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症候性の重症大動脈弁狭窄症に対する新しい非侵襲的超音波治療(NIUT)の可能性(解説:原田和昌氏)

 TAVIが開発されたおかげで、手術困難な高齢者の大動脈弁狭窄症も治療が可能となったが、それでも重症大動脈弁狭窄症を有する高齢者の16%程度は治療対象から外れるといわれている。したがって、併存症の多い寿命の限られた高齢の石灰化大動脈弁狭窄症に対する真に非侵襲的な治療の開発が求められている。 非侵襲的超音波治療(NIUT)は、超音波を集中させて正確な位置に当て、石灰化した大動脈弁尖を軟らかくして大動脈弁の動きを良くするものである。Valvosoftデバイス(Cardiawave社、ルバロワ・ペレ、フランス)はリアルタイムの超音波画像で位置決めをし、泌尿器科で使う体外衝撃波結石破砕治療よりも低いエネルギー密度の超音波パルスで治療を行うものであり、これを用いたNIUTの安全性と実現可能性(有効性ではない)を多施設共同、シングルアームで検証した。新しいデバイスの少数例のパイロット試験である。 対象は平均年齢83.5歳、STSスコア5.6%。術後30日で治療関連死は発生しなかった。重症イベント、脳血管のイベントは報告されなかった。脳MRIを用いた別の論文でもこれは確認されており、TAVI後よりも少なかった。処置関連重篤有害事象は、SpO2の一過性低下が1例、非重篤有害事象には治療中の痛み、不快感、一過性不整脈があった。6ヵ月後の生存率は72.5%で、その後188日目にもう1例が死亡したが、リスクプロフィールからは妥当な値と考えられた。 6ヵ月で平均大動脈弁口面積はベースラインの0.58cm2から0.64cm2に、平均圧較差は41.9mmHgから38.8mmHgに減少した。6ヵ月後のNYHAスコアは96%の患者で改善または安定し、KCCQスコアも改善した。外来で繰り返しできる治療であり、臨床的ニーズも高いことから、複数回治療のプロトコールなども検討した、真に有効性を証明できるさらなる検証を期待したい。

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第196回 「医師の働き方改革」本格実施直前、大学病院勤務医、教育・研究の「研鑽」は労働に該当と厚労省が通知で明示

能登半島地震、県内外の2次避難所に移ったのは避難者全体の17%にとどまるこんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。能登半島地震から3週間が過ぎました。先週のこの連載では、被災者の地元外にある1.5次や2次避難所への移動が本格化してきたと書きましたが、1月22日付の日本経済新聞は、「進まぬ2次避難」というタイトルの記事で、「21日時点の県のまとめによると、県内外の2次避難所に移っているのは2,607人。徐々に増えているものの、避難者全体の17%にとどまる」と書いています。県などは2次避難所として約3万人分の受け入れ先を用意しているそうです。環境が整った避難所が用意されているのに移ろうとしない主な理由は、長年暮らした土地を離れたくない被災者が少なくない(高齢であればあるほど)のようです。テレビの報道でも、復旧の目処がまったく立たないのに、「ここを離れたくない」と語る被災者が多いことに驚きます。災害関連死を防ぐことは重要ですが、被災者の土地への強い愛着を無視しての移動要請は逆に大きなストレスの原因ともなります。被災地ではとても難しい選択が迫られているようです。「教育・研究のみならず、これらに不可欠な準備・後処理や直接関連性のある研鑽は労働時間」さて、今回は1月15日に厚生労働省が、医師の研鑽に係る労働時間に関する通知を一部改正しましたので、それについて書いてみたいと思います。今回の通知では、大学の附属病院等に勤務する教育・研究を本来業務とする医師について、教育・研究のみならず、これらに不可欠な準備・後処理や、直接関連性のある研鑽は、労働時間に含まれるとの見解が明示されました。「医師の働き方改革」の本格実施を直前に控えた昨年は、医師の教育や研究に携わる時間が労働時間に当たるかどうかの議論があちこちで沸き起こりました。神戸市の公益財団法人甲南会・甲南医療センターで勤務していた男性専攻医が昨年5月に自殺したことについて西宮労働基準監督署が労災認定した件や、名古屋大学病院が勤務医の時間外の教育・研究活動を労働ではない自己研鑽として原則扱っていた件などは、全国ニュースとなり、厚生労働省にも早急な対応が求められていました。「医師本人と上司の間で円滑なコミュニケーションを取り、理解の一致のために十分な確認を行うこと」1月15日に厚生労働省労働基準局監督課長名で発出された通知「『医師等の宿日直許可基準及び医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方についての運用に当たっての留意事項について』の一部改正について」1)によれば、今回の改正は「解釈の明確化を図ったものであり、これまでの労働基準法の取扱いを変更するものではない」と説明、その上で、新たな「留意事項」2)で、大学病院に勤務し、診療のほかに教育・研究も本来の業務としている医師については、教育・研究に直接関連性のある研鑽は労働時間に該当すると明示しました。また、2019年に通知と同時に出された「医師の研鑽に係る労働時間に関する考え方について」3)に記述された「診療等の本来業務」について、大学病院の勤務医は「等」の中に教育・研究が含まれるとの見解を示しました。なお、大学病院の医師は研鑽と本来業務の明確な区分が困難な場合が多いことが考えられるため、研鑽の実施に当たっては、医師本人と上司の間で円滑なコミュニケーションを取り、双方の理解の一致のために十分な確認を行うことに特に留意する必要がある、としています。教育・研究活動を自己研鑽として原則扱っていた名古屋大学病院今回の通知改正のインパクトは、大学病院の勤務医に限って、教育・研究活動は本来業務として扱うことが明確化されたことでしょう。昨年11月、朝日新聞の報道等によって、名古屋大学病院が勤務医の時間外における教育・研究活動を、労働ではない自己研鑽として原則扱っていることが問題となりましたが、全国の大学病院における教育・研究に対する曖昧な取り扱いに、一定の方向性を示したものと言えます。2023年11月20日付の朝日新聞の報道によれば、名古屋大学病院では、病院に導入された勤怠管理システムにおいて、勤務時間内の行為はすべて業務として扱う一方、時間外の診療・教育・研究については業務か自己研鑽かを判断するための「区分表」をつくって、2022年11月から適用していたとのことです。たとえば、診療のうち、手術や患者対応は業務として認めていましたが、手術の練習、新薬の情報収集は自己研鑽としていました。一方で、教育と研究については、この時点では「大学院生・学部生への指導」「入試関係業務」「外部資金による研究業務」などが業務として認められており、また、休日の学会出席も業務として認められていたとのことです。しかし、こうした取り扱いをしたことで2022年11月~2023年3月、職員への時間外手当の支払いは月3,000万円ほど増えたそうです。朝日新聞によれば、2023年4月に名大病院は、このまま推移すれば「病院経営が立ちゆかなくなる」として時間外労働を減らす方針を打ち出し、勤怠管理システムの区分表から教育と研究に関する項目をすべて削除、業務とするには、上司の許可を得た上で、「その他」項目からしか申請できない仕様に変えたとのことです。教育と研究は自己研鑽に区分しておきながら論文数増加を要請していた名大こうした対応が朝日新聞等の記事になってしまったのには、また別の事情もからんでいたようです。私が同大の関係者から聞いた話では、勤怠管理システムの区分表から教育と研究に関する項目をすべて削除した直後、同病院の臨床研究中核病院(名古屋大学病院は全国に15ある臨床研究中核病院の一つです)の責任者から、医師宛に「論文数が減っているからもっと研究して論文を書くように」という趣旨のメールが届いたのだそうです。「勤怠システムで教育と研究は自己研鑽に区分しておきながら、もっと論文を書けとは何事か!と怒った誰かが新聞社にタレ混んだのではないでしょうか」とその人は話していました。専攻医が過労自殺した甲南医療センターは院長らが書類送検今回の通知は、教育・研究を本来業務として行う大学病院の勤務医の業務を対象とするもので、医局から派遣されて働く市中病院の勤務医は対象ではありません。そのため、市中病院では、自己研鑽か労働時間かの区分けについて、より実態に即した対応が求められることになります。本連載の「第177回 「令和の米騒動」と神戸・甲南医療センター専攻医自殺・労災認定で感じた共通する“病根”(前編)」、「第178回 同(後編)」で書いた専攻医が過労自殺した甲南医療センターについて、西宮労働基準監督署は12月19日、同センターを運営する公益財団法人甲南会と具 英成院長(代表理事・同法人の代表理事でもあります)、上司にあたる医師1人を、労働基準法違反容疑で神戸地検に書類送検しています。送検容疑は昨年4月、労使協定で定めた上限の95時間を超え、少なくとも113時間56分の時間外労働を専攻医にさせたというものです。各紙報道によれば、労基署はこの時間を「病院側の指揮命令下にあったと確実に認定できる時間」としているとのことです。なお、書類送検したことについて、武見 敬三厚生労働大臣は12月22日の閣議後会見で、「悪質な労基法違反は厳正に対処する」と述べています。自己研鑽か労働かの区分けは、病院がどこまで医師の人件費増に耐えられるかという経営の問題でもあります。2024年の診療報酬改定では、プラス部分の中に「40歳未満の勤務医師の賃上げに資する措置分」が含まれていると厚生労働省の文書に明記されていますが、医師の働き方改革の本格実施を前に、大学病院においても市中病院においても、経営の舵取りは今まで以上に難しくなりそうです。参考1)基監発0115第2号 令和6年1月15日/厚生労働省2)基監発0701第1号 令和元年7月1日、改正基監発0115第2号 令和6年1月15日/厚生労働省3)基発0701第9号 令和元年7月1日/厚生労働省

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コロナワクチンとインフルワクチンで異なる、接種を躊躇する理由とは?

 米国・ハーバード大学T.H. Chan公衆衛生大学院のGillian K. SteelFisher氏らの研究グループは、新型コロナウイルス感染症ワクチンとインフルエンザワクチンに対して、人々の有効性や安全性の捉え方、接種の意向、躊躇する理由などについて調査した。その結果、有効性については両ワクチンとも40%の人が非常に効果的だと考える一方で、インフルワクチンのほうがコロナワクチンに比べて安全性への信頼度が高く、同様に接種の意向も高いことが示された。JAMA Network Open誌2023年12月21日号Research Letterでの報告。 本調査は2023年7月7~16日に、米国の18歳以上の成人の確率に基づくサンプルを対象にアンケート調査を実施した。 主な結果は以下のとおり。・調査に招待された3,232人のうち、1,430人(44%)がアンケートに回答した。・ほぼ同数の割合が、ワクチン接種が重篤な症状や入院を防ぐのに非常に効果的であると回答した。コロナワクチン42% vs.インフルワクチン40%。・ワクチンの安全性については、コロナワクチンと比べてインフルワクチンは非常に安全だと思っている割合が高かった。コロナワクチン41% vs.インフルワクチン55%。・今シーズンにワクチンを接種する可能性が非常に高いと答えた割合も、コロナワクチンと比べてインフルワクチンのほうが多かった。コロナワクチン36% vs.インフルワクチン49%。・50歳以上(659人)に限っても、全年代と同様の傾向がみられた。・ワクチン接種を躊躇する人において、コロナワクチンとインフルワクチンで懸念する理由が異なっていた。・コロナワクチンを懸念する理由として最も多い順に、より多くの研究をしてほしい(60%)、ワクチンの安全性への懸念がある(51%)、政府機関によるワクチンの推進を信頼していない(45%)、ワクチンが予防に非常に有効だと思わない(40%)、ワクチンよりも感染して自然免疫を得たい(38%)、ワクチンの製薬企業を信頼していない(38%)が挙げられた。・インフルワクチンを懸念する理由として最も多い順に、ワクチンよりも感染して自然免疫を得たい(37%)、人々があまりにも多くのワクチンを接種することを期待されていると感じる(30%)、政府機関によるワクチンの推進を信頼していない(27%)、ワクチンが予防に非常に有効だと思わない(27%)、感染しても重症になると考えていない(27%)、ワクチンの安全性への懸念がある(25%)が挙げられた。 人々がインフルワクチンよりも新型コロナワクチンの接種に、より消極的であることが示された。著者は本結果を踏まえて、医療者がワクチンに関する情報提供などの患者とのコミュニケーションにおいて、同時接種が提案される際はより人気のあるインフルワクチンを先に始めたり、両ワクチンの安全性と有効性について一貫したメッセージを提供したりすることを勧めている。今シーズン以降のワクチンの普及を促進するためには、医療者やコミュニケーターが公衆の意見の微妙な違いに対応することが不可欠だとしている。

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早期アルツハイマー病における多剤併用と身体能力との関係

 トルコ・University of Health SciencesのAysegul Akkan Suzan氏らは、早期アルツハイマー病患者の歩行を評価するために用いられる特定の身体能力測定と、多剤併用との関連を評価する目的で本研究を実施した。Current Medical Research and Opinion誌オンライン版2023年12月11日号の報告。 3次医療センターの認知症外来クリニックで横断的研究を実施した。1日当たり5剤以上の薬物治療を多剤併用の定義とし、対象患者から中等度~重度の認知症患者は除外した。身体的パフォーマンスステータスの評価には、通常歩行速度(UGS)、Timed Up & Go(TUG)テスト、椅子立ち上がりテスト(CSST)を用いた。 主な結果は以下のとおり。・対象患者134例(女性の割合:67.9%、平均年齢:80.2±7.9歳)のうち、75例(56%)が多剤併用患者であった。・多剤併用患者はそうでない患者と比較し、身体的パフォーマンスが不良であった(UGS:p=0.005、TUG:p<0.001、CSST:p<0.001)。・多剤併用患者では、次のパラメーターが有意に高かった。 BMI(p=0.026) 高血圧(p=0.013) 糖尿病(p=0.018) 虚血性心疾患(p<0.001) 心房細動(p=0.030) うつ病(p=0.012) 甲状腺機能低下症(p=0.007)・多変量解析では、多剤併用と独立して関連していた因子は次のとおりであった。 UGSの遅さ(オッズ比[OR]:1.248、95%信頼区間[CI]:1.145~1.523、p=0.007) TUGの長さ(OR:1.410、95%CI:1.146~1.736、p=0.001) CSSTの長さ(OR:1.892、95%CI:1.389~2.578、p<0.001) 著者らは、「早期アルツハイマー病患者において、多剤併用と身体的パフォーマンス低下との関連が示唆された。高齢のアルツハイマー病患者における多剤併用および薬剤サブグループと身体的パフォーマンスとの関係を調査する、長期プロスペクティブ研究の実施が望まれる」としている。

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開発中の外用PDE4阻害薬、アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬に有望

 軽症~中等症アトピー性皮膚炎または尋常性乾癬患者において、開発中の外用PDE4阻害薬PF-07038124は、忍容性が良好で有効性に優れることが示された。米国・カリフォルニア大学サンディエゴ校のLawrence F. Eichenfield氏らが海外第IIa相無作為化二重盲検比較試験の結果を報告した。アトピー性皮膚炎および尋常性乾癬は、外用治療薬についてアンメットニーズが存在する。外用PF-07038124は、オキサボロール骨格を有するPDE4阻害薬で、T細胞ベースアッセイにおいて免疫調節活性が確認されており、IL-4およびIL-13に対する阻害活性を有している。JAMA Dermatology誌オンライン版2023年12月20日号掲載の報告。 試験は2020年12月21日~2021年8月18日に、4ヵ国の34施設で行われた(データ解析は2021年12月15日まで)。対象は、軽症~中等症アトピー性皮膚炎(病変が体表面積の5~20%)または尋常性乾癬(体表面積の5~15%)を有する18~70歳の患者とした。対象患者を1対1の割合で、PF-07038124(0.01%外用軟膏)群または溶媒群に無作為に割り付け、1日1回6週間塗布した。 主要エンドポイントは、アトピー性皮膚炎患者についてはEczema Area and Severity Index(EASI)総スコアのベースラインからの変化率、尋常性乾癬患者についてはPsoriasis Area and Severity Index(PASI)スコアのベースラインからの変化で、いずれも6週時点で評価した。安全性は、治療中に発現した有害事象や塗布部位の反応などを評価した。 主な結果は以下のとおり。・全体で104例が無作為化された(年齢[平均値±標準偏差]:43.0±15.4歳、女性:55例[52.9%]、アジア人:4例[3.8%]、黒人:13例[12.5%]、白人:87例[83.7%])。・内訳は、アトピー性皮膚炎患者70例、尋常性乾癬患者34例であった。・ベースラインの患者背景は、概してバランスが取れていた。・6週時点において、PF-07038124群は溶媒群と比較して、EASI総スコアのベースラインからの変化率(最小二乗平均値:-74.9% vs.-35.5%、群間差:-39.4%[90%信頼区間[CI]:-58.8~-20.1]、p<0.001)が有意に改善した。・同様に、PASIスコアのベースラインからの変化(-4.8 vs.0.1、群間差:-4.9[90%CI:-7.0~-2.8]、p<0.001)もPF-07038124群が有意に改善した。・治療中に有害事象が発現した患者数は、アトピー性皮膚炎患者の治療群間(PF-07038124群9例[25.0%]vs.溶媒群9例[26.5%])、尋常性乾癬患者の治療群間(3例[17.6%]vs.6例[35.3%])のいずれも同等であった。・PF-07038124の塗布部位反応は報告されなかった。

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PARP阻害薬タラゾパリブ、BRCA変異陽性乳がん、前立腺がんに承認/ファイザー

 ファイザーは2024年1月18日、PARP阻害薬タラゾパリブ(商品名:ターゼナ)について、同剤の単剤療法による「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳」、および同剤とエンザルタミドとの併用による「BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺」の治療薬として、国内における製造販売承認を取得した。  今回の承認は、乳がんについての海外第III相試験(EMBRACA試験)および国内第I相試験の結果等、前立腺がんについては国際共同第III相試験(TALAPRO-2試験の結果等に基づいている。 EMBRACA試験は、化学療法歴がある生殖細胞系列BRCA遺伝子変異陽性の転移を有する乳がんを対象に、同剤と化学療法を比較する第III相非盲検無作為化並行2群多施設共同試験である。タラゾパリブ群は化学療法群と比較して、主要評価項目の無増悪生存期間(PFS)の延長を示し、忍容性は良好であった。  TALAPRO-2試験は、全身治療歴がない転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(相同組換え修復遺伝子変異の有無を問わず)を対象に、同剤とエンザルタミドの併用を評価する第III相二重盲検無作為化プラセボ対照多施設共同試験である。同剤とエンザルタミド併用群は、エンザルタミド群と比較して、主要評価項目の画像診断に基づくPFSの延長を示した。

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ガイダンスに基づくオピオイド処方で死亡率が低減/BMJ

 オピオイド使用障害の患者では、「リスク軽減ガイダンス(Risk Mitigation Guidance; RMG)」に基づくオピオイド処方により、過剰摂取による死亡および全死因死亡の発生率が有意に低下し、違法薬物に代わる医薬品の提供は有望な介入策となる可能性があることが、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学のAmanda Slaunwhite氏らの調査で示された。研究の成果は、BMJ誌2024年1月10日号で報告された。カナダ・ブリティッシュコロンビア州の後ろ向きコホート研究 研究グループは、RMGに基づくオピオイド(モルヒネ)および精神刺激薬(デキストロアンフェタミン、メチルフェニデート)の処方が、薬物の過剰摂取と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)という公衆衛生上の二重の緊急事態下に、死亡と急性期治療のための受診に及ぼした影響を明らかにする目的で、住民ベースの後ろ向きコホート研究を行った(カナダ健康研究所[CIHR]などの助成を受けた)。 2020年3月27日~2021年8月31日に、カナダ・ブリティッシュコロンビア州で、RMG処方としてオピオイド(5,356例、年齢中央値38歳、女性36.4%)または精神刺激薬(1,061例、39歳、38.5%)の処方を受けたオピオイド使用障害または精神刺激薬使用障害の患者5,882例(535例が両方の処方を受けた)を解析に含めた。RMG精神刺激薬処方では予防効果はない 高次元傾向スコアマッチング法による解析では、RMGに基づく1日分以上のオピオイド処方を受けた患者(5,356例)は、同処方を受けていない対照群の患者(5,356例)と比較して、処方日から1週間以内の全死因死亡率(補正後ハザード比[HR]:0.39、95%信頼区間[CI]:0.25~0.60)および過剰摂取関連死亡率(0.45、0.27~0.75)が有意に低かった。 一方、RMGに基づく1日分以上の精神刺激薬処方を受けた患者(1,061例)と、同処方を受けていない対照群の患者(1,061例)の比較では、1週間以内の全死因死亡率(補正後HR:0.50、95%CI:0.20~1.23)および過剰摂取関連死亡率(0.53、0.18~1.56)の低下について、いずれも有意差を認めなかった。 また、RMGオピオイド処方による1週間以内の死亡の予防効果は、特定の週に処方された薬剤の日数が多いほど高くなった。RMGオピオイド処方を4日分以上受けた患者は、対照群と比較して、全死因死亡(補正後HR:0.09、95%CI:0.04~0.21)および過剰摂取関連死亡率(0.11、0.04~0.32)が有意に低下し、いずれも1日分以上の処方よりも優れた。RMG精神刺激薬処方は全原因による急性期受診を抑制 RMGオピオイド処方は、あらゆる要因による急性期治療のための受診(オッズ比[OR]:1.02、95%CI:0.95~1.09)および過剰摂取による急性期治療のための受診(1.09、0.93~1.27)のいずれにも有意な変化をもたらさなかった。 また、RMG精神刺激薬処方は、あらゆる要因による急性期受診(OR:0.82、95%CI:0.72~0.95)を有意に低下させたが、過剰摂取による急性期受診(0.88、0.63~1.23)には影響しなかった。 著者は、「RMG処方を受けた人々の多くは、不安定な住宅事情と貧困の割合が不釣り合いに高いことから、劣悪な健康状態への寄与が示されている重層的で複雑な社会的・経済的な不平等を経験していることが示唆される」としている。

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経口GLP-1受容体作動薬の処方された患者さんへの服薬指導【Dr. 坂根の糖尿病外来NGワード】第44回

■外来NGワード「朝食前に飲みなさい」(正しい服用法を説明しない)「たっぷり水を飲んで服用しなさい」(間違った説明をする)■解説代表的なインクレチンであるGLP-1は、小腸下部のL細胞から分泌され、膵β細胞でのインスリン分泌を促進し、膵α細胞でのグルカゴン分泌を抑制します。同時に中枢での摂食抑制ホルモンとしても機能します。これまでGLP-1受容体作動薬はペプチドであり、経口投与しても消化酵素によって分解されてしまい吸収されませんでした。そのため、主に注射薬として使われていました。しかし、経口セマグルチドのリベルサス(商品名)は、吸収促進剤であるサルカプロザートナトリウム(SNAC)を添加することで、胃からの吸収が可能となりました。これが国内初の経口GLP-1受容体作動薬です。この薬は胃内で主に吸収され、SNACがもつ局所でのpH緩衝作用によりセマグルチドの酵素的分解が抑制され、吸収が促進されます。また、SNACによってセマグルチドのモノマー化も促進される仕組みです。薬物動態解析によれば、経口投与後のセマグルチドの絶対的なバイオアベイラビリティは、約1%と推定されています。セマグルチドの吸収を高めるためには、空腹時にコップ半分(120mL以下)の水で服用する必要があります。また、経口セマグルチドの吸収には食事が影響を与えることが確認されています。そのため、服用後は少なくとも30分間は飲食や他の薬剤の経口摂取を避ける必要があります。経口セマグルチドの適応は「2型糖尿病」で、用法用量は「1日1回3mgから始め、4週間以上投与した後、1日1回7mgに増量する」ことが推奨されています。患者の状態により適宜増減させることも可能で、1日1回7mgを維持しても効果が不十分な場合は、1日1回14mgに増量することも考慮されています。服用は14mg錠を1錠摂取し、分割・粉砕・噛むことは避けなければなりません。さらに、湿気と光の影響を受けやすいので、服用直前に錠剤をシートから取り出す必要があります。また、ミシン目以外で切れないため、偶数日数で処方する際には、その点に留意する必要があります。患者さんの朝のルーチンに合わせ、服用後の30分間を有意義に過ごす工夫を一緒に考え、指導することが求められます。■患者さんとの会話でロールプレイ患者食事や運動に気を付けているんですが、血糖値がなかなか下がりません。医師それでは、この薬を試してみましょうか。患者どんな薬なんですか?医師これは小腸から出るGLP-1というホルモンを模倣した薬で、普通は注射薬なんですが、この薬は特別な薬で…。患者特別って?医師吸収を高めるために、特許技術が採用されているんですよ。ですから服用方法を守らないと、ほとんど吸収されません。患者えっ、そうなんですか。どんな風に服用したらいいんですか?医師朝のルーチンを教えてもらえますか?患者7時頃に起きて、顔を洗って7時20分頃にパンとコーヒーの朝食を済ませて…。医師なるほど。この薬は、空腹時に服用します。食べたり、飲んだりすると薬の吸収率が下がるので、コップ半分の水(120mL以下)で飲んで、30分経ってから飲み物を飲んだり、食事をしたり、他の薬を飲んだりすることができます。患者そうすると、薬を飲んですぐにコーヒーはだめですね。医師そうですね。この薬は主に胃で吸収されるのですが、1%くらいしか吸収されないとも言われています。是非、この薬の高める朝のルーチンにして頂けますか。患者はい。わかりました(嬉しそうな顔)。■医師へのお勧めの言葉「この薬は、空腹時に服用します。食べたり飲んだりすると薬の吸収率が下がるので、コップ半分の水(120mL以下)で飲んで、30分経ってから飲み物を飲んだり、食事をしたり、他の薬を飲んだりすることができます」 1)Buckley ST, et al. Sci Transl Med. 2018;10:eaar7047.2)Bækdal TA, et al. Diabetes Ther. 2021;12:1915-1927.

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トレンド・トーク:新たな治療薬の登場で、胃がん1次治療はどう変わる?(2)【消化器がんインタビュー】第14回

第14回 トレンド・トーク:新たな治療薬の登場で、胃がん1次治療はどう変わる?(2)出演:岐阜大学医学部附属 がんセンター 牧山 明資氏ニボルマブを含むレジメンが承認されたHER2陰性切除不能胃がんの1次治療。今後もペムブロリズマブ、抗CLDN18.2抗体zolbetuximabも選択肢として加わる可能性がある。HER2陰性胃がんの1次治療はどう変わっていくのか?3名のエキスパートに聞いた。

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英語で「(計画は)バッチリだね」は?【1分★医療英語】第114回

第114回 英語で「(計画は)バッチリだね」は?《例文1》That sounds like a plan to me!(私は良いと思います!)《例文2》We’ll meet here at 8 am tomorrow?(明日はここで午前8時に集合でしたっけ?)It sounds like a plan!(そうです!)《解説》今回紹介した“sounds like a plan”を、単語を追いかけて日本語に直訳してしまうと「計画のように聞こえる」となり、意味がよくわからなくなってしまいます。実際には、「その計画は良さそう!」「賛成!」と同意を示す表現です。“plan”の前に“good”や“great”を補うと、意味が見えやすくなるかもしれません。英語の口語表現の中で自然発生的に生まれてきたフレーズといわれており、聞いたことがないとわかりにくいかもしれませんが、米国にいると本当によく耳にするフレーズです。“Sounds good to me.”、“That works for me.”などと言ってもいいところですが、英語は繰り返しを好まない言語なので、同じ意味のフレーズを何通りも覚えておいて損はないでしょう。なお、例文のように、冒頭に“That”や“It”を付けて前に言われた内容を受けたり、最後に“to me”と付けて用いたりすることもできます。“Sounds good.”(いいですね)という表現は皆さんご存じだと思いますが、併せて“Sounds like a plan.”も使えれば、より「こなれた」英語になると思います。ぜひ、マスターしてください。講師紹介

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第198回 吸引して尿を調べるだけの手間いらずな肺がん診断法を開発

吸引して尿を調べるだけの手間いらずな肺がん診断法を開発初期肺がんの検診といえば低線量CT(LDCT)が標準となりつつあり、LDCT検診と肺がん患者の生存改善の関連が臨床試験で裏付けられています。しかしLDCTが普及している低~中所得国は少なく、普及している国であっても誰もが容易にLDCTを受けることができるというわけではありません。それに、本来不要な侵襲的検査を招く偽陽性も少なくはありません。そこで米国・マサチューセッツ工科大学(MIT)のSangeeta N. Bhatia氏らが率いるチームは、LDCTのような大掛かりな装置がなくとも初期肺がんを検出しうる簡便な検査法を開発し、その検査法で初期肺がんを正確に検出しうることをマウスでの検討で裏付けました1)。開発された検査は大きく分けて吸入と尿検査の2つの手順で構成されます。まず微粒子を吸入し、試験紙による尿検査でその微粒子由来の成分を検出します。吸い込む微粒子はポリマーの粒とそれを覆うDNAでできています。肺がんと関連するプロテアーゼによって切り離されたDNAは血中をめぐり、やがては尿中に排泄されて試験紙で検出することができます。初期肺がん(stageIの肺腺がん)と関連するプロテアーゼに対応する20種類の微粒子をヒトのような肺がんを発現するマウスに投与し、得られた測定結果を人工知能技術(機械学習)で解析したところ、最も正確な4種類が同定されました。その4種類の組み合わせの検出感度は84.6%、特異度は100%でした。開発された手段は非侵襲的で体を傷つける必要がなく、まず吸ってもらってしばらくしてから尿を採取するだけで事足ります。センサー役の微粒子は肺全体にくまなく行き届き、吸ってから尿検査までの時間もそれほどかかりません。マウスの検討では投与から2時間後に尿が採取されています。Bhatia氏らのチームはマウスの検討で見つかった4種類の組み合わせがヒトのがんも同様に検出しうるかどうかを、まずはヒトの生検検体を使って調べることを予定しています2)。がんの検出以外の使い道も検討されており、Bhatia氏らは肺炎の原因がウイルス、細菌、真菌のいずれなのかを同技術を利用して識別する取り組みを始めています3)。また、喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などのほかの肺疾患の診断にも使えるかもしれません。Bhatia氏らは同技術の臨床試験をやがては実施することを目指していますが、同氏らが開発した似た技術による肝疾患2種・肝がんと非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の診断の検討はすでに臨床試験段階に至っています。ほかでもないBhatia氏を設立者の1人とするSunbird Bio社が第I相試験を実施しています2)。参考1)Zhong Q, et al. Sci Adv. 2024;10:eadj9591.2)Inhalable sensors could enable early lung cancer detection / Eurekalert3)How a Simple Urine Test Could Reveal Early-Stage Lung Cancer / MDedge

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脳梗塞再発予防薬のアンダーユースに介入【うまくいく!処方提案プラクティス】第57回

 脳梗塞後の再発予防薬として、その塞栓機序に基づいて抗血小板薬やDOACなどが用いられますが、出血などの問題から導入が見送りになっているケースもあります。脳梗塞が再発した場合の患者さんやその介護者への負担は大きなものとなるため、適応とならなかった原因やリスクの評価が必要です。今回は、再発予防薬のアンダーユース(本来使うべき薬が処方されていない)にどのように介入したかを紹介します。患者情報80歳 女性(個人在宅)基礎疾患アテローム性脳梗塞、高血圧症、認知症既往歴2ヵ月前に虚血性腸炎で入院、血便もあったため抗血小板薬を中止介護度要介護2訪問診療の間隔2週間に1回介護サービスの利用週2回、通所介護主な介護者同居の長女、胃瘻からの経管投与処方内容1.カンデサルタンOD錠4mg 1錠 分1 朝食後2.アムロジピンOD錠5mg 1錠 分1 朝食後3.ランソプラゾールOD錠15mg 1錠 分1 朝食後4.ピタバスタチンOD錠1mg 1錠 分1 朝食後5.ピコスルファート内用液 便秘時 適宜調節(未排便3日で10滴)本症例のポイントこの患者さんの通院には元々長女が同行していましたが、2ヵ月前の虚血性腸炎の入院を契機に訪問診療を利用することとなりました。当薬局もそのタイミングで介入となり、服薬管理や血圧の状況、排便状況のモニタリングを開始しました。気になるポイントとしては、血便をきっかけにアテローム性脳梗塞の再発予防薬が中止になっていたことです。薬局スタッフがOP(観察計画)として、抗血小板薬の再開について確認と計画を立てていました。しかし、この計画を立てた後のアクションがなく、そのままになっていたので、訪問時に血便や排便の状況を改めて確認することにしました。訪問時に長女に話を聞いたところ、退院後は血便は1回も出ておらず、排便コントロールもブリストル便形状スケール3〜4の正常便が連日出ていたことが確認できました。出血していた頃はスケール1〜2の硬便が出ていたことから、肛門口を傷つけていたのではないかと医師から話があったことも聴取できました。いずれにしても、すでに血便は解消しています。このまま抗血小板薬が再開されないことで脳梗塞の再発を招いた場合、高次機能障害から患者本人と介護者への負担が増大するというリスクを抱えていたため、医師への確認が必要だと判断しました。ブリストル便形状スケールによる便の性状分類画像を拡大する処方提案と経過医師にトレーシングレポートで、現状は排便に問題がなく、血便もないことを伝え、抗血小板薬の再開を検討してみてはどうか提案しました。医師より返事があり、出血や貧血もなく、再開をどうするか検討していたので次回の訪問診療で再開について家族に話をします、と返答がありました。また、薬剤師にこのようにリマインドしてもらえるのは、処方漏れを回避できるのでとても助かるとコメントをいただきました。その後、この患者さんはクロピドグレル錠を再開する予定でしたが、肝機能や血球系の副作用を懸念して、低用量アスピリンが開始となりました。今後は脂質の評価を行い、必要に応じてスタチンの導入を提案したいと考えています。

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急性冠症候群へのニトログリセリン、高齢者には有害?

 ニトログリセリンは急性冠症候群(ACS)の第1選択薬として長い間使用されてきたが、ACSの転帰改善のための使用を支持する研究は限られている。また、高齢患者の増加や、経皮的冠動脈インターベンション(PCI)と最適な薬物療法(OMT)などのACS管理の進歩により、PCI後の転帰におけるニトログリセリンの有効性を再評価する必要性が高まっている。今回、宮崎大学の小牧 聡一氏らが単施設での後ろ向き研究で検討した結果、とくに75歳以上の高齢患者においてPCI実施前のニトログリセリン投与が血圧低下および有害な臨床転帰と関連することが示された。Open Heart誌2024年1月11日号に掲載。 本研究は、2013年1月~2021年5月に宮崎県立延岡病院に入院したACS患者を対象とした単施設観察研究である。ACSに対するPCIを受けた患者947例について、PCI前にニトログリセリンを投与していた群(289例)としていなかった群(658例)に分け、1年以内の主要有害心血管イベント(MACE:全死亡、非致死的心筋梗塞、脳卒中、心不全による再入院の複合)の発生率を比較した。 主な結果は以下のとおり。・PCI前の収縮期血圧の中央値(四分位範囲)は、ニトログリセリン投与群で132.0(110.0~143.5)mmHg、非投与群の134.0(112.0~157.0)mmHgより有意に低かった(p=0.03)。・多変量Cox回帰分析では、PCI前のニトログリセリン使用はMACEの発生率と独立した関連を示した(ハザード比:1.57、95%信頼区間:1.09~2.28、p=0.016)。・ACSに対するPCI後1年間のMACEの発生率は、患者全体においてニトログリセリン投与群で非投与群よりも有意に高かった(p=0.024)。しかし、この傾向は75歳以上でのみ認められ(p=0.002)、75歳未満では認められなかった(p=0.773)。

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バス運転手の危険運転に対する不眠症の影響

 近年、バス運転手の心身の健康問題に起因する交通事故が増加している。一般的な睡眠障害である不眠症は、交通事故リスクやメンタルヘルス問題、とくに運転行動に関連する不安や抑うつとの有意な正の相関を持つといわれている。しかし、バス運転手のみを対象に睡眠関連の問題とメンタルヘルスを調査した研究はほとんどなく、これらの問題が運転パフォーマンスにどのように影響するかはよくわかっていない。中国・同済大学のYujun Jiao氏らは、不眠症とメンタルヘルスがバス運転手の危険運転行動に及ぼす影響を調査し、不眠症、不安、抑うつ、危険運転行動の4つの変数の相互作用を評価した。Accident Analysis & Prevention誌2024年2月号の報告。 中国・蘇州市のバス会社に勤務するバス運転手1,295人を対象にアンケート調査を実施した。不眠症、不安、抑うつに関するデータは、専門的なメンタルヘルス尺度に基づき自己申告で収集し、危険運転行動は、ドライバー行動アンケート(Driver Behavior Questionnaire)を用いて測定した。バス運転手の不眠症、不安、抑うつ、危険運転行動との関連を評価するため、2つの媒介分析と1つの連鎖媒介分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・31歳未満、バスの運転経験が11年以上、3年以内に交通事故や交通違反に関与したバス運転手は、不眠症、不安、抑うつ、危険運転行動がより重度であった。・4つの変数には、有意な正の相関と相互作用が認められた。・とくに変数間の相互作用が認められた項目は、次の3つであった。 1. 不眠症と危険運転行動に媒介される不安 2. 不眠症と危険運転行動に媒介される抑うつ 3. 不安は主に抑うつを通じて危険運転行動に影響する 著者らは、「バス運転手に対する定期的な身体的および精神的な健康状態の検査は重要であり、不眠症やメンタルヘルスに焦点を当てた介入は、バス運転手の危険運転行動を直接的および間接的に減少させるうえで役立つ可能性がある」としている。

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プラチナ治療歴のある進行TN乳がんの維持療法、オラパリブ±デュルバルマブが有効(DORA)

 プラチナ製剤ベースの化学療法に感受性のある進行トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する維持療法として、オラパリブ±デュルバルマブの有効性を検討した第II相DORA試験において、デュルバルマブ併用/非併用のいずれの群も化学療法による維持療法のヒストリカルコントロールより無増悪生存期間(PFS)が長く、BRCA野生型プラチナ製剤感受性の進行TNBCの患者集団において、化学療法なしの維持療法で持続的な病勢コントロールが可能なことが示唆された。シンガポール・国立がんセンターのTira J. Tan氏らがClinical Cancer Research誌オンライン版2024年1月18日号で報告した。 本試験は国際多施設第II相試験で、プラチナ製剤ベースの化学療法による1次治療もしくは2次治療で病勢安定(SD)持続または完全/部分奏効(CR/PR)が得られたTNBC(エストロゲン/プロゲステロン受容体発現率10%以下)患者を対象とし、オラパリブ単独群(オラパリブ300mg1日2回)とデュルバルマブ併用群(4週ごとにデュルバルマブ1,500mgを併用)に1:1で無作為に割り付けた。主要評価項目はPFSで、化学療法を継続するヒストリカルコントロールと比較した。 主な結果は以下のとおり。・計45例をオラパリブ単独群23例、デュルバルマブ併用群22例に無作為に割り付けた。・追跡期間中央値9.8ヵ月の時点で、無作為化からのPFS中央値はオラパリブ単独群で4.0ヵ月(95%信頼区間[CI]:2.6~6.1)、デュルバルマブ併用群で6.1ヵ月(同:3.7~10.1)であり、いずれもヒストリカルコントロールより有意に長かった(順にp=0.0023、p<0.0001)。・臨床的有用率(SDが24週以上またはCR/PR)は、オラパリブ単独群で44%(95%CI:23~66)、デュルバルマブ併用群で36%(同:17~59)であった。・生殖細胞系列BRCA遺伝子変異やPD-L1発現にかかわらず、持続的な臨床的有用性が認められ、とくにオラパリブ単独群ではプラチナ製剤の前治療に対するCR/PRと関連する傾向がみられた。・安全性に関する新たなシグナルは報告されなかった。

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ERCP後膵炎予防、インドメタシン単独の効果は?/Lancet

 内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)施行後の膵炎のリスクが高い患者における膵炎予防では、標準治療である非ステロイド性抗炎症薬インドメタシン+予防的膵管ステント留置の併用と比較して、インドメタシン単独投与は非劣性に至らないだけでなく予防効果が劣ることが、米国・サウスカロライナ医科大学のB. Joseph Elmunzer氏らの検討で示された。研究の詳細は、Lancet誌オンライン版2024年1月11日号に掲載された。北米20施設の無作為化非劣性試験 本研究は、米国とカナダの20施設で実施した無作為化非劣性試験であり、2015年9月~2023年1月に患者を登録した(米国国立衛生研究所[NIH]の助成を受けた)。 年齢18歳以上、ERCP後膵炎のリスクが高く、膵炎予防として膵管ステント留置を要する患者1,950例(ITT集団)を登録し、予防的膵管ステント留置を行う群に975例(平均年齢55.8歳、女性61.1%)、これを行わない群に975例(55.6歳、61.4%)を無作為に割り付けた。全例にインドメタシン(50mg坐剤×2個)の直腸内投与を行った。 主要アウトカムは、ERCP後膵炎とした。ITT集団とper-protocol(PP)集団の双方において、ERCP後膵炎発生の差の、両側95%信頼区間(CI)の上限値が5%未満の場合に非劣性と判定することとした。ITT集団、PP集団の双方で非劣性を示せず ITT集団では、ERCP後膵炎は、インドメタシン単独群が975例中145例(14.9%)、インドメタシン+膵管ステント留置群は975例中110例(11.3%)で発生し、両群間のリスク差は3.6%(95%CI:0.6~6.6)と、インドメタシン単独群のインドメタシン+膵管ステント留置群に対する非劣性は確認できなかった(非劣性のp=0.18)。 PP集団(1,728例)でも、同様の結果であった(ERCP後膵炎:単独群14.4% vs.併用群11.6%、リスク群間差:2.8%、95%CI:-0.3~6.0)。 一方、ERCP後膵炎の発生率に関する両群間のリスク差の事後的なITT解析では、インドメタシン+膵管ステント留置群と比較して、インドメタシン単独群で劣ることが示された(p=0.011)。安全性アウトカムには差がない サブグループ解析では、主要アウトカムに関する膵管ステント留置の相対的な有益性を、ほとんどのサブグループでほぼ一貫して認め、膵炎リスクが最も高い患者(リスクスコア≧3)で有益性がより顕著であった(リスク群間差:13.7%、95%CI:1.8~25.6)。この集団における1件のERCP後膵炎の予防に要する治療必要数(NNT)は7(95%CI:4~56)だった。 ITT集団における安全性アウトカム(重篤な有害事象[単独群36.4% vs.併用群36.1%、リスク群間差:-0.3%、95%CI:-4.6~4.0]、ICU入室率[3.0% vs.4.0%、-1.0%、-2.7~0.6]、平均入院期間[3.2日vs.2.9日、0.4日、-0.3~1.0])は両群間に差がなかった。 著者は、「これらの知見は、エビデンスがないにもかかわらず、予防的膵管ステント留置を行わない傾向が広まっている最近の状況に異議を唱えるものである」としている。

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スパイクバックス筋注の新規剤形、0.5mLバイアル製剤を承認申請/モデルナ

 Moderna(米国)の日本法人モデルナ・ジャパンは、2024年1月19日付のプレスリリースで、同日に新型コロナウイルスワクチン「スパイクバックス筋注」の新規剤形を、厚生労働省に承認申請したと発表した。 今回申請した新規の剤形は以下のとおり。・0.5mLバイアル製剤 この新規剤形は、2023年9月に開始された予防接種法上の特例臨時接種において使用されることはない。 モデルナ・ジャパンは、新型コロナウイルス感染症の感染状況が地域によっては第10波に入ったともいわれているため、1年を通した感染状況のモニタリングや、とくに高齢者や免疫不全といったリスクの高い人のワクチン接種の重要性について引き続き啓発していきたい、としている。

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冬の食中毒で多いノロウイルス

冬季に多い食中毒(ノロウイルス感染症)■冬季の食中毒の原因と症状ノロウイルスが原因となることが多く、おもにウイルスに感染した人の調理による食材からの食品汚染で経口感染、拡大します。また、ウイルスを蓄積したカキなどの二枚貝(非加熱で喫食)も原因となります。【潜伏期間】感染後、24~48時間で発症【主な症状】吐気、嘔吐、下痢、腹痛、軽い発熱。通常1~2日程度継続。(感染しても無症状、程度が軽い場合もあります)【ウイルスの拡大】ウイルスは感染してから1週間程度ふん便中に排泄され続けます。これは無症状の人でも同様です。治療:ノロウイルス感染症の治療は対症療法しかありません!予防:ノロウイルス感染症の予防では、「手洗い」「よく加熱」「次亜塩素酸ナトリウム溶液での消毒(アルコール消毒が効きません)」が3本柱になります。東京都健康安全研究センターホームページより引用(2024年1月12日閲覧)https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2023/12/07/07.htmlCopyright © 2024 CareNet,Inc. All rights reserved.

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