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男性乳がんの予後不良因子は?

 男性乳がんは稀な疾患であるものの、近年増加傾向がみられている。認知度の低さなどから進行期になってから診断されるケースが多く、生存に寄与する因子や適切な治療戦略については明確になっていない部分が多い。韓国・忠北大学校病院のSungmin Park氏らは、国民健康保険データベースを用いた男性乳がん患者の転帰に関する後ろ向き解析結果を、Journal of Breast Cancer誌オンライン版2021年12月24日号に報告した。 本研究では、韓国の健康保険データベースを使用して、該当の請求コードをもつ男性乳がん患者を特定、男性乳がんの発生率、生存転帰、およびその予後因子が評価された。最初の請求から1年以内の手術と放射線療法の種類を含む、医療記録と死亡記録がレビューされた。その他、経済状況(≧20パーセンタイル、<20パーセンタイル)、地域(都市部、地方)、チャールソン併存疾患指数(0、1、≧2)、およびBRCA1/2(乳がん遺伝子)テストの実施について情報が収集された。 主な結果は以下のとおり。・2005~16年の間に、新たに男性乳がんと診断された患者838例が特定された。・男性乳がんの診断が最も多かった年齢層は70~74歳で、60〜64歳、65〜69歳が続いた。・患者の約80%が診断後に乳がんの外科手術を受け、50%以上が化学療法、約68%がタモキシフェンの投与を受けており、トラスツズマブは2008年以降約9%が投与を受けていた。・追跡期間中央値約5年間(1,769日)において、268例の死亡が確認され、5年生存率は73.7%だった。・65歳以上の男性は65歳未満の男性よりも全生存期間が短かった(ハザード比:2.454、95%信頼区間:1.909~3.154、p<0.001)。そのほか、併存疾患2つ以上、外科的治療なし、タモキシフェンの投与なし、低所得が、予後不良と関連していた。・多変量解析の結果、予後不良に関連する最も重要な因子は、併存疾患2つ以上だった(HR:4.439、95%CI:2.084~9.453、p=0.001)。

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心が折れそうな時の心の薬、アガペー【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第43回

第43回 心が折れそうな時の心の薬、アガペー人生は、失敗や挫折の連続です。誰もが味わう経験ですが、その苦痛はけっして小さくありません。当科の若手医師が、苦労して英文の論文を仕上げ投稿しました。最初の投稿作業を完了した時には、自信に満ちた様子でした。査読者のレビューを経て、採択に向けて良い返事があるものと確信しているのでしょう。編集部からの返事を待ちわびています。結果はリジェクト(不採択)でした。内容としては決して悪いものではなく、解析法や英文のレベルも十分です。投稿先を変更して挑戦するも、何と6回続けてリジェクトでした。前向きに挑戦する気持ちも失われ、心が折れていく様子が傍目にも明らかでした。自信喪失です。論文を修正して内容を高める作業を応援することは勿論ですが、「頑張れ!」と励まし続けるだけでは解決しません。この挫折感を容認し、共有することも大切です。風邪をひいたときに身体をいたわるように、失敗や挫折を経験した時には、ゆっくり心をいたわる必要があります。シェル・シルヴァスタインの「おおきな木」という絵本をご存知でしょうか。1本のリンゴの木が1人の人間に限りない愛を捧げる美しくも悲しい物語です。日本を代表する作家である村上春樹が翻訳していることでも知られています。原題名は『The Giving Tree』といいます。困った時だけやって来て、リンゴの木に「~をくれるかい」と要求ばかりする坊やに、身を犠牲にして尽くす木は、「きは それで うれしかった」と応えるのです。大好きな坊やに、りんごを与え、枝を与え、切り株になっても見返りを求めない大きな木のお話です。ひたすら少年に尽くす木の姿が、心に余韻を残します。一読をおすすめします。立ち読みで完読できます(本屋さんごめんなさい)。古代ギリシャでいう「愛」の形の1つとして、アガペー(agape)があります。アガペーは、新約聖書の中でのイエス・キリストの受難と復活に象徴的に示される無条件的絶対愛です。自分が与えるということ、たとえ相手が何かをしてくれなくても、ひたすら自分が与えるのがアガペーです。親が子供を愛する気持ちは当然と思いますが、賢く勉強のできる優秀な子供をかわいいという気持ちと、バカな子ほどかわいいという気持ち、この一見矛盾する両方が存在します。バカな子を思う気持ちがアガペーに近く、優秀な子を尊ぶ気持ちがフィリア(philia)でしょうか。失敗や挫折に直面している者には、アガペーの愛情で接することが肝要です。7回目の論文投稿です。なんと見事に素晴らしいジャーナルに採択されました。七転八起ならぬ、六転七起です。苦労のすえに得られた成果への賛辞である、「Congratulations!」に相応しい快挙です。この連絡を受けた若手医師は、弱った生け花が水切りを受けたかのように瞬時に元気を回復しました。小生にとっても、我がことのように嬉しく、その喜びを共有させていただきました。短期間での成果が求められ、成功するまで長い気持ちで待つことができない世の中になっています。こんな時代だからこそ、挫折に苦しむ者を大きなアガペーで容認していきたいですね。

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第90回 新型コロナウイルスはヒトに感染することで弱体化する?国立遺伝研の研究で考えた「ヒト-ウイルス」生態系

デルタ株はワクチン接種によってではなく、ヒトに感染したことで収束かこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。年始年末は大学の先輩の住む長野県原村の別荘を訪ねた後、中央線で実家のある愛知に帰り、正月明け、大学時代の友人が住む浜松で新幹線を途中下車、一杯飲んで帰って来ました。原村と実家は例年以上に厳寒で、寒さが苦手な私にはとても堪えました。さて、浜松の友人は、同じ大学の理学部で生物学を学んだ生物学者(専門は発生学)です。卒業後米国に留学し、長年ニワトリの足の発生を研究、15年ほど前に日本に帰ってきました。浜松駅前の焼鳥屋で雑談する中、昨年夏のコロナのデルタ株による感染拡大が突然収束した理由について興味深い話をしてくれました。曰く、「変異株が次々現れても、流行は必ずピークを迎え、収束していくのが不思議だと思っていたが、秋頃、国立遺伝研究所の発表で『デルタ株はゲノムの変異を修復する酵素の変化が起こり、修復能力が低下して死滅し、収束したのでは』という説が報道されていた。マスクなどの感染予防やワクチン接種ではなく、むしろヒトに感染することで弱体化した、という説だが、説得力もあってなるほどと思ったよ」。というわけで、今回は、誰もデルタ株収束の理由を明快に説明してくれませんので、この説について少し考えてみたいと思います(年末にあった、アデュカヌマブ未承認や診療報酬改定率のニュースはまた別の機会に)。ゲノムのエラーを修復する「nsp14」に関わる遺伝子が変化、修復不全に帰京してからニュースを調べてみると、この研究に関する報道を見つけました。それは、国立遺伝学研究所と新潟大のチームが2021年10月に開かれた日本人類遺伝学会で発表した研究成果です。ウイルスは増殖する際にゲノムを複製しますが、時々ミスが起きてエラーが生じます。このエラーが積み重なると、やがて増殖できなくなります。このエラーを修復するのが「nsp14」と呼ばれる酵素で、これが正常に働けばエラーは修復されて増殖は続き、感染の流行も続く、というわけです。10月31日付の中日新聞等の報道によれば、国立遺伝学研究所と新潟大の研究チームは国内で検出した新型コロナのゲノムデータを分析しました。その結果、第5波では、nsp14の酵素活性に関わる遺伝子が変化したウイルスの割合が感染拡大とともに増え、ピークの前から収束までの間は、感染者のほぼすべてを占めていた、とのことです。2020年秋から21年3月頃まで続いた第3波でも、同様の傾向が確認できたそうです。さらに、nsp14の遺伝子が変化したウイルスではエラーの修復が不十分となるため、新型コロナウイルスのゲノムの変異が通常の10〜20倍あったそうです。研究チームは、人間の体内でウイルスに変異を起こして壊す「APOBEC:apolipoprotein B mRNA editing enzyme, catalytic polypeptide-like」という酵素がnsp14の遺伝子を変化させた、と推測しています。ヒトの身体の中にウイルスが侵入すると、危険信号ともいえるサイトカインというタンパク質が放出されます。このサイトカインによって誘導される酵素の一つがAPOBECです。APOBECが侵入してきたウイルスのnsp14の遺伝子に変化をもたらし、ゲノム複製時のエラーの修復が不十分となってウイルス増殖を阻害したのではないか、というのが研究チームの仮説です。なお、日本人をはじめとしたアジア・オセアニアにAPOBECの活性が強い人が多いそうです。友人は最後に、「RNAウイルスであるコロナウイルスは大型のウイルスで、そのRNAポリメラーゼは“高性能”なポリメラーゼ。“高性能”とは、複製のミスがあればそれを修復する酵素活性を含んでいる、ということ。だから、あまり突然変異は起こらない。この仮説のように、修復の酵素活性に関係するnsp14の変化で修復ができなくなれば、ウイルスのゲノム情報は複製の度にボロボロに壊れていき、最後には増殖できなくなる。感染が拡大しても3〜4ヵ月で収束するのはそのせいかもね。ただ、現場の医師があまりこの仮説に食いついていないのが気になる。ひょっとしたら内容をきちんと理解できていない可能性もある」と話していました。カンジキウサギとオオヤマネコの個体数変動この仮説は、動物生態学(アニマル・エコロジー)の立場からも、とても理解しやすいと思います。すべての生物は適当な環境下にあれば絶えず数を増やす方向に働きます。しかし、繁殖能力をフルに発揮すれば、たちまち数が増え過ぎて“人口爆発”を起こします。そんな時、生き残った個体を殺すような「外力」が働き、今度は数が減少に転じます。ここで言う「外力」とは、食糧不足であったり、外敵の登場であったり、個体同士の争いであったりとさまざまで、各要素の消長によって個体の数のバランスが保たれていく、というのが生態学の一つのセオリーです。ちなみに、昔の生態学の教科書には、カナダの森林に住むカンジキウサギとオオヤマネコの個体数変動のグラフが必ず載っています。カンジキウサギが増えると、それを食べるオオヤマネコが増え、それに伴いカンジキウサギが減る。カンジキウサギが減れば、エサが減るのでオオヤマネコが減る……、というグラフで、その変動は約10年周期で繰り返されるそうです。今改めて見てみると、そのグラフの振幅の波は、さながらコロナの患者数の波のようでもあります。「ヒト-ウイルス」生態系がうまく働けば……ウイルスは厳密には生物とは言えず、動物生態学のセオリーが当てはまるかどうかはわかりませんが、仮にヒトもウイルスもそうした生態系の中に組み込まれた要素である、と考えれば、コロナの感染爆発の突然の収束にも納得がいきます。コロナウイルスはヒトに感染し健康上の害を及ぼしますが、逆にヒトは感染することによってコロナウイルスに対して増殖を抑制するような遺伝子的な「外力」を与えているわけです。人類全体としては、感染を避けるのではなく、むしろどんどん感染することでウイルスを弱らせることができるのだとしたら、それこそ“エコ”なことではないでしょうか。なにしろ、無用なモノや技術を使わないで済むのですから。マスクや手洗いといった目先の物理的な感染防御策や、ワクチンといった薬物(科学技術)による防御策ではなく、「ヒト-ウイルス」という何億年もかけて築き上げられてきた生態系のシステムによって、新型コロナウイルスは自然と弱毒化や増殖不能に向かうかもしれない……。久しぶりに旧友と会ったおかげで、そんな楽観論が頭の中をぐるぐる廻り、昨年よりもお酒が美味しく飲めた年始でした。

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普遍的なうつ病予防~メタ解析レビュー

 うつ病は、心身に影響を及ぼす、非常に蔓延している、しばしば慢性的に経過、治療困難、認知機能や社会的および経済的負荷が非常に大きいといった特徴を有する疾患である。がんなどの非感染性疾患では、治療ではなく予防に焦点が置かれるようになっていることを考えると、うつ病予防は、優先すべき公衆衛生上の課題であろう。オーストリア・ディーキン大学のErin Hoare氏らは、うつ病に対する普遍的に提供される予防的介入についてのメタ解析文献の包括的なシステマティックレビューを実施した。Journal of Psychiatric Research誌2021年12月号の報告。 2021年3月18日にEBSCOHostを介してアクセスした各データベース(Allied and Complementary Medicine Database、CINAHL Complete、Global Health、Health Source: Nursing/Academic Edition、MEDLINE Complete、APA PsychArticles)より検索を行った。検索キーワードは、うつ病、予防、トライアルスタディデザインとした。2人独立したレビュアーが文献スクリーニングを実施し、3人目が不一致性を是正した。適格基準は、うつ病予防(うつ病発症率の低下)に対する普遍的な介入研究を調査したメタ解析とした。 主な結果は以下のとおり。・心理的介入に関するメタ解析6件、学校ベースのメタ解析2件、eHealthに関するメタ解析1件を包括的レビューに含めた。・特定されたすべての調査結果の質は高く、とくに1件は非常に高いものであった。・うつ病予防に対する身体活動の影響を調査した以前のメタ解析レビューは、8件のメタ解析に含まれていた。・予防的介入が成功する主な因子は、学校、地域社会、職場環境で提供される心理社会的介入の利用であった。・学校ベースおよびeHealthによる介入は、うつ病予防に対し一定程度の有用性が認められた。・身体活動は、うつ病予防に効果的であることが、メタ解析より示唆された。・普遍的な予防を一貫して定義することはできなかった。 著者らは「納得度の高いエビデンスによる推奨事項が広まる前に、うつ病予防に対する適切に設定されたランダム化比較試験を実施する必要がある」としている。

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片頭痛に対する抗CGRP抗体の有効性と忍容性

 反復性および慢性片頭痛の予防には、いくつかの薬剤が利用可能である。どの治療を、どのタイミングで選択するかを決定することは簡単ではなく、一般的な有効性、忍容性、重篤な有害事象の可能性、併存疾患、コストなどさまざまな因子に基づいて検討される。ベルギー・ブリュッセル自由大学のFenne Vandervorst氏らは、新たに片頭痛予防の選択肢の1つとして加わったカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)またはその受容体に対するモノクローナル抗体の有効性、忍容性について検討を行った。The Journal of Headache and Pain誌2021年10月25日号の報告。 新規片頭痛予防薬である抗CGRPモノクローナル抗体に関するランダム化プラセボ対照試験のエビデンスを収集した。これら薬剤の反復性および慢性片頭痛の予防に対する有効性、有効性に対するロバスト性について、評価した。 主な結果は以下のとおり。・抗CGRPモノクローナル抗体は、これまで使用されていた予防薬と同等以上の効果が認められた。・抗CGRPモノクローナル抗体の有効性に対するロバスト性は、各薬剤において多くの患者を含むいくつかのランダム化比較試験により実証されている。・抗CGRPモノクローナル抗体は、優れた忍容性および長期的な安全性データが示され、副作用プロファイルに対しこれまでの治療薬よりも良好な結果が得られており、片頭痛予防に新たな付加価値をもたらすものと考えられる。 著者らは「ヘルスケアの政策立案者は、片頭痛予防に抗CGRPモノクローナル抗体を推奨するうえで、これらのデータのほか、より長期的の安全性やコストに関する追加データを用いてバランスをとっていくことが重要である」としている。

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オメガ3サプリメントにうつ病予防効果はあるのか?/JAMA

 米国の50歳以上のうつ病リスクを有する集団において、海洋由来オメガ3脂肪酸(オメガ3)サプリメントの長期投与によりプラセボと比較し、うつ病または抑うつ症状の新規発症や再発リスクがわずかではあるが統計学的に有意に増加した一方で、気分スコアには差がないという複雑な結果となった。米国・マサチューセッツ総合病院のOlivia I. Okereke氏らが「VITAL-DEP試験」の結果を報告した。 オメガ3サプリメントは、うつ病の治療に用いられているが、一般成人のうつ病予防効果は不明であった。著者は、「今回の知見は、一般成人においてうつ病予防にオメガ3サプリメントの使用は支持されないことを示している」と結論づけている。なお、本研究は、米国の成人(男性50歳以上、女性55歳以上)2万5,871人を対象に、ビタミンD3とオメガ3脂肪酸の心血管疾患およびがんの一次予防効果を評価する無作為化臨床試験「VITAL試験」の補助的な試験で、ビタミンD3の結果はすでに報告されている。JAMA誌2021年12月21日号掲載の報告。うつ病イベントのリスクと、長期の気分スコアの変化を評価 研究グループは、2011年11月~2014年3月の期間に、うつ病の新規発症リスクを有する(うつ病の既往歴がない)1万6,657例と、うつ病の再発リスクがある(うつ病の既往歴はあるが、過去2年間は治療を受けていない)1,696例を、2×2ファクトリアルデザインにより、オメガ3群(エイコサペンタエン酸465mg、ドコサヘキサエン酸375mgを含む魚油1g/日)、ビタミンD3群(2,000IU/日)、オメガ3+ビタミンD3群、またはプラセボ群に無作為に割り付け、2017年12月31日まで投与した。 主要評価項目は、うつ病イベント(うつ病または臨床的に重要な抑うつ症状)のリスク(初発例と再発例の合計)、ならびに気分スコアの変化とした。うつ病イベントは、うつ病の診断、治療(投薬またはカウンセリング)、または定期的なアンケートでの臨床的に重要な抑うつ症状存在(8項目の患者の健康に関する質問票[PHQ-8]抑うつ尺度スコア≧10)の新規自己申告とした。また、気分スコアの変化はPHQ-8を用いて年6回のアンケートで確認し(範囲0~24、スコアが高いほど症状が重度)、臨床的に意義のある最小変化量は0.5点とした。オメガ3群、うつ病イベントリスクがハザード比1.13と有意に高い 1万8,353例(平均年齢67.5[SD 7.1]歳、女性49.2%)が無作為化され(オメガ3群9,171例、プラセボ群9,182例)、90.3%が試験を完遂した(試験終了時の生存者の93.5%)。治療期間中央値は5.3年であった。 オメガ3とビタミンDの交互作用検定の結果、交互作用は認められなかった(交互作用のp=0.14)。うつ病イベントのリスクは、オメガ3群(651件、13.9/1,000人年)がプラセボ群(583件、12.3/1,000人年)より有意に高かった(ハザード比 [HR]:1.13、95%信頼区間[CI]:1.01~1.26、p=0.03)。PHQ-8スコア変化量の平均差は0.03点(95%CI:-0.01~0.07、p=0.19)で、長期的な気分スコアの変化においてはオメガ3群とプラセボ群で有意差は認められなかった。 重篤または主な有害事象の発現率は、オメガ3群vs.プラセボ群で主要心血管イベント2.7% vs.2.9%、全死因死亡3.3% vs.3.1%、自殺0.02% vs.0.01%、消化管出血2.6% vs.2.7%、あざになりやすい24.8% vs.25.1%、胃不快感/胃痛35.2% vs.35.1%であった。

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モデルナ製とファイザー製、それぞれの心筋炎・心膜炎リスク因子/BMJ

 英国・インペリアル・カレッジ・ロンドンのAnders Husby氏らは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン接種と心筋炎/心膜炎との関連を調査する目的で、デンマーク住民を対象にコホート研究を行った。その結果、ワクチン未接種者と比較して、mRNA-1273(Moderna製)ワクチンは心筋炎/心膜炎の有意なリスク増加と関連しており、とくに12~39歳でリスクが高いこと、BNT162b2(Pfizer-BioNTech製)ワクチンは女性においてのみ有意なリスク増加が認められたことが示された。ただし、絶対発症率は若年層でも低いことから、著者は「今回の知見の解釈には、SARS-CoV-2 mRNAワクチン接種の利点を考慮すべきであり、少数のサブグループ内でのワクチン接種後の心筋炎/心膜炎のリスクを評価するには、より大規模な国際的研究が必要である」と述べている。BMJ誌2021年12月16日号掲載の報告。デンマークの12歳以上の住民約493万人について解析 研究グループは、デンマークの予防接種登録(Danish Vaccination Register)、患者登録(Danish National Patient Register)、および市民登録システム(Danish Civil Registration System)を用い、2017年1月1日~2020年10月1日のデンマーク居住者で12歳以上の493万1,775人の全個人について、2020年10月1日または12歳の誕生日(いずれか遅いほう)から、移住、死亡、イベントまたは2021年10月5日まで追跡調査した。血液検査値はRegister of Laboratory Results for Research、PCR検査結果はDanish Microbiology Databaseから情報を得た。 主要評価項目のイベントは、24時間以上の入院を要するトロポニン値上昇が認められた心筋炎/心膜炎の診断とした。ワクチン接種前の追跡期間と、1回目および2回目のワクチン接種後28日間の追跡期間を比較し、年齢を基礎タイムスケールとしたCox比例ハザードを用い、性別、併存疾患、その他の交絡因子で補正したハザード比(HR)を推定した。 なお、研究対象のワクチンは、BNT162b2(Pfizer-BioNTech製)およびmRNA-1273(Moderna製)とした。絶対発症率は低い 追跡調査期間中に269例が心筋炎/心膜炎を発症した。108例(40%)が12~39歳、196例(73%)が男性であった。 BNT162b2ワクチンを接種した348万2,295例においては、接種日から28日以内に48例が心筋炎/心膜炎を発症し、未接種者と比較した補正後HRは1.34(95%信頼区間[CI]:0.90~2.00)、接種後28日以内の絶対発症率(10万人当たり)は1.4(95%CI:1.0~1.8)であった。女性および男性別の補正後HRはそれぞれ3.73(95%CI:1.82~7.65)、0.82(0.50~1.34)、絶対発症率はそれぞれ1.3(95%CI:0.8~1.9)、1.5(1.0~2.2)であった。12~39歳の補正後HRは1.48(95%CI:0.74~2.98)、絶対発症率は1.6(95%CI:1.0~2.6)であった。 mRNA-1273ワクチンを接種した49万8,814例においては、接種日から28日以内に21例が心筋炎/心膜炎を発症し、補正後HRは3.92(95%CI:2.30~6.68)、絶対発症率は4.2(2.6~6.4)であった。女性および男性別の補正後HRは、それぞれ6.33(95%CI:2.11~18.96)、3.22(1.75~5.93)、絶対発症率はそれぞれ2.0(95%CI:0.7~4.8)、6.3(3.6~10.2)であった。12~39歳の補正後HRは5.24(95%CI:2.47~11.12)、絶対発症率は5.7(95%CI:3.3~9.3)であった。

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アトピー性皮膚炎を全身治療する経口JAK阻害薬「サイバインコ錠50mg/100mg/200mg」【下平博士のDIノート】第89回

アトピー性皮膚炎を全身治療する経口JAK阻害薬「サイバインコ錠50mg/100mg/200mg」今回は、ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害薬「アブロシチニブ(商品名:サイバインコ錠50mg/100mg/200mg、製造販売元:ファイザー)」を紹介します。本剤は、全身療法が可能な経口剤であり、既存治療で効果不十分な中等症~重症のアトピー性皮膚炎の新たな選択肢として期待されています。<効能・効果>本剤は、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎(AD)の適応で、2021年9月27日に承認され、同年12月13日に発売されました。なお、ステロイド外用薬やタクロリムス外用薬などの抗炎症外用薬による適切な治療を一定期間施行しても十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ患者に使用します。<用法・用量>通常、成人および12歳以上の小児には、アブロシチニブとして100mgを1日1回経口投与します。患者の状態に応じて200mgを1日1回投与することもできます。なお、中等度の腎機能障害(30≦eGFR<60)では50mgまたは100mgを1日1回投与し、重度の腎機能障害(eGFR<30)では50mgを1日1回経口投与します。本剤投与時も保湿外用薬は継続使用し、病変部位の状態に応じて抗炎症外用薬を併用します。なお、投与開始から12週までに治療反応が得られない場合は中止を考慮します。<安全性>AD患者を対象に本剤を投与した臨床試験の併合解析において、発現頻度2%以上の臨床検査値異常を含む有害事象が確認されたのは3,128例中2,294例でした。主な副作用は、上咽頭炎、悪心、アトピー性皮膚炎、上気道感染、ざ瘡、筋骨格系および結合組織障害などでした。なお、重大な副作用として感染症(単純ヘルペス[3.2%]、帯状疱疹[1.6%]、肺炎[0.2%])、静脈血栓塞栓症(肺塞栓症[0.1%未満]、深部静脈血栓症[0.1%未満])、血小板減少(1.4%)、ヘモグロビン減少(ヘモグロビン減少[0.9%]、貧血[0.6%])、リンパ球減少(0.7%)、好中球減少症(0.4%)、間質性肺炎(0.1%)、肝機能障害、消化管穿孔(いずれも頻度不明)が報告されています。<患者さんへの指導例>1.この薬は、皮膚バリア機能を低下させたり、アレルギー炎症を悪化させたりするJAKという酵素の産生を抑えることで、アトピー性皮膚炎の症状を改善します。2.本剤には免疫を抑制させる作用があるため、発熱や倦怠感、皮膚の感染症、咳が続く、帯状疱疹や単純ヘルペスなどの感染症の症状に注意し、気になる症状が現れた場合は、すみやかにご相談ください。3.この薬を服用している間は、生ワクチン(麻疹、風疹、おたふく風邪、水痘・帯状疱疹、BCGなど)の接種ができません。接種の必要がある場合は主治医に相談してください。4.(女性に対して)この薬を服用中、および服用中止後一定期間は適切な避妊をしてください。5.これまで使用していた保湿薬は続けて使用してください。<Shimo's eyes>近年、ADの新しい治療薬が次々と発売されており、難治例における治療が大きく変化しつつあります。本剤と同じ経口JAK阻害薬のほかにも、ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体製剤や外用JAK阻害薬などがすでに発売されています。本剤は、ADの適応を得た経口JAK阻害薬として、バリシチニブ(商品名:オルミエント錠)、ウパダシチニブ水和物(同:リンヴォック錠)に続く3剤目となります。また、12歳以上のアトピー性皮膚炎患者に使用できる製剤としてはウパダシチニブに続いて2剤目となります。相互作用については、フルコナゾール、フルボキサミンなどの強力なCYP2C19阻害薬、あるいはリファンピシンのような強力なCYP2C19および CYP2C9誘導薬との併用に注意が必要です。これらの薬剤と併用する場合、可能な限りこれらの薬剤をほかの類薬に変更する、または休薬するなどの対応を考慮します。経口JAK阻害薬は、肺炎、敗血症、ウイルス感染などによる重篤な感染症や結核の顕在化および悪化への注意が警告に記載されています。生ワクチンの接種は控え、帯状疱疹やB型肝炎ウイルスの再活性化にも注意する必要があります。調剤時の注意に関しては、抗うつ薬/慢性疼痛治療薬デュロキセチン(商品名:サインバルタカプセル)と販売名が類似していることから、取り違え防止案内が発出されています。薬剤の登録名や調剤棚の表示などを工夫して、取り違えを防ぎましょう。本剤は、米国においてブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)の指定を受け、優先審査品目に指定されています。参考1)PMDA 添付文書 サイバインコ錠50mg/サイバインコ錠100mg/サイバインコ錠200mg

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英語で「予約しましょう」は?【1分★医療英語】第9回

第9回 英語で「予約しましょう」は?I’ll make you an appointment with a physiotherapist for next week.(来週、理学療法士の予約を取っておきましょう)Do you have anything open next Wednesday?(水曜日に空きはありますか?)《例文1》I’d like to make an appointment with Dr. Green at 11am tomorrow.(グリーン先生との予約を明日の11時に取りたいです)《例文2》I’d like to schedule an appointment for my regular check-up.(定期診察のために予約を取りたいのですが)《解説》日本語で「予約」と訳される英単語には、“appointment”“booking”“reservation”などがあります。人と会うことを「予約(=約束)」する場合には“appointment”、場所や物、たとえばレストランの席や飛行機のチケットを「予約」する場合には“booking”や“reservation”を使います。病院での「予約」は、「医師やその他の医療従事者と会うための予約」だと考えられるため、“appointment”が使われます。「予約をする」は“make an appointment”というフレーズを用いますが、もっと具体的に日程や時間を決めるような状況では、“schedule an appointment”という表現も使われます。希望の日にちで予約が取れるかを聞くときには、“Do you have anything open?(空いている時間はありますか?)”と患者さんから聞かれることもあるかもしれません。“Let’s schedule your next appointment for 5:30.(次の予約は5時半にしましょう)”といったやりとりで予約時間を確定します。講師紹介

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第93回 サイケデリック薬による精神疾患治療の開発が去年大いに前進

いわゆる麻薬の類・サイケデリック薬のものの見方を変えさせる作用が精神疾患の治療に役立つのではないかと期待されてきましたが、その効果を示した説得力のある試験はここ最近までほとんどありませんでした1)。しかし昨春2021年5月に発表された第III相試験でエクスタシーとして知られるMDMAの心的外傷後ストレス障害(PTSD)治療効果が示され、サイケデリック薬による精神疾患治療の開発は昨年大いに前進しました。俳優の沢尻エリカ氏や押尾学氏の事件で広く報じられたMDMAは主に神経のシナプス前セロトニン輸送体への結合を介してセロトニン放出を誘発します2)。MDMAは恐怖記憶の解消を促して社交的な振る舞いを支えること等が動物実験で示されています。また、合計105人が参加した6つのプラセボ対照第II相試験をまとめて解析したところMDMAを利用した治療を受けた患者の半数超(54.2%)がPTSD診断基準を脱していました3)。そして去年発表された第III相試験では42人のうち7割近い28人(67%)がMDMA投与込みの治療でPTSD診断基準を脱していました2)。プラセボ投与群37人でのその割合はMDMA使用群の半分以下の32%(12人)でした。非常に有望な結果ですがその効果の判定には注意が必要なようです。MDMAの明確な向精神作用は患者の期待感に影響を及ぼすかもしれず、そういう期待感を治療の一部として受け入れるとするなら効果の評価を根本的に見直す必要があるだろうとの見解をトロント大学の精神/神経専門家は最近のNature Medicine誌に寄稿しています1,4)。ともあれMDMAやその他のサイケデリック薬によるうつ病、不安症、依存などの精神疾患治療の検討は企業でも研究機関でも盛んになっています。2ヵ月ほど前の昨年11月初めには、マジックマッシュルームの成分として有名なサイロシビン(シロシビン;psilocybin)のうつ病治療効果が被験者数233人の無作為化試験で示されたことを英国ロンドンの企業COMPASS Pathwaysが発表しています5)。同社はさらに大規模な試験を計画しています。また、PTSDへのMDMAのもう1つの第III相試験が進行中であり、開発を担う非営利組織Multidisciplinary Association for Psychedelic Studies(MAPS)は来年2023年にその治療が米国FDA承認に漕ぎ着けることを目指しています6)。参考1)A psychedelic PTSD remedy / Science2)Mitchell JM, et al. Nat Med. 2021 Jun;27:1025-1033.3)Mithoefer MC,et al.. Psychopharmacology.2019 Sep;236:2735-2745.4)Burke MJ, et al. Nat Med. 2021 Oct;27:1687-1688.5)COMPASS Pathways announces positive topline results from groundbreaking phase IIb trial of investigational COMP360 psilocybin therapy for treatment-resistant depression / globenewswire6)MAPS’ Phase 3 Trial of MDMA-Assisted Therapy for PTSD Achieves Successful Results for Patients with Severe, Chronic PTSD / MAP

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今後25年間の日本における認知症有病率の予測

 敦賀市立看護大学の中堀 伸枝氏らは、富山県認知症高齢者実態調査の認知症有病率データと人口予測データを用いて、日本における認知症有病率の将来予測を行った。BMC Geriatrics誌2021年10月26日号の報告。 まず、1985、90、96、2001、14年の富山県認知症高齢者実態調査のデータを用いて、性別・年齢別の認知症推定将来有病率を算出した。次に、2020~45年の47都道府県それぞれの65歳以上の推定将来人口に性別年齢を掛け合わせ、合計することで認知症患者数を算出した。認知症の推定将来有病率は、算出された認知症患者数を47都道府県それぞれの65歳以上の推定将来人口で除することで算出した。また、2020~45年の47都道府県それぞれの認知症推定将来有病率は、日本地図上に表示し、4段階で色分けした。 主な結果は以下のとおり。・2020年の認知症推定将来有病率は、いずれの都道府県においても20%未満であったが、2025年には地方を中心とした5県で20%以上になると予測された。【2025年に認知症推定将来有病率が20%以上になると予測される5県】長野県:20.5%、島根県:20.5%、高知県:20.3%、富山県:20.0%、山口県:20.0%・2030年には日本全国で20%以上になり、2035年までに42都道府県が25%以上になると予想された。【2035年に認知症推定将来有病率が25%未満である予測される5都県】 沖縄県:23.1%、東京都:23.4%、愛知県:24.7%、埼玉県:24.8%、神奈川県:24.8%・2045年には、東京都(24.7%)を除くすべての道府県で認知症推定将来有病率が25%以上になり、その内12県は30%以上になると予測された。【2045年に認知症推定将来有病率が30%以上になると予測される12県】 秋田県:31.7%、宮崎県:30.9%、鹿児島県:30.8%、山形県:30.7%、長崎県:30.6%、福島県:30.5%、熊本県:30.3%、島根県:30.3%、大分県:30.2%、青森県:30.1%鳥取県:30.1%、高知県:30.0% 著者らは「今後25年間で、日本における65歳以上の認知症有病率は、大都市圏を含むほぼすべての都道府県において25%以上になることが予測された」としている。

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HPVワクチン、イングランドで子宮頸がんをほぼ根絶か/Lancet

 イングランドでは、ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの全国的な接種プログラムの導入により、子宮頸がんおよび前がん病変とされるGrade3の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN3)の発生が大幅に減少し、とくに12~13歳時に接種を受けた女性で顕著な抑制効果が認められ、1995年9月1日以降に出生した女性ではHPV関連子宮頸がんの根絶にほぼ成功した可能性があることが、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのMilena Falcaro氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、Lancet誌2021年12月4日号で報告された。イングランドの2価ワクチンの観察研究 研究グループは、イングランドの住民ベースのがん登録データを用いて、2価HPVワクチンを用いた予防接種プログラムが子宮頸がんおよびCIN3の発生に及ぼした、早期の影響の定量化を目的に観察研究を行った(Cancer Research UKの助成を受けた)。 イングランドでは、2008年9月1日、12~13歳の女児に2価HPVワクチン接種プログラムが導入され、2008~10年にかけて14~18歳の女子に対し、年齢差による遅れを取り戻すためのプログラムが提供された。 本研究では、年齢-時代-コホート(APC)ポワソンモデルの拡張版を用いて、HPVワクチン接種の対象とならなかったコホートとの比較で、ワクチン接種コホートにおける子宮頸がんの相対リスクが推定された。ワクチン接種コホートは、接種時の学年と全国的な接種の普及状況を考慮して、3つのコホート(ワクチン接種時の学年が12~13年生、10~11年生、8年生のコホートで、24.5歳時に最初のがんスクリーニングへの参加を勧められた女性)で解析が行われた。 2021年1月26日に、住民ベースのがん登録からデータが抽出され、イングランドに居住する20~64歳の女性の、2006年1月1日~2019年6月30日の期間における子宮頸がんおよびCIN3の診断について評価が行われた。また、交絡因子に対してさまざまな補正を行った3つのモデルを用いて解析が行われ、結果が比較された。接種年齢12~13歳の25歳時の低下率:がん87%、CIN3 97% 調査期間中に2万7,946例が子宮頸がんと、31万8,058例がCIN3と診断された。ワクチン接種を受けた20~30歳未満の女性の総追跡期間1,370万年のデータが解析に含まれた。 ワクチン非接種コホートと比較した接種年齢別の子宮頸がん発生率の推定相対低下率は、16~18歳(12~13年生)のコホートが34%(95%信頼区間[CI]:25~41)、14~16歳(10~11年生)が62%(52~71)、12~13歳(8年生)は87%(72~94)であり、接種年齢が低いほど低下率が大きかった。 また、CIN3のリスク低下率も、接種年齢16~18歳のコホートが39%(95%CI:36~41)、同14~16歳が75%(72~77)、同12~13歳は97%(96~98)と、接種年齢が低いほど低下率が大きかった。これらの結果は、すべてのモデルでほぼ同様だった。 一方、2019年6月30日の時点で、イングランドのワクチン接種コホートにおける発生件数は、子宮頸がんが予測よりも448件(95%CI:339~556)少なく、CIN3は予測に比べ1万7,235件(1万5,919~1万8,552)減少していた。 著者は、「これらの結果は、2価HPVワクチンによる子宮頸がん予防に関する初めての直接的なエビデンスであり、英国のプログラム全体の効果を評価するには時期尚早であるが、HPVワクチン接種の利点に関する理解と認識を深めることに貢献するだろう」とまとめ、「12~13歳の女児への広範なHPVワクチン接種により、25歳(観察データの範囲)までに子宮頸がんと前がん病変がほぼ根絶されることが示された。HPVワクチン接種の対象となる女性には、より若い世代に利益をもたらし続けるために、何歳であっても(理想的には最初に接種を勧められた時に)接種を受けるよう推奨すべきである」と指摘している。

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CAR-T療法イエスカルタ、大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療に有効 /NEJM

 大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療において、自家抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)T細胞製品アキシカブタゲン シロルユーセル(axi-cel、商品名:イエスカルタ)は標準治療と比較して、無イベント生存期間および奏効割合を有意に改善し、Grade3以上の毒性作用の発現は予想された程度であることが、米国・H. Lee MoffittがんセンターのFrederick L. Locke氏らが実施した「ZUMA-7試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2021年12月11日号に掲載された。世界77施設で行われたCAR-T細胞製品の第III相無作為化試験 研究グループは、早期再発または難治性大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療におけるCAR-T細胞製品axi-celの有用性を評価する目的で、2018年1月~2019年10月の期間に、世界77施設で参加者を募り国際的な無作為化第III相試験を行った(米国・Kiteの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、世界保健機関(WHO)の分類基準(2016年版)で組織学的に大細胞型B細胞リンパ腫と確定され、1次治療で完全寛解が得られなかった患者、または1次治療終了から12ヵ月以内に生検で再発が確認された患者であった。 被験者は、axi-cel群または標準治療群に1対1の割合で無作為に割り付けられた。axi-cel群は、白血球アフェレーシスを受け、前処置としての化学療法(シクロホスファミド+フルダラビン)が施行された後、目標用量(2×106/kg体重)のCAR-T細胞が単回注入された。標準治療群は、プロトコールで定義された化学免疫療法のうち担当医によって選択されたレジメンによる治療を受け、完全または部分寛解が得られた患者には、さらに大量化学療法と自家幹細胞移植が施行された。 主要エンドポイントは、盲検下の中央判定による無イベント生存。主な副次エンドポイントは奏効および全生存であり、安全性の評価も行われた。無イベント生存期間が6ヵ月以上延長、奏効割合は1.66倍に 359例が登録され、axi-cel群に180例、標準治療群に179例が割り付けられた。全体の年齢中央値は59歳(範囲:21~81)、30%(109例)が65歳以上であり、66%(237例)が男性だった。74%が難治性、79%がStageIII/IV、19%がMYCおよびBCL2とBCL6の両方かいずれか一方の再構成を伴う高悪性度B細胞リンパ腫であった。追跡期間中央値は24.9ヵ月だった。 無イベント生存期間中央値は、axi-cel群が8.3ヵ月(95%信頼区間[CI]:4.5~15.8)、標準治療群は2.0ヵ月(1.6~2.8)で、24ヵ月無イベント生存割合はそれぞれ41%(33~48)および16%(11~22)であり、axi-cel群で有意に優れた(イベントまたは死亡のハザード比[HR]:0.40、95%CI:0.31~0.51、p<0.001)。 奏効割合は、axi-cel群が83%と、標準治療群の50%の1.66倍に達した(群間差:33ポイント、p<0.001)。完全奏効はそれぞれ65%、32%であった。また、中間解析における全生存期間中央値は、axi-cel群が未到達、標準治療群は35.1ヵ月であり両群間に有意な差はなかった(死亡のHR:0.73、95%CI:0.53~1.01、p=0.054)。推定2年全生存割合はそれぞれ61%および52%であった。 さらに、無増悪生存期間中央値は、axi-cel群が14.7ヵ月(95%CI:5.4~評価不能)であり、標準治療群の3.7ヵ月(2.9~5.3)に比べ延長した(進行または死亡のHR:0.49、95%CI:0.37~0.65)。24ヵ月無増悪生存割合は、それぞれ46%(95%CI:38~53)および27%(20~35)だった。 Grade3以上の有害事象の発現頻度は、axi-cel群91%(155例)、標準治療群83%(140例)であった。axi-cel群では、Grade3以上のサイトカイン放出症候群が6%(11例)、Grade3以上の神経学的イベントが21%(36例)に認められたが、これらによる死亡例はなかった。 著者は、「アキシカブタゲン シロルユーセルは、再発または難治性大細胞型B細胞リンパ腫の2次治療において、化学免疫療法、大量化学療法、自家幹細胞移植によるレジメンの代替治療として実行可能であることが明らかとなった」としている。

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精神疾患患者のCOVID-19感染による入院、死亡リスク

 統合失調症、双極性障害、うつ病を含む重度の精神疾患を有する人は、身体的健康においても、一般集団と比較し、大きな格差を抱えている。この格差の程度は明らかとなっていないが、新たなエビデンスでは、重度の精神疾患患者はCOVID-19による感染や死亡リスクが高いことが示唆されている。英国・マンチェスター大学のLamiece Hassan氏らは、UKバイオバンクのコホート研究データを用いて、重度の精神疾患患者におけるCOVID-19関連の感染、入院、死亡率を調査した。Molecular Psychiatry誌オンライン版2021年12月7日号の報告。 UKバイオバンクから抽出した44万7,296例(統合失調症:1,925例、双極性障害:1,483例、うつ病:4万1,448例、重度の精神疾患でない対照群:40万2,440例)を対象とし、医療および死亡に関する記録とリンクさせた。多変量ロジスティック回帰分析を用いて、診断とCOVID-19関連アウトカムとの違いを調査した。また、社会人口統計学的要因および併存疾患で調整した場合においても検討を行った。 主な結果は以下のとおり。・調整前の分析では、重度の精神疾患患者は、対照群と比較しCOVID-19関連の死亡リスクのオッズ比が高かった。また、重度の精神疾患患者は、COVID-19関連の感染、入院リスクも高かった。【死亡リスクのオッズ比(OR)】 ●統合失調症:4.84(95%信頼区間[CI]:3.00~7.34) ●双極性障害:3.76(95%CI:2.00~6.35) ●うつ病:1.99(95%CI:1.69~2.33)【感染リスクのOR】 ●統合失調症:1.61(95%CI:1.32~1.96) ●双極性障害:1.48(95%CI:1.16~1.85) ●うつ病:1.47(95%CI:1.40~1.54)【入院リスクのOR】 ●統合失調症:3.47(95%CI:2.47~4.72) ●双極性障害:3.31(95%CI:2.22~4.73) ●うつ病:2.08(95%CI:1.89~2.29)・調整後の分析では、死亡リスクと入院リスクのORは、重度の精神疾患患者において有意に高いままであったが、感染リスクのORは、うつ病のみ有意に高いままであった。 著者らは「統合失調症、双極性障害、うつ病などの重度の精神疾患患者では、COVID-19関連の感染、入院、死亡リスクが上昇することが示唆された。この違いが既存の人口統計学的要因や併存疾患によって説明できるのは、一部分であった。そのため、重度の精神疾患患者に対しては、優先的にワクチン接種や予防措置を講じる必要がある」としている。

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2021年、がん専門医に読まれた記事は?「Doctors’Picks」ランキング

 ケアネットが運営する、オンコロジーを中心とした医療情報キュレーションサイト「Doctors'Picks」(医師会員限定)は、2021年にがん専門医によく読まれた記事ランキングを発表した。がん横断的なトピックスやCOVID-19とがんに関連する記事のほか、米国腫瘍学会(ASCO)関連の話題が多くランクインしている。【1位】おーちゃん先生のASCO2021肺がん領域・オーラルセッション/Doctors'Picks 6月に行われた米国臨床腫瘍学会(ASCO)。4,500を超える演題から注目すべきものをエキスパート医師がピックアップして紹介。肺がん分野は山口 央氏(埼玉医科大学国際医療センター)が「CheckMate-9LA試験の2年アップデート」「IMpower130、IMpower132、IMpower150 の免疫関連の有害事象を分析」などを選定した。【2位】がん関連3学会、がん患者への新型コロナワクチン接種のQ&A公開/CareNet.com 3月末、がん関連3学会(日本学会、日本治療学会、日本臨床腫瘍学会)は合同で「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)とがん診療についてQ&A―患者さんと医療従事者向け ワクチン編 第1版―」を公開した。【3位】ASCO 乳がん 注目演題まとめ(1)オーラル/周術期/Doctors'Picks ASCO注目演題、乳がん分野は寺田 満雄氏(名古屋市立大学)が全オーラル演題をチェックしたうえで注目すべき10演題を選定、サマリーと共に紹介した。【4位】リキッドバイオプシーを用いたがん遺伝子パネル検査が国内で初承認/日経メディカル 3月、中外製薬は血液検体を用いて固形がんに対する包括的ゲノムプロファイリングを行う検査「FoundationOne Liquid CDx がんゲノムプロファイル」の承認獲得を発表。リキッドバイオプシーを用いたがん遺伝子パネル検査は国内初承認となる。進行固形がん患者を対象に、血液中の循環腫瘍 DNA(ctDNA)を用いて324個のがん関連遺伝子を解析する。【5位】免疫チェックポイント阻害薬の免疫関連有害事象…メカニズムと緩和戦略/Nature Reviews Drug Discovery チェックポイント阻害薬(ICI)治療に関連した免疫関連有害事象(irAE)の発生と、発生を予測するバイオマーカーを特定し、発症を抑制するメカニズムを解説する論文がNature Reviews Drug Discovery誌に掲載された。6~10位は以下のとおり。【6位】ASCO 消化器がん 注目演題まとめ/Doctors'Picks【7位】固形がん患者における新型コロナワクチン接種後の抗体価/Annals of Oncology【8位】がん免疫療法患者に対するCOVID-19ワクチン接種/SITC【9位】IMpower150試験、EGFR陽性・肝/脳メタ解析の最終報告/Journal of Thoracic Oncology【10位】「オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラム」の保険適用を了承/中医協

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COVID-19関連のPTSDリスク~6ヵ国の大学生を調査

 ポーランド・ワルシャワ工科大学のDominika Ochnik氏らは、欧州6ヵ国の大学生におけるCOVID-19パンデミックの第1波、第2波の影響および第2波期間中の心的外傷後ストレス障害(PTSD)リスクとその有病率との関連について調査を行った。Journal of Clinical Medicine誌2021年11月26日号の報告。 ドイツ、ポーランド、ロシア、スロベニア、トルコ、ウクライナの大学生を対象に、横断的研究を繰り返し実施した(第1波:1,684人、第2波:1,741人)。COVID-19への曝露は、8項目(COVID-19の症状、検査、COVID-19による入院、親族の感染、親族の死亡、失業、COVID-19パンデミックによる経済状況の悪化)について測定した。COVID-19関連のPTSDリスクの評価には、PTSD評価尺度(PCL-S)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・COVID-19の症状は、ドイツを除く5ヵ国において第1波よりも第2波の方が高かった。・COVID-19の検査は、すべての国において第1波よりも第2波の方が多く、その差はドイツが最も大きかった。・第2波でのCOVID-19による入院は、ポーランド、トルコ、6ヵ国全体の学生において入院率が高かった。・COVID-19の検疫を受けた学生の割合は、ポーランド、トルコ、ウクライナで高かった。・すべての国において、第1波よりも第2波において、友人、親族のCOVID-19感染および死亡を経験していた。・COVID-19による失業率の増加は、ウクライナのみで認められた。・第2波期間中の経済状況は、ポーランドで悪化が認められ、ロシアでは改善が認められた。この理由として、規制の厳しさが影響していると考えらる。・3つのカットオフ値(25、44、50)によるCOVID-19関連のPTSDリスクの有病率は、それぞれ78.20%、32.70%、23.10%であった。・PTSDリスクの重症度が異なる場合、予測モデルに違いが認められた。・COVID-19関連PTSDリスクと強いおよびとても強い関連が認められた因子は、女性、うつ病診断歴、友人、親族の死亡、失業、経済状況の悪化であった。・COVID-19関連PTSDリスクと中程度の関連が認められた因子は、女性、PTSD診断歴、COVID-19症状の経験、COVID-19の検査、友人、親族の感染、経済状況の悪化であった。

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大規模屋内ライブ、包括的介入でコロナ感染予防は可能か~無作為化比較試験

 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)蔓延防止のため、2020年は多くの屋内で集まるイベントが禁止された。フランスにおけるSPRING研究(Study on Prevention of SARS-CoV-2 Transmission During a Large Indoor Gathering Event)グループでは、大規模な屋内集会イベントで、開催前3日以内の抗原検査、医療用マスクの着用、十分な換気などの包括的な予防的介入を実施した場合、参加者と非参加者の感染率が同等かどうかを非劣性試験で検証した。その結果、イベント参加とSARS-CoV-2感染リスクに関連は認められなかったことをThe Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2021年11月26日号で報告した。 2020年12月にバルセロナでの屋内ライブで実施された無作為化比較試験では、当日の迅速抗原検査とN95マスク着用が感染を予防するという予備的エビデンスが報告されたが、この試験は参加者数が少なく、またいくつかのロジスティックな問題が起こった。本試験は前向き非盲検無作為化比較試験で、2021年5月29日にパリのAccor Arenaで開催された屋内ライブコンサートにおいて検証した。専用ウェブサイトで募集した試験参加者は、18〜45歳、併存疾患なし、COVID-19症状なし、最近のCOVID-19患者との接触なし、イベント前3日以内の迅速抗原検査で陰性であった。試験参加者を、イベント参加者群と非参加者群(対照群)に2:1の割合で無作為に割り付け、主要評価項目はイベント後7日目に参加者が自己採取した唾液のRT-PCR検査におけるSARS-CoV-2陽性者数(非劣性マージン:0.35%未満)とした(per-protocol population)。 当日は、全員に会場入り口で医療用マスクとペットボトルの水を配布し、手指消毒を実施した。マスクの取り外しは飲用時のみ許可、バーは閉鎖、アルコール飲料は禁止とした。会場の総面積は5万5,000平方メートル、最大収容人数は2万人で、イベント中に入れるのはフロア(1,900平方メートル)のみとし、歌やダンスは許可された。 主な結果は以下のとおり。・2021年5月11日~25日に、専用ウェブサイトで1万8,845人が登録され、事前登録の現地参加者から1万953人が無作為に選ばれた。約束どおり検査を受けた6,968人から、無作為に6,678人が割り付けられた(イベント参加者群4,451人、非参加者群2,227人、年齢中央値28歳、女性59%)。参加者群の88%(3,917人)および非参加者群の87%(1,947人)がフォローアップ要件を順守した。・イベント後7日目のRT-PCRで、参加者群3,917人中8人(発生率:0.20%、95%CI:0.09~0.40)、非参加者群1,947人中3人(発生率:0.15%、95%CI:0.03~0.45)が陽性で、陽性率の絶対差の95%CIは-0.26~0.28%だった。

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アジアにおけるCOVID-19うつ病とそのリスク因子~メタ解析

 アジア太平洋地域におけるCOVID-19パンデミックに伴ううつ病の有病率やそのリスク因子について、マレーシア・マラヤ大学のVimala Balakrishnan氏らは、文献報告のシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2021年11月18日号の報告。 2021年1月~3月30日までの文献をPubMed、Google Scholar、Scopusより検索した。PRISMAガイドラインに従ってシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。スクリーニングの結果、82文献(20万1,953人)が抽出された。 主な結果は以下のとおり。・プールされたうつ病の有病率は34%(95%信頼区間[CI]:29~38%、I2=99.7%)であった。コホート、タイムライン、地域間での有意な差は認められなかった(p>0.05)。・主なリスク因子は、COVID-19感染に対する恐怖(13%)、女性(12%)、基礎疾患の悪化(8.3%)であり、グループ間での差は認められなかった。・COVID-19感染に対する恐怖は、一般集団(研究数:14)および医療従事者(研究数:8)において最も報告されたリスク因子であった。・リスク因子として、医療従事者では女性(研究数:7)、作業負荷の増加(研究数:7)が報告されたのに対し、学生では教育の混乱(研究数:7)が報告された。・なお、今回のレビューは、3つの電子データべースからの論文に限定されている。 著者らは「COVID-19パンデミックは、アジア太平洋地域の一般集団、医療従事者、学生のうつ病発症に影響を及ぼしていることが示唆された。この問題に対処するためにも、関係当局による迅速な対応や介入が求められる」としている。

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