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ニボルマブ+化学療法による肺がん術前後補助療法が生存改善(NADIM II) /WCLC2022

 ニボルマブ+化学療法による非小細胞肺がん(NSCLC)の術前後補助療法の第II相試験NADIM IIの成績が世界肺学会(WCLC2022)で発表された。スペイン・University Hospital Puerta de Hierro-MajadahondaのProvencio氏から発表された結果は無病生存期間(PFS)、全生存期間(OS)とも良好であった。・対象:切除可能なStage IIIA~III B (AJCC 第8版) NSCLC(EGFR/ALK変異なし)・試験群:ニボルマブ(360mg)+パクリタキセル(200mg/m2)+カルボプラチン(AUC5)3週ごと3サイクル→手術→ニボルマブ(480mg)4週ごと6ヵ月・対照群:パクリタキセル(200mg/m2)+カルボプラチン(AUC5)→手術→観察12週・評価項目:[主要評価項目]ITT集団における病理学的完全奏効(pCR)[副次評価項目]主要な病理学的奏効(MPR)、OS、PFS、バイオマーカーなど 主な結果は以下のとおり。・追跡期間の中央値は 26.1ヵ月であった。・根治的手術を受けた患者はニボルマブ+化学療法群は93%、化学療法群は69.0%であった(OR:5.96、95%CI:1.65〜21.56、p=0.00807)。・追跡期間中央値26.1ヵ月のPFS中央値はニボルマブ+化学療法群は未到達、化学療法群は18.3ヵ月であった(HR:0.48、95%CI:0.25〜0.91、p=0.025)。12ヵ月PFSはそれぞれ89.3%と60.7%、24ヵ月PFSはそれぞれ66.6%と42.3%であった。・OS中央値はニボルマブ+化学療法群、化学療法群とも未到達(HR:0.40、95%CI:0.17〜0.93、p=0.034)、12ヵ月OSはそれぞれ98.2%と60.7%、24ヵ月OSはそれぞれ84.7%と63.4%であった。・ニボルマブ+化学療法群の安全性と忍容性は維持されていた。 NADIM II試験は切除可能なStage IIIA~IIIB NCSLCに対する免疫治療薬ベースの術前補助療法によるOS改善を示した最初の臨床試験であるとProvencio氏は結んだ。

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BA.2.75の免疫回避能、BA.5より低い?/Lancet Microbe

 2021年11月に新型コロナウイルス亜種のオミクロン株が出現後、BA.1、BA.2、BA.2.12.1、BA.2.75(別名:ケンタウロス)、BA.4、BA.5などが世界中で流行している。BA.2.75は2022年6月にインドと日本で確認された新しい変異株で、そのスパイクタンパク質にはBA.2にはない9つの変異がある。今回、シンガポール・Duke-NUS Medical SchoolのChee-Wah Tan氏らが、ヒト血清でBA.5とBA.2.75の免疫回避の程度を調べたところ、BA.2.75とBA.5はワクチン接種やBA.1/BA.2への感染で誘導された免疫を回避すること、BA.2.75の免疫回避能はBA.5より低いことが示唆された。Lancet Microbe誌オンライン版2022年8月10日号に掲載。 本研究では、以下の血清パネルを用いて、武漢株、BA.1、BA.2、BA.2.75、BA.5の免疫回避の程度をシュードウイルスに対する50%中和抗体価(pVNT50s)の幾何平均で比較した。- ファイザー製ワクチン(BNT162b2)2回接種(n=20)- ファイザー製ワクチン3回接種(n=19)- ファイザー製ワクチン2回接種後モデルナ製ワクチン(mRNA-1273)1回接種(n=20)- ファイザー製ワクチン2回接種後オミクロン株に感染(n=19)- ファイザー製ワクチン3回接種後オミクロン株に感染(n=9)- ワクチン未接種でBA.1に感染(n=11)- ワクチン未接種でBA.2に感染(n=8) 主な結果は以下のとおり。・ファイザー製ワクチン2回接種者では、武漢株に対するpVNT50sの幾何平均に比べて、BA.2.75、BA.5を含むオミクロン株全般に対しては低く、26~35分の1だった。・ワクチン3回接種者(3回目にモデルナ製ワクチンを接種した人を含む)、ワクチン2回または3回接種後にオミクロン株に感染した人では、各オミクロン株に対する中和抗体価はワクチン2回接種者より改善したものの、武漢株に対する抗体価より低く、BA.5に対する抗体価が最も低かった。BA.2に対するpVNT50sの幾何平均と比べると、BA.2.75に対しては1.1~1.4分の1、BA.5に対しては2.2~3.8分の1と低かった。・ワクチン未接種でBA.1もしくはBA.2に感染した人は、武漢株、BA.2.75、BA.5に対する中和抗体価が低かった。・BA.1感染者において、BA.1に対するpVNT50の幾何平均と比べると、BA.2.75に対しては10分の1、BA.5に対しては28分の1と低かった。・BA.2感染者において、BA.2に対するpVNT50の幾何平均と比べると、BA.2.75に対しては5分の1、BA.5に対しては7分の1と低かった。 Tan氏らは「重要なのは、BA.2.75がBA.5より後に出現し多くの変異があるにもかかわらず、BA.5より免疫回避能が低いことだ」としている。

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脳卒中、55歳未満の発症増大/JAMA

 脳卒中罹患者が、55歳未満で有意に増大している一方、55歳以上では減少している。英国・オックスフォード大学のLinxin Li氏らが、イングランド・オックスフォードシャー州の住民について2002~10年vs.2010~18年の脳卒中罹患率を比較した検討の結果を報告した。他の主要血管イベントには同様の違いはみられず、著者は「脳卒中について示されたこの差の原因を明らかにする、さらなる検討が必要である」と述べている。先行研究で55歳未満の脳卒中罹患率が上昇していることが報告されていたが、多くが対象を限定した試験で、住民ベースのより多くの試験によるエビデンスが求められていた。JAMA誌2022年8月9日号掲載の報告。英国住民9万4,567人の罹患率、2002~10年vs.2010~18年を比較 研究グループは、若年者vs.高齢者の脳卒中およびその他の主要血管イベント罹患率の、経時的変化を明らかにする前向き住民ベース試験を、2002年4月~2018年3月にイングランド・オックスフォードシャー州の平均流域住民9万4,567人を対象に行った。 暦時間、発症前の血管リスク因子、職業を調べ、脳卒中、一過性脳虚血発作(TIA)、その他の主要血管イベント(心筋梗塞、心臓突然死、末梢血管イベント)の罹患率の変化を、年齢、性別、精密検査による診断、病因、重症度で層別化し評価した。IRRは55歳未満1.67、55歳以上0.85 合計2,429例(平均年齢73.6[SD 14.4]歳、女性51.3%)の脳卒中が確認された。 2002~10年から2010~18年に、脳卒中罹患率は、55歳未満の被験者では有意に上昇していた(罹患率比[IRR]:1.67、95%信頼区間[CI]:1.31~2.14)一方、55歳以上の被験者では有意に低下していた(IRR:0.85、95%CI:0.78~0.92、群間差のp<0.001)。 55歳未満群の罹患率の有意な上昇は、年齢、脳卒中重症度、病理学的サブタイプ、調査の変更とは関係していなかった。同様の発生の傾向はTIAについても認められたが(IRR:1.87、95%CI:1.36~2.57)、心筋梗塞やその他の主要血管イベントでは認められなかった(IRR:0.73、95%CI:0.58~0.93)。 55歳未満群のTIAおよび脳卒中の罹患には、糖尿病(リスク比[RR]:3.47、95%CI:2.54~4.74)、高血圧症(2.52、2.04~3.12)、現在喫煙(2.38、1.92~2.94)、肥満(1.36、1.07~1.72)と有意に関連していた。2002~10年から2010~18年にかけての罹患率の有意な上昇は、これらリスク因子のない被験者にも認められた。 上昇が最も大きかったのは、専門職/管理職(IRR:2.52、95%CI:1.75~3.62)であり、最も小さかったのは、部分的に熟練を要する/熟練を要しない職種(1.17、0.79~1.74)であった。 既知の血管リスク因子を有していない55歳未満群のTIAおよび脳卒中罹患率は、時間の経過とともに顕著に上昇していた(45例[30.4%]vs.115例[42.4%]、絶対群間差:12.0%、95%CI:2.6~21.5)。とくに、潜在性イベント(cryptogenic events)を有する患者で有意に増大していた(10例[18.5%]vs.63例[49.2%]、絶対群間差:30.7%、95%CI:17.2~44.2、p<0.001、異質性のp=0.002)。

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腎結石、6mm以下も除去で再発抑制に有効か/NEJM

 尿管または対側腎の結石除去術中に、残された小さく無症状の腎結石も除去することは、除去しない場合よりも再発低下に結び付くことが、米国・ワシントン大学のMathew D. Sorensen氏らによる多施設共同無作為化試験で示された。手術に関連した救急外来受診数は同程度であった。小さな(6mm以下)無症状の腎結石を内視鏡下で除去するベネフィットは不明だが、現行ガイドラインでは、除去の決定は泌尿器科医と患者の判断に委ねられている。先行研究では、古い非内視鏡的手技による前向き試験1件といくつかの後ろ向き試験は経過観察を支持しているが、大きな結石を除去しても残っている小さな腎結石のうち約半分が、術後5年以内に新たな症候性イベントを引き起こすとのデータも公表されていた。NEJM誌2022年8月11日号掲載の報告。除去するvs.除去しない場合の再発を、多施設共同無作為化試験で評価 研究グループは多施設共同無作為化試験で、尿管または対側腎の結石の内視鏡的除去術中に、残っている小さな無症状の結石を除去した場合(治療群)と除去しない場合(対照群)の比較を行った。治療群には38例(年齢中央値64[IQR:54~69]歳、男性84%、BMI中央値29.6、2次結石:部位が対側例90%、サイズ中央値3mm、数の中央値1個)、対照群には35例(60[49~67]歳、74%、30.7、91%、4mm、1個)の患者が割り付けられた。 主要評価項目は再発で、救急外来受診、手術または2次結石の増大で評価した。再発リスク、治療群が対照群より82%低下 追跡期間中央値4.2年時点で、再発までの期間は治療群が対照群より有意に長かった(log-rank検定によるp<0.001)。再発までの制限付き平均(±SE)期間は、治療群(1,631.6±72.8日)が対照群(934.2±121.8日)より75%長かった。 再発リスクは、治療群が対照群より82%低く(ハザード比[HR]:0.18、95%信頼区間[CI]:0.07~0.44)、再発患者の発生割合は治療群16%に対し、対照群は63%であった。 手術時間は、治療群で中央値25.6分(IQR:18.5~35.2)長かった。術後2週間以内の救急外来受診は、治療群5例、対照群4例であった。なお、排石は治療群8例、対照群10例で報告された。

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DSWPD(睡眠覚醒相後退障害)に対する超少量ラメルテオンの有用性

 睡眠覚醒相後退障害(DSWPD)は、概日リズム睡眠覚醒障害の1つであり、「朝起きられない病気」として知られている。DSWPD患者は、夜の早い時間に眠ることができず、朝起きられない、または起きたとしても強い心身の不調を来すことにより、社会生活に重大な問題を抱えていることが少なくない。DSWPDの薬物療法ではメラトニンが主な治療オプションとなりうるが、日本では市販薬として販売されておらず、多くの国ではメラトニンの市販薬には品質にばらつきがあることが問題となっている。メラトニン受容体アゴニストであるラメルテオンは、潜在的な治療オプションになりうる可能性があるが、DSWPD患者に使用した報告はほとんどない。これまでの薬理学的および時間生物学的研究では、夕刻の超少量ラメルテオン投与がDSWPDに有益であることが示唆されている。東京医科大学の志村 哲祥氏らは、DSWPD患者に対する夕刻の超少量ラメルテオン投与について、薬理学的レビューおよび検討を行うとともに臨床経験を紹介した。Journal of Clinical Sleep Medicine誌オンライン版2022年8月5日号の報告。DSWPD患者に対する超少量ラメルテオン投与で起床時の睡眠酩酊が消失 対象は、診断後に睡眠衛生指導を行ったが症状が改善せず、再診したDSWPD患者23例(平均年齢:23.5歳、男性:15例、女性:8例)。そのうち18例にラメルテオンの通常用量(8mg)による治療歴があった。対象患者には、夕刻(平均:18時10分)に超少量のラメルテオン(平均:0.571mg、1/7~1/50錠)を投与した。 DSWPD患者に対する夕刻の超少量ラメルテオン投与を評価した主な結果は以下のとおり。・治療前には、すべてのDSWPD患者において、朝の覚醒困難による学校や職場への遅刻および欠勤があった。・治療後、著効(学校や職場への遅刻が消失)と判断された患者は60.9%であった。・部分奏効は26.1%、改善がみられない無効は13.0%であった。・治療前には、69.6%のDSWPD患者で起床時の睡眠酩酊が認められたが、治療後ほとんどの患者で消失した(87.5%)。・DSWPD患者の不眠症状に対してラメルテオンを投与する際には、患者の就寝時間のばらつきなどを考慮し、服用のタイミングを夕刻の具体的な時間に設定することが重要である。

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初期のパーキンソン病に抗体療法は無効(解説:内山真一郎氏)

 パーキンソン病はアルツハイマー病に次いで2番目に多い神経変性疾患であり、先進国では60歳以上の約1%に存在する。ドーパミン補充療法は症状の改善に有効であるが、病気の進行を防ぐことはできず、時間が経つとLドーパ抵抗性が出現することから、疾患修飾療法の登場が期待されている。パーキンソン病の病理はα-シヌクレインにリンクしており、α-シヌクレインはパーキンソン病の病理に特徴的なレビー小体の主要な構成成分である。cinpanemabは凝集した細胞外のα-シヌクレインに特異的に結合するヒト由来のモノクローナル抗体である。 この第II相試験(SPARK)では初期のパーキンソン病患者にcinpanemabを静脈投与し、有効性、安全性、薬力学、薬物動態を評価した。一次評価項目はMovement Disorder Society-sponsored revision of the Unified Parkinson’s Disease Rating Scale(MDS-UPDRS)のベースラインからの変化であった。試験は72週後の時点でMDS-UPDRSスコアはいずれの用量でもプラセボと差がなかったため中止された。二次評価項目であった52週後のDATスキャン画像も実薬群とプラセボ群の間に差がなかった。抗α-シヌクレイン抗体であるprasinezumabの第II相試験(PASADENA)でも治療の有効性が示されなかったことから、もっと早期の前臨床期あるいは前駆期のパーキンソン病でないと効果が期待できないのかもしれない。

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コロナ禍で離婚は増えたのか?【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第216回

コロナ禍で離婚は増えたのか?pixabayより使用日本では少子高齢化がどんどん進んでおり、このままだとあまり明るい未来が期待できない状況です。COVID-19の流行が結婚と出生の減少を加速させ、離婚までも増加させているのではないかと懸念されています。そんな日本の結婚・離婚・出生について扱った論文が、BMJ Gobal Health誌から発表されました。Ghaznavi C, et al.Changes in marriage, divorce and births during the COVID-19 pandemic in Japan.BMJ Glob Health. 2022 May;7(5):e007866.2011年12月~2021年5月の日本の人口動態統計データを収集しました。コロナ禍を含む任意の月に、有意な過不足が発生していないかどうかを判断するために、Farringtonアルゴリズムを使用して、結婚・離婚・出生数を観察しました。Farringtonアルゴリズムは、アウトブレイク検出法としても広く用いられている手法です。さて、1度目の緊急事態宣言中(2020年4〜5月)に、結婚数と離婚数に減少が見られることがわかりました。さらに、2020年12月〜2021年2月には出生数の減少が確認されました。つまり、1度目の緊急事態宣言の8〜10ヵ月後に当たるわけで、その時期に妊娠を控えていた夫婦が多かったということを意味します。この報告で興味深かったのは結婚と出生数はともかく、離婚数の減少も見られていたことです。意外な結果でした。コロナ禍で自宅にいる人が増えたため、夫婦で話し合う時間が増えたから離婚が減ったのでしょうか。あるいは、「本当は離婚したいけど、新型コロナがこんな感じだし、ちょっと保留にしようか」ということでしょうか。…神のみぞ知る。

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第122回 「ブラックな職場環境を変えるのも医師の社会的責任」-NHK党・浜田氏に聞く(後編)

NHKの既得権益打破のみのシングル・イシュー政党だったかと思いきや、実は他党と比べても遜色のない新型コロナ政策を公約に掲げていたNHK党。同党の新型コロナ対策を立案した同党政調会長の浜田 聡参議院議員にその背景を聞いたインタビューの前編を第121回に掲載した。今回はその後編で、主に日本版のCDC(疾病予防管理センター)構想、日本版ACIP(ワクチン接種に関する諮問委員会)構想やワクチン政策について聞いた。現状で一気に新型コロナを5類相当にすると保健所のパンクは解消されるかもしれませんが、医療機関への問い合わせが激増して逆に医療逼迫を加速化させかねません。確かにそのような懸念もあるでしょう。しかし、保健所に比べて医療機関のほうが対応力は高いはずなので、見方を変えると、その流れのほうが本来の方向性と言える面もあります。一方、重症化リスクが高いと言われたデルタ株の流行時と比べれば、新型コロナの診療を行う医療機関も確実に増えています。この動きは少しずつかもしれませんが、今後も進んでいくと予想しています。その意味で受け入れ医療機関のすそ野を広げるためには、新型コロナ患者の受け入れが経営に寄与するような仕組みも必要です。NHK党でもこの辺を念頭に置いた政策立案を検討しています。公約に掲げていた日本版CDC創設は、参議院選挙前に岸田首相が打ち出しました。これについてはどのように受け止めていますか?まず、われわれが政策に盛り込んだのは、厚生労働省(以下、厚労省)が感染症を担当することは組織的には当然ながらも、同省の業務の幅が広く、かつ膨大なため、今回のようなパンデミックが重なれば業務逼迫は必然だと思ったからです。菅 義偉前首相が厚労省の分割案を唱えた背景にも同じような事情があったのだろうと推察しています。こうした観点から別途、感染症担当専門組織の創設が望ましいと考え、アメリカなどにあるCDCを手本とした組織創設を政策に盛り込みました。岸田首相による日本版CDC創設の決定は、私たちが掲げた政策と同じ方向に進んでいる点で喜ばしいと受け止めています。現状で日本版CDCの全貌は見えてませんが、私がこの組織に求めるのは、医療従事者向けの感染症教育機能です。もちろん医学部などでの感染症教育はありますが、現状のコロナ禍のような状況に立ち向かうことを想定するならば、学部教育では不十分です。また、現時点では少ない日本感染症学会の認定感染症専門医が今後増えていくと仮定しても、パンデミック時に必要なマンパワーにはほど遠いだろうと予想します。その意味で日本版CDC創設による感染症教育の充実を期待したいところです。今回提示した政策の中にはCDC創設だけではなく、アメリカでCDCや保健福祉省にワクチン接種の推奨提案を行う「ワクチン接種に関する諮問委員会(ACIP)」制度の日本版導入も訴えていますね。私自身がACIPの存在を知ったのは、神戸大学医学部教授の岩田 健太郎氏の著書を通じてです。そもそもアメリカは自由の国と言いつつ、感染症対策の中でもワクチン接種に関してはやや強権的な方針を絶妙に医療政策に反映しています。その一翼を担っているのがACIPです。ACIPの活動の中で個人的に最も納得感が大きかったのは、ワクチン接種推奨の議論をフルオープンな場で行うことです(議論は全公開で、インターネット配信もされる)。このような政策決定議論の公開性が今の日本の政治、政策決定で最も足りない部分です。この公開性はすべての政策決定で必要だと私個人は思っています。実は過去の衆参両院の議事録を調べると、国会議員から日本版ACIP創設を求める意見が何度か出ています。しかも、議事録を読む限りでは厚労省も否定的ではありませんでした。その意味でも実現に向けて貢献したいと考えています。もちろん公開性を実現しても、ワクチン問題では付き物のワクチン忌避派の不満がゼロになるわけではないことは百も承知です。しかし、忌避派も含めさまざまな意見を公開することは、国民の納得感がより高いワクチン政策を進める良策だと思います。その意味では先日、塩野義製薬が緊急承認を申請した新型コロナ治療薬の審議がリアルタイムで公開されました。同様の公開性をワクチンに関する審議でも目指したいということですね?そうですね。政策的な妥当性が一方的な多数決で決定できるほど単純ではないことは分かりますし、あの公開を受けてSNS上に医療関係者を中心にさまざまな声が発信されたというのは改めて興味深かったですね。ちなみに新型コロナワクチンの接種を推進している現在の政府の政策についてはどのように見ていますかまず、基本的に今回の新型コロナワクチンに関しては、各種トップジャーナルの論文などで示された有効性・安全性は信頼性がある報告と考えています。また、従来からインフルエンザワクチンでは高齢者などのハイリスク者や医療従事者のシーズン毎接種が推奨されている経験もあり、私自身は今後、新型コロナワクチンが毎年接種の勧奨になったとしても、とくに抵抗はありません。ただし、コロナ禍がなかなか収束しないということで、重症化リスクの低い若年者でも同様に頻回接種を続けていくべきかと言えば、必ずしもそこまで必要とは思っていません。基本的に一医療者としては、半ば接種を強く求める現状の法的な努力義務はあるべき姿とは思いますが、社会一般の受け入れを念頭に置いた場合はより緩やかに自由意思を尊重する立場です。ワクチン忌避の考えは、日本に限らず世界的にもゼロにはなりませんから、本音を言ってしまうと、やむを得ないのかなという思いもあります。新型コロナワクチン接種に関しては、先日岸田首相が突如、医療従事者と高齢者施設職員を新たな4回目接種対象者に加えました。これまで対象になっていなかったのは、おそらくイスラエルの研究で、比較的若年層の4回目接種の効果が高齢者などに比べると極めて限定的という結果があったからだと思います。それを変更したのはこの第7波があったからでしょうが、この点はどのような評価ですか?状況が突然大きく変化したので何かしたいという岸田首相の思いは十分理解はできます。ただ、この点に関する評価は、今後の推移を見ないと、なんとも言えないのではないかと考えています。最近ではファイザーやモデルナが開発を進めているオミクロン株対応も含めた2価ワクチンでの5回目接種を政府が考えているとの報道もありました。検討している政策について、かなり早い段階で漏れ出てくるのは、ある意味観測気球の側面があるのではないかという穿った見方もできてしまいますので、その是非についても現時点では肯定も否定もしにくいですね。基本的に今回の新型コロナワクチンそのものには肯定的立場とのことですが、参議院選挙直後、今回新たに議席を得た参政党と院内会派を組むことを検討していましたね。参政党は今回の新型コロナワクチンについて懐疑的な主張をしています。この辺の矛盾はないのでしょうか?まず政党と会派はある意味似ているようで結構違うところがあります。政党内では基本的に政策の賛否をすべて一致させる必要があり、それゆえに党議拘束もあるわけですが、会派はその必要がありません。その意味で国防や皇室・国体という国の在り方である程度一致していれば、ほかの政策の違いは許容の範囲と受け止めています。ですので、会派結成に関して参政党との新型コロナワクチンに対する考え方の違いに大きな問題があるとは考えていません。そもそも参政党の神谷 宗弊さんとは2018年から付き合いがありますので、個人的な付き合いなども加味して会派を組むべきかなと思っていました。もっとも直近の会派届け出は締め切られたので次の機会があればと思うのですが、これはさまざまな事情も絡むのでその時になってみないと分からないですね。また、今回の政策で驚いたのはアメリカのナース・プラクティショナー制度の日本導入を掲げたことです。浜田さん自身、現在の医師の偏在や過重労働を念頭に置いたということでしょうか?この政策は一般社団法人・救国シンクタンクから提案を受けたものを取り入れました。最大の理由は地域偏在も含めた医師不足に対応するという意味です。ナース・プラクティショナー自体はご存じのようにすでにアメリカの各州で実際に運用されている制度です。アメリカの場合、現在の新型コロナ治療薬を、こうした資格を持つ看護師のほか、薬剤師なども処方できる柔軟さを持ち合わせています。もちろん現在の新型コロナ治療薬の中にはファイザー社のパキロビッドのように多様な相互作用が指摘されているものもあり、医師以外が処方することに慎重な意見があるのは承知しています。ただ、そもそも私個人は現状の医師をガチガチに守る規制は、時代に合わせて緩和していくべきだと思いますし、ナース・プラクティショナーは実際に運用している国があるわけですから、今後の日本の医療制度を考えた場合に選択肢の一つだと考えています。もっとも日本の場合はなかなか進まなさそうな感じもしますが。この点については推進したい日本看護協会とそれに反対する日本医師会の平行線状態が続いています。ちなみに浜田さんは議員になる前の医師専業時代、医師の労働環境をどのように見ていましたか? 私の場合は放射線科医ですが、画像読影を行う放射線科医の数には限界があるため、多くの放射線科医が過重労働に近い読影環境に置かれていたとの印象があります。また、周囲の他診療科でも過重労働の環境にある医師を目にしてきました。しかし、時に「私はこんな過酷な労働条件で働いています」という感じの自虐とも自慢ともとれるアピールをする医師がいますが、私はそうしたスタンスには疑問を持ちます。専門職の職能を存分に発揮するためには過酷な職場環境は積極的に変えていこうとするのが専門職の社会的責任の一つではないと思うからです。「そうは言っても、なかなか難しい」というご意見もあるでしょう。しかし、少し考えてみればわかるように、医師は一定の独自裁量を持ち、身分保障もある専門職です。おごった言い方に聞こえるかもしれませんが、仕事そのものを完全に失うリスクは他職種に比べ明らかに低いのです。ならば、ブラックな環境を積極的に変えていく、それが叶わないならば自分からそこを去るという決断も可能だと思っています。今回はコロナ対策を中心にお話を聞きましたが、今回の公約には載せていないものの、医療・社会保障関連で政治家として訴えていきたいことがあれば教えてください。一つは専門的な観点からの医療政策の発出、平たく言えば検査や予防接種をはじめとして医療の専門的観点を可能な範囲で一般の方々にも広めていきたいという抱負はあります。もう一つは先ほど言及したACIPに通じるところもありますが、政策決定の透明化です。現在の政策決定プロセスは半ばブラックボックスですが、どのような理由でその政策を進めるかが明らかになったほうが一般の方々にとってのメリットは多いはずです。そうしたことに少しでも尽力できればと思っています。繰り返しになるがNHK党と言えば、ド派手なスローガンとパフォーマンスの党首・立花 孝志氏のイメージが強いが、私個人が今回お会いした浜田氏は、立花氏と比べると真逆なキャラクターだった。低めの声で朴訥と語り、とりわけ新型コロナワクチンの予防接種法に基づく努力義務に関連した話題では、医師、政治家、市民の三者の立場への配慮や苦悩をにじませながら語った瞬間もあったように見えた。つまり私たちがよく目にする「政治家を演じ切っている政治家」とは異なるという印象だ。ところで記者・ジャーナリストによる政治家への取材となると、おおむねその対象は与党第一党、あるいは野党第一党の幹部となることが多い。それ以外はあったとしても衆参両院のいずれか、あるいはその合計で二桁議席がある政党ぐらいである。その点からすると今回取材したNHK党は浜田氏、さらに先ごろの参議院選挙で当選したYouTuberのガーシー(東谷 義和)氏の2人のみの小政党である。当然ながら読者の皆さんの中には「そんな小所帯の政党の政策を聞いて何になる?」との意見もあるだろう。しかし、この連載で政治的な話題に触れる時、時折紹介する友人のフリーライター・畠山 理仁氏は、「既存政党とは無関係の無頼系独立候補(一般には泡沫候補と呼ばれるが畠山氏は候補者への敬意からこの言葉を使わない)の中にもキラリと光る政策がある」と力説している。この言葉を聞いてから選挙公報にはくまなく目を通すようになったが、興味深い政策は結構あるものだ。もっともその政党や候補者のそうした政策や背景について知れる機会は少ない。その一助となれば幸いである。

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投資環境が激変! 医師のサイフを狙うこの業者に注意【医師のためのお金の話】第59回

2022年になって投資環境が激変しました。米国株安、インフレ亢進、仮想通貨市場の崩壊、円安の進行など、新しい投資テーマに事欠きません。投資を行っている医師にとっても、苦難の状況が続いています。そんな私たちの苦境を横目にチャンス到来の人たちが…。ここぞとばかりに盛り上がっているのは、投資商品販売業者やファイナンシャル・プランナー(FP)。いわゆる投資ビジネスでメシを食っている面々です。業者にとって、私たちのような一般投資家がどのような状況になろうと関係ありません。むしろ相場の動きがこれまでと逆になると、それに即した新商品を売り込む絶好のチャンス。今のように荒れた相場ほど活躍の場が増えるのです。業者の発信する内容は短絡的ですが、私たちの切羽詰まったニーズをよく捉えています。このためよほど注意していないと、彼らのビジネスの肥やしになりかねません。投資で損をしないために、私たちが注意するべきことを考えてみましょう。最も注意するべきは投資商品を販売する業者私たち医師のサイフを狙う人は数多くいます。その中でもとくに注意するべきは、投資商品を販売する業者でしょう。その代表例は医師向けの投資用不動産販売会社です。彼らの稼ぐ手段は販売手数料収入です。不動産は物件の単価が高いため、手数料金額が跳ね上がります。しかも医師は属性が良いとされているため、不動産投資のボトルネックである銀行融資を受けやすいのです。投資用不動産販売会社にとって垂涎のターゲットが医師なのです。世の中に投資用不動産を扱う業者は数多くいますが、彼らのターゲットは「知識がなくて属性の高い人」です。残念ながら、医師はその代表格なので、彼らの営業活動の洗礼を浴びることになります。彼らにとって、ターゲットの医師自身がお金を持っている必要はありません。販売手数料の大元は銀行融資からやってきます。このため医師免許を持っているだけで、彼らにとって上得意客となるのです。ファイナンシャル・プランナーにも注意が必要それでは、直接何かを売りつけるわけではないファイナンシャル・プランナー(FP)はどうでしょうか。モノを売りつけられないから安心、というわけではないのが実情です。FPに安心できない理由は主に2つ挙げられます。1つ目は、FPは投資商品を販売する業者の“太鼓持ち”になっている可能性が高いことです。彼らもメシを食っていかなければなりません。本来なら「お金のプロ」なのですから、その知識を用いて独立してやっていくのが理想的です。ところが現実は甘くありません。純粋にFPの仕事だけでメシを食っていける人はごく少数派です。このため、投資商品販売業者の片棒を担いで投資商品を売り込む先兵となります。彼らの多くは中立的な立場ではないことには注意が必要でしょう。2つ目は、FPの知識は机上の空論である可能性が高い点です。一見すると彼らのお金に関する知識は豊富です。しかし、その知識の出所が自らの経験ではなく、資格を取得するために学んだ知識であればどうでしょうか。医療でも教科書の知識だけでは診療できないのは周知の事実です。学んだ知識を自らの経験に昇華させることで医師としての実力が上がります。FPも同じです。単に資格試験で学んだだけの知識など、リアルワールドでは価値がありません。私も本当に実力のあるFPであれば相談してみたいと考えています。しかし残念ながら、これまでお会いしたFPで数億円以上の資産を独力で築いた人物にはお目にかかったことがありません。単なる机上の知識を振りかざされても、リアルワールドでは害悪にしかなりません。投資関連業界は、このような魑魅魍魎が跋扈するアブナイ業界です。肩書や見栄えで盲信するのではなく、一歩引いて彼らのおカネの出所を確認する習慣を身に付けましょう。

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sugemalimabによるStageIII NSCLC化学放射線療法の地固め療法(GEMSTONE-301)/WCLC2022

 PD-L1阻害薬sumagelimabによる、切除不能なStageIII 非小細胞肺がん(NSCLC)に対する同時化学放射線療法(cCRT)または逐次化学放射線療法(sCRT)後の地固め療法は、有意かつ臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)の改善を示した。中国・広東省人民病院のYi-Long氏が、世界肺学会(WCLC2022)で発表した第III相試験GEMSTONE-301の結果である。・対象:同時または逐次化学放射線療法後に疾患進行が認められない切除不能StageIII NSCLC・試験群:地固め療法としてsumagelimab(1,200mg)3週ごと24ヵ月まで・対照群:プラセボ3週ごと24ヵ月まで・評価項目:[主要評価項目]盲検独立中央委員会(BICR)評価のPFS[副次評価項目]全生存期間(OS)、治験担当医評価のPFS、全奏効率(ORR)、奏効期間(DoR)など 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値はsumagelimab群27.1ヵ月、プラセボ群23.5ヵ月であった。・BICR評価のPFS中央値はsumagelimab群は10.5ヵ月、プラセボ群は6.2ヵ月であった(HR:0.65、95%CI:0.50〜0.84、p=0.0012)。・sCRT集団のPFS中央値はsumagelimab群8.1ヵ月、プラセボ群4.1ヵ月(HR:0.57)、cCRT集団のPFS中央値はsumagelimab群15.7ヵ月、プラセボ群8.3ヵ月(HR:0.71)、と化学放射線療法の方法を問わず、一貫してsumagelimab群で良好であった。・OS中央値は、sumagelimab群未到達、プラセボ群25.9ヵ月であった(HR:0.69、95%CI:0.49〜0.97)。・Grade3以上の治療関連有害事象は、sumagelimab群の11.4%で発生した。 2022年6月、sumagelimabは上記の適応で中国で承認されている。

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診療科別、専門医の平均取得数は?/1,000人アンケート

 2018年からスタートした新専門医制度は、昨年初の機構認定の専門医が誕生し、新制度への移行が進む予定となっている。一方、サブスぺ領域の認定や、学会認定の専門医との位置付けなど、課題も多く指摘されている。CareNet.comの20~50代の会員医師1,000人を対象に、現在の専門医取得状況や今後の取得・更新意向について聞いた(2022年7月28日実施)。専門医の取得数が多い傾向がみられた診療科は? 全体で、専門医取得数を2つ以上と回答した医師は51%だった。少数派ではあったが、1.7%の医師が6つ以上と回答した。年代別にみると、30代では2つ以上と回答したのが42.3%だったのに対し、40代では62.5%まで増加、40代と50代はほぼ横ばいだった。 診療科別にみた専門医取得数の平均値(中央値)は以下のとおり。消化器は外科・内科ともに専門医取得数が多かったほか、神経内科や腎臓内科も高い傾向がみられた。一方、精神科や皮膚科では少ない傾向がみられた。消化器外科[n=24]:3.4(3)神経内科[n=26] :3.0(3)消化器内科[n=58]:3.0(3)腎臓内科[n=25]:2.9(3)感染症内科[n=4]:2.8(3)腫瘍科[n=10]:2.7(2.5)外科[n=33]:2.7(2)脳神経外科[n=25]:2.6(3)循環器内科[n=59]:2.5(2)糖尿病・代謝・内分泌内科[n=31]:2.4(2)呼吸器内科[n=34]:2.2(2)心臓血管外科[n=11]:2.1(2)救急科[n=10]:1.9(2)整形外科[n=55]:1.9(2)産婦人科[n=18]:1.9(2)形成外科[n=11]:1.8(1)内科[n=183]:1.7(2)血液内科[n=8]:1.6(2)小児科[n=45]:1.6(2)呼吸器外科[n=4]:1.5(1.5)リハビリテーション科[n=12]:1.5(1)放射線科[n=27]:1.5(1)総合診療科[n=15]:1.5(1)病理診断科[n=9] :1.4(2)耳鼻咽喉科[n=15]:1.3(1)泌尿器科[n=20] :1.3(1)その他[n=21]:1.2(1)麻酔科[n=27] :1.1(1)眼科[n=16]:1.0(1)膠原病・リウマチ科[n=7]:1.0(1)皮膚科[n=22] :0.8(1)精神科[n=76] :0.8(1)臨床研修医[n=59]:0.3(0)58%の医師が持っている専門医をすべて更新予定と回答 現在持っている専門医資格について聞いた質問では、認定内科医が24.5%と最も多く、総合内科専門医(18.8%)、外科専門医(8.4%)が続いた。新専門医制度の基本19領域と認定内科医、総合内科専門医以外の資格(“その他”として自由回答)を持つと回答した医師も14.4%おり、各学会認定の多様な専門医資格を取得している状況がわかる。 今後の更新予定については、現在持っている専門医資格について、58.6%の医師が「資格をすべて更新予定」と回答。「一部は更新しない予定」は3.0%、「すべてを更新しない予定」は1.1%に留まった。専門医取得による給与・待遇の向上があったと回答したのは14% 専門医を取得することによるメリットについては、「知識向上やスキルアップができた」が39.6%と最も多く、「開業時に役立った(15.8%)」「他の医師・スタッフから信頼が得られた(14.6%)」という回答が続いた。「給与や待遇が向上した」と回答したのは14.1%だった。 一方のデメリットについては、「受験料、更新料、学会参加などで費用がかかる」が36.3%と最も多く、「学会での単位取得など、時間的な負担が大きい(31.3%)」「評価システムへの登録等、手続きが煩雑(15.7%)」といった時間・手間等の負担を挙げる声が多く上がった。アンケート結果の詳細は以下のページに掲載中。会員医師の専門医取得状況は―医師1,000人に聞きました

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いまだに残る小児がんのドラッグラグ、求められる政策の抜本的な改革

 「開発された薬があるなら、日本にも届けてもらいたい」小児がん患者家族の代表である鈴木 隆行氏は訴える。小児がんは日本の小児の死亡原因トップで、年間500名が亡くなる。それにもかかわらず、日本の小児がんの治療薬開発は諸外国に比べ、きわめて少ない。患者団体や医療者で作る団体「小児がん対策国民会議」は2022年8月、都内でシンポジウムを開き、小児がんの新薬承認の現状を訴えた。日本の小児がん患者は海外で治験が行われていても参加できない 前出の鈴木氏の長男は生後6ヵ月でラブドイド腫瘍を発症する。その時期、米国ではラブドイド腫瘍の分子標的薬であるtazometostatの小児国際共同治験が行われていた。日本は参加していなかったため、従来の手術・化学療法・放射線を組み合わせた集学的治療を受ける。治療の合併症で日常生活に障害が残ったものの、がんは寛解に至り、一時は退院する。鈴木氏はその後もtazometostatの治験参加を模索するが実現せず、個人輸入で薬剤を手配した。ところが、5年後再発しtazometostatを使うことなく鈴木氏の長男は他界してしまう。小児がん治療薬のドラッグラグは拡大している 小児がん対象の日本の臨床試験数は38、それに対し米国では300以上、EUは160以上行われている。日本の件数は、中国と比べても4分の1、オーストラリアの約半分で、諸外国に比べ圧倒的に少ない。 小児がんの年間発症は2,000〜2,500人だが、がん種が多いため、それぞれのがんは希少がんになる。なかには50人程度の患者しかいない疾患もある。 希少疾患であるため、臨床試験の患者確保が難しい、比較試験が組めない、など小児がん治療薬の臨床試験デザインは難しい。対象患者の少なさからコスト回収が厳しく、散剤や液剤化など小児用製剤の製造コストが高い、がんが多種にわたり企業の経験が蓄積できない、など開発も簡単ではない。さらに、少量でも安定供給が求められる、薬価が下がっても販売中止できない、治療が長期に及ぶ中での全例調査など承認後も小児がん治療薬の開発企業の負担は重い。 政府は小児がん治療薬の開発促進のため、再審査期間延長、小児薬価加算といった政策を講じてはいるが、依然として日本でのドラッグラグは拡大している。 「政策はあるが、開発促進につながる有効な打ち手となっていない。従来の制度ベースではなく、抜本的な改革が必要」と小児がん対策国民会議運営委員であり国立がん研究センター中央病院の小川 千登世氏は訴える。小児がん治療薬の開発促進に新たな政策で実績をあげる諸外国 小児がんは希少疾患であり、開発の難易度が高いという条件は諸外国でも同じである。なぜ日本以上に小児がん治療薬の開発促進が進んでいるのか。 米国を例にとると、成人の分子標的薬を開発する際に小児の開発も義務づける「ICH-E11」が2000年代に採択された。さらに2017年、ICH-E11でカバーできない小児特有のがんについての研究法が「RACE(Research to Accelerate Cure and Equity) for Children Act」として開発企業に義務づけられた。RACE成立後の小児がんの承認薬は4製品から27品に飛躍的に増えている。中国は民族的要因の差異がないと判断すれば、自国での臨床試験なしに承認申請を可能にする制度を設けた。この制度により、神経芽腫の治療薬dinutuximab βは、開発権取得から2年未満で承認されている。 このように新たな政策で小児がん治療薬の開発・承認の促進の実績をあげている。小児がんドラッグラグが解消されず世界に取り残される? 小児がんの治療薬の開発企業は、日本法人のない新興ベンチャー企業が多い。新興ベンチャーにとって、ビジネスが予見できるかどうかは重要だ。結果として、予見性が立てやすい米国での開発が優先される。中国の前述の制度もこの点では有利に働くと考えられる。 「ビジネスの予見性が立てづらい日本には振り向かない可能性もある」と小児がん対策国民会議運営委員であり大原薬品工業の早川 穣氏は述べる。このままの状態では今後もドラッグラグは解消されず、世界に取り残される事態にもなりかねない。小児がんのドラッグラグ解消に制度の抜本的見直しが必要 小児がんは現在7〜8割は治ると言われるが、ドラッグラグのために命を落としてしまう患者がいるのも事実である。諸外国は有効な政策で課題に対応し、少ない毒性で効果を発揮する分子標的薬を次々に承認している。 しっかりと現状を把握しながら、制度を抜本的に見直し、小児がんのドラッグラグを解消していく必要が、いまの日本にはあるだろう。

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不安症・強迫症・PTSDの薬物治療ガイドライン(WFSBP)第3版:不安症編

 ドイツ・University Medical Center GottingenのBorwin Bandelow氏らは、2002年に発行、2008年に改訂された、世界生物学的精神医学会連合(WFSBP)タスクフォースによる不安症・強迫症・PTSDの薬物治療のためのガイドライン第3版に関する報告(パート1)を行った。The World Journal of Biological Psychiatry誌オンライン版2022年7月28日号の報告。 22ヵ国を代表する33人の国際的専門家で構成されたコンセンサスパネルにより、治療の有効性および受容性に基づき推奨事項が作成された。各疾患を有する成人、青年、小児を対象とした、薬物治療、心理療法、その他の非薬理学的介入についてのランダム化比較試験(RCT)合計1,007件を評価した。心理療法やその他の非薬理学的介入については、薬物治療の標準的な評価と同様の厳格な方法を適用とした。 主な内容は以下のとおり。・本論文(パート1)には、パニック症/広場恐怖症、全般不安症、社交不安症、特定の恐怖症、小児および青年の混合不安症、分離不安症、選択性緘黙(かんもく)の治療に関する推奨事項が含まれる。・SSRIおよびSNRIが、第1選択薬とされる。・認知行動療法(CBT)は、不安症に対する精神療法の第1選択肢である。・標準治療に反応しない患者やエビデンスが不十分な介入についても、専門家パネルからの推奨事項が設けられた。

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サル痘を疑う閾値を低くする必要も、多様な症状/Lancet

 スペイン・Hospital Universitario 12 de OctubreのEloy Jose Tarin-Vicente氏らは、同国サル痘患者について臨床およびウイルス学的特性を明らかにする前向き観察コホート研究を行い、サル痘は性器、肛門周囲および口腔の病変と直腸炎や扁桃炎などの合併症を引き起こしており、病変部でウイルス量が多いことを示した。著者は、「症状はさまざまであり、臨床医はサル痘を疑う閾値を低くする必要がある」と述べている。また、「罹患者の性的接触歴や病変の分布から、現在起きている集団発生は濃厚接触が主要な感染経路と考えられる」とも報告した。サル痘は、2022年5月に欧州の複数の国で発症例が報告されて以降、急速に世界中に広がったが、初期の報告では非定型的な症状が示唆されていた。Lancet誌オンライン版2022年8月8日号掲載の報告。サル痘患者181例を前向きに観察、臨床・ウイルス学的特性を解析 研究グループは、2022年5月11日~6月29日の期間に、スペインのマドリードおよびバルセロナにある性の健康クリニック3施設において、検査で確定診断されたサル痘患者を全例連続登録した。PCR検査のため病変部、肛門および中咽頭スワブを採取するとともに、皮膚科医または性感染症専門医が問診により患者データを収集し、標準的な症例報告書に記録した。 評価項目は、人口統計学的事項、天然痘ワクチン接種歴、HIVの状況、他のサル痘患者との接触、旅行、大集団への参加、性感染症のリスク因子、性行動、初発の徴候と症状、複数の身体部位でのウイルス学的結果、他の性感染症の同時感染、および発症14日後の臨床アウトカムである。臨床アウトカムについては2022年7月13日まで追跡調査を実施した。 サル痘と確定診断を受け、本研究に登録された患者は181例であった。92%はMSM、潜伏期間中央値は7日、肛門性器部病変が78%などの特性が判明 181例中166例(92%)がゲイ、バイセクシャル男性を含む男性同性間性的接触者(MSM)で、9例(5%)が異性愛の男性、6例(3%)が異性愛の女性であった。また、年齢中央値は37.0歳(IQR:31.0~42.0)で、32例(18%)は天然痘ワクチン接種歴があり、72例(40%)がHIV陽性、8例(11%)がCD4細胞数500個/μL未満、31例(17%)が他の性感染症の同時感染と診断された。 サル痘の潜伏期間中央値は7.0日(IQR:5.0~10.0)であった。全例に皮膚病変があり、141例(78%)が肛門性器部、78例(43%)が口腔および口周囲部に確認された。70例(39%)で治療を要する合併症が確認され、直腸炎45例(25%)、扁桃炎19例(10%)、陰茎浮腫15例(8%)、膿瘍6例(3%)、発疹8例(4%)であった。 皮膚病変部スワブ180検体のうち178検体(99%)が陽性であり、咽頭スワブ117検体中82検体(70%)も同様に陽性であった。PCRサイクル閾値(Ct値)(平均±SD)は皮膚病変検体群が23±4、咽頭検体群が32±6で、皮膚病変検体群のほうが有意に低く(群間絶対差:9、95%信頼区間[CI]:8~10、p<0.0001)、皮膚病変部でウイルス量が多いことが示された。 MSMの166例中108例(65%)が肛門性交(アナルセックス)を報告し、肛門性交を行ったMSM群は肛門性交を行わなかったMSM群と比較し、直腸炎(38%[41/108例]vs.7%[4/58例]、群間絶対差:31%、95%CI:19~44、p<0.0001)、発疹前の全身症状(62%[67/108例]vs.28%[16/58例]、34%、28~62、p<0.0001)を高頻度に認めた。扁桃炎を有していた19例中18例(95%)が口腔性交(オーラルセックス)を行ったと報告した。 病変発生から痂皮形成までの期間の中央値は10日(IQR:7~13)であった。

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非低リスクの非浸潤性乳管がん、ブースト照射が再発抑制/Lancet

 乳房温存手術を受けた非低リスクの非浸潤性乳管がん(DCIS)患者において、全乳房照射(WBI)後の腫瘍床へのブースト照射(追加照射)は、Grade2以上の有害事象が増加したものの局所再発が有意に低下することが示された。オーストラリア・ニューサウスウェールズ大学のBoon H. Chua氏らが、多施設共同無作為化非盲検第III相試験「BIG 3-07/TROG 07.01試験」の結果を報告した。DCISに対する乳房温存手術後のWBIは局所再発を減少させるとの強く一貫したエビデンスが、無作為化試験により示されている。一方で、ブースト照射および分割照射の有効性について前向きに検討する必要性が示唆されていた。Lancet誌2022年8月6日号掲載の報告。DCIS患者の約1,600例、従来型WBI/寡分割WBI後の±ブースト照射で検証 研究グループは、11ヵ国(オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、カナダ、オランダ、ベルギー、フランス、スイス、イタリア、アイルランド、英国)の136施設において、片側性の非低リスクDCISで乳房温存手術を受けた切除断端1mm以上の18歳以上の女性(50歳未満、症候性、触知可能な腫瘍、腫瘍径15mm以上、多巣性、核グレードが中または高、中心壊死、面疱型、切除断端10mm未満などのうち少なくとも1つのリスク因子を有する)を登録した。 試験開始前に、各参加施設は3つのカテゴリーのうちいずれか1つへの参加を選択した。カテゴリーAでは、患者を従来型WBI(50Gy/25回)群、寡分割WBI(42.5Gy/16回)群、従来型WBI+ブースト照射(16Gy/8回)群、寡分割WBI+ブースト照射群の4群に、1対1対1対1の割合で無作為に割り付けた。カテゴリーBでは従来型WBI群、従来型WBI+ブースト照射群の2群に、カテゴリーCでは寡分割WBI群、寡分割WBI+ブースト照射群の2群に、それぞれ1対1の割合で無作為に割り付けた。なお、治療の割り付けに関して、患者および医師ともに盲検化されなかった。 主要評価項目は、局所再発までの期間(主要解析はブースト照射の有効性の評価)、副次評価項目は、乳がん再発までの期間、全生存期間、毒性、整容性(手術および放射線治療後の乳房の外観)であった。 2007年6月25日~2014年6月30日の期間に、計1,608例が、ブースト照射なし群(805例)またはブースト照射群(803例)に無作為に割り付けられた。従来型WBIは831例、寡分割WBIは777例に実施された。5年無局所再発率は、ブースト照射なし92.7% vs.ブースト照射あり97.1% 追跡期間中央値6.6年において、5年無局所再発率はブースト照射なし群92.7%(95%信頼区間[CI]:90.6~94.4%)、ブースト照射群97.1%(95.6~98.1%)であった(ハザード比[HR]:0.47、95%CI:0.31~0.72、p<0.001)。 ブースト照射群はブースト照射なし群より、Grade2以上の乳房痛(14%[95%CI:12~17]vs. 10%[95%CI:8~12]、p=0.003)および硬結(14%[11~16]vs. 6%[5~8]、p<0.001)の発現頻度が高かった。 著者は、術後補助内分泌療法の順守に関するデータがないこと、民族性に関する情報が収集されておらず一般化可能性は制限される可能性があることを研究の限界として挙げたうえで、「今回の結果は、乳房温存手術を受けた非低リスクDCIS患者において、WBI後のブースト照射を支持するものである」とまとめている。

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心筋炎リスクを天秤にかけても新型コロナワクチンは接種したほうがよいようだ(解説:甲斐久史氏)

 感染力は強いものの重症化率が低いとされるオミクロン株が主流となったことで、正常な社会経済活動と新型コロナウイルスが共存するWithコロナ時代が本格的到来かと思われた。しかし、オミクロン株BA.5による感染拡大第7波は、8月に入ってもピークアウトすることなく、3年ぶりの行動制限のない夏休み・お盆休みを迎えた。感染者も小児〜若年者中心から後期高齢者も含めた全年齢層に拡大し、重症者数・死亡者数も着実に増加している。加えて、多くの医療従事者が感染者あるいは濃厚接触者となることで出勤停止となり、その結果、コロナ診療のみならず一般医療・救急医療はこれまでにない逼迫した状況に直面している。そのような中、60歳以上の高齢者に加えて、急遽、医療従事者および高齢者施設等の従事者への新型コロナワクチン第4回目接種が進められることとなった。わが国における3回目接種率は60歳以上では80%以上であるのに対して、12〜19歳では36%、20〜30歳代では50%前後にとどまっている。若者ほどワクチン接種後の高熱や倦怠感といった副反応が強いことに加え、若者には実感しにくい重症化予防効果はさておき、目に見える感染予防効果がオミクロン株において低下していることもその背景にあろう。依然、若年者、とくに若年男性には新型コロナワクチン接種後心筋炎の危惧もある。 本研究は、新型コロナmRNAワクチン接種後心筋炎の大規模なケースレポート/サーベイランスの包括的検索による総説である。2020年10月から2022年1月までの間にmRNAワクチン(ファイザー社製コミナティ、モデルナ社製スパイクバックス)接種後、心筋炎約8,000例(一部、心膜炎・心筋心膜炎)が報告されていた。従来の報告どおり、mRNAワクチン接種後心筋炎は思春期から青年期の男性に最も多く認められ、その発生頻度は12〜17歳で50〜139例/100万人、18〜29歳で28〜147例/100万人であった。コミナティと比較してスパイクバックスで発症率が高かった。18〜29歳女性の発症率は20例/100万人未満であった。5〜11歳男女においてはコミナティのデータしかないが、発症率は20例/100万人未満であった。30歳以上の男女、12〜17歳の女性については、若年男性より明らかに発症は少ないが、バラツキが大きく統計的信頼度が不十分なため発症率を提示できなかったという。興味深いことに、1回目と2回目の接種間隔は31日以上で発症が少なく、とくに18〜29歳男性では56日以上で明らかな低下がみられた。発症後の経過は従来の報告どおり、症状は軽微で自然軽快し、入院期間も2〜4日間、薬物治療もおおむね非ステロイド系抗炎症薬による対症療法であった。本研究では、心筋炎発症の危険因子、長期予後、発症機序についても検討されたが、いずれも評価に耐えるエビデンスは得られなかったという。また、3回接種の影響については、40歳以上の男性では発症率20例/100万人未満であろうという確実性の低い結果以外に、われわれが最も知りたい若年男性を含めた他のグループについてのエビデンスは現時点で存在しないとのことであった。 結局のところ、一般の心筋炎の発症頻度が80〜100例/100万人であり、新型コロナウイルス罹患後の心筋炎発症率が約800例/100万人であることを考えると、高齢者や重症化高リスク群はもとより、12〜29歳の男性においても、mRNAワクチン接種のメリットは、ワクチン接種後心筋炎の発症リスクを上回っている。これからも引き続き、このコンセンサスを踏まえて、本人(または保護者)に説明し納得してもらうことになる。せめて、12〜29歳男性に対しては、任意にコミナティを選択できるようにしたいものである。

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わかる統計教室 特別編 カットオフ値とROC解析

インデックスページへ戻る特別編 カットオフ値とROC解析新型コロナウイルスの検査でもよく目にする「カットオフ値」と「ROC解析」。「カットオフ値」は検査で陽性・陰性を分ける値、「ROC解析」はカットオフ値を調べる方法の1つです。今回はこれらをテーマに、「わかる統計教室」の特別編として、統計・解析のエキスパート、菅 民郎氏が解説します。1 カットオフ値とは与えられた値から真(TRUE)か偽(FALSE)かを判断したいことがあります。たとえば模擬試験の点数から○○大学に合格(T)か不合格(F)かを予測したい、検査値から病気(T)か健康(F)かを判断したいなどです。「カットオフ値(cutoff value)」とは、定量データを区切るために用いる基準の値のことです。医療分野では、ある検査の陽性、陰性を分ける値のことで、病態識別値とも呼ばれます。検査結果によって、特定の疾患に罹患した患者と罹患していない患者を分ける境界値のことです。次にいくつかの事例を示します。(1)肥満を判定するBMIのカットオフ値は30以上である。(2)大腸がんをスクリーニングする便潜血検査のカットオフ値は、約100ng/mLである。(3)日本動脈硬化学会によって設定された、高コレステロール血症の診断基準、総コレステロールは220mg/dL以上である。(1)について、補足します。肥満は健康に重大な悪影響を及ぼします。肥満指数(BMI)は体重(kg)を身長(m)の2乗で割って算出され、測定・計算が簡単で、肥満・痩せの指標として広く使われており、その水準が健康リスクや死亡率と深く関係していることが、海外の多くの研究で報告されています。WHO(世界保健機関)では国際的な基準(カットオフ値)として、BMIは25以上を「過体重」、30以上を「肥満」としました。BMI(kg/m2)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)2 真陽性、偽陽性、偽陰性、真陰性とは過体重であるかどうかのカットオッフ値は25ですが、ある生活習慣病をスクリーニングするBMIのカットオフ値は25とは限りません。そこで、ある生活習慣病のBMIのカットオフ値を算出するために、ある病院に来院した患者20人に次の検査をしました。表1BMIの検査結果と、ある生活習慣病の疾病有無(陽性、陰性)を調べたデータ表2表1のデータを陽性・陰性別にBMIを降順で並べ替えたもの表3表2のデータについて、陽性・陰性別BMI数値別に患者人数を集計したもの表1 BMIと疾病の有無表2 陽性・陰と性別表3 BMI数値別陽性・陰性別人数このデータにおけるカットオフ値を求めることが課題ですが、とりあえず、カットオフ値を「27」とします。そこでBMI27以上、27未満別の陽性・陰性別の患者人数を集計しました。表4の4つのセルの値は、表5に示す名前が付けられています。表4 カットオフ値27以上とした場合の陽性・陰性別人数表5 真陽性、偽陽性、真陰性、偽陰性の定義真陽性(A)実際に疾患がある人が陽性と判断されること偽陽性(B)実際には疾患がない人が陽性と判断されること偽陰性(C)実際に疾患がある人が陰性と判断されること真陰性(D)実際には疾患がない人が陰性と判断されること3 感度、特異度とは理想的なカットオフ値とは、検査陽性者(BMI検査で陽性と判定された患者)は全員疾患(疾病有無で陽性の患者)があり、検査陰性者は全員疾患がないと判定できる検査です。しかし、現実的にはどのようなカットオフ値を設定しても、疾患はあるが陰性と判定(偽陰性)、疾患はないが陽性と判定(偽陽性)される患者が出現します。したがって、適正なカットオフ値は、偽陰性および偽陽性と判定される患者が少なくなるように定められる検査です。裏返せば真陽性および真陰性と判定される患者が多くなるカットオフ値が適正だということです。表4における真陽性は3人、真陰性は13人です。真陽性が多いかの判断は、「疾患がある患者のうち検査陽性者がどれほどいるかの割合(真陽性者÷疾病有無陽性者)」で調べることができます。求められた値を「感度」といいます。表5の単語名を使って感度を求める式を示します。そこで、表4について感度を求めると「3÷(3+3)=0.5(50%)」です。真陰性が多いかどうかの判断は、「疾患がない患者のうち検査陰性者がどれほどいるかの割合(真陰性者÷疾病有無陰性者)」で調べることができます。そして、求められた値を「特異度」といいます。表5の用語名を使って特異度を求める式を示します。表4について特異度を求めると「13÷(13+1)=0.929(92.9%)」です。感度、特異度の両方が大きければ、設定したカットオフ値は「適正」といえます。このケースでは、特異度(92.9%)は大きいが感度(50%)は大きいといえません。そのため27以上に設定したカットオフ値は適正といえません。カットオフ値を26以上として、表3のデータについて、陽性・陰性別の患者人数を表6に集計しました。表6 カットオフ値を26以上とした場合の陽性・陰性別人数表6について感度と特異度を求めます。感度、特異度の両方が大きいので、設定したカットオフ値26以上は適正といえそうです。カットオフ値27以上と26以上について検討しましたが、その他のカットオフ値すべてについて感度、特異度を求め、どのカットオフ値が適正かを調べなければなりません(表7)。表7 感度、特異度感度、特異度どちらも高いのはBMI26以上で、この生活習慣病の疾病の有無を判定するBMIのカットオフ値は26以上であるといえます。4 カットオフ値を算出する方法の種類カットオフ値を算出するための方法は、今まで述べてきたものとは別の方法もあります。3つほど紹介します。(1)感度・特異度最小値法(今まで述べてきた方法)(2)2×2分割表のクラメール連関係数(3)ROC解析5 2×2分割表のクラメール連関係数表8に2×2分割表を示します。表8 2×2分割表クラメール連関係数は次式によって求められます。2×2分割表において、真陽性(A)と真陰性(D)が大きく、偽陽性(B)と偽陰性(C)が小さくなるほど、とクラメール連関係数は大きな値になります。値は0~1の間に収まります。BMI26の分割表についてクラメール連関係数を表9に求めます。表9 BMI検査26の2×2分割表BMI検査値を21~30に変化させ、クラメール連関係数を算出します。クラメール連関係数の最大値は0.762です。そのBMIは26です。最適なカットオフ値は26です(表10)。表10 クラメール連関係数6  ROC解析ROC解析について説明します。この解析で使用されるROC曲線は第2次世界大戦中にレーダーの性能評価をするために開発されました。現在では、工業、医療などさまざまな分野で利用されています。ROCとは“Receiver operating characteristic”の略です。ROC解析は、カットオフ値を連続的に変化(例題のBMI値では30~21)させたときの、感度と100%から特異度を引いた値(1-特異度)を用います。縦軸(y軸)を感度とし、横軸(x軸)を1-特異度とするグラフ上に、感度および1-特異度をプロットして、グラフを作成します。こうして描かれた曲線が「ROC曲線」です。例題におけるROC曲線のグラフを表11と図1に示します。表11 感度、1-特異度図1 表11データのROC曲線グラフROC曲線を用いて、最適なカットオフ値の求め方を示します。2つの方法があります。【方法(1)】グラフの左上隅の点(0%、100%)から点までの距離が最小の検査結果が最適なカットオフ値です。例題は、横軸7.1%、縦軸83.3%の点まで距離が18.1%で最小です。そのBMIは26です。最適なカットオフ値は26です(表12、図2)。表12 起点から点までの距離図2 表12データのROC曲線【方法(2)】点(0%、0%)と点(100%、100%)を結ぶ直線を引きます。点から直線までの距離を求めます。距離が最大の検査結果が最適なカットオフ値です。例題では、横軸7.1%、縦軸83.3%の点から直線まで距離が53.1%で最大です。そのBMIは26です。最適なカットオフ値は26となります(表13、図3)。表13 点から斜線までの距離図3 表13データのROC曲線用いる方法によっては、求めた最適なカットオフ値が異なることがあります。どれを選ぶかは分析者の判断に委ねられます。7 検査の有用性を調べる方法について検査にどれくらい有用性があるのかを調べる方法を説明するために、2つのケースを示します。〔ケース1〕BMI26以上の10人は全員が陽性、BMI26未満の10人は全員が陰性です。検査陽性者(BMI検査で陽性と判定された患者)は皆疾患(疾病の有無で陽性の患者)があり、検査陰性者は皆疾患がないと判定できる検査です。クラメール連関数の最大は1.000で当然ながらカットオフ値は26です(表14)。表14 ケース1のデータ画像を拡大する図4にROC曲線を描きました。曲線で囲まれる面積は1(100%)となります。陽性と陰性を完璧に分ける理想的な検査の面積は100%となります。図4 ケース1のROC曲線〔ケース2〕疾患の有無で陰性10人のBMI検査は21~30です。陽性10人のBMI検査も21~30で、どのカットオフ値も陽性と陰性を判別することができていません。画像を拡大する図5にROC曲線を描きました。曲線で囲まれる面積は0.5(50%)となります。陽性と陰性をまったく判別できない検査における面積は50%となります。図5 ケース2のROC曲線8  AUC(Area Under the Curve)について面積をAUC(Area Under the Curve)と言います。AUCとは、ROC曲線の下側の面積のことです。AUCは「ある検査が、どれくらい有用性があるのか」を調べる指標です。先の例からわかるように、でたらめな検査のときにAUCが0.50(50%)になり、完璧な検査のときにAUCは1(100%)になります。表1のAUCを図6に示します。 AUCは92.3%で100%に近く有用性のある検査といえます。図6 表1のデータのAUCこの検査が母集団についても有用性があるかは1群母比率検定で調べることができます。帰無仮説AUCは0.5(50%)である。対立仮設AUCは0.5(50%)より大きい。(片側検定)p値はExcel関数で求められます。NORMSDIST(1-検定統計量)→0.0001以上から「p<0.05より、BMI検査は有用な検査であるといえる」となります。インデックスページへ戻る

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時間を忘れる英語リスニングの勉強【Dr. 中島の 新・徒然草】(439)

四百三十九の段 時間を忘れる英語リスニングの勉強お盆が過ぎましたが、相変わらず暑いですね。小学生の頃だと、そろそろ夏休みの宿題に焦り始める時期。絵日記なんかは、まとめて書いて辻褄を合わせていました。さて、最近また英語リスニングの勉強を行っております。今回の工夫はYouTubeを使う方法。自分に適した英語リスニング教材を考えると、以下の通りになります。あまり長くない自分が興味ある分野について語っているスクリプトがあって答え合わせができる速度の調整ができるこのような条件にYouTubeはピッタリ。まず、教材にする動画を検索するときに「フィルタ」機能を使うことができます。私は「時間」という項目で、もっぱら「4分未満」を選択しています。また、「特徴」という項目で「字幕」を選ぶと、答え合わせも可能。実際に視聴するときの「字幕」は「英語」に設定しておきます。このようにして、自分に合った動画を探し出しています。私なら「宇宙」とか「政治ニュース」のような分野が見ていて飽きません。天王星は公転面に対して自転軸が約90度横倒しになっているとか。トランプ前大統領の別荘がFBIの家宅捜索を受けたとか。日本からのYouTube動画とは、また違う視点が新鮮なところ。で、これら英語の動画を英語字幕で見ています。難易度的に、私にとってはちょうどいいくらい。音声だけでなく、動画もあるので内容の理解も難しくはありません。そして、知らない単語が出てくるたびに意味を調べます。時間が過ぎるのも忘れて、次々に見てしまう(=勉強する)のは自分でもビックリ。調べた単語はスマホにメモしておき、スキマ時間に眺めては記憶に留めるようにしています。これまでのリスニング勉強の中では最もストレスがなく、最も効果がありました。便利な時代になったものです。よかったら読者の皆様も試してみてください。ということで最後に1句 盆過ぎて 時間忘れて リスニング

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第7回 どこまで進むか小児新型コロナワクチン

小児COVID-19の問題点「子供にとって、COVID-19はただの風邪」という意見もよく耳にします。実際にほとんどが風邪症状で終わっていますが、感染者がとても多い年齢層であることから、ワクチン未接種が感染拡大に影響していることはほぼ間違いないとされています。最近、日本の小児COVID-19に関する研究が2つ報告されています。1つ目は、デルタ株優勢期(2021年8月1日~12月31日)とオミクロン株優勢期(2022年1月1日~3月31日)の疫学的・臨床的特徴を比較検討したものです1)。国立国際医療研究センターが運営している国内最大の新型コロナウイルス感染症のレジストリ「COVID-19 Registry Japan(COVIREGI-JP)」を用いて、国立成育医療研究センターの医師らが解析したものです。これによると、オミクロン株優勢期では、2~12歳で発熱やけいれんが多く観察されることが示されています。また、ワクチン接種歴の有無が判明していた790例に絞ると、酸素投与・集中治療室入院・人工呼吸管理などのいずれかを要した43例は、いずれも新型コロナウイルスワクチン2回接種を受けていないことがわかりました。オミクロン株の113例とオミクロン株前の106例の小児を比較した、もう1つの国立成育医療研究センターの研究では、0~4歳の患者において、咽頭痛と嗄声はオミクロン株のほうが多く(それぞれ11.1% vs.0.0%、11.1% vs.1.5%)、嗄声があったすべての小児でクループ症候群という診断が下りました。また、5~11歳の小児において、嘔吐はオミクロン株のほうが多いことが示されました(47.2% vs.21.7%)2)。オミクロン株になって軽症化しているのは、ワクチンを接種した成人だけであって、小児領域では基本的に症状が強めに出るようです。重症例がおおむねワクチン未接種者で構成されているというのは、驚くべき結果でした。小児の新型コロナワクチン接種率現在、5歳以上の小児には新型コロナワクチン接種が認められていますが、ほかの年齢層と比べると、その接種率は非常に低い状況です(表)。実際私の子供の周りでも、接種していないという小学生は結構多いです。それぞれの考え方がありますので、接種率が低い現状について親を責めようという気持ちはありません。表. 8月15日公表時点でのワクチン接種率(首相官邸サイトより)日本小児科学会の推奨さて、小児におけるCOVID-19の重症化予防のエビデンスが蓄積されてきました。オミクロン株流行下では、確かに感染予防効果はこれまでの株と比べて劣るものの、接種によって、小児多系統炎症性症候群の発症を約90%防げることがわかっています3)。そのため、受けないデメリットのほうが大きいと判断され、5~17歳の小児へのワクチン接種は「意義がある」という表現から、「推奨します」という表現に変更されました4)。子供のワクチン接種率は、親の意向が如実に反映されてしまいます。「とりあえず様子見」という親が多いので、日本小児科学会の推奨によって接種率が向上するのか注目です。参考文献・参考サイト1)Shoji K, et al. Clinical characteristics of COVID-19 in hospitalized children during the Omicron variant predominant period. Journal of Infection and Chemotherapy. DOI: 10.1016/j.jiac.2022.08.0042)Iijima H, et al. Clinical characteristics of pediatric patients with COVID-19 between Omicron era vs. pre-Omicron era. Journal of Infection and Chemotherapy. DOI: 10.1016/j.jiac.2022.07.0163)Zambrano LD, et al. Effectiveness of BNT162b2 (Pfizer-BioNTech) mRNA Vaccination Against Multisystem Inflammatory Syndrome in Children Among Persons Aged 12-18 Years - United States, July-December 2021. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2022;71(2):52-8.4)日本小児科学会 5~17歳の小児への新型コロナワクチン接種に対する考え方

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2cm以下の末梢非小細胞肺がん、肺葉切除 vs.縮小手術(CALGB140503) /WCLC2022

 2cm以下の末梢型非小細胞肺がん(NSCLC)に対して肺葉切除術と縮小手術(区域切除または楔状切除)を比較した米国の第III相試験CALGB140503(Alliance)の結果、縮小手術は肺葉切除に非劣性を示した。 試験解析の結果は米国・New York Presbyterian病院のAltorki氏によって世界肺学会(WCLC2022)で発表された。 1995年の米国Lung Cancer Study Groupによる肺葉切除と縮小手術の無作為化試験以降、cT1N0の小型NSCLCの標準術式は肺葉切除となっている。近年、小型の末梢非小細胞肺がんの検出が増加し、これらの患者集団に対し、呼吸機能維持を鑑みた縮小手術に関心が寄せられている。そのようななか、本年(2022年)日本で行われたJCOG0802試験が、2cm以下のNSCLCに対する区域切除の肺葉切除に対する非劣性を証明した。米国においてもAltorki氏らにより、臨床的 T1aN0(UICC-7) の2 cm以下の NSCLCに対する肺葉切除と縮小手術を比較した無作為化試験CALGB140503(Alliance)が行われた。・対象:T1aN0(UICC-7) の2 cm以下の末梢型 NSCLC・試験群:区域切除または楔状切除・対照群:肺葉切除・評価項目:[主要評価項目]無病生存期間(DFS)[副次評価項目]全生存期間(OS)、6ヵ月時点での呼吸機能、局所/領域および全身性の再発 主な結果は以下のとおり。・2007年6月〜2017年3月に、Stage IAのNSCLC 1,080 例が登録され、697例が無作為に肺葉切除(357例) または部分切除 (340例)に割り付けられた。・5年DFS率は縮小手術群63.6%、肺葉切除群64.1%であった(HR:1.01、90%CI:0.83〜1.24、非劣性片側p=0.0176)。・OS率は縮小手術群80.3%、肺葉切除群78.9%であった(HR:0.95、90% CI:0.75〜1.21、非劣性片側p=0.014)。・全再発率は縮小手術群30.4%、肺葉切除群29.3%であった(p=0.8346)。・局所/領域再発率は縮小手術群と肺葉切除群でそれぞれ13.4%と10%(p=0.2011)、領域再発率はそれぞれ1.8%と2.6%(p=0.6623)、遠隔再発率はそれぞれ15.2%と16.8%であった(p=0.6323)であった。・6ヵ月後のベースラインからのFEV1(%Predicted)の変化は縮小手術群−4.0、肺葉切除群−6.0(p=0.0006)、FVC(%Predicted)はそれぞれ−3と−5(p=0.0712)であった。 この北米/国際無作為化試験では、2cm以下の末梢型NSCLCにおいて縮小手術は肺葉切除に非劣性を示した。発表者のAltorki氏は同試験結果とJCOG0802試験は、部分切除がこれらの患者サブセットのスタンダード治療であることを確立した、と結んだ。

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