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ピロリ除菌で大腸がんリスクも低減/JCO

 Helicobacter pylori(H. pylori)陽性で除菌治療を受けた場合、治療を受けなかった陽性者と比較して、大腸がんの発症リスクと死亡リスクの両方が有意に低減したことを、米国・VA San Diego Healthcare SystemのShailja C. Shah氏らが明らかにした。Journal of Clinical Oncology誌オンライン版2024年3月1日号掲載の報告。 近年、H. pylori感染と大腸がんのリスクとの間に正の関連があることが報告されている1)。Shah氏らの研究グループは、H. pylori感染と陽性者における除菌治療が、大腸がんの発症率と死亡率に及ぼす影響を調査するためにコホート研究を行った。 解析には、1999~2018年に退役軍人健康管理局でH. pylori検査を行った退役軍人のデータが用いられた。追跡調査は、大腸がんの発症、大腸がんまたは他の要因による死亡、2019年12月31日のいずれか早い日まで継続した。主要評価項目は大腸がんの発症率と死亡率であった。 主な結果は以下のとおり。・H. pylori検査を受けた81万2,736人のうち、陽性は20万5,178例(25.2%)であった。・陰性群と比べて、陽性群では大腸がん発症リスクは18%高く(調整ハザード比[aHR]:1.18、95%信頼区間[CI]:1.12~1.24)、死亡リスクは12%高かった(aHR:1.12、95%CI:1.03~1.21)。・除菌治療を受けた群と比べて、治療を受けていない群では大腸がん発生リスクは23%高く(aHR:1.23、95%CI:1.13~1.34)、死亡リスクは40%高かった(aHR:1.40、95%CI:1.24~1.58)。・これらの結果は、血清学的検査を受けていない群でより顕著であった。 これらの結果より、研究グループは「H. pylori陽性は、大腸がんの発症および死亡と関連している可能性があり、未治療の人、とくにに活動性の感染が検出された人が最もリスクが高いようである」とまとめた。

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心筋を微小組織にして移植、iPS細胞による新たな心不全治療とは/日本循環器学会

 再生医療において、ヒト人工多能性幹細胞由来心筋細胞 (hiPSC-CM)を用いた心臓修復の臨床応用は、心筋細胞(CM)の生着不良や移植後の不整脈に苛まれ難航してきた。だが今回、第88回日本循環器学会学術集会『iPS由来再生心筋細胞移植治験の初期成績から見た虚血性重症心不全治療へのインパクト』において、福田 恵一氏(Heartseed社/慶應義塾大学 名誉教授)らは、他家iPS細胞由来の純化精製心筋細胞微小組織(hiPSC-CS)を開発し、心筋層に直接注入することで、梗塞部位周辺の心筋の再生に成功したことを報告した。なお、本発表は非臨床試験および現在進行中の第I/II相LAPiS試験の中間報告である。鍵は「心筋を球にして注入、心筋と同化させる」 心筋細胞は骨格筋細胞と異なり幹細胞が存在しないため、一旦壊死してしまうと不可逆的に細胞数は減少の一途を辿る。これにより心臓では収縮不全(心不全の進行)が生じる。これに対し、福田氏らは“心筋残存部位へ生理的肥大を起こすとされるiPS細胞由来心筋細胞を移植することで、梗塞部位が補われ、心機能の回復につながる”という仮説を立て、虚血性心不全に伴う心筋壊死や喪失による心筋不足を改善するため、まず2つの非臨床試験を実施。カニクイザルにヒトの再生心室筋細胞(純度の高い心室筋)を移植し、有効性・安全性を実証した。 試験に用いられた細胞は、生着率を高めるために心筋細胞を1,000個程度の塊に作製した「心筋球」1)と呼ばれるもので、非臨床試験では1匹当たり6,000万個を移植した。 本試験の有効性について、「移植細胞がレシピエントの心室筋細胞と連結し、それと同様に介在板を介して長軸方向に整列、生着していることが確認された。また、移植細胞も既存の細胞と同じリズムで同期して動いていることを確認した。そして、投与後3ヵ月後には心筋球が4倍程度となり約10%の左室駆出率(LVEF)を改善させることができた」と説明した。一方の安全性については「移植後7~14日目に心室頻拍が観察された。しかし、不整脈が出現することはほかのグループが行った単離心筋移植法による試験からも想定済みであった。それと比べると、今回の発生は移植早期で、心臓専門医が日常臨床で対応できる範囲の不整脈であった」と述べた。後側・側壁に渡る広範囲の梗塞がみられた症例も回復 続いて、市原 有起氏(東京女子医科大学 心臓血管外科学分野)、藤原 立樹氏(東京医科歯科大学 心臓血管外科)が第I/II相LAPiS試験における各自の治験症例を報告した。<治験概要>●対象者:虚血性心疾患に起因する重症心不全で、既存の内科的/外科的標準治療を行うも効果無効患者●方法:他家iPS細胞由来心筋球を冠動脈バイパス術(CABG)時に左室(セグメント分割した前壁、側壁、後壁、下壁)に対し、3本の針がセットになったデバイス全15回を移植した。非盲検で低用量5例(0.5億個)、高用量5例(1.5億個)を予定している。移植治験組み入れの主な基準は、CABG予定の虚血性心不全患者、LVEF 15~40%、NYHA分類II度以上。移植後の免疫抑制薬としてステロイド、MMF(ミコフェノール酸モフェチル)、タクロリムスを投与し、26週以降はタクロリムスを継続した。●主要評価項目:投与26週後の安全性●主な有効性指標:心収縮機能(LVEF、左室内径短縮率[FS])、心筋壁運動、生存心筋量など 現時点で低用量4例の移植が終了している。市原氏の症例では、移植6ヵ月後のGlobal longitudinal strain(GLS)解析から、左室リバースリモデリングと心機能の著明な改善が認められ(左室拡張末期容積[LVEDV]:430→289mL、左室収縮終期容積[LVESV]:297→189mL、LVEF:31→35%)、左心室を16セグメントに分割して心筋スペックルトラッキングの変化を観察したが、このうち心筋細胞を移植した9セグメント中7セグメントで心筋収縮の改善が観察された。1例目、2例目とも心筋移植部位の改善が観察されたことから、市原氏は「血行再建術と心筋細胞移植の併用療法は心機能改善の新たな治療法になりうる。移植による免疫抑制薬のコントロールも内科が上手く対応してくれ、問題なかった。内科・外科が協調して心不全のトータルマネジメントを行うことが重要」とコメントした。 続いて、藤原氏が携わった症例においては、心筋移植部位7セグメント中5セグメントで改善が観察された。その一方で、僧帽弁閉鎖不全症の悪化もあり、残念ながら非移植部位での壁運動の低下が顕著であったため、全体では心機能が低下していた。これについて、「患者は心不全ステージ分類でいうと、ステージCからDに移行する段階であり、本治療を行わなければ、身体機能の低下が免れることはできなかったと思われる。しかし、心筋細胞移植により術前ADLの維持ができたことはよかった。免疫抑制薬の問題もなかった。今後の検討課題として、部位別の収縮度の改善効果が移植回数に比例していたことを踏まえ、心筋細胞の移植量と移植部位の検討が重要になると思われる」と話した。 最後に福田氏は「世界初の治験であることから、当初は参加者から(本治験の)同意が得られにくかった。この治験ではバイパス手術との併用を行ったが、今後は移植単独の投与も検討したい。本治験から得られた課題である“移植部位・投与方法”の在り方などと併せて、一歩一歩科学的に進めていきたい」と締めくくった。

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うつ病高齢者に対する日本で使用可能な抗うつ薬~系統的レビューとメタ解析

 日本うつ病学会のうつ病治療ガイドラインの改定を行うために、藤田医科大学の岸 太郎氏らは、うつ病の高齢者を対象とした日本で使用可能な抗うつ薬の、二重盲検ランダム化プラセボ対照試験のシステマティックレビューおよびペアワイズメタ解析を実施した。Neuropsychopharmacology Reports誌2024年3月号の報告。 主要アウトカムは、治療反応率とした。副次的アウトカムに、抑うつ症状評価尺度のスコア改善、寛解率、すべての原因による治療中止、有害事象による治療中止、1つ以上の有害事象を含めた。ランダムエフェクトモデルを用いて、リスク比(RR)、標準化平均差(SMD)、95%信頼区間(CI)を算出した。 主な結果は以下のとおり。・9件の二重盲検ランダム化プラセボ対照試験(2,145例)が特定された。・日本で行われた研究はなかった。・本メタ解析に含まれた抗うつ薬は、デュロキセチン、エスシタロプラム、イミプラミン、セルトラリン、ベンラファキシン、ボルチオキセチンであった。・抗うつ薬治療群はプラセボ群と比較し、治療反応率が有意に高かった(RR:1.38、95%CI:1.04~1.83、p=0.02)。・抗うつ薬治療群はプラセボ群と比較し、良好な抑うつ症状評価尺度のスコア改善が認められた(SMD:-0.62、95%CI:-0.92~-0.33、p<0.0001)。・抗うつ薬治療群はプラセボ群と比較し、有害事象による治療中止率が高く(RR:1.94、95%CI:1.30~2.88、p=0.001)、1つ以上の有害事象発現率も高かった(RR:1.11、95%CI:1.02~1.21、p=0.02)。・寛解率やすべての原因による治療中止に関しては、両群間に差は認められなかった。 結果を踏まえ、著者らは「日本で使用可能な抗うつ薬による治療は、中等度~重度のうつ病高齢者に対し、弱く推奨される」と結論付けた。

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HIV曝露前予防、F/TDFはシス女性にも有効か?/JAMA

 シスジェンダー女性におけるHIV曝露前予防のためのエムトリシタビン/テノホビル・ジソプロキシルフマル酸塩(F/TDF PrEP)について、市販後臨床試験11件のプール解析において全体のHIV罹患率は100人年当たり0.72であったことが示された。米国・アラバマ大学バーミンガム医学校のJeanne Marrazzo氏らによる検討結果で、F/TDF PrEPのアドヒアランスが「一貫して毎日」や「高い(週4~6回服用)」人は、HIV罹患率が非常に低率であったことも示されたという。F/TDF PrEPについては、アドヒアランスが高い(週4回以上)男性と性行為を行うシスジェンダーの男性において、非常に有効であることが示されている。一方で、シスジェンダー女性におけるF/TDF PrEPに関するリアルワールドの有効性およびアドヒアランスについては、明確には特徴付けがされていなかった。JAMA誌オンライン版2024年3月1日号掲載の報告。11件のF/TDF PrEP市販後臨床試験データを統合解析 研究グループは、シスジェンダー女性におけるF/TDF PrEPの有効性、および有効性とアドヒアランスとの関連性を明らかにするため、2012~20年に6ヵ国で行われた11件のF/TDF PrEP市販後臨床試験のデータを統合し解析した。データには、15~69歳のシスジェンダー女性6,296例が含まれた。 F/TDFは、1日1回経口投与で処方された。主要アウトカムはHIV罹患率とし、客観的測定(乾燥血液スポット中のテノホビル二リン酸濃度または血漿中のテノホビル濃度、288例)および主観的測定(錠剤キャップ電子的モニタリング、錠剤数、自己申告および試験報告のアドヒアランススケール、2,954例)によるアドヒアランスレベルを、集団軌跡モデルを用いて分類し、評価(サブグループ分析)した。全体のHIV罹患率は100人年当たり0.72、アドヒアランスが高い群ほど低率 被験者6,296例を国別にみた内訳は、ケニア46%、南アフリカ共和国28%、インド21%、ウガンダ共和国2.9%、ボツワナ共和国1.6%、米国0.8%であった。試験全体のPrEP開始時の平均年齢は、25(SD 7)歳で、25歳未満の若年被験者が61%を占めていた。 全体のHIV罹患率は、100人年当たり0.72(95%信頼区間[CI]:0.51~1.01、6,296例のうちHIVと診断されたのは32例)であった。 アドヒアランスレベル群は、一貫して毎日(週7回服用)、一貫して高い(週4~6回服用)、高かったが低下してきている(平均週4~6回服用していたが、その後に低下)、一貫して低い(週2回未満の服用)の4群が特定された。 このうち、一貫して毎日服用していた498例ではHIVに感染した人はいなかった。アドヒアランスが一貫して高かった658例では、HIVに感染した人は1例だけだった(罹患率0.13/100人年[95%CI:0.02~0.92])。アドヒアランスが高かったが、その後に低下していた1,166例の罹患率は0.49/100人年(0.22~1.08)、一貫して低かった632例では同1.27/100人年(0.53~3.04)であった。

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微小プラスチック、心血管イベント・死亡リスク上昇と関連/NEJM

 頸動脈プラークからマイクロプラスチックまたはナノプラスチック(MNP)が検出された患者は、検出されなかった患者と比較して、追跡34ヵ月時点の心筋梗塞、脳卒中、全死因死亡の複合リスクが有意に高かった。イタリア・University of Campania Luigi VanvitelliのRaffaele Marfella氏らが多施設共同の前向き観察試験の結果を報告した。いくつかの研究で、摂取や吸入、皮膚への曝露を通じてMNPが体内に入り込み、細胞組織や臓器に作用することが示されており、MNPは母乳、尿、血液だけでなく、胎盤、肺、肝臓などでも見つかっている。最近行われた前臨床モデル研究では、MNPが心血管疾患の新たなリスク因子であることが示唆されていたが、このリスクがヒトに及ぶという直接的なエビデンスは示されていなかった。NEJM誌2024年3月7日号掲載の報告。プラーク中にMNPの存在が確認された患者vs.確認されなかった患者で検討 研究グループは、無症候性頸動脈疾患に対して頸動脈内膜切除術を受ける予定の患者を対象に検討を行った。 頸動脈プラークの摘出検体を用いて、熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析、安定同位体分析、電子顕微鏡検査を行い、MNPの存在を分析した。炎症性バイオマーカーは、酵素免疫測定法と免疫組織化学法で評価した。 主要エンドポイントは、心筋梗塞、脳卒中、全死因死亡の複合で、プラーク中にMNPの存在が確認された患者と確認されなかった患者を比較した。MNPの存在が認められた患者の複合イベントリスクは4.53倍 計304例が登録され、257例が追跡期間中央値33.7(SD 6.9)ヵ月の試験を完了した。 150例(58.4%)の患者の頸動脈プラークからポリエチレン(平均21.7±24.5μg/mg)が検出された。また、31例(12.1%)の患者のプラークからは、測定可能なポリ塩化ビニル(平均5.2±2.4μg/mg)も検出された。 電子顕微鏡検査により、プラーク中のマクロファージ間に、辺縁がギザギザの異物が確認でき、外部デブリに散在していることが認められた。 放射線検査では、これらの異物の一部に塩素が含まれていることが示された。 アテローム内にMNPの存在が認められた患者は、認められなかった患者よりも、主要エンドポイントのイベントリスクが有意に高かった(ハザード比:4.53、95%信頼区間:2.00~10.27、p<0.001)。

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認知症は現代病? 古代での症例はまれ

 認知症は時代を問わず人類を悩ませてきた病気だと思われがちだが、実際には現代に登場した病気であるようだ。米南カリフォルニア大学レオナード・デイビス校(老年学)のCaleb Finch氏と米カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校歴史学分野のBurstein Stanley氏らが古代ギリシャとローマの医学書を分析した結果、アリストテレスや大プリニウスなどが活躍した今から2000〜2500年前には、認知症に罹患する人は極めてまれだったことが示唆されたのだ。研究グループは、「現代の環境やライフスタイルがアルツハイマー病などの認知症の発症を促しているとする考え方を補強する結果だ」と述べている。この研究の詳細は、「Journal of Alzheimer’s Disease」に1月25日掲載された。 Finch氏らは、高齢者の健康に関する医学史の中で認知機能の低下についての記述が見当たらないことから、紀元前8世紀から紀元後3世紀の間にギリシャとローマで書かれた一次文献から記憶力の低下や認知症についての記述を探し出し、その評価を行った。 その結果、古代ギリシャ人は、加齢に伴い軽度認知障害(MCI)に相当するような記憶力の問題が現れることを認識してはいたが、アルツハイマー病などの認知症で見られるような記憶や発話、論理的思考における深刻な障害についての記述を残していないことが明らかになった。 数世紀後のローマ時代に入ると、いくつかの文献に重度の認知症が疑われる記述が見つかった。例えば、紀元後1世紀のローマ帝国時代に活躍したギリシャの医学者ガレノスは、80歳になると、新しいことを覚えるのが難しくなる者がいることを記述している。また、博物学者として著名な大プリニウスは、共和制ローマ末期の元老院議員で弁論家のマルクス・ウァレリウス・メッサッラ・コルウィヌスが自分の名前を忘れてしまったことを記録している。同じく共和政ローマ末期の政治家、弁論家、哲学者のキケロは、「老人の愚かさは(…)無責任な老人の特徴であるが、全ての老人の特徴ではない」と記している。 このような調査結果を踏まえてFinch氏らは、都市ローマの人口が増えるにつれて公害が進み、それが人々の認知機能を低下させる一因になったのではないかと推測している。また同氏らは、ローマの貴族階級は、鉛の調理器具や水道管を使用し、甘味料としてワインに酢酸鉛を添加していたため、知らぬ間に神経毒性のある鉛に曝露していた可能性にも言及している。 古代の文献調査で得られた観察結果を再確認するモデルとして、Finch氏らはボリビアのアマゾンに住む先住民のツィマネ族に関する現代の研究を引き合いに出す。同氏らはその理由を、「ツィマネ族は産業革命以前のライフスタイルを維持し、非常に活動的であるという点で、古代のギリシャ人やローマ人とよく似ているため」と説明する。ツィマネ族は、認知症発症率が極めて低い(1%程度)ことでもよく知られている。これに対し、65歳以上の米国人での認知症発症率は11%に上る。 Finch氏は、「ツィマネ族の研究データは洞察力に富んだものであり、非常に貴重だ。認知症の発症例がほとんど存在しない高齢者の大規模集団について詳細に記録された最良のデータであり、その内容は全て、環境が認知症の発症リスクを決定する大きな要因であることを示唆している。ツィマネ族の研究データは、認知症のリスクを解明するための手がかりを提供しているのだ」と述べている。

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アラスカポックスウイルス、初の死亡例が報告される

 米アラスカ州保健当局は、同州の男性が、主に小型の哺乳類に感染する珍しいウイルスであるアラスカポックスウイルス(Alaskapox virus;AKPV)に感染して死亡したことを、「State of Alaska Epidemiology Bulletin」2月9日号で報告した。アラスカ州疫学課は、死亡したのは、キナイ半島在住の高齢男性で、がん治療による免疫抑制の既往歴があったことを説明し、「これは、入院と死亡に至った重症AKPV感染症の最初の症例だ。患者の免疫不全状態が病気の重症化に寄与したと思われる」と述べている。 アラスカ州保健当局によれば、2015年以来、AKPVのヒトへの感染例はわずか7例しか報告されておらず、この症例の男性が死亡した2024年1月以前に、AKPV感染が原因で入院した人や死亡した人はいなかったという。また、7人の感染者のうちの6人はフェアバンクスノーススター郡に居住しており、同郡ではアカハタネズミやトガリネズミがAKPVに感染していることが確認されている。 保健当局は、AKPV感染で現れる症状は、皮膚病変、リンパ節腫脹、筋肉痛や関節痛などであると説明している。米疾病対策センター(CDC)の疫学者Julia Rogers氏も、「AKPV感染症は症状が軽い場合が多いため、われわれが発見できなかった症例がこれまでにもあったかもしれない。AKPV感染症例の見つけ方を学ぶ医師が増えるにつれ、症例数は増加する可能性がある」とニューヨーク・タイムズ紙に話している。 今回の症例報告によると、男性は2023年9月に右腋窩に赤くて軟らかい丘疹があることに気付き、6週間で数回にわたってかかりつけ医と地元の救急外来を受診した。その際に男性は、よく世話をしている野良猫に引っ掻かれたことが何度もあると話したという。パンチ生検では、悪性腫瘍や細菌感染の証拠は認められなかった。男性には複数の抗菌薬が処方されたがどれも効果を示さず、倦怠感や、右腋窩と肩に痛みが生じ、丘疹も硬化していった。 男性の右腕は可動域が制限されるようになり、11月にその原因として蜂窩織炎の広範な進行が疑われて入院した。その後に移送されたアンカレッジの病院では、「焼けるような痛み」を訴えたという。右腋窩の生検部位は治癒しておらず、その周囲には灰色の凝集性プラークとともに大量の浸出液が認められた。CTとMRIによる検査では、右腋窩および肩に広範な筋炎が確認され、また、体全体に4つの小さな天疱瘡様の病変が認められた。 検査の結果、牛痘、天然痘、その他のウイルスへの感染の可能性は除外され、AKPVの感染症例と一致することが判明した。保健当局によると、この男性は入院中、傷が治るのに時間がかかり、栄養失調、急性腎不全、呼吸不全に陥り、2024年1月下旬に死亡したという。 男性を引っ掻いた野良猫は、エムポックスウイルスが属するオルソポックスウイルス属の検査でも陰性であったが、保健当局は、この野良猫が感染源である可能性があるとの見方を示している。アラスカ州疫学課のチーフJoe McLaughlin氏はニューヨーク・タイムズ紙に対し、「AKPVに感染した患者はいずれも猫か犬を飼っていた」と話している。 McLaughlin氏は、「AKPV感染症はまれであるため、アラスカの人々はこのウイルスを過度に心配すべきではないが、その存在に対する認識を高めるべきだというのが、われわれが伝えたい第一のメッセージだ」と話している。

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女子小中学生ではスマホを含むスクリーンタイムの長さと肥満が関連

 日本人の小学5年生から中学2年生の女子では、スマホを含む電子機器の画面を見るスクリーンタイムが長いほど肥満リスクが有意に高まるという研究結果を、新潟大学血液・内分泌・代謝内科学研究室の池田和泉研究員、藤原和哉特任准教授、曽根博仁教授らの研究グループが「Endocrine Journal」に1月11日発表した。1日のスクリーンタイムの総計が4時間以上、スマホは2時間以上と一定の長さを超えるグループにおいても、身体活動や睡眠時間を十分にとることで肥満リスクを低減できる可能性も示された。一方で、男子ではスクリーンタイムと肥満の関連は認められなかった。 スクリーンタイムの増加は小児の肥満リスクを高めることが報告されている。しかし、先行研究の多くはテレビやパソコン、電子ゲームを対象としたもので、スマホの使用が小児肥満に与える影響を定量的に検討した研究や、身体活動や睡眠時間などの生活習慣因子の影響を考慮した研究は限られていた。そこで、研究グループは、新潟県内の小中学生を対象とした横断研究(NICE EVIDENCE Study 4)を行い、スクリーンタイムをスマホとそれ以外の電子機器に分け、生活習慣因子を考慮した上で、肥満との関連を男女別に検討した。 研究は、2018~2019年の間に、新潟県阿賀野市と三条市が実施する生活習慣病予防事業に参加した10~14歳の小児2,242人(平均年齢11.8歳、うち女子1,278人)を対象とした。肥満は、国際肥満タスクフォースの定義に従って診断した。自記式質問票を用い、スクリーンタイムや身体活動量、睡眠時間を調査した。ロジスティック回帰モデルを用い、スクリーンタイムと肥満との関連を分析した。 男子の14.5%、女子の9.9%が肥満と診断された。全体の30.1%がスマホを使用しており、女子の方が使用率は高かった(女子34.5%、男子25.3%)。ロジスティック回帰分析の結果、女子では、スクリーンタイムの総時間が1日に4時間以上5時間未満、またはスマホを3時間以上4時間未満あるいはスマホ以外の電子機器を2時間以上使用すると、それぞれ2時間未満、非使用、1時間未満の場合と比べて肥満が約3倍有意に増加した。一方で、男子ではこのような関連は認められなかった。 また、女子では、1日にスマホを3時間以上かつスマホ以外の電子機器を2時間以上使用すると、それぞれ3時間未満かつ2時間未満の場合と比べて肥満のオッズ比は6.79倍に上昇していた。スマホまたはスマホ以外の電子機器のいずれかが基準を満たしても、肥満のオッズ比は約3倍高値であった。スクリーンタイムの総時間が4時間以上5時間未満、またはスマホの使用時間が2時間以上の女子では、身体活動量が60分(23メッツ・時)/週以上または睡眠時間が8.5時間/日以上であれば、肥満のリスクは有意に上昇しなかった。 スクリーンタイムと肥満の関連に男女差が見られた理由として、池田氏らは「女子は男子と比べて座位時間が長く、身体活動量が少なかったことが影響したのではないか」と指摘した。また、肥満の原因として、女子は座位時間の長さが挙げられるのに対し、男子では過剰なエネルギー摂取の方が重要な可能性があるとしている。 以上から、研究グループは「小中学生の女子では、スマホなどのスクリーンタイムの長さと肥満リスクは有意に関連することが明らかになった。女子の小児肥満を予防するためには、スマホの使用は1日に3時間未満、スマホ以外の電子機器は2時間未満、スクリーンタイムの総時間は4時間未満に抑えながら、十分な運動と睡眠時間をとることが必要だと考えられる」と述べている。

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論文執筆における生成AIの利用範囲はどこまでか?(解説:折笠秀樹氏)

 ChatGPTなどの生成AI(GAIと呼ぶ)に関する、指針に関する調査報告です。ChatGPTは2022年に生まれ、急拡大したのは周知のとおりです。英文校正や翻訳作業の利用にとどまらず、論文執筆や図表作成にも使われ始めたようです。こうした生成AIの利用に関する指針が出てきたのは見聞きしていましたが、それに関する大々的な調査結果です。 当然ながら、著名な雑誌ほど投稿規定などにいち早く盛り込んでいました。トップジャーナルではすでに87%に及んでいますが、全体で見るとまだ24%しかないようです。生成AIを共著者とすることは、95%以上で禁止しているようです。しかし、生成AIを利用すること自体を禁止しているわけではありません。その範囲はどこまでにすべきかについて、雑誌ごとにばらばらのようです。コンセンサスが得られていないということなのでしょう。 著名な「Science」誌では、生成AIを利用した原稿や図表の作成を禁止したようです。「JAMA」誌では、原稿作成・校閲・修正の段階で生成AIを利用したなら、著者はそのことを謝辞に報告すべきとしたようです(Flanagin A, et al. JAMA. 2024 Mar 7. [Epub ahead of print])。ゴーストライター問題を思い出しました。論文執筆に関与したのに、あえて共著者に含めなかったわけです。生成AIもゴーストライターじゃないのかと思ったわけです。現状では、生成AIの作業は知的活動には当たらないとして、謝辞に示すのが大半のようです。どこまでの作業が許されるかについては、雑誌ごとにまだ揺れているようです。発展途上だから仕方ないことなのでしょう。 上位100の大手出版社の中にも、上位100の科学雑誌の中にも、日本産と思われるものが一つも含まれていないのは寂しい限りです。

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救急部の静脈ルート:18G vs.20Gガチンコ対決【Dr. 倉原の“おどろき”医学論文】第253回

救急部の静脈ルート:18G vs.20Gガチンコ対決看護roo!より使用末梢静脈ルートは、救急医療だけでなく入院医療でも必須の処置の1つです。私は研修医の頃、太いルートを入れるのは苦手だったのですが、ベテラン看護師に集中特訓してもらう期間があって、それ以降わりと上手になりました。さて、三次救急の場合、18ゲージのような太いルートと、20ゲージのような細めのルートのどちらがよいでしょうか。当然、太い18ゲージのほうが大量輸液ができるわけで、こちらのほうが挿入難易度が高くなります。また、患者さんにとっても太い穿刺針は強い痛みを伴います。Mitra TP, et al. Spiced RCT: Success and Pain Associated with Intravenous Cannulation in the Emergency Department Randomized Controlled Trial.J Emerg Med. 2024 Feb;66(2):57-63.これは、三次救急の現場において、18ゲージと20ゲージの静脈ルート確保によって、患者が感じる疼痛や、手技の困難さを比較するために行われた単施設研究です。被験者は、18ゲージ群または20ゲージ群のいずれかにランダム化割り付けされました。評価項目は、患者が経験した挿入時の疼痛と、医療従事者が感じた手技上の困難さの2つで、10cmのVAS(Visual Analogue Scale)で評価されました。178例の患者が解析に含まれ、それぞれ89人ずつにランダム化されました。平均疼痛スコア(差0.23、95%信頼区間[CI]:0.56~1.02、p=0.5662)と平均手技難易度スコア(差0.12、95%CI:0.66~0.93、p=0.7396)の間に、統計学的または臨床的に有意差は確認されませんでした。また、18ゲージ群と20ゲージ群の間で、初回のルート確保成功率(89人中75人vs.89人中73人、p=0.1288)、および合併症(89人中1人vs.89人中2人)にも差は確認されませんでした。というわけで、18ゲージでも20ゲージでもそんなに変わりませんよ、というのが今回の研究の結論になります。しかし、個人的にはやはり18ゲージのほうが難しい気がするんですが…。うーむ。そうか、自信を持てということか!

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第202回 麻疹感染が拡大、“真の死亡率”が報道されていない?

昨今、国内での麻疹患者の確認が話題だ。今年に入り3月13日までに確認された麻疹患者は11人。わずか3ヵ月弱で昨年の報告数28人の3分の1以上に達している。日本での麻疹はほぼ輸入感染症の様相を呈しているため、コロナ禍による入国制限があった2020~22年各年の報告数は10人以下だった。もっとも麻疹が感染症法で全数報告となった2008年からコロナ禍前の2019年までの年間報告数は、最大が2008年の1万1,013人、最小が2015年の35人、それ以外の年は200人弱から700人超だったことを考えれば、現状はまだコロナ禍の入国制限の影響を引きずった一過性の減少と言えるだろう。実際、出入国在留管理庁の統計を参照すると、日本の年間出入国者は2022年が約1,353万人、2023年が約7,052万人で、コロナ禍前の2019年の1億264万人までは復活していない。加えて世界保健機関(WHO)から麻疹の排除認定を受けていないインド、インドネシア、中国、ロシアなど、従来から日本への入国者が多い国からの入国者もいまだ2019年水準から見て数分の1というレベルである。一方、国内事情を考えると気になるのが麻疹ワクチンの接種状況である。現在の麻疹ワクチン接種は、いわゆる風疹との混合ワクチンの2回接種がスタンダードとなり、概して言えば、定期接種対象者の接種率は1回目接種が95%以上、2回目接種が90%台前半だが、2018~22年の接種率は経時的に漸減傾向にあり、この5年間で2~3%低下している。2022年度の1回目接種率は95.4%、2回目接種率は92.4%で、集団免疫獲得の目安とされる95%を超えるのは香川県のみ。続いて北海道、鹿児島県、沖縄県は90%未満である。その意味で現在の状況はかなり警戒度を高めなければならないことは疑いようがない。メディア各社もこの現状と麻疹ウイルスの感染力の強さ、ワクチン接種の有効率の高さなどを盛んに報じている。これ自体は非常に良い傾向だと思っている。もっとも各社の報道を見ているとバラツキを感じるのも現実だ。私が気になっているのは2点。1点目はワクチン接種に関してだ。現在では2回接種が基本となっているが、2000年4月以前に生まれた人は1回接種だったため*、免疫獲得が不十分な人がいる。麻疹ワクチン接種1回以下の世代は現時点で全員が成人であり、未成年よりも行動半径が広く、この世代の確実な免疫獲得は感染拡大阻止の成否に直結すると言っても過言ではない。しかも、麻疹の場合、子供の病気で成人にはあまり関係ないと思っている人は想像以上に多いのも問題である。*1990年4月2日~2000年4月1日に生まれた人は特例措置で中学1年生、高校3年生相当年齢に2回目接種が実施されているが、受けていない人もいる。2点目は麻疹の死亡率に関する報道である。国内の報道を散見する限り、感染者1,000人当たり1人が死に至るとの報道がほとんどだ。これ自体は先進国に関する一般論では正しいが、あくまで一般論である。国立感染症研究所が公表している日本国内の感染状況の年報と厚生労働省の人口動態統計をもとに試算すると、この数字は高い年度だと約250人に1人の時もある。「そこまで細かくなくとも…」というご意見はあるだろう。しかし、人とは不都合な情報ほど都合よく解釈するものである。たとえば100人に1人の確率で起こる悪い事象の場合、多くの人は“自分にはそれが起こらない、99人のほうだ”と勝手に思い込んでいる。その意味では危機を身近に感じてもらうためには、やや恐怖訴求になってしまっても、起きているよりワーストな現実を伝えることも必要である。麻疹のような極めて感染力が強い感染症の場合、とりわけこのシナリオを適用するほうが向いているとさえいえる。そんなこんなで巷の報道を横目で眺めながら、隔靴掻痒の感を抱いている(もちろんこの点を踏まえて自分も一般向け記事を執筆しようと思っているが)。

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身の丈に合った資産形成でお金持ちになろう!【医師のためのお金の話】第78回

身の丈に合った…。無理せず分相応にやっていくという意味ですが、あまり良いイメージはありませんね。身の丈に合ったと言われると、自分の能力を否定されているような気持ちになります。しかし、あえて私は「身の丈に合った」資産形成を提唱したいと思います。世の中には、資産形成の手法がたくさんあります。そして、それぞれの方法に成功者がいます。メディアで目にする彼らの成功物語は、素人でも出来た! などのキラキラしたストーリーばかり。コレなら自分でもできそうだと思ってしまいますね。ちょっと待ってください! 前のめりになるのは禁物です。たしかにメディアで喧伝されている成功物語は、簡単にできそうなものが多いです。全力で取り組んだら成功間違いなし! と思ってしまうのももっともですね。しかし、現実はそんなに甘くないです。たとえば不動産投資。借り入れさえできれば、簡単に億を超える資産を築けるといわれています。一方、その裏ではたくさんの人が債務超過に陥って死屍累々の状況です。そこで、私たちの身の丈に合った資産形成を考えてみましょう。資産形成の道は無数に存在する!資産形成は登山にたとえられます。その理由は、頂上に至る道が複数あることや、登頂の過程で乗り越えなければいけない苦しいことがたくさんある点です。とくに、資産形成の手法に関しては、人間の数だけ資産形成があるのではないかと思うほど多種多彩です。一方、それほど資産形成の手法がたくさんあると、どれを選択するべきなのか迷ってしまいますね。そして、どうせ資産形成するのであれば、ラクして大きな成果を得たいと思うのが人間の性(さが)でしょう。その結果、コスパの良い資産形成手法を追求する人が増加します。書店に行けばキャッチーなタイトルの書籍が目白押しです。もちろんネットでも膨大な量の資産形成関係の情報が流れています。しかも、これらの情報は無料のことが多い。これほど簡単に情報を入手できる環境が整備されていると、あとは情報収集するか否かで勝負が決まりそうです。もしそうであれば、世の中はお金持ちだらけでしょう。しかし、そうでないことは周知の事実です。自分に合わない方法を選択すると…これほど情報が飛び交っている環境にもかかわらず、真のお金持ちが少数派なのは少々解せませんね。本当の意味で資産形成に成功した人が少ない理由は、それぞれの手法に適性があるためです。たとえば、不動産投資。不動産投資の対象物件には、1棟マンション、商業物件、区分マンション、戸建など、たくさんの種類があります。さらに銀行融資を利用するのか現金買いするのかなど、不動産投資のバリエーションは広いです。この中で最もコスパの良い投資戦略は何でしょうか。一般的には銀行融資を利用した1棟マンション投資でしょう。できるだけ大きな物件をフルローンで購入すると、それだけで不動産投資は成功したのも同然。このように考える人は非常に多いです。しかし、もし1棟マンションをフルローンで購入する手法に、自分の適性が合っていなければどうでしょうか。大きな借金だけが残ってしまうトンデモない状況に追いやられてしまいます。自分に合った方法を選択することが、資産形成成功のキモと言えるでしょう。目的、能力、性格に合った方法を選ぼう!私の得意な手法は、不動産投資では好立地の店舗物件投資、株式投資では高配当で財務状況が盤石な銘柄への超長期逆張り投資です。一介の勤務医にもかかわらず、この手法で20億円近い資産を築くことに成功しました。それでは、どのような人でも私と同じ方法を踏襲すれば同じ結果を出せるのでしょうか。もちろん、そんなことはないはずです。私の採用した投資戦略は、メンタルを病んでしまう可能性が高い手法です。少々アタマのネジの緩い人でなければ実践が難しいでしょう。一方、私がギガ大家さんのように数百億円規模の投資戦略を採用しても、彼らと同様の結果は得られない可能性が高いです。同様に数十億円単位の資産を動かす個人株式投資家のマネをしようとしても、そのレベルまで到達できない可能性が高いです。その理由は、各々が持っている目的、能力、性格が結果に大きく影響するからです。キラキラした成功物語は見ていて気持ち良いです。また、自分にも簡単にできそうな気がします。しかし現実は甘くありません。「身の丈に合った」手法を採用しないと、思わしくない結果に終わる可能性が高いです。資産形成では決して無理をする必要はありません。自分の性格や能力に合った手法で、ゆっくり確実に資産形成を志しましょう!

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精巣診療ガイドライン 2024年版 第3版

2015年以来の改訂!エビデンス評価、推奨グレードを変更2015年以来の改訂。前版より書名を一部変更し『精巣診療ガイドライン』とした。エビデンスの確実性、推奨グレードを4段階で評価した。十分なコンセンサスが得られている事項は総論として記載し、議論の余地が残る重要臨床事項については13のClinical Question(CQ)、保険未承認の新規診断法や治療法については2つのFuture Research Question(FRQ)として記載した。画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する画像をクリックすると、内容の一部をご覧いただけます。※ご使用のブラウザによりPDFが読み込めない場合がございます。PDFはAdobe Readerでの閲覧をお願いいたします。目次を見るPDFで拡大する 精巣診療ガイドライン 2024年版 第3版定価3,960円(税込)判型B5判頁数192頁発行2024年2月編集日本泌尿器科学会ご購入(電子版)はこちら医書.jpでの電子版の購入方法はこちら紙の書籍の購入はこちらご購入(電子版)はこちら紙の書籍の購入はこちら医書.jpでの電子版の購入方法はこちら

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抗精神病薬使用と認知症リスク~40万人超のプロスペクティブコホート研究

 抗精神病薬は、最も汎用されている薬剤の1つであり、認知機能低下を引き起こす可能性が示唆されている。しかし、認知症リスクに対する抗精神病薬の影響に関する研究は、一貫性がなく、十分とは言えない。中国・青島大学のLi-Yun Ma氏らは、抗精神病薬使用と認知症リスクとの関係を調査するため、本研究を実施した。Journal of Affective Disorders誌2024年3月15日号の報告。 英国バイオバンク参加者41万5,100例のプロスペクティブコホート研究のデータを用いて、分析を行った。抗精神病薬およびさまざまなクラスの使用が認知症リスクに及ぼす影響を評価するため、多変量Cox比例ハザードモデルおよび経口抗精神病薬用量反応効果分析を用いた。 主な結果は以下のとおり。・フォローアップ調査後(平均:8.64年)、すべての原因による認知症を発症した参加者は5,235例(1.3%)であった。・主な内訳は、アルツハイマー病2,313例(0.6%)、血管性認知症1,213例(0.3%)であった。・いずれかの抗精神病薬使用により、すべての原因による認知症および血管性認知症のリスクは増加したが、アルツハイマー病リスクの増加は認められなかった。【すべての原因による認知症】ハザード比(HR):1.33、95%信頼関係(CI):1.17~1.51、p<0.001【血管性認知症】HR:1.90、95%CI:1.51~2.40、p<0.001【アルツハイマー病】HR:1.22、95%CI:1.00~1.48、p=0.051・経口抗精神病薬とすべての原因による認知症および血管性認知症のリスクとの累積用量反応関係が認められた(p for trend:p<0.05)。・本研究は、観察研究であり因果関係を示すものではない。・英国バイオバンクのデータは認知症症例数が比較的少なかったことから、抗精神病薬使用は、推定値よりも高い可能性がある。 著者らは「抗精神病薬使用により認知症発症リスクの増加が認められた。経口抗精神病薬と認知症リスクとの間には、用量反応関係が認められており、抗精神病薬の減量に対する医師および患者の意識を高めていく必要がある」としている。

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喫煙による咽頭がんリスク、非喫煙者の9倍に

 飲酒、喫煙ががん罹患リスクと関連するとの報告は多いが、頭頸部がんと飲酒、喫煙、食習慣との関連をみた研究結果が発表された。米国・ワシントン大学のDaniel P. Lander氏らによる本研究の結果は、JAMA Otolaryngology誌オンライン版2024年2月8日号に掲載された。 本研究は、前立腺がん、肺がん、大腸がんおよび卵巣がん検診に関する臨床試験参加者のコホート解析だった。参加者は55~74歳、1993年11月~2001年7月に全米10施設で募集された。頭頸部がんを発症した参加者は、喫煙、飲酒、食習慣解析のため、人口統計学および頭頸部がん家族歴に加え、喫煙状況および喫煙期間に基づいて対照群とマッチングされた。データ解析は2023年1~11月に行われた。 主な結果は以下のとおり。・計13万9,926例(女性51%、平均年齢62.6[SD 5.4]歳)が解析の対象となった。追跡期間中央値12.1(四分位範囲[IQR]:10.3~13.6)年に571例が頭頸部がんを発症した。・喫煙に関連した頭頸部がんのリスクはがんの部位が肺に近いほど増加し、リスクが最大だったのは喉頭がんだった(現在喫煙者の非喫煙者と比較したハザード比[HR]:9.36、95%信頼区間[CI]:5.78~15.15)。・飲酒と食習慣の解析には、喫煙解析例のうち9万4,466例が含まれ、追跡期間中央値12.2(IQR:10.5~13.6)年で264例が頭頸部がんを発症した。・頭頸部がんリスクは大量飲酒で増加(HR:1.85、95%CI:1.44~2.38)した一方で、全粒穀物の摂取(1オンス/日、HR:0.78、95%CI:0.64~0.94)、果物の摂取(1カップ/日、HR:0.90、95%CI:0.82~0.98)、Healthy Eating Index 2015でスコア化した健康的な食事の摂取(10ポイント、HR:0.87、95%CI:0.78~0.98)で減少した。 研究者らは「喫煙に関連する頭頸部がんのリスクは、肺に近い部位ほど大きくなった。大量飲酒はより大きな頭頸部がんのリスクと関連したが、健康的な食事はリスクの緩やかな低下と関連した」とした。

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男性乳がん患者、乳がん特異的死亡リスクは?

 StageI~IIIのホルモン受容体(HR)陽性の男性乳がん患者における乳がん特異的死亡リスクを調査した結果、そのリスクは少なくとも20年間持続することを、アルゼンチン・Grupo Oncologico Cooperativo del SurのJulieta Leone氏らが明らかにした。JAMA Oncology誌オンライン版2024年2月29日号掲載の報告。 研究グループは、米国国立がん研究所(NCI)のSurveillance, Epidemiology, and End Results(SEER)の集団ベースのデータを用いて、1990~2008年に乳がんと診断された男性を対象とした観察コホート研究を実施した。累積発生関数を用いて、乳がん特異的死亡および乳がん非特異的死亡の累積リスクに関するベースライン時の変数を推定した。Fine-Gray回帰を用いてあらかじめ選択した変数と乳がん特異的死亡との関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・解析にはStageI~III、HR陽性の男性乳がん患者2,836例が組み込まれた。診断時の年齢中央値は67歳(四分位範囲:57~76)、追跡期間中央値は15.41年(同:12.08~18.67)であった。・乳がん特異的死亡の20年間の累積リスクは、StageIで12.4%、StageIIで26.2%、StageIIIで46.0%であった。・乳がん特異的死亡リスクのピークは二峰性で、N3で4年後、StageIIIで11年後に認められた。・診断から5年生存した患者において、乳がん特異的死亡リスクが高かったのは、64歳以上よりも50歳未満、グレード1よりもグレード2または3/4、StageIよりもIIまたはIIIであった。

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D2B time短縮で心原性ショック伴うSTEMIの院内死亡率が減少(J-PCIレジストリ)/日本循環器学会

 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を受けた心原性ショックを伴うST上昇型心筋梗塞(STEMI)患者における、Door-to-Balloon(D2B)timeと院内死亡率との関連について、国内の大規模なレジストリである日本心血管インターベンション治療学会(CVIT)の「J-PCIレジストリ」を用いた解析が行われた。その結果、D2B timeの10分の延長につき、院内死亡率が7%ずつ増加することが示され、D2B timeを短縮することは院内死亡率の減少につながる可能性が示唆された。3月8~10日に開催された第88回日本循環器学会学術集会のLate Breaking Cohort Studies 1セッションにて、千葉大学医学部附属病院循環器内科の齋藤 佑一氏が発表した。 STEMIの治療成績・予後の決定因子として、発症から冠動脈再灌流までの時間が重要であるものの、その発症時間を正確に同定することが難しいことから、指標として用いられる機会は少ない。そのため、病院到着から再灌流までの時間であるD2B timeが、治療の迅速性を表す実用的な指標として用いられている。しかし、これまでに心原性ショックを合併したSTEMI患者におけるD2B timeに関して検証した報告は乏しい。 J-PCIレジストリは日本において実施されているPCIの約90%をカバーする大規模なデータベースである。本研究ではJ-PCIレジストリデータを用いて、2019年1月~2021年12月にわが国の1,190施設でPCIを受けた73万4,379例のうち、STEMI患者10万672例のデータを解析した。なお本研究では、年齢<20歳もしくは>100歳、STEMI以外のPCI、D2B time<15分未満もしくは>180分、心原性ショックを伴わない心停止症例は除外された。単変量および多変量解析を用いて、D2B timeと院内死亡率との関連を評価した。 主な結果は以下のとおり。・プライマリPCIが実施されたSTEMI患者10万672例において、年齢中央値は69.4±13.0歳、女性23.8%、糖尿病有病率35.5%であった。・心原性ショックを合併した(CS+)患者は、1万3,222例(13.1%)であった。そのうち、心原性ショックを経験したが院外心停止を合併しなかった(CS+/CA-)群は7,994例(60.0%)、心原性ショックと心停止を両方とも合併した(CS+/CA+)群は5,278例(40.0%)であった。・機械的補助循環が使用されたのは、CS+/CA-群:42.2%、CS+/CA+群:49.6%であった。・心原性ショックを合併した患者では左冠動脈主幹部病変が多く認められ、CS+/CA-群:10.7%、CS+/CA+群:12.3%であった。・平均D2B timeは、CS-/CA-群:74.0±30.0分、CS+/CA-群:80.2±32.5分、CS+/CA+群:83.7±34.0分であった(p<0.001)。・院内死亡率は、CA-/CA-群:2.3%、CS+/CA-群:17.0%、CS+/CA+群:36.7%であり(p<0.001)、心停止合併症例ではとくに死亡率が高かった。・心原性ショックを合併したSTEMI患者において、D2B timeの延長は、単変量および多変量モデルにおいて死亡率の上昇と有意に関連していた。D2B timeの10分の延長につき、院内死亡率は7%ずつ増加することが示された(調整オッズ比[aOR]:1.07、95%信頼区間[CI]:1.06~1.08)。またD2B timeが院内死亡率に及ぼす影響について、明確な閾値は同定されなかった。・心停止の有無、機械的補助循環の使用、病院ごとの症例数などで層別化された感度分析においても、D2B timeの短縮は一貫して院内死亡率の減少と関連していた。 国内の大規模レジストリデータを用いた本研究により、D2B timeを短縮する努力は心原性ショックを伴うSTEMI患者の臨床転帰を改善する可能性が示唆された。なお本研究はJACC:Asia誌に掲載される予定だ。

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新規2型経口生ポリオワクチン(nOPV2)、有効性・安全性を確認/Lancet

 新規2型経口生ポリオウイルスワクチン(nOPV2)は、ガンビアの乳幼児において免疫原性があり安全であることを、ガンビア・MRC Unit The Gambia at the London School of Hygiene and Tropical MedicineのMagnus Ochoge氏らが、単施設で実施した第III相無作為化二重盲検比較試験の結果を報告した。nOPV2は、セービン株由来経口生ポリオウイルスワクチンの遺伝的安定性を改善し、ワクチン由来ポリオウイルスの出現を抑制するために開発された。著者は、「本試験の結果は、nOPV2の認可とWHO事前認証を支持するものである」とまとめている。Lancet誌オンライン版2024年2月22日号掲載の報告。ガンビアの乳児および幼児で、有効性、ロット間の同等性、安全性を検討 研究グループは、ガンビアにおいて2021年2~10月に、生後18週以上52週未満の乳児と1歳以上5歳未満の幼児を登録した。 乳児は、nOPV2の3ロットのうちの1つ(各群670例)またはbOPVの1ロット(335例)の計4群に、2対2対2対1の割合で無作為に割り付けられた。また、nOPV2の3群のうち、それぞれ224例は2回投与群(1回目投与の28日後に同じロットのnOPV2を投与)に、bOPV群も同様に112例が2回投与群に無作為に割り付けられた。 幼児は、nOPV2(ロット1)群またはbOPV群に1対1の割合で無作為に割り付けられ、28日間隔で2回投与を受けた。 免疫原性の主要アウトカムは、乳児におけるnOPV2ワクチン1回目投与28日後のポリオウイルス2型のセロコンバージョン(抗体陽転)率で、nOPV2の3群のうち各2群間のセロコンバージョン率の差の95%信頼区間(CI)が-10%から10%の範囲内にある場合、各ロットは同等であるとみなした。 忍容性および安全性の主要アウトカムは、投与後7日までの特定有害事象(solicited adverse events)、28日後までの非特定有害事象(unsolicited adverse events)、および投与後3ヵ月までの重篤な有害事象の発現率で、便中のポリオウイルス排泄量も調査した。全体で2回投与後の抗体保有率は93~96% 乳児2,346例が無作為に割り付けられ、2,345例がワクチンの投与を受け、2,272例が1回投与後の解析対象集団に、また746例が2回投与後の解析対象集団に組み入れられた。幼児は600例が無作為に割り付けられ、全例がワクチン投与を受けた。 乳児の1回投与群におけるセロコンバージョン率は、ロット1が48.9%、ロット2が49.0%、ロット3が49.2%であった。2ロット間のセロコンバージョン率の差の95%CIは、ロット1とロット2の比較で-5.5~5.4、ロット1とロット3の比較で-5.8~5.1、ロット2とロット3の比較で-5.7~5.2であり、ロット間の同等性が示された。 ベースラインにおいて血清陰性であった乳幼児におけるセロコンバージョン率は、乳児で1回投与後が63.3%(316/499例)(95%CI:58.9~67.6)、2回投与後が85.6%(143/167例)(79.4~90.6)、幼児ではそれぞれ65.2%(43/66例)(52.4~76.5)、83.1%(54/65例)(71.7~91.2)であった。 ベースラインにおいて血清陰性および血清陽性であった乳幼児における2回投与後の抗体保有率(血清中和抗体価が≧8を抗体保有と定義)は、乳児で92.9%(604/650例)(95%CI:90.7~94.8)、幼児で95.5%(276/286例)(92.4~97.6)であった。 安全性に関する懸念は認められなかった。1回目投与の7日後にポリオウイルス2型の排泄を認めた乳児は、187例中78例(41.7%)(95%CI:34.6~49.1)であった。

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能登半島地震、医療の復旧支援を厚労大臣に要請/日医

 日本医師会会長の松本 吉郎氏が、2024年3月13日の定例記者会見で、能登半島地震に対する「地域医療、地域包括ケアシステムの復旧支援に関する要請書」を厚生労働大臣の武見 敬三氏に3月8日に直接提出し、長期的な財政支援を要請したことを報告した。 石川県を中心として多数の病院、診療所、介護施設が深刻な被害を受け、今なお本格復旧には至っていない。そこで、大臣との会談で、(1)災害復旧費補助金などによる支援、(2)被災地の医療・介護従事者の確保、(3)他省庁との連携、の3点について配慮を要請し、補助にあたっては被災医療機関が公的か民間かを問わず、事業者負担が極力最小限に抑えられるように求めたという。 とくに、避難者が能登半島に安心して帰還できるよう、離職が相次ぐ看護師や事務職員の確保を含めた被災地の医療機関への支援が不可欠だと強調した。 武見氏は要請書の内容について一定の理解を示し、避難者が元の居住先に戻るためには医療機関や介護施設が復旧している必要があるため、エッセンシャルワーカーの住居確保を優先的に対応していくという意向を示したという。 最後に、「石川県庁のとりまとめによると、災害関連死は1月下旬に15例発生したものの、JMATが多数派遣された2~3月には発生していない。災害救助法の医療関連の適用期間を必要に応じて延長するよう求めつつ、医療ニーズの変化に応じてJMAT派遣を継続していきたい」とまとめた。

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世界の低体重・肥満、約30年でどう変化した?/Lancet

 低体重と肥満は、生涯を通じて有害な健康アウトカムと関連している。国際共同疫学研究グループのNCD Risk Factor Collaboration(NCD-RisC)が、200の国と地域の成人ならびに学童/若年者における、低体重または痩せと肥満の複合有病率の1990~2022年の変化について解析し報告した。ほとんどの国で低体重と肥満の二重負荷(double burden)が肥満の増加により増しているが、南アジアとアフリカの一部では依然として低体重または痩せが多いという。研究グループは、「肥満の増加を抑制し減少に転じさせる一方で、低体重の負荷への対処には、栄養価の高い食品へのアクセスを強化することによる健康的な食事への移行が必要である」とまとめている。Lancet誌オンライン版2024年2月29日号掲載の報告。2億2,200万例のデータをプール解析 研究グループは、200の国と地域における1990~2022年の、身長と体重の測定値がある地域住民を対象とした研究3,663件、合計2億2,200万例のデータを統合し、階層ベイズモデルを用いてメタ回帰分析を行った。 主要アウトカムは、低体重(20歳以上の成人)または痩せ(5~19歳の学童/若年者)と肥満それぞれの有病率、ならびに複合の有病率とした。成人では、BMI値18.5未満を痩せ、BMI値30以上を肥満、学童/若年者では、BMI値がWHO成長基準の中央値より2 SDを下回っている場合を痩せ、2 SDを上回っている場合を肥満と定義した。低体重または痩せ+肥満の複合有病率は、男女とも約7~8割の国や地域で増加 1990~2022年に、成人における低体重+肥満の複合有病率が減少(観察された変化が真の減少である事後確率は少なくとも0.80)した国は、女性では11ヵ国(6%)、男性では17ヵ国(9%)であった。一方、複合有病率が増加(事後確率が少なくとも0.80)した国は、女性では162ヵ国(81%)、男性では140ヵ国(70%)であった。2022年において、低体重+肥満の複合有病率は、ポリネシア、ミクロネシア、カリブ海の島国、中東および北アフリカの国で最も高かった。 2022年に、女性では177ヵ国(89%)、男性では145ヵ国(73%)において、肥満の有病率が低体重の有病率より高かった(事後確率は少なくとも0.80)が、女性で16ヵ国(8%)、男性で39ヵ国(20%)ではその逆であった。 1990~2022年に、学童/若年者における痩せ+肥満の複合有病率は、女子では5ヵ国(3%)、男子では15ヵ国(8%)で減少(事後確率は少なくとも0.80)し、それぞれ140ヵ国(70%)および137ヵ国(69%)で増加(事後確率は少なくとも0.80)した。2022年において、学童/若年者の痩せ+肥満の複合有病率が最も高かった国は、女子がポリネシア、ミクロネシア、カリブ海の島国、男子がポリネシア、ミクロネシア、カリブ海の島国、チリおよびカタールであった。インドやパキスタンなどの南アジアの一部の国でも、痩せが減少しているにもかかわらず複合有病率は高かった。 2022年に、女子では133ヵ国(67%)、男子では125ヵ国(63%)で、学童/若年者の肥満の有病率が痩せの有病率より高く(事後確率が少なくとも0.80)、その逆はそれぞれ35ヵ国(18%)および42ヵ国(21%)であった。 成人ならびに学童/若年者の両方において、ほぼすべての国で、二重負荷(低体重または痩せと肥満の複合有病率)の増加は肥満の増加によって、減少は低体重または痩せの減少によって引き起こされていた。

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