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遅発性ジスキネジア治療剤の新薬ジスバルカプセル40mg発売/田辺三菱

 田辺三菱製薬は、「ジスバルカプセル40mg」(一般名:バルベナジン)(小胞モノアミントランスポーター2[VMAT2]阻害剤)について、遅発性ジスキネジア治療剤として2022年5月25日に薬価基準に収載されたことを受け、6月1日に販売を開始した。遅発性ジスキネジアの治療薬として日本で初めて承認された新薬 遅発性ジスキネジアは、口腔顔面領域(舌、口唇、顎および顔面)、四肢および体幹の不随意運動を特徴とする神経障害である。重症になれば嚥下障害や呼吸困難を引き起こす可能性があり、重篤な状態になる患者もいるとされる。抗精神病薬(原疾患の治療に用いられる薬剤)などを長期間服用することで起こり、ドパミン受容体の感受性増加等が原因と考えられている。 本剤は、日本においては初めて遅発性ジスキネジアの治療薬として承認された新薬であり、1日1回服用の経口剤である。製品概要販売名:ジスバルカプセル40mg一般名:バルベナジン効能・効果:遅発性ジスキネジア用法・用量:通常、成人にはバルベナジンとして1日1回40mgを経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回80mgを超えないこととする。包装:100カプセル(10カプセル[PTP]×10)薬価:40mg 1カプセル 2,331.20円製造販売承認日:2022年3月28日薬価基準収載日:2022年5月25日発売日:2022年6月1日製造販売元:田辺三菱製薬株式会社販売元:ヤンセンファーマ株式会社プロモーション提携:吉富薬品株式会社

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MCL高齢患者、BR-R療法+イブルチニブでPFSが2.3年延長/ASCO2022

 マントル細胞リンパ腫(MCL)の高齢患者は、過度の毒性のため集中的な化学療法や移植には適さない。ランダム化プラセボ対照二重盲検PhaseIIIのSHINE試験は、現在の初発MCL患者に対する標準的治療の一つであるベンダムスチン+リツキシマブ(BR療法)およびリツキシマブ(R)維持療法に、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬(BTKi)イブルチニブを併用することの有用性を見たもの。米国臨床腫瘍学会年次総会(2022 ASCO Annual Meeting)で米国・テキサス大学MDアンダーソンがんセンターのMichael L.Wang氏が結果を発表し、NEJM誌に同時掲載された。・対象:65歳以上のMCL患者。MIPIスコア(低中高リスク)によって層別化され、B(90mg/m2)とR(375mg/m2)6サイクルを投与し、イブルチニブ(560mgを毎日経口投与)群とプラセボ群に1:1でランダム化。CRまたはPRを達成した場合はRの維持を受け、両群で最大12サイクルを8週間ごとに実施。イブルチニブとプラセボは、病気の進行または許容できない毒性になるまで投与。・対照群:BR-R維持療法+プラセボ・評価項目:[主要評価項目]治験責任医師が評価した無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]奏効率(ORR)、次治療までの期間、全生存期間(OS)、安全性 主な結果は以下のとおり。・2013年5月~2014年11月に日本を含む183施設で523例が登録された。・一次分析時点の追跡期間中央値は84.7ヵ月だった。両群でPFSが大幅に改善され、主要エンドポイントが満たされた(ハザード比:0.75、p= 0.011)。・PFS中央値はイブルチニブ群80.6ヵ月(6.7年)、プラセボ群52.9ヵ月(4.4年)よりも2.3年改善された。・ORRは、イブルチニブ群65.5%、プラセボ群57.6%だった(p=0.0567)。・OSは両群で差がなかった(p=0.648)。・次治療までの時間はイブルチニブ群で未到達だったが、プラセボ群より長い傾向が見られた。イブルチニブ群52例(19.9%)およびプラセボ群106例(40.5%)がその後の抗リンパ腫療法を受けた。・Grade3または4の有害事象の発生率は、イブルチニブ群81.5%、プラセボ群77.3%だった。BTKiの臨床的に重要な有害事象のうち、心房細動はイブルチニブ群13.9%とプラセボ群の6.5%で報告された。出血、高血圧、関節痛の発生率は両群で類似していた。QOLも両群で同様だった。 この結果によって、初発の高齢MCL患者に対するBR療法+R維持療法とイブルチニブの併用は、高齢あるいは自家造血幹細胞移植(ASCT)不適格の未治療MCL患者に対する新たな1次治療となりうることが示された。

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ミスマッチ修復機構欠損を有する局所進行直腸がんに対するPD-1阻害の効果/ASCO2022

 ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)を有するStageII/IIIの局所進行直腸がんに対して、術前に抗PD-1抗体dostarlimabを投与することで、その後は放射線療法や手術療法を施行することなく治癒できる可能性があることが、小規模な前向きの第II相試験から明らかになった。米国・メモリアルスローンケタリングがんセンターのAndrea Cercek氏が、米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2022)で発表した。 局所進行直腸がんに対しては、術前化学療法と放射線療法および手術療法の併用が標準治療となっている。この治療効果は高いものの、放射線療法や手術療法は患者に大きな負担を強いることになる。また、直腸がん患者の約5~10%はdMMRを有し、このような患者は化学療法に比較的耐性を示しやすい。一方で、チェックポイント阻害薬は、転移のあるdMMRがんに効果があり、10%程度の完全奏効(CR)率を示すことが知られている。同試験ではdMMRを有する直腸がんに対するPD-1阻害が、化学療法、放射線療法、手術療法の代替えになると仮定し、これを検証した。・対象:dMMRを有するStageII/IIIの局所進行直腸がん患者18例・方法:dostarlimabを3週おきに6ヵ月間投与し、その後に画像および内視鏡による評価を行い、臨床的なCRが得られれば手術療法なしに4ヵ月ごとに経過観察、CRが得られなれば化学放射線療法を行い、そこで臨床的なCRとなれば手術療法なしに経過観察、微小残存病変があれば手術療法を施行した(Simonの2段階デザイン)。・評価項目:[主要評価項目]化学放射線療法の有無でのPD-1阻害薬の奏効率(ORR)、化学放射線療法の有無でのPD-1阻害薬の12ヵ月後の病理学的完全奏効(pCR)率または臨床的完全奏効(cCR)率。[副次評価項目]安全性および忍容性 主な結果は以下のとおり。・試験開始時の患者背景は、平均年齢54歳(26-78歳)、腫瘍の深達度がT3/4が14例(78%)、リンパ節陽性が17例(94%)であり、平均腫瘍変異量は67mut/Mb(36-106)であった。・dostarlimabの6ヵ月投与が完了した最初の連続14例について、全例にcCRが得られ、ORRは100%であった。・平均観察期間6.8ヵ月の中で、Grade3/4の有害事象は認められず、化学療法、放射線治療、手術療法が必要になった患者はなく、再発例も認められなかった。

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インフルエンザでも、mRNAワクチン第III相試験開始/モデルナ

 2022年6月7日、Moderna(米国)は季節性インフルエンザワクチン候補mRNA-1010の第III相臨床試験において、最初の被験者への投与を行ったことを公表した。 mRNA-1010は、世界保健機関(WHO)が推奨するA/H1N1、A/H3N2、B/山形系統およびB/ビクトリア系統の4つのインフルエンザ株の血球凝集素(HA)糖タンパク質がコードされた新規mRNAワクチン候補である。 本試験は、既存の季節性インフルエンザワクチンに対するmRNA-1010の安全性および免疫学的非劣性を評価することを目的とし、南半球諸国の成人約6,000人が登録される。Modernaは、必要に応じて、早ければ2022/2023年の北半球のインフルエンザシーズンにmRNA-1010の有効性確認試験を実施できるよう開発準備を進める。

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子宮頸がん検診の間隔、HPV陰性なら延長可能か/BMJ

 子宮頸がん検診の間隔は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の1次検査を受けることで、検査の方法を問わず延長が可能で、25~49歳の女性では検査陰性から5年まで延長でき、50~59歳の女性は5年以上に延長の可能性もあるが、個別受診再勧奨による再検査で陽転した女性では従来どおり3年の間隔を保持する必要があることが、英国・キングス・カレッジ・ロンドンのMatejka Rebolj氏らHPV pilotの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月31日号に掲載された。英国134万例の観察研究 研究グループは、子宮頸がんの1次スクリーニングが陰性の女性における、Grade3以上の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN3+)および子宮頸がんのリスクに関して、年齢別、検査法別のエビデンスの更新を目的に観察研究を行った(英国公衆衛生庁[イングランド]などの助成を受けた)。 解析には、2013~16年に英国で実施されたHPVスクリーニングの1回目と2回目のパイロット検査の実際のデータが使用された(追跡は2019年に終了)。134万1,584例の女性が解析の対象となった。 子宮頸がん検診には、HPV検査または液状化検体細胞診検査が用いられた。細胞診によるスクリーニングを受けた女性は、高Gradeの異常が認められた場合、または境界型か低Gradeの異常で、HPVトリアージ検査が陽性の場合に、コルポスコピーによる検査が勧められた。 HPV検査によるスクリーニングで陽性となった女性は、細胞診トリアージ検査で少なくとも境界型の異常がみられた場合、またはHPV陽性が持続し、細胞診で少なくとも境界型の異常が発現したため1次スクリーニングから12ヵ月か24ヵ月後に再HPV検査(早期の個別受診再勧奨[early recall]による)を受けたのち、コルポスコピーによる検査が勧められた。 主要アウトカムは、HPV検査陰性後のCIN3+および子宮頸がんの検出とされた。HPV mRNA検査とHPV DNA検査で検出能に差はない 24~59歳の女性では、1回目の検診で134万1,584例のうち30万677例がHPV検査を受け、70万6,820例は細胞診検査を受けた。CIN3+は、HPV検査で5,313例、細胞診検査では8,232例が検出され(検査1,000件当たり17.67 vs.11.65、補正後オッズ比[OR]:1.55、95%信頼区間[CI]:1.50~1.61)、子宮頸がんはそれぞれ259例および441例で発見された(0.86 vs.0.62、1.38、1.18~1.61)。 24~59歳の女性における2回目の検診時のCIN3+検出率は、1回目の検診でHPV検査を受け陰性だった女性が、細胞診検査で陰性だった女性よりも低く(検査1,000件当たり1.21 vs.4.52、補正後OR:0.26、95%CI:0.23~0.30)、子宮頸部の中間期がんのリスクも同様の結果であった(10万人年当たり1.31 vs.2.90、補正後ハザード比[HR]:0.44、95%CI:0.23~0.84)。これは、英国子宮頸がん検診プログラムの検診間隔3年を、少なくとも5年に延長できることを示す。 また、HPV検査陰性から5年後の2回目の検診において、50~59歳の女性で初めてCIN3+が検出されるリスクは、24~49歳の女性における検査陰性から3年後の2回目の検診時に比べて低かった(検査1,000件当たり0.57 vs.1.21、補正後OR:0.46、95%CI:0.27~0.79)。これは、50歳以上では、5年という現在の検診間隔を延長でき、50歳未満では3年の検診間隔が望ましいことを示唆する。 一方、HPVのスクリーニング検査が陽性で細胞診検査で異常がなく、個別受診再勧奨でHPV検査陰性の女性では、2回目の個別受診再勧奨による検査でCIN3+が検出される割合が、1次スクリーニング検査でHPV陰性であった女性よりも高かった(検査1,000件当たり5.39 vs.1.21、補正後OR:3.27、95%CI:2.21~4.84)。 検査法の比較では、HPV mRNA検査(APTIMA)とHPV DNA検査(cobasまたはRealTime)で、1回目の検査におけるCIN3+(補正OR:1.04、95%CI:0.96~1.12)および子宮頸がん(0.95、0.67~1.34)の検出能に差はなく、1回目の検査が陰性だった場合の2回目の検査におけるCIN3+(1.05、0.73~1.50)の検出能もほぼ同等であった。 著者は、「これらのデータは、検査法の種類や年齢を問わず、現在の検査間隔は延長可能であることを示唆するものである」としている。

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第104回 教授に指導医停止処分、試験要件の研修時間を水増しで/内科学会

<先週の動き>1.教授に指導医停止処分、試験要件の研修時間を水増しで/内科学会2.HPVワクチン副反応疑い症例15件、安全性に重大な懸念なし/厚労省3.感染症法改正で、民間病院に対する自治体の指揮権を強化へ4.骨太方針2022を閣議決定、デジタル化で医療制度改革を加速へ/政府5.医療保護入院の縮小は削除、虐待通報義務化も明記せず/厚労省6.手術動画の外部提供と利活用、指針作りを/コンピュータ外科学会1.教授に指導医停止処分、試験要件の研修時間を水増しで/内科学会日本内科学会は、新潟大学医学部の教授に対し3年間の指導医停止の処分をしたことが明らかになった。報道によると、処分を受けたのは消化器内科教授で同大病院の内科医科長。去年2月、専門医認定試験の受験要件に満たない9人の医局員に対して、研修時間に大学院での研究や当直勤務の時間を合わせて申告するよう指示していた。内科専門医の受験には、2年間の初期研修と、臨床病院で常勤する3年間の後期研修が原則必要だが、新潟大消化器内科では後期研修中の一部期間も大学院で研究に従事させた。学会への匿名の告発を受けた研修先の新潟大病院による調査で問題が発覚し、9人は受験できなかった。同時に研修プログラム責任者の別の特任教授も指導医を6ヵ月停止とする処分が出ているが、同大は別の医師を責任者とし、内科専門医の研修を続けている。今回、現行の専門医制度が2018年度に開始されて以降、最も重い処分となった。(参考)研修時間の水増し申告指示、新潟大医学部教授を処分 日本内科学会(朝日新聞)2.HPVワクチン副反応疑い症例15件、安全性に重大な懸念なし/厚労省厚生労働省は10日に第80回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会を開催し、HPVワクチンの副反応について検討を行った。HPVワクチン接種は2013年に定期接種となったが、副反応が報道されたのを機に積極的な接種推奨が中止されており、9年ぶりの2022年4月に再開された。積極的勧奨の再開後に報告された「サーバリックス(2価)」「ガーダシル(4価)」ならびに定期接種対象外の「シルガード9(9価)」の有害事象についてそれぞれ検討を行ったが、現時点でワクチンの安全性に重大な懸念はないとする見解がまとめられた。厚労省は今後も、およそ1ヵ月ごとに部会を開いて検証するという。(参考)子宮頸がんなど防ぐHPVワクチン 副反応疑い症例 15件報告(NHK)HPVワクチン「安全懸念なし」 厚労省専門部会、再開後初評価(毎日新聞)3.感染症法改正で、民間病院に対する自治体の指揮権を強化へ政府は、新型コロナウイルスの感染拡大時に、感染症指定医療機関だけでは感染者の受け入れをしきれず、病床確保に取り組んだものの適切な医療を維持できなかったことから、民間病院に対する自治体の指揮権を強化する感染症法改正案をまとめた。改正案では、公立・公的医療機関や大学病院に対して有事を想定した病床確保計画の策定を求め、自治体と協定の締結を行い、国や自治体の指示に従わない場合は医療機関名を公表できるようにする。岸田内閣は、内閣官房の新型コロナ感染症対策推進室と厚生労働省の対策推進本部などを統合した「健康危機管理庁」の創設を検討しており、国会へ法案の提出を目指し、今後の感染症対策に役立てたいとしている。(参考)病床確保、政府が医療機関へ指示権限 感染症法改正案、概要判明(毎日新聞)民間病院に直接指示 政府、新感染症に備え病床確保(日経新聞)感染症対策の司令塔、「健康危機管理庁」創設へ…厚労省と内閣官房の部署統合も検討(読売新聞)4.骨太方針2022を閣議決定、デジタル化で医療制度改革を加速へ/政府7日、岸田内閣は初の「経済財政運営と改革の基本方針」(通称:骨太の方針)をまとめた。この中で、経済社会活動の正常化に向けた感染症対策として、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた医療提供体制の強化とともに、感染状況や変異株の発生動向に細心の注意を払い段階的な見直しを行い、経済社会活動の正常化を目指す。また、医療DXを推進し、医療情報の基盤整備とともにG-MISやレセプトデータ等を活用し、病床確保や使用率、オンライン診療実績など医療体制の稼働状況の徹底的な「見える化」を進める。さらにワクチン接種証明書のデジタル化等により、入国時での効率的なワクチン接種履歴の確認など円滑な確認体制を進め、今後、医療のデジタル化推進にマイナンバーカードなどを活用することが盛り込まれている。政府はこれをもとに来年度の予算編成を行う方針だ。(参考)経済財政運営と改革の基本方針2022(内閣府)骨太方針2022を閣議決定、コロナ禍踏まえた医療提供体制改革、データヘルスの推進などの方向を明確化(Gem Med)骨太方針2022を閣議決定 「医療DX」は実行フェーズに 国民目線の医療・介護提供体制の改革へ(ミクスonline)5.医療保護入院の縮小は削除、虐待通報義務化も明記せず/厚労省厚労省は9日に「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」の報告書を取りまとめ、公表した。精神疾患を有する患者の数は増加傾向であり、2017年には約420万人となっている一方、自殺者数は2017年以降10年連続で減少していたが、2020年には増加に転じている。入院医療を必要最小限にするための予防的取り組みを充実させるとともに、精神障害者が強制入院(医療保護入院)となった場合、入院中に患者が同意できる状態になったら、「速やかに本人の意思を確認し、任意入院への移行や入院治療以外の精神科医療を行うことが必要である」とされる。当初案にあった医療保護入院の縮小方針は削除され、虐待通報義務化も明記されないなど、当事者や障害者団体からは「患者の権利が守られない」と批判の声が上がっている。(参考)「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」報告書について(厚労省)虐待通報義務化、明記せず 強制入院の縮小方針も削除 精神医療、厚労省検討会(共同通信)医療保護入院中の患者「意思確認し任意入院へ」厚労省が検討会報告書を公表(CB news)6.手術動画の外部提供と利活用、指針作りを/コンピュータ外科学会6月9~10日に東京で開かれた第31回日本コンピュータ外科学会大会において、手術動画の外部提供や利活用について討論がされた。今年、医療機器メーカーに白内障治療用眼内レンズの手術動画を提供した医師に、販売促進目的に現金提供がされたことが問題になったこともあり、手術動画の活用に当たって、ガイドラインの策定を求める声が上がった。(参考)“手術動画の活用 指針作り検討すべき” シンポジウムで意見(NHK)“手術動画”で医師に現金提供 業界団体がメーカーを調査(NHK)

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縫合時の手袋【一目でわかる診療ビフォーアフター】Q19

縫合時の手袋Q19症例自宅近くの夜間診療所で当直バイト中のこと。とくに既往、アレルギー歴のない28歳男性、受診3時間前に自宅でリンゴの皮剥きをしていた際に誤って左中指DIP腹側を切ってしまった。深さ3~4mm程度、長さ20mm程度で、明らかな神経障害や動脈性出血、腱損傷はなさそう。バイタルは安定しているが、止血をえられず、縫合処置が必要と判断される。外科医のいる二次救急病院に送るのも気が引ける…。初期研修ぶりだけど、自分で縫ってみるか。さて、看護師さんにどんな手袋を用意してもらうべきか?

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事例001 初診料電子的保健医療情報活用加算(診療情報などの取得が困難など)の算定漏れ【斬らレセプト シーズン3】

解説事例の診療所には、「マイナ受付」のステッカーが貼ってあり、マイナンバーカードの保険証利用に対応していました。まだまだマイナンバーカードを持参されていない患者が多数を占めています。点数改定対応の確認のために医療費請求書を拝見したところ、初診料に対して所定点数のみしか算定されていませんでした。2022年度の改定では、マイナンバーカード取扱い医療機関に「初診料 注14」の「電子的保健医療情報活用加算」が設定されました。複数の医療機関では、当初、この加算がマイナンバーカードの利用普及と逆行した報酬のように捉えられ、ただし書きにある「診療情報等の取得が困難な場合」の加算がマイナンバーカードを持参された方のみにかかると解釈されていました。この理由で、算定されていなかったものと推測されます。妊婦加算が廃止となったときと同じく普及に逆行する報酬との議論は根強く、今後の動向に注視が必要です。「初診料 注14」のただし書きでは、カードを持参されない患者、カードの持参はあるが診療情報などの提供に同意をされない患者、他の保険医療機関から診療情報の提供を受けた患者には、電子的保健医療情報活用加算「診療情報等の取得が困難等」として初診料の加算が算定できるとしています。令和6(2024)年3月末までの時限措置であって小さな点数ですが、漏らさないように算定されたいものです。なお、この規定は、再診料と外来診療料には設定されていません。算定時にはご留意ください。※「初診料電子的保健医療情報活用加算(診療情報などの取得が困難など)」は2022年9月30日に廃止となりました。

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ワクチン接種者のlong COVIDリスク

 ブレークスルー感染者においてもコロナ罹患後症状(いわゆる後遺症、long COVID)が発現するか、米国退役軍人のコホート研究で調査した結果、急性期以降の死亡やコロナ罹患後症状発現のリスクがあることが確認されたが、ワクチン未接種の感染者より発現リスクが低いことが示された。本結果は、Nature Medicine誌オンライン版2022年5月25日号に掲載されている。 本調査では、2021年1月1日~10月31日の期間での退役軍人保健局の利用者で、ブレークスルー感染(BTI)群(3万3,940例)と、コロナ既往歴のない同時期対照群(498万3,491例)ほか、ワクチン未接種の感染群(11万3,474例)や、季節性インフルエンザ入院群(1万4,337例)など複数のコホートを構成し、2つの尺度でリスクを比較検証した。1つは死亡もしくは特定の症状発現(肺、心血管、血液凝固、消化器、腎臓、精神、代謝、筋骨格など)の補正ハザード比(HR)、もう1つは、BTI群におけるSARS-CoV-2検査陽性後6ヵ月間の各アウトカムについて1,000例当たりの補正超過負荷(excess burden)を推定した。 BTI群は、ジョンソン・エンド・ジョンソン製ワクチン初回接種から14日以上、もしくはファイザー製またはモデルナ製ワクチン2回接種から14日以上経過し、コロナ検査陽性後30日間生存した人が対象となる。ワクチン接種完了者のうちBTIの割合は1,000例当たり10.60例(95%信頼区間[CI]:10.52~10.70)だった。 主な結果は以下のとおり。・BTI群は同時期対照群と比べて死亡リスクが上昇しており(HR:1.75、95%CI:1.59~1.93)、BTI後6ヵ月の患者1,000例当たりの超過負荷が13.36例(95%CI:11.36~15.55)増加することが示された。・BTI群は同時期対照群と比べて、コロナ罹患後症状と考えられる症状を1つ以上経験するリスクが上昇した(HR:1.50、95%CI:1.46~1.54)。超過負荷はBTI後6ヵ月の患者1,000例当たり122.22例(95%CI:115.31~129.24)増加。・BTI群は同時期対照群と比べて、罹患後症状のリスクが次のように上昇した。肺機能障害HR:2.48(95%CI:2.33~2.64)、超過負荷:39.82(95%CI:36.83~42.99)心血管障害HR:1.74(95%CI:1.66~1.83)、超過負荷:43.94(95%CI:39.72~48.35)血液凝固障害HR:2.43(95%CI:2.18~2.71)、超過負荷:13.66(95%CI:11.95~15.56)疲労HR:2.00(95%CI:1.82~2.21)、超過負荷:15.47(95%CI:13.21~17.96)消化器障害HR:1.63(95%CI:1.54~1.72)、超過負荷:37.68(95%CI:33.76~41.80)腎臓障害HR:1.62(95%CI:1.47~1.77)、超過負荷:16.12(95%CI:13.72~18.74)精神障害HR:1.46(95%CI:1.39~1.53)、超過負荷:45.85(95%CI:40.97~50.92)代謝障害HR:1.46(95%CI:1.37~1.56)、超過負荷:30.70(95%CI:26.65~35.00)筋骨格系障害HR:1.53(95%CI:1.42~1.64)、超過負荷:19.81(95%CI:16.56~23.31)神経系障害HR:1.69(95%CI:1.52~1.88)、超過負荷:11.60(95%CI:9.43~14.01)・BTI群において、コロナ急性期に入院していない人よりも、入院した人、さらにICUに入院した人のほうが、罹患後症状のリスクが有意に上昇していた。・BTI群はワクチン未接種の感染群と比べて、死亡リスクが低く(HR:0.66、95%CI:0.58~0.74)、超過負荷は-10.99(95%CI:-13.45~-8.22)であった。・BTI群はワクチン未接種の感染群と比べて、罹患後症状のリスクが低く(HR:0.85、95%CI:0.82~0.89)、超過負荷は-43.38(95%CI:-53.22~-33.31)であった。・BTI群はワクチン未接種の感染群と比べて、調査した47の罹患後症状のうち24のリスクを低下させた。・BTI群は季節性インフルエンザ入院群と比べて、死亡リスクが高く(HR:2.43、95%CI:2.02~2.93)、超過負荷は43.58(95%CI:31.21~58.26)であった。・BTI群は季節性インフルエンザ入院群と比べて、罹患後症状のリスクが高く(HR:1.27、95%CI:1.19~1.36)、超過負荷は87.59(95%CI:63.83~111.40)であった。 研究グループはこの結果に対して、ワクチン接種は感染後の死亡と罹患後症状のリスクを部分的にしか減少させることができないため、SARS-CoV-2感染による長期的な健康への影響のリスクを軽減させるためには、ワクチンだけではなく予防対策が必要であるとしている。

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内分泌療法+CDK4/6阻害薬で増悪したHR+乳がん、内分泌療法切り替え+ribociclibが有用(MAINTAIN)/ASCO2022

 転移を有するHR+/HER2-乳がんにおいて、CDK4/6阻害薬による治療で増悪した後、内分泌療法を別の薬剤に切り替えてribociclibを投与することにより、無増悪生存(PFS)に有意なベネフィットが得られたことが、無作為化試験で示された。米国・エモリー大学Winship Cancer InstituteのKevin Kalinsky氏が米国臨床腫瘍学会年次総会(2022 ASCO Annual Meeting)で発表した。 HR+/HER2-転移乳がんの標準療法であるCDK4/6阻害薬と内分泌療法との併用で増悪した患者において、内分泌療法を切り替えてCDK4/6阻害薬を継続する治療が有用である可能性が観察研究で示唆されているが、前向き無作為化試験は報告されていない。今回、多施設無作為化第II相試験であるMAINTAIN試験の結果が報告された。・対象: CDK4/6阻害薬+内分泌療法で増悪したHR+/HER2-転移乳がんの男性もしくは閉経後女性・試験群(ribociclib併用群):ribociclib+増悪前と異なる内分泌療法※60例・対照群(プラセボ群):プラセボ+増悪前と異なる内分泌療法※59例※アロマターゼ阻害薬を投与しフルベストラントを投与していなかった患者にはフルベストラント、フルベストラントを投与していた患者にはエキセメスタン・評価項目:[主要評価項目]PFS(無作為化から増悪または死亡までの期間)[副次評価項目]全奏効率、クリニカルベネフィット率、安全性、腫瘍および血液マーカー 主な結果は以下のとおり。・データカットオフ時点(2022年1月4日)での追跡期間中央値は18.2ヵ月だった。・評価可能例は119例で、プラセボ群の1例以外は女性、増悪前に投与されていたCDK4/6阻害薬は、パルボシクリブ103例(87%)、ribociclib 14例(12%)、アベマシクリブ2例(2%)だった。・PFS中央値は、ribociclib併用群が5.29ヵ月(95%CI:3.02~8.12)で、プラセボ群2.76ヵ月(95%CI:2.66~3.25)に対して有意に延長した(HR:0.57、95%CI:0.39~0.95、p=0.006)。・PFS率は、6ヵ月時点でribociclib併用群41.2%、プラセボ群23.9%、12ヵ月時点でribociclib併用群24.6%、プラセボ群7.4%だった。・内分泌療法別のPFS中央値は、フルベストラント投与患者(99例)ではribociclib併用群が5.29ヵ月とプラセボ群2.76ヵ月に対して有意に改善した(HR:0.60、95%CI:0.39~0.94)。エキセメスタン投与患者(20例)では、ribociclib併用群5.36ヵ月、プラセボ群3.06ヵ月(HR:0.41、95%CI:0.14~1.24)だった。・全奏効率は、ribociclib併用群20%、プラセボ群11%(p=0.51)、クリニカルベネフィット率はribociclib併用群43%、プラセボ群25%(p=0.06)だった。・ribociclib併用群におけるGrade3以上の主な治療関連有害事象は好中球減少症(40%)で、管理可能な安全性プロファイルを示した。 最後にKalinsky氏は、探索的解析として、フルベストラント投与患者ではESR1野生型のみにribociclib併用群のPFSベネフィットがみられたという結果を提示したが、「ESR1変異型の症例が少なく、またCCND1およびFGFR1の増幅を示す患者の割合が高く、これらのデータは仮説を生み出すものだ」と述べた。

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NSCLC1次治療のNIVO+ IPI、5年生存は24%(CheckMate 227)/ASCO2022

 進行非小細胞肺がん(NSCLC)に対する1次治療としてのニボルマブとイピリムマブ(NIVO+IPI)の併用療法は、PD-L1の発現状態を問わず、化学療法と比較して長期的な生存効果を示すことがCheckMate 227試験の5年間追跡結果から示された。この結果は米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2022)において、米国・Johns Hopkins Kimmel Cancer CenterのJulie R. Brahmer氏が発表した。CheckMate 227試験の5年追跡結果でNIVO+IPI群でのOS改善が継続 CheckMate 227試験の主な5年間追跡結果は以下のとおり。・最小フォローアップは61.3ヵ月であった(データカットオフ2022年2月15日)。・PD-L1≧1%は1189例、PD-L1

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入院うつ病患者の自殺リスクに対する不眠症の影響

 不眠症は、うつ病に関連する重要な症状であり、自殺のリスク因子の1つであるといわれている。いくつかの研究によると、うつ病患者では不眠症と自殺行動との関連が示唆されているが、入院患者の大規模サンプルによる評価は十分に行われていなかった。米国・ハーバード大学医学大学院のZeeshan Mansuri氏らは、入院うつ病患者を対象に不眠症の有無による自殺リスクの評価を行った。その結果、うつ病患者の不眠症は自殺リスクと有意に関連することが示唆されたことから、不眠症を合併しているうつ病患者では、自殺行動をより注意深くモニタリングする必要があると報告した。Behavioral Sciences誌2022年4月19日号の報告。 ICD-9のコードを用いたNational Inpatient Sample(NIS 2006-2015)データベースより、1次診断時うつ病と診断され、不眠症状を併発していた患者(MDD+I群)のデータを収集した。比較対照を行うため、MDD+I群と1対2でマッチさせた不眠症のないうつ病患者を対照群として設定した。両群間の自殺念慮および自殺企図に関するデータを比較するため、多変量ロジスティック回帰分析を行った。 主な結果は以下のとおり。・分析には、MDD+I群13万9,061例と対照群27万6,496例が含まれた。・MDD+I群は、対照群と比較し、より高齢であった(47歳 vs.45歳、p<0.001)。・自殺念慮および自殺企図の割合は、MDD+I群で56.0%、対照群で42.0%であった(p<0.001)。・年齢、性別、人種、境界性パーソナリティ障害、不安症、物質使用障害で調整した後、不眠症は、入院うつ病患者における自殺行動の1.71倍増加と関連することが認められた(オッズ比:1.71、95%CI:1.60~1.82、p<0.001)。

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リサンキズマブ、クローン病の寛解維持療法に有効/Lancet

 インターロイキン(IL)-23のp19サブユニットを標的とするヒト化モノクローナル抗体リサンキズマブの静脈内投与による寛解導入療法で臨床的奏効が得られた中等症~重症の活動期クローン病患者の寛解維持療法において、リサンキズマブ皮下投与はプラセボ(休薬)と比較して、52週の時点での臨床的寛解率および内視鏡的改善率が高く、忍容性も良好で、有害事象の頻度には差がないことが、ベルギー・ルーヴェン大学病院のMarc Ferrante氏らが実施した「FORTIFY substudy 1(SS1)試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌2022年5月28日号に掲載された。世界44ヵ国の無作為化プラセボ対照第III相試験 FORTIFY SS1は、活動期クローン病の寛解維持療法における、リサンキズマブ皮下投与の有効性と安全性の評価を目的とする二重盲検無作為化プラセボ(休薬)対照第III相試験であり、2018年4月~2020年4月の期間に、日本を含む44ヵ国273施設で参加者の登録が行われた(AbbVieの助成を受けた)。 対象は、リサンキズマブ静脈内投与による2つの寛解導入試験(ADVANCE試験、MOTIVATE試験)の参加者のうち、12週時に臨床的奏効が得られた患者とされた。2つの寛解導入試験の参加者は、年齢16~80歳で、中等症~重症の活動期クローン病(クローン病活動指数[CDAI]:220~450、平均1日排便回数4回以上または腹痛スコア2以上、簡易版クローン病内視鏡スコア[SES-CD]6以上[孤立性回腸病変の場合は4以上])の患者であった。 被験者は、寛解維持療法として、リサンキズマブ180mg(90mg製剤×2回とプラセボ×2回)、同360mg(90mg製剤×4回)、導入療法のリサンキズマブを休薬してプラセボ(休薬群、プラセボ×4回)をそれぞれ皮下投与する群に、1対1対1の割合で無作為に割り付けられ、8週ごと(0、8、16、24、32、40、48週目)の投与が行われた。患者、担当医、試験関係者には、治療割り付け情報が知らされなかった。 主要複合エンドポイントは、52週の維持療法期間に少なくとも1回の投与を受けた患者における臨床的寛解(米国のプロトコルではCDAIが150未満、米国以外のプロトコルでは水様便または超軟便の平均1日排便回数が2.8回以下で、ベースラインより悪化せず、1日の平均腹痛スコアが1以下で、導入療法のベースラインより悪化しない場合)および内視鏡的改善(SES-CDがベースラインに比べ50%超減少[孤立性回腸病変でベースラインのSES-CDが4の患者ではベースラインから2以上減少]した場合)とされた。幅広い患者の新たな治療選択肢となる可能性 2つの寛解導入試験の参加者のうち542例がFORTIFY SS1試験に登録され、有効性の主解析には462例(intention-to-treat集団)が含まれた。リサンキズマブ180mg群が157例(平均[SD]年齢39.1[14.8]歳、女性57%)、同360mg群が141例(37.0[12.8]歳、43%)、休薬群は164例(38.0[13.0]歳、46%)だった。 CDAIに基づく臨床的寛解率(米国)は、リサンキズマブ360mg群が52%(74/141例)と、休薬群の41%(67/164例)に比べ有意に高かった(補正後群間差:15%、95%信頼区間[CI]:5~24、p=0.0054)。排便回数と腹痛スコアに基づく臨床的寛解(米国以外)の割合は、それぞれ52%(73/141例)および40%(65/164例)であり、リサンキズマブ360mg群で有意に優れた(補正後群間差:15%、95%CI:5~25、p=0.0037)。また、内視鏡的改善(米国および米国以外)の割合は、それぞれ47%(66/141例)および22%(36/164例)であり、リサンキズマブ360mg群で有意に良好だった(補正後群間差:28%、95%CI:19~37、p<0.0001)。 一方、リサンキズマブ180mg群と休薬群の比較では、排便回数と腹痛スコアに基づく臨床的寛解率(p=0.124)には差がなかったが、CDAIに基づく臨床的寛解率(55%[87/157例]vs.41%[67/164例]、補正後群間差:15%、95%CI:5~24、p=0.0031)および内視鏡的改善率(47%[74/157例]vs.22%[36/164例]、26%、17~35、p<0.0001)は、リサンキズマブ180mg群で有意に優れた。 より厳格な内視鏡的エンドポイントや複合エンドポイント、炎症性生物マーカーの結果には、リサンキズマブの用量反応関係が認められた。また、2つの用量はいずれも全般に良好な忍容性を示した。 有害事象の頻度は3つの群で同程度(リサンキズマブ180mg群72%、同360mg群72%、休薬群73%)で、重篤な有害事象(12%、13%、13%)や試験薬中止の原因となった有害事象(2%、3%、3%)の発現率もほぼ同じだった。3群で最も頻度の高い有害事象は、クローン病の悪化(11%、12%、17%)、鼻咽頭炎(9%、9%、14%)、関節痛(8%、9%、11%)、頭痛(5%、6%、6%)であった。重篤な感染症は、それぞれ3%、4%、4%で認められた。 著者は、「リサンキズマブ皮下投与による寛解維持療法は、疾患の経過に変化をもたらす可能性のあるエンドポイントを達成し、他の先進的な治療で不耐または効果が不十分であった患者でも有効性が観察されており、今後、幅広い患者にとって新たな治療選択肢となるだろう」としている。

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肥満者への行動的体重管理介入で体重とウエスト減/BMJ

 プライマリケアにおける成人肥満者への行動的体重管理介入は、減量に有効で、ウエスト周囲長にも有意な減少効果が認められ、一般人への導入の可能性もあることが、英国・ラフバラー大学のClaire D. Madigan氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2022年5月30日号で報告された。1年の体重変化をメタ解析で評価 研究グループは、プライマリケアにおける成人肥満者への行動的体重管理介入(減量を目的とする行動的介入)の有効性の評価を目的に、無作為化対照比較試験の系統的レビューとメタ解析を行った(英国国立健康研究所[NIHR]レスター生物医学研究センターの助成を受けた)。 対象は、プライマリケアにおいて、年齢18歳以上でBMI≧25の集団への行動的体重管理介入を、無治療(通常ケアなど)や、同様の形式で強度だが内容の領域は異なる介入(他の行動に着目)、最小限の介入(印刷物などで通知)と比較し、12ヵ月以上の追跡期間で体重の変化を評価した無作為化対照比較試験とされた。 既報の系統的レビューに含まれた試験から本研究の適格基準に適合するものが選出され、加えて2018年1月1日~2021年8月19日の期間に医学・心理学文献データベース(Cochrane Central Register of Controlled Trials、Medline、PubMed、PsychINFO)に登録された論文が新たに検索された。 2人の研究者により、別個に適格基準を満たす研究が特定され、データが抽出され、Cochrane risk of bias toolを用いてバイアスリスクの評価が行われた。メタ解析では変量効果モデルを用いて各試験のデータが統合され、体重(kg)およびウエスト周囲長(cm)の変化の平均差が算出された。 主要アウトカムはベースラインから12ヵ月の時点までの体重の変化で、副次アウトカムはベースラインから24ヵ月以上または最終追跡時までの体重の変化とされた。ウエスト周囲長の変化は、12ヵ月時に評価を行った試験のデータが使用された。介入群は3.7kg減量、ウエストが3.7cm減少 既報の2つのレビューに含まれた論文のうち22編と、新たに14編の論文が適格基準を満たし、合計36編(34試験、日本の1試験を含む)が解析の対象となった。女性限定の試験が4件あり、全体の65.9%が女性であった。ベースラインの平均BMIは35.2(SD 4.2)で、平均年齢は48(9.7)歳だった。追跡期間の範囲は12ヵ月~3年(中央値12ヵ月)。 34試験のうち27試験(参加者8,000例)が、追跡期間12ヵ月の時点で主要アウトカムであるベースラインからの体重の変化を報告し、13試験(5,011例)が追跡期間24ヵ月以上の時点での体重の変化を報告していた。12ヵ月時のウエスト周囲長の変化を報告していたのは18試験(5,288例)だった。 12ヵ月の時点での介入群と対照群の体重変化の平均差は-2.3kg(95%信頼区間[CI]:-3.0~-1.6、I2=88%、τ2=3.38、p<0.001)であり、対照群に比べ介入群で良好な体重減少が得られた。ベースラインからの平均体重変化は介入群が-3.7(SD 6.1)kg、対照群は-1.4(5.5)kgだった。 追跡期間24ヵ月以上の時点での体重変化の平均差は-1.8kg(95%CI:-2.8~-0.8、I2=88%、τ2=3.13、p<0.001)であり、介入群で有意に体重が減少していた。また、最終追跡時の体重変化の平均差は-1.9kg(-2.5~-1.3、I2=81%、τ2=2.15、p<0.001)で、ベースラインからの平均体重変化は介入群が-3.2(SD 6.4)kg、対照群は-1.2(6.0)kgであった。追跡期間24ヵ月以上と最終追跡時の体重変化のデータには差がなかった。 一方、ウエスト周囲長の平均差は、12ヵ月の時点で-2.5cm(95%CI:-3.2~-1.8、I2=69%、τ2=1.73、p<0.001)であり、介入群で減少効果が優れた。ベースラインからの周囲長の平均変化は介入群が-3.7(SD 7.8)cm、対照群は-1.3(7.3)cmであった。 著者は、「プライマリケアで行われる体重管理介入は有効であり、体重管理の支援対策の一環として一般人にも提供すべきと考えられる」とし、「今後、減量に、より効果的な介入法を特定するための研究が必要である」と指摘している。

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アストラゼネカ、新型コロナの新規抗体カクテル療法を国内承認申請

 アストラゼネカは6月9日付のプレスリリースで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症抑制および治療を適応として、長時間作用型抗体の併用療法AZD7442の製造販売承認(特例承認)を厚生労働省に申請したことを発表した。AZD7442(海外での商品名:Evusheld)は、現在までにEUでの販売承認、英国医薬品医療製品規制庁の条件付き販売承認、米国食品医薬品局の緊急使用許可を取得している。 AZD7442は、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染し回復した患者により提供されたB細胞に由来する、2種類の長時間作用型抗体であるtixagevimabとcilgavimabの併用療法だ。それぞれがSARS-CoV-2のスパイク蛋白に特異的に結合し、ウイルスのヒト細胞への侵入を阻止する。AZD7442を筋注で1回投与後、少なくとも6ヵ月間ウイルスからの保護が持続するという。 AZD7442のCOVID-19曝露前予防について、第III相試験PROVENTほか、The Lancet Respiratory Medicine誌オンライン版2022年6月7日付1)に掲載された第III相試験TACKLEなど、複数の臨床試験でプラセボ群と比較してCOVID-19の発症リスクが統計学的に有意に減少することが示されている。 第III相試験TACKLEは、2021年1月28日~7月22日に、米国、中南米、欧州、日本の95施設にて、910人が参加した無作為化二重盲検プラセボ対照試験。COVID-19発症から7日以内の軽症から中等症Iの入院していない18歳以上の成人を対象とした。そのうち併存疾患や年齢により重症化のリスクが高い患者が90%だった。被験者をAZD7442群(456例)とプラセボ群(454例)に分け、AZD7442群にAZD7442600mg筋注投与し、29日後までの重症化または死亡の相対リスクを調査した。 主な結果は以下のとおり。・AZD7442群はプラセボ群と比較して、重症化または死亡の相対リスクが50.5%(95%信頼区間[CI]:14.6~71.3)減少した。さらに、発症から3日以内に治療を受けた患者では88.0%(95%CI:9.4~98.4)、発症から5日以内に治療を受けた患者では66.9%(95%CI:31.1~84.1)減少した。・呼吸不全リスクが71.9%(95%CI:0.3~92.1)減少し、人工呼吸やECMOなどを必要とした患者は、プラセボ群11人(2.6%)に対して、AZD7442群3人(0.7%)だった。・有害事象は、AZD7442群が29%(うち重篤例7%)に対しプラセボ群は36%(うち重篤例12%)だった。最も多かったのはCOVID-19肺炎で、AZD7442群26例(6%)、プラセボ群49例(11%)に発生した。COVID-19による死亡は、AZD7442群3例、プラセボ群6例だった。 このほか、複数の独立したin vitroおよびin vivo試験により、オミクロン株に対する効果の検討も進められている。米国ワシントン大学医学部の研究結果によると、オミクロン株BA.2に対しても中和活性を保持しており、同研究ではin vivoにて、AZD7442がオミクロン株のウイルス負荷を軽減し、肺の炎症を抑制することが示された。さらに、英国オックスフォード大学が実施した非臨床試験では、オミクロン株の新たな亜種であるBA.4およびBA.5に対しても、中和活性を保持していることが確認されているという。

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mRNAコロナワクチンにギラン・バレー症候群の注意喚起/使用上の注意改訂指示

 厚生労働省は6月10日、新型コロナウイルスに対するmRNAワクチン「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)」(商品名:コミナティ筋注、コミナティ筋注5~11歳用、スパイクバックス筋注)について、使用上の注意の「重要な基本的注意」の項にギラン・バレー症候群に関して追記するよう改訂指示を発出した。ギラン・バレー症候群がコロナワクチン接種後に報告されている 今回の改訂指示は、第80回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和4年度第5回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会(合同開催)(2022年6月10日開催)における審議結果などを踏まえたもので、「重要な基本的注意」に以下を追加するよう指示がなされた。「コロナウイルス修飾ウリジンRNAワクチン(SARS-CoV-2)接種後に、ギラン・バレー症候群が報告されている。被接種者又はその保護者に対しては、ギラン・バレー症候群が疑われる症状(四肢遠位から始まる弛緩性麻痺、腱反射の減弱ないし消失等)が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。」

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第112回 「あなたの体温は23℃です」-こんな感染対策はもういらない!?

先日、ある一般の方から「結局、コロナ対策のマスクって自宅以外はどんな時に外して良いんですかね?」と尋ねられた。「いや、それはもうテレビで言っている通りなんですけど」と言いたかったが、尋ねてきた人はとにかく真剣そのものだったので、「たとえば、近所を散歩する時とかごみを捨てに行く程度、夜間に外を歩いていて周囲にほとんど人がいない時とかは、そもそも感染リスクが少ないシーンなので外していてもとくに問題はないと思います。周囲にたくさん人がいるか、他人と話す機会があるかどうかが基準になると思います」と答えた。すると、「人と話すつもりもその予定もなく外出している際に、偶然誰かと話す機会はありますよね?」と。いや、それを言い出しているとキリがないのだが。仕方なく、「その時はサッとマスクをつければ良いと思います」と返したが、「それだと相手は気分を悪くしないですかね?」とのこと。「『すみませんね。念のための感染対策ですから』とお伝えすれば、このご時世、理解してくれると思いますよ」と答え、なんとかようやく理解してもらうことができた。コロナの流行が始まった直後、政府の新型コロナウイルス感染症専門家会議の提言により作成された「新型コロナウイルスを想定した『新しい生活様式』の実践例」が公表されたことを記憶している人もいるだろう。当時、作成に関わったある関係者に「こんなことを言っては何ですが、あれって大きなお世話ですよね」と伝えたところ、「いや、私たちだってあそこまで細かなものを提言する気はなかったんですよ。ただ、お役所の事務方から『具体的に示してほしい』と言われたから、あそこまで書いただけで」と聞かされ、お気の毒様と思ったものだ。今現在、街中を見ていると、とにかく無駄だなと思う感染対策は多い。私がとくに思うのが非接触式体温計だ。そもそも新型コロナウイルス感染症(以下、新型コロナ)はご存じのように感染者の3~4割は無症状である。しかも、新型コロナではなくとも体温が37℃前後の人は少なくない。38℃超となったらもはや出歩けない人も相当数に上るはずである。加えて非接触式体温計は1~2℃の誤差は避けられない。昼食のために入った飲食店で非接触式体温計を当てられ、店員が「あれ?あれ?」と言いながら何度も測定を繰り返されたことは一度や二度ではない。ある時にその体温計のデジタル表示を覗いたところ「34.1℃」と表示されていて、やっぱり不正確なのだと実感したものである。しかし、何よりも一番驚いたのは首都圏のある地方都市のホテルでの出来事だ。エレベーター前に顔面を映すことで体温を測定する非接触式体温測定器が設置してあったのだが、その前を通り過ぎた際に機械音声で「あなたの体温は23℃です」とのメッセージが流れ、測定器に向かって思わず「私、生きてますんで」と言ってしまったことがある。また、スーパーのレジを担当する店員が常に手袋をつけているのも、正直いまだに慣れない。レジ担当者本人の感染対策という意味では多少意味はあるかもしれないが、あれをつけっぱなしの状態で接客されれば、新型コロナは別にして何らかの病原体で汚染されたものを、さらにパスしてしまう可能性はある。現在はスーパーやコンビニエンスストアに入店している客のほとんどがマスクをしていることが前提になっている以上、レジ前の床にあるソーシャルディスタンス用の印も意味はないだろう。実際にも有名無実化している。一方、コロナ禍を機に始まった対策の中で、私個人は限定的ではあれ残したほうが良いと思う対策もある。それはアルコール消毒だ。これについては賛否が分かれるが、私は飲食店に限って言えば継続しても良いのではないかと思っている。そもそも感染症対策は新型コロナが登場する以前から本来は必要なものであったはずだし、接触感染する感染症が少なくない中で、感染対策として手指衛生は基本中の基本である。その意味で飲食は飛沫感染だけでなく接触感染の危険性が高いシーンである。アルコール消毒に消極的な専門家の中には頻用による手荒れや最も基本中の基本の手指衛生手段である手洗いの軽視を危惧する声があるのは承知している。しかし、食事前の手洗いは基本とはいえ飲食店入店後にわざわざ洗面所に行くのは多くの人にとってかなりおっくうである。これを回避するなら飲食店入口に洗面所を設置するのが究極の対策になるが、店舗の構造変化を伴う以上、そう簡単ではない。とりわけコロナ禍で経済的に大きなダメージを食らった飲食業界にさらなる投資を強いるのは酷とさえいえる。また、アルコール消毒の機会が飲食店入店時だけならば過剰使用による手荒れは最小限に抑えられるとも言える。もちろんアルコール消毒も設置だけでは有名無実化する恐れはあるが、コロナ禍で多少なりともアルコール消毒が一般人にとって習慣化してしまったことを考えれば、入口にアルコール消毒を設置しているだけで、スルーする人もいる反面、しっかり消毒をする人もいるだろう。ないよりははるかにましと言える。今後の感染状況の収束次第でアクリル板やテーブルの過度な消毒はなくしてもかまわないとは思うが、こうした点から手指のアルコール消毒は社会全体での広い意味での感染対策として残してもいいのではないかと思っている。まあ、それにしてもいまだ街中が律儀にマスクを着用した人であふれる日本の状況を考えれば、こうした感染対策は「ポストコロナ時代の新しい感染対策」として要不要の実際も含めて公的に提示することが必要になるのかもしれないが。

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