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第194回 能登半島地震、被災地の医療現場でこれから起こること、求められることとは~東日本大震災の取材経験から~

木造家屋の倒壊の多く死因は圧死や窒息死こんにちは。医療ジャーナリストの萬田 桃です。医師や医療機関に起こった、あるいは医師や医療機関が起こした事件や、医療現場のフシギな出来事などについて、あれやこれや書いていきたいと思います。元日に起きた、最大震度7を観測した能登半島地震から9日が経過しました。最も被害が大きかった石川県では、1月9日現在、死者202人、負傷者565人、安否不明者102人と発表されています。1月8日現在の避難者数は2万8,160人とのことです。テレビや新聞などの報道をみていると、木造家屋の倒壊の多いことがわかります。その結果、死因は圧死や窒息死が大半を占めているようです。道路の寸断などによって孤立している集落がまだ数多く、避難所の中にも停電や断水が続いているところもあります。さらには、避難所が満員で入所できない人も多いようです(NHKニュースではビニールハウスに避難している人の姿を伝えていました)。本格的な冬が訪れる前に、被災した方々が、まずは一刻でも早く、ライフラインや食料が整った避難所やみなし避難所(宿泊施設等)への避難できることを願っています。東日本大震災との大きな違い1995年に起きた阪神・淡路大震災では、約80%が建物倒壊による圧死や窒息死でした。このときの教訓をもとに組織されたのがDMATです。しかし、2011年に起きた東日本大震災では津波の被害が甚大で、死亡者の8〜9割が溺死でした。震災直後、私は被災地の医療提供体制を取材するため宮城県の気仙沼市や石巻市に入りましたが、阪神・淡路と同じような状況を想定して現地入りしたDMATの医師たちが、「数多くの溺死者の前でなすすべもなかった」と話していたのを覚えています。今回の地震は、津波の被害より建物倒壊の被害が圧倒的に多く、その意味で震災直後のDMATなどの医療支援チームのニーズは大きいと考えられます。ただ、道路の寸断などで、物資や医療の支援が行き届くまでに相当な時間が掛かりそうなのが気掛かりです。これから重要となってくるのは“急性期”後、“慢性期”の医療支援震災医療は、ともすれば被災直後のDMATなどによる“急性期”の医療支援に注目が集まりますが、むしろ重要となってくるのは、その後に続く、“慢性期”の医療支援だということは、今では日本における震災医療の常識となっています。外傷や低体温症といった直接被害に対する医療提供に加え、避難所等での感染症(呼吸器、消化器)や血栓塞栓症などにも気を付けていかなければなりません。その後、数週間、数ヵ月と経過するにつれて、ストレスによる不眠や交感神経の緊張等が高血圧や血栓傾向の亢進につながり、高血圧関連の循環器疾患(脳梗塞、心筋梗塞、大動脈解離、心不全など)が増えてくるとされています。そのほか、消化性潰瘍や消化管穿孔、肺炎も震災直後に増えるとのデータもあります。DMAT後の医療支援は、東日本大震災の時のように、日本医師会(JMAT)、各病院団体や、日本プライマリ・ケア連合学会などの学会関連団体が組織する医療支援チームなどが担っていくことになると思われますが、過去の大震災時と同様、単発的ではなく、長く継続的な医療支援が必要となるでしょう。ちなみに厚生労働省調べでは、1月8日現在、石川県で活動する主な医療支援チームはDMAT195隊、JMAT8隊、AMAT(全日本病院医療支援班)9隊、DPAT(災害派遣精神医療チーム)14隊とのことです。避難所や自宅で暮らす高齢者に対する在宅医療のニーズが高まる医療・保健面では、高血圧や糖尿病、その他のさまざまな慢性疾患を抱えて避難所や地域で暮らす多くの高齢者の医療や健康管理を今後どう行っていくかが大きな課題となります。そして、避難所や自宅で暮らす住民に対する在宅医療の提供も必要になってきます。東日本大震災では、病院や介護施設への入院・入所を中心としてきたそれまでの医療提供体制の問題点が浮き彫りになりました。震災被害によって被災者が病院・診療所に通えなくなり、在宅医療のニーズが急拡大したのです。この時、気仙沼市では、JMATの医療支援チームとして入っていた医師を中心に気仙沼巡回療養支援隊が組織され、突発的な在宅医療のニーズに対応。その支援は約半年間続き、その時にできた在宅医療の体制が地域に普及・定着していきました。奥能登はそもそも医療機関のリソースが少なかった上に、道路が寸断されてしまったこと、地域の高齢化率が50%近いという状況から、地域住民の医療機関への「通院」は東日本大震災の時と同様、相当困難になるのではないでしょうか。東日本大震災が起こった時、気仙沼市の高齢化率は30%でした。今回、被害が大きかった奥能登の市町村の高齢化率は45%を超えています(珠洲市50%、輪島市46% 、いずれも2020年)。「気仙沼は日本の10年先の姿だ」と当時は思ったのですが、奥能登は20年、30年先の日本の姿と言えるかもしれません。テレビ報道を見ていても、本当に高齢者ばかりなのが気になります。東日本大震災では、被災直後からさまざまな活動に取り組み始めた若者たちがいたのが印象的でした。しかし、これまでの報道を見る限り、被災者たちは多くが高齢で“受け身”です。東日本大震災や熊本地震のときよりも、個々の被災者に対する支援の度合いは大きなものにならざるを得ないでしょう。プライマリ・ケア、医療と介護をシームレスにつなぐ「かかりつけ医」機能、多職種による医療・介護の連携これからの医療提供で求められるのは、プライマリ・ケアの診療技術であり、医療と介護をシームレスにつなぐ「かかりつけ医」機能、そしてさまざまな多職種による医療・介護の連携ということになるでしょう。東日本大震災、熊本地震、そして新型コロナウイルス感染症によるパンデミックで日本の医療関係者たちは多くのことを学んできたはずです。日本医師会をはじめとする医療関係団体の真の“力”が試される時だと言えます。ところで、被災した市町村の一つである七尾市には、私も幾度か取材したことがある、社会医療法人財団董仙会・恵寿総合病院(426床)があります。同病院は関連法人が運営する約30の施設と共に医療・介護・福祉の複合体、けいじゅヘルスケアシステムを構築し、シームレスなサービスを展開してきました。同病院も大きな被害を被ったとの報道がありますが、これまで構築してきたけいじゅヘルスケアシステムという社会インフラは、これからの被災地医療の“核”ともなり得るでしょう。頑張ってほしいと思います。耐震化率の低さは政治家や行政による不作為にも責任それにしても、なぜあれほど多くの木造住宅が倒壊してしまったのでしょうか。1月6日付の日本経済新聞は、その原因は奥能登地方の住宅の低い耐震化率にある、と書いています。全国では9割近くの住宅が耐震化しているのに対して、たとえば珠洲市では2018年末時点で基準をクリアしたのは51%に留まっていたそうです。ちなみに輪島市は2022年度末時点で46%でした。耐震化は都市部で進んでいる一方、過疎地では大きく遅れているのです。その耐震基準ですが、建築基準法改正で「震度5強程度で損壊しない」から「震度6強〜7でも倒壊しない」に引き上げられたのは1981年、実に40年以上も前のことです。きっかけは1978年の宮城県沖地震(当時の基準で震度は5、約7,500棟の建物が全半壊)でした。仙台で学生生活を送っていた私は、市内で地震に遭遇、ブロック塀があちこち倒れまくった住宅街の道路を自転車で下宿まで帰ってきた記憶があります。各地域(家の建て替えがないなど)や個人の事情はあるとは思いますが、法改正後40年経っても耐震化が進んでおらず、被害が大きくなってしまった理由として、政治家(石川県選出の国会議員)や行政による不作為もあるのではないでしょうか。もう引退しましたが、あの大物政治家は石川県にいったい何の貢献をしてきたのでしょうか。お金をかけてオリンピックを開催しても、過疎地の住民の命は守れません。いずれにせよ、全国各地の過疎地の住宅の耐震化をしっかり進めておかないと、また同じような震災被害が起こります。政府にはそのあたりの検証もしっかりと行ってもらいたいと思います。

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乾癬への生物学的製剤、逆説的反応リスクは?

 生物学的製剤による治療を受けた乾癬患者が湿疹を発症する逆説的反応のリスクは、IL-23阻害薬を投与された患者で最も低かった。リスク上昇と関連する因子は、年齢上昇、女性、アトピー性皮膚炎の既往、花粉症の既往であった。全体的には逆説的反応の発生率は低かった。英国・マンチェスター大学のAli Al-Janabi氏らが前向きコホート試験の結果を報告した。生物学的製剤を用いた尋常性乾癬患者の一部で、アトピー性皮膚炎の表現型の1つである湿疹を発症することが報告されている。しかし、そのリスク因子は不明であった。今回の検討結果を踏まえて著者は、「さらなる試験を行い、今回得られた結果を再現する必要がある」とまとめている。JAMA Dermatology誌オンライン版2023年12月6日号掲載の報告。 研究グループは、生物学的製剤のクラス別の逆説的反応のリスク、リスク上昇と関連する因子を検討する前向きコホート研究を行った。 対象患者は、英国およびアイルランドの皮膚科を受診し、生物学的製剤による治療を受けた18歳以上の成人の尋常性乾癬患者で、データはBritish Association of Dermatologists Biologics and Immunomodulators Registerから入手した。2007年9月~2022年12月に少なくとも1回以上のフォローアップ受診のある患者を適格とした。 逆説的反応による湿疹の発症、治療中断、最終フォローアップまたは死亡までの生物学的製剤への曝露期間を調査。生物学的製剤はTNF阻害薬(アダリムマブ、セルトリズマブ ペゴル、エタネルセプト、インフリキシマブ)、IL-17阻害薬(ビメキズマブ、ブロダルマブ、イキセキズマブ、セクキヌマブ)、IL-12/23阻害薬(ウステキヌマブ)、IL-23阻害薬(グセルクマブ、リサンキズマブ、チルドラキズマブ)を対象とした。逆説的反応の発生率、生物学的製剤のクラス別にみた逆説的反応のリスク、逆説的反応のリスク因子を、傾向スコア加重Cox比例ハザード回帰モデルを用いて検討した。 主な結果は以下のとおり。・1万3,699例が2万4,997件の生物学的製剤による治療を受けた。・2万4,997件の解析対象の年齢中央値は46歳(四分位範囲:36~55)、男性が57%、総曝露期間は8万1,441患者年であった。・逆説的反応の発生は、273件(1%)であった。・10万人年当たりの補正後発生率は、IL-17阻害薬1.22、TNF阻害薬0.94、IL-12/23阻害薬0.80、IL-23阻害薬0.56であった。・TNF阻害薬との比較において、IL-23阻害薬は逆説的反応のリスクが低かった(ハザード比[HR]:0.39、95%信頼区間[CI]:0.19~0.81)。一方、IL-17阻害薬(同:1.03、0.74~1.42)、IL-12/23阻害薬(同:0.87、0.66~1.16)では逆説的反応との関連はみられなかった。・年齢上昇(HR:1.02、95%CI:1.01~1.03)、アトピー性皮膚炎の既往(同:12.40、6.97~22.06)花粉症の既往(同:3.78、1.49~9.53)は、逆説的反応のリスクを上昇させた。男性はリスクが低かった(同:0.60、0.45~0.78)。

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境界性パーソナリティ障害に合併する精神および身体疾患

 境界性パーソナリティ障害(BPD)とその併存疾患に関する情報は、BPDの診断数が少ないため、限られている。南デンマーク大学のL. H. Hastrup氏らは、初めてBPDと診断された患者における診断前後3年間の精神的および身体的併存疾患を調査し、対照群との比較を行った。その結果、BPD患者は、さまざまな身体的および精神的疾患を併発する可能性が高いことを報告した。Acta Psychiatrica Scandinavica誌オンライン版2023年12月10日号の報告。 2002~16年にBPDを発症した患者2,756例とマッチさせた対照群1万1,024例を対象に、登録ベースのコホート研究を実施した。併存疾患に関するデータは、世界保健機構(WHO)のICD-10基準に従い、主要な疾患グループに分類した。 主な結果は以下のとおり。・BPD患者の約半数は、診断前に精神疾患および行動障害と診断されていたが、対照群では3%のみであった。・負傷、自傷行為、中毒などの外的要因による疾患併発は、対照群と比較し、診断前のBPD患者でより多く認められた。・BPD患者では、循環器系、呼吸器系、消化器系、筋骨格系、泌尿生殖器系の疾患を合併する割合が高かった。・診断後では、BPD患者のすべての疾患グループにおいて、併存疾患を有する患者の割合の有意な増加が認められた。・精神的および行動的疾患は、BPD患者87%、対照群3%で認められ、神経疾患は、BPD患者15%、対照群4%に認められた。・BPD患者は、体細胞性疾患、とくに消化器系、呼吸器系、循環器系、内分泌系の疾患を併発する可能性が高かった。・12年間の死亡率は、対照群よりもBPD患者で統計学的に有意に高かった。

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顎関節症による慢性疼痛に有効な介入とは/BMJ

 顎関節症(TMD)に伴う慢性疼痛の管理では、エビデンスの確実性が「中」または「高」の臨床試験に限定すると、バイオフィードバック療法またはリラクゼーション療法で補強した認知行動療法(CBT)や、顎関節のモビライゼーションなどの、対処を促す介入や、顎関節の可動を促進する介入が最も効果的であることが、中国・蘭州大学のLiang Yao氏らの検討で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年12月15日号に掲載された。介入的RCT論文のネットワークメタ解析 研究グループは、顎関節症に伴う慢性疼痛に対する種々の治療法の有効性を比較検討する目的で、無作為化臨床試験(RCT)の系統的レビューとネットワークメタ解析を行った(Chronic Pain Centre of Excellence for Canadian Veteransの助成を受けた)。 2021年5月までに医学関連データベース(MEDLINE、EMBASE、CINAHL、CENTRAL、SCOPUS)に登録された文献を検索し、2023年1月にも再検索を行った。対象は、顎関節症に伴う慢性疼痛を呈する患者を登録した介入的RCTの論文とした。 レビューでは、疼痛緩和、身体機能、情緒機能、役割機能、社会的機能、睡眠の質、有害事象など、患者にとって重要なアウトカムをすべて把握した。GRADEアプローチを用いて、エビデンスの確実性を評価し、有益性が最も高い介入から最も低い介入に分類した。疼痛緩和には8つの介入が有効 233件のRCTをレビューの対象とし、このうち153件(8,713例、59の介入または介入の組み合わせ)をネットワークメタ解析に含めた。以下は、プラセボまたはシャム(偽治療)との比較で有効性を評価したRCTに関する解析結果である。 疼痛に対しては、8つの介入が、「中」または「高」の確実性のエビデンスに基づきその有効性が支持された。 疼痛緩和に関して、最も有効な治療は次の3つと考えられた。(1)バイオフィードバック療法またはリラクゼーション療法で補強したCBT(1~10cmの視覚アナログ尺度で、疼痛緩和における意義のある最小差[MID]を達成するためのリスク差[RD]:36%[95%信頼区間[CI]:33~39])、(2)セラピストの支援による顎関節のモビライゼーション(RD:36%[31~40])、(3)徒手的トリガーポイント療法(RD:32%[29~34])。 次の5つの介入はRDが23~30%の範囲であり、上記の治療法に比べ有効性は劣るが、プラセボと比較して高い効果を示した。(1)CBT、(2)監視下姿勢訓練、(3)監視下開口訓練とストレッチング、(4)監視下開口訓練とストレッチングと徒手的トリガーポイント療法、(5)通常ケア(自宅での訓練、自己ストレッチング、恐怖/不安の緩和[reassurance]など)。身体機能の改善には4つの介入が有効 身体機能については、確実性が「中」のエビデンスに基づき、次の4つの介入の改善効果を確認した。(1)監視下開口訓練とストレッチング(SF-36の身体機能の要約スコアにおけるMIDの5点達成のRD:43%[95%CI:33~51])、(2)マニピュレーション(RD:43%[25~56])、(3)鍼治療(RD:42%[33~50])、(4)監視下開口訓練と顎関節のモビライゼーション(RD:36%[19~51])。 これら以外の介入による疼痛緩和、身体機能の改善に関するエビデンス、および有害事象に関するエビデンスはすべて、確実性が「低」または「非常に低」であった。 著者は、「BMJ Rapid Recommendationでは、エビデンスに基づくガイダンスが示されている」としている。

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MRI検査室への強磁性体の持ち込み、いかに危険か/BMJ

 硬貨やカトラリー、ビスケット缶などの医療現場で一般的にみられる物品が、意図せずに磁気共鳴画像診断装置(MRI)のある部屋に持ち込まれた場合、重大な人体組織損傷や骨折といった危害が生じる可能性があり、患者および医療従事者はMRI環境への強磁性体の持ち込みに伴う危険性を十分に認識する必要があることが、シンガポール・国立大学病院(NUH)のShao J. Ong氏らが実施した「CHRISTMAS研究」で示された。研究の成果は、BMJ誌2023年12月21日号クリスマス特集号「MARGINAL GAINS」で報告された。3T MRIスキャナーで、12種の物品の人体組織貫通をシミュレート CHRISTMAS研究は、3テスラ(T)のMRIスキャナーの磁場における、医療現場で一般的にみられる物品の挙動と、スキャナーへ向かって引き寄せられる力および人体組織貫通の可能性の調査を目的とする前向きin situ実証研究である(特定の研究助成は受けていない)。 臨床用の3T MRIスキャナー(Siemens Magnetron Skylar Tim Dot system、12年3ヵ月使用)を用い、病院内やMRI検査室付近で一般的にみられ、患者や医療従事者が所持している可能性のある12種の物品について、弾道ゲルを使用した人体組織貫通のシミュレーションを行った。ビスケット缶で骨折の可能性も SANTA(ニュートン力学が適用され加速度が生じる位置)の測定値には、20ペンス、50ペンス、2ポンド硬貨の0cmから、ナイフおよびビスケット缶の152~161cmまでの幅を認めた。また、1ペニー、2ペンス、5ペンス、10ペンス硬貨は、ガントリーの入り口から100cmを超える距離で、スキャナーのボアに向かって自己推進し加速した。 弾道ゲル(模擬人体組織)を貫通したのは5つの物品のみだった。貫通深度は、ナイフ(5.5cm)が最も深く、次いでティースプーン(5.0cm)、フォーク(4.0cm)、スプーン(3.5cm)、10ペンス硬貨(0.5cm)の順であった。ビスケット缶は模擬人体組織を貫通しなかったが、骨折を引き起こす可能性がある大きな衝撃を与えた。実験後に画質の低下は認めず スマートフォン、デジタル体温計、金属を含むクレジットカード、ペン型トーチは、MRIスキャナーに数回通した後も完全に機能した。実験後に、MRIスキャナーの画質に明らかな低下はみられなかった。 著者は、「これまでにも、強磁性体が意図せずにMRI検査室内に持ち込まれ、患者がけがを負ったり、機器が損傷したり、さらには死亡した例もあることを明記すべきだ。本研究では、カトラリーや10ペンス硬貨でさえ、人体組織に大きな損傷を与える可能性があり、小さなビスケット缶は骨を折る可能性があることが示された」とまとめ、「MRIチームへのクリスマスや季節の贈り物は、プラスチック製の容器に入ったお菓子か、紙製の箱に入ったクリスマス用のパンドーロやパネトーネに限定することを提案する」としている。

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その症状、本当に胸焼け?

患者さん、その症状はディスペプシア ですよ!ディスペプシアとは「心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とした腹部症状」で、以下のような症状を伴います。□腹痛または不快感□食後の胃もたれ□腹部膨満感□暖気、ゲップ□早期飽満感、早期満腹感 □食欲不振□悪心□嘔吐□胸やけ□呑酸(どんさん)、逆流感◆単なる“胸やけ”とは違う!ディスペプシア・上記の症状が4週間以上続きます・50歳以上で「体重減少」「黒色の便が出る」などの症状がある場合、胃がんの可能性も。その場合は胃カメラ(胃内視鏡検査)が必要です・胸やけは逆流性食道炎の症状です。ディスペプシアとは異なります出典:日本消化器病学会ガイドライン:機能性ディスペプシア(FD)監修:福島県立医科大学 会津医療センター 総合内科 山中 克郎氏Copyright © 2021 CareNet,Inc. All rights reserved.

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65歳未満の成人に対する遺伝子組み換えインフルエンザワクチンの有効性(解説:小金丸博氏)

 65歳未満の成人に対する遺伝子組み換えインフルエンザワクチンの有効性を鶏卵由来の従来ワクチンと比較したクラスターランダム化比較試験の結果が、NEJM誌2023年12月14日号に報告された。研究対象集団には18歳から64歳までのワクチン接種者163万328例が含まれた(組み換えワクチン群63万2,962例、従来ワクチン群99万7,366例)。研究期間中に組み換えワクチン群で1,386例、従来ワクチン群で2,435例のインフルエンザがPCR検査で診断された。50~64歳の参加者では、従来ワクチン群では925例(1,000例当たり2.34例)がインフルエンザと診断されたのに対し、組み換えワクチン群では559例(1,000例当たり2.00例)がインフルエンザと診断された(相対的なワクチン有効性15.3%、95%信頼区間:5.9~23.8、p=0.002)。組み換えワクチンは従来ワクチンと比べて、インフルエンザ関連の入院に対する予防効果は有意に高くはなかった。 50~64歳の成人において、遺伝子組み換えインフルエンザワクチンは鶏卵由来の従来ワクチンと比較して感染予防効果が有意に高いことが示された。従来ワクチンと比べて相対リスクで15.3%低下させたという結果は、従来ワクチンの感染予防効果がおおむね40~60%程度ということを考えると、上乗せ効果として決して低い数字ではないと考える。インフルエンザ関連の入院や市中肺炎による入院を有意に減少させる効果は示されなかったが、どちらも16%程度の相対的な有効性を認めた。試験対象者の入院率が決して高くない年齢層であることを考えると、一定の効果を示したと思われる。 遺伝子組み換えインフルエンザワクチンの特徴として、従来の鶏卵由来のインフルエンザワクチンの3倍量のヘマグルチニン蛋白を含んでいることが挙げられる。過去の研究では、高齢者において高用量のインフルエンザワクチンのほうが標準用量のワクチンと比べて感染予防効果が高いことが示されており、今回、65歳未満の成人を対象とした本研究でも有効性が示された。ワクチンに含まれる抗原量が増えることで、免疫原性が高まると考えられている。 また、遺伝子組み換えワクチンでは鶏卵由来のワクチンの製造中に生じる抗原変異(antigenic drift)の影響を受けないことも特徴の1つである。本研究で遺伝子組み換えワクチンの有効性が鶏卵由来のワクチンより改善した理由についてはよくわからないが、この点も寄与した可能性は考えられる。 本研究のLimitationとして、2シーズンに限定された試験であること、インフルエンザの診断にPCR検査のみを用いたこと、入院や死亡など65歳未満の成人では頻度の低い転帰を検討するには検出パワーが限られていたことなどが挙げられる。これらの点が本研究結果の一般化を制限する可能性がある。 遺伝子組み換えインフルエンザワクチンは本邦ではまだ認可されていないタイプのワクチンであり、今後の国内導入に向けて話が進むかどうか注目したい。

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先発品と後発品の差額の一部が自己負担に?10月から【早耳うさこの薬局がざわつくニュース】第124回

厚生労働省は2023年12月の社会保障審議会医療保険部会などで、後発医薬品のある先発医薬品(いわゆる長期収載品)について、後発医薬品との差額の一部を自己負担化するという本格的な議論を始めました。これで自己負担額の増大が決定的になりそうです。ジェネリック(後発医薬品)がある特許切れの先発医薬品について、厚生労働省は来年10月から患者の負担額を増やす方向で最終調整に入った。後発薬との差額の25%を保険適用の対象外とし、自己負担化する。医療上の必要がある人を除き、先発薬からより安価な後発薬への移行を促進して医療費の抑制を図る。(中略)保険対象外となった部分は、入院時の差額ベッド代のように、自己負担を求められる「選定療養」扱いとなる。(2023年12月20日付 朝日新聞デジタル)これまでも、患者さんの希望で長期収載品を受け取る場合に、後発医薬品との差額の一部を保険外の「選定療養」とすることが議論されていました。「選定療養」とは、社会保険に加入している患者さんが、追加費用を自身で負担することで保険適用外の治療を、保険適用の治療と併せて受けることができる医療サービスのことです。選定療養扱いになると、1割や3割といった負担割合ではなく、その一部が保険外の扱いになって自己負担が増えます。詳細については年明けから中医協で議論がされるようです。現時点では、今回の制度の対象は、後発医薬品の上市後5年以上経過したもの、または後発医薬品の置換率が50%以上となったものが対象で、後発医薬品の最高価格帯との価格差の4分の3までが保険給付の対象となるようです。ということは、価格差の4分の1については、1割負担の患者さんも3割負担の患者さんも同額の負担増になります。0割負担の患者さんでも同額の自己負担が発生します。いつも負担割合が少なく、先発医薬品を好んで使用する患者さんではなかなかの混乱が生じる可能性がありますね。今後の詳細な議論を見守っていく必要があります。後発医薬品の使用は約20年間も国の施策として後押しされてきたので、今回の長期収載品の選定療養扱いの開始は個人的には医療費抑制政策として正しい方向かなと思います。しかし、このコラムでも再三お伝えしているように、後発医薬品不足は深刻な状況です。今回の変更で、先発医薬品を好んで使用していた患者さんの一定数は後発医薬品に変更すると思われます。負担額の増額に医薬品自体の品薄で混乱は必至でしょう。なにもこのタイミングでなくてもよいのでは…と思ってしまいます。通常、制度の変更はおおむね4月からのスタートが多いですが、長期収載品の選定療養扱いは10月スタートを見越しています。今年は薬価改定が4月1日、診療報酬改定が6月1日に施行されますので、それに長期収載品の選定療養扱いが10月1日に施行されるとなると、なんとなく慌ただしい1年となることが予想されますね…。詳細が決まり次第、ふわっとした話でもいいのできちんと国民に向けて説明をしてほしいなと思います。

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1月9日 風邪の日【今日は何の日?】

【1月9日 風邪の日】〔由来〕寛政7(1795)年の旧暦の今日、第4代横綱で63連勝の記録を持つ谷風 梶之助が風邪で亡くなったことに由来して制定。インフルエンザや風邪が流行する季節でもあることから、医療機関や教育機関で風邪などへの予防啓発で周知されている。関連コンテンツ手洗いの具体的な効果【患者説明用スライド】熱があるときの症状チェック【患者説明用スライド】鎮咳薬・去痰薬不足、医師が知っておきたい“患者対応Q&A”【バズった金曜日】英語で「ゼーゼーする」は?【1分★医療英語】

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英語で「そうは言いましたが」は?【1分★医療英語】第112回

第112回 英語で「そうは言いましたが」は?《例文1》That said, …(そうは言いましたが…)《例文2》Having said that, …(そうは言いましたが…)《解説》“with that being said”は超頻用の口語的な接続語です。何かを述べた直後に反対のことを言う際に、前置きとして使用します。直訳すると「そうは言いましたが…」となり、そのとおりの意味で和文でも意味が通じるので、比較的覚えやすい表現かと思います。類語としては、“however”や“nonetheless”があり、論文などのフォーマルな文章では、これらのほうが好ましいでしょう。ただし、口語表現においては、学会発表などのフォーマルな場であっても、“with that being said”は問題なく使用できます。また、一言だけの“however”と比べて少し間を取るため、話しやすく、また聞きやすくなることが多い印象です。少し省略して、“that being said”もしくは単に“that said”という表現もよく使われており、これもまったく同じ意味になります。“having said that~”も同じ意味になりますがこちらは能動態で使用します。講師紹介

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第196回 コロナ後遺症の原因と思しきミトコンドリア異常を同定

コロナ後遺症の原因と思しきミトコンドリア異常を同定新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患後症状(long COVID)の1つである疲労の根本原因と思しきミトコンドリア機能低下が被験者46例の試験で示唆されました1)。試験にはlong COVID患者25例と新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に感染したものの完全に回復した21例(回復例)が参加しました。心身を急に働かせた後の疲労や痛みの悪化はlong COVIDを特徴づける症状の1つである労作後倦怠感(post-exertional malaise:PEM)と関連します。試験ではPEMを誘発する15分間の自転車こぎ運動を被験者にあえて課しました。long COVID患者は自転車こぎの後に症状の悪化を呈し、筋肉組織を調べたところミトコンドリア異常が認められました。long COVID患者のミトコンドリアは回復例に比べて働きが悪く、エネルギー生成が劣りました。一方、long COVID患者の心臓や肺の機能に異常はなく、それらの異常によって長患いが生じているわけではなさそうです。また、SARS-CoV-2が居続けることがlong COVIDの原因の1つと想定されていますが、今回の研究で調べた筋肉組織にSARS-CoV-2のはびこりは見られませんでした。SARS-CoV-2に特有のヌクレオカプシドタンパク質の筋肉組織での検出はlong COVID患者と回復例で似たり寄ったりで、SARS-CoV-2残存もlong COVIDのPEMの発現や運動能力の原因ではなさそうです。ということはSARS-CoV-2残存以外の何かがlong COVID患者のミトコンドリア異常に寄与しているようであり、そのような異常をもたらす分子経路を今後調べる必要があります。long COVID患者のミトコンドリア異常はほかの研究でも示されています。昨年9月に報告されたlong COVID患者11例の検討結果では今回の報告と同様にミトコンドリア機能の指標の低下が認められました2)。また、ミトコンドリアの量や新生の指標の低下も観察されています。今回の試験の被験者は少なく、別の集団でも同じ結果になるかどうかを調べる必要があります。とはいえlong COVID患者の疲労はれっきとした生理的要因に基づくことはどうやら確からしく、生理作用に基づく適切な治療の研究がいまや可能になったと今回の研究の著者は言っています3)。long COVID患者の運動は許容範囲に抑えるべき自転車こぎ運動をしたlong COVID被験者が疲労の悪化や認知症状などのPEM症状を被ったことが示すように、long COVID患者の運動は有益とは限りません。ウォーキングなどで体調を維持することは好ましいですが、運動のしすぎで病状の悪化を招いては元も子もありません。そうならないように患者は許容範囲の運動量を各自あらかじめ設定し、病状を悪化させない程度の軽い運動を心がけるとよいようです3)。参考1)Appelman B, et al. Nat Commun. 2024;15:17. [Epub ahead of print]2)Colosio M, et al. J Appl Physiol(1985). 2023;135:902-917. 3)Tiredness experienced by Long-COVID patients has a physical cause / Eurekalert

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臨床実習で指導医が求めていることとは【医学生お悩み相談ラヂオ】第24回

動画解説今回は医学部5年の女性から、ベテラン指導医に求められる「カンファレンスでの1回以上の質問」に対して、どのようなことを発言するべきか悩んでいるとのこと。この課題の真意、さらにはメリットを民谷先生に解説いただきます。

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サイアザイド系利尿薬による低ナトリウム血症、最初の数ヵ月間の発症リスクが高い

 デンマーク国立血清研究所のNiklas Worm Andersson氏らが、サイアザイド系利尿薬による低ナトリウム血症の累積発生率について、その他薬効クラスの降圧薬と比較・推定を行った。その結果、治療開始から最初の数ヵ月間において、サイアザイド系利尿薬では添付文書等で示されている1)よりも低ナトリウム血症のリスクが高かったことが明らかになった。Annals of Internal Medicine誌オンライン版2023年12月19日号掲載の報告。1.頻度不明/まれ/非常にまれ(10,000分の1~100分の1未満と定義)と記載されている。サイアザイド系利尿薬による低ナトリウム血症の2年累積発生率、BFZで3.83% 本研究は2014年1月1日~2018年10月31日にデンマークで実施された人口登録ベースの観察研究を用いて、2つのtarget trial emulation2)を行った。主要評価項目は治療開始から2年以内の血中Na値130mmol/L未満の累積発生率。2.標的試験の模倣。観察研究データを用いて、仮想的なランダム化臨床試験を模倣すること。 対象者は直近で降圧薬が処方されておらず、低ナトリウム血症の既往歴のない40歳以上。1つ目のtarget trial emulationでは、bendroflumethiazide(BFZ、国内未承認)とカルシウム拮抗薬(CCB)の新規使用について比較し、2つ目のtarget trial emulationでは、ヒドロクロロチアジド・RA系阻害剤の配合剤とRA系阻害薬の新規使用について比較した。 サイアザイド系利尿薬による低ナトリウム血症の累積発生率について他の降圧薬と比較した主な結果は以下のとおり。・1つ目のtarget trial emulationではBFZ3万7,786例、CCB4万4,963例の新規処方患者を比較し、2つ目では配合剤1万1,943例とRA系阻害薬8万5,784例の新規処方患者を比較した。・2年間における低ナトリウム血症の累積発生率は、BFZで3.83%、配合剤で3.51%だった。リスク差は、BFZvs.CCBで1.35%(95%信頼区間:1.04~1.66)、配合剤vs.RA系阻害薬では1.38%(同:1.01~1.75)だった。・リスク差は、高齢、併存疾患の負荷が高いほど大きくなり、各ハザード比は、治療開始最初の30日間では3.56(同:2.76~4.60)および4.25(同:3.23~5.59)で、治療開始1年後のHRは1.26(同:1.09~1.46)および1.29(同:1.05~1.58)だった。 ただし、本研究の制限として、研究者らは「処方箋の記載と実際に使用された薬剤が同等という仮定に基づく交絡が残存する可能性が高い」としている。

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アルツハイマー病に対する薬物療法~FDA承認薬の手引き

 近年、認知症の有病率は高まっており、患者および介護者のQOLを向上させるためには、認知症の病態生理学および治療法をより深く理解することが、ますます重要となる。神経変性疾患であるアルツハイマー病は、高齢者における健忘性認知症の最も一般的な病態である。アルツハイマー病の病態生理学は、アミロイドベータ(Aβ)プラークの凝集とタウ蛋白の過剰なリン酸化に起因すると考えられる。以前の治療法は、非特異的な方法で脳灌流を増加させることを目的としていた。その後、脳内の神経伝達物質の不均衡を是正することに焦点が当てられてきた。そして、新規治療では、凝集したAβプラークに作用し疾患進行を抑制するように変わってきている。しかし、アルツハイマー病に使用されるすべての薬剤が、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得しているわけではない。インド理科大学院Ashvin Varadharajan氏らは、研究者および現役の臨床医のために、アルツハイマー病の治療においてFDAが承認している薬剤を分類し、要約を行った。Journal of Neurosciences in Rural Practice誌2023年10~12月号の報告。 主な結果は以下のとおり。・認知症の症状を緩和するための薬剤は、認知症の行動・心理症状(BPSD)と認知機能低下の緩和を目的とした薬剤に分類可能である。・BPSDに対する薬剤には、認知症に伴うアジテーションの治療に対する1日1回投与の抗精神病薬ブレクスピプラゾール、睡眠障害の治療に用いられるオレキシン受容体拮抗薬スボレキサントが含まれる。・認知機能低下に対する薬剤には、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミンなどのコリンエステラーゼ阻害薬とメマンチンなどのグルタミン酸阻害薬が含まれる。・ドネペジルは、最も一般的に使用されている薬剤であり、安価で忍容性が良好で、1日1回経口投与および週1回の経皮吸収投与が可能である。アセチルコリンレベルを増加させ、希突起膠細胞の分化を促進し、Aβ毒性保護効果を示す。しかし、心臓伝導系の副作用が報告されているため、定期的なモニタリングが必要とされる。・リバスチグミンは、1日2回経口投与または1日1回経皮吸収投与が可能である。ドネペジルよりも心臓に対する副作用リスクは低いが、貼付部位の局所反応が問題となる。・ガランタミンは、短期間で認知症症状を改善することに加え、BPSDの発現を遅延させると報告されている。また、複数の代謝経路を有するため、薬物相互作用を最小限に抑えることが可能である。ただし、心臓伝導系の副作用については、注意深くモニタリングする必要がある。・グルタミン酸調整物質であるメマンチンは、認知機能および神経保護の改善に加え、抗パーキンソン病薬や抗うつ薬としても作用することが期待される。即時放出製剤または徐放性経口剤での1日1回投与が可能である。・aducanumab、レカネマブなどの疾患修飾薬は、Aβの負担を軽減する。脳内のAβプラークの原線維構造と結合することで効果を発現する。これらの薬剤は、とくにApoE4遺伝子を有する患者においてアミロイド関連の画像異常を引き起こすリスクがある。aducanumabは4週間に1回、レカネマブは2週間1回の投与である。 著者らは「アルツハイマー病に対する薬剤選択では、薬剤入手の可能性、患者コンプライアンス、コスト、特定の併存疾患、特定の患者におけるリスクとベネフィットのバランスを考慮したうえで、決定する必要がある」とし「治療に対する総合的なアプローチとして、非薬物療法の使用も検討すべきである」としている。

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クリスマスに『ドクター・フー』放送で、翌年の死亡率が低下/BMJ

 英国では、クリスマスから新年にかけての祝祭日(12月24日~翌年1月1日)にテレビ番組『ドクター・フー(Doctor Who)』の新作が放映されると、翌年の死亡率が低下し、とくに放送日がクリスマスの場合は死亡率の減少幅が大きいことが、英国・バーミンガム大学のRichard D. Riley氏が実施した「TARDIS研究」で示された。研究の詳細は、BMJ誌2023年12月18日号クリスマス特集号「WORKFORCE CRISIS」として掲載された。1963年開始番組の年末年始放送の影響を分析 英国では、クリスマスから新年にかけての祝祭日に多くの医師が働いているが、その影響は知られていないという。Riley氏は、12月24日~翌年1月1日に働く(架空の)医師が人々の健康に及ぼす影響を調査する目的で自然実験を行った(特定の研究助成は受けていない)。 『ドクター・フー』は、1963年に英国放送協会(BBC)が放送を開始したテレビ番組で、一時的な中断を挟み60年にわたり、「ドクター」と呼ばれる登場人物が時空を超えて悪役と戦い、命を救うために介入する姿を描いている。TARDIS(ターディス)という研究の略称は、この番組に登場する時空移動装置の名前。 放送が開始された1963年以降のイングランド、ウェールズおよび英国全体の年間年齢調整死亡率のデータを収集した。時系列分析で死亡率をモデル化し、前年の12月24日から当該年の1月1日に放送された『ドクター・フー』の新作との関連を推定した。中断時系列分析では、年末年始の番組が毎年のクリスマス介入として分類できるようになった2005年以降の死亡率の変化をモデル化した。年末年始放送は31回、クリスマスの日の放送は14回 イングランドとウェールズの年間年齢調整死亡率は、1964年の1,000人年当たり約19人から2019年には約10人へと、経時的に徐々に低下していた。 1963年以降、31回の年末年始の祝祭日に『ドクター・フー』の新作が放送され、このうち14回はクリスマスの日に放送された。14回のうち13回は、2005~17年のクリスマスの日だった。 時系列分析では、年末年始の祝祭日の期間中の放送と、その後の年間死亡率の低下との間に関連を認めた。前年の年末年始の祝祭日の期間中に放送がなかった年と比較して、イングランドとウェールズでは、年間死亡率が1,000人年当たり0.20人(95%信頼区間[CI]:-0.066~0.46、p=0.14)少なく、英国全体では0.36人(-0.018~0.75、p=0.06)少なかった。 とくに、番組が前年のクリスマスの日に放送された場合、イングランドとウェールズでは、当該年の年間死亡率は1,000人年当たり0.60人(95%CI:0.21~0.99、p=0.003)少なく、英国全体では0.40人(95%CI:0.08~0.73、p=0.02)少なかった。2005年以降のクリスマス介入でさらに改善 中断時系列分析では、2005年以降、『ドクター・フー』のクリスマス介入に関連して死亡率に強力な変化(低下)を認め、イングランドとウェールズでは、年間死亡率が1,000人年当たり平均0.73人(95%CI:0.21~1.26、p=0.01)少なく、英国全体では平均0.62(0.16~1.09、p=0.01)少なかった。 著者は、「これらの結果は、医療が当然のことのように提供されるべきではない理由を強化するだろう」と指摘し、「本研究の知見は英国以外でも一般化すると仮定すると、この番組の新作の国際的な放送局であるディズニー・プラス(Disney+)が年末年始に世界中で放映すれば、世界の死亡率を低下させる機会を得ることになり、これにはドクターの宿敵であるマスター(Master)も同意するだろう」としている。

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新規アルドステロン合成酵素阻害薬、CKDでアルブミン尿を減少/Lancet

 過剰なアルドステロンは慢性腎臓病(CKD)の進行を加速するとされる。米国・ワシントン大学のKatherine R. Tuttle氏らASi in CKD groupは、基礎治療としてレニン・アンジオテンシン系阻害薬の投与を受けているCKD患者において、SGLT2阻害薬エンパグリフロジンとの併用でアルドステロン合成酵素阻害薬BI 690517を使用すると、用量依存性にアルブミン尿を減少させ、予期せぬ安全性シグナルを発現せずにCKD治療に相加的な効果をもたらす可能性があることを示した。研究の成果は、Lancet誌オンライン版2023年12月15日号で報告された。2回の無作為化を行う29ヵ国の第II相試験 本研究は、日本を含む29ヵ国で実施した二重盲検無作為化プラセボ対照第II相試験であり、2022年2月~12月に、run-in期を終了した参加者の無作為割り付けを行った(Boehringer Ingelheimの助成を受けた)。 対象は、年齢18歳以上、CKDの診断を受け、2型糖尿病の有無は問わず、推算糸球体濾過量(eGFR)が30~<90mL/分/1.73m2、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)が200~5,000mg/g、血清カリウム値が4.8mmol/L以下で、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬またはアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)の投与を受けている患者であった。 714例をrun-in期に登録し、エンパグリフロジン(10mg)群に356例、プラセボ群に358例を無作為に割り付け、8週間の経口投与を行った。引き続き、このうち586例(エンパグリフロジン群298例、プラセボ群288例)を、それぞれ3つの用量(3mg、10mg、20mg)のBI 690517またはプラセボを追加で経口投与(1日1回、14週間)する4つの群に無作為に割り付けた(全8群)。アルドステロン値も大きく低下 ベースライン(2回目の無作為化時)の全体の平均年齢は63.8(SD 11.3)歳、女性196例(33%)、非白人244例(42%)であり、平均eGFR値は51.9(SD 17.7)mL/分/1.73m2、UACR中央値は426mg/g(四分位範囲[IQR]:205~889)であった。 朝の起床時第一尿で測定した、UACRのベースラインから14週時の治療終了までの変化率(主要エンドポイント)は、プラセボ群が-3%(95%信頼区間[CI]:-19~17)であったのに対し、BI 690517単剤の3mg群は-22%(-36~-7)、同10mg群は-39%(-50~-26)、同20mg群は-37%(-49~-22)であった。 また、エンパグリフロジンにBI 690517を追加した場合のUACRの変化率も、BI 690517単剤と同程度の低下を示した(プラセボ群:-11%[95%CI:-23~4]、3mg群:-19%[-31~-5]、10mg群:-46%[-54~-36]、20mg群:-40%[-49~-30])。 血漿アルドステロン値(曲線下面積)は、14週時までにBI 690517の用量依存性に低下し、最大用量(20mg)では、プラセボ群と比較して単剤群で-62%(95%CI:-76~-41)、エンパグリフロジン併用群で-66%(-75~-53)となった。高カリウム血症の多くは介入を要さず BI 690517の安全性プロファイルは、エンパグリフロジン併用の有無にかかわらず許容できるものであった。投与期間中に4例が死亡したが、試験薬関連と判定されたものはなかった。また、重度の薬物性肝障害やケトアシドーシスは認めなかった。 高カリウム血症は、エンパグリフロジンの有無にかかわらず、プラセボ群では6%(9/147例)に発生したのに対し、BI 690517 3mg群で10%(14/146例)、同10mg群で15%(22/144例)、同20mg群では18%(26/146例)に認めた。また、高カリウム血症の多くは介入を要さず(86%[72/84例])、致死性のものはなかった。 とくに注目すべき有害事象としての副腎機能低下症は、BI 690517群で436例中7例(2%)、プラセボ群では147例中1例(1%)にみられた。 著者は、「アルドステロン合成酵素阻害薬とSGLT2阻害薬の併用により、臨床的に意義のあるアルブミン尿の改善が得られた。このアプローチは、今後、CKDの大規模な臨床試験で検討すべき有望な併用療法となる可能性がある」としている。

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咳の種類、危険な咳とは

患者さん、それは…危険な咳(せき) かもしれません!咳(せき)は、気道内に異物が混入するのを防ぎ、逆に気道内から異物を排除するための身体防御機構です。継続期間によって急性(3週間未満)、遷延性(3~8週間)、慢性(8週間超)と分類されます。また、痰(たん)を伴う咳を湿性[⇔乾性]と区分します。●こんな時に症状が出ませんか?□明け方・夜間 □運動時/後 □寒冷時□季節の変わり目●以下の症状はありませんか?□ヒューヒュー音 □のどの奥に鼻水が垂れる□声がかすれる□横になった時□口臭がある◆病気が潜んでいるかもしれない咳とは!?• 高熱や息苦しさ、胸痛があれば、すぐに医療機関へ受診しましょう• 遷延性(3~8週間)の咳の原因はウイルスやマイコプラズマなどによる気道感染です• 2ヵ月以上続く慢性咳は軽い喘息であることが多いです出典:日本気管食道科学会、外来を愉しむ攻める問診監修:福島県立医科大学 会津医療センター 総合内科 山中 克郎氏Copyright © 2022 CareNet,Inc. All rights reserved.

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