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アスピリンは健康な高齢者ではむしろ副作用のリスク増

 低用量アスピリンは脳卒中の予防に広く用いられているが、高齢者においては脳卒中の有意な減少は認められず、むしろ頭蓋内出血が有意に増加したという結果が示された。オーストラリア・メルボルンのモナシュ大学のGeoffrey C. Cloud氏らによる本研究の結果は、JAMA Network Open誌2023年7月26日号に掲載された。高齢者に対してはアスピリン使用の副作用にとくに配慮する必要 この報告は、高齢者における低用量アスピリンの副作用リスクとベネフィットのバランスを検討した無作為化二重盲検プラセボ対照試験Aspirin in Reducing Events in the Elderly(ASPREE)の2次解析の結果である。参加者は米国とオーストラリア在住の心血管疾患の既往のない70歳以上の高齢者で、募集は2010~14年に行われた。追跡期間中央値は4.7(四分位範囲[IQR]:3.6~5.7)年で、本解析は2021年8月~2023年3月に行われた。 本試験における主要評価項目は、無障害生存期間(身体障害および認知症のない生存期間と定義)で、アスピリン群とプラセボ群で差はなかったことがすでに報告されている1)。今回報告された脳卒中および出血性イベントはあらかじめ設定された副次評価項目で、転帰は医療記録のレビューにより評価した。 高齢者における低用量アスピリンの副作用リスクとベネフィットのバランスを検討した主な結果は以下のとおり。・1万9,114例が登録され、女性1万782例(56.4%)、年齢中央値74(IQR:71.6~77.7)歳がアスピリン投与群(毎日100mg・9,525例)とプラセボ群(9,589例)に1対1で割り付けられた。・脳卒中を含む頭蓋内イベントの発生率は低く、追跡期間1,000人年あたり5.8人であった。・虚血性脳卒中は、アスピリン群146例(1.5%)、プラセボ群166例(1.7%)で発生し、両群のリスクに統計学的有意差はなかった(ハザード比[HR]:0.89、95%信頼区間[CI]:0.71~1.11)。・出血性脳卒中は、アスピリン群49例(0.5%)、プラセボ群は37例(0.4%)で発生し、こちらも有意差は見られなかった(HR:1.33、95%CI:0.87~2.04)。・出血性脳卒中を含む頭蓋内出血の合計は、アスピリン群はプラセボ群より有意に増加していた(108例[1.1%]vs.79例[0.8%]、HR:1.38、95%CI:1.03~1.84)。 研究者らは「低用量アスピリンの連日投与による虚血性脳卒中の有意な減少は認められない一方で、頭蓋内出血は有意に増加していた。これらの所見は、転倒などで頭蓋内出血を発症しやすい高齢者に対しては、アスピリン使用にとくに配慮する必要があることを示すものだ」としている。

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不要な抗菌薬処方、60歳以上の医師に多く特定の医師に集中か

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を含むウイルス感染症には、抗菌薬が無効であるにもかかわらず、抗菌薬が処方されている実態が報告されている1,2)。ただし、抗菌薬処方に関連する医師や患者の特徴については明らかになっていない。そこで、東京大学大学院医学系研究科の宮脇 敦士氏らは、本邦の一般開業医を対象としたデータベース(Japan Medical Data Survey:JAMDAS)を用いて、COVID-19の外来受診データを分析した。その結果、本邦の新型コロナのプライマリケアにおいて、抗菌薬の処方は少数の診療所に集中していた。また、60歳以上の医師は抗菌薬の処方が多かった。本研究結果は、JAMA Network Open誌2023年7月25日号のリサーチレターで報告された。新型コロナの抗菌薬処方の傾向についてJAMDASを用いて解析 2020年4月1日~2023年2月28日の期間において、継続観察された843診療所の新型コロナの外来受診データ(JAMDAS)を分析し、抗菌薬処方の傾向について検討した。ロジスティック回帰モデル(月と都道府県で調整)を用いて、患者特性(性、年齢、合併症の有無)や医師特性(性、年齢)と抗菌薬処方の関連を調べた。なお、抗菌薬の処方が適切である可能性のある疾患の診断を有する患者の受診データは除外した。 JAMDASを用いて新型コロナの抗菌薬処方の傾向について検討した主な結果は以下のとおり。・COVID-19患者52万8,676例(年齢中央値33歳[四分位範囲:15~49]、女性51.6%)のうち、4万7,329例(9.0%)に抗菌薬が処方された。・新型コロナで最も多く処方された抗菌薬は、クラリスロマイシン(25.1%)であった。次いで、セフカペン(19.9%)、セフジトレン(10.2%)、レボフロキサシン(9.9%)、アモキシシリン(9.4%)の順に多かった。・新型コロナの抗菌薬処方絶対数の上位10%の診療所で、全体の処方数の85.2%を占めていた。・新型コロナの抗菌薬処方絶対数の上位10%の診療所における抗菌薬の平均処方率が29.0%であったのに対し、残りの90%の診療所における抗菌薬の平均処方率は1.9%であった。・医師が新型コロナに抗菌薬を処方する割合は、44歳以下の医師と比較して、60歳以上の医師で高かった(調整オッズ比[aOR]:2.38、95%信頼区間[CI]:1.19~4.47、p=0.03)。医師の性別によって、抗菌薬の処方に違いはなかった。・新型コロナ患者が抗菌薬を処方される割合は、18歳未満の患者と比較して、18~39歳(aOR:1.69、95%CI:1.37~2.09、p<0.001)および40~64歳(aOR:1.36、95%CI:1.11~1.66、p=0.01)の患者で高かった。・併存疾患のない新型コロナ患者と比較して、併存疾患を有する患者は抗菌薬を処方される割合が高かった(aOR:1.48、95%CI:1.09~2.00、p=0.03)。 本研究結果について、著者らは「本研究の限界として、患者の重症度など、未測定の交絡因子の影響を十分に考慮できないこと、JAMDASに含まれない診療所などへの一般化可能性には限界があることなどが挙げられる」としたうえで、「本研究結果は、抗菌薬の適正使用促進の取り組みに役立つ可能性がある」とまとめた。

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酷暑の夏に常時日傘や帽子を携帯する人は3割弱/アイスタット

 2023年の夏は、7月から全国で最高気温を更新するなど例年以上の暑さをみせている。そのため熱中症による救急搬送の増加や暑さに起因する疾病、死亡が連日報道されている。酷暑の夏、一般の人々は「暑さ」にどのような対策をしているのだろうか。株式会社アイスタットは7月20日に「夏の暑さ対策」に関するアンケートを行った。アンケート調査は、セルフ型アンケートツール“Freeasy”を運営するアイブリッジ株式会社の会員20~59歳の300人が対象。調査概要形式:Webアンケート形式調査期間:2023年7月20日回答者:セルフ型アンケートツールFreeasyに登録している300人(20~59歳、有職者)アンケート概要〔夏の暑さ対策、“常に対策”しているものは?〕第1位 エアコンの使用で、冷房設定温度は26℃以上第2位 1日3食の食事を常に食べている第3位 屋内・屋外での何らかの暑さ対策を常に心がけている最下位(第8位) 外出時に携帯用の扇風機や扇子・うちわを常に持ち歩いている〔夏の暑さ対策(8項目)で、「常に対策している」の回答が1つもなかった人の特徴で多かったもの〕「20代・30代」「男性」「既婚」「北海道・東北地方」「今シーズン、夏バテ・嘔吐・頭痛・熱中症の症状を経験していない人」暑さ対策に5割以上の人が冷感グッズやネックバンドを利用せず 質問で「夏の暑さ対策」について8項目を聞いた(単回答、多い順)。(1)冷房設定温度 26℃以上(59.3%)、26℃未満(25.7%)、使用しない(15.0%)(2)1日3食の食事 常に食べる(50.3%)、時と場合により食べる(30.3%)、まったく食べていない(19.3%)(3)屋内外で何らかの暑さ対策 時と場合により心がけている(56.3%)、常に心がけている(32.0%)、まったく心がけていない(11.7%)(4)外出時に500mL以上の水分を摂取 時と場合により摂取している(56.0%)、常に摂取している(29.3%)、まったく摂取していない(14.7%)(5)外出時に帽子・日傘 まったく使用していない(37.0%)、時と場合により使用している(35.0%)、常に使用している(28.0%)(6)暑い日は不要不急の外出を控える 時と場合により控える(63.3%)、まったく控えない(19.7%)、常に控える(17.0%)(7)外出時にクールネックバンドや冷感グッズ、汗拭きシート まったく利用していない(54.3%)、時と場合により利用している(36.3%)、常に利用している(9.3%)(8)外出時に携帯用の扇風機や扇子、うちわ 常に持ち歩いていない(68.7%)、時と場合により持ち歩いている(22.7%)、常に持ち歩いている(8.7%) 質問で「今シーズン、4項目で自分自身に該当するもの」(複数回答)を聞いたところ、「あてはまるものはない」が63.7%、「夏バテの症状が1回以上ある」が24.0%、「暑さが原因と思われる嘔吐・頭痛の症状が1回以上ある」が15.7%、「熱中症と判断されたことがある」が4.3%の順で多かった。また、年代別でみると、「夏バテ」「嘔吐・頭痛」「熱中症」の症状を経験している人は「20代・30代」ほど多い結果だった。 そのほか夏の暑さ対策の質問で「常に」を回答した人の項目を作成し、属性別に解析したところ次のような結果がえられた。・年代別で解析「暑い日は不要不急の外出を控える」を回答した人は「20代・30代」で多く、「冷房設定温度(26℃以上)」「外出時に500mL以上の水分を摂取」を回答した人は「50代」で多かった。それ以外の5個の内容は「40代」で多かった。・「常に」と回答した該当者で解析「熱中症と判断された」を回答した人ほど「常に」実施している内容(項目)が多かった。・対策頻度で解析(「常に」の回答が1つもない人)「20代・30代」「男性」「既婚」「北海道・東北地方」「今シーズン、夏バテ・嘔吐・頭痛・熱中症の症状を経験していない人」ほど多かった。回答属性から暑さ対策へ積極的なのは「女性」「今シーズンすでに熱中症あり」 以下に属性別の集計から読み取れた項目を示す。(1)「エアコンを使用するときの冷房設定温度について」 26℃以上に設定している人は「50代」「女性」「既婚」「近畿地方」「暑さが原因の嘔吐・頭痛が1回以上」で多い傾向。(2)「1日3食(朝、昼、晩)、常に食事をとっているか」 常に食べている人は「40代」「女性」「既婚」「中部地方」「熱中症と診断されたことがある」で多い傾向。(3)「屋内・屋外で常に何らかの暑さ対策を心がけているか」 「40代」「女性」「既婚」「近畿地方」「熱中症と判断されたことがある」で多い傾向。(4)「外出するときまたは屋外で、常に500mL以上の水分(ペットボトル1本程度)を摂取しているか」 「50代」「女性」「未婚」「関東地方」「熱中症と判断されたことがある」で多い傾向。(5)「外出時または屋外で、常に帽子をかぶったり、日傘を使用しているか」 「40代」「女性」「未婚」「近畿地方」「熱中症と判断されたことがある」で多い傾向。(6)「猛暑日・真夏日・暑い日は、常に不要不急の外出を控えているかについて」 「20・30代」「女性」「未婚」「四国・中国・九州地方・沖縄」「熱中症と判断されたことがある」で多い傾向。(7)「外出する時または屋外で、常にクールネックバンドや冷感グッズ、汗拭きシートなどを利用しているかについて」 「40代」「女性」「既婚」「関東地方」「熱中症と判断されたことがある」で多い傾向。(8)「外出するときまたは屋外で、常に携帯用の扇風機(ハンディファン、首かけ用など)や扇子、うちわを持ち歩いているかについて」 「40代」「女性」「既婚」「関東地方」「熱中症と判断されたことがある」で多い傾向。 以上から、暑さ対策では、「女性」で「熱中症と判断されたことがある」の項目をもった人が常に対策を行っていることが判明した。

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喘息の増悪発生に地域差/AZ

 アストラゼネカ(以下、AZ)は、喘息増悪の発生状況を地域別に検討した「Asthma heatmap研究」を実施し、喘息の増悪発生率に日本国内で地域差があることを初めて明らかにしたと発表した。本研究の結果を基に、地域の実情に即した喘息治療の適正化を目指した活動を実施していくとしている。 日本において、喘息に罹患している患者(小児を含む)は約800万人といわれている。喘息による死亡数は年々減少傾向にあり、2021年では1,038人と報告されている一方で、症状が残存する患者はいまだ残されており、患者の5~10%は従来の治療でコントロールできない重症喘息と推定されている。本研究では、複合アウトカム*で定義した喘息増悪が平均で100人年当たり39.87件生じており、その頻度に地域差があることが示された。都道府県別にみると、複合アウトカムに示された喘息増悪発生率は、最多の地域では最少の地域の6.7倍であった。*複合アウトカムの定義:入院、静注ステロイド、OCS(経口ステロイド:20mg以上/日の処方またはOCS10mg以上/日の増量)のすべて対象:基準日(2018年10月1日以前に喘息と診断され、かつ喘息関連薬を処方された最新の日)以前の1年間に4回以上ICS(吸入ステロイド)またはICS/LABAが処方されたICS継続投与喘息患者2万4,883例方法:保険データベースMedi-Scope(2016年10月1日~2019年12月31日までのデータ)を用いたレトロスペクティブコホート研究。フォローアップ期間(基準日以降の1年間)における地域別の喘息増悪発生率、およびベースライン期間(基準日以前の1年間)における患者背景因子と喘息増悪との関連を解析。 本研究結果から喘息増悪の地域差が明らかになったことを踏まえ、AZは日本呼吸器学会との共催、厚生労働省の後援の下、各地域で医師を対象とし、地域に根差した喘息増悪予防について検討するための講演会を順次実施している。講演会を地域別に行うことで、地域の特性に即した課題が医療関係者に共有され、治療の最適化や地域連携を通じての専門医への紹介等、地域の実情に根差した医療環境がより整うことを期待しているとし、今後、全国においてもオンラインにて全3回の講演会開催を予定している。AZは喘息領域において、適切な増悪予防と症状コントロールによって、患者が健康な人と変わらない生活を送ることを目指し、患者中心の医療へ今後も貢献していくとしている。

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日本におけるアルコール摂取、喫煙と認知症リスク~村上健康コホート研究

 飲酒や喫煙は、生活習慣病リスクに影響するが、認知症への影響については依然としてよくわかっていない。新潟大学のShugo Kawakami氏らは、日本人中高年におけるアルコール摂取や喫煙と認知症リスクとの長期的な関連性を調査するため本研究を実施した。その結果、中程度までのアルコール摂取は認知症リスクが低下し、喫煙は用量依存的に認知症リスク増加との関連が認められた。また、多量のアルコール摂取と喫煙との間に認知症リスクとの相互作用が確認された。Maturitas誌オンライン版2023年6月14日号の報告。 研究デザインは、8年間のフォローアップによるコホート研究。参加者は、40~74歳の地域在住の日本人1万3,802人。2011~13年に自己記入式アンケートを含むベースライン調査を実施した。アウトカムは、介護保険データベースから収集した認知症発症、予測因子は、アルコール摂取量および喫煙とした。共変量は、人口統計、ライフスタイル要因、BMI、一般的な健康状態、脳卒中歴、糖尿病歴、うつ病歴とした。 主な結果は以下のとおり。・参加者の平均年齢は、59.0歳。・1週間当たりのエタノール量が1~149g、150~299g、300~449gの群は、対照群と比較し、調整ハザード比(HR)が有意に低く、有意な線形関連性は認められなかった。・飲酒歴、健康状態が不良、病歴を有する人を除外した場合、HRは1に向かい増加が認められた(各々、HR:0.80、0.66、0.82)。・喫煙レベルが高いほど、用量依存的にHRが高く(調整p for trend=0.0105)、1日当たり20本以上の喫煙群では、調整HRが有意に高かった(HR:1.80)。・多量飲酒者(1週間当たりのエタノール量:449g以上)において、喫煙習慣のある人は認知症リスクが高かったが(p for interaction=0.0046)、喫煙習慣のない人では影響が認められなかった。

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コロナ異種ワクチンによる追加接種を支持するエビデンス/BMJ

 オミクロン株が優勢な時期における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種では、プライマリ接種スケジュール(2回接種)や同種ブースター接種(3回)と比較して、異種ブースター接種(3回)はCOVID-19による入院や死亡の予防効果が優れていたことが、デンマーク・Statens Serum InstitutのNiklas Worm Andersson氏らの調査で明らかとなった。研究の成果は、BMJ誌2023年7月24日号に掲載された。3種のワクチンを比較する北欧のコホート研究 本研究は、北欧の4ヵ国(デンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン)のデータを用いた住民ベースのコホート研究である(欧州医薬品庁[EMA]の助成を受けた)。 対象は、初回接種時に年齢18歳以上で、2020年12月27日~2022年12月31日に、プライマリ接種スケジュールとして、AZD1222(アストラゼネカ製)、BNT162b2(1価、ファイザー製)、mRNA-1273(モデルナ製)、あるいはこれらの任意の組み合わせで、少なくとも1回の接種を受けた集団であった。 主要アウトカムは、4ヵ国を合わせたCOVID-19関連入院とCOVID-19による死亡とした。フォローアップはブースター接種後14日目から75日間行い、相対的なワクチンの有効性を75日目の累積発生率を用いて(1-リスク比)として算出した。異種接種戦略を支持する新たなエビデンス 北欧4ヵ国全体で、108万6,418人がAZD1222+BNT162b2またはmRNA-1273による異種ブースター接種(3回)を、250万5,093人がBNT162b2+mRNA-1273による異種ブースター接種(3回)を受けた。 プライマリ接種(2回)のみと比較して異種ブースター接種は有効性に優れ、COVID-19関連入院の予防に関する有効性はAZD1222+BNT162b2またはmRNA-1273が82.7%(95%信頼区間[CI]:77.1~88.2)、BNT162b2+mRNA-1273は81.5%(78.9~84.2)であり、COVID-19による死亡の予防に関する有効性はそれぞれ95.9%(91.6~100.0)、87.5%(82.5~92.6)であった。 また、同種ブースター接種(BNT162b2またはmRNA-1273の3回接種)も同様に、プライマリ接種のみの場合に比べCOVID-19関連入院(≧76.5%)およびCOVID-19による死亡(≧84.1%)の予防効果の向上と関連が認められた。 異種ブースター接種を同種ブースター接種と比較すると、COVID-19関連入院の予防に関してはAZD1222+BNT162b2またはmRNA-1273が27.2%(95%CI:3.7~50.6)、BNT162b2+mRNA-1273が23.3%(15.8~30.8)で、COVID-19による死亡の予防ではそれぞれ21.7%(−8.3~51.7)、18.4%(−15.7~52.5)であり、小幅ながら異種ブースター接種で良好だった。 著者は、「COVID-19ワクチン接種は現在、異種接種スケジュールへの依存が高くなり、この傾向は今後も続くと考えられるが、本研究の結果はこの戦略を支持する新たなエビデンスを付け加えるものである」としている。

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第158回 コロナ新規患者報告数、今後も感染拡大の見通し/厚労省

<先週の動き>1.コロナ新規患者報告数、今後も感染拡大の見通し/厚労省2.膨らみ続ける社会保障給付費、高齢化とコロナ対策で過去最高額に/厚労省3.マイナンバーカード一体化続行、健康保険証の来秋廃止は延期に含み-岸田首相/政府4.診療報酬改定時期が6月に変更、医療機関などの負担軽減を目指す/厚労省5.不正アクセスで患者情報が4万8千件以上流出/福岡6.市民病院が経営難から来年3月に閉院へ/大阪1.コロナ新規患者報告数、今後も感染拡大の見通し/厚労省厚生労働省は、8月4日に新型コロナウイルス感染症の発生状況(7/24~7/30)を公表した。その結果、5類移行後も11週連続で増加が継続し、直近では全国約5,000の定点医療機関1施設当たり15.91人と前週比1.14倍に増加していた。地域別の新規患者数は、42都府県で前週より増加傾向にあり、沖縄県では7月上旬以降、減少傾向がみられていた(沖縄県、前週比0.78)が、全国の年代別新規患者数は、10歳代を除きすべての年代で前週より増加傾向にある。定点医療機関の報告に基づく過去の推計値と比較すると、全国で感染者が約10万人に上っていた2022年11月中旬と同水準であり、感染症法上の分類が5類に移行したことで、感染者数は8.8倍となっており、とくに西日本で感染が急速に拡大、新規入院者数も増加していることが明らかになっている。新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード座長の脇田 隆字氏(国立感染症研究所長)は「今後も感染が拡大する」と見通しを公表し、「冷房中でもなるべく換気するように」と発言した。参考1)第124回 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(厚労省)新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料等(第116回~)新型コロナウイルス感染症の直近の感染状況の評価等2)コロナ新規患者報告数、42都府県で増加-厚労省が第30週の発生状況を公表(CB news)3)新型コロナ 感染警戒レベルの基準設定を検討 厚労省(毎日新聞)4)コロナ感染、定点あたり15人超 全国で1日10万人規模か(日経新聞)2.膨らみ続ける社会保障給付費、高齢化とコロナ対策で過去最高額に/厚労省厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所は、日本の社会保障給付費が2021(令和3)年度に過去最高の138兆7,000億円を記録したことを明らかにした。社会保障給付費の内訳は、年金(55兆8,151億円)、医療(47兆4,205億円)、介護・福祉(35兆5,076億円)。1人当たりの給付費は110万5,500円で、前年度と比べ5万7,400円、5.5%増加していたほか、国内総生産(GDP)比では25.2%と、初めて25%を超えていた。増加の原因として、高齢化による医療費の増加と新型コロナウイルスワクチン接種関連費用などのコロナ対策、子育て世帯への給付金などがあげられている。参考1)令和3(2021)年度 社会保障費用統計の集計結果を公表します(国立社会保障・人口問題研究所)2)社会保障給付費138兆円 コロナ影響で過去最高(産経新聞)3)社会保障給付費138兆円、過去最高 21年度(日経新聞)3.マイナンバーカード一体化続行、健康保険証の来秋廃止は延期に含み-岸田首相/政府岸田文雄総理大臣は、8月4日に記者会見を開き、2024年秋に予定されている健康保険証の廃止は当面は延期せず、マイナンバーカードの問題に対応する施策を続ける考えを示した。しかし、トラブルの総点検の結果によっては廃止を延期する可能性も示した。また、国民の不安を払拭するため、マイナンバーカードと一体化した保険証を持っていない人には「資格確認書」を発行する方針を明らかにした。さらに、デジタル化を進めて国民がメリットを実感できるように広報にも力を入れると述べた。岸田首相は、総点検の中間報告を近く公表する予定。ただ、資格確認書を有資格者全員に交付することについては、多額のコストを要するとして効率化の批判が集まっている。参考1)岸田首相、健康保険証の廃止時期など「適切に対応」-延期に含み(CNET)2)岸田首相会見 “健康保険証廃止は当面維持 不安払拭に努力”(NHK)3)資格確認書、有資格者全員交付は多額のコスト 遠のく効率化(産経新聞)4)保険証、来秋廃止を維持 岸田首相「総点検踏まえ判断」(日経新聞)4.診療報酬改定時期が6月に変更、医療機関などの負担軽減を目指す/厚労省厚生労働省は、8月2日に中央社会保険医療協議会の総会を開き、2024年度以降の診療報酬の改定時期を、従来の4月から6月に変更することを提案し、了承された。診療報酬の改定内容が早く決まることで医療機関などが対応しやすくなるよう準備期間が長くなる。これまで改定の時期は4月で医療機関や薬局、システム改修業者は短期間で準備をしなければならず、負担が大きいとして改善を求める声があったため、厚労省では6月に後ろ倒しすることで負担軽減を図る方針。一方、薬価の改定はこれまで通り4月に実施される予定で、24年度以降も引き続き4月となる見込み。診療側の委員からは、診療報酬と薬価の2回の改定を行うことに対する医療現場への負担や影響についての懸念が示された。参考1)中央社会保険医療協議会 総会[第551回]議事次第(厚労省)2)診療報酬改定、来年度から「6月実施」へ 2カ月後ろ倒し(朝日新聞)3)診療報酬改定6月1日施行、24年度から 薬価改定は4月1日施行を維持(CB news)5.不正アクセスで患者情報が4万8千件以上流出/福岡福岡徳洲会病院は、第三者から不正アクセスを受け、データベースに保存されていた患者の個人情報について、最大で約4万8,983件が流出した可能性を明らかにした。病院の発表によると、流出した情報には、病名や検査値も含まれていたが、悪用は確認されていない。不正アクセスは今年4月4日に、職員が業務用のパソコンで外部のホームページを閲覧していた際に、警告画面に記載された電話番号に連絡して指示に従って操作したところ、パソコンが遠隔操作に切り替わり、金銭を要求されたとしている。同病院はただちにシステムを中止し、より高度なセキュリティー水準のシステムに切り替えている。病院は福岡県警や厚生労働省、個人情報保護委員会へ報告し、専門業者に調査を依頼している。対象の患者には個別に謝罪し、専用の相談窓口を設けて対応しているほか、「再発防止に向けて、管理体制の強化に努める」とコメントしている。参考1)不正アクセスによる個人情報流出の可能性についてお知らせとお詫び(福岡徳洲会病院)2)福岡徳洲会病院、患者情報4万8千件流出か データベースに不正アクセス(産経新聞)3)福岡徳洲会病院 個人情報など5万件余が一時閲覧可能な状態に(NHK)4)福岡徳洲会病院で患者などの個人情報5万件が流出か 不正アクセス受け病名や検査の値も(福岡放送)6.市民病院が経営難から来年3月に閉院へ/藤井寺市民病院大阪府藤井寺市は市立藤井寺市民病院(病床数98床)を、令和6年3月31日で閉院する基本方針案を公表し、市民からの意見を募集している。同病院は厚生労働省から再検証要請対象医療機関に挙げられ、総務省の公立病院改革ガイドラインに基づき、改革(経営)プランを策定してきたが、経常損益も5年度で約8億5千万円、6年度も約9億2千万円の赤字が見込まれている。藤井寺市は平成10年頃から施設の更新を検討してきたが、老朽化も進み、建て替えに多額の費用が必要とされ、さらに医師派遣の減少で診療に制限が出ており、赤字が続くことから、市民病院の経営継続は困難と判断され、閉院が避けられないと結論付けられた。市側は市民説明会を開催し、閉院後の小児科の入院診療機能、災害医療などの機能移転に向けて努めるとしている。なお、「市立藤井寺市民病院のあり方に関する基本方針」に対するパブリックコメントの締め切りは8月16日まで。参考1)「市立藤井寺市民病院のあり方に関する基本方針」(案)についてパブリックコメントを実施します(藤井寺市)2)市民病院を来年3月に閉院案公表 大阪・藤井寺市(産経新聞)3)市民病院、経営難で3月に閉院へ 藤井寺市が方針(朝日新聞)

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血栓吸引療法前のワルファリン服用は気になる?(解説:後藤信哉氏)

 血栓溶解療法、冠動脈インターベンション(PCI)などの急性期再灌流療法の普及により、急性心筋梗塞の生命予後、心不全リスクともに劇的に改善した。重要臓器の虚血性障害との意味では脳梗塞と心筋梗塞は類似性が高い。実際に脳を灌流する太い血管の閉塞による血栓を急性期に吸引・除去すれば、脳梗塞の予後も改善できる。 血管が血栓性に閉塞することにより心筋梗塞、脳梗塞は発症する。閉塞を解除すれば臓器への血流が再開する。臓器の虚血性障害は改善される。しかし、再灌流は利点だけではない。虚血臓器に血液が再灌流されると臓器の再灌流障害も起こる。脳組織は脆弱なので再灌流障害が脳出血の原因になるリスクはある。さらに、抗凝固療法を施行すると出血巣が大きくなるリスクがある。 脳卒中予防のためにワルファリンを服用している症例では、再灌流障害による出血リスクが高い可能性も想定される。本研究は後ろ向き研究ではあるが、7日以内にワルファリンを服用している症例でも血栓吸引療法後の脳出血リスクは非服用例と差がないことを示唆した。後ろ向きの観察研究ではあるが、臨床データの公開には価値があることを示した。

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軟骨無形成症〔ACH:achondroplasia〕

1 疾患概要■ 定義軟骨無形成症(achondroplasia:ACH、MIM100800)は四肢短縮型低身長症を呈する骨系統疾患の代表である。成人身長は男性で約130cm、女性で約124cmと低く著明な四肢短縮のため、患者は日常生活でさまざまな制約をうける。脊柱管狭窄のため中高年になると両下肢麻痺を呈したり、下肢アライメントの異常による変形性関節症を発症し、歩行障害を生じたりすることが少なくない(指定難病)。■ 疫学ACHの頻度は出生10,000~30,000に1人と報告されている。■ 病因ACHの97%以上に、染色体4p26.3に位置するFGFR3遺伝子のGly380Arg病的バリアント(ほとんどがc.1138G>A、ごく一部がc.1138G>C)を認め、遺伝型としての均質度は高い。遺伝様式は常染色体顕性遺伝であるが、約80%は新規突然変異によるものとされる。変異FGFR3は恒常的に活性化された状態にあり、軟骨細胞の分化、軟骨基質の産生および増殖が抑制される。軟骨組織を介して骨が形成される軟骨内骨化が障害されるため、長管骨の伸長不良、頭蓋底の低形成などが生じると考えられている。■ 症状ACHでは、近位肢節により強い四肢短縮型の著しい低身長、特徴的な顔貌、三尖手などがみられる(表)。成長とともに低身長が目立つようになる。思春期の成長スパートがみられず、この間にも相対的に低身長の程度が悪化する。成人身長は男性130cm程度、女性124cm程度である。顔貌の特徴は出生時からみられる。乳幼児期(3歳頃まで)に問題となるのは、大後頭孔狭窄および頭蓋底の低形成による症状である。大後頭孔狭窄では延髄や上位頚髄の圧迫により、頚部の屈曲制限、後弓反張、四肢麻痺、深部腱反射の亢進、下肢のクローヌスがみられ、中枢性無呼吸、脊髄症、水頭症、突然死の原因となる。ACHの脳室拡大は、2歳までに生じる可能性が最も高く、一般的には交通性であり、真の水頭症(神経症状を伴う脳室拡大)はまれであるが、重篤な合併症の1つである。上気道閉塞はよくみられ、10~85%の患者が睡眠時無呼吸や慢性呼吸障害の治療が必要とされる。胸郭の低形成が高度な場合、拘束性肺疾患や呼吸器感染症の反復、重症化も問題になる。中耳炎の罹患も多く、ACHの約90%で2歳までに発症する。多くは慢性中耳炎に移行し、30~40%で伝音性難聴を伴う。脊柱管狭窄は必発であり、幼児期に症状が発現することはまれであるが、成長とともに狭窄が増強し、しびれ、脱力、間欠性跛行、下肢麻痺、神経因性膀胱による排尿障害などを呈することが多い。40歳までに約7%の患者が手術を受けると報告されている。胸腰椎後弯、内反膝をよく認め、腰痛、下肢痛もしばしばみられる。乳児期に運動発達の遅延はあるが、知能は正常である。このほか、咬合不整、歯列不整がみられる。表 軟骨無形成症の診断基準A.症状1.近位肢節により強い四肢短縮型の著しい低身長(−3SD以下の低身長、指極/身長<0.96の四肢短縮)2.特徴的な顔貌(頭蓋が相対的に大きい、前額部の突出、鼻根部の陥凹、顔面正中部の低形成、下顎が相対的に突出):頭囲>+1SD3.三尖手(手指を広げたときに中指と環指の間が広がる指)B.検査所見単純X線検査1.四肢(正面)管状骨は太く短い、長管骨の骨幹端は幅が広く不整で盃状変形(カッピング)、大腿骨頸部の短縮、大腿骨近位部の帯状透亮像、大腿骨遠位骨端は特徴的な逆V字型、腓骨が脛骨より長い(腓骨長/脛骨長>1.1、骨化が進行していないため乳幼児期には判定困難)。2.脊椎(正面、側面)腰椎椎弓根間距離の狭小化(椎弓根間距離L4/L1<1.0)(乳児期には目立たない)、腰椎椎体後方の陥凹。3.骨盤(正面)坐骨切痕の狭小化、腸骨翼は低形成で方形あるいは円形、臼蓋は水平、小骨盤腔はシャンパングラス様。4.頭部(正面、側面)頭蓋底の短縮、顔面骨低形成。5.手(正面)三尖手、管状骨は太く短い。C.鑑別診断以下の疾患を鑑別する。骨系統疾患(軟骨低形成症、変容性骨異形成症、偽性軟骨無形成症など。臨床症状、X線所見で鑑別し、鑑別困難な場合、遺伝子診断を行う)D.遺伝学的検査線維芽細胞増殖因子受容体3型(FGFR3)遺伝子のG380R変異を認める。<診断のカテゴリー>DefiniteAのうち3項目+Bのうち5項目すべてを満たしCの鑑別すべき疾患を除外したもの。または、Probable、PossibleのうちDを満たしたもの。ProbableAのうち2項目以上+、Bのうち3項目以上を満たしCの鑑別すべき疾患を除外したもの。PossibleAのうち2項目以上+Bのうち2項目以上を満たしCの鑑別すべき疾患を除外したもの。(出典:難病情報センター 軟骨無形成症)■ 予後積極的な医学的評価を行わない場合、乳幼児期に約2~5%の突然死が生じる。突然死の原因は主に無呼吸であると考えられている。大半が知能面では正常であり、平均余命も正常であるとされる。脊柱管狭窄に伴う両下肢麻痺や下肢のアライメント異常による下肢変形が経年的に増加する。2 診断 (検査・鑑別診断も含む)上記の症状と下記の骨単純X線所見と合わせて診断する(表)。骨X線所見にて、太く短い管状骨、長管骨の骨幹端は幅が広く不整で盃状変形(カッピング)、脛骨より長い腓骨、腰椎椎弓根間距離の狭小化、腰椎椎体後方の陥凹、坐骨切痕の狭小化などがみられる(表)。新生児期には、扁平椎を認めることがある。鑑別疾患として軟骨低形成症、変容性骨異形成症、偽性軟骨無形成症などが挙げられる。3 治療 (治験中・研究中のものも含む)■ 成長ホルモン(GH)治療ACHのヒトGH治療開始時の適応基準として、3歳程度以上、現在の身長が同性、同年齢の標準値-3SD以下、手術的治療を考慮するほどの大後頭孔狭窄、脊柱管狭窄、水頭症、脊髄・馬尾圧迫などの合併症がMRI ・CT所見上認められないこと。また、これらのための圧迫による臨床上問題となる神経症状が認められないことなどがある。GH治療の身長に対する短期的な効果はいくつか報告されている。5年間に身長SDSが低用量で1.3SD、高用量で1.6SD改善したという報告や、治療開始前に比べて成長速度が1年目に2.6cm/年、2年目に0.7cm/年増加したという報告がある。一方、3年間のGH治療で身長SDSの改善が0.3SDにとどまったという報告もある。成人身長の検討では、男性で0.6SD(3.5cm)の増加、女性で0.5SD(2.8cm)の増加がみられたと報告されている。■ C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)アナログ治療ACHに対してCNPアナログであるボソリチド(商品名:ボックスゾゴ)が2022年に製造販売承認された。国際多施設共同治験においてボソリチド群ではプラセボ群に比べて、52週において1.57cm/年の成長促進効果を認めたことが報告された。この成長促進効果は104週でも維持されていた。今後の中長期的な効果の検討が必要である。なお、ボソリチドは3歳未満の患者でも投与可能である。■ 四肢延長術:ACHの低身長、四肢短縮の改善のため実施されることが多い。創外固定器を用いた下肢延長術は長期の治療期間、高頻度の合併症がみられるため、脚延長術開始の意思決定は患者自身で行うことが望ましい。下肢延長術では8.4~9.8cmの平均獲得身長とされている。後遺症として、尖足、腓骨神経麻痺の残存、膝関節・足関節の外反変形、骨折、股関節の拘縮などが報告されている。上腕骨延長術も施行されているがまとまった報告は少ない。4 今後の展望新規治療として以下の第II相臨床試験が行われている。TransCon CNP(CNPアナログ/週1回注射)、Infigratinib(FGFR阻害薬/経口投与)、塩酸メクリジン(抗ヒスタミン薬/経口投与)、RBM-007(FGF2 アプタマー/1~4週間隔注射)。今後、成長障害や他の症状により有効な治療法が実施可能となることが期待される。5 主たる診療科小児科、整形外科※ 医療機関によって診療科目の区分は異なることがあります。6 参考になるサイト(公的助成情報、患者会情報など)診療、研究に関する情報難病情報センター 軟骨無形成症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)小児慢性特定疾病情報センター 軟骨無形成症(一般利用者向けと医療従事者向けのまとまった情報)厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業「先天性骨系統疾患の医療水準と患者QOLの向上を目的とした研究」(医療従事者向けのまとまった情報)患者会情報つくしんぼ-軟骨無形成症と骨疾患低身長の会(患者とその家族および支援者の会)つくしの会:軟骨無形成症患者・家族の会(患者とその家族および支援者の会)1)軟骨無形成症診療ガイドライン-日本小児内分泌学会2)GeneReviewsJapan:軟骨無形成症3)Hoover-Fong J, et al. Pediatrics. 2020;145(6):e20201010.4)Savarirayan R, et al. Nat Rev Endocrinol. 2022;18:173.公開履歴初回2023年8月7日

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8月7日 鼻の日【今日は何の日?】

【8月7日 鼻の日】〔由来〕「は(8)な(7)」の語呂合わせから、鼻の病気を減らすことを目的に、1961年に日本耳鼻咽喉科学会が制定。同会では、この日に全国各地で専門医の講演会や無料相談会などを行っている。関連コンテンツ耳鼻科の手技 その2【一般内科医が知っておきたい他科の基本処置】鼻が詰まったときの症状チェック【患者説明用スライド】花粉症患者はコロナによる嗅覚・味覚障害が悪化しやすい重症度に関係なく残る罹患後症状は倦怠感、味覚・嗅覚異常/大阪公立大学コロナによる嗅覚・味覚障害が長期持続する人の割合~メタ解析/BMJ

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小児の16%にコロナ後遺症、多くみられる症状は?~メタ解析

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を経験した小児でも、コロナ後遺症(コロナ罹患後症状、long COVID)の報告が増加している。19歳以下の小児におけるSARS-CoV-2感染の長期的な臨床的特徴を明らかにするために、カナダ・トロントのThe Hospital for Sick ChildrenのLi Jiang氏らによって系統的レビューとメタ解析が実施された。その結果COVID-19小児患者の16.2%がコロナ後遺症を経験し、男児よりも女児に特定の症状が発生するリスクが高いことなどが判明した。Pediatrics誌オンライン版2023年7月21日号掲載の報告。女児は男児よりも睡眠障害や頭痛のコロナ後遺症を発症するリスクが高い 本研究では、2019年12月~2022年12月に発表された論文およびプレプリントの論文で、小児および青年(0~19歳)でSARS-CoV-2感染が確認されてから3ヵ月以降に新たに発生、再発、または持続する徴候、症状、検査所見を検討した研究が対象となった。使用したデータベースは、PubMed、Embase、Web of Science、Cochrane Library、WHO COVID-19 Research Database、China National Knowledge Infrastructure Database、WanFang Database、Latin American and Caribbean Health Sciences Literature、Google Scholar、medRxiv、bioRxiv、ChinaXiv。27 件のコホート研究(前向き19件、後ろ向き8件)と4件の横断研究が最終的な統計的レビューに含まれた。これらの研究から、2値転帰について加重平均有病率と95%信頼区間(CI)を算出した。転帰に関して複数の測定法が報告されている場合は、最も一般的に報告されている測定法を使用した。ランダム効果モデルを用いてメタ解析を行い、異質性はI2統計量、χ2検定、フォレストプロットを用いて評価した。 小児におけるコロナ後遺症の特徴を明らかにするために実施したメタ解析の主な結果は以下のとおり。・19件の前向きコホート研究で、COVID-19と診断されてから少なくとも3ヵ月以上の追跡調査を受けた小児および青年の総数は1万5,000例以上だった。追跡期間の範囲は3~12ヵ月以上とさまざまだった。地域別に、ヨーロッパ13件、イラン2件、オーストラリア1件、中国1件、米国1件。・COVID-19の持続的症状の絶対数を報告した12件の前向きコホート研究(6,000例以上)をメタ解析したところ、COVID-19と診断された小児および青年の16.2%(95%CI:8.5~28.6)が、3~13ヵ月の追跡期間中に1つ以上の持続的症状を経験していた。・この集団において、COVID-19の長期的な症状として多かったのは、咽頭痛(n=3,106、統合推定値14.8%[95%CI:4.8~37.5])、持続的な発熱(n=5,128、10.9%[2.4~38.2])、睡眠障害(n=697、10.3%[4.9~20.4])、疲労(n=6,110、9.4%[4.1~20.2])、筋力低下(n=196、8.7%[5.5~13.6])、咳嗽(n=5,890、6.8%[2.4~17.7])、頭痛(n=5,809、4.6%[1.2~16.2])、呼吸困難(n=5,560、4.3%[1.1~15.1])、腹痛(n=3,718、3.7%[2.3~5.8])、下痢(n=3,564、3.5%[1.3~8.9])。・バイアスリスクの低い研究2件と中程度の研究5件から感度分析を行ったところ、長期的な症状として多かったのは、持続的な発熱(n=559、統合推定値7.9%)、疲労(n=5,654、7.4%)、嗅覚/味覚の変化(n=5,433、6.1%)、呼吸困難(n=5,560、4.3%)、頭痛(n=5,493、3.9%)であった。・追跡期間別のサブグループ解析では、3~6ヵ月で一般的な持続症状は、咽頭痛、持続的な発熱、筋力低下、疲労、咳嗽。6~12ヵ月では、睡眠障害、体重減少、持続的な発熱、疲労、筋力低下。12ヵ月以上では、疲労、動悸、関節痛、筋肉痛。・5件の研究をメタ回帰分析し、コロナ後遺症の潜在的なリスクを調べたところ、女児は男児よりも、COVID-19の長期的な症状として睡眠障害や頭痛を発症するリスクが高かった(p<0.01)。 著者は小児におけるコロナ後遺症の解析結果について「COVID-19小児患者は3ヵ月以上症状が持続することが一般的であり、症状は広範囲に及ぶ。今後も適切な管理のもと質の高い前向き研究が必要だ」と述べている。

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オメガ3脂肪酸、肺機能にも好影響

 肺機能の低下や慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症には炎症が関与する。そこで、抗炎症作用を有するオメガ3脂肪酸が肺機能の低下やCOPDの予防に役立つ可能性が考えられており、オメガ3脂肪酸の血中濃度が高いと肺機能が高いことも報告されている1)。しかし、オメガ3脂肪酸の血中濃度と肺機能の経時変化を調べた報告はなく、因果関係は不明である。そこで、米国・コーネル大学のBonnie K. Patchen氏らは、前向きコホート研究およびメンデルランダム化研究により、オメガ3脂肪酸の血中濃度と肺機能、気流閉塞との関連を検討した。その結果、オメガ3脂肪酸(とくにドコサヘキサエン酸[DHA])の血中濃度が高いと肺機能の維持に良い影響があることが示された。本研究結果は、American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine誌オンライン版2023年7月20日号で報告された。 オメガ3脂肪酸の血中濃度と肺機能との関連を調べることを目的として、2部構成の研究を実施した。第1部では、米国のコホート研究(National Heart, Lung, and Blood Institute Pooled Cohorts Study)に参加した健康成人1万5,063人(平均年齢56歳、女性55%)を対象として、最長20年間追跡した(平均7年間)。オメガ3脂肪酸(α-リノレン酸[ALA]、イコサペント酸[EPA]、DHA、ドコサペンタエン酸[DPA])の血中濃度と肺機能(1秒量[FEV1]、努力肺活量[FVC])を測定し、両者の関連を検討した。第2部では、英国のUKバイオバンクに登録された欧州人(50万人以上)の遺伝子データを分析し、オメガ3脂肪酸の間接的または代理指標となる遺伝子と肺機能の関係を検討した。 主な結果は以下のとおり。・縦断研究において、血漿中のオメガ3脂肪酸濃度が高いと肺機能低下が抑制され、オメガ3脂肪酸の中でもDHAの寄与が最も大きかった。・総脂肪酸に占めるDHAの割合が1%増加すると、1年当たりのFEV1、FVCの低下はそれぞれ1.4mL(95%信頼区間[CI]:1.1~1.8)、2.0mL(95%CI:1.6~2.4)抑制された。・総脂肪酸に占めるDHAの割合が1%増加すると、気流閉塞(FEV1/FVC<0.7)の発生率は7%低下した。・メンデルランダム化研究においても、オメガ3脂肪酸の血中濃度が高いと、FEV1およびFVCが高いことが示された。

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睡眠の質が食道がんリスクと関連?

 米国における食道腺がん(EAC)の罹患率は1960年代から増加しており、2007年には10万人年当たり0.41人から5.31人となったが、この要因は明らかになっていない。睡眠の質と食道がんの発症リスクとの関連について調べた、ワシントン大学セントルイス校のXiaoyan Wang氏らによる研究の結果がCancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌2023年8月1日号に掲載された。 研究者らは、英国バイオバンク(2006~16年)の参加者39万3,114例を対象に、睡眠行動(クロノタイプ、持続時間、昼寝、日中の眠気、いびき、不眠症)とEACおよび食道扁平上皮がん(ESCC)リスクとの関連性を前向きに評価した。 参加者は、1日当たり6時間未満または9時間超の睡眠、日中の昼寝、習慣的な日中の眠気などの不健康な行動の数によって、良い睡眠群(0)、中程度の睡眠群(1)、悪い睡眠群(2つ以上)に分類された。EACについては多遺伝子リスクスコアとの相互作用も調べた。Coxモデルを使用して、ハザード比(HR)と95%信頼区間(CI)を推定した。 主な結果は以下のとおり。・最長9.3年の追跡期間中に、294例のEACと95例のESCCが診断された。睡眠の質が悪いことを示す睡眠複合スコアが高いのは、男性、BMIが高い、喫煙者、胃食道逆流症(GERD)の既往がある人に多かった。・1日当たり9時間超の睡眠(HR:2.05、95%CI:1.18~3.57)、時々の日中の昼寝(HR:1.36、95%CI:1.06~1.75)は、EACリスクの増加と個別に関連していた。・良い睡眠群と比較して、中程度の睡眠群はEACリスクが47%(HR:1.47、95%CI:1.13~1.91)増加し、悪い睡眠群は同87%(HR:1.87、95%CI:1.24~2.82)増加した。・睡眠の質によるEACリスク上昇は、遺伝子リスクスコアの層別に見ても同様だった。・夕方のクロノタイプは、登録2年後のESCC診断のリスク上昇と関連していた(HR:2.79、95%CI:1.32~5.88)。 著者らは「不健康な睡眠行動は、遺伝的リスクとは関係なく、EACのリスク増加と関連していた。睡眠行動は、EACを予防するための修正可能な要素として機能する可能性がある」としている。

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心房細動アブレーション後の認知機能障害は一過性

 心房細動カテーテルアブレーション後に認知機能障害が報告されているが、長期的に持続するかどうかは不明である。今回、オーストラリア・Royal Melbourne HospitalのAhmed M. Al-Kaisey氏らがアブレーション後12ヵ月間の追跡調査を実施したところ、アブレーション後にみられる認知機能障害は一過性であり、12ヵ月後には完全に回復していたことが示された。JACC Clinical Electrophysiology誌2023年7月号に掲載。 本研究は、1種類以上の抗不整脈薬が無効であった症候性心房細動患者100例を対象にした前向き研究で、継続的な内科的治療または心房細動カテーテルアブレーションに無作為に割り付け、12ヵ月間追跡した。認知機能の変化は、ベースライン時および追跡期間中(3、6、12ヵ月)に6種類の認知機能検査で評価した。 主な結果は以下のとおり。・計96例が研究プロトコルを完了した。平均年齢は59±12歳(女性32%、持続性心房細動46%)であった。・新規の認知機能障害の有病率は、アブレーション群、内科的治療群の順に、3ヵ月後で14%、2%(p=0.03)、6ヵ月後で4%、2%(p=NS)、12ヵ月後で0%、2%(p=NS)であった。・アブレーションの時間は、術後認知機能障害の独立した予測因子であった(p=0.03)。・12ヵ月後にアブレーション群の14%で認知スコアの有意な改善がみられたが、内科的治療群ではみられなかった(p=0.007)。

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HIV感染者からパートナーへの性感染、低ウイルス量ならほぼゼロ/Lancet

 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者では、ウイルス量が低レベル(1,000コピー/mL未満)であれば、パートナーへのHIV性感染のリスクはほぼゼロであることが、米国・Global Health Impact GroupのLaura N. Broyles氏らの調査で示された。これにより、医療資源が限られた環境でHIVと共に生きる人(people living with HIV)のウイルス量検査へのアクセスが促進される可能性があるという。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年7月23日号で報告された。ウイルス量別のHIV性感染リスクを系統的レビューで評価 研究グループは、HIVと共に生きる人やそのパートナー、医療従事者、より広く一般の人々へのメッセージの発信にとって有益な情報を提供するために、HIVのさまざまなウイルス量におけるHIV性感染のリスクに関するエビデンスを要約する目的で、系統的レビューを行った(ビル&メリンダ・ゲイツ財団の助成を受けた)。 医学関連データベースを用いて、2010年1月1日~2022年11月17日までに発表された論文を検索した。対象は、「さまざまなレベルのウイルス血症におけるセロディスコーダント・カップル(serodiscordant couple[血清不一致カップル]:一方がHIV陽性、もう一方が陰性のカップル)間のHIV性感染」「検出限界値未満=感染力がない(undetectable = untransmittable)の科学的評価」「低レベルのウイルス血症が公衆衛生に及ぼす影響」について検討した研究であった。 個々の研究のエビデンスの確実性はGRADE、バイアスの潜在的なリスクはROBINS-Iの枠組に基づいて評価した。さまざまなウイルス量におけるHIVの性感染に焦点を当ててデータを抽出し、要約した。強力な予防キャンペーンの展開をもたらす可能性 低レベルのウイルス血症におけるHIVの性感染に焦点を当てた8編の論文(コホート研究4件、無作為化対照比較試験3件、25ヵ国の横断研究1件)が系統的レビューに含まれ、7,762組のセロディスコーダント・カップル(ほとんどが男女のカップル)が解析の対象となった。全体のエビデンスの確実性は「中」、バイアスのリスクは「低」であった。 3件の研究では、HIV陽性のパートナーのウイルス量が200コピー/mL未満の場合、セロディスコーダント・カップル間のHIV感染は認めなかった。また、4件の前向き研究では、323件の感染イベントがみられたが、抗レトロウイルス療法(ART)でHIVが安定的に抑制されていると考えられる患者では、感染イベントは発生しなかった。 8件すべての研究では、指標患者(HIV感染の診断歴がある患者)の直近のウイルス量が1,000コピー/mL未満の場合に、感染の可能性が示唆されたのは2例のみであったが、いずれも感染日から直近のウイルス量の検査までの間隔が長かった(50日と53日)ため、解釈を単純化することはできなかった。 著者は、「ARTを受けているすべてのHIVと共に生きる人にとって、ウイルス量が検出限界値未満であることは目標であるが、今回のデータは、低レベルのウイルス血症であればHIV性感染のリスクはほぼゼロであることを示しており、この公衆衛生上好ましいメッセージの普及を通じて、HIVのスティグマから脱却し、ARTのアドヒアランスを強力に促進する機会をもたらすだろう」としている。 また、「これらの結果は、従来のウイルス量の検査に継続的にアクセスできない人々を含め、あらゆる状況に強い影響を及ぼす予防キャンペーンの展開と、その広範な普及を可能にすると考えられる」と指摘している。

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肝細胞がん1次治療、camrelizumab+rivoceranibがPFS改善/Lancet

 切除不能な肝細胞がんの1次治療において、抗PD-1抗体camrelizumabとVEGFR-2を標的とするチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)rivoceranibの併用療法は、標準治療であるソラフェニブと比較して、無増悪生存期間(PFS)が有意に長く、全生存期間(OS)も延長しており、安全性は管理可能で新たな安全性シグナルは確認されなかったことが、中国・Nanjing Medical UniversityのShukui Qin氏らが実施した「CARES-310試験」で示された。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年7月24日号に掲載された。13の国と地域の無作為化試験、8割以上がアジア人 CARES-310試験は、13の国と地域の95施設で実施された非盲検無作為化第III相試験であり、2019年6月28日~2021年3月24日に参加者の無作為化が行われた(中国・Jiangsu Hengrui Pharmaceuticalsと米国・Elevar Therapeuticsの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上の肝細胞がん患者で、バルセロナ臨床肝がん(Barcelona Clinic Liver Cancer:BCLC)病期分類のBまたはCであり、手術または局所領域療法後に病勢が進行し、全身療法による治療歴がなく、肝機能の障害度がChild-Pugh分類A、全身状態が良好(ECOG PS 0/1)な患者であった。 被験者を、camrelizumab(200mg、静注、2週ごと)+rivoceranib(250mg、経口、1日1回)、またはソラフェニブ(400mg、経口、1日2回)の投与を受ける群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。 主要評価項目は、PFS(RECIST 1.1に基づき盲検下に独立審査委員会が評価)とOSの2つであり、後者は中間解析の結果を報告した。 543例を登録し、camrelizumab+rivoceranib併用群に272例(年齢中央値58歳[四分位範囲[IQR]:48~66]、男性83%、アジア人83%)、ソラフェニブ群に271例(56歳[47~64]、85%、83%)を割り付けた。全体の75%がB型肝炎ウイルスに起因する肝細胞がんであり、74%が脈管浸潤または肝外転移、あるいはこれら双方を有していた。客観的奏効率も良好 追跡期間中央値7.8ヵ月(IQR:4.1~10.6)の時点におけるPFS中央値は、ソラフェニブ群が3.7ヵ月(IQR:2.8~3.7)であったのに対し、併用群は5.6ヵ月(5.5~6.3)と有意に改善した(ハザード比[HR]:0.52、95%信頼区間[CI]:0.41~0.65、片側検定のp<0.0001)。 また、追跡期間中央値14.5ヵ月(IQR:9.1~18.7)の時点(2022年2月8日のOSに関する中間解析)でのOS中央値は、ソラフェニブ群の15.2ヵ月(IQR:13.0~18.5)に対し、併用群は22.1ヵ月(19.1~27.2)であり、有意に長かった(HR:0.62、95%CI:0.49~0.80、片側検定のp<0.0001)。 客観的奏効率(最良総合効果としての完全奏効または部分奏効の割合)は、併用群が25%(69/272例)、ソラフェニブ群は6%(16/271例)であり、併用群で有意に優れた(群間差:19%、95%CI:14~25、片側検定のp<0.0001)。 最も頻度の高いGrade3/4の治療関連有害事象は、高血圧(併用群38%[102/272例]vs.ソラフェニブ群15%[40/269例])、手掌・足底発赤知覚不全症候群(12%[33例]vs.15%[41例])、AST値上昇(17%[45例]vs.5%[14例])であった。 重篤な治療関連有害事象は、併用群24%(66例)、ソラフェニブ群6%(16例)で報告された。治療関連死が各群で1例ずつ認められた(併用群:多臓器不全症候群、ソラフェニブ群:呼吸不全と循環虚脱)。 著者は、「camrelizumab+rivoceranib併用療法は良好なベネフィット-リスクプロファイルを示したことから、切除不能肝細胞がんに対する新たな1次治療の選択肢となると考えられる。免疫併用レジメンに経口投与の抗血管新生TKIを組み込むことで、臨床医がより柔軟に治療法を選択できるようになる可能性がある」としている。

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境界性パーソナリティ障害と全般不安症の併存率

 境界性パーソナリティ障害(BPD)は、感情、衝動性のコントロール、対人機能において重度の不安定さを特徴とする精神疾患である。これまでの研究でBPD患者は不安症などの他の精神疾患の併発リスクが高いと報告されているにもかかわらず、全般不安症(GAD)とBPDとの関係はあまり調査されていなかった。カナダ・マクマスター大学のAimun Qadeer Shah氏らは、成人におけるBPDとGAD併存の臨床アウトカムに関する報告を統合するため、システマティックレビューおよびメタ解析を実施した。その結果、BPDにGADが併発する頻度は高く、この併存疾患がBPDの症状の重症度に関連している可能性が示唆された。Journal of Psychiatric Research誌2023年8月号の報告。 2021年10月27日の時点で、PsycINFO、PubMed、Embaseの3つのデータベースより検索を行った。 主な結果は以下のとおり。・対象研究24件(併存疾患の有病率に関する報告21件、併存疾患に関する臨床アウトカムの報告4件)が抽出され、そのうち9件をメタ解析に含めた。・BPD患者における現在のGADの有病率は、入院患者で16.4%(95%信頼区間[CI]:1.9~66.1%)、外来および地域在住患者で30.6%(95%CI:21.9~41.1%)であった。・BPD患者におけるGADの生涯有病率は、入院患者で11.3%(95%CI:8.9~14.3%)、外来および地域在住患者で13.7%(95%CI:3.4~41.4%)であった。・BPDとGADの併存と関連していた因子は、BPD重症度、衝動性、怒りっぽさ、絶望感などの測定値の悪化であった。 しかし、著者らは、統合された有病率の信頼区間の幅が大きいことを考慮し、本結果は慎重に解釈する必要がある、としている。

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etripamilは上室頻拍に対する特効薬となるか(解説:高月誠司氏)

 etripamilは即効性の鼻腔噴霧型のLタイプカルシウム拮抗薬で、鼻腔粘膜で吸収され投与7分後に最高血中濃度に到達し、素早く代謝される。本剤は上室頻拍の急性期停止効果が期待されている。 RAPID試験は上室頻拍の急性期停止をエンドポイントとしたプラセボとetripamilのランダム化比較試験で、結果としてetripamilはプラセボよりも多くの患者で上室頻拍の停止に成功した。上室頻拍の発作時には迷走神経刺激手技あるいはカルシウム拮抗薬の内服が試されるが、今後本薬は特効薬として期待される。 カルシウム拮抗薬の副作用として血圧低下、徐脈などが懸念される。本試験での投与前後の脈拍数や血圧は不明だが、失神は両群ともに認めなかった。ただし投薬後の速脈、動悸、ふらつきなどの症状はetripamil群で多かった。また被験者の平均体重はおよそ82~83kgであり、本試験の用量を日本人の標準投与量としてよいかは検討が必要であろう。

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ドライアイス中毒にご注意を【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第239回

ドライアイス中毒にご注意をillust ACより使用ドライアイスは昇華すると二酸化炭素が発生します。通常のモクモクとした煙ではそこまで量が多くないのですが、たとえば熱湯などをかけると大量の二酸化炭素が発生し、致死的な二酸化炭素中毒に至ることが知られています。今日はドライアイス中毒の2例を紹介しましょう。Gonzales L, et al. Dry ice (solid carbon dioxide) exposure with disastrous consequences. QJM. 2017 Nov 1;110(11):757-758.息切れやふらつきを訴えた62歳の女性が、「心臓が原因じゃないか」ということで受診しました。症状が起きたシーンから原因は明白でした。密閉していない容器にドライアイスを入れて、アイスクリームを輸送するために車を運転していたのです。エアコンをつけて、窓を閉め切っていました。運転中に意識もうろうとなり、30分後に横転した車の外で目が覚めたそうです。びっくりしますよね、起きたら車が横転しているんですから。救助者が車の窓ガラスを割って彼女を車から救出した直後に彼女は目を覚ましたそうです。Righi FA, et al. Suicide by Gaseous Displacement of Atmospheric Oxygen With Carbon Dioxide From Dry Ice Sublimation. Am J Forensic Med Pathol. 2022 Dec 1;43(4):369-371.次は死亡例です。とくに病歴のない38歳の男性が、浴室内で死亡しているのが発見されました。内側から毛布とタオルがドアの下に押し込まれており、何らかの中毒と思われましたが、すでにその原因物質は消えていました。死亡者の携帯電話を調べたところ、二酸化炭素やドライアイスを使った窒息に関する検索履歴が見つかりました。また、日記には大量のドライアイスを使った自殺計画について記載されていました。浴槽に大量のドライアイスを入れることで二酸化炭素中毒から窒息に至り、自殺を完遂したと結論付けられました。ちなみに、自殺例はこのほかにも報告があります1)。大気中の二酸化炭素濃度は世界平均で約0.04%です。二酸化炭素濃度は2~5%で頭痛、めまい、呼吸困難などを生じ、6~10%で頻脈、頻呼吸、11~17%で意識消失、17%以上で昏睡や死亡に至ります2)。皆さんも浴室で子供とドライアイスで遊ぶ場合には、ご注意を。1)Rupp WR, et al. Suicide by carbon dioxide. Forensic Sci Int. 2013 Sep 10;231(1-3):e30-e32.2)Langford NJ. Carbon dioxide poisoning. Toxicol Rev. 2005;24:229−235.

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