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進行TN乳がんへのペムブロリズマブ+化療、臨床的有用性が得られ化療中止した例やimAE発現例でも有効(KEYNOTE-355)/ESMO BREAST 2023

 手術不能な局所再発または転移・再発トリプルネガティブ(TN)乳がんの1次治療においてペムブロリズマブ+化学療法をプラセボ+化学療法と比較した第III相KEYNOTE-355試験の探索的解析の結果、ペムブロリズマブ+化学療法により臨床的有用性が得られた患者でペムブロリズマブの最終投与前に化学療法を中止した患者、また免疫介在性有害事象(imAE)発現患者において、CPSにかかわらず、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)が改善したことが示された。米国・UCSF Helen Diller Family Comprehensive Cancer Center のHope S. Rugo氏が欧州臨床腫瘍学会乳がん(ESMO Breast Cancer 2023、5月11~13日)で報告した。 本試験では、PD-L1 CPS 10以上の患者において、ペムブロリズマブ+化学療法により統計学的に有意かつ臨床的に意味のあるPFSとOSの改善が示されたことが報告されている。今回は、ペムブロリズマブ+化学療法を受け完全奏効(CR)もしくは部分奏効(PR)を達成または病勢安定(SD)を24週以上持続した患者、すなわち臨床的有用性が得られた患者のうちペムブロリズマブ最終投与前21日より前に化学療法を中止した患者におけるPFSとOSを評価した。さらに、ペムブロリズマブ+化学療法を受けた患者でimAEが1件以上発現した患者においても評価した。・対象:PD-L1陽性の手術不能な局所再発もしくは転移・再発TN乳がん(ECOG PS 0/1)・試験群:ペムブロリズマブ(200mg、3週ごと)+化学療法(ナブパクリタキセル、パクリタキセル、ゲムシタビン/カルボプラチンのうちいずれか)・対照群:プラセボ+化学療法 今回の探索的解析における主な結果は以下のとおり。・2021年6月15日のデータカットオフ時点で、ペムブロリズマブ+化学療法の治療を受け臨床的有用性が得られた患者において、ペムブロリズマブ投与中止前に化学療法を中止した患者および全体でのペムブロリズマブ投与期間中央値、化学療法期間中央値、PFS中央値、OS中央値は、順に以下のとおりで、CPSに関係なくPFS、OSとも上回っていた。- 治療を受けた全患者 化学療法中止例(92例):14.1ヵ月 6.0ヵ月 14.5ヵ月 32.9ヵ月 全体(317例)     : 9.4ヵ月 7.9ヵ月 11.6ヵ月 26.4ヵ月- CPS 1以上の患者 化学療法中止例(70例):15.3ヵ月 5.9ヵ月 18.7ヵ月 34.5ヵ月 全体(249例)     : 9.4ヵ月 8.2ヵ月 11.7ヵ月 26.6ヵ月- CPS 10以上の患者 化学療法中止例(46例):20.8ヵ月 6.8ヵ月 36.7ヵ月 未到達 全体(143例)     :11.1ヵ月 8.5ヵ月 14.4ヵ月 34.4ヵ月・imAE発現患者および全体におけるペムブロリズマブ投与期間中央値、化学療法期間中央値、PFS中央値、OS中央値は、順に以下のとおりで、imAE発現患者でPFS、OSとも上回っていた。- 治療を受けた全患者 imAE発現例(149例):8.8ヵ月 7.2ヵ月 9.7ヵ月 23.9ヵ月 全体(562例)    :5.6ヵ月 5.1ヵ月 7.5ヵ月 17.2ヵ月- CPS 1以上の患者 imAE発現例(109例):8.8ヵ月 7.3ヵ月 9.8ヵ月 26.3ヵ月 全体(421例)    :5.9ヵ月 5.1ヵ月 7.6ヵ月 17.6ヵ月- CPS 10以上の患者 imAE発現例(64例):10.4ヵ月 8.4ヵ月 11.8ヵ月 35.6ヵ月 全体(219例)   : 7.6ヵ月 5.8ヵ月  9.7ヵ月 22.8ヵ月 今回の解析から、ペムブロリズマブ+化学療法で臨床的有用性が得られた患者において、PD-L1発現レベルにかかわらず、化学療法中止後もペムブロリズマブは有用であることが示唆された。この結果から、Rugo氏は「臨床的有用性が得られて化学療法を中止した患者において、ペムブロリズマブ継続が適している」とした。

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夜間・24時間血圧、死亡リスク予測に有用/Lancet

 先行研究で24時間自由行動下血圧は、診察室血圧よりも包括的な血圧の評価が可能であり、診察室血圧や家庭血圧に比べ健康アウトカムをよりよく予測すると報告されている。英国・オックスフォード大学のNatalie Staplin氏らは、今回、スペインのレジストリーデータを用いた検討で、とくに夜間の自由行動下血圧は診察室血圧と比較して、全死因死亡や心血管死のリスクに関して有益な情報をもたらすことを示した。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年5月5日号に掲載された。約6万例で血圧と死亡の関連を評価するコホート研究 研究グループは、高血圧の評価のためにプライマリケア施設を受診した患者において、診察室血圧および24時間自由行動下血圧と、全死因死亡および心血管死との関連を評価する目的で、観察コホート研究を行った(スペイン高血圧学会などの助成を受けた)。 解析には、Spanish Ambulatory Blood Pressure Registry(スペイン全17州の国民保健システムに登録された223ヵ所のプライマリケア施設の医師によって選択された患者)の2004年3月1日~2014年12月31日の診察室血圧と自由行動下血圧のデータが使用された。対象は、年齢18歳以上、ガイドラインで自由行動下血圧測定が推奨される患者(白衣高血圧が疑われる患者、難治性または治療抵抗高血圧の患者など)であった。 死亡例の血圧の測定値について、五分位数で定義される5つの群に分けて解析が行われた。 5万9,124例(平均年齢58.7[SD 14.1]歳、女性47.0%、平均診察室血圧148.0/86.5mmHg、平均24時間自由行動下血圧128.8/76.2mmHg)が登録され、フォローアップ期間中央値9.7年の時点で7,174例(12.1%)が死亡した。白衣高血圧は死亡と関連しない ベースラインにて5分位数で定義された5群のうち血圧の値が上位の4群では、24時間自由行動下収縮期血圧(1SD上昇当たりのハザード比[HR]:1.41、95%信頼区間[CI]:1.36~1.47)が診察室収縮期血圧(1.18、1.13~1.23)よりも、全死因死亡との関連が強かった。 診察室血圧で補正後も、24時間自由行動下血圧は全死因死亡との間に強い関連が認められた(HR:1.43、95%CI:1.37~1.49)。一方、24時間自由行動下血圧で補正すると、診察室血圧の全死因死亡との関連は減弱した(1.04、1.00~1.09)。 診察室収縮期血圧と比較した情報の有益性(予測能)は、夜間の自由行動下血圧が最も優れ、全死因死亡が591%、心血管死は604%であった。 これらの知見は、ベースライン時に高血圧治療を受けていた患者(59%)、受けていなかった患者(41%)、全年齢層、男性・女性のすべてで一貫して認められた。 また、正常範囲内の血圧と比較して、全死因死亡リスクの上昇が仮面高血圧(診察室血圧が正常で24時間自由行動下血圧が上昇)(HR:1.24、95%CI:1.12~1.37)と持続性高血圧(1.24、1.15~1.32)で認められたが、白衣高血圧(診察室血圧が上昇、24時間自由行動下血圧は正常)ではみられなかった。同様に、心血管死リスクの上昇も仮面高血圧(1.37、1.15~1.63)と持続性高血圧(1.24、1.15~1.32)で確認されたが、白衣高血圧ではみられなかった。 著者は、「夜間血圧と死亡との強い関連は、とくに高リスク患者における夜間血圧の評価と管理の必要性を強調するものである」とし、「仮面高血圧に関連する死亡リスクは、これらの患者は通常、診察室血圧のみのスクリーニングでは発見されないことから懸念がある。白衣高血圧と死亡リスクの増加に関連がなかった点は心強いが、これらの患者の多くは持続性高血圧に移行すると考えられる」と指摘している。

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早期妊娠糖尿病への即時治療、児と母体の予後は?/NEJM

 妊娠20週以前の妊娠糖尿病女性において、即時治療は治療を延期または行わない場合と比較して、新生児の有害なアウトカムの複合の発生をある程度は抑制するものの、妊娠関連高血圧や新生児の除脂肪体重には差がないことが、オーストラリア・ウエスタンシドニー大学のDavid Simmons氏らが実施した「TOBOGM試験」で示された。研究の成果は、NEJM誌オンライン版2023年5月5日号で報告された。4ヵ国の無作為化対照比較試験 TOBOGM試験は、オーストラリア、オーストリア、スウェーデン、インドの17病院が参加した無作為化対照比較試験であり、2017年5月~2022年3月の期間に患者の登録が行われた(オーストラリア国立保健医療研究評議会[NHMRC]などの助成を受けた)。 年齢18歳以上、高血糖のリスク因子を有し、2013年のWHO基準で妊娠糖尿病の診断を受けた妊娠4週~19週6日の女性が、経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)による反復検査の妊娠24~28週時の結果に基づき、妊娠糖尿病に対する即時治療を行う群、または治療を延期あるいは行わない群(対照群)に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要アウトカムは次の3つであった。(1)新生児の有害なアウトカム(妊娠37週未満での出生、分娩外傷、出生体重4,500g以上、呼吸窮迫、光線療法、死産/新生児死亡、肩甲難産)の複合、(2)妊娠関連高血圧(preeclampsia[妊娠高血圧腎症]、eclampsia[子癇]、妊娠高血圧)、(3)新生児の除脂肪体重。新生児の呼吸窮迫に大きな差 793例が解析に含まれ、即時治療群に400例(平均[±SD]32.1±4.8歳)、対照群に393例(32.6±4.9歳)が割り付けられた。初回OGTTは、平均で妊娠15.6±2.5週に実施された。 新生児の有害なアウトカムの複合は、即時治療群では378例中94例(24.9%)で認められ、対照群の370例中113例(30.5%)に比べて発生率が低かった(補正後群間リスク差:-5.6ポイント、95%信頼区間[CI]:-10.1~-1.2)。 妊娠関連高血圧は、即時治療群では378例中40例(10.6%)、対照群では372例中37例(9.9%)で発生した(補正後群間リスク差:0.7ポイント、95%CI:-1.6~2.9)。また、新生児の平均除脂肪体重(副次アウトカムに変更)は、即時治療群が2.86±0.34kg、対照群は2.91±0.33kgだった(補正後群間平均差:-0.04kg、95%CI:-0.09~0.02)。 新生児の呼吸窮迫は、即時治療群では376例中37例(9.8%)で発生したのに対し、対照群では365例中62例(17.0%)で発生した(補正後群間リスク差:-7ポイント、95%CI:-12~-3)。スクリーニングや治療に関連した重篤な有害事象に関しては、両群間に差はみられなかった。 著者は、「WHO基準で早期の妊娠糖尿病と診断された女性の3分の1は反復OGTTで妊娠24~28週時に妊娠糖尿病ではなかったが、この知見は先行の観察研究と一致する」としている。

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大動脈解離の診療が優れているのはドイツか日本か?【空手家心臓外科医のドイツ見聞録】第25回

ドイツから帰国し、日本で心臓血管外科医をやっていると「わが国の大動脈解離症例は本当によく助かる!」とヒシヒシ感じます。とくに私がドイツで勤務していた病院は、かなり人口の過疎地域であったこともあり、年間で1,000例弱程度の手術件数があるにもかかわらず、大動脈解離症例は月に2~3例程度しかありませんでした。なんせ人間より牛の数の方が多いような過疎地域でした(知らんけど)ので…100キロ以上離れた地域から患者がヘリで搬送されてくることも珍しくありませんでした。搬送数自体が少ないので、たまにやってくると毎回そこそこの騒ぎになっていました。普段は非常に洗練された手術をする上級医たちが、明らかに自信なさげに対応する姿を何度も目の当たりにしました。実際に救命できなかった症例も多く、「大動脈解離とは怖い病気なんだ」と実感していました。ドイツの大動脈解離の術後死亡率は16.9%ドイツのA型急性大動脈解離って、一体どのくらいの救命率なの?実はドイツ胸部外科学会は2006年からA型急性大動脈解離のレジストリー(German Registry for Acute Aortic Dissection Type A :GERAADA)を設立しました。これはドイツだけでなく、オーストリア・スイスなど、ドイツ語圏内の施設50ヵ所以上が参加し、A型急性大動脈解離についての統計が取られています。ドイツ胸部外科学会のサイト上では、このGERAADAのデータベースを用いて、A型急性大動脈解離の30日後死亡率のリスク評価を簡単に行うことができます。A型急性大動脈解離のリスク評価アプリそれによるとA型急性大動脈解離の術後30日以内の死亡率は16.9%とのことです。これはわが国の9.2%と比較すると、かなり高い数値となっています。「なんだ、ドイツ大したことね~な」ではありません。実はドイツの数値はアメリカやヨーロッパ全体のデータのそれと同じ程度なのに対し、わが国のデータが良すぎるのです。わが国の死亡率が低い理由なぜわが国のデータが飛び抜けて優れているのか。よく言われているのは、「欧米は心臓外科の施設集約化が進んでいる。その結果、1施設あたりの手術件数が増えることで治療のクオリティを上げることができた一方で、緊急患者の搬送に時間を要してしまうというデメリットが生まれてしまった」ということです。わが国では、大体どこで発症しても、大動脈解離の手術ができる病院へ、割とすぐにアクセスできる環境にあるということです。実際、ドイツでは搬送中に急変を起こしてしまい救命できなかった症例を何度もみました。わが国でも今後ますます心臓外科のセンター化が進んでいくことと思いますが、必ずしもセンター化がメリットだけではないということが、このデータ比較からそうした側面もみえてきます。

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英語で「病棟を任せます」は?【1分★医療英語】第80回

第80回 英語で「(病棟などを)任せます」は?I will eat a quick lunch. Please hold down the fort while I am away from the floor unit.(簡単に昼食を済ませてきます。その間、[病棟を]任せますよ)Sure, enjoy your lunch!(もちろんです。昼食楽しんできてください!)《例文1》医師AI will hold down the fort because she has a vacation and is off work next week.(彼女は来週休暇で職場に来ないので、その間は私が責任を持って対応する予定です)医師BOkay I will keep that in mind.(わかりました。覚えておきますね)《解説》“hold(down)the fort”という慣用句について解説します。「Cambridge Dictionary」によると、“to have responsibility for something while someone is absent”という訳になっています。元々の英語の直訳では“the fort”(砦)を“hold down”(護る、保つ)という意味から来ているようですね。それが慣用句となり、日本語で訳すならば、「誰かがいない間に、その場の責任を任せます」といった意味ですね。一見使える場面が限られるように思われますが、実は米国の医療現場で働く際に使われる場面にたびたび出くわし、私もそこでこの表現を学びました。日本人は聞き慣れなくても、ネイティブの方々がよく使う表現の一つといえるでしょう。医療現場において、「自分が一時的にその場を離れないといけないが、誰かに患者や状況を見ていてもらう必要がある際」にぴったり当てはまる表現です。さらに具体的にいうと、夜間救急当直などでチームメンバーや上司が少し休憩をとる際に「その間、頼んだよ」といった感じで使います。また、この表現は一般慣用句で医療場面以外でも使えますので、もっと幅広く「留守番を頼んだよ」というようなニュアンスでも使えます。そう捉えると、日本語でも頻繁に使われる表現ですよね。また、使い方としては“hold down the fort”そのままの表現で聞くことが多い印象ですが“down”を省略した“hold the fort”でも使用できます。こうした英語の慣用句をさらりと日常で使いこなせるようになると格好良いですね。講師紹介

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日本初の肥満症治療薬「ウゴービ皮下注0.25mg/0.5mg/1.0mg/1.7mg/2.4mgSD」【下平博士のDIノート】第120回

日本初の肥満症治療薬「ウゴービ皮下注0.25mg/0.5mg/1.0mg/1.7mg/2.4mgSD」今回は、肥満症治療薬「セマグルチド(遺伝子組換え)(商品名:ウゴービ皮下注0.25mg/0.5mg/1.0mg/1.7mg/2.4mgSD、製造販売元:ノボ ノルディスク ファーマ)」を紹介します。本剤は肥満症を適応として承認された日本で初めてのGLP-1受容体作動薬であり、高血圧などを有し、食事・運動療法を行っても十分な効果が得られない肥満症患者の体重減少効果が期待されています。<効能・効果>肥満症の適応で、2023年3月27日に製造販売承認を取得しました。本剤は、高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のいずれかを有し、食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られず、BMIが27kg/m2以上かつ2つ以上の肥満に関連する健康障害を有する患者、あるいはBMIが35kg/m2以上の患者に処方されます。<用法・用量>通常、成人には、セマグルチド(遺伝子組換え)として0.25mgから投与を開始し、週1回皮下注射します。その後は4週間の間隔で、週1回0.5mg、1.0mg、1.7mg、2.4mgの順に増量し、以降は2.4mgを週1回皮下注射します。患者さんの状態に応じて適宜減量します。<安全性>日本人被験者が参加した第III相試験(NN9536-4373試験、NN9536-4374試験、NN9536-4382試験)において、2,008例中1,359例(67.7%)に副作用が発現しました。主なものは、悪心(36.4%)、下痢(23.5%)、嘔吐(19.1%)、便秘(19.0%)などでした。なお、重大な副作用として、低血糖、急性膵炎(0.1%)、胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸が設定されています(発現率の記載のないものは頻度不明)。<患者さんへの指導例>1.この薬には、脳に作用して食欲を抑えることで、体重を減らす作用があります。2.血糖値を下げる作用があるため、脱力感、倦怠感、高度の空腹感、めまいなどの低血糖症状が現れた場合は糖質を含む食品を取ってください。また、高所作業、自動車の運転などに注意してください。3.1週間に1回、同一曜日に皮下に注射してください。適切な在宅自己注射教育を受けた患者さんまたはご家族は自己注射することができます。注射は、腹部、ふともも、上腕に行います。注射箇所は毎回変更し、少なくとも前回の場所から2~3cm離して注射してください。4.1回使い切りの注射薬です。5.嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛などの症状が現れた場合は、使用を中止して速やかに医師の診察を受けてください。6.次回の投与日を忘れないように、カレンダーなどに書き留めることをお勧めします。7.凍結を避けて冷蔵庫(2~8℃)で保管してください。<Shimo's eyes>本剤は、肥満症治療薬として承認された唯一のGLP-1受容体作動薬です。固定注射針付きシリンジを注入器にセットした単回使用のコンビネーション製品で、週1回皮下投与します。名称の「SD」は、単回投与を意味するSingle Doseの頭文字に由来します。GLP-1は小腸のL細胞から分泌されるインクレチンホルモンであり、血糖降下作用のほか、中枢における摂食抑制作用を有するため、体重を減少させる効果があります。本剤とDPP-4阻害薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有しているため、2型糖尿病を有する患者において両剤が併用された際の有効性および安全性は確認されていません。投与する対象患者については厳しい条件が課せられていて、(1)高血圧、脂質異常症または2型糖尿病のいずれかを有していること、(2)食事療法・運動療法を行っても効果が不十分であること、(3-1)BMIが27kg/m2以上かつ2つ以上の肥満に関連する健康障害を有していること、または(3-2)BMIが35kg/m2以上であることが求められます。日本人が参加した国際共同第III相試験(NN9536-4373試験、NN9536-4374試験)および国際共同第III相試験(NN9536-4382試験)において、投与68週時までの体重変化率および5%以上の体重減少達成率でプラセボに対する優越性を示しました。重大な副作用として、低血糖、急性膵炎が現れることがあります。嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛などが現れた場合は急性膵炎の可能性を考慮し、使用を中止して速やかに医師の診察を受けるように指導しましょう。本剤と同じセマグルチドを有効成分とする薬剤として、週1回投与の注射剤であるオゼンピック皮下注が2018年3月に、1回使い切りの同SD製剤が2020年3月に、1日1回投与の経口薬であるリベルサス錠が2020年6月に、それぞれ2型糖尿病を効能・効果として承認されています。自由診療において、これらの薬剤がダイエット・美容目的で適応外処方されることが問題となっています。ウゴービ皮下注の臨床試験では、BMIならびに肥満に関連する健康障害の参加基準が厳格に定められていたことから、これらの薬剤の不適正使用について日本糖尿病学会から注意喚起されており、健康被害の防止と適正使用の推進が求められています。なお、本剤は「最適使用推進ガイドライン対象品目」であり、処方には条件が付く可能性があります。関連サイトGLP-1受容体作動薬およびGIP/GLP-1受容体作動薬の適応外使用に関する日本糖尿病学会の見解

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第163回 GLP-1薬でがん予防? / アルツハイマー病アジテーション治療薬を米国が初承認

GLP-1受容体作動薬は肥満患者のがん予防効果も担いうるGLP-1受容体作動薬(以下、GLP-1薬)が肥満患者の体重を減らすことに加えて、ともするとがん予防効果も担いうることが被験者20例の免疫細胞を調べた試験で示唆されました1)。肥満成人は今や世界で6億人を超えます。肥満は2型糖尿病、心血管疾患、多くのがん(乳房・腎臓・大腸がんなど)と関連します。また、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症の害を被りやすくします。ナチュラルキラー(NK)細胞は体内を巡るリンパ球の約10%を占める免疫細胞であり、病原体の侵略を食い止め、がんの発現を防ぐ役割を担います。しかし肥満はどうやらNK細胞を害するらしく、その数を減らし、機能を妨げることが先立つ研究で示されています。たとえばマウスの実験によると肥満のNK細胞は代謝が行き詰まっていて腫瘍と戦えず、腫瘍増殖を食い止めることができません2)。また、肥満小児のNK細胞を調べたところ合図に応じる能力が劣っており、増殖して腫瘍を除去するという本来の働きを全うできませんでした3)。すなわち肥満だとNK細胞は目当ての細胞に取り付いて除去することができなくなるようであり、肥満患者はそれゆえがんや感染症を被りやすいのかもしれません。先立ついくつかの研究でGLP-1薬はマクロファージやT細胞などの免疫細胞に手を加えることが知られています。アイルランドの2人の研究者・Andrew Hogan氏やDonal O’Shea氏などが携わった2016年の報告はそれらの1つで、脂肪組織のインバリアントナチュラルキラーT細胞(iNKT細胞)の活性化作用がGLP-1薬の体重減少効果に寄与しうることが示唆されました4)。その両氏が率いるチームは続いてNK細胞へのGLP-1薬の作用の検討にも乗り出し、体重管理のためにGLP-1薬投与を始める肥満患者を募ってNK細胞の変化を調べました。投与されたGLP-1薬はノボ ノルディスク ファーマのリラグルチドで、うれしいことに同剤投与はNK細胞のサイトカイン生成や目当ての細胞を壊す効果の向上と関連しました。リラグルチドでNK細胞機能が改善するのは体重減少のおかげというわけではなさそうで、同剤はNK細胞の代謝を底上げすることで体重減少とは関係なく直接的にその働きを回復させるようです。世界保健機関(WHO)の推定によると世界の成人の13%が肥満です5)。上述のとおり肥満は種々のがんを生じやすくし、たとえば米国で毎年診断されるがんの40%が太り過ぎや肥満と関連します6)。今回の発見はGLP-1薬を使う肥満患者を勇気づけるものであり、それら薬剤ががんを生じ難くするという効果さえ担うことを示唆しているとO’Shea氏は言っています7)。アルツハイマー病患者の行動障害治療薬を米国FDAが初めて承認アルツハイマー型認知症患者の暴言、暴力、錯乱などの行動障害(アジテーション)治療のFDA承認を抗精神病薬ブレクスピプラゾール(商品名:レキサルティ)が先週11日に取得し、米国でその用途を有する初めてにして唯一の薬剤となりました8)。大塚製薬のアルツハイマー型認知症アジテーション治療の取り組みはブレクスピプラゾールにとどまりません。10年ほど前の2014年に発表されたAvanir社買収で大塚製薬の手に権利が渡った別の薬剤AVP-786のその用途の第III相試験が進行中であり、来年2024年4月に完了する見込みです9)。参考1)De Barra C, et al. Obesity. 2023 May 9. [Epub ahead of print]2)Michelet X, etal. Nat Immunol. 2018;19:1330-1340.3)Tobin LM, et al. JCI Insight. 2017;2:e94939.4)Lynch L, et al. Cell Metab. 2016;24:510-519.5)Obesity and overweight / WHO6)Cancers Associated with Overweight and Obesity Make up 40 percent of Cancers Diagnosed in the United States / CDC7)Maynooth University research reveals cancer-killing benefits of popular obesity treatment / Eurekalert8)FDA Approves First Drug to Treat Agitation Symptoms Associated with Dementia due to Alzheimer's Disease / PRNewswire9)大塚ホールディングス株式会社 2022年度決算説明会

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DOACの出血リスクが少ないのは?リバーロキサバンvs.エドキサバン

 非弁膜症性心房細動(NVAF)治療として直接経口抗凝固薬(DOAC)の用量規定を遵守しない投与(off-label dosing)は適応外使用となる。一方、現実の本剤処方の実態は、かなりの頻度で規定用量非遵守の低用量使用(off-label underdosing)が行われている。そこで、北摂総合病院の諏訪 道博氏らは血漿濃度(PCs:plasma concentrations)をモニタリングし、1日1回服用のリバーロキサバンとエドキサバンの投与状況を調査した。その結果、NVAF患者のPCsを監視することで、リバーロキサバンとエドキサバンの出血リスク軽減のための用量調整が可能なことを実証した。また、出血の発生率はリバーロキサバン群よりエドキサバン群で少ないことも明らかになった。Circulation Reports誌2023年3月10日号掲載の報告。 主な結果は以下のとおり。・NVAFの外来患者のうち、リバーロキサバン処方群(391例)とエドキサバン処方群(333例)についてPCsのモニタリングを実施した。PCsの出血イベントのカットオフ値(リバーロキサバン:404 ng/mL、エドキサバン:402 ng/mL)はROC曲線から決定され、それを超えた患者(リバーロキサバン:28.1%、エドキサバン:12.6%)では用量調整が行われ、モニタリングを用いたoff-label dosingにより出血イベントは減少した。・追跡期間の中央値はリバーロキサバンが13ヵ月、エドキサバンが10ヵ月で、出血イベントの年間発生率はエドキサバンよりもリバーロキサバンのほうが高かった(患者年あたり4.88件vs.3.73件、p<0.05)。・さらに、クレアチニンクリアランスが50mL/min以上で、体重60kg以下の患者群の場合、リバーロキサバンは15mg(日本人標準用量)、 エドキサバンは30mgがそれぞれ適応となるが、リバーロキサバン15mgでは、エドキサバン30mgよりも出血イベントの発生率が高くなった(22.2% vs.2.9%、p<0.01)。 研究者らは「これは、リバーロキサバンでの出血発生率が高いとされる理由の一因と思われた」としている。

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術後せん妄予防にメラトニン投与が有望~メタ解析

 術後せん妄は、死亡率に影響を及ぼす問題である。術後せん妄の多くは予防可能であり、予防薬としてメラトニン投与が有望であるといわれている。英国・Bristol Royal InfirmaryのJonathan Barnes氏らは、術後せん妄の予防におけるメラトニンの有効性に関する最新のエビデンスのシステマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、メラトニンは、成人の術後せん妄発生率を低下させる可能性が示唆された。BMJ Open誌2023年3月29日号の報告。術後せん妄の予防におけるメラトニンの有効性を患者1,244例で解析 1990年1月1日~2022年4月5日までに公表された術後せん妄に対するメラトニンのランダム化比較試験を、各種データベース(EMBASE、MEDLINE、CINAHL、PsycINFO)および臨床試験レジストリ(ClinicalTrials.org)から、システマティックに検索した。対象には、成人の術後せん妄発生率に対するメラトニンの影響を調査した研究を含めた。バイアスリスクの評価には、Cochrane risk of bias 2 toolを用いた。主要アウトカムは、術後せん妄の発生率、副次アウトカムは、術後せん妄の期間および入院期間とした。データの合成には、ランダム効果メタ解析を用い、フォレストプロットで図式化した。研究の方法論およびアウトカム測定の概要も調査した。 術後せん妄の予防におけるメラトニンの有効性を解析した主な結果は以下のとおり。・さまざまな外科の専門分野の患者1,244例を対象とした11件の研究をメタ解析に含めた。・7件の研究では、さまざまな用量でメラトニンが使用されており、4件の研究ではラメルテオンが使用されていた。・術後せん妄の診断には、8つの異なる診断ツールが使用されていた。・評価時期は、研究によりさまざまであった。・バイアスリスクは、6件の研究で低く、5件の研究でやや懸念があると評価された。・対照群と比較したメラトニン群の術後せん妄発症に対するcombined ORは0.41(95%信頼区間:0.21~0.80、p=0.01)であった。

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乳がん術後妊娠希望で内分泌療法を一時中断、再発リスクは?/NEJM

 ホルモン受容体陽性の早期乳がん既往患者(42歳以下等の条件あり)において、妊娠を試みるための内分泌療法の一時的な中断は、乳がんイベントの短期リスクを増大しなかったことを、米国・ダナファーバーがん研究所のAnn H. Partridge氏らが報告した。これまで乳がん後に妊娠を試みるために内分泌療法を一時中断した女性の、再発リスクに関する前向きデータは不足していた。今回の結果を踏まえて著者は、「長期安全性の情報を確認するために、さらなる追跡調査が必要である」とまとめている。NEJM誌2023年5月4日号掲載の報告。妊娠希望で内分泌療法を一時中断、乳がんイベント発生数を評価 研究グループは、国際多施設共同研究者主導の単群試験で、乳がんを有した若い女性で妊娠を試みるために術後補助内分泌療法の一時中断を評価した。 42歳以下、乳がんStageI、IIまたはIIIで、術後補助内分泌療法期間が18~30ヵ月の妊娠を希望する女性を適格とした。 主要評価項目は、追跡期間中の乳がんイベント(同側または局所の浸潤性乳がん、遠隔再発、対側浸潤性乳がんの発生と定義)発生数であった。主要解析は、追跡期間1,600患者年後に実施することが計画された。事前に規定した安全性の閾値は、同一期間中の乳がんイベント発生数が46件とした。 一時中断群の乳がんアウトカムを、本試験の組み入れ基準に該当すると思われた外部の女性コホート(対照群)と比較した。63.8%が出産、乳がん再発リスクは事前規定の安全性閾値内 2014年12月~2019年12月に、516例が有効性に関する主要解析に包含された。年齢中央値は37歳、乳がん診断から試験登録までの期間中央値は29ヵ月であり、93.4%が乳がんStageIまたはIIであった。 妊娠について追跡した497例において、368例(74.0%)が1回以上妊娠し、317例(63.8%)が1人以上の生児を出産した。 追跡期間1,638患者年(追跡期間中央値41ヵ月)において、乳がんイベントを発生した患者は44例で、安全性閾値を上回らなかった。 乳がんイベント3年発生率は、一時中断群8.9%(95%信頼区間[CI]:6.3~11.6)、対照群9.2%(7.6~10.8)であった。絶対群間差は-0.2ポイント(95%CI:-3.1~2.8)、補正後ハザード比は0.81(95%CI:0.57~1.15)であった。

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2型DM長期管理、週1回insulin icodec vs. 1日1回インスリン グラルギン/Lancet

 長期にわたり基礎・追加インスリン(basal-bolus)療法を受けている2型糖尿病(DM)患者において、週1回投与のinsulin icodec(icodec)は1日1回投与のインスリン グラルギン100単位と比較して、血糖コントロールの改善は同等であるが、ボーラス投与量は減り、低血糖の発現率を上昇させないことが示された。ベルギー・ルーベン・カトリック大学のChantal Mathieu氏らが、試験期間26週の第IIIa相無作為化非盲検多施設共同治療目標設定非劣性試験「ONWARDS 4試験」の結果を報告した。結果について著者は、「今回の試験の主な長所は、マスクされた連続血糖モニタリングの使用、高い試験完了率、大規模で多様な国際的集団を対象としている点であるが、比較的短い試験期間および非盲検デザインという点では結果が限定的である」としている。Lancet誌オンライン版2023年5月5日号掲載の報告。9ヵ国80施設で試験 ONWARDS 4試験は、9ヵ国(ベルギー、インド、イタリア、日本、メキシコ、オランダ、ルーマニア、ロシア、米国)の80施設(外来クリニックおよび病院診療部門)で、2型DM(糖化ヘモグロビン[HbA1c]7.0~10.0%)の成人患者を登録して行われた。 被験者は1対1の割合で無作為に、週1回icodecまたは、1日1回インスリン グラルギン100単位+2~4回/日インスリン アスパルトのボーラス注射、いずれかの投与を受けるよう割り付けられた。 主要アウトカムは、ベースラインから26週目までのHbA1cの変化量(非劣性マージン0.3ポイント)であった。主要アウトカムは全解析セット(無作為化を受けた全被験者)で評価した。安全性は、安全性解析セット(割り付け治療薬を少なくとも1回受けた全被験者)で評価した。26週時点で、血糖コンロトール改善は同等 2021年5月14日~10月29日に、746例が適格性のスクリーニングを受け、582例(78%)が無作為化された(icodec群291例[50%]、グラルギン群291例[50%])。被験者の2型DM罹病期間は平均17.1年(SD 8.4)。 26週時点で、推定HbA1cの平均変化量は、icodec群-1.16ポイント(ベースライン8.29%)、グラルギン群-1.18ポイント(8.31%)で、icodec群のグラルギン群に対する非劣性が示された(推定群間差:0.02ポイント[95%信頼区間[CI]:-0.11~0.15]、p<0.0001)。 有害事象の発現は、icodec群171/291例(59%)、グラルギン群167/291例(57%)であった。重篤な有害事象は、icodec群22/291例(8%)の35件、グラルギン群25/291例(9%)の33件が報告された。 全体として、低血糖のレベル2および3の複合発生率は、両群で類似していた。icodecに関する安全性の新たな懸念は確認されなかった。

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第147回 健康長寿の自治体は、男女とも川崎市麻生区、ワースト自治体は大阪市西成区/厚労省

<先週の動き>1.健康長寿の自治体は、男女とも川崎市麻生区、ワースト自治体は大阪市西成区/厚労省2.改正健康保険法が成立、出産育児一時金の財源のため75歳以上の保険料の引き上げへ/国会3.全世代型社会保障関連法が成立、「かかりつけ医機能」報告制度を創設へ/国会4.大都市など外来医師多数区域での新規開業規制を/財務省5.緊急避妊薬の市販化、パブリックコメントは圧倒的多数が賛成/厚労省6.財政制度等審議会で医薬品の保険給付範囲の早急な見直しを提案/財務省1.健康長寿の自治体は、男女とも川崎市麻生区、ワースト自治体は大阪市西成区/厚労省厚生労働省は、令和2年に行われた国勢調査の結果を基に市区町村別にみた平均寿命を発表した。それによると、男女ともに最も寿命が短いのは大阪市西成区で、男性が73.2歳、女性が84.9歳。一方、最も長寿な市区町村は男女ともに川崎市麻生区で、男性の寿命は84.0歳、女性の寿命は89.2歳だった。厚労省は、市区町村ごとの平均寿命の差は、生活習慣や健康への意識などの要因によるものとしている。日本人の平均寿命は全国平均で男性が81.49歳、女性が87.60歳で、男女の平均寿命の差は6.1歳。この調査結果を基に、住民の健康増進に役立てることが期待されている。(参考)市区町村別にみた平均寿命 (厚労省)令和2年市区町村別生命表の概況(同)平均寿命 川崎 麻生区が男女とも最長 厚労省調査(NHK)最も長寿な市区町村、男女とも川崎市麻生区…ワーストの区とは10歳の差(読売新聞)市区町村別ニッポンの平均寿命 男性の“短命”は1~3位とも大阪市 厚労省の最新調査(MBS)2.改正健康保険法が成立、出産育児一時金の財源のため75歳以上の保険料の引き上げへ/国会後期高齢者医療制度の保険料の上限引き上げを含む改正健康保険法が、5月12日の参議院本会議で自民党、公明党などの賛成多数で可決、成立した。社会保障の持続性を高める「全世代型社会保障」への改革の一環として、2024年度から所得のある75歳以上の人の医療保険料を段階的に引き上げ、現役世代の負担増を抑えつつ、出産育児一時金の増額に充てる財源とする。法案によれば、年金収入が年153万円を超える約4割の後期高齢者を対象に、2024年度から保険料の上限を73万円、2025年度には80万円に引き上げる予定。厚生労働省の試算では、高齢者の1人当たりの保険料は年平均でおよそ5千円増え、25年度は8万7,200円となる見通し。また、自営業者などが加入する国民健康保険では、出産前後の4ヵ月間の保険料を免除する措置も創設される。(参考)75歳以上の公的医療保険料、段階的引き上げ…出産一時金増額で健康保険法改正(読売新聞)改正健保法が成立 75歳医療保険料引き上げ 出産一時金財源にも充当(産経新聞)75歳以上、保険料5000円増 改正健保法成立 対象4割 財政の持続性 懸念なお(日経新聞)3.全世代型社会保障関連法が成立、「かかりつけ医機能」報告制度を創設へ/国会5月12日に参議院本会議で改正医療法を含む、全世代型社会保障関連法が賛成多数で可決、成立した。これによって「かかりつけ医機能」の法定化と報告制度の創設が決まった。改正医療法では、「かかりつけ医機能」を「身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能」と定義している。今後、政府は報告制度について検討を行い、今年の夏までに今後の具体的な情報提供項目のあり方や情報提供についてまとめる。2025年4月施行後、診療所や病院は「かかりつけ医機能」として休日・夜間の対応、介護サービスとの連携などについて都道府県に届け出ることになる。都道府県は医療機関の体制を確認し、患者が適切な選択をするための情報を提供するとともに、地域の「かかりつけ医機能」の向上を協議し、医療計画や介護保険事業計画に反映させることを目指す。また、2007年に創設された「医療機能情報提供制度」は、2024年度に全国統一のシステムに切り替えられる予定。(参考)全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の改正案(厚労省)「かかりつけ医機能」を法定化、報告制度創設へ 全世代型社会保障関連法が成立(CB news)4.大都市など外来医師多数区域での新規開業規制を/財務省財務省は、財務大臣の諮問機関の財政制度等審議会財政制度分科会を5月11日に開催し、この中で今後の医師の需給見込みについて議論を行った。厚生労働省の将来推計によれば、2029年頃にマクロでは医師需給が均衡し、その後は医師の供給過剰となることが見込まれており、現状のままでは、大都市部において医師や診療所数が過剰となり、地方はそれらが過少となる傾向が続く。厚労省は「外来医師多数区域」における取組みとして、2020年度の「外来医療計画」に基づくガイドラインで「外来医師多数区域」において新規開業を希望する者に対しては、不足する医療機能を担うように要請しているが、一部の都道府県では、そもそも要請を行っておらず、また、要請を行っても、新規開業者に求める医療機能が不明瞭なケースもある。厚労省の調査によれば、要請に従っている新規開業者は7割程度と十分ではない。今後、わが国でも、地域ごとに病院・診療所間の役割分担を明確にしつつ、必要な医療人材を集中・確保していくことが求められる中で、たとえば診療所の新規開設についても、国外の例を参考にもう一歩踏み込んだ対応が必要などの意見が出された。日本医師会は「外来医療計画」について2019年に、外来医療計画は開業を制限するものではないことを確認している。現在、厚労省は第8次医療計画の策定を進めており、来年度から各都道府県に対して、医師の偏在対策を求めていくとみられる。(参考)財政制度等審議 財政制度分科会 財政各論(3):こども・高齢化等[※74頁目より](財務省)財務省、診療所の新規開業規制に言及「一歩踏み込んだ対応必要ではないか」(CB news)2024年度から強力に「医師偏在解消」を推進!地域の「すべての開業医」に夜間・休日対応など要請-厚労省(Gem Med)外来医療計画について(日本医師会)医師確保計画策定ガイドライン~第8次(前期)~(厚労省)5.緊急避妊薬の市販化、パブリックコメントは圧倒的多数が賛成/厚労省厚生労働省は、5月12日に「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」を開催し、医師の処方箋なしで購入できる緊急避妊薬(モーニングアフターピル)の市販化について、約4万6千件のパブリックコメントが寄せられ、およそ99%が賛成であったことを明らかにした。しかし、検討会議では最終報告書がまとまらず、議論が継続されることとなった。現在、緊急避妊薬は医師の処方箋が必要で、診療可能な医療機関やオンライン診療の医師一覧が厚労省のウェブサイトに掲載されているが、休日や夜間に手に入りにくいという課題も存在する。これまで緊急避妊薬については、処方箋が不要な市販薬に変更する意見が取り上げられてきたが、厚労省の専門家会議では、市販化は女性の権利に関わる問題であり、アクセス向上の面でも良い方法であるとの認識が共有されていた。パブリックコメントでは、4万5,314件が賛成であり、反対は412件であった。賛成意見の中には、未成年が避妊薬を手に入れやすくなることへの懸念や、性犯罪被害者のサポートセンターの存在を広く知らせる必要性などが挙げられた。厚労省の専門家会議は、緊急避妊薬に関心の高い女性の存在を認識し、次回までに最終報告書をまとめることを決定したほか、一部薬局や地域での試験的な導入を検討する。今後、課題などを整理した後、製薬会社から緊急避妊薬のOTC化の申請があれば、承認するかどうか別の会議で審議する。(参考)第24回 医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議(厚労省)緊急避妊薬「市販化を」 異例のパブコメ4万6千件、賛成の声多く(朝日新聞)緊急避妊薬スイッチOTC化前の試験運用検討へ パブリックコメント踏まえ評価会議が方向性(CB news)6.財政制度等審議会で医薬品の保険給付範囲の早急な見直しを提案/財務省財務省は、5月11日に開催された財政制度等審議会において、医療・介護の給付費用が過去20年で大幅に増加しており、医療・介護の給付費用の効率化が必要として、医薬品の保険給付範囲の見直しを求めた。この中で、日本の医療保険制度は、患者側が受診コストを意識しづらく、医療機関側は患者数・診療行為数が増えるほど収入が増える構造である。わが国の保健医療支出GDP比はOECDで5番目に高く、政府支出に占める公的保健医療支出の割合はOECDで2番目に高い状況にある。近年、医薬品に対する給付費用が経済成長率以上に伸びており、さらに高齢化の進展に伴い、さらなる薬剤費の増加も見込まれている。医療・介護の報酬改定で制度改正を行っているが、今後も給付費用の抑制に取り組む必要がある。また、画期的な新薬を含め高額医薬品の収載が増えており、今後も保険財政への影響が大きい医薬品が出てくることも予想され、保険給付について今のままでは保険料や国庫負担の増大が避けられない現状であるとした。すでに欧米諸国では、高額な医薬品については、費用対効果をみて保険対象とするか判断する、医薬品の有用性が低いものは自己負担を増やす、あるいは、薬剤費の一定額までは自己負担とする方策をとっており、わが国でも早急な対応が必要として、新しい枠組みを求めた。政府はこれらの提言を基に、令和5年度の「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」を今年の夏までに決定して、岸田内閣が取り組む課題とするとみられる。(参考)財務省主計局 財政審に「薬剤費の一定額までは自己負担」など保険給付範囲の早急な見直しを正式に提案(ミクスオンライン)財政制度等審議会 財政制度分科会 財政各論(3):こども・高齢化等[※64頁目より](財務省)

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質疑応答をスムーズにする「相槌」のバリエーション【学会発表で伝わる!英語スライド&プレゼン術】第15回

質疑応答をスムーズにする「相槌」のバリエーションこれまでも接続詞の回や副詞の回でご説明してきましたが、基本的に英語は繰り返しを好まない言語です。このため、同義語のバリエーションを増やしておくことは大切で、相槌についても同様のことがいえます。日本語の会話であれば、「えー」「はい」の繰り返しで良いかもしれませんが、英語の場合には、多くのオプションを持っておくことが助けになるでしょう。とくに、質疑応答の際に有用な表現になります。相槌の多様な表現似たような相槌でも少しニュアンスが異なる場合がありますので、その言葉が持つ意味合いとともに複数の相槌の表現を覚えておくとよいでしょう。よく用いられる相槌の例日本人の方が英語で話をしているのを聞くと、“Yes”ばかりを繰り返している方や、(さらに気がかりなパターンは)“Yeah”を繰り返している方を見掛けます。とくに後者はカジュアル過ぎて、状況によっては不適切な相槌にもなりかねません。学会のプレゼンを想定した場合には、いくつかのフォーマルなバリエーションをマスターしておく必要があるでしょう。また、日本人の感覚では、“OK”や“Fine”は肯定的な意味を持つ言葉と思われがちですが、これらは(言い方にもよりますが)ニュートラル、場合によってはやや否定的に近い言葉にもなり得ますので、このニュアンスにも注意が必要です。講師紹介

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高齢NSCLCにおけるKEYNOTE-189とIMpower130の比較/日本呼吸器学会

 70歳以上の非小細胞肺がん(NSCLC)における、2つの免疫チェックポイント阻害薬(ICI)+化学療法レジメンは同等の有効性を示すが、安全性プロファイルは異なることが示された。日本医科大学付属病院の戸塚 猛大氏が第63回日本呼吸器学会学術講演会で発表した。 ICI+化学療法はNSCLCの標準治療の1つである。NSCLCでは高齢患者の占める割合が多い。しかし、70歳以上の高齢NSCLCにおける治療の有効性や安全性は十分に検討されているとは言えない。戸塚氏らは同施設において、ICI+化学療法を受けた非扁平上皮NSCLC患者のデータを後ろ向きに収集し、70歳以上のNSCLCにおけるKEYNOTE-189レジメン(n=26)とIMpower130レジメン(n=13)の有効性と安全性を検討した。 主な結果は以下のとおり。・無増悪生存期間(PFS)はKEYNOTE-189レジメンは6.5ヵ月、IMpower130レジメンは8.1ヵ月であった(p=0.531)。・全生存期間(OS)はKEYNOTE-189レジメンは32.9ヵ月、IMpower130レジメンは22.9ヵ月であった(p=0.862)。・安全性プロファイルは両群で違う傾向にあり、Grade2以上の肺臓炎およびGrade2以上の腎障害の発現は、KEYNOTE-189レジメンでみられたが、IMpower130レジメンでは認められなかった。一方、Grade3以上の血液毒性はKEYNOTE-189レジメンに比べIMpower130レジメンで多くみられた。 70歳以上の非扁平上皮NSCLCにおいて、KEYNOTE-189レジメンとIMpower130レジメンの有効性には差は認められなかった。一方、有害事象の内容は異なることから戸塚氏は、安全性プロファイルを考慮して治療選択を行うべきだとの結論を示している。

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日本人は低炭水化物食で糖尿病リスクが上がる?下がる?~JACC研究

 低炭水化物食(LCD)スコアと2型糖尿病発症リスクの関連を検討したメタ解析では、LCDスコアが高い(炭水化物が少なくタンパク質と脂質が多い)ほど2型糖尿病発症リスクが高い傾向がみられたことが報告されている1)。しかし、メタ解析の対象となった研究のほとんどがアジア人以外での研究である。今回、日本の大規模な全国コホート研究であるJACC(Japan Collaborative Cohort Study for Evaluation of Cancer Risk)研究の約2万人のデータを用いて、北海道大学の八重樫 昭徳氏らが前向きに検討したところ、日本人ではLCDスコアが高い食事で2型糖尿病リスクが上昇する可能性は低いことが示唆された。Journal of Nutritional Science誌2023年4月14日号に掲載。 本研究は、1988~90年にJACC研究に登録した参加者のうち、糖尿病ではない40~79歳の日本人1万9,084人(男性7,052人、女性1万2,032人)を解析対象とした。食事摂取量は食物摂取頻度調査票(FFQ)を用いて評価した。炭水化物、タンパク質、脂質からの摂取エネルギーの割合により参加者を11カテゴリーに分類し、全体、動物性、植物性のLCDスコアを算出した。動物性LCDスコアは炭水化物、動物性タンパク質、動物性脂質に由来するエネルギーの割合から、また植物性LCDスコアは炭水化物、植物性タンパク質、植物性脂質に由来するエネルギーの割合から計算した。2型糖尿病発症率は自記式質問票を使用して評価した。多変量ロジスティック回帰分析により、各LCDスコアの五分位における2型糖尿病発症のオッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・5年間に490人(男性247人、女性243人)が2型糖尿病を発症した。・LCDスコアの最低五分位を基準とした最高五分位における2型糖尿病発症の多変量調整ORは、全体LCDスコアでは男性が0.64(95%CI:0.42~0.99)、女性が0.78(同:0.51~1.18)であり、動物性LCDスコアでは男性が0.83(同:0.55~1.27)、女性が0.84(同:0.57~1.24)だった。・植物性LCDスコアは男性において2型糖尿病発症リスクの低下と関連していた(OR:0.51、95%CI:0.33~0.77)。 本研究では、動物性LCDスコアは男女共に2型糖尿病発症リスクと関連せず、植物性LCDスコアは男性で発症率が低いことに関連していた。この結果から、八重樫氏らは「日本人のように魚と肉の摂取量が少ない集団では、炭水化物が少なく脂肪とタンパク質が多い食事で2型糖尿病リスクが上昇する可能性は低いことが示唆される」と考察している。

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世界初のRSVワクチン承認/FDA

 グラクソ・スミスクライン/GSKは、2023年5月3日、RSウイルス(RSV)ワクチン「Arexvy」について、60歳以上におけるRSVに関連する下気道疾患の予防を目的として米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表した。本承認は、60歳以上を対象とした第III相試験「AReSVi-006試験」の結果に基づくもの。RSVは、米国において65歳以上の年間約17万7千例の入院、約1万4千例の死亡を引き起こしていると推定されている。日本においては、60歳以上の年間約6万3千例の入院、約4千例の死亡を引き起こしていると推定されている。 AReSVi-006試験は、60歳以上の2万4,966例を対象とした国際共同プラセボ対照第III相試験。本試験において、ワクチンのRSVに関連する下気道疾患に対する統計学的有意かつ臨床的に重要な有効性(82.6%)が示され、主要評価項目が達成された。また、特定の心肺系疾患や内分泌代謝系疾患など、注目すべき併存疾患を有する高齢者での有効性は94.6%であった。RSVに関連する重症下気道疾患に対する有効性は94.1%であった。また、安全性についても良好な安全性プロファイルを示した。多く認められた有害事象は、注射部位疼痛、疲労、筋肉痛、頭痛、関節痛であった。これらはおおむね軽度から中等度であり、一過性であった。 今回、FDAの承認を取得したRSVワクチン「Arexvy」は、RSVの宿主細胞との膜融合に関与するfusion(F)タンパク質について、立体構造を安定させた組換え膜融合前(prefusion)Fタンパク質とGSK独自のAS01Eアジュバントを組み合わせて作製されたワクチンである。米国での発売開始は、2023~24年のRSV流行シーズン前を見込んでいるとのこと。

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日本における双極性障害外来患者の入院の予測因子~MUSUBI研究

 双極性障害は、躁症状とうつ症状が繰り返し発現し、社会的機能低下や自殺リスクにつながる可能性のある疾患である。症状の増悪により入院せざるを得なかった双極性障害患者では、その後の心理社会的機能の低下が報告されていることから、できる限り入院リスクを減らす治療が求められる。しかし、双極性障害患者の実臨床における入院の予測因子に関するエビデンスは、これまで十分ではなかった。獨協医科大学の徳満 敬大氏らは、日本における双極性障害外来患者の入院の予測因子を明らかにするため、観察研究を実施した。その結果、対象となった双極性障害外来患者の3.06%が、ベースラインから1年間に精神科への入院を経験していることが明らかとなった。また、双極I型障害、ベースライン時の機能の全体的評定尺度(GAF)スコアの低さ、失業状態、薬物乱用、躁状態が入院の予測因子である可能性が示唆された。Frontiers in Psychiatry誌2023年3月16日号の報告。 日本の精神科クリニックにおける双極性障害の多施設治療調査「MUSUBI研究」にて、実臨床における観察研究を実施。レトロスペクティブな医療記録調査の一環として、日本精神神経科診療所協会に加盟しているクリニック176施設を受診した双極性障害患者について、臨床医へのアンケート調査を行った。2016年9月~10月に収集したデータより、ベースライン時の患者の特徴(併存疾患、精神状態、治療期間、GAFスコア、薬理学的治療の詳細情報など)を抽出した。ベースラインから2017年9・10月までの期間(1年間)、双極性障害患者の入院発生率および予測因子を調査した。 主な結果は以下のとおり。・対象患者数は2,389例。・ベースラインから1年間での精神科入院発生率は3.06%であった。・二項ロジスティック回帰分析では、精神科入院と関連が認められた因子は、双極I型障害、ベースライン時のGAFスコアの低さ、失業状態、薬物乱用、躁状態であった。・本結果は、臨床医が双極性障害患者の精神科への入院を予防するうえで、役立つ可能性がある。

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乳児期のRSV感染が小児喘息発症に関連/Lancet

 正期産の健常児で、生後1年目(乳児期)に重症呼吸器合胞体ウイルス(RSV)に感染していない場合は感染した場合と比較して、5歳時点の小児喘息の発生割合が大幅に低く、乳児期のRSV感染と小児喘息には年齢依存的な関連があることが、米国・ヴァンダービルト大学医療センターのChristian Rosas-Salazar氏らが実施した「INSPIRE試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年4月19日号で報告された。米国テネシー州の大規模な出生コホート研究 INSPIRE試験は、2012年6月~12月または2013年6月~12月に正期産で生まれた非低出生体重の健常児を対象とする大規模な住民ベースの出生コホート研究であり、米国テネシー州中部地域の11の小児科診療所で参加者の募集が行われた(米国国立衛生研究所[NIH]の助成を受けた)。 乳児期のRSV感染状況(感染なし・感染あり)を、受動的サーベイランスと能動的サーベイランスを併用して調査し、分子生物学的手法と血清学的手法によりウイルスを同定した。主要アウトカム(5歳時点の喘息)を前向きにフォローアップし、5年間のフォローアップを完了したすべての子供について解析が行われた。 1,946例(年齢中央値55日[四分位範囲[IQR]:16~78]、女児48%)が登録され、このうち1,741例(89%)で生後1年目のRSV感染状況のデータが得られた。乳児期に944例(54%)がRSVに感染し、797例は感染しなかった。RSV感染回避により、15%で喘息が予防 5歳時点で喘息を発症していた子供の割合は、RSV感染群が21%(139/670例)であったのに対し、RSV未感染群は16%(91/587例)と有意に低かった(p=0.016)。補正後リスク比は0.74(95%信頼区間[CI]:0.58~0.94、p=0.014)であり、乳児期のRSV感染回避によって予防可能な5歳時点の小児喘息の割合は15%(95%CI:2.2~26.8)と推定された。 また、子供の年齢で層別化したモデルでは、喘鳴の年間再発リスクは、1~4歳のいずれの時点においても、RSV感染群に比べRSV未感染群で低かったが、有意差は1歳時(p<0.0001)と2歳時(p=0.043)でのみ認められた。 アトピー型喘息を、5歳時の喘息と3歳時の空中アレルゲン感作で定義した場合、5歳時の非アトピー型喘息の頻度はRSV感染群に比べRSV未感染群で有意に低かった(p=0.010)が、アトピー型喘息との関連はなかった。また、アトピー型喘息を、医師が5歳までにアレルギー性鼻炎またはアトピー性皮膚炎と診断し、親によって報告された場合と定義しても、同様の結果であった。 著者は、「乳児期のRSV感染と小児喘息との因果関係を明確に示すには、初回RSV感染の予防、遅延、重症度の軽減が、喘息に及ぼす影響について検討する必要がある」としている。

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