつけた「禍」。2021年も、昨年に続き新型コロナウイルス感染症の影響が色濃い1年でした。医療現場にとっての第5波は、東京オリンピックよりも大きいインパクトだったようです。来年こそは、平穏な日常を取り戻したいですね。「禍」を選んだ理由(コメント抜粋)コロナ禍という一言に尽きると思う。(60代 整形外科/大阪)コロナ第5波が印象に残っているから。(30代 消化器内科/東京)まだまだコロナの影響が根強いため。(40代 内科/福岡)コロナに巻き込まれ、国も自治体も、個人も人生がかき回された1年だった。(30代 心臓血管外科/大分)コロナによる医療崩壊や度重なる自然災害など禍が絶えない年でした。(50代 泌尿器科/岩手)第2位「輪」第2位にランクインした「輪」は、1年遅れで開催された東京オリンピック・パラリンピックを連想させます。五輪の「輪」だけでなく、世界や人とのつながりを感じたという趣旨のコメントも多数寄せられました。開催には賛否両論ありましたが、無事に閉会でき安堵した方も多かったのではないでしょうか。同じく五輪から連想される「金」や「五」と答えた方もいらっしゃいました。 「輪」を選んだ理由(コメント抜粋)五輪があったとともに、「人の輪」を再認識したから。(30代 糖尿病・代謝・内分泌内科/京都)オリンピック。ワクチン接種が世界各国で行われており世界の輪を感じたから。(30代 精神科/茨城)諸外国と比較しまずまずの感染水準で東京オリンピック、パラリンピックを遂行できたため。記念すべきイベントだったと思います。(30代 耳鼻咽喉科/東京)激動の時代だったと思うがそこからの回復、復興をしている皆の協力をもっての輪、オリンピックの輪。(40代 麻酔科/静岡)■第3位「耐」第3位は「耐」でした。長らく続いた緊急事態宣言による大型商業施設や飲食店の休業、移動制限など、全国民が我慢を強いられた1年でした。医療従事者はさらに第5波への対応やワクチン接種業務などもあり、耐えに耐え抜いた年だったことと思います。1年間本当にお疲れさまでした。 「耐」を選んだ理由(コメント抜粋)2020年に続き、コロナウイルスのために耐える1年だった。(50代 内科/茨城)なかなか収束しない感染状況、自粛生活に耐え、勤務先でも急な退職が相次ぎ、業務増加に耐え…と耐える1年だった。(40代 精神科/熊本)生活、仕事のさまざまな局面で自粛を求められ、耐える一年であったから。(40代 消化器内科/茨城)第4位「忍」第4位の「忍」は、コメントにもあるように、「耐え忍んだから」という理由で選んだ方が多かったようです。とくに医療従事者の皆さんは我慢を強いられる場面も少なくなかったことでしょう。新たな変異株が現れ、先行きが不透明な状況ではありますが、年末年始は少しでも気の休まる時間が取れるとよいです。 「忍」を選んだ理由(コメント抜粋)コロナで国民みんなが耐え忍んだ年だから。(40代 内科/新潟)県外への移動禁止、3密回避など、我慢の一年だったから。(30代 その他診療科/静岡)コロナ禍も2年目となり、オリンピックや選挙などもあったが、大きな混乱もなくさまざまな社会活動を行えるようになっているのは、大勢の人々の忍耐力によるものだったと思う。(50代 麻酔科/兵庫)第5位「乱」第5位は、過去にも何度か登場している「乱」でした。コロナによる世の中や生活の「混乱」を連想した方が多かったようです。来年こそは、落ち着いた気持ちで過ごしたいものですね。同様の理由で「混」を選んだ方もいらっしゃいました。 「乱」を選んだ理由(コメント抜粋)コロナ、政治などいろいろなところで混乱があったから。(30代 泌尿器科/神奈川)新型コロナですべてが乱されたから。(50代 内科/埼玉)自分の生活が目まぐるしく変化して乱れた。(40代 呼吸器内科/大阪)これまで未経験な事態が重なった。(40代 循環器内科/東京)アンケート概要アンケート名『2021年振り返り企画!今年の漢字と印象に残ったオリパラ選手をお聞かせください』実施日   2021年11月15日~21日調査方法  インターネット対象    CareNet.com会員医師有効回答数 1,059件

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多くの医師が必要な「緩和ケア」、効率的に学ぶならこの動画!【非専門医のための緩和ケアTips】第17回

第17回 多くの医師が必要な「緩和ケア」、効率的に学ぶならこの動画!今日の質問私のクリニックでは高齢者が多く、自宅や施設への訪問診療も増えてきました。オピオイドなどの薬の使い方だけでなく、コミュニケーションや多職種アプローチなど、幅広く勉強する必要性を感じます。本などで勉強するべきなのでしょうが、忙しさが言い訳になってなかなか進みません。何か良い方法はないでしょうか?忙しい臨床業務の合間で勉強するのって、本当に大変ですよね。学生時代の「勉強し放題」の環境は二度と戻ってきません。失ってから気付く時間の大切さ…。でも打ちひしがれている時間はありません。過去を悔やまず、今を生きましょう(大げさ)。新しい医学領域である「緩和ケア」。多くの医師が関わる分野であるにもかかわらず、体系立てて学んだことのある方は限られています。若手や開業医の方にお勧めしたい、コスパの良い学習方法を紹介します。さまざまな学び方がある中で、近年はオンデマンド動画や音声でのインプット手段が増えています。とくに他のことをしながらでも活用できる「オーディオブック」は私も重宝しています。緩和ケア分野で最も会員数の多い学術団体に日本緩和医療学会があります。2021年11月1日時点で、1万2,177名の会員がいます。日本緩和医療学会では緩和ケアの教育機会の提供を目的としたセミナーが定期的に開催されています。その中の「教育セミナー」は緩和医療に関する能力の向上と生涯学習を目的に年2回開催され、学会員でなくても受講することができます。以前は各地で開催されていましたが、現在はオンライン開催となっており、費用は1回6,000円(非会員の場合)です。1回のセミナーで45分程度の講演が7本公開されます。執筆時点で直近となる「第31回教育セミナー」の内容は以下の通りでした。1)がん患者の不安・抑うつ・不眠2)緩和ケア病棟における臨床宗教師の活動3)がんゲノム医療における遺伝カウンセリング4)緩和医療における法的・倫理的問題へのアプロー5)ポリファーマシーとの上手な付き合い方6)難渋する痛み―私たちは評価者たりうるのか7)慢性呼吸器疾患の緩和ケアこうしてみると緩和ケアに関してかなり幅広い話題を取り扱っていることがおわかりいただけると思います。緩和ケアを深く学びたい方は、ぜひ学会員になりましょう。その理由は、会員は教育セミナーのアーカイブ動画を見ることができるからです! 私はお昼休憩に、食事をしながらこのアーカイブを見ています。時間的にも45分なのでちょうどいいんですよね。勉強のために新たな時間を捻出するのが難しい方も多いはずですが、こうした「ながら勉強」をうまく活用するのは、1つの方法だと思います。学会員になると年会費が必要ですが、緩和ケアの本を3、4冊買って自分で勉強することを思えば、意外とお得という考え方もできるかと思います。次回の教育セミナーは2022年1月30日(日)に開催予定です。オンラインで開催されますので、まだ参加したことのない方はぜひお試しください。今回のTips今回のTips非専門医が効率的に緩和ケアを学ぶには、日本緩和医療学会の「教育セミナー」がお勧め!

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ドイツで産んでみた(3) ドイツの育児制度【空手家心臓外科医のドイツ見聞録】第8回

予定より1ヵ月早く出産切迫早産を乗り切り、36週で双子の女の子が誕生しました(緊急カイザーでした。ドイツでは“Kaiserschnitt”[カイザーシュニット]と言います)。NICUには10日ほど滞在し、無事に退院することができました。生後10分の娘2人とスリーショット子供が産まれた! と言うことを職場に伝えたら、いつもよくしてくれる医事課のおばさんから電話がかかってきました。「“Elternzeit”の申請と、“Elterngeld”の申請はちゃんとできてる? 忘れずに申請しなさい!」とのことでした。“Eltern”はドイツ語で「親」と言う意味です。“Zeit”は「時間」、“Geld”は「お金」です。直訳すると「両親の時間」「両親のお金」、ざっくり言うと「育休」と「両親手当」と言ったところでしょうか。そう言う制度があるのは知っていたのですが…。出産予定日が1ヵ月先だったので、正直あんまり調べてなくて…慌ててネットで調べました。日本も見習って欲しい手厚いドイツの出産育児制度ドイツは両親のどちらも育休を取る権利があります。最大で3年だったかな? 申請すれば必ず取れます。まとめて取らなくてもよい制度です。子供が3歳になるまで、気が向いたときに親はいつでも取れるという、素晴らしいシステムです。育休の後は、育休前のポジションが法律で保証されています。ちなみにその間の給料については、父母のうちの「働く側の親」に関して2ヵ月間は支払われます。「育児に専念する側の親」はもっと長い期間支払われるそうです(うちの奥様は専業主婦だったので請求できなかったんです…)。そして、それとは別に子供1人に対し、ベーシックインカムが支払われます。一人当たり月に200ユーロ(約2万5,000円)が18歳まで支払われます。オムツは安くて病院もタダ。とにかくドイツは育児に費用がかからない国なので、子供ができると黒字になるようにできています。休みも取れて、お金も儲かる。私の同僚は子供ができたときに「休みが取れる!」と言ってガッツポーズをしていました。ドイツも少子化が大きな社会問題となっていますので、国が非常に明解な対策を取っていることがわかります。

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第87回 規制緩和を背景に「感染性胃腸炎」が例年並みに増加中

国内でも、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者が見つかり始めているが、一方で別の感染症による患者数が増えている。ノロウイルスやロタウイルスなどにより腹痛や下痢、嘔吐などの症状が起きる感染性胃腸炎だ。例年は11月から増え始め、12月をピークにいったん減少し、1~3月ごろに再び増える傾向にある。12月のピークはノロウイルス、春のピークはロタウイルスによるもので、冬場に流行する感染性胃腸炎はウイルス性のものが多い。保育園や幼稚園、福祉施設などでの集団発生の多くはこの時期に発生し、少量のウイルスで感染するノロウイルスによるもの(ノロウイルス感染症)と推察される。子どもや高齢者では重症化や、嘔吐物による誤嚥性肺炎、最悪の場合は気道に詰まって窒息死することもある。また、ノロウイルス感染症の患者の糞便や嘔吐物には、大量のノロウイルス(感染者の吐物1g当たり100万個以上)が含まれており、適切な処理を行わないと2次感染も起こりうる。昨シーズンはコロナ禍による外出抑制で患者数は激減ところが、昨シーズンは過去に例がないくらい患者数が少なかった。その背景について東京都健康安全研究センターでは、コロナ禍で会食や外食の機会が減ったことによる影響が大きいのではないかと見ている。主な感染経路は経口感染で、人から人へ感染する場合と、食べ物から感染する場合などがあるからだ。しかし今シーズンは、規制が緩和され、人と会う機会も増えているため、11月から感染者数が増加し、例年並みのペースにまで近付いている。アルコール消毒より流水と石けん手洗いが効果商業施設などの入り口や家庭内でアルコール消毒が行われているが、感染性胃腸炎は通常の新型コロナ対策では防ぎ切れない。ノロウイルスやロタウイルスは、消毒剤への抵抗性が強く、消毒用アルコールはあまり効果がないと言われている。それより有効なのは、従来からの流水と石けんによる手洗いだという。国立感染症研究所によると、手のひら側はしわの多い部分や指の間、手の甲側は親指を中心に全体的に洗い残しが多いという。来院患者さんたちにも、意識してしっかりと洗うよう伝えたい。糞便や嘔吐物の処理には次亜塩素酸ナトリウム前述のように、糞便や嘔吐物を適切に処理することも重要だ。処理者は感染しないように、使い捨ての手袋やマスク、ガウンなどを着用する。また汚染した床は、乾いた嘔吐物が舞うことを防ぐため、乾燥させないよう速やかに、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系の消毒剤や家庭用塩素系漂白剤)で汚染場所の外側から中心に向かって浸すように拭くなど、汚染を広げないようにして処理する。じゅうたんなど次亜塩素酸ナトリウムを使いづらい場所で嘔吐した場合は、スチームアイロンによる熱処理が有効だ。ノロウイルスは熱に弱く、85度以上1分間以上の加熱で不活化するという。今の時期、新型コロナウイルスだけがクローズアップされ、その陰に隠れがちだが、経済活動が再び活気を取り戻し、着実に人流が増えている中、気を付けるべき感染症があることを改めて確認し、患者さんにも周知する必要があるだろう。

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日本人高齢者におけるコーヒー、緑茶、カフェインと認知症リスク

 コーヒー、緑茶、カフェインは、高齢者の認知症予防の潜在的な因子といわれているが、根拠となるエビデンスは十分ではない。新潟大学のNana Matsushita氏らは、中高年の認知症リスクとコーヒー、緑茶、カフェインの摂取との関連を調査した。Journal of the American Geriatrics Society誌オンライン版2021年10月8日号の報告。1日3杯以上コーヒーを飲んでいる人では認知症リスクが50%減少 本研究は、8年間フォローアップを行ったコホート研究である。対象者は、40~74歳の日本の地域住民1万3,757人。2011~13年に自己記入式のアンケート調査を実施した。予測因子は、コーヒー、緑茶の消費量とし、そこからカフェインの摂取量を推定した。アウトカムは、介護保険データベースより抽出した認知症発症とした。調整済みハザード比(HR)の算出には、Cox比例ハザードモデル、遅延組み入れCoxモデルを用いた。 高齢者の認知症リスクとコーヒー、緑茶、カフェインの摂取との関連を調査した主な結果は以下のとおり。・調査期間中の認知症発症数は309例であった。・コーヒーの消費量が多い人はHRが低く、五分位で最も消費量が多い群(326mL/日以上)は、最も少ない群(26mL/日未満)と比較しHRが有意に低かった(HR:0.49、95%CI:0.30~0.79)。・同様に、カフェイン摂取量が最も多い群は、最も少ない群と比較しHRが有意に低かった(調整p for trend=0.0004)。・遅延組み入れCoxモデルにおいても、同様の結果であった。・これらの関連性は、男性では有意であったが、女性では有意な差は認められなかった。・コーヒーの消費量が1日2~2.9杯(HR:0.69、95%CI:0.48~0.98)および1日3杯以上(HR:0.53、95%CI:0.31~0.89)の人は、0杯の人と比較しHRが低かった。・緑茶の消費量と認知症リスク低下との関連は、60~69歳でのみ有意な関連が認められた(調整p for trend=0.0146)。 著者らは「コーヒーやカフェイン摂取は、とくに男性において、用量依存的に認知症リスクの低下が認められた。1日3杯以上コーヒーを飲んでいる人では、認知症リスクが50%減少することが示唆された」としている。

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米国の主要ガイドライン、低エビデンスも推奨強が多い?/BMJ

 米国心臓病学会(ACC)、米国心臓協会(AHA)、米国臨床腫瘍学会(ASCO)の作成した臨床ガイドラインについて、エビデンスの質が低いにもかかわらず、推奨の度合いが強い事例が少なくないことが示された。そうしたエビデンスの質と推奨の強さの「不一致」は、エビデンスベースのガイドラインと比べてコンセンサスベースのガイドラインに多かったという。カナダ・マックマスター大学のLiang Yao氏らが、ACC、AHA、ASCOの作成したガイドラインとそれに基づく推奨について実証分析を行い明らかにした。エビデンスに基づく医療とは、推奨の度合いとエビデンスの質が一致していることを原則とするが、コンセンサスベースのガイドラインでこの原則を満たしているかは明らかにされていなかったという。著者は「“信頼できる”ガイドライン作成のためには、エビデンスの質と推奨の度合いを適切に一致させることが鍵になる」と指摘している。BMJ誌2021年11月25日号掲載の報告。推奨の根拠や作成過程などを評価 研究グループは、推奨の度合いとエビデンスの質との整合性が、コンセンサスベースのガイドラインとエビデンスベースのガイドラインで異なるかを調べるため、2021年3月27日時点で検索を行い、ACC/AHA、ASCOが作成した臨床ガイドラインのうち、(a)エビデンスに基づく明確なコンセンサスから作られたガイドライン、(b)推奨を含むもの、(c)推奨がコンセンサスに基づくものか、エビデンスに基づくものかを明確に分類しているもの、(d)エビデンスの質とそれぞれの推奨の度合いを明記したものを抽出し調査した。 検証作業は2人1組で行い、それぞれが推奨について根拠がエビデンスかコンセンサスか、推奨作成に当たりグレードシステムを用いたかどうか、推奨の度合い、エビデンスの質といった推奨の特徴を評価した。また、弱いエビデンスに基づく強い推奨といった「不一致」が認められる推奨や、適切性基準に見合わない「不適切で不一致」な推奨事項の数を数えた。コンセンサスアプローチによる「不適切で不一致」推奨事例は2.6~5.1倍 ACC/AHAの12のガイドラインに基づく1,434件の推奨事項、ASCOの69のガイドラインに基づく1,094件の推奨事項が調査対象に含まれた。 質の低いエビデンスに基づくACC/AHAの504件の推奨のうち、200件(40%)がコンセンサスアプローチにより、304件(60%)がエビデンスアプローチにより作成されたものだった。 また、ASCOの質の低いエビデンスに基づく404件の推奨は、292件(72%)がコンセンサスアプローチによるもので、エビデンスアプローチは112件(28%)のみだった。 ACC/AHA、ASCOのガイドラインの両者において、コンセンサスアプローチのほうが、より多くの「不一致」の推奨事項を生み出しており(ACC/AHAガイドラインのオッズ比[OR]:2.1[95%信頼区間[CI]:1.5~3.1]、ASCOは同2.9[1.1~7.8])、またより多くの「不適切で不一致」な推奨事項を生み出していた(それぞれ2.6[1.7~3.7]、5.1[1.6~16.0])。

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ICIによる非小細胞肺がんの術前・術後補助療法の有効性を探る(CheckMate 77T試験)/日本肺学会

 最近のStageIIAからIIIBの非小細胞肺がん(NSCLC)に対する術後の5年生存率は50%以下であり、その治療効果は十分とはいえず、何らかの追加治療が必要とされてきた。 1990年代から化学療法を用いた術前補助療法が行われてきたが、最近は免疫チェックポイント阻害薬(ICI)が登場。周術期治療への可能性が期待されている。そこで、化学療法にICIを加えた周術期治療の有用性を検証するCheckMate 77T試験が現在進行しており、その概要が第62回日本肺学会学術集会において、神奈川県立がんセンターの伊藤宏之氏から紹介された。 StageIIIAのNSCLC患者46例を対象に、化学療法にニボルマブを併用する術前補助療法の後に手術を施行する第II相試験として、NADIM試験が実施された。その結果、残存するがん細胞の面積ががん組織中に占める割合が 10%以下の症例の割合を表すmajor pathological response(MPR)が83%、病理学的完全奏効(pCR)は59%との良好な成績を示し、18か月後の無増悪生存率は81%、全生存率は91%となっていた。この結果を受け、第III相試験としてCheckMate 77T試験がデザインされた。 CheckMate 77T試験は、切除可能なNSCLC患者を対象に、組織型に基づく化学療法にニボルマブ360mgまたはプラセボを加えた術前補助療法を行い、さらに術後補助療法としてニボルマブ480mgまたはプラセボを1年間投与する無作為化二重盲検第III相試験である。主要評価項目は盲検下独立中央評価委員会(BICR)による無イベント生存期間(EFS)、主な副次評価項目としてBICRによる全生存期間(OS)、pCR、およびMPR、安全性と忍容性などについても評価される。 対象は、切除可能なStage IIAからIIIBのNSCLCで、ECOG PS が0~1の患者。EGFR/ALK変異、脳転移、自己免疫疾患もしくはその疑いがある患者は除外された。 現在、日本を含む21ヵ国から115施設が参加し、2024年9月の修了を目指して試験が進行している。伊藤氏は、これまでICIは内科領域の治療で使われる薬剤であったが、今後は外科領域における周術期治療においても使用されるようになる可能性が高いとの期待を示した。

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mRNAワクチン後24週間の感染リスク、ワクチンで差はあるか/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のmRNAワクチン、「BNT162b2」(Pfizer-BioNTech製)または「mRNA-1273」(Moderna製)を接種後24週間の感染リスクは4.5~5.8件/1,000人と低率であることが、米国・ハーバード公衆衛生大学院のBarbra A. Dickerman氏らによる、ワクチン接種済み米国退役軍人約44万人のデータの解析で明らかにされた。リスクは、BNT162b2よりもmRNA-1273で低く、こうした情勢はアルファ変異株、デルタ変異株が優勢だった時期にかかわらず一貫していたという。mRNAワクチンはCOVID-19に対して90%以上の効果があることが示されていたが、多様な集団におけるさまざまなアウトカムについて有効性の比較は行われていなかった。NEJM誌オンライン版2021年12月1日号掲載の報告。リスク因子に応じ、各ワクチン接種者を1対1でマッチングし追跡評価 研究グループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)B.1.1.7変異株(アルファ株)が猛威を振るっていた2021年1月4日~5月14日にかけて、「BNT162b2」または「mRNA-1273」の初回接種を受けた米国退役軍人を対象に、電子健康記録を基に分析を行った。 接種者のリスク因子に応じて、各ワクチン接種者を1対1でマッチングし追跡評価した。アウトカムは、記録されたSARS-CoV-2感染、症候性COVID-19、COVID-19による入院やICUへの入室および死亡で、Kaplan-Meier推定量を用いてリスクを推算した。 また、B.1.617.2変異株(デルタ株)の影響を評価するため、別途2021年7月1日~9月20日にワクチン接種を受けた退役軍人を対象に試験を行った。感染、発症、入院リスクはBNT162b2接種群よりmRNA-1273接種群で低い 「BNT162b2」または「mRNA-1273」の接種者それぞれ21万9,842人について分析を行った。 アルファ株流行期24週間の追跡期間中の確定感染の推定リスクは、BNT162b2群が5.75件/1,000人(95%信頼区間[CI]:5.39~6.23)、mRNA-1273群が4.52件/1,000人(4.17~4.84)だった。 同リスクはBNT162b2群がmRNA-1273群より高く、1,000人当たりの過剰イベント数は、確定感染が1.23件(95%CI:0.72~1.81)、症候性COVID-19が0.44件(0.25~0.70)、COVID-19による入院は0.55件(0.36~0.83)、同ICU入室は0.10件(0.00~0.26)、同死亡は0.02件(-0.06~0.12)だった。 なお、デルタ株流行期に注目した12週間の追跡調査において、確定感染に対する過剰リスク(BNT162b2 vs. mRNA-1273)は、6.54件/1,000人(95%CI:-2.58~11.82)だった(リスク比:1.58、95%CI:0.85~2.33)。 結果を踏まえて著者は、「これらのワクチンについて有効性と安全性のさらなる比較評価が必要である」とまとめている。

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日本人ならでは?結果が出た後に垣間見える仕事への向き合い方【臨床留学通信 from NY】第28回

第28回:日本人ならでは?結果が出た後に垣間見える仕事への向き合い方フェローシップマッチの結果が出たのは昨年の12月でしたが、そこからは半年ほど内科レジデントの残りのローテーションを終え、今年7月からフェローシップとなりました。残り半年といえども、推薦状はすでにもらっており、かつマッチングも終えてしまったとなると、正直誰もが少しだらけがちになるのは米国気質かもしれません。日本では、あまり推薦状による縛り付けもなく、ある意味自由な研修で各々がやりたいことをやるということに尽きますが、米国では相互評価、推薦状の兼ね合いもあり、ネコを被るようにある程度気を遣っていた緊張関係が緩んでしまうということによるのでしょう。もちろん我々日本人で、Mount Sinai Beth Israelのメンバーではそのようなことはありませんでしたが、同僚の中には、研修の最後のほうになると明らかなずる休みなども散見されました。日本ならば、当直などでなければ日中の業務をほかのレジデントがカバーすることはさほどありませんが、米国ではレジデント同士で抜けた人員のカバーをし合います。そのためJeopardyと呼ばれるオンコール制の業務があるのですが、誰かが休むと、土日も含め、日勤・夜勤問わずカバーを余儀なくされるため不満が多いローテーションでもあります。これは内科研修の内容が日本に比べて手技も少なく、パソコンに向かってカルテをしっかり書くことが求められていて、あまり面白くないことに起因しているのかもしれません。また、カバーするためだけにローテーションを設定できるのも、そもそもレジデントの数が圧倒的に多いからであり、その中に多少不真面目な人がいても(もちろんコロナを含めた体調不良者の場合もありますが)病院が回るようになっている仕組みなのです。私の場合、フェローシップのマッチの結果が出てからの半年は、淡々とレジデントの仕事をこなし、コロナ研究の残りを仕上げつつ、機械学習による解析方法の勉強などといった新しいことにトライする時間となりました。Column画像を拡大する上記の機械学習の論文を、コロナ患者約1万人のデータベースから死亡予測モデルをPythonを使い、Light GBMという方法で作成しました。ただ、変異株やワクチンの影響など目まぐるしく変わるコロナに対し、死亡予測モデルの意義がなかなか見出せず、論文を仕上げるまでには時間を要しました。それでも、方法論としてこの方法を用いて他のデータベースでも応用できるようになっただけでも収穫かと思います。機械学習で作成した予測モデルを用いてこちらのウェブサイトを作成し、簡単に死亡率が予測できるようになっています。

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記憶に残る医療略語―多尿に関連したPOD【知って得する!?医療略語】第1回

第1回 記憶に残る医療略語―多尿に関連したPOD「POD」は医学界では“Post-Operative Day”(術後○○日目)を意味することが多いですが、PODが別の意味を持つことはありますか?コム太君、そうなんです。1つの略語でも複数の意味を持つことがありますね。カルテで見かける「POD」は圧倒的に“術後〇〇日目”を意味する「POD」が多いですね。でも、あまり知られていないけれど、“Post obstructive diuresis”(尿閉解除後利尿)という“疾患・病態”を意味する「POD」もあるんですよ。カルテでみかけたら、意味を間違えないようにしましょうね。≪医療略語アプリ「ポケットブレイン」より≫【略語】POD【日本語】尿閉解除後利尿【英字】Post obstructive diuresis【分野】腎・泌尿器【診療科】救急/集中治療・泌尿器・腎臓【関連】尿路閉塞・利尿過多・電解質異常【略語】POD【日本語】術後○○日目【英字】Post-Operative Day【分類】カルテ表現【分野】―【診療科】外科一般【関連】術後日数実際のアプリの検索画面はこちら※「ポケットブレイン」は医療略語を読み解くためのもので、略語の使用を促すものではありません。本シリーズでは皆様のお役に立つかもしれない医療略語をご紹介していきます。今回は「POD」です。外科系の先生は、この「POD」から“Post-Operative Day”(術後◯日目)を連想されるのではないでしょうか。しかし、「POD」が「尿閉解除後利尿」を表していることがあります。そこで今回は尿閉解除後利尿に関する話題を取り上げたいと思います。PODは1951年にWilsonらにより尿閉解除後のナトリウムと水の過剰排泄により生命の危機を来たした3例として報告されたのが最初とされます。国内の論文報告を調べると、「POD」は「尿管閉塞解除後利尿」「閉塞後利尿」「尿閉解除後利尿」「尿閉解放後」と訳されており、統一した和訳はありませんが、いずれも尿路閉塞解除後に生じる利尿過多の病態を指しています。本邦でも、1984年には既にPODと略されています。1987年に比嘉氏らが尿管閉塞61例における尿閉解除後の尿量を報告1)しており、55例中16例では24時間蓄尿で5L以上の尿量が記録されています。日常診療で尿閉患者さんは時々遭遇し、バルーンカテーテルで尿閉を解除する機会は多いと思います。一方、日々の臨床でたまに、原因不明の多尿患者さんに遭遇することがあります。PODの概念を知っておくことは、多尿患者さんの鑑別に役立つかもしれません。PODのメカニズムと管理については、以下に詳述されていますのでぜひご参照ください。A guide for the assessment and management of post-obstructive diuresisurology news MARCH/APRIIL 2015 VOlL19 No31)Higa I, et al. Kinyokika Kiyo. 1987;33:1005-1010.

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第87回 厚労省「対面での面会の検討」求めるも、空気感染濃厚のオミクロン株登場で対応再び難しく

コロナ禍の医療施設と社会福祉施設の面会方法の改善目指すこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。この週末は今年の山登りの反省会を兼ねて、山の仲間数人で埼玉県・奥武蔵の伊豆ヶ岳に行って来ました。西武秩父線の吾野駅から子ノ権現、天目指峠を経て伊豆ヶ岳、正丸峠という少々長いコース。行程後半、正丸峠にある奥村茶屋で名物のジンギスカンを食べるというのが毎年恒例の行事になっています。天気もよく紅葉もまだそこかしこ残っていて楽しめたのですが、4週間前に骨折した左手小指の固定がまだ取れていないので、急な登り下りで左手をつかないようにするのが難儀でした。山登りには足だけではなく、手の指も相当使っていることを実感した初冬のハイキングでした。さて、今回は厚生労働省が11月24日付で出したある事務連絡とオミクロン株の空気感染について書いてみたいと思います。事務連絡は、医療施設と社会福祉施設に対して適切な面会方法の検討を求める内容のものです。ただ、この事務連絡発出から2日後の26日、世界保健機関(WHO)は南アフリカなどで確認された新型コロナウイルスの新たな変異株「B・1・1・529」を、現在世界で流行の主流となっているデルタ株などと並ぶ「懸念される変異(VOC)」に指定、「オミクロン株」と命名しました。せっかくの事務連絡発出ですが、病院や高齢者施設での入院患者との面会は再び難しい状況になりそうです。「面会実施の方法について各医療機関で検討せよ」と具体的事例を紹介コロナ禍となって、医療機関や特別養護老人ホームなどで大きく変わったことの一つが面会の規制です。とくに長期療養のための病院や特養などでは、面会の禁止は入院患者や入所者の認知機能の低下にも関係するため、その対応の模索が続いていました。11月24日に都道府県、保健所設置市、特別区の衛生主管部に向けて発出された事務連絡「医療施設等における感染拡大防止に留意した面会の事例について」は、新型コロナウイルスの感染状況が一定程度に収まってきた国内の状況を踏まえて出されました。この事務連絡では、「『新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針』」(令和3年11月19日新型コロナウイルス感染症対策本部決定)が決定され、面会については、面会者からの感染を防ぐことと、患者や利用者、家族の QOL とを考慮することとし、 具体的には、地域における発生状況等も踏まえるとともに、患者や利用者、面会者等の体調やワクチン接種歴、検査結果等も考慮し、対面での面会を含めた対応を検討すること、との方針が示され」たとして、「地域における感染の拡大状況や入院患者の状況等のほか、患者及び面会者の体調やワクチン接種歴、検査結果等を総合的に考慮した上で、面会実施の方法について各医療機関で検討すること」としています。その上で、コロナ禍での感染対策に留意した面会における具体的な事例を紹介、各衛生主管部局に医療機関への周知をお願いする内容となっています(社会福祉施設に対しては担当部局が異なるため別の事務連絡「社会福祉施設等における面会等の実施にあたっての留意点 について」が発出されています)。紹介された事例は、「アクリル板で仕切った面会室を利用」「ワクチン接種歴を参考とする」「タブレット端末を使ったオンライン面会」などで、厚生労働科学研究の研究班の資料を基にしています。オミクロン株登場で「空気感染」再び注目入院患者にとって面会は、家族や社会との接点を保ち、心の安定をもたらす重要な要素です。ゆえに国が「対面での面会」を進めるようアクションを起こすことは、歓迎すべきことだと思います。ただ、気になることもあります。オミクロン株の感染拡大で、感染防止対策が大きく変わりそうだからです。オミクロン株については12月5日現在、感染力がデルタ株より強い可能性があること、再感染のリスクが上がっている可能性があること、ブレークスルー感染を起こす可能性が高いことなどが報告されています。また、ホテルの廊下を挟んで「空気感染」した可能性についても報道されています。香港政府が11月25日に明らかにしたところでは、同じホテルの向かいの部屋にそれぞれ隔離されていた新型コロナウイルスワクチン接種済みの旅行者2人(南アフリカからの旅行者1人と、カナダからの旅行者1人)がオミクロン変異株に感染していることが確認されましたが、南アフリカからの旅行者1人が着用していたのはサージカルマスクではなく、呼気弁には吐く息のフィルター機能がなかったそうです。そのため、部屋のドアが開かれた際にウイルスが廊下に流れ、後者に感染させた可能性が示唆されました。この件には続報があり、12月6日付のBloombergの報道によれば、12月3日に発表された調査結果では、監視カメラの映像によって、2人とも部屋から出ておらず、人にも接触していないことが確認されたそうです。調査を行った香港大学の研究者らは「食事の受け取りや新型コロナ検査のために開けたドアを通じた空気感染が考え得る感染経路として最も可能性が高い」と指摘したとのことです。厚労省も10月に「空気感染=エアロゾル感染」を追認空気感染については、「第76回 『空気感染』主流説報道続々 “野球感染”リスクは球場によって大きく異なる可能性も」でも詳しく書きました。実は厚生労働省は10月下旬にサイトを更新し、新型コロナはウイルスを含んだ空気中に漂う微粒子(エアロゾル)を吸い込むことで感染する、との見解を初めて示しています。それまでは、飛沫感染と接触感染の2つしか挙げていませんでした。感染力が強いデルタ株による第5波を受け、換気対策を進める必要があると考えたためとみられます。更新されたのは、「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」の「新型コロナウイルス感染症にはどのように感染しますか」の項目。「感染者の口や鼻から、咳、くしゃみ、会話等のときに排出される、ウイルスを含む飛沫又はエアロゾルと呼ばれる更に小さな水分を含んだ状態の粒子を吸入するか、感染者の目や鼻、口に直接的に接触することにより感染します。一般的には1メートル以内の近接した環境において感染しますが、エアロゾルは1メートルを超えて空気中にとどまりうることから、長時間滞在しがちな、換気が不十分であったり、混雑した室内では、感染が拡大するリスクがあることが知られています」と記され、エアロゾル感染(言うならば空気感染)の危険性を強調するに至っています。今回、感染力がより強いオミクロン株の感染拡大で、空気感染の危険性が再び注目されています。オミクロン株の感染力の強さとコロナの空気感染の関連がより明確になれば、医療機関での面会に限らず、飲食店や交通機関の感染対策なども大幅な見直し(アクリル板はナンセンス…など)を余儀なくされるでしょう。「終末期の患者が家族にずっと会えないと、悲劇的状況を生み出す」面会に話を戻すと、私が先日取材した、あるがんの患者団体の代表の方は、「とくに緩和ケア病棟などにおいて、終末期の患者が家族にずっと会えないと、悲劇的状況を生み出すこともある」と話していました。現在では、スマートフォンやパソコン、タブレット端末などを用いれば、自宅の家族と病院の患者とのコミュニケーションも相当程度可能となりますが、デジタルに弱い高齢者にはハードルが高い面もあります。そう考えると、リアルでの面会をどう安全に行うかは、それぞれの医療機関腕の見せどころと言えそうです。オミクロン株の動向が気になるところですが、「これだ!」という面会方法が、現場で“発明”されることを期待しています。

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腎不全患者の在宅中心静脈栄養の輸液設計を提案【うまくいく!処方提案プラクティス】第43回

 今回は、腎機能低下時の中心静脈栄養(以下、TPN)の設計についてです。腎機能低下時はタンパク質の利用制限があるため負荷量の制限が必要です。そのため、タンパク質の利用効率の指標であるNPC/N比(非タンパクカロリー/窒素比)を考慮して輸液設計を提案しました。患者情報80歳、男性(在宅)基礎疾患びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、前立腺がん(多発骨転移・リンパ節転移)、慢性心不全、心房細動、陳旧性脳梗塞、慢性腎不全、腹部大動脈瘤術後介護度要介護4服薬管理妻(点滴交換も妻が実施)介護状況毎週月曜日ルート交換、訪問看護処方内容 ※内服薬は誤嚥リスクのため中止1.エルネオパNF2号輸液 1,000mL 24時間投与2.フロセミド注20mg 1A 静脈注射本症例のポイントこの患者さんは、在宅医療で介入した当初よりBUN:49.8mg/dL、血清クレアチニン値:2.66mg/dLと高度の腎機能低下がありました。心不全もあるため水分量が多く、浮腫を繰り返して治療に難渋している状態でした。ある日、医師より電話連絡があり、「Alb値(1.9g/dL)、総タンパク(5.4g/dL)が低いので、がん末期で悪液質があることは承知のうえだが、栄養改善のために今の輸液内容にアミノ酸輸液を追加したいと考えているがどうか」と相談がありました。そこでポイントを整理することにしました。<NPC/N比(非タンパクカロリー/窒素比)>アミノ酸は十分な糖質や脂質を摂取できている状態ではタンパク合成に利用されるが、糖質や脂質が不足している状態ではエネルギーとして消費され、タンパク合成に利用されない。アミノ酸が効率よくタンパク質の合成に利用されるかどうかをみる指標としてNPC/N比が用いられる。NPC/N比=(総エネルギー量)-(タンパク質エネルギー量)/(タンパク質重量)÷6.25現行のエルネオパNF2号輸液1,000mLのNPC/N比は149で、腎不全時の推奨NPC/N比は300~500です。患者は腎不全があることからアミノ酸合成能力は低下しており、タンパク質の異化(分解)が亢進している状態と考えられます。タンパク質負荷が増加してアミノ酸利用能を超えると、BUN上昇から尿毒症や高NH3血症などが惹起される可能性が高くなります。輸液内容全体を見直して、アミノ酸利用効率の高い輸液設計が必要と考えました。処方提案と経過医師への折り返し電話の前に、トレーシングレポートで下記の輸液設計プランを送付しました。現在のエルネオパNF2号は電解質+糖質+アミノ酸+ビタミン剤+微量元素を含有した製剤であり、ここにアミノ酸輸液を上乗せするとさらにNPC/N比が低下します。そのため、電解質+糖質の製剤であるハイカリックRF輸液への変更を提案しました。ハイカリックRFの「RF」はRenal Failure(腎不全)の略で、腎不全患者用に調整された製剤です。また、本剤のみでは不足する成分もあるため、総合ビタミン剤や微量元素も追加し、アミノ酸輸液も腎不全用の低タンパク質製剤で個々に調整することが適当と考えました。提案内容1.ハイカリックRF輸液 500mL2.10%塩化ナトリウム注射液キット 20mL3.塩化カリウム注射液キット 20mEq4.高カロリー輸液用総合ビタミン剤キット 1キット5.腎不全用アミノ酸製剤(1-2)注射液200mL 2袋Total:1,094.4kcal、NPC/N比:312.5、水分量:900mL医師より上記の設計プランが承認され、投与内容を変更するよう指示がありました。変更対応後10日目に高Na血症(155mEq/L)が発現したことで10%塩化ナトリウム注射液キットが中止になりましたが、それ以外の輸液内容は継続となりました。その後、栄養評価に関する検査値の改善は認められませんでしたが、電解質も含めて悪化なく経過し、看取りまで点滴内容は継続となりました。日本静脈経腸栄養学会・大塚製薬工場. やさしく学ぶための輸液・栄養の第一歩 第4版.

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機械学習でアトピー性皮膚炎患者を層別化

 アトピー性皮膚炎(AD)の治療を巡って、近年の治療薬の開発に伴い、対象患者の層別化の重要性が指摘されている。そうした中、ドイツ・ボン大学病院のLaura Maintz氏らはAD重症度と関連する主要因子を明らかにするため、同病院入院・外来患者367例について機械学習ベースの表現型同定(deep phenotyping)解析を行い、アトピースティグマと重症ADとの関連性や、12~21歳と52歳以上で重症ADが多くなる可能性などを明らかにした。 ADは、ごくありふれた慢性の炎症性皮膚疾患であるが、表現型は非常に多様で起因の病態生理は複雑である。著者は、「今回の検討で判明した関連性は、疾患への理解を深め、特定の患者に注視したモニタリングを可能とし、個別予防・治療に寄与するものと思われる」と述べている。JAMA Dermatology誌オンライン版2021年11月10日号掲載の報告。 研究グループは、思春期および成人ADの重症度関連因子の表現型を深める検討として、2016年11月~2020年2月に前向き追跡試験に登録されたボン大学病院皮膚科の入院・外来患者を対象に断面データ解析を行った。 被験者を、Eczema Area and Severity Index(EASI)を用いて重症度別にグループに分け、AD重症度と関連する130の因子について、相互検証ベースの同調機能を有する機械学習勾配ブースティング法と多項ロジスティック回帰法で解析した。 主な結果は以下のとおり。・解析対象は、367例(男性157例[42.8%]、平均年齢39歳[SD 17]、成人94%)。うち177例(48.2%)が軽症(EASI:≦7)、120例(32.7%)が中等症(EASI:>7~≦21)、70例(19.1%)が重症(EASI:>21)であった。・アトピースティグマは、重症ADと関連する可能性が高かった(口唇炎のオッズ比[OR]:8.10[95%信頼区間[CI]:3.35~10.59]、白色皮膚描画症:4.42[1.68~11.64]、ヘルトーゲ徴候:2.75[1.27~5.93]、乳頭湿疹:4.97[1.56~15.78])。・女性は、重症ADと関連する可能性が低かった(OR:0.30、95%CI:0.13~0.66)。・総血清免疫グロブリンE値1,708IU/mL超、好酸球値6.8%超は、重症ADと関連する可能性が高かった。・12~21歳または52歳以上の患者は、重症ADと関連する可能性が高く、22~51歳の患者は軽症ADと関連する可能性が高かった。・AD発症年齢が12歳超では30歳をピークに重症ADと関連する可能性が高く、AD発症年齢が33歳超では中等症~重症ADと関連する可能性が高く、小児期の発症では7歳をピークに軽症ADと関連する可能性が高かった。・重症ADと関連するライフスタイル要因は、身体活動が週に1回未満と、(元)喫煙者であった。・円形脱毛症は、中等症AD(OR:5.23、95%CI:1.53~17.88)、重症AD(4.67、1.01~21.56)と関連していた。・機械学習勾配ブースティング法と多項ロジスティック回帰法の予測能は僅差であった(それぞれの平均マルチクラスAUC値:0.71[95%CI:0.69~0.72]vs.0.68[0.66~0.70])。

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精神病性うつ病の疾患経過に影響を及ぼす因子

 精神病性うつ病は、重度の症状や疾患経過を伴う疾患であるが、いまだ十分に研究されていない。フィンランド・トゥルク大学のMiika Nietola氏らは、精神病性うつ病の発症年齢や疾患経過に対する性別および精神医学的併存疾患の影響について調査を行った。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年10月8日号の報告。 本研究は、1966年フィンランド北部の出生コホートに基づき実施された。精神医学的診断歴、入院歴、発症年齢、障害年金受給率、死亡率に関するデータを収集した。精神病性うつ病患者58例において、性別およびアルコール使用障害またはパーソナリティ障害の合併に基づくサブグループ間における疾患経過を比較した。 主な結果は以下のとおり。・パーソナリティ障害の合併率は38%(22例)、アルコール使用障害の合併率は41%(24例)であった。・パーソナリティ障害を合併した精神病性うつ病患者は、発症年齢が若く(p<0.01)、死亡率が高かった(p=0.03)。・精神科病床への入院率の高さと関連が認められた因子は、男性(p=0.03)、アルコール使用障害の合併(p<0.01)、パーソナリティ障害の合併(p<0.01)であった。・男性では、アルコール使用障害の合併が多かった(男性:61%、女性:29%、p=0.03)。 著者らは「精神病性うつ病の疾患経過に、性別や精神医学的併存疾患が影響を及ぼしていることが示唆された。臨床応用していくためには、精神病性うつ病の不均一性に関するさらなる研究が求められる」としている。

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「今後のコロナ医療に必要なことは?」感染症内科医・岡秀昭氏インタビュー(後編)

 2021年も残すところあと数週間。昨年の年明け早々に始まった新型コロナウイルス感染症との闘いは、2年近くになる。医療現場のみならず、社会全体を激変させたコロナだが、その最前線で治療に当たってきた医師は、最大の患者数を出した第5波を乗り越え、今ようやく息をつける状態となった。この休息が束の間なのか、しばらくの猶予となるのかは不明だが、諸外国の状況やオミクロン株の出現などを鑑みると、それほど悠長に構えていられないのが現在地点かもしれない。 第6波は来るのか。これまでのコロナ政策で今後も闘い続けられるのか―。地域のコロナ拠点病院で重症患者治療に奔走した感染症内科医・岡 秀昭氏(埼玉医科大学総合医療センター)に話を伺った。 前編「五輪の裏で医療現場は疲弊し、ギリギリまで追い詰められていた」はこちら。*******――当面続くと見られるコロナ診療。これまでの経緯を踏まえると、重症者に特化した病院とプライマリとの分担および連携が肝要では? そこが最も重要なポイントだと思う。結局、物事を回転させていくには、ヒト・モノ・カネのバランスが必要で、それらがすべて噛み合うことで回転し、物事が前に進んでいく。しかし、報道や国や政治が声高に強調するのは、モノとカネの支援。だから、「ベッドの占有率が〇%だ」とか、「日本は病床数が世界最大規模なのに、現場がなぜ回らないのか」というズレた議論、医療者はけしからんという論調になる。今、圧倒的に足りないのはモノでもカネでもなく、「ヒト」なのだということをきちんと理解してほしい。例えるなら、航空機のボーイングが何台もあって、飛ばせと言っても、小型機のパイロットしかいなければ飛ばせないのと同じ理屈だ。われわれ医療者に引き寄せて考えてみてほしい。医師免許を持っている人が全員、人工呼吸器を使えて、特殊な感染症が診られるのか。つまり、「ヒト」の考え方がまったく欠落している。今回、コロナで盛んにECMOが取り上げられたが、所有していたところで、それを扱える医療従事者がほとんどいないという現実がまったく知られていない。見当外れの世論を助長させた一端には、モノ・カネ偏重の政策とメディアの報じ方があったのではないかと考える。 コロナ医療を「ヒト」の視点で考える際、軽症と重症に分ける必要がある。軽症は、感染対策が可能な病院や医師ならば誰でも診られると言っていい。問題は、風評被害への懸念、未知の感染症への恐れなど、どちらかというと精神的側面が大きい。そもそも現時点で重症リスクがない患者には有効な薬剤がないので、軽症であれば、周りにうつらないように自然軽快を観察していくことになる。一方、重症者治療となると対応が大きく変わる。厳重な感染対策のもとで細やかな循環呼吸管理をしていかなければいけない。しばしば人工呼吸器やECMOの操作も必要となり、これは集中治療の領域だ。 日本の医療界は、歴史的に集中治療医と感染症医のような臓器横断的に診る医師が圧倒的に少ない。病床数が多かろうと、医師免許を持った人がそれなりにいたとしても、病床の大部分が療養型だったり、精神科病床だったりする。そのような中、カネを出してハード面を整えたとしても、十分に扱える人員がいないのが現状。重症者を診る医師が絶対的に足りないのは、そうした背景がある。 今後、第6波以降に重症者が増えたとしたら、再び医療逼迫が起きるのは必至。現在、感染者数は抑制できているが、今後は患者数が増えてきた場合に、重症者をどれだけ抑えられるかにかかっていると思う。軽症~中等症Iであれば、付け焼刃でも医師免許を持っている人たちへの促成教育は有効だと考える。実際、私は埼玉県に提案し、県のトレーナー制度でコロナ治療に協力してくれる医療機関、医師に対する指導をすでに始めている。しかし、重症を診る人材の育成は即席では難しく、短期的な視点では限界があり、重症者を診る人員が足りないという現実はそう簡単に変わらない。 今回のコロナ・パンデミックに関して新たな人材育成の猶予はないので、やはりポイントは「重症者を増やさない」ことに尽きる。国の対策としては、悪いほうにシナリオを考え、本当に機能する重症者病床は、これ以上増やせないことを理解してほしい。増やすことを仮定した対策ではなく、現状のベッド数で医療が回る対策が必要だ。 私の聞くところであるが、重症者を診るのが大学病院や一部の大病院に限られている上に、呼吸器内科、救急科、集中治療、感染症、総合内科のような一部の診療科の医師がほぼ診ている状態。自院に関しては、感染症と救急の医師に、少数の派遣医師で回しているのが実情。もともと人数の少ない診療科の医師だけで回さざるを得ず、皆が疲弊し切っている。 なぜ、救急や集中治療、感染症、総合診療の医師が育ってこなかったか。理由の1つは、専門としていまだに認められていないということ。麻酔科の経緯に照らして考えるとわかるだろう。外科医が1人で手術をする際、現在ならば麻酔科医が麻酔をかける。しかし、術後感染症が起きたとしたら、外科医が診ることになる。術後、抗がん剤治療を開始する場合、米国ではオンコロジストが担当するが、日本では外科医が抗がん剤治療も行う。さらには、緩和治療をも外科医が一手に引き受けなければならないのが実状。こんな多忙な外科医に、感染管理ができるのだからコロナを一緒にやってくれとはとてもじゃないが言えない。それどころか、本来やるべき手術などがいっさい回らなくなるだろう。それでもやるなら、通常医療を捨てざるを得ないという本末転倒に陥ることになる。その先には病院の収益の問題につながる。 将来的な対策として長期的視点で必要なことは、集中治療医、感染症科医を育て、それなりの病院では現在の麻酔科医のように必須にすること。これは外科医の負担軽減だけでなく、患者にとってもメリットが大きい。集中治療しかり、感染管理しかり、麻酔しかり、専門医が担当することは、医療の質の担保にもつながる。もはや、日本の根性論、精神的頑張りに負うような医療体制は通用しない。今回のコロナを巡る医療逼迫の背景にも、こうした日本独特の医療体制に一端がある。つまり、臓器別の縦割り診療科は認められているので志す人は多く、臓器に関係ない感染症科や麻酔科や集中治療といった横割りの診療科には人が来ない。今後のパンデミックに備えるには、こうした診療科の医師が足りていないということをまずは認め、本腰を入れて養成に入るべき。 感染症科医を例にすると、コロナのような何十年に1度という事態に直面した時には必要性が感じられるが、平時には割に合わないのではないか、というのが一般的な考え方で、経営にもそういう考え方の人が多いのは確かだ。しかしそれは間違っている。感染症指定医療機関でなくても、結核、HIVはもちろん、輸入感染症の患者が来る可能性は十分にあるし、多くの結核患者は咳や微熱で一般病院を受診し、診断を受ける。今回のコロナ禍で、「空気感染を予防できる設備がないのでコロナは診られない」という病院がいくつもあったが、それはおかしいとはっきり言いたい。 病院というのは、そもそもコロナにかかわらずインフルエンザでも結核でも水疱瘡でも日常的に診ている。感染症が未知の種類だから診られないというのはおかしい話で、どんな新興感染症が突然現れたとしても、周りの人が守られるような安全対策が取られているのが「病院」であるべき。何十年に1度のパンデミックに備えて設備投資するのは見合わないなどと言うのは本末転倒で、海外往来が当たり前のこの現代、もうすでにどこの病院にもそのような患者は来ていることを自覚し、備えるのが正しい在り方だろう。さらに、急性期病院は、例えば200床につき1人以上の感染症医を置き、診療報酬上でも加算化する。集中治療医に関しても、そういう形で、必要不可欠にしていくことで専門性が認められていくべきだと思う。他科から診察依頼やコンサルテーション があった場合にも、対価として診療報酬が支払われるべきだろう。そうでなければ、こうした専門医が定着するのは難しい。 私の懸念は、今回のコロナ禍の経験で、厚労省がますます病床数を増やそうという方向に加速していくことだ。必要なのは、増やすことではなく有効に回せるベッドをいかに残すか。診る医師も設備もないのに、病床数をやみくもに増やしても、「日本は世界に誇るベッド数を準備しているのになぜ回らない」と批判的な世論を生むだけだ。――メディアでは“幽霊病床問題”として大きくクローズアップされた。 その通り。まるで病院や医療従事者が対応していないかのような論調だが、そもそも人員が足らないのだから患者を受け入れられないのは当たり前。でも一般市民にはそれはわからない。厚労省は、ベッドの多さ、患者の多さを基準に病院を評価しがちだが、たくさん受け入れたことが偉いという評価基準それ自体が間違っている。その先、医療の実態はどうなのかというところまできちんと確認するべきだ。 当院は40床のコロナ病床を準備したが、人員に照らしたキャパシティを考慮すると38床の受け入れが限界だった。なぜなら、受け入れた患者さんはもちろん、働くスタッフの医療安全上の問題なども考えなければいけなかったからだ。例えば、50床あるのに患者2人しか受け入れないというのは明らかに悪質だが、7~8割の病床を埋めて頑張っているところを責めるのはおかしい。 ECMOの稼働率がメディアに取り上げられたこともあったが、それを扱える人的リソースの問題で「使わない」という選択をすること批判が集まった。しかしわれわれは、人工呼吸器よりも圧倒的に人的負担がかかるECMOにリソースを割くことよりも、その分、人工呼吸器の患者をより多く受け入れて、より多くの患者を救命しようという方針だった。 コロナはある意味、災害医療とも言える。そこにはトリアージの考え方があった。ECMOへのこだわりを持っていると、本来は受け入れられる人を受け入れられなくなり、助けられた人を助けられないということが起こり得た。――最後に、コロナ第6波あるいはもっと長い闘いを想定するとき、医療者はどう備えるべき? これからの戦略を立てる以前に、まずはこれまでの総括・検証が必要だ。少なくとも、五輪開催時期を巡っては、少しでも後ろ倒しにしてワクチン接種率を上げてからにすべきという医療者側の切実な訴えは、政府に聞いてもらえなかった。メディアでは、五輪までにコロナが収束するなどという“有識者”の発言もあったが、とんだデタラメだった。したがって、政策の検証だけでなく、どの専門家の発言が信頼に足るのかというメディアの発信の仕方についても検証が必要だろう。 次に、次のピークに向けた戦略として私が言えるのは、重症者病床がこれ以上増えないという仮定のもとで動くべきだということ。大事なのは「増やす」ではなく「増えない」前提のプランを準備し、明確にしておくこと。実際、第6波において重症者が増えるのか否かは不明だ。しかし、デルタ株に対して重症化を防ぐワクチンの効果は確実なので、ワクチン接種は引き続き進めていくべき。そして、抗体カクテルや今後登場するであろう治療薬をワクチン代わりにはしないこと。ただし、プライマリで重症化リスクのある患者に対し、抗体カクテルや治療薬が確実に使える体制を整えることはとても重要。これは、プライマリの先生方に望むことにもつながるが、軽症や中等症の治療を第5波まではわれわれがやってきた。今後は、プライマリの先生方と協力し、役割分担しつつ、重症者病床は現状から増えないという想定で、ワクチンや抗体カクテル、薬で治療を進めていくべきと考える。 もう1つ、医療にひずみが出ている問題がある。コロナ医療を巡っては、医療と報酬が見合っていない。中には、コロナ重症者を診るスタッフの給与よりも、ワクチン接種のアルバイト報酬のほうが高いといったケースも見られた。これは明らかにおかしい。病院に寝泊まりして、重症コロナ患者を懸命に診て疲弊しきっているスタッフの月給が、ワクチン接種に従事する人の日給と同程度なんてあんまりだと思う。 医療には、その負担や技術・能力に見合った適正価格がある。このような状況では、将来的にも感染症や集中治療を目指す医師はいないだろうと危惧する。将来的なことだけではなく、目下の第6波に備えるためのモチベーションにもつながる。医療の水準に対する正当な評価。これをなくしてコロナ医療は前に進まない。

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Pacak-Zhuang症候群にbelzutifan治療が有効/NEJM

 赤血球増加症と多発性パラガングリオーマを有するPacak-Zhuang症候群の16歳女性患者において、低酸素誘導因子2α(HIF2α)阻害薬belzutifan治療により、高血圧、頭痛、および長期にわたる赤血球増加症の解消とともに、迅速かつ持続的な腫瘍縮退効果がもたらされたことを、米国・ダナファーバーがん研究所(DFCI)のJunne Kamihara氏らが報告した。Pacak-Zhuang症候群は、HIF2αをコードする遺伝子(EPAS1)の活性化変異によって引き起こされるまれな疾患で、生殖細胞系列の遺伝子検査で検出されることはほとんどなく、患者は幼少期に赤血球増加症を呈し、その後に複数の再発性および転移性のパラガングリオーマを発症する。小児期に発症した患者は複数の複雑な治療を受けることになるが、症候群の根本的な遺伝的原因を標的とする治療選択肢は限られていた。今回の結果を踏まえて著者は、「分子標的薬のレパートリーが増える中で、その長期的な効果を徹底的に調査することにより、腫瘍素因症候群の子供と大人におけるケアの目標はスクリーニングと早期発見から、将来的に腫瘍の治療、さらに予防へとシフトする可能性があるだろう」と述べている。NEJM誌2021年11月25日号掲載の報告。14歳時に臨床診断、16歳時に再発を認めbelzutifan治療(1日120mg)を開始 研究グループが報告した、Pacak-Zhuang症候群におけるbelzutifan治療評価は、16歳の女性患者を対象に行われた。 患者が初発症状(一過性脳虚血による左側脱力と複視)を呈したのは6歳時で、9歳時に赤血球増加症に関連すると推定される高血圧症に対する降圧療法を開始、14歳時に複数の腫瘍がみつかり切除が行われた。病理所見で少なくとも8つのパラガングリオーマが確認されている。その後に研究グループの小児がん遺伝リスクプログラムに紹介され、3世代家族歴の聴取が陰性であったこと、赤血球増加症と新規パラガングリオーマの同時罹患などを踏まえてPacak-Zhuang症候群と臨床診断された。 術後に降圧薬投与は中止となったが、2年後の16歳時に頭痛および高血圧症の再発、赤血球増加症の悪化、画像診断で腫瘍の存在が確認され、治療オプションが検討されbelzutifan治療(1日120mg)が開始された。投与量は、成人進行腎細胞がんを対象とした第II相試験の推奨用量に基づいている。治療開始17日時点で症状軽減、腫瘍の縮退を確認 belzutifan治療開始9日後に、Pacak-Zhuang症候群で上昇が認められる血漿中ノルメタネフリン値(16.2→5.7nmol/L)とクロモグラニンA値(642→136ng/L)が劇的に低下、赤血球増加症も速やかに軽減し、17日目までにヘモグロビン値は正常範囲に低下した。 それらに伴い、belzutifan治療開始後10日までに頭痛症状が解消され高血圧症が改善。降圧薬は3ヵ月後に中止に至った。 治療24ヵ月後において、Pacak-Zhuang症候群の一部の患者にみられるソマトスタチノーマは認められなかった。 画像診断では、治療開始11日前の時点では左副腎腫瘍(2.4×2.6cm)、大動静脈瘤(1.3×1.3cm)、および2つの小軟部腫瘍(<1cm径)が存在していたが、これらは治療開始17日後にはわずかだが縮退を認め、56日時点では明らかに縮退し大動静脈瘤や後腹膜腫瘍はかろうじて認められる程度になっていた。696日時点のMRIでは左副腎腫瘍は1.2×0.7cmまで縮退し、正常な副腎組織が大半を占めていることが確認された。 安全性については、治療24ヵ月時点までに報告された副作用は最小限にとどまり、有害事象Grade1/2のみであった。 belzutifan治療は本報告時点で継続中である。

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