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CKD患者の年間医療費はどの程度増加するのか/広島大学

 慢性腎臓病(CKD)の医療費負担は相当なものとなることはよく知られているが、実際、どのような所見がある場合に、年間でどの程度増加するかは知られていなかった。広島大学大学院医系科学研究科 疫学・疾病制御学の迫井 直深氏らの研究グループは、日本全国の健診データおよび医療費請求データを用いたコホート研究を実施し、健診での早期CKDの発見と関連する医療費増加の程度を解析した。その結果、健診受診者の5.3%が早期CKDを持つことが判明し、CKDがない人と比較し、腎機能低下者では1人当たり年間で2.6万円の医療費増加があることがわかった。JAMA Network Open誌2024年1月2日号に掲載。8万人のうち5.3%に早期CKD 本研究は全国規模の大規模健康医療データベースを用い、就労世代約8万人の健診データを分析した。データ解析は2021年4月~2023年10月まで実施。 ベースライン時のCKD病期(eGFRと蛋白尿により定義)は、eGFR60mL/分/1.73m2以上(蛋白尿なし)、eGFR60mL/分/1.73m2以上(蛋白尿あり)、eGFR30~59mL/分/1.73m2(蛋白尿なし)、eGFR30~59mL/分/1.73m2(蛋白尿あり)。 主要アウトカムは、超過医療費としてベースライン年(2014年)およびその後の5年間(2015~19年)におけるベースラインのCKDステージ(基準群:eGFR≧60mL/分/1.73m2、蛋白尿なし)に応じた医療費の絶対差と定義した。 主な結果は以下のとおり。・健診を受けた7万9,988人(平均年齢47.0[±9.4]歳、女性2万2,027人[27.5%])のうち、蛋白尿を伴うeGFR60mL/分/1.73m2以上の人は2,899人(3.6%)、蛋白尿を伴わないeGFR30~59mL/分/1.73m2の人は1,116人(1.4%)、蛋白尿を伴うeGFR30~59mL/分/1.73m2の人は253人(0.3%)だった。・ベースライン時、蛋白尿の有無とeGFRが60mL/分/1.73m2未満は、より大きな超過医療費と関連していた。・調整後差は、蛋白尿で2.4万円[99%信頼区間[CI]:900円~4.9万円]、eGFRが30~59mL/分/1.73m2で8.5万円[99%CI:3.2~13.7万円]、これらの組み合わせで17.6万円[99%CI:1.9~33.2万円]だった。・本研究では、その後5年間にわたり一貫して超過医療費増加が認められた。 以上の結果から、研究グループは「早期CKDは5年間の超過医療費と関連し、その関連は病期が進行するほど顕著だった」と結論付けている。(1ドル140円で換算)

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腫瘍マーカーHE4とCA125の併用で卵巣がん再発を早期に検出/アボット

 ヒト精巣上体タンパク4(HE4)は、卵巣がんの腫瘍マーカーとして広く使用され、2022年には経過観察でも保険適用となっている。アボットジャパンは2024年1月、国立がん研究センター中央病院婦人腫瘍科の加藤 友康氏と宇野 雅哉氏を招き、HE4の卵巣がん経過観察に関する会見を行った。HE4をCA125と併用することで腫瘍マーカーとしてさらに高い感度 卵巣がんは自覚症状に乏しく、進行した状態で見つかることが多い。いったん切除しても再発すると治療困難となるため、経過観察が重要である。経過観察は画像診断が主体だが、放射線被ばくやコスト面から頻回実施は困難である。そのため、定期的に腫瘍マーカーで上昇を確認したうえで、画像診断を行うことが望まれている。 腫瘍マーカーとしては、CA125が広く用いられている。しかし、CA125は月経、婦人科良性疾患(子宮内膜症、筋腫)や胸腹膜の炎症性疾患などの影響を受けてしまう。一方、HE4は上記病態や疾患の影響を受けにくいとされ、高精度の腫瘍マーカーとして、卵巣腫瘍の鑑別への活用が期待されている。 そこで、卵巣がん経過観察へのHE4の使用可能性を評価するため、宇野氏らは2014~21年の卵巣がん新規診断患者48例を対象に後方視的観察研究を行った1)。その結果、経過観察中における、HE4の高い感度と陰性的中率、CA125に匹敵する画像診断との一致率が示された(感度:CA125 85.2%、HE4 77.8%、陰性的中率:CA125 82.6%、HE4 75.0%、画像診断との一致率:CA125 87.5%、HE4 81.3%)。さらに、CA125とHE4を併用することで、さらに高い感度(92.6%)が得られた。一方、HE4には早期に再発を確認できる特性が認められ、HE4使用症例の78%が画像診断より前あるいは同時に数値が上昇していた。 加藤氏と宇野氏は、「HE4はCA125との相関性が低く、CA125に対して相補的な役割も果たす。両マーカーの測定による卵巣がんの経過観察への有用性が期待される」と結んだ。

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超早産児の動脈管開存症、イブプロフェンによる早期治療は無益/NEJM

 超早産児の動脈管開存症(PDA)の治療において、早期のイブプロフェン投与はプラセボと比較し、最終月経後年齢36週時における死亡または中等度~重度気管支肺異形成症のリスクを低下させないことが示された。英国・ダラム大学のSamir Gupta氏らが、英国の新生児集中治療室(NICU)32施設で実施した多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験の結果を報告した。シクロオキシゲナーゼ阻害薬であるイブプロフェンは、早産児のPDA治療に使用できるが、大きなPDAへの選択的早期治療が、短期アウトカムを改善するかどうかは不明であった。NEJM誌2024年1月25日号掲載の報告。大きなPDAを有する生後72時間以内の超早産児でイブプロフェンvs.プラセボ 研究グループは、在胎23週0日~28週6日で出生し、心エコー検査によりPDA(直径1.5mm以上、左右シャント)が確認された生後72時間以内の新生児を、イブプロフェン群またはプラセボ群に1対1の割合で無作為に割り付けた。イブプロフェン群には10mg/kgを負荷用量として投与した後、5mg/kgを24時間以上の間隔を空けて2回投与した。 主要アウトカムは、最終月経後年齢36週時の死亡または中等度~重度の気管支肺異形成症の複合、退院時までの副次アウトカムは主要アウトカムの個々のイベント、気管支肺異形成症の重症度などであった。 2015年7月~2020年12月に、計653例がイブプロフェン群(326例)とプラセボ群(327例)に無作為に割り付けられた。このうち、割り付けられた治療を受けたのは、それぞれ318例(97.5%)および315例(96.3%)であった。死亡または中等度~重度気管支肺異形成症の発生、69.2% vs.63.5% 主要アウトカムのイベントは、イブプロフェン群で318例中220例(69.2%)、プラセボ群で318例中202例(63.5%)に発生し、補正後リスク比は1.09(95%信頼区間[CI]:0.98~1.20、p=0.10)であった。 イブプロフェン群で323例中44例(13.6%)、プラセボ群で321例中33例(10.3%)が死亡した(補正後リスク比:1.32、95%CI:0.92~1.90)。 最終月経後年齢36週時までの生存児において、中等度~重度の気管支肺異形成症は、イブプロフェン群で274例中176例(64.2%)、プラセボ群で285例中169例(59.3%)に発生した(補正後リスク比:1.09、95%CI:0.96~1.23)。 イブプロフェンに関連する可能性があると評価された予測できない重篤な有害事象が2件発生し、このうち1件は予測できない重篤な副作用に分類された。

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悪性黒色腫への個別化mRNAワクチン+ペムブロリズマブの効果は?(KEYNOTE-942)/Lancet

 完全切除後の高リスク悪性黒色腫に対する術後補助療法として、個別化mRNAがんワクチンmRNA-4157(V940)とペムブロリズマブの併用療法は、ペムブロリズマブ単剤療法と比較し、無再発生存期間(RFS)を延長し、安全性プロファイルは管理可能であった。米国・Laura and Isaac Perlmutter Cancer Center at NYU Langone HealthのJeffrey S. Weber氏らが、米国およびオーストラリアで実施した第IIb相無作為化非盲検試験「KEYNOTE-942試験」の結果を報告した。免疫チェックポイント阻害薬は、切除後のIIB~IV期悪性黒色腫に対する標準的な術後補助療法であるが、多くの患者が再発する。mRNA-4157は、脂質ナノ粒子製剤中に最大34個のネオアンチゲンをコードするmRNAを含む個別化ワクチンで、個人の腫瘍mutanomeとヒト白血球抗原(HLA)タイプに特異的に合わせて調製されている。著者は、「今回の結果は、mRNAに基づく個別化ネオアンチゲン療法の術後補助療法における有益性を示すエビデンスとなる」とまとめている。Lancet誌オンライン版2024年1月18日号掲載の報告。主要評価項目は無再発生存期間(RFS) 研究グループは、切除可能なIIIB~IV期(IIIB期は前回の手術から3ヵ月以内の再発のみ適格)の悪性黒色腫を有する18歳以上で、ペムブロリズマブ初回投与の13週間前までに完全切除術を受け、試験開始時に臨床的および放射線学的に無病であり、ECOG PSが0または1の患者を、mRNA-4157+ペムブロリズマブ併用療法(併用療法群)またはペムブロリズマブ単剤療法(単剤療法群)に、病期で層別化して2対1の割合で無作為に割り付け追跡評価した。mRNA-4157は1mgを3週間間隔で最大9回筋肉内投与、ペムブロリズマブは200mgを3週間間隔で最大18回静脈内投与した。 主要評価項目は、ITT集団におけるRFS、副次評価項目は無遠隔転移生存、安全性などであった。ペムブロリズマブ単剤に対するmRNA-4157併用のハザード比は0.561 2019年7月18日~2021年9月30日に、157例が併用療法群(107例)および単剤療法群(50例)に割り付けられた。追跡期間中央値は、それぞれ23ヵ月および24ヵ月であった。 データカットオフ時点(2022年11月14日)で、再発または死亡のイベントは併用療法群で24例(22%)、単剤療法群で20例(40%)に発生し、RFSは併用療法群が単剤療法群と比べて延長し(再発または死亡のハザード比[HR]:0.561、95%信頼区間[CI]:0.309~1.017、両側p=0.053)、18ヵ月RFS率はそれぞれ79%(95%CI:69.0~85.6)、62%(95%CI:46.9~74.3)であった。 治療関連有害事象の多くはGrare1または2であり、Grare3以上は併用療法群でmRNA-4157関連事象12例(12%)、ペムブロリズマブ関連事象24例(23%)、単剤療法群でペムブロリズマブ関連事象9例(18%)であった。 有害事象によりペムブロリズマブの投与を中止した患者は、併用療法群で26例(25%)、単剤療法群で9例(18%)であった。免疫関連有害事象は、併用療法群で37例(36%)、単剤療法群で18例(36%)に認められた。

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089)手指の皮下異物あれこれ【Dr.デルぽんの診察室観察日記】

第89回 手指の皮下異物あれこれゆるい皮膚科勤務医デルぽんです☆皮膚科外来あるあるの1つ「指のトゲ」刺さったことを自覚している人や、自分でも何を触ったのか覚えていない人。自分で抜こうとして表面だけ取れてしまったパターン、放置していたけど痛みがでてきたパターンなど、受診の経緯はさまざまです。さて、実際に多くの場合、いわゆる「トゲ」は、植物や木材の小さなかけらであることがほとんどですが、なかにはすこし変わり種の「自称トゲ」のことも…?先日は、勤務している病院の受付さんを受診しました。「レジを触っていたら、何かが刺さってしまった」とのこと。取れたものを観察してみると、とても小さな黒いプラスチック片でした。(欠けてしまう要素がどこかにあったのでしょうか…?)また、ある日は、「指のイボが痛い」と言って受診された男性がいました。ダーモスコピーで拡大してみると、指にちいさな黒点が。痛みかたがイボというよりは異物のそれだったので、カミソリの刃でていねいに削ったところ、2~3mmほどある細長い金属片が出てきました。何を触ったのかまったく覚えていないということで、いったい何の欠片だったのかまではわかりませんでした。ここ最近の木や植物ではない「トゲ」の症例2例を挙げてみました。他にみかけたことがあるモノは、人の髪の毛、ウニのトゲ、折れたまち針などなど。いろんな物が刺さりますね…。「戸の枠を触っていたら木のささくれが刺さってしまった」という患者さんもいました。古いお家は、要注意?!皮膚科の異物は小さくて拡大鏡でみないとわからないものが多いですが、耳鼻科の異物(鼻の穴や耳の穴も?)は、もっといろいろな物が出てきそうですね!と、そんなことを思いつつ、日々、異物の診察にあたるのでした。それでは、また次の連載で。

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第197回 強引過ぎる零売薬局規制とやる気のないスイッチラグ対策で実感する厚労省の守旧派ぶり、GLP-1ダイエット処方規制の方が最優先では?

食事なしのビジネスホテルにポツンと放り込まれた被災者たちこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。能登半島地震から4週間が過ぎました。先週のこの連載では、被災者の地元外にある1.5次や2次避難所への移動が本格化したものの、実際に移ったのは2,607人、避難者全体の17%とほとんど進んでいないと書きましたが、その後、1月26日のNHKニュースでは、2次避難所等への移動が進まない意外な理由を報じていました。それによれば、2次避難所に避難したものの、食事提供がないため再び被災地の避難所に戻る人が少なくないというのです。食事の提供がある旅館などの避難所は既に満員のため、現在、県などが用意するのはビジネスホテルなどの食事提供がない避難所。場合によっては、食事代だけではなく駐車場代も自己負担になるとのことです。被災した高齢者たちを金沢市などのビジネスホテルにポツンと放り込んで、食事はコンビニや外食、自腹でなんとかしろと言っているわけです。被災者たちが「多少不便でも地元の避難所がいい」というのもわかります。「災害関連死予防のため」と言いながら、行政のこの対応は無責任としかいいようがありません。福祉避難所ではないので、おそらく医療や介護の体制も手薄で被災者任せではないかと思われます。国や県はこうした問題をすでに把握しているとのことですが、早急な対応が望まれます。零売は「やむを得ない場合」のみ販売可能にさて、今回は、処方箋なしで一部の医療用医薬品が購入できる「零売薬局」や日本でなかなか進まないスイッチOTC化など薬の販売を巡る動きについて書いてみたいと思います。厚正労働省は昨年12月18日に開いた医薬品の販売制度に関する検討会において、零売の法令規定や、 乱用の恐れのある医薬品の販売規制強化、 一般用医薬品の販売区分の統廃合などを盛り込んだ改正案をとりまとめました。年が明けた1月11日には、「医薬品の販売制度に関する検討会とりまとめ」と題する正式文書を公表しました1)。その中で、かねてから問題視されてきた零売について、「やむを得ない場合」のみ販売可能であることを法令で明記し、販売可能時の条件も法令で定める方針を打ち出しました。法制化は2024年中にも行われるとみられます。2005年4月の薬事法改正時の通知で零売に法的根拠厚労省が「処方箋医薬品以外の医療用医薬品の販売」、すなわち零売を公式に認めたのは、2005年とそんなに昔のことではありません。2005年4月の薬事法改正時に、医薬品分類を現在の分類に刷新するとともに「処方箋医薬品以外」の医療用医薬品の薬局での販売を条件付きで認める通知を発出し、零売に法的な根拠を与えました。零売については本連載でも、「第127回 アマゾン処方薬ネット販売と零売薬局、デジタルとアナログ、その落差と共通点(後編)」で取り上げました。この時は、コロナ禍で医療機関の受診控えが起こったことなどを背景に、東京都内をはじめ大都市圏で零売薬局が急増している状況と、私自身の零売利用体験について記し、「零売は医療機関を受診しない(保険診療ではない)ことで、医療費の削減につながります。国が言う、セルフメディケーション推進の流れにも合っているわけで、風邪や下痢などのコモンディジーズや患者自身も十分に理解している疾患に限っては、零売は『規制』よりも『推進』があるべき形だと考えられます」と書きました。 医薬品の販売制度に関する検討会で零売を法律で規制する方向にしかし、世の中はそうは動きませんでした。利用者にとっては医療機関に受診しないで処方薬が手に入る利便性がある一方で、さまざまな不適切事例(「処方箋なしで病院の薬が買えます」と通知で不適切とされる広告を出していた企業があるなど)を厚労省も把握しており、不適切事例に対する指導を徹底するよう、度々通知を出してきました。そうした流れの延長線で、今回の医薬品の販売制度に関する検討会も議論が進みました。結果、「とりまとめ」では零売を法律でしっかりと規制しようという内容となったわけです。具体的には、医療用医薬品については処方箋に基づく交付が基本処方箋医薬品以外の医療用医薬品は、例外的に「やむを得ない場合」については薬局での販売を認めることを法令上規定上記「やむを得ない場合」は、「医師に処方され服用している医療用医薬品が不測の事態で患者の手元にない状況となり、かつ、診療を受けられない場合」、「OTC医薬品で代用できない場合、又は代用可能と考えられるOTC医薬品が容易に入手できない場合(例:通常利用している薬局及び近隣の薬局等において在庫がない場合等)」に限定。なお、その他の特殊な場合として「社会情勢の影響による物流の停滞・混乱や疾病の急激な流行拡大で薬局での医薬品販売が必要となった時」を付記。となっています。不適切な処方・販売なら「GLP-1ダイエット」の方がよほど悪質零売という販売システムにおいて甚大な健康被害があったわけでもなく、単に広告表現に不適切な事例が散見されただけで、零売という薬剤販売のユニークな仕組みを一律に法律で規制してしまうというのは、相当強引なやり方ではないかと私は思います。薬の不適切な処方、販売ということでは、美容クリニックなどが自由診療でGLP-1受容体作動薬を処方する、通称「GLP-1ダイエット」のほうがよほど悪質なのではないでしょうか。急性すい炎など重篤な副作用の報告や健康被害も報告されているようです。2023年12月20日に国民生活センターはダイエットなどを目的としたオンライン診療でトラブルについて注意喚起を行っています2)。それによると、ダイエットを含む美容医療のオンライン診療に関する相談は、2022年度が205件と前年度の約4.2倍に増加。2023年4月~10月末は169件の相談があり、前年同期比の約1.7倍に上っていたそうです。相談の約半数が、ダイエット目的によるオンライン診療のトラブルで、基礎疾患の問診や副作用の説明が十分行われずに、数ヵ月分の糖尿病治療薬を処方される事例が目立っていました。実際に、頭痛や吐き気、めまいなどの副作用が起きた事例もあったとのことです。また、処方薬の中途解約に条件があり、返品や取り消しができないといった相談も多かったそうです。医師ではない職員がGLP-1受容体作動薬を自由診療で処方との報道も12月11日のNHKの「GLP-1ダイエット」に関する報道によれば、オンラインで診療する医師の医師免許が確認できないクリニックも多数あったとのことです。つまり、対面ではなくオンラインであることを悪用し、医師ではない職員が医師を騙ってGLP-1受容体作動薬を自由診療で処方しまくっているケースが相当あるようなのです。以上を比較してみると、同じ薬の処方、販売に関することなのに、国はGLP-1受容体作動薬を“偽医者”を使ってオンラインで自由診療として処方する医療機関には「とても甘く」、きちんと薬剤師が薬の説明もしてくれる零売薬局には「厳し過ぎる」と言えるのではないでしょうか。オンライン診療については、「第101回 私が見聞きした“アカン”医療機関(中編) オンライン診療、新しいタイプの“粗診粗療”が増える予感」でも、そのゆるさと危険性について書きました。コロナ禍を経たことで、オンライン診療推進という流れに揺るぎはないようです。しかし、ことオンラインにおける自由診療となると多くの悪い奴らが暗躍しているようです。零売規制やスイッチラグ解消に消極的な姿勢から浮かび上がる厚労省の守旧派ぶり薬の販売では、日本におけるスイッチOTC化の遅れも大きな問題と言えます。内閣府の規制改革推進会議の健康・医療・介護ワーキンググループは、12月11日に開いた第3回会合で、規制改革実施計画に盛り込まれているスイッチOTC促進策のフォローアップを行いました。会合では、諸外国における医療用から一般用への転用実績との格差、いわゆる「スイッチラグ」が社会課題であると再確認、厚労省に対して改めて推進を前提に審査期間・手順の見直しを迫るとともに、具体的な数値目標とロードマップの策定を求めました。スイッチラグについては、本連載の「第113回 規制改革推進会議答申で気になったこと(後編)PPIもやっとスイッチOTC化?処方薬の市販化促進に向け厚労省に調査指示」でも書きましたが、厚労省は相変わらず煮え切らない対応を繰り返しているばかりです。12月24日付の薬局新聞の報道によれば、12月11日の規制改革推進会議の健康・医療・介護ワーキンググループの会合では、厚労省がPPIなどスイッチラグの代表的な成分のOTC化に関して「重大な疾患の症状が見落とされる危惧があり、また販売制度実態調査などの状況から薬剤師による説明が十分なされていない実態がある」とそのリスクを説明したところ、ワーキンググループの委員から、「日本の薬剤師はレベルが低いと聞こえる」との疑問が呈されたそうです。理不尽とも思える零売規制やスイッチラグ解消に消極的な姿勢から浮かび上がるのは、厚労省の頑固と言える守旧派ぶりです。その背景には、日本医師会など医師団体に対する“忖度”も少なからずあるのかもしれません。医薬品販売の規制は、実際に多くの健康被害が確認されているところにフォーカスされるべきでしょう。厚労省は規制の矛先を間違えているとしか言いようがありません。参考1)「医薬品の販売制度に関する検討会」の「とりまとめ」 を公表します/厚生労働省2)痩身目的等のオンライン診療トラブル/国民生活センター

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早期アルツハイマー病患者の記憶定着と睡眠依存性

 空間ナビゲーションは、アルツハイマー病において早期に影響を受ける海馬-嗅内皮質回路機能の重要な基盤となっている。アルツハイマー病の病態生理は、睡眠/覚醒サイクルと動的に相互作用し海馬の記憶を損なうというエビデンスの報告が増えている。ドイツ・University Hospital of Schleswig HolsteinのAnnika Hanert氏らは、早期アルツハイマー病患者の記憶定着と睡眠依存性との関連を評価した。Neurobiology of Disease誌2024年1月号の報告。 症候性アルツハイマー病コホート(12例、平均年齢:71.25±2.16歳)における睡眠依存性の影響を解明するため、夜間睡眠の前後における、仮想現実タスクによる海馬の場所記憶および単語ペア連想タスクによる言語記憶を評価した。 主な結果は以下のとおり。・アルツハイマー病患者では健康な対照群と比較し、言語タスクにおいて夜間の記憶保持が損なわれているとともに、睡眠紡錘波の活動の減少(速い睡眠紡錘波の振幅低下、p=0.016)および遅い振幅(slow oscillation)の持続時間増加(p=0.019)との有意な関連が認められた。・紡錘波の密度の高さ、遅い振幅の下方から上方への移行速度の速さ、遅い振幅とネストされた紡錘波の間の時間遅延は、対照群では記憶機能の向上を予測したが、アルツハイマー病患者では予測しなかった。 著者らは、「アルツハイマー病における記憶処理および記憶定着は、ノンレム睡眠中の振幅ダイナミクスの機能不全および紡錘波の遅い振幅との結合を反映して、わずかに損なわれていることが示唆された」としている。

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転移を有する去勢抵抗性前立腺がんに対するカボザンチニブ+アテゾリズマブの結果、ASCO GUで発表(CONTACT-02)/武田

 新規ホルモン療法による1回の治療歴があり、転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)を対象に、カボザンチニブ+アテゾリズマブと、2剤目の新規ホルモン療法(アビラテロン+プレドニゾンまたはエンザルタミド)を比較した、国際共同臨床第III相CONTACT-02試験の結果が、2024年米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム(ASCO GU)で発表された。 追跡期間中央値14.3ヵ月における ITT集団の無増悪生存期間(PFS)中央値は、カボザンチニブ+アテゾリズマブ群で6.3ヵ月であったのに対し、2剤目の新規ホルモン療法群は4.2ヵ月であった(ハザード比[HR]:0.65、95%信頼区間[CI]:0.50~0.84、p=0.0007)。また、追跡期間中央値12.0ヵ月におけるITT集団の全生存期間(OS)中央値は、カボザンチニブ+アテゾリズマブ群で16.7ヵ月、2剤目の新規ホルモン療法群では14.6ヵ月であった(HR:0.79、95%CI:0.58~1.07、p=0.13)。

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切除可能III期NSCLC、toripalimab併用で無イベント生存期間が改善/JAMA

 切除可能なStageIIIの非小細胞肺がん(NSCLC)患者の治療では、周術期の化学療法にtoripalimab(プログラム細胞死タンパク質1のヒト化IgG4Kモノクローナル抗体)を追加すると、化学療法単独と比較して、無イベント生存期間が有意に改善し、安全性プロファイルは管理可能であることが、中国・上海交通大学のShun Lu氏らが実施した「Neotorch試験」で示された。研究の成果は、JAMA誌2024年1月16日号に掲載された。中国50施設の無作為化プラセボ対照第III相試験 Neotorch試験は、中国の50施設で実施した二重盲検無作為化プラセボ対照第III相試験であり、2020年3月12日~2023年6月19日に参加者を登録した(中国・Shanghai Junshi Biosciencesの助成を受けた)。 年齢18~70歳、切除可能なStageII/IIIのNSCLC患者(非扁平上皮がんの場合はEGFRまたはALK遺伝子変異のない患者)を、術前補助療法として担当医が選択したプラチナ製剤ベースの化学療法(3サイクル)との併用で3週ごとにtoripalimab(240mg)またはプラセボを投与し、術後補助療法として同レジメンを1サイクル施行した後、維持療法として3週ごとにtoripalimab(240mg)単独またはプラセボを最長で13サイクル投与する群に、1対1の割合で無作為に割り付けた。病理学的奏効率も優れる 今回の中間解析(データカットオフ日:2022年11月30日)では、StageIIを除外したStageIIIのNSCLC患者404例(年齢中央値62歳、男性92%)を対象とした(toripalimab群202例、プラセボ群202例)。 主要評価項目である無イベント生存期間中央値は、プラセボ群が15.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:10.6~21.9)であったのに対し、toripalimab群は評価不能(NE)(95%CI:24.4~NE)であったが、統計学的に有意に優れた(ハザード比[HR]:0.40、95%CI:0.28~0.57、p<0.001)。 もう1つの主要評価項目である病理学的奏効(major pathological response、腫瘍床の生存腫瘍細胞が10%以下)の割合は、プラセボ群が8.4%(95%CI:5.0~13.1)であったのに比べ、toripalimab群は48.5%(41.4~55.6)と有意に高率であった(群間差:40.2%、95%CI:32.2~48.1、p<0.001)。予期せぬ治療関連毒性は認めない 副次評価項目である全生存期間中央値(NE vs.30.4ヵ月、HR:0.62、95%CI:0.38~1.00、p=0.05)、独立病理評価委員会の盲検下の判定による病理学的完全奏効(24.8% vs.1.0%、群間差:23.7%、95%CI:17.6~29.8、p<0.001)、担当医判定による手術を受けた患者の無病生存期間中央値(NE vs.19.3ヵ月、HR:0.50、95%CI:0.33~0.76、p<0.001)は、いずれもtoripalimab群で優れた。 試験期間中のGrade3以上の治療関連有害事象(toripalimab群63.4% vs.プラセボ群54.0%)、投与中止をもたらした治療関連有害事象(9.4% vs.7.4%)、致死的な有害事象(3.0% vs.2.0%)の発現率は両群で同程度であった。また、投与中止をもたらした有害事象(28.2% vs.14.4%)、免疫関連有害事象(42.1% vs.22.8%)はtoripalimab群で頻度が高かった。予期せぬ治療関連毒性は認めなかった。 著者は、「併用療法は、根治手術の割合が高く、R0切除率には影響を与えず、手術関連有害事象を増加させなかった」とし、「これらの知見は、切除可能なStageIIIのNSCLCに対する新たな治療選択肢として、toripalimabとプラチナ製剤ベースの化学療法との併用を支持するものである」と指摘している。

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ルスパテルセプトが骨髄異形成症候群(MDS)に伴う貧血に承認取得/BMS

 ブリストル・マイヤーズ スクイブは2024年1月18日、ルスパテルセプト(商品名:レブロジル)について、骨髄異形成症候群(MDS)に伴う貧血を効能又は効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得した。 ルスパテルセプトは低リスクMDS患者の貧血治療に高い効果示す ルスパテルセプトは、赤血球成熟促進薬として造血幹細胞から赤血球への分化過程の後期段階における分化を促進し、成熟した赤血球数の増加を誘導する新規作用機序の治療薬である。  今回のルスパテルセプト承認は、低リスクMDS患者を対象とした国際共同第III相試験(COMMANDS試験)、海外第III相試験(MEDALIST試験)、および赤血球輸血非依存の低リスクMDS患者を対象とした国内第II相試験(MDS-003試験)の結果にもとづいている。これらの試験から、ルスパテルセプトは赤血球造血刺激因子製剤の治療歴の有無ならびに赤血球輸血依存・非依存に関わらず、低リスクMDS患者の貧血の治療として、臨床的意義の高い効果を示した。ルスパテルセプトの安全性については、いずれの試験でも低リスク MDS患者に対して忍容性があり、 十分に管理可能な安全性プロファイルであることが示された。

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コロナ第10波、今のXBB.1.5対応ワクチン接種率は?/厚労省

 2024年1月26日付の厚生労働省の発表によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染は、1月15~21日の1定点当たりの報告数が12.23人となり、前週の8.96人から約1.36倍増加している。都道府県別で多い順に、福島県(18.99人)、茨城県(18.33人)、愛知県(17.33人)となっている。COVID-19による入院患者数は3,462人で、すでに第9波のピーク時(2023年8月21~27日)の水準を上回っており1)、第10波が到来したと考えられる。 一方、首相官邸サイトの1月30日付の発表によると、新型コロナワクチンの令和5年秋開始接種(XBB.1.5対応ワクチン)の接種率について、65歳以上の高齢者では51.6%、全年代では21.5%と、低い水準にとどまっている2)。全額公費負担の特例臨時接種は2024年3月末で終了し、4月以降は、65歳以上および重い基礎疾患のある60~64歳を対象に、秋冬に自治体による定期接種が原則有料で行われる。対象者以外の接種希望者は、任意接種として、時期を問わず全額自費で接種することとなる。 厚労省は1月26日に、予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会・医薬品等安全対策部会安全対策調査会が実施した、「オミクロン株XBB.1.5対応1価ワクチンの初回接種および追加接種にかかわる免疫持続性および安全性調査(コホート調査)」の結果を発表した3)。本調査では、ファイザーおよびモデルナのXBB.1.5対応ワクチンについて、最終接種から4週間後までの安全性を評価する前向き観察研究であり、順天堂大学、国立病院機構(NHO)、地域医療機能推進機構(JCHO)が共同で実施した。 主な結果は以下のとおり。・ファイザーのワクチンは、2023年9月29日~2024年1月5日に1,943人が追加接種した。モデルナのワクチンは、2023年10月13日~2024年1月5日に237人が追加接種した。・ファイザーのワクチンの追加接種後1週間(Day8)の日誌が回収できた1,751人では、37.5℃以上の発熱が16.5%(38.0℃以上は6.5%)にみられ、局所反応は疼痛が87.5%にみられた。・モデルナのワクチンの追加接種後1週間(Day8)の日誌が回収できた971人では、37.5℃以上の発熱が39.9%(38.0℃以上は21.7%)にみられ、局所反応は疼痛が93.4%にみられた。・ファイザーのXBB.1.5対応ワクチンは、2回目から令和4年秋開始接種に比べて発熱の頻度が低く、倦怠感、頭痛は2回目から4回目接種より頻度が低かった。1回目接種に比べて発熱、倦怠感、頭痛は頻度が高く、局所の疼痛は1回目から4回目接種よりも頻度が低かったが、全体的に大きな違いは認めなかった。・モデルナのXBB.1.5対応ワクチンは、3回目接種に比べて頭痛の頻度が低く、令和4年秋開始接種より発熱、倦怠感、頭痛の頻度が高かったが、局所疼痛の頻度は全体的に大きな違いは認めなかった。・ファイザーのXBB.1.5対応ワクチン接種者862人の接種前および接種後の抗S抗体価は、接種前の抗ヌクレオカプシドタンパク質抗体(抗N抗体)価が陰性者は接種前7,821U/mL、接種1ヵ月後1万7,971U/mLであった。抗N抗体陽性者は接種前2万3,860U/mL、接種1ヵ月後4万6,106U/mLであった。年齢階層別には大きな違いを認めなかった。・モデルナのXBB.1.5対応ワクチン接種者307人の接種前および接種後の抗S抗体価は、接種前の抗N抗体価が陰性者は接種前6,749U/mL、接種1ヵ月後2万1,797U/mLであった。抗N抗体陽性者は接種前1万9,851U/mL、接種1ヵ月後3万8,136U/mLであった。年齢階層別には大きな違いを認めなかった。・ファイザーとモデルナのXBB.1.5対応ワクチンのいずれも、PMDAへの副反応疑い報告は認められていない。ファイザーのワクチンにおいては因果関係を問わない重篤な有害事象(SAE)は認められていない。モデルナのワクチンにおいて3件の因果関係を問わないSAEが認められている。 なお、現在主流となっているオミクロン株JN.1に対しても、XBB.1.5対応ワクチンは入院や死亡といった重症化の予防に有効だとする見解が、JAMA誌オンライン版2024年1月12日号で示されている4)。

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GLP-1受容体作動薬の処方された患者さんへのライフスタイル指導【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第45回

■外来NGワード「きちんと注射しなさい!」(食事療法や運動療法については説明せず)「この注射をすれば、痩せますよ」(副作用について説明せず)■解説GLP-1受容体作動薬は、2型糖尿病治療薬であり、膵β細胞に作用して血糖依存的にインスリン分泌を促進するGLP-1(Glucagon-like peptide-1)に基づいています。このクラスの薬物は血糖改善だけでなく、減量効果も期待されます。わが国では2010年に初めてリラグルチド(商品名:ビクトーザ)が上市され、その後にエキセナチド(同:バイエッタ)、リキシセナチド(同:リキスミア)、デュラグルチド(同:トルリシティ)、セマグルチド(同:オゼンピック)など、現在では5つの注射製剤が利用可能です。あと、GIPも加えたGIP/GLP-1受容体作動薬であるチルゼパチド(同:マンジャロ)もあります。ただし、GLP-1受容体作動薬を使用する際には、開始直後に嘔気や嘔吐などの消化器症状がよくみられます。これらの症状は通常、時間が経つと軽減する傾向がありますが、患者さんに対しては、事前に十分な説明が必要です。なぜなら、突然の症状に驚いて治療アドヒアランスが低下する可能性があるからです。重大な有害事象としては、腸閉塞が挙げられます。腹部手術の既往がある患者さんや腸閉塞のリスクを抱える患者さんでは、慎重な投与と定期的なモニタリングが必要です。また、GLP-1受容体作動薬であるセマグルチド(同:ウゴービ皮下注)は、肥満症治療薬としても認可されています。臨床試験では、セマグルチドを使用した群では平均で体重が13.2%減少したことが示され、その効果は脳の中枢を刺激して食欲を抑え、胃の運動を制御することによるものです。最大投与量が2.4mgまでできるため、強力な効果が期待される一方で、吐き気、下痢、便秘などの副作用には慎重に対処する必要があります。患者さんには副作用を十分に説明し、ライフスタイルの改善により最小限の用量で管理するように指導することが重要です。■患者さんとの会話でロールプレイ患者食事や運動に気を付けているんですが、血糖がなかなか下がりません。医師それでは、この週1回の注射薬を試してみましょうか。患者注射薬ですか、毎日、注射できるかな…(心配そうな顔)。医師大丈夫です。これは週に1回の注射なので、休みの日などゆっくりとした日に試してみてください。患者それなら、できそうです。医師この薬は血糖値が高いときには膵臓を刺激してインスリンを出して血糖値を改善するんですが、脳にも働いて食欲を抑えることで減量効果も高めます(薬の作用について説明)。患者えっ、それなら私にもピッタリですね。医師ただし、副作用については注意してください。注射してからすぐに、吐いてしまうことがあります。とくに、このくらいならいけると余分なものを食べたり、食べ過ぎたりするのは禁物です。患者了解しました。食べ過ぎは禁物ということですね。医師そうです。薬も少なめから徐々に増やしていこうと思っています。その方が、副作用がでにくいので…。患者それは安心です。それで、お願いします。医師この薬の効果を高めるには、朝晩体重計に乗ったり、お菓子類を目につかない所に置く、ヘルシープレートを使うなどのダイエット作戦を併用しておくといいですよ。ここにパンフレットがありますので、是非、試してみてください。患者はい。ありがとうございます(嬉しそうな顔)。■医師へのお勧めの言葉「この薬の副作用を予防するには、余分なものを食べない、食べ過ぎたり飲みすぎたりしないことが大切ですよ」「この薬の効果を高めるには、朝晩体重計に乗ったり(セルフモニタリング)、お菓子類を目につかない所に置く(刺激統制法)、ヘルシープレートを使う(ポーションコントロール、などのダイエット作戦を一緒にやるといいですよ!」 1)Wilding JPH, et al. N Engl J Med. 2021;384:989-1002.2)Capehorn MS, et al. Diabetes Metab. 2020;46:100-109.

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英語で「これが現実です」は?【1分★医療英語】第115回

第115回 英語で「これが現実です」は?《例文》医師AThe symptoms of this patient aren't improving, are they?(この患者の症状はなかなか改善しないですね)医師BYes, that's right. We've tried all available treatments, but it is what it is.(そうですね。すべての治療法を試しましたが、これが現実です)《解説》“It is what it is.”という表現についてお伝えします。直訳すると「それは、それだ」となってしまいますが、本来の意味としては「仕方がない」「それが現実だ」などと理解するのがよいでしょう。この表現は、「受け入れ難いかもしれないが、現実的に変えることができない状況」を認めて受け入れるときに使われます。日常表現としても「仕方がない」という意味合いとして頻用される表現の1つです。医療現場においては上記の例文のように、「ネガティブな状況に対して現状では打つ手がない。これが現実だ」と言いたい場合に使われます。“It is what it is.”、シンプルな英語でありながら、日本ではあまり習うことのない表現ではないでしょうか。さらっと使いこなせるとすてきですね。講師紹介

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第199回 コロナ感染でくしゃみが生じる仕組みを発見/コロナ感染でドーパミン神経が老化する

コロナ感染でくしゃみが生じる仕組みを発見新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染でよく生じる症状の1つ、くしゃみを誘発する仕組みが見つかりました。SARS-CoV-2は手持ちのプロテアーゼPLpro(パパイン様プロテアーゼ)を頼りに複製します。そのPLproが感覚神経の一員である侵害受容神経を活性化してくしゃみを誘発することがマウスを使った検討で明らかになりました1)。ウイルス感染の別の主な症状である咳をPLproが促すかどうかは検討されませんでした。というのもマウスの咳を確かめようがなかったからです2)。しかしPLproが咳も引き起こしている可能性はありそうです。PLproは侵害受容神経で発現するイオンチャネルTRPA1を介した作用により、くしゃみや痛みを誘発することが今回の研究で示されました。TRPA1活性化の咳誘発作用が先立つ研究で知られており3)、PLproが咳も誘発するかどうかを調べることは価値がありそうです。PLproはSARS-CoV-2の複製に不可欠なことから、その阻害薬の開発が進んでいます。たとえばビタミンA誘導体イソトレチノンにPLpro阻害作用があると示唆されており、Clinicaltrials.govには同剤による新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療の臨床試験がいくつか登録されています。また、米国・Sound Pharmaceuticals社の開発品ebselenもどうやらPLpro阻害作用があるらしく、COVID-19患者を対象にした2つの第II相試験が進行中です。今回の結果によるとそれらPLpro阻害薬はこれまでの見込み以上の症状緩和作用や感染の拡大を防ぐ作用を担いうるかもしれません。くしゃみを誘発するウイルスはほかにもありますが、そもそもウイルス感染のくしゃみの原因はこれまでわかっていませんでした。今回見つかった仕組みはSARS-CoV-2のみならず、そのほかのウイルス感染の症状や感染の伝播を減らす手段の開発にも役立ちそうです2)。コロナ感染でドーパミン神経が老化する続いて、SARS-CoV-2が神経に支障を来す仕組みを同定し、COVID-19患者のパーキンソン病症状の発生に注意する必要があることを示唆した研究成果を紹介します。COVID-19の嗅覚/味覚障害や頭痛などの神経異常はますます広く知られるようになっています。神経のSARS-CoV-2感染のしやすさは一様ではないらしく、たとえばiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作ったドーパミン放出(DA)神経はSARS-CoV-2感染を許し、皮質神経はそうでないことが先立つ研究で示されています。新たな研究の結果、SARS-CoV-2感染したiPS細胞由来DA神経はパーキンソン病と関連する老化状態に陥ることが示されました4,5)。SARS-CoV-2感染で老化経路の活性化がみられたのはDA神経細胞のみで、肺を模す組織(肺オルガノイド)、膵臓細胞、肝臓オルガノイド、心臓細胞のSARS-CoV-2感染では老化経路遺伝子の有意な働きは認められませんでした。そういう神経老化を防ぎうる手段も早くも同定されました。検討されたのは米国FDA承認薬一揃いで、まずそれらをiPS細胞由来DA神経に与え、次にSARS-CoV-2を加えた後に細胞老化の生理指標βガラクトシダーゼ(β-gal)活性が測定されました。その結果やほかの検討により、3つの薬・リルゾール、イマチニブ、メトホルミンがDA神経へのSARS-CoV-2感染を阻止してその老化を防ぐことが判明しました。筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療に使われるリルゾールとSARS-CoV-2感染の関わりは知られていませんが、イマチニブのSARS-CoV-2阻止作用は肺オルガノイドを使った先立つ研究で確認されています。メトホルミンといえばSARS-CoV-2感染した肥満や2型糖尿病患者の死亡率低下と同剤使用の関連が示されており、COVID-19治療効果を担いうることが知られています。それら薬剤がSARS-CoV-2感染に伴う神経病変を解消しうるかどうかは今後調べる価値がありそうです。また、SARS-CoV-2感染した人にパーキンソン病関連症状が発生していないかどうかを注意して観察する必要がありそうです。パーキンソン病で損傷を受けやすいのが脳の黒質のDA神経A9型であるのと同様に、そのA9型はSARS-CoV-2にどうやらとくに影響を受けやすいことが今回の研究で示唆されています。参考1)Mali SS, et al. bioRxiv. 2024 Jan 11. [Epub ahead of print]2)Why does COVID-19 make you sneeze? / Science3)Grace MS, et al. Pulm Pharmacol Ther. 2011;24:286-288.4)Yang L, et al. Cell Stem Cell. 2024 Jan 10. [Epub ahead of print]5)SARS-CoV-2 Can Infect Dopamine Neurons Causing Senescence / Weill Cornell Medicine

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入院リスクが高い主訴は?

 救急外来(emergency department:ED)で疲労感などの非特異的な訴え(non-specific complaints:NSC)をする高齢患者は、入院リスクならびに30日死亡率が高いことが明らかになった。この結果はスウェーデン・ルンド大学のKarin Erwander氏らがNSCで救急外来を訪れた高齢者の入院と死亡率を、呼吸困難、胸痛、腹痛など特定の訴えをした患者と比較した研究より示唆された。加えて、NSC患者はEDの滞在時間(length of stay:LOS)が長く、入院率が高く、そして入院1回あたりの在院日数が最も長かった。BMC Geriatrics誌2024年1月3日号掲載の報告。 本研究は2016年にRegion HallandのEDを1回以上受診した65歳以上の患者1万5,528例のうち、NSCおよび特定の主訴(呼吸困難、胸痛、腹痛)を抱えて救急外来を訪れた4,927例を対象とした後ろ向き観察研究。NSCとして疲労、意識障害、全身の脱力感、転倒の危険性を定義付けた。主要評価項目は入院と30日死亡率であった。 主な結果は以下のとおり。・4,927例の主訴の内訳は胸痛1,599例(32%)、呼吸困難1,343例(27%)、腹痛1,460例(30%)、NSC525例(11%)であった。なお、本施設全体におけるEDを受診する主訴TOP10は外傷、胸痛、腹痛、呼吸困難、骨格筋系の痛み、感染症、神経内科領域、不整脈、めまい、NSCの順であった。・NCS患者の平均年齢は80歳であった。・入院率は呼吸困難(79%)、NSC(70%)、胸痛(63%)、腹痛(61%)の順に高かった。・NSC患者の平均LOSは4.7時間で、これは胸痛、呼吸困難、腹痛を訴えた患者と比較して有意に高かった(p<0.001)。また、72時間以内に再入院する割合も高かった。・全集団の平均病床日数が4.2日であったのに対し、NSC患者では5.6日であった。・NSCおよび呼吸困難を訴えた患者は30日死亡率が最も高かった。 本研究では、NSCを有する高齢患者を評価することの難しさなどを示し、EDのスタッフが患者一人ひとりに対し最適なケアを行うためには、さらなる研究が必要としている。

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PD-L1陽性乳がん、nab-PTXにtoripalimab上乗せでPFS改善(TORCHLIGHT)

 再発または転移を有するトリプルネガティブ乳がん(TNBC)の1次治療として、nab-パクリタキセルに抗PD-1抗体toripalimabを上乗せした第III相TORCHLIGHT試験の結果、PD-L1陽性集団において無増悪生存期間(PFS)が有意に延長し、安全性プロファイルは許容可能であったことを、中国・Fifth Medical Center of Chinese PLA General HospitalのZefei Jiang氏らが明らかにした。Nature Medicine誌2024年1月号掲載の報告。 TORCHLIGHT試験は、再発または転移を有するTNBCで、全身療法を受けていない18~70歳の女性患者を対象に、1次治療としてnab-パクリタキセル+プラセボ群(178例)と比較して、nab-パクリタキセル+toripalimab群(353例)の有効性と安全性を評価することを目的とする多施設共同無作為化二重盲検試験。主要評価項目は、PD-L1陽性集団およびITT集団における盲検下独立中央判定(BICR)によるPFSで、副次評価項目は全生存期間(OS)と安全性であった。 主な結果は以下のとおり。・PD-L1陽性患者は、toripalimab群で200例、プラセボ群で100例であった。・PD-L1陽性集団において、PFS中央値はtoripalimab群8.4ヵ月、プラセボ群5.6ヵ月であり、toripalimab群で統計学的に有意な改善が示された(ハザード比[HR]:0.65、95%信頼区間[CI]:0.47~0.906、p=0.0102)。・OS中央値は、toripalimab群32.8ヵ月、プラセボ群19.5ヵ月であった(HR:0.62、95%CI:0.414~0.914、p=0.0148)。・治療に起因する有害事象(AE)はtoripalimab群99.2% vs.プラセボ群98.9%に発現した。うちGrade3以上のAEは56.4% vs.54.3%、致死的AEは0.6% vs.3.4%であった。

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疲労と日中の過度な眠気、どちらがよりうつ病と関連しているか

 一般集団における疲労と日中の過度な眠気のどちらが、うつ病とより密接に関連しているかを明らかにするため、韓国・蔚山大学校のSoo Hwan Yim氏らは、調査を行った。Sleep & Breathing誌オンライン版2023年12月14日号の報告。 韓国の15の地区で本調査を実施した。日中の過度な眠気、疲労、うつ病の評価には、それぞれエプワース眠気尺度(ESS)、疲労症状の評価尺度(FSS)、こころとからだの質問票(PHQ-9)を用いた。うつ病はPHQ-9スコア10以上と定義し、疲労ありはFSSスコア36以上、日中の過度な眠気ありはESSスコア11以上とした。日中の過度な眠気と疲労との組み合わせにより、4群に分類した。 主な結果は以下のとおり。・調査参加者は2,493人(女性の人数:1,257人)、平均年齢は47.9±0.3歳であった。・うつ病、疲労、日中の過度な眠気の割合は、それぞれ8.4%(210人)、30.8%(767人)、15.3%(382人)であった。・各群におけるうつ病の有病率は、対照群と比較し、以下のとおりであった。【疲労あり、日中の過度な眠気あり】67人、31.9% vs. 7.3%(p<0.001)【疲労あり、日中の過度な眠気なし】71人、33.8% vs. 20.3%(p<0.001)【疲労なし、日中の過度な眠気あり】16人、7.6% vs. 5.8%(p=0.294)【疲労なし、日中の過度な眠気なし】56人、26.7% vs. 66.6%(p<0.001)・共変量で調整した後、疲労なし、日中の過度な眠気なし群を参照としたうつ病のオッズ比は、それぞれ以下のとおりであった。【疲労あり、日中の過度な眠気あり】8.804(95%信頼区間[CI]:5.818~13.132)【疲労あり、日中の過度な眠気なし】3.942(95%CI:2.704~5.747)【疲労なし、日中の過度な眠気あり】2.812(95%CI:1.542~5.131)・2群におけるロジスティック回帰分析では、疲労なし、日中の過度な眠気あり群(参照)と疲労あり、日中の過度な眠気なし群との間におけるうつ病との関連に有意な差は認められなかった(OR:1.399、95%CI:0.760~2.575)。 著者らは「疲労と日中の過度な眠気は、どちらがよりうつ病と密接に関連しているかは不明であったものの、それぞれが独立してうつ病と関連していることが示唆された」としている。

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ハイゼントラ、プレフィルドシリンジの剤形追加承認を取得/CSLベーリング

 CSLベーリングは1月22日付のプレスリリースで、人免疫グロブリン製剤「ハイゼントラ20%皮下注」について、新剤形としてプレフィルドシリンジ製剤に対する医薬品製造販売承認を取得したことを発表した。 ハイゼントラは、効能・効果として2013年9月に「無又は低ガンマグロブリン血症」が承認され、2019年3月には「慢性炎症性脱髄性多発根神経炎の運動機能低下の進行抑制(筋力低下の改善が認められた場合)」が追加された。2023年12月時点で米国、欧州を含む67以上の国と地域で承認されている。 同社の代表取締役社長である吉田 いづみ氏は、「このたびのプレフィルドシリンジ製剤の承認により、本剤を使用される患者さんおよび医療従事者の利便性向上と投与時の負担軽減につながることが期待されます。当社は、血漿分画製剤と免疫グロブリン補充療法のグローバル・リーダーとして、希少・難治性疾患の患者さんのアンメットニーズを満たし、患者さんの人生をより豊かなものにできるよう、これからも全力で取り組む所存です」としている。

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HIV感染妊婦のマラリア予防、間欠的予防療法の追加が有効/Lancet

 スルファドキシン/ピリメタミン耐性が高度で、通年性のマラリア感染がみられる地域において、ドルテグラビルをベースとする抗レトロウイルス薬の併用療法(cART)を受けているHIV感染妊婦に対するマラリアの化学予防では、コトリモキサゾール連日投与による標準治療への、dihydroartemisinin-piperaquine月1回による間欠的予防療法の追加は、これを追加しない場合と比較して、分娩までのマラリア原虫(Plasmodium属)の活動性感染のリスクが有意に低下することが、ケニア中央医学研究所のHellen C. Barsosio氏らの検討で示された。研究の成果は、Lancet誌2024年1月12日号で報告された。アフリカ6施設のプラセボ対照無作為化試験 本研究は、ケニア西部の3施設とマラウイの3施設で実施した二重盲検プラセボ対照無作為化試験であり、2019年11月~2021年8月の期間に参加者を登録した(European and Developing Countries Clinical Trials Partnership 2などの助成を受けた)。 ドルテグラビルベースのcARTを受けており、妊娠期間が16~28週で、単胎妊娠のHIV感染妊婦904例を登録し、コトリモキサゾール連日投与+dihydroartemisinin-piperaquine月1回投与を行う群(追加群)に448例(平均年齢29.2歳)、コトリモキサゾール連日投与+プラセボ月1回投与を行う群(対照群)に456例(平均年齢29.2歳)を無作為に割り付けた。NNTは7 dihydroartemisinin-piperaquineまたはプラセボの初回投与から2週間以降、分娩までの母体のマラリア感染(主要エンドポイント)の割合は、対照群が15%(70/452例)であったのに対し、追加群は7%(31/443例)と有意に低かった(リスク比:0.45、95%信頼区間[CI]:0.30~0.67、p=0.0001)。 妊娠中から分娩までの100人年当たりのマラリア感染の発生率は、対照群が77.3であったのに比べ、追加群は25.4であり有意に低下していた(発生率比:0.32、95%CI:0.22~0.47、p<0.0001)。1回の妊娠当たりの1回のマラリア感染を防止するための治療必要数(NNT)は7(95%CI:5~10)だった。有害妊娠アウトカム、重篤な有害事象の頻度は同程度 忍容性は両群とも良好であった。投与開始から4日以内の悪心は、対照群に比べ追加群で多かった(7%[29/446例]vs.3%[12/445例])が、すべて一過性(≦2日)であり、患者の自己申告でほとんどが軽度であった(97%[28/29例]vs.100%[12/12例])。 有害妊娠アウトカム(低出生時体重児、在胎不当過小児、早産、胎児消失[死産、流産]、新生児死亡)(追加群25% vs.対照群27%、p=0.52)と、その個々の要素の発生率は、いずれも両群間に差を認めなかった。また、重篤な有害事象の発生率も、母親では100人年当たり追加群が17.7(23件)、対照群は17.8(25件)、新生児(生後6週まで)では100人年当たりそれぞれ45.4(23件)および40.2(21件)と、いずれも両群で同程度だった。 著者は、「この追加レジメンは、ドルテグラビルベースのcARTを受けているHIV感染妊婦のマラリア化学予防を大幅に改善する可能性があり、施策としての検討に値する。今後は、実臨床における実行可能性と費用対効果を評価する研究が求められる」としている。

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