サイト内検索|page:581

検索結果 合計:36074件 表示位置:11601 - 11620

11601.

リンパ節腫脹の鑑別、患者が話さない内容をしつこく聞こう!【Dr.山中の攻める!問診3step】第14回

第14回 リンパ節腫脹の鑑別、患者が話さない内容をしつこく聞こう!―Key Point―後頸部リンパ節腫脹では全身の感染症、悪性リンパ腫、頭頸部がん、菊池病を想起するEBウイルスによる伝染性単核球症では、眼瞼浮腫、頸部リンパ節腫脹、咽頭炎、肝機能障害、肝脾腫、倦怠感、頭痛が特徴である1)。Kissing diseaseと呼ばれるように唾液からの感染が原因となる。10~20代に多い症例:21歳 男性主訴)発熱、頸部腫瘤現病歴)5日前から37℃前半の発熱と咽頭痛あり。2日前から両側眼瞼の腫脹と両側頸部に腫瘤を触知することに気がついた。昨日から咽頭痛が悪化し、38℃台の発熱になったため、心配になり来院した。既往歴)なし薬剤歴)なし生活歴)飲酒:ビール500mL/毎日喫煙:10本/日(20歳~)職業:建設業身体所見)体温38.7℃、血圧142/78mmHg、心拍数98回/分、呼吸回数20回/分、意識:清明眼瞼:両側に浮腫あり口蓋扁桃:発赤腫大し白苔を認める頸部:両側の胸鎖乳突筋後方に径1~2cmのリンパ節を数個触知する。リンパ節は軟で圧痛あり腹部:平坦、軟、右肋骨弓下に肝臓を2cm、左肋骨弓下に脾臓を3cm触知する経過)血液検査:末梢血中の異型リンパ球増加あり。ASTとALTの上昇あり伝染性単核球症を考えEBウイルス抗体価を測定し、抗VCA-IgM抗体の上昇と抗VCA-IgG抗体および抗EBNA抗体の陰性を認めた新しいガールフレンドとの交際をしつこく聞いたがまったくないという。1ヵ月前に同僚たちと日本酒の回し飲みをしたとのことであった。無症状であるEBウイルス既感染者の90%は唾液にウイルスを排泄していると言われる1)NSAIDsの定期内服で症状は軽快した。脾臓破裂の可能性があるので、激しく体が接触するスポーツを1ヵ月間は避けるように指導した。◆今回おさえておくべき臨床背景はコチラ!伝染性単核球症はEBウイルスにより起こるアンピシリンの服用により皮疹が出現するサイトメガロウイルスによる伝染性単核球様症状では咽頭痛や頸部リンパ節腫脹を認めないことが多い。性的に活発な年代に多いHIVやトキソプラズマの急性感染、薬剤でも同様の症状が起こる菊池病は若年女性に好発し、頸部リンパ節腫脹、発熱、皮疹、体重減少、関節痛、肝脾腫、無菌性髄膜炎など多彩な臨床像を示す。SLEへ移行することがある【STEP1】患者の症状に関する理解不足を解消させよう【STEP2-1】症状を確認する急性発症か慢性発症かどの部位のリンパ節が腫れているか発熱、体重減少(体重の5%以上の減少)、盗汗(下着を変える必要があるほどの夜間の発汗)を伴っているか【STEP2-2】診察で詳細に確認するすべての表在リンパ節を触診する。2ヵ所以上の離れたリンパ節が腫れる全身性? 局所性?腫大したリンパ節の大きさと数を記載する圧痛があれば炎症性、圧痛がなければ悪性腫瘍の可能性が高まる炎症性では柔らかく、悪性リンパ腫では消しゴムの硬さ、では石のような硬さであることが多い可動性なら炎症性か悪性リンパ腫、可動性がなければを示唆する肝腫大と脾腫の有無を触診で確認する直径3cm以上、硬い、可動性なし、鎖骨上窩リンパ節腫大、体重減少があれば重大な疾患の可能性がある2)【STEP3】鑑別診断を想起する3)胸鎖乳突筋の後方にある後頸部リンパ節腫脹があれば、全身の感染症(EBウイルス、サイトメガロウイルス、風疹ウイルス、HIV、結核)、悪性リンパ腫、頭頸部がん、菊池病を考える鎖骨上窩リンパ節腫大があれば、第一に悪性腫瘍を疑う。左鎖骨上窩リンパ節は消化器がんの転移部位として有名である(Virchow転移)腋窩リンパ節はネコひっかき病、乳がんで腫れる鼠径リンパ節は下肢からの感染、性感染症で腫れることが多い全身性リンパ節腫脹あれば、ウイルス感染症、結核、膠原病、成人Still病、悪性リンパ腫を疑う<参考文献・資料>1)Harrison’s Principles of Internal Medicine 20th edition. 2018. p1358-1365.2)McGee Evidence-Based Physical Diagnosis 5th edition. 2022. p221-231.3)石井義洋. 卒後10年目 総合内科医の診断術. 2015. p361-370.

11602.

英語で「食上げ」は?【1分★医療英語】第29回

第29回 英語で「食上げ」は?Mr. Smith is tolerating well with clear liquid diet.(スミスさんは水分を問題なく飲めているようです)Great. Let’s advance his diet from clear to full liquid diet.(いいですね。水分からペースト食に食上げしましょう)《例文1》Please advance diet as tolerated.(問題ない範囲で食上げしてください)《例文2》Let’s hold off on advancing his diet until we get the barium swallow results.(バリウム造影検査の結果が返ってくるまで、食上げはやめておきましょう)《解説》「食上げ」は、病院の中ではよく用いるものの、英会話スクールなどではなかなか出合うことのない表現だと思います。「食上げを行う」は“advance diet”と言いますので、丸ごと覚えてしまいましょう。また、流動食は“liquid diet”、軟菜食は“soft diet”、常食は“regular diet”と言います。“clear liquid”と“full liquid”の違いは、前者が水やスープ、後者がペースト食のようなものです。米国の病院では、三分粥、五分粥、全粥のような段階的に水分が減るお粥はありませんので、これに対応する英語はありません。ただし、普通のお粥は出す病院もあり、これは“congee”と呼ばれます。日本語の「漢字」に発音が近いので、渡米して間もないころ、「漢字?」と思わず聞き返してしまったことがありました。ちなみに「漢字」の英単語は“chinese character”です。また、“advance diet”という表現と一緒に“as tolerated”という表現もよく用います。「耐えられる範囲で」という意味で、食上げだけでなく、安静度やリハビリテーションのオーダーの際にも用いられる表現ですので、併せて覚えておくとよいでしょう。講師紹介

11603.

第113回 小児肝炎はCOVID-19絡みの肝臓損傷の氷山の一角かもしれない

小児の原因不明の肝炎は日本で24例に増え1)、米国では先週18日までに180人が調べられています2)。米国が調査を進めるそれら180例のおよそ9%は肝臓移植が必要となりましたが、死亡したという報告は幸いありません。英国で先週月曜日16日までに確認されている急な肝炎小児197人にも幸いにして死亡例はありません3)。英国ではそれら197人のうち11人(約6%)が肝臓移植を受けています。たいていは対症療法でなんとかなりますが、手遅れにならないように親は子供の皮膚が黄色くなったり目が白っぽくなったらすぐに医者に連れていく必要があります。健康な小児が黄疸を突然呈して急な肝炎を伴う重病に陥る原因はいまだ不明ですが、米国も英国もアデノウイルスを原因とする見方を強めています4)。米国疾病管理センター(CDC)は同国での180例の半数近くに認められているアデノウイルスが引き続きとくに目立つ(strong lead)と言っています。英国でのアデノウイルス検出率はさらに高く、検査した170例中116人(68%)から検出されており、英国保健安全保障庁(UKHSA)もCDCと同様にアデノウイルス感染との関連が引き続き示唆されていると言っています。しかし、アデノウイルスは免疫抑制小児に肝炎を引き起こしうるものの健康な小児をそうすることはこれまで知られておらず、アデノウイルスは主役ではないかもしれないと考える研究者もいます。アデノウイルス原因説を疑う向きによるとアデノウイルス肝炎の典型的な特徴であるアデノウイルス感染細胞が肝炎小児の肝生検で見つかっておらず、もっと目を向けるべき原因候補・新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が見過ごされがちです。SARS-CoV-2感染の数週間後に複数の臓器が傷んで小児多臓器炎症症候群(MIS-C)が生じうることが知られるように、SARS-CoV-2感染からしばらくして肝臓への免疫絡みの攻撃が生じてもおかしくありません4)。SARS-CoV-2が検出された英国の肝炎小児の割合はアデノウイルス検出率よりずっと低い15%です。しかしCDCの最近の報告によると米国の12歳未満の小児の75%がSARS-CoV-2感染を経ていると推定されています5)。また、欧州疾病予防管理センター(European Centre for Disease Prevention and Control)と世界保健機関(WHO)が20日に報告した原因不明肝炎小児の疫学データによると26人の血清検査で大半の19人(73%)がSARS-CoV-2感染歴を裏付ける陽性でした6)。原因を見極めることは患者の治療手段に直結します。もしアデノウイルスが肝臓を害しているなら強力な抗ウイルス薬cidofovir(シドホビル)の出番です4)。しかし免疫反応の持続で肝臓が傷んでいるなら免疫抑制剤が命を救う治療になりえます。仮にSARS-CoV-2が誘発する過度の免疫が肝炎に寄与しているとするならアデノウイルス感染が共謀してその引き金の役割を果たすのかもしれません。小児から検出されているアデノウイルス41F型は胃腸に感染し、SARS-CoV-2は感染後に胃腸に長居しうることが知られており、それらが相まって肝炎を招きうるとの仮説がLancet姉妹誌に最近掲載されました7)。T細胞の見境ない活性化を誘発しうることが知られるSARS-CoV-2スパイクタンパク質がSARS-CoV-2感染小児のMIS-Cで認められる深刻な炎症にどうやら寄与する8)のと同様にスパイクタンパク質の一部がアデノウイルスへの免疫反応を過剰にしてその無法な免疫反応が肝臓を傷めるのかもしれないと著者は示唆しています。仮説の検証のために原因不明肝炎の小児の便を回収して腸に潜むSARS-CoV-2の検出を試みたり免疫系の過剰な活性化の検査が必要です。免疫の過剰が原因と今後の研究で判明したならば免疫抑制が適切な治療となるはずです。原因が判明して治療の方針が定まることは表沙汰となった肝炎の背後で知らずに肝臓を傷めているかもしれない多くの小児の助けにもなる可能性があります。米国のSARS-CoV-2感染小児とSARS-CoV-2以外の呼吸器感染小児(対照群)それぞれ約25万人を比較した最近の試験結果9)によるとSARS-CoV-2はアデノウイルスとの関連はどうあれ小児の肝臓を悪くすると傷めることがあるようです。試験の結果、SARS-CoV-2感染小児の6ヵ月間の肝酵素・ASTやALTの上昇(それぞれ110U/L以上と100U/L以上)は対照群より2.5倍多く認められました。黄疸を引き起こしうる赤血球分解産産物ビリルビンの血清濃度上昇(2mg/dL以上)もSARS-CoV-2小児に3.3倍多く認められました。小児に発生している原因不明の肝炎はSARS-CoV-2感染に伴う数多の肝臓損傷の氷山の一角なのかもしれず4)、そうであるなら肝炎の原因解明はその他多数の肝臓損傷の手当てを見出すことにも役立つでしょう。参考1)小児の原因不明の急性肝炎について / 厚生労働省2)Update on Children with Acute Hepatitis of Unknown Cause / CDC3)Increase in hepatitis (liver inflammation) cases in children under investigation / UK Health Security Agency4)What’s sending kids to hospitals with hepatitis-coronavirus, adenovirus, or both? / Science5)Clarke KEN,et al. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022 Apr 29;71:606-608. [Epub ahead of print]6)European Centre for Disease Prevention and Control/WHO Regional Office for Europe. Hepatitis of Unknown Aetiology in Children. Joint Epidemiological overview, 20 May, 2022.7)Brodin P, et al. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2022 May 13:S2468-1253.00166-2. [Epub ahead of print] 8)Porritt RA, et al. J Clin Invest. 2021 May 17;131:e146614. [Epub ahead of print]9)Elevated liver enzymes and bilirubin following SARS-CoV-2 infection in children under 10. medRxiv. May 14, 2022.

11604.

国内での新型コロナワクチンの有効性~多施設共同研究/日本感染症学会

 新型コロナウイルス感染症の発症予防における新型コロナワクチンの有効性を、全国の医療機関において検査陰性デザインを用いた症例対照研究を行い(VERSUS study [Vaccine Effectiveness Real-time Surveillance for SARS-CoV-2])1)、国内においても海外で報告されたものとほぼ同等の有効性が認められた。4月22~23日にオンラインで開催された第96回日本感染症学会総会・学術講演会で、長崎大学の前田 遥氏が発表した。なお、本発表に含まれるデルタ株流行期の結果については、Clinical Infectious Diseases誌オンライン版2022年4月19日号2)にも掲載されている。 2021年7月1日から開始しているサーベイランス研究結果の一部として、本報告では2021年7月1日~9月30日(デルタ株流行期)と2022年1月1日~2月28日(オミクロン株流行期)の2期における研究結果を報告した。それぞれ全国13ヵ所の医療機関で新型コロナウイルス感染症を疑う症状で医療機関を受診した患者(16歳以上)を対象に、検査陰性デザインを用いた症例対照研究を用いてワクチンの発症予防における有効性を評価した。 主な結果は以下の通り。【デルタ株流行期】・解析対象は1,936例で、うち検査(核酸増幅法検査もしくは抗原定量検査)陽性396例(20.5%)、年齢中央値49歳、基礎疾患あり34.0%、ワクチン未接種42.0%、2回接種完了32.2%、陽性者における未接種73.2%、2回接種完了6.6%だった。・16~64歳において、ファイザー製もしくはモデルナ製ワクチンの2回接種完了による発症予防の有効性は88.7%(95%CI:78.8~93.9%)。2回接種完了から91日以上経過した群では、90日以内の群と比較して有効性の低下が見られた。・16~64歳において、2回接種完了後の有効性は、ファイザー製:86.7%(95%CI:73.5~93.3%)、モデルナ製:96.6%(95%CI:72.8~99.6%)となり、ファイザー製よりモデルナ製のほうが、有効性が高い結果となったが、有意差は認められなかった。・65歳以上に関しては、ファイザー製もしくはモデルナ製ワクチンの2回接種による有効性は90.3%(95%CI:73.6~96.4%)であり、若年者とほぼ同等の効果が見られた。【オミクロン株流行期】・解析対象は16~64歳の2,000例で、うち検査陽性758例(37.9%)、年齢中央値35歳、基礎疾患あり16.1%、ワクチン未接種13.4%、2回接種完了75.8%、3回接種完了6.8%だった。・16~64歳において、ファイザー製もしくはモデルナ製ワクチンの2回接種完了による発症予防の有効性は42.8%(95%CI:23.6~57.1%)となり、デルタ株流行期と比較して有効性の低下が認められた。・3回接種完了による発症予防の有効性は68.7%(95%CI:37.1~84.4%)。追加接種による有効性の上昇が認められた。 本研究により、デルタ株流行期では、ワクチン2回接種完了による高い有効性が確認された。一方、オミクロン株流行期では、デルタ株流行期と比較してワクチン2回接種完了の有効性の低下が見られた。3回接種完了の有効性は、人種や社会背景が異なる日本でも、英国・米国の報告と同等であった。 本研究については今後も継続し、随時結果がアップデートされる予定。なお、オミクロン株流行期に関して、本解析で集計できていない症例が多数あり、オミクロン株流行期の解析結果は今後変動する可能性があるという。

11605.

統合失調症に対するメタ認知トレーニングの有効性

 メタ認知トレーニング(MCT)は、統合失調症患者の精神症状や認知バイアスを改善するためのグループプログラムであるが、入院中の回復初期段階の統合失調症患者への介入効果は、あまりわかっていない。長野県・千曲荘病院の芳賀 彩織氏らは、日本の精神科救急病棟に入院している統合失調症患者の回復初期段階におけるMCTの有効性を調査した。その結果、MCTは精神症状、自己内省の不良、再入院の予防に有効である可能性が示唆された。Frontiers in Psychology誌2022年4月11日号の報告。 20~65歳の統合失調症患者24例を対象に、非盲検パイロットランダム化比較試験を実施した。患者を作業療法(OT)+MCT群とOTのみを行う群(OT群)にランダムに割り付けた。ベースライン時と介入後の認知機能、精神症状、認知的洞察、内発的動機付けの変化を両群間で比較するため、2要因反復測定分散分析(ANOVA)を用いた。さらに、退院後1年間の再入院率を両群間で比較した。 主な結果は以下のとおり。・一部の患者は本研究から除外されたため、最終分析には各群ともに8例が含まれた。・ANOVAでは、対象患者のいくつかのドメインで、認知機能に有意な差が認められた。・対象患者間での有意な差は認められなかった。・個々の患者において、精神症状の有意な改善が認められ、精神病理学との相互関係が確認された(p=0.03)。・認知的洞察および自己内省の値は、患者間で有意な違いが認められた(p=0.03)。・内発的動機付けに有意な差は認められなかった。・1年以内の再入院率は、OT+MCT群(25%、8例中2例)のほうがOT群(75%、8例中6例)よりも有意に低かった(p=0.046)。

11606.

米FDA、5~11歳への3回目ファイザー製ワクチンを承認

 米国・ファイザー社は5月17日付のプレスリリースで、米国食品医薬品局(FDA)が、5~11歳の小児に対して、同社製の新型コロナワクチンの3回目接種を緊急使用許可(EUA)したことを発表した。ファイザー製ワクチンの初回シリーズ2回接種完了から5ヵ月以上経過した小児に対して、ブースター接種として、1回目・2回目接種と同量の10µgを投与できる。米国で5~11歳への3回目接種が承認されるのは、ファイザー製ワクチンが初めてとなる。 2022年1月に、FDAは12~15歳に対して、成人と同量の3回目接種(30µg)を承認したが、今回承認となった5~11歳への3回目接種は、3分の1の容量の10µgとなる。3回目接種は、高い忍容性と、初回シリーズと同等の安全性が確認されている。 今回の緊急使用許可の年齢層の拡大は、5〜11歳の健康な子供140例を対象とした第II/III相臨床試験のデータに基づいている。 本試験では、初回シリーズ2回接種完了から約6ヵ月後にブースター接種し、うち30例の血清サブ解析データにおいて、オミクロン株に対する中和抗体価が、2回目接種後と比較して36倍に増加したことが確認され、コロナ既往歴の有無にかかわらず、強力な反応が示された。 加えて、ブースター接種後1ヵ月のSARS-CoV-2野生株に対する中和幾何平均抗体価(GMT)は、2回目接種後と比較して6倍(95%CI:5.0~7.6)に増加し、この年齢層における強い免疫反応が示された。 ファイザー社では、生後6ヵ月~4歳の乳幼児を対象に、3µgを3回接種するスケジュールで、安全性、忍容性、免疫原性を評価する第I/II/III相臨床試験を実施しており、初期データが数週間以内に発表される予定という。 現在、米国では、5~17歳に対してファイザー製ワクチンのみが承認されており、これまでに5~11歳の800万人以上の小児が2回接種を完了しているという。一方、日本では、5~11歳に対してファイザー製ワクチンのみ承認されており、5月19日時点の首相官邸HPにおける「総接種回数の内訳」の発表によると、5~11歳の2回接種完了者は90万5,650人、接種率12.2%となっている。

11607.

lenacapavir、多剤耐性HIV-1感染症でウイルス量が著しく減少か?/NEJM

 多剤耐性ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)感染症の治療において、画期的新薬(first-in-class)である長時間作用型HIV-1カプシド機能阻害薬lenacapavirはプラセボと比較して、ウイルス量のベースラインからの減少幅が格段に大きく、重篤な有害事象や有害事象による投与中止は認められないため、有望な治療選択肢となる可能性があることが、米国・ニューヨーク・プレスビテリアン・クイーンズ病院のSorana Segal-Maurer氏らが実施した「CAPELLA試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌2022年5月12日号に掲載された。11ヵ国42施設の進行中の第III相試験 CAPELLAは進行中の第III相試験で、日本を含む11ヵ国の42施設が参加し、2019年11月~2021年1月の期間に参加者の登録が行われた(米国Gilead Sciencesの助成を受けた)。 対象は、年齢12歳以上、スクリーニング前の少なくとも8週間にわたり薬物療法の失敗(HIV-1 RNA量≧400コピー/mL)が継続し、抗レトロウイルス薬の4つの主要クラス(ヌクレオシド系逆転写阻害薬、非ヌクレオシド系逆転写阻害薬、プロテアーゼ阻害薬、インテグラーゼ阻害薬)のうち少なくとも3剤の投与を受け、このうち2剤以上に耐性となった患者とされた。 被験者は、スクリーニング時からコホート選択の受診時までの血漿中HIV-1 RNA量の変化によって、次の2つのコホートに分けられた。 コホート1(無作為化コホート)では、この期間のウイルス量の減少が0.5 log10コピー/mL未満(治療に反応せずウイルス血症が持続)でコホート選択受診時のHIV-1 RNA量が400コピー/mL以上の患者が、失敗した基礎治療に加え、lenacapavir(1日と2日目に600mg、8日目に300mg)を14日間で経口投与する群またはプラセボ群に、2対1の割合で無作為に割り付けられた(機能的単剤療法期)。15日以降は、維持期(52週まで)として、最適化された基礎治療とともに、lenacapavir群はlenacapavirの皮下投与が6ヵ月に1回施行され、プラセボ群はlenacapavirの経口投与ののち、皮下投与が行われた。 コホート2(非無作為化コホート)では、同期間のウイルス量の減少が0.5 log10コピー/mL以上(ウイルス血症が軽減)またはコホート選択受診時のHIV-1 RNA量が400コピー/mL未満、あるいはこれら双方の患者が、非盲検下に、全例が最適化された基礎治療とともに、1~14日にlenacapavirの経口投与を受け、その後は同薬の皮下投与が6ヵ月に1回行われた。 主要エンドポイントは、コホート1における15日までにウイルス量が0.5 log10コピー/mL以上減少した患者の割合で、主な副次的エンドポイントは26週の時点でウイルス量が50コピー/mL未満の患者の割合とされた。主要エンドポイント:88% vs.17% 72例(年齢中央値52歳[範囲:23~78]、女性25%、ウイルス量中央値4.5 log10コピー/mL[範囲:1.3~5.7])が登録され、2つのコホートに36例ずつが割り付けられ、コホート1ではlenacapavir群が24例、プラセボ群は12例であった。全体の47%が、抗レトロウイルス薬の4つの主要クラスのすべてに耐性だった。 コホート1の機能的単剤療法期に、ウイルス量が0.5 log10コピー/mL以上減少した患者の割合は、lenacapavir群が88%(21/24例)と、プラセボ群の17%(2/12例)に比べ有意に良好であった(絶対群間差:71ポイント、95%信頼区間[CI]:35~90、p<0.001)。また、15日時のウイルス量の、ベースラインからの変化の最小二乗平均(±SD)は、lenacapavir群が-2.10±0.15 log10コピー/mLであったのに対し、プラセボ群は0.07±0.22 log10コピー/mLと、大きな差が認められた(最小二乗平均群間差:-2.17、95%CI:-2.74~-1.59、p<0.001)。 26週時にウイルス量が50コピー/mL未満の患者の割合は、コホート1が81%(29/36例)、コホート2は83%(30/36例)であり、この間にCD4陽性細胞数が、最小二乗平均でそれぞれ75/mm3および104/mm3増加した。この割合は、両コホートを合わせて、女性(女性94%、男性78%)、50歳未満(50歳未満89%、50歳以上77%)、ベースラインのウイルス量が10万コピー/mL以下の患者(10万コピー/mL以下86%、10万コピー/mL超64%)で高かった。 維持期に、感受性の低下を伴うlenacapavir関連のカプシドの配列置換が8例(コホート1:4例[lenacapavir群1例、プラセボ群3例]、コホート2:4例)で発現し、このうち6例はM66I置換であった。また、lenacapavir耐性となった8例中4例は、lenacapavir投与中にHIV-1 RNA量が再び50コピー/mL未満に減少し、再び減少しなかった4例のうち2例はウイルス血症が持続し、1例は10週時に死亡し、1例は4週時に投与中止となった。 コホート1の機能的単剤療法期に、少なくとも1件の有害事象が発現した患者は、lenacapavir群が38%、プラセボ群は25%であった。この期間に、両群とも重篤な有害事象やGrade3以上の有害事象は観察されず、有害事象による投与中止も認められなかった。両コホートの統合解析では、7例で重篤な有害事象がみられたが、いずれもlenacapavirとの関連は確認されなかった。 lenacapavir関連の注射部位反応は、全体の45例(62%)で認められ、このうち腫脹が31%、疼痛が31%、紅斑が25%、結節形成が24%であった。これ以外の有害事象で頻度が高かったのは、悪心(12%)、便秘(11%)、下痢(11%)、腹部膨満(10%)だった。 著者は、「この試験は症例数が少なく、追跡期間も短いという限界があるが、多剤耐性HIV-1感染症では新たな治療選択肢が求められていることから、長期データの評価を行うために本試験は現在も進行中である」としており、未治療例を対象とする試験や高リスク例に対する予防治療の試験も進められているという。

11608.

第101回 「ダヴィンチ」操作ミスで大動脈損傷、患者死亡/吹田市民病院

<先週の動き>1.「ダヴィンチ」操作ミスで大動脈損傷、患者死亡/吹田市民病院2.デルタ株による影響で2021年は超過死亡が発生か/厚労省3.日医、次期会長選に中川氏は不出馬、松本常任理事が有力候補か4.かかりつけ医制度の整備などを骨太2022に記載へ/内閣府5.過去10年で勤務医15%増、若手美容外科医が増加傾向/日医総研6.臓器移植提供体制の整備進み、移植希望登録者数も増加傾向/厚労省1.「ダヴィンチ」操作ミスで大動脈損傷、患者死亡/吹田市民病院大阪府・吹田市民病院は19日、同院にて実施されたロボット手術後に患者が死亡したことを明らかにした。同院によると、2020年10月27日に手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使った60代男性の肺がんの内視鏡手術中に、外科医が誤って胸部大動脈を損傷したため大量出血し、患者は同年11月13日に低酸素脳症で死亡した。病院側は遺族に対しミスを認め、謝罪して和解金を支払い今年1月に示談が成立。再発防止策として、手術チームの再教育など医療安全のために体制強化に取り組むとしている。(参考)ロボット手術で患者死亡、外科医が遠隔操作を誤り大動脈損傷(読売新聞)市立吹田市民病院 手術中の医療ミスで患者死亡 遺族と和解(NHK)2.デルタ株による影響で2021年は超過死亡が発生か/厚労省厚生労働省の研究班による分析で、新型コロナウイルスの流行が始まった2020年は国内の全死者数が予測よりも少なかった一方で、デルタ株などで大規模な感染がみられた21年は死者数が予測よりも多かったことが明らかになった。研究班は、例年に比べて死者数がどれほど増えたかの指標である「超過死亡」を、47都道府県で1週間ごとに算出して公開している。先月掲載されたデータによると、2020年は例年よりも死者が約6,000~5万人を下回る「過少死亡」を記録していたが、2021年は約1~6万の超過死亡がみられた。時期と地域別にみると、第4波の時期には関西で、第5波では首都圏で多かった。(参考)2021年の国内死者、想定超える 新型コロナによる医療逼迫影響か(朝日新聞)日本の超過および過少死亡数ダッシュボード(国立感染症研究所)3.日医、次期会長選に中川氏は不出馬、松本常任理事が有力候補か日本医師会の会長選が5月20日に公示された。立候補は6月4日に締め切られる。会長選は6月25日に予定され、当初、中川 俊男会長は再選を目指していたが、支持拡大が見込めないと考え、出馬を断念したと見られる。中川会長に対しては、2022年度診療報酬改定でリフィル処方箋の導入が決まるなど、反対していた開業医などから批判が集まっていた。有力な候補として、常任理事の松本 吉郎氏が出馬すると見られており、24日にも立候補が表明される見込み。松本氏は浜松医科大学を卒業した後、1988年には松本皮膚科形成外科医院 理事長・院長を務め、2016年6月から日本医師会の常任理事となっている。(参考)日医会長、求心力失う 2期目立候補断念 「言行不一致」高まる批判 医療費圧縮容認、反発も(毎日新聞)日本医師会長選、中川会長が不出馬の意向 松本常任理事が有力候補に(朝日新聞)日医会長選 松本吉郎常任理事が24日に立候補で決意表明へ 副会長候補の茂松氏、角田氏、猪口氏も同席(ミクスオンライン)4.かかりつけ医制度の整備などを骨太2022に記載へ/内閣府17日、「第2回 全世代型社会保障構築本部」が内閣府で開催され、議論の中間整理が行われた内容が公表された。案には、厚生年金や健康保険の加入対象を広げる「勤労者皆保険」の実現、育児休業制度の推進などが盛り込まれているほか、今回のコロナ禍により、かかりつけ医機能などの地域医療の機能が十分に作動せず総合病院に大きな負荷がかかったため、かかりつけ医制度の整備を含め、機能分化と連携を一層重視した医療・介護提供体制の改革を求めている。政府はこの案を盛り込み、経済財政運営の基本指針「骨太の方針」を6月上旬の閣議決定を目指す。(参考)全世代型社会保障構築会議が議論の中間整理示す(Economic News)かかりつけ医機能の制度整備、骨太2022に記載へ 全世代型社会保障構築会議が中間報告で明記(CB news)全世代型社会保障構築会議 議論の中間整理(内閣官房)5.過去10年で勤務医15%増、若手美容外科医が増加傾向/日医総研日医総研は、厚労省が2年ごとにまとめる「医師・歯科医師・薬剤師統計」を基に、2010~2020年にかけての医師数の推移をまとめたリサーチ・レポートを公表した。これによれば、医学部入学定員は2008年の7,793人から2022年度の9,374人まで増加しており、増えた医師数のうちの8割は病院で働いていると考えられる。一方、診療所の医師は若干増加したのみで、10年間で数がほぼ変わらないまま年齢が上がっていた。診療科別では、内科・外科の医師が減少し、専門分化した臓器別の内科・外科が増えていた。また、若手医師では小児科を専門とする医師が減少し、形成外科・美容外科が増加する傾向が見られた。(参考)外科医が10年間で2割超の減、日医総研 病院・診療所の医師は15%増(CB news)医師養成数増加後の医師数の変化について(日医総研)令和2(2020)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(厚労省)6.臓器移植提供体制の整備進み、移植希望登録者数も増加傾向/厚労省厚労省は、「臓器移植の実施状況等に関する報告書」を公表した。臓器提供を行うために必要な体制を整えている施設数は全国で449施設(2022年3月31日現在)と前年度に比べて13施設増加しており、新型コロナウイルス流行下であっても、移植医療を行うことができる体制整備が進められている。また、移植希望登録者数も併せて掲載されているが、全国で心臓917名(前年度921名)、肺489名(前年度472名)など、前年度に比べて増加傾向を見せている。(参考)臓器提供体制整備、前年比13施設増の449施設 厚労省が報告書を公表(CB news)臓器移植の実施状況等に関する報告書(厚労省)

11609.

事例050 骨粗鬆症治療のイベニティ皮下注で査定【斬らレセプト シーズン2】

解説骨粗鬆症の患者にロモソズマブ(商品名:イベニティ皮下注)(以下「同注射薬」)を2筒皮下注射したところ、皮下注射の手技料がB事由(医学的に過剰・重複と認められるものをさす)にて査定となりました。レセプトには注射部位の記入を求められていません。また、初回の投与であるため、通知にある再投与開始時の理由をコメント記載する場合には該当しませんでした。査定理由を調べるために、カルテを確認しました。前月に同注射薬投与の是非を判定するための検査が行われていました。皮下注射は部位を変えて2ヵ所に注入したことも記載されていました。不備はありません。再度、増減点票を確かめると、他にも同注射薬に皮下注射手技料に査定があることに気付きました。調べてみると同注射薬を投与している患者すべてにおいて、皮下注射手技料が1回に査定となっていました。同注射薬の添付文書をみると、「1回当たり210mgを皮下注射する」とあります。同注射薬1筒105mgを2本使用することになります。総量の指定があるために、「皮下注射手技料は1回しか認めない」と審査基準が変更されたようです。医師と会計担当者には、皮下注射手技は1回のみの算定となったことを伝え、レセプトチェックシステムの改修を行い査定対策としました。

11611.

知っておきたい爪の知識と病気ーーすべての疑問を解決します!

爪の病気の知識について簡単に手に取って読める実用的な内容!ベストセラー『爪―基礎から臨床まで』の著者、東先生の簡単に手に取って読めるわかりやすい新作。日常生活においては爪そのものに原因のある病気がたくさんある。そのような爪の病気を治したり、予防するためには爪そのものについての知識をもつことが大切。身近な爪の役割や爪の切り方から爪の様々な病気まで、イラストや写真を使って原因や治療法をわかりやすく解説。爪の変化にいち早く気づき必要な対応がわかる頼れる1冊!画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。    知っておきたい爪の知識と病気ーーすべての疑問を解決します!定価3,080円(税込)判型A5判頁数A5判・152頁・カラー図数:100枚発行2022年5月著者東 禹彦

11612.

中学生以下はクラスで、高校生は部活感染が多い/厚労省アドバイザリーボード

 本格的な学校生活が始まり、児童生徒などへの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が懸念されている。 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードは、5月11日に第83回の会議を開催し、その中で文部科学省から「学校における新型コロナウイルス感染症対策について」が示された。 感染状況では、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校いずれも同一クラス内での感染が1番多く、高等学校では同一部活内での感染が1番多いことなどが報告された。また、学校での感染対策として、臨時休業の考え方を示すとともに、オミクロン株への対応として休業期間の短縮や授業、部活動でのリスクの高い行動の抑制のほか、児童生徒などへのワクチン接種の考え方が示された。本年1月と2月で一気に児童生徒の感染が拡大 資料によると2020(令和2)年6月からの集計で2021(令和3)年12月まで5万人を超えることがなかった児童生徒のCOVID-19感染者数が、2022(令和4)年1月には13万3,026人、2月に24万2,547人、3月に13万7,158人と急増したことが報告された。いずれもオミクロン株の急速な拡大が原因と考えられているが、従来株と比べ、幼稚園児や小学生で占める割合が高いことが指摘された。 学校別の感染経路について、幼稚園の園児では家庭内感染が当初より半数を超えていたが本年に入り経路不明が48%となった。小学校の児童では、当初より家庭内感染が約60~80%だったものが本年に入り経路不明の65%に変わり、中学生もほぼ同様の結果だった。高校生では、家庭内感染、学校感染、経路不明がほぼ等分で報告されていたが本年に入り、経路不明が56%と増加した。 学校内の感染について、幼稚園、小学校、中学校、特別支援学校では同一クラス内での感染が1番多く、高等学校では同一部活動での感染が1番多かった。 教職員の学校内感染では、同一クラス(38%)での感染が1番多く、その他(26%)、職員室(17%)と続いた。オミクロン株対応に学校も変化 学校におけるCOVID-19対策として、「子供たちの健やかな学びの継続を最優先に、地域一斉の臨時休業については慎重な検討を求めるとともに、オミクロン株の特性等を踏まえ、臨時休業等に関する対応方針を見直す」、「教育活動の継続のため、基本的な感染対策の徹底に加え、感染拡大局面において対策を強化・徹底する」の2つの考え方を示し、対応を記している。 具体的には、臨時休業について「地域一斉の臨時休業」は慎重に検討することとしている。オミクロン株への対応については、臨時休業期間が7日間から5日間に短縮されるとともに、濃厚接触者の特定などに伴う臨時休業や出席停止は実施しないことになった。 また、感染リスクの高い教育活動について、音楽では室内近距離での合唱、家庭科では近距離の調理実習、部活動では密集する活動や大声、激しい呼気を伴う活動などは控えるように記している。 最後にコロナワクチンの接種については、「学校等集団接種」は保護者への説明機会の欠乏、同調圧力などを理由に「推奨しない」とし、「子供への指導など」では児童・生徒などや周囲に接種を強制しないこと、身体的理由で接種できない人もいるため、その判断を尊重することを指導するとともに、保護者にも理解を求めるとしている。その一方で教職員に対しては積極的な追加ワクチン接種(3回目)の促進を依頼している。

11613.

医師の会食・飲み会参加について、医師1,000人の意見

 医師の飲み会・会食参加について、ニュースで取り上げられる時もあるが、医師自身はどのように捉えているのだろうか。今回、会員医師1,000人に、最近の飲み会・会食への参加状況と感染対策について意見を聞いた。医師の飲み会参加率は飲酒を伴わない会食よりも高い 「直近1ヵ月で、3人以上の会食(同居家族を除く)に参加した回数をお教えください」という問いに対し「0回」と回答したのは、飲酒を伴わない会食で806人(81%)、飲酒を伴う飲み会で757人(76%)であり、どちらも「0回」と答えた医師は全体の68%だった。会食への参加が1回以上と回答した医師のうち、1~2回参加した人は飲酒を伴う飲み会かどうかにかかわらず75%を超え、3回以上参加した医師は少数だった。 会食の回数を年代別で見ると、1回以上と答えた医師は20~30代で最も割合が大きく、年代が上がるにつれて徐々に低下した。全年代で、飲酒を伴わない会食よりも飲酒を伴う飲み会への参加率のほうが高かった。診療科別で見ると、糖尿病・代謝・内分泌内科医がもっとも参加率が高かった。医師は飲み会をする飲食店の感染対策にメリハリを求める 医師が飲み会・会食をする飲食店での感染対策10項目について、それぞれ「必要」「どちらともいえない」「不要」を選択していただいた結果、「テーブル間のパーテーション(距離1m以上)」と「座席の対面を避けた配置」は半数以上の医師が「必要」と答えた。一方で、「トイレ等のハンドドライヤー利用停止」は、10項目で唯一「不要」と答えた割合が「必要」と答えた割合を超えていた。 医療従事者が会食に参加することに関しては、以下のような意見が寄せられた。・流行度合に合わせて参加基準を柔軟に変化させるのが望ましい。(40代・感染症内科/大阪)・これが原因でクラスターが生じるとすぐにメディアが叩きに来るからやっかい。なぜ医療従事者だけはダメなのか説明してほしい。(40代・総合診療科/大阪)・会食に伴う感染が少なくなく、現時点では控えるに越したことはない。今は少人数での会食が限界だと思います。濃厚接触者が出ると当直や外来の埋め合わせが大変である。(40代・救急科/東京)・原則、参加すべきでないが、感染対策の上でなら必要最小限の回数で参加しても良いのではないか。(40代・糖尿病・代謝・内分泌内科/福井)・バイキングの手袋等、根拠の乏しい過剰な対応が多い気がします。(30代・呼吸器内科/東京)・避けるべきなのは理解しているが、非医療者が会食や遊興を楽しんでいる中、我慢して過ごすのはつらい。(40代・循環器内科/東京)・家族限定が望ましいが、医療従事者も人なので正直人と会わないと精神的にこれ以上もたない気がする。(50代・消化器内科/東京)・年単位で交流がないことは異例であり人間関係も希薄になった印象。現状難しいが、どこかが指針を提示すべき。(20代・内科/京都)・自身は参加しませんが、「感染対策を徹底した上での参加は構わないがSNS等には書かないでほしい」はまさにその通りです。糾弾されるのがわかっていることをしないでほしい。(40代・内科/福岡)・大きな問題にはならないと思う。むしろGOサインが出たときは医師が率先して参加して、会食参加の安全性や注意事項を示した方がよい。(50代・内科/千葉)」・3密を避けていればいいのではないか。周囲に医療従事者とわからないような配慮は必要かもしれない。(60代/千葉)アンケート結果の詳細、診療科ごとの意見は以下のページに掲載中。医師の会食・飲み会参加、最近の状況と意見を聞きました!1,000人アンケート<アンケート概要>・タイトル:会食への参加についてどうお考えですか?・実施期間:2022年5月12日(木)・調査方法:インターネット・対象:会員医師 1,000人【年代】20~30代、40代、50代、60代:各250人【診療科】 内科、呼吸器内科、循環器内科、消化器内科、総合診療科、糖尿病・代謝・内分泌内科、感染症内科、救急科

11614.

双極性または単極性うつ病患者の季節による臨床的特徴

 双極性障害のうつ症状(双極性うつ病)と単極性うつ病の鑑別は、誤診しないために重要である。中国・上海交通大学のShuqi Kong氏らは、双極性うつ病および単極性うつ病の初回入院患者における季節的な症状および非酵素性酸化ストレスの特徴を調査した。その結果、単極性うつ病患者と比較し、双極性うつ病患者は季節的な特徴を有している可能性が示唆された。著者らは、「季節性の単極性うつ病と双極性うつ病を鑑別するうえで、臨床症状や酸化ストレスの指標は有用である可能性がある」とし、「15~35歳の比較的若い年代では、冬期に双極性うつ病を発症する可能性が高い」と併せて報告している。Frontiers in Psychiatry誌2022年4月6日号の報告。 対象は、双極性うつ病患者450例および単極性うつ病患者855例。うつ症状の急性発症で入院した季節に応じて、春、夏、秋、冬の4群に患者を分類した。DSM-Vに基づいた双極性障害の特徴的な症状は医療記録から収集し、酸化ストレスを反映した臨床生化学的指標も併せて収集した。双極性うつ病患者または単極性うつ病患者における季節的リスク因子を分析し、冬期発症の患者では年齢や性別との関連も調査した。 主な結果は以下のとおり。・春期発症(双極性うつ病:124例、単極性うつ病:233例)では、メランコリックな特徴、非定型の特徴、抱合型ビリルビンに両群間で有意な差が認められた。・夏期発症(同:115例、260例)では、メランコリックな特徴、尿酸、抱合型ビリルビンに両群間で有意な差が認められた。・秋期発症(同:122例、211例)では、メランコリックな特徴、不安や疼痛、非定型の特徴、尿酸、総ビリルビン、抱合型ビリルビン、アルブミンに両群間で著しい差が認められた。・冬期発症(同:89例、161例)では、抱合型ビリルビン、プレアルブミンに両群間で有意な差が認められた。・双極性うつ病と比較した単極性うつ病の季節的な独立したリスク因子は、夏期発症のメランコリックな特徴および尿酸、秋期発症のメランコリックな特徴、尿酸、総ビリルビンであった。・冬期発症では、両群間で年齢に有意な差が認められ、15~35歳の若年層で、冬期に双極性うつ病を発症する可能性が高かった。

11615.

6~11歳へのモデルナ製ワクチン、50μg2回接種が安全かつ有効/NEJM

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)mRNA-1273ワクチン(Moderna製)について、小児(6~11歳)への50μgの2回投与は安全かつ有効であることを、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのC. Buddy Creech氏らが、2つの試験の結果を踏まえて報告した。免疫応答および予防を含めて若年成人に対する非劣性が確認されたという。COVID-19予防のための小児へのワクチン接種は、緊急性の高い公衆衛生上必要な取り組みとされるが、小児におけるmRNA-1273ワクチンの安全性、免疫原性および有効性は明らかになっていなかった。NEJM誌オンライン版2022年5月11日号掲載の報告。安全性、有効性を若年成人18~25歳群と比較 2つの試験は、PART1が投与量選択のため非盲検で行われている第II~III相試験で、PART2は選択用量の評価のために延長された、観察者盲検化プラセボ対照試験。PART2では、小児(6~11歳)を3対1の割合で無作為に2群に割り付け、mRNA-1273ワクチン(1回50μg)またはプラセボを、28日間隔で2回接種した。 試験の主要な目的は、小児におけるワクチンの安全性評価および関連する第III相試験に参加する若年成人(18~25歳)と比較した試験参加小児の免疫応答の非劣性を検証することであった。副次観察評価は、症状の有無を問わず確認されたCOVID-19およびSARS-CoV-2感染の発生率などであった。 2つの試験は現在も進行中で、本報告では中間解析の結果が報告された。中和抗体価、小児1,610、若年成人1,300 PART1試験では751例の小児が50μgまたは100μg用量のmRNA-1273ワクチン接種を受け、安全性および免疫応答の結果をベースとして、PART2では50μg用量を用いることが選択された。 PART2試験では4,016例の小児が無作為化され、mRNA-1273ワクチンまたはプラセボ(いずれも50μg)の2回接種を受け、1回目接種後、中央値82日間(IQR:14~94)追跡された。 50μg用量は主に、低グレードの一過性の有害事象と関連していた。最も一般的にみられたのは、注射部位の痛み、頭痛および倦怠感であった。ワクチン関連の重篤有害事象、小児多系統炎症性症候群、心筋炎、また心膜炎は報告されなかった。 2回目接種後1ヵ月間(57日目)で、50μgのmRNA-1273ワクチン接種を受けた小児の中和抗体価は、1,610(95%信頼区間[CI]:1,457~1,780)であった。一方、100μg量の接種を受けた若年成人は1,300(1,171~1,443)であった。両群参加者ともに、血清学的反応は99.0%以上で、事前規定の非劣性基準を達成していた。 B.1.617.2(デルタ)株が優勢だった時期の推定のワクチン有効率は、初回接種後14日以上に発生したCOVID-19に対して88.0%(95%CI:70.0~95.8)であった。

11616.

有害事象の系統的レビュー、データ抽出時に注意すべき5つのエラー/BMJ

 中国・安徽医科大学のChang Xu氏らは、有害事象の系統的レビューでのデータ抽出の妥当性と、メタ解析結果へのデータ抽出エラーの影響を調べ、データ抽出エラーの分類フレームワークを開発した。検討の結果、起きうるエラーは、数的エラー、あいまいさによるエラーなど5つのタイプに分類でき、そのうち2つ以上のエラーがあると結果に影響を及ぼす可能性が高まることが示されたという。著者は、「有害事象の系統的レビューでは、データ抽出の再現性に関して深刻な問題が起きる可能性があり、抽出エラーは結論を誤らせる可能性がある。系統的レビューの著者が妥当なデータ抽出ができるよう、早急に実施ガイドラインを整備することが必要だ」と述べている。BMJ誌2022年5月10日号掲載の報告。データ抽出エラーを明らかにし、解析への潜在的な影響を調査 研究グループによる再現性の研究は、PubMedを検索し、2015年1月1日~2020年1月1日に発行された系統的レビューを特定して行われた。4人の著者が系統的レビューから、無作為化試験のメタデータを抽出。その後、同じ著者がオリジナルデータソース(全文およびClinicalTrials.govなど)に照会し、メタ解析で使用されたデータの再現を行った。 適格とされた系統的レビューは、医療的介入について無作為化試験をベースとしたもので、独立したアウトカムとして安全性が報告されていたもの、少なくとも5つ以上の無作為化試験を包含して1つ以上のペアメタ解析が行われているもの、メタ解析の各試験で2×2のイベントデータテーブルが用いられ介入群と対照群のサンプルサイズが入手可能であるものとした。 主要アウトカムは、研究レベル、メタ解析レベル、系統的レビューレベルの3段階で要約されたデータ抽出エラーである。さらに、それらエラーが結果へ及ぼす潜在的な影響を調べた。データ抽出エラー5つのうち2つ以上があると結果に大きく影響 201の系統的レビューと829のペアワイズメタ解析に組み入れられていた1万386の無作為化試験が包含された。 1万386試験のうち1,762試験(17.0%)について、データ抽出を再現できなかった。829のメタ解析のうち554(66.8%)では、組み入れられていた無作為化試験のうち少なくとも1つ以上でデータ抽出にエラーがあった。また、201の系統的レビューのうち171(85.1%)で、少なくとも1つ以上のメタ解析にデータ抽出エラーがあった。 最も頻度の高いデータ抽出エラーのタイプは、数的エラー(49.2%、867/1,762)とあいまいさによるエラー(29.9%、526/1,762)で、これらは主にアウトカムの定義のあいまいさによって引き起こされていた。このほか、ゼロ仮定エラー、誤認エラー、不一致エラーの3つのデータ抽出エラーのタイプが認められた。これらのデータ抽出エラーは、288のメタ解析のうち、10(3.5%)で効果の方向性の変化に、19(6.6%)でP値の有意性の変化に結び付いていた。 メタ解析は、上記5つのデータ抽出エラータイプのうち2つ以上があると、エラータイプが1つのみであったときと比べて、変化の影響を受けやすいことが示された。中程度の変化の影響を受けたのは、エラータイプが2つ以上のメタ解析39のうち11(28.2%)、1つのみ249のうち26(10.4%)であり(p=0.002)、大きな変化の影響を受けたのは、それぞれ5(12.8%)、8(3.2%)であった(p=0.01)。

11617.

世界一短い医学雑誌名は?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第210回

世界一短い医学雑誌名は?pixabayより使用私は呼吸器内科医なので、「CHEST」や「Thorax」という医学雑誌をよく読んでいますが、シンプルに一単語で構成されているので、とても短い医学雑誌名ですよね。医学雑誌のタイトルは短いほうが、科学雑誌として評価が高く、優れているものが多いと思います。先ほどの呼吸器系の雑誌でも、「CHEST」や「Thorax」はインパクトファクターも高く、世界中の呼吸器科医が参照するものです。「Cell」や「Nature」なども、そうですね。代表的な英単語をそのまま雑誌名に使える権利を持っているわけですから、放っておいても投稿者・読者がたくさん集まってきます。―――さて、その中でも最短の医学雑誌名は何でしょうか?これはおそらく「Gut」と思われます。わずか3文字です。「Gut」は消化管・胃腸という意味の英単語で、消化器系の有名医学雑誌です。私も消化器内科をローテートしていた研修医のころ、よく読んでいました。あ、すいません、もし2文字以下の医学雑誌があったら、こっそり私に教えてください。ほかにも人類学の「MAN」、言語学の「LIA」など3文字の雑誌はいくつかあるのですが(LIAは正確にはLanguage, Interaction and Acquisition)、医学雑誌に限定すると、やはり「Gut」となりそうです。そういえば、ファッション雑誌も短いタイトルのものが多いですよね。MORE、VERY、with、ViVi…。企業もそうです。Apple、UNIQLO、SONY。短いほうが、より人を引き付けるのかもしれません。ちなみに私の下の名前は「優(ゆう)」ですが、とくに人から「キャーー!優サマー!」などと言われたことは一度もありません。なお、世界一名前が長い医学雑誌は、「〇〇学会」「公式」といった副題をどんどん付けて、「~を添えて」のようなフランス料理のメニューのように、長めに登録しちゃうジャーナルが多いので、ちょっと判定困難です。あしからず。

11618.

第109回 医師も覚悟が必要!?ジェネリック会社の事業再生ADRで医薬品恐慌が勃発か

先週、本連載の原稿を提出し終わってほっと一息ついていた時に思わず目が点になるニュースが飛び込んできた。そのニュースとは、ジェネリック医薬品(以下、ジェネリック)の国内最大手(念のために言うと、今年は売上高で沢井製薬と首位が逆転)・日医工が事業再生ADRを検討中というもの。第一報は読売新聞で、その後、報道各社が後追いし13日夕方、同社は事業再生ADRを申請したことを発表した。事業再生ADRとは、私的整理の一種で債務超過などにより経営困難に陥った企業が、民事再生法や会社更生法のような法的整理ではなく、取引金融機関の協力を得て事業再建を目指す仕組み。すでに日医工の申請は国が認定する認証紛争解決事業者に受理され、事業再生計画案を作成して取引金融機関との第1回債権者会議が5月26日に開催予定だ。日医工のメインバンクは三井住友銀行で、同行を含み主要な取引金融機関は8行ほど。同社が債権者会議に提示する事業再生計画案に1行でも反対すれば、事業再生ADRによる経営再建は不可能になり、法的整理(いわば倒産)へと移行する。もっともすでにメインバンクの三井住友銀行が支援を表明。そのほかの主要行も何らかの形で支援することを明らかにしていることから、法的整理に移行する可能性はほぼないと言ってよい。今回、日医工がこのような事態に至った理由は主に2つある。1つはすでに明らかになっている同社富山第一工場の製造工程・品質管理での不正発覚だ。この件で昨年3月に業務停止命令の行政処分を受け、一部製品の出荷を停止したことが業績悪化につながった。もう1つの理由は海外展開の苦境だ。ご存じのように日本では国の方針でジェネリックがある成分でのジェネリック数量ベースシェア80%という目標達成に向け、ジェネリックに対してはここ数年追い風が吹いていた。もっとも医療用医薬品市場の稼ぎ頭の中核が生物学的製剤に移行している現在、低分子化合物の経口薬が中心である国内ジェネリック市場では80%目標達成後は市場成長が頭打ちになることがかなり前から指摘されていた。このため国内の主要ジェネリック企業は2010年代半ばから海外展開を開始。日医工も2016年にアメリカのジェネリック企業を買収し、海外事業に本格的に乗り出した。しかし、近年のアメリカ市場はインドのジェネリック企業が台頭し、激しい価格競争が繰り広げられている。海外では日本以上にジェネリックは価格1点勝負とも言われ、日本ほど品質に過敏ではない。大げさなことを言えば、錠剤に髪の毛が混じっていることぐらいはあまり問題にならない。その意味で日本のジェネリック企業にとってウリとなる「高品質」はむしろ価格競争力を削いでしまう。そのため日医工は利幅の高いバイオシミラー事業の展開を狙い、すでに国内では発売済みの抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤インフリキシマブ(商品名:レミケード)のバイオシミラーのアメリカ市場投入を狙い、臨床試験も終了させていた。しかし、新型コロナウイルス感染症パンデミックにより、米国食品医薬品局(FDA)による米子会社や原薬提供会社の査察が停滞。この件に関連して大幅な減損計上にまで追い込まれた。これらの結果が、今回の事業再生ADRの申請というわけだ。今回の再建策は、あくまで日医工と取引金融機関が中心のため、ごく短期的に見れば同社製品の製造・供給に影響は出ない見通しだ。しかし、実際の再建策が動き出せばそうはいかないだろう。同社は国内ジェネリック企業としては最多の1,200品目以上を販売している。これに次ぐ沢井製薬は約800品目。ある意味、桁が違う。背景には「医療現場での必要性があれば不採算品目でも供給する」という同社の経営方針がある。これまではこうした不採算品目の損失も同社の基幹工場である富山第一工場で製造していた主要な約400品目の利益でカバーしてきた。だが、前述のように行政処分を受けた影響で同工場では約170品目の製造が停止したままである。今回の事業再生ADRで完全に尻に火が付いた状況では、今後の再建計画において不採算品目の整理に手が付けられるのは避けられないだろう。これまた、医療業界関係者はすでにご存じのように、同社以外でも複数のジェネリック企業で製造過程などの不正が発覚し、現状のジェネリックの供給体制は不安定なまま。ここで日医工が不採算品目を整理すれば、医療現場での供給不安に拍車がかかる可能性がある。そしてこのことはその穴埋めをしなければならない同社の競合他社や新薬メーカーも含めた製薬業界全体の「恐慌」に発展する可能性がある。一方、日医工は国内ナンバーワンジェネリック企業を目指し、過去20年間に6社の買収を行っている。その中には製薬大手エーザイが手放したジェネリック事業のエルメッドエーザイ社(現エルメッド)もある。今回の事業再生ADRにより先行き不安を感じ離職するとしたらこうした「外様組」だろう。そもそも製薬業界はここ数年リストラの嵐が吹き荒れ、人材あっせん業者が開くセミナーなどでは周囲が製薬企業出身者だらけということも稀ではないと言われている。もともとジェネリック企業の社内オペレーションは、新薬メーカーなどに比べれば、少人数体制と言われる。そうした現状でもし日医工での人材流出懸念が現実化すれば、日医工の生産、流通、販促活動での「自転車操業」化はもちろんのこと、そのあおりで代替品の供給を求められる同業他社にも自転車操業が波及する。もっともここで指摘しておきたいのは、こうした状況下で現在の国の制度がジェネリック企業をさらに苦境に追い込む可能性がある。それはすでに始まった「毎年薬価改定」である。これが突き詰められれば、ジェネリック企業は薬価改定のたびに不採算品目が増える。その意味では日本国内でのジェネリックの在り方は行政も含め、今一度抜本的な見直しが必要な時期に来ていると言えるかもしれない。

11619.

産後うつ病と母乳育児との関連~メタ解析

 産後うつ病に対する母乳育児の影響については、あまり知られていない。また、産後うつ病のマネジメントにおいて、母乳育児の役割に関連するガイドラインは作成されていない。中国・Taizhou UniversityのMengjie Xia氏らは、産後うつ病と母乳育児との関連を明らかにするため、メタ解析を実施した。その結果、母乳育児が産後うつ病リスクの低下に寄与することが示唆された。Journal of Affective Disorders誌オンライン版2022年4月20日号の報告。 産後うつ病と母乳育児との関連について報告した研究をPubMed、Cochrane Library、EMBASE(~2021年12月)より検索した。プールされたオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)の算出には、ランダム効果モデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。・8研究より、1万8,570例が抽出された。・母乳育児により、産後うつ病リスクが14%低下していた(OR:0.86、95%CI:0.77~0.94、I2=51.78%)。・母乳育児の期間が1ヵ月超では産後うつ病リスクが37%低下し(OR:0.63、95%CI:0.47~0.79、I2=34.98%、p=0.19)、1ヵ月未満では6%低下していた(OR:0.94、95%CI:0.89~0.99、I2=0.00%、p=0.61)。・母乳育児を行わなかった場合と比較し、母乳のみで育児を行った場合では、産後うつ病リスクが53%低下した(OR:0.47、95%CI:0.27~0.66、I2=0.00%、p=0.98)。・部分的に母乳育児を行った場合と比較し、母乳のみで育児を行った場合では、産後うつ病リスクが8%低下した(OR:0.92、95%CI:0.86~0.98、I2=13.86%、p=0.31)。・本研究のサブグループは、異質性の原因である可能性が示唆された。

11620.

米モデルナワクチン、乳幼児に対する緊急使用承認をFDAに申請

 米国・モデルナ社は4月28日、COVID-19ワクチン(mRNA-1273、商品名:スパイクバックス筋注)の生後6ヵ月から2歳未満および2歳から6歳未満の乳幼児に対する緊急使用承認(EUA)を米国食品医薬品局(FDA)に申請したことを発表した。申請データは、mRNA-1273の25μgの2回接種による初回シリーズの結果に基づく。申請データは、健康な小児を対象にmRNA-1273を28日間隔で接種した際の安全性、忍容性、反応原性、有効性を、プラセボを対照として3つの年齢層(6歳から12歳未満、2歳から6歳未満、生後6ヵ月から2歳未満)に分けて評価する第II/III相臨床試験KidCOVE試験の結果に基づく。 KidCOVE試験の中間報告では、mRNA-1273の2回接種初回シリーズにより、生後6ヵ月から 6歳未満の乳幼児において強力な中和抗体反応が得られ、良好な安全性プロファイルが確認された。生後6ヵ月~23ヵ月および2歳~6歳未満の年齢別サブグループの抗体価は、COVE試験の成人との同等性に関する統計学的基準を満たし、本試験の主要目的を達成した。 SARS-CoV-2陽性が確認された症例のみの解析では、ワクチンの有効性は生後6ヵ月から2年未満では51%(95%信頼区間[CI]:21~69)、2年から6年未満では37%(95%CI:13~54)と有意に保たれていた。また、忍容性プロファイルは、6~12歳未満の小児、12~17歳の青少年および成人において観察されたものと概ね一致していたという。 なお、モデルナ社はmRNA-1273について同様の申請を各国で進めており、29日には対象を生後6ヵ月から6歳未満の乳幼児に拡大する条件付き製造販売承認(CMA)申請への変更を欧州医薬品庁(EMA)に提出したことを発表した。

検索結果 合計:36074件 表示位置:11601 - 11620