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オシメルチニブのEGFR陽性非小細胞肺がんアジュバントによるDFS改善、最終解析でも維持(ADAURA)/JCO

 EGFR変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の術後補助療法の第III相ADAURA試験。初回解析では、オシメルチニブとプラセボの臨床的に有意な無病生存率(DFS)の利点が実証された(DFSハザード比[HR]:0.20、99.12%信頼区間[CI]:0.14~0.30、p<0.001)。Journal Of Clinical Oncology誌オンライン版2023年1月31日号では、DFSの最終的な分析データが発表されている。・対象:EGFR変異陽性(ex19del/L858R)のStageIB/II/IIIAの完全切除された非扁平上皮NSCLC患者(術後化学療法は許容)・試験群:オシメルチニブ80mg/日 最大3年間治療・対照群:プラセボ・評価項目:[主要評価項目]治験担当医師評価によるStageII/IIIA患者のDFS、推定HR=0.70[副次評価項目]全集団のDFS、全生存期間(OS)、安全性、健康関連QOL[事前に指定された探索的研究]再発パターン、中枢神経系病変(CNS)の再発または死亡(CNS DFS) 主な結果は以下のとおり。・データカットオフ時(2022年4月11日)、StageII〜IIIA集団の追跡期間中央値は、オシメルチニブ群44.2ヵ月、プラセボ群19.6ヵ月であった。・主要評価項目であるStageII~IIIAのDFS HRは0.23(95%CI:0.18〜0.30)、4年DFS率はオシメルチニブ群70%、プラセボ群29%であった。・全集団のDFS HRは0.27(95%CI:0.21〜0.34)、4年DFS率はオシメルチニブ群73%、プラセボ群38%であった。・StageII~IIIAの頭蓋内DFSのHRは0.24(95%CI:0.14〜0.42)であった。・オシメルチニブの長期安全性プロファイルは、初回解析と一致していた。

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急性脳梗塞の血栓溶解、tenecteplase vs.アルテプラーゼ/Lancet

 標準的な経静脈的血栓溶解療法の適応であるが血管内血栓除去術の対象外あるいは拒否した急性虚血性脳卒中患者において、tenecteplaseはアルテプラーゼに対して非劣性であることが、中国・首都医科大学のYongjun Wang氏らによる第III相無作為化非盲検非劣性試験「Tenecteplase Reperfusion therapy in Acute ischaemic Cerebrovascular Events-2 trial:TRACE-2試験」の結果、示された。アルテプラーゼに代わる急性虚血性脳卒中に対する望ましい血栓溶解療法として、tenecteplaseへの関心が高まっていた。Lancet誌オンライン版2023年2月9日号掲載の報告。血管内血栓除去術は適さない急性虚血性脳卒中患者1,430例を無作為化 研究グループは、2021年6月12日~2022年5月29日の期間に中国53施設において、標準的な経静脈的血栓溶解療法の適応ではあるが血管内血栓除去術は適さない急性虚血性脳卒中(発症後4.5時間以内、mRSスコア1以下、NIHSSスコア5~25)の成人(18歳以上)患者1,430例を登録し、tenecteplase(0.25mg/kg、最大25mg)静脈投与群(716例)またはアルテプラーゼ(0.9mg/kg、最大90mg)静脈投与群(714例)に1対1の割合で無作為に割り付けた。患者および治療担当医師は割り付けについて盲検化されなかったが、アウトカム評価医師は盲検化された。 有効性の主要アウトカムは、修正intention-to-treat(ITT)集団(無作為化され割り付けられた治験薬の投与を受けた全患者)における90日後のmRSスコアが0~1の患者の割合で、リスク比(RR)の非劣性マージンを0.937とした。安全性の主要アウトカムは、36時間以内の症候性頭蓋内出血で、治験薬の投与を受け安全性評価が可能であった全患者を解析対象集団とした。tenecteplaseはアルテプラーゼに対して非劣性 無作為化された患者のうちtenecteplase群の6例およびアルテプラーゼ群の7例は治験薬が投与されず、tenecteplase群の5例とアルテプラーゼ群の11例は90日時点の追跡調査が行われなかった。 修正ITT集団において、主要アウトカムである90日後のmRSスコアが0~1の患者の割合は、tenecteplase群62%(439/705例)、アルテプラーゼ群58%(405/696例)であった。RRは1.07(95%信頼区間[CI]:0.98~1.16)であり、RRの95%CI下限値は非劣性マージンを上回っていた。 36時間以内の症候性頭蓋内出血は、tenecteplase群で711例中15例(2%)、アルテプラーゼ群で706例中13例(2%)に発現した(RR:1.08、95%CI:0.56~2.50)。90日死亡は、tenecteplase群46例(7%)、アルテプラーゼ群35例(5%)が確認された(RR:1.31、95%CI:0.86~2.01)。

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65歳以上低リスク早期乳がん、乳房温存術後の放射線療法は省略可/NEJM

 65歳以上の再発リスクが低いホルモン受容体陽性早期乳がん女性患者において、乳房温存術後の放射線療法非施行は、局所再発率の増加と関連していたものの初回イベントとしての遠隔再発や全生存には影響しないことが、英国など4ヵ国76施設で実施された第III相無作為化比較試験「PRIME II試験」の10年時解析で示され、英国・エディンバラ大学のIan H. Kunkler氏らが報告した。著者は、「今回の試験は、乳房温存術を受けたGrade1または2でエストロゲン受容体(ER)高発現の65歳以上の女性では、5年間の術後内分泌療法を受けることを条件に放射線療法を省略できることを示す確かなエビデンスを提供している」とまとめている。NEJM誌2023年2月16日号掲載の報告。放射線療法なし群とあり群に無作為化、両群とも術後内分泌療法は実施 研究グループは、T1またはT2の原発性乳がん(最大腫瘍径3cm以下の腫瘍)で乳房温存術を受け、腋窩リンパ節転移陰性、ER陽性またはプロゲステロン受容体陽性、切除断端陰性(1mm以上)で、術前または術後内分泌療法を受けている65歳以上の女性患者(Grade3またはリンパ管浸潤のいずれかを有する患者は除外)を、総線量40~50Gyの全乳房照射を行う群(RTあり群)と行わない群(RTなし群)に1対1の割合で無作為に割り付けた。標準的な術後内分泌療法として、タモキシフェン1日20mgの5年間投与が推奨された。 主要評価項目は局所再発、副次評価項目は領域再発、遠隔再発、全生存、乳がん特異的生存などであった。10年時局所再発率はRTなし群9.5% vs.あり群0.9%、10年OSは80.8% vs.80.7% 2003年4月16日~2009年12月22日の期間に、計1,326例がRTあり群(658例)とRTなし群(668例)に無作為に割り付けられた。 10年間の追跡(中央値9.1年)において、累積局所再発率はRTなし群9.5%(95%信頼区間[CI]:6.8~12.3)に対してRTあり群0.9%(95%CI:0.1~1.7)で、局所再発のハザード比(HR)は10.4(95%CI:4.1~26.1、p<0.001)であった。局所再発はRTなし群で多かったが、初回イベントとしての遠隔再発の10年累積発生率は、RTなし群1.6%(95%CI:0.4~2.8)、RTあり群3.0%(1.4~4.5)であり、RTなし群で低頻度であった。 10年全生存率は、RTなし群80.8%(95%CI:77.2~84.3)、RTあり群80.7%(76.9~84.3)で、両群で類似していた。領域再発率、乳がん特異的生存率についても、両群で大きな差はなかった。 サブグループ解析の結果、ER高発現集団の10年累積局所再発率はRTなし群で8.6%であり、全体集団より低かった。

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コロナワクチン接種者と未接種者、死亡率の差は?/CDC

 米国疾病予防管理センター(CDC)は、米国の24地域において、12歳以上に対する新型コロナウイルスワクチンの効果について、デルタ株からオミクロン株BA.4/BA.5流行期にかけて、未接種者と接種者の比較調査を行った。本結果によると、2価ワクチン接種者は、1価ワクチン接種者やワクチン未接種者と比べて、感染に対する予防効果が高く、とくに高齢者において、死亡に対する予防効果が未接種者の10.3~23.7倍と有意に高いことが示された。本結果はCDCのMorbidity and Mortality Weekly Report誌2023年2月10日号に掲載された。コロナワクチン未接種者と接種者の死亡率の差は高齢者ほど高かった 本研究は、2021年10月3日~2022年12月24日の期間(このうち2022年9月1日以降は2価ワクチンのブースター接種推奨)で、米国の24地域におけるCOVID-19罹患2,129万6,326例、およびCOVID-19関連死11万5,078例のデータを基に、1価および2価のコロナワクチンの効果を評価した。 調査期間を、デルタ期(2021年10月3日~12月18日)、オミクロンBA.1期(2021年12月19日~2022年3月19日)、BA.2期(3月20日~6月25日)、BA.4/BA.5前期(6月26日~9月17日)、BA.4/BA.5後期(9月18日~12月24日)に層別化し、年齢層別(12~17歳、18~49歳、50~64歳、65~79歳、80歳以上)、および最後にブースター接種を受けてからの期間別に、人口10万人当たりの週平均の感染率と死亡率を、コロナワクチン未接種者とブースター接種者で比較し、感染率比と死亡率比(rate ratio:RR)を算出した。 コロナワクチン未接種者と接種者の比較調査を行った主な結果は以下のとおり。・すべての期間において、10万人当たりの週平均の感染数と死亡数は、コロナワクチン未接種者(範囲:感染216.1~1,256.0、死亡1.6~15.8)のほうが1価ワクチン接種者(範囲:感染86.4~487.7、死亡:0.3~1.4)より常に高かった。・BA.4/BA.5後期では、ワクチン未接種者のコロナ関連死亡率は、2価ワクチンブースター接種者と比較して14.1倍、感染率は2.8倍高く、1価ワクチンブースター接種者と比較して5.4倍、2.5倍高かった。・BA.4/BA.5後期では、とくに高齢者において、ワクチン未接種者と接種者のコロナ関連死亡率の差が大きかった。コロナワクチン未接種者の死亡率は、2価ブースター接種者と比較して、65~79歳で23.7倍、80歳以上で10.3倍高く、1価ブースター接種者と比較して、65~79歳で8.3倍、80歳以上で4.2倍高かった。・ブースター接種後の期間で層別化した解析では、コロナワクチン未接種者の死亡率は、1価ブースター接種を2週間~2ヵ月以内に受けた人と比較して、デルタ期は50.7倍高かったが、BA.4/BA.5前期では7.4倍まで差が縮まった。・BA.4/BA.5前期では、1価ブースター接種後6~8ヵ月(RR:4.6)、9〜11ヵ月(RR:4.5)、12ヵ月以上(RR:2.5)で死亡予防効果の低下が認められた。一方、BA.4/BA.5後期では、2週間~2カ月以内に2価ブースター接種を受けた人のほうが、死亡予防効果が高かった(RR:15.2)。 いずれの解析でも、コロナワクチン未接種者と比較すると、2価ブースター接種者は、1価ブースター接種者よりも死亡に対する予防効果が強化されていた。死亡予防効果は高齢者で最も高かった。著者は、ウイルスの新たな変異に対しても、ワクチンの効果を継続的に観察する必要があるとしている。

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初発統合失調症患者が抗精神病薬を服薬中断した理由

 統合失調症患者の多くは、初回治療で使用した抗精神病薬の服薬を中止する。初発統合失調症患者における服薬中断の理由については、明らかになっていないことも多い。デンマーク・コペンハーゲン大学病院のAnne Emilie Sturup氏らは、初発統合失調症患者における抗精神病薬治療の服薬中断または継続の理由、それらの個人差、予測因子を特定するため、事後デザインによるプロスペクティブコホート研究を行った。その結果、抗精神病薬の服薬中断の主な理由は副作用であり、継続の主な理由は効果であった。著者らは、抗精神病薬治療の服薬中断および継続の理由を認識することは、統合失調症治療における意思決定の共有、服薬中断する可能性が高い患者の特定、アドヒアランスの向上、安全な治療中止に有用であるとしている。Early Intervention in Psychiatry誌オンライン版2023年1月24日号の報告。初発統合失調症患者215例で服薬中断の理由を報告した患者は76例 対象は、2009~12年にデンマークの精神疾患早期介入チーム(early intervention teams:EIT)が治療を行った初発統合失調症患者。社会人口統計学的および臨床的変数はベースライン時に収集し、抗精神病薬の服薬中断および継続の理由は3.5年間フォローアップし評価した。 初発統合失調症患者における抗精神病薬治療の服薬中断または継続の理由を研究した主な結果は以下のとおり。・初発統合失調症患者215例中、抗精神病薬の服薬中断の理由を報告した患者は76例、継続の理由を報告した患者は139例であった。・主な服薬中断の理由は、「副作用」「以前よりも改善したので、服薬の必要がないと思った」であった。・主な継続の理由は、「陽性症状に対してメリットがあると感じている」「他者から継続するよう言われた」であった。・抗精神病薬を服薬中断した患者は、継続した患者と比較し、次の特徴が認められた。●ベースライン時の年齢が若い●未治療期間が長い●陰性症状が少ない●社会機能が良好●コンプライアンスが低い●対処法に自信がある●使用する抗精神病薬が少ない

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第148回 今の日本の医療IoT、東日本大震災のイスラエル軍支援より劣る?(前編)

トルコ南部のシリア国境付近で今月6日にマグニチュード7.8の大地震が発生し、これまでにトルコ、シリア両国で4万7,000人以上の死亡が確認された。しかも、日本時間の2月21日午前2時ごろ、被災地域付近では新たにマグニチュード6.4の地震が発生し、被害の拡大が懸念されている。日本政府は発災当日の夜には国際緊急援助隊(JDR:Japan Disaster Relief Team)の救助チームの派遣を決定。総勢74名の救助隊が現地入りしたが、15日には現地のニーズが救助活動から災害復旧へと変化したことを踏まえ全員が帰国した。一方、JDRの医療チームは10日に第1陣が出発。これまでに第4陣が出動、計75名が派遣されて今も現地で活動を続けている。今回、日本政府は非常に迅速な対応をしているが、こうした災害派遣の難しさは異国で刻々と変わる周辺情勢と医療ニーズにいかに対応するかが筆頭に上がる。同時に活動主体の自己完結性がどれだけ高いかによっても活動の成否が決まる。今回の日本の緊急援助隊もそうした点ではさまざまな苦労があるだろうことは想像に難くない。過去に災害や紛争の現場をそれなりに渡り歩いてきた自分としては、すぐにでも現地に飛んで、JDRの活動を取材したい気もあるが、私的事情でそうもいかない。そんなことを考えている中、思い出したことがある。それは東日本大震災時に宮城県の南三陸町で取材したイスラエル軍医療部隊のことである。私は当時、南三陸町を訪れ、同部隊を取材させてもらったが、その規模感や自己完結性の高さは今も鮮明に記憶に残っている。イスラエルはご存じのように中東のど真ん中で周辺を敵対国家に囲まれ、今この時点も常在戦場とも言える国である。私が驚いた彼らの自己完結性の高さは、こうした不幸な環境が強く影響している。そこで今回は世界で最も緊張度の高い環境を生きる軍隊の災害支援部隊がどんなものだったのか、当時のメモを再度見直しながら紹介したいと思う。―東日本大震災の時東日本大震災からはすでに10年以上が経過しているのでここで改めて整理しておきたい。東日本大震災とは、2011年3月11日14時46分に三陸沖の太平洋を震源として発生したモーメント・マグニチュード1)9.0の国内観測史上最大の超巨大地震に伴う災害の総称である。警察庁の緊急災害警備本部が2021年3月10日時点で公表している人的被害は12都道県で死者1万5,899人(震災関連死を除く)で、第二次世界大戦後に日本国内で発生した自然災害の中で最大の死者数だ。南三陸町は宮城県北部沿岸地域に位置し、震災当時の人口は約1万7,700人。震災による死者・行方不明者は831人。当時町内には中核病院の公立志津川病院(126床)のほか、6診療所があったが、地震と津波でこのすべてが被災。鉄筋コンクリート5階建ての公立志津川病院は4階まで津波で浸水するほどで、医療環境は壊滅した。その南三陸町にイスラエルの支援部隊が入った経緯は、同じ宮城県の栗原市の当時市長だった佐藤 勇氏がイスラエルに渡航経験があり、その仲介だった。派遣された医療部隊は、イスラエル国防軍(IDF)の軍属と予備役から構成される医師14人、看護師7人、検査技師・薬剤師などの医療従事者9人、そのほかロジスティック要員など総勢約60人で構成されていた。同部隊は3月26日にイスラエル南部のネバティム空軍基地を出発、27日に成田空港入りした。派遣に当たって先遣隊が日本入りし、現地のニーズを聴取。これに基づき防寒着1万着や毛布6,000枚、手袋約8,300組、携帯トイレ150セットなどを提供している。診療機材は成田から現地まで民間業者が輸送し、日本で調達した6棟のプレハブを南三陸町の志津川ベイサイドアリーナ駐車場の一角に設置し、3月29日から診療を開始した。私が同部隊を訪れたのは翌4月上旬。ベイサイドアリーナの仮設診療所は、複数のテント群からなり、入口の受付テントを訪問すると、担当者から「10日以内に福島に行かれましたか?」と尋ねられた。ご存じのように震災直後、東京電力・福島第一原発事故が起きている。私は行っていないと答えたものの、それに構わず担当者が放射線測定器で頭部、頸部、靴底などの放射線量を測定し始めた。測定値が35マイクロシーベルト(μSv)以上だと入場を制限されるという。のっけからこのセキュリティーの厳重さに驚かされたが、そもそもイスラエルの周辺敵対国の中には核開発や化学兵器保有の疑惑国が存在することを考えれば、彼らにとっては特別なことではないのかもしれない。当時、同部隊が行う診察は基本的に公立志津川病院の医師らで構成される南三陸町医療統轄本部が要検査などと判断した紹介患者に限られていた。紹介患者は受付で症状などを聴取後、氏名、年齢などが記されたバーコード付きのリストバンドを着用し、各科での診察となる。このバーコードで患者は管理され、診察・検査の各所でバーコードの読み取りが行われ、診察情報、検査情報などが一元的に統合管理され、仮設診療所内で働く医療スタッフが各々のノートパソコンで即座に参照できるようになっていた。後編に続く参考(1)国土交通省 気象庁:モーメントマグニチュードとは何ですか?

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英語プレゼン、接続詞を効果的に使おう【学会発表で伝わる!英語スライド&プレゼン術】第10回

英語プレゼン、接続詞を効果的に使おう英語でのプレゼンテーションをレベルアップさせるうえで、接続詞の使い方は重要な要素の一つといえるでしょう。接続詞は効果的に使うことで、聴衆の関心を引き寄せるツールにもなります。プレゼンテーションでよく用いられる接続詞には、〈図1〉のようなものがあります。〈図1〉プレゼンテーションでよく用いられる接続詞(一部副詞を含む)これらの使い方について、順を追って見ていきましょう。順接、補足の接続詞これらの接続詞は、同じスライドの中で文章と文章をつなぐ際に、効果的な接続詞になるでしょう。ただし、英語は繰り返しを嫌う言語ですので、何度も同じ接続詞を使うのはあまり好ましくありません。日本人のプレゼンテーションで、“and”であらゆる文章をつないでしまうパターンを見掛けますが、これはあまり美しいものではなく、印象を残すうえで効果的ともいえません。たとえば、何かの説明をした後には“therefore”(そういうわけで)のような言葉を使うことで、より効果的に「次に大切な一文が来る」ということを伝えられるでしょう。また、補足説明を加えたいときには、“additionally”、“furthermore”などの副詞を用いることで、スムーズに補足ができるでしょう。移行の際の接続詞“now”、“then”などの接続詞は、次のトピック、スライドに移る際のサインとして使用することができます。“now”は「今」という意味で用いられることが多いですが、文頭に置くことで、「それでは」というようなニュアンスで使うことができます。たとえば、こんな感じです。“Now, let me talk about the main results.”(それでは、主要な結果について説明します)逆接の接続詞逆接の接続詞はうまく使用すると、その後に来る文章を強調することができます。よく見る“but”よりも言いたいことを強調しやすいのは“however”かもしれません。あるいは、“on the other hand”なども同様のシチュエーションで使うことができるでしょう。“with that being said”はあまり馴染みがないかもしれませんが、ここでの“that”は直前に言ったセリフの内容を指しており、「そうは言っても」と前のセリフの内容を受けて逆接的に何かを強調するための表現です。逆に、直前のセリフを受けて「そういうわけで」と前の文章の内容をまとめるという意味で使うこともできますが、逆接でより使われやすいと思います。ただ文章を並べるのと異なり、“with that being said”という前置きを作ることによって、聞いている人の気を惹くことができるのです。そしてその直後に重要なことを伝えます。たとえば、こんな使い方ができます。“Medication A has various side effects, including nausea and vomiting. With that being said, medication A is still a better option than medication B.”(治療薬Aには嘔気や嘔吐といったさまざまな副作用があります。そうは言っても、治療薬Aは治療薬Bより優れた選択肢です)ただし、効果的だからといって頻用してしまうと、その効果は落ちてしまいます。あくまで、重要な部分に限って使用するのがよいでしょう。結論の接続詞これらは、厳密には接続詞とは言えないかもしれませんが、「これから大切な結論を言います」というアラートを出すべく用いられるのが、“in conclusion”などの表現です。端的に言えば、とそれまでの説明をまとめる際には、“in brief”、“in short”などという表現を用いることもできます。これらの接続詞は、いずれもスライド上ではあえて見せないほうがよいでしょう。口頭のみで、とくに強調したい文章の前に用いることで、効果的に聴衆の関心を引き寄せることができます。スライドで見せてしまうと、スライドを読んだだけという印象を与え、効果は半減してしまうのです。講師紹介

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アリピプラゾール長時間作用型注射剤切り替えの有効性

 急性期および慢性期の統合失調症患者を対象に、パリペリドンパルミチン酸エステルの長時間作用型注射剤(LAI)を含む第2世代抗精神病薬から月1回のアリピプラゾールLAIへ切り替えた場合の有効性について、韓国・全南大学校のSung-Wan Kim氏らが検討を行った。その結果、他の抗精神病薬からアリピプラゾールLAIへの切り替え成功率は高く、アリピプラゾールLAIの優れた忍容性と有効性が示唆された。また、精神病理や社会的機能の改善は、罹病期間が短い統合失調症患者においてより顕著に認められ、代謝異常の改善は、慢性期患者でより顕著に認められた。Clinical Psychopharmacology and Neuroscience誌2023年2月28日号の報告。 統合失調症患者82例を対象に、24週のプロスペクティブ・オープンラベル・フレキシブルドーズ切り替え試験を実施した。陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)、個人的・社会的機能遂行度尺度(PSP)、臨床全般印象度(CGI)、主観的ウェルビーイング評価尺度短縮版(SWN-K)、コンピュータ化されたemotional recognition test(ERT)を用いて評価した。対象患者は、5年間の罹病期間に基づいて急性期群と慢性期群に分類した。 主な結果は以下のとおり。・82例中67例(81.7%)が24週間の試験を完了した。・アリピプラゾールLAIに切り替えた後の中止率において、切り替え前の抗精神病薬の種類を含む臨床的特徴による差は認められなかった。・アリピプラゾールLAIに切り替え後、PANSS、PSP、CGI、SWN-K、ERTスコアの有意な改善が認められた。また、代謝パラメータや体重の増加は認められなかった。・急性期群は慢性期群よりも、PANSS、PSP、CGIスコアの改善が有意に高く、慢性期群は急性期群よりも、代謝パラメータの有意な改善が認められた。

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ニルマトレルビル/リトナビル、オミクロン下の外来患者リアルワールドデータ

 ニルマトレルビル/リトナビル(商品名:パキロビッドパック)は、コロナウイルス感染症(COVID-19)重症化リスクの高い患者において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)デルタ株および初期のオミクロン株に対する重症化抑制効果が示されている。重症化リスクの高いワクチン未接種の成人を対象とした、ランダム化比較試験「EPIC-HR試験」では、重症化リスクを89%低下させたことが報告されている1)。しかし、EPIC-HR試験はデルタ株流行期に行われた試験であり、オミクロン株流行期に主流となったBA.4系統、BA.5系統などに対する効果は明らかになっていない。そこで、米国・コロラド大学医学部のNeil R. Aggarwal氏らは、コロラド州の医療システムの記録を用いて、オミクロン株流行期の実臨床におけるニルマトレルビル/リトナビルの外来患者に対する有用性を検討した。その結果、SARS-CoV-2検査陽性後28日間の入院、全死亡、救急受診を減少させ、SARS-CoV-2検査陽性後28日間の入院の減少は、ワクチン接種状況や年齢、感染時期などに関係なく認められた。Lancet Infectious Diseases誌オンライン版2023年2月10日掲載の報告。 本研究は、コロラド州の医療システムの記録を用いて、2022年3月26日~8月25日の期間にSARS-CoV-2に感染した外来成人患者を対象として、後ろ向きに追跡した試験である。対象患者は、SARS-CoV-2検査陽性またはニルマトレルビル/リトナビルが処方された患者2万1,493例であった。SARS-CoV-2検査陽性から10日以内にほかのCOVID-19治療薬が処方または投与された患者や、SARS-CoV-2検査陽性時に入院していた患者、ニルマトレルビル/リトナビルの処方から10日以上前に検査陽性であった患者などは除外された。主要評価項目はSARS-CoV-2検査陽性後28日間の入院、副次評価項目はCOVID-19に関連するSARS-CoV-2検査陽性後28日間の入院であった。その他の副次評価項目として、SARS-CoV-2検査陽性後28日間の全死亡、SARS-CoV-2検査陽性後28日間の救急受診などが評価された。解析は、ニルマトレルビル/リトナビルが投与された患者(ニルマトレルビル群)とCOVID-19治療薬が投与されなかった患者(非投与群)の傾向スコアをマッチングさせて行われた。 主な結果は以下のとおり。・対象患者2万1,493例の内訳は、ニルマトレルビル群9,881例、非投与群1万1,612例であった。・SARS-CoV-2検査陽性後28日間の入院は、ニルマトレルビル群0.9%(61/7,168例)、非投与群1.4%(135/9,361例)であり、ニルマトレルビル群で有意に減少した(調整オッズ比[aOR]:0.45、95%信頼区間[CI]:0.33~0.62、p<0.0001)。・SARS-CoV-2検査陽性後28日間の全死亡は、ニルマトレルビル群0.1%未満(2/7,168例)、非投与群0.2%(15/9,361例)であり、ニルマトレルビル群で有意に減少した(aOR:0.15、95%CI:0.03~0.50、p=0.0010)。・臨床的に重要な再発の代替指標として救急受診を用いたところ、SARS-CoV-2検査陽性後28日間の救急受診は、ニルマトレルビル群3.9%(283/7,168例)、非投与群4.7%(437/9,361例)であり、ニルマトレルビル群で有意に減少した(aOR:0.74、95%CI:0.63~0.87、p=0.0002)。・SARS-CoV-2検査陽性後28日間の入院に関するサブグループ解析では、ワクチン接種状況(0回、1または2回、3回以上)、年齢(65歳未満、65歳以上)、感染時期(BA.4系統、BA.5系統の出現前、出現後)などの交互作用は認められなかった。 本論文の著者らは、本研究結果について「ニルマトレルビル/リトナビルは、BA.4系統、BA.5系統が主流となった期間を含むオミクロン株流行期において、SARS-CoV-2検査陽性後28日間の入院および全死亡を大幅に減少させた。また、ニルマトレルビル/リトナビル投与後のリバウンド症状が重篤化することはほとんどないと考えられることは、心強いことである。BA.4系統、BA.5系統を含むオミクロン流行期において、外来患者に対するニルマトレルビル/リトナビルの有効性を示唆した初めてのデータである」とまとめている。

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扁平上皮非小細胞肺がん、ペムブロリズマブ+化学療法1次治療5年アップデート(KEYNOTE-407)/JCO

 転移を有する扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)に対するペムブロリズマブ+化学療法による1次治療の第III相試験KEYNOTE-407の5年追跡結果が発表された。持続的な有効性と安全性が報告されている。KEYNOTE-407の5年アップデートでOSはより改善対象:転移を有する未治療の扁平上皮NSCLC試験薬群:ペムブロリズマブ+カルボプラチン+パクリタキセル/nab-パクリタキセル(3週間ごと4サイクル)→ペムブロリズマブ35サイクルまで(n=278)対照薬群:プラセボ+カルボプラチン+パクリタキセル/nab-パクリタキセル(3週間ごと4サイクル)→プラセボ35サイクルまで(n=281)・評価項目[主要評価項目]:盲検独立中央審査(BICR)評価の全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)[副次評価項目]:BICR評価の客観的奏効率、奏効期間、安全性など KEYNOTE-407の5年アップデートの主な結果は以下のとおり。・無作為化からデータベースのカットオフまでの期間中央値は、56.9ヵ月であった。・OSは、プラセボ+化学療法群に比べ、ペムブロリズマブ+化学療法群でより改善された(ハザード比[HR]:0.71、95%信頼区間[CI]:0.59~0.85)。5年OS率はそれぞれ、18.4%と9.7%であった。・PFSは、プラセボ+化学療法群に比べ、ペムブロリズマブ+化学療法群でより改善された(HR:0.62、95%CI:0.52〜0.7)。5年PFS率はそれぞれ、10.8%と3.5%であった。・OSおよびPFSのHRは、PD-L1レベル(TPS)を問わず、ペムブロリズマブ+化学療法群で良好であった。・毒性は管理可能であった。・ペムブロリズマブ35サイクル投与を完了した55例の客観的奏効率は90.9%、35サイクル完了後の3年(無作為割付後からは約5年)OS率は69.5%であった。

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乳がんサバイバーの2次原発がん、部位別リスク

 乳がんサバイバーの2次原発がん(SPC)の発生率が上昇している。そこで、英国・ケンブリッジ大学のIsaac Allen氏らは、乳房以外のSPCリスクについて部位別に系統的レビューとメタ解析を実施した。その結果、多くの部位でSPCリスクが有意に上昇しており、50歳未満で乳がんと診断された女性や、アジア人でよりリスクが高いことが示された。Breast Cancer Research誌2023年2月10日号に掲載。 著者らは、PubMed、Embase、Web of Scienceで2022年3月までに公表された研究について系統的検索を行った。乳がん後に乳房以外のSPCを発生する複合リスクを評価し標準化発生率比(SIR)を報告した研究を対象とした。年齢、追跡期間、地域を層別化し、複合SPCリスクのメタ解析を行い、また年代ごとに特定部位におけるSPCリスクも評価した。 主な結果は以下のとおり。・前向きコホート研究1件、後ろ向きコホート研究27件を同定した。・乳房以外のSPCのSIRは0.84~1.84の範囲で、SIR推定値のサマリーは1.24(95%信頼区間[CI]:1.14~1.36、I2:99%)だった。50歳未満で乳がんと診断された場合の推定値は1.59(95%CI:1.36~1.85)で、50歳以上で診断された女性(SIR:1.13、95%CI:1.01~1.36)に比べて有意に高かった(差のp<0.001)。・SPCリスクはアジア人のレジストリで有意に高かった(アジアにおけるSIR:1.47、95%CI:1.29~1.67、欧州におけるSIR:1.16、95%CI:1.04~1.28)。・SPCリスクは、甲状腺(SIR:1.89、95%CI:1.49~2.38)、子宮体部(SIR:1.84、95%CI:1.53~2.23)、卵巣(SIR:1.53、95%CI:1.35~1.73)、腎臓(SIR:1.43、95%CI:1.17~1.73)、食道(SIR:1.39、95%CI:1.26~1.55)、皮膚(メラノーマ)(SIR:1.34、95%CI:1.18~1.52)、血液(白血病)(SIR:1.30、95%CI:1.17~1.45)、肺(SIR:1.25、95%CI:1.03~1.51)、胃(SIR:1.23、95%CI:1.12~1.36)、膀胱(SIR:1.15、95%CI:1.05~1.26)で有意に増加した。

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「ChatGPT」による心血管予防アドバイス、どんな結果に?/JAMA

 情報を検索する場合、インターネットを活用したり医療者から聞いたりするが、それらの役割がAIに置き換わったら一体どんなアドバイスをくれるのだろうか。そんな想像が人工知能 (AI) 言語モデルを用いたチャットサービス『ChatGPT』によって現実味を帯びてきた。本サービスは2022年11月にリリースされるやいなや、世界1億人以上が登録・利用している。複雑な質問に応答できることから、さまざまな専門分野で旋風を巻き起こし、医学界でも“このサービスが論文作成に悪用されるのではないか”と懸念が広がっている。 このような世相を受け、米国・クリーブランドクリニックのAshish Sarraju氏らは単純かつ基本的な冠動脈疾患(CVD)予防の質問を『ChatGPT』に行い、本システムによる応答の適切性を定性的に評価するための研究を2022年12月に実施。JAMA誌オンライン版2023年2月3日号のリサーチレターに報告した。 本研究ではガイドラインに基づく予防トピック、tertiary care preventive cardiology clinicsでの臨床経験に基づき、危険因子のカウンセリング、検査結果、薬歴など、基本的な予防概念に対処するための質問25項目を作成した。各質問はオンラインAIインターフェイスに3回の応答が記録された。各応答セットを「適切」「不適切」と評価し、3つの応答に一貫性がない場合は「信頼できない」と評価された。3つの応答の各セットは、心臓病の予防医学において経験豊富な臨床医が等級付けをした。回答の各セットに1人のレビュー担当者が割り当てられ、合計3人のレビュアーがこの研究に参加した。 主な結果は以下のとおり。・AIモデルは25項目のうち21項目(84%)で適切に回答したと評価された。・不適切と評価された4項目のうち、3項目の回答すべてに不適切な情報が含まれていた。・たとえば、ChatGPTは運動に関する質問に対し、有酸素運動とウエイトリフティングの両方を強く推奨したが、これは正しくはなく、特定の患者には有害の可能性があった。・LDL-C 200mg/dLの解釈に関する質問には、家族性高コレステロール血症や遺伝的考察などに関連する詳細内容が不足していた。・日本未承認だが米国・EUを含む世界60ヵ国以上で承認されているinclisiranに関しては、市販されていないと示唆した。・「信頼できない」と評価された回答はなかった。 研究者らは「この探索的研究では、一般的なオンラインAIモデルが単純なCVD予防の質問に対してほぼ適切な回答を提供することが明らかになった。調査結果は、一般的な CVD予防の質問に関する患者教育や患者と臨床医のコミュニケーションを強化することで、臨床ワークフローを支援するインタラクティブなAIになる可能性を示唆」とする一方で、今回評価したAIモデルは医療用ではないチャットボットの研究版である点に注意が必要であることも述べている。

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5歳未満へのコロナワクチン、3回接種の発症予防効果73.2%/NEJM

 生後6ヵ月~4歳児に対する新型コロナウイルスワクチン「BNT162b2」3μgの3回接種は安全で免疫原性があり、症候性COVID-19に対し有効であることを、米国・Baylor College of MedicineのFlor M. Munoz氏らが、約4,500例を対象とした試験の結果を報告した。3回目接種後1ヵ月時点の、免疫ブリッジング成功基準も満たし、反応原性イベントの大部分が軽度~中等度で、Grade4のイベントは認められなかった。NEJM誌2023年2月16日号掲載の報告。接種後1ヵ月時点の免疫応答を評価 研究グループは、6ヵ月~11歳の健康な小児を対象にBNT162b2ワクチンの第I相用量設定試験を完了し、現在第II~III相の安全性・免疫原性・有効性試験を行っている。 本稿では、6ヵ月~2歳未満と2~4歳の小児について、データカットオフ日(安全性と免疫原性については2022年4月29日、有効性については2022年6月17日)までの結果について報告した。 第II~III相試験では、被験者を無作為に2対1の割合で2群に割り付け、一方にはBNT162b2の3μgを2回接種し、もう一方にはプラセボを接種した。3回目接種については、2回目接種後8週間以上空け、免疫原性の予備的結果に基づいて3μg接種を2022年1月から開始した。同時期に、B.1.1.529変異株(オミクロン株)が出現した。 6ヵ月~2歳未満、2~4歳の小児の、2、3回目接種後1ヵ月時点における免疫応答について、ピボタル試験でBNT162b2(30μg)接種を受けた16~25歳の2回目接種後の応答と免疫ブリッジングして評価した。3回目接種後1ヵ月時点の免疫ブリッジング成功基準、6ヵ月~4歳児で達成 第I相用量設定試験では、BNT162b2(3μg)を6ヵ月~2歳未満の小児16例と、BNT162b2(3μgまたは10μg)を2~4歳の小児48例に21日間隔で2回接種した。 第II~III相試験では、3μg用量を採用し、BNT162b2を6ヵ月~2歳未満の小児1,178例と、2~4歳の小児1,835例に接種し、プラセボをそれぞれ598例、915例に接種した。 3回目接種後1ヵ月時点での幾何平均比と血清反応に基づく免疫ブリッジングの成功基準は、両年齢群で達成した。 BNT162b2の反応原性イベントの大部分は軽度~中等度で、Grade4のイベントは認められなかった。接種後の発熱の頻度は低く、両群とも同程度で、BNT162b2群では6ヵ月~2歳未満が7%、2~4歳が5%、プラセボ群ではそれぞれ6~7%と4~5%だった。 6ヵ月~4歳の、症候性COVID-19に対するワクチンの全体的有効性の34症例に基づく観察値は、3回目接種後7日以降で73.2%(95%信頼区間[CI]:43.8~87.6)だった。

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急性脳梗塞、rt-PAへのアルガトロバン併用は有用?/JAMA

 急性虚血性脳卒中の患者へのアルガトロバン+アルテプラーゼ併用投与は、アルテプラーゼ単独投与と比べて、90日後の優れた(excellent)機能的アウトカム達成に関して有意差をもたらす可能性はないことが示された。中国・General Hospital of Northern Theatre CommandのHui-Sheng Chen氏らが、808例を対象に行った多施設共同非盲検エンドポイント盲検化無作為化試験の結果を、JAMA誌オンライン版2023年2月9日号で発表した。先行研究では併用療法のベネフィットが示唆されたが、サンプルサイズが大きな試験では確たるエビデンスは得られていなかった。90日後の修正Rankinスケールスコア0~1の達成率を比較 研究グループは2019年1月18日~2021年10月30日に、中国の50病院を通じて、急性虚血性脳卒中の患者を対象に試験を行った。最終フォローアップは2022年1月24日。 試験適格被験者を発症から4.5時間以内に、アルガトロバンとアルテプラーゼを併用投与する群(併用群402例)またはアルテプラーゼのみを投与する群(単独群415例)に無作為に2群に割り付けた。併用群には、アルガトロバンを投与(100μg/kgを3~5分でボーラス投与の後、毎分1.0μg/kgで48時間静注)し、その後1時間以内にアルテプラーゼを投与(0.9mg/kgで最大投与量は90mg、10%を1分でボーラス投与、残りを1時間静注)。単独群にはアルテプラーゼのみを同用量、同様の方法で静脈内投与した。 両群ともに、ガイドラインに沿った治療を併せて行った。 主要エンドポイントは優れた機能的アウトカムで、90日後の修正Rankinスケールスコア(範囲:0[症状なし]~6[死亡])が0~1と定義した。修正RSS 0~1のアウトカム達成、両群ともに64~65% 被験者817例は、年齢中央値65歳(四分位範囲[IQR]:57~71)、女性238例(29.1%)、NIH脳卒中スケール中央値9(IQR:7~12)。760例(93.0%)が試験を完了した。 90日時点で優れた機能的アウトカムを達成したのは、併用群329例中210例(63.8%)、単独群367例中238例(64.9%)だった(群間リスク差:-1.0%、95%信頼区間[CI]:-8.1~6.1、リスク比:0.98、95%CI:0.88~1.10、p=0.78)。 症候性頭蓋内出血を呈した患者は併用群2.1%(8/383例)、単独群1.8%(7/397例)、2型脳内血腫はそれぞれ2.3%(9/383例)、2.5%(10/397例)、全身性の大出血はそれぞれ0.3%(1/383例)、0.5%(2/397例)だった。

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第33回 オミクロン株とインフルエンザ、どちらが強い?

小波で終わるか?インフルエンザの流行、どうやら小波で終わりそうです。ピークが後ずれする可能性はありますが、3年前の水準をやや下回る程度の定点医療機関あたりの報告数に落ち着いています(図)。2月17日速報分で、全国平均で12.91人、沖縄県も30.25人と少しピークアウトし、落ち着いてきたみたいです。反面、石川県と福井県が40人以上と多い状況です。いずれの3県も「警報レベル」を超えているため、注意が必要です。とはいえ、さすがに3月にピークが来るとは思ってないので、過去のインフルエンザの波よりは低く終わると予想しています。予想が外れたらごめんなさい。画像を拡大する図. 定点医療機関あたりのインフルエンザ報告数(参考資料1より作成)インフルエンザvs.オミクロン株インフルエンザとオミクロン株、どちらにも感染したくないのですが、どのくらい公衆衛生学的なインパクトがあるかを比較した論文が出ています2)。スイスの15医療機関で実施された研究で、2022年1月15日~3月15日に入院したオミクロン株優勢時期の入院COVID-19例と、2018年1月1日~2022年3月15日までの入院インフルエンザ例を比較検討したものです。それぞれの院内死亡率とICU入室率を評価項目としています。3,066例のCOVID-19と2,146例のインフルエンザが登録されました。解析の結果、オミクロン株例はインフルエンザ例よりも死亡率が高いことがわかりました(7.0% vs.4.4%、調整ハザード比:1.54、95%信頼区間:1.18~2.01、p=0.002)。ICU入室率はオミクロン株8.6%、インフルエンザ8.3%と有意差はありませんでした。ハザード比もこれについては上昇していません。どちらにも感染したくないですが、やはり新型コロナのほうが公衆衛生学的なインパクトはまだ大きいのかなと思っています。参考文献・参考サイト1)インフルエンザに関する報道発表資料 2022/2023シーズン2)Portmann L, et al. Hospital Outcomes of Community-Acquired SARS-CoV-2 Omicron Variant Infection Compared With Influenza Infection in Switzerland. JAMA Netw Open. 2023 Feb 1;6(2):e2255599.

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行政・学校・病院が連携して行う疾患啓発~糸魚川ジオパーク頭痛啓発キャンペーン

 頭痛は、一般的な公衆衛生上の問題である。その負荷を軽減するためには、頭痛に関する意識を高め、急性症状の管理や予防可能な薬剤を適切に使用することが求められる。しかし、一般の人々における頭痛に関する意識向上の研究は、これまでほとんど行われていなかった。新潟・糸魚川総合病院の勝木 将人氏らは、2021年8月~2022年6月に、2つの介入による「糸魚川ジオパーク頭痛啓発キャンペーン」をプロスペクティブに実施し、有効性の評価を行った。著者らは、本キャンペーンの実施により一般の人々の頭痛に関する認知率が向上したとし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でほぼすべての住民が集まるワクチン集団接種会場や、学校を基盤とした対面のないオンデマンドe-ラーニングでの疾患啓発活動は、きわめて効果的な方法であると報告している。Headache誌オンライン版2023年1月27日号の報告。 15~64歳の一般の人々を対象に、次の2つの介入を実施した。介入1では、COVID-19ワクチン接種会場で頭痛に関するリーフレットの配布および紙面アンケートを実施。介入2では、学校を通じたオンデマンドe-ラーニングおよびオンライン調査を実施した。これらの介入は、『頭痛の診療ガイドライン2021』に記載されている、一般の人々にとって重要な6つのトピックで構成した。2つの介入のそれぞれの回答は実施の前と後に収集し、キャンペーン前後の6つのトピックの認知度を評価した。 主な結果は以下のとおり。・糸魚川市の生産年齢人口2万458人中6,593人(32.3%)が、2つの介入のいずれかに参加した(介入1:ワクチン接種を受けた6,382人のうち有効回答が得られた4,016人、介入2:高校生1,085人のうち594人と保護者3,699人のうち1,983人を含む2,577人)。・6つのトピックは以下のとおりであった。 Topic1:頭痛による経済損失は大きい Topic2:アブセンティズム(頭痛による欠勤・欠席)よりプレゼンティズム(頭痛によるパフォーマンス低下)のほうが損失は大きい Topic3:頭痛の治療は可能かつ必要 Topic4:月に2回以上の片頭痛があれば受診する Topic5:頭痛の治療は急性期治療薬と予防治療の2本立てである Topic6:薬剤の使用過多による頭痛がある・6つのトピックの認知率は、介入前は6.6(39/594)~40.0%(1,606/4,016)の範囲であったのに対し、介入後は64.1(381/594)~92.6%(1,836/1,983)の範囲へ有意な増加が認められた(すべて、p<0.001)。【介入1(対象:ワクチン接種会場4,016人)】 Topic1:介入前:27%→介入後:70% Topic2:介入前:25%→介入後:72% Topic3:介入前:40%→介入後:84% Topic4:介入前:33%→介入後:80% Topic5:介入前:27%→介入後:75% Topic6:介入前:27%→介入後:72%【介入2(対象:高校生594人)】 Topic1:介入前: 7%→介入後:64% Topic2:介入前:11%→介入後:69% Topic3:介入前:28%→介入後:79% Topic4:介入前:23%→介入後:76% Topic5:介入前:24%→介入後:76% Topic6:介入前:19%→介入後:75%【介入2(対象:保護者1,983人)】 Topic1:介入前: 7%→介入後:80% Topic2:介入前: 8%→介入後:84% Topic3:介入前:35%→介入後:90% Topic4:介入前:32%→介入後:92% Topic5:介入前:24%→介入後:93% Topic6:介入前:34%→介入後:92%

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ソトラシブ、KRASG12C変異陽性NSCLCのPFSを延長/Lancet

 既治療のKRASG12C変異陽性非小細胞肺がん(NSCLC)の治療において、KRASG12C阻害薬ソトラシブは標準治療であるドセタキセルと比較して、無増悪生存期間(PFS)を延長し、安全性プロファイルも優れることが、オランダがん研究所のAdrianus Johannes de Langen氏らが実施した「CodeBreaK 200試験」で示された。研究の成果はLancet誌オンライン版2023年2月7日号で報告された。22ヵ国148施設の実薬対照第III相試験 CodeBreaK 200試験は、日本を含む22ヵ国148施設が参加した非盲検無作為化第III相試験であり、2020年6月~2021年4月の期間に患者の登録が行われた(Amgenの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、KRASG12C変異を有する進行NSCLCで、プラチナ製剤を用いた化学療法か、PD-1またはPD-L1阻害薬による前治療後に病勢が進行した患者であった。 被験者は、ソトラシブ(960mg、1日1回、経口)またはドセタキセル(75mg/m2、3週ごと、静脈内)の投与を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けられた。 主要評価項目はPFSであり、盲検下の独立した中央判定によりintention-to-treat解析が行われた。 345例が登録され、ソトラシブ群に171例(年齢中央値64.0歳[範囲:32~88]、男性63.7%、脳転移の既往34%)、ドセタキセル群に174例(64.0歳[35~87]、54.6%、35%)が割り付けられた。それぞれ169例(99%)、151例(87%)が少なくとも1回の試験薬の投与を受けた。ドセタキセル群のうち、最終的に59例(34%)がKRASG12C阻害薬を投与された(ソトラシブ群へのクロスオーバーが46例、試験薬中止後の後治療としての投与が13例)。全奏効率、奏効期間、QOLも良好 全体の追跡期間中央値は17.7ヵ月(四分位範囲[IQR]:16.4~20.1)で、治療期間中央値はソトラシブ群が19.9週(範囲:0.4~101.3)、ドセタキセル群は12.0週(3.0~101.0)であった。 PFS中央値は、ドセタキセル群の4.5ヵ月(95%信頼区間[CI]:3.0~5.7)に比べ、ソトラシブ群は5.6ヵ月(4.3~7.8)と、統計学的に有意に長かった(ハザード比[HR]:0.66、95%CI:0.51~0.86、p=0.0017)。1年PFS率はソトラシブ群が24.8%、ドセタキセル群は10.1%だった。 全奏効率は、ドセタキセル群13.2%に比し、ソトラシブ群28.1%であり、有意な差が認められた(群間差:14.8%、95%CI:6.4~23.1、p<0.001)。奏効までの期間はソトラシブ群で短く(1.4ヵ月vs.2.8ヵ月)、奏効期間はソトラシブ群で長かった(8.6ヵ月vs.6.8ヵ月)。全生存(OS)率は両群間に差がなく(HR:1.01、95%CI:0.77~1.33、p=0.53)、OS中央値はソトラシブ群が10.6ヵ月、ドセタキセル群は11.3ヵ月だった。 ソトラシブ群は忍容性も良好で、ドセタキセル群に比べGrade3以上の有害事象(56例[33%]vs.61例[40%])および重篤な治療関連有害事象(18例[11%]vs.34例[23%])の割合が低かった。 最も頻度の高いGrade3以上の治療関連有害事象は、ソトラシブ群が下痢(20例[12%])、ALT値上昇(13例[8%])、AST値上昇(9例[5%])であり、ドセタキセル群は好中球数減少(13例[9%])、倦怠感(9例[6%])、発熱性好中球数減少(8例[5%])であった。患者報告アウトカム(QOL[全般的健康、身体機能]、症状[呼吸困難、咳嗽、胸痛])は、全般にソトラシブ群で良好だった。 著者は、「これらの知見は、ソトラシブが、予後不良でアンメットニーズの高いこの患者集団における新たな治療選択肢となることを示すものである」としている。

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アルドステロン合成酵素に対する選択性を100倍にしたbaxdrostatによる第II相試験の結果は、治療抵抗性高血圧症に有効である可能性が示された―(解説:石上友章氏)

 高血圧症は、本邦で4,000万人が罹患するといわれている、脳心血管病の最大の危険因子である。降圧薬は、市場規模の大きさから多くの製薬企業にとって、開発・販売に企業の持っているリソースの多くを必要とするカテゴリーの製品であった。医療サイドにとっては、その患者数の多さと健康寿命に与える影響の重要さから、確実で安全な医療の提供の実現が求められている。公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団の調査によると、あらゆる薬剤の中で、降圧薬の貢献度・満足度がきわめて高いことが示されている。降圧治療は、疾病の克服において、これまでに人類が手にした治療薬として、きわめて高い水準の完成度に達したといえる。 利尿薬を含む、3種類以上の降圧薬の内服にもかかわらず、降圧目標に到達していない場合に、治療抵抗性高血圧症と定義される。高血圧症の多くを占める本態性高血圧症は、多因子性の疾患であると考えられており、これまではアルドステロン受容体拮抗薬が推奨されていた。本邦では、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)が降圧薬としての適応を取得したことから、数年以内に改訂される高血圧診療ガイドラインでは、その推奨が変わる可能性がある。 こうした高血圧診療の成熟が、製薬企業による新薬開発の低下や、若手医師や研究者の高血圧領域への関心の低下といった事態を招いている可能性がある。米国では、約10%が治療抵抗性高血圧といわれている。本邦に当てはめるならば、約400万人が該当する。既存の降圧薬で十分な降圧が得られない高血圧症は、実感としても少なからず存在している。第II相試験ではあるが、baxdrostatの成果は、降圧薬の新たな選択肢として期待できるだけでなく、高血圧症の制圧の実現に大きく寄与すると考えられる。

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キラキラネームから親が子供を思う気持ちを考えてみる【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第57回

第57回 キラキラネームから親が子供を思う気持ちを考えてみる法務大臣の諮問機関である法制審議会が、戸籍の氏名の読み仮名の振り方について基準を設ける、戸籍法改正の案をまとめたというものがありました。一般的には「キラキラネームに制限」といったタイトルで報じられていました。漢字本来の意味から外れた読み方をするいわゆる「キラキラネーム」に一定の制限を設ける内容で、読み仮名は「一般に認められている」ものに限るとの規定を設けるそうです。受理できない読み仮名の例として、「太郎」と書いて「マイケル」とする読み仮名がこれに当たると例示しています。たしかに驚きの命名です。今日の話題は、キラキラネームを批判したいわけでも肯定したいわけでもありません。どの名前にも、親の気持ちが込められているということです。自分の友人に、名前が「元気」という医師がいます。読み仮名は直球で「げんき」です。「元気」先生は患者さんに自分の名前を告げると、かなりの確率で「先生のご両親の気持ちが伝わってきますね、良い名前ですね」と反応があるそうです。患者の立場となり入院し、一層と健康への願望が高まるからかもしれません。実は「元気」先生の命名には背景があるそうです。彼は長男として扱われ、周りからもそう見られています。しかし正確には、戸籍上は次男です。長子は胎児性白血病で夭折していたのです。どのような気持ちで、彼の両親が「元気」と命名したのかが伝わってきます。死別の悲しみは深いものです。なかでも、わが子を失う悲しみはとくに深いとされます。その理由は3つあります。1つ目は、ほとんどの場合、心の準備ができていないからです。交通事故や溺死などの事故死が多いからです。2つ目は、子供を失うと自分の一部を失ったように感じるからです。3つ目は、自責の念にさいなまれるからです。事故なら「私が目を離さなかったら…」、病気なら「私が丈夫に産んでやれなかったから」、などと自分を責め苦しむのです。どんな悲しみも、時間とともに和らいでくるものです。心が落ち着くまでに、1年かかる人、5年、10年と要する人もあるでしょう。表現は難しいですが、さらに悩みが深い方もいます。わが子に障がいがある方は、自分がいなくなった後、残された障がい者はどうなるのだろうと、将来についての悩みや不安をお持ちです。障がいのある子が、「親亡き後」に困らないために今できることは何なのだろうか。親の死後、わが子は一人でちゃんと生きていけるのか。お金、生活、制度など、障がいがある子の親にとっての不安や心配は尽きません。子供に長生きしてほしいと親は願います。障がいのある子が天寿を全うした次の日に、親である自分がポックリと逝くことを願っている方を知っています。ここで、今回は論文を紹介する代わりに、『終末のフール』という連作短編集を紹介したいと思います。2007年の本屋大賞第4位の作品で、著者の伊坂 幸太郎は翌2008年に『ゴールデンスランバー』で本屋大賞を得ております。非常に興味深い内容で、一気読みしてしまうことを約束します。少しネタバレ気味に紹介します。8年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する。そう宣言されてから5年が過ぎた頃の仙台が舞台です。3年後みんな死んでしまうことはわかっているなかで、人は何をするのか、何をするべきなのか、生きる意味はあるのか、を問う作品です。滅亡まで3年とはいえ、子供を産むという選択をした夫婦、ボクシングの練習を日々続けているボクサー、自殺することをやめた家族…8つの短編で構成されています。そのなかで自分が一番共感したのが、土屋という30歳過ぎの男性の登場人物です。ストーリーの主役ではなく端役です。しかし、「すげえ幸せなんだよ」と語る土屋に打たれました。土屋には、進行性の病気で身体が不自由な娘がいます。彼は、生きている限り面倒を見るつもりですが、先に自分が死んで、娘を一人残していくことが不安でならなかったのです。しかし、3年で皆死んでしまうなら、 娘と一緒に死ねることになり、そんな心配から解放されることになる。だから、今とても幸せだと言う。生き方、死に方、重いテーマにもかかわらず、静かで温かく読みやすい1冊です。生命について考えることの多い医療関係者であるからこそ、感情移入もしやすいと思います。今回は重いテーマで書いたので猫さまの登場はありません。正解のない問題です。午前零時を過ぎています。そろそろ焼酎のお湯割りを一杯ひっかけて就寝したいと思います。おやすみなさい。

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英文読み上げソフトの今昔【Dr. 中島の 新・徒然草】(465)

四百六十五の段 英文読み上げソフトの今昔「春眠暁を覚えず」とはよく言ったもので、先日は一気に7時間くらい眠ってしまいました。寝る前の儀式として、私は必ず風呂に浸かり、布団に入ってからスマホで画像を眺めています。何故か崖っぷちで寝ている人の写真を見ると自分も睡魔に襲われ、起きていることができません。特定の画像を見ると眠くなるわけですから、もはやパブロフの犬です。さて、前回のケアネット、「幸せになる方法」では関連エピソードが下の方に掲載されていました。なんと、1年2ヵ月ほど前に「幸せに働く」というタイトルで、部分的に重複する話を書いていたのです。やはり、400回以上も書いていると、以前に何を書いたのか覚えていません。年を取ると同じことを何度も言ってしまうのに似ています。先日は高齢の患者さんに「先生、前も言うてはったな」と言われて情けない思いをしました。せめてケアネットではそういうことのないようにしたいと思いました。常に新しく経験したことや時事ネタを心掛ければ重複を避けることができるはず。ということで、今回のお話は英語読み上げソフトの今昔について。知らない単語だらけの英文を読み上げソフトに読んでもらって少しでも耳を慣らそう、という試みは以前からやっていました。ところが数年前の英文読み上げソフトは、まだまだ不自然だったのです。で、最近の読み上げソフトを試してみるとびっくり仰天!Oddcast、Ondoku、ReadSpeaker、そしてGoogle翻訳の音読機能など、もはや人間がしゃべっているのとほとんど区別がつかないレベルになっています。そればかりか、モノによってはアメリカ英語とイギリス英語の区別までできるものがありました。アメリカ英語とイギリス英語の区別というのは、私にとっては関西弁と東京弁みたいな違いです。イギリス英語のほうが正統派みたいな印象。読者の中にも大勢おられるはずの関西人の皆さんにお伺いしたいのですが、小学生の頃、クラスで悪さをしている連中を注意する時に、つい「君たち、やめたまえ」と言ったりしませんでしたか?関西弁で「お前ら、やめんかい!」などと言ったりしたら冗談では済まなくなりますが、東京弁だとギャグっぽくなってカドが立たなくなるからです。私が小学生の時にも、正義の味方は東京弁、悪役は関西弁、みたいな使い分けがされていました。すみません、英文読み上げソフトの話でしたね。Google翻訳の音読機能は何かと便利なので、私は愛用しております。よかったら読者の皆さんも聴いてみてください。その出来栄えにびっくりしますよ。ということで最後に1句PCの しゃべりに驚く 春の朝

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