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きちんと診察したのに、後日見逃しを疑われてしまった【もったいない患者対応】第5回

きちんと診察したのに、後日見逃しを疑われてしまった登場人物<今回の症例>20代男性自転車で走行中に自己転倒両下肢に複数の擦過傷、右膝に3cm程度の裂創あり、来院<負傷したときの状況を聞き出します>どんなふうに転びましたか?前を走っていた車が急に曲がったので慌ててブレーキをかけたんですが、その拍子に転んで溝にはまってしまって…。そんなにスピードは出ていなかったので大したことはないと思います。そうでしたか。右膝の怪我は縫わないといけませんが、それ以外の傷は、洗って軟膏を塗るだけで大丈夫そうですよ。膝だけですか、よかったです。(全身を診察しながら)他に痛いところはありませんか?ありません。大丈夫です。~3日後~昨日出張中にどうしても右手が痛くなって近くのクリニックに行ったら、骨折していました。先生、見逃したんですか?全身診察してくれましたよね?骨折ですか!?いや、痛いところはないとおっしゃっていたので…。ちゃんと診てくださいよ。クリニックの先生にも「なんで最初に診た先生がこの骨折を処置していないんだ」って言われましたよ!【POINT】唐廻先生は、外傷患者に対してきちんと全身診察をして「他に痛いところはないか」と聞いていました。「大したことはない」「他に痛いところはない」と言われ、唐廻先生も半ば油断していたようです。ところが、別の病院で骨折を指摘され、患者さんから不信感を抱かれてしまいました。初診時の対応のどこに問題があったのでしょうか?とっさの事故では、正確な情報が得づらい外傷患者に対する問診では受傷機転の確認が最も大切です。しかし、交通外傷などはとくにそうですが、患者さん本人の受傷時の記憶があいまいなことはよくあります。頭部打撲による逆行性健忘がありうる、という意味ではありません。単に“とっさのことで、どんな姿勢で転んだか、どこを打撲したか、が自分でもよくわからない”という意味です。つまり、患者さんの受傷機転に関する報告からは得られない情報があるかもしれない、ということに注意が必要なのです。本人から受傷したとの訴えがなかった部位に、後から外傷が判明することもあります。初診時に全身を診察し、こうした隠れた外傷を見抜くことができればベストですが、本人の訴えがまったくなく、かつ体表面に所見が乏しいときはそう簡単ではありません。後から悪化するケースがあることを伝えようそこで、患者さんには「突然のことで、どこを怪我したか自分でもわからないのが普通です。後から思いもよらぬ場所が痛くなってくるかもしれません。そのときは再度受診してください」と、あらかじめきちんと伝えておくことが肝要です。場合によっては「最初はなんともなかったのに、翌日になって腕が痛くなって検査したら骨折が見つかったケースもありますからね」と、具体例を提示してみるのもいいでしょう。こうした説明があるだけで、後から検査をして別の外傷が見つかっても「初診医が見逃した」と考える可能性は低くなります。重度の外傷が潜んでいることも外傷診療では“distracting pain”という概念があります。直訳すると“気をそらすような痛み”です。痛みの大きな部位に気を取られ、痛みは軽いものの、本来は治療を優先すべき重度の外傷を見逃してしまうことを意味します。今回のケースとは少し異なりますが、患者さんの痛みの訴えだけに頼りすぎると重要な情報を見逃す危険性があるため、注意が必要です。これでワンランクアップ!どんなふうに転びましたか?前を走っていた車が急に曲がったので慌ててブレーキをかけたんですが、その拍子に転んで溝にはまってしまって…。そんなにスピードは出ていなかったので大したことはないと思います。そうでしたか。でも、突然のことでどこをどんなふうに怪我したか、ご自身でもあまりよくわからないですよね。後から思いもよらぬ場所が痛くなってくるかもしれません※1ので、そのときは再度受診してくださいね。場合によっては、数日後に初めて骨折がわかる、なんてこともあるんです※2。※1:今後起こり得る可能性を伝える。※2:具体例をあげると、より理解してもらいやすい。そういうこともあるんですね。いまのところ大丈夫そうですが、気をつけておきます。

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第212回 三つ子の騒音百まで

三つ子の騒音百までヒトも動物もまったく静かに過ごせることなどなく、自然やヒトの営みで生じるありとあらゆる音と共にあります。催し物の喧騒、工事、交通騒音などでますます騒々しくなる世界の音環境は心配の種の1つです。どうやら騒音の害は生まれる前から始まるらしく、オーストラリアのチームが同国の固有の鳥であるキンカチョウ(zebra finch)を使って調べたところ、孵化前(すなわち卵のとき)と孵化後を交通騒音と共に過ごすこととその後の生涯に及ぶ健康の害との関連が示されました1-3)。キンカチョウは孵化してから巣立つまでしばらく親の世話を必要とする晩成鳥の一種で、交通騒音がほとんどないオーストラリアの砂漠地帯に生息します4)。同国のディーキン大学の生態学者Mylene Mariette氏とそのチームは許可を得て構内の鳥小屋で飼うキンカチョウの卵を夜間のみ拝借して、キンカチョウの鳴き声(以下、鳴き声)か交通騒音または静寂(silence)の中で過ごさせ、朝には親鳥がいる巣に戻しました。交通騒音か鳴き声で夜間を過ごした卵の雛は、羽化後4~13日目に卵のときと同様に夜間のみ拝借してそれら2つの音環境のいずれかの中で過ごさせ、朝に親のもとに戻しました。騒音の影響は早くも孵化前に生じるらしく、夜間を騒音と共に過ごした卵の孵化率は鳴き声と共に過ごした卵を下回りました。夜間を静寂の中で過ごした卵の孵化率はそれらの中間に位置していました。騒音は生まれた雛の経過にも影響し、発達の遅れと関連しました。卵のときと孵化後のどちらも交通騒音と共に過ごしたキンカチョウの孵化後12日時点での体重は、卵のときと孵化後のどちらも鳴き声と共に過ごしたキンカチョウを有意に下回りました。また、成鳥になってからの生殖への影響もあり、交通騒音と共に過ごしたキンカチョウは産み育てた仔の数が鳴き声と共に過ごしたキンカチョウの4割ほどでしかありませんでした。体内の生理的変化も観察され、卵や雛のときの交通騒音は染色体末端部のテロメア短縮と関連しました。テロメア短縮は細胞損傷を反映します。今回の研究で示唆されたような騒音の健康への害はヒトにも当てはまるかもしれません。騒々しい保育器や新生児棟での騒音が赤ちゃんに害を及ぼしている恐れがあります。妊婦やその赤ちゃんが病院で音に煩わされず過ごせるようにとくに配慮するに越したことはないようです4)。また、妊婦や赤ちゃんに限らず世間一般に蔓延する騒音をどこまでどう減らすかを見出すことにも今回の研究成果はやがて役立つでしょう2)。参考1)Meillere A, et al. Science. 2024;384:475-480.2)Traffic noise causes lifelong harm to baby birds / Science3)Noise pollution can harm birds even before they hatch / ScienceNews4)Slabbekoorn H. Science. 2024;384:380-382.

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コロナ禍以降、自宅での脳卒中・心血管死が急増/日本内科学会

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行期において、自宅や介護施設での脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患による死亡が増加し、2023年末時点でも循環器疾患による死亡のトレンドが減少していないことが、白十字会白十字病院 脳血管内科の入江 克実氏らの研究グループによる解析で明らかになった。本研究は、4月12~14日に開催された第121回日本内科学会総会・講演会の一般演題プレナリーセッションにて、入江氏が発表した。コロナ拡大後は自宅での脳梗塞による死亡が顕著に増加 入江氏によると、国内での総死亡数の推移データにおいて、2023年末時点でもCOVID-19流行前と比べて超過死亡は増加しているという。COVID-19の5類移行後はピークアウトしつつあるが、2023年では12万人ほどの超過死亡が見込まれ、その主な死因としてCOVID-19や脳卒中などの循環器疾患の増加が認められる。しかし、2017~22年度のDPC対象病院における脳卒中などの循環器疾患死亡数の推移データによると、死亡数が大きく増加している傾向は認められない。そのため本研究では、同時期の病院外での循環器疾患による死亡の推移を検討した。 本研究では、政府統計e-Stat人口動態統計を用い、死亡場所別に2013~22年の総死亡数と循環器疾患死亡数を抽出した。死亡場所は、病院/診療所、介護施設/老人ホーム、自宅に分類した。主な疾患ごとにCOVID-19拡大前(2013~19年)の死亡数から回帰直線を求め、2020年以降の推計値を算出し、実測値との差分を超過死亡とした。都道府県別にも同様の抽出を行い、COVID-19前後で自宅死亡数とその増減率を比較検討した。 コロナ前後で死亡場所別に総死亡数と脳卒中や心筋梗塞などの循環器疾患死亡数を抽出した主な結果は以下のとおり。・総死亡の死亡場所について、2013~19年までは病院/診療所、介護施設/老人ホーム、自宅のいずれも±3%内で、死亡数の推移に大きな変化はみられない。しかし、コロナ拡大後、病院外では死亡数が増加し続け、2022年の超過死亡率は、自宅では35%、介護施設/老人ホームでは23%に増加していた。一方、病院/診療所では、2020~21年に-5%まで一過性の減少を示したが、2022年には元のトレンドに戻った。・脳梗塞による死亡では、2013~19年の病院、介護施設、自宅のいずれも±6%内だが、コロナ拡大後の2022年の超過死亡率は、自宅ではとくに顕著に48%に増加し、介護施設では13%、病院では7%に増加していた。・脳出血による死亡では、2013~19年の病院、介護施設、自宅のいずれも±5%内だが、コロナ拡大後の2022年の超過死亡率は、自宅では13%、介護施設では17%に増加していた。一方、病院では2020~21年では-5%まで減少し、2022年では-2%であった。・心筋梗塞による死亡では、2013~19年の病院、介護施設、自宅のいずれも±3%内だが、コロナ拡大後の2022年の超過死亡率は、病院で16%まで増加し、他の疾患とは異なる傾向が認められた。介護施設では23%、自宅では12%と病院外の死亡も増加している。・心不全による死亡では、2013~19年ではいずれの場所でも±7%内だが、コロナ拡大後の2022年の超過死亡率は、自宅では33%、介護施設では12%に増加していた。病院では2020~21年に一過性の減少を示し、2022年には元のトレンドに戻った。・都道府県別にみた脳卒中による自宅死亡数では、コロナ前後の変化に地域差が見られ、とくに大阪府(30%増)と群馬県(30%増)での自宅死亡率が増加していた。・都道府県別にみた心疾患による自宅死亡数では、とくに福岡県(61%増)と神奈川県(38%増)での自宅死亡率がコロナ前後で増加していた。 入江氏は本結果について、「コロナ流行期における循環器疾患による病院外死亡数の増加は、サージキャパシティの不足によるものなのか、病院との連携による在宅看取りが進んでいるためなのか、地域ごとに医療逼迫の振り返りをする必要がある。なお、本研究は2022年までのデータを示しているが、2023年11月までのデータから推計しても、死亡率はいまだに高いと予想されている。コロナに関連するフレイルへの対応に加えて、脳梗塞に対しては頭打ちとなっているDOAC処方への対策、心筋梗塞に対してはPCI介入の遅れについての検証など、コロナ禍での診療抑制の影響が残っていないか再検討が望ましい」と述べた。

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PD-L1高発現NSCLCに対するネシツムマブ+ペムブロリズマブの可能性(K-TAIL-202)/AACR2024

 免疫チェックポイント阻害薬(ICI)は進行非小細胞肺がん(NSCLC)の標準治療となっている。KEYNOTE-024試験でみられるように、抗PD-1抗体であるペムブロリズマブはPD-L1発現≧50%の進行NSCLCにおいてPFS(無増悪生存期間)とOS(全生存期間)を有意に延長している1,2)。しかし、PD-L1陽性であってもICIが奏効しない症例は依然として存在する。 EGFRの発現はPD-L1のグリコシル化を介しPD-L1の発現を安定化させ、PD-1とPD-L1の結合を強化することが報告されており3)、抗EGFR抗体ネシツムマブと抗PD-1抗体ペムブロリズマブの併用療法は新しい治療コンセプトとして期待されている。K-TAIL-202試験はPD-L1高発現NSCLCの初回治療として、ネシツムマブとペムブロリズマブの併用を評価した第II相試験。昭和大学の堀池 篤氏が米国がん研究協会年次総会(AACR2024)で結果を発表した。・対象:未治療のPD-L1発現≧50%の進行NSCLC(EGFR、ALK変異なし)・介入:ネシツムマブ+ペムブロリズマブ 3週ごと2年間または35サイクル(n=50)・評価項目:[主要評価項目]奏効率(ORR)[副次評価項目]PFS、OSORR期待値の設定はKEYNOTE-024試験のORR44.8%1)を10ポイント上回る54.8%とした。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値は14.2ヵ月であった。・患者の年齢中央値は72歳、男性が76%、現・過去喫煙者が88%、腺がんが60%であった。・ORRは76.0%で、病勢コントロール率は86.0%(CR2%、PR74%、SD10%)であった。・58%の患者が50%以上の標的病変縮小を示した。・PFS中央値は15.7ヵ月、OS中央値は未到達であった。・ネシツムマブによる試験治療下における有害事象(TEAE)発現は全Gradeで98%、Grade≧3は40%で、頻度の高いTEAEは、ざ瘡様皮疹、低マグネシウム血症などであった。・治療中止に至ったTEAEは26%、死亡に至ったTEAEは2%(1例)に発現した。・Grade3の間質性肺疾患が10%(5例)で発現したが、ステロイド治療により改善した。 今回のK-TAIL-202試験結果から、PD-L1高発現進行NSCLC初回治療におけるネシツムマブとペムブロリズマブ併用の可能性が示唆される。

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家族内での治療抵抗性うつ病の発生率

 抗うつ薬に対する治療反応と治療抵抗性うつ病のフェノタイプは、遺伝的根拠があると考えられる。治療抵抗性うつ病のフェノタイプと他の精神疾患との遺伝的感受性は、これまでの遺伝的研究でも確立されているが、これらの結果を裏付ける集団ベースのコホート研究は、これまでなかった。台湾・台北栄民総医院のChih-Ming Cheng氏らは、治療抵抗性うつ病の感受性および家族内での治療抵抗性うつ病と他の精神疾患との感受性を推定するため、台湾全国コホート研究を実施した。JAMA Psychiatry誌オンライン版2024年4月3日号の報告。 2003~17年の台湾全人口(2,655万4,001人)を対象に、台湾国民健康保険データベースのデータを評価した。データ分析は、2021年8月~2023年4月に実施した。治療抵抗性うつ病は、現在のエピソードが3種類以上の抗うつ薬治療を経験し、それぞれ適切な用量および治療期間で行われていた場合と定義し、レセプトデータに基づき特定した。次に、治療抵抗性うつ病患者の1親等の特定を行った(3万4,467人)。対照群として、治療抵抗性うつ病患者を1親等に持たない人を1:4で指定し、誕生年、性別、親族関係を収集した。主要アウトカムは、治療抵抗性うつ病リスク、他の精神疾患リスク、さまざまな原因による死亡リスクとし、調整済み相対リスク(aRR)および95%信頼区間(CI)を算出するため、修正ポアソン回帰分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・本研究の参加者は、17万2,335人(男性:8万8,330人、女性:8万4,005人、フォローアップ開始時の平均年齢:22.9±18.1歳)であった。・治療抵抗性うつ病患者の1親等は、対照群と比較し、収入が低く、身体的併存疾患が多く、自殺死亡率が高く、治療抵抗性うつ病発症リスクが高く(aRR:9.16、95%CI:7.21~11.63)、他の精神疾患発症リスクが高かった。・治療抵抗性うつ病患者の1親等の各精神疾患別のaRRは、以下のとおりであった。【統合失調症】aRR:2.36、95%CI:2.10~2.65【双極性障害】aRR:3.74、95%CI:3.39~4.13【うつ病】aRR:3.65、95%CI:3.44~3.87【注意欠如多動症】aRR:2.38、95%CI:2.20~2.58【自閉スペクトラム症】aRR:2.26、95%CI:1.86~2.74【不安症】aRR:2.71、95%CI:2.59~2.84【強迫症】aRR:3.14、95%CI:2.70~3.66・感度分析とサブグループ解析により、アウトカムのロバストが検証された。 著者らは、「治療抵抗性うつ病の家族歴を有する患者は、自殺死亡リスクが高く、抗うつ薬治療に耐性傾向を示している。したがって抗うつ薬単独療法に固執せず、より集中的な治療を早期に検討される可能性がある」としている。

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不安定プラーク、至適薬物療法+予防的PCI追加で予後改善/Lancet

 冠動脈に血流を阻害しない不安定プラークを有する患者において、予防的経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の追加は至適薬物療法のみと比較し、高リスクの不安定プラークに起因する主要有害心血管イベントが減少したことを、韓国・蔚山大学のSeung-Jung Park氏らが、韓国、日本、台湾およびニュージーランドの計15施設で実施した医師主導の無作為化非盲検比較試験「PREVENT試験」の結果を報告した。著者は、「PREVENT試験は不安定プラークに対する局所治療の効果を示した最初の大規模臨床試験であり、今回の知見はPCIの適応を、血流を阻害しない高リスクの不安定プラークに拡大することを支持するものである」とまとめている。急性冠症候群や心臓死は不安定プラークの破裂および血栓症によって引き起こされることが多く、その多くは冠血流を阻害しない。不安定プラークに対するPCIによる予防的治療の安全性と心臓有害事象の減少に対する有効性は不明であった。Lancet誌オンライン版2024年4月8日号掲載の報告。狭窄率>50%、FFR>0.80の不安定プラークを有する患者が対象 研究グループは、心臓カテーテル検査を受けた18歳以上の安定冠動脈疾患または急性冠症候群の患者のうち、造影上の狭窄率>50%、冠血流予備量比(FFR)>0.80の病変を有し不安定プラークが確認された患者を対象とした。Webシステム(置換ブロック法、ブロックサイズ4または6)により糖尿病の有無および非標的血管への同時PCIの有無で層別化し、PCI+至適薬物療法群(PCI併用群)または至適薬物療法単独群(薬物療法群)に1対1の割合で無作為に割り付け、最後の登録患者が無作為化後2年に達するまで毎年追跡調査を行った。 不安定プラークは、(1)最小内腔面積<4.0mm2、(2)プラーク負荷>70%(血管内超音波検査)、(3)脂質に富むプラーク(近赤外分光法、4mm以内の最大脂質コア負荷指数が>315)、(4)TCFA(thin-cap fibroatheroma)(高周波血管内超音波検査または光干渉断層法)の4つの特徴のうち2つ以上を満たすプラークと定義された。 主要アウトカムは、2年間の心臓死・標的血管の心筋梗塞・虚血による標的血管血行再建術・不安定狭心症または進行性狭心症による入院の複合とした。ITT集団で評価し、初発までの期間はKaplan-Meier法で算出し、log-rank検定で比較した。PCI併用群で薬物療法群より2年複合イベントが有意に減少 2015年9月23日~2021年9月29日に、5,627例がスクリーニングされ、適格基準を満たした1,606例がPCI併用群(803例)または薬物療法群(803例)に無作為化された。1,177例(73%)が男性、429例(27%)が女性で、1,556例(97%)が2年間の追跡を完了した(PCI併用群780例、薬物療法群776例)。 主要アウトカムの2年複合イベントは、PCI併用群で3例(0.4%)、薬物療法群で27例(3.4%)に発生し、絶対群間差は-3.0%(95%信頼区間[CI]:-4.4~-1.8、p=0.0003)であった。予防的PCIの効果は、主要アウトカムの各要素において一貫していた。 重篤な臨床的有害事象は、PCI併用群と薬物療法群で差はなかった。2年以内の死亡は4例(0.5%)vs.10例(1.3%)であり(絶対群間差:-0.8%、95%CI:-1.7~0.2)、心筋梗塞は9例(1.1%)vs.13例(1.7%)であった(-0.5%、95%CI:-1.7~0.6)。

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難治性狭心症、冠静脈洞へのデバイス留置で症状改善/Lancet

 冠静脈洞狭窄デバイス(coronary-sinus reducer:CSR)は、狭心症患者の心筋血流を改善しなかったが、狭心症エピソード数を減少した。英国・Imperial College Healthcare NHS TrustのMichael J. Foley氏らが、英国の6施設で実施した医師主導の無作為化二重盲検プラセボ対照試験「ORBITA-COSMIC試験」の結果を報告した。CSRは、心筋血流を改善することにより、安定冠動脈疾患患者の狭心症を軽減することが示唆されていた。著者は、「今回の結果は、CSRが安定冠動脈疾患患者に対するさらなる抗狭心症治療の選択肢となりうるエビデンスを提供するものである」としている。Lancet誌2024年4月20日号掲載の報告。処置後6ヵ月間追跡、心筋血流と狭心症エピソード数を比較 研究グループは、抗狭心症治療(薬物療法、経皮的冠動脈インターベンション、冠動脈バイパス術など)のさらなる選択肢がない、18歳以上の狭心症、心外膜冠動脈疾患、虚血を有する患者を登録し、心臓MRによる定量的な心筋灌流マッピング(アデノシン負荷時および安静時)、症状およびQOLに関する質問(シアトル狭心症質問票、EQ-5D-5Lなど)、トレッドミル運動負荷試験を行った。その後、2週間の症状評価期にスマートフォンの専用アプリ(ORBITA-app)を用いた症状報告を完遂した患者を、CSR群と対照群に1対1の割合に無作為に割り付け追跡評価した。 二重盲検下で、CSR群ではCSR(商品名:Neovasc Reducer、Shockwave Medical)の植込み術を行い、対照群では患者に少なくとも15分間(CSRの植込みに要するおおよその時間)心臓カテーテルの検査台の上で鎮静状態を保持させた。処置後は、6ヵ月間の二重盲検下追跡調査期に、ORBITA-appで患者に日々の症状を報告してもらった。 主要アウトカムは、登録時にアデノシン負荷灌流心臓MRスキャンで虚血と判定されたセグメントにおける心筋血流、症状の主要アウトカムは1日の狭心症エピソード数とし、ITT解析を行った。CSR群で狭心症エピソード数が減少 2021年5月26日~2023年6月28日に447例がスクリーニングされ、61例が登録された。このうち51例(男性44例[86%]、女性7例[14%])がCSR群(25例)およびプラセボ群(26例)に無作為化され、CSR群の1例(無作為化手順の途中でデバイス塞栓事象が発現し適切な管理のため盲検を解除)を除く50例がITT解析に組み入れられた。 登録時の虚血セグメントは、画像化された800セグメント中454セグメント(57%)で、虚血セグメントにおける負荷心筋血流量の中央値は1.08mL/分/g(四分位範囲[IQR]:0.77~1.41)であった。 虚血セグメントにおいて、対照群と比較しCSR群で心筋血流量の改善は示されなかった(群間差:0.06mL/分/g、95%信用区間[CrI]:-0.09~0.20]、有益性の確率:78.8%)。一方、報告された1日の狭心症エピソード数は、対照群と比較してCSR群で減少した(オッズ比:1.40、95%CrI:1.08~1.83、有益性の確率:99.4%)。 安全性については、CSR群でデバイス塞栓イベントが2件発生し、両群とも急性冠症候群イベントおよび死亡の発生は報告されなかった。

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手掌と足底の皮疹の鑑別診断【1分間で学べる感染症】第2回

画像を拡大するTake home message発熱と皮疹の鑑別診断は多岐にわたるが、手掌(palms)と足底(soles)の皮疹の有無で鑑別診断をある程度絞り込むことができる可能性がある。手掌と足底の皮疹の鑑別疾患は「MR. SMITH」で覚えよう。発熱と皮疹の鑑別疾患は感染性・非感染性と多岐にわたります。手掌と足底に皮疹を来した場合、鑑別診断をある程度絞り込むことができる可能性があります。それでは、一体どのような鑑別疾患が挙げられるのでしょうか。ここでは、なかでも感染性に焦点を当てて解説していきます。語呂合わせとして「MR. SMITH」と覚えると、手掌と足底の皮疹の感染性の鑑別疾患を網羅的に挙げることができます。MMeningococcemia (Neisseria meningitidis) 髄膜炎菌による菌血症RRickettsia リケッチア感染症(日本紅斑熱など)S(Secondary) Syphilis 二期梅毒MMeasles, Mpox 麻疹、M痘IInfective endocarditis 感染性心内膜炎TToxic shock syndrome, Travelers (Dengue/Chikungunya/Zika) トキシックショック症候群、デング熱、チクングニヤ熱、ジカ熱などの蚊媒介感染症HHand-Foot-Mouth syndrome (Coxsackievirus), HIV, HSV (erythema multiforme) 手足口病、急性HIV感染や単純ヘルペス感染による多形滲出性紅斑皆さんも積極的に、手掌と足底に皮疹を呈していないかどうかを確認してみましょう。1)Hughes KL, et al. Am Fam Physician. 2018;97:815-817.2)Giorgiutti S, et al. N Engl J Med. 2019;381:1762.3)McKinnon HD Jr, et al. Am Fam Physician. 2000;62:804-816.4)Staples JE, et al. Clin Infect Dis. 2009;49:942-948.5)Saguil A, et al. Am Fam Physician. 2023;108:78-83.6)Volpicelli FM, et al. N Engl J Med. 2023;389:1033-1039.7)Long B, et al. Am J Emerg Med. 2023;65:172-178.8)He A, et al. Am J Clin Dermatol. 2017;18:231-236.

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日常診療に活かす 診療ガイドラインUP-TO-DATE 2024-2025

一瞬の迷いを確信へ ~これが日本の標準的治療~2010年の発行以来、多くの医療従事者に活用されている本書が2年ぶりに改訂しました。今版では日常診療で遭遇頻度の高い疾患を中心に19領域175疾患を取り上げ、各領域の第一人者が当該疾患に関連する複数の診療ガイドラインを精選し、そのポイントについて臨床知を加味して解説しています。本書は、(1)必要な情報をすぐに取り出せる紙面構成、(2)専門家の処方例を一目で把握、(3)標準的治療を最短距離でキャッチできます。巻頭企画では“社会健康医学”をテーマに専門家にご解説いただき、巻末付録では「おさえておきたい!希少疾患のガイドライン」を掲載し、ガイドラインの最新情報が入手できるようにまとめています。ぜひ診療ガイドラインを活かした質の高い医療の提供にお役立てください。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する目次を見るPDFで拡大する日常診療に活かす 診療ガイドラインUP-TO-DATE 2024-2025定価13,200円(税込)判型A5判変型頁数1,120頁発行2024年2月監修門脇 孝、小室 一成、宮地 良樹ご購入(電子版)はこちらご購入(電子版)はこちら紙の書籍の購入はこちら医書.jpでの電子版の購入方法はこちら紙の書籍の購入はこちら

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BPSDが死亡リスクに及ぼす影響~日本人コホート研究

 認知症の行動・心理症状(BPSD)は、認知症の初期段階から頻繁にみられる症状であり、軽度認知障害(MCI)でも出現することが少なくない。しかし、BPSDが予後にどのような影響を及ぼすかは不明である。国立長寿医療研究センターの野口 泰司氏らは、認知障害を有する人におけるBPSDと死亡率との関連を踏査した。Journal of epidemiology誌オンライン版2024年3月23日号の報告。 2010~18年に国立長寿医療研究センターを受診した、初回外来患者を登録したメモリークリニックベースのコホート研究であるNCGG-STTORIES試験に参加した、MCIまたは認知症と診断された男性1,065例(平均年齢:77.1歳)および女性1,681例(同:78.6歳)を対象に、縦断的研究を実施した。死亡関連の情報は、参加者または近親者から返送された郵送調査より収集し、最長8年間フォローアップ調査を行った。BPSDは、ベースライン時にDementia Behavior Disturbance Scale(DBD)を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ期間中に死亡した患者は、男性で229例(28.1%)、女性で254例(15.1%)であった。・Cox比例ハザード回帰分析では、DBDスコアが高いほど、男性で死亡リスク増加との有意な関連が認められたが(最適四分位スコア群と比較した最高四分位スコア群のハザード比:1.59、95%信頼区間[CI]:1.11~2.29)、女性では認められなかった(同:1.06、95%CI:0.66~1.70)。・DBDの項目のうち死亡リスクの高さと関連していた項目は、日常生活に対する興味の欠如、日中の過度な眠気、治療拒否であった。 著者らは、「認知機能低下が認められる男性において、BPSDと予後不良との潜在的な関連性が示唆された」としている。

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第208回 先発品の選択による一部自己負担増、これって意味ある?

今年度の診療報酬改定で導入される「長期収載品の選定療養」に伴い、ジェネリック医薬品(GE)がある医薬品での先発品使用で一部自己負担増が発生するため、これに関連して、最近の報道で再び目にするようになったのが「ヒルドイド(一般名:ヘパリン類似物質)」である。過去に美容目的にもかかわらず、保険診療を利用して処方を受けている人たちの存在が報道を賑わせたが、今回は10月から始まる前述の自己負担増対象の1,095品目が厚生労働省から公表され、その中にヒルドイドが含まれていたことで、また話題となっているようだ。ちょっと今回はこの件について徒然なるままに書いてみたいと思う。GE促進効果はあるの?私自身は、今回の新制度を施行することで、現在約80%と言われるGE使用率(あくまでGEがある医薬品での数量比率)を多少引き上げることにはなるかもしれないが、欧米並みのGE使用率の達成を指標に考えるならば、効果的な施策とはならないだろうと考えている。おそらく多くの医師も同様の考えではないだろうか?そもそも、先発品とGEとの薬価の差が縮小する中で、両者の差額の4分の1だけ自己負担が増えても患者にとって経済的“ペナルティ”の意義は小さい。これまで希望して先発品を選択している患者の多くは、もともと自己負担能力がある場合か、逆に自己負担がほとんど発生しない場合だからだ。一方で医師側の処方マインドには多少影響があるかもしれない。今回の制度では「医療上必要とする場合は(全額)保険給付」となったこともあり、レセプト審査は厳格化すると予想されるし、負担増となる患者に対して改めて説明の労力が必要になるからである。とはいえ、繰り返しになるが、やはり自己負担増が差額の4分の1に過ぎないという現実を考えれば、この方面からのGE使用促進効果も遠からず頭打ちになるだろう。ヒルドイドの汎用、悪いのは処方医かインフルエンサーかさて冒頭で挙げたヒルドイドの濫用に関連して、実は何件か同業者から問い合わせを受けた。主な問い合わせ内容は「自己負担増で美容目的の使用(濫用)は減るのか?」「そもそもこの問題は処方する医師が悪いのか? それとも美容目的で使えることを宣伝しているインフルエンサーが悪いのか?」の2つだ。この2つは別個のようで連環した問題である。この質問に対する私の答えは、読者の一部からは不興を買うだろうが、医師のほうとなる。医療の世界では医師の処方権はほぼ絶対権力であり、医師の処方なくして患者が医療用医薬品を手にすることはできないからだ。インフルエンサーはそうした濫用のほう助に過ぎない立場である。もちろん今後のレセプト審査の厳格化を考慮すれば、今回の措置は一定の効果はあるかもしれないが、ここにもご存じ「レセプト病名」という裏技が使えてしまう。結局、OTCにも同一成分があるヒルドイドに限定して言えば、最大の濫用抑止策は今回のような先発品とGEの差額の一部自己負担や全額負担ではなく、原則“保険給付対象外”しかないだろう。「医療用医薬品内のOTC類似成分の保険給付対象外化」は古くて新しい“ボール”と言える。従来から財務省は再三再四にわたり、このボールを厚生労働省に投げてきたが、かつては「届かないのは承知でとりあえず投げる」ボールでもあった。酷評すれば、大根役者同士の予定調和とも言えるかもしれない。しかし、団塊の世代がすべて後期高齢者になる2025年問題を控え、今や社会保障制度の再構築は待ったなしの状態。だからこそ、「OTC類似成分の保険給付対象外化」というボールを医療従事者と国民が意を決して拾わなければならない時が間近に迫っているのではないだろうか。

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肺がん診療ガイドラインのトリセツ【DtoD ラヂオ ここが聞きたい!肺がん診療Up to Date】第5回

第5回:肺がん診療ガイドラインのトリセツパーソナリティ日本鋼管病院 呼吸器内科 部長 田中 希宇人 氏ゲスト藤田医科大学病院 呼吸器内科・アレルギー科 大矢 由子 氏参考1)日本肺学会 肺診療ガイドライン2023(オンライン版)関連サイト専門医が厳選した、肺がん論文・ニュース「Doctors'Picks」(医師限定サイト)講師紹介

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cirrhosis(肝硬変)【病名のルーツはどこから?英語で学ぶ医学用語】第4回

言葉の由来肝硬変は英語で“cirrhosis”で、「サロースィス」というような発音になります。語源は、ギリシャ語で「褐色がかった黄色」を意味する“kirrhos”と、「状況」を表す“-osis”という接尾辞を組み合わせた単語です。“cirrhosis”という単語は、フランスのルネ・ラエンネック医師が1819年に発表した論文中で初めて使用されました。病気の肝臓が「褐色がかった黄色」に見えることから、この名前が付けられたとされています。それ以前から肝硬変の病態は認識されており、英国の病理学者たちはその100年ほど前からほかの病名を使用していましたが、かの有名なウィリアム・オスラー医師が1900年代に出版した教科書、“The Principles and Practice of Medicine”で“cirrhosis”の呼称を用いたことから、広く使われるようになったとされています。ちなみにこのラエンネック医師は、皆さんが毎日使っている「あるもの」を発明したことで有名です。それはなんと、聴診器です。当時は患者の身体に直接耳を押し当てる「直接聴診法」が一般的でしたが、ラエンネック医師は子供たちが長い中空の棒を使って遊ぶ様子からインスピレーションを得て、木製の中空の円筒を作成しました。それを患者の胸に押し当てて聴診する「間接聴診法」を開発したのです。彼はその円筒を“stethoscope”(聴診器)と名付け、現代の聴診器の先駆けとなりました。この聴診器の発明に関する論文を1819年に発表したのですが、その論文の中の脚注で使用したのが“cirrhosis”という病名だったのです。興味深い歴史ですね。併せて覚えよう! 周辺単語黄疸Jaundice腹水Ascites腹水穿刺Paracentesis低アルブミン血症Hypoalbuminemia女性化乳房Gynecomastiaこの病気、英語で説明できますか?Cirrhosis is a condition in which a liver is scarred and permanently damaged. Scar tissue replaces healthy liver tissue and prevents a liver from functioning normally.講師紹介

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必携 消化器・一般外科医のための外科解剖アトラス

良い手術を行うために必要な外科解剖をエキスパートが解説「手術」78巻4号(2024年3月臨時増刊号)ある疾患の手術に必要な外科解剖を熟知することは、執刀医たる者の責務である。しかも、外科解剖の正しい理解は刻々と変化するため、外科医はその生涯にわたり知識更新の義務を負う。本臨時増刊号特集では、消化器・一般外科医が扱うことの多い5領域(食道・胃、肝胆膵、大腸、肛門疾患・直腸脱、鼠径部・腹壁瘢痕ヘルニア)について、最新の外科解剖・局所解剖を詳細に解説。初学者からベテランまで幅広く活用できる内容とした。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する目次を見るPDFで拡大する必携 消化器・一般外科医のための外科解剖アトラス定価8,860円(税込)判型B5判頁数368頁発行2024年3月企画石原 聡一郎ご購入(電子版)はこちらご購入(電子版)はこちら紙の書籍の購入はこちら医書.jpでの電子版の購入方法はこちら紙の書籍の購入はこちら

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うつ病の第2選択治療、機械学習で最適化できるか

 標準的な第1選択治療である抗うつ薬単剤療法で寛解を達成する患者は、うつ病患者の3分の1未満である。適切な第2選択治療を決定するためのプロセスは、多くの場合、臨床的直観に基づいており、長期にわたる試行錯誤を伴い、患者に多大な負担を与え、最適な治療機会の提供遅延につながる。この問題に対処するため、米国・マサチューセッツ総合病院のJoshua Curtiss氏らは、第2選択治療に応じた寛解の予測精度向上を目指し、アンサンブル機械学習アプローチを用いた検討を行った。Psychological Medicine誌オンライン版2024年3月27日号の報告。 データは、STAR*Dデータセットのレベル2ステージより抽出した。本データには、第1選択の抗うつ薬治療で寛解を達成できなかった患者に対し7つの異なる第2選択治療のいずれかにランダムに割り付けられた患者1,439例が含まれた。いくつかの個別のアルゴリズムで構成されるアンサンブル機械学習モデルは、臨床指標や人口統計学的指標を含む155の予測因子についてネストされた交差検証を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。・アンサンブル機械学習アルゴリズムは、7つの第2選択治療全体で寛解を予測する際、分類パフォーマンスの違いを示した。・予測因子のフルセットでは、第2選択治療タイプに応じて、AUC値は0.51~0.82の範囲であった。・寛解の予測は、認知行動療法で最も成功率が高く(AUC:0.82)、他の薬剤および併用療法が最も低かった(AUC:0.51~0.66)。 著者らは、「アンサンブル機械学習は、うつ病の第2選択治療の効果を予測する可能性がある。本研究では、予測性能は治療タイプにより異なり、薬物療法よりも行動療法のほうが寛解の予測精度が高かった。今後、第2選択治療による治療反応をより正確に予測するためにも、より有益な予測モダリティの検討が求められる」としている。

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アレクチニブによるALK陽性肺がん術後補助療法をFDAが承認/中外

 中外製薬は2024年4月19日、ALK阻害薬アレクチニブ(商品名:アレセンサ)について、ALK陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対する腫瘍切除後の補助療法として、FDAより承認を取得したと発表。 今回の承認は、完全切除ALK陽性NSCLCの術後補助療法を対象とした国際第III相臨床試験であるALINA試験の成績に基づいている。 同試験では、完全切除したStageIB(腫瘍径4cm以上)~IIIA期(UICC/AJCC 第7版)のALK陽性NSCLCにおいて、アレクチニブはプラチナベース化学療法と比較して、再発または死亡のリスクを76%低下させることを示した(ハザード比[HR]:0.24、95%信頼区間[CI]:0.13~0.43、p<0.001)。探索的解析である中枢神経系(CNS)の無病生存期間についても、アレクチニブはプラチナベース化学療法と比較して、再発または死亡のリスクを78%低下させた(HR:0.22、95%CI:0.08~0.58)。アレクチニブの安全性および忍容性は過去の試験と同様であり、予期せぬ所見は認められなかった。 これらのデータは、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2023)のLate Breaking oral演題として講演発表され、New England Journal of Medicine誌にも掲載された。

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若年乳がんサバイバーにおける2次原発性乳がんのリスク因子/JAMA Oncol

 40歳以下の原発性乳がんの女性は、それ以降に発症した女性よりも2次原発性乳がんのリスクが高いことが、過去のデータから示唆されている。今回、米国・Harvard T. H. Chan School of Public HealthのKristen D. Brantley氏らが、片側乳房切除術または乳房温存術を受けた40歳以下の乳がん患者を対象に検討したところ、生殖細胞系列遺伝子に病的変異がない女性では2次原発性乳がんの10年発症リスクが約2%であったのに対し、病的変異がある女性では約9%と高かったことが示された。JAMA Oncology誌オンライン版2024年4月11日号に掲載。 前向きコホート研究のYoung Women's Breast Cancer Studyには、2006年8月~2015年6月にStage0~III乳がんと診断された40歳以下の女性1,297例が登録された。そのうち、片側乳房切除術または乳房温存術を受けた685例(初回診断時の平均年齢:36歳)について、2次原発性乳がんの累積発症率とそのリスク因子を検討した。人口統計学的データ、遺伝子検査データ、治療データ、転帰データは、患者調査および診療記録から収集した。主要評価項目は 2次原発性乳がんの5年および10年累積発症率だった。 主な結果は以下のとおり。・追跡期間中央値10.0年(四分位範囲:7.4~12.1)で17例(2.5%)が2次原発性乳がんを発症した。うち2例は乳房温存術後に同側乳房で発症した。・原発性乳がんの診断から2次原発性乳がん発症までの期間の中央値は4.2年(四分位範囲:3.3~5.6)であった。・遺伝子検査を受けた577例において、2次原発性乳がんの10年発症リスクは、生殖細胞系列遺伝子に病的変異のない女性では2.2%、病的変異がある女性では8.9%であった。・多変量解析では、2次原発性乳がん発症リスクは病的変異がある患者はない患者に比べて高く(部分分布ハザード比[sHR]:5.27、95%信頼区間[CI]:1.43~19.43)、初発乳がんが非浸潤性乳がんの場合は浸潤性乳がんに比べて高かった(sHR:5.61、95%CI:1.52~20.70)。 本研究の結果、生殖細胞系列遺伝子の病的変異のない若年乳がん患者は、診断後最初の10年間に2次原発性乳がんの発症リスクが低いことが示唆された。著者らは「若年乳がん患者において、生殖細胞系列遺伝子検査で2次原発性乳がん発症リスクが予測され、治療の意思決定やフォローアップケアに役立てるために重要であることを示している」としている。

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狭小弁輪を伴う大動脈弁狭窄症へのTAVR、自己拡張型弁vs.バルーン拡張型弁/NEJM

 狭小弁輪を伴う重症大動脈弁狭窄症患者において、バルーン拡張型弁を使用した経カテーテル大動脈弁置換術(TAVR)に対する自己拡張型弁を使用したTAVRの12ヵ月時点の臨床アウトカムに関する非劣性、および生体弁機能不全に関する優越性が検証された。米国・ペンシルベニア大学のHoward C. Herrmann氏らSMART Trial Investigatorsが、13ヵ国83施設で実施した無作為化試験「SMall Annuli Randomized To Evolut or SAPIEN Trial:SMART試験」の結果を報告した。狭小弁輪を伴う重症大動脈弁狭窄症患者は、TAVR後に弁の血行動態が低下し、心血管系臨床アウトカムが不良となるリスクが報告されていた。NEJM誌オンライン版2024年4月7日号掲載の報告。2つの主要複合エンドポイントを評価 研究グループは、症候性重症大動脈弁狭窄症で大動脈弁輪面積が430mm2以下の患者を、自己拡張型弁(Evolut PRO/PRO+/FX、Medtronic製)を用いるTAVR群、またはバルーン拡張型弁(SAPIEN 3/3 Ultra、Edwards Lifesciences製)を用いるTAVR群に、1対1の割合で無作為に割り付け、5年間追跡した。 主要エンドポイントは、12ヵ月時の死亡、後遺障害を伴う脳卒中または心不全による再入院の複合(非劣性を評価、非劣性マージン8%)、ならびに12ヵ月時の生体弁機能不全(大動脈弁平均圧較差20mmHg以上、重症prosthesis-patient mismatch[PPM]または中等症以上の大動脈弁逆流症、臨床的弁血栓症、心内膜炎、大動脈弁の再インターベンション)を測定する複合エンドポイント(優越性を評価、片側α=0.025)とした。 2021年4月~2022年9月に737例が無作為化され、このうち716例がTAVRを受け(as-treated集団)、解析対象集団に組み込まれた。患者背景は、平均年齢80歳、女性が87%、米国胸部外科医学会予測死亡リスク(STS-PROM)スコアの平均値は3.3%であった。自己拡張型弁のバルーン拡張型弁に対する非劣性および優越性を検証 第1の主要エンドポイントである12ヵ月時の死亡、後遺障害を伴う脳卒中または心不全による再入院の複合イベントの発生率(Kaplan-Meier推定値)は、自己拡張型弁群9.4%、バルーン拡張型弁群10.6%であった(群間差:-1.2%、90%信頼区間[CI]:-4.9~2.5、非劣性のp<0.001)。 第2の主要エンドポイントである12ヵ月時の生体弁機能不全の発生率(Kaplan-Meier推定値)は、自己拡張型弁群9.4%、バルーン拡張型弁群41.6%であった(群間差:-32.2%、95%CI:-38.7~-25.6、優越性のp<0.001)。 副次エンドポイントについては、12ヵ月時の大動脈弁平均圧較差が自己拡張型弁群で7.7mmHg、バルーン拡張型弁群で15.7mmHg、平均有効弁口面積がそれぞれ1.99cm2および1.50cm2、血行動態的構造的弁機能不全の発生率が3.5%および32.8%、女性における生体弁機能不全の発生率は10.2%および43.3%であった(すべてp<0.001)。また、30日時点の中等度または重症PPMは、自己拡張型弁群で11.2%、バルーン拡張型弁群で35.3%に認められた(p<0.001)。 主な安全性エンドポイントは、両群で類似していた。

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